JP2005532095A - 車両座席用給気装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、オープントップの自動車の座席（１２）用給気装置に関する。前記装置は、車両座席の上部領域に設けられた、少なくとも１つの空気流出開口部（１８）を有し、これにより好ましくない通風を軽減するために、車両内に座っているヒトの頭部、肩部、及び首筋部に空気流（Ｌ）が供給される。前記空気流は、制御装置（２４）によって調節できる。本発明の目的は、オープントップの自動車の運転中に、車両内に座っているヒトの乗り心地を改善することである。このため、給気装置に電源が投入された時に、空気流が、制御装置（２４）により、自動的に感知された外部パラメータ値、又は車両内に座っているヒトが選択できる設定値に応じて、割り当てられた基本値（Ｇ１−Ｇ３）に調整される。次いで、別の自動的に感知されたパラメータ値に従って、空気流（Ｌ）が再調整される。

Description

本発明は、請求項１の前文に記載の、オープントップの自動車の車両座席用給気装置に関する。

特許文献１では、車両座席の上部領域に設けられ、かつ好ましくない通風が起きる現象を軽減するために、車両内に座っているヒトの頭部、肩部、及び首筋部に、これを介して空気流を当てることのできる、少なくとも１つの空気流出開口部を有する給気装置について開示している。給気装置には、運転中に流入断面を介して取り込まれ、かつ動圧又は送風機によりライン及びダクトを通って空気流出開口部に送られる空気が供給される。

独国実用新案第９２０１４７４Ｕ１号明細書

本発明の目的は、オープントップの自動車を運転している時に、車両内に座っているヒトに、より快適な乗り心地を提供する、冒頭に述べた種類の給気装置を提供することである。

この目的は、本発明に従って、請求項１の特徴を有する給気装置により達成される。本発明の好ましい改良形態が、従属項に記載されている。

本発明によれば、給気装置に電源が投入された後、空気流は、制御装置により、自動的に感知された外部パラメータ値又は手動で選択された予め定義された値に応じて、基本値に調整される。自動的に感知された外部パラメータ値とは、本明細書においては、具体的には外部温度であると解釈され、空気流は、これに基づいて、割り当てられた温度及び強さに適応される。これは、特に、加熱要素の加熱パワー及び送風機の回転速度を制御することによって行われる。車両内に座っているヒトが選択できる、予め定義された値とは、具体的には、自動車の車室内の調節装置により調整された値であると解釈される。その結果、基本値は、自動的に又は車両内に座っているヒトに応じて調整され、前記基本値は、たとえば外部温度などの少なくともほぼ一定の条件に、好都合にかつ容易に適応され得る。次いで、前述の基本値に基づく空気流のさらなる調整が、自動的に感知されたさらなるパラメータ値、たとえば自動車の運転モードにおいて極めて頻繁に変化する自動車の速度に応じて行われ、この結果、たとえば空気流の強さ又は熱を絶えず適応させることが必要であろう。

たとえば、空気流の基本値を３つのパワーレベルに等級分けし、車両内に座っているヒトが、この最適レベルを選択できるようにすることが効果的であることが実証されている。

以下の好ましい例示的実施形態の記述において、かつ図面を参照しながら、本発明のさらに好ましい特徴及び詳細について説明する。

図１は、車室１０内に、２つの車両座席１２を有する１列の座席が配置された、オープントップの自動車を示す概略側面図である。図１には概略的に示されているだけであるが、さらなる図を参照しながら、以下により詳細に説明する給気装置１４が、２つの車両座席１２のそれぞれの中に組み込まれており、給気装置１４の空気流出開口部１８が、座席１２の背もたれ１６の上部領域の高さに表されている。好ましくない通風が起きる現象を軽減するために、調節可能な空気流が、この空気流出開口部１８を介して、車両内に座っているヒトの頭部、肩部、及び首筋部に供給され得るが、このことについては、以下により詳細に説明する。

給気装置１４は、本明細書においては、外部温度を感知するセンサ２０と、速度を感知するセンサ２２との両方に接続される。２つのセンサ２０、２２は、たとえば各座席１２の内部に配置された制御装置２４に接続され、これにより、空気流出開口部１８から出てくる空気流が、以下に記載する方法で制御される。その上、制御装置２４に接続され、かつこれにより、車両内に座っているヒトが空気流を手動調整できる調節装置２６（これについても以下に記載する）が、自動車の車室内に設けられる。本明細書に示されている例示的実施形態においては、速度は、瞬時速度を電子式信号に変換し、これを制御装置２４に伝達する常駐ＡＢＳ制御装置２８によって感知される。外部温度は、操縦席内の温度を表示するための常駐温度センサ２０によって感知でき、この温度は、電子式信号に変換され、座席１２内の制御装置２４に伝達される。

図２は、給気装置１４が背もたれ１６の中に組み込まれている、図１の座席１２の背もたれ１６の一部を示す概略透視図である。座席１２の背もたれ１６の、背もたれフレーム３０及び後部トリム３２が見える。給気装置１４のダクト設備３６が、背もたれ１６の内部に配置されている。ダクト設備３６の上流に、ハウジング内に収容されている送風機３８が接続されており、この空気吸込口は、背もたれ１６の後部側にある。その上、送風機３８の下流に接続されており、かつ制御装置２４によって制御でき、かつ給気装置１４の空気流の状態を調整できる加熱要素３９が、ダクト設備３６の内部に配置されている。ヘッドレスト（図２には示されていない）の領域において、ダクト設備３６は、空気流出開口部１８が開放されており、これを通って、調整された空気流が、オープントップの自動車を運転している場合に生じる通風現象を著しく軽減するために、車両内に座っているヒトの頭部、肩部、及び首筋部の方向に出てくる。空気流出開口部１８は、ヘッドレストの前部側のほぼ表面で終了しており、その中に組み込まれている。

制御装置２４は、その入力端で、外部温度センサ２０により自動的に感知された外部パラメータ値、及び／又は調節装置２６によって伝達された予め定義された値を感知する。本明細書においては、図４から明らかであるように、外部パラメータ値及び／又は予め定義された値を用いて、空気流Ｌの、低い、中間、又は高い基本値Ｇ１−Ｇ３を調整する。空気流Ｌのこの基本値Ｇ１−Ｇ３は、送風機３８の割り当てられたファン速度ｎ及び加熱要素３９の割り当てられた加熱パワーｈによって決まる。本明細書においては、点線で示されている調節装置２６により、車両内に座っているヒトはまた、たとえば、外部で予め定義された値による自動調整が提供されない場合、又は外部で予め定義された値により予め設定された空気流Ｌが、車両内に座っているヒトにとって低過ぎるか又は高過ぎる場合に、これに対応する基本値Ｇ１−Ｇ３を調整することができる。

図２及び図４を共に考慮することによって明らかであるように、上述した、基本値Ｇ１−Ｇ３から始まる空気流Ｌのさらなる調整（図４）は、センサ２２により自動的に感知された速度Ｖに応じて行われる。したがって、空気流Ｌのさらなる調整は、基本値Ｇ１−Ｇ３から始まり、制御曲線Ｓ１−Ｓ３に沿って行われる。速度Ｖが増加するにつれて、車両内にいるヒトの頭部及び首筋部内の空気流の乱れが大きくなるので、図４から明らかであるように、送風機３８がファン速度の増加により、より多くの空気を送るので、設定された基本値Ｇ１−Ｇ３から始まる空気流Ｌも、これに対応して増加し、加熱要素３９の加熱パワーも、制御装置２４により、送られてくる、より大量の空気に従って増加する。したがって、加熱要素３９の加熱パワーは、速度が低下するにつれて、制御装置２４によって軽減される。本明細書においては、制御曲線Ｓ１−Ｓ３に従って、速度が増加するにつれて、空気流Ｌの直線的な上昇が生じる。同様に、非直線的な上昇、及びこれに対応する制御曲線Ｓ１−Ｓ３の曲線プロファイルも考えられよう。外部パラメータ値が変更された場合には、ファン速度又は加熱パワーを変更するか、或いは両方の値を変更することも考えられよう。外部温度センサ２０により自動的に感知された外部パラメータ値、及び／又は制御装置２６によって伝達された予め定義された値は、制御装置２４内で一定の間隔で調べられる。たとえば、外部温度が特定の値を超えて変更されると、制御装置２４により、空気流Ｌの異なる基本値Ｇ１−Ｇ３が設定される。もちろん、このような状況において、基本値を３つより多く分割することも考えられる。

図３は、さらなる実施形態に従って、ヘッドレスト４４内に給気装置１４が組み込まれている、車両座席のヘッドレスト４４を示す概略断面図である。給気装置１４は、ヘッドレスト４４の前部側から後部側まで延在し、かつ車両の長手方向及びヘッドレスト４４のさらなる下部領域に延びるパイプダクト４６を具備する。パイプダクト４６は、柔らかいプラスチック製又はゴム製であることが好ましい。パイプダクト４６の後部は、本明細書においては、軸方向のファンとして形成された送風機３８の取入側に空気吸込口５０を形成し、エアダクト４６の前部は、空気流出開口部１８の領域内でヘッドレスト４４の前部側に開放されている。加熱要素３９は、ヘッドレスト４４のほぼ中央のパイプダクト４６の内部に配置される。車両内に座っているヒトの頭部、首筋部、及び肩部に、最適な形で暖かい空気を伝導するために、複数の調整可能な空気方向羽根４８を有する空気伝導装置が、空気吹出口ダクト４６の出口開口部１８の領域内に配置される。空気流Ｌは、制御装置２４により、送風機３８のファン速度ｎ及び加熱要素３９のそれぞれ割り当てられた加熱パワーｈにより、第１の例示的実施形態と同一の方法で調節され、前記調節プロセスは、特に、再び外部温度又は速度に応じて行われる。加熱要素３９の制御手段及び送風機３８の制御手段は第１の例示的実施形態と同一であるので、図３には、制御装置２４は示されていない。

本発明による、給気装置を有する車両座席を備えたオープントップの自動車を示す概略側面図である。 背もたれ内に給気装置が組み込まれている、車両座席の背もたれの一部を示す概略透視図である。 ヘッドレスト内に給気装置が組み込まれている、車両座席のヘッドレストを示す概略断面図である。 送風機のファン速度及び加熱要素の加熱パワーを有する空気流と、自動車の速度との関係を示す図である。

Claims (7)

1. 車両座席（１２）の上部領域に設けられ、かつ好ましくない通風が起きる現象を軽減するために、車両内に座っているヒトの頭部、肩部、及び首筋部に、開口部を介して空気流（Ｌ）が当たる、少なくとも１つの空気流出開口部（１８）を有するオープントップの自動車の前記車両座席（１２）のための給気装置であり、前記空気流（Ｌ）が、制御装置（２４）によって調節され得る給気装置であって、
   前記給気装置に電源が投入された時に、前記空気流（Ｌ）が、前記制御装置（２４）により、自動的に感知された外部パラメータ値、又は車両内に座っているヒトによって選択可能な予め定義された値に応じて、割り当てられた基本値（Ｇ１−Ｇ３）に調整され、前記空気流（Ｌ）のさらなる調整が、該割り当てられた基本値から始まり、自動的に感知されたさらなるパラメータ値に応じて行われることを特徴とする給気装置。
2. 前記空気流（Ｌ）の前記基本値（Ｇ１−Ｇ３）が、前記外部温度に応じて調整されることを特徴とする請求項１に記載の給気装置。
3. 前記空気流（Ｌ）の前記基本値が、複数のパワーレベル（Ｇ１−Ｇ３）の１つに調整され得ることを特徴とする請求項１に記載の給気装置。
4. 前記空気流（Ｌ）の前記基本値（Ｇ１−Ｇ３）が、送風機（３８）の割り当てられたファン速度（ｎ）及び加熱要素（３９）の割り当てられた加熱パワー（ｈ）によって決まることを特徴とする請求項１に記載の給気装置。
5. 前記空気流（Ｌ）のさらなる調整が、前記基本値（Ｇ１−Ｇ３）から始まり、前記自動車の速度（Ｖ）に応じて行われることを特徴とする請求項１に記載の給気装置。
6. 前記空気流（Ｌ）のさらなる調整中に、送風機（３８）の前記ファン速度（ｎ）が、前記自動車の速度（Ｖ）に応じて調整され得ることを特徴とする請求項５に記載の給気装置。
7. 前記基本値（Ｇ１−Ｇ３）を調整するための前記外部パラメータ値が、運転操作中に一定の間隔で新たに決まることを特徴とする請求項１に記載の給気装置。

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