JP2005520522A - 慢性神経痛の抑制に有用な化合物の同定方法およびその組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルの活性を調節し得る化合物をスクリーニングする方法に関する(なお、該化合物は、ある実施形態においては、抗体またはアンチセンスヌクレオチド配列である)。

Description

技術分野
本発明は、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)の活性および/または発現を調節する候補化合物の能力をスクリーニングすることにより、哺乳類、特にヒトの慢性神経痛の抑制に有用な薬剤を同定する方法を提供する。本発明は、また、核酸、リボザイムおよび抗体である該薬剤を提供する。
背景技術
N型VDCC活性を調節するか、またはN型VDCCの特異的阻害剤である化合物が知られている。これらのものとして、ω−コノトキシンGVIA、SNX−111(ジンコノチド)、SNX−159、SNX 239、SNX−124(Prado WA (2001) Braz J Med Biol Res 34: 449−461;Vanegas H, Schaible H (2000) Pain 85: 9−18)がある。ギャバペンチンはα2δ1およびα2δ2サブユニットに高い親和性で結合し、VDCC電流調節を介してその鎮痛/抗痙攣作用を発揮するが、これは議論中である(Gong et al., J Memb Biol 184(1) 35−43 (2001);Sutton et al., Br J Pharmacol 135: 257−265 (2002))。
発明の開示
「アンチセンス」とは、特異的DNAまたはRNA配列に相補的なヌクレオチド配列をさす。「アンチセンス鎖」とは、「センス鎖」に相補的な核酸鎖をさす場合に用いる。アンチセンス分子は、目的の遺伝子を逆向きに、相補鎖を合成し得るウイルスプロモーターに連結することによる合成を含む、いずれの方法で作製してもよい。細胞内に導入されると、これは、細胞が産生した天然配列と結合して二重らせんを形成する。そして、これらの二重らせんはさらなる転写または翻訳のいずれかをブロックする。「ネガティブ」とは、アンチセンス鎖をさして用いられ、「ポジティブ」はセンス鎖をさして用いられる場合がある。
「変異体」とはリファレンスポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるが、その必須特性を保持するポリヌクレオチドまたはポリペプチドをさす。典型的なポリヌクレオチド変異体はリファレンスポリヌクレオチドとヌクレオチド配列が異なる。変異体のヌクレオチド配列の変化はリファレンスポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変更しても変更しなくてもよい。ヌクレオチドの変化は以下に論じられるように、リファレンス配列によってコードされるポリペプチドにアミノ酸置換、付加、欠失、融合および末端切断を生じさせる。典型的なポリペプチド変異体はリファレンスポリペプチドとアミノ酸配列が異なる。一般に、この変更は、リファレンスポリペプチドと変異体の配列が全体としてよく似ており、多くの領域が同一であるという場合に限られる。変異体とリファレンスポリペプチドはいずれの組合せであってもよいが1以上の置換、挿入、欠失によりアミノ酸配列が異なる。置換または挿入されるアミノ酸残基は遺伝コードによりコードされるものであってもなくてもよい。典型的な保存的置換としては、Gly、Ala;Val、lie、Leu;Asp、Glu;Asn、Gln−I、Ser、Thr;Lys、Arg:およびPhe、Tyrが挙げられる。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は対立遺伝子などの天然に存在するものであってもよいし、あるいは天然に存在するとは知られていない変異体であってもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの非天然変異体は突然変異誘発技術または直接合成によって作出し得る。また変異体としては、1以上の翻訳後修飾、たとえばグリコシル化、リン酸化、メチル化、ADIPリボシル化などを有するポリペプチドも含まれる。具体例としては、N末端アミノ酸のメチル化、セリンおよびトレオニンのリン酸化、およびC末端グリシンの修飾が挙げられる。また変異体としては、SNP(下記参照)を有し、1以上のアミノ酸交換を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも含まれる。また変異体には、いわゆるスプライス変異体(下記参照)、従って異なるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも含まれる。
「多型(polymorphism)」とは、ある集団内のゲノムの特定の位置におけるヌクレオチド配列(関連があれば、コードされるポリペプチド配列)のバリエーションをさす。
「一塩基多型」(Single Nucleotide Polymorphism, SNP)とは、ある集団内のゲノムの単一のヌクレオチド位置におけるヌクレオチドバリエーションが存在することをいう。SNPはある遺伝子内、またはゲノムの遺伝子間領域内に存在し得る。SNPは対立遺伝子特異的増幅(Allele Specific Amplification, ASA)を用いてアッセイできる。この目的では少なくとも3つのプライマーが必要である。共通プライマーとしてはアッセイする多型と逆の相補性があるものを用いる。この共通プライマーは多型塩基に由来する50〜1500bpsの間であり得る。他の2つ(またはそれ以上)のプライマーは、多型を構成している2つ(またはそれ以上)の対立遺伝子のうちの1つと対合するように最後の3’塩基にゆらぎを持っていること以外は互いに同一である。次に、サンプルDNAに対して2種類(またはそれ以上)のPCR反応を、それぞれ共通プライマーと対立遺伝子特異的プライマーの1つを用いて行う。
本明細書において「スプライス変異体」とは、選択的RNAスプライシングを受けた同じゲノムDNA配列から最初に転写されたRNA分子から作製されたcDNA分子をさす。選択的RNAスプライシングは、RNAの一次転写物が、通常はイントロンの除去のためにスプライシングを受ける際に起こり、その結果、各々異なるアミノ酸配列をコードし得る1を超えるmRNA分子が生じる。スプライス変異体とはまた、上記のcDNA分子によってコードされる他もさす。
「同一性」とは、配列を比較することによって求められる、2以上のポリペプチド配列または2以上のポリヌクレオチド配列の関係をいう。一般に、同一性とは、比較する配列の長さにわたってそれぞれ2つのポリヌクレオチド配列または2つのポリペプチド配列の正確なヌクレオチド対ヌクレオチド、またはアミノ酸対アミノ酸の一致をさす。
「同一性%」−正確に一致しない配列については、同一性%を求めることができる。一般に、比較する2つの配列を、その配列間に最大の相関が得られるようにアラインする。これには、アラインメントの程度を高めるために配列の一方または双方への「ギャップ」の挿入を含んでもよい。同一性%は比較する各配列の全長にわたって求めてもよく(いわゆるグローバル・アラインメント)、これは長さが同じか、よく似た配列に特に適しており、あるいは、より短い、所定の長さにわたって求めてもよく(いわゆるローカル・アラインメント)、これは長さの異なる配列に適している。
「類似性」とは、2つのポリペプチド配列間の関係の尺度をさらにより精緻にしたものである。一般に、「類似性」とは、(同一性に関して)比較する配列からのそれぞれ1つの残基対間の正確な一致だけでなく、正確な一致がなかった場合に、進化に基づき、ある残基が他の残基に代わる可能性の高い置換かどうかを考慮して、2つのポリペプチド鎖のアミノ酸間の残基対残基に基づく比較を意味する。この見込みは関連の「スコア」を持ち、次にこのスコアから2つの配列の「類似性%」を求めることができる。
2以上の配列の同一性または類似性を比較する方法は当技術分野では周知である。よってたとえば、ウイスコンシン・シーケンス・アナリシス・パッケージ(Wisconsin Sequence Analysis Package)、バージョン9.1(Devereux J et al, Nucleic Acids Res, 12, 387−395, 1984, Genetics Computer Group, Madison, Wisconsin, USAから入手可能)で利用できるプログラム、たとえば、BESTFITおよびGAPプログラムを用いて2つのポリヌクレオチド間の同一性%、ならびに2つのポリペプチド配列間の同一性%および類似性%を求めればよい。BESTFITは、スミスおよびウオーターマン(Smith and Waterman)(J Mol Biol, 147,195−197, 1981, Advances in Applied Mathematics, 2, 482−489, 1981)の「ローカルホモロジー」アルゴリズムを用い、2つの配列間の類似性の最も高い1つの領域を見つけ出す。BESTFITは長さの異なる2つのポリヌクレオチド配列または2つのポリペプチド配列を比較するのに適しており、このプログラムでは短い配列は長い配列の一部に当たると仮定する。これに対して、GAPは2つの配列をアラインして、ネッデルマンおよびブンシュ(Neddleman and Wunsch)(J Mol Biol, 48, 443−453, 1970)のアルゴリズムに従って「最大類似性」を見つけ出す。GAPは長さのほぼ同じ配列を比較するのに適しており、アラインメントは全長にわたると期待される。
好ましくは、各プログラムで用いるパラメーター「Gap Weight」および「Length Weight」はポリヌクレオチド配列に関してはそれぞれ50および3であり、ポリペプチド配列に関しては12および4である。同一性%および類似性%は比較する2つの配列が最適にアラインされた際に求めるのが好ましい。
配列間の同一性および/または類似性を求めるその他のプログラムも当技術分野で知られており、たとえばBLAST系のプログラム(Altschul S F et al, J Mol Biol, 215, 403−410, 1990, Altschul S F et al, Nucleic Acids Res., 25:389−3402, 1997, the National Center for Biotechnology Information (NCBI), Bethesda, Maryland, USAから入手可能、また、NCBIのホームページwww.ncbi.nlm.nih.govからアクセスできる)、およびFASTA (Pearson W R, Methods in Enzymology, 183, 63−99, 1990;Pearson W R and Lipman D J, Proc Nat Acad Sci USA, 85, 2444−2448,1988, the Wisconsin Sequence Analysis Packageの一部として入手可能)が挙げられる。
ヌクレオチド配列が、比較の前にまずアミノ酸配列に翻訳される場合を含み、ポリペプチド配列の比較にはBLOSUM62アミノ酸置換マトリックス(Henikoff S and Henikoff J G, Proc. Nat. Acad Sci. USA, 89, 10915−10919, 1992)を用いるのが好ましい。
リファレンスポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列に対してクエリーポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の同一性%を求めるにはBESTFITプラグラムを用いるのが好ましく、上述のようにクエリー配列およびリファレンス配列は最適にアラインし、プログラムのパラメーターはデフォルト値を示す。
「同一性指数」とは、候補配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)とリファレンス配列を比較するのに使用できる配列の関係性の指標である。よって、たとえば、リファレンスポリヌクレオチド配列と比較した場合に0.95の同一性指数を有する候補ポリヌクレオチド配列は、その候補ポリヌクレオチド配列がリファレンス配列の100ヌクレオチドごとに平均5までの違いを含み得ること以外はリファレンス配列と同一である。このような違いは少なくとも1つのヌクレオチドの欠失、置換(転移およびトランスバージョンを含む)、または挿入からなる群から選択される。これらの違いはリファレンスポリヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端の位置に存在してもよいし、あるいはこれらの末端位置の間のどこかに、リファレンス配列のヌクレオチドの間に独立して、またはリファレンス配列の中に1以上の連続する群として散在してもよい。言い換えれば、リファレンスポリヌクレオチド配列と比較した場合に0.95の同一性指数を有するポリヌクレオチド配列を得るためには、上述のように、リファレンス配列の100ヌクレオチドごとに平均5〜25までを欠失させるか、置換するか、または挿入するか、あるいはそのいずれかの組合せを行えばよい。同じことが必要な変更を加えた上で、たとえば0.96、0.97、0.98および0.99などのその他の値の同一性指数についても当てはまる。
同様に、ポリペプチドについても、たとえばリファレンスポリペプチド配列と比較した場合に0.95の同一性指数を有する候補ポリペプチド配列は、そのポリヌクレオチド配列がリファレンス配列の100アミノ酸ごとに平均5までの違いを含み得ること以外はリファレンス配列と同一である。このような違いは少なくとも1つのアミノ酸の欠失、置換(保存的置換および非保存的置換を含む)、または挿入からなる群から選択される。これらの違いはリファレンスポリペプチド配列のアミノ末端もしくはカルボキシ末端の位置に存在してもよいし、あるいはこれらの末端位置の間のどこかに、リファレンス配列のアミノ酸の間に独立して、またはリファレンス配列の中に1以上の連続する群として散在してもよい。言い換えれば、リファレンスポリペプチド配列と比較した場合に0.95の同一性指数を有するポリペプチド配列を得るためには、上述のように、リファレンス配列の100アミノ酸ごとに平均5までを欠失させるか、置換するか、または挿入するか、あるいはそのいずれかの組合せを行えばよい。同じことが必要な変更を加えた上で、たとえば0.96、0.97、0.98および0.99などのその他の値の同一性指数についても当てはまる。
ヌクレオチドまたはアミノ酸の違いの数と同一性指数との間の関係は以下の方程式:
Figure 2005520522
[式中、
はヌクレオチドまたはアミノ酸の違いの数であり、
は与えられた任意の配列のヌクレオチドまたはアミノ酸の総数であり(たとえば配列番号1では596)、
Iは同一性指数であり、
・は掛け算の記号であり、x・Iの積が整数でなければ、xから引く前に最も近い整数に丸める]
で表すことができる。
「ホモログ」とは、リファレンス配列と高い程度の配列の関係性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列をさすために当技術分野で用いられる一般的な用語である。このような関係性は上記に定義されたような2つの配列間の同一性および/または類似性の程度を求めることにより定量し得る。「オルトログ」および「パラログ」という用語もこの一般用語の範囲内にある。「オルトログ」とは、別の種のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの機能的同等物であるポリヌクレオチドまたはポリペプチドをさす。「パラログ」とは、機能的に類似の同じ種内のポリヌクレオチドまたはポリペプチドをさす。
「融合タンパク質」とは、2つの関連のない融合遺伝子によりコードされるタンパク質またはその断片をさす。例としては、米国特許第5541087号、同第5726044号に開示されている。治療に用いる場合にこのような融合タンパク質の薬物動態特性を向上させるため、また、二量体融合タンパク質を作出するために目的タンパク質の機能的発現を行うには、融合タンパク質の一部として免疫グロブリンFc領域を用いるのが有利である。この融合タンパク質DNA構築物は、5’から3’方向へ、分泌カセット、すなわち哺乳類細胞からの輸出を誘発するシグナル配列、融合相手としての免疫グロブリンFc領域フラグメントをコードするDNA、および目的のタンパク質またはその断片をコードするDNAを含んでよい。用途によっては、内在する機能的特性(補体結合、Fc受容体結合)を、機能的Fc側を融合タンパク質の残りの部分を触らないように変異させるか、または発現後にFc部分を完全に欠失させるかによって変更できることが望ましい場合もある。
本発明は1以上のPain VDCCを阻害、調節、ダウンレギュレートまたは不動化する(細胞内で)化合物をスクリーニングする方法を提供する。慢性神経痛の動物モデルにおいて(たとえば、Seltzer et al., (1990) Pain 43: 205−218, Chronic Construction Injury model (G.J and Xie, Y.K. Pain (1988) 33: 87−107)、またチュン(Chung)のモデル(Kim, S.O. and Chung, J.M. Pain (1992) 50:355−363))、VDCCのCa2.2(α1B)およびα2δ1サブユニットだけでなく、β1およびγ4サブユニットもアップレギュレートすることが見出されており、たとえば、そのメッセンジャーRNAはこれらの動物のDRGで発現することがわかっている(種々の神経痛モデルにおける種々のサブユニットのアップレギュレーションを比較した表2を参照)。
Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニット、またはVDCCの該サブユニットの変異体(たとえば、スプライス変異体、SNPを含む)からなるPain VDCCは、限定されるものではないが、骨関節炎、慢性関節リウマチ、癌、糖尿病、機械的神経損傷、帯状疱疹後神経痛、慢性腰痛、腹痛、および脊柱管狭窄症をはじめとする疾病に関連する慢性神経痛状態の処置のための薬剤をスクリーニングするのに使用できる。このような変異体は80%を超える同一性、より好ましくは85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%を超える同一性を有する。Pain VDCCまたはそのサブユニットの発現レベルは生体サンプル、たとえば組織(たとえば、背根神経節(Dorsal Root Ganglion, DRG))切片、細胞溶解液、または白血球溶解液から、インシツ(in situ)ハイブリダイゼーション、定量的PCR、免疫アッセイおよび電気泳動アッセイをはじめとする公知のいずれかの方法でアッセイすることができる(実施例1も参照)。
本発明において使用できる試験化合物は、生体ライブラリー、空間的にアドレス可能な(spatially addressable)パラレル固相または液相ライブラリー、デコンヴォルーションを必要とする合成ライブラリー法、「一ビーズ一化合物」ライブラリー法、およびアフィニティークロマトグラフィー選択を用いた合成ライブラリー法をはじめ、当技術分野で公知のコンビナトリアルライブラリー法の多くのアプローチのいずれかを用いて得ることができる。生体ライブラリーアプローチはペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチはペプチド、非ペプチドオリゴマーまたは化合物の小分子ライブラリーに適用できる(Lam, K.S. (1997) Anticancer Drug Des. 12:145)。
分子ライブラリーの合成のための方法の例は、DeWitt et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90: 6909;Erb et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:11422;Zuckermann et al. (1994). J. Med. Chem. 37: 2678;Cho et al. (1993) Science 261: 1303;Carrell et al. (1994) Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33: 2059;Carell et al. (1994) Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33:2061;およびGallop et al. (1994) J. Med. Chem. 37: 1233など、当技術分野に見出すことができる。化合物ライブラリーは液相中(たとえば、Houghten (1992) Biotechniques 13:412−421)、またはビーズ上(Lam (1991) Nature 354:82−84)、チップ上(Fodor (1993) Nature 364:555−556)、細菌上(Ladner USP 5,223,409)、胞子上(Ladner USP ’409)、プラスミド上(Cull et al. (1992) Proc Natl Acad Sci USA 89:1865−1869)またはファージ上(Scott and Smith (1990) Science 249:386−390);(Devlin (1990) Science 249:404−406);(Cwirla et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. 87:6378−6382);(Felici (1991) J. Mol. Biol. 222:301−310);(Ladner、前掲)に存在してもよい。現在利用できるVDCCブロッカーは、少なくとも一つには非特異的なチャネルブロッキング(他のイオンチャネル、他のVDCC)によるものである許容できない副作用を有する。
Pain VDCCは極めて限定された数の組織に存在すると見込まれ、これはスプライス変異体が全面的な組織の特異性を作り出しているケースである可能性がある。Ca2.2サブユニットは神経組織でのみ発現し、スプライス変異体が脳と末梢のチャネルを識別している。α2δ1サブユニットは広範囲に発現するが、少なくとも5つの選択的スプライス変異体が確認されている。β1サブユニットは主として骨格筋で発現するが、2つの脳特異的なイソ型が存在する。γ4サブユニットは神経組織のみで発現する。副作用を軽減すべきDRG神経部分集団以外のところには同じ組合せのスプライス変異体は存在しないと考えられるが、これは処置効果がたとえば採血によりモニタリングできないことを意味する。一つの実施形態では、スクリーニングアッセイは、Pain VDCCを発現する組換え細胞を、たとえば上述のライブラリーに由来する試験化合物と接触させることを含む。その後、試験化合物の、VDCC活性を調節する(たとえば、Pain VDCCを刺激もしくは阻害することによる、またはPain VDCCの発現のアップ/ダウンレギュレーションによる、またはPain VDCCの、細胞内プールからの不動化もしくは可動化による)能力をさらに判定する。上記の方法によって同定された化合物をさらに用い、その活性を適当な動物モデル、たとえば上記の動物モデル(Seltzerのモデル、慢性痙攣傷害モデル、またはChungのモデル)で確認することができる。
本発明のもう一つの実施形態では、基本薬剤のスクリーニングおよび臨床試験の双方において処置を評価するために、臨床試験中の効果をモニタリングすることに関する。たとえば、Pain VDCC活性の阻害を目的として本明細書に記載するようなスクリーニングアッセイにより決定される化合物の有効性は、慢性神経痛を示す被験体の臨床試験においてモニタリングすることができる。ある好ましい実施形態では、本発明は被験体の化合物(たとえば、ペプチドミメティック、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子、または本発明に記載のスクリーニングアッセイにより同定されたその他の薬剤候補)による処置の有効性を評価、たとえばモニタリングする方法を提供し、その方法は、(i)化合物の投与に先だって被験体のPain VDCC活性の投与前レベルを、当技術分野で公知の検出方法を用いて評価するステップ、(ii)化合物を被験体に投与するステップ、(iii)化合物の投与後のPain VDCC活性のレベルを評価するステップ、および(iv)化合物の投与前と投与後のレベルを比較するステップを含む。このような実施形態によれば、被験体のPain VDCCレベルは化合物の有効性の指標として用い得る。
本発明は、さらに、Pain VDCCのβ1またはγ4サブユニットの発現を核酸レベルで阻害する物質を提供する。このような分子としては、β1またはγ4核酸の適当なヌクレオチド配列に対するリボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせんDNA、RNAアプタマーおよび/または二本鎖RNAが挙げられる。これらの阻害分子は当業者ならば過度な負担や実験もなく常法を用いて作出することができる。たとえば、遺伝子発現の修飾(たとえば阻害)は、本明細書に記載のポリペプチドをコードする遺伝子の制御領域、すなわちプロモーター、エンハンサーおよびイントロンに対するアンチセンス分子DNAまたはRNAをデザインすることで得ることができる。たとえば、転写開始部位、たとえば開始部位から−10〜+10位の間に由来するオリゴヌクレオチドを用いてよい。しかしながら、mRNAに対するハイブリダイゼーションを最大にするものを作出するためには、遺伝子の全領域を用いてアンチセンス分子をデザインしてもよく、このような安定なアンチセンスオリゴヌクレオチドは当業者に公知の標準的なアッセイ手順によって作製・同定することができる。
典型的には、約5〜50ヌクレオチドの間の長さのオリゴヌクレオチドを用いる。より好ましくは、約5〜35ヌクレオチドの間の長さのオリゴヌクレオチドを用いる。よりいっそう好ましくは、約20ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドを用いる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは当技術分野で公知の化学合成手順を用いて構築することができる。オリゴヌクレオチドは天然に存在するヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドの生体安定性を高めるため、あるいはアンチセンス核酸とセンス核酸の間で形成される二重らせんの物理的安定性を高めるためにデザインした種々の改変型ヌクレオチドを用いて化学的に合成することができる。たとえば、ホスホロチオエート、ホスホン酸メチルおよびエチルホスホトリエステルアンチセンスオリゴヌクレオチド(Stein, C.A. and Cheng Y−C. (1993) Science 2261:1004−1012)に総説)の使用も本発明の範囲内にある。さらに、アクリジン置換ヌクレオチドも本発明で用いるアンチセンスオリゴヌクレオチドに組み込むことができる。
本発明の好ましいアンチセンス核酸は、Pain VDCCのサブユニット遺伝子(たとえば、β1またはγ4遺伝子)の一つのコード領域または調節領域に対してアンチセンスである。本明細書で意図されるように、アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせんDNA、RNAアプタマー、リボザイムおよび二本鎖RNAはβ1またはγ4の核酸配列に向けられたものであり、従って、選択されたβ1またはγ4のヌクレオチド配列はβ1またはγ4遺伝子発現の遺伝子特異的阻害をもたらす。たとえば、β1またはγ4ヌクレオチド配列の知識を用いてmRNAへのハイブリダイゼーションを最大とするアンチセンス分子をデザインしてもよい。同様に、β1またはγ4の特異的ヌクレオチド配列を認識して、それを切断するようなリボザイムを合成することもできる(Cech. J. Amer. Med Assn. 260:3030 (1988))。遺伝子発現のターゲッティング阻害に使用するためのこのような分子をデザインする技術は当業者に周知のものである。遺伝子発現の遺伝子特異的阻害はまた、通常の二本鎖RNA技術を用いて達成してもよい。このような技術は、出典明示によりその全開示内容を本明細書の一部とするWO 99/32619に見出せる。本発明のアンチセンス分子、三重らせんDNA、RNAアプタマーおよびリボザイムは、核酸分子の合成のための当技術分野で公知のいずれかの方法により調製することができる。これらのものとしては、固相ホスホルアミダイト化学合成などのオリゴヌクレオチドの化学合成のための技術が挙げられる。あるいは、本明細書に記載のポリペプチドの遺伝子をコードするDNA配列のインビトロ(in vitro)およびインビボ(in vivo)転写によりRNA分子を作製してもよい。このようなDNA配列は、T7またはSP6などの好適なRNAポリメラーゼプロモーターを用いて広範なベクターへ組み込むことができる。あるいは、アンチセンスRNAを構成的または誘導的に合成するcDNA構築物を細胞系統、細胞または組織に導入することもできる。
ベクターは利用可能な多くの手段により細胞または組織へ導入することができ、インビボ、インビトロまたはエクスビボ(ex vivo)で使用することができる。エクスビボ療法としては、患者から採取した幹細胞へベクターを導入し、クローン増殖させて、同じ患者へ自己移植片として戻せばよい。トランスフェクションおよびリポソーム注入による送達も、当技術分野で周知の方法を用いて達成することができる。本明細書では、たとえばこれらのタンパク質の抗体をデザインすること、かつ/または常法に従ってそのようなタンパク質の遺伝子へターゲッティングされた阻害型アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせんDNA、リボザイムおよびRNAアプタマーをデザインすることにより慢性の痛みを処置する方法として、関連の調節タンパク質、またはβ1もしくはγ4により修飾されたタンパク質の遺伝子の機能および/または発現を阻害できるということを意図している。このような慢性の痛みを処置するための阻害物質を含む医薬組成物も意図される。アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンス組換え発現ベクターは、当技術分野で公知のPain VDCCのサブユニットcDNA(たとえば、β1またはγ4 cDNA)の一つの既知のヌクレオチド配列に基づいてデザインすることができる。ヒトβ1サブユニットcDNAはGenbank(商標)(受託番号NM_000723)から入手でき、ヒトγ4サブユニットcDNAのヌクレオチド配列はGenbank(商標)(受託番号NM_014405)から入手できる。さらに、ラットβ1サブユニットcDNAのヌクレオチド配列はGenbank(商標)(受託番号NM_017346)から入手でき、ラットγ4サブユニットcDNAのヌクレオチド配列はGenbank(商標)(受託番号 AF361341)から入手できる。
別の種の細胞においてPain VDCCの活性を阻害するためには、種々の種の種々のサブユニット遺伝子の間で保存されているヌクレオチド配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドをデザインする(たとえば、ヒトおよびネズミ配列をはじめ、既知のサブユニット配列を比較することによる保存領域の同定に基づく)。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、遺伝子療法、および/またはPain VDCCのサブユニットの一つの遺伝子(たとえば、β1またはγ4遺伝子)の転写を阻害するのに十分な量および期間で被験体にそれらを外から投与すること、または細胞内におけるPain VDCCのサブユニットの一つ(たとえば、β1またはγ4遺伝子)のmRNAの翻訳により、細胞内でPain VDCCの活性を阻害するために使用できる。一つの実施形態では、アンチセンス核酸は、核酸をアンチセンス方向にサブクローニングした発現ベクター(すなわち、挿入された配列から転写された核酸は目的の標的核酸に対してアンチセンス方向になる)を用いて生物学的に生産することができる。このアンチセンス発現ベクターを、たとえば組換えプラスミド、ファージミドまたは弱毒ウイルスの形で細胞へ導入し、そこでそのベクターの効率のよい調節領域の制御の下、アンチセンス核酸が生産され、その活性はベクターが導入された細胞のタイプにより測定することができる。好ましくは、この組換え発現ベクターはレトロウイルス、アデノウイルスまたはアデノ随伴ウイルスベクターなどの組換えウイルスベクターである。
組換えレトロウイルスベクターを製造し、このようなウイルスをインビトロまたはインビボで細胞に感染させるプロトコールは、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, F.M. et al. (eds.) Greene Publishing Associates, (1989), Sections 9.10−9.14およびその他標準的な実験マニュアルに見出せる。好適なレトロウイルスの例としては、pLJ、pZIP、pWEおよびpEMが挙げられ、これらは当業者に周知のものである。好適なパッケージングウイルス系統の例としては、WCrip、yCre、y2およびyAmが挙げられる。アデノウイルスベクターは、Berkner et al.(1988) BioTechniques 6:616;Rosenfeld et al. (1991) Science 252:431−434;およびRosenfeld et al. (1992) Cell 68:143−155に記載されている。アデノウイルス株Ad 5型 d1324またはその他のアデノウイルス株(たとえば、Ad2、Ad3、Adzなど)に由来する好適なアデノウイルスベクターが当業者に周知である。アデノ随伴ベクター(AAV)についてはMuzyczka et al. Curr. Topics in Micro. and Immunol. (1992) 158:97−129)に総説がある。好適なAAVベクターの例は、Tratschin et al. (1985) Mol. Cell. Biol. 5:3251− 3260に記載されている。
アンチセンス方向に核酸を含む組換え発現ベクターを細胞に導入すると細胞内でアンチセンス核酸が生じ、これにより細胞内でPain VDCCの活性が阻害される。このベクターは、細胞内に核酸を導入するための常法により細胞内へ導入することができる。ウイルスベクターを用いる場合は、この細胞を標準的な技術によりベクターに感染させることができる。細胞はインビトロまたはインビボにおいて感染させることができる。非ウイルスベクター、たとえばプラスミドを用いる場合は、たとえばリン酸カルシウム沈降法、DEAEデキストラントランスフェクション、エレクトロポレーションまたは細胞トランスフェクションのためのその他好適な方法によってベクターを細胞に導入することができる。
さらに、本発明は、慢性神経痛の処置のために有用な化合物を同定する方法に関し、その方法は、a)Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのリガンドを、試験化合物の存在下および不存在下で、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルと接触させること;およびb)試験化合物が、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのリガンドと、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルとの結合を変化させるかどうかを判定することを含む。所望により、該方法はさらに、c)ステップ(b)においてCa2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのリガンドと、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルとの結合を変化させることが確認された化合物を加えるステップ;d)その化合物が慢性神経痛を軽減するかどうかを判定するステップ:およびe)ステップ(d)において慢性神経痛を軽減する化合物を慢性神経痛の処置に有用な化合物として同定するステップを含む。
さらにもう一つの実施形態では、細胞においてPain VDCC活性を阻害するために用いる核酸は、mRNA転写物など、Pain VDCCのサブユニットの一つをコードする一本鎖核酸を切断し得るリボザイムである。リボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNA(リボザイム)は、Pain VDCCのサブユニットの一つをコードするmRNAに対して特異性を有するようにデザインすることができる。たとえば、活性部位の塩基配列が、pain VDCC mRNA中で切断される塩基配列と相補的であるようなテトラヒメナ(Tetrahymena) L−19 IVS RNAの誘導体を構築することができる。リボザイムのデザインについての記載はたとえば、チェクら(Cech et al.)米国特許第4,987,071号;チェクら(Cech et al.)米国特許第5,116,742号を参照。あるいは、Pain VDCCのサブユニットの一つ(たとえば、β1またはγ1サブユニット)のRNAを用いて、RNA分子のプールからPain VDCCのサブユニットの一つのRNAに対して特異的リボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNAを選択することもできる。リボザイムの選択についての記載はたとえば、Bartel, D. and Szostak, J.W. Science 261:1411−1418 (1993) を参照。リボザイムは、転写された際にリボザイムを産生する核酸を含む組換え発現ベクター(たとえば、上記のようなウイルスベクター)を構築することにより細胞に導入することができる(すなわち、リボザイムをコードするDNAを常法により組換え発現ベクター中へクローニングする)。
本発明のあるさらなる好ましい実施形態では、Pain VDCCに、またはγ4サブユニットに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントを提供する。抗体は、サブユニットCa2.2(α1B)、α2δ1、β1に対するものが商品として入手可能である。本発明には、示差的に発現される1以上のPain VDCCの遺伝子エピトープを特異的に認識し得る抗体を生産する方法が記載されている。このような抗体としては、限定されるものではないが、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAbs)、ヒト化またはキメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、Fab発現ライブラリーにより生産されたフラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメントが挙げられる。このような抗体は、たとえば、生体サンプル中のフィンガープリントとしてのPain VDCC遺伝子の検出において、あるいはまた異常なPain VDCC活性の阻害のための方法としても用いることができる。
よって、このような抗体はヒトおよび獣医学上の患者の慢性神経痛を抑制するために利用し得る。慢性神経痛は外傷による、または糖尿病、帯状疱疹もしくは後期癌などの疾病による、または化学的傷害(たとえば、数種の抗HIV薬)による神経の損傷からくるものである。また、慢性神経痛は切断術(乳房切除術を含む)後に発症する場合もあり、何らかの腰痛にも関係がある(Portenoy RK. Neuropathic pain. In: Portenoy RK, Kanner RM, (Eds) Pain Management: Theory and Practice. Philadelphia: FA Davis, 1996, pp 83−125)。示差的発現遺伝子に対する抗体を生産するためには、示差的発現遺伝子タンパク質またはその一部を注射することにより、種々の宿主動物を免疫化すればよい。このような宿主動物としては、限定されるものではないが、いくつか挙げるとウサギ、マウス、およびラットである。宿主種に応じて免疫応答を増強するために、限定されるものではないが、フロイント(完全および不完全)アジュバント、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル、リソレシチンのような界面活性剤、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルション、キーホールリンペット・ヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびにBCG(bacille Calmette−Guerin)およびコリネバクテリウム・パルブム(Corynebacterium parvum)のような有用である可能性のあるヒトアジュバントをはじめとする種々のアジュバントを用いてもよい。
ポリクローナル抗体とは、標的遺伝子産物のような抗原、またはその抗原的に機能性のある誘導体で免疫化した動物の血清に由来する抗体遺伝子のヘテロな集団である。ポリクローナル抗体を生産するには、上記のような宿主動物を、上記のようなアジュバントを添加した示差的発現遺伝子産物を注射することで免疫化すればよい。モノクローナル抗体とは、特定の抗原に対する抗体のホモな集団であり、連続的培養細胞系統による抗体分子の生産を提供するいずれの技術によって得てもよい。これらのものとしては、限定されるものではないが、コーラーおよびミルスタイン(Kohler and Milstein)のハイブリドーマ技術(たとえば、米国特許第4,376,110号)、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(たとえば、Cole et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:2026−2030)、およびEBVハイブリドーマ技術(たとえば、Cole et al., 1985, Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77−96)が挙げられる。このような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgDおよびそのいずれかのサブクラスをはじめ、いずれの免疫グロブリン種のものであってもよい。本発明のmAbを産生するハイブリドーマはインビトロまたはインビボで増殖させることができる。インビボにおいて高力価のmAbが生産できれば、これはこれまでのところ好ましい生産方法となる。さらに、適当な抗原特異性のマウス抗体分子に由来する遺伝子を適当な生物活性のヒト抗体分子に由来する遺伝子とともにスプライシングすることによる、「キメラ抗体」の産生のために開発された技術(たとえば、Morrison et al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci., 81:6851−6855)も使用できる。キメラ抗体とは、ネズミmAbに由来する可変領域または超可変領域とヒト免疫グロブリン定常領域を有するものなど、異なる部分が異なる動物種に由来する分子である。
あるいは、単鎖抗体の生産のために記載の技術(たとえば、米国特許第4,946,778号)を示差発現される遺伝子単鎖抗体を生産するために採用することができる。単鎖抗体はFv領域の重鎖フラグメントと軽鎖フラグメントをアミノ酸橋を介して結合することにより形成し、単鎖ポリペプチドとする。
最も好ましくは、「ヒト化」抗体の生産に有用な技術を、本明細書に開示するポリペプチド、フラグメント、誘導体および機能的同等物に対する抗体を生産するために採用することができる。このような技術は、たとえば出典明示によりその全開示内容を本明細書の一部とする米国特許第5,770,429号に開示されている。
特異的エピトープを認識する抗体フラグメントは公知の技術によって作製することができる。本発明の好ましい抗体はPain VDCCの少なくとも一つの活性を有する。
さらに、本発明は、医療における、特に慢性神経痛の処置用薬剤の製造のための、本明細書に開示するような抗体、またはCa2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのβ1およびγ4サブユニットに結合する化合物の使用に関する。
Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのβ1およびγ4サブユニットに結合する化合物はインビトロにて溶液、たとえば水溶液または懸濁液の形で、また、インビボにて、たとえば懸濁液もしくは水溶液として、もしくは固形のカプセル剤もしくは錠剤として腸内または非経口、有利には経口にて適用することができる。
ゆえに、本発明はさらに
(a)慢性神経痛の処置方法であって、そのような処置を必要とする患者に、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのβ1およびγ4サブユニットに結合する有効量の化合物を投与することを含む方法、および
(b)Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのβ1およびγ4サブユニットに結合する化合物、および医薬上許容される担体または希釈剤を含む、慢性神経痛の処置のための医薬組成物
を提供する。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、これらの実施例は例示を目的として示されるものであって、本発明を限定するものではない。
実施例1:ナイーブおよび神経性痛覚過敏症動物モデルにおけるVDCCサブユニットの発現プロファイリング
(1)ナイーブラットDRGにおけるVDCCサブユニットの遺伝子発現:まず、表1に記載の全てのプライマーセットを用いてナイーブDRG全RNAの遺伝子発現を試験する。全RNAサンプルは、Tri試薬(Sigma)を製造業者の使用説明書に従って用いて、10匹のナイーブラットからの摘出DRG組織から調製する。2μgの全RNAを37℃で5分間、0.2単位のRNアーゼフリーDNアーゼI(Roche Diagnostics)で処理し、RNAイージーカラム(Qiagen)を製造業者の使用説明書に従って用いて精製する。RNAの濃度はODにて測定する。DNアーゼで処理したRNA 2μgを、First strand cDNA合成キット(Amersham Pharmacia)を製造の使用説明書に従い66μl量(反応物の2倍)で用いてcDNAへと転写する。cDNAサンプルを希釈して25ng/μl RNA当量cDNAとし、50ngを、Qiagen Hot Start Taqポリメラーゼ(Qiagen)を用いた標準RT−PCR反応に用いる(アニーリング温度は50〜60℃)。
Figure 2005520522
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表1 VDCCサブユニット遺伝子に対してデザインされたPCRプライマー。R、MまたはHで始まる受託番号はそれぞれラット、マウス、またはヒトcDNA配列に相当する。これらの配列に対してPCRプライマーがデザインされる。異なる配列を有するγ5サブユニットがGenbankに寄託されている。Ca1.1(α1S)遺伝子は、骨格筋特異的であると考えられるが、その後の報告でこの遺伝子の神経発現のレベルが低いことが報告されたことから分析しなかった。
もし、標準的なアガロースゲル電気泳動後に正確な大きさの産物が明瞭になれば、遺伝子はナイーブラットDRGで発現されるとみなされる。次に、LightCycler Technology(Roche Diagnostics)を用いた定量的RT−PCR分析のためにβ、γおよびα2δおよび Ca2.2(α1B)サブユニットに対するプライマーを最適化する。ナイーブラットDRG cDNAはLightCycler Faststart DNA Master SYBR Green Iキット(Roche Diagnostics)を用いて示唆された条件を用いて増幅する。アニーリング温度は実験的に決定する。最適化されたところで、それらの条件を用いて、以下に記載のように、神経痛モデルおよび対照に由来するcDNAのパネルをスクリーニングする。次のような4つの神経痛動物モデルを用いる。
1.)Seltzerのモデル:Seltzerのモデル(Seltzer et al., (1990) Pain 43: 205−218)では、ラットを麻酔し、片方の大腿(通常は左)の正中を上に向かって小さく切開して座骨神経を露出させる。この神経を、二頭筋後方に半腱様筋神経が総座骨神経に分岐する点の少し遠位の転子付近の部位の周囲の結合組織を丁寧に除去する。シルク7−0のシルク縫合糸を3/8のカーブしたリバーブカッティング(reverved−cutting)ミニニードルで神経の中へ通し、背側1/3〜神経の厚みの1/2が結紮内に保持されるようにしっかり結紮する。筋肉と皮膚を縫合糸とクリップで閉じ、傷口に抗生物質粉末を付けた。擬似手術動物では、座骨神経を露出させるが、結紮せずに、擬似手術でない動物と同様に傷口を閉じる。
2.)慢性痙攣傷害(CCI)モデル:CCIモデル(Bennett, G.J. and Xie, Y.K. Pain (1988)_33:87−107)では、ラットを麻酔し、片方の大腿(通常は左)の中央を上に向かって小さく切開して座骨神経を露出させる。神経は周囲の結合組織を除去し、4/0クロムガットを4箇所、各およそ1mm間隔で、結紮が神経の表面をわずかに締め付けるように神経をゆるく縛る結紮を作る。上記のように縫合糸とクリップで傷口を閉じる。擬似手術動物では、座骨神経を露出させるが、結紮せずに、擬似手術でない動物と同様に傷口を閉じる。
3.)軸索切断術モデル:軸索切断術モデルは、座骨神経を完全に切断して、結紮することを含む。神経の末端は神経腫を形成するが、このモデルでは神経は再生されず、脚は永久的に麻痺するので行動相関はない(Wall et al., (1979) Pain: 7:103−113)。
4.)Chungのモデル:末梢神経の損傷を含むSeltzerのモデルおよびCCIモデルとは対照的に、Chungのモデルは脊椎神経の結紮を含む(Kim, S.O. and Chung, J.M. Pain (1992): 50: 355−363)。このモデルでは、ラットを麻酔し、腹臥位に置き、脊椎の左をL4−S2レベルで切開する。座骨神経は分岐してL4、L5およびL6の脊椎神経を形成しているので、脊椎側部の筋肉を深く切開し、L4−S2レベルで脊椎突起から筋肉を分離すると、座骨神経の部分が現れる。L6横突起を骨鉗子で慎重に除去すると、これらの脊椎神経が見える。L5脊椎神経を単離し、7−0シルク縫合糸で強く結紮する。一重筋肉縫合糸(6−0)シルクと1個または2個の皮膚縫合クリップで傷口を閉じ、抗生物質粉末を付ける。擬似手術動物では、L5神経を上記のように露出させるが、結紮せずに、上記のように傷口を閉じる。
痛みのモデルのバリデーション:全ての慢性痛モデルにおいて、機械的痛覚過敏症を、Analgesymeter(Ugo−Baile, Milan)を用いて加圧刺激の上昇に対する両後脚の払いのけ閾値を測定することで評価する。機械的異痛症は、両後足の足底表面にvon Frey hairによって与えた無毒な機械的刺激に対する払いのけ閾値を測定することで評価する。熱性痛覚過敏症は、各後足の下側に与えた無毒な熱刺激に対する払いのけ待ち時間(withdrawal latencies)を測定することで評価する。全てのモデルで機械的痛覚過敏症および胃痛症および熱性痛覚過敏症が外科術後1〜3日以内に発症し、少なくとも50日持続する。本明細書に開示される実施例では、上記の痛みのモデルには雄のウイスターラットを用いる。ラットの体重は外科術時およそ120〜14gであった。外科術は全て、エンフルラン/O2吸入麻酔下で行う。全ての場合、手術後傷を閉じ、動物を覚醒させた。軸索切断モデル以外は全て、顕著な機械的および熱性の痛覚過敏症を発症し、痛み閾値の低下と接触、熱刺激の圧力に対する後足の反射応答の上昇が見られる。外科術後、動物はまた外科術を施された足に特徴的な変化を示す。大多数の動物では外科術を施された後足の指が一緒に曲がり、足が若干片側にねじれ、中には足指が下へ丸まってしまったラットもあった。結紮したラットの歩行は様々であるが、跛行は全般的なものではなかった。ケージの床面から外科術を受けた後足を浮かせているラット、また、捕まえた時に通常見られないような後脚の剛直な引き延ばしを示すラットもいた。これらのラットは接触に極めて敏感であり、鳴き声を上げる傾向がある。その他、ラットの全般の健康状態および症状は良好であった。
動物モデルから採取した背根神経節からのRNA発現:神経損傷と同側のL4およびL5背根神経節を、外科術後14日、21日、28日および50日目に神経痛のラットモデルから取り出す(上記)。対側のL4および L5 DRGを、擬似手術動物からのDRGと同様に対照サンプルに関して採取する。Tri試薬(Sigma)を製造業者の使用説明書に従って用いて分離したDRG組織から全RNAサンプルを調製する。2μgの全RNAを37℃で5分間、0.2単位のRNアーゼフリーDNアーゼI(Roche Diagnostics)で処理し、RNAイージーカラム(Qiagen)を製造業者の使用説明書に従って用いて精製する。RNAの濃度はODにて測定する。DNアーゼで処理したRNA 2μgを、First strand cDNA合成キット(Amersham Pharmacia)を製造の使用説明書に従い66μl量(反応物の2倍)で用いてcDNAへと転写する。LightCyclerm分析のため、cDNAサンプルを希釈して12.5ng/μl RNA当量cDNAとする。ナイーブラットDRG(50〜1ng)からの既知濃度のRNA当量cDNAの標準曲線をサンプルパネルに沿って作製する。増幅の直線範囲において相対的交点を求め、これを用いてサンプルのメッセージレベルの定量を行う。各3回試験を行い、全ての値の平均をとり、標準誤差を求める。b−アクチンmRNAのレベルも市販のプライマー(Ambion、カタログ番号1720)およびLightCycler Faststart DNA Master SYBR Green Iキット(Roche Diagnostics)を用いて求める。VDCCサブユニットの遺伝子レベルを、cDNA合成の効率が異なることを考慮してb−アクチンに対してノーマライズする。標準誤差は誤差の伝播式(Miller and Miller, 2000;Statistics and Chemometrics for Analytical Chemistry. Published by Prentice Hall (Harlow) を用いて計算する。実験サンプルおよび対照サンプルからのデータは、Kruskal−Wallis ANOVAをダンの試験後多元比較とともに用いて統計学的に比較する。
擬似手術と対照のmRNAレベルを各遺伝子の神経痛モデルmRNAレベルと比較する。Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットは擬似手術および対照と比較してSeltzer、軸索切断、およびCCIサンプルで発現のレベルの上昇を示すことが明らかである(表2)。他のタイプのVDCCチャネルサブユニットをコードする他の遺伝子は低レベルの遺伝子調節しか示さない。Seltzer、CCIおよび軸索切断モデルにおいて一貫した調節を行うサブユニットをさらにChungモデルのサンプルで試験する。
表2は結果の要約を示す。
Figure 2005520522
実施例2:スクリーニング法
Pain VDCC活性を調節する化合物を、たとえば、45Caの取り込みを測定することにより細胞内カルシウムレベルの変化を測定するか、またはカルシウム感受性色素を用いて細胞内カルシウムの蛍光測定法(蛍光アッセイ)によりPain VDCCを通るカルシウム流を調節するそれらの能力に関してスクリーニングする。これをたとえば次の2つのスクリーニングアッセイを用いて証明する。
カルシウム取り込みアッセイ:Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるヒトN型電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)を発現するチャイニーズハムスター卵巣(ICN Pharmaceuticals Ltd., Basingstoke, Hampshire, U.K.)細胞(ここでは、組換え細胞と呼ぶ)の培養物を多重カセットをタンデムで用いて調製する。たとえば、IRES(Chappell SA et al, PNAS, 97: 1536−1541)を用いてタンデムに2つのサブユニットのcDNAをクローニングし、他の2つのサブユニットのcDNAを用いて繰り返し、pBudCE4ベクター(Invitrogen, California, U.S.)中の2つの多重クローニング部位を両対をクローニングし、細胞系統へトランスフェクトする。さらに、これらの細胞を、標準プロトコール[McIntyre et al., J. British Journal of Pharmacology 132:1084−1094 (2001)]を用いてカルシウムチャネル(たとえば、Kir2.1チャネル、Genbank受託番号AF011904)でトランスフェクトする。以下のプライマーを用いてヒト血液好酸球から調製した全RNAサンプルからRT−PCRによりヒトKir 2.1のコード配列を増幅する(DD10フォワード: ATG GGC AGT GTG CGA ACC AAC CGC TAC (配列番号10);DD10リバース: TCA GTC ATA TCT CCG ATC CTC GCC GTA (配列番号11))。PCR産物をpCR4−TOPOベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA)中にクローニングし、常法に従って配列決定する。細胞を96ウェルプレートの一ウェルにつき25000の密度でプレーティングし、MEM培地中、5%CO下、37℃で一晩培養する。アッセイ当日、カルシウム/マグネシウムフリーHBSS+10mM HEPES、pH7.4で細胞を4回洗浄する。全ての工程を室温で行う。洗浄後、ウェルに約50μlのバッファーを入れる。試験化合物を25μlのバッファー中に加える。カルシウムチャネルは、細胞外カリウム濃度を45Ca2+/mlの370KBqを含有するCa2+/Mg2+フリーバッファー中〜80mMまで引き上げて膜の脱分極を誘発することにより活性化させる。陰性対照では、カリウムが除かれている。サンプルを室温で15分間インキュベートした後、HBSS/10mM HEPES pH 7.4で5回洗浄する。ウェルから残りのバッファーを除去し、25μlの0.3% SDSに置き換える。約10分後、200μlのMicroscint 40シンチラントを加え、Packard Topcountでサンプルのカウントを行う。
対象化合物は1nM〜10μMの範囲でCa2+の取り込みを効果的にブロックする(=IC50)。あるいは、Pain VDCCを発現する細胞におけるこのCa2+取り込みブロック能を、Pain VDCCを発現しない細胞と比較する。
蛍光アッセイ:Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるヒトN型電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の培養物を多重カセットをタンデムで用いて調製する(他の方法は上記に同じ)。さらに、これらの細胞をカリウムチャネル(Kir2.1チャネル)でもトランスフェクトする。
試験化合物の活性を、[Ca2+]iの細胞内変化を測定するためのカルシウム感受性色素を用いる蛍光アッセイを用いて検討する。細胞を96ウェルCostar透明底のブラックプレートの一ウェルにつき25,000の密度でプレーティングし、MEM培地中、5%CO下、37℃で一晩培養する。アッセイ当日、0.01%プルロニックF−127を含有するアッセイバッファー[10mM N−2−(ヒドロキシエチルピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸](HEPES)、pH7.4を含有するハンクのバランス塩溶液(HBSS, Invitrogen)]で構成した2μM fura−2/AMまたは2μM fura−6F(Molecular Probes)のいずれかで、室温にて30分間、細胞をインキュベートする。アッセイバッファーで2回洗浄した後、試験化合物(最終濃度1nM〜10μMの範囲)を含有するアッセイバッファーまたは必要な場合にアッセイバッファー単独100μlを各ウェルに加え、プレートをMolecular Devices Flexstationに入れる。蛍光を、励起波長340および380nm、発光波長520nmを用い、4秒間隔で1分にわたって測定する。N型カルシウムチャネルは、HBSS中480mMのKCl 20μlを加えて細胞外カリウム濃度を引き上げ、膜の脱分極を誘発することにより活性化する。各時点での、340および380nmでの励起の後の蛍光強度比を算出する。カリウムにより誘発された応答は(刺激後の4時点の平均比)−(基底比)として算出する。対象化合物は、1nM〜10μMの範囲で、340および380nmでの励起の後の蛍光強度比を効果的に低下させる(=IC50)。あるいは、Pain VDCCを発現する細胞における蛍光強度比を低下させる能力を、Pain VDCCを発現しない細胞の場合と比較することもできる。
実施例3:β1またはγ4に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド
アンチセンスオリゴヌクレオチドの合成:β1またはγ4の発現をはじめ、遺伝子発現を阻害するのに有用なアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)は常法に従って作製することができる。たとえば、β1またはγ4に対するASOは完全にまたは部分的にホスホロチオエート化されていてもよいし、あるいは、両末端がMOE(メトキシエトキシ)基で修飾されたヌクレオチドを有する完全または部分的ホスホジエステル18マーであってもよい。これらは常法に従い、ホスホルアミダイト化学法を用いて合成し、HPLC精製し、エレクトロスプレー質量分析法およびキャピラリーゲル電気泳動法により同定することができる。それぞれ38〜72%の間のGC含量を有するASOを選択し、たとえばラットまたはヒトβ1またはγ4のコード領域の部分と相補的となるよう合成すればよい。誤対合を含む対照オリゴヌクレオチドについては、対合するオリゴヌクレオチドのおよその塩基組成を保持し得る。さらに、たとえば一方はラットGAPDHコード領域に対するもの、もう一つはランダム合成ASOというように2つの対照ASOを選択してもよい。抗ラットGAPDHオリゴヌクレオチドの形式は抗β1またはγ4オリゴヌクレオチドの場合と同様であってもよく、合成オリゴヌクレオチドは、その配列の両末端において、中央のホスホロチオエートまたはホスホロジエステルDNA残基により、そのMOEリボヌクレオチドに修飾を有してもよい。
β1またはγ4 ASOのインビトロ選択:当業者に公知の方法を用いて、その後の分析(たとえば、インビボ標的バリデーション)のために最も有効なASOを同定するために、インビトロにおいてASO候補のコレクションから最適なASOを選択してもよい。このようなASO候補は、誤対合ASO(すなわち、不活性な保存的突然変異を有すること以外は同一のASO)、ビヒクル、および/または非処理対照と比較試験を行ってもよい。最適な候補ASO配列がアンチセンスとして同定されれば、インビボ適用により適合し、かつ、同じ最適標的配列に基づく化学誘導体および形式が合成でき、さらにはインビボ投与できる。
トランスフェクションプロトコール:ASOのトランスフェクションは当業者に公知の方法に従って行うことができる。たとえば、トランスフェクション24時間前に2×10の細胞、たとえばチャイニーズハムスター卵巣細胞(ICN Pharmaceuticals Ltd., Basingstoke, Hampshire, U.K.)を6ウェルプレートに一ウェルにつき2mlの量(F12 Nutrient mix (DMEM)、100単位/mlペニシリン、100mg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、10%ウシ胎児血清(GIBCO−BRL, Rockville, MD))を入れ、5%CO下で70〜80%密集となるまで培養すればよい。トランスフェクションの当日、リポフェクチン(商標)を血清フリーOptiMEM(GIBCO−BRL, Rockville, MD)に希釈する(1ml OptiMEM中へ、目的最終オリゴヌクレオチド濃度100nMにつき3μlのLipofectin(商標))ことでトランスフェクション2倍原液を調製し、室温で15分間インキュベートする。次にこの溶液を、OptiMEM中に目的最終濃度の2倍量のASOを含有する2倍ASO溶液と1:1混合する。このトランスフェクション混合物を室温で15分間インキュベーションしてトランスフェクション複合体を形成させた後、事前に吸引したウェルの各細胞に2mlを添加し得る。リポフェクチン(商標)試薬のみの対照と通常細胞の対照(非処理)も含み得る。37℃で4時間インキュベーションした後、MEM(Invitrogen, Carlsbad, CA)中50%のFBS 500μlを各ウェルに加え、最終FBS濃度10%とする。次にこれらの培養物を、5%COを含む加湿インキュベーター内、37℃にて、mRNAの回収のためには24時間、タンパク質の回収および電気生理学のためには48時間インキュベートすればよい。
リアルタイム定量的PCR mRNA分析は当技術分野で標準的な方法に従って行ってよい。たとえば、RNイージー96キット(Qiagen, GmBH, Germany)を製造業者のプロトコールに従って用いて全RNAを単離してもよい。このRNAサンプルをそれぞれ1ng/Lに希釈する。次に、各サンプルのRNA 5ngを遺伝子特異的検出プライマー(当業者ならば容易に決定できる)、また、リアルタイム定量的PCR反応キットPLATINUM(登録商標)Quantitative RT−PCR THERMOSCRIPT(商標) One−Step System(Gibco−BRL, Rockville, MD)からの適当な試薬と混合し、製造業者のプロトコールに従って行う。適当な配列を有するラットβ1またはγ4プライマーはPE Applied Biosystems(Foster City, CA)から購入してもよい。比較のための対照遺伝子としてGAPDHを選択してもよい。同じこれらのRNAサンプルをTaqManR Rodent GAPDH Control Reagents Kit(PE Applied Biosystems, Foster City, CA)からのラットGAPDHプライマーとともに実施してもよい。配列特異的な蛍光発光シグナルは、ABI PRISM(商標)7700 Sequence Detector(PE Applied Biosystems, Foster City, CA)を用いて検出し得る。これらのサンプルとともに、純粋な鋳型mRNAの希釈物の標品を試験して、全RNAの挿入量についての絶対濃度を得てもよい。
インビトロβ1またはγ4 RNA分析:用量応答対、誤対合:β1またはγ4特異的ASOを、元の対合ASOと比較した場合にそれぞれ突然変異を有する誤対合対照とともに合成してもよい。要するに、たとえば、3’および5’末端において2’−O−(2−メトキシエチル)(MOE)基で修飾された5個のヌクレオチドを有する完全ホスホジエステル18マーをホスホルアミダイト化学法(Martin, P and Natt, F. EP 99−119768, US 98−168447, CAN 132:279477, AN 2000:240734)を用いて合成し、HPLC精製し、エレクトロスプレー質量分析法およびキャピラリーゲル電気泳動法により同定することができる。次に、比較的高レベルの内在β1またはγ4 mRNAを発現する細胞系統で実施したインビトロアッセイにおいてリアルタイム定量的PCRによって判定した場合に、β1またはγ4 mRNAレベルの阻害において最も効率的なASOを決定すればよい。その後、これらを、再びこれらの細胞系統に対する用量応答実験で適当な誤対合対照に対して試験してもよい。
インビボアッセイ:インビトロで作製された用量応答データに基づき、たとえば、ASOの完全または部分的ホスホジエステル型、および3’および5’末端において2’−O−(2−メトキシエチル)(MOE)基で修飾された5個のヌクレオチドを有するミスセンスオリゴヌクレオチド(MSO)18マーをインビボで用いてもよい。次に、ASO、MSOまたはビヒクルを最大7日間、所望の濃度でラット(たとえば、ウイスター)に送達し、脊髄および背根神経節内の細胞体にこのオリゴヌクレオチドまたはビヒクルを取り込ませてもよい。ASOおよびMSOは、座骨神経結紮24時間前または14日後、またはCFA注射の24時間前に挿入した留置カニューレを通じて髄腔内投与してもよい。ラットを麻酔し、正中のすぐ側方で、腹側腸骨棘の約10mm尾側の背の皮膚を切開する。滅菌カテーテル(ポリエチレンPE10管)を、ガイドカニューレ(20ゲージニードル)を通じて挿入し、髄腔内空間内を頭蓋側へ3cmほぼL1レベルまで進めればよい。次にこのカテーテルを、ASO、MSOまたは生理食塩水(1μl/時、7日を送達する)オスモティックミニポンプ(Alza corporation, Palo Alto, CA)と接続し、これを左または右側腹部に皮下挿入すればよい。その後、傷口を創傷クリップで閉じ、抗生物質粉末をつければよい。次に、最大許容量を確定するため、予備実験を行う。機械的痛覚過敏症、異痛症は、痛覚過敏症の逆転におけるβ1またはγ4アンチセンスオリゴヌクレオチドの効果を評価するための下記の方法で測定すればよい。機械的痛覚過敏症は、Analgesymeter(Ugo−Basile, Milan)を用いて加圧刺激の上昇に対する両後足の払いのけ閾値を測定することにより評価できる。カットオフは250gに設定し、終了点は払いのけ、発声、または明確な苦痛とする。外科術後には65gより低い加圧刺激での足の払いのけは見られない。機械的異痛症は、両後足の足底表面に、カスタムメードのvon Frey hairsで与えた無毒な機械的刺激に対する払いのけ閾値を測定することにより評価できる。動物を個々に金網底のケージに入れ、同時に6個体の群を試験し、約30分間順化させる。次に、von Frey hairs試験を、1回6秒までで、力のオーダーを段階的に高めながら、払いのけ応答が起こるまで行えばよい。なお、20.6gをカットオフとする。これを、もう一度最小の力では応答しないことを試験することで払いのけ閾値であることを確認すればよい。各動物は無作為な順番で一度だけ試験する。機械的痛覚過敏症および異痛症データの統計学的有意性は、ANOVA、次にTukeyのHSD検定を用い、アッセイした種々の実験動物群から得ればよい。
【配列表】
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Claims (17)

  1. a)組換え細胞を試験化合物と接触させるステップ(該組換え細胞は、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなる少なくとも一つのN型電位依存性カルシウムチャネルを発現する。ただし、該細胞は機能的カルシウムチャネルを発現しないものとする。);および
    b)該化合物の、該細胞へのカルシウム流を調節する能力を判定するステップ
    を含む、化合物のスクリーニング方法。
  2. 組換え細胞が、また、カリウムチャネルも発現する、請求項1に記載の方法。
  3. 試験化合物の能力が、さらに、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルを含まない細胞へのカルシウム流を調節する試験化合物の能力と比較される、請求項1に記載の方法。
  4. 慢性神経痛の処置に有用な化合物を同定する方法であって、a)Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのリガンドを、試験化合物の存在下および不存在下で、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルと接触させること;およびb)試験化合物が、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのリガンドと、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルとの結合を変化させるかどうかを判定することを含む方法。
  5. 方法がさらに、c)ステップ(b)においてCa2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのリガンドと、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルとの結合を変化させることが確認された化合物を加えるステップ;d)その化合物が慢性神経痛を軽減するかどうかを判定するステップ:およびe)ステップ(d)において慢性神経痛を軽減する化合物を慢性神経痛の処置に有用な化合物として同定するステップを含む、請求項4に記載の方法。
  6. Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットが、
    a)配列番号8もしくは9、または配列番号8もしくは9と80%の配列同一性を有するその変異体(Ca2.2(α1B)に関して);
    b)配列番号6もしくは7、または配列番号6もしくは7と80%の配列同一性を有するその変異体(α2δ1に関して);
    c)配列番号1もしくは2、または配列番号1もしくは2と80%の配列同一性を有するその変異体(β1に関して);および
    d)配列番号3、4もしくは5、または配列番号3、4もしくは5と80%の配列同一性を有するその変異体(γ4に関して)
    からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 試験化合物がアンチセンスヌクレオチド配列である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. Pain電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)(該VDCCは、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなる。)と特異的に結合する、精製抗体またはそのフラグメント。
  9. Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットが、
    a)配列番号8もしくは9、または配列番号8もしくは9と80%の配列同一性を有するその変異体(Ca2.2(α1B)に関して);
    b)配列番号6もしくは7、または配列番号6もしくは7と80%の配列同一性を有するその変異体(α2δ1に関して);
    c)配列番号1もしくは2、または配列番号1もしくは2と80%の配列同一性を有するその変異体(β1に関して);および
    d)配列番号3、4もしくは5、または配列番号3、4もしくは5と80%の配列同一性を有するその変異体(γ4に関して)
    からなる、請求項8に記載の抗体。
  10. FabまたはF(ab’)フラグメントである、請求項8に記載の抗体フラグメント。
  11. ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体または単鎖抗体である、請求項8に記載の抗体。
  12. 試験化合物が請求項6の抗体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  13. 医療における請求項8〜11のいずれか一項に記載の抗体の使用。
  14. 慢性神経痛の処置用薬剤の製造のための請求項8〜11のいずれか一項に記載の抗体の使用。
  15. 慢性神経痛の処置用薬剤の製造のための、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのβ1およびγ4サブユニットに結合する化合物の使用。
  16. 慢性神経痛の処置方法であって、そのような処置を必要とする患者に、Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのβ1およびγ4サブユニットに結合する有効量の化合物を投与することを含む方法。
  17. Ca2.2(α1B)、α2δ1、β1およびγ4サブユニットからなるN型電位依存性カルシウムチャネルのβ1およびγ4サブユニットに結合する化合物、および医薬上許容される担体または希釈剤を含む、慢性神経痛の処置のための医薬組成物。


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