JP2005520379A - トランスポンダと通信するための通信局、および異なる伝送パラメータを用いた更なる通信局 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適した通信局を従来の通信局に比べて改善させること、および通信局とトランスポンダとの間の一方の通信シーケンスと、通信局と他の通信局との間の他方の通信シーケンスとを、明白かつ正確に差異化可能な手法でインプリメントすることができる、通信局および通信局用の集積回路をインプリメントすること。
【解決手段】 通信局 (1) は、トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適しており、かつ、通信局 (1) と少なくとも1つのトランスポンダとの間の通信内で、少なくとも1つの伝送パラメータを使用して信号を処理するように設計されている第一信号プロセシング回路 (28) と、通信局 (1) と少なくとも1つの他の通信局との間の通信内で、少なくとも1つの他の伝送パラメータを使用して他の信号を処理するように設計されている第二信号プロセシング回路 (29) とを有し、かつこれら2つの信号プロセシング回路 (28、29) 内で使用される伝送パラメータは、互いに異なるものである。
【解決手段】 通信局 (1) は、トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適しており、かつ、通信局 (1) と少なくとも1つのトランスポンダとの間の通信内で、少なくとも1つの伝送パラメータを使用して信号を処理するように設計されている第一信号プロセシング回路 (28) と、通信局 (1) と少なくとも1つの他の通信局との間の通信内で、少なくとも1つの他の伝送パラメータを使用して他の信号を処理するように設計されている第二信号プロセシング回路 (29) とを有し、かつこれら2つの信号プロセシング回路 (28、29) 内で使用される伝送パラメータは、互いに異なるものである。
Description
本発明は、トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適した通信局に関する。
本発明は、更に、トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適した通信局用の集積回路に関する。
このような通信局は、米国特許明細書第5,929,778号から知られている。この明細書には、通信局は、電磁手段を用いてトランスポンダと他の通信局と通信することができ、かつこの通信のために実行される通信シーケンスによって、信号の変調と復調を行えることが説明されている。ただし、変調と復調の手法に関しても、トランスポンダと他の通信局との通信局による通信に用いられる伝送パラメータに関しても、より正確な詳細は与えられていない。
本発明の目的は、
トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適した通信局を、特許明細書、米国特許明細書第5,929,778号から知られている通信局に比べて改善させること、および、
通信局とトランスポンダとの間の一方の通信シーケンスと、通信局と他の通信局との間の他方の通信シーケンスとを、明白かつ正確に差異化可能な手法でインプリメントすることができる、通信局および通信局用の集積回路をインプリメントすることである。
トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適した通信局を、特許明細書、米国特許明細書第5,929,778号から知られている通信局に比べて改善させること、および、
通信局とトランスポンダとの間の一方の通信シーケンスと、通信局と他の通信局との間の他方の通信シーケンスとを、明白かつ正確に差異化可能な手法でインプリメントすることができる、通信局および通信局用の集積回路をインプリメントすることである。
上述した目的を達成するために、本発明による通信局には、創意に富んだ特徴が設けられる。この結果、本発明の通信局は、具体的には以下のように特徴付けることができる。
トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適した通信局であって、
信号を処理するように設計されており、かつ通信局と少なくとも1つのトランスポンダとの間の通信内で、少なくとも1つの伝送パラメータを用いて信号を処理することを可能にする、第一信号プロセシング手段を有し、かつ、
他の信号を処理するように設計されており、かつ前記通信局と少なくとも1つの他の通信局との間の通信内で、少なくとも1つの他の伝送パラメータを用いて前記他の信号を処理することを可能にする、第二信号プロセシング手段を有する、通信局において、
前記第一信号プロセシング手段を用いて前記信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータと、
前記第二信号プロセシング手段を用いて前記他の信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータと、
が互いに異なる伝送パラメータである、通信局。
信号を処理するように設計されており、かつ通信局と少なくとも1つのトランスポンダとの間の通信内で、少なくとも1つの伝送パラメータを用いて信号を処理することを可能にする、第一信号プロセシング手段を有し、かつ、
他の信号を処理するように設計されており、かつ前記通信局と少なくとも1つの他の通信局との間の通信内で、少なくとも1つの他の伝送パラメータを用いて前記他の信号を処理することを可能にする、第二信号プロセシング手段を有する、通信局において、
前記第一信号プロセシング手段を用いて前記信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータと、
前記第二信号プロセシング手段を用いて前記他の信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータと、
が互いに異なる伝送パラメータである、通信局。
上述した目的を達成するために、本発明による集積回路には、創意に富んだ特徴が設けられる。この結果、本発明の集積回路は、具体的には以下のように特徴付けることができる。
トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適した通信局のための集積回路であって、
前記集積回路が、
信号を処理するように設計されており、かつ前記通信局と少なくとも1つのトランスポンダとの間の通信内で、少なくとも1つの伝送パラメータを用いて信号を処理することを可能にする、第一信号プロセシング手段を有し、かつ、
前記集積回路が、
他の信号を処理するように設計されており、かつ前記通信局と少なくとも1つの他の通信局との間の通信内で、少なくとも1つの他の伝送パラメータを用いて前記他の信号を処理することを可能にする、第二信号プロセシング手段を有し、かつ、
前記第一信号プロセシング手段を用いて前記信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータと、前記第二信号プロセシング手段によって前記他の信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータとが、互いに異なる伝送パラメータである、集積回路。
前記集積回路が、
信号を処理するように設計されており、かつ前記通信局と少なくとも1つのトランスポンダとの間の通信内で、少なくとも1つの伝送パラメータを用いて信号を処理することを可能にする、第一信号プロセシング手段を有し、かつ、
前記集積回路が、
他の信号を処理するように設計されており、かつ前記通信局と少なくとも1つの他の通信局との間の通信内で、少なくとも1つの他の伝送パラメータを用いて前記他の信号を処理することを可能にする、第二信号プロセシング手段を有し、かつ、
前記第一信号プロセシング手段を用いて前記信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータと、前記第二信号プロセシング手段によって前記他の信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータとが、互いに異なる伝送パラメータである、集積回路。
本発明の特徴を設けることによって、本発明による通信局と、この通信局と共に動作するように設計されているトランスポンダとの間の一方の通信シーケンスと、本発明による通信局と、この通信局と共に動作するように設計されている更なる通信局との間の他方の通信シーケンスと、を単純かつ明確に互いに区別化することが可能となるので、本発明による通信局と、トランスポンダおよび更なる通信局との間で同時に通信を行っても、同時進行している通信プロセスつまり通信シーケンスの間に相互干渉が発生し得なくなり、この結果、通信時の高い信頼性が確保されることが、相対的に容易に、かつ相対的に簡単な手段により達成される。本発明の通信局は、通信局とトランスポンダとの間の一方の同時通信と、通信局と更なる通信局との間の他方の同時通信と、を干渉のない手法で可能にするので、通信局と、トランスポンダおよび他の通信局との間の通信に必要な通信時間の合計が、この方法による同時通信を行うことはできず、通信局とトランスポンダとの間の一方の通信と、この通信局と更なる通信との間の他方の通信とを逐次時間的にしか行うことができない通信局に比べて、かなり短くなるという利点が得られる。
本発明による通信局または本発明による集積回路に、請求項2に記載の特徴と、請求項10に記載の特徴が付加的に設けられた場合、非常に有利となることが判明している。これらの結果、本発明による通信局とトランスポンダとの間の一方の通信内と、本発明による通信局と更なる通信局との間の他方の通信内とで発生する、電磁手段により伝送される伝送信号は、それらのコーディング・タイプが互いに異なっているので、互いに影響されることがない単純かつ信頼できる方法で伝送可能となる。
上述したコンテクストでは、請求項3と請求項4に記載の特徴が、本発明による通信局に付加的に設けられ、かつ請求項11と請求項12に記載の特徴が、本発明による集積回路に付加的に設けられた場合、特に有利となることが判明している。これらの手段は、実用面で特に有利であることが判明している。なぜならば、伝送中の伝送信号間の特に良好な差異化がこれらの手段により達成されるからである。ミラー・コードを使用することには、トランスポンダに伝送される伝送信号をデコードすることが相対的に容易になるという利点がある。マンチェスター・コードを使用することには、トランスポンダから通信局1に伝送される伝送信号が、低いエネルギー消費で、トランスポンダ内で生成可能となるという利点がある。この利点は、特に、いわゆる受動トランスポンダにとって利点である。NRZコードを使用することには、この方式が相対的に少なめの周波数バンド幅で実行されるので、高いデータ転送レートが達成可能となる、という利点がある。
本発明の通信局または本発明による集積回路は、請求項5に記載の特徴と、請求項13に記載の特徴とが付加的に設けられた場合、非常に有利となることが更に判明している。これらの手段をインプリメントさせた結果、本発明の通信局とトランスポンダとの間の一方の通信内と、本発明の通信局と更なる通信局との間の他方の通信内とで発生し、かつ電磁手段により伝送される伝送信号は、それらの変調タイプが互いに異なったものとなる。このことも、可能な最良の差異化可能性と、可能な最小の相互干渉とが得られるという点で、非常に有利である。
上述したコンテクストでは、請求項6と請求項7と請求項8に記載の特徴が、本発明による通信局に付加的に設けられ、かつ請求項14と請求項15と請求項16に記載の特徴が、本発明による集積回路に付加的に設けられた場合、特に有利となることが判明している。これらの手段は、特に有利であることが判明している。なぜならば、本発明による通信局からトランスポンダに転送される転送信号の振幅変調には、この転送信号のトランスポンダ内での復調が、可能な最も単純な手法で行われ、かつこの結果、可能な最も低いエネルギー消費で行われるという利点があり、かつ本発明による通信局から更なる通信局に転送される転送信号の位相変調、かつ具体的にはBPSK方式による位相変調には、可能な最高の信号対ノイズ比が得られ、かつこれらの転送信号が可能な最も低いエネルギー消費で通信局内で生成される、という利点があるからである。
本発明の上記の態様と更なる態様は、以下に説明されている実施例から明らかになり、かつこの実施例を用いて説明されている。
本発明を、図面に示されている実施例を参照しながら、更に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例には限定されない。
図1は、通信局1を示している。通信局1は、トランスポンダ(図示せず)と他の通信局(これも図示せず)との非接触通信に適している。これらのトランスポンダと他の通信局は、通信局1との通信に適した設計がなされている。
通信局1は、集積回路2を有する。集積回路2を使用することにより、幾つかの電気的なモジュールとコンポーネントがインプリメントされる。しかしながら、これらの内、本明細書で不可欠なモジュールとコンポーネントしか、図1には示されていない。集積回路2のピン3には、マッチング手段4が接続されている。このマッチング手段4を用いて、集積回路2の出力段と入力段は、通信局1の伝送手段5に適合化される。伝送手段5は、伝送コイル6を有する。この伝送コイル6を用いて、通信局1と、この通信局1に適したトランスポンダおよびこの通信局1に適した更なる通信局との間で、電磁手段による通信を実行することができる。このような通信では、伝送信号は、通信局1によりトランスポンダまたは他の通信局に伝送つまり送信され、かつ伝送信号は、更に、トランスポンダまたは他の通信局から通信局1に伝送される(つまり、通信局1により受信される)。
集積回路2は、マイクロコンピュータ7を有している。マイクロコンピュータ7を用いて、幾つかの手段と機能がインプリメントされたり、またはインプリメント可能となるが、ここでは本明細書で不可欠な手段と機能しか更に詳細に扱われていない。通信局1はマイクロコンピュータ7の代わりに、結線接続された論理回路を代わりに有してもよい。マイクロコンピュータ7は、BUS接続8上で、図1に示されていないHOSTコンピュータに接続される。これに代えて、マイクロコンピュータ7を、BUS接続8上で、1つ以上の他のマイクロコンピュータに接続してもよい。集積回路2は、タイミング信号ジェネレータ9を有する。このタイミング信号ジェネレータ9によって、タイミング信号CLKが生成可能となる。このタイミング信号CLKは、公知目的用のマイクロコンピュータ7の入力10にフィードされる。タイミング信号ジェネレータ9は、集積回路2の外側に設けられた水晶を有していてもよい。
通信モード選択手段11は、マイクロコンピュータ7によってインプリメントされる。通信モード選択手段11は、この場合、2つの通信タイプ、つまり第一通信タイプと第二通信タイプの間で選択を行うことができる。通信局1とトランスポンダとの間の通信は、第一通信タイプによって実行され、かつ通信局1と他の通信局との間の通信は、第二通信タイプによって実行される。通信モード選択手段11は、通信モード選択手段11が慎重に制御を行うことができるように、更なる詳細は示されていない手法で制御可能となるように構成される。通信モード選択手段11は、例えばBUS接続8を介して、HOSTコンピュータから制御してもよい。これに代えて、通信モード選択手段11を、入力キーボードによって制御してもよい。通信モード選択手段11の制御を、更に、いわゆる口頭による制御機能、つまり口頭による制御コマンドにより遂行してもよい。
最初に強調すべきことは、第一通信タイプの通信は、局-トランスポンダ・プロトコルにしたがって、かつ少なくとも1つの伝送パラメータを用いて発生し、かつ第二通信タイプの通信は、局-局プロトコルにしたがって、かつ少なくとも1つの他の伝送パラメータを使用して発生することである。このようにインプリメントさせるために、集積回路2は、以下に説明されている手段を有する。
第一プロトコル実行手段12と第二プロトコル実行手段13は、マイクロコンピュータ7によってインプリメントされる。これら2つのプロトコル実行手段12と13は、通信モード選択手段11を用いて制御接続14と15を介して活性化させることができる。
第一プロトコル実行手段12は、エネルギー供給信号生成手段16と、第一評価付け信号(inventorizing signal) 生成手段17と、第一応答信号認識手段18と、第一確認応答信号生成手段19と、第一コマンド信号生成手段20と、第一情報信号認識手段21と、を有する。エネルギー供給信号生成手段16を用いて、エネルギー供給信号BURSTを生成することができる。第一評価付け信号生成手段17によって、第一評価付け信号INV1を生成することができる。第一応答信号認識手段18によって、第一応答信号RESP1を検出することができる。第一確認応答信号生成手段19によって、第一確認応答信号QUIT1を生成することができる。第一コマンド信号生成手段20によって、第一コマンド信号COM1を生成することができる。これらの信号を、書き込みコマンド信号と、読み取りコマンド信号と、他の多数のコマンド信号にしてもよい。第一情報信号認識手段21によって、第一情報信号INFO1を検出されることができる。これらの信号INFO1を、メモリから読み取られる信号と、他の多数の情報信号にしてもよい。
第二プロトコル実行手段13によって、同期化信号生成手段22と、第二評価付け信号生成手段23と、第二応答信号認識手段24と、第二確認応答信号生成手段25と、第二コマンド信号生成手段26と、第二情報信号認識手段27とがインプリメントされる。同期化信号生成手段22によって、同期化信号SYNCを生成することができる。第二評価付け信号生成手段23によって、第二評価付け信号INV2を生成することができる。第二応答信号認識手段24によって、第二応答信号RESP2を検出することができる。第二確認応答信号生成手段25によって、第二確認応答信号QUIT2を生成することができる。第二コマンド信号生成手段26によって、第二コマンド信号COM2を生成することができる。これらの信号を、書き込みコマンド信号と、読み取りコマンド信号と、他の多くのコマンド信号としてもよい。第二情報信号認識手段27によって、第二情報信号INFO2を検出することができる。これらの信号INFO2を、メモリから読み取られる信号と、他局の情報信号としてもよい。
第一プロトコル実行手段12は、局-トランスポンダ・プロトコルを処理するように構成される。第一プロトコル実行手段12によって、通信局1と少なくとも1つのトランスポンダとの間で通信を実行して、局-トランスポンダ・プロトコルを観察することができる。第一プロトコル実行手段12の特別な特徴は、第一プロトコル実行手段12が、エネルギー供給信号生成手段16を有していることである。エネルギー供給信号生成手段16は、局-トランスポンダ・プロトコルのプロセシング開始時点毎に、エネルギー供給信号BURSTを生成するように設計されている。プロトコル実行手段12の更なる特別な特徴は、プロトコル・シーケンスの間、可能な最も多数のトランスポンダと通信するように設計されている、局-トランスポンダ・プロトコルを処理するように、第一プロトコル実行手段12が構成されることである。
第二プロトコル実行手段13は、局-局プロトコルを処理するように構成される。第二プロトコル実行手段13によって、通信局1と少なくとも1つの更なる通信局との間で通信を実行し、局-局プロトコルを観察することができる。このために、第二プロトコル実行手段13が同期化信号生成手段22を有するようにインプリメントされ、この同期化信号生成手段22が、局-局プロトコルのプロセシング開始時点毎に、同期化信号SYNCを生成するように構成されることは有利である。通信局1内で、第二プロトコル実行手段13が局-局プロトコルを処理するように構成され、この局-局プロトコルが、少なくとも1つの更なる通信局との通信のために、可能な最低のエネルギーしか通信局1内で消費しないように設計されていることは有利である。更に、この場合、この構成とは、少なくとも1つの更なる通信局との通信リンクを可能な限り最も速くセットアップするように設計されている局-局プロトコルを処理するように、第二プロトコル実行手段13が構成される、ということである。
第一プロトコル実行手段12によって処理される局-トランスポンダ・プロトコルと、第二プロトコル実行手段13によって処理される局-局プロトコルは、少なくとも1つのプロトコル・パラメータが互いに異なっている、という不可欠な事実が通信局1内で実現されることは、有利である。この場合、これらの2つのプロトコルは、いかなる場合にも異なったものとなる。なぜならば、局-トランスポンダ・プロトコルによって、このプロトコルのプロセシング開始時点毎にエネルギー供給信号BURSTが生成され、かつ局-局プロトコルによって、このプロトコルのプロセシング開始時点毎に同期化信号SYNCが生成されるからである。この相違のために、これらの2つのプロトコルは、一意にかつ間違いなく互いに区別可能となるので、これらの異なるプロトコルのプロセシングにより実行される通信プロセスも、一意かつ明確に互いに区別することが可能となる。ここでは更に、これらの2つの異なるプロトコルは、一方は通信局1とトランスポンダとの間で、かつ他方は通信局1と更なる通信局との間でおそらく同時に走っている通信プロセスに相互の影響が発生しないように、選択される。
局-トランスポンダ・プロトコルは、国際規格(例えば、ISO14443またはISO15693に準拠した国際規格、またはISO18000に準拠した現在明らかになりつつある規格)に規定されているプロトコルなどの、公知のプロトコルでもよい。
集積回路2は、第一プロトコル実行手段12によって生成された、または評価される信号を処理するための、第一信号プロセシング手段28を有する。集積回路2は、第二プロトコル実行手段13によって生成された、または評価される信号を処理するための、第二信号プロセシング手段29を有する。第一信号プロセシング手段28を用いて、通信局1と少なくとも1つのトランスポンダとの間の通信内で、第一プロトコル実行手段12によって生成された信号、または評価される信号を、この場合は2つの伝送パラメータを使用して処理することができる。第二信号プロセシング手段29によって、通信局1と少なくとも1つの更なる通信局との間の通信内で、第二プロトコル実行手段13によって生成された信号、または評価される信号を、この場合は2つの他の伝送パラメータを使用して処理することができる。したがって、第一信号プロセシング手段28によって信号を処理するためのこれら2つの伝送パラメータと、第二信号プロセシング手段29によって他の信号を処理するためのこれら2つの伝送パラメータとが、互いに異なる伝送パラメータであることは、基本的かつ有利なことである。このことに関しては、後で更に詳細に取り扱う。
第一信号プロセシング手段28は、第一エンコーディング手段30と第一デコーディング手段31を有する。第一エンコーディング手段30は、第一コーディング・タイプにしたがって信号を処理するように構成される。この第一コーディング・タイプは、第一伝送パラメータを表している。この場合、第一エンコーディング手段30は、いわゆるミラー・コードによって信号を処理するように構成される。第一デコーディング手段31は、第二コーディング・タイプにしたがって信号を処理するように構成される。この第二コーディング・タイプは、第二伝送パラメータを表している。この場合、第一デコーディング手段31は、いわゆるマンチェスター・コードにしたがって、サブキャリアを用いて信号を処理するように構成される。しかしながら、これに代えて、第一エンコーディング手段30と第一デコーディング手段31は、これらの各々にフィードされた信号を、いわゆるマンチェスター・コードまたは別のコード(例えば、いわゆるリターン・トゥ・ゼロ・コード(RZコード))にしたがって処理するように構成してもよい。
第一信号プロセシング手段28は、第一変調手段32と第一復調手段33を更に有する。第一変調手段32と第一復調手段33は、これらにフィードされた信号を第一変調タイプにしたがって処理するように構成してもよい。この場合、第一変調手段32は振幅変調手段によって形成され、かつ第一復調手段33は振幅復調手段によって形成されており、この結果、第一変調手段32と第一復調手段33は、第一変調タイプとしての振幅変調にしたがって信号を処理するように構成される。これは、いわゆるASKであり、これを、10%のASK、12%のASK、30%のASK、または100%のASKとしてもよいが、他のASK変調も同様に可能である。しかしながら、第一変調手段32と第一復調手段33は、必ずしも振幅変調にしたがって信号を処理するように構成する必要はなく、これに代えて、例えば位相変調にしたがって信号を処理するように構成してもよい。
第二信号プロセシング手段29は、第二エンコーディング手段34と第二デコーディング手段35を有する。第二エンコーディング手段34と第二デコーディング手段35は、これらにフィードされた信号を、伝送パラメータとしての第三エンコーディング・タイプにしたがって処理するように構成される。この場合、第二エンコーディング手段34と第二デコーディング手段35は、これらにフィードされた信号を、いわゆるNRZコード (Non Return to Zero code) にしたがって処理するように構成されるので、このNRZコードは、通信局1内で使用される更なる伝送パラメータを形成する。しかしながら、これに代えて、第二エンコーディング手段34と第二デコーディング手段35は、これらにフィードされた信号を、異なるコード(例えばいわゆるFMゼロ・コード (FM0 code) が使用可能である)にしたがって処理するように構成してもよい。
第二信号プロセシング手段29は、第二変調手段36と第二復調手段37を更に有する。第二変調手段36と第二復調手段37は、これらにフィードされた信号を、第二変調タイプにしたがって処理するように構成される。この場合、第二変調手段36は位相変調手段によって形成され、かつ第二復調手段37は位相復調手段によって形成されている。ここで、第二変調手段36として設けられているこの位相変調手段と、第二復調手段37として設けられているこの位相復調手段は、これらにフィードされた信号を、いわゆるBPSK (Binary Phase Shift Keying) 方式にしたがって処理するように構成される。しかしながら、これに代えて、第二変調手段36と第二復調手段37は、これらにフィードされた信号を、例えば、周波数変調、または単純な位相変調、または振幅変調用の異なる変調タイプにしたがって処理するように構成してもよい。
集積回路2は、変調のために第一変調手段32と第二変調手段36にフィードされるキャリア信号CSを生成することができる、キャリア信号ジェネレータ38を有する。
第一変調手段32を振幅変調手段として構築させることの重要な利点は、第一変調手段32を用いて生成可能で、かつトランスポンダに伝送される振幅変調された伝送信号を、非常に少なめのエネルギーしか必要としなくても各トランスポンダ内で容易に復調させることができることである。
この場合、第二変調手段36を位相変調手段として構築させることにより得られる重要な利点は、第二変調手段36を用いて生成可能で、かつ他の通信局に伝送される伝送信号を生成することによって、高い信号/ノイズ比が確保され、かつこの生成が相対的に小さな伝送エネルギーで旨く行われるので、この場合、通信局1内では第二変調手段36に対して、少なめのエネルギー消費しか必要とならないことである。このことは、特に、通信局1が、少なくとも1つの電池または再充電可能な電池により電力供給される携帯型デバイス内の一要素である場合、このことによって、このエネルギー供給手段の有効寿命が長くなるので、大きな利点となる。
通信局1とトランスポンダとの間での局-トランスポンダ・プロトコルによる一方の通信と、通信局1と更なる通信局との間での局-局プロトコルによる他方の通信とに対して、異なるエンコーディング・タイプと異なる変調タイプ(つまり伝送パラメータ)を選択することによって、これらの通信プロセスが、同時に、または(こうすることが望ましい場合)少なくとも部分的に同時に実行可能となることにも関わらず、互いに影響を受けてしまったり、または割り込んでしまうことがないままとなることは、有利である。
第一エンコーディング手段30と第一変調手段32を用いて、第一信号プロセシング手段28内でプロセスされた信号は、第一増幅手段39にフィードされ、かつ第一増幅手段39から、ピン3を介してマッチング手段4に出力され、かつその後、転送手段5に出力される。
第二エンコーディング手段34と第二変調手段36を用いて、第二信号プロセシング手段29内でプロセスされた信号は、第二増幅手段40にフィードされ、かつ第二増幅手段40から、ピン3を介してマッチング手段4に出力され、かつその後、転送手段5に出力される。
伝送手段5によって受信され、かつマッチング手段4にフィードされた信号は、集積回路2のピン3を通してフィードされる。これらの信号が、通信局1とトランスポンダとの間の通信で通信局1に伝送された信号である場合、これらの信号は、第一フィルタ手段41を用いてフィルタリング除去され、かつ第三増幅手段42を介して、第一信号プロセシング手段28の第一復調手段33にフィードされる。ここで、第三増幅手段42の増幅因子は、1未満にしてもよい。他方、これらの信号が、通信局1と更なる通信局との間の通信で通信局1に伝送された信号である場合、これらの信号は、第二フィルタ手段43を用いてフィルタリング除去され、かつ第四増幅手段44を介して、第二信号プロセシング手段29の第二復調手段37にフィードされる。
次に、局-トランスポンダ・プロトコルのプロセシングでの可能な通信シーケンスと、局-局プロトコルのプロセシングでの更なる可能な通信シーケンスに関する簡単な説明を行う。ただし、これらのシーケンスは、単なる可能な例である。
局-トランスポンダ・プロトコルのプロセシングでは、このプロトコルのプロセシング開始時点毎に、エネルギー供給信号生成手段16を用いて、かつ1.0 msecの最小持続時間だけ、エネルギー供給信号BURSTが生成される。エネルギー供給信号BURSTは、通信局1と通信接続状態にある全てのトランスポンダに伝送され、かつこうして、全てのトランスポンダに十分なエネルギーが確実に供給される。本明細書では、これらのトランスポンダは、例えば電池を用いたエネルギー供給をそれら自体では全く持っていない、いわゆる受動的なトランスポンダであることが想定されている。この後、第一評価付け信号生成手段17により第一評価付け信号INV1が生成され、このことによって、通信局1と通信接続状態にある全てのトランスポンダに対して、評価付けプロシージャが開始される。通信局1と通信接続状態にある各トランスポンダから、第一応答信号RESP1が出力され、かつ通信局1に伝送される。通信局1は、第一応答信号認識手段18を用いて、少なくとも2つのトランスポンダからの、少なくとも2つのそのような第一応答信号RESP1間の不一致、または、各場合とも単一のトランスポンダのみから1つの第一応答信号RESP1を明確に認識したこと、の何れかを検出する。一意に検出された各トランスポンダには、第一確認応答信号生成手段19により生成された第一確認応答信号QUIT1が伝送される。第一確認応答信号QUIT1による確認応答の後、通信局1と、識別されかつ確認応答された各トランスポンダ信号との間で、通信が行われる。この通信は、各々の第一コマンド信号COM1の結果として実行される。このコマンド信号は、関連するトランスポンダからのデータの読み取り、または関連するトランスポンダへのデータの書き込み、または他のデータ交換トランザクションとしてもよい。第一コマンド信号COM1の各々は、ここでは第一コマンド信号生成手段20により生成されている。このような第一コマンド信号COM1の結果として行われる交換トランザクションの間に、トランスポンダから通信局1に転送されたデータまたは情報は、次に、第一情報信号認識手段21により認識される。この後直ちに、検出された情報の更なるプロセシングが、マイクロコンピュータ7内、またはマイクロコンピュータ7にBUS接続8上で接続されているホスト・コンピュータ内で、行われる。
局-局プロトコルによる通信プロセスでは、このプロトコルの開始時点毎に、同期化信号SYNCが同期化信号生成手段22により生成され、かつ次いで、通信局1から、通信局1と通信接続状態にある他の全ての通信局1に伝送される。このことによって、他の通信局内の同期化信号SYNCを評価することにより、通信に参加している全ての通信局内のデータ・プロセシング・トランザクションの同期化を単純かつ迅速な方法で行うことが、確実に可能となる。こうすることが必要な理由は、このような通信局1の各々は、それ自体の石英発振器9を持っており、かつこれらの石英発振器9は厳密に同じ周波数で作動しているとは限らないので、同期化を全く行わなければ、データ・プロセシングが一致しなくなってしまい、このことにより、データ認識エラーが通信局間での通信内で必然的に発生してしまうからである。同期化信号SYNCの生成と出力の後、局-トランスポンダ・プロトコルの上述したプロセシングに類似したシーケンスが、ここで想定されている場合に発生し、次いで、信号INV2、RESP2、QUIT2、CON2、およびINFO2が、類似の手法で処理される。
局-トランスポンダ・プロトコルに準じた、通信局1とトランスポンダとの間の通信の場合、同期化のセットアップを上述通りに行う必要はない。なぜならば、このような通信に関与しているトランスポンダの場合、タイミング信号が、通信局1からトランスポンダに伝送された伝送信号から導出されることにより、同期動作が、この導出されたタイミング信号を用いて達成されるからである。
前述の通信局1に関して更に言及すべき点は、2つの可能な通信タイプの内の1つに対して各場合に使用される、互いに独立した2つのマッチング手段、互いに独立した2つの転送手段、1つのマッチング手段、および1つのリンクされた転送手段を、通信局1が示してもよいことである。このことによって、特定の通信タイプに最適に適合化された伝送特徴を、通信局1に対して達成することが可能となる。これら2つの通信タイプの場合、各々の通信を誘導手段によるものにして、転送手段を、変圧器に結合された伝送コイルとして構成してもよい。2つの通信タイプに対して、通信が非常に高い周波数で行われる場合、転送手段をいわゆるダイポール・アンテナとして構成することが好ましい。
前述した通信局1に関して更に言及すべき点は、通信局1を、別々の機能として、または別々のデバイスとして構成してもよいことである。好ましい一適用例の場合、通信局1は、携帯型デバイス内の一要素(例えば移動電話または個人用携帯端末 (PDA: Personal Digital Assistant))である。
1…通信局
2…集積回路
28…第一信号プロセシング手段
29…第二信号プロセシング手段
30…第一エンコーディング手段
31…第一デコーディング手段
32…第一変調手段
33…第一復調手段
34…第二エンコーディング手段
35…第二デコーディング手段
36…第二変調手段
37…第二復調手段
2…集積回路
28…第一信号プロセシング手段
29…第二信号プロセシング手段
30…第一エンコーディング手段
31…第一デコーディング手段
32…第一変調手段
33…第一復調手段
34…第二エンコーディング手段
35…第二デコーディング手段
36…第二変調手段
37…第二復調手段
Claims (16)
- トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適した通信局であって、
信号を処理するように設計されており、かつ通信局と少なくとも1つのトランスポンダとの間の通信内で、少なくとも1つの伝送パラメータを用いて信号を処理することを可能にする、第一信号プロセシング手段を有し、かつ、
他の信号を処理するように設計されており、かつ前記通信局と少なくとも1つの他の通信局との間の通信内で、少なくとも1つの他の伝送パラメータを用いて前記他の信号を処理することを可能にする、第二信号プロセシング手段を有する、
通信局において、
前記第一信号プロセシング手段を用いて前記信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータと、
前記第二信号プロセシング手段を用いて前記他の信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータと、
が互いに異なる伝送パラメータである、通信局。 - 前記第一信号プロセシング手段が、前記伝送パラメータとしての少なくとも1つの第一コーディング・タイプにしたがって信号を処理するように構成される第一エンコーディング手段と第一デコーディング手段と、を有し、かつ、
前記第二信号プロセシング手段が、前記伝送パラメータとしての少なくとも1つの第二コーディング・タイプにしたがって前記他の信号を処理するように構成される第二エンコーディング手段と第二デコーディング手段と、を有する、
請求項1に記載の通信局。 - 前記第一エンコーディング手段が、ミラー・コードにしたがって前記信号を処理するように構成され、かつ、
前記第一デコーディング手段が、マンチェスター・コードにしたがって前記信号を処理するように構成される、
請求項2に記載の通信局。 - 前記第二エンコーディング手段と前記第二デコーディング手段が、NRZコード化にしたがって前記他の信号を処理するように構成される、請求項2に記載の通信局。
- 前記第一信号プロセシング手段が、第一変調タイプにしたがって信号を処理するように構成される第一変調手段と第一復調手段と、を有し、かつ、
前記第二信号プロセシング手段が、第二変調タイプにしたがって前記他の信号を処理するように構成される第二変調手段と第二復調手段と、を有する、
請求項1に記載の通信局。 - 前記第一変調手段が、振幅変調手段により形成されており、かつ前記第一復調手段が、振幅復調手段により形成されている、請求項5に記載の通信局。
- 前記第二変調手段が、位相変調手段により形成されており、かつ前記第二復調手段が、位相復調手段により形成されている、請求項5に記載の通信局。
- 前記位相変調手段と前記位相復調手段が、BPSK方式にしたがって前記他の信号を処理するように構成される、請求項7に記載の通信局。
- トランスポンダと他の通信局との非接触通信に適した通信局のための集積回路であって、
前記集積回路が、
信号を処理するように設計されており、かつ前記通信局と少なくとも1つのトランスポンダとの間の通信内で少なくとも1つの伝送パラメータを用いて信号を処理することを可能にする、第一信号プロセシング手段を有し、かつ、
前記集積回路が、
他の信号を処理するように設計されており、かつ前記通信局と少なくとも1つの他の通信局との間の通信内で少なくとも1つの他の伝送パラメータを用いて前記他の信号を処理することを可能にする、第二信号プロセシング手段を有し、かつ、
前記第一信号プロセシング手段を用いて前記信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータと、前記第二信号プロセシング手段によって前記他の信号を処理するための前記少なくとも1つの伝送パラメータとが、互いに異なる伝送パラメータである、
集積回路。 - 前記第一信号プロセシング手段が、前記伝送パラメータとしての少なくとも1つの第一コーディング・タイプにしたがって信号を処理するように構成される第一エンコーディング手段と第一デコーディング手段と、を有し、かつ、
前記第二信号プロセシング手段が、前記伝送パラメータとしての少なくとも1つの第二コーディング・タイプにしたがって他の信号を処理するように構成される第二エンコーディング手段と第二デコーディング手段と、を有する、
請求項9に記載の集積回路。 - 前記第一エンコーディング手段が、ミラー・コードにしたがって前記信号を処理するように構成され、かつ、
前記第一デコーディング手段が、マンチェスター・コードにしたがって前記信号を処理するように構成される、請求項10に記載の集積回路。 - 前記第二エンコーディング手段と前記第二デコーディング手段が、NRZコードにしたがって前記他の信号を処理するように構成される、請求項10に記載の集積回路。
- 前記第一信号プロセシング手段が、第一変調タイプにしたがって信号を処理するように構成される第一変調手段と第一復調手段と、を有し、かつ、
前記第二信号プロセシング手段が、第二変調タイプにしたがって前記他の信号を処理するように構成される第二変調手段と第二復調手段と、を有する、
請求項9に記載の集積回路。 - 前記第一変調手段が、振幅変調手段により形成されており、かつ前記第一復調手段が、振幅復調手段により形成されている、請求項13に記載の集積回路。
- 前記第二変調手段が、位相変調手段により形成されており、かつ前記第二復調手段が、位相復調手段により形成されている、請求項13に記載の集積回路。
- 前記位相変調手段と前記位相復調手段が、BPSK方式にしたがって前記他の信号を処理するように構成される、請求項15に記載の集積回路。
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