JP2005521560A - タンディッシュ用緩衝パッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 使用時に上部に向けて、タンディッシュに流入する熔融金属の流れに対向させる衝突面を有する底部(22)、底部の衝突面の周縁部もしくはその一部から上方に向かって展延している壁部(23)、および、壁部の上部またはその一部に支持され、底部の周縁部の上部で内側に向かって突出する一つ以上の張出部(24)を有する耐熱性材料で形成され、少なくも張出部の一つが、その裏面の少なくも一部に、壁部の長さ方向に沿った湾曲部または傾斜部を有しているタンディッシュ用緩衝パッド(20)とする。
Description
特に、この発明は、タンディッシュに流入する溶鋼流における乱流を減少させるために、タンディッシュ内に配置される緩衝パッドに関するものである。
この発明は、特に、連続鋳鋼に有用なものである。
連続鋳鋼において、タンディッシュに注入される溶鋼は、特に鋳造用として適切なものとするために、通常、種々の工程を経て高品質のものとされた鉄鋼である。
それらの工程には、一般的に、例えば、鉄鋼内に含まれる各種成分の含有量を制御する一つ以上の工程が含まれ、各種成分の制御としては、炭素や他の合金成分の制御やスラグなどの不純物の制御がある。
タンディッシュにおける鉄鋼の滞留は、導伴されたスラグや他の不純物を分離して表面に浮遊させ、例えば、溶鋼の表面に形成した特殊な保護層に吸収させることができるという、さらなる機会を提供するものである。
このように、タンディッシュは、鉄鋼を鋳造のために鋳型に注入する前に、さらに鉄鋼の品質を向上するために使用することのできるものである。
溶鋼は、通常、周囲環境から鉄鋼の流れを保護するシュラウド(円筒体)を経由してレードル(取鍋)からタンディッシュに注入される。
レードルからの溶鋼の流れは、一般的に、相当な応力を有した状態でタンディッシュに流入し、タンディッシュ内にかなりの乱流を発生させる。
タンディッシュを通過する溶鋼の流れに生じた不適切な乱流は、数々の好ましくない影響を、例えば、溶鋼中のスラグや他の望ましくない成分が凝集し表面に浮遊することを妨げ、溶鋼の表面に形成または準備した保護クラストの溶鋼内への巻き込み、溶鋼内へのガスの巻き込み、タンディッシュ内の耐熱性ライニングの過剰な侵蝕、鋳造鋳型への溶鋼の不均一な流れの発生、などを生ずるのである。
概括すると、タンディッシュを通過する溶鋼流は、溶鋼流の流路を変更させ、流線化させることができるように設計された、特定の表面形状を有する緩衝パッドを用いることにより、しばしば改善することができるということが見出されている。
それらは、その耐用期間において、溶鋼流による腐食や浸食に耐えることのできる耐熱性材料で形成されている。
それらは、例えば、正方形、長方形、台形又は円形の底部を有する浅い箱型の形状であることが多い。
この緩衝パッド本体は、衝突面を有する底部と、衝突面から上方に向けて展延する外部側壁と、側壁に結合し内側に開口部が設けられる上面部から構成されている。
上面部は衝突面と実質的に平行な内部環状部を有し、衝突面と側壁、また側壁と上面の内部環状部との間で実質的に直角が形成されている。
この緩衝パッドは、不要の成分を鉄鋼の表面に浮揚させて取り除くに充分な時間を確保するために重要な、溶鋼のタンディッシュ内での滞留時間を増大させるものである。
この緩衝パッド本体は、溶鋼の衝突面を有する底部と、衝突面から上方に向けて展延するとともに、底部まわりに底部を完全に包囲するように展延する外部側壁とから構成されている。
側壁に結合した環状本体部は、衝突面と実質的に平行な上面部を形成し、溶鋼が注入される開口部を有し、環状本体部の裏面と側壁の内面で、衝突面の上部周りに連続的に展延するアンダーカット部を有する凹部を形成している。
一部の上面部は他の上面部より低い位置にあり、その上面部の下にある凹部は、他の凹部よりも小さい断面を有している。
この緩衝パッドは、タンディッシュの一末端に溶鋼が注入され、注出口が反対側の末端に設けられた、長く延びたタンディッシュにおける流体特性の向上に特に有用なものである。
この緩衝パッドは、流入する溶鋼流に隣接する末端壁に近接して、位置の低い末端壁が来るように配設されることにより、パッドから跳ね返った鉄鋼がこの末端壁に向かって優先的に流れるようにするものである。
これにより、タンディッシュ内で発生する表面乱流を著しく減少させ、総合的に流路を改善し、より高品質の鉄鋼を生産するという効果が奏されるのである。
この緩衝パッドは、緩衝パッドに注がれる熔融金属を受けるために、使用時に上方に向けられる衝突面を有する底部と、衝突面の少なくとも一部を囲み、底部から上方に向けて展延する壁部とから構成され、壁部は衝突面の周縁部上に突出する張出部を有し、張出部は張出部の残部より衝突面上に更に突出する複数の突起部を有するものである。
使用時に上部に向けられ、タンディッシュに流入する熔融金属の流れに対向する衝突面を有する底部、
底部の衝突面の周縁部、もしくはその一部から上方に向かって展延している壁部、
および、
壁部の上部またはその一部に支持され、
底部の周縁部の上部で、内側に向かって突出する一つ以上の張出部を有し、
張出部または少なくもその一つが、その裏面の少なくも一部に、壁部の長さ方向に沿った湾曲部または傾斜部を有していること
を特徴とする、耐熱性材料で形成されたタンディッシュ用緩衝パッドを提供するものである。
このことは、隣接する壁面に平行な平面による、張出部の垂直断面図において、張出部の裏面を描く線が湾曲(1)および/または水平線に対して角度を有して傾斜する直線(2)であることを意味している。
張出部が、垂直断面図において、傾斜した直線である場合は、水平線に対する傾斜角度が2°〜45°、例えば5°〜30°であるのが好ましい。
その測定方法は、湾曲または傾斜の形状に応じて変化するものである。
また、張出部の裏面には、上記の傾斜部または湾曲部に加えて、一つまたは複数の水平部を設けることができる。
この発明において、この平均勾配は、水平線に対して2°〜45°の範囲にあるのが好ましく、最も好ましいのは5°〜20°の範囲にあることである。
好ましい形状は正方形、長方形および台形である。
底部は、必要に応じて好適な手段、例えば、耐熱性セメントを用いる方法などよって、また、タンディッシュのライニングの表面と緩衝パッドの下部側面との間に形成された、対応部材により底部に配置することによって、タンディッシュに固定することができる。
好ましくは、緩衝パッドは、タンディッシュの耐熱性基部に埋め込まれる。
これは、例えば、タンディッシュに一体的に形成された耐熱性ライニングの上に緩衝パッドを載置し、冷温硬化または高温硬化耐熱性粉状組成物を底部の周り、必要に応じて緩衝パッドの外壁部の一部に配置し、耐熱性材を硬化させることによって、タンディッシュの任意の位置に緩衝パッドを結合させることによって行うことができる。
衝突面の周縁の少なくとも一部の周りの底部から、上方に向かって展延する壁部の少なくとも一つは、対向する底部の周縁部から上方に展延している壁部と鏡像関係にあるのが好ましい。
壁部は、底部に対して実質的に垂直に展延するのが好ましい。したがって、底部の直線状の周縁部は、垂直な平面の壁部を支持しているのが好ましく、底部の湾曲部は水平断面で対応した湾曲を有する垂直な壁部を支持しているのが好ましい。
張出部は、壁部から内部に向かって突出する、内周縁細片という形状を有していることが好ましく、周縁細片は壁部の頂部から突出していることが好ましい。
緩衝パッドが主として“シングルストランド”方式用に意図したものである場合は、張出部、すなわち周縁細片は、壁部の長さの50%〜100%に沿って設けられるのが好ましく、特に好ましくはその60〜80%に設けられることである。
壁部の長さ方向に沿って展延する張り出し部の距離を、この発明においては、“張出部の長さ”と称する。
これらの範囲内の幅であれば、流入する熔融金属流を、周縁部の張出部への実質的な衝突の危険なしに、底部の表面に衝突させるに充分な空間を適切に形成することを可能とする。
張出部、すなわち周縁細片の形状は、必要に応じて、実質的に平行な側面を有するものにするか、長さに沿って幅に変化を持たせることができる。
例えば、張出部は、正方形または長方形の緩衝パッドの、一つのコーナーで幅0から、緩衝パッドの対向する側面までの横断距離の、例えば15%の幅に至るテーパー状の周縁細片の形状を取り得るものである。
この発明によれば、張出部の下面は、
(1)壁部の内周縁に沿って横切って、上部および/または下部に向けてアーチまたはアーチ状屋根の一部となる形状を構成するように湾曲するか、および/または、
(2)一箇所以上の直線的に傾斜した屋根形状部を構成する。裏面が湾曲している場合は、主たる湾曲方向は近接する壁部に平行で、表面は壁部の長さ方向にそって上向きに、および/または、下向きに湾曲する。反対に、裏面が直線の場合は、底部の周縁部の上部で、上昇または下降する屋根の一部を形成する。
したがって、例えば、裏面は、底部長方形型の緩衝パッドの一隅から次の隅まで上昇する、あるいは、例えば、一隅から頂点に向けて上昇し、次いで次の隅まで下降する。
高さの変更は、好ましくは、実質的に連続的あるいは滑らかにされ、それは裏面の傾斜に急な変更がない、または殆どないこと、すなわち、鋭角部分や段差がない、または殆どないことを意味する。
角部や段差があるときは、それらは鈍角であるのが好ましく、特に好ましいのは、角度が90°から180°以下、例えば、160°から180°以下である。
しかしながら、そのような標準的な曲線は、必要であれば、例えば、円錐部分の円弧、例えば、円形、楕円形、放物線、双曲線、あるいは懸垂線またはそれらの一部を取り入れることができる。
ここで、Lは、最低点と最高点の間の水平距離で、Hは、最低点と最高点の間の垂直距離である。
そのような緩衝パッドで最も好ましいものは、正方形または長方形で、緩衝パッドの全周縁部を取り囲んで壁部と張出部が展延しているものである。
後者の状況において、この発明の、二つの相対する側部が湾曲した、または角を有する辺縁細片を有し、他の相対する二つの側部は、好ましくは、湾曲も角度も有しないが底部に平行な張り出し部、すなわち周縁細片を有するものが好ましい。
好ましくは、相対する二つの側部にある張り出し部、または周縁細片はお互いに鏡像関係にあることである。
例えば、アーチの頂点における幅は、アーチの両末端、またはいずれかの側面領域の幅の50〜80%であることが好ましい。これらの場合において、アーチは水平線上に、ほぼ逆U字形に展延するアーチであるか、水平線上に、ほぼ逆V字形に展延する直線状屋根型アーチであり得る。
緩衝パッドは、必要に応じて、二つまたはそれ以上の部材に分けて調製し、それらを結合して最終製品とすることも、一体的構造体、すなわち、単一の一体化物として調製することもできる。
適切な材料の例としては、一種以上の微粒子耐熱材と一種以上の適切な結合材に基づくコンクリートのような耐熱コンクリートが挙げられる。
緩衝パッドの調製に有効な耐熱材は、当該技術分野でよく知られており、例えば、アルミナ、マグネシア、またはそれらの複合体を挙げることができる。
同様に好適な結合材も当該技術分野でよく知られており、例えば高アルミナセメントを挙げることができる。
この分野でよく知られているように、シングルストランド式(すなわち、デルタ型タンディッシュ)で操作される連続鋳鋼において用いられる緩衝パッドは、通常、水平断面が正方形、長方形または台形で、対向する一対の側部に高さの等しい壁部を有し、第三の側部も壁部を有し、第四の側部は壁部がないか低い壁部を有するものである。
ダブルストランド、またときには四重のストランドの場合は、緩衝パッドは、断面正方形または長方形で、一方の対向する一対の側部には、高さの等しい壁部を有し、他方の対向する一対の側部にも、高さの等しい壁部を有するものである。
また、一対の壁部の、それぞれの高さは、同一でも異なっていてもよい。シングルストランドまたはマルチストランド操作において、緩衝パッドは、通常、タンディッシュの末端近くで、溶鋼の流出口が配置されている領域の片側に配置される。
一方、ダブルストランド方式では、緩衝パッドは、通常、長方形タンディッシュの中央部で、二つの流出口は緩衝パッドの両側、四重ストランド方式では、一対の流出口のそれぞれが緩衝パッドの両側に位置される。
図2は、図1のA−A線による切断図、図4は、図1に示される緩衝パッドの平面図である。
図3は、図1のA1−A1線を通る、壁に平行な平面による緩衝パッドの垂直断面図で、壁に沿った等間隔毎の、張出部の高さの変化を示すものである。
図6は、図5のB−B線を通る垂直断面図で、図7は、C−C線を通る垂直断面図である。
図9は平面図で、図10は、図8の緩衝パッドの立面図である。
図11は、図9に示されるD−D線上の、緩衝パッドを通る垂直断面図を示すものである。
図13は、図14のE−E線を通る垂直断面図である。
図14は、図12に示される緩衝パッドの平面図である。
図16は、図15に示される緩衝パッドの側面図、図17は、緩衝パッドを通る中央垂直断面図である。
図19は、図18の緩衝パッドの側面図で、図20は、図18の緩衝パッドを通る中央垂直断面図である。
図29は、図26に示されるパッドに、底部が正方形である以外は類似する、この発明の緩衝パッドの平面図である。
緩衝パッドの対向する平行な側部6と7に沿って、張出部5の裏面8は、アーチ形状に湾曲している。
緩衝パッド1の側部6について云えば、底部の上部にある張出部の垂直高さは、滑らかに、ただし直線状ではなく、末端9での最小から、中央部11の最大部に増大しており、そして10で最小になるよう減少している。
したがって、張出部は、底部の周縁上部でアーチ形状の屋根を形成している。
側部7は、同様のアーチ部12を有し、側部6にある相対物との鏡像形状である。
張出部5は、緩衝パッドの対向する端末13、14から突出しており、底部の上部に実質的に均一な高さを有し、すなわち、張出部の裏面は、実質的に水平で、底部2の平面に対して平行である。
中央部11における張出部の厚さ、すなわち垂直断面は、端末部9および10よりも薄いのが好ましい。
図3は、図1のA1−A1線における、緩衝パッドの断面図である。
壁部6の底部に沿って、等間隔xで測定した高さが、配列m1、m2、m3における高さの変化、m4における最高値で示されるように、滑らかに、しかし直線状でなく増加し、m5等に向かって減少することが示されている。
この実施例において、各アーチ状の張出部の幅は、その長さに沿って一定であるが、その中央部を最小幅とし、両方向に離れるに従って、幅を増加させることもできる。
緩衝パッドの側部26に沿って、張出部24の裏面27は、二つの傾斜する平面28、29からなる形状で、各面の端部は、緩衝パッドのコーナー30、31の近くにそれぞれ位置し、側部26の中央部で結合している。
側部25は、側部26の鏡像である張出部を有している。
緩衝パッド20の側部26について云えば、底部上の張出部の垂直高さは、コーナー31における最小から、中央尾根状部32で最大になるまで、滑らかに直線状に増加し、それから、コーナー30の最小まで減少している。
それにより、側部25、26上の張出部は、それぞれ、底部の周縁部上にアーチ形状の屋根を形成している。
張出部33、34は、緩衝パッドの対向する端末35、36から突出しており、底部の上部に実質的に均一な高さを有し、すなわち、張出部の裏面は、実質的に水平であり、底部22の平面に対して平行である。
中央部32における張出部の厚さ、すなわち垂直断面は、コーナー30、31に近接する端末部よりも薄いのが好ましい。
張出部24の表面により形成される緩衝パッドの上面は、この実施例においては、平面である。傾斜する張出部の幅は一定のものが示されているが、図1〜図4の実施例で示されたように、中央部の最小値から変化するようにすることもできる。
緩衝パッドの側部46に沿って、張出部44の裏面47は、水平な裏面48と湾曲した裏面49を有する表面形状を有する。
湾曲する裏面49の低い端末50は、その最小高さ有し、その高さは、滑らかに、但し直線状でなく、壁部46の中央付近の位置53において最大値になるように、張出部44の裏面が湾曲するに従い、増大する。
この位置において、湾曲する表面は、水平状態となり、コーナー51に至るまで同じ高さを維持する。
側部52は、側部46の鏡像である張出部を有する。
底部42の上部に突出する張出部54は、底部の上に実質的に均一な高さ有し、すなわち、張出部54の裏面は実質的に水平であり、底部42の平面に対して平行である。
底部の幅広端部の垂直壁部55は、張出部を有さず、面取りされた上端部56を有している。
張出部44の表面で形成される緩衝パッドの上面は、張出部54の範囲で平面で、中央から端部55に向かって、下向きに滑らかに湾曲する。
図9から、湾曲した張出部44の各々の幅は、壁部43の狭くて高い端部から、その対向位置の、壁部55の幅広で低い端部まで、すなわち、台形底部の狭い端部から広い端部まで、減少するものであることが判る。
緩衝パッドの側部65に沿って、張出部64の裏面66は、傾斜した平面状の表面を有している。
傾斜した裏面66の低端部67で最小高さを有し、その高さは、緩衝パッドのコーナー69に近接する位置68において最大高さになるように、張出部64の裏面は上部に向かって傾斜し、その高さが滑らかに、直線状に増大する。
側部70は、側部65の鏡像である張出部を有する。
緩衝パッドの側部73から底部62の上部に突出する張出部71は、底部の上で、実質的に均一な高さを有するが、この面の平面は、該面が展延する壁部73の平面に対して僅かに鋭角で、横向きでみて傾斜している。
緩衝パッドの壁部74から底部62の上部に突出する張出部72も、底部の上で、実質的に均一な高さを有するが、この面の平面は、この面が展延する壁部74の平面に対して僅かに鈍角で、横向きでみて傾斜している。
張出部64の表面により形成される緩衝パッドの上面は、平面であるが、図12や図13に明瞭なように、水平線に対してある角度をもって、傾斜している。
しかしながら、図15〜図17に示された実施例では、図1から図4に示されたものと二つの点で僅かに異なっている。
第一に、緩衝パッドの対向する端部から突出する張出部が、図1から図4の実施例のように、水平で底部平面に対して平行ではなく、図17に示されるように、上部に向かって僅かに傾斜し、湾曲している。
第二に、平面図において、湾曲した張出部81、82の各内側側面は、これらの各張出部の幅が、それらの中央/頂部で最小で、その中央/頂部から離れる方向で幅広になり、アーチの端部で最大になるように、それ自身僅かに湾曲していることが判る。
したがって、緩衝パッドの頂部の開口部は、図4の実施例に示された、直線状の側部と僅かに湾曲したコーナーを有する開口部とは、対照的に長い側部に浅い凹部を形成する湾曲部を有している。
最後に、図15〜図17の実施例においては、緩衝パッドの短側部に運搬用フック83が設けられている。
しかしながら、また、パッドの一対の対向する側部は、図5〜図7の実施例の表面27と28と同等の、二つの平面が傾斜した表面形状の裏面を有する同等の張出部90、91を有している。
これらの各張出部90、91に関して云えば、これらの各張出部の幅が、それらのアーチの中央/頂部で最小で、その中央/頂部から離れる方向で幅広になり、図18に示されるように、アーチの端部で最大になっている。
図20に見られるように、パッドの、他の一対の側部は、非常に短い張出部を有し、その各々は、水平で底部93の平面に平行な裏面を有している。
最後に、傾斜した張出部を有さない側部の一つに沿って、図15〜図17に示される実施例のフック83と類似の形状の、一対のフック94が設けられている。
対向する一対の各張出部は、それぞれ、図23に示されるように、内側に向かって、また上方に向かって角度を有する裏面を有している。
図18〜図20の実施例と比較した際の主たる差異は、張出部100、101の内側の側部表面の形状にある。
図21に見られるように、各張出部100、101は、アーチの中央/頂部で最小幅を有し、その中央/頂部から離れる方向で幅広になり、アーチの端部で最大になっている。
しかしながら、図15と図18のそれぞれの実施例では、この変化が連続的であったのに対し、ここでは、その変化は非連続的で、アーチの最高部の対向する側面にある範囲で最小幅が展延し、この最小幅部は、それぞれ内部に向かって角度を有した直線部で、アーチの、それぞれの末端部の最大幅部と結合し、それにより、アーチの一端部からその中央部にかけて、三つの明確に区別される張出部の幅が存在する。
他の構成として、この緩衝パッドは平らな底部102を有している。
すなわち、“シングルストランド”用の形状で、台形形状の底部110を有している。
図12〜図14の実施例のように、一対の張出部111、112の裏面は、図25に示されるように、傾斜した平面状の表面を有している。
したがって、図12〜図14の実施例のように、これらの張出部の各々の幅は、パッドの狭い端部に隣接する端部において最大で、パッドの広幅に端部に隣接して最小になるよう減少するものである。
外部に展延するフック112は、パッドの狭い端部に立ち上がる壁部に設けられる。
図12〜図14の実施例のように、この壁は垂直で、一方、対向するパッドの壁部が外部に、また上部に傾斜し、フック112を保持する垂直壁より高さが低いものである。
図8〜図11の実施例と同じく、一対の対向する張出部121、122の各々は、図28に示される水平の裏面と、湾曲した裏面とを有する表面形状の裏面を有する。
しかしながら、図8〜図11に示される実施例と異なり、底部120の広幅の端部には立ち上がり壁部が存在せず、それゆえ、基本的に、底部120は緩衝パッドの開口端を通り抜けている。
言い換えれば、図8〜図11に示される実施例の垂直壁部55が外されている。
最終的に、フック123は、底部120内に埋め込まれ、そこから壁部の底部を通って、壁部の狭い端部において底部から立ち上がっている。
パッドの広幅の端部132には、張出部が存在せず、その外表面は、上方にまた内方に角度を有している。
言い換えれば、緩衝パッドの上面部の、流入開口部の形状が均一のものでなければ、そのような湾曲または傾斜なしでも、改善された特性が生じることが見出された。
改良された特性は、一つの張出部の幅を変化させることでも得られるが、その変化としては、例えば、上述した実施例で示された傾斜や湾曲などを、対向する一対の張り出し部の各々に存在させることが好ましい。
しかしながら、幅における変化は、パッドが、その側面が3個または4個のいずれの場合であっても、全ての張出部に適用することもできる。
さらに、上述の実施例に述べたように、幅の種々の変化は、連続的でも非連続的でもよく、連続的の場合は、図15に示されるように湾曲した表面によって、あるいは図18に示されるように、直線状で角度を有する表面によっても形成される。
幅における非連続的変化の形状としてはいかなるものでも、例えば、図21に示されるようなものも適用される。
緩衝パッドの特別な形状、例えば、シングルストランド用の台形状のものにあっては、変化は、図15、18および21に示される、中央部のそれぞれの反対側に存在させるよりも、図24、図26に示されるように連続的にされる。
これによって、同心状に設計されたものに比較して、タンディッシュに流入する熔融金属の速度を減じることができる。
特に、この発明のパッドは、タンディッシュを通過する流れをより制御したものとし、タンディッシュにおける金属のデッドタイム(停滞時間)を少なくするものである。
2,21,41,61 底部
3,22,42,62 衝突面
4,23,43,63 壁部
5,24,33,34,44,54,64 張出部
Claims (25)
- 耐熱性材料で形成されたタンディッシュ用緩衝パッドであって、
使用時に上部に向けられ、タンディッシュに流入する熔融金属の流れに対向する衝突面を有する底部、
底部の衝突面の周縁部もしくはその一部から上方に向って展延している壁部、
および、
壁部の上部またはその一部に支持され、底部の周縁部の上部で内側に向って突出する一つ以上の張出部を有し、
張出部または少なくもその一つが、その裏面の少なくも一部に、壁部の長さ方向に沿った湾曲部または傾斜部を有していること
を特徴とするタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記湾曲および/または傾斜した裏面を有する張出部が、
緩衝パッドの周囲の少なくとも40%に沿って形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記底部が、
正方形、長方形または台形であること
を特徴とする請求項1又は2に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記湾曲部または傾斜部における、その最も高い位置と最も低い位置を結んだ直線と水平線により形成される角度が、
5°〜20°の範囲にあるものであること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記張出部の少なくとも一つが、
少なくもその一部裏面に、壁部の平面と平行な平面による張出部の垂直断面図において、湾曲部の接線と水平線により形成される角度が0°〜45°の範囲にある湾曲部を有するものであること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記裏面が、
アーチまたはアーチの一部となる形状を有するものであること
を特徴とする請求項5に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記壁部が、
底部の全周縁部を取り囲んで展延していること
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記底部が、
正方形、長方形または台形で、向い合せに設けられた一対の壁部には、裏面に湾曲部または傾斜部を有する張出部が一対設けられ、他の一対の壁部には、裏面が水平面である張出部が設けられていること
を特徴とする請求項7に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記湾曲部または傾斜部を有する張出部が、
それぞれアーチ形状を有するものであること
を特徴とする請求項8に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記アーチの少なくとも一つが、
その中央(頂点)において最も幅が狭く、中央(頂点)から離れるに従って幅広になり、アーチの両端において最も幅広になるものであること
を特徴とする請求項9に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記アーチの少なくとも一つにおける幅が、
中央(頂点)とその両端間で、連続的に減少しているものであること
を特徴とする請求項10に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記アーチの少なくとも一つにおける幅が、
中央(頂点)とその両端間で、非連続的に減少しているものであること
を特徴とする請求項10に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記アーチの少なくとも一つが、
その中央(頂点)において最も幅が狭く、中央(頂点)から離れるに従って幅広になるとともに、アーチの両端に到達する前に最大厚みを有するものであること
を特徴とする請求項9に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記底部が、
正方形、長方形または台形で、底部の三周縁を取り囲んだ壁部が設けられ、向い合わせの一対の壁部には、裏面に湾曲部または傾斜部を有する張出部が一対設けられ、第三の壁部には、裏面が水平面である張出部が設けられていること
を特徴とする請求項1に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記底部を取り囲んだ壁部が、
底部の三周縁のみ取り囲んでいるものであること
を特徴とする請求項14に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記底部を取り囲んだ壁部が、
底部の四周縁のすべてを取り囲み、第4の壁部には張出部が設けられていないこと
を特徴とする請求項14に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記底部を取り囲んだ壁部が、
底部の四周縁のすべてを取り囲み、対向して設けられている第3と第4の壁部は、互いに高さが異なるものであること
を特徴とする請求項14に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記裏面に湾曲部または傾斜部を有する一対の張出部が、
それぞれアーチ形状を有するものであること
を特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記アーチの少なくとも一つが、
一方の末端で最小幅、他方の末端で最大幅を有するものであること
を特徴とする請求項18に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記アーチが、
その最小幅から最大幅まで、その幅が連続的に減少するものであること
を特徴とする請求項19に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記少なくとも一つのアーチ状の内部側面が、
平直面または湾曲面で、前記連続的に減少する幅を規定するものであること
を特徴とする請求項19に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 耐熱性材料で形成されたタンディッシュ用緩衝パッドであって、
使用時に上部に向けられ、タンディッシュに流入する熔融金属の流れに対向する衝突面を有する底部、
底部の衝突面の周縁部もしくはその一部から上方に向って展延している壁部、
および、
壁部の上部またはその一部に支持され、底部の周縁部の上部で内側に向って突出する一つ以上の張出部を有し、
張出部または少なくもその一つが、向い合せに設けられた二つの壁部間の、中央部において最小幅を有し、中央部から離れるに従って連続的に幅広になり、両端において最大幅になること
を特徴とするタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記張出部の内部側面が、
平直面または湾曲面で、前記連続的に減少する幅を規定するものであること
を特徴とする請求項22に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。 - 耐熱性材料で形成されたタンディッシュ用緩衝パッドであって、
使用時に上部に向けられ、タンディッシュに流入する熔融金属の流れに対向する衝突面を有する底部、
底部の衝突面の周縁部もしくはその一部から上方に向って展延している壁部、
および、
壁部の上部またはその一部に支持され、底部の周縁部の上部で内側に向かって突出する一つ以上の張出部を有し、
張出部がその一端で最小幅を有し、対向する他端で最大幅を有すること
を特徴とするタンディッシュ用緩衝パッド。 - 前記張出部の内部側面が、
平直面または湾曲面で、前記連続的に減少する幅を規定するものであること
を特徴とする請求項24に記載のタンディッシュ用緩衝パッド。
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