JP2005530047A - アルミニウム合金製の板および条のための表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、化成処理層を形成するための、アルミニウム合金製の板または条の表面処理方法を対象とするものであって、板または条は、熱処理と、それに続く液体中での冷却とを有する製造工程に由来するものであり、該方法においては冷却液を用いた化成処理が実施される。好適には、冷却液は、金属Si、Ti、Zr、Ce、Mn、MoまたはVのうちの少なくとも一つの、少なくとも一つの塩を、重量で1と10%の間で含有する。本発明は、接着または点溶接される自動車の車体部品の製造のための、制御された酸化物層を必要とする板および条に、特に適用される。
Description
本発明は、アルミニウム合金製の板および条の表面処理の分野に関するものであって、より詳細には、アルミニウム協会の呼称によるところの6xxx系または5xxx系合金製の、とりわけ自動車の車体部品の製造のための、板および条の表面処理の分野に関するものである。
自動車の建造において、車両の重量を、つまりは、気化燃料の消費と汚染物質および温室効果ガスの排出とを減らすために、アルミニウムの利用は増大している。板は、車体の外被部品、特に扉の製造のためにとりわけ用いられる。このタイプの用途では、次のような、ときに対立する一連の特性が求められる:
−型打ち鋳造および接合固定作業のための高い成形性、
−板の引き渡しにおける、スプリングバックをコントロールするための制御された弾性限界、
−部品の重量を最小にしながらも、へこみに対する良好な強度を得るための、塗料の加熱後の高い機械的強度、
−乾燥したまたは脂分のある板に対する組立作業に適合した表面品質、
−腐食、とりわけ糸状腐食に対する良好な強度、
−成形および塗装の後の良好な表面品質、
−製造廃棄物または寿命を終えた車両のリサイクルの要求への適合性、
−大量生産のために許容可能なコスト。
−型打ち鋳造および接合固定作業のための高い成形性、
−板の引き渡しにおける、スプリングバックをコントロールするための制御された弾性限界、
−部品の重量を最小にしながらも、へこみに対する良好な強度を得るための、塗料の加熱後の高い機械的強度、
−乾燥したまたは脂分のある板に対する組立作業に適合した表面品質、
−腐食、とりわけ糸状腐食に対する良好な強度、
−成形および塗装の後の良好な表面品質、
−製造廃棄物または寿命を終えた車両のリサイクルの要求への適合性、
−大量生産のために許容可能なコスト。
このような要求から、ヨーロッパでは、外被にはAl−Mg−Si合金、すなわち6000系の合金が、補強材または裏打ちには5000系のAl−Mg合金が選択されるに至った。表面状態に関しては、要求は、用いられる組立方法と結びついている。
機械的な組立については、適度に清潔な状態のみを除けば、表面品質に関する特別な要求はない。ボンネットのような接合固定され接着された部品については、接着作業は、たいていの場合、接合部の状態を損なうことなく脂分のある板に対して行われる。
溶接作業は、溶接部の多孔質巣および亀裂を減らすために、タイプによっては、清潔な、すなわち脱脂された表面が必要になるときがある。しかしながら、これは、レーザー溶接の場合には、それほど重大ではない。この場合、表面の反応は、ヨーロッパでは、DVS2929規格に沿って測定された接触強度の値によって決定される。
航空機建造における構造的な接着については、通常、接着の前に表面の事前処理が行われるが、これは一般的には、クロムまたはリンの陽極処理である。包装材または建物のようなその他の用途分野においては、クロムをベースにした化成処理が用いられる。これらの処理は、今でもしばしば用いられているものの、六価クロムが存在するおそれによる環境的な理由から、なくなる可能性がある。
より最近の処理では、クロムの代わりに、ケイ素、チタンまたはジルコニウムのような元素が用いられる。このような処理は、例えば、米国特許第5514211号明細書(Alcan)、米国特許第5879437号明細書(Alcan)、米国特許第6167609号明細書(Alcoa)、および欧州特許第0646187号明細書(Boeing)に記載されている。
自動車の構造部品については、組立作業に適合した表面の準備の必要が生じる可能性がある。これらの事前処理を実現するには、時間と費用がかかる。実際、表面層の形成には、数が8を超えることのあるタンクを用いた様々な浴の一連の操作が必要である。例えば、標準的な処理ラインは、2つのアルカリ性脱脂浴、次いで、2つの洗浄浴、一つの酸性中和浴、一つの特殊処理浴、次いで、2つの洗浄浴、および一つの乾燥過程から成る。これらの浴の大部分はときに60℃まで加熱され、これによりエネルギーが消費される。
米国特許第5514211号明細書
米国特許第5879437号明細書
米国特許第6167609号明細書
欧州特許第0646187号明細書
したがって、本発明は、条または板を操作する作業をできる限り減らしながらも、自動車建造の要求に適合したアルミニウム合金製の条または板に対する事前処理を実現することを提案するものである。本発明の目的は、特に、自動車で用いられる糊および接着剤の接着に関する高い性能、点溶接に関する高い性能、ならびに、表面品質の経時的安定性をもった車両の車体部品の組立に適した板を提供することである。
本発明は、化成処理層を形成するための、アルミニウム合金製の板または条の表面処理方法を対象とするものであり、該板または該条は、熱処理とそれに続く液体中での冷却とを有する製造工程に由来するものであり、該方法においては冷却液を用いた化成処理が実施されるが、好適には、事前または事後の表面処理は一切行われない。好適には、冷却液は金属Si、Ti、Zr、Ce、Mn、MoまたはVのうちの少なくとも一つの、少なくとも一つの塩を、重量で1と10%の間で含有する。
例えば6XXX系合金製の板の製造方法は、プレートの鋳造と、場合によってはこのプレートのスカルピングと、550と580℃の間に含まれる温度でのその均質化とを有する。熱間圧延は、540℃を超える入口温度で行われる。熱間圧延された条は、次に、最終的な厚さになるまで冷間圧延される。最後の冷間圧延工程は、テクスチャード加工されたロールを用いて、例えばエレクトロンビーム(EBT)、放電加工(EDT)、またはレーザービームによる処理よって、実施されることが可能であり、これにより、塗装後に形成された部品の成形性および表面の外観を改善する。
溶解は、燃焼を避けつつも、合金の融解が始まる温度にできるだけ近い温度で行われる。条は、温度が500℃を超える、処理用の均質化炉内を通過する。溶解された金属は、直ちに冷水を含有する容器を通過することで焼入れされるか、またはこの冷水による散水を受ける。
本発明の特徴は、まさに、表面と反応する液体を用いて焼入れを実施することにより、化成処理の表面処理の長い作業によって一般的に得られるものに匹敵する接着と安定の特性を有する酸化物層を形成するということである。したがって、化成処理で通常用いられる化学的な事前処理および事後処理の作業を完全になくすことが可能である。
焼入れは、好適には、Si、Ti、Zr、Ce、Mn、Mo、Vのような金属元素、または例えばTi/Zr生成物のようなこれらの元素の組み合わせを含有する溶液を用いて実現され、該溶液は、金属の表面と化学的に反応して、自然の酸化物よりも安定した酸化物層を形成することができる。確認されたところによると、条が液体と接触しているのは生産速度と両立しうるような非常に短い時間でしかないにも関わらず、この作業を実施することが可能であった。
六価クロムを含有する生成物が場合によっては形成されるのを避けるために、クロムを含有する試薬を除去することが好ましい。
形成された酸化物は、アルミニウムと、浴の中に存在する元素とを同時に結合させる。チタン、ジルコニウム、セリウム、コバルト、マンガン、バナジウムの塩、またはケイ素を含む化合物を含有するもののように、市場では数多くの浴の組成が利用可能である。
浴と熱い金属とが接触することは、反応の欠如または溶液の化合物の分解に関する懸念を抱かせる可能性があった。ところが、そのようなことは全くなく、浴内に既に存在している主要な元素が層内に存在することが、ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)分析またはX線分析によって確認されている。これらの元素は、結合して、安定した層を形成し、該層は、処理される金属上の接着剤に、固定ベースとして役立つ。焼入れ作業の際に形成されるこの酸化物は、金属を常温の浴で焼入れするときに得られるものよりも安定しているようである。他方、温度によって化学反応が促進され、したがって、接触時間が短縮されるため、結果、生産性が増す。浴の初期の分子群が表面に接触するようになり、炉内での高温溶解作業で除去されなかった汚染物質の残りを気化させるのに役立つと考えることができる。確認されているところによると、この捕集により、単に炉を通過させるだけでは除去できない、質量の小さな粒子を取り除くことが可能になる。同じ作業の過程で合金はべーマイト処理を受け、そして次に浴が表面と反応して新たな酸化物を形成し、該酸化物は、接触時間と用いられる生成物とに応じて、一定の厚さまで増えることになる。
焼入れ浴内の添加剤は濃度が非常に低く、10%を下回り、また好適には1と5%の間である。同様に、酸性度という観点での浴の有害性は、pHが3と11の間に含まれる浴を用いることによって制限される。
400℃程度で処理される5000系合金の場合のように、溶解されておらず、かなり低い温度での熱処理しか受けていない合金製の板および条に対しても、同様のタイプの処理を実施することが可能である。合金のタイプによって、この温度は250℃まで下げることが可能であり、さらに、形成される生成物の品質が明らかに損なわれることはないのである。この場合、熱脱脂効果が低下するおそれは確かにあるものの、脱脂は他の手段によって得ることが可能である。したがって、本発明は、熱処理とそれに続く液体内での冷却を受け、制御された表面の酸化物を必要とする全ての合金に対して適応可能である。
形成された層は、X線により、またはESCA分析により、検査されることが可能であり、それによって、層の構成要素に関する情報が与えられるが、ESCAについては更に、諸元素が含まれている化学結合に関する情報も与えられる。
酸化物の厚さは非常に薄く、5から50nmの範囲である。この厚さは20μΩより小さい接触抵抗によって測定することができるため、したがって、自動車産業の要求に適合した値である。
焼入れの後には、例えば、塗料の加熱の際の硬化性能を改善するための事前焼戻しのような、熱処理を行うことが可能である。次に条は、平らにされた後で再コイリングされる。板は、成形の前に、包装および組立に適し、かつ、実現すべき部品の表面処理に適合した潤滑剤、とりわけ乾燥潤滑剤で被覆されることができる。
板は、たいていの場合、この段階で多少なりとも長い間保管され、それによって、構造的な硬化合金の場合には、自然時効がもたらされて、6xxx系合金についての弾性限界が時間の経過にしたがって上昇する。
保管条件(温度、湿度)が制御されていない場合、しばしば、自然な酸素の水和が起きる。この反応は熱力学的には可逆的であるが、ときには高い水和率で部品を組み立てることになる可能性があり、このことは、組立作業と組み立てられる部品の寿命に対して有害である。
接着に対する表面の適性は、接着テストによって検査されることが可能であるが、これは例えば、ASTM D−3762(またはNF T76−114)規格に沿った分裂テスト(いわゆるBoeingテスト)であり、構造的な接着適性を測定するための、よく知られたものである。接着後の試験片は、温度が50℃で湿気のある雰囲気内で、エイジングされる。
本発明によるアルミニウム合金製の板および条の表面処理方法は、組立前の車体用の板の、とりわけ接着または点溶接による処理に特によく適合している。しかし、経時的な安定性について不動態化した板表面と制御された酸化物層とを必要とする他の分野に適用することも可能である。
6016合金製の厚さ1.2mmの板を、550℃程度の温度で加熱し、次いで、Chemetall社製の生成物を2.5%含有する浴に浸したのだが、この生成物は、不動態化した溶液を作るための、Gardobond 4591(登録商標)と呼ばれるものであり、接着用の活性元素としてチタンとジルコニウムとを含有している。焼入れの後、板の二枚のプレートが裁断されて、NF T76−114規格に記載された手順に沿って、接着用強化試験片が実現された。200×150mmのプレートは、構造を強化するためにリンの陽極処理で処理された2017−T4合金製のプレートと一面で張り合わせられた。接着のために用いられた接着剤は、Dow Automotive社製のモノ成分エポキシ接着剤である。
125×12.5×1.2mmの試験片の裁断後、接着された二枚のプレートの間に一端を挿入し、そして、この作業によって引き起こされた亀裂の伝播を測定する。この時点T0での亀裂の長さをl0と呼ぶ。試験片は次に、50℃でパップ剤タイプの、湿気のある雰囲気内に置かれる。これらのエイジング条件で96時間維持した後、試験片を取り出し、新たな亀裂の長さltを測定する。試験の度ごとに、平均値が1になるように三つの試験片を実現する。確認したところによると、伝播の変動Δl=lt−l0は10mmと非常に小さく、接着接合部の良好な状態を示している。実際には、高性能でない組立については、非常にわずかな時間でプレートが非粘着性により分離してしまうことがありうる。
前述したような焼入れ処理をされた板サンプルについて、DVS2929規格に沿って、接触抵抗を測定した。10回の測定の平均値は、17.3μΩであり、これは、この処理された材料が点溶接における優れたふるまいを有していることを意味している。
6016合金製の厚さ1.2mmの板を、530℃程度の温度で加熱し、次いで、Degussa社製の生成物DYNASYLAN(登録商標)Glymo(3−グリシジル−オキシ−トリメトキシ−シラン)を2%含有する浴に浸した。焼入れの後、板の二枚のプレートが裁断されて、NF T76−114規格に記載されたテストに沿って、接着用強化試験片が実現された。200×150mmのプレートは、構造を強化するために2024合金製のプレートと一面で張り合わせられた。接着のために用いられた接着剤は、Dow Automotive社製のモノ成分エポキシ接着剤XW1044−5であり、180℃で20分間加熱された。
125×12.5×1.2mmの試験片の裁断後、接着された二枚のプレートの間に一端を挿入し、そして、この作業によって引き起こされた亀裂の伝播を測定する。この時点T0での亀裂の長さをl0と呼ぶ。試験片は次に、50℃でパップ剤タイプの、湿気のある雰囲気内に置かれる。これらのエイジング条件で96時間維持した後、試験片を取り出し、新たな亀裂の長さltを測定する。確認したところによると、伝播の変動(3つの試験片の平均)Δl=lt−l0は8mmと非常に小さい値であり、接着接合部の良好な状態を示している。先と同じように、DVS2929規格に沿って接触抵抗を測定したところ、10回の測定の平均値は、17.3μΩであり、これは、この処理された材料が点溶接における優れたふるまいを有していることを意味している。
同様の方法で、ただしDegussa社製の生成物DYNASYLAN(登録商標)Ameo(アミノ−プロピル−エトキシ−シラン)を含有する浴を用いて、試験片が作られた。伝播の値Δlは13.9mmである。この値は先のものに近く、接着における良好なふるまいを同様に示している。
同様の方法で、ただしHenkel社製の生成物Alodine2040を含有する浴を用いて、試験片が作られた。接着後、端部の設置作業の際にプレートが直ちに分離したことが確認され、これは、表面の調製がひどいことに関連して接着状態が悪いことを示している。実際、これらのサンプルについては、粗く、均質でない表面状態が観察された。この生成物は本発明の処理には適合していない。
アルカリ性の脱脂、酸性の脱酸素、Henkel社のチタンAlodine 2040の接触時間15秒での従来の処理、および乾燥と、これら様々の過程の間で洗浄がなされたプレートから試験片を作った。得られたΔlの値は14.1mmで、本発明による処理の値よりもわずかに高い。この実施例は、従来のラインでの処理を表しており、焼入れまたは散布によって作業される。この処理は長く、コストがかかるものであり、多大な投資が必要となる。
処理は先のものと同一であるが、ただし、Chemetall社の生成物Gardobond4591(登録商標)を使って、チタン/ジルコニウムベースのクロムなしの処理を用いた。得られたΔlの値は9.1mmで、本発明による処理で得られるものとほぼ同じである。
処理は先のものと同一であるが、ただし、Henkel社のAlodine2840(登録商標)チタンベースのクロムなしの浴を用いた。得られたΔlの値は4.2mmで、本発明による処理で得られるものよりも少し良い。しかしながら、この方法は、操作の面でずっと長い時間がかかり、高価である。
処理は先の実施例のものと同一であるが、ただし、Chemetall社のGardobond 4707(登録商標)チタンベースのクロムなしの浴を用いた。得られたΔlの値は8.4mmで、本発明による処理で得られるものとほぼ同じである。
この処理の際に、板は溶媒による脱脂をされ、次いでHenkel社のAlodine 2040(登録商標)の浴内で焼入れされた。接触時間は実施例5、6、7および8と同一、すなわち15秒である。得られたΔlの値は65.3mmである。亀裂伝播の値が大きいことは、処理が効果的ではないことを示している。しかしながら、この処理は、実施例4の処理ほどはひどくない。
観察されたふるまいは、試験片が化学的に脱脂されなかったときの、浴の反応の欠如に関連している可能性がある。本発明による処理の場合には、温度を上げることで、また、温度によって反応が促進されることにより、脱脂が確実に行われ、熱い板が生成物と接触する際に残留物の除去が行われる。
本発明に従って処理された試験片に対して実施されたESCA分析が示すところによると、ケイ素の浴に対応する試験片を除けば、炭素の割合は低く、従来の事前処理ラインの条件に従って化学的に脱脂された試験片と同じレベルにある。形成された層の厚さは、従来形成される層よりも大きい。シランの化合物(実施例2および3)は、より高い炭素の割合を示すが、これは、これらの材料が有機鎖を含有していることと関連している。これらのシラン化生成物(実施例2および3)を作用させる処理によって形成された層は、酸化ケイ素を大量に含有しているが、この材料は、糊、ニス、塗料の接着を促進するものとして知られている。
浴内に存在する化学元素は、本発明の処理によって残された酸化物層の中にあるということを指摘しておく。実施例1の浴はチタンとジルコニウムを含有しており、また、この浴から形成された層は、それらを同等の割合で含有する。実施例4の条件で形成された層は、従来の事前処理技術によって調製された生成物に近いチタン含有率を示すが、しかし、この層は、接着テストで良好な結果をもたらさなかった。透過式電子顕微鏡を用いて行われた分析が示すところによると、本発明の方法に従って得られた層の厚さは、8から50nmの範囲に位置している。
様々な実施例の結果は、表1にまとめられている。
Claims (6)
- 化成処理層を形成するための、アルミニウム合金製の板または条の表面処理方法であって、板または条が、熱処理と、それに続く液体での冷却とを有する製造工程に由来するものであり、冷却液を用いた化成処理が実施される方法。
- アルミニウム合金が5000系または6000系の合金であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 処理層が、5と50nmの間に含まれる厚さを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 冷却液が、金属Si、Ti、Zr、Ce、Mn、MoまたはVのうちの少なくとも一つの、少なくとも一つの塩を、重量で1と10%の間で含有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
- 冷却液が、3と11の間に含まれるpHを有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
- 冷却液内での化成処理が、事前または事後の表面処理を一切有さないことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一つに記載の方法。
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