JP2003033199A - スクリーニング方法 - Google Patents

スクリーニング方法

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JP2003033199A
JP2003033199A JP2002121813A JP2002121813A JP2003033199A JP 2003033199 A JP2003033199 A JP 2003033199A JP 2002121813 A JP2002121813 A JP 2002121813A JP 2002121813 A JP2002121813 A JP 2002121813A JP 2003033199 A JP2003033199 A JP 2003033199A
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salt
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JP2002121813A
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English (en)
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Akiyoshi Tani
昭義 谷
Susumu Honda
進 本多
Tsuneo Yasuma
常雄 安間
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨(または軟骨)形成や骨芽細胞(または軟
骨細胞)分化などの調節に関与する生体物質を同定し、
その生体物質の生理活性を調節し得る物質のスクリーニ
ング手段を提供し、それによって骨疾患に対して優れた
予防・治療効果を有する薬剤を提供する。 【解決手段】 NRH:キノン酸化還元酵素(NQO
2)、その部分ペプチドまたはその塩を用いることを特
徴とする骨に対する作用を有する化合物またはその塩の
スクリーニング方法、該方法により得られる化合物を含
有してなる骨作用剤を提供する。また、NQO2の発現
もしくは活性を阻害もしくは促進することを含む、ヒト
や哺乳動物の骨疾患予防・治療方法を提供する。さら
に、NQO2またはその部分ペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド、あるいはNQO2、その部分ペプチドま
たはその塩に対して特異的親和性を有する抗体を含有し
てなる骨疾患診断薬を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NRH:キノン酸
化還元酵素(NQO2)を用いる骨疾患治療薬のスクリ
ーニング方法などに関する。
【0002】
【従来の技術】骨疾患には、骨折、骨変形・変形脊椎
症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症等の非代謝性
骨疾患、および骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、線維性骨
炎、腎性骨異栄養症、骨ぺーチェット病等の代謝性骨疾
患があるが、近年代謝性骨疾患が問題となっている。例
えば、代謝性骨疾患の一つである骨粗鬆症は、低骨量及
び骨組織の微細構造の変化によって生じる骨脆弱性およ
び易骨折症の増加を特徴とする全身性の疾患でありその
主な臨床症状は、後彎、腰背骨ならびに椎体、大腿骨頸
部、橈骨下端、肋骨、上腕骨上端などの骨折である。骨
組織では、常に骨形成と骨吸収による骨破壊とがバラン
スを保ちながら繰り返されており、骨形成では前駆骨芽
細胞を含めた骨芽細胞が、骨吸収では破骨細胞が中心的
な役割を担っており、その骨形成と骨吸収による骨破壊
とのバランスが崩れるときに骨の量的減少をともなう。
従来、骨粗鬆症の予防・治療薬としては、エストロゲン
剤、カルシトニン、ビスホスホネート等の骨吸収抑制物
質が主に使用されてきた。また、関節疾患は関節軟骨の
変性を主病変とする疾患(例えば、慢性関節リウマチま
たは変形性関節症等)である。軟骨はコラーゲンとプロ
テオグリカンによって構成される組織であるが、様々な
原因により、この軟骨組織からプロテオグリカン遊離が
促進され,かつ組織におけるプロテオグリカンの合成能
が低下し始める。同時にコラゲナーゼ−3などのマトリ
ックスメタロプロテアーゼの遊離・活性化が亢進し軟骨
組織のコラーゲンが分解される。これらの一連の反応に
よって軟骨組織の硬化および破壊が進み、次いで、病変
の進行により滑膜の増性、軟骨下骨の破壊、関節辺縁部
の軟骨肥大あるいは骨新生がおこり、関節の変形を経
て、重篤な場合には機能不全に至る。関節疾患は膝関節
に最も高頻度にみられるが、肘、股、足、指関節にもみ
られる。関節疾患のなかでも最も患者数の多い疾患は変
形性関節症であるが、本疾患の原因の一つとして加齢が
考えられているため、これからの高齢化社会においては
患者の増加が予想される。治療法としては、軟骨変性・
軟骨下骨硬化および破壊に伴う痛みを取る目的から鎮痛
消炎剤やヒアルロン酸製剤が用いられている。しかしな
がら、いずれも対症療法的に用いられているに過ぎず、
十分な効果はあげていない。軟骨形成促進、軟骨破壊抑
制および前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞の分化誘導促進
をはかることは、軟骨疾患の予防と治療に有効と考えら
れる。骨または関節疾患(例、軟骨疾患)の臨床におい
ては、その予防・治療に優れた効果を発揮する薬剤が今
なお望まれている。とりわけ、軟骨疾患に代表される関
節疾患に対する予防・治療に優れた薬剤が望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、骨(または
軟骨)形成や骨芽細胞(または軟骨細胞)分化などの調
節に関与する生体物質を同定し、その生体物質の生理活
性を調節し得る物質のスクリーニング手段を提供するこ
とにより、骨疾患(以下、本明細書においては、骨また
は関節における疾患を包括して「骨疾患」と称する)に対
して優れた予防・治療効果を有する薬剤を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、骨分化誘導
活性を示すクロモン誘導体が、予想外にもNRH:キノ
ン酸化還元酵素(NQO2)の活性を阻害することを見
いだした。本発明者らは、これらの知見に基づき、NQ
O2を用いることにより骨疾患に対する予防・治療効果
を有する物質を効率よくスクリーニングできることを見
いだした。本発明者らは、これらの知見に基づいて、さ
らに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)NRH:キノ
ン酸化還元酵素(NQO2)、その部分ペプチドまたは
その塩を用いることを特徴とする骨に対する作用を有す
る化合物またはその塩のスクリーニング方法、(2)骨
に対する作用が骨形成促進作用、骨芽細胞分化誘導作
用、骨芽細胞分化誘導促進作用、軟骨形成促進作用、軟
骨細胞分化誘導作用、軟骨細胞分化誘導促進作用または
BMP作用増強作用である第(1)項記載のスクリーニ
ング方法、(3)骨に対する作用が骨形成阻害作用、骨
芽細胞分化阻害作用、骨芽細胞分化誘導阻害作用、軟骨
形成阻害作用、軟骨細胞分化阻害作用、軟骨細胞分化誘
導阻害作用またはBMP作用抑制作用である第(1)項
記載のスクリーニング方法、(4)(i)NQO2、そ
の部分ペプチドまたはその塩に基質を接触させた場合と
(ii)NQO2、その部分ペプチドまたはその塩に基質
および試験化合物を接触させた場合の骨に対する作用の
比較を行なうことを特徴とする第(1)項記載のスクリ
ーニング方法、(5)NRH:キノン酸化還元酵素(N
QO2)、その部分ペプチドまたはその塩を含有する、
骨に対する作用を有する化合物またはその塩のスクリー
ニング用キット、(6)第(1)項記載のスクリーニン
グ方法または第(5)項記載のスクリーニング用キット
を用いて得られる骨に対する作用を有する化合物または
その塩、(7)第(1)項記載のスクリーニング方法ま
たは第(5)項記載のスクリーニング用キットを用いて
得られる化合物またはその塩を含有してなる骨作用剤、
(8)NRH:キノン酸化還元酵素(NQO2)阻害作
用を有する化合物またはその塩を含有してなる骨疾患の
予防・治療剤、(9)骨形成促進剤、骨芽細胞分化誘導
剤、骨芽細胞分化誘導促進剤、軟骨形成促進剤、軟骨細
胞分化誘導剤、軟骨細胞分化誘導促進剤またはBMP作
用増強剤である第(8)項記載の剤、(10)骨折、再
骨折、骨変形・変形脊椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不
全、側弯症、骨欠損、骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、線
維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ぺーチェット病、硬直性
脊髄炎症、変形性関節症または慢性関節リウマチの予防
・治療剤である第(8)項記載の剤、(11)NRH:
キノン酸化還元酵素(NQO2)促進作用を有する化合
物またはその塩を含有してなる骨疾患の予防・治療剤、
(12)NRH:キノン酸化還元酵素(NQO2)をコ
ードするポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはそ
の一部を含有してなるポリヌクレオチドを含有してなる
骨疾患の予防・治療剤、(13)NRH:キノン酸化還
元酵素(NQO2)、その部分ペプチドまたはその塩に
対する抗体を含有してなる骨疾患の予防・治療剤、(1
4)NRH:キノン酸化還元酵素(NQO2)、その部
分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる骨
疾患の診断薬、(15)哺乳動物体内におけるNRH:
キノン酸化還元酵素(NQO2)の発現もしくは活性
を、骨疾患の予防・治療に有効な程度阻害もしくは促進
することを含む、該哺乳動物の骨疾患の予防・治療方
法、(16)NRH:キノン酸化還元酵素(NQO2)
の発現もしくは活性を阻害もしくは促進する化合物また
はその塩を、骨疾患の予防・治療に有効な量哺乳動物に
投与することを含む、該哺乳動物の骨疾患の予防・治療
方法、および(17)骨疾患の予防・治療剤の製造のた
めの、NRH:キノン酸化還元酵素(NQO2)の発現
もしくは活性を阻害もしくは促進する化合物またはその
塩の使用を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】[1]NQO2蛋白質 本発明のスクリーニング方法に用いられるNQO2(以
下、本発明の蛋白質という場合もある)は、配列番号:
2または4で表わされるアミノ酸配列またはそれと実質
的に同一のアミノ酸配列を含有し、NRH:キノン酸化
還元作用を有する酵素であれば如何なるものであっても
よい。また、NQO2は、ヒトや他の哺乳動物(例え
ば、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞(例えば、脾細
胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メ
サンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮
細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪
細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細
胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基
球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨
細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは
間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしく
はガン細胞など)や血球系の細胞、またはそれらの細胞
が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、嗅球、扁頭核、大脳基底球、海馬、視床、視床下
部、視床下核、大脳皮質、延髄、小脳、後頭葉、前頭
葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳染、黒質)、脊髄、下垂
体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、
骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小
腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、末梢
血球、前立腺、睾丸、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関
節、骨格筋などに由来する蛋白質であってもよく、また
合成蛋白質であってもよい。
【0007】配列番号:2または4で表わされるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例え
ば、配列番号:2または4で表わされるアミノ酸配列と
約50%以上、好ましくは約60%以上、より好ましく
は約70%以上、さらに好ましくは約80%以上、なか
でも好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%
以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号:2または4で表わされるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質としては、例
えば、配列番号:2または4で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:2ま
たは4で表わされるアミノ酸配列と実質的に同質の活性
を有する蛋白質などが好ましい。実質的に同質の活性と
しては、例えば、NRH:キノン酸化還元酵素活性など
が挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が性質
的に同質であることを示す。したがって、還元酵素活性
などの活性が同等(例、約0.01〜100倍、好まし
くは約0.5〜20倍、より好ましくは約0.5〜2
倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度や蛋
白質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。N
RH:キノン酸化還元酵素活性などの活性の測定は、自
体公知の方法に準じて行なうことができる。
【0008】また、本発明のスクリーニング方法に用い
られるNQO2としては、配列番号:2または4で表
わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、
さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失
したアミノ酸配列、配列番号:2または4で表わされ
るアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜
30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好
ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加したアミ
ノ酸配列、配列番号:2または4で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換
されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたア
ミノ酸配列を含有する蛋白質なども用いられる。これら
NQO2は、ペプチド標記の慣例に従って、左端がN末
端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)
である。配列番号:2または4で表わされるアミノ酸配
列を含有するNQO2をはじめとする、本発明のスクリ
ーニング方法に用いられるNQO2は、C末端が通常カ
ルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート
(−COO)であるが、C末端がアミド(−CONH
)またはエステル(−COOR)であってもよい。こ
こでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチル
などのC1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、
シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、例え
ば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール
基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C
1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα
−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラ
ルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバ
ロイルオキシメチル基などが用いられる。NQO2がC
末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)
を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエ
ステル化されているものもNQO2に含まれる。この場
合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステ
ルなどが用いられる。さらに、NQO2には、上記した
蛋白質において、N末端のメチオニン残基のアミノ基が
保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなどのC2−6
アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護さ
れているもの、N端側が生体内で切断され生成したグル
タミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミ
ノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチルな
どのC2−6アルカノイル基などのC1−6アシル基な
ど)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したい
わゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。本発
明のスクリーニング方法に用いられるNQO2の具体例
としては、例えば、配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列を含有するヒト由来NQO2、配列番号:4で表わ
されるアミノ酸配列を含有するマウス由来NQO2など
が用いられる。
【0009】[2]部分ペプチド NQO2の部分ペプチド(以下、部分ペプチドと略記す
る場合がある)としては、上記したNQO2の部分ペプ
チドであれば何れのものであってもよいが、例えば、N
RH:キノン酸化還元酵素活性を有するものなどが用い
られる。部分ペプチドのアミノ酸の数は、上記したNQ
O2の構成アミノ酸配列のうち少なくとも20個以上、
好ましくは50個以上、より好ましくは100個以上の
アミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。実質的
に同一のアミノ酸配列とは、これらアミノ酸配列と約5
0%以上、好ましくは約60%以上、より好ましくは約
70%以上、さらに好ましくは約80%以上、なかでも
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上
の相同性を有するアミノ酸配列を示す。ここで、「実質
的に同質の活性」とは、上記と同意義を示す。「実質的
に同質の活性」の測定は上記と同様に行なうことができ
る。また、部分ペプチドは、上記アミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜10個程度、さらに好
ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失し、また
は、そのアミノ酸配列に1または2個以上(好ましく
は、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、
さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加
し、または、そのアミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは数個、
さらに好ましくは1〜5個程度)のアミノ酸が他のアミ
ノ酸で置換されていてもよい。また、部分ペプチドはC
末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボ
キシレート(−COO)であるが、上記した本発明の
蛋白質のごとく、C末端がアミド(−CONH)また
はエステル(−COOR)であってもよい。さらに、部
分ペプチドには、上記したNQO2と同様に、N末端の
メチオニン残基のアミノ基が保護基で保護されているも
の、N端側が生体内で切断され生成したGlnがピログル
タミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換
基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖
が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなど
も含まれる。また、部分ペプチドはC末端が通常カルボ
キシル基(−COOH)またはカルボキシレート(−C
OO)であるが、上記した本発明の蛋白質のごとく、
C末端がアミド(−CONH)またはエステル(−C
OOR)であってもよい。NQO2またはその部分ペプ
チドの塩としては、酸または塩基との生理学的に許容さ
れる塩が挙げられ、とりわけ生理学的に許容される酸付
加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0010】[3]NQO2またはその部分ペプチドの
合成 NQO2またはその塩は、上記したヒトや他の哺乳動物
の細胞または組織から自体公知のNQO2の精製方法に
よって製造することもできるし、後に記載するNQO2
をコードするDNAを含有する形質転換体を培養するこ
とによって、あるいは該DNAからウサギ網状赤血球抽
出液や小麦胚芽抽出液由来の無細胞翻訳系を用いたイン
ビトロ合成によっても製造することができる。また、後
に記載する蛋白質合成法またはこれに準じて製造するこ
ともできる。NQO2またはその塩をヒトや他の哺乳動
物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや他の哺乳
動物の組織または細胞をホモジナイズした後、超音波処
理や界面活性剤処理等により細胞抽出液を得、そこから
蛋白質の分離精製に常套的に利用される分離技術を適宜
組み合わせることにより精製することができる。このよ
うな分離技術としては、例えば、塩析、溶媒沈澱法等の
溶解度の差を利用する方法、透析、限外濾過、ゲル濾
過、非変性ポリアクリルアミド電気泳動(PAGE)、
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動
(SDS−PAGE)等の分子量の差を利用する方法、
イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト
クロマトグラフィー等の荷電を利用する方法、アフィニ
ティークロマトグラフィー等の特異的親和性を利用する
方法、逆相高速液体クロマトグラフィー等の疎水性の差
を利用する方法、等電点電気泳動等の等電点の差を利用
する方法などが挙げられる。NQO2もしくはその部分
ペプチドまたはその塩またはそのアミド体の合成には、
通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができる。そ
のような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒ
ドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミ
ノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール
樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹
脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミド
メチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,
4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノ
キシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−F
mocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることが
できる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官
能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とする蛋白質の
配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で
縮合させる。反応の最後に樹脂から蛋白質を切り出すと
同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子
内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の蛋白質ま
たはそのアミド体を取得する。
【0011】上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、
蛋白質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることが
できるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイ
ミド類としては、DCC、N,N’−ジイソプロピルカ
ルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミ
ノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これら
による活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOB
t、HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加
するか、または、対称酸無水物またはHOBtエステル
あるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミ
ノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができ
る。保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる
溶媒としては、蛋白質縮合反応に使用しうることが知ら
れている溶媒から適宜選択されうる。例えば、N,N−
ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミ
ド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチ
レン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリ
フルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスル
ホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン,ジオキサ
ン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニト
リル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチ
ル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜
の混合物などが用いられる。反応温度は蛋白質結合形成
反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選
択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択さ
れる。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍
過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの
結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うこと
なく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なう
ことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られ
ないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを
用いて未反応アミノ酸をアセチル化することができる。
原料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、
ターシャリーペンチルオキシカルボニル、イソボルニル
オキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボ
ニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基
は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオ
クチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしく
は環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化
(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエス
テル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベン
ジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシ
ルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド
化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、ト
リチルヒドラジド化などによって保護することができ
る。セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエー
テル化によって保護することができる。このエステル化
に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t-ブチル基などである。チロシンのフ
ェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、C
l-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリー
ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾールの
保護基としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,
6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジル
オキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いら
れる。原料のカルボキシル基の活性化されたものとして
は、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル
〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,
4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェ
ノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロ
キシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用
いられる。原料のアミノ基の活性化されたものとして
は、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。保護
基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd-黒あるい
はPd-炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触
還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるい
はこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピル
エチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラ
ジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリ
ウムによる還元なども用いられる。上記酸処理による脱
離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれ
るが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノ
ール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、
1,2−エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤
の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール
保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基は
チオフェノール処理により除去され、トリプトファンの
インドール保護基として用いられるホルミル基は上記の
1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール
などの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナ
トリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理に
よっても除去される。原料の反応に関与すべきでない官
能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、
反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公
知の手段から適宜選択しうる。
【0012】蛋白質のアミド体を得る別の方法として
は、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カル
ボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペ
プチド(蛋白質)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペ
プチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いた
蛋白質とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去し
た蛋白質とを製造し、この両蛋白質を上記したような混
合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記
と同様である。縮合により得られた保護蛋白質を精製し
た後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の
粗蛋白質を得ることができる。この粗蛋白質は既知の各
種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥する
ことで所望の蛋白質のアミド体を得ることができる。蛋
白質のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端
アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と
縮合しアミノ酸エステルとした後、蛋白質のアミド体と
同様にして、所望の蛋白質のエステル体を得ることがで
きる。NQO2の部分ペプチドまたはその塩は、自体公
知のペプチドの合成法に従って、あるいはNQO2を適
当なペプチダーゼで切断することによって製造すること
ができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合
成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、
NQO2を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と
残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は
保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造する
ことができる。公知の縮合方法や保護基の脱離として
は、例えば、以下の〜に記載された方法が挙げられ
る。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 蛋白
質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精
製単離することができる。上記方法で得られる部分ペプ
チドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当な
塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合
は、公知の方法によって遊離体に変換することができ
る。
【0013】[4]NQO2をコードするポリペプチド NQO2をコードするポリヌクレオチドとしては、上記
したNQO2をコードする塩基配列(DNAまたはRN
A、あるいはDNA/RNAキメラ、好ましくはDN
A)を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。該ポリヌクレオチドとしては、NQO2をコードす
るDNA、mRNA等のRNAであり、二本鎖であって
も、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖D
NA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッ
ドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(すなわち、コ
ード鎖)であっても、アンチセンス鎖(すなわち、非コ
ード鎖)であってもよい。NQO2をコードするポリヌ
クレオチドを用いて、例えば、公知の実験医学増刊「新
PCRとその応用」15(7)、1997記載の方法またはそれ
に準じた方法により、NQO2のmRNAを定量するこ
とができる。NQO2をコードするDNAとしては、ゲ
ノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、上記した細胞
・組織由来のcDNA、上記した細胞・組織由来のcD
NAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライ
ブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、
プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであっ
てもよい。また、上記した細胞・組織よりtotalRNA
またはmRNA画分を調製したものを用いて直接Revers
e Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、
RT-PCR法と略称する)によって増幅することもで
きる。具体的には、NQO2をコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:1で表される塩基配列の第17
6番目〜第868番目の塩基配列(以下、塩基配列1と
いう)または配列番号:3で表わされる塩基配列の第1
52番目〜第844番目の塩基配列(以下、塩基配列3
という)を含有するDNA、または塩基配列1または塩
基配列3とハイストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズする塩基配列を有し、NQO2と実質的に同質の活
性(例、還元酵素活性など)を有する蛋白質をコードす
るDNAであれば何れのものでもよい。塩基配列1また
は塩基配列3とハイブリダイズできるDNAとしては、
例えば、塩基配列1または塩基配列3と約70%以上、
好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0014】ハイブリダイゼーションは、自体公知の方
法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)2nd Edition(J.
Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 19
89)に記載の方法などに従って行なうことができる。ま
た、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説
明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好
ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なう
ことができる。該ハイストリンジェントな条件とは、例
えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは
約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましく
は約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度
が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列を含有するヒト由来NQO2をコードするDNAとし
ては、塩基配列1を含有するDNAなどが、配列番号:
4で表わされるアミノ酸配列を含有するマウス由来NQ
O2をコードするDNAとしては、塩基配列3を含有す
るDNAなどが用いられる。
【0015】[5]アンチセンスヌクレオチド NQO2をコードするDNAの塩基配列の一部、または
該DNAと相補的な塩基配列の一部を含有してなるヌク
レオチドとは、下記のNQO2の部分ペプチドをコード
するDNAを包含するだけではなく、RNAをも包含す
る意味で用いられる。目的核酸の標的領域と相補的な塩
基配列を含むヌクレオチド、即ち、目的核酸とハイブリ
ダイズすることができるヌクレオチドは、該目的核酸に
対して「アンチセンス」であるということができる。一
方、目的核酸の標的領域と相同性を有する塩基配列を含
むヌクレオチド(即ち、目的核酸が蛋白質をコードする
場合、その蛋白質の部分ペプチドをコードするヌクレオ
チド)は、該目的核酸に対して「センス」であるという
ことができる。本明細書で用いる用語「対応する」と
は、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列または核酸
の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であるこ
とを意味する。ここで「相同性を有する」または「相補
的である」とは、塩基配列間で約70%以上、好ましく
は約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好
ましくは約95%以上の同一性または相補性を有するこ
とをいう。また、ヌクレオチド、塩基配列または核酸と
ペプチド(蛋白質)との間で「対応する」とは、そのペ
プチド(蛋白質)がヌクレオチド(核酸)またはその相
補体の配列から翻訳されるアミノ酸配列を有することを
通常指している。NQO2遺伝子のアンチセンスヌクレ
オチド(核酸)は、クローン化した、あるいは決定され
たNQO2をコードするDNAの塩基配列情報に基づき
設計し、合成しうる。そうしたヌクレオチド(核酸)は
NQO2遺伝子の複製または発現を阻害することができ
る。例えば、NQO2遺伝子から転写されるRNAとハ
イブリダイズすることができ、mRNAの合成(プロセ
ッシング)または機能(NQO2への翻訳)を阻害する
ことができるか、あるいはNQO2関連RNAとの相互
作用を介してNQO2遺伝子の発現を調節・制御するこ
とができる。NQO2関連RNAの選択された配列に相
補的なヌクレオチド、およびNQO2関連RNAと特異
的にハイブリダイズすることができるヌクレオチドは、
生体内および生体外でNQO2遺伝子の発現を調節・制
御するのに有用であり、また病気などの治療または診断
に有用である。
【0016】NQO2遺伝子のアンチセンスヌクレオチ
ドの標的領域は、アンチセンスヌクレオチドがハイブリ
ダイズすることにより、結果としてNQO2蛋白質の翻
訳が阻害されるものであればその長さに特に制限はな
く、NQO2 mRNAの全配列であっても部分配列で
あってもよく、短いもので約15塩基程度、長いもので
mRNAまたは初期転写産物の全配列が挙げられる。合
成の容易さや抗原性の問題を考慮すれば、約15〜約3
0塩基からなるオリゴヌクレオチドが好ましいがそれに
限定されない。具体的には、例えば、NQO2遺伝子の
5’端ヘアピンループ、5’端6−ベースペア・リピー
ト、5’端非翻訳領域、ポリペプチド翻訳開始コドン、
蛋白質コード領域、ORF翻訳開始コドン、3’端非翻
訳領域、3’端パリンドローム領域、エクソン・イント
ロン境界領域および3’端ヘアピンループが標的領域と
して選択しうるが、NQO2遺伝子内の如何なる領域も
標的として選択しうる。NQO2遺伝子のイントロン部
分を標的領域とすることもまた好ましい。さらに、NQ
O2のアンチセンスヌクレオチドは、NQO2 mRN
AもしくはNQO2遺伝子の初期転写産物とハイブリダ
イズしてNQO2蛋白質への翻訳を阻害するだけでな
く、二本鎖DNAであるNQO2遺伝子と結合して三重
鎖(トリプレックス)を形成し、RNAの転写を阻害し
得るものであってもよい。アンチセンスヌクレオチド
は、2−デオキシ−D−リボースを含有しているデオキ
シヌクレオチド、D−リボースを含有しているデオキシ
ヌクレオチド、プリンまたはピリミジン塩基のN−グリ
コシドであるその他のタイプのヌクレオチド、あるいは
非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリマー(例え
ば、市販の蛋白質核酸および合成配列特異的な核酸ポリ
マー)または特殊な結合を含有するその他のポリマー
(但し、該ポリマーはDNAやRNA中に見出されるよ
うな塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置をも
つヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。それら
は、2本鎖DNA、1本鎖DNA、2本鎖RNA、1本
鎖RNA、さらにDNA:RNAハイブリッドであるこ
とができ、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非修
飾オリゴヌクレオチド)、さらには公知の修飾の付加さ
れたもの、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、
キャップの付いたもの、メチル化されたもの、1個以上
の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内
ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例
えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホス
ホルアミデート、カルバメートなど)を持つもの、電荷
を有する結合または硫黄含有結合(例えば、ホスホロチ
オエート、ホスホロジチオエートなど)を持つもの、例
えば蛋白質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビタ
ー、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リ
ジンなど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)など
の側鎖基を有しているもの、インターカレント化合物
(例えば、アクリジン、プソラレンなど)を持つもの、
キレート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、
ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル
化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例え
ば、αアノマー型の核酸など)であってもよい。ここで
「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」と
は、プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでな
く、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなもの
を含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化された
プリンおよびピリミジン、アシル化されたプリンおよび
ピリミジン、あるいはその他の複素環を含むものであっ
てよい。修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾さ
れていてよく、例えば、1個以上の水酸基がハロゲンと
か、脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエーテ
ル、アミンなどの官能基に変換されていてよい。
【0017】アンチセンスヌクレオチド(核酸)は、R
NA、DNA、あるいは修飾された核酸(RNA、DN
A)である。修飾された核酸の具体例としては核酸の硫
黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そしてポリヌクレ
オシドアミドやオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗
性のものが挙げられるが、それに限定されるものではな
い。本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ま
しく設計されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス
核酸をより安定なものにする、アンチセンス核酸の細胞
透過性をより高める、目標とするセンス鎖に対する親和
性をより大きなものにする、そしてもし毒性があるなら
アンチセンス核酸の毒性をより小さなものにする。こう
した修飾は当該分野で数多く知られており、例えば J.
Kawakami et al.,Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247,
1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Crooke et al. e
d., Antisense Research and Applications, CRC Pres
s, 1993 などに開示がある。アンチセンス核酸は、変化
せしめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有して
いて良く、リポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な
形態で供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、
付加された形態で与えられることができうる。こうして
付加形態で用いられるものとしては、リン酸基骨格の電
荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオ
ン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の取込みを
増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピド、コレ
ステロールなど)といった粗水性のものが挙げられる。
付加するに好ましい脂質としては、コレステロールやそ
の誘導体(例えば、コレステリルクロロホルメート、コ
ール酸など)が挙げられる。こうしたものは、核酸の
3’端あるいは5’端に付着させることができ、塩基、
糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることが
できうる。その他の基としては、核酸の3’端あるいは
5’端に特異的に配置されたキャップ用の基で、エキソ
ヌクレアーゼ、RNaseなどのヌクレアーゼによる分
解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャッ
プ用の基としては、ポリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該
分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、それに
限定されるものではない。NQO2 mRNAもしくは
NQO2遺伝子の初期転写産物を、コード領域の内部
(初期転写産物の場合はイントロン部分を含む)で特異
的に切断し得るリボザイムもまた、本発明のアンチセン
スヌクレオチドに包含され得る。「リボザイム」とは核
酸を切断する酵素活性を有するRNAをいうが、最近で
は当該酵素活性部位の塩基配列を有するオリゴDNAも
同様に核酸切断活性を有することが明らかになっている
ので、本明細書では配列特異的な核酸切断活性を有する
限りDNAをも包含する概念として用いるものとする。
リボザイムとして最も汎用性の高いものとしては、ウイ
ロイドやウイルソイド等の感染性RNAに見られるセル
フスプライシングRNAがあり、ハンマーヘッド型やヘ
アピン型等が知られている。ハンマーヘッド型は約40
塩基程度で酵素活性を発揮し、ハンマーヘッド構造をと
る部分に隣接する両端の数塩基ずつ(合わせて約10塩
基程度)をmRNAの所望の切断部位と相補的な配列に
することにより、標的mRNAのみを特異的に切断する
ことが可能である。このタイプのリボザイムは、RNA
のみを基質とするので、ゲノムDNAを攻撃することが
ないというさらなる利点を有する。NQO2 mRNA
が自身で二本鎖構造をとる場合には、RNAヘリカーゼ
と特異的に結合し得るウイルス核酸由来のRNAモチー
フを連結したハイブリッドリボザイムを用いることによ
り、標的配列を一本鎖にすることができる[Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 98(10): 5572-5577 (2001)]。さ
らに、リボザイムを、それをコードするDNAを含む発
現ベクターの形態で使用する場合には、転写産物の細胞
質への移行を促進するために、tRNAを改変した配列
をさらに連結したハイブリッドリボザイムとすることも
できる[Nucleic Acids Res., 29(13): 2780-2788 (200
1)]。
【0018】NQO2 mRNAもしくはNQO2遺伝
子の初期転写産物のコード領域内の部分配列(初期転写
産物の場合はイントロン部分を含む)に相補的な二本鎖
オリゴRNAもまた、本発明のアンチセンスヌクレオチ
ドに包含され得る。短い二本鎖RNAを細胞内に導入す
るとそのRNAに相補的なmRNAが分解される、いわ
ゆるRNA干渉(RNAi)と呼ばれる現象は、以前か
ら線虫、昆虫、植物等で知られていたが、最近、この現
象が哺乳動物細胞でも起こることが確認されたことから
[Nature, 411(6836): 494-498 (2001)]、リボザイム
の代替技術として注目されている。本発明のアンチセン
スオリゴヌクレオチド及びリボザイムは、NQO2のc
DNA配列もしくはゲノミックDNA配列情報に基づい
てmRNAもしくは初期転写産物の標的領域を決定し、
市販のDNA/RNA自動合成機(アプライド・バイオ
システムズ社、ベックマン社等)を用いて、これに相補
的な配列を合成することにより調製することができる。
RNAi活性を有する二本鎖オリゴRNAは、センス鎖
及びアンチセンス鎖をDNA/RNA自動合成機でそれ
ぞれ合成し、適当なアニーリング緩衝液中で、例えば、
約90〜約95℃で約1分程度変性させた後、約30〜
約70℃で約1〜約8時間アニーリングさせることによ
り調製することができる。また、相補的なオリゴヌクレ
オチド鎖を交互にオーバーラップするように合成して、
これらをアニーリングさせた後リガーゼでライゲーショ
ンすることにより、より長い二本鎖ポリヌクレオチドを
調製することもできる。本発明のアンチセンス核酸のN
QO2発現阻害活性は、NQO2をコードするDNAを
含有する形質転換体、生体内や生体外のNQO2遺伝子
発現系またはNQO2の生体内や生体外の翻訳系を用い
て調べることができる。該核酸それ自体公知の各種の方
法で細胞に適用できる。
【0019】[6]NQO2の部分ペプチドをコードす
るDNA NQO2の部分ペプチドをコードするDNAとしては、
上記したNQO2の部分ペプチドをコードする塩基配列
を含有するものであればいかなるものであってもよい。
また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、上記
した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞・組織由
来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよ
い。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオフ
ァージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいず
れであってもよい。また、上記した細胞・組織よりmR
NA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcri
ptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR
法と略称する)によって増幅することもできる。具体的
には、NQO2の部分ペプチドをコードするDNAとし
ては、例えば、(1)塩基配列1または塩基配列3を有
するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または
(2)塩基配列1または塩基配列3とハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、N
QO2ペプチドと実質的に同質の活性(例、還元酵素活
性など)を有するNQO2をコードするDNAの部分塩
基配列を有するDNAなどが用いられる。塩基配列1ま
たは塩基配列3とハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズできるDNAとしては、例えば、塩基配列1
または塩基配列3と約70%以上、好ましくは約80%
以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約
95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNA
などが用いられる。
【0020】[7]NQO2またはその部分ペプチドを
コードするDNAの製法 NQO2またはその部分ペプチド(以下、一括してNQ
O2と略記する場合がある)を完全にコードするDNA
のクローニングの手段としては、NQO2の部分塩基配
列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によ
って増幅するか、または適当なベクターに組み込んだD
NAをNQO2の一部あるいは全領域をコードするDN
A断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハ
イブリダイゼーションによって選別することができる。
ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラ
ー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Samb
rook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)
に記載の方法などに従って行なうことができる。また、
市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書
に記載の方法に従って行なうことができる。DNAの塩
基配列の変換は、PCRや公知のキット、例えば、Muta
nTM-super Express KmG(宝酒造(株))、MutanTM
-K(宝酒造(株))などを用いて、ODA-LA PCR法、Gupp
ed duplex法、Kunkel法などの自体公知の方法あるいは
それらに準じる方法に従って行なうことができる。クロ
ーン化されたNQO2をコードするDNAは目的により
そのまま、または所望により制限酵素で消化したり、リ
ンカーを付加したりして使用することができる。該DN
Aはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを
有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTA
A、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの
翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNA
アダプターを用いて付加することもできる。
【0021】[8]発現ベクター NQO2の発現ベクターは、例えば、(イ)NQO2を
コードするDNAから目的とするDNA断片を切り出
し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロ
モーターの下流に連結することにより製造することがで
きる。ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド
(例、pBR322、pBR325、pUC12、pU
C13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0、pTP5、pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19、pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス、ワクシニアウイル
ス、バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。プロモー
ターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適
切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例え
ば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモ
ーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、
CMVプロモーター、HSV-TKプロモーターなどが
挙げられる。これらのうち、CMVプロモーター、SR
αプロモーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシ
ェリヒア属菌である場合は、trpプロモーター、la
cプロモーター、recAプロモーター、λPプロモ
ーター、lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属
菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロ
モーター、penPプロモーターなど、宿主が酵母であ
る場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモータ
ー、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好
ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプ
ロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。発現
ベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、
スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マ
ーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40ori
と略称する場合がある)などを含有しているものを用い
ることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒ
ドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称する場合があ
る)遺伝子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アン
ピシリン耐性遺伝子(以下、Ampと略称する場合が
ある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neoと略
称する場合がある、G418耐性)等が挙げられる。特
に、CHO(dhfr)細胞を用いてdhfr遺伝子
を選択マーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミ
ジンを含まない培地によっても選択できる。また、必要
に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、NQO2のN
端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合
は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列など
が、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ
・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、
宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SU
C2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合に
は、インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロ
ン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれ
ぞれ利用できる。
【0022】[9]形質転換体 このようにして構築されたNQO2をコードするDNA
を含有するベクターを用いて、形質転換体を製造するこ
とができる。宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
ズブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジー
ン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Bioch
emistry),95巻,87(1984)〕などが用いられ
る。酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
,NA87−11A,DKD−5D、20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)などが用いられ
る。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPV
の場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera fru
giperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由
来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh Five
TM 細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEstig
mena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスがB
mNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori N;
BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞としては、
例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞
(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Vivo),1
3, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫として
は、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、
ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、
CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損チャイニーズ
ハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr)細
胞と略記)、マウスL細胞,マウスAtT−20、マウ
スミエローマ細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが
用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキ
ュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mole
cular & General Genetics),168巻,111(19
79)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メッソズ・イン・エ
ンザイモロジー(Methods in Enzymology),194
巻,182−187(1991)、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA),75巻,1929(1978)などに記載
の方法に従って行なうことができる。昆虫細胞または昆
虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー
(Bio/Technology),6, 47-55(1988))などに記載の方
法に従って行なうことができる。動物細胞を形質転換す
るには、例えば、細胞工学別冊8新細胞工学実験プロト
コール.263−267(1995)(秀潤社発行)、
ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1973)
に記載の方法に従って行なうことができる。このように
して、NQO2をコードするDNAを含有する発現ベク
ターで形質転換された形質転換体が得られる。
【0023】[10]組換えNQO2の製法 宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換
体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培
地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要
な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。
炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、
可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、ア
ンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、
ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽
出液などの無機または有機物質、無機物としては、例え
ば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マ
グネシウムなどが挙げられる。また、酵母エキス、ビタ
ミン類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のp
Hは約5〜8が望ましい。エシェリヒア属菌を培養する
際の培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を
含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・
エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティッ
クス(Journal of Experiments in Molecular Genetic
s),431−433,Cold Spring Harbor Laborator
y, New York1972〕が好ましい。ここに必要により
プロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β
−インドリル アクリル酸のような薬剤を加えることが
できる。宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約
15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通
気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチルス属菌の
場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行な
い、必要により通気や撹拌を加えることもできる。宿主
が酵母である形質転換体を培養する際、培地としては、
例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bo
stian, K. L. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ
・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),
77巻,4505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を
含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),81巻,5330(1984)〕が
挙げられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ま
しい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間
行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫
細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、培地と
しては、Grace's Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイ
チャー(Nature),195,788(1962))に非動化した10%
ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられ
る。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ま
しい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞である形
質転換体を培養する際、培地としては、例えば、約5〜
20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Sc
ience),122巻,501(1952)〕,DMEM培
地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396(195
9)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ
・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The Jo
urnal of the American Medical Association)199
巻,519(1967)〕,199培地〔プロシージング
・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカ
ル・メディスン(Proceeding ofthe Society for the B
iological Medicine),73巻,1(1950)〕などが
用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養
は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行ない、必
要に応じて通気や撹拌を加える。以上のようにして、形
質転換体の細胞内、細胞膜または細胞外にNQO2を生
成せしめることができる。上記培養物からNQO2を分
離精製するには、例えば、下記の方法により行なうこと
ができる。NQO2を培養菌体あるいは細胞から抽出す
るに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞
を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチ
ームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは
細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過によりNQO2の
粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中
に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤や、トリト
ンX−100TMなどの界面活性剤が含まれていてもよ
い。培養液中にNQO2が分泌される場合には、培養終
了後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清と
を分離し、上清を集める。このようにして得られた培養
上清、あるいは抽出液中に含まれるNQO2の精製は、
自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうこ
とができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩
析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、
限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用
する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の
差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィー
などの特異的新和性を利用する方法、逆相高速液体クロ
マトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電
点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用
いられる。かくして得られるNQO2が遊離体で得られ
た場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場
合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によ
り、遊離体または他の塩に変換することができる。な
お、組換え体が産生するNQO2を、精製前または精製
後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意
に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去するこ
ともできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシ
ン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、
プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられ
る。かくして生成するNQO2またはその塩の活性は、
標識したリガンドとの結合実験および特異抗体を用いた
エンザイムイムノアッセイなどにより測定することがで
きる。
【0024】[11]抗NQO2抗体 NQO2もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対す
る抗体は、NQO2もしくはその部分ペプチドまたはそ
の塩を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、
モノクローナル抗体の何れであってもよい。特に、NQ
O2もしくはその部分ペプチドまたはその塩の還元酵素
活性を中和する抗体が望ましく用いられる。NQO2も
しくはその部分ペプチドまたはその塩(以下、NQO2
等と略記する場合がある)に対する抗体は、NQO2等
を抗原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造
法に従って製造することができる。
【0025】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 NQO2等は、哺乳動物に対して投与により抗体産生が
可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投
与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全
フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバン
トを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ず
つ、計2〜10回程度行なわれる。用いられる哺乳動物
としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、
マウス、ラット、ヒツジ、ヤギが挙げられるが、マウス
およびラットが好ましく用いられる。モノクローナル抗
体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫された温血動
物、例えば、マウスから抗体価の認められた個体を選択
し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取
し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合
させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリド
ーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定
は、例えば、後記の標識化NQO2等と抗血清とを反応
させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定するこ
とにより行なうことができる。融合操作は既知の方法、
例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー
(Nature)、256巻、495頁(1975年)〕に従
い実施することができる。融合促進剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィ
ルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられ
る。骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U
1、SP2/0などが挙げられるが、P3U1が好まし
く用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数
と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程
度であり、PEG(好ましくは、PEG1000〜PE
G6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、約
20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で約1〜10
分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を
実施できる。モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、NQO2等の抗原を直接あるいは担体とともに吸着
させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ
培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識し
た抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞が
マウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられ
る)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノク
ローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体ま
たはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培
養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したNQ
O2等を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検
出する方法などが挙げられる。モノクローナル抗体の選
別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行な
うことができるが、通常はHAT(ヒポキサンチン、ア
ミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地な
どで行なうことができる。選別および育種用培地として
は、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような
培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは
10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培
地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純
薬工業(株))またはハイブリドーマ培養用無血清培地
(SFM−101、日水製薬(株))などを用いること
ができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは
約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ま
しくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガ
ス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の
抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして
測定できる。 (b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。
【0026】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法にしたがって製造することができる。例えば、免
疫抗原(NQO2等の抗原)とキャリアー蛋白質との複
合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同
様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物からNQO2
等に対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行
なうことにより製造できる。哺乳動物を免疫するために
用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関
し、キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテ
ンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプ
テンに対して抗体が効率良くできれば、どの様なものを
どの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清
アルブミン、ウシサイログロブリン、キーホール・リン
ペット・ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、
約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさ
せる方法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーの
カプリングには、種々の縮合剤を用いることができる
が、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド
活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有す
る活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温
血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体ある
いは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗
体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや
不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与
は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度
行なうことができる。ポリクローナル抗体は、上記の方
法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは
血液から採取することができる。抗血清中のポリクロー
ナル抗体価の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同
様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製
は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫
グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0027】[12]骨疾患に対する医薬候補化合物の
スクリーニング方法・スクリーニング用キット NQO2、その部分ペプチドまたはそれらの塩の還元酵
素活性を阻害する化合物またはその塩は、骨形成促進作
用、前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化誘導および分化
誘導促進作用、軟骨形成促進作用、前駆軟骨細胞を含め
た軟骨細胞分化誘導および分化誘導促進作用、BMP作
用増強作用などを有しているので、骨形成促進剤、前駆
骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化誘導および分化誘導促進
剤、軟骨形成促進剤、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分
化誘導および分化誘導促進剤、BMP作用増強剤として
有用である。また、当該化合物またはその塩は、例え
ば、骨疾患の予防・治療剤として、より具体的には、整
形外科領域における骨折、再骨折、骨変形・変形脊椎
症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症等の非代謝性
骨疾患;骨欠損、骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、線維性
骨炎、腎性骨異栄養症、骨ぺーチェット病、硬直性脊髄
炎等の代謝性骨疾患;または変形性関節炎、慢性関節リ
ウマチなどの軟骨疾患に代表される関節疾患の予防・治
療剤として使用できる。さらに、当該化合物またはその
塩は、多発性骨髄腫、肺癌、乳癌などの外科手術後の骨
組織修復剤として、また歯科領域においては、歯周病の
治療、歯周疾患における歯周組織欠損の修復、人工歯根
の安定化、顎堤形成および口蓋裂の修復などに使用でき
る。したがって、NQO2、その部分ペプチドまたはそ
れらの塩(以下、NQO2等)は、NQO2等の活性
(例、還元酵素活性など)を阻害する化合物またはその
塩のスクリーニングのための試薬として有用である。一
方、NQO2の還元酵素活性を促進する化合物またはそ
の塩は、例えば、骨形成阻害作用、前駆骨芽細胞を含め
た骨芽細胞分化阻害および分化誘導阻害作用、軟骨形成
阻害作用、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化阻害およ
び分化誘導阻害作用、BMP作用抑制作用などを有して
いるので、骨形成阻害剤、前駆骨芽細胞を含めた骨芽細
胞分化阻害および分化誘導阻害剤、軟骨形成阻害剤、前
駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化阻害および分化誘導阻
害剤、BMP作用阻害剤として有用である。さらに、当
該化合物またはその塩は、例えば、骨大理石病、骨軟骨
腫症などの骨疾患の予防・治療剤として使用できる。し
たがって、NQO2等は、NQO2等の還元酵素活性を
促進する化合物またはその塩をスクリーニングするため
の試薬として有用である。
【0028】すなわち、本発明は、(1)NQO2等を
用いることを特徴とするNQO2等の還元酵素活性を促
進する化合物もしくはその塩(以下、促進薬と略記する
場合がある)またはNQO2等の還元酵素活性を阻害す
る化合物(以下、阻害薬と略記する場合がある)のスク
リーニング方法を提供し、より具体的には、例えば、
(2)(i)NQO2等に基質を接触させた場合と(i
i)NQO2等に基質および試験化合物を接触させた場
合との比較を行なうことを特徴とする促進薬または阻害
薬のスクリーニング方法を提供する。具体的には、上記
スクリーニング方法においては、例えば、(i)と(i
i)の場合における、NQO2等の還元酵素活性を測定
して、比較することを特徴とするものである。本発明の
スクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。基質
としては、NQO2、その部分ペプチドまたはそれらの
塩の基質となり得るものであれば何れのものでもよい。
例えば、dichlorophenol-indophenol、menadione、meth
yl redなどが用いられる。試験化合物としては、例え
ば、ペプチド、蛋白、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽
出液などが用いられ、これら化合物は新規な化合物であ
ってもよいし、公知の化合物であってもよい。上記のス
クリーニング方法を実施するには、NQO2等をスクリ
ーニングに適したバッファーに懸濁することによりNQ
O2等の標品を調製する。バッファーには、pH約4〜
10(望ましくは、pH約6〜8)のリン酸バッファ
ー、トリス−塩酸バッファーなどの、NQO2等と基質
との結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよ
い。NQO2等の還元酵素活性は、自体公知の方法、例
えば、Kebin Wuらの報告〔Archives of biochemistry a
nd biophysics、vol.347、pp221-228、1997〕などに記
載の方法あるいはそれに準じる方法に従って測定するこ
とができる。例えば、上記(ii)の場合における還元酵
素活性が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好
ましくは50%以上阻害する試験化合物をNQO2等の
還元酵素活性を阻害する化合物として、一方、上記(i
i)の場合における還元酵素活性等が上記(i)の場合
に比べて、約20%以上、好ましくは50%以上促進さ
せる試験化合物をNQO2等の還元酵素活性を促進する
化合物として選択することができる。本発明のスクリー
ニング用キットは、NQO2、その部分ペプチドまたは
その塩を含有するものである。本発明のスクリーニング
用キットの例としては、次のものが挙げられる。
【0029】〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液 pH7.4のトリス−塩酸バッファー (塩化ナトリウム含有) タンパク質標品 NQO2 基質 25μM dichlorophenolindophenol 電子供与体 50μM NRH (dihydronicotinamide riboside) 検出 600nmにおける吸光度の低下 〔測定法〕NQO2等にNRH(または他の電子供与
体)と基質、さらに試験化合物を加え、25℃で反応させ
る。反応後に600nmでの吸光度の低下を測定し、活性を
求める。本発明のスクリーニング方法またはスクリーニ
ング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、
上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、NQO
2等の還元酵素活性を促進または阻害する化合物であ
る。該化合物の塩としては、とりわけ生理学的に許容さ
れる酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば
無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)と
の塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0030】[13]NQO2活性阻害剤・促進剤の用
途 NQO2等の還元酵素活性を阻害する化合物は、例え
ば、骨形成促進剤、前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化
誘導および分化誘導促進剤、軟骨形成促進剤、前駆軟骨
細胞を含めた軟骨細胞分化誘導および分化誘導促進剤、
BMP作用増強剤として有用である。また、当該化合物
は、例えば、骨疾患の予防・治療剤として、より具体的
には、整形外科領域における骨折、再骨折、骨変形・変
形脊椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症等の非
代謝性骨疾患;骨欠損、骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、
線維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ぺーチェット病、硬直
性脊髄炎等の代謝性骨疾患;または変形性関節炎、慢性
関節リウマチなどの軟骨疾患に代表される関節疾患など
の各種骨疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤とし
て有用である。さらに、当該化合物は、多発性骨髄腫、
肺癌、乳癌などの外科手術後の骨組織修復剤として、ま
た歯科領域においては、歯周病の治療、歯周疾患におけ
る歯周組織欠損の修復、人工歯根の安定化、顎堤形成お
よび口蓋裂の修復などに使用できる。一方、NQO2等
の活性を促進する化合物は、例えば、骨形成阻害作用、
前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化阻害および分化誘導
阻害作用、軟骨形成阻害作用、前駆軟骨細胞を含めた軟
骨細胞分化阻害および分化誘導阻害作用、BMP作用抑
制作用などを有しているので、骨形成阻害剤、前駆骨芽
細胞を含めた骨芽細胞分化阻害および分化誘導阻害剤、
軟骨形成阻害剤、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化阻
害および分化誘導阻害剤、BMP作用阻害剤として有用
である。さらに、当該化合物は、例えば、骨大理石病、
骨軟骨腫症などの骨疾患に対する安全で低毒性な予防・
治療剤として有用である。本発明のスクリーニング方法
またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物
またはその塩を上記の医薬組成物として使用する場合、
常套手段に従って実施することができる。例えば、該化
合物は、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、
エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的
に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る
液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で
非経口的に使用できる。例えば、該化合物を生理学的に
認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防
腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製
剤実施に要求される単位用量形態で混和することによっ
て製造することができる。これら製剤における有効成分
量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにする
ものである。
【0031】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性
液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、
溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコー
ルなどと併用してもよい。また、上記予防・治療剤は、
例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリ
ウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに充填される。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺
乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。該化合物またはその塩の投与量は、投与対
象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はある
が、経口投与の場合、一般的に例えば、骨粗鬆症患者
(60kgとして)に対してNQO2阻害薬を一日につ
き約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口
的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象
臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例え
ば、注射剤の形では通常例えば、骨粗鬆症患者(60k
gとして)に対してNQO2阻害薬を一日につき約0.
01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与する
のが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たり
に換算した量を投与することができる。
【0032】[14]アンチセンスヌクレオチドの用途 上記したNQO2をコードするポリヌクレオチドと相補
的な塩基配列またはその一部を含有してなるヌクレオチ
ド(即ち、アンチセンスヌクレオチド)は、NQO2の
発現を阻害することができるので、上記NQO2活性阻
害剤と同様、骨形成促進剤、前駆骨芽細胞を含めた骨芽
細胞分化誘導および分化誘導促進剤、軟骨形成促進剤、
前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化誘導および分化誘導
促進剤、BMP作用増強剤として有用である。また、当
該アンチセンスヌクレオチドは、例えば、骨疾患の予防
・治療剤として、より具体的には、整形外科領域におけ
る骨折、再骨折、骨変形・変形脊椎症、骨肉腫、骨髄
腫、骨形成不全、側弯症等の非代謝性骨疾患;骨欠損、
骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、線維性骨炎、腎性骨異栄
養症、骨ぺーチェット病、硬直性脊髄炎等の代謝性骨疾
患;または変形性関節炎、慢性関節リウマチなどの軟骨
疾患に代表される関節疾患などの各種骨疾患に対する安
全で低毒性な予防・治療剤として有用である。さらに、
当該アンチセンスヌクレオチドは、多発性骨髄腫、肺
癌、乳癌などの外科手術後の骨組織修復剤として、また
歯科領域においては、歯周病の治療、歯周疾患における
歯周組織欠損の修復、人工歯根の安定化、顎堤形成およ
び口蓋裂の修復などに使用できる。該アンチセンスヌク
レオチドを上記予防・治療剤として使用する場合は、該
ヌクレオチドを単独あるいはレトロウイルスベクター、
アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテ
ッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した
後、常套手段に従って実施することができる。該ヌクレ
オチドは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助
剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのよう
なカテーテルによって投与できる。例えば、該ヌクレオ
チドは、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、
エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的
に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る
液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で
非経口的に使用できる。例えば、該ヌクレオチドを生理
学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒク
ル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認めら
れた製剤実施に要求される単位用量形態で混和すること
によって製造することができる。これら製剤における有
効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるよう
にするものである。錠剤、カプセル剤などに混和するこ
とができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーン
スターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、
結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼ
ラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸
マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッ
カリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油また
はチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位
形態がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさ
らに油脂のような液状担体を含有することができる。注
射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の
活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油
などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従
って処方することができる。注射用の水性液としては、
例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む
等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトー
ル、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解
補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリ
アルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベ
ート80TM、HCO−50)などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。また、上記予防・治療剤
は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナ
トリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコ
ニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト
血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存
剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、
酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は
通常、適当なアンプルに充填される。このようにして得
られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや
哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、
ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与する
ことができる。該アンチセンスヌクレオチドの投与量
は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差
異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、骨粗鬆
症患者(60kgとして)においては、一日につき約
0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口
的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象
臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例え
ば、注射剤の形では通常例えば、骨粗鬆症患者(60k
gとして)においては、一日につき約0.01〜30m
g程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ま
しくは約0.1〜10mg程度を投与するのが好都合で
ある。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量
を投与することができる。
【0033】[15]抗NQO2抗体の用途 (a)診断薬 NQO2等に対する抗体は、NQO2等を特異的に認識
することができるので、被検液中のNQO2等の定量、
特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使用する
ことができる。すなわち、本発明は、例えば、(i)該
抗体と、被検液および標識化NQO2等とを競合的に反
応させ、該抗体に結合した標識化NQO2等の割合を測
定することを特徴とする被検液中のNQO2等の定量
法、(ii)被検液と担体上に不溶化した該抗体および標
識化された該抗体とを同時あるいは連続的に反応させた
のち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特
徴とする被検液中のNQO2等の定量法を提供する。上
記(ii)においては、不溶化抗体と標識化抗体とが互い
にNQO2等との結合を妨害しないような抗原認識部位
を有することが好ましい(例えば、一方の抗体がNQO
2等のN端部を認識し、他方の抗体がNQO2等のC端
部に反応する等)。NQO2等に対するモノクローナル
抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称する場合
がある)を用いてNQO2等の測定を行なえるほか、組
織染色等による検出を行なうこともできる。これらの目
的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体
分子のF(ab') 、Fab'、あるいはFab画分を
用いてもよい。NQO2等に対する抗体を用いる測定法
は、特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗
原量(例えば、NQO2量)に対応した抗体、抗原もし
くは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段に
より検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて
作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれ
の測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競
合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適
に用いられるが、感度、特異性の点で、後に記載するサ
ンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。標識物質を用
いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射
性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられ
る。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、
131I〕、〔H〕、〔14C〕などが用いられ
る。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好
ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシ
ダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダー
ゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質と
しては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイ
ソチオシアネートなどが用いられる。発光物質として
は、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェ
リン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体ある
いは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用
いることもできる。抗原あるいは抗体の不溶化に当って
は、物理吸着を用いてもよく、また通常、蛋白質あるい
は酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合
を用いる方法でもよい。担体としては、例えば、アガロ
ース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、
ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成
樹脂、あるいはガラス等が用いられる。
【0034】サンドイッチ法においては不溶化したモノ
クローナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さら
に標識化したモノクローナル抗体を反応させ(2次反
応)た後、不溶化担体上の標識剤の活性を測定すること
により被検液中のNQO2量を定量することができる。
1次反応と2次反応は逆の順序に行なっても、また、同
時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。
標識化剤および不溶化の方法は上記のそれらに準じるこ
とができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法に
おいて、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗
体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上
させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いても
よい。本発明のサンドイッチ法によるNQO2等の測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられるモノク
ローナル抗体はNQO2等の結合する部位が相異なる抗
体が好ましく用いられる。すなわち、1次反応および2
次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いら
れる抗体が、NQO2のC端部を認識する場合、1次反
応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えば
N端部を認識する抗体が用いられる。モノクローナル抗
体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合
法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに
用いることができる。競合法では、被検液中の抗原と標
識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反
応の標識抗原と(F)と抗体と結合した標識抗原(B)
とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を
測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、
抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレ
ングリコール、上記抗体に対する第2抗体などを用いる
液相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いる
か、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体
として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
【0035】イムノメトリック法では、被検液中の抗原
と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応
させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中
の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化
抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたの
ち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識
量を測定し被検液中の抗原量を定量する。また、ネフロ
メトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の
結果、生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中
の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場
合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリ
ーなどが好適に用いられる。これら個々の免疫学的測定
法を本発明の測定方法に適用するにあたっては、特別の
条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法
における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配
慮を加えて本発明のNQO2またはその塩の測定系を構
築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細につい
ては、総説、成書などを参照することができる〔例え
ば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭
和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセ
イ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素
免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治
ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和5
7年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3
版)(医学書院、昭和62年発行)、「メソッズ・イン
・エンジモノジー(Methods in ENZYMOLOGY)」 Vol. 7
0 (Immunochemical Techniques (Part A))、同書 Vol.
73 (Immunochemical Techniques (Part B))、同書 Vol.
74 (Immunochemical Techniques (Part C))、同書 Vo
l. 84 (Immunochemical Techniques (Part D: Selected
Immunoassays))、同書 Vol. 92 (Immuno-chemical Tec
hniques (Part E: Monoclonal Antibodiesand General
Immunoassay Methods))、同書 Vol. 121 (Immunochemic
al Techniques (Part I: Hybridoma Technology and Mo
noclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発
行)など参照〕。以上のように、NQO2等に対する抗
体を用いることによって、NQO2等を感度良く定量す
ることができる。
【0036】さらに、該抗体を用いて、生体内でのNQ
O2等を定量することによって、NQO2に関連する骨
疾患の診断をすることができる。例えば、該抗体を用い
ることによって、NQO2等の濃度が正常値に比べて高
いまたは低いことが判明した場合、例えば、整形外科領
域における骨折、再骨折、骨変形・変形脊椎症、骨肉
腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症等の非代謝性骨疾患;
骨欠損、骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、線維性骨炎、腎
性骨異栄養症、骨ぺーチェット病、硬直性脊髄炎等の代
謝性骨疾患;または変形性関節炎、慢性関節リウマチな
どの軟骨疾患に代表される関節疾患、骨大理石病、骨軟
骨腫症などの各種骨疾患に罹患している、または罹患す
る可能性が高いと診断することができる。また、該抗体
は、体液や組織などの被検体中に存在するNQO2等を
特異的に検出するために使用することができる。また、
NQO2等を精製するために使用する抗体カラムの作
製、精製時の各分画中のNQO2等の検出、被検細胞内
におけるNQO2の挙動の分析などのために使用するこ
とができる。
【0037】(b)骨疾患予防・治療薬 NQO2等に対する抗体は、NQO2等を特異的に認識
してこれに結合することにより、NQO2の還元酵素活
性を阻害することができる。したがって、該抗体は、骨
形成促進剤、前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化誘導お
よび分化誘導促進剤、軟骨形成促進剤、前駆軟骨細胞を
含めた軟骨細胞分化誘導および分化誘導促進剤、BMP
作用増強剤として有用である。また、当該抗体は、例え
ば、骨疾患の予防・治療剤として、より具体的には、整
形外科領域における骨折、再骨折、骨変形・変形脊椎
症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症等の非代謝性
骨疾患;骨欠損、骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、線維性
骨炎、腎性骨異栄養症、骨ぺーチェット病、硬直性脊髄
炎等の代謝性骨疾患;または変形性関節炎、慢性関節リ
ウマチなどの軟骨疾患に代表される関節疾患などの各種
骨疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤として有用
である。さらに、当該抗体は、多発性骨髄腫、肺癌、乳
癌などの外科手術後の骨組織修復剤として、また歯科領
域においては、歯周病の治療、歯周疾患における歯周組
織欠損の修復、人工歯根の安定化、顎堤形成および口蓋
裂の修復などに使用できる。該抗体を上記予防・治療剤
として使用する場合は、そのまま液剤として、または適
当な剤形の医薬組成物として、あるいは摂取促進のため
の補助剤とともに投与できる。例えば、該抗体は、必要
に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル
剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは
水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性
溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使
用できる。例えば、該抗体を生理学的に認められる公知
の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、
結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求さ
れる単位用量形態で混和することによって製造すること
ができる。これら製剤における有効成分量は指示された
範囲の適当な用量が得られるようにするものである。錠
剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤とし
ては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガン
ト、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースの
ような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸
などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのよう
な潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味
剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような
香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルであ
る場合には、上記タイプの材料にさらに油脂のような液
状担体を含有することができる。注射のための無菌組成
物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、
椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸
濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することが
できる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩
水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、
D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム
など)などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、ア
ルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イ
オン性界面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HC
O−50)などと併用してもよい。油性液としては、例
えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤であ
る安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用し
てもよい。
【0038】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例
えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができ
る。該抗体の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投
与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般
的に例えば、骨粗鬆症患者(60kgとして)において
は、一日につき約0.1mg〜100mg、好ましくは
約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20m
gである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量
は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても
異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、骨粗鬆
症患者(60kgとして)においては、一日につき約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与
するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当
たりに換算した量を投与することができる。さらに、N
QO2等に対する抗体は、NQO2を特異的に認識する
ので、上記NQO2活性阻害剤または促進剤と組み合わ
せてそれらの薬剤をNQO2に送達するためのターゲッ
ティング薬として使用することもできる。
【0039】[16]NQO2等をコードするヌクレオ
チドの用途 (a)診断薬 NQO2等をコードするヌクレオチドを含有するヌクレ
オチドは、プローブとして使用することにより、ヒトま
たは他の哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)における
NQO2等をコードするDNAまたはmRNAの異常
(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、
該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現
低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過
多などの遺伝子診断剤として有用である。該ポリヌクレ
オチドを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知
のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP
法(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜87
9頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ユーエスエー(Proceedings of the National Academy
of Sciences of the United States of America),第
86巻,2766〜2770頁(1989年))などに
より実施することができる。例えば、該ポリヌクレオチ
ドを用いることによって、NQO2等のDNAまたはm
RNA量が正常値に比べて高いまたは低いことが判明し
た場合、例えば、整形外科領域における骨折、再骨折、
骨変形・変形脊椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側
弯症等の非代謝性骨疾患;骨欠損、骨粗鬆症、骨軟化
症、くる病、線維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ぺーチェ
ット病、硬直性脊髄炎等の代謝性骨疾患;または変形性
関節炎、慢性関節リウマチなどの軟骨疾患に代表される
関節疾患、骨大理石病、骨軟骨腫症などの各種骨疾患に
罹患している、または罹患する可能性が高いと診断する
ことができる。
【0040】(b)骨疾患予防・治療剤 NQO2またはNQO2酵素活性を有するその部分ペプ
チドをコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドは、
ヒトまたは他の哺乳動物細胞内で機能的なプロモーター
を含む発現ベクターに挿入して用いることにより、該ポ
リヌクレオチドが導入されたヒトまたは他の哺乳動物細
胞内のNQO2蛋白質合成能を増強させ、NQO2蛋白
質量を富化させることができる。したがって、該ポリヌ
クレオチドは、NQO2の発現量が低下するか、あるい
はNQO2遺伝子の変異によりNQO2欠損となった
り、活性の低下したNQO2しか産生されないために、
骨形成、骨芽細胞分化、軟骨形成、軟骨細胞分化、BM
P作用が異常亢進している動物において、これらの作用
を抑制するための骨形成阻害剤、前駆骨芽細胞を含めた
骨芽細胞分化阻害および分化誘導阻害剤、軟骨形成阻害
剤、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化阻害および分化
誘導阻害剤、BMP作用阻害剤として有用である。さら
に、当該ポリヌクレオチドは、例えば、骨大理石病、骨
軟骨腫症などの骨疾患の予防・治療剤として使用でき
る。該ポリヌクレオチドを上記予防・治療剤として使用
する場合は、該ポリヌクレオチドをレトロウイルスベク
ター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシ
エーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿
入した後、常套手段に従って実施することができる。該
ポリヌクレオチドは、そのままで、あるいは摂取促進の
ための補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテー
テルのようなカテーテルによって投与できる。例えば、
該ポリヌクレオチドは、必要に応じて糖衣を施した錠
剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤な
どとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学
的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤など
の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該ポリ
ヌクレオチドを生理学的に認められる公知の担体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
用量が得られるようにするものである。錠剤、カプセル
剤などに混和することができる添加剤としては、例え
ば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビア
ゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形
剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのよう
な膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、
ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパー
ミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤など
が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合に
は、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を
含有することができる。注射のための無菌組成物は注射
用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油な
どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させる
などの通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ
糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビ
トール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)など
が用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール
(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界
面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HCO−5
0)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、
ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息
香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよ
い。また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝剤(例え
ば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充
填される。このようにして得られる製剤は安全で低毒性
であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。該ポリ
ヌクレオチドの投与量は、投与対象、対象臓器、症状、
投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一
般的に例えば、骨大理石病患者(60kgとして)にお
いては、一日につき約0.1mg〜100mg、好まし
くは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜2
0mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投
与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっ
ても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、骨
大理石病患者(60kgとして)においては、一日につ
き約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜2
0mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を
投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60k
g当たりに換算した量を投与することができる。
【0041】[17]NQO2等の用途 NQO2もしくはNQO2酵素活性を有するその部分ペ
プチドまたはその塩は、上記ポリヌクレオチドと同様
に、投与された動物体内におけるNQO2活性を増強す
ることができるので、骨形成阻害剤、前駆骨芽細胞を含
めた骨芽細胞分化阻害および分化誘導阻害剤、軟骨形成
阻害剤、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化阻害および
分化誘導阻害剤、BMP作用阻害剤として有用である。
さらに、該NQO2等は、例えば、骨大理石病、骨軟骨
腫症などの骨疾患の予防・治療剤として使用できる。該
NQO2等を上記予防・治療剤として使用する場合は、
そのまま液剤として、または適当な剤形の医薬組成物と
して、あるいは摂取促進のための補助剤とともに投与で
きる。例えば、該NQO2等は、必要に応じて糖衣を施
した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセ
ル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外
の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液
剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、
該NQO2等を生理学的に認められる公知の担体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
用量が得られるようにするものである。錠剤、カプセル
剤などに混和することができる添加剤としては、例え
ば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビア
ゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形
剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのよう
な膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、
ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパー
ミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤など
が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合に
は、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を
含有することができる。注射のための無菌組成物は注射
用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油な
どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させる
などの通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ
糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビ
トール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)など
が用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール
(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界
面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HCO−5
0)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、
ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息
香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよ
い。また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝剤(例え
ば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充
填される。このようにして得られる製剤は安全で低毒性
であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。該NQ
O2等の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方
法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に
例えば、骨大理石病患者(60kgとして)において
は、一日につき約0.1mg〜100mg、好ましくは
約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20m
gである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量
は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても
異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、骨大理
石病患者(60kgとして)においては、一日につき約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を投与
するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当
たりに換算した量を投与することができる。
【0042】[18]NQO2等の発現量を変化させる
化合物のスクリーニング方法 さらに、本発明は、NQO2等の発現量を変化させる化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。本
方法では、上記のNQO2等をコードする塩基配列を含
むヌクレオチドをプローブもしくはプライマーとして用
いることにより、NQO2等の発現量を変化させる化合
物またはその塩をスクリーニングする。すなわち、本発
明は、例えば、(i)ヒトや哺乳動物の血液、NQ
O2を発現する特定の臓器、該臓器から単離した組織
もしくは細胞、または(ii)NQO2もしくはNQO2
活性を有するその部分ペプチドをコードする塩基配列を
含むポリヌクレオチドを導入した形質転換体等に含まれ
るNQO2等のmRNA量を、NQO2等をコードする
塩基配列を含むヌクレオチドを用いて測定することによ
る、NQO2等の発現量を変化させる化合物のスクリー
ニング方法を提供する。NQO2等のmRNA量の測定
は具体的には以下のようにして行なう。 (i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど、より具体的には骨粗鬆症マウス、
骨大理石病マウス、痴呆ラット、肥満マウス、動脈硬化
ウサギ、担癌マウスなど)に対して、薬剤(例えば、酸
化剤、抗酸化剤、ビタミン類、重金属、抗痴呆薬、血圧
低下薬、抗癌剤、抗肥満薬など)あるいは物理的ストレ
ス(例えば、紫外線、浸水ストレス、電気ショック、明
暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血
液、あるいは特定の臓器(例えば、脳、肝臓、腎臓な
ど)、または臓器から単離した組織、あるいは細胞を得
る。または、ヒトの血液、臓器、臓器から単離した組織
あるいは細胞を得る。得られた細胞等に含まれるNQO
2等のmRNAは、例えば、通常の方法により細胞等か
らmRNAを抽出し、例えば、TaqManPCRなどの手法を
用いることにより定量することができ、自体公知の手段
によりノザンブロットを行うことにより解析することも
できる。 (ii)NQO2等を発現する形質転換体を上記の方法に
従い作製し、該形質転換体に含まれるNQO2等のmR
NAを同様にして定量、解析することができる。NQO
2等の発現量を変化させる化合物のスクリーニングは、
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対し
て、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時間
前(30分前〜24時間前、好ましくは30分前〜12
時間前、より好ましくは1時間前〜6時間前)もしくは
一定時間後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜
2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、また
は薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投
与し、投与後一定時間経過後(30分後〜3日後、好ま
しくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜2
4時間後)、細胞に含まれるNQO2等のmRNA量を
定量、解析することにより行なうことができ、(ii)形
質転換体あるいはヒト由来細胞を常法に従い培養する際
に被検化合物を培地中に混合させ、一定時間培養後(1
日後〜7日後、好ましくは1日後〜3日後、より好まし
くは2日後〜3日後)、該形質転換体等に含まれるNQ
O2等のmRNA量を定量、解析することにより行なう
ことができる。このスクリーニング方法を用いて得られ
る化合物またはその塩は、NQO2等の発現量を変化さ
せる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)N
QO2等の発現量を増加させることにより、NQO2活
性を促進する化合物、または(ロ)NQO2等の発現量
を減少させることにより、NQO2活性を阻害する化合
物である。
【0043】該化合物としては、ペプチド、蛋白、非ペ
プチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げら
れ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公
知の化合物であってもよい。NQO2等の発現量を増加
させる化合物またはその塩は、例えば、骨形成阻害剤、
前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化阻害および分化誘導
阻害剤、軟骨形成阻害剤、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細
胞分化阻害および分化誘導阻害剤、BMP作用阻害剤と
して有用である。さらに、当該化合物またはその塩は、
例えば、骨大理石病、骨軟骨腫症などの骨疾患の予防・
治療剤として有用である。NQO2等の発現量を減少さ
せる化合物またはその塩は、例えば、骨形成促進剤、前
駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化誘導および分化誘導促
進剤、軟骨形成促進剤、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞
分化誘導および分化誘導促進剤、BMP作用増強剤とし
て有用である。また、当該化合物またはその塩は、例え
ば、骨または関節疾患の予防・治療剤として、より具体
的には、整形外科領域における骨折、再骨折、骨変形・
変形脊椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症等の
非代謝性骨疾患;骨欠損、骨粗鬆症、骨軟化症、くる
病、線維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ぺーチェット病、
硬直性脊髄炎等の代謝性骨疾患;または変形性関節炎、
慢性関節リウマチなどの軟骨疾患に代表される関節疾患
などの各種骨疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤
として有用である。さらに、当該化合物またはその塩
は、多発性骨髄腫、肺癌、乳癌などの外科手術後の骨組
織修復剤として、また歯科領域においては、歯周病の治
療、歯周疾患における歯周組織欠損の修復、人工歯根の
安定化、顎堤形成および口蓋裂の修復などに使用でき
る。上記のスクリーニング方法を用いて得られるNQO
2の発現量を変化させる化合物またはその塩を医薬組成
物として使用する場合、常套手段に従って実施すること
ができる。例えば、上記したNQO2の還元酵素活性を
促進または阻害する化合物またはその塩を含有する製剤
と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイ
クロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすること
ができる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性
であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)に対して投与することができる。該化合
物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に、例えば、骨粗鬆症患者(60kgとし
て)に対してNQO2等の発現量を減少させる化合物を
一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0
〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgであ
る。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与
対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なる
が、例えば、注射剤の形では通常例えば、骨粗鬆症患者
(60kgとして)に対してNQO2等の発現量を減少
させる化合物を一日につき約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。他
の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与す
ることができる。
【0044】[19]NQO2プロモーターのプロモー
ター活性を変化させる化合物のスクリーニング方法 さらに、本発明は、NQO2プロモーターを用いたレポ
ーター遺伝子アッセイ方法において、試験化合物を投与
した場合と試験化合物を投与しない場合の当該プロモー
ター活性を測定することを特徴とする当該プロモーター
活性を調節する化合物またはその塩のスクリーニング法
を提供する。NQO2は酸化ストレス応答や異物代謝に
関与する酵素であり、その遺伝子プロモーターの近傍に
は抗酸化剤応答エレメント(ARE)および異物応答エ
レメント(XRE)という2種のシスエレメントが配置
されている。本明細書におけるNQO2プロモーターと
は、これらのシスエレメントを含んだものも包含してよ
いものとする。レポーター遺伝子アッセイは、自体公知
の方法、例えば、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー(J.B.C.)、第272巻、22800-22808項、
1997年、デベロプメント、第124巻、793-804項、1997
年)などに記載の方法を用いることができる。試験化合
物としては、例えば、ペプチド、タンパク、生体由来非
ペプチド性化合物(糖質、脂質など)、合成化合物、微
生物培養物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液
などが挙げられ、これら化合物は新規化合物であっても
よいし、公知の化合物であってもよい。プロモーター活
性は、レポーター遺伝子の発現量を調べることによって
測定することができる。例えば、ノーザンブロッティン
グやReverse transcription-polymerase chain reactio
n(RT-PCR)やTaqMan polymerase chain reactionなどの
方法あるいはそれに準じる方法に従って、レポーター遺
伝子の発現量を測定することができる。この方法におい
て、試験化合物を投与しない場合に比べて、試験化合物
を投与した場合のレポーター遺伝子の発現量が、約20
%上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%
以上増強する化合物を、NQO2プロモーターのプロモ
ーター活性を促進する化合物として選択することができ
る。一方、試験化合物を投与しない場合に比べて、試験
化合物を投与した場合のレポーター遺伝子の発現量が、
約20%上、好ましくは30%以上、より好ましくは約
50%以上阻害する化合物を、NQO2プロモーターの
プロモーター活性を阻害する化合物として選択すること
ができる。NQO2プロモーターのプロモーター活性を
促進する化合物またはその塩は、例えば、骨形成阻害
剤、前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化阻害および分化
誘導阻害剤、軟骨形成阻害剤、前駆軟骨細胞を含めた軟
骨細胞分化阻害および分化誘導阻害剤、BMP作用阻害
剤として有用である。さらに、当該化合物またはその塩
は、例えば、骨大理石病、骨軟骨腫症などの骨疾患の予
防・治療剤として有用である。NQO2プロモーターの
プロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、例
えば、骨形成促進剤、前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分
化誘導および分化誘導促進剤、軟骨形成促進剤、前駆軟
骨細胞を含めた軟骨細胞分化誘導および分化誘導促進
剤、BMP作用増強剤として有用である。また、当該化
合物またはその塩は、例えば、骨疾患の予防・治療剤と
して、より具体的には、整形外科領域における骨折、再
骨折、骨変形・変形脊椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不
全、側弯症等の非代謝性骨疾患;骨欠損、骨粗鬆症、骨
軟化症、くる病、線維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ぺー
チェット病、硬直性脊髄炎等の代謝性骨疾患;または変
形性関節炎、慢性関節リウマチなどの軟骨疾患に代表さ
れる関節疾患などの各種骨疾患に対する安全で低毒性な
予防・治療剤として有用である。さらに、当該化合物ま
たはその塩は、多発性骨髄腫、肺癌、乳癌などの外科手
術後の骨組織修復剤として、また歯科領域においては、
歯周病の治療、歯周疾患における歯周組織欠損の修復、
人工歯根の安定化、顎堤形成および口蓋裂の修復などに
使用できる。上記のスクリーニング方法を用いて得られ
るNQO2プロモーターのプロモーター活性を変化させ
る化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場
合、常套手段に従って実施することができる。例えば、
上記したNQO2の還元酵素活性を促進または阻害する
化合物を含有する製剤と同様にして、錠剤、カプセル
剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、
懸濁液剤などとすることができる。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺
乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。該化合物またはその塩の投与量は、投与対
象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はある
が、経口投与の場合、一般的に、例えば、骨粗鬆症患者
(60kgとして)に対してNQO2プロモーターのプ
ロモーター活性を阻害する化合物を一日につき約0.1
〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好
ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与す
る場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤
の形では通常例えば、骨粗鬆症患者(60kgとして)
に対してNQO2プロモーターのプロモーター活性を阻
害する化合物を一日につき約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を投与するのが好都合である。他
の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与す
ることができる。
【0045】[20]NQO2の発現または活性を調節
することによる骨疾患の予防・治療 NQO2は骨形成阻害作用、前駆骨芽細胞を含めた骨芽
細胞分化阻害および分化誘導阻害作用、軟骨形成阻害作
用、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化阻害および分化
誘導阻害作用、BMP作用阻害作用を示すので、骨疾患
に罹病したもしくは罹病する可能性の高いヒトまたは他
の哺乳動物体内におけるNQO2の発現もしくは活性を
促進もしくは阻害することにより、当該動物の骨疾患を
予防・治療することができる。したがって、本発明は、
哺乳動物体内におけるNQO2の発現もしくは活性を、
骨疾患の予防・治療に有効な程度阻害もしくは促進する
ことを含む、該哺乳動物の骨疾患の予防・治療方法を提
供する。NQO2の発現もしくは活性を阻害する手段は
特に限定されず、例えば、上記[18]のスクリーニン
グ方法により得られるNQO2の発現量を減少させる化
合物、上記[19]のスクリーニング方法により得られ
るNQO2プロモーターのプロモーター活性を阻害する
化合物を動物に投与したり、あるいは上記[14]に従
ってNQO2のアンチセンスヌクレオチドを投与する
他、NQO2遺伝子プロモーター領域に存在するARE
やXREを負に調節する化合物の投与もしくは物理的ス
トレスの負荷などが挙げられる。NQO2の活性を阻害
する手段も特に制限されず、例えば、上記[12]のス
クリーニング方法・スクリーニング用キットを用いて、
あるいは他のいずれかの手段により得られるNQO2の
活性阻害剤を上記[13]の記載に従って動物に投与す
るか、上記[15]の記載に従ってNQO2等に対する
抗体を投与する他、NQO2発現細胞への変異原処理や
部位特異的変異誘発等の自体公知の手段を用いて作製さ
れる、基質キノン類に対する親和性を保持するが還元酵
素活性を欠損した変異NQO2もしくはそれをコードす
るポリヌクレオチドを、上記[16]および[17]に
記載の方法に準じて動物に投与する方法、物理的ストレ
スの負荷によりNQO2を失活させる方法などが挙げら
れる。NQO2の発現もしくは活性を阻害することによ
り、骨形成、前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化および
分化誘導、軟骨形成、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分
化および分化誘導、BMP作用が促進もしくは増強され
るので、かかる処置は、上記作用により予防・治療効果
が期待される各種骨疾患、例えば、骨折、再骨折、骨変
形・変形脊椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯
症、骨欠損、骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、線維性骨
炎、腎性骨異栄養症、骨ぺーチェット病、硬直性脊髄炎
症、変形性関節症または慢性関節リウマチの予防・治療
に有用である。NQO2の発現もしくは活性を促進する
手段は特に限定されず、例えば、上記[18]のスクリ
ーニング方法により得られるNQO2の発現量を増加さ
せる化合物、上記[19]のスクリーニング方法により
得られるNQO2プロモーターのプロモーター活性を促
進する化合物を動物に投与したり、あるいは上記[1
6]の記載に従ってNQO2等をコードするポリヌクレ
オチドを投与する他、NQO2遺伝子プロモーター領域
に存在するAREやXREを正に調節する化合物(例え
ば、酸化剤、抗酸化剤もしくはビタミン類、重金属、そ
の他の生体異物など)の投与もしくは物理的ストレス
(例えば、紫外線、酸化ストレスなど)の負荷などが挙
げられる。NQO2の活性を促進する手段も特に制限さ
れず、例えば、上記[12]のスクリーニング方法・ス
クリーニング用キットを用いて、あるいは他のいずれか
の手段により得られるNQO2の活性促進剤を上記[1
3]の記載に従って動物に投与するか、上記[17]の
記載に従ってNQO2もしくはNQO2活性を有するそ
の部分ペプチドまたはその塩を投与する他、NQO2発
現細胞への変異原処理や部位特異的変異誘発等の自体公
知の手段を用いて作製される、還元酵素活性が野生型よ
りも向上された変異NQO2もしくはそれをコードする
ポリヌクレオチドを、上記[16]および[17]に記
載の方法に準じて動物に投与する方法などが挙げられ
る。NQO2の発現もしくは活性を促進することによ
り、骨形成、前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化および
分化誘導、軟骨形成、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分
化および分化誘導、BMP作用が阻害されるので、かか
る処置は、上記作用を抑制することにより予防・治療効
果が期待される各種骨疾患、例えば、骨大理石病、骨軟
骨腫症などの骨疾患の予防・治療に有用である。
【0046】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム EIA :エンザイムイムノアッセイ Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキ
サミド基
【0047】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕ヒト由来NQO2をコードするポリヌ
クレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:2〕ヒト由来NQO2のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:3〕マウス由来NQO2をコードするポリ
ヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕マウス由来NQO2のアミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:5〕実施例1のPCRに用いたプライマー
の塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕実施例1のPCRに用いたプライマー
の塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕実施例2で用いたantisense S-oligo
DNAの配列を示す。 〔配列番号:8〕実施例2で用いたsense S-oligo DNA
の配列を示す。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法はモレキュラ
ー・クローニング(Molecular cloning)に記載されて
いる方法に従った。 実施例1 化合物のNQO2活性への効果 (1)GSTとNQO2の融合蛋白発現系の構築 マウス骨芽細胞株MC3T3-E1から全RNAを調製し、oligo-d
T プライマーを用いてcDNA合成を行った。このcDNAを
鋳型とし、 配列番号:5および配列番号:6でそれぞ
れ表される塩基配列を有する2の合成DNAをプライマー
としてPCRを行ない、制限酵素切断配列を付加した。得ら
れたDNA断片を制限酵素BamHIとSalIで切断し、plasmid
pGEX-4T-2(Amersham Pharmacia Biotech社)のBamHI-S
alI切断部位の間に挿入した。塩基配列を確認した後、こ
のplasmidを保持する大腸菌DH5α(GIBCO BRL社)をLB
培地で培養し、Amersham Pharmacia Biotech社の推奨す
る手順に従ってIPTGによる発現誘導を行ない、Glutathi
one-Sepharose(AmershamPharmacia Biotech社)での精
製を行った。2LのLB培地での培養液から、3.0mgの融合
蛋白が得られた。 (2)NQO2の活性に対する化合物の効果 骨形成促進作用を有する化合物AのNQO2の活性に対する
効果を、上記(1)で得られた融合蛋白を用いて調べた。こ
の化合物は骨芽細胞を用いた試験において1μMでalkal
in phosphatase誘導作用を有する。反応は50mM Tris・H
Cl pH7.4、200mM NaCl、50μM 1-carbamoylmethyl-3-
carbamoyl-1,4-dihydropyridine〔NRH(dihydronicotina
mide riboside)の構造類似化合物、R. J. Knoxらの文献
(Cancer Research, vol. 60, p.4179-4186, 2000)に
従って合成した〕、30μM methyl red(和光純薬社)を
含む水溶液に10nMの融合蛋白を加えて25℃で行ない、me
thyl redの還元を436nmにおける吸光度の減少で検出し
た。化合物Aは1μMで38%の抑制作用を示した。
【化1】
【0049】実施例2 Antisense DNA導入によるNQO2
発現抑制が引き起こす骨芽細胞の分化促進 マウス骨芽細胞株MC3T3-E1を、10%牛胎児血清と100μg/
mlカナマイシンを含むMEMαを培地として48-well plate
に1.4x104個ずつ播き、一晩培養した。100μlの無血清
αMEMに3μl FuGene6(Roche社)と配列7(マウスNQO2
mRNAに対するantisense配列)および配列8(同mRNA
に対するsense配列)に示した塩基配列を有するS-oligo
DNAそれぞれ1.5μg を加え、室温で15分間静置した
後、22μlずつ各wellに添加し、37℃、5%CO2存在下で一
晩培養した。その後、終濃度50μg/ml ascorbic acidと
10mM β-glycerophosphateを添加して4日間培養し、Not
oyaらの文献(Journal of Bone and Mineral Research
9:395-400,1994)に従ってアルカリホスファターゼ活性
の測定を行った。各細胞破砕液の蛋白濃度を測定し、活
性の値を補正し、DNAを添加せずに同様の処置を行った
細胞での活性値を100%として図1に示した。Sense配列
のDNAを導入した細胞では、導入していない細胞との差
は認められなかったが、antisense配列のDNAを導入した
細胞では非導入細胞よりも有意に高い値が得られた(p<
0.05)。この結果は、NQO2の発現抑制が骨芽細胞の分化
を促進することを示している。
【0050】
【発明の効果】本発明のスクリーニング方法を用いるこ
とにより、骨形成促進薬または骨形成阻害薬を効率良く
選択することができる。本出願は日本で出願された特願
2001−128078を基礎としており、その内容は
本明細書にすべて包含されるものである。また、本明細
書において引用された特許および特許出願を含む文献
は、引用したことによってその内容のすべてが開示され
たと同程度に本明細書中に組み込まれるものである。
【0051】
【配列表】 <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Screening Method <130> 182206 <150> JP 2001-128078 <151> 2001-04-25 <160> 8 <170> PatentIn version 3.1 <210> 1 <211> 976 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (176)..(868) <223> <400> 1 cccggaacct ggcgcaactc ctagagcggt ccttggggag acgcgggtcc cagtcctgcg 60 gctcctactg gggagtgcgc tggtcggaag attgctggac tcgctgaaga gagactacgc 120 aggaaagccc cagccaccca tcaaatcaga gagaaggaat ccaccttctt acgct atg 178 Met 1 gca ggt aag aaa gta ctc att gtc tat gca cac cag gaa ccc aag tct 226 Ala Gly Lys Lys Val Leu Ile Val Tyr Ala His Gln Glu Pro Lys Ser 5 10 15 ttc aac gga tcc ttg aag aat gtg gct gta gat gaa ctg agc agg cag 274 Phe Asn Gly Ser Leu Lys Asn Val Ala Val Asp Glu Leu Ser Arg Gln 20 25 30 ggc tgc acc gtc aca gtg tct gat ttg tat gcc atg aac ttt gag ccg 322 Gly Cys Thr Val Thr Val Ser Asp Leu Tyr Ala Met Asn Phe Glu Pro 35 40 45 agg gcc aca gac aaa gat atc act ggt act ctt tct aat cct gag gtt 370 Arg Ala Thr Asp Lys Asp Ile Thr Gly Thr Leu Ser Asn Pro Glu Val 50 55 60 65 ttc aat tat gga gtg gaa acc cac gaa gcc tac aag caa agg tct ctg 418 Phe Asn Tyr Gly Val Glu Thr His Glu Ala Tyr Lys Gln Arg Ser Leu 70 75 80 gct agc gac atc act gat gag cag aaa aag gtt cgg gag gct gac cta 466 Ala Ser Asp Ile Thr Asp Glu Gln Lys Lys Val Arg Glu Ala Asp Leu 85 90 95 gtg ata ttt cag ttc ccg ctg tac tgg ttc agc gtg ccg gcc atc ctg 514 Val Ile Phe Gln Phe Pro Leu Tyr Trp Phe Ser Val Pro Ala Ile Leu 100 105 110 aag ggc tgg atg gat agg gtg ctg tgc cag ggc ttt gcc ttt gac atc 562 Lys Gly Trp Met Asp Arg Val Leu Cys Gln Gly Phe Ala Phe Asp Ile 115 120 125 cca gga ttc tac gat tcc ggt ttg ctc cag ggt aaa cta gcg ctc ctt 610 Pro Gly Phe Tyr Asp Ser Gly Leu Leu Gln Gly Lys Leu Ala Leu Leu 130 135 140 145 tcc gta acc acg gga ggc acg gcc gag atg tac acg aag aca gga gtc 658 Ser Val Thr Thr Gly Gly Thr Ala Glu Met Tyr Thr Lys Thr Gly Val 150 155 160 aat gga gat tct cga tac ttc ctg tgg cca ctc cag cat ggc aca tta 706 Asn Gly Asp Ser Arg Tyr Phe Leu Trp Pro Leu Gln His Gly Thr Leu 165 170 175 cac ttc tgt gga ttt aaa gtc ctt gcc cct cag atc agc ttt gct cct 754 His Phe Cys Gly Phe Lys Val Leu Ala Pro Gln Ile Ser Phe Ala Pro 180 185 190 gaa att gca tcc gaa gaa gaa aga aag ggg atg gtg gct gcg tgg tcc 802 Glu Ile Ala Ser Glu Glu Glu Arg Lys Gly Met Val Ala Ala Trp Ser 195 200 205 cag agg ctg cag acc atc tgg aag gaa gag ccc atc ccc tgc aca gcc 850 Gln Arg Leu Gln Thr Ile Trp Lys Glu Glu Pro Ile Pro Cys Thr Ala 210 215 220 225 cac tgg cac ttc ggg caa taactctgtg gcacgtgggc atcacgtaag 898 His Trp His Phe Gly Gln 230 cagcacacta ggaggcccag gcgcaggcaa agagaagatg gtgctgtcat gaaataaaat 958 tacaacatag ctacctgg 976 <210> 2 <211> 231 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Ala Gly Lys Lys Val Leu Ile Val Tyr Ala His Gln Glu Pro Lys 1 5 10 15 Ser Phe Asn Gly Ser Leu Lys Asn Val Ala Val Asp Glu Leu Ser Arg 20 25 30 Gln Gly Cys Thr Val Thr Val Ser Asp Leu Tyr Ala Met Asn Phe Glu 35 40 45 Pro Arg Ala Thr Asp Lys Asp Ile Thr Gly Thr Leu Ser Asn Pro Glu 50 55 60 Val Phe Asn Tyr Gly Val Glu Thr His Glu Ala Tyr Lys Gln Arg Ser 65 70 75 80 Leu Ala Ser Asp Ile Thr Asp Glu Gln Lys Lys Val Arg Glu Ala Asp 85 90 95 Leu Val Ile Phe Gln Phe Pro Leu Tyr Trp Phe Ser Val Pro Ala Ile 100 105 110 Leu Lys Gly Trp Met Asp Arg Val Leu Cys Gln Gly Phe Ala Phe Asp 115 120 125 Ile Pro Gly Phe Tyr Asp Ser Gly Leu Leu Gln Gly Lys Leu Ala Leu 130 135 140 Leu Ser Val Thr Thr Gly Gly Thr Ala Glu Met Tyr Thr Lys Thr Gly 145 150 155 160 Val Asn Gly Asp Ser Arg Tyr Phe Leu Trp Pro Leu Gln His Gly Thr 165 170 175 Leu His Phe Cys Gly Phe Lys Val Leu Ala Pro Gln Ile Ser Phe Ala 180 185 190 Pro Glu Ile Ala Ser Glu Glu Glu Arg Lys Gly Met Val Ala Ala Trp 195 200 205 Ser Gln Arg Leu Gln Thr Ile Trp Lys Glu Glu Pro Ile Pro Cys Thr 210 215 220 Ala His Trp His Phe Gly Gln 225 230 <210> 3 <211> 999 <212> DNA <213> Mus musculus <220> <221> CDS <222> (152)..(844) <223> <400> 3 ccttctgaat catgcctgcc tggatactgc catgctccca ccttgatata atggactgaa 60 cctctgaacc tagtgctaca ataaccaagg agagtaacag taccgaaact tttggctgtt 120 ataccaaatc agagaatcta tctcctccaa c atg gca ggt aag aaa gtg ctc 172 Met Ala Gly Lys Lys Val Leu 1 5 atc gtc tat gca cac caa gaa ccc aag tcc ttc aat ggg tcc ctg aag 220 Ile Val Tyr Ala His Gln Glu Pro Lys Ser Phe Asn Gly Ser Leu Lys 10 15 20 aaa gtg gct gtt gaa gaa ctg agc aag cag gga tgc aca gtc act gtg 268 Lys Val Ala Val Glu Glu Leu Ser Lys Gln Gly Cys Thr Val Thr Val 25 30 35 tct gat tta tat agc atg aac ttt gag cca agg gcc aca aga aat gat 316 Ser Asp Leu Tyr Ser Met Asn Phe Glu Pro Arg Ala Thr Arg Asn Asp 40 45 50 55 atc act ggt gcc ccc tct aat cct gac gtc ttc agt tat ggg ata gaa 364 Ile Thr Gly Ala Pro Ser Asn Pro Asp Val Phe Ser Tyr Gly Ile Glu 60 65 70 acc cat gaa gcc tac aag aag aaa gct ctg acc agt gat ata ttt gaa 412 Thr His Glu Ala Tyr Lys Lys Lys Ala Leu Thr Ser Asp Ile Phe Glu 75 80 85 gaa cag aga aag gtg caa gaa gct gat ctt gtg ata ttt cag ttt cca 460 Glu Gln Arg Lys Val Gln Glu Ala Asp Leu Val Ile Phe Gln Phe Pro 90 95 100 cta tac tgg ttc agc gtt cca gca atc cta aaa ggt tgg atg gat agg 508 Leu Tyr Trp Phe Ser Val Pro Ala Ile Leu Lys Gly Trp Met Asp Arg 105 110 115 gtg ctg tgc cga ggg ttt gcc ttt gat atc cca ggc ttt tat gac tct 556 Val Leu Cys Arg Gly Phe Ala Phe Asp Ile Pro Gly Phe Tyr Asp Ser 120 125 130 135 ggt ttt ctc aag ggt aaa tta gct ctc ctt tcc tta acc acg gga ggt 604 Gly Phe Leu Lys Gly Lys Leu Ala Leu Leu Ser Leu Thr Thr Gly Gly 140 145 150 aca gcg gag atg tac aca aaa gat ggg gtc agt gga gat ttc cgg tac 652 Thr Ala Glu Met Tyr Thr Lys Asp Gly Val Ser Gly Asp Phe Arg Tyr 155 160 165 ttc ctg tgg cca ctt cag cat ggt aca ctg cac ttc tgt gga ttt aaa 700 Phe Leu Trp Pro Leu Gln His Gly Thr Leu His Phe Cys Gly Phe Lys 170 175 180 gtc ctt gcc ccc cag atc agt ttt ggt ctt gat gtt tca tca gaa gaa 748 Val Leu Ala Pro Gln Ile Ser Phe Gly Leu Asp Val Ser Ser Glu Glu 185 190 195 gaa agg aaa gtg atg ctg gca tca tgg gcc cag cgg ctg aag agc atc 796 Glu Arg Lys Val Met Leu Ala Ser Trp Ala Gln Arg Leu Lys Ser Ile 200 205 210 215 tgg aag gaa gaa ccc atc cac tgc aca ccc cct tgg tac ttc caa gag 844 Trp Lys Glu Glu Pro Ile His Cys Thr Pro Pro Trp Tyr Phe Gln Glu 220 225 230 taacattttt gtgctctgag tacagctgac aagcaacaca gtgagagacc tacagcatgt 904 gcaaagagaa ggtggtgttg tatcctgaga tgtatttaac agtgcccacc aatgagtgtc 964 ttcagtttaa tacaactagt tcagatattt caaaa 999 <210> 4 <211> 231 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 4 Met Ala Gly Lys Lys Val Leu Ile Val Tyr Ala His Gln Glu Pro Lys 1 5 10 15 Ser Phe Asn Gly Ser Leu Lys Lys Val Ala Val Glu Glu Leu Ser Lys 20 25 30 Gln Gly Cys Thr Val Thr Val Ser Asp Leu Tyr Ser Met Asn Phe Glu 35 40 45 Pro Arg Ala Thr Arg Asn Asp Ile Thr Gly Ala Pro Ser Asn Pro Asp 50 55 60 Val Phe Ser Tyr Gly Ile Glu Thr His Glu Ala Tyr Lys Lys Lys Ala 65 70 75 80 Leu Thr Ser Asp Ile Phe Glu Glu Gln Arg Lys Val Gln Glu Ala Asp 85 90 95 Leu Val Ile Phe Gln Phe Pro Leu Tyr Trp Phe Ser Val Pro Ala Ile 100 105 110 Leu Lys Gly Trp Met Asp Arg Val Leu Cys Arg Gly Phe Ala Phe Asp 115 120 125 Ile Pro Gly Phe Tyr Asp Ser Gly Phe Leu Lys Gly Lys Leu Ala Leu 130 135 140 Leu Ser Leu Thr Thr Gly Gly Thr Ala Glu Met Tyr Thr Lys Asp Gly 145 150 155 160 Val Ser Gly Asp Phe Arg Tyr Phe Leu Trp Pro Leu Gln His Gly Thr 165 170 175 Leu His Phe Cys Gly Phe Lys Val Leu Ala Pro Gln Ile Ser Phe Gly 180 185 190 Leu Asp Val Ser Ser Glu Glu Glu Arg Lys Val Met Leu Ala Ser Trp 195 200 205 Ala Gln Arg Leu Lys Ser Ile Trp Lys Glu Glu Pro Ile His Cys Thr 210 215 220 Pro Pro Trp Tyr Phe Gln Glu 225 230 <210> 5 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial <220> <221> misc_feature <223> Oligonucleotide designed to act as primer for amplifying mNQO2 cDNA. <400> 5 ccggatccat ggcaggtaag aaagtgctc 29 <210> 6 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial <220> <221> misc_feature <223> Oligonucleotide designed to act as primer for amplifying mNQO2 cDNA. <400> 6 ccgtcgactt actcttggaa gtaccaag 28 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial <220> <221> misc_feature <223> Antisense oligonucleotide for mNQO2 mRNA. <400> 7 ctgccatgtt ggaggagata 20 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial <220> <221> misc_feature <223> Sense oligonucleotide for mNQO2 mRNA. <400> 8 tatctcctcc aacatggcag 20
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例2で得られた、NQO2 m
RNAに対するアンチセンス(antisense)あるいはセ
ンス(sense)DNAを導入した骨芽細胞株MC3T3
−E1で、アルカリホスファターゼ活性を測定した結果
を示す。アルカリホスファターゼ活性はコントロール
(no DNA)を100とした相対活性(%)で示してい
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/00 A61P 19/00 19/02 19/02 19/08 19/08 19/10 19/10 29/00 101 29/00 101 35/00 35/00 43/00 111 43/00 111 G01N 33/15 G01N 33/15 Z 33/50 33/50 Z 33/53 33/53 D M 33/566 33/566 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 4B063 QA18 QQ22 QQ61 QQ95 QR02 QR41 QR77 QX01 4C084 AA13 AA16 MA17 MA23 MA35 MA37 MA38 MA52 MA55 MA66 NA14 ZA962 ZA972 ZB152 ZB262 ZC202 4C086 AA01 AA02 AA03 BC82 EA16 GA02 GA10 MA01 MA04 MA17 MA23 MA35 MA37 MA38 MA52 MA55 MA66 NA14 ZA96 ZA97 ZB15 ZB26 ZC20

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NRH:キノン酸化還元酵素(NQO
    2)、その部分ペプチドまたはその塩を用いることを特
    徴とする骨に対する作用を有する化合物またはその塩の
    スクリーニング方法。
  2. 【請求項2】 骨に対する作用が骨形成促進作用、骨芽
    細胞分化誘導作用、骨芽細胞分化誘導促進作用、軟骨形
    成促進作用、軟骨細胞分化誘導作用、軟骨細胞分化誘導
    促進作用またはBMP作用増強作用である請求項1記載
    のスクリーニング方法。
  3. 【請求項3】 骨に対する作用が骨形成阻害作用、骨芽
    細胞分化阻害作用、骨芽細胞分化誘導阻害作用、軟骨形
    成阻害作用、軟骨細胞分化阻害作用、軟骨細胞分化誘導
    阻害作用またはBMP作用抑制作用である請求項1記載
    のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】 (i)NQO2、その部分ペプチドまた
    はその塩に基質を接触させた場合と(ii)NQO2、そ
    の部分ペプチドまたはその塩に基質および試験化合物を
    接触させた場合の骨に対する作用の比較を行なうことを
    特徴とする請求項1記載のスクリーニング方法。
  5. 【請求項5】 NRH:キノン酸化還元酵素(NQO
    2)、その部分ペプチドまたはその塩を含有する骨に対
    する作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング
    用キット。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のスクリーニング方法また
    は請求項5記載のスクリーニング用キットを用いて得ら
    れる骨に対する作用を有する化合物またはその塩。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のスクリーニング方法また
    は請求項5記載のスクリーニング用キットを用いて得ら
    れる化合物またはその塩を含有してなる骨作用剤。
  8. 【請求項8】 NRH:キノン酸化還元酵素(NQO
    2)の発現もしくは活性を阻害する作用を有する化合物
    またはその塩を含有してなる骨疾患の予防・治療剤。
  9. 【請求項9】 骨形成促進剤、骨芽細胞分化誘導剤、骨
    芽細胞分化誘導促進剤、軟骨形成促進剤、軟骨細胞分化
    誘導剤、軟骨細胞分化誘導促進剤またはBMP作用増強
    剤である請求項8記載の剤。
  10. 【請求項10】 骨折、再骨折、骨変形・変形脊椎症、
    骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症、骨欠損、骨粗鬆
    症、骨軟化症、くる病、線維性骨炎、腎性骨異栄養症、
    骨ぺーチェット病、硬直性脊髄炎症、変形性関節症また
    は慢性関節リウマチの予防・治療剤である請求項8記載
    の剤。
  11. 【請求項11】 NRH:キノン酸化還元酵素(NQO
    2)の発現もしくは活性を促進する作用を有する化合物
    またはその塩を含有してなる骨疾患の予防・治療剤。
  12. 【請求項12】 NRH:キノン酸化還元酵素(NQO
    2)をコードするポリヌクレオチドと相補的な塩基配列
    またはその一部を含有してなるポリヌクレオチドを含有
    してなる骨疾患の予防・治療剤。
  13. 【請求項13】 NRH:キノン酸化還元酵素(NQO
    2)、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含
    有してなる骨疾患の予防・治療剤。
  14. 【請求項14】 NRH:キノン酸化還元酵素(NQO
    2)、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含
    有してなる骨疾患の診断薬。
  15. 【請求項15】 哺乳動物体内におけるNRH:キノン
    酸化還元酵素(NQO2)の発現もしくは活性を、骨疾
    患の予防・治療に有効な程度阻害もしくは促進すること
    を含む、該哺乳動物の骨疾患の予防・治療方法。
  16. 【請求項16】 NRH:キノン酸化還元酵素(NQO
    2)の発現もしくは活性を阻害もしくは促進する化合物
    またはその塩を、骨疾患の予防・治療に有効な量哺乳動
    物に投与することを含む、該哺乳動物の骨疾患の予防・
    治療方法。
  17. 【請求項17】 骨疾患の予防・治療剤の製造のため
    の、NRH:キノン酸化還元酵素(NQO2)の発現も
    しくは活性を阻害もしくは促進する化合物またはその塩
    の使用。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5548972B2 (ja) * 2007-02-09 2014-07-16 国立大学法人大阪大学 退行性疾患の予防用又は治療用の薬剤のスクリーニング方法

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