JP2005527663A - ポリオキシメチレンの製造及びそのために適当な触媒(ii) - Google Patents
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Abstract
本発明は、ポリオキシメチレンを、ホルムアルデヒド源と式I[式中、MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh又はIrを表し、Cpはシクロペンタジエニル配位子C5H(5−u)R1 uを表し、その際、uは0〜5を表し、R1はアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、COOR2、COR2、CN又はNO2を表し、かつR2はH、アルキル、アリール又はアラルキルを表し、vは1又は2を表し、各Lは無関係にニトリル、CO又はCOによって置換可能な配位子を表し、wは0〜4の整数を表し、Zはアニオンを表し、かつm及びnは互いに無関係に1〜3の整数を表す]の触媒とを接触させることによって製造する方法を記載している。
Description
詳細な説明
本発明は、ホルムアルデヒド源と触媒とを接触させることによるポリオキシメチレンの製造方法及びそのために適当な触媒に関する。
本発明は、ホルムアルデヒド源と触媒とを接触させることによるポリオキシメチレンの製造方法及びそのために適当な触媒に関する。
ホルムアルデヒドの単独重合において生じるポリオキシメチレンはCH2O繰返単位を有するポリマーである。ホルムアルデヒドと環状エーテル又はホルマールとの共重合において、CH2O鎖は環状エーテルもしくはホルマールに派生する単位によって中断されている。ポリオキシメチレンという呼称は、以下でホモポリマーについても、コポリマーについても使用される。
ポリオキシメチレン及び、触媒として金属錯体を使用するホルムアルデヒドの単独重合又は共重合によるその製造は公知である。このようにWO94/09055号は、環状エーテル、例えばトリオキサンの、一般式MZ2Qt[式中、Mは金属を表し、少なくとも1つのZは過フッ化アルキルスルホネートを表し、そして場合によりなおも存在する他のZはオキソ又は一価のモノアニオンを表し、Qは中性配位子を表し、sは2〜5を表し、そしてtは0〜6を表す]の触媒の存在下での重合を記載している。更に重合は、促進剤としての2未満の水中でのpKa値を有する無水カルボン酸、アシルクロリド又はカルボン酸の存在下に行われる。具体的にはトリオキサンをイッテルビウムトリフラートの存在下での重合が記載されている。この場合に反応時間が長くても収率が不十分であることが欠点である。
前記の公知の方法は、特にホルムアルデヒド源が高純度でない場合には長い誘導時間が見られる。このことは、それどころか重合の完全な停止をもたらしうる。誘導時間は、ホルムアルデヒド源と触媒とを混合してから重合が“始動”するまでに経過する時間である。長い誘導時間は反応器中での長い反応物の滞留時間を意味し、これは非経済的である。
従って本発明の課題は、短い誘導時間を有し、有利にはホルムアルデヒド源中の不純物及び微量水に対して強い方法を提供することであった。
前記課題は、ポリオキシメチレンを、ホルムアルデヒド源と式I
MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh又はIrを表し、
Cpはシクロペンタジエニル配位子C5H(5−u)R1 uを表し、その際、uは0〜5を表し、R1はそれぞれ無関係にアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、COOR2、COR2、CN又はNO2を表し、かつR2はH、アルキル、アリール又はアラルキルを表し、
vは1又は2を表し、
各Lは無関係にニトリル、CO又はCOによって置換可能な配位子を表し、
wは0〜4の整数を表し、
Zはアニオンを表し、かつ
m及びnは互いに無関係に1〜3の整数を表す]の触媒とを接触させることによって製造する方法によって解決される。
有利には促進剤としての2未満の水中でのpKa値を有する無水カルボン酸、アシルクロリド及びカルボン酸を使用しない。
本願の範囲において、表現“アルキル”は直鎖状、分枝鎖状及び環式のアルキル基を含む。有利には、これはC1〜C20−アルキル基、特にC1〜C6−アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル及びn−ヘキシルであるか、又はC3〜C8−シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。
ハロゲン化された基は、有利には塩素化及び/又はフッ素化された、特に有利にはフッ素化された、特に過フッ化された基、特にアルキル基である。
アリールは、有利にはC6〜C14−アリール、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、特にフェニル又はナフチルを表す。アリール基は、3個までのC1〜C4−アルキル基を有してよい。
アラルキルは、有利にはC7〜C20−アラルキル、例えばベンジル又はフェニルエチルを表す。
表現“アルケニル”は、直鎖状、分枝鎖状及び環式のアルケニル基を含む。有利には、これはC2〜C20−アルケニル基、特にC2〜C6−アルケニル基、例えばエテニル、プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、n−ペンテニル及びn−ヘキセニルであるか、又はC5〜C8−シクロアルケニル、例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル又はシクロオクテニルである。
式IにおいてMはMo又はWを表す。
Cpは、有利にはシクロペンタジエニル配位子C5H(5−u)R1 u[式中、R1はメチル、CHO、COCH3、COC2H5、COOCH3、COOC2H5、CN又はNO2を表す]を表す。特に有利なシクロペンタジエニル配位子Cpは、式中のR1がCHO、COCH3、COC2H5、COOCH3又はCOOC2H5を表し、かつuが1又は2を表すものである。特にR1は、uが1を表す場合にはCHO、COCH3、COC2H5又はCOOCH3を表し、uが2を表す場合にはR1は特にCOOC2H5を表し、その際、両方の基R1は隣接しているか又は隣接していなくてよい。R1は、uが5を表す場合にはメチルを表してよい。
配位子Lはニトリル、COを表すか、又は中心原子、例えばMoに対するCOの高い親和性に基づいて錯体の配位圏から置換可能である配位子を表す。1つの配位子の1つの別の配位子による置換可能性は、一般に配位子の分光化学系列でのその位置と相関するので、配位子LとしてはCOの他に、COより配位子場崩壊が低い配位子が適当である。配位子は、それが錯体から固体形又は溶解形(トルエン又はCH2Cl2中)で100バール未満のCOの圧力において熱的又は光化学的な作用によってCOによって置換可能である場合に、COによって置換可能であるとみなす。
有利にはLは、ニトリル、CO、アルケン、COによって置換可能なアミン、COによって置換可能なエーテル、カルボン酸エステル、環式炭酸エステル、エポキシド、ヘミアセタール、アセタール及びニトロ化合物から選択される。
表現“ニトリル”は、特に一般式R3CN[式中、R3は場合によりハロゲン化されたアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す]の化合物を含む。特に有利にはR3はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル又はt−ブチルを表す。適当なニトリルは、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル又はベンゾニトリルである。
COによって置換可能なアミンは、特に芳香族アミン及び立体遮蔽窒素原子を有するアミンである。適当なアミンは、例えばジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン及びジフェニルアミンである。
COによって置換可能なエーテルは、特に電子求引性基及び/又は立体的要求の高い基を有する開鎖エーテルであり、また環状エーテルでもある。有利な開鎖エーテルには、ジフェニルエーテル及びメチル−t−ブチルエーテルが該当する。有利な環状エーテルはテトラヒドロフラン及び1,4−ジオキサンである。
カルボン酸エステルは、特に一般式R4COOR5[式中、R4及びR5はそれぞれ互いに無関係にR3の定義と同様である]の化合物を含む。R4はまたHを表してよい。R4及びR5はまた架橋単位を形成してもよい。有利にはR4及びR5はそれぞれ無関係にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル又はフェニルを意味する。適当なカルボン酸エステルは、例えばメチルアセテート及びエチルアセテートである。
環式炭酸エステルは、特に一般式R6OCOOR7[式中、R6及びR7は一緒になって、部分的又は完全にハロゲン化されていてよいか、又は1〜4個のアルキル基を有してよいC2〜C4−アルキレン架橋を形成する]の化合物を含む。適当な環式炭酸エステルは、例えばエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートである。
エポキシドは、特に一般式
ヘミアセタールもしくは完全アセタールは、特に一般式R12OCR13R14OHもしくはR12OCR13R14OR15[式中、R12、R13、R14、R15はそれぞれ無関係にR3の定義と同様であり、その際、R13及びR14はHを表してもよいか、又は一緒になってC3〜C7−アルキレン架橋を形成してよく、かつR12及びR15は、C2〜C4−アルキレン架橋を形成してもよく、その際、前記は1又は2個の酸素原子によって中断されていてよい]の化合物を含む。適当なアセタールは、例えばトリオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパン又はシクロペンタノンジメチルアセタールである。
ニトロ化合物は、特に一般式R16NO2[式中、R16はR3の定義と同様である]の化合物を含む。適当なニトロ化合物は、例えばニトロメタン及びニトロベンゼンである。
特に有利には、配位子Lはアセトニトリル及びCOから選択され、かつ特にLはCOを表す。
wは有利には1〜4を表す。
Zは、有利にはブレンステッド酸から誘導され、pKsが酢酸のそれより小さいアニオン又はいわゆる非配位性アニオンを表す。概念“非配位性アニオン”は当業者に公知である。非配位性アニオンは、電荷が複数の原子にわたり効果的に分配されているので、点中心電荷が存在しないようなアニオンである。特に有利には、Zはハロゲニド、一般式ROSO2 −[式中、Rはアルキル、部分的又は完全にハロゲン化されたアルキル又はアリールを表す]のスルホネート、例えばトリフルオロメタンスルホネート、ベンゼンスルホネート又はp−トルエンスルホネート、一般式R′COO−[式中、R′はRの定義と同様であり、特に有利には完全にハロゲン化されたアルキル、特に過フッ化アルキルを表す]のカルボキシレート、例えばトリフルオロアセテート、錯体ボレート、例えばテトラフルオロボレート又はテトラフェニルボレート、錯体ホスフェート、例えばヘキサフルオロホスフェート、錯体アルセネート、例えばヘキサフルオロアルセネート又は錯体アンチモネート、例えばヘキサフルオロ−又はヘキサクロロアンチモネートを表す。特にZはクロリド、トリフルオロメタンスルホネート又はトリフルオロアセテートを表す。
触媒Iは、有利にはホルムアルデヒド源に対して、1ppm〜1モル%、特に有利には5〜1000ppm、特に50〜500ppmの量で使用される。
触媒Iは、有利には重合での使用前に製造される。製造は、シクロペンタジエニル金属錯体の製造のための慣用の方法により行われる。例えばこの場合に、相応のシクロペンタジエニドのアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩又はリチウム塩と、金属Mのカルボニル錯体と、引き続きアルキル化剤、例えばメチルヨージドとを反応させる。引き続き生成する錯体と相当するブレンステッド酸Z又はZの塩とを反応させて触媒Iにする。
ホルムアルデヒド源としては、有利にはホルムアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサン又はパラホルムアルデヒド又はその混合物、特に有利にはホルムアルデヒド又はトリオキサン又はその混合物が使用される。ホルムアルデヒドの環式三量体であるトリオキサン及び2〜100個のホルムアルデヒド単位を有するオリゴマーであるパラホルムアルデヒドは、重合反応での使用前に解重合されるか、又は有利にはそれ自体で使用され、かつ反応の経過で分解される。
ホルムアルデヒド源は、有利には少なくとも95%、特に有利には少なくとも98%、殊に有利には少なくとも99%の純度を有する。特にホルムアルデヒド源は、ホルムアルデヒド源の質量に対して最大で0.002質量%の、活性水素を有する化合物、例えば水、メタノール又はギ酸を含有する。しかしながら本発明による方法は低い純度及び高い含量の活性水素含有化合物を有するホルムアルデヒド源に対して強い。
本発明による方法は、溶液重合、懸濁重合、気相重合又は塊状重合としても実施できる。
溶液又は懸濁液中での重合では、有利には実質的に無水の非プロトン性の、反応条件下に液状であり、触媒ともホルムアルデヒド源とも反応しない有機反応媒体が選択される。溶液中での重合の場合には、溶剤は適宜に更に触媒及びホルムアルデヒド源を溶解すべきであり、かつ有利には形成されたポリオキシメチレンを溶解しないか又は僅かにのみ溶解するべきである。懸濁重合では、ホルムアルデヒド源は溶剤中に不溶であり、その際、場合により反応媒体中でのホルムアルデヒド源のより良好な分配を達成するために場合により分散助剤が使用される。有利には溶剤は、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝鎖状の、部分的又は完全にハロゲン化されていてよい脂肪族炭化水素、場合により置換された脂肪族環、場合により置換された縮合脂肪族環、場合により置換された芳香族化合物、非環式及び環式のエーテル、ポリエーテルポリオール及び別の極性−非プロトン性溶剤、例えばスルホキシド及びカルボン酸誘導体から選択される。
適当な脂肪族炭化水素は、例えばプロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びn−デカン又はその混合物である。適当なハロゲン化された炭化水素は、例えばメチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタンである。適当な芳香族化合物には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びビフェニルが該当する。適当な脂肪族環は、シクロペンタン、シクロヘキサン、テトラリン及びデカヒドロナフタリンを含む。適当な非環状エーテルは、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ブチルメチルエーテルであり、適当な環状エーテルはテトラヒドロフラン及びジオキサンを含む。適当なポリエーテルポリオールには、例えばジメトキシエタン及びジエチレングリコールが該当する。適当なスルホキシドは、例えばジメチルスルホキシドである。適当なカルボン酸誘導体には、ジメチルホルムアミド、エチルアセテート、アセトニトリル、アクリル酸エステル及びエチレンカーボネートが該当する。
特に有利な溶剤は、溶液重合の場合には以下の溶剤、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチレンクロリド、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ベンゼン、トルエン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルから選択される。その全ての混合物も適当である。
溶液重合の場合に、ホルムアルデヒド源を、有利には溶液の全質量に対して20〜90質量%、有利には30〜80質量%の濃度で使用する。溶液中での重合は、いわゆる吹込み重合としても実施できる。この場合に、ホルムアルデヒド源、特にホルムアルデヒドガスを連続的に、触媒を含有する溶液中に吹き込む。
不均一系の懸濁重合のために適当な反応媒体は有利には直鎖状の脂肪族炭化水素を含む。
該重合は、ホルムアルデヒド源としてトリオキサンを使用する場合に塊状で実施できる。トリオキサンは、この場合に溶融物として使用され、反応温度及び反応圧は相応して調整される。
本発明による方法では、ホルムアルデヒド源及び触媒Iを反応領域に供給する順序は決定的に重要でない。しかしながら有利にはホルムアルデヒド源を装入して、触媒が添加される。
その重合は、有利には−40〜150℃、特に有利には0〜150℃で行われる。溶液重合及び懸濁重合は、特に20〜100℃、殊に30〜90℃で行われる。塊状重合は、有利にはホルムアルデヒド源、殊にトリオキサン及び重合体が溶融された形で存在する温度で行われる。特に温度は圧力に依存して60〜120℃、殊に60〜100℃である。
反応圧は、有利には0.1〜50バール、特に有利には0.5〜10バール、特に1〜5バールである。
適当な反応装置は、それぞれの重合タイプもしくは重合条件に関して当業者に適当であると知られる反応器である。
前記の態様は、ホルムアルデヒド源の単独重合のためにも、ホルムアルデヒド源と、以下にコモノマーとも呼称される環状エーテル又はホルマールとの共重合のためにも適用される。
ホモポリマーのポリオキシメチレンは熱的に比較的容易に分解される、すなわちオリゴマー又はモノマーのホルムアルデヒドに解重合される。このことは、ポリオキシメチレンの鎖端のヘミアセタール官能の存在に起因する。ホルムアルデヒドとコモノマー、例えば環状エーテル及び/又はホルマールとの共重合によって、形成されるポリオキシメチレンを安定化できる。前記のコモノマーはポリオキシメチレン鎖中に組み込まれる。該ポリマーが熱的負荷される場合に、ポリオキシメチレン鎖は、鎖端が前記のコモノマーの1つによって形成される限りは分解される。該鎖は、熱的に実質的にあまり分解されないので、解重合は停滞し、そしてポリマーは安定化されている。適当なかかるコモノマーは、環状エーテル、特に式
例えとしてのみ、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ブチレンオキシド、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び1,3−ジオキセパンが環状エーテルとして挙げられ、かつ直鎖状のオリゴ−及びポリホルマール、例えばポリジオキソラン又はポリジオキセパンがコモノマーとして挙げられる。
それらを一緒に使用することによって、ホルムアルデヒド源から派生する−CH2O−繰返単位の他に式
選択的に、前記の環状エーテルの他に、第三のモノマー、有利には式
前記のタイプの有利なモノマーは、幾つかの例のみを挙げると、エチレンジグリシド、ジグリシジルエーテル及びモル比2:1でのグリシジレンとホルムアルデヒド、ジオキサン又はトリオキサンからのジエーテルであり、かつ2モルのグリシジル化合物と1モルの2〜8個の炭素原子を有する脂肪族ジオールからのジエーテル、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、シクロブタン−1,3−ジオール、1,2−プロパンジオール及びシクロヘキサン−1,4−ジオールのジグリシジルエーテルである。
特に有利には、コモノマーとしてエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び1,3−ジオキセパン、特に1,3−ジオキセパンが使用される。
これらのコモノマーは、ホルムアルデヒド源中に含まれるホルムアルデヒドに対して、有利には0.1〜40質量%、特に有利には0.2〜10質量%、特に0.5〜5質量%の量で使用される。
これらのコモノマーは、ホルムアルデヒド源と一緒に装入しても、又はホルムアルデヒド源と一緒に、装入された触媒に添加してもよい。選択的に、コモノマーをホルムアルデヒド源及び触媒からなる反応混合物に添加してよい。
コモノマーとして環状エーテルを使用すると、該コモノマーが使用前により長時間貯蔵された場合にペルオキシドを含有する危険性がある。ペルオキシドは、一方で重合の誘導時間を長くし、そして他方でその酸化作用に基づいて形成されるポリオキシメチレンの熱的安定性を低下させる。前記の理由から、過酸化水素として挙げられ、使用される環状エーテルの量に対して、有利には0.0015質量%未満、特に有利には0.0005質量%のペルオキシドを含有する環状エーテルが使用される。
得られたポリオキシメチレンの酸化分解を回避するために、これに有利には立体障害フェノールを酸化防止剤として添加する。立体障害フェノールとしては、原則的に全ての、フェノール環上に少なくとも1つの立体的に要求が高い基を有するフェノール構造を有する化合物が適当である。
有利には、例えば式
前記のタイプの酸化防止剤は、例えばDE−A−2702661号(US−A−4,360,617号)に記載されている。
有利な立体障害フェノールの他の基は、置換されたベンゼンカルボン酸、特に置換されたベンゼンプロピオン酸から誘導される。
前記の種類の化合物からの特に有利なものは、式
前記の形に相当する有利な化合物は
例えば、全体で立体障害フェノールとして以下のものが挙げられる:
2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox(R)259)、ペンタエリトリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]及び前記のIrganox(R)245。
2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox(R)259)、ペンタエリトリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]及び前記のIrganox(R)245。
特に有用な、従って有利に使用される化合物として、以下の化合物が指摘される、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox(R)259)、ペンタエリトリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ−[2.2.2]オクチ−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ジメチルアミン及びN,N′−ヘキサメチレン−ビス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド。
単独又は混合物として使用できる立体障害フェノールは、モノマー混合物にも、又は完成した重合体にも添加できる。後者の場合において、重合体は、場合により酸化防止剤のより良好な分散を達成するために溶融される。
これらの酸化防止剤は、有利には使用されるモノマー混合物もしくは得られる重合体の質量に対して2質量%まで、特に有利には0.001〜2質量%、特に0.005〜1質量%の量で使用される。
ホルムアルデヒド源の単独重合によって形成されるポリオキシメチレンの安定化のための別の可能性は、ヘミアセタール末端基の“封鎖”である、すなわち熱的に容易に分解されない官能性への変換である。このために、ポリオキシメチレンは、例えばカルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、無水カルボン酸、カーボネート又はヘミアセタールと反応されるか、又はシアンエチル化される。
前記の変法では、ポリオキシメチレン安定化は、重合に引き続く別個の工程で行われる。別個の工程を必要としないコモノマーとの共重合によるポリオキシメチレンの安定化は従って有利である。
重合反応の完了後に、触媒を有利には不活性化剤と混合する。適当な不活性化剤は、アンモニア、脂肪族及び芳香族のアミン、アルコール、塩基性の塩、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩又はほう砂及び水を含む。引き続き失活された触媒及び不活性化剤は、有利には水又は有機溶剤、例えばアセトン又はメチレンクロリドでの洗浄によって重合体から分離される。しかしながら触媒Iは非常に少量でも使用できるので、触媒の除去のためのポリオキシメチレンの後処理を場合により省くことができる。
重合反応の完了後に、反応領域になおも存在する過剰のモノマーを、例えば蒸留によって、ガス流、例えば空気又は窒素での吹き出し、脱ガス、溶剤抽出又は水性混合物又は有機溶剤、例えばアセトンでの洗浄によって除去できる。
ポリオキシメチレンの取得は、一般に溶剤の除去によってもしくは塊状重合の場合には、溶融物の冷却及び場合により造粒によって行われる。塊状重合の有利な後処理は、ポリマー溶融物の、高められた圧力下及び液体、特に水の存在下での排出、冷却及び造粒を含み、それはドイツ国特許出願のDE−A−10006037号に記載され、これをもってその全ての範囲を本明細書の一部となす。
本発明による方法では、工業的使用のために最適な数秒〜数分の範囲にある誘導時間が達成される。同時にこのために必要な触媒量は少量である。本発明により製造可能なポリメチレンは、明らかに10000g/モルを上回る数平均モル質量を有する。有利には数平均モル質量は少なくとも9000g/モル、特に有利には少なくとも10000g/モルである。質量平均分子量Mwは、有利には少なくとも20000g/モル、特に有利には少なくとも30000g/モルである。多分散性指数PDI(MW/MN)は有利には4未満、特に有利には3未満である。
本発明の対象は、式Ia
MはMo又はWを表し、
Cpはシクロペンタジエニル配位子C5H4R1又はC5H3R1 2を表し、その際、R1はCHO、COCH3、COOCH3又はCOOC2H5を表し、
LはCO又はCH3CNを表し、
Zはアニオンを表し、かつ
nは1〜3の整数を表す]の触媒である。
有利にはシクロペンタジエニル配位子C5H4R1中のR1はCHO、COCH3又はCOOCH3を表し、かつシクロペンタジエニル配位子C5H3R1 2中のR1はCOOC2H5を表し、その際、後者の場合には個々の基R1は隣接しているか又は隣接していなくてよい。
Zは、有利にはトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロアセテート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート又はヘキサフルオロアンチモネートを表し、かつ特にトリフルオロメタンスルホネートを表す。
本発明による方法に関してなされた実施形は相応して本発明による触媒について該当する。
以下の実施例は本発明を詳細に説明するが、これを制限するものではない。
実施例
1.触媒の製造
触媒の製造を保護ガス下に実施した。以下の触媒を合成した:
1.触媒の製造
触媒の製造を保護ガス下に実施した。以下の触媒を合成した:
1.1 I.1及びI.2の合成
式I.1及びI.2の触媒はM.Appel他によるJ.Organomet.Chem.1987,322,77に記載される方法に相応して製造した。
式I.1及びI.2の触媒はM.Appel他によるJ.Organomet.Chem.1987,322,77に記載される方法に相応して製造した。
1.2 I.3及びI.4の合成
式I.3及びI.4の触媒の製造はM.Appel他によるJ.Organomet.Chem.1987,322,77に記載される方法に相応して行った。
式I.3及びI.4の触媒の製造はM.Appel他によるJ.Organomet.Chem.1987,322,77に記載される方法に相応して行った。
1.3 I.5の合成
式I.5の触媒の合成もM.Appel他によるJ.Organomet.Chem.1987,322,77に記載される方法に従って行った。
式I.5の触媒の合成もM.Appel他によるJ.Organomet.Chem.1987,322,77に記載される方法に従って行った。
1.4 I.6の合成
触媒I.6の製造はR.B.King他によるJ.Organomet.Chem.1968,15,457に記載される方法に従って行った。
触媒I.6の製造はR.B.King他によるJ.Organomet.Chem.1968,15,457に記載される方法に従って行った。
1.5 I.7の合成
5.901g(33.5ミリモル)のシクロペンタジエニルナトリウム−1,4−ジオキサン錯体を9.008g(100.0ミリモル)のジメチルカーボネートと一緒に70mlのテトラヒドロフラン中で還流加熱した。3時間後に溶剤及び過剰のジメチルカーボネートを蒸留により除去し、そして残留物を150mlのジエチルエーテルで洗浄した。真空中での乾燥後に、4.68g(32.03ミリモル)のメチルカルボキシシクロペンタジエニルナトリウムが得られた。2.913g(19.94ミリモル)のメチルカルボキシシクロペンタジエニルナトリウムを4.854g(18.39ミリモル)のMo(CO)6と80mlのテトラヒドロフラン中で混合し、24時間還流加熱し、室温に冷却した後に4.55g(32.06ミリモル)のメチルヨージドと混合し、そして更に24時間室温で撹拌した。溶剤及び過剰のメチルヨージドの真空中での蒸留による除去後に、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製を行い(活性化シリカゲル;シクロヘキサン:ジクロロメタン=5:2)、黄色の粉末として3.853g(12.11ミリモル)の(η5−メチルカルボキシ−シクロペンタジエニル)トリスカルボニルメチルモリブデン(II)が得られた。20mlのジクロロメタン中の0.4598g(1.445ミリモル)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)−トリスカルボニルメチルモリブデン(II)を−20℃で5mlのジクロロメタン中の0.2169g(1.4453ミリモル)のトリフルオロメタンスルホン酸からの溶液と緩慢に混合し、その際、黄色の溶液はワインレッドに呈色し、そして激しいガス発生が生じた。反応温度を30分の間隔で5℃ずつ緩慢に室温に高めた。引き続き反応混合物に25mlのn−ヘキサンを添加し、そして該溶液を真空中で、ワインレッドの生成物が沈殿するまで濃縮した。残りの溶剤をピペットで除去し、そして固体を真空中で乾燥させた。ワインレッドの粉末として0.443g(0.9797ミリモル、これは理論値の68%である)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)トリスカルボニルモリブデン(II)トリフラート(I.7)が得られた。
5.901g(33.5ミリモル)のシクロペンタジエニルナトリウム−1,4−ジオキサン錯体を9.008g(100.0ミリモル)のジメチルカーボネートと一緒に70mlのテトラヒドロフラン中で還流加熱した。3時間後に溶剤及び過剰のジメチルカーボネートを蒸留により除去し、そして残留物を150mlのジエチルエーテルで洗浄した。真空中での乾燥後に、4.68g(32.03ミリモル)のメチルカルボキシシクロペンタジエニルナトリウムが得られた。2.913g(19.94ミリモル)のメチルカルボキシシクロペンタジエニルナトリウムを4.854g(18.39ミリモル)のMo(CO)6と80mlのテトラヒドロフラン中で混合し、24時間還流加熱し、室温に冷却した後に4.55g(32.06ミリモル)のメチルヨージドと混合し、そして更に24時間室温で撹拌した。溶剤及び過剰のメチルヨージドの真空中での蒸留による除去後に、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製を行い(活性化シリカゲル;シクロヘキサン:ジクロロメタン=5:2)、黄色の粉末として3.853g(12.11ミリモル)の(η5−メチルカルボキシ−シクロペンタジエニル)トリスカルボニルメチルモリブデン(II)が得られた。20mlのジクロロメタン中の0.4598g(1.445ミリモル)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)−トリスカルボニルメチルモリブデン(II)を−20℃で5mlのジクロロメタン中の0.2169g(1.4453ミリモル)のトリフルオロメタンスルホン酸からの溶液と緩慢に混合し、その際、黄色の溶液はワインレッドに呈色し、そして激しいガス発生が生じた。反応温度を30分の間隔で5℃ずつ緩慢に室温に高めた。引き続き反応混合物に25mlのn−ヘキサンを添加し、そして該溶液を真空中で、ワインレッドの生成物が沈殿するまで濃縮した。残りの溶剤をピペットで除去し、そして固体を真空中で乾燥させた。ワインレッドの粉末として0.443g(0.9797ミリモル、これは理論値の68%である)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)トリスカルボニルモリブデン(II)トリフラート(I.7)が得られた。
分光学的データ:
1.6 I.8の合成
1.5に記載のように製造された2.486g(17.01ミリモル)のメチルカルボキシシクロペンタジエニルナトリウムを、6.675g(13.70ミリモル)のW(CO)3(dmf)3と80mlのDMF中で混合し、3時間還流加熱し、そして引き続き溶剤を蒸発乾涸させた。残留する褐色の油状物を80mlのTHF中に取り、そして4.55g(32.06ミリモル)のメチルヨージドと混合した。室温で24時間撹拌した後に、1.5に記載のように後処理を行った。黄色の粉末として3.97g(9.78ミリモル、これは理論値の71%である)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)トリスカルボニルメチルタングステン(II)が得られた。20mlのジクロロメタン中の0.763g(1.879ミリモル)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)−トリスカルボニルメチルタングステン(II)を室温で10mlのジクロロメタン中の0.2679g(1.785ミリモル)のトリフルオロメタンスルホン酸からの溶液と緩慢に混合し、その際、黄色の溶液はワインレッドに呈色し、そして激しいガス発生が生じた。室温で1時間撹拌した後に、溶剤を真空中で完全に除去した。赤煉瓦色の残留物を10mlのジクロロメタン中に溶解させ、そして10mlのn−ヘキサンと混合した。該混合物を、赤色の生成物が沈殿するまで濃縮した。残りの溶剤を手動でピペット除去し、そして残留した固体を真空中で乾燥させた。ワインレッドの粉末として0.710g(1.315ミリモル、これは理論値の70%である)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)トリスカルボニルタングステン(II)トリフラート(I.8)が得られた。
1.5に記載のように製造された2.486g(17.01ミリモル)のメチルカルボキシシクロペンタジエニルナトリウムを、6.675g(13.70ミリモル)のW(CO)3(dmf)3と80mlのDMF中で混合し、3時間還流加熱し、そして引き続き溶剤を蒸発乾涸させた。残留する褐色の油状物を80mlのTHF中に取り、そして4.55g(32.06ミリモル)のメチルヨージドと混合した。室温で24時間撹拌した後に、1.5に記載のように後処理を行った。黄色の粉末として3.97g(9.78ミリモル、これは理論値の71%である)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)トリスカルボニルメチルタングステン(II)が得られた。20mlのジクロロメタン中の0.763g(1.879ミリモル)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)−トリスカルボニルメチルタングステン(II)を室温で10mlのジクロロメタン中の0.2679g(1.785ミリモル)のトリフルオロメタンスルホン酸からの溶液と緩慢に混合し、その際、黄色の溶液はワインレッドに呈色し、そして激しいガス発生が生じた。室温で1時間撹拌した後に、溶剤を真空中で完全に除去した。赤煉瓦色の残留物を10mlのジクロロメタン中に溶解させ、そして10mlのn−ヘキサンと混合した。該混合物を、赤色の生成物が沈殿するまで濃縮した。残りの溶剤を手動でピペット除去し、そして残留した固体を真空中で乾燥させた。ワインレッドの粉末として0.710g(1.315ミリモル、これは理論値の70%である)の(η5−メチルカルボキシシクロペンタジエニル)トリスカルボニルタングステン(II)トリフラート(I.8)が得られた。
分光学的データ:
1.7 I.9の合成
5.231g(26.89ミリモル)のシクロペンタジエニルナトリウム−1,4−ジオキサン錯体を6.014g(100.15ミリモル)のギ酸メチルエステルと一緒に60mlのテトラヒドロフラン中で還流加熱した。3時間後に溶剤及び過剰のギ酸メチルエステルを蒸留により除去し、そして残留物を150mlのジエチルエーテルで洗浄した。真空中での乾燥後に、2.70g(23.26ミリモル、理論値の78%である)のホルミルシクロペンタジエニルナトリウムが得られた。0.993g(8.55ミリモル)のホルミル−シクロペンタジエニルナトリウムを2.564g(8.46ミリモル)のMo(CO)3(CH3CN)3と100mlのTHF中で混合し、2時間還流加熱し、そして引き続き室温で2.147g(8.46ミリモル)のヨウ素と混合した。溶剤の蒸留による除去の後に、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製を行い(活性化シリカゲル;ジクロロメタン)、そして赤褐色の粉末として1.078g(3.03ミリモル;理論値の36%)の(η5−ホルミルシクロペンタジエニル)トリスカルボニルヨードモリブデン(II)が得られた。20mlのアセトニトリル中の0.2822g(0.793ミリモル)の(η5−ホルミルシクロペンタジエニル)トリスカルボニルヨードモリブデン(II)を室温で5mlのアセトニトリル中の0.2037g(0.793ミリモル)の銀トリフルオロメタンスルホネートからの溶液と混合し、そして4時間還流加熱し、その際、透明な赤褐色の溶液から黄土褐色の懸濁液が形成した。該懸濁液を2cmの活性化シリカゲルで強化されたフリット(多孔度3)を介して濾過した。赤色の濾液を濃縮乾燥させ、20mlのジクロロメタン中に取り、そして同量のn−ヘキサンと混合した。該混合物を真空中で8mlに濃縮し、残りの溶剤を手動でピペット除去し、そして固体を真空中で乾燥させた。淡赤色の粉末として、0.224g(0.515ミリモル、これは理論値の65%である)の(η5−ホルミルシクロペンタジエニル)ビスカルボニル(アセトニトリロ)モリブデン(II)トリフラート(I.9)が得られた。
5.231g(26.89ミリモル)のシクロペンタジエニルナトリウム−1,4−ジオキサン錯体を6.014g(100.15ミリモル)のギ酸メチルエステルと一緒に60mlのテトラヒドロフラン中で還流加熱した。3時間後に溶剤及び過剰のギ酸メチルエステルを蒸留により除去し、そして残留物を150mlのジエチルエーテルで洗浄した。真空中での乾燥後に、2.70g(23.26ミリモル、理論値の78%である)のホルミルシクロペンタジエニルナトリウムが得られた。0.993g(8.55ミリモル)のホルミル−シクロペンタジエニルナトリウムを2.564g(8.46ミリモル)のMo(CO)3(CH3CN)3と100mlのTHF中で混合し、2時間還流加熱し、そして引き続き室温で2.147g(8.46ミリモル)のヨウ素と混合した。溶剤の蒸留による除去の後に、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製を行い(活性化シリカゲル;ジクロロメタン)、そして赤褐色の粉末として1.078g(3.03ミリモル;理論値の36%)の(η5−ホルミルシクロペンタジエニル)トリスカルボニルヨードモリブデン(II)が得られた。20mlのアセトニトリル中の0.2822g(0.793ミリモル)の(η5−ホルミルシクロペンタジエニル)トリスカルボニルヨードモリブデン(II)を室温で5mlのアセトニトリル中の0.2037g(0.793ミリモル)の銀トリフルオロメタンスルホネートからの溶液と混合し、そして4時間還流加熱し、その際、透明な赤褐色の溶液から黄土褐色の懸濁液が形成した。該懸濁液を2cmの活性化シリカゲルで強化されたフリット(多孔度3)を介して濾過した。赤色の濾液を濃縮乾燥させ、20mlのジクロロメタン中に取り、そして同量のn−ヘキサンと混合した。該混合物を真空中で8mlに濃縮し、残りの溶剤を手動でピペット除去し、そして固体を真空中で乾燥させた。淡赤色の粉末として、0.224g(0.515ミリモル、これは理論値の65%である)の(η5−ホルミルシクロペンタジエニル)ビスカルボニル(アセトニトリロ)モリブデン(II)トリフラート(I.9)が得られた。
分光学的データ:
2.重合
重合を保護ガスを用いずに実施した。
重合を保護ガスを用いずに実施した。
2.1 塊状重合
250mlの丸形フラスコ中で6mlのトリオキサン及び200μlの1,3−ジオキセパンをそれぞれ第1表中に挙げられる触媒の溶液と1mlのジクロロメタン中の相応の量で80℃で混合した。触媒を添加してから混濁が開始するまでの時間を誘導時間として測定した。2時間後に反応混合物を冷却し、そして溶剤を除去した。粗製重合体を乳鉢で粉砕し、そして50mlの0.2Mの炭酸ナトリウム水溶液と混合した。この混合物を16時間にわたり還流加熱した。引き続き該反応混合物を濾過し、そして濾過ケークを25mlの水及び25mlのアセトンで洗浄した。濾過ケークを70℃で16時間乾燥させた。以下の表において、測定された誘導時間並びに得られたポリオキシメチレンの数平均及び質量平均のモル質量Mn及びMw、多分散性指数(PDI=Mw/Mn)及び粗製収量を挙げる。モル質量Mn及びMwはゲル透過クロマトグラフィーによって測定した。
250mlの丸形フラスコ中で6mlのトリオキサン及び200μlの1,3−ジオキセパンをそれぞれ第1表中に挙げられる触媒の溶液と1mlのジクロロメタン中の相応の量で80℃で混合した。触媒を添加してから混濁が開始するまでの時間を誘導時間として測定した。2時間後に反応混合物を冷却し、そして溶剤を除去した。粗製重合体を乳鉢で粉砕し、そして50mlの0.2Mの炭酸ナトリウム水溶液と混合した。この混合物を16時間にわたり還流加熱した。引き続き該反応混合物を濾過し、そして濾過ケークを25mlの水及び25mlのアセトンで洗浄した。濾過ケークを70℃で16時間乾燥させた。以下の表において、測定された誘導時間並びに得られたポリオキシメチレンの数平均及び質量平均のモル質量Mn及びMw、多分散性指数(PDI=Mw/Mn)及び粗製収量を挙げる。モル質量Mn及びMwはゲル透過クロマトグラフィーによって測定した。
第1表
2.2 塊状重合
80℃に加熱した丸形フラスコ中で6.804g(75.6ミリモル)の液状のトリオキサンを添加し、そしてそれぞれ第2表中に挙げられる触媒と混合した。触媒を添加してから混濁が開始するまでの時間を誘導時間として測定した。次いで反応を50mlの水の添加によって中断させた。得られたポリマーを濾過分離し、水及びアセトンで洗浄し、乾燥戸棚中で1〜2時間、70℃で乾燥させ、そしてその収率を測定した。以下の表において、誘導時間、反応時間及び収率を挙げる。
80℃に加熱した丸形フラスコ中で6.804g(75.6ミリモル)の液状のトリオキサンを添加し、そしてそれぞれ第2表中に挙げられる触媒と混合した。触媒を添加してから混濁が開始するまでの時間を誘導時間として測定した。次いで反応を50mlの水の添加によって中断させた。得られたポリマーを濾過分離し、水及びアセトンで洗浄し、乾燥戸棚中で1〜2時間、70℃で乾燥させ、そしてその収率を測定した。以下の表において、誘導時間、反応時間及び収率を挙げる。
第2表
2.3 水の存在下での溶液重合
6mlのホルマリン飽和されたジクロロエタン中の40〜50%のトリオキサン(含水率:約0.5容量%)を100μlの1,3−ジオキセパンと混合し、そして80℃に加温した。該反応混合物に、それぞれ第3表に挙げられる触媒の溶液を1mlのジクロロメタン中の相応の量で添加した。触媒を添加してから混濁が開始するまでの時間を誘導時間として測定した。4時間後に反応を反応混合物の冷却によって中断させた。後処理を2.1に記載のように行った。第3表において、測定された誘導時間並びに得られたポリオキシメチレンの数平均及び質量平均のモル質量、多分散性指数(PDI=Mw/Mn)及び粗製収量を挙げる。
6mlのホルマリン飽和されたジクロロエタン中の40〜50%のトリオキサン(含水率:約0.5容量%)を100μlの1,3−ジオキセパンと混合し、そして80℃に加温した。該反応混合物に、それぞれ第3表に挙げられる触媒の溶液を1mlのジクロロメタン中の相応の量で添加した。触媒を添加してから混濁が開始するまでの時間を誘導時間として測定した。4時間後に反応を反応混合物の冷却によって中断させた。後処理を2.1に記載のように行った。第3表において、測定された誘導時間並びに得られたポリオキシメチレンの数平均及び質量平均のモル質量、多分散性指数(PDI=Mw/Mn)及び粗製収量を挙げる。
第3表
本発明による触媒での反応と従来の技術からの公知のMoO2(acac)2での反応との比較が示すように、本発明による触媒はより高い収率をもたらす。更に本発明による触媒はMoO2(acac)2に対して水の存在下でも触媒活性が得られる。
Claims (10)
- ポリオキシメチレンを、ホルムアルデヒド源と式I
MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh又はIrを表し、
Cpはシクロペンタジエニル配位子C5H(5−u)R1 uを表し、その際、uは0〜5を表し、R1はアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、COOR2、COR2、CN又はNO2を表し、かつR2はH、アルキル、アリール又はアラルキルを表し、
vは1又は2を表し、
各Lは無関係にニトリル、CO又はCOによって置換可能な配位子を表し、
wは0〜4の整数を表し、
Zはアニオンを表し、かつ
m及びnは互いに無関係に1〜3の整数を表す]の触媒とを接触させることによって製造する方法。 - Cpがシクロペンタジエニル配位子C5H(5−u)R1 uを表し、その際、R1がメチル、CHO、COCH3、COC2H5、COOCH3、COOC2H5、CN又はNO2を表す、請求項1記載の方法。
- MがMo又はWを表す、請求項1又は2記載の方法。
- Lが、無関係に、ニトリル、CO、アルケン、ホスフィン、アミン、エーテル、カルボン酸エステル、環式炭酸エステル、エポキシド、ヘミアセタール、アセタール及びニトロ化合物から選択される、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- Zがハロゲニド、式OSO2R[式中、Rはアルキル、部分的又は完全にハロゲン化されたアルキル又はアリールを表す]のスルホネート、カルボキシレート、錯体ボレート、錯体ホスフェート、錯体アルセネート又は錯体アンチモネートを表す、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- Zがクロリド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホネートを表す、請求項5記載の方法。
- ホルムアルデヒド源がホルムアルデヒド、トリオキサン又はパラホルムアルデヒドである、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- Cpがシクロペンタジエニル配位子C5H4R1を表し、その際、R1がCHO、COCH3又はCOOCH3を表すか、又はCpがシクロペンタジエニル配位子C5H3R1 2を表し、その際、R1がCOOC2H5を表す、請求項8記載の触媒。
- Zがトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロアセテート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート又はヘキサフルオロアンチモネートを表す、請求項8又は9記載の触媒。
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