JP2005529596A - ポリヌクレオチド分子の製造方法 - Google Patents

ポリヌクレオチド分子の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、改変された特性を有するポリヌクレオチド分子の製造方法に関する。該方法は、(a)二本鎖ポリヌクレオチド分子、または二本鎖ポリヌクレオチド分子の集団を準備し、ここで、該集団の個々のポリヌクレオチドは少なくとも1つの相同配列部分および少なくとも1つの非相同配列部分を有し、(b)該二本鎖ポリヌクレオチド分子において一本鎖に切れ目を導入し、(c)該一本鎖の切れ目から出発して5'→3'核酸分解を行い、それと同時に5'→3'の方向に新たな合成を行い、該一本鎖の切れ目を3'末端の方向に移動させ、(d)一本鎖ポリヌクレオチド分子を調製し、(e)工程(d)で得た一本鎖ポリヌクレオチド分子の部分二本鎖ポリヌクレオチド分子を調製し、(f)工程(e)で調製した部分二本鎖ポリヌクレオチド分子から鋳型依存的核酸合成を行う工程を含むサイクルを行うことを含み、工程(b)および(c)は連続的または同時に行うことが可能である。

Description

本発明は、改変された特性を有するポリヌクレオチド分子の製造方法に関する。
生体分子、特に生体高分子、例えばポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖などは、我々の知る生命体の基礎を形成しているだけでなく、多種多様な産業用途に益々頻繁に使用されるようになっている。新規な機能生体分子の探索、その単離および製造ならびにその産業上の利用は現代のバイオテクノロジーの主要課題である。自然界における所望の特性を有する未知生体分子を偶然見出すこと(天然物質のスクリーニングを参考にされたい)に加えて、最近になって、自然進化の原理を実験室内で模倣する方法が現れた。
点突然変異の作製方法(塩基の置換、欠失および挿入の形態のもの)に加えて、配列断片の組換えは、点突然変異の結合のためだけでなく、高分子内のドメイン、ヘテロ多量体のサブユニット、遺伝子クラスター内の遺伝子変異体またはゲノム内の遺伝子の結合のためにも実際に非常に成功した方法である。相同組換え、すなわち、配向およびリーディングフレームを維持したままの異なる変異体由来の対応配列断片の結合は特に重要である。
実験的には、組換えは様々な方法で達成され、第1に、in vitroでは、個々の酵素の機能もしくは一定の混合物または一連の酵素プロセシング工程を用いることにより、第2に、in vivoでは、細胞組換えおよび/または修復過程を用いることにより達成される。
これまでのところ、産業用のin vitro法においては、主として、PCRに基づく方法が用いられている。ここでまず最初に挙げるべきは、セキュアル(secual)PCR(WO 95/22625; Stemmer, Nature 370 (1994), 389)とも称されるDNAシャフリングである。この場合、重複する配列を有するランダムな遺伝子断片を作製し、ついでプライマーの付加無しでPCRにより再構築して元の長さの産物を得る。したがって、各PCRサイクルにおいて、異なる起源の断片を、相互のプライミングにより、ランダムかつ相同に結合させて産物分子を得ることが可能である。DNAシャフリングは、原理的には、断片長を調節することにより組換え事象の頻度を限定することを可能にする。しかし、この方法では、核酸断片を作製するための反応条件を最初に確立しなければならないため、この方法は実験的に複雑である。組換えDNAをin vitroで製造するためのもう1つの方法はShaoら, Nucl. Acids Res. 26 (1998), 681により報告されている。この方法においては、ポリヌクレオチド内のランダムな位置で重合が開始するのを可能にするランダムな配列のプライマーが使用された。したがって、DNAシャフリングと同様に、相互のプライミングにより互いに組換わりうる短いポリヌクレオチド断片が産生される。この方法を用いることによっては組換え頻度を制御することはほとんど不可能である。さらに、非特異的プライマーは比較的高い固有のエラー率を招き、これは高感度配列断片および/または長い遺伝子の場合に問題となりうる。これらの方法の代替法として、スタッガー(staggered)伸長法(WO 98/42728; Zhaoら, Nat. Biotechnol. (1998), 258)では、PCR増幅中に鎖交換を誘発するために、修正されたPCRプロトコールを用いる。融解段階とアニーリング段階との間に非常に短い重合温度段階を用いることにより、不完全な産物が新たな鋳型にハイブリダイズし、更に伸長されうる。組換え頻度は、重合時間およびサイクル数を予め設定することにより調節されうる。この場合の技術的な制約は、非常に短い特定の温度段階の正確な設定である。PCRに基づくこれらの方法の代替法として、突然変異を有するポリ
ヌクレオチド配列集団からヘテロ二本鎖を作製する方法が記載されており、この方法では、ついで該へテロ二本鎖をin vivoで細胞内に導入することにより又はin vitroで細胞抽出物と共にインキュベートすることにより、該へテロ二本鎖をランダムな修復に付して、出発集団における変異体の相対頻度に応じた或る比率の組換え分子変異体を得る(WO 99/29902)。この方法は、不対塩基を特異的に認識し二本鎖内の2本の鎖をランダムに修復する細胞修復系の使用により特徴づけられる。この方法は、1つにはポリヌクレオチドを細胞内に導入する際の限られた効率により、または修復過程の制御可能性の欠如により制限される。さらに、決定的な欠点は、各修復段階において2つの出発分子しか互いに組換えられ得ないことである。
本発明の目的は、ポリヌクレオチド分子の遺伝子型の効率的な組換えを可能にすることにより、改変された表現型を与え、公知方法の前記欠点を伴わない、改変された特性を有するポリヌクレオチドの製造方法を提供することである。
本発明者らは、特許請求の範囲に記載されている実施形態を提供することによりこの目的が達成されることを見出した。
したがって、本発明は、
(a)二本鎖ポリヌクレオチド分子、または二本鎖ポリヌクレオチド分子の集団を準備し、ここで、該集団の個々のポリヌクレオチドは少なくとも1つの相同(homologous)配列断片および少なくとも1つの非相同(heterologous)配列断片を有し、
(b)該二本鎖ポリヌクレオチド分子において一本鎖に切れ目を導入し、
(c)該一本鎖の切れ目から出発して5'→3'核酸分解を行い、それと同時に5'→3'デノボ(de-novo)合成を行い、該一本鎖の切れ目を3'末端の方向に移動させ、
(d)一本鎖ポリヌクレオチド分子を調製し、
(e)工程(d)で得た一本鎖ポリヌクレオチド分子の部分二本鎖ポリヌクレオチド分子を調製し、
(f)工程(e)で調製した部分二本鎖ポリヌクレオチド分子から鋳型依存的核酸合成を行う工程を含む少なくとも1つのサイクルを行うことを含んでなり、工程(b)および(c)を連続的または同時に行うことが可能である、改変された特性を有するポリヌクレオチド分子の製造方法に関する。
したがって、本発明の方法は、既に記載されている方法のいずれによっても達成され得なかった利点の組合せにより特徴づけられる。該方法の更なる利点としては、それが実験的に複雑でないこと、および短時間しか要しないこと、また、自動化の可能性を有することが挙げられる。
本発明の方法は、核酸分解と核酸合成とを同時に行うこと(すなわち、ニックトランスレーション)により、過剰な核酸の断片化および組換え可能な核酸の分解の両方が回避されることにより特徴づけられる。原理上は、使用するDNAの全量が後続のin vitroでの該核酸の組換えに利用される。
これにより、in vitroでの核酸組換えのための既に報告されている方法と比較して組換え効率の増加が可能になる。
好ましい実施形態は、前記工程(a)〜(d)を含む1を超えるサイクル、すなわち、少なくとも2、好ましくは少なくとも5、特に好ましくは少なくとも10、非常に好ましくは少なくとも20サイクルを行うことを含む。
したがって、本発明の方法をサイクルとして適用することは、関連ポリヌクレオチド配列の出発分布(starting distribution)から、新たに数回結合された配列領域を有するポリヌクレオチドを製造することを可能にする。こうしたサイクル適用は、特に、複数の異なる非相同配列断片が互いに結合することを可能にする。さらに、サイクル数によりポリヌクレオチド鎖当たりの組換え頻度を厳密に制御することが可能である。また、サイクル適用は、このように、1つのサイクルから次のサイクルまでの組換え事象間の平均間隔を制御することを可能にする。
もう1つの好ましい実施形態においては、本発明の方法の1サイクル、数サイクルまたは全サイクルの後で選択工程を行う。該選択工程は、該ポリヌクレオチドの遺伝子型もしくは表現型のいずれか又は遺伝子型と表現型との両方に関するものでありうる。
この場合、ポリヌクレオチドの遺伝子型は該ポリヌクレオチドにおける異なる単量体の配列である。表現型はポリヌクレオチド分子の及びポリヌクレオチドによりコードされる転写または翻訳産物の機能と特性との総体である。
該選択工程は、例えば、増幅共役(自然)選択(amplification-coupled (nature) selection)、物理的分離による選択、またはスクリーニングによる選択により行うことができる(KoltermannおよびKettling, Biophys. Chem. 66 (1999), 159; Kettlingら, Current Topics in Microbiol. and Immunol. 243 (1999), 173; Koltermann, Dissertation, TU Berlin (1998), Zhaoら, in Manual of Ind. Microbiol. and Biotechnol. Chapter 49, pp. 597604, ASM Press, Washington, DC, 1999; Reetz, Angew. Chem. 113 (2001) 113, 292-320)。本発明の方法の工程(a)では、二本鎖ポリヌクレオチド分子、または二本鎖ポリヌクレオチドの集団を準備する。
本発明の方法の工程(a)に従い準備される二本鎖ポリヌクレオチド分子の集団は、少なくとも1つの相同配列断片と少なくとも1つの非相同配列断片とを含む少なくとも2つのタイプのポリヌクレオチド分子を含む二本鎖ポリヌクレオチド分子の任意の集団でありうる。この場合、「一本鎖ポリヌクレオチド分子の集団」なる語は、ある量のポリヌクレオチド分子を指し、この場合、該分子間の特異的塩基対形成の形態の分子間相互作用は妨げられているか又は存在しない。この場合の「ポリヌクレオチド」(核酸、オリゴヌクレオチド)なる語はDNAおよびRNAの両方を包含し、ポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖形態でありうる直鎖状の一定方向(5’→3')のヘテロ重合体である。二本鎖においては、2本の一本鎖が特異的塩基対形成の形態の相互作用により互いに結合している。原則として、該ポリヌクレオチドは、修飾単量体を有するDNAまたはRNAであってもよい。一般に、該方法は、同様に構築される人工的重合体、およびDNA-RNAハイブリッド二本鎖にも適用されうる。
「相同(homologous)断片」なる語は、2以上のポリヌクレオチド分子において同一または相補的である断片、すなわち、対応位置において同じ情報を含有する断片を意味する。「非相同(heterologou)断片」なる語は、2以上のポリヌクレオチド分子において同一でも相補的でもない断片、すなわち、対応位置において異なる情報を含有する断片を意味する。この場合、ポリヌクレオチド分子の情報(遺伝子型)はポリヌクレオチド分子内の異なる単量体の配列を意味する。非相同配列領域は少なくとも1ヌクレオチド長であるが、実質的にそれより長くてもよい。非相同配列領域は、特に、2ヌクレオチド長または3ヌクレオチド長、例えば1つのコドン、好ましくは5を超えるヌクレオチド長、特に好ましくは10を超えるヌクレオチド長でありうる。原則として、非相同領域の長さは上限を有さない。しかし、好ましくは、非相同領域は10 000ヌクレオチドを超えるべきではなく、特に好ましくは、5 000ヌクレオチドを超えるべきではなく、特に、2 000ヌクレオチドを超えるべきではなく、非常に好ましくは、1 000ヌクレオチドを超えるべきではない。この種の比較的長い配列断片は、例えば、抗体、タンパク質のドメイン、遺伝子クラスター内の遺伝子またはゲノムの領域をコードする配列の超可変領域でありうる。該非相同領域は、好ましくは、ポリヌクレオチド分子が個々の塩基において互いに異なる配列領域である。しかし、非相同領域はまた、ポリヌクレオチド分子内に存在する又は生じる欠失、重複、挿入、逆位または付加に基づくものであってもよい。
本発明の方法の工程(a)に従い準備された二本鎖ポリヌクレオチド分子は、少なくとも1つの相同配列領域および少なくとも1つの非相同配列領域を有する。しかし、好ましくは、それは複数の相同断片および非相同断片を有する。原則として、相同断片および非相同断片の数に上限は存在しない。
該二本鎖ポリヌクレオチド分子内の非相同断片は、各場合に、相同断片により遮断される。この場合相同断片は、優先的には少なくとも5、好ましくは少なくとも10、特に好ましくは少なくとも20ヌクレオチド長である。しかし、非相同断片と同様に、相同断片は実質的にそれより長くてもよく、原則として、それらの長さの上限は存在しない。それは、優先的には、50 000ヌクレオチドを超えるべきではなく、好ましくは、20 000ヌクレオチドを超えるべきではなく、特に好ましくは、10 000ヌクレオチドを超えるべきではなく、非常に好ましくは、1 000ヌクレオチドを超えるべきではない。
二本鎖ポリヌクレオチド分子は、当業者に公知の方法により本発明の方法の工程(a)に従い準備されうる。これらには、例えば、物理的、化学的、生化学的および生物学的方法が含まれる。これらには、例えば、オリゴヌクレオチドの化学合成、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による核酸の合成、プラスミド、コスミド、ファージ、BAC(細菌人工染色体)、YAC(酵母人工染色体)または染色体DNAの調製のような合成方法および調製方法の両方が含まれる。
本発明の方法の特に好ましい実施形態においては、相同断片および非相同断片を有する二本鎖ポリヌクレオチドの集団は、1つの準種(quasispecies)の突然変異体分布(distribution)に由来する関連ポリヌクレオチド配列を使用することにより調製される。この場合の「関連」なる語は、相同断片および非相同断片の両方が存在するポリヌクレオチドに関するものである。準種は、誤りがちな複製により産生される互いに関連した分子変異体(突然変異体)の動的集団を意味する。準種の原理に従い、選択対象は野生型(準種の質量の中心)ではなく分布全体であることを示すことが可能であった。改変された選択条件により、突然変異体のそのような分布は既に、適応値に応じた有利な変異体を含有し、したがってそれは、第1に、後続のランダムな突然変異により産生される必要はない。したがって、選択パラメーターの連続的変化の場合には、進化的産生は、値景観図(value landscape)の尾根領域に沿った、準種の暗黙のうちに導かれる浮動(implicitly directed drift)に類似している。WO 92/18645は準種の調製、および進化的バイオテクノロジーへのこの原理の応用を記載している。
準種の産生は、分子変異体の、誤りがちな複製に基づく。ポリヌクレオチドを使用する場合には、複製は、好ましくは、鋳型により制御されるポリヌクレオチド分子合成を可能にする複製酵素(すなわち、ポリメラーゼ)を使用して行う。エラー(すなわち、分子情報における変異)の導入は、固有の誤りがちな複製過程のみによって、あるいは特異的に増加するポリメラーゼの不正確さ(例えば、特異的に不均衡な単量体の付加、塩基類似体の付加、変異導入型PCR、非常に高いエラー率を有するポリメラーゼ)、ポリヌクレオチドの合成後化学修飾、単量体混合物および/またはヌクレオチド類似体の少なくとも部分的な使用によるポリヌクレオチドの完全合成、およびそれらの方法の組合せによって達成されうる。好ましくは、準種の突然変異体の分布を使用し、この場合、該準種の個々の突然変異体の所望の分子機能の表現型特性は、野生型と比較して既に改良されている。「ポリヌクレオチド分子の表現型」なる語は、ポリヌクレオチド分子の及びポリヌクレオチドによりコードされる転写または翻訳産物の機能と特性との総体を意味する。
また、異なる起源の配列、とりわけ、異なる種の遺伝子ファミリーのポリヌクレオチド配列、in vivoで(例えば、ウイルスにより、突然変異誘発細菌により、UV照射下の細菌により)またはin vitroで(例えば、Qβレプリカーゼ反応、変異導入型PCRにより)特に高いエラー率で複製されたポリヌクレオチド配列、合成後に化学物質により突然変異が導入された又は相同断片および非相同断片を有するように化学合成されたポリヌクレオチド配列、あるいは前記方法の組合せにより産生されたポリヌクレオチド配列を使用することが可能である。原則として、本発明の方法において使用するポリヌクレオチドは任意のポリヌクレオチド、特にDNAまたはRNA分子でありうる。
本発明の方法の工程(b)において必要な、一本鎖への切れ目の導入は、原則として、二本鎖ポリヌクレオチド分子のポリヌクレオチド鎖内の2つのヌクレオチド間のホスホジエステル結合の切断をもたらす任意の方法により行うことが可能である。該方法は物理的または化学的方法(例えば、超音波処理、部分エステル加水分解)でありうる。
工程(b)には酵素法が特に適している。
これに適した酵素の例としては、ヌクレアーゼが挙げられる。
本発明の方法の好ましい実施形態においては、配列特異的ニッキング(nicking;切れ目誘発性)酵素により一本鎖に切れ目を導入する。
該ニッキング酵素の具体例としては、バシラス・キチノスポルス(Bacillus chitinosporus)由来のV.BchI、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のN.BstNBI、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のN.BstSEI、クロレラ(Chlorella)株NC64A由来のN.CviPII、クロレラ(Chlorella)株NC64A由来のN.CviQXI、大腸菌(E. coli)由来のV.EcoDem、ヘモフィルス・パラインフルエンゼ(Haemophilus parainfluenzae)由来のV.HpaII、ノカルジア・エロコロニゲネス(Nocardia aerocolonigenes)由来のV.Nealおよびザントモナス・オリゼ(Xanthomonas oryzae)由来のV.XorIIが挙げられる。
もう1つの好ましい実施形態においては、非配列特異的ニッキング酵素により二本鎖ポリヌクレオチド分子内の一本鎖に切れ目を導入することが可能である。この場合、例えば、補因子としてのMg2+と共に子ウシ膵臓DNアーゼIを使用することが可能である(Kunitz, J. Genetic Physiology 33 (1950), 349; Kunitz, J. Genetic Physiology 33 (1950), 363 ならびにMelgacおよびGoldthwaite, J. Biolog. Chem. 243 (1968), 4409)。
工程(c)の反応条件は、使用する酵素に応じて選択される。
好ましい実施形態においては、工程(c)は、de-novo合成のエラー率の増加を招く条件下で行う。
de-novo合成のエラー率は、産生させる所望の変異体に応じて選択されうる。典型的なエラー率は0.1×10-3〜10×10-3、すなわち、0.01〜1%のエラー(10 000塩基のDNA断片において1〜10塩基の交換)である。
1×10-3〜5×10-3のエラー率、すなわち、0.1〜0.5%のエラー(すなわち、1 000塩基のDNA断片において1〜5塩基が交換される)で工程(c)を行うことが特に有用である。
DNAポリメラーゼIのエラー率は9×10-6である(Kunkelら (1984) J. Biol. Chem. 259:1539-1545)。したがって、DNAポリメラーゼIを使用する場合には、エラー率の増加は、エラー率が9×10-6を超えることを意味する。
好ましい実施形態においては、低下したプルーフリーディング活性を有する又はプルーフリーディング活性を有さないポリメラーゼを使用することにより、de-novo合成のエラー率を増加させる。
本発明の方法の好ましい実施形態においては、出発物質としての種々のヌクレオチド濃度により、de-novo合成のエラー率を増加させる。この場合、個々の又はいくつかのヌクレオチドの濃度を、その他のヌクレオチドに対して相対的に変化させることが可能である。好ましくは、1つのヌクレオチド(特に、dATP)を、その他のヌクレオチドに対して当量以下の量にする。適当な濃度の例としては、dGTP、dCTPおよびdTTPのそれぞれについては200μM、ならびにATPについては20〜50μMが挙げられる。
好ましくは、2つのヌクレオチド(特に、dATPおよびdGTP)を、その他のヌクレオチドに対して当量以下の量とする。適当な濃度の例としては、dCTPおよびdTTPのそれぞれについては200μM、ならびにdATPおよびdGTPのそれぞれについては40μMが挙げられる。
本発明の方法のもう1つの実施形態においては、ヌクレオチド類似体の添加によりde-novo合成のエラー率を増加させる。ヌクレオチド類似体としては、デオキシイノシン三リン酸、7-デアザデオキシグアノシン三リン酸およびデオキシヌクレオシド α-チオトリホスファートが挙げられうる。特に好ましくは、デオキシイノシン三リン酸を使用する。
本発明の方法のもう1つの実施形態においては、塩濃度を変化させることによりde-novo合成のエラー率を増加させる。これに適した例としては、Mg2+イオンの濃度を1.5mMを超える濃度に増加させることが挙げられる。また、例えば、0.1〜1mM、特に0.2〜0.5mMの濃度のMg2+イオンの添加も適している。
本発明の方法のもう1つの実施形態においては、添加物の添加によりde-novo合成のエラー率を増加させる。適当な添加物は、エラー率を増加させる任意の物質である。具体例としては、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコールおよびグリセロールが挙げられうる。特に好ましくは、該添加物を以下の濃度で加える:DMSOは2〜10%、PEGは5〜15%、グリセロールは > 0〜30%、好ましくは5〜20%。
もう1つの実施形態においては、反応温度を変化させることにより、特に、温度を増加させることにより、de-novo合成のエラー率を増加させる。
エラー率を増加させるための前記手段のすべては、互いに組合わせて行うことも可能であり、例えば、増加させたMg2+イオン濃度で過剰のヌクレオチドを使用することが可能である。
好ましい実施形態においては、工程(b)および(c)を同時に行う。
本発明の方法の工程(d)による一本鎖ポリヌクレオチド分子の調製は、当業者に公知の方法を用いて行うことが可能である。これらには、例えば、物理的、化学的、生化学的および生物学的方法が含まれる。この場合の具体例としては、アニーリング温度を超える温度への加熱によるポリヌクレオチド二本鎖の融解(Newton, in: PCR, Spektrum Akademischer Verlag (1994); Lazurkin, Biopolymers 9 (1970), 1253-1306)、変性試薬(例えば、尿素または界面活性剤)の添加によるポリヌクレオチド二本鎖の変性、二本鎖ポリヌクレオチドを一本鎖ポリヌクレオチドに変換する酵素の添加、例えば、二本鎖DNAから一本鎖DNAへのエキソ核酸分解(exonucleolytic degradation)が挙げられうる。
本発明の方法の工程(e)による、工程(d)で得た一本鎖ポリヌクレオチド分子の部分二本鎖ポリヌクレオチド分子の調製は、当業者に公知の方法を用いて行うことが可能であり、好ましくは、相補的一本鎖ポリヌクレオチド分子の相同断片をハイブリダイズさせることにより達成される。
二本鎖ポリヌクレオチドを得るためのハイブリダイゼーションは、当業者に公知の方法を用いて行われ、特に、例えば、該一本鎖を一緒にし、例えば温度を低下させることにより及び/又は塩濃度を減少させることにより、アニーリングを促進する反応条件を設定することにより達成されうる。
工程(e)で得た部分二本鎖ポリヌクレオチド分子から出発して、本発明の方法の工程(f)においては鋳型依存的核酸合成を行う。
この場合の「鋳型依存的核酸合成」なる語は、対応鋳型鎖の情報に基づき既存の一本鎖を伸長させることによるポリヌクレオチドの合成を意味する。
この種の鋳型依存的重合の実施は当業者によく知られており、例えば、Sambrook, Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に記載されている。
鋳型により制御されるポリヌクレオチド重合活性を有しポリヌクレオチド鎖を合成しうる任意の酵素を該ポリメラーゼ反応に使用することができる。多種多様な生物に由来し種々の機能を有する多数のポリメラーゼが既に単離されており記載されている。DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)、DNA依存性RNAポリメラーゼおよびRNA依存性RNAポリメラーゼ(レプリカーゼ)の間には、鋳型の及び合成されるポリヌクレオチドのタイプにおいて違いがある。温度安定性に関しては、非熱安定性ポリメラーゼ(37℃)と熱安定性ポリメラーゼ(75〜95℃)とで違いがある。さらに、ポリメラーゼは、5'-3'エキソ核酸分解活性および3'-5'エキソ核酸分解活性の存在に関して異なる。最も重要なポリメラーゼはDNA依存性DNAポリメラーゼである。
特に、約37℃の最適温度を有するDNAポリメラーゼを使用することが可能である。これらには、例えば、大腸菌(E. coli)DNAポリメラーゼI、バクテリオファージT7のT7 DNAポリメラーゼおよびバクテリオファージT4のT4 DNAポリメラーゼが含まれ、それらのそれぞれは多数の製造業者、例えばUSB、Roche Molecular Biochemicals、Stratagene、NEBまたはQuantum Biotechnologiesにより商業的に販売されている。大腸菌(E. coli)DNAポリメラーゼI(ホロ酵素)は5'-3'ポリメラーゼ活性、3'-5'プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性および5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有する。該酵素はニックトランスレーション法によりin vitro DNA標識に使用される(Rigbyら J. Mol. Biol. 113 (1977) 237-251)。ホロ酵素とは対照的に、大腸菌(E. coli)DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントは、T7 DNAポリメラーゼおよびT4 DNAポリメラーゼと同様に、5'エキソヌクレアーゼ活性を有さない。したがって、これらの酵素は「フィルイン(fill-in)反応」または長い鎖の合成に使用される(Youngら Biochemistry 31 (1992), 8675-8690, Lehman Methods Enzymol. 29 (1974), 46-53)。最後に、大腸菌(E. coli)DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントの3'-5'エキソ(-)変異体も3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く。この酵素は、しばしば、Sanger, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74 (1977), 5463-5467によるDNA配列決定に使用される。これらの酵素のほかに、種々の特性を有する多数の更なる37℃ DNAポリメラーゼが存在し、それらも本発明の方法において使用することができる。
75℃の最適温度を有し95℃で十分に安定である最も一般的な熱安定性DNAポリメラーゼは、テルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来のTaq DNAポリメラーゼであり、これは商業的に入手可能である。Taq DNAポリメラーゼは、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有さない非常に前進性の5'-3' DNAポリメラーゼである。それは、しばしば、標準的なPCR、配列決定反応および突然変異誘発性PCRに使用される(CadwellおよびJoyce, PCR Methods Appl. 3 (1994), 136-140, AgrogoniおよびKaminski, Methods Mol. Biol. 23 (1993), 109-114)。テルムス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)HB8由来のTth DNAポリメラーゼとテルムス・フラブス(Thermus flavus)由来のTfl DNAポリメラーゼとは類似した特性を有する。しかし、Tth DNAポリメラーゼは更に、マンガンイオンの存在下、固有の逆転写酵素(RT)活性を有する(Cusiら, Biotechniques 17 (1994), 1034-1036)。この場合もまた、3'エキソヌクレアーゼ活性を有するが5'エキソヌクレアーゼ活性を有さない非常に多数の熱安定性DNAポリメラーゼが商業的に販売されている:ピロコッカス・ウーゼイ(Pyrococcus woesei)由来のPwo DNAポリメラーゼ、テルモコッカス・リトラリクス(Thermococcus litoralix)由来のTli, VentおよびDeepVent DNAポリメラーゼ、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来のPfxおよびPfu DNAポリメラーゼ、テルムス・ユビキトウス(Thermus ubiquitous)由来のTub DNAポリメラーゼ、テルモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)由来のTmaおよびUlTma DNAポリメラーゼ(NewtonおよびGraham, in: PCR, Spektrum Akad. Verlag Heidelberg (1994), 1)。誤りが可能な限り少ないPCR産物を増幅するためには、3'プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を欠くポリメラーゼを使用する。最後に、5'エキソ核酸分解活性および3'エキソ核酸分解活性の両方を欠くDNAポリメラーゼはTaq DNAポリメラーゼのシュトッフェル(Stoffel)フラグメント、Vent-(エキソ)DNAポリメラーゼおよびTsp DNAポリメラーゼの形態で入手可能である。RNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)のなかで最も一般的な酵素には、トリ骨髄芽球症ウイルス由来のAMV逆転写酵素、モロニーマウス白血病ウイルス由来のM-MuLV逆転写酵素およびヒト免疫不全ウイルス由来のHIV逆転写酵素が含まれ、これらも種々の供給業者、例えばNEB、Life Technologies、Quantum Biotechnologiesにより販売されている。HIV逆転写酵素と同様に、AMV逆転写酵素は付随的なRNアーゼH活性を有し、これはM-MuLV逆転写酵素においては顕著に弱い。M-MuLV逆転写酵素およびAMV逆転写酵素は共に、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を欠く。
DNA依存性RNAポリメラーゼのなかで最も一般的な酵素には、大腸菌(E. coli)RNAポリメラーゼ、バクテリオファージSP6に感染したサルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella thyphimurium)LT2由来のSP6 RNAポリメラーゼ、バクテリオファージT3由来のRNAT3 RNAポリメラーゼ、およびバクテリオファージT7由来のT7 RNAポリメラーゼが含まれる。
本発明の方法の好ましい実施形態においては、該方法の工程(f)における鋳型鎖はDNA分子であり、鋳型依存的一本鎖合成にはDNA依存性DNAポリメラーゼを使用する。
この場合、特に好ましい実施形態においては、非熱安定性DNAポリメラーゼ、特に好ましくは、5'エキソ核酸分解活性および3'エキソ核酸分解活性を有するもの、例えば大腸菌(E. coli)ポリメラーゼIを使用する。
あるいは、3'→5'エキソ核酸分解活性を有するが5'→3'エキソ核酸分解活性を有さない非熱安定性DNAポリメラーゼ、例えば、大腸菌(E. coli)DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、バクテリオファージT7由来のT7 DNAポリメラーゼ、またはバクテリオファージT4由来のT4 DNAポリメラーゼを使用することも可能である。
さらに、5'→3'エキソ核酸活性も3'→5'エキソ核酸活性も有さない非熱安定性DNAポリメラーゼ、例えば、大腸菌(E. coli)DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントの3'-5'エキソ(-)変異体を使用することも可能である。
もう1つの特に好ましい実施形態では、この場合も5'エキソ核酸分解活性および3'エキソ核酸分解活性を有しうる又は5'エキソ核酸分解活性を有するが3'エキソ核酸分解活性を有しない熱安定性ポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ、Pwoポリメラーゼ)、例えば、テルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来のTaq DNAポリメラーゼ、テルムス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)HB8由来のTth DNAポリメラーゼまたはテルムス・フラブス(Thermus flavus)由来のTfl DNAポリメラーゼを使用する。
あるいは、熱安定性DNAポリメラーゼは、例えばピロコッカス・ウーゼイ(Pyrococcus woesei)由来のPwo DNAポリメラーゼ、テルモコッカス・リトラリクス(Thermococcus litoralis)由来のVentR DNAポリメラーゼ、DeepVentR DNAポリメラーゼまたはTli DNAポリメラーゼ、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来のPfu DNAポリメラーゼまたはPfx DNAポリメラーゼ、あるいはテルモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima)由来のTma DNAポリメラーゼまたはUlTma DNAポリメラーゼの場合のように、3'→5'エキソ核酸分解活性を有するが5'→3'エキソ核酸分解活性を有しないことが可能である。
さらに、3'-5'エキソ核酸分解活性も5'-3'エキソ核酸分解活性も有さない熱安定性ポリメラーゼ、例えば、テルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来のTaq DNAポリメラーゼのシュトッフェル(Stoffel)フラグメント、Tsp DNAポリメラーゼまたはテルモコッカス・リトラリクス(Thermococcus litoralis)由来のVentR DNAポリメラーゼのエキソ(-)変異体もしくはDeepVentR DNAポリメラーゼを使用することが可能である。
熱安定性ポリメラーゼを使用する場合には、ポリメラーゼ反応は、好ましくは、中間体の精製または更なるサンプル処理を行うことなく、工程(e)の直後に行う。
本発明の方法のもう1つの好ましい実施形態においては、本発明の方法の工程(f)において鋳型依存的一本鎖合成を行う鋳型鎖はRNA分子である。この場合、鋳型依存的一本鎖合成はRNA依存性DNAポリメラーゼ、好ましくは、トリ骨髄芽球症ウイルス由来のAMV逆転写酵素、ヒト免疫不全ウイルス由来のHIV逆転写酵素、またはモロニーマウス白血病ウイルス由来のM-MuLV逆転写酵素を使用する。さらに、好ましくは、熱安定性逆転写酵素を使用し、特に、固有の逆転写活性を有するテルムス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)由来のTth DNAポリメラーゼを使用する。
特に示さない限り、これらの実験はCurrent Protocols in Molecular Biologyに従い行った。
I.出発物質の準備
以下の4つのリパーゼ変異体を出発物質として使用した:pBP2035にコードされるLipA H86W、pBP2008にコードされるLipA S87T、pBP2006にコードされるLipA F142W、pBP2007にコードされるLipA L167A。
1.以下のプラスミドの調製
Figure 2005529596
2.制限エンドヌクレアーゼHindIIIおよびSacIでのプラスミドの切断
3.GFXキット(Pharmacia)を使用するゲル抽出によるインサートの単離
4.H2OへのDNA断片の再懸濁
5.〜250 ng/μlへのDNA濃度の調節
II.一本鎖への切れ目の導入およびde-novo合成
1.ニックトランスレーションキット(Roche, Cat. No. 976776)を使用するインサート56-20、98-10、124-9、198-1-3のニックトランスレーションのための4つの別々の反応混合物
Figure 2005529596
2.該混合物の15℃での90分間のインキュベーション
3.5μlの0.5M EDTA(pH 8.8)の添加による反応の停止
4.該混合物の沈殿、洗浄、乾燥および20μlのH2Oへの再懸濁
III.プライマー無しのPCR
GCリッチPCR系(Roche, Cat. No. 2140306)を使用するPCRのための反応混合物
Figure 2005529596
PCR条件:
Figure 2005529596
IV.プライマーを使用するPCR
GCリッチPCR系(Roche, Cat. No. 2140306)を使用するPCRのための反応混合物
Figure 2005529596
* プライマーMAT16 = 5’-GATCGACGTAAGCTTTAACGATGGAGAT-3’
* プライマーMAT19 = 5’-CATCGGGCGAGCTCCCAGCCCGCCGCG-3’
PCR条件:
Figure 2005529596
V.断片のクローニングおよび分析
1.工程4からの20μlのPCR産物をHindIIIおよびSacIで切断する
2.該混合物の沈殿、洗浄、乾燥および20μlのH2Oへの再懸濁
3.GFXキット(Pharmacia)を使用する切断断片の精製
4.HindIIIおよびSacIで予め切断されたベクターpBSIIKS(Stratagene)との切断断片の連結
5.大腸菌(Escherichia coli)XL1-Blue内への連結混合物の形質転換
6.インサートを含有する29個のクローンの配列分析

Claims (11)

  1. (a)二本鎖ポリヌクレオチド分子、または二本鎖ポリヌクレオチド分子の集団を準備し、ここで、該集団の個々のポリヌクレオチドは少なくとも1つの相同(homologous)配列断片および少なくとも1つの非相同(heterologou)配列断片を有し、
    (b)該二本鎖ポリヌクレオチド分子において一本鎖に切れ目を導入し、
    (c)該一本鎖の切れ目から出発して5'→3'核酸分解を行い、それと同時に5'→3'デノボ(de-novo)合成を行い、該一本鎖の切れ目を3'末端の方向に移動させ、
    (d)一本鎖ポリヌクレオチド分子を調製し、
    (e)工程(d)で得た一本鎖ポリヌクレオチド分子の部分二本鎖ポリヌクレオチド分子を調製し、
    (f)工程(e)で調製した部分二本鎖ポリヌクレオチド分子から鋳型依存的核酸合成を行う工程を含む少なくとも1つのサイクルを行うことを含んでなり、工程(b)および(c)を連続的または同時に行うことが可能である、改変された特性を有するポリヌクレオチド分子の製造方法。
  2. 工程(a)〜(f)を含むサイクルを2以上行う、請求項1記載の製造方法。
  3. 1サイクル、数サイクルまたは全サイクルの後で、該ポリヌクレオチドの遺伝子型もしくは表現型のいずれか又は遺伝子型と表現型との両方に関する選択工程を行う、請求項2記載の製造方法。
  4. 工程(b)において、配列特異的ニッキング酵素が該一本鎖に切れ目を導入する、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 工程(b)において、非配列特異的ニッキング酵素が該一本鎖に切れ目を導入する、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 工程(c)において、DNAポリメラーゼIを使用する、請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. 工程(c)において、適当な反応条件を選択することにより該デノボ(de-novo)合成のエラー率を増加させる、請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 過剰の1以上のヌクレオシド三リン酸により該デノボ(de-novo)合成のエラー率を増加させる、請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  9. 1以上のヌクレオチド類似体を使用することにより該デノボ(de-novo)合成のエラー率を増加させる、請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  10. 塩濃度を変化させることにより該デノボ(de-novo)合成のエラー率を増加させる、請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  11. 低下したプルーフリーディング活性を有する又はプルーフリーディング活性を有さないポリメラーゼにより該デノボ(de-novo)合成のエラー率を増加させる、請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
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