JP2005525349A - 4−ビニルシクロヘキセン、エチルベンゼン及びスチレンの製造 - Google Patents

4−ビニルシクロヘキセン、エチルベンゼン及びスチレンの製造 Download PDF

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Abstract

本発明は、下記の工程:
(A)n−ブタン含有供給ガス流を準備する工程、
(B)n−ブタン含有供給ガス流を少なくとも1つの脱水素区域に供給し、n−ブタンをブタジエンに脱水素して、ブタジエン及びn−ブタンを含み、且つ存在可能性のある1−ブテンと2−ブテン、及び存在可能性のある水蒸気と他の2次成分を含む生成物流を得る工程、
(C)脱水素により得た生成物流を、適宜該生成物流から水蒸気と他の2次成分を分離除去した後、二量化区域に供給し、ブタジエンを触媒作用下に二量化して、4−ビニルシクロヘキセン、n−ブタンを含み、且つ存在可能性のある1−ブテン、2−ブテン及び未反応のブタジエンを含む生成物流を得る工程、及び
(D)二量化により得た生成物流から4−ビニルシクロヘキセンを分離除去し、n−ブタン及び存在可能性のある1−ブテン、2−ブテン及び未反応のブタジエンを脱水素区域に再循環する工程、
を含む4−ビニルシクロヘキセンの製造方法に関する。

Description

本発明は、4−ビニルシクロヘキセンの製造方法、及び4−ビニルシクロヘキセンの下流生成物としてのエチルベンゼン及びスチレンを製造する方法に関する。
4−ビニルシクロヘキセンは、Cu(I)イオンを含む担持触媒の存在下に液相で1,3−ブタジエンの環化二量化(cycloidmerization)により製造することができることが知られている。形成される4−ビニルシクロヘキセンは、下流の脱水素工程においてエチルベンゼンに脱水素されるか、あるいは酸素の存在下に直接、スチレンに酸化脱水素(oxydehydrogenate)され得る。
特許文献1(US5196621)には、二量化触媒としてのCu(I)イオンが含浸したアルミノ珪酸塩上で液相においてブタジエンを二量化する方法が開示されている。好ましい二量化触媒としては、Cu(I)イオンが含浸した、ゼオライト(例、フォージャサイト、モルデン沸石、ゼオライトL、オメガゼオライト、及びベータゼオライト)が開示されている。さらに、Cu(I)イオンを含有するモンモリロナイト等のクレー鉱物、そしてCu(I)イオン含有非ゼオライト・アモルファス酸化アルミニウム/二酸化珪素の混合物、二酸化珪素、又は酸化アルミニウムも、好適な触媒として記載されている。
ブタジエンは、原材料として通常ナフサを用いて飽和炭化水素の熱クラッキングにより主として製造される。ナフサのクラッキングにより、メタン、エタン、エテン、アセチレン、プロパン、プロペン、プロピン、アレン、ブテン、ブタジエン、ブチン、メチルアレン、C−炭化水素及び高級炭化水素を含む炭化水素混合物が得られる。特に、クラッキングガス中のアセチレン性不飽和炭化水素、例えばアセチレン、プロピン、1−ブチン、2−ブチン、ブテニン及びジアセチレンは、二量化の邪魔をする。これらの化合物は、痕跡量でも、銅含有二量化触媒の毒となり得る。ブチン及びアレンは、同様に、Diels-Alder反応でブタジエンと反応し、副生物の生成をもたらす。特別な問題が、ブタジエンから蒸留又は抽出により分離が極めて困難なブチンによってもたらされる。このため、クラッキング分解物から得られるブタジエンを使用した場合、ブチンが選択的に部分水素化されて対応するブテンとする水素化工程を、ブタジエンの二量化の前に行う必要がある。ブタジエンの他の用途においても、三重不飽和C−炭化水素は一般に邪魔をする。
別の不利として、ナフサ又は他の炭化水素混合物のクラッキングは、複雑な炭化水素混合物を製造するという点である。従って、クラッキング法におけるブタジエンの製造は、副生物として、比較的大量のエテン又はプロペンの形成が避けられない。
US5196621
本発明の目的は、副生物の生成の程度が少ない、4−ビニルシクロヘキセン、エチルベンゼン又はスチレンを製造する経済的な方法を提供することにある。特に、本発明の目的は、新しい原材料に基づく4−ビニルシクロヘキセン、エチルベンゼン及びスチレンの製造を提供することにある。
本発明者等は、上記目的が、下記の工程:
(A)n−ブタン含有供給ガス流を準備する工程、
(B)n−ブタン含有供給ガス流を少なくとも1つの脱水素区域に供給し、n−ブタンをブタジエンに脱水素して、ブタジエン及びn−ブタンを含み、且つ存在可能性のある1−ブテン及び2−ブテン、及び存在可能性のある水蒸気と他の2次成分を含む生成物流を得る工程、
(C)脱水素により得た生成物流を、適宜該生成物流から水蒸気と他の2次成分を分離除去した後、二量化区域に供給し、ブタジエンを触媒作用下に二量化して、4−ビニルシクロヘキセン、n−ブタンを含み、且つ存在可能性のある1−ブテン、2−ブテン及び未反応のブタジエンを含む生成物流を得る工程、及び
(D)二量化により得た生成物流から4−ビニルシクロヘキセンを分離除去し、n−ブタン及び存在可能性のある1−ブテン、2−ブテン及び未反応のブタジエンを脱水素区域に再循環する工程、
を含む4−ビニルシクロヘキセンの製造方法に達成されることを見いだした。
本発明のn−ブタンの脱水素では、アセチレン性不飽和炭化水素又はアレンが、副生物として相当量形成されることはない。従って、ブタジエンの二量化で使用されるガス混合物の部分脱水素化は省略することができる。
第1工程Aでは、n−ブタン含有脱水素供給流が準備される。n−ブタン・リッチガス混合物(例、液化石油ガス(LPG))が、この目的の原材料として通常使用される。LPGは、実質的にC〜C−炭化水素から構成される。LPGの組成は大きく変動し得る。有利に使用されるLPGは、少なくとも10質量%のブタンを含むものである。
本発明の方法の1変形において、n−ブタン含有脱水素供給流の準備は、
(A1)液化石油ガス(LPG)流を準備する工程、
(A2)LPG流から、プロパンと、適宜メタン、エタン及びペンタンとを分離除去し、ブタン含有流を得る工程、
(A3)ブタン含有流からイソブタンを分離除去してn−ブタン含有供給ガス流を得、そして必要により、分離除去されたイソブタンを異性化してn−ブタン/イソブタン混合物を得て、n−ブタン/イソブタン混合物をイソブタン分離工程に再循環する工程、
を含んでいる。
プロパン、及び適宜、メタン、エタン及びペンタンを、1基以上の慣用の精留塔において分離除去する。例えば、低沸点物(メタン、エタン、プロパン)は、第1の塔で塔頂より分離除去され、高沸点物(ペンタン)は第2の塔で底部から除去され得る。これにより、ブタン(n−ブタン及びイソブタン)を含む流れが得られ、ここからイソブタンが、例えば慣用の精留塔で、分離除去される。残りのn−ブタン含有流は、次のブタンの脱水素のための供給ガス流として使用される。
分離除去されたイソブタン流は、異性化処理を受けることが好ましい。このために、イソブタン含有流は異性化反応器に供給される。イソブタンからn−ブタンへの異性化は、GB−A2018815に記載されているように行うことができる。これにより、n−ブタン/イソブタン混合物が得られ、これはn−ブタン/イソブタン分離塔に送られる。
工程(B)において、n−ブタンはブタジエンに脱水素される。
本発明の方法の好適態様において、ブタンの脱水素は、非酸化的触媒作用による脱水素で行われる。この場合、n−ブタンは、脱水素反応器において、脱水素活性触媒上で部分的に脱水素され、ブタジエンが得られる。加えて、1−ブテン及び2−ブテンがn−ブタンから形成される。脱水素はまた、水素の生成、及び少量のメタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペンの生成をもたらす。脱水素を行う方法にもよるが、酸化炭素(CO、CO)、水及び窒素も、ブタンの脱水素で得た生成物ガス混合物中に存在し得る。さらに、未反応ブタンが生成物ガス混合物中に存在する。
ブタンの非酸化的触媒作用による脱水素は、共同供給材(cofeed)として酸素含有ガスを使用して、或いは使用せずに行われる。
n−ブタンの非酸化的触媒作用による脱水素は、原則として、従来から公知の全ての種類の反応器で、そして公知の全ての操作法を用いて行うことができる。本発明の目的に適した脱水素法の比較的総合的に書かれたものとしては、"CatalyticaR Studies Division, Oxidative Dehydrogenation and Alternative Dehydrogenation Processes" (Study Number 4192 OD, 1993, 430 Ferguson Drive, Mountain View, California, 94043-5272, USA)を挙げることができる。
適当な種類の反応器は、固定層管型反応器、又は多管型反応器(shell-and-tube reactor)である。これらの場合、触媒(脱水素触媒及び、共同供給材として酸素を使用する場合は、使用可能性のあるものとして特定の酸化触媒)が、反応管中の固定層に又は反応管の管束に存在する。反応管は、通常、反応管の周囲の空間で燃焼したガス、例えば炭化水素(例、メタン)によって間接的に加熱される。固定層の長さの最初の約20−30%のみを加熱するためにこの間接的形態を使用し、そして間接的加熱の結果として生成した放射熱により層の残りの長さを必要な反応温度まで加熱することが有利である。反応管の通常の内径は、約10〜15cmである。多管型脱水素反応器は、約300〜1000の反応管からなる。反応管の内部の温度は、通常300〜1200℃、好ましくは500〜1000℃の範囲である。使用圧力は、小さな程度の水蒸気希釈を用いた(プロパン脱水素のLinde法におけるように)場合は、通常0.5〜8バールであり、屡々1〜2バールであるが、高い程度の水蒸気希釈を用いた(プロパン又はブタンの脱水素のためのPhillips Petroleum Co.の”水蒸気活性改質法”(STAR法)、参照US4902849、US4996387及びUS5389342、におけるように)場合は3〜8バールの範囲でも良い。触媒(GSHV)当たりの典型的な空間速度は、使用される炭化水素に対して、500〜2000h−1である。触媒の形状は、例えば球状、又は円筒状(中空又は固体)である。
Chem. Eng. Sci. 1992b, 47 (9-11) 2313に記載されているように、n−ブタンの非酸化的触媒脱水素もまた、流動化層において不均一触媒の存在下に行うことができる。1個の流動化層は一般に再生モードである、平行の2個の流動化層を操作することが有利である。使用圧力は、原則として1〜2バールであり、脱水素温度は、一般に550〜600℃である。脱水素に必要な熱は、脱水素触媒を反応温度に予備加熱することにより、反応系に導入される。酸素含有共同供給材における混合により、予備加熱が省略することができ、必要な熱を酸素の存在下に水素を燃焼させることにより反応系において直接生じさせることができる。さらに、酸素含有共同供給材はまた適宜混合することもできる。
n−ブタンの非酸化的触媒脱水素は、棚段反応器で、共同供給材として酸素含有ガスを用いて、或いは用いずに行うことができる。これは、1つ以上の連続する触媒層を含んでいる。触媒層の数は、1〜20個、有利には1〜6個、好ましくは1〜4個、特に1〜3個である。反応ガスは、触媒層を介して、放射状又は軸に沿って流れる。一般に、このような棚段反応器は、固定触媒層を用いて操作される。最も簡単な場合、固定触媒層は、高炉反応器おける同心円状に配置された円筒状格子の軸に沿って、又はこの格子の環状間隙内に設置される。1基の高炉反応器は、1つの棚段に対応する。単一の高炉反応器における脱水素の実施は、好ましい態様であり、その際酸素含有共同供給材を使用することができる。さらに好ましい態様では、脱水素が、3つの触媒層を有する棚段反応器で行われる。反応器を共同供給材としての酸素含有ガスを用いずに操作する場合、反応ガス混合物は、棚段反応器において1個の触媒層から次の触媒層に移る途中で中間加熱がなされ、それは、例えばガス混合物を熱ガスにより加熱された熱交換機の表面上を通すことにより、又はガス混合物を燃焼ガスにより加熱された管を通すことにより行われる。
本発明の方法の好ましい態様において、n−ブタンの非酸化的触媒脱水素は、自己発熱的(autothermally)に行われる。このために、追加の酸素が、少なくとも1つの反応区域において、n−ブタン脱水素の反応ガス混合物中に混合され、そして反応ガス混合物中に存在する水素及び/又は炭化水素が、少なくとも部分的に燃焼して、1つ又はそれ以上の反応区域における反応ガス混合物において直接脱水素に必要な熱の少なくとも一部を発生する。酸化操作に比べて自己発熱操作の特徴は、例えば排出ガス中に水素が存在することである。酸化法では、相当量の遊離水素は形成されることはない。
一般に、反応ガス混合物に加えられる酸素含有ガスの量は、反応ガス混合物中に存在する水素及び反応ガス混合物に存在する炭化水素及び/又は炭素付着物の形態で存在する炭素の燃焼が、n−ブタンの脱水素に必要な熱を発生するように選択される。一般に、追加酸素の合計量は、ブタンの合計量に対して、0.001〜0.5モル/モル、好ましくは0.005〜0.2モル/モル、特に好ましくは0.05〜0.2モル/モルである。酸素は、純粋な酸素或いは酸素含有ガスとしての不活性ガスとの混合物(例、空気)のいずれかとして使用され得る。不活性ガス及び得られる燃焼ガスは、一般に付加的な希釈効果を有し、従って不均一触媒作用下の脱水素を助ける。
燃焼して熱を発生する水素は、n−ブタンの触媒作用下の脱水素で形成される水素であり、また水素含有ガスとして反応ガス混合物に添加された追加の水素でもある。酸素導入直後に反応ガス混合物中のH/Oのモル比は、1〜10モル/モル、好ましくは2〜5モル/モルであることが好ましい。多段階反応器の場合、これは、酸素含有及び適宜水素含有のガスのそれぞれの中間添加に対して適用される。
水素の燃焼は触媒の作用で起こる。使用される脱水素触媒は、一般に、炭化水素と酸素の燃焼及び水素と酸素の燃焼にも触媒作用を示し、このため原則としてこれ以外の特別な酸化触媒は必要としない。一態様において、脱水素法は、炭化水素の存在下に水素と酸素の燃焼に対して選択的に触媒作用を示す一種以上の酸化触媒の存在下に行われる。結果として、これらの炭化水素は酸素と燃焼してCO、CO及び水を形成する反応は少量範囲で起こるにすぎない。脱水素触媒及び酸化触媒は異なる反応区域で存在することが好ましい。
多段階反応の場合、酸化触媒はただ一つの反応区域、複数の反応区域、或いは全ての反応区域で存在することができる。
水素の酸化に選択的に触媒作用を示す触媒は、反応器の他の場所より酸素の部分圧が高い場所、特に酸素含有ガスの供給地点近傍、に位置することが好ましい。酸素含有ガス及び/又は水素含有ガスの導入は、反応器の一箇所以上の地点で行われ得る。
本発明の方法の一態様において、酸素含有ガスの中間添加及び水素含有ガスの中間添加は、棚段反応器の各棚段の上流で行われる。本発明の方法の別の態様では、酸素含有ガスの導入及び水素含有ガスの導入は、第一の棚段を除いた各棚段の上流で行われる。一態様において、特定の酸化触媒の層は、各添加地点の下流に存在し、それに脱水素触媒の層が続いている。別の態様では、特定の酸化触媒は存在しない。脱水素温度は、一般に400〜1100℃であり、棚段反応器の最後の触媒層の圧力は一般に0.2〜5バール、好ましくは1〜3バールである。空間速度(GSVH)は一般に500〜2000h−1、高負荷法でさえ100000h−1以下、好ましくは4000〜16000h−1である。
水素の燃焼に選択的触媒作用を示す好ましい触媒としては、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン又はビスマスの酸化物及びリン酸塩からなる群より選ばれる酸化物及び/又はリン酸塩を挙げることができる。水素の燃焼に触媒作用を示すさらなる好ましい触媒としては、第VIII及び/又はI族の遷移の貴金属を挙げることができる。
使用される脱水素触媒は、一般に担体と活性組成物を含んでいる。担体は通常、熱安定性酸化物又は混合酸化物である。脱水素触媒の担体としては、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化セリウム及びこれらの混合物から構成される群から選ばれる金属酸化物を挙げることができる。混合物としては、マグネシウム−又は亜鉛−アルミニウム混合酸化物等の物理的混合物又は化学的混合物を挙げることができる。好ましい担体は、二酸化ジルコニウム及び/又は二酸化珪素、特に二酸化ジルコニウム及び二酸化珪素の混合物が好ましい。
脱水素触媒の活性組成物は、一般に1種以上の第VIII族の遷移元素、好ましくは白金及び/又はパラジウム、特に好ましくは白金を含んでいる。脱水素触媒は、さらに1種以上の第I及び/又はII族、好ましくはカリウム及び/又はセシウムを含むことができる。さらに、脱水素触媒は、ランタニド及びアクチニドを含む1種以上の第III族の遷移元素、好ましくはランタン及び/又はセリウム、も含むことができる。最後に、脱水素触媒は、第III及び/又はIV主族の1種以上の元素、好ましくはホウ素、ガリウム、珪素、ゲルマニウム、スズ及び鉛から構成される群から選ばれる1種以上の元素、特に好ましくはスズを含んでも良い。
好ましい態様において、脱水素触媒は、1種以上の第VIII族の遷移元素、1種以上の第I及び/又はII主族の元素、1種以上の第III及び/又はIV主族の元素、及びランタニド及びアクチニドを含む1種以上の第III族の遷移元素を含んでいる。
本発明のためには、例えば、WO99/46039、US4788371、EP−A705136、WO99/29420、US5220091、US5430220、US5877369、EP0117146,DE−A19937106、DE−A19937105及びDE−A19937107に開示された全ての脱水素触媒を使用することが可能である。ブタンの自己発熱脱水素の前述の変形法のための特に好ましい触媒は、DE−A19937107の実施例1、2、3及び4に記載された触媒である。
n−ブタン脱水素は、水蒸気の存在下に行うことが好ましい。添加された水蒸気は、熱キャリアーとして働き、触媒上の有機付着物のガス化を助け、これにより触媒の炭化を防止し、触媒の動作寿命を長くすることができる。有機付着物はこのように一酸化炭素及び二酸化炭素そして存在可能性のある水に転化される。
脱水素触媒は、それ自体公知の方法で再生することができる。例えば、水蒸気を、反応ガス混合物に添加することができ、あるいは酸素含有ガスを、高温で時々触媒層に通すことができ、これにより付着炭素が燃焼する。希釈剤として作用する水蒸気の存在は、化学平衡の位置にプラスの効果があり、即ち脱水素生成物の側にシフトする。所望により、水素含有ガスを用いる還元を、水蒸気による再生の後、行っても良い。
ブタン脱水素により、ブタジエン、1−ブテン、2−ブテン及び未反応n−ブタンを含むガス混合物が2次成分と共にもたらされる。通常の2次成分としては、水素、水蒸気、窒素、CO及びCO、メタン、エタン、エテン及びプロペンを挙げることができる。脱水素工程を通ったガス混合物の組成は、脱水素を行う経路の関数として大いに変化し得る。たとえば、酸素及びさらなる水素が添加される好ましい自己発熱脱水素により、比較的高い含有量の水蒸気及び酸化炭素を有する生成物ガス混合物がもたらされる。酸素を添加しない場合、非酸化的脱水素で得られた生成物ガス混合物は比較的高い水素含有量を有する。
ブタンの非酸化的自己発熱型脱水素で得られた生成物ガス混合物は、原則として、0.1〜15容量%のブタジエン、1〜15容量%の1−ブテン、1〜20容量%の2−ブテン、20〜70容量%のブタン、5〜70容量%の水蒸気、0〜5容量%の低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペン)、0〜30容量%の水素、0〜30容量%の窒素及び0〜5容量%の酸化炭素を含んでいる。
好ましい態様において、非酸化的触媒作用下の脱水素に、酸化脱水素が続く。
n−ブタンからブタジエンへの脱水素は、好ましい態様においては、下記の工程:
(B1)n−ブタン含有供給ガス流を第1の脱水素区域に供給し、n−ブタンを、1−ブテン、2−ブテン、及び存在可能性のあるブタジエンに触媒作用下に非酸化的に脱水素し、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、及び存在可能性のあるブタジエン及び存在可能性のある他の2次成分を含む生成物流を得る工程、
(B2)n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、及び存在可能性のあるブタジエン及び存在可能性のある他の2次成分を含む生成物ガス流を、第2の脱水素区域に供給し、1−ブテン及び2−ブテンをブタジエンに酸化的に脱水素し、ブタジエン、n−ブタン、水蒸気及び存在可能性のある2次成分を含む生成物流を得る工程、
を含んでいる。
n−ブタンから1−ブテン、2−ブテン、及び存在可能性のあるブタジエンへの触媒作用下の非酸化的脱水素(B1)は、自己発熱脱水素として前述したのと同様に行うことが好ましい。
酸化脱水素(oxydehydogenation)(B)は、原則として、全てのタイプの反応器及び従来技術により公知の操作法を用いて、例えば流動化層において、棚段炉において、又は固定層管型もしくは多管型反応器において行うことができる。本発明の方法では、後者を使用することが好ましい。酸化的脱水素の実施には、酸素:n−ブテンのモル比が少なくとも0.5であるガス混合物が必要とされる。酸素:n−ブテンのモル比は0.55〜50であることが好ましい。この値に設定するために、触媒作用下の脱水素により得られる生成物ガス混合物は、一般に酸素又は酸素含有ガス(例、空気)と混合される。得られる酸素含有ガス混合物は、その後酸化脱水素に供給される。
n−ブタンから1,3−ブタジエンへの酸化的脱水素(酸化脱水素)に特に有用な触媒は、一般にMo−Bi−O−含有多金属酸化物組成物(一般にさらに鉄を含んでいる)を基礎とする。一般に、触媒組成物は、さらに周期表の第1〜15族から選ばれる付加的成分、例えばカリウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、ニッケル、コバルト、カドミウム、スズ、鉛、ゲルマニウム、ランタン、マンガン、タングステン、リン、セリウム、アルミニウム又は珪素を含んでいる。
好適な触媒及びその製法は、例えば、US4423281(Mo12BiNiPb0.5Cr0.2及びMo12BiNiAlCr0.50.5)、US4336409(Mo12BiNiCdCr0.2)、DE−A2600128(Mo12BiNi0.5Cr0.5Mg7.50.1+SiO)及びDE−A2440329(Mo12BiCo4.5Ni2.5Cr0.50.1)に記載されており、これらは参照により明確にここに取り込まれている。
n−ブタンから1,3−ブタジエンへの酸化脱水素に好適な多金属酸化物触媒の多くの活性組成物の化学量論は、式(I)
Mo12BiFeCoNiCr (I)
を有する:
上式において、
= W、Xn、Mn、La、Ce、Ge、Ti、Zr、Hf、Nb、P、Si、Sb、Al、Cd及び/又はMg;
a= 0.5〜5、好ましくは0.5〜2;
b= 0〜5、好ましくは2〜4;
c= 0〜10、好ましくは3〜10;
d= 0〜10;
e= 0〜10、好ましくは0.1〜4;
f= 0〜5、好ましくは0.1〜2;
g= 0〜2、好ましくは0.01〜1;及び
x= (I)における酸素以外の元素の原子価及び存在量により決定される数。
本発明の方法において、酸化脱水素のためにMo−Bi−Fe−O−含有多金属酸化物を用いることが好ましく、特にMo−Bi−Fe−Cr−O−含有多金属酸化物又はMo−Bi−Fe−Zr−O−含有多金属酸化物が好ましい。好ましい組成物は、例えば、US4547615(Mo12BiFe0.1NiZrCr0.2及びMo12BiFe0.1NiAlCr0.2)、US4424141(Mo12BiFeCo4.5Ni2.50.50.1+SiO)、DE−A2530959(Mo12BiFeCo4.5Ni2.5Cr0.50.1、Mo13.75BiFeCo4.5Ni2.5Ge0.50.8、Mo12BiFeCo4.5Ni2.5Mn0.50.1及びMo12BiFeCo4.5Ni2.5La0.50.1)、US3911039(Mo12BiFeCo4.5Ni2.5Sn0.50.1)、DE−A−2530959及びDE−A−2447825(Mo12BiFeCo4.5Ni2.50.50.1)に記載されている。上記触媒の製法及び特性は、引用した文献に分かり易く記載されており、参照によりここに明確に取り込まれている。
酸化脱水素用触媒は、一般に、2mmを超える平均サイズを有する成形体(shaped body)として使用される。方法の作業中に圧力降下に注意を払う必要があるため、比較的小さな成形体が一般的に好適である。適当な成形体の例としては、ペレット、円筒形、中空円筒形、環、球、棒、ワゴン車輪(wagon wheels)又は押出成形体を挙げることができる。”トリローブ(trilobes)”及びトリスター(tristars)”等の特定の形(比較、EP−A−0593646)、或いは外側に少なくとも1個の凹部を有する成形体(比較、US5168090)等の特定の形状も同様に可能である。
一般に、用いられる触媒は、全活性触媒(all-active catalyst)として使用することができる。この場合、成形触媒全体は、助剤(例えばグラファイト又は孔形成剤)及び他の成分を含む活性組成物から構成される。特に、全活性触媒としてn−ブタンからブタジエンへの酸化脱水素に好ましく使用されるMo−Bi−Fe−O−含有触媒を使用することが有利であることが分かった。触媒の活性組成物を担体(例、無機の酸化成形体)に施すとも可能である。このような触媒は、一般に被覆触媒と呼ばれる。
n−ブタンからブタジエンへの酸化脱水素は、一般に220〜490℃、好ましくは250〜450℃において行われる。実際上の理由のため、プラント及び次の仕上げ工程で存在する流れ抵抗に打ち勝つために十分な反応器入口圧力を選択することが通常である。反応器入口圧力は、一般に0.005〜1MPaの圧力計による圧力、好ましくは0.01〜0.5MPaの圧力計圧力である。反応器の入口領域で使用されるガス圧力は、触媒及び不活性成分の全体層上では当然減少する。
非酸化的触媒作用下に、好ましくは、自己発熱的な脱水素と、形成されるn−ブテンの酸化的脱水素との連結により、使用されるブタンに対して極めて高い収率でブタジエンを得ることができる。さらに、非酸化的脱水素は、穏やかな条件で行うことができる。ブタジエンの匹敵し得る収率は、非酸化的脱水素のみで行った場合は、顕著に減少する選択性の犠牲を払ってのみ達成することができる。
酸化的脱水素を通った生成物ガス流は、ブタジエン及び未反応のn−ブタンを水蒸気と共に含んでいる。第二成分として、さらに一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素、メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペン、存在し得る成分としての水素及び酸素含有炭化水素(有機酸素化合物)を、一般に含んでいる。それは、一般に1−ブテン及び2−ブテンを小割合でのみ含んでいる。
酸化的脱水素を通った生成物ガス流は、例えば、1〜20容量%のブタジエン、0〜1容量%の1−ブテン、0〜1容量%の2−ブテン、0〜50容量%のn−ブタン、2〜50容量%の水蒸気、0〜5容量%の低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペン)、0〜20容量%の水素、0〜90容量%の窒素、0〜5容量%の酸化炭素及び0〜3容量%の有機酸素化合物を含んでいる。
脱水素を通った後、脱水素を完全に自己発熱により行った時は一般に500〜650℃の温度にあり、そして自己発熱脱水素に酸化的脱水素が続いた時は一般に220〜490℃である熱ガス混合物は、通常水で冷却される。これにより、水蒸気と高沸点有機第2成分が凝縮される。低沸点第二成分、例えば水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペン(これらはブタジエン、n−ブタン及び存在可能性のある1−ブテン及び2−ブテンに加えて、脱水素ガス混合物中に存在する)は、通常、ブタジエンの二量化の前に、C−炭化水素から分離除去される。
低沸点第二成分は、慣用の精留法により分離除去することができる。
低沸点第二成分はまた、吸収/脱着サイクルで高沸点吸収媒体によっても分離除去することもできる。これにより、実質的に全ての低沸点第二成分(窒素、アルゴン、水素、メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン、酸化炭素、酸素)を、n−ブタンの脱水素で得られる生成物ガス流から分離される。
このために、C−炭化水素は吸収工程で不活性吸収媒体に吸収され、C−炭化水素と他の第二成分を含む排ガス(off-gas)とを有する吸収媒体がもたらされる。脱着工程において、C−炭化水素及び痕跡量の第二成分は、吸収媒体から再び遊離する。
吸収工程で使用される不活性吸収媒体は、一般に、分離されるべき炭化水素混合物の方が生成物ガス混合物の他の成分より顕著に高い溶解性を有する高沸点無極性溶剤である。吸収は、生成物ガス流を単に吸収媒体に通すことによって行うことができる。しかしながら、それは塔或いは回転吸収装置において行うこともできる。吸収は、共流(cocurrent)、向流、又はクロスフローモードで行うことができる。好適な吸収塔としては、例えば泡鐘トレイ、遠心トレイ及び/又は篩いトレイを有するトレイ(棚段)塔、構造充填物(例、比表面積100〜1000m/mを有するシート状金属充填物(例、MellapakR 250 Y))を含む塔、及び不規則充填素子が充填された塔を挙げることができる。しかしながら、細流(trickle)及びスプレー塔、グラファイトブロック吸収装置、厚膜フィルム吸収装置及び薄膜フィルム吸収装置等の表面吸収装置、及びさらに回転塔、プレートスクラバー、クロス−スプレースクラバー、及び回転スクラバーも使用可能である。
適当な吸収媒体は、比較的無極性の有機溶剤であり、例えば、脂肪族C〜C18−アルケン、又はパラフィン蒸留で得られる中間油性留分等の芳香族炭化水素又は嵩高い基を有するエーテル、或いはこれらの溶剤の混合物を挙げることができる。ジメチルフタレート等の極性溶剤もこれらに添加しても良い。適当な吸収媒体としては、また安息香酸及びフタル酸と直鎖C〜C−アルカノールとのエステル、例えば安息香酸n−ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル;及びさらに熱伝導流体(熱媒体)、例えばビフェニル及びジフェニルエーテル、その塩素誘導体及びトリアリールアルカンを挙げることができる。好適な吸収媒体は、ビフェニル及びジフェニルエーテルの混合物、好ましくはその共沸組成物、例えば市販のDiphylRである。この溶剤混合物は屡々0.1〜25質量%のフタル酸ジメチルを含んでいる。さらに、好適な吸収媒体としては、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、及びオクタデカン、そして精製流から得られる直鎖アルカンが主成分である留分を挙げることができる。
脱着のために、吸収した吸収媒体は加熱され、及び/又は低圧に減圧する。或いは、脱着は、ストリッピングにより、又は一以上の工程で、減圧、加熱及びストリッピングの組み合わせにより行うことができる。ストリッピング工程で再生された吸収媒体は、吸収工程に戻される。
有機酸素化合物は、さらなる分離工程において、残留するC−炭化水素含有流から分離除去することができ、この分離工程は、吸収/脱着サイクル又は精留として同様に設計することができる。有機化合物は、例えばフラン及び無水マレイン酸である。
残留流は、実質的にブタジエン、n−ブタン、1−ブテン及び2−ブテンから構成され、二量化に送られる。
次の処理工程(C)においては、ブタジエンは触媒作用下に二量化され、4−ビニルシクロヘキセンが形成される。
ブタジエンの二量化は、液相内において、銅含有触媒上で行うことができる。好適な二量化触媒は、Cu(I)イオン含浸アルミノ珪酸塩(aluminosilicates)、例えば、Cu(I)イオンが含浸した、フォージャサイト、モルデン沸石、ゼオライトL、オメガゼオライト又はベータゼオライトであり、これらはUS5196621に記載されている。さらに、好適な担体は、モンモリロナイト等のクレー鉱物、非ゼオライト・アモルファス酸化アルミニウム/二酸化珪素の混合物、二酸化珪素、又は酸化アルミニウムである。
ブタジエンの二量化は、固定層又は懸濁モードの全ての慣用の反応装置において、例えば管型反応器、連続操作撹拌容器又は撹拌容器のカスケードにおいて行うことができる。反応温度は原則として70〜170℃、好ましくは100〜130℃であり、反応圧力は7〜70バール、好ましくは20〜35バールである。
4−ビニルシクロヘキセンは、ブタジエンの二量化において高選択で形成される。1−ブテン及び2−ブテン、また痕跡量の可能性のあるプロペンは、Diels-Alder反応で活性化される二重結合を持たないので、その反応条件下では一般に反応しない。
ブタジエンの二量化は、EP−A0397266に記載されているように、塩化ニトロシル、塩化コバルトニトロシル又は塩化ニッケルニトロシルを用いて一酸化炭素及びスズ、亜鉛、マンガン及び/又はマグネシウムの存在下、好適溶剤の液相でも行うことができる。好適な溶剤の例としては、エチレングリコールジアルキルエーテル又はジエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン及びアセトニトリルを挙げることができる。反応温度は、一般に20〜175℃であり、反応圧力は1〜70バールである。形成されるビニルシクロヘキサンは、次いで蒸留により溶剤から分離される。
さらなる処理工程(D)において、4−ビニルシクロヘキセンは、ブタジエン二量化で得られた精製物流から分離除去される。この分離は、慣用の精留塔において行うことができる。これにより、一般に、少量のC−副生物、及びn−ブタン、1−ブテン、2−ブテン及び未反応ブタジエンを含むC流を含んでいる可能性のある粗4−ビニルシクロヘキセン流が得られる。C流は、n−ブタン脱水素に再循環することができる。
得られた4−ビニルシクロヘキセンは、適宜事前の精製の後に、次いで脱水素されて、エチルベンゼンに、そうでなければ酸素の存在下酸化脱水素されてスチレンにされる。
このため、本発明は、エチルベンゼン又はスチレンを製造する方法であって、前述の工程(A)、(B)、(C)及び(D)及び以下の追加の工程:
(E)4−ビニルシクロヘキセンを別の脱水素区域に供給し、それを触媒作用下に脱水素してエチルベンゼンに、又はそれを酸素の存在下、酸化的に脱水素してスチレンにする工程、
を含む製造方法も提供するものである。
4−ビニルシクロヘキセンのエチルベンゼンへの脱水素は、WO94/01385に記載されているように、気相で、触媒としての酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム又は酸化バリウムの上で行うことができる。脱水素は、多くの好適な反応器、例えば連続作動固定層反応器又は流動化層反応器で行うことができる。反応温度は一般に400〜625℃、好ましくは400〜600℃であり、反応圧力は1〜25バール、好ましくは1〜10バールである。
4−ビニルシクロヘキセンからエチルベンゼンへの脱水素は、US3908185に記載されているように、350〜450℃、2.5〜30バールの圧力で、水素の存在下、酸化アルミニウム担体上の第VI〜VIII族の一種以上の遷移元素又はその酸化物の上で、行うこともできる。好ましい触媒は、酸化アルミニウム上のルテニウム、パラジウム及び/又は白金、及び酸化アルミニウム上の酸化コバルト/酸化モリブデンである。
4−ビニルシクロヘキセンからエチルベンゼンへの脱水素はまた、US4029715に記載されているように、400℃、大気圧で、不活性ガス(例、水蒸気又は窒素)の存在下、触媒としての酸化アルミニウム担体上のモリブデン酸コバルト/酸化カリウムの上で行うこともできる。
さらに、4−ビニルシクロヘキセンからエチルベンゼンへの脱水素はまた、大気圧及び300℃以下の温度で、触媒としての酸化マグネシウム上のパラジウムの上で、気相において行うこともできる。
脱水素により、2次成分として、未反応4−ビニルシクロヘキサン及び副生物としてのエチルシクロヘキサンを含む粗エチルベンゼンが得られる。
ブタジエンの二量化で形成された4−ビニルシクロヘキセンはまた、酸素の存在下に脱水素して、スチレンに直接転化することができる。適当な処理は、US3502736及びDE−A2612082に記載されている。
上述の方法の変形法において、4−ビニルシクロヘキセンのスチレンへの脱水素が、n−ブタンの脱水素と共に行われる。この方法では、二量化で得られた生成物流からの4−ビニルシクロヘキセンの分離を省略することができる。
これは、下記の工程:
(A)n−ブタン含有供給ガス流を準備する工程、
(B’)n−ブタン含有供給ガス流及び4−ビニルシクロヘキセン含有ガス流を脱水素区域に供給し、n−ブタン及び4−ビニルシクロヘキセンを酸素の存在下一緒に脱水素して、スチレン、ブタジエン、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン及び存在可能性のあるエチルベンゼン及びさらなる2次成分を含む生成物流を得る工程、
(C’)スチレン、及び適宜エチルベンゼン及びさらなる高沸点2次成分を、脱水素で得られた生成物流から分離除去する工程、
(D’)ブタジエン、n−ブタン、1−ブテン及び2−ブテンを含む流れを二量化区域に供給し、ブタジエンを触媒作用下に二量化して、4−ビニルシクロヘキセン、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン及び存在可能性のある未反応のブタジエンを含む生成物流を得る工程、
(E’)二量化により得られた生成物流から4−ビニルシクロヘキセン含有ガス流を単離させ、それを脱水素区域に供給する工程、
を含んでいる。
脱水素で形成することができ、スチレン及び適宜エチルベンゼンと共に分離されるさらなる高沸点2次成分は、キシレン、トルエン及びベンゼンである。
酸素の存在下に、n−ブタンと4−ビニルシクロヘキセンとを一緒に脱水素するための好適な触媒は、担体上に設けられた第VIII族の遷移貴金属(好ましくは白金及び/又はパラジウム)を含む上述の脱水素触媒である。さらに、脱水素触媒は、1種以上の第I及び/又はII主族、好ましくはカリウム及び/又はセシウムを、ランタニド及びアクチニドを含む1種以上の第III族の遷移元素、好ましくはランタン及び/又はセリウムを、第III及び/又はIV主族の1種以上の元素、好ましくはホウ素、ガリウム、珪素、ゲルマニウム、スズ及び/又は鉛、特にスズを含むことができる。
本発明の方法の好適態様を、図面を参照しながら以下に述べる。
図1は、本発明の方法における好適態様の工程のフローチャートを示す。実質的にプロパン、n−ブタン及びイソブタンから構成される液化石油ガス(LPG)から構成される供給流1を、精留塔2に供給し、そしてプロパン及び存在可能性のあるメタン及びエタンから実質的に構成される流れ3及びn−ブタン及びイソブタンから実質的に構成される流れ4に分離する。精留塔5において、ブタン混合物は、イソブタン6及びn−ブタン9に分離され、イソブタンは異性化反応器7で異性化されて、精留塔5に戻されるn−ブタン/イソブタン混合物8を得る。n−ブタンを、供給ガス流9として脱水素反応器11に導入する。この脱水素反応器11は、共同供給材(cofeed)10としての酸素又は空気の添加で、自己発熱条件で操作されることが好ましい。脱水素反応器を通過した生成物ガス流12は、ブタジエン、1−ブテン、2−ブテン及び未反応n−ブタンを、水素、酸化炭素、窒素、水蒸気、メタン、エタン、エテン、プロパン及び/又はプロペン等の副生物と共に含んでおり、これは熱交換機で予備冷却された後、冷却及び濃縮ユニット13(例えば、水が少しづつ通る層、又は流下薄膜凝縮機)で、水及び高沸点有機副生物が凝縮され、流れ14としてプロセスから排出される程度まで、冷却される。凝縮除去されなかったガス成分の生成物は、流れ15として、分離工程16に送られ、そこで低沸点物及び凝縮され得ない2次成分17(水素、酸化炭素、窒素、メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペンから選択される1種又は好ましくはそれ以上の成分)が分離除去される。分離工程16は、精留塔又は吸収/脱着装置として設計することができる。脱水素のC生成物及び未反応のn−ブタンを含む流れ18は、1以上の工程を有することができる二量化反応器19に送られる。二量化反応器を通過した生成物流20は、精留塔21で分留され、粗4−ビニルシクロヘキセンを含む流れ22及びn−ブタン、1−ブテン、2−ブテン及び存在可能性のある未反応ブタジエンを含む流れ23を得る。後者は、脱水素反応器11に再循環される。所望により、副流24は分離除去され、無水マレイン酸の製造、オキソ工程、ブテン二量化、3量化及びメタセシス(複分解)等のブテンを基礎とする工程で使用され得る。
図2は、本発明の方法のさらに好ましい態様の工程のフローチャートを示す。この工程は、図1の処理とは、ブタジエンの二量化に形成された4−ビニルシクロヘキセンの二量化が続く点で本質的に異なる。精留塔21で得られる粗4−ビニルシクロヘキセンを含む流れ22は、所望により、精留塔25においてさらなる精製を受け、高沸点物流26が分離除去される。精製された4−ビニルシクロヘキセンから構成される流れ27は、エチルベンゼンを形成する脱水素が水素35及び流れ28の存在下に起こる脱水素反応器29に送られる。所望により、4−ビニルシクロヘキセンを含む側流41は、取り出して、触媒作用下の脱水素を通過させてスチレンを形成させるか、或いは他の用途に供する。4−ビニルシクロヘキセンの脱水素で得られる生成物流は、冷却及び凝縮装置31内で水により冷却され、水相の流れ32及び粗エチルベンゼンの流れ33が得られる。4−ビニルシクロヘキセンの脱水素で形成された水素(CO、CO、メタン、エタン及び窒素で汚染されていても良い)(”脱水素の水素”)は側流35として部分的に脱水素反応器29に再循環され、また側流34として部分的に脱水素反応器11に再循環される。所望により、分離工程16で分離除去されたC生成物の側流36は、別の分離工程37に送ることができ、そしてそこで1−ブテン、2−ブテン及びn−ブタンを含む流れ39及びブタジエンから構成される流れ38に分離される。ブタジエンの側流40は流れ38から取り出され、別の用途に回すことができる。流れ39は、少なくとも部分的に脱水素反応器に再循環され、側流42は別の用途に回され得る。
図3は、本発明の方法のさらに好ましい態様の工程のフローチャートを示す。この工程は、図1の処理とは、脱水素反応器を通過した生成物流20(4−ビニルシクロヘキセン、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、及び存在可能性のある未反応ブタジエンを含む)が、n−ブタンのブタジエンへの脱水素及び4−ビニルシクロヘキセンのスチレンへの脱水素が一緒に起こる脱水素反応器11に送られる点で本質的に異なる。従って、水蒸気とスチレン蒸気は、冷却及び凝縮装置13における脱水素で得られた生成物ガス混合物12から凝縮除去され、水/有機混合物14として相分離器21に移され、そこで水相と粗スチレンから構成される有機相23とに分離される。所望により、脱水素反応器19で得られた生成物混合物の一部を、流れ24として、精留塔25に送ることができる。精留塔25では、C炭化水素からなる流れ26を分離除去し別の用途に回すことができる。4−ビニルシクロヘキセンからなる残留流27は、脱水素反応器11に送られる。
図4は、本発明の方法の特に好ましい態様の工程のフローチャートを示す。実質的にプロパン、n−ブタン及びイソブタンから構成され、さらにメタン、エタン又はペンタンを含んでも良い液化石油ガス(LPG)から構成される供給流1を、精留塔2に供給し、そしてプロパン及び存在可能性のあるメタン及びエタンから実質的に構成される流れ3、及びn−ブタン及びイソブタン、及び存在可能性のあるペンタンから実質的に構成される流れ4に分離する。精留塔5において、存在するペンタン6は分離除去される。ブタン混合物7は、精留塔8でイソブタン9及びn−ブタン12に分離され、イソブタンは異性化反応器10で異性化されて、精留塔8に戻されるn−ブタン/イソブタン混合物11を得る。n−ブタンは、供給ガス流12として第1脱水素反応器14に導入される。第1脱水素反応器14では、ブタンから1−ブテン、2−ブテン及びブタジエンへの非酸化的な触媒作用下脱水素が起こる。これは、自己発熱下に行うことが好ましく、その際酸素又は空気が共同供給材(cofeed)13として供給される。第1脱水素工程は、流動化層で逆混合しながら、或いはガスの部分再循環しながら行うことが好ましい。これらは例えば、まだ公開されていないドイツ特許出願P10211275.4に記載されている。第1脱水素工程を通過した生成物ガス流15は、ブタジエン、1−ブテン、2−ブテン及び未反応n−ブタンを、水蒸気、及び水素、酸化炭素、窒素、メタン、エタン、エテン、プロパン及び/又はプロペン等の2次成分と共に含んでおり、これは第2脱水素に通される。第2脱水素では、酸素又は空気が共同供給材(cofeed)として供給され、1−ブテン及び2−ブテンのブタジエンへの酸化的脱水素が起こる。第2脱水素工程は、多管反応器で行われることが好ましい。第2脱水素工程は、それ自体複数の工程、例えば2工程、で行うこともできる。酸化的脱水素を2工程で行った場合、第2脱水素工程は第1の酸化的脱水素工程17及び第2の酸化的脱水素工程17aから構成され、酸素又は空気が、各場合に共同供給材(cofeed)16又は16aとして供給される。第2脱水素工程を通過した生成物ガス流18a(単一工程の酸化的脱水素の場合は、これは生成物ガス流18)は、ブタジエン及び未反応n−ブタンを、水蒸気、及び水素、酸化炭素、窒素、メタン、エタン、エテン、プロパン及び/又はプロペン等の第二成分、存在可能性のある低い残留量の1−ブテン及び2−ブテン、そして存在可能性のある酸素及び酸素含有炭化水素(有機酸素化合物)を含んでいる。生成物ガス流18aは、適宜熱交換機で予備冷却した後、冷却及び凝縮ユニット19(例えば、水が少しづつ通る層、又は流下薄膜凝縮機として設計することができる)において、水及び高沸点有機副生物(例、高沸点炭化水素及び有機酸素化合物)が凝縮され、流れ20として処理系(プロセス)から排出される程度まで、冷却される。凝縮されなかった生成物ガス成分は、流れ21として、分離工程22に送られ、そこで低沸点物及び凝縮除去され得ない2次成分23(生成物ガス流18に存在する場合:水素、酸化炭素、窒素、メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン及び酸素)が分離除去される。分離工程22は精留塔として又は吸収/脱着装置として設計することができる。脱水素のC生成物、未反応のn−ブタン及び存在可能性のある有機酸素化合物(例、フラン及び無水マレイン酸)を含む流れ24は、所望により、精留塔として又は吸収/脱着装置として設計され得る別の分離工程25に送られる。分離工程25において、有機酸素化合物及び残留する痕跡量の水が分離除去され、流れ26としてプロセスから排出される。ブタジエン及びn−ブタンを含み、さらに低割合の1−ブテン及び2−ブテンを含み得る流れ27は、1以上の工程を含み得る二量化反応器28に送られる。まだ、未反応のブタジエン、及び低割合の1−ブテン及び2−ブテン、さらにn−ブタン及び4−ビニルシクロヘキセンを含んでいる可能性のある、二量化反応器を通過した生成物流29は、精留塔30において、粗4−ビニルシクロヘキセンを含む流れ31とn−ブタン及び存在可能性のある未反応ブタジエン、1−ブテン及び2−ブテンを含む流れ32とに分離される。流れ32は(自己発熱)脱水素工程14に再循環される。精留塔30で得られた粗4−ビニルシクロヘキセンを含む流れ31は、所望により、高沸点物を含む流れ34が分離除去される精留塔33でさらに精製される。精製された4−ビニルシクロヘキセンを含む流れ35は、脱水素反応器37に送られ、そこでエチルベンゼンへの脱水素が、水素35の存在下、流れ36を導入しながら行われる。水素42は、適宜、中に送ることができる。4−ビニルシクロヘキセンを含む側流49は、適宜、取り出して、触媒作用下の酸化脱水素を通してスチレンを形成するか、或いは他の用途に回す。4−ビニルシクロヘキセンの脱水素で得られた生成物流38は、冷却及び凝縮装置39において水で冷却され、水相から構成される流れ41及び粗エチルベンゼンを含む流れ40が得られる。CO、CO、メタン、エタン及び窒素で汚染されている可能性のある4−ビニルシクロヘキセンの脱水素で形成される水素(”脱水素の水素”)は、側流42として(自己発熱)脱水素工程14に部分的に再循環することができ、そして側流43として脱水素反応器37に部分的に再循環することができる。所望により、分離工程25で分離除去されたC生成物の側流44は、別の分離工程45(例えば、Weissermehl/Arpe, Industrielle Organishe Chemie, 第5版, 1998, pp.120/121に記載の様なブタジエン・スクラブ)に移すことができ、そこでn−ブタン、及び存在可能性のある1−ブテン及び2−ブテンを含む流れ47とブタジエンを含む流れ46とに分離される。側流48はブタジエン流46から分離除去され、別の用途に回すことができ、一方その流れの残りは二量化反応器28に送られる。
本発明の方法における好適態様の工程のフローチャートを示す。 本発明の方法のさらに好ましい態様の工程のフローチャートを示す。 本発明の方法のさらに好ましい態様の工程のフローチャートを示す。 本発明の方法の特に好ましい態様の工程のフローチャートを示す。

Claims (9)

  1. 下記の工程:
    (A)n−ブタン含有供給ガス流を準備する工程、
    (B)n−ブタン含有供給ガス流を少なくとも1つの脱水素区域に供給し、n−ブタンをブタジエンに脱水素して、ブタジエン及びn−ブタンを含み、且つ存在可能性のある1−ブテンと2−ブテン、及び存在可能性のある水蒸気と他の2次成分を含む生成物流を得る工程、
    (C)脱水素により得た生成物流を、適宜該生成物流から水蒸気と他の2次成分を分離除去した後、二量化区域に供給し、ブタジエンを触媒作用下に二量化して、4−ビニルシクロヘキセン、n−ブタンを含み、且つ存在可能性のある1−ブテン、2−ブテン及び未反応のブタジエンを含む生成物流を得る工程、及び
    (D)二量化により得た生成物流から4−ビニルシクロヘキセンを分離除去し、n−ブタン及び存在可能性のある1−ブテン、2−ブテン及び未反応のブタジエンを脱水素区域に再循環する工程、
    を含む4−ビニルシクロヘキセンの製造方法。
  2. n−ブタン含有脱水素供給流の準備が、下記の工程:
    (A1)液化石油ガス(LPG)流を準備する工程、
    (A2)LPG流から、プロパンと、適宜メタン、エタン及びペンタンとを分離除去し、ブタン含有流を得る工程、
    (A3)ブタン含有流からイソブタンを分離除去してn−ブタン含有供給ガス流を得、そして必要により、分離除去されたイソブタンを異性化してn−ブタン/イソブタン混合物を得て、n−ブタン/イソブタン混合物をイソブタン分離工程に再循環する工程、
    を含んでいる請求項1に記載の方法。
  3. n−ブタンからブタジエンへの脱水素を、自己発熱型触媒作用下の脱水素として行う請求項1又は2に記載の方法。
  4. n−ブタンからブタジエンへの脱水素が、下記の工程:
    (B1)n−ブタン含有供給ガス流を第1の脱水素区域に供給し、n−ブタンを、1−ブテン、2−ブテン及び存在可能性のあるブタジエンに触媒作用下に非酸化的に脱水素し、ブタジエン、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン及び存在可能性のある他の2次成分を含む生成物流を得る工程、
    (B2)n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、及び存在可能性のあるブタジエン及び存在可能性のある他の2次成分を含む生成物ガス流を、第2の脱水素区域に供給し、1−ブテン及び2−ブテンをブタジエンに酸化的に脱水素し、ブタジエン、n−ブタン、水蒸気及び存在可能性のある2次成分を含む生成物流を得る工程、
    を含んでいる請求項1に記載の方法。
  5. n−ブタンの1−ブテン、2−ブテン及びブタジエンへの触媒作用下に非酸化的脱水素を、自己発熱型脱水素として行う請求項4に記載の方法。
  6. 水蒸気、及び水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペンから構成される群から選ばれる2次成分を、二量化の前に、脱水素で得られた生成物から分離する請求項4に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載された工程(A)、(B)、(C)及び(D)を含み、さらに下記の追加工程:
    (E)4−ビニルシクロヘキセンを別の脱水素区域に供給し、それを触媒作用下に脱水素してエチルベンゼンに、又はそれを酸素の存在下、酸化的に脱水素してスチレンにする工程、
    を含むエチルベンゼン又はスチレンの製造方法。
  8. 下記の工程:
    (A)n−ブタン含有供給ガス流を準備する工程、
    (F’)n−ブタン含有供給ガス流及び4−ビニルシクロヘキセン含有ガス流を脱水素区域に供給し、n−ブタン及び4−ビニルシクロヘキセンを酸素の存在下一緒に脱水素して、スチレン、ブタジエン、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン及び存在可能性のあるエチルベンゼン及びさらなる2次成分を含む生成物流を得る工程、
    (G’)スチレン、及び適宜エチルベンゼン及びさらなる高沸点2次成分を、脱水素で得られた生成物流から分離除去する工程、
    (H’)ブタジエン、n−ブタン、1−ブテン及び2−ブテンを含む流れを二量化区域に供給し、ブタジエンを触媒作用下に二量化して、4−ビニルシクロヘキセン、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン及び存在可能性のある未反応のブタジエンを含む生成物流を得る工程、
    (I’)二量化により得られた生成物流から4−ビニルシクロヘキセン含有ガス流を単離させ、それを脱水素区域に供給する工程、
    を含むスチレンの製造方法。
  9. n−ブタン及び4−ビニルシクロヘキセンの一緒の脱水素を、担体上に設けられた、第VIII族の遷移貴金属を、所望により1種以上の第I及び/又はII主族の元素、ランタニド及びアクチニドを含む1種以上の第III主族の元素、及び/又は1種以上の第III及び/又はIV主族と共に含む脱水素触媒の存在下に行う請求項8に記載の方法。
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