JP2005520804A - フォトクロミックなオキサジン化合物およびその製造方法 - Google Patents

フォトクロミックなオキサジン化合物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フォトクロミックな化合物として有用なオキサジン化合物とその製造方法を提供する。
【解決手段】 芳香族置換基、複素環式芳香族置換基または脂肪族置換基をオキサジン部分の2の位置に有するオキサジン化合物が得られる。さらに、これらの化合物を製造するための優れた収率のワンポット法が提供される。

Description

本発明はオキサジン化合物に関する。特に、本発明は、フォトクロミックな化合物として有用なオキサジン化合物とその製造方法を提供する。
これまで、種々の種類のフォトクロミックな化合物が合成され、可逆性の色相変化または黒化が日光によって引き起こされる用途への使用について提案されている。たとえば、スピロオキサジン化合物とクロメン化合物が、優れた耐疲労性の点で知られている。さらに、特許文献1に開示されたようなフォトクロミックな2,2−二置換−[2H−1,4]−ナフトオキサジン化合物が知られている。これらの化合物はクロメン化合物より耐疲労性に優れているが、その製造法が極端に限られている点で不利である。従って、公知のオキサジン化合物の弱点を克服する新しいフォトクロミックなオキサジン化合物へのニーズが存在する。
米国特許第5,801,243号明細書 「テトラヘドロン(Tetrahedron)」,1996年,52(31),p.10455〜10472 「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)」,1979年,44(25),p.4640〜4649
本発明は、オキサジン部分の2の位置に、芳香族置換基、複素環式芳香族置換基または脂肪族置換基を有するオキサジン化合物を提供する。さらに、これらの化合物を製造するための、優れた収率を与えるワンポット(one pot)製造法を提供する。
本発明の一態様によれば、下記式で表される構造を有する化合物が提供される。
Figure 2005520804
[上記式において、Xは窒素または炭素であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アリル、直鎖状のもしくは枝分かれした(C〜C20)アルキル、(C〜C20)シクロアルキル、(C〜C20)アルコキシ、(C〜C20)アルキルアセチレニル、フェニルアセチレニル、(C〜C20)アルケニル、フェニルビニル、ハロゲン、少なくとも一つのハロゲン原子で置換したハロ(C〜C20)アルキルもしくはハロ(C〜C20)シクロアルキルもしくはハロ(C〜C20)アルコキシ(ここでハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。)、非置換のアリール、(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)アルコキシもしくはアリールオキシで置換したアリール(好ましくはフェニルもしくはナフチル)、非置換のヘテロアリールもしくは(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)アルコキシで置換したヘテロアリール、(好ましくは、フリル、チエニル、ピリル、インドリルもしくはピリジル)、アリールアルキルもしくは非置換のヘテロアリールアルキルもしくは(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)アルコキシで置換したヘテロアリールアルキル、置換または非置換の窒素含有複素環、−N(R)Rもしくは−CON(R)R(ここでRとRは、それぞれ独立に、水素、(C〜C20)アルキル、(C〜C20)シクロアルキル、非置換フェニルもしくは(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)アルコキシで置換したフェニルである。)、または−OCORもしくは−COORもしくは−COR基(ここでRは、水素、(C〜C20)アルキル、(C〜C20)シクロアルキル、または置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリールである。)であり、
nは0〜4の整数であり、
AおよびA’は、それぞれ独立に、
(a)直鎖状のもしくは枝分れした(C〜C12)アルキル、(C〜C12)シクロアルキル、アリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C12)アルコキシ、ハロ(C〜C12)アルキル、(C〜C12)ハロアルコキシまたは(C〜C12)アルキルチオ(ここで、アリールのそれぞれは、好ましくはフェニルまたはナフチルであり、ヘテロアリールは、それぞれ、フリル、チエニル、ピリル、インドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ピリジル、ジベンゾフリル、ジベンゾチエニルまたはカルバゾリルであり得る。);
(b)フェニルおよびナフチル等の、非置換または一置換、二置換もしくは三置換のアリール基;
(c)フリル、チエニル、ピリル、インドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ピリジル、ジベンゾフリル、ジベンゾチエニル、カルバゾリル等の、非置換または一置換または二置換複素環式芳香族基;
(d)下記式のいずれか一方の基
Figure 2005520804
(ここでBは、水素、(C〜C12)アルキル、フェニルおよびナフチル等の、非置換または一置換または二置換のアリールである。)
{ここで、(b),(c)および(d)中の前記アリールおよび複素環式芳香族の置換基のそれぞれは、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、エポキシ、ビニル、アリル、ヒドロキシエトキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモもしくはヨード、(C〜C12)アルキル、(C〜C12)アルコキシ、(C〜C12)アルキルアリール、アリール、アリールオキシ、アリール(C〜C12)アルキル、アリール(C〜C12)アルコキシ、(C〜C12)アルコキシアリール、ハロ(C〜C12)アルキル、ハロアリール、シクロ(C〜C12)アルキル、シクロ(C〜C12)アルコキシ、アリールオキシアリール、アリールオキシ(C〜C12)アルキル、アリールオキシ(C〜C12)アルコキシ、アクリロキシ、メタクリロキシまたは、N−(C〜C12)アルキルピペラジノ、N−アリールピペリジノ、アジリジノ、インドリノ、ピロリジノ、ピロリノ、ピペリジノ、(C〜C)アルキルピペリジノ、ジ(C〜C)アルキルピペリジノ、4−ピペリジノピペリジノ、モルホリノ、2,6−ジ(C〜C)アルキルモルホリノ、チオモルホリノ、チオアゾリジノ、テトラヒドロキノリノ、ピリルを含むがこれらに限られるわけではない窒素含有複素環置換基または−N(R1)Rもしくは−CON(R1)R(ここでRおよびRは、それぞれ独立に、水素、(C〜C12)アルキル、(C〜C12)シクロアルキル、フェニル、一置換または二置換のフェニルである。)または、−CORもしくは−OCORもしくは−COOR基(ここでRは、水素、(C〜C12)アルキル、(C〜C12)シクロアルキル、ハロ(C〜C)アルキル、非置換もしくは一置換もしくは二置換のフェニル、または非置換もしくは一置換もしくは二置換のナフチル、非置換もしくは一置換もしくは二置換のフリルまたはチエニルである。)である。};
(e)非置換または一置換のピラゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニルまたはアクリジニル(ここで置換基は、それぞれ独立に、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、フルオロ、クロロまたはフェニルである。);または
(f)下記式のいずれか一方で表される基
Figure 2005520804
(ここでCおよびDは、それぞれ独立に、炭素、酸素、(C〜C12)アルキル窒素または(C〜C12)アシル窒素であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素または(C〜C12)アルキルである。)である。]
ハロゲンが選択された態様では、フルオロ、クロロまたはブロモが好ましい。
好ましい形態では、Xが炭素または窒素であり、RおよびRが、それぞれ独立に、水素、ニトロ、シアノ、アリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、フェニル、ベンジル、直鎖状のもしくは枝分れした(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシまたは、−OCORもしくは−COOR基(ここでRは、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)シクロアルキルである。)であり、
nが0〜2の整数であり、
AおよびA’が、それぞれ独立に、
(a)直鎖状のもしくは枝分れした(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、アリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル;
(b)好ましくはメタとパラのいずれかまたはその両方の位置で置換されている、フェニルまたはナフチル等の非置換または一置換または二置換のアリール;または
(c)非置換または一置換の複素環式芳香族基、たとえば、フリル、チエニル、ピリル、インドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ピリジル、ジベンゾフリル、ジベンゾチエニルまたはカルバゾリル
{ここで、(b)および(c)のアリールおよび複素環式芳香族の置換基のそれぞれは、独立して、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、エポキシ、ヒドロキシエトキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモもしくはヨード、ビニル、アリル、トリフルオロメチル、フェニル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、シクロ(C〜C)アルキル、シクロ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、フェニルアセチレニル、フェニルビニルまたは、N(C〜C)アルキルピペラジノ、N−アリールピペリジノ、アジリジノ、インドリノ、ピロリジノ、ピロリノ、ピペリジノ、(C〜C)アルキルピペリジノ、ジ(C〜C)アルキルピペリジノ、4−ピペリジノピペリジノ、モルホリノ、2,6−ジ(C〜C)アルキルモルホリノ、チオモルホリノ、チオアゾリジノ、テトラヒドロキノリノ、ピリルを含むがこれらに限られるわけではない窒素含有複素環置換基または−N(R1)Rもしくは−CON(R1)R(ここでRおよびRは、それぞれ独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルまたはフェニルである。)または、−CORもしくは−OCORもしくは−COOR(ここでRは、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルまたはフェニルである。)である}である。
より好ましくは、Xが炭素または窒素であり、RおよびRが、それぞれ独立に、水素、ニトロ、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、フェニル、ベンジル、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシであり、
nが0〜2の整数であり、
AおよびA’が、それぞれ独立に、直鎖状のもしくは枝分れした(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、非置換もしくは一置換もしくは二置換のフェニル基、好ましくは、メタおよびパラのいずれかまたはその両方の位置において、ニトロ、アミノ、アシル、シアノ、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ、フルオロ、クロロ、ビニル、アリル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ピペラジノ、ピペリジノ、アリールピペリジノ、モルホリノ、ピロリジノ、アジリジノ、アクリロキシ、メタクリロキシ、フェニルアセチレニルおよびフェニルビニルからなる群から選ばれた置換基で置換された、一置換もしくは二置換のフェニル基、または、非置換、もしくは(C〜C)アルキルおよびフェニルからなる群から選ばれた置換基で置換されたフリル、チエニルおよびピリルのような一置換の複素環式芳香族基である。
最も好ましくは、本発明により、2,2−ジフェニル−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−フェニル−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−フルオロフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2,2−ビス(p−メトキシフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−モルホリノフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−ピペリジノフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−メチル−2−フェニル−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−シクロプロピル−2−フェニル−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2,2−ジフェニル−6,11−ジニトロ−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−フェニル−6,11−ジニトロ−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2,2−ビス(p−メトキシフェニル)−6,11−ジニトロ−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2,2−ジフェニル−フェナントロリノ−(5,6)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−フェニル−フェナントロリノ−(5,6)−2H−[1,4]−オキサジンおよび2,2−ビス(p−メトキシフェニル)−フェナントロリノ−(5,6)−2H−[1,4]−オキサジンからなる群から選ばれた化合物が提供される。
式Iのオキサジン化合物を製造するための穏やかな合成方法を下記反応Aに示す。ここで、二置換基を有するアクリル酸、キノン、アジ化ナトリウム、アジ化リチウム、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)またはトリメチルシリルアジド(TMSA)等のアジド供与源、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピル・エチルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデカ−7−エン(DBU)を含むがこれらに限られるわけではない有機塩基およびトリフェニル砒素オキシド等の三置換砒素オキシドを反応試薬として使用できる。二置換基を有するアクリル酸から一連の変化を経てアザーイリド中間体を形成し、ついで、この中間体を、フェナントレン−(9,10)−ジオンまたはフェナントロリン−(5,6)−ジオン等のキノンと反応させ、所望のフォトクロミックなオキサジンを形成することができる。
反応A
Figure 2005520804
反応の鍵となる中間体は、高反応性のイソシアネート誘導体である。このイソシアネートは、置換基を有するアクリル酸アジドからインシチュで生成させることができる。このアクリル酸アジドは、置換基を有するアクリル酸からインシチュで生成させることができる。イソシアネートは、触媒量の三置換砒素オキシドの存在下、アザ−イリドに変換される。三置換砒素オキシドとしてはトリフェニル砒素オキシドがあるが、これに限られるわけではない。砒素イリドは、ただちにキノン誘導体と反応して、所望のオキサジン化合物を生成し、トリフェニル砒素オキシドを再生する。アクリル酸からのイソシアネートの生成は、アシルクロリド−アジ化ナトリウム、クロロホルメート−アジ化ナトリウム、DPPA、TMSA等を含むがそれらに限られない既知の種々の条件で、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピル・エチルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、DBU等を含むがそれらに限られない有機塩基の存在下、種々の試薬の組み合わせを使用した酸から生成されるカルボン酸アジド誘導体の転位により行うことができる。DPPAおよびTMSA、メチルクロロホルメート−アジ化ナトリウムおよびメチルクロロホルメート−アジ化リチウムが好ましいアジド供与源である。
上記の方法の一つの長所は、中間体の全てを、精製せずにインシチュで発生させられる点である。反応は段階的に行ってもよいが、好ましくはワン・ポット反応として行われる。反応Aに示すような段階的反応では、塩化チオニル、塩化アセチルまたは塩化オキサリル等のアシルクロリドで処理することにより、二置換基を有するアクリル酸が二置換基を有するアクリル酸クロリドに変換される。このアクリル酸クロリドは、ついで、アジ化ナトリウムまたはアジ化リチウムで処理され、置換基を有するアシルアジドを生成する。あるいは、有機塩基の存在下、メチルクロロホルメート等のクロロホルメートと反応して、無水物の混合物を生成し、ついで、アジ化ナトリウムまたはアジ化リチウムで処理して、置換基を有するアシルアジドを生成することができる。
別法としては、有機塩基の存在下、DPPAまたはTMSAとの反応で置換基を有するアクリル酸アジドを得ることができる。有機塩基は、第二級または第三級アミンでよい。第二級または第三級アミンとしては、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピル・エチルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、DBU等を挙げることができるが、これらに限られるわけではない。加熱すると、アシルアジドの配列から式Vの化合物のイソシアネート誘導体が形成される。このイソシアネート誘導体は、触媒量の、トリフェニル砒素オキシド等の三置換砒素オキシドの存在下、フェナントレン−(9,10)−ジオンまたはフェナントロリン−(5,6)−ジオン等のキノンと反応して、所望のフォトクロミックなオキサジンを生成することができる。
オキサジン化合物は、反応Bに示される、より効率的で高収率のワンポット方法で得ることができる。
反応B
Figure 2005520804
この方法では、置換基を有するアクリル酸、アジド供与源、好ましくはDPPAまたはTMSA、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピル・エチルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、DBU等の穏やかな有機塩基、フェナントレン−(9,10)−ジオン、フェナントロリン−(5,6)−ジオン等のキノン、および触媒量の、トリフェニル砒素オキシド等のトリアリール砒素オキシド(triaryl arsen oxide)を、適切な有機溶媒中で、反応を完了するのに十分な時間、通常は約1〜約15時間掛けて、加熱下、単純に混合することにより、反応を行うことができる。
反応有効量の混合成分が使用される。すなわち、所望のオキサジン化合物を製造するのに適切な量が使用される。三置換砒素オキシドの量は、約1〜20モル%、好ましくは約2〜10モル%、より好ましくは約5モル%とすることができる。DPPAおよびTMSAのようなアジド供与源は、二置換基を有するアクリル酸に対して約1〜5当量で使用することが好ましい。有機塩基の使用量は、約1〜約100当量、好ましくは約1〜10当量、より好ましくは約2〜約6当量とすることができる。フェナントレン−(9,10)−ジオンやフェナントロリン−(5,6)−ジオンのようなキノンの使用量は、約0.5〜1.5当量、好ましくは約0.6〜0.8当量である。アクリル酸:アジド供与源:塩基:キノン:トリアリール砒素オキシドの好ましい比率は、約1:1.2:5:0.7:0.05である。
有用な有機溶媒としては、ベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、キシレン等およびこれらの混合物があるが、これらに限られるわけではない。反応温度は種々変更でき、一般的には、約40〜約150℃の範囲にある。好ましい形態では、溶媒が非極性のベンゼンまたはトルエンであり、反応条件としては、約50〜約110℃で、約1〜約15時間である。より好ましくは、溶媒がトルエンまたはベンゼンで、約60〜約80℃で、約2〜4時間かけて反応を行う。
置換基を有するアクリル酸は、下記に示すような反応CとDの二つの反応のいずれかによって作製することができる。
反応C
Figure 2005520804
反応D
Figure 2005520804
式VIのケトンを出発物質として、非特許文献1に記載されたようなHornor−Emmons反応である、反応Cを行うことができる。得られた、式VIIの3,3−二置換アクリル酸エチルエステルは、加水分解して、式IIの二置換アクリル酸を形成することができる。A,A’は、上述の場合と同様である。
反応Dでは、過剰量の、苛性ソーダを含むがこれに限られるわけではない適切な塩基の存在下、ケトンをアセトニトリルと反応させ、式VIIIの2,2−二置換アクリロニトリルを形成する。このプロセスは、非特許文献2に記載されている。適切な有機溶媒中、塩基との加水分解とその後の酸性化の後、式IIの二置換アクリル酸を得ることができる。
本発明のオキサジン化合物は、単独または複数組み合わせてまたはナフトピランおよびスピロオキサジンを含むがこれらに限られるわけではない他のタイプのフォトクロミックな化合物と組み合わせて、あるいはこれらを組み合わせて使用することができる。本発明のオキサジンは、一般的に有機フォトクロミックな物質を採用するどのような用途にでも使用することができ、眼科用レンズ、窓、自動車用透明体、ポリマーフィルム等を挙げることができるがこれらに限られるわけではない。オキサジンは、適切な溶媒であればどのような有機溶媒中でも使用することができる。このような溶媒としては、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、エチレングリコール、キシレン、シクロヘキサン、N−メチルピロリジノン等およびこれらの混合物が含まれるがこれらに限られるわけではない。
別法として、種々の手段により、オキサジンを有機ポリマーホスト中で使用することができる。たとえば、オキサジンをホスト材料に溶解しまたは分散して、ホスト材料の他の成分と重合させることができる。または、ホスト材料の一表面に塗布される被覆剤にオキサジンを組み入れることができる。さらにまた、オキサジンをホスト材料の表面中に吸収させまたは表面上に塗布することができる。
ホスト材料としては光学的に透明なプラスチックが好ましい。このような材料としては、ポリマー、コポリマーまたはポリマー混合物があるが、これらに限定されるものではない。典型的なホスト材料には、ポリ(アリルカーボネート)、ポリエポキシ、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート、ポリ(C〜C12)アルキルメタクリレート、ポリオキシ(アルキレンメタクリレート)、酢酸セルロース、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、アセチルセルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリスチレンおよび、アクリレート、メタクリレート、メタクリル酸メチル、エチレングリコール・ビスメタクリレート、酢酸ビニル、ビニルブチラール、ウレタン、チオウレタン、ジエチレングリコール・ビス(アリルカーボネート)、ジエチレングリコール・ジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン等からなる群から選ばれたコポリマーが含まれるが、これらに限られるわけではない。
オキサジンの使用量は、フォトクロミックな化合物またはこれらの化合物の混合物が塗布されるまたは組み込まれる相手の有機ホスト材料が所望の色相を発するような量である。一般的には、ある限度内で、オキサジンの使用量が多ければ多いほど、色の強度が大きくなる。一般的にホストポリマーの約0.001〜約20重量%が使用される。
色調を整えるために、本発明のオキサジンと共に、フォトクロミックではない色素を使用してもよい。さらに、フォトクロミック特性を改良するために、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗ラジカル剤等を使用してもよい。
溶液またはポリマーマトリックス中では、本発明のオキサジン化合物は、無色か淡黄色であり、紫外線照射の下で急速に強く呈色する。オキサジンは、紫外線照射源により活性化すると、オレンジから、赤みがかったオレンジ、紫、ブルーグレイまでの広い範囲の色相を呈する。使用されるオキサジン化合物の構造および溶媒またはマトリックスによって、30分から数秒の間の広い範囲の退色も可能である。
本発明のオキサジン化合物の具体的な長所の一つとしては、活性化した、着色形のオキサジンの吸収スペクトルが、一般的に、可視スペクトルの広い範囲をカバーする二つまたは三つの吸収帯域を示すことがある。たとえば、2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−ピペリジノフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジンは、有機溶液またはポリマー中で活性化されると、灰色に呈色し、ついで急速に退色する。この化合物の紫外〜可視スペクトルは、サングラス、眼鏡レンズおよびコンタクトレンズへの適用に理想的な、全可視領域をカバーする三つの帯域を示した。
以下の例を参照して、本発明をさらに明確にする。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。
[実施例1]
(ステップ1)
アルゴン中、100mL三つ口フラスコに、固形のKOH(3.30g,0.05モル)と25mLのアセトニトリルを投入し、ついで、加熱還流した。20mLのアセトニトリル中にベンゾフェノン(9.1g,0.05モル)を加えた混合物を、撹拌しつつ、流し入れた。8時間の還流後、熱反応液を100gの砕いた氷上に注ぎ、ついで、ジクロロメタン(3×15mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲル(溶離液として、エーテル−ヘキサン1:5)上で、フラッシュクロマトグラフィによって精製し、7.9gの無色の油分を得た。収率は77%であった。HNMRの結果、生成物が、3,3−ジフェニル−アクリロニトリルと一致する構造を有することが示された。
HNMR(CDC1)は、δ5.75(s,1H)、7.27〜7.50(m,10H)であった。
(ステップ2)
ステップ1で製造された3,3−ジフェニル−アクリロニトリル(5.76g,2.81ミリモル)および水酸化ナトリウム(11.2g,280ミリモル)を、180mLのエチレングリコールと1mLの水との混合物中で三日間還流した。反応混合物を冷却し、100mLの水で希釈し、pHが1未満となるまで、5Mの塩酸で酸性化し、吸引ろ過し、完全に水洗した。固形ペーストを酢酸エチルに溶解し、希塩酸で洗浄した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで二回抽出した。酢酸エチル溶液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。全容積が約40mLになるまで、溶媒を真空除去した。短いシリカゲルカラムで溶液をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒の真空除去後、残渣に少量のヘキサン−酢酸エチル(4:1)を滴下し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶した。無色の結晶(5.34g)が得られた。収率は84.8%であった。HNMRの結果、生成物が、3,3−ジフェニルアクリル酸と一致する構造を有することが示された。
HNMR(CDC1)は、δ6.38(s,1H)、7.24〜7.35(m,1H)、7.40〜7.46(m,3H)であった。
(ステップ3)
ステップ2のジフェニルアクリル酸(225mg,1ミリモル)の混合物、DPPA(95%,348mg,1.2ミリモル)、トリエチルアミン(506g,5ミリモル)、フェナントレン−9,10−ジオン(146mg,0.7ミリモル)およびトリフェニル砒素オキシド(16mg,0.05ミリモル)を乾燥トルエン(12mL)中で、3時間掛けて60℃に加熱した。クロマトグラフィ(シリカゲル,溶離液としてジクロロメタン−ヘキサン2:1)およびジクロロメタン−ヘキサンからの再結晶の後、308gの2,2−ジフェニルフェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジンが、無色(わずかに淡黄色の)結晶として得られた。収率は100%であった。
HNMR(CDCl)は、δ7.24〜7.29(m,6H)、7.46〜7.70(m,8H)、8.12(s,1H)、8.43〜8.52(m,1H)、8.53〜8.62(m,3H)であった。
13CNMR(CDCl)は、δ79.5,122.5,122.7,122.8,123.0,125.1,126.9,126.9,127.1,127.3,127.6,128.4,128.6,129.8,131.3,128.0,141.4,155.7であった。
[実施例2]
(ステップ1)
撹拌下の水素化ナトリウム(95%,0.507g,20ミリモル)のTHF(15mL)懸濁液に、トリエチルホスホノアセテート(4.48g,20ミリモル)のTHF(20mL)溶液を2〜3mL加えた。エタノールの一小滴を加えて反応を開始させ、氷水で冷却しつつ、40分掛けて、残りのトリエチルホスホノアセテート溶液を滴下して加えた。15分間の撹拌後、反応混合物を滴下ロートに移し、4−メトキシベンゾフェノン(4.38g,20ミリモル)のTHF(20mL)沸騰溶液に滴下により加えた。24時間の還流後、大部分の溶媒を除去した。冷却した残渣を塩化ナトリウムの飽和水溶液(20mL)に加え、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタンを除去して得られた淡黄色の油分(5.42g)は、HNMRによる分析では、主として、(E)−および(Z)−3−p−メトキシフェニル−3−フェニルアクリル酸エチルエステルであった。この油分はさらに精製せずに、直接次のステップで使用した。
(ステップ2)
ステップ1で得られた油分を、KOHの溶液(5.07g,30mLメタノール)中、還流し、1時間掛けて加水分解した。冷却した反応混合物を、氷水中に投入し、pHが1未満となるまで、希塩酸で酸性化し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。この有機溶液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶した。白色の固形物が得られた。母液をクロマトグラフィと再結晶処理にかけた。合計3.826gの所望の生成物が、白色の固形物として得られ、0.677gの未反応のケトンが回収された。収率は75.3%であった。HNMRの結果、得られた生成物が(E)−および(Z)−3−p−メトキシフェニル−3−フェニル−アクリル酸の混合物であることが示された。
(ステップ3)
3,3−ジフェニルアクリル酸の代わりに3−p−メトキシフェニル−3−フェニルアクリル酸(254.5mg,1ミリモル)を使用した以外は実施例1のステップ3の手順を繰り返し、290.7mgの2−(p−メトキシフェニル)−2−フェニル−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジンを淡黄色の結晶として得た。収率は100%であった。
HNMR(CDCl)は、δ3.74(s,3H),6.84(d,2H,J=8.7Hz),7.29〜7.42(m,5H),7.50〜7.60(m,3H),7.61〜7.66(m,3H),8.07(s,1H)、8.42〜8.62(m,4H)であった。
13CNMR(CDCl)は、δ55.2,79.4,114.0,122.5,122.7,122.8,122.8,122.9,125.1,125.2,126.8,126.9,127.0,127.5,128.3,128.6,129.8,131.2,133.3,138.0,141.6,155.9,159.7であった。
[実施例3]
(ステップ1)
撹拌下、アニソール(11.9g,0.11モル)とp−フルオロベンゾイルクロリド(97%,16.34g,0.1モル)とをジクロロメタン(50mL)に加えた混合物に、氷水で冷却しつつ、塩化アルミニウム(14.67g,0.11モル)を少量ずつ加えた。添加の後、反応混合物を室温で1時間撹拌し、砕いた氷(400g)と塩酸(20mL)の混合物中に投入し、オレンジ色を発するまで撹拌した。ついで、混合物をジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、短いシリカゲルカラムに通し、ジクロロメタンで洗浄した。溶媒を除去し、残渣をジクロロメタン−ヘキサンから再結晶し、21.96gの無色結晶を得た。収率は95.4%であった。HNMRの結果、生成物がp−フルオロフェニル−p−メトキシフェニルケトンと一致する構造を有していることが示された。
HNMR(CDCl)は、δ3.89(s,3H),6.97(d,2H,J=8.7Hz),7.13(dd,2H,J=8.7Hz,7.76〜7.84(m,4H)であった。
(ステップ2)
p−メトキシベンゾフェノンの代わりにp−フルオロフェニル−p−メトキシフェニルケトン(4.60g,20ミリモル)を使用した以外は実施例2のステップ2の手順を繰り返した。反応時間は48時間であった。得られた油分は、主に、(E)−および(Z)−3−p−フルオロフェニル−3−p−メトキシフェニル・アクリル酸エチルエステルであった。この油分をさらに精製することなく次のステップに使用した。
(ステップ3)
ステップ2で得られた油分を、KOH(5.2g)とメタノール(30mL)の混合物中で80分掛けて加水分解した。ついで、反応混合物を冷却し、溶媒を真空除去し、水(30mL)を加えた。混合物を吸引ろ過し、水洗し、ろ液をエーテル(15mL)で抽出した。水層を分離し、pHが1未満になるまで4Mの塩酸で酸性化した。固形物をろ過によって集め、ジクロロメタン/ヘキサンから再結晶させ、4.8gの白色結晶を得た。収率は88.1%であった。HNMRの結果、得られた生成物が、(E)−および(Z)−3−p−フルオロフェニル−p−メトキシフェニルアクリル酸の混合物と一致する構造を有していることが示された。
(ステップ4)
3,3−ジフェニルアクリル酸の代わりに3−p−フルオロフェニル−p−メトキシフェニルアクリル酸(272.3mg,1ミリモル)を使用した以外は実施例1のステップ3の手順を繰り返し、目的のオキサジンである、2−(p−フルオロフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジンを、淡黄色の結晶として形成した。収率は99.6%であった。
HNMR(CDCl)は、δ3.74(s,3H),6.85(m,2H),7.04(m,2H),7.38(m,2H),7.46〜7.60(m,3H),7.62〜7.70(m,3H),8.02(s,1H),8.43〜8.47(m,1H),8.54〜8.63(m,3H)であった。
13CNMR(CDCl)は、δ55.2,79.0,114.0,115.3,115.6,115.6,122.6,122.7,122.8,125.0,125.0,125.1,126.8,127.3,127.6,128.4,128.8,128.9,129.5,131.1,132.8,137.2,137.2,137.7,155.4,159.6,164.1であった。
[実施例4]
(ステップ1)
窒素雰囲気中、撹拌下氷水浴で冷却しつつ、水素化ナトリウム(0.48g,20ミリモル)の乾燥THF(20mL)懸濁液に、トリエチルホスホノアセテート(4.48g,20ミリモル)の乾燥THF(25mL)溶液を、滴下により加えた。40分後、溶液を滴下ロートに移し、還流している、ビス−(p−メトキシフェニル)ケトンの乾燥THF(20mL)溶液に、20分掛けて滴下により加えた。反応混合物を48時間還流し、ついで、飽和塩化ナトリウム溶液(40mL)で加水分解した。水相をエーテル(3×70mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて乾燥し、ろ過し、濃縮して残渣を得、メチレンクロリド/ヘキサン(1:2)を溶出液としてクロマトグラフィで精製した。無色の油分(4.23g)が得られた。収率は67.8%であった。HNMRの結果、得られた生成物が、3,3−ビス(p−メトキシフェニル)−アクリル酸エチルエステルと一致する構造を有していることが示された。
HNMR(CDCl)は、δ1.16(t,3H,J=7.1Hz),3.81(s,3H),3.84(s,3H),4.07(q,2H,J=7.1Hz),6.22(s,1H),6.84(d,2H,J=9.1Hz),6.90(d,2H,J=9.1Hz),7.15(d,2H,J=9.1Hz),7.24(d,2H,J=9.1Hz)であった。
(ステップ2)
ステップ1で得られた3,3−ビス(p−メトキシフェニル)−アクリル酸エチルエステル(4.23g,13.5ミリモル)を、KOH(3.7g,66ミリモル)の存在下、22mLのメタノール中で、還流下、1時間掛けて加水分解した。冷却した反応混合物を氷水(50mL)中に投入し、pHが1未満になるまで希塩酸で酸性化した。得られた固形物をろ別し、水洗し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶した。白色の固形物(3.6g)が得られた。収率は93.78%であった。HNMRの結果、得られた生成物が、3,3−ビス(p−メトキシフェニル)−アクリル酸と一致する構造を有していることが示された。
HNMR(CDCl)は、δ3.82(s,3H),3.85(s,3H),6.22(s,1H),6.85(d,2H,J=9.0Hz),6.91(d,2H,J=8.7Hz),7.17(d,2H,J=8.7Hz),7.24(d,2H,J=8.7Hz)であった。
(ステップ3)
3,3−ジフェニルアクリル酸の代わりに、3,3−ビス(p−メトキシフェニル)−アクリル酸(284.3mg,1ミリモル)を使用した以外は実施例1のステップ3の手順を繰り返し、2,2−ビス(p−メトキシフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジンを、淡黄色の結晶として生成した。収率は93.2%であった。
HNMR(CDCl)は、δ3.75(s,6H),6.85(d,2H,J=8.7Hz),7.41(d,2H,J=9.1Hz),7.52〜7.60(m,1H),7.62〜7.68(m,3H),8.03(s,1H),8.43〜8.47(m,1H),8.54〜8.63(m,3H)であった。
13CNMR(CDCl)は、δ55.2,79.3,113.0,122.5,122.7,122.8,122.9,125.1,126.8,127.3,127.5,128.5,129.8,131.2,133.5,156.1,159.7であった。
[実施例5]
(ステップ1)
撹拌下、水素化ナトリウム(95%,0.253g,10ミリモル)のジオキサン(20mL)懸濁液にトリエチルホスホノアセテート(2.31g,10ミリモル)のジオキサン(5mL)溶液を、滴下により加えた。20分の撹拌後、p−メトキシフェニル−p−モルホリノフェニルケトン(2.28g,8ミリモル)を加え、45時間還流し、大部分の溶媒を除去した。冷却した残渣に水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。溶媒を除去して、淡黄色の油分を得、これ以上の精製を行うことなく、直接、次のステップに使用した。
(ステップ2)
ステップ1で得られた油分を、KOH(2.0g)のメタノール(15mL)溶液中、1.5時間還流して加水分解した。溶媒の除去後、反応混合物を氷水に加え、吸引ろ過し、水洗した。0.4gの未反応ケトンを回収した。ろ液をエーテルで抽出し、水層を分離し、希塩酸で酸性化し、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。有機溶液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去し、残渣をジクロロメタン/ヘキサンから再結晶して、1.72gの黄色の結晶を得た。HNMRの結果、得られた生成物が、(E)−および(Z)−3−p−メトキシフェニル−3−p−モルホリノフェニルアクリル酸の混合物と一致する構造を有していることが示された。
(ステップ3)
3,3−ジフェニルアクリル酸の代わりに3−p−メトキシフェニル−3−p−モルホリノフェニル−アクリル酸(339.4mg,1ミリモル)を使用した以外は実施例1のステップ3の手順を繰り返し、358mgの2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−モルホリノフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジンを、淡褐色の固形物として得た。収率は100%であった。
[実施例6]
(ステップ1)
撹拌下、水素化ナトリウム(95%,0.253g,10ミリモル)のTHF(15mL)懸濁液に、トリエチルホスホノアセテート(2.31g,10ミリモル)のTHF(5mL)溶液を、滴下により加えた。20分の撹拌後、p−メトキシフェニル−p−ピペリジノフェニルケトン(2.95g,10ミリモル)を加え、5日間還流し、大部分の溶媒を除去した。冷却した残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を除去して淡黄色の油分を得、さらに精製することなく、直接次のステップに使用した。
(ステップ2)
ステップ1で得られた油分を、KOH(2.8g)のメタノール(15mL)溶液で、1時間掛けて、還流下加水分解した。溶媒の除去後、反応混合物を氷水に加え、吸引ろ過し、水洗した。1.35gの未反応ケトンを回収した。ろ液をエーテルで抽出し、水層を分離し、希塩酸で酸性化し、吸引ろ過して、1.18gの黄色の固形物を得た。HNMRの結果、得られた生成物が、(E)−および(Z)−3−p−メトキシフェニル−3−p−ピペリジノフェニル−アクリル酸の混合物と一致する構造を有していることが示された。
(ステップ3)
3,3−ジフェニルアクリル酸の代わりに3−p−メトキシフェニル−3−p−ピペリジノフェニル−アクリル酸(337.4mg,1ミリモル)を使用した以外は実施例1のステップ3の手順を繰り返し、336.8mgの、所望のフォトクロミックなオキサジンである、2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−ピペリジノフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジンを、淡黄色の固形物として得た。収率は96.5%であった。
[実施例7]
(ステップ1)
p−メトキシベンゾフェノンの代わりにアセトフェノン(2.43g,20ミリモル)を使用した以外は実施例2のステップ2の手順を繰り返した。反応時間は4日間であった。得られた油分(3.78g)は、さらに精製することなく、次のステップに使用した。
(ステップ2)
ステップ1で得られた油分を、水酸化カリウム(5.07g)とメタノール(30mL)の混合物中で、1時間掛けて加水分解した。ついで、混合物を冷却し、溶媒を真空除去した。残渣に水(30mL)を加え、エーテルで2回(各15mL)抽出した。水層を分離し、pHが1未満になるまで4Mの塩酸で酸性化した。ろ過によって固形物を集め、2.4gの白色固形物を得た。収率は74%であった。HNMRの結果、得られた生成物が、(E)−および(Z)−3−メチル−3−フェニルアクリル酸の混合物と一致する構造を有していることが示された。
(ステップ3)
3,3−ジフェニルアクリル酸の代わりに3−メチル−3−フェニルアクリル酸(272.3mg,1ミリモル)を使用し、フェナントレン−9,10−ジオンを191.2mg,0.9ミリモル使用し、反応温度を80℃にした以外は実施例1のステップ3の手順を繰り返し、122mgの2−メチル−2−フェニルフェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジンを、淡黄色の結晶として得た。収率は41.9%であった。
[実施例8]
(ステップ1)
p−メトキシベンゾフェノンの代わりにシクロプロピル・フェニルケトン(2.98g,20ミリモル)を使用した以外は実施例7のステップ1の手順を繰り返した。反応時間は4日間であった。得られた油分(4.42g)は、さらに精製することなく、次のステップに使用した。
(ステップ2)
ステップ1の油分(4.42g)を使用した以外は実施例7のステップ2の手順を繰り返し、3.31gの白色固形物を得た。収率は88%であった。HNMRの結果、得られた生成物が、(E)−および(Z)−3−シクロプロピル−3−フェニルアクリル酸の混合物と一致する構造を有していることが示された。
(ステップ3)
3,3−ジフェニルアクリル酸の代わりに3−シクロプロピル−3−p−ピペリジノフェニルアクリル酸(188mg,1ミリモル)を使用した以外は実施例1のステップ3の手順を繰り返し、195.5mgの2−シクロプロピル−2−(p−ピペリジノフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジンを、淡黄色の固形物として得た。収率は80%であった。
[実施例9]
各実施例のオキサジン化合物を有機溶媒に溶解し、ついで、365nmの紫外線を15秒間照射した。溶液は強く発色し、暗所に置くと退色した。退色性は、初期発色の光学密度の半分が消えるのに掛かる時間によって表した。可視領域の最大吸収度を下表に示す。典型的な吸収スペクトルには、470nm未満と490nmを超える二つの帯域が含まれている。二つの帯域の相対強度は、フォトクローム(photochrome)の構造に依存している。2の位置の置換基の電子供与能力が強ければ強いほど、より長波長側の吸収帯域での強度がより強くなる。
Figure 2005520804

Claims (10)

  1. 下記式で表される構造を有する化合物。
    Figure 2005520804
    {上記式において、Xは窒素または炭素であり、
    およびRは、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アリル、直鎖状のもしくは枝分かれした(C〜C20)アルキル、(C〜C20)シクロアルキル、(C〜C20)アルコキシ、(C〜C20)アルキルアセチレニル、フェニルアセチレニル、(C〜C20)アルケニル、フェニルビニル、ハロゲン、少なくとも一つのハロゲン原子で置換したハロ(C〜C20)アルキルもしくはハロ(C〜C20)シクロアルキルもしくはハロ(C〜C20)アルコキシ(ここでハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。)、非置換のアリール、(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)アルコキシもしくはアリールオキシで置換したアリール、非置換のヘテロアリール、(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)アルコキシで置換したヘテロアリール、アリールアルキルもしくは置換ヘテロアリールアルキル、(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)アルコキシで置換したヘテロアリールアルキル、置換もしくは非置換の窒素含有複素環、−N(R)Rもしくは−CON(R)R(ここでRとRは、それぞれ独立に、水素、(C〜C20)アルキル、(C〜C20)シクロアルキル、置換フェニル、または、(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)アルコキシで置換したフェニルである。)または、−OCORもしくは−COORもしくは−COR基(ここでRは、水素、(C〜C20)アルキル、(C〜C20)シクロアルキル、または置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリールである。)であり、
    nは0〜4の整数であり、
    AおよびA’は、それぞれ独立に、
    (a)直鎖状のもしくは分岐した(C〜C12)アルキル、(C〜C12)シクロアルキル、アリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C12)アルコキシ、ハロ(C〜C12)アルキル、(C〜C12)ハロアルコキシまたは(C〜C12)アルキルチオ;
    (b)非置換または一置換、二置換もしくは三置換のアリール基;
    (c)非置換または一置換または二置換複素環式芳香族基;
    (d)下記式のいずれか一方の基
    Figure 2005520804
    (ここでBは、水素、(C〜C12)アルキル、非置換または一置換または二置換のアリールである。);
    (e)非置換または一置換のピラゾリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニルもしくはアクリジニル(ここで置換基は、それぞれ独立に、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、フルオロ、クロロまたはフェニルである。);または
    (f)下記式のいずれか一方で表される基
    Figure 2005520804
    (ここでCおよびDは、それぞれ独立に、炭素、酸素、(C〜C12)アルキル窒素または(C〜C12)アシル窒素であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素または(C〜C12)アルキルである。)である。}
  2. (b),(c)および(d)のアリールおよび複素環式芳香族の置換基のそれぞれが、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、エポキシ、ビニル、アリル、ヒドロキシエトキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモもしくはヨード、(C〜C12)アルキル、(C〜C12)アルコキシ、(C〜C12)アルキルアリール、アリール、アリールオキシ、アリール(C〜C12)アルキル、アリール(C〜C12)アルコキシ、(C〜C12)アルコキシアリール、ハロ(C〜C12)アルキル、ハロアリール、シクロ(C〜C12)アルキル、シクロ(C〜C12)アルコキシ、アリールオキシアリール、アリールオキシ(C〜C12)アルキル、アリールオキシ(C〜C12)アルコキシ、アクリルオキシ、メタクリルオキシまたは窒素含有複素環置換基である、請求項1に記載の化合物。
  3. Xが炭素または窒素であり、RおよびRが、それぞれ独立に、水素、ニトロ、シアノ、アリル、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、フェニル、ベンジル、直鎖状のもしくは枝分れした(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシまたは、−OCORもしくは−COOR基(ここでRは、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)シクロアルキルである。)であり、
    nは0〜2の整数であり、
    AおよびA’は、それぞれ独立に、
    (a)直鎖状のもしくは枝分れした(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、アリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル;
    (b)フェニルまたはナフチル等の非置換または一置換または二置換のアリール基;または、
    (c)非置換または一置換の複素環式芳香族基
    である、請求項1に記載の化合物。
  4. (b)および(c)のアリールおよび複素環式芳香族の置換基のそれぞれが、独立して、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、エポキシ、ヒドロキシエトキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモもしくはヨード、ビニル、アリル、トリフルオロメチル、フェニル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、シクロ(C〜C)アルキル、シクロ(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、フェニルアセチレニル、フェニルビニルまたは窒素含有複素環置換基である、請求項3に記載の化合物。
  5. 前記窒素含有複素環置換基が、N(C〜C)アルキルピペラジノ、N−アリールピペリジノ、アジリジノ、インドリノ、ピロリジノ、ピロリノ、ピペリジノ、(C〜C)アルキルピペリジノ、ジ(C〜C)アルキルピペリジノ、4−ピペリジノピペリジノ、モルホリノ、2,6−ジ(C〜C)アルキルモルホリノ、チオモルホリノ、チオアゾリジノ、テトラヒドロキノリノ、ピリルまたは、−N(R1)Rもしくは−CON(R1)R(ここでRおよびRは、それぞれ独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルまたはフェニルである。)または、−CORもしくは−OCORもしくは−COOR(ここでRは、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルまたはフェニルである。)である、請求項4に記載の化合物。
  6. Xが炭素または窒素であり、R1およびRが、それぞれ独立に、水素、ニトロ、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、フェニル、ベンジル、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシであり、
    nが0から2の整数であり、
    AおよびA’が、それぞれ独立に、直鎖状のもしくは枝分かれした(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、非置換もしくは一置換もしくは二置換のフェニルまたは、非置換もしくは一置換の複素環式芳香族基である、
    請求項1に記載の化合物。
  7. 前記一置換または二置換のフェニル基が、メタ、パラまたはその両方の位置において、ニトロ、アミノ、アシル、シアノ、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ、フルオロ、クロロ、ビニル、アリル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、(C〜C)アルキル、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ピペラジノ、ピペリジノ、アリールピペリジノ、モルホリノ、ピロリジノ、アジリジノ、アクリロキシ、メタクリロキシ、フェニルアセチレニルおよびフェニルビニルからなる群から選ばれた置換基で置換されており、前記複素環式芳香族基が、(C〜C)アルキルおよびフェニルからなる群から選ばれた置換基で置換された、フリル、チエニルおよびピリルからなる群から選ばれたものである、請求項6に記載の化合物。
  8. 2,2−ジフェニル−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−フェニル−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−フルオロフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2,2−ビス(p−メトキシフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−モルホリノフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−(p−ピペリジノフェニル)−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−メチル−2−フェニル−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−シクロプロピル−2−フェニル−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2,2−ジフェニル−6,11−ジニトロ−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−フェニル−6,11−ジニトロ−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2,2−ビス(p−メトキシフェニル)−6,11−ジニトロ−フェナントロ−(9,10)−2H−[1,4]−オキサジン、2,2−ジフェニル−フェナントロリノ−(5,6)−2H−[1,4]−オキサジン、2−(p−メトキシフェニル)−2−フェニル−フェナントロリノ−(5,6)−2H−[1,4]−オキサジンおよび2,2−ビス(p−メトキシフェニル)−フェナントロリノ−(5,6)−2H−[1,4]−オキサジンからなる群から選ばれた化合物。
  9. 反応有効量の、置換基を有するアクリル酸、アジド供与源、穏やかな有機塩基、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデカ−7−エン、キノンおよび触媒量のトリアリール砒素オキシドを有機溶媒に混合する段階と、
    オキサジン化合物形成反応を完成するのに充分な時間、この混合物を加熱する段階と
    を含む、オキサジン化合物の製造方法。
  10. 前記アジド供与源が、ジフェニルホスホリルアジドまたはトリメチルシリルアジドであり、前記塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピル・エチルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリンまたはN−アルキルモルホリンであり、前記キノンが、フェナントレン−(9,10)−ジオンまたはフェナントロリン−(5,6)−ジオンであり、前記トリアリール砒素オキシドがトリフェニル砒素オキシドである、請求項9に記載の方法。
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