JPS6214164B2 - - Google Patents

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JPS6214164B2
JPS6214164B2 JP20376482A JP20376482A JPS6214164B2 JP S6214164 B2 JPS6214164 B2 JP S6214164B2 JP 20376482 A JP20376482 A JP 20376482A JP 20376482 A JP20376482 A JP 20376482A JP S6214164 B2 JPS6214164 B2 JP S6214164B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
polymer
group
trioxane
polyhydric alcohol
Prior art date
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Expired
Application number
JP20376482A
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English (en)
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JPS5993717A (ja
Inventor
Kazuhiko Matsuzaki
Junzo Masamoto
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP20376482A priority Critical patent/JPS5993717A/ja
Publication of JPS5993717A publication Critical patent/JPS5993717A/ja
Publication of JPS6214164B2 publication Critical patent/JPS6214164B2/ja
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  • Polyethers (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は所望の分子量と改善された流動性・加
工性とを有する分岐オキシメチレン重合体の製法
に関するものである。更に詳しくは、アルキレン
オキシドが多価アルコールに付加した構造を有
し、且つ1分子中に少なくとも3個以上のアルコ
ール性水酸基を有する化合物を分子量調節剤とし
て、トリオキサンの単独重合もしくはトリオキサ
ンと環状エーテルとの共重合を行ない、流動性と
加工性とに優れたオキシメチレン重合体を得る方
法に関するものである。 特公昭44−23341号公報においては、カチオン
重合触媒を用いて、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール等のポリヒド
ロキシ化合物の存在下にてトリオキサンを重合す
る旨の記述がある。これ等のヒドロキシ化合物を
用いるトリオキサンのカチオン重合においては、
ハイドライド・シフト反応と呼ばれる主鎖切断反
応がおこる。 (〓〓〓はオキシメチレン連鎖を示す。) ハイドライド・シフト反応によつて重合体の分
子量は低下する。いまポリヒドロキシ化合物はト
リオキサンの重合に際しては分子量調節剤として
機能する。ハイドライド・シフトが頻発すると、
ポリヒドロキシ化合物の使用量は減少を余儀なく
され、その結果生成する重合体は分岐密度が低下
し、重合体の流動性と加工性とは十分には改善さ
れ得ない。即ちこれらのポリヒドロキシ化合物を
用いて、高分岐密度・高重合度のトリオキサンポ
リマーを合成する事は著るしく困難である。 オキシメチレン重合体は、熱可塑性エンジニア
リングプラスチツクとして広範に用いられてお
り、通常射出成形法、押出成形法等の成形法を用
いて賦形される。成形時におけるオキシメチレン
重合体の溶融流動特性及び加工性を改善する事
は、オキシメチレン重合体の用途を大きく開拓す
るものとして期待される所が大きい。 本発明者らは、トリオキサンの単独重合及びト
リオキサンと環状エーテルとの共重合における分
子量調節法を広く検討した結果、アルキレンオキ
シドが多価アルコールに付加した構造を有し、か
つ1分子中に少なくとも3個以上のアルコール性
水酸基を有する付加化合物が良好な分子量調節剤
として機能し、且つ生成したオキシメチレン重合
体の流動性及び加工性も極めて良好である事を見
出し、本発明を完成するに至つた。 即ち、本発明は、アルキレンオキシドが多価ア
ルコールに付加した構造を有し、かつ1分子中に
少なくとも3個以上のアルコール性水酸基を有す
〔たゞしXは水酸基を除いた多価アルコール残基
を示す。多価アルコール1モル当りのアルキレン
オキシドの平均付加モル数(n1+n2+…………
…+nl)が1〜150間のにある。R0はアルキル
基、アリール基より選ばれ各々同一であつても異
なつていても良い。m=2〜6、l=3〜6であ
る。〕 で表わされる付加化合物を分子量調節剤として存
在させ、カチオン重合触媒を用い、0〜160℃、
5秒〜300分の重合条件で、トリオキサンを単独
重合させるか、或いはトリオキサン100重量部と
一般式 (R0′は水素、アルキル基、アリール基より選ばれ
各々同一であつても異なつていても良い。m′=
2〜6)あるいは (R0′は水素、アルキル基、アリール基より選ば
れ、各々同一であつても異なつていても良い。
m′=2〜6) で表わされる環状エーテル0.03〜100重量部とを
共重合させる事を特徴とする分岐オキシメチレン
重合体の製法を提供する。 付加化合物の存在下にてトリオキサンを単独重
合もしくは共重合せしめると、連鎖移動及び鎖分
岐が起こり、オキシメチレン重合体の分子量が調
節されると同時に分岐重合体が生成する。この
際、実に驚くべき事に、トリオキサンのカチオン
重合において通常見られるハイドライド・シフト
反応は抑制され、オキシメチレン重合体主鎖の切
断は防止される。 また生成された分岐状のオキシメチレン重合体
は、改善された溶融流動性を有し、その結果とし
て押圧成形、射出成形等において良好な加工性を
示す。 オキシメチレン重合体の鎖分岐は、少なくとも
3個のアルコール性水酸基を有する付加化合物を
用いた場合にのみ起こる。1個もしくは2個のア
ルコール性水酸基を有する化合物を用いた場合に
は、連鎖移動は起こるが、鎖分岐は起こらない。 以下本発明を具体的に説明する。 本発明においてトリオキサンの重合反応時に分
子量調節剤として用いられる化合物は、アルキレ
ンオキシドが多価アルコールに付加した構造を有
し、かつ1分子中に少なくとも3個以上のアルコ
ール性水酸基を有する付加化合物である。この化
合物は、通常トリオール、テトラオール、ペンタ
オール、ヘキサオールである多価アルコールにア
ルキレンオキシドを付加させる事によつて得られ
る。 アルキレンオキシドと付加物をつくるべきトリ
オールは、1分子中にアルコール性水酸基を3個
含む化合物であり、例えば、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、ソルビタンモノエステル、
1・3・5−トリヒドロキシ−3−メチルペンタ
ン、ジグリセリンモノアセテート、ジグリセリン
モノステアレート、トリメチロールエタン等の化
合物がある。これらのトリオールの中でも精製と
入手の容易さの観点より、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ソルビタンモノエステルが特に
好ましい。 テトラオールは、1分子中にアルコール性水酸
基を4個含む化合物であり、例えば、ペンタエリ
スリトール、ジグリセリン、ソルビタン、1・
1・2・2−テトラキス(ヒドロキシフエニル)
エタン、ポリヒドロキシポリオレフイン(平均分
子量3100、ポリブタジエンの二重結合をエポキシ
化し、水素添加の後、エポキシ環を開環させた化
合物であり、1分子中にアルコール性水酸基を平
均して4個含むポリマー)等の化合物がある。こ
れらのテトラオールの中でも精製と入手の容易さ
の観点より、ペンタエリスリトール、ジグリセリ
ンが特に好ましい。 ペンタオールは、1分子中にアルコール性水酸
基を5個含む化合物であり、例えば、ヘキソース
と総称される化合物、具体的にはフルクトース、
グルコース等がある。 ヘキサオールは、1分子中にアルコール性水酸
基を6個含む化合物であり、例えばソルビトール
等がある。 これ等の多価アルコールの中でも、入手の容易
さ及び鎖分岐の効率の観点より、特にトリオール
及びテトラオールが好ましい。 本発明において多価アルコールに付加されるべ
きアルキレンオキシドには、エチレンオキシド、
プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、trans
−2・3−エポキシブタン、cis−2・3−エポ
キシブタン、イソブチレンオキシド、オキセタ
ン、3・3−ビス(クロルメチル)オキセタン、
テトラヒドロフラン、オキセパン、スチレンオキ
シド、エピクロルヒドリン、シクロヘキセンオキ
シド等がある。これ等のアルキレンオキシドの中
でもエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブ
チレンオキシドが好ましく、更には、ハイドライ
ド・シフト反応を抑制する観点からエチレンオキ
シドが特に好ましい。 ここで注意すべきポイントは、多価アルコール
へのアルキレンオキシドの付加モル数である。即
ち多価アルコールへのアルキレンオキシド付加物
を用いる場合に限つて、ハイドライド・シフト反
応の頻度は低下する。アルキレンオキシドが多価
アルコール1モル当り1モル付加した化合物を用
いても、多価アルコールを直接用いる場合に較べ
て、ハイドライド・シフト反応は半減する。これ
は実に驚くべき効果であると言わざるを得ない。 多価アルコール1モル当りのアルキレンオキシ
ドの平均付加モル数(Σni)は、1〜150の間に
ある事が必要である。付加モル数の下限は、上述
のハイドライド・シフト反応を抑制する見地より
制限され、上限は主として重合における付加化合
物の連鎖移動の反応性を維持する観点より制限さ
れる。即ち平均付加モル数が150を越えると付加
化合物の分子量調節剤としての機能は低下する。 この様な観点より平均付加モル数のより好まし
い範囲は、2〜70である。 ここで本発明で分子量調節剤として用いられる
付加化合物を具体的に例示すると次の如くであ
る。 トリオールへのアルキレンオキシド付加化合物
の第1のグループは、一般式 (n1+n2+n3=1〜150、R0=水素、アルキル基、
アリール基より選ばれ、各々同一であつても異な
つていても良い。m=2〜6)で表わされるグリ
セリン誘導体である。例えばグリセリンエチレン
オキシド付加物(平均分子量800)、グリセリンプ
ロピレンオキシド付加物(平均分子量660)、グリ
セリンエチレンオキシド・プロピレンオキシド混
合付加物(平均分子量1830、エチレンオキシド/
プロピレンオキシド=3/1(重量比)、グリセ
リンイソブチレンオキシド付加物(平均分子量
820)、グリセリンテトラヒドロフラン付加物(平
均分子量850)、グリセリンオキセパン付加物(平
均分子量930)等がこのグループに含まれる。 第2のグループは、一般式 (n1+n2+n3=1〜150、R0=水素、アルキル基、
アリール基より選ばれ、各々同一であつても異な
つていても良い。m=2〜6)で表わされるトリ
メチロールプロパン誘導体である。例えばトリメ
チロールプロパンエチレンオキシド付加物(平均
分子量450)、トリメチロールプロパンプロピレン
オキシド付加物(平均分子量830)、トリメチロー
ルプロパンブチレンオキシド付加物(平均分子量
830)、トリメチロールプロパンスチレンオキシド
付加物(平均分子量1150)等がこのグループに含
まれる。 第3のグループは、一般式 (n1+n2+n3=1〜150、R0=水素、アルキル基、
アリール基より選ばれ、各々同一であつても異な
つていても良い。m=2〜6)で表わされるソル
ビタンモノエステル誘導体である。例えばソルビ
タンモノラウレートエチレンオキシド付加物(平
均分子量2000)、ソルビタンモノオレエートプロ
ピレンオキシド付加物(平均分子量1150)、ソル
ビタンモノステアレートイソブチレンオキシド付
加物(平均分子量2150)等がこのグループに含ま
れる。 以上3つのグループの他に、多価アルコールへ
のアルキレンオキシド付加物であり、且つ1分子
中にアルコール性水酸基を3個有する化合物が使
用出来るのは当然である。例えばジグリセリンモ
ノアセテートエチレンオキシド付加物(平均分子
量1620)、トリメチロールエタンブチレンオキシ
ド付加物(平均分子量330)等がある。 これらのアルコール性水酸基を3個有する化合
物の中でも特に、入手と精製の容易さより、グリ
セリン誘導体、トリメチロールプロパン誘導体及
びソルビタンモノエステル誘導体が好ましい。 次にテトラオールへのアルキレンオキシド付加
化合物の第1のグループは、一般式 (n1+n2+n3+n4=1〜150、R0=水素、アルキル
基、アリール基より選ばれ、各々同一であつても
異なつていても良い。m=2〜6)で表わされる
ペンタエリスリトール誘導体である、例えばペン
タエリスリトールエチレンオキシド付加物(平均
分子量1500)、ペンタエリスリトールプロピレン
オキシド付加物(平均分子量1500)、ペンタエリ
スリトールブチレンオキシド付加物(平均分子量
1810)、ペンタエリスリトールテトラヒドロフラ
ン付加物(平均分子量1870)等がこのグループに
含まれる。 第2のグループは、一般式 (n1+n2+n3+n4=1〜150、R0=水素、アルキル
基、アリール基より選ばれ、各々同一であつても
異なつていても良い。m=2〜6)で表わされる
ジグリセリン誘導体である。例えばジグリセリン
エチレンオキシド付加物(平均分子量810)、ジグ
リセリンプロピレンオキシド付加物(平均分子量
1600)等がこのグループに含まれる。 第3のグループはソルビタン誘導体である。例
えば、1・5−ソルビタンエチレンオキシド付加
物(平均分子量2500)、1・4−ソルビタンプロ
ピレンオキシド付加物(平均分子量5800)等がこ
のグループに含まれる。 以上3つのグループの他に、多価アルコールへ
のアルキレンオキシド付加物であり、且つ1分子
中にアルコール性水酸基を4個有する化合物が使
用出来るのは当然である。 これらのアルコール性水酸基を4個有する化合
物の中でも特に、入手と精製の容易さより、ペン
タエリスリトール誘導体、ジグリセリン誘導体が
好ましい。 ペンタオールへのアルキレンオキシド付加化合
物としては、例えばヘキソースと総称される化合
物へのアルキレンオキシド化合物がある。具体的
にはフルクトースエチレンオキシド付加物(平均
分子量1250)、グルコースプロピレンオキシド付
加物(平均分子量850)等がある。 ヘキサオールへのアルキレンオキシド付加化合
物としては、例えばソルビトールエチレンオキシ
ド付加物(平均分子量1350)、ソルビトールプロ
ピレンオキシド付加物(平均分子量1650)等があ
る。 これ等の付加化合物は単独で、もしくは混合さ
れて重合反応に供される。また重合反応に先立
ち、付加化合物中に含まれる水等の不純物を極力
除去する事により、付加化合物を精製する事が望
ましい。 本発明においてオキシメチレン重合体を形成す
る出発物質として、トリオキサン、もしくはトリ
オキサンと環状エーテルとが用いられる。 トリオキサンと共重合されるべき環状エーテル
の第1のグループは、一般式 (R′0=水素、アルキル基、アリール基より選ばれ
各々同一であつても異なつていても良い。m′=
2〜6)で表わされる構造を有する化合物であ
る。例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシ
ド、オキセタン、3・3−ビス(クロルメチル)
オキセタン、テトラヒドロフラン、オキセパン、
スチレンオキシド等がある。これ等の化合物の中
でも特にエチレンオキシドが好ましく用いられ
る。 環状エーテルの第2のグループは、一般式 (R′0=水素、アルキル基、アリール基より選ば
れ、各々同一であつても異なつていても良い。
m′=2〜6)で表わされる構造を有する化合物
である。例えばエチレングリコールホルマール、
プロピレングリコールホルマール、ジエチレング
リコールホルマール、トリエチレングリコールホ
ルマール、1・4−ブタンジオールホルマール、
1・5−ペンタンジオールホルマール、1・6−
ヘキサンジオールホルマール等がある。これ等の
化合物の中でも特に、エチレングリコールホルマ
ール、1・4−ブタンジオールホルマール、ジエ
チレングリコールホルマール及びトリエチレング
リコールホルマールが好ましい。 環状エーテルは、トリオキサン100重量部に対
して、0.03〜100重量部、より好ましくは、0.1〜
50重量部用いられる。 本発明においては、カチオン重合触媒が用いら
れる。カチオン重合触媒の例としては、四塩化
錫、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜
鉛、五弗化アンチモン、三弗化ホウ素、三弗化ホ
ウ素ジエチルエーテレート、三弗化ホウ素ジブチ
ルエーテレート等のいわゆるフリーデル・クラフ
ト型化合物、過塩素酸、アセチルパークロレー
ト、トリクロロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等
の無機酸・有機酸、トリエチルオキソニウムテト
ラフロロボレート、トリフエニルメチルヘキサフ
ロロアンチモネート、アリールジアゾニウムヘキ
サフロロホスフエート等の複合塩化合物、ジエチ
ル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロライド等のアルキル金属等があげら
れる。 これ等のカチオン重合触媒は、出発物質100重
量部に対し、0.0005〜5重量部の範囲で用いられ
る。 トリオキサンの単独重合もしくはトリオキサン
と環状エーテルとの共重合は無溶媒もしくは有機
媒体中で行なわれる。 本発明において用いる事の出来る有機媒体とし
ては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩
化メチレン、塩化エチレン、トリクロロエタン等
のハロゲン化脂肪族炭化水素、クロルベンゼン、
o−ジクロルベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化
水素等がある。これ等の有機媒体は単独で用いて
も良く、或いは2種以上混合して用いても差し支
えない。 分子量調節剤として使用される付加化合物は、
反応系中に出来うる限り均一に溶解もしくは分散
されて用いられる。付加化合物の系中における濃
度は、所望するオキシメチレン重合体の分子量の
要求と分岐密度の要求に応じて、容易に実験によ
つて決定する事が出来る。 一定の分岐密度のオキシメチレン重合体の分子
量のコントロールは、付加化合物と既知の分子量
調節剤との組み合わせで行う事が出来る。即ち分
岐密度を上げずに、オキシメチレン重合体の分子
量を低下させたい時には、メチラール、メタノー
ル、エタノール、オルソギ酸メチル、水等の既知
の分子量調節剤が更に加えられる。 重合反応温度は通常0〜160℃の間で設定され
るが、無溶媒の場合には、20〜140℃の間がより
好ましく、有機媒体を使用する場合には、10〜
140℃の間がより好ましい。 重合反応時間については、特に制限はないが5
秒〜300分の間で設定される。 所定時間の経過後、反応系中にアミン等の重合
停止剤が添加されて単独重合もしくは共重合は終
了する。得られた重合体は、不安定末端を加水分
解にて除去するか、或いは不安定末端をエステル
化等の方法で封鎖するかによつて安定化される。
安定化されたオキシメチレン重合体は、安定剤・
酸化防止剤等が添加され実用に供される。 以上詳細に述べて来た本発明の製法を用いる事
により、所望の分子量と、優れた流動性及び加工
性とを併せ持つオキシメチレン重合体を取得する
事が可能となつた。ここで本発明の特徴を列記す
ると以下の如くである。 (1) オキシメチレン重合体の分子量を任意に制御
する事が可能である事。 (2) 分子量の制御と同時に、オキシメチレン重合
体に優れた流動性及び加工性を付与する事が可
能である事。 以下実施例により本発明を説明するが、これは
本発明の範囲を限定するものではない。実施例中
重合体の性質の測定項目及びその測定方法は次の
通りである。 還元粘度:p−クロロフエノール−テトラクロル
エチレン(1:1重量比)溶液中で、重合体濃
度0.5gr/dl、60℃で測定。オキシメチレン重
合体の分子量の尺度とする。 末端ホルメート基(β):重合体をフイルム化
し、赤外線吸収スペクトルを用いて定量・βは
ハイドライド・シフト反応の尺度であり、βの
高い程主鎖切断が多い事を示している。 M.F.R.(Melt Flow Ratio):重合体の末端を無
水酢酸で封鎖した後、重合体100部に、2・2
−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブ
チルフエノール)0.25部、ポリカプロラクタ
ム/ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキ
サメチレンセバカミドのターポリマー0.25部を
添加し、50mmφ押出機を用いて混合しペレツト
とする。このペレツトの溶融指数(MI)を190
℃にて、2.16Kgの標準荷重を用いて測定する
(ASTM−D 1238−57T)。またこのペレツト
の高荷重下での溶融指数(10×MI)を、190℃
にて、21.69Kgの高荷重を用いて測定する。そ
して次式に従つてM.F.R.を求める。 M.F.R.=10×MI/MI M.F.R.はオキシメチレン重合体の流動性を
示す指標であり、M.F.R.の高い程加工性は良
好といえる。 実施例 1 2枚のΣ型撹拌羽根を有するニーダーに、十分
精製されたトリオキサン500gr、エチレンオキシ
ド12gr、グリセリンエチレンオキシド付加物(平
均分子量224、エチレンオキシドの平均付加モル
数3)3.1grを仕込み、75℃に加熱した。次いで
このニーダーに三弗化ホウ素ジブチルエーテレー
ト0.25grを加え、10分間撹拌した。その後直ちに
重合を停止させるべく、トリエチルアミン15grを
加えた。ニーダーより内容物を取出し、アセトン
で洗滌後真空にて乾燥し、オキシメチレン重合体
463grを得た。この重合体の環元粘度は、1.98で
あり、所望の分子量を有していた。またこの重合
体のβは2.1×10-4(mole−CHO基/mole−
CH2O連鎖)であり、ハイドライド・シフト反応
が低いレベルに抑制されている事を示している。 この重合体のMIは、9.2(gr/10分)、10×MI
は、265.9(gr/10分)、M.F.R=28.9であり、改
善された流動性と加工性とを有していた。 比較例 1 実施例1で用いた試薬のうち、グリセリンエチ
レンオキシド付加物に代えて、グリセリン1.3gr
を用いた他は、全て実施例1と同じ試薬を用い、
実施例1と同様に操作し、重合体460grを得た。
この重合体の還元粘度は、1.58、βは4.8×10-4
(mole−CHO基/mole−CH2O連鎖)であり、ハ
イドライド・シフト反応が実施例1のほぼ2倍起
こつている事を示している。このハイドライド・
シフト反応によつて重合体の分子量は実施例1よ
り低いものとなつている。この重合体のMIは
19.5(gr/10分)、10×MIは546.0(gr/10分)、
M.F.R=28.0であり、分岐はほぼ実施例1と同程
度起こつているものと考えられる。 比較例 2 実施例1で用いた試薬のうち、重合体の分子量
を上げる目的で、グリセリンを1.3grより0.6grま
で減少させた他は、全て比較例1と同じ試薬を用
い、比較例1と同様に操作し、重合体460grを得
た。この重合体の還元粘度は1.95、βは3.8×
10-4(mole−CHO基/mole−CH2O連鎖)であ
り、分子量はほぼ実施例1と同程度であつた。し
かしながらハイドライド・シフト反応は依然とし
て実施例1より高いレベルである。この重合体の
MIは9.8(gr/10分)、10×MIは196.0(gr/10
分)、M.F.R=20.0であり、流動性の改善は実施
例に較べて進んでいない。これは分子量を維持す
るためにグリセリンの使用量を削減した事に起因
する。即ち一定の分子量を維持し、同時に流動性
を改善する試みは、グリセリンを用いる場合には
必ずしも成功していない。 実施例 2 5ステンレス製反応槽に、トルエン2000gr、
トリオキサン1050gr、トリメチロールプロパンプ
ロピレンオキシド付加物(平均分子量570、プロ
ピレンオキシド平均付加モル数10)20.5grを仕込
み、82℃に加熱した。次いでこの反応槽に四塩化
錫0.42grを仕込み45分間撹拌を続けた。45分間経
過したところでトリブチルアミン53grを加え重合
を停止した。反応槽内のスラリーを取出し、洗
滌・乾燥を行ない重合体863grを得た。この重合
体の還元粘度は、1.57であり、目標値(1.60)に
ほぼコントロールされていた。またβは、2.7×
10-4(mole−CHO基/mole−CH2O連鎖)と低
いレベルである。この重合体のMIは19.8(gr/
10分)、10×MIは568.3(gr/10分)、M.F.Rは
28.7であり、良好な流動性を有していた。 比較例 3 実施例2で用いた試薬のうち、トリメチロール
プロパンプロピレンオキシド付加物に代えて、ト
リメチロールプロパン4.7grを用いた他は、全て
実施例2と同じ試薬を用い、実施例2と同様に操
作し、重合体860grを得た。この重合体の物性は
次の通りである。 還元粘度 1.18 β 5.8×10-4(mole−CHO基/mole−CH2O
連鎖) MI 48.6(gr/10分) 10×MI 1336.5(gr/10分) M.F.R 27.5 本例では、主鎖切断が頻発し、重合体の分子量
が低下している。この重合体は、分子量が低くエ
ンジニアリングプラスチツクとしての性能は不良
である。 実施例 3〜15 2枚のΣ型撹忰羽根を有するニーダーにトリオ
キサン1000gr及び第1表に示す環状エーテル、付
加化合物を仕込み、内容物を85℃に加熱した。次
いでこのニーダーに三弗化ホウ素ジエチルエーテ
レーナ0.40grを加え、12分間撹拌を続けた後、ト
リブチルアミン55grを加え重合を停止した。ニー
ダーより内容物を取出し、洗滌・乾燥を行う事に
より第1表に示した重量の重合体を取得した。重
合体の分析・解析を行ない結果を併せて第1表に
示した。いずれの実施例においても所望の分子量
を有し、ハイドライド・シフト反応の少ない重合
体が得られている。またいずれの実施例において
も、流動性と加工性とに優れた性能を有する重合
体が得られている。 比較例 4 実施例7で用いた試薬のうち、ペンタエリスリ
トールブチレンオキシド付加物に代えて、ペンタ
エリスリトール3.4grを用いた他は、全て実施例
7と同じ試薬を用い、実施例7と同様に操作し
た。得られた結果を第1表に併せて示した。ペン
タエリスリトールを用いると鎖分岐は起こるが、
ハイドライド・シフト反応が頻発し、分子量の低
下が見られる。 比較例 5 実施例8で用いた試薬のうち、ジグリセリンエ
チレンオキシド付加物に代えて、ジグリセリン
4.1grを用いた他は、全て実施例8と同じ試薬を
用い、実施例8と同様に操作した。得られた結果
を第1表に併せて示した。ジグリセリンの場合
も、分子量の低下が顕著である。 比較例 6 実施例11で用いた試薬のうち、グリセリンエチ
レンオキシドプロピレンオキシド混合付加物に代
えて、グリセリンエチレンオキシド付加物(平均
分子量7260、エチレンオキシドの平均付加モル数
163)198.5grを用いた他は、全て実施例11と同じ
試薬を用い、実施例11と同様に操作した。得られ
た結果を第1表に示した。グリセリン1モル当り
のエチレンオキシドの付加モル数が150を越える
付加化合物を用いた場合には、連鎖移動速度が遅
く、重合体の分子量コントロールは困難となる。
また同時に分岐密度も低下し、流動性は殆んど改
善されていない。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルキレンオキシドが多価アルコールに付加
    した構造を有し、かつ1分子中に少なくとも3個
    以上のアルコール性水酸基を有する一般式 〔たゞしXは水酸基を除いた多価アルコール残基
    を示し、多価アルコール1モル当りのアルキレン
    オキシドの平均付加モル数(n1+n2+…………
    …+nl)が1〜150の間にあり、R0はアルキル
    基、アリール基より選ばれ各々同一であつても異
    なつていても良く、m=2〜6、l=3〜6であ
    る。〕 で表わされる付加化合物を分子量調節剤として存
    在させ、カチオン重合触媒を用い、0〜160℃、
    5秒〜300分の重合条件で、トリオキサンを単独
    重合させるか、或いはトリオキサン100重量部と
    一般式 (R0′は水素、アルキル基、アリール基より選ばれ
    各々同一であつても異なつていても良くm′=2
    〜6である。) あるいは (R0′は水素、アルキル基、アリール基より選ば
    れ、各々同一であつても異なつていても良く、
    m′=26である。) で表わされる環状エーテル0.03〜100重量部とを
    共重合させる事を特徴とする分岐オキシメチレン
    重合体の製法。
JP20376482A 1982-11-22 1982-11-22 分岐オキシメチレン重合体の製法 Granted JPS5993717A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01157266U (ja) * 1988-04-21 1989-10-30

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JPH01157266U (ja) * 1988-04-21 1989-10-30

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