JP2005521882A - 敗血症の早期検出 - Google Patents

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Abstract

敗血症に進行しやすい全身性炎症反応症候群患者を同定するための診断方法、システムおよびキット。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、敗血症などの全身炎症状態を発症するリスクのある患者を同定する方法と試薬とに関する。
関連技術の説明
患者における疾患状態の存在の早期検出は、典型的には、より効果的な治療的処置を可能にし、疾患が進行期に至るまで認識されない場合に生じる場合と比較して望ましい臨床成果が得られる。残念なことに、多くの場合において疾患症状の早期検出は難しく、疾患の臨床的疑いが生じる前に疾患が比較的進行している場合がある。
全身炎症状態は、早期診断が特に望ましいクラスの疾患であり、敗血症は最も重篤であり、おそらく臨床的に診断することが最も困難である。敗血症は、病原微生物と宿主の防御系の相互作用の結果であり、全身炎症に至る。しかし、宿主の敗血症を特徴づけることは、最終成果に関わる因子の数および異種性により非常に複雑になる。特に、基礎疾患の存在、炎症刺激に対する遺伝的に決定される患者の応答、患者の免疫系の全身状態並びに感染性生物によって放出される微生物媒介物質および毒性因子は全て疾患の経過に寄与する。これが生じる過程は極めて迅速であることが多く、臨床医が臨床的判断を考えつく時間はほとんどない。
敗血症に関連する高い罹病率および致死率もより重要である。敗血症の発現頻度はこの20年間増加しており、現在の数字は、米国だけで重症敗血症が1年あたり750,000症例発症していることを示している(Angus,DCら、Crit. Care Med. 29: 1303−1310[2001])。推定粗死亡率は35%であり、全ての合併症が考慮されている(Rangel−Frausto,MS.Infectious Disease Clinics of North America13(2):299−312[1999])。敗血症は米国における第10位の死因であり、冠動脈疾患を除く集中治療室の入院患者では、最も一般的な死因となっている。この疾患は、米国だけで年間医療費の推定160億ドルを占める。臨床医にとっては、これらの疫学的および経済的統計学は、臨床医自身の臨床経験によって強化される広域的で非特異的な臨床指針と比べて臨床医が自身の裁量でできることが多い分野において適切で迅速な判断を下すことに高いプレミアムとなる。
臨床医が予防的措置を講じることができる時点における敗血症の診断は非常に困難なこととなっており、今後もそうである。広域すぎる疾患の定義は、敗血症を発症する高いリスクにある患者に適当な治療を指示する臨床医の能力を制限することを検討者は指摘している。また、これらの定義により、臨床医は新規で高価な治療の純便益を得ることができる患者と、患者の基礎疾患合併症を考慮すると利益にならない、またはその治療の本質的な安全性プロフィールによりさらに高いリスク状態に置かれている可能性がある患者を識別することができない。
敗血症は、典型的には、局所的な感染病巣の全身の循環への拡散によって生じる。このような状況下では、好中球および単球などの特殊化した白血球細胞並びにそれらが産生する因子によって媒介され、通常に存在して感染病巣の拡散を制御する有用な局所的な炎症過程が、致命的な全身炎症に活動範囲を拡大することができる。患者が死または退院に至る進行経過は既知であり、全身性炎症反応症候群(SIRS)と呼ばれる状態から敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック、多発性末端器官不全(MODS)および死亡からなる連続状態までの連続的系列として記載されている(Rangel−Frausto,MS.JAMA 11:117−123[1995])。
米国胸部医学会支援による最近のコンセンサス会議の結果として(Crit. Care Med. 20: 864−874[1992])、敗血症症候群に関連する状態の均一な定義が提案された。全身性炎症反応症候群またはSIRSは、以下の臨床パラメーターの2つ以上が存在する臨床状態について承認されている用語であると考えられる:体温>38℃もしくは<36℃、心拍数>90拍/分、呼吸速度>20呼吸/分またはPCO2<32mmHgおよび白血球数>12,000/mm3、<4000/mm3または>10%未熟バンド形態(immature band forms)を有する。敗血症は、感染過程が確認されているSIRSであると理解されている(陽性培養)。重症敗血症は、臓器不全、灌流低下異常または低血圧に関連する敗血症である。灌流低下異常には、乳酸アシドーシス、乏尿および精神状態変化が挙げられるが、これらに限定されない。敗血症性ショックは、急速輸液に反応しない敗血症性低血圧であると理解されており、灌流低下異常も観察される。
患者を敗血症であると分類する課題の一部は、臨床的に重要な微生物の存在を証明することである。これは、典型的には、患者の血液、唾液、尿、創傷分泌液、留置カテーテル表面等を培養することによって実施される。多数の微生物は迅速な増殖を促進するのに特殊な条件を必要とし、ある種の生体微環境に存在することが多く、微生物の数は最初は感染部位では低い場合があるので、微生物が存在しても培養は常に陽性にはならない。従って、例えば、血液培養は、敗血症の臨床発現を有して来院する患者の来院時のわずか17%しか陽性にならない場合がある(Rangel−Frausto,MSら JAMA273:117−123[1995])。さらに、培養物は、一般に病原性でないことが知られている微生物で不注意にも汚染されることもある。707人の敗血症患者の陽性血液培養物の843例の検討において、例えば、コアグラーゼ陰性クラスのブドウ球菌の12.4%だけが臨床的に重要であった(Weinstein,MPら Clinical Infectious Diseases 24:584−602[1997])。臨床的に重要な陽性培養物を入手することが困難であるので、検討者らは、培養陰性の敗血症を、感染症が疑われるが、培養によって確認されていない状態での実験的な抗生物質を投与するSIRSと規定した(Rangel−Frausto,MSら JAMA273:117−123[1995])。
敗血症の経過が非常に複雑であり、臨床的に関連のある動物モデルがないことにより、臨床共同体がこの疾患の特徴のコンセンサス定義を作製する能力を妨害しているだけでなく、この分野における製薬学的な進歩のペースを低下させている。敗血症の臨床研究分野は、新規治療方法を評価することを試みた臨床試験の失敗の連続を経験していることを検討者らは指摘している。これらの治験が失敗した理由は種々であるが、明らかになっている1つの共通のテーマは、多数の治験デザインが、臨床的重要性が未知の動物モデル根拠に基づいていたということである。従って、動物モデルの敗血症とヒト敗血症とでは違いがあるために、例えば、患者が実際は炎症性サイトカインレベルが検出不可能である免疫麻痺状態であった患者の病歴の時点において、抗炎症性サイトカイン治療が、施されていた可能性がある。このような状況では、患者は治療の利益が得られないだけでなく、治療の本質的な副作用により高いリスクに置かれる可能性があり、利益が得られる可能性がない。治療の利点を得られる可能性が最も高い患者集団を先見的に同定することができないことにより、合理的な時期および用法用量の実施が妨害されており、成果は散々なものとなっている。動物モデルによる実験は、残念なことに、ヒトの治療時期および用法用量の信頼できる指針になっていない(Opal, SMおよびCross,AS.Infectious Disease Clinics of North America13(2):285−297[1999])。
コンセンサス定義を作製する以外に、最も必要とされるものは、発熱などのSIRS基準を示し、敗血症を発症しないで回復する患者と、SIRS基準を示し、敗血症に進行する患者を識別するアッセイであることに多数の臨床医は同意すると思われる。また、既存の合併症を考慮すると、他の有用なアッセイも、ある種の敗血症治療の利点を得られる可能性が最も高い患者を同定すると思われる。
これらの点に関しては、現在臨床医が自身の裁量で行っている敗血症の判定システムおよび/または予測モデルはほとんどが、すでに敗血症であると考えられ、臨床発症前に敗血症の徴候を示していない患者の疾患結果を予測することを意図している担当医によって適応されているかまたは利用されている。Roumen,RLら(J.Trauma35:349−355[1993])によって概説されているように、これらの判定システムには、5つの主要な生体系の鈍的外傷性傷害の重症度の尺度である傷害重症度スコア(Injury Severity Score)(ISS,1974年)、精神状態変化を判定するグラスゴー昏睡スケール(SCS,1974年)、呼吸器および血行動態パラメーターを含むようにグラスゴースコアを拡大適用している外傷スコア(1980年)、傷害の生存の可能性を評価する生理学的および解剖学的測定を組み合わせるTRISS方法、7つの生体器官の機能を段階づける敗血症重症度スコア(1983年)、傷害重症度スコアに年齢パラメーターを加えている多発外傷スコア(1985年)、7つの主要な臓器系の機能を評価する多臓器不全(MOF)スコア(1985年)およびAPACHE II(1985年)が挙げられる。後者は、全身の健康状態スコアおよび年齢スコアに加えて通常に測定された数多くの生理学的評価のデータに基づいている総合的な判定システムである。APACHE、APACHE IIおよび最近のバージョンAPACHE IIIは、典型的には、ある種の重症疾患患者群における死亡リスクを予測するために使用される。
APACHEシステムを含む上記の判定システムは全て、敗血症患者の生存および死亡の成果への種々の程度の関連を示している。数多くのこれらの系の比較においてRoumen, RMら(J.Trauma35:349−355[1993])は、数多くの重症度判定システムの予測値は、敗血症の後期合併症を経験している患者の同定に最も適当であり、敗血症自体の存在または発症ではないと結論づけた。外傷に対する生理学的反応を測定する系は、後期成果についての予測になると考えられなかった。
種々の生物学的マーカーが敗血症を示すことが既知であり、敗血症患者群とSIRSが観察されるが敗血症でない患者群とを識別するための1つ以上の生物学的マーカーの使用が報告されている。多数の検討が引用されており、敗血症患者群は、所定のマーカーの平均レベルが、正常なボランティア群または入院対照セットと異なることが回顧的に示されている。他の検討は、敗血症疾患範囲の種々の段階の患者群を互いに回顧的に識別することを試みている。Takala,Aら(Clin.Sci. 96, 287−295[1999])は、例えば、2つ以上のSIRS基準が陽性の患者群は、選択した生物学的マーカーのレベルによって互いにおよび敗血症患者並びに健康な対照から識別されうることを示している。所定の患者の各マーカーのレベルに基づいて、全身炎症複合スコア(SICS)として既知の自然数サブスコアが算出されている。SICSの統計学的有意差は、SIRS基準が2つ陽性の患者とSIRS基準が3つ陽性の患者と敗血症患者群の間に存在することが示されている。しかし、SIRS判定システムは、所定の患者が敗血症になる時期および敗血症になるかどうかを検出するために、個々の患者について有効なモデルを提供することが目的ではなく、提供していない。
敗血症性ショックおよび臓器不全を検出する方法はSlotman GJ(Critical Care 4:319−326[2000])に記載されており、一般的な全身性炎症状態については米国特許第6,190,872号に記載されている。この方法は、集中治療室(ICU)のモデル構築患者群において選択した生物学的マーカーを毎日測定することに関係する。別個の独自の予測モデルは、ICU入院中の日ごとに作製される。特定の日のモデルを構築する際には、同じセットのマーカーを各患者および全ての患者に使用する。しかし、別の日に作製したモデルは別のセットのマーカーを使用している可能性がある。各モデルは、ICUに同じ日数入院している全ての患者に適用される。この種類のモデル化は、ICUへの入院後の患者の状態の変動および疾患の進行速度を説明することができない。さらに、毎日異なるモデルを使用することにより、患者の進行をモニターすることが困難になる。
発明の開示
本発明は早期敗血症を検出するための方法、試薬およびキットを提供する。本発明は、敗血症に進行する患者を検出する改善された方法は、ある期間にわたって複数の好適な生物学的マーカーをモニターし、その期間にわたってマーカーの極端な値の統計学的尺度を各マーカーについて個別に算出し、マーカーの統計値の組み合わせに基づいて早期敗血症を検出することによって得ることができるという発見による。
従って、本発明は、患者の早期敗血症を検出する方法であって、
a)ある期間にわたって複数の生物学的マーカーをモニターするステップと、
b)その期間にわたってマーカーの極端な値の統計学的尺度を各マーカーについて個別に算出するステップと、
c)組み合わせたマーカー統計値に決定規則を適用して、患者の早期敗血症を検出するステップと
を含む方法を提供する。
本発明の重要な態様は、モニタリング中に得られるマーカーデータを使用する方法である。この態様は、モニタリング期間中に得られるマーカーの極端な値を考慮することは、最も新しく測定された値だけなどの特定の一時点において得られる値を考慮するよりも早期敗血症の良好な指標となりうるということを発見したことによる。従って、各マーカーについて、マーカーの極端な値の尺度である統計値は患者がモニターされる期間にわたって蓄積されるそのマーカーのデータから算出され、さらに各マーカーの統計値は他のマーカーの統計値とは個別に算出される。本発明のこの態様は、本発明と、例えば、患者の現在の状態に基づいている方法と同様に、ほぼ同じ時点において得られるモニター中のマーカーに基づいている方法とを識別している。本発明の方法は、より高い感度および特異性で敗血症を早期検出することを提供する。
好ましい実施態様において、本発明の方法は、近々に生じる可能性のある敗血症の発症について、敗血症発症のリスクにあるSIRS患者をモニターする方法の一部として使用される。患者は、患者がリスクにあると最初に同定された時点から、最も多くは外科的処置後ICU入院中にSIRS陽性となるとモニターされる。モニタリング経過中患者のマーカーの各測定後、本発明の方法の検出基準を、以前の測定および現在の測定の両方によって蓄積されたデータに適用する。モニタリングは、患者が敗血症に進行する患者であると同定されるかまたはそのモニタリングが中止されるまで継続される。
本発明の方法において有用な生物学的マーカーは、感染症または他の重症の臨床的損傷に反応する免疫系の状態を示すものである。好適なマーカーには、例えば、白血球数、細胞表面マーカーおよび可溶性マーカーが挙げられる。好ましい実施態様において、複数のマーカーは炎症性反応の少なくとも1つのマーカーおよび代償性炎症性反応の少なくとも1つのマーカーを含む。炎症性反応のマーカーには、例えば、白血球数およびインテグリン、特にCD11bなどのβ2−インテグリンを含む接着分子およびCD64などのFcγ受容体を含むFc受容体ファミリーの分子などの細胞表面活性化マーカーが挙げられる。代償性抗炎症性反応のマーカーには、MHCクラスII分子、特にHLA−DRおよびHLA−DQなどの単球不活性化のマーカーが挙げられる。炎症性反応または代償性抗炎症性反応の他のマーカーが好適である場合もあり、本明細書に提供する教示により選択することができる。
好ましい実施態様において、複数の生物学的マーカーは単球不活性化の少なくとも1つのマーカーおよび好中球活性化の少なくとも1つのマーカーを含む。単球不活性化の好ましいマーカーは、末梢血液細胞、好ましくはHLA−DR、さらに好ましくは単球結合HLA−DRに発現されるHLAクラスII分子である。好中球活性化の好ましいマーカーには、CD64およびCD11b、好ましくは好中球結合CD64および好中球結合CD11bが挙げられる。
本発明の決定規則は、モニタリング期間中の極端なマーカー値に基づいている。いくつかの実施態様において、極端な値の統計学的尺度はモニタリング経過中に得られる値の最大値または最小値である。最大値または最小値が測定されるかどうかはマーカーに依存している。例えば、HLA−DR発現の低下は単球不活性化の尺度であり、従ってHLA−DRの最小値は本発明の方法に最も関連がある。逆に、CD11bおよびCD64の増加は炎症性反応の尺度であり、これらのマーカーの最大値が最も関連がある。
いくつかの実施態様において、極端な値の統計学的尺度は、マーカーについて得られるデータセットから直接算出される。または、最初に得られるデータセットを多項式またはスプラインなどの曲線に適合させ、極端な値の統計学的尺度を適合させた曲線から算出する。このような方法によりデータ採取時の間に値を挿入することができ、検出感度を増加することができる。データ点のセットに曲線を適合する方法は文献において既知である。
敗血症の検出は、マーカー統計値に決定規則を適用して患者を敗血症であるかまたは敗血症でないと分類することによって実施される。最適な決定規則は、典型的には、リスクにある患者集団をモニターし、敗血症を発症する患者の亜集団を、敗血症を発症しない患者の亜集団と比較する対照検討から作製される。多変量判別モデルからの決定規則の作製は当技術分野において既知であり、以下に詳細に記載されている。一般に、得られる決定規則はデータの二値関数であり、敗血症の有無を同定する働きをする。しかし、敗血症が存在する可能性として解釈可能な結果を提供する多値決定規則を使用してもよい。
好ましい実施態様において、複数のマーカーはHLA−DR、CD11bおよびCD64を含み、算出される統計値はHLA−DR発現の最小値、CD11b発現の最大値およびCD64発現の最大値である。敗血症患者は、これら3つの統計値に基づいて、好ましくはHLA−DR発現の最小値並びにCD11bおよびCD64発現の最大値の合計に基づいた決定木を使用して同定される。決定木の閾値は、実施例に記載するように実験的に測定される。
本発明はまた、本発明の方法を実施するために有用なキットも提供する。本発明のキットは、決定木を実行するプログラミングを含むコンピュータ読取媒体を含む。また、本発明のキットは、患者の生物学的マーカーのモニタリングを実施するための試薬、装置および取扱説明書を含んでもよい。
上記のように、患者が敗血症から死亡に至る経過は既知であり、全身性炎症反応症候群(SIRS)と呼ばれる状態から敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック、多発性末端器官不全(MODS)および死亡からなる連続状態までの連続的系列と記載されている。本発明はSIRSから敗血症への早期検出を可能にし、それによって早期診療を可能にする。本発明は臨床的疑いが生じる前に敗血症を検出することができるので、本発明の方法はまた、臨床的疑いが生じる前に敗血症のこのような合併症のいずれかを検出することもできることは明らかである。
発明の詳細な説明
以下の定義は明確にするために提供されており、限定するものと考慮されるべきではない。記載されている場合を除いて、本明細書において使用する技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって普通に理解されるものと同じ意味を持つことが意図されている。
本明細書において使用する「全身性炎症性反応症候群(SIRS)は、24時間以内に以下の2つ以上が発現する種々の重症の臨床的損傷に対する臨床的反応をいう:
・体温>38℃(100.4°F)または<36℃(96.8°F)、
・心拍数(HR)>90拍/分、
・呼吸数(RR)>20呼吸/分もしくはPCO2<32mmHgまたは人工呼吸器を必要とする、および
・白血球数(WBC)>12.0×109/Lもしくは<4.0×109/Lまたは>10%未成熟型(バンド)。これはSIRSのコンセンサス定義となり、この定義は今後改良されてもまたは改善された定義によって取って代わられてもよいことが認識されている。本発明の定義は現在の臨床実践を明確にするために本明細書において使用されており、本発明の重要な態様となるものではない。
本明細書において使用する「SIRS患者およびSIRS陽性患者」は、上記のように臨床的発現がSIRSと分類されるが、臨床的に敗血症と思われない患者をいう。ICUに入院中のSIRS患者は敗血症に進行するリスクにあると考えられる。
本明細書において使用する「敗血症」は、感染過程が確認されているSIRS陽性状態をいう。
本明細書において使用する「培養陽性敗血症」は、感染過程が臨床的に重要な生物の実験室培養によって確認される敗血症をいう。しかし、腸穿孔および肉眼的な腹膜の汚れが認められる患者では目視検査でも十分である。
本明細書において使用される「培養陰性敗血症」は、感染過程を臨床的に重要な生物の実験室培養によって確認することができない敗血症をいう。感染の可能性が培養で確認されず、腸穿孔だけが見られる場合には培養陰性と思われる。
本明細書において使用する「敗血症の臨床的疑い」は、SIRS患者のSIRS陽性状態が感染過程による疑いをいう。本明細書に報告されている検討に関しては、臨床的疑いはまた、培養の要請および実験的な抗生物質投与の理由づけとなるほど高くなければならなかった。
本明細書において使用する「早期敗血症」は、臨床的発現が敗血症の臨床的疑いを裏付けるほど十分になる段階の前の敗血症発症の早期段階をいう。「早期敗血症」という用語は、これまでは名づけられていなかった敗血症発症の段階をいうために本明細書において必要とされる機能的な定義である。理論に制約されるわけではないが、本発明の方法は感染過程の最初の徴候、すなわち、敗血症発症の最初の徴候を検出すると考えられる。しかし、本発明は、以前に記載されている方法を使用して敗血症が疑われる時期の前に敗血症を検出するために使用されるので、敗血症の発現が臨床的に明らかになったとき、早期敗血症の患者の疾患状態は回顧的に確認されうるだけである。別の説明は、本発明は、感染過程のその後の発症を許してまたは促進して敗血症を生じる患者の免疫学的変化を検出するということである。SIRS陽性患者が敗血症になる正確な機序は本発明の重要な態様ではない。本発明の方法は、機序にかかわらず、以前に使用した基準によって分類される敗血症に患者が進行する初期徴候を検出する。
本明細書において使用する「重症敗血症」は、臓器不全、灌流低下異常または敗血症性低血圧に関連する敗血症をいう。灌流低下異常には、乳酸アシドーシス、乏尿および精神状態の急激な変化が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用する「敗血症性ショック」は、十分な静脈内輸液投与に反応せず、末梢潅流低下の発現が認められる敗血症性低血圧である。
本明細書において使用する「変換者」または「変換患者」は、患者をモニター期間中、典型的にはICU入院中に敗血症の臨床的疑いに進行するSIRS患者をいう。
本明細書において使用する「未変換者」または「未変換患者」は、患者をモニター期間中、典型的にはICU入院中に敗血症の臨床的疑いに進行しないSIRS患者をいう。
本明細書において使用する「宿主コンパートメント」は、測定または評価のために生物学的マーカーを入手ことができる患者または宿主から入手ことができる任意の部分、切片または試料をいう。「宿主コンパートメント」には、例としてであって、限定するものではないが、血液、血清、唾液、尿および組織生検試料が挙げられる。
本明細書において使用する「マーカー」および「生物学的マーカー」は、患者の状態、特に患者の免疫系の状態を示すのに有益な、宿主コンパートメント由来の任意の生物学的化合物または宿主の測定可能な任意の生理学的パラメーターをいう。マーカーの測定可能な局面が患者の状態に関連する場合には、マーカーは有益であると考えられる。マーカーと同定されている特定に分子については、患者の状態に関連するマーカーの測定可能な局面は、例えば、その特定分子の発現または発現レベルであってもよいことが理解される。
本明細書において使用する「統計値」または「統計学的特徴」は、これらのデータに対応してマーカーデータセットからまたはモデル化もしくは平滑化した値から誘導可能な任意の関数または集約尺度をいう。
本明細書において使用する「極端な値の統計学的尺度」は、モニター中の期間にわたってマーカーの極端な値の尺度となる、モニター中の期間に測定されたマーカーのデータから算出された統計値をいう。マーカーの極端な値の統計学的尺度の例には、一定の期間にわたるマーカーレベルまたは挿入した値の最大値または最小値、一定の期間にわたるマーカー測定値または挿入した値の増加または低下の割合の最大値または最小値、閾値を越えてまたは閾値未満で消費される時間の最長時または最短時、2つ以上の経過時点の測定値または挿入値の変動の最大レベルまたは最小レベル、傾向線の最大傾斜または最小傾斜、連続していないと思われる局所的な最大値または最小値の平均等が挙げられる。
本明細書において使用する、「時間系列パターンをモデル化する」は、測定を実施する一定の経過時間にわたってマーカー測定値のデータ点セットを作製することをいう。いくつかの例において、「時間系列パターンをモデル化する」は、時間系列モデルを適合するまたは関数を測定値に平滑化することも含む。時間系列測定値に値を適合するために使用するモデルには、移動平均、自己回帰、局所加重回帰(loess)、B−スプライン、自然スプラインおよび平滑化スプライン並びに2つ以上のこれらの適合技法の組み合わせを挙げることができる。これらのモデルは例として提供されていて、限定するものではなく、他のモデルも当業者に提案される。
本明細書において使用する「判別モデル」は、患者を分類するための決定木を求めるための定量的方法をいう。「多変量判別モデル」は、疾患が観察されない患者群および疾患が観察される患者群などの2つ以上の群の1つに症例を割付けるために、2つ以上の特徴または変数についての測定値を使用する任意の系統的な方法をいう。これらのモデルは、典型的には、患者分類に関する情報を含むデータセットから構築され、一旦構築されたら、患者の測定値に基づいて分類が未知の患者を分類するために使用される。
本明細書において使用する「分類木」は、変換患者と未変換患者を分離するために、データ領域を入れ子型サブセットに反復的に分配し、各分配が測定された1つ以上のパラメーターの二元関数に基づいているモデルをいう。このモデルは、各ノード(分岐点)が二元決定点となり、生じうるアウトカムがノードからの分岐を明確化する決定木を提供する。患者は、ルートから開始して、ノードまで決定木を進み、二進試験を患者の値に適用し、試験成果によって特定される分岐を進行し、患者が独自のサブセットに割付けられるまでこの過程を反復することによって分類される。
本明細書において使用する「判別分析」は、各患者についてスコアをコンピュータ処理する判別モデルをいう。スコアは測定した変数の一次関数である。閾値未満のスコアは1つの群に属すると予測され、閾値以上のスコアは別の群に属すると予測される。
「対数−直線判別分析」は、各測定値の係数を推定する前に測定値を対数スケールに変換するバージョンの判別分析をいう。対数変換以外に、任意の単調な変換を使用して、ガウス分布に近いデータ分布を作製することができる。
統計学的方法は当技術分野において既知である。MICROSOFT ACCESS(登録商標)2000データベースソフトウェアなどの種々の市販のコンピュータプログラムを、保存されているコンピュータ読取可能なマーカー測定値データから統計学的な特徴を抽出するために使用することができ、SPLUS(登録商標)2000(MathSoft,Inc.,Cambrige,MA)などのプログラムを使用してデータを分析することができる。
本発明の方法
本発明の方法は、患者の早期敗血症を検出する方法であって、
d)ある期間にわたって、複数の生物学的マーカーをモニターするステップと、
e)ある期間にわたって、各マーカーについてマーカーの極端な値の統計学的尺度を個別に算出するステップと、
f)マーカーの統計値の組み合わせに決定規則を適用して患者の早期敗血症を検出するステップと
を含む方法を提供する。
本発明の局面は以下に詳細に記載されている。
生物学的マーカー
本発明の方法において有用な生物学的マーカーは、例えば、白血球数、細胞表面マーカーおよび可溶性マーカーを含む、感染症または他の重症の臨床的損傷に反応する免疫系の状態を示すものである。生物学的マーカーは、可溶性もしくは細胞表面タンパク質などの患者から入手可能な任意の分子または体温、呼吸数、脈拍、年齢、血圧、白血球数等などの任意の測定可能な生理学的および/または臨床学的パラメーターを含んでもよい。
感染に反応する免疫系の状態を示す生物学的マーカーには、例としてであって、限定するものではないが、CD64タンパク質、CD11bタンパク質、HLA−DRタンパク質およびHLA−DQタンパク質を含むHLAクラスII分子、CD54タンパク質、CD71タンパク質、CD86タンパク質などの細胞表面タンパク質、表面結合腫瘍壊死因子受容体(TNF−R)、トール様受容体などのパターン認識受容体、インターロイキンIL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13およびIL−18などの可溶性マーカー、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)、ネオプテリン、C−反応性タンパク質(CRP)、プロカルシトニン(PCT)、6−ケトF1α、トロンボキサンB2、ロイコトリエンB4、C3、C4、C5、D4およびE4、インターフェロンガンマ(IFNγ)、インターフェロンアルファ/ベータ(IFNα/β)、リンフォトキシンアルファ(LTα)、補体成分(C‘)、血小板活性化因子(PAF)、ブラジキニン、一酸化窒素(NO)、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージ阻止因子(MIF)、インターロイキン−1受容体アンタゴニスト(IL−1ra)、可溶性腫瘍壊死因子受容体(sTNFr)、可溶性インターロイキン受容体sIL−1rおよびsIL−2r、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGFβ)、プロスタグランジンE2(PGE2)、顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)、インターフェロンα/β並びに他の炎症媒介物質が挙げられる。生物学的マーカーには、上記のタンパク質マーカーをコードするまたは上記のタンパク質マーカーを示すRNAおよびDNA分子も含まれる。
好ましい実施態様において、炎症性反応の少なくとも1つのマーカーおよび代償性抗炎症性反応の少なくとも1つのマーカーを含む複数のマーカーを測定する。炎症性反応のマーカーには、例えば、白血球数およびインテグリン、特にCD11bなどのβ2−インテグリンを含む接着分子、CD64などのFcγ受容体を含むFc受容体ファミリーの分子、CRP、PCT、IFNγ、LTα、IL−1β、IL−2、IL8、IL−12、IL−18などの可溶性マーカー、TNF−α、C‘、LTB4、PAF、ブラジキニン、NO、GM−CSFおよびMIFが挙げられる。代償性抗炎症性反応のマーカーには、MHCクラスII分子、特にHLA−DR、HLA−DQなどの単球不活性化の細胞表面マーカー、並びにIL−1ra、sTNFr、sIL−1r、TGFβ、IL−4、IL6、IL−10、IL−11、IL−13、PGE2、G−CSFおよびIFNα/βなどの可溶性マーカーが挙げられる。
好ましい実施態様において、複数の生物学的マーカーは好中球活性化の少なくとも1つのマーカーと単球不活性化の少なくとも1つのマーカーを含む。CD64およびCD11bの発現の増加は、好中球および単球活性化の徴候と認識されている。好中球活性化の好ましい細胞表面マーカーには、好中球上で発現されるCD64およびCD11bが挙げられる。単球不活性化の好ましい細胞表面マーカーは、末梢血液細胞で発現されるHLAクラスII分子、好ましくは単球上で発現されるHLA−DRである。
上記のマーカーは各々、感染に反応して変化することが既知であり、従って、炎症状態のマーカーとして有用となりうる。炎症状態を示す種々の他の生物学的マーカーが当業者に既知であり、本発明の開示内容を見直すと示唆されている。感染に反応する免疫系の状態を示す全てのマーカーが等しく示すわけではないことが予想される。結果として、本発明の方法に使用するために構築した決定規則の感度および特異性は、選択する特定のマーカーに依存する。好ましいセットのマーカーは、本明細書の教示に従って、通常の実験を使用して実験的に選択することができる。
生物学的マーカーは任意の宿主コンパートメント、すなわち、血液、血清、尿、唾液、便または宿主もしくは患者の他の生体液体試料もしくは組織試料から入手することができる。試料採取する宿主コンパートメントは、一般に、マーカーによって異なるが、試料採取は、好ましくは従来の技法によって侵襲性を低くし、迅速に実施するべきである。
生物学的マーカーの測定は任意の従来の技法によって実施することができる。生物学的マーカー分子の測定値には、例えば、存在、濃度、発現レベルまたはマーカー分子に関連する任意の他の値を示す測定値が挙げられる。UV、可視光および赤外分光分析法を含む種々の分光学的技法が生物学的マーカー分子を測定するために利用可能である。蛍光標識、放射性標識または他の容易に識別可能で、定量可能な標識をマーカー分子の測定の助けとするために使用することができる。細胞結合マーカーの発現レベルは、フローサイトメトリー技法によって測定することができ、可溶性マーカーの発現レベルは免疫吸着アッセイ技法によって特徴づけることができる。体温、呼吸数、脈拍、血圧または他の生理学的パラメーターマーカーの測定は臨床観察および測定により実施することができる。
モニタリング
本発明の方法において、蓄積したマーカーデータに決定基準を適用する前に、少なくとも2回の測定を含む所定の期間にわたって患者をモニターする。モニタリングは、典型的には、毎日、1時間ごとまたは1日以上にわたって多数回などの規則的に反復される生物学的マーカーの測定に関係する。マーカーを測定する期間および期間中に各マーカーを測定する頻度は、モニタリング開始時の患者の来院、患者の進行およびモニタリングのために選択する特定のマーカーによって必ずしも同じではない。いくつかの例において、マーカーの測定は1日のうちの数時間、1日または複数の日数にわたって1時間ごとの頻度またはそれより長い時間の頻度で実施される。モニタリングの期間および頻度は各患者または各マーカーについて同じである必要はない。さらに、モデル構築に使用するモニタリングの期間および頻度は、モデルから誘導される決定規則を、疾患の検出のために患者のマーカー測定値にその後適用する場合のモニタリングの期間および頻度と異なってもよい。
本発明の方法は、敗血症の発症が切迫していることに関して、敗血症を発症するリスクにあるSIRS患者をモニターする方法の一部として臨床の場において有用である。従って、患者がリスクにあると最初に同定されたとき、すなわち患者がSIRS陽性になったときから患者をモニターする。モニタリング経過中の患者のマーカーの測定ごとに、以前の測定値および現在の測定値から蓄積されているデータに本発明の決定基準を適用して、患者が早期敗血症に進行しているかどうかを判定する。患者が早期敗血症を示すと同定されるまでまたは典型的には患者がSIRS陽性でなくなったことによりモニタリングが中止されるまで、モニタリングを継続する。
本発明は、敗血症発症が切迫していることに関して、SIRS患者をモニターするのに特に有用であるが、患者がSIRS陽性でなくても、どのような理由であれ、モニタリングを行うのに値するほど敗血症のリスクにあると考えられる患者に対して本発明の方法を使用することができることは明らかである。さらに、本明細書において使用するSIRSのコンセンサス定義は将来において改善された定義によって取って代わられうることが認識されている。SIRSの定義は本発明の重要な態様ではないことおよび本発明は等しく適用可能であることが理解される。
極端な値の統計学的尺度
患者を所定の期間にわたってモニターして各マーカーの2つ以上の測定値を取ったら、所定の期間にわたるマーカーの極端な値の尺度である統計値を各マーカーについて算出する。極端な値の統計学的尺度は、例えば、一定の期間にわたるマーカーレベルまたは挿入した値の最大値または最小値、一定の期間にわたるマーカー測定値または挿入した値の増加または低下の最大値または最小値、閾値を越えてまたは閾値未満で消費される時間の最長時または最短時、2つ以上の経過時点の測定値または挿入値の変動の最大レベルまたは最小レベル、傾向線の最大傾斜または最小傾斜、連続していないと思われる局所的な最大値または最小値の平均等であってもよい。極端な値の特定の統計学的尺度の選択は、特に実施例に記載するように実験的に決定される。
決定規則
各マーカーについて極端な値の統計学的尺度が算出されたら、以前に求められた決定規則をマーカー統計値に適用して早期敗血症の検出を実施して早期敗血症について患者を陽性または陰性と分類する。決定規則は、以下に一般的に記載するように作製した判別モデルから得られる。
モデルの構築
判別モデルは、好ましくは、少なくとも1人の患者が臨床的に敗血症になるまで、SIRS陽性患者集団を経時的にモニターする対照検討において採取したマーカーデータから作製される。敗血症を発症するSIRS患者の亜集団(変換患者)のデータを、敗血症を発症しないSIRS患者の亜集団(未変換患者)のデータと比較する。典型的には、対照検討中に数多くの生物学的マーカーをモニターするが、これらのマーカーのサブセットだけを最終的な決定規則に使用することができる。最も簡単な例では、変換患者1人と未変換患者1人の2人の患者のマーカー測定値を判別モデルの構築に使用することができるが、一般に大多数の患者のマーカー測定が得られるとより優れた統計モデルが得られる。多くの対照集団の1つを検討に加えることは有用となる場合があり、判別モデルの作製に有用な追加の情報を提供することが理解される。
本発明の方法は、以前に記載されている方法を使用して、臨床的に発現される敗血症が疑われるまたは確認されるより前に早期敗血症を検出するために使用される。好ましくは、本発明の方法は、適当な治療的治療を早期に開始することができるように、敗血症の臨床的疑いが生じる少なくとも12時間前、好ましくは24時間前(予測的なリードタイム)に早期敗血症を検出する。このために、判別モデルは、好ましくは、望ましい予測的なリードタイムに対応して敗血症の臨床的疑いが生じる前までに変換患者から収集されたデータだけを使用して回顧的に作製される。望ましい予測的なリードタイムの選択は、臨床的考慮に基づいており、臨床的状況に応じて短い値または長い値が有用となりうる。
対照検討中にモニターする生物学的マーカーは、上記のように、感染に反応する免疫系の状態を示すことが既知のものまたは示すことが疑われるものから選択される。好ましくであって、必ずしもではないが、これらのマーカーの最初の選択は、判別モデルにおいて示す可能性が最も高いようなマーカーを同定するために、対照検討のデータに基づいて実施される。この最初の選択は一変量統計試験を使用して実施し、マーカーの極端な値が、単独で考慮される場合、変換患者と未変換患者の間に統計学的有意差があるかどうかを判定する。変換患者と未変換患者の間に有意差があるようなマーカーは、早期敗血症に関する有用な情報を提供する可能性が高いと考えられ、その後の多変量判別モデルの作製に使用される。これはスクリーニング前の手法にすぎないので、比較するデータは検討中の任意の時期のものであってもよいが、変換患者において臨床的に発現する敗血症の発症前のデータを比較することが好ましい。
検討の変換患者および未変換患者亜集団から得られるマーカー測定データは、最終的な決定規則に使用するマーカー統計値(極端な値の統計学的尺度)を算出することによって最初に分析される。マーカー統計値の得られる値を組み合わせて使用し、分類もしくは回帰木、ロジスティック回帰、対数−直線判別分析、判別分析、ニューラルネットワークまたは他の種類の多変量判別モデルを使用して多変量判別モデルを形成する。多変量判別モデルに有用な統計ソフトウェアは当技術分野において既知であり、数多くの製造供給元から購入可能である。例えば、多変量判別モデルに有用な市販のソフトウェア製品は、MathSoft,Inc(Cambridge,MA)製のSPLUS(登録商標)である。
本発明の方法は、敗血症を発症するリスクにある患者をモニターする方法の一部として種々の臨床状況において有用である。患者から得られるマーカー値の分布は、病棟の違いなどの臨床状況に依存する場合があることが認識されている。例えば、実施例に提供するデータは、待機手術(清潔手術管理と呼ばれる)後にSICUに収容される患者は、重篤な事故または冠動脈疾患の発作後の緊急手術後にSICUに入院する患者を完全には代表していないことがあることを示唆している。好ましくは、モデルは、得られるモデルを使用したい状況と同じ臨床状況の患者から得られる変換患者および未変換患者から作製される。
決定規則の用途
対照検討のデータを用いて判別モデルを作成したら、個々の患者のマーカー測定データにモデルを新たに適用して患者の早期敗血症の存在を検出することができる。典型的には、判別モデルによって作製される決定規則を患者のモニタリング中に反復して適用する。決定規則は、極端な値の再度算出された統計学的尺度に基づいてモニタリング中の測定時点ごとに新たに適用される。患者が早期敗血症に進行したと同定されるまでまたは患者が医療から開放されるか、もしくは敗血症のリスクにないと考えられるまで、各患者の測定ごとに決定規則を再度適用する。例えば、患者が病院またはICUに入院中の状況では、マーカー測定は、毎日採取する患者の血液試料で実施され、モデル決定規則は測定後毎日適用することができる。決定規則により早期敗血症が検出される場合には、患者の治療的処置を開始することができるかまたは患者を臨床試験において階層化することができる。数日間連続して患者をモニターしても早期敗血症が検出されない場合には、患者は病院またはICUから退院することができる。
キット
本発明は、本発明の方法を実施するために使用可能なキットも提供する。本発明のキットは、敗血症のリスクにあると考えられる1人以上の患者から取られるマーカー測定値から1つ以上の患者データファイルを作製し、ある期間にわたってマーカー測定値の時間系列パターンをモデル化し、時間系列パターンから1つまたは複数の統計学的な特徴を抽出し、判別モデルの決定規則を患者データファイルに適用して1人以上の患者に早期敗血症が存在するかどうかを判定することができる、CDまたはフロッピィディスクなどのコンピュータ読取可能な媒体を含んでもよい。キットはまた、例えば、患者の血液試料採取または血液試料分離のためのバイアル、選択したマーカーなどの蛍光標識抗体のバイアルなどの染色機器、溶血溶液のバイアル、蛍光標識のためのQuantiBRITE(登録商標)較正ビーズ並びにある期間にわたる多数の経過時点における患者の血液試料の獲得、染色条件、溶血条件の印刷された取扱説明書並びにマーカーのフローサイトメトリー測定のための閾値決定およびゲーティングの取扱説明書などのモニタリングを実施するための試薬、装置および取扱説明書も含んでもよい。可溶性マーカーの場合には、キットはマルチウェルプレートを用いる1つ以上の固相「サンドイッチ」ELISAアッセイ、ウェルを洗浄する溶液のバイアル、関心対象のマーカーの標識抗体のバイアル、染色溶液のバイアル並びにウェルにマーカー試料を適用し、洗浄し、抗体を適用し、染色するための印刷の取扱説明書を含んでもよい。また、キットはまた、サイトメトリービーズアレイ製品などの材料を用いて可溶性マーカーの評価を可能にする機器を含んでもよい。
利用性
本発明の方法およびキットは、医師によって観察可能な明白な臨床症状の発現前に個々の患者において早期敗血症を検出する際に有用である。敗血症が早期検出されることにより、患者の死亡率を低下し、敗血症を発症する直前の患者に治療を絞ることができることによって患者の治療費を削減することができ、一般に臨床成果を改善することができる。敗血症の臨床的疑いが生じる少なくとも12〜24時間前に敗血症を検出することにより、治療が最も有用であると思われる時点において患者に抗生物質、抗炎症および/または他の治療的処置を投与することができる。
診断的方法に典型的であるように、本発明の予測方法は、早期敗血症、すなわち敗血症に進行する患者を同定するためのツールとなることおよび本発明の方法は追加の方法と併用使用することができることが意図されている。典型的には、患者は、ICUへの入院時の年齢、性別、外科的処置の種類、人工呼吸器の必要性、生理学的損傷の種類または疾患発症を早期に判定する際に有用な他の因子などの時間依存性および時間非依存性マーカーを含む数多くの他の生物学的マーカーについて測定および/またはモニターされる。臨床医は、典型的には、医学的な判断を下す際に利用可能な臨床データの全体を考慮することが明らかである。
本発明の主要な用途は病院内のヒト患者において早期敗血症を検出することであるが、本発明の方法は、獣医学的な状況などにおいて敗血症のリスクにある可能性のヒト以外の患畜に使用することができることは明らかである。
実施例
以下の実施例は、本発明を作製し、使用する方法についての完璧な開示および説明を当業者に提供するために提供されており、本発明者らが本発明者らの発明であると考えるものの範囲を限定する意図ではなく、以下の実験が実施した全ての実験または唯一の実験であることを示すことを意図していない。使用する数に関しては精度を確実にする努力を行ったが、いくぶんかの実験誤差および偏差は説明されるべきである。特に示さない限り、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度はセ氏度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。以下の実施例に使用する特定の判別モデルは例示的であり、限定するものと考えるべきではない。本発明により他の種々の判別モデルも使用することができる。
好ましいプロトコール
フローサイトメトリーによる細胞表面マーカーの測定
細胞表面マーカー、HLA−DR、CD64およびCD11bをフローサイトメトリーによりアッセイした。フローサイトメトリーは、BD FACSComp(商標)ソフトウェアバージョン4.0およびBD CellQuest(商標)ソフトウェアバージョン3.1を備えるBD FACSCalibur(商標)フローサイトメトリーシステムおよびBD FACStation(商標)データ管理システムを使用して実施する。
細胞表面マーカーのフローサイトメトリーアッセイでは、最初にマーカーに特異的な蛍光標識モノクローナル抗体を使用して末梢血細胞を染色する。血液は染色前に十分に混合し、染色は採血から4時間以内に実施する。染色後の細胞は、データ獲得前には冷暗所に保存し、データ獲得は、試料にBD FACS(商標)溶血溶液を添加してから2時間以内に実施する。
HLA−DRおよびCD64はK3EDTA採取管に採取した血液から測定されるが、CD11bはNaヘパリン採取管に採取した血液で測定される。
以下のアッセイの結果は細胞あたりの結合抗体(AB/C)として提供されている。これは決定的ではなく、蛍光強度の中央値または平均値などの他の定量値も有用であることは明らかである。細胞表面マーカーの発現は、当技術分野において既知であるように、フローサイトメトリーデータの適当なゲーティングによって好中球または単球などの特定の白血球集団について測定することができる。好ましくは、本発明の方法に使用するためには、HLA−DRは具体的には単球で測定され、CD11bおよびCD64は具体的には好中球で測定される。
HLA−DRは、BD QuantiBRITE(商標)抗HLA−DR PE/抗単球PerCPCy5.5アッセイ(BD Biosciences,サンノゼ カリフォルニア州)を使用して測定される。アッセイは、本質的には製品の取扱説明書に記載されているように実施し、以下のように改良を加える。50μlの血液からなる試料は、12×75mmのポリスチレン管において、20μlの染色試薬を添加し、室温(20〜25℃)において暗所で30分間インキュベーションすることによって染色する。次いで、0.5mlのFACS(商標)溶血溶液(BD Biosciences)を各管に添加し、管を低速で1〜2秒間ボルテックスをかけて、室温で約5分間暗所においてインキュベーションする。
細胞あたりの結合抗体(AB/C)として報告されるHLA−DRの発現レベルは製品の取扱説明書に記載されているように測定される(例えば、米国特許第4,520,110号およびLyer,SBら BD Biosciences Application Note for QuantiBRITE(商標)参照)。
CD64はBD QuantiBRITE(商標)CD64 PE/CD45 PerCPアッセイ(BD Biosciences,サンノゼ カリフォルニア州)を使用して測定される。アッセイは、本質的には製品の取扱説明書に記載されているように実施し、以下のように改良を加える。50μlの血液からなる試料は、12×75mmのポリスチレン管において、20μlの染色試薬を添加し、室温(20〜25℃)において暗所で30分間インキュベーションすることによって染色する。次いで、1.0mlのFACS(商標)溶血溶液(BD Biosciences)を各管に添加し、管を低速で1〜2秒間ボルテックスをかけて、室温で約5分間暗所においてインキュベーションする。
細胞あたりの結合抗体(AB/C)として報告されるCD64の発現レベルは製品の取扱説明書に記載されているように測定される。
CD11bは、特注製造されたCD11b(1:1)PE試薬/CD45PerCPアッセイ(QuantiBRITE(商標)PE Custom Conjugate,BD Biosciences,サンノゼ カリフォルニア州)を用いて測定される。アッセイプロトコールは、本質的に上記のCD64について記載されているとおりである。CD11bの発現レベルは、他の細胞表面マーカーの場合と同様に、細胞あたりの結合抗体(AB/C)として報告される。
TNF−Rのレベルは、参照として本明細書に組み入れられているvan der Pollら,1991,Journal of Leukocyte Biology,61:156−160に記載されているように測定される。
免疫吸着アッセイを使用する可溶性マーカーの測定
可溶性マーカーの測定のためには、採血時から4時間以内に血漿を全血から分離する。血漿の分離は、全血を4℃において1800×gで20分間遠心分離し、その後血漿をピペットで取り出す。約225μlの血漿量を、色分けされた蓋つきのNALGENE(登録商標)低温バイアルに分注し、適当にラベルをつける。バイアルをFisher10×10低温ボックスに入れ、−70℃で凍結し、使用時まで−70℃で保存する。
インターロイキン−6(IL−6)マーカーは、BD Pharmingen OptEIA(商標)ヒトIL−6ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)試験キットII(BD Pharmingen,サンディエゴ,カリフォルニア州)を使用して測定する。
C−反応性タンパク質(CRP)マーカーは、Hemagen(商標)VirgoCRP150ELISAキット(Hemagen Diagnostics,Inc.,ウォルサム,マサチューセッツ州)を使用して測定した。
インターロイキン10(IL−10)マーカーは、BD Pharmingen OptEIA(商標)ヒトIL−10ELISA試験キットIIを使用して測定した。
プロカルシトニン(PCT)は、BRAHMAS LUMItest(登録商標)PCT免疫発光アッセイ(ILMA)キット(BRAHMAS Diagnostica,ベルリン、ドイツ)を使用して測定した。
臨床試験
SIRS患者および対照の選択
3つの別個の患者群および正常なドナーからなる1群を以下の実施例の対象とした。患者は全員18歳以上であり、全ての症例において適当な同意書の提出が得られた。
敗血症のリスクにある合計50人の患者はニュージャージー州ニューブルンスウィックのロバートウッドジョンソン医学部病院の外科集中治療室(SICU)に収容されている患者から選択した。患者は、SICUに入院中の24時間以内に2つ以上のSIRS基準を満たした場合(すなわち、SIRS陽性であった場合)には敗血症のリスクにあると分類した。
清潔な待機手術が計画されており、手術前のモニタリング開始時にSIRS陰性であった別の15人の患者を選択した。この群は入院対照(「清潔手術対照群」ともいう)とした。
12人の正常ドナーボランティアからなる別の群を選択した。この群は非入院対照とした。
既存の敗血症の疑いを有する患者、既知の脊髄損傷もしくは副腎皮質ステロイド療法を必要とする他の状態が認められる患者、移植レシピエント、HIV+が既知の患者または既知の免疫学的な異常を有すると同定される患者、重度の熱傷もしくは広範囲熱傷患者、透析患者および妊娠患者は全ての群から除外した。また、検討の対象としてから24時間以内に敗血症に進行した患者も回顧的に検討から除外した。
敗血症の臨床的疑いについての被験者のモニタリング
SICUの被験者は、2週間の検討期間中敗血症臨床的疑いについて毎日モニターした。敗血症の徴候および症状並びに識別基準は以下を含んだ。
・肺炎:発熱、白血球数(wbc)の上昇、痰の生成および胸部x線写真の新たな浸潤部位の4つのうち3つが見られる。
・創傷感染:発熱、疼痛、紅斑および膿性分泌液の4つのうち3つが見られる。
・尿路感染:細菌陽性と>10wbc/高倍率視野の両方が見られる。
・カテーテル性敗血症:発熱、紅斑、カテーテル部位の疼痛およびカテーテル部位の化膿の4つのうち3つが見られる。
・腹腔内膿瘍:発熱、wbcの上昇、液貯留のx線写真による証拠、吸引または手術によるドレナージによる培養陽性の4つ全てが見られる。
医師が培養を依頼し、実験的な抗生物質療法を開始するのが当然である程度に敗血症の臨床的疑いが十分に高くなった時点を「敗血症の臨床的疑いが生じた時点」と規定した。
生命徴候、細胞表面および可溶性マーカーのモニタリング
血液試料は、SICUの各患者について、患者を検討対象とした日から毎日最長14日目間または患者が敗血症の臨床的疑いを発症するまで毎日採取した。敗血症の臨床的疑いに進行した患者については、その後3回の血液試料を採取したが、敗血症前のデータだけをモデル構築および試験に使用した。
清潔手術対照患者の血液試料は手術前日および術後3日間採取した。術後測定のデータをモデル構築および試験に使用した。
正常な非入院ボランティアの血液試料は平日の1日おきに2週間採取した。
各群の各患者の毎日の採血は、K3EDTA採血管に採血した全血1本およびNaヘパリン採血管に採血した全血1本を含んだ。採血時間を記録し、試料は即座に氷上に置いた。
各血液試料は、細胞表面分子、HLA−DR、CD64、CD11bおよびTNF−R、並びに可溶性マーカー、IL−6、CRP、IL−10およびPCTについてアッセイした。細胞表面マーカーは単球および好中球について別個に測定した。本質的には、測定は実施例1に記載するように実施した。
また、患者は、上記血液試料採取時または採取時前後に白血球数、体温、呼吸数および心拍数についてアッセイした。
臨床試験データの分析
実施例2に記載する臨床試験で得られたデータを以下に記載するように分析した。
以下の臨床状態に基づいて患者のサブセットに言及するために以下の定義を実施例に使用する:
1群:SICU入院中に敗血症の臨床的疑いを発症していないSIRS患者。これらの患者を「未変換患者」という。50人のSIRS患者のうち、27人が未変換患者であった。
2群:SICU入院中に敗血症の臨床的疑いを発症したSIRS患者。これらの患者を「変換患者」という。50人のSIRS患者のうち、23人が変換患者であった。23人の変換患者のうち、20人は培養によって敗血症と確認され(培養陽性敗血症)、3人は培養によって確認できなかった(培養陰性敗血症)。
3群:清潔手術対照群の15人の患者。
4群:12人の正常なドナーボランティア、すなわち、非入院対照群。
敗血症の臨床的疑いに進行したSICUのSIRS患者(すなわち、2群)の数を、検討の対象とした後のSICU入院日数ごとに以下に示す。上記のように、対象としてから24時間以内に進行した患者は検討から除外した。
Figure 2005521882
マーカーデータの極端な値
マーカーに応じた各マーカーの最大値または最小値を、患者をモニターした期間にわたって、変換患者を除いた各患者について算出した。変換患者については、各マーカーの最大値または最小値を、敗血症の臨床的疑いを発症する前日までの期間にわたって算出した。得られるモデルは敗血症の臨床的疑いの少なくとも前日の早期敗血症の予想値を提供することを目的としているので、敗血症の臨床的疑いの前日のカットオフを選択した。従って、敗血症の臨床的疑いが生じる少なくとも前日だけの患者データを考慮することが適当であった。一般に、適当なカットオフはモデルの目的の用途に基づいて選択される。
以下の考察において便利であるように、マーカーの定量値は[マーカー]と示し、最大値および最小値は、それぞれmax[マーカー]およびmin[マーカー]と示す。
マーカーの最初の選択
マーカーの最初の選択は、判別モデルにおいて有用である可能性が最も高いものを同定するために、対照検討のデータに基づいて実施した。この最初の選択は、マーカーの極端な値が、単独で考慮するとき、変換患者と未変換患者の間で統計学的に有意差があるかどうかを判定するための一変量統計試験を使用して実施した。
変換患者と未変換患者の間で統計学的に有意差があることを試験したマーカー統計値は、好中球で測定したmax[CD64]、好中球で測定したmax[CD11b]、単球で測定したmin[HLA−DR]、max[PCT]、max[IL−6]、max[IL−10]およびmax[wbc]であった。変換患者と未変換患者の間で統計学的に有意差がないことを試験したマーカー統計値は単球で測定したmin[TNF−R]およびmax[CRP]であった。さらに、max[CD64]およびmax[CD11b]は特に単球において回顧的にアッセイし、変換患者と未変換患者の間で統計学的に有意差がないことを見出した。
多変量判別モデルの構築
多変量判別モデルは、上記のように算出した極端なマーカー値の統計値から作製した。3群の患者のデータをモデルの作製に含めた。多変量判別モデルは、臨床的疑いを生じる前に敗血症のリスクが増加した患者を同定するために、最も高い感度および特異性について評価した。
分類木モデル
分類木モデルは、内臓決定木関数を使用してSPLUS(登録商標)(MathSoft,Inc.,ケンブリッジ,マサチューセッツ州)を使用して作製した。ユーザーは決定木モデルを作製する際に使用する変数を選択し、決定木の最大サイズも指示する。決定木モデルを作製する際に使用する変数は、上記のように、変換患者と未変換患者の間で統計学的に有意差があることが見出されているものから選択した。決定木サイズが大きいと生物学的に非現実的なモデルとなったり、データを過度に細かく区分することになるので、決定木サイズは(ルートノードに加えて)4エンド(非分岐)ノードまでとした。
モデルは、生物学的に妥当である場合のみ考慮した。例えば、HLA−DRの低いレベルは抗炎症性反応を示すことが知られているので、min[HLA−DR]の値が閾値より高いことによって変換患者が同定されるモデルはそれ以上考慮しなくてもよいと思われる。
変換患者の未変換患者および対照からの分離を最良にする、すなわち、最良の感度(変換患者の誤りのない同定を最大にする)および特異性(未変換患者の誤りのない同定を最大にする)を同時にできるだけ達成するために、分類木モデルの閾値を選択する。典型的には、感度と特異性にはトレードオフが存在し、任意の所定の判別モデルでは、感度が増加すると特異性が低下し、逆も当てはまる。特異性または感度のどちらを最初に選択すべきかは、敗血症の未変換患者を治療する有害作用の可能性と変換患者の治療の遅れのリスクの比較などの数多くの因子に依存する臨床的な判断であることが理解される。本発明の場合では、事前選択の特異性レベルが90%となるようにモデルを選択した。一般に、結果は選択した感度または特異性に依存するので、最適なモデルの作製は、望ましい感度または特異性を考慮して実施されるべきである。
得られた最良の決定木モデルをモデル1として以下に示す。最良のモデルの性能は、単球関連HLA−DR、好中球関連CD11bおよび好中球関連CD64を測定することによって得た。早期敗血症を検出する際における最良モデルの種々の要素の相対的な寄与を評価するために、最良モデルの性能を、最良モデルにおいて測定した3つのマーカーサブセットに基づいて得られた決定木モデルの性能と比較した。最良モデル(モデル1)の分類規則を、比較に使用する種々の2−パラメーターおよび1−パラメーターモデルの分類規則と共に以下に示す。
1.(max[CD64]+max[CD11b])>X AND min[HLA−DR]<Y
2.max[CD11b]>X AND min[HLA−DR]<Y
3.max[CD11b]>X AND max[CD64]>Y
4.max[CD64]>X AND min[HLA−DR]<Y、
5.(max[CD64]+max[CD11b])>X、
6.min[HLA−DR]<X
7.max[CD64]>X
8.max[CD11b]>X
ここで、XおよびYは、各モデルについて独立に求められた第1および第2の閾値であり、HLA−DRは特に単球で測定し、CD11bおよびCD64は共に特に好中球で測定する。
最良の分類木モデルは2つのスコアに基づいた決定木を提供する。基準の両方が満足される場合には、分類木モデル決定規則は患者を変換患者と分類する。従って、CD64値の最大値とCD11b値の最大値の合計が第1の閾値より大きく、HLA−DRレベルの最小値が第2の閾値より小さい場合には、モデル1は患者を変換患者と分類する。
分類木モデルの性能
比較のために、所定のレベルの特異性について、第1のモデルの感度が第2のモデルの感度より大きい場合、または所定のレベルの感度について、第1のモデルの特異性が第2のモデルの特異性より大きい場合には、第1のモデルは第2のモデルより優れていると考えられる。上記のように、最小の特異性が90%となるデザイン基準を満たすために、本発明の最良モデルを作製した。従って、比較のために、判別モデル各々の性能は、最初に特異性レベルを選択し、次いで選択したレベルの特異性においてモデルの感度を求めることによって求めた。または、判別モデルの各々の性能は、最初に感度レベルを選択し、次いで選択したレベルの感度においてモデルの特異性を求めることによって求めることができるが、これは、所定の感度を達成するようにデザインするモデルにより一層適当であると思われる。このため、これらの別の比較は示していない。
正しく同定された非変換患者の分数として表される2つの特異性レベルを選択した:25/27(93%)および26/27(96%)。選択した各特異性レベルについて、モデルの各々の閾値は、所定の特異性を達成すると同時に、分類感度、すなわち、正しく同定される変換患者の分数を最大にするように調整した。モデルの作製は、清潔手術対照患者(3群)のデータを含んで実施されたが、本明細書において考察する特異性レベルは未変換患者(2群)を分類する性能についてだけ言及している。閾値の調整は、データのグラフ表示を調べることによって手作業で実施した。
最良の分類決定木決定規則並びに最良の分類モデルの要素のサブセットに基づいた種々の2−パラメーターおよび1−パラメーター決定規則の感度を以下の表に示す。
Figure 2005521882
Figure 2005521882
患者をモニターした期間の極端な値の統計学的尺度が複数のマーカーについて独立に算出され、決定規則が得られたマーカー統計値の組み合わせに基づいている本発明の方法は高い特異性および感度を有する決定規則を提供することを結果は証明している。
図1は1〜4群の全ての患者(77人の患者)に適用した最良の性能の分類木モデル決定規則のグラフ図である。2つのスコア要素(max[CD64]+max[CD11b])および(min[HLA−DR])を、それぞれ縦軸および横軸にプロットする。モデル閾値によって規定される領域を点線で示す。決定規則は、上記のように感度70%および特異性93%を同時に提供する。結果は、決定基準は、変換患者、すなわち後に敗血症に進行した患者を、敗血症に進行しないすべての患者から高い精度で識別したことを示している。
図1に示す具体的な実施態様では、(max[CD64]+max[CD11b])が細胞あたりの結合抗体約12,400の閾値より大きく、[HLA−DR]が細胞あたりの結合抗体約9,600の閾値より小さい場合に患者は変換患者と分類される。得られる特定の閾値は、使用する具体的な定量方法並びに決定規則の望ましい感度および特異性に特定であることが理解される。例えば、別の定量方法の使用などのアッセイプロトコールの変更により、具体的な閾値は変わる可能性があると思われる。
決定規則の使用
分類木モデルによって作製される決定規則を使用して、患者をモニターし、サンプリング時点ごとに、2つのスコアを算出する。従って、分類木モデル1を使用して、
(max[CD64]+max[CD11b])>Xおよび
min[HLA−DR]<Y
(ここで、XおよびYは、分類木モデルから求められる第1および第2の閾値であり、最大値および最小値は、モニタリング開始時から現在の時点まで採取収集したデータに基づいて算出される)である場合に患者は早期敗血症を示すと同定される。
タイムスライスモデルとの比較
本発明の方法と比較するために、単一の日に得られたマーカーデータからも分類木モデルを作製した。従って、別個の分類木モデルが日ごとに作製され、本発明のモデルを使用して得られるモデルと比較するために日ごとの最良のモデルを選択した。1つの経過時点について収集したデータを考慮しているこれらのモデルは、時間の所定の部分における患者の状態に基づいているので、本明細書において「タイムスライス」モデルという。
マーカーの最初の選択
マーカーの最初の選択は、判別モデルにおいて有用である可能性が最も高いようなマーカーを同定するために、一変量統計試験を使用して実施した。試験は、日々ごとのデータを別個に考慮することを除いて、本質的に上記のように実施した。試験はモニタリングの最初の3日間だけ実施した。それは、一部には、関連するサンプルサイズが、患者が敗血症に進行する日ごとに小さくなり、3日目以降には小さくなりすぎたからである。変換患者と未変換患者の間で統計学的に有意差があることを日ごとに試験したマーカー統計値を以下に示す。
Figure 2005521882
タイムスライス分類木モデルを毎日作製した。上記のように、統計学的に有意差のあるタイムスライス分類木モデルは、モニタリングの最初の3日間だけ求めることができた。作製した決定規則およびこれらのタイムスライスモデルの性能を、性能により判定し、以下の表に示す。上記のように、モデルの望ましい特異性を事前に選択し、試験した各時間スライスモデルについて、最大感度を提供するように閾値を調整した。従って、性能の結果は、上記に提供する、本発明の方法を使用して得られる分類モデルから得られる結果と直接比較可能である。比較を容易にするために、本発明の方法を使用して得られる最良の分類木決定規則(「モデル1」と命名)を以下の表に再度示す。
Figure 2005521882
Figure 2005521882
本発明の分類モデルの最良のものを最良の時間スライス分類モデルと比較すると、本発明により改善が提供されることが証明される。特異性93%では、本発明の方法によって得られるモデルは感度70%であるが、最良のタイムスライスモデルは感度わずか52%である。同様に、特異性96%では、本発明の方法によって得られるモデルは感度56%を提供するが、最良のタイムスライスモデルは感度わずか48%である。結果は、患者をモニターした期間にわたる極端な値の統計学的尺度を各マーカーについて独立に算出し、決定規則が、得られたマーカー統計値の組み合わせに基づいている本発明の方法は、例えば、患者の現在の状態に基づいた方法の場合のように、1つのサンプリング時点において得られるモニター中のマーカーの値に基づいている方法と比較して全体的な性能が有意に良好であることを証明している。
判別モデルおよびロジスティック回帰
適用可能な別の多変量判別技法の一例として、マーカー統計値を対数−直線判別モデルに適合した。対数変換を使用して、ガウス分布に近いマーカー値分布を作製した。具体的には、データを以下の対数−直線判別モデルに適合した:
S=A*log(max[CD64])+B*log(max[CD11b])+C*log(min[HLA−DR])
(ここで、A,BおよびCは判別モデルによって決定される係数である)。
得られたモデルを使用して、得られるS値を閾値と比較することによって患者を変換患者または未変換患者と分類する。従って、上記の臨床試験のデータに基づいて、判別モデルは、早期敗血症を同定するための以下の決定規則を作製した:
1.2*log(max[CD64])+1*log(max[CD11b])−3.0*log(min[HLA−DR])>X
(ここで、Xは閾値である)。
分類木モデルの場合と同様に、正しく同定された非変換患者の分数として表される2つの特異性レベルを選択した:25/27(93%)および26/27(96%)。選択した各特異性レベルについて、モデルの各々の閾値は、所定の特異性を達成すると同時に、分類感度を最大にするように調整した。閾値の調整は、眼で見て手作業で実施した。上記の対数−直製判別モデルを用いて得られる感度を以下に示す。
Figure 2005521882
分類木モデルの場合と同様に、得られる具体的なパラメーター値および閾値は、使用する具体的な定量方法並びに決定規則の望ましい感度および特異性に特定である。例えば、別の定量方法の使用などのアッセイプロトコールの変更により、具体的な閾値は変わる可能性があると思われる。
高感度分類木
上記実施例3では、事前選択の特異性レベルが90%となるように分類木モデルを作製した。この実施例は事前選択の感度レベルが少なくとも90%となるように作製した分類木モデルを記載している。モデルは同じセットのマーカーから作製した。
得られる最良の高感度決定木モデルは以下に示す決定規則を提供した。
{(max[CD64]+max[CD11b])>X AND max[CD64]>Y}
または
{(max[CD64]+max[CD11b])<X AND min[HLA−DR]<Z}
(ここで、X、YおよびZは第1、第2および第3の閾値であり、HLA−DRは特に単球で測定し、CD11bおよびCD64は共に特に好中球で測定する)。
従って、最良の性能は、データを4つのサブセットに分割する決定木から得られた。最初のノードは、(max[CD64]+max[CD11b])の値によって患者を分割する。次いで、各サブグループにおいて、第2のマーカーの値:高(max[CD64]+max[CD11b])の患者ではmax[CD64]および低(max[CD64]+max[CD11b])の患者ではmin[HLA−DR]に基づいて早期敗血症を同定する。
得られる特定の閾値はX=12400AB/C、Y=1880AB/CおよびZ=7770AB/Cであった。上記のように、これらの数値は使用するプロトコールおよび試薬に依存し、例えば、別の定量方法の使用などのアッセイプロトコールの変更により、具体的な閾値は変わる可能性があると思われる。
高感度分類木決定規則の性能を以下に示す。
Figure 2005521882
4つの被験者群の分類木モデル分析の代表的なグラフを提供しており、未変換患者、敗血症患者、清潔手術患者および正常な被験者の(CD11bの最大値+CD64の最大値)を縦軸に示し、(HLA−DRの最小値)を横軸に示している。決定閾値は点線で示している。分析の詳細は実施例3に記載されている。

Claims (60)

  1. 患者の早期敗血症を検出する方法であって、
    a)ある期間にわたって複数の生物学的マーカーをモニターするステップと、
    b)前記期間にわたって前記マーカーの極端な値の統計学的尺度を各マーカーについて個別に誘導するステップと、
    c)ステップ(b)のマーカー統計値に決定規則を適用して、前記患者の早期敗血症を検出するステップと
    を含む方法。
  2. 前記複数の生物学的マーカーが白血球数、細胞表面マーカーおよび可溶性マーカーから選択される、請求項1記載の方法。
  3. 前記複数の生物学的マーカーが、炎症性反応のマーカーおよび代償性抗炎症性反応のマーカーから選択される、請求項1記載の方法。
  4. 前記複数の生物学的マーカーが、炎症性反応のマーカーおよび代償性抗炎症性反応のマーカーを含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記炎症性反応のマーカーが好中球関連マーカーを含み、前記代償性抗炎症性反応のマーカーが単球関連マーカーを含む、請求項4記載の方法。
  6. 前記好中球関連マーカーがCD11bまたはCD64である、請求項5記載の方法。
  7. 前記単球関連マーカーがHLA−DRである、請求項5記載の方法。
  8. 前記好中球関連マーカーがCD11bまたはCD64であり、前記単球関連マーカーがHLA−DRである、請求項5記載の方法。
  9. 前記複数の生物学的マーカーが活性化マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  10. 前記活性化マーカーが接着分子である、請求項9記載の方法。
  11. 前記接着分子がインテグリンである、請求項10記載の方法。
  12. 前記接着分子がCD11bである、請求項11記載の方法。
  13. 前記接着分子が好中球上で発現されるCD11b分子である、請求項12記載の方法。
  14. 前記複数の生物学的マーカーがFc受容体ファミリーの分子を含む、請求項1記載の方法。
  15. 前記Fc受容体ファミリーの分子がFcγ受容体である、請求項14記載の方法。
  16. 前記Fcγ受容体がCD64である、請求項15記載の方法。
  17. 前記Fcγ受容体が、好中球上で発現されるCD64である、請求項16記載の方法。
  18. 前記複数の生物学的マーカーが単球不活性化のマーカーを含む、請求項1記載の方法。
  19. 前記単球不活性化のマーカーがMHCクラスII分子である、請求項18記載の方法。
  20. 前記MHCクラスII分子がHLA−DRである、請求項19記載の方法。
  21. 前記MHCクラスII分子が、単球上で発現されるHLA−DRである、請求項20記載の方法。
  22. 前記複数の生物学的マーカーが免疫系活性化マーカーおよび免疫系不活性化マーカーを含む、請求項1記載の方法。
  23. 前記免疫系活性化マーカーが接着分子である、請求項22記載の方法。
  24. 前記接着分子がインテグリンである、請求項23記載の方法。
  25. 前記接着分子がCD11bである、請求項24記載の方法。
  26. 前記接着分子が好中球上で発現されるCD11bである、請求項25記載の方法。
  27. 前記免疫系活性化マーカーがFc受容体ファミリーの分子である、請求項22記載の方法。
  28. 前記Fc受容体ファミリーの分子がFcγ受容体である、請求項27記載の方法。
  29. 前記Fcγ受容体がCD64である、請求項28記載の方法。
  30. 前記Fcγ受容体が好中球上で発現されるCD64である、請求項29記載の方法。
  31. 免疫系不活性化マーカーがMHCクラスII分子である、請求項22記載の方法。
  32. 前記MHCクラスII分子がHLA−DRである、請求項31記載の方法。
  33. 前記MHCクラスII分子が単球上で発現されるHLA−DRである、請求項32記載の方法。
  34. 前記複数のマーカーが、CD11b、CD64、HLA−DR、インターロイキンタンパク質、腫瘍壊死因子受容体、C−反応性タンパク質およびプロラクチンからなる群から選択されるマーカーを含む、請求項1記載の方法。
  35. 前記複数のマーカーがCD11b、CD64およびHLA−DRを含む、請求項33記載の方法。
  36. 前記複数のマーカーが好中球関連CD11b、好中球関連CD64および単球関連HLA−DRを含む、請求項35記載の方法。
  37. 前記複数のマーカーが好中球関連CD11b、好中球関連CD64および単球関連HLA−DRである、請求項36記載の方法。
  38. 前記期間にわたってマーカーの極端な値の統計学的尺度である前記マーカーの統計値が各々、最大値、最小値、増加の割合の最大、増加の割合の最小、低下の割合の最大および低下の割合の最小、閾値を上回ってまたは下回って消費される最大時間、閾値を上回ってまたは下回って消費される最小時間、最大変動レベルおよび最小変動レベルからなる統計値の群から個別に選択される、請求項1記載の方法。
  39. 前記炎症性反応のマーカーの極端な値の統計尺度である前記マーカー統計値が最大値であり、前記抗−炎症反応の極端な値の統計尺度である前記マーカー統計値が最小値である、請求項4記載の方法。
  40. 前記決定規則が分類木である、請求項1記載の方法。
  41. 前記決定規則が分類木である、請求項4記載の方法。
  42. 前記決定規則が分類木である、請求項22記載の方法。
  43. 前記決定規則が分類木である、請求項33記載の方法。
  44. 前記決定規則が分類木である、請求項34記載の方法。
  45. 前記決定規則が分類木である、請求項35記載の方法。
  46. 前記決定規則が分類木である、請求項36記載の方法。
  47. 前記患者の早期敗血症を検出する方法であって、
    a)ある期間にわたって、好中球関連CD11b、好中球関連CD64および単球関連HLA−DRを含むマーカーの発現をモニターするステップと、
    b)前記好中球関連CD11b発現の最大値、前記好中球関連CD64発現の最大値および前記単球関連HLA−DR発現の最小値を含むマーカー統計値を個別に算出するステップと、
    c)ステップ(b)のマーカー統計値に決定規則を適用して、前記患者の早期敗血症を検出するステップと
    を含む方法。
  48. 前記決定規則が分類木である、請求項47記載の方法。
  49. 前記好中球関連CD11b発現の前記最大値と前記好中球関連CD64発現の前記最大値の合計が第1の閾値より大きく、前記単球関連HLA−DR発現の前記最小値が第2の閾値より小さい場合に前記分類木が早期敗血症を検出する、請求項48記載の方法。
  50. 前記決定規則が対数−線形判別モデルである、請求項1記載の方法。
  51. 前記決定規則が対数−線形判別モデルである、請求項4記載の方法。
  52. 前記決定規則が対数−線形判別モデルである、請求項22記載の方法。
  53. 前記決定規則が対数−線形判別モデルである、請求項33記載の方法。
  54. 前記決定規則が対数−線形判別モデルである、請求項34記載の方法。
  55. 前記決定規則が対数−線形判別モデルである、請求項35記載の方法。
  56. 前記決定規則が対数−線形判別モデルである、請求項36記載の方法。
  57. 前記複数の生物学的マーカーが、CD64タンパク質、CD11bタンパク質、HLAクラスII分子、CD54タンパク質、CD71タンパク質、CD86タンパク質、表面結合腫瘍壊死因子受容体(TNF−R)、パターン認識受容体、トール様受容体、インターロイキンIL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13およびIL−18、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)、ネオプテリン、C−反応性タンパク質(CRP)、プロカルシトニン(PCT)、6−ケトF1α、トロンボキサンB2、ロイコトリエンB4、C3、C4、C5、D4およびE4、インターフェロンガンマ(IFNγ)、インターフェロンアルファ/ベータ(IFNα/β)、リンフォトキシンアルファ(LTα)、補体成分(C‘)、血小板活性化因子(PAF)、ブラジキニン、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージ阻止因子(MIF)、インターロイキン−1受容体アンタゴニスト(IL−1ra)、可溶性腫瘍壊死因子受容体(sTNFr)、可溶性インターロイキン受容体sIL−1rおよびsIL−2r、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGFβ)、プロスタグランジンE2(PGE2)、顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)、インターフェロンα/β並びに前記タンパク質マーカーをコードするRNAおよびDNA分子を含むタンパク質マーカーから選択される、請求項1記載の方法。
  58. 前記炎症性反応のマーカーが、白血球数、接着分子、インテグリン、β2−インテグリン、CD11b、Fc受容体ファミリーの分子、Fcγ受容体、CD64、CRP、PCT、IFNγ、LTα、IL−1β、IL−2、IL8、IL−12、IL−18、TNF−α、C‘、LTB4、PAF、ブラジキニン、GM−CSFおよびMIFを含むタンパク質マーカー並びに前記タンパク質マーカーをコードするRNAおよびDNA分子から選択される、請求項4記載の方法。
  59. 前記代償性抗炎症性反応のマーカーが、単球不活性化の細胞表面マーカー、MHCクラスII分子、HLA−DR、HLA−DQ、IL−1ra、sTNFr、sIL−1r、TGFβ、IL−4、IL6、IL−10、IL−11、IL−13、PGE2、G−CSFおよびIFNα/βを含むタンパク質マーカー並びに前記タンパク質マーカーをコードするRNAおよびDNA分子から選択される、請求項4記載の方法。
  60. a)前記好中球関連CD11b発現の最大値と好中球関連CD64発現の最大値の合計が第1の閾値より大きく、前記好中球関連CD64発現の最大値が第2の閾値より大きく、または
    b)前記好中球関連CD11b発現の前記最大値と前記好中球関連CD64発現の前記最大値の合計が前記第1の閾値より小さく、前記単球関連HLA−DRの発現の前記最小値が第3の閾値より小さい
    場合に前記分類木が早期敗血症を検出する、請求項48記載の方法。
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