JP2005520219A - オーディオ復号装置およびオーディオ復号方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明の実施の形態1における復号装置の構成を示す図である。
復号装置は、ビットストリーム分離手段101、低域復号手段102、分析フィルタバンク103、帯域拡張手段104、合成フィルタバンク105、エイリアシング除去手段113、付加信号生成手段111を含む。
先に説明した様に、合成フィルタバンクとして実数係数のフィルタバンクを用いる場合に、エイリアシングが発生する原因は、高域信号生成の処理過程において、隣接するサブバンド信号が異なるゲインによって調整されることにある。全ての隣接するサブバンド信号に対するゲインを一致させれば、エイリアシング成分を完全に除去することが可能であるが、この場合、高域成分情報として伝送されたゲイン情報が全く反映されず、高域成分のゲイン不一致により、出力信号の品質が低下する。従って、エイリアシング除去手段113は、高域成分情報として伝送されたゲイン情報を参照し、エイリアシング成分が聴感上問題にならない程度に減少するように、前記ゲイン情報を調整することによって、エイリアシング成分による音質劣化と共に、高域成分のゲイン不一致による音質劣化も防がなければならない。
g[m] ≦ a・g[m−1]
g[m] ≦ a・g[m+1]
ここで、aは隣接するサブバンド間のゲインの比の上限を決定する値であり、例えば、a=2.0程度の値が適当である。また、aの値としては、全てのサブバンドmに対して同一の値を適用しても良いし、異なるサブバンドmに対しては、異なる値を適用するようにしても良い。例えば、聴感的にエイリアシングの影響が大きい低い周波数サブバンドに対しては、比較的小さな値を適用し、逆に、エイリアシングの影響が小さくなる高い周波数サブバンドに対しては、比較的大きい値を適用する様に構成することができる。
g’[m]=(g[m−1]+g[m]+g[m+1])/3
g’[m]=(g’[m−1]+g[m]+g[m+1])/3
図2は、本発明の実施の形態2における復号装置の構成図である。先に説明した図1に示す構成に対して、新たにエイリアシングが発生する可能性の高いサブバンドを検出するエイリアシング検出手段315を設けている。エイリアシング検出手段315から出力された検出情報316はエイリアシング除去手段313に入力され、その検出情報316に基づき高域成分のゲインが調整される。
エイリアシング成分の発生は、実数サブバンド信号を用いる限り、理論的に避けられないが、エイリアシングによる聴感的な音質劣化の度合いは、サブバンド信号に含まれる信号の性質によって大きく異なる。図8を用いて説明したように、エイリアシング成分は、元の信号と異なる位置に発生するが、その発生位置周辺に元々大きな信号が存在していれば、発生したエイリアシング成分の影響はマスキングされ、音質に与える影響は小さくなる。逆に、エイリアシング発生位置周辺が元々信号が存在しない位置であれば、エイリアシング成分のみが聴こえることとなり、音質に与える影響が大きい。従って、エイリアシングが発生する位置周辺の信号強度を検出すれば、エイリアシングの影響がどの程度大きいかを知ることが可能である。
mが偶数の場合: k1[m−1]<0 かつ k1[m]<0
mが奇数の場合: k1[m−1]>0 かつ k1[m]>0
mが偶数の場合: k1[m−2]>0 かつ k1[m]<0
mが奇数の場合: k1[m−2]<0 かつ k1[m]>0
以後、この検出条件を「検出条件2」という。
mが偶数の場合: k1[m−2]−k1[m]>T
mが奇数の場合: k1[m]−k1[m−2]>T
ここで、Tはあらかじめ定めたしきい値であり、例えば、T=1.0程度の値が望ましい。以後、この検出条件を「検出条件3」という。検出条件3は検出条件2よりも検出範囲が狭くなっている。なお、反射係数の存在領域に関する条件
−1<k1[m]<1
を考慮すると、検出条件2または検出条件3を用いた場合、連続する3つのサブバンドm、m+1、m+2において条件が重ならないため、エイリアシングの発生が3サブバンドで連続して検出されることはない。検出条件1と、検出条件2または検出条件3を併用した場合でも、エイリアシング発生が3つのサブバンドに連続して検出されることはない。また、m−2サブバンドとm−1サブバンドとmサブバンドの反射係数を用いて3サブバンド間に渡るエイリアシング発生の検出条件を設定しても良い。
実施の形態2では、エイリアシング検出手段315は、あらかじめ定められたしきい値と各サブバンドの反射係数の値とを比較し、その大小関係によって、エイリアシングの発生/非発生を二値情報として検出した。二値情報による検出では、判定値がしきい値付近で変化する場合において、エイリアシング発生/非発生の検出値が頻繁に変化する。結果として、ゲインの調整/非調整も煩雑に切り換わることとなり、音質に悪影響を及ぼすことになる。
2つのサブバンド間のエイリアシング検出を行う場合において、mサブバンドのエイリアシング発生度合いを示す値d[m]として、例えば、以下のような式で算出される値を用いることができる。
i)mが偶数、かつ、k1[m]<q、k1[m−1]<qの場合、
k1[m] > k1[m−1] ならば、
d[m] = (−k1[m]+q)/p
k1[m] ≦ k1[m−1] ならば、
d[m] = (−k1[m−1]+q)/p
ii)mが奇数、かつ、k1[m]>−q、k1[m−1]>−qの場合、
k1[m] > k1[m−1] ならば、
d[m] = (k1[m−1]+q)/p
k1[m] ≦ k1[m−1] ならば、
d[m] = (k1[m]+q)/p
iii)それ以外の場合、
d[m] = 0
ここで、p、qは、あらかじめ定められたしきい値であり、p=q=0.25程度の値が望ましい。また、d[m]の上限値は、d[m]=1.0に制限することが望ましい。
g[m] > g[m−1]の場合、
g[m]=(1.0−d[m])・g[m]+d[m]・g[m−1]
g[m] < g[m−1]の場合、
g[m−1]=(1.0−d[m])・g[m−1]
+d[m]・g[m]
i)mが偶数の場合、
d[m]=0.0 ならば、
d[m] = (k1[m−2]−k1[m]−T)/s
d[m−1]=0.0 ならば、
d[m−1] = (k1[m−2]−k1[m]−T)/s
ii)mが奇数の場合、
d[m]=0.0 ならば、
d[m] = (k1[m]−k1[m−2]−T)/s
d[m−1]=0.0 ならば、
d[m−1] = (k1[m]−k1[m−2]−T)/s
ここで、T、sは、あらかじめ定められたしきい値であり、T=0.8、s=0.4程度の値が望ましい。また、d[m]の上限値は、d[m]=1.0に制限することが望ましい。
i)mが偶数の場合、
d[m]=0.0 ならば、
d[m]=(k1[m−2]−k1[m]
−abs(k1[m−1]))
d[m−1]=0.0 ならば、
d[m−1]
=(k1[m−2]−k1[m]−abs(k1[m−1]))
ii)mが奇数の場合、
d[m]=0.0 ならば、
d[m]=(k1[m]−k1[m−2]
−abs(k1[m−1]))
d[m−1]=0.0 ならば、
d[m−1]=(k1[m]−k1[m−2]−abs(k1[m−1]))
ここで、abs()は絶対値を表す。
g[m]=(1.0−d[m])・g[m]+d[m]・g[m−1]
g[m] < g[m−1]の場合、
g[m−1]=(1.0−d[m])・g[m−1]+d[m]・g[m]
d[m]=1−k1[m−1]・k1[m−1]
または、
d[m]=1−abs(k1[m−1])
i)mが偶数の場合、
k1[m]<0、かつ、k1[m−1]<0ならば、
d[m]=S、
k1[m]<0、かつ、k1[m−1]<0、かつ、k1[m−2]>0ならば、
d[m−1]=1−k1[m−1]・k1[m−1]、
k1[m]<0、かつ、k1[m−1]≧0、かつ、k1[m−2]>0ならば、
d[m]=1−k1[m−1]・k1[m−1]
ii)mが奇数の場合、
k1[m]>0、かつ、k1[m−1]>0ならば、
d[m]=S、
k1[m]>0、かつ、k1[m−1]>0、かつ、k1[m−2]<0ならば、
d[m−1]=1−k1[m−1]・k1[m−1]、
k1[m]>0、かつ、k1[m−1]≦0、かつ、k1[m−2]<0ならば、
d[m]=1−k1[m−1]・k1[m−1]
iii)それ以外の場合、
d[m]=0
ここで、Sはあらかじめ定められた値であり、S=1.0程度の値が望ましい。なお、Sの値は、対象とするサブバンド内の反射係数の値を用いて適応的に設定しても良い。
g[m] > g[m−1]の場合、
g[m]=(1.0−d[m])・g[m]+d[m]・g[m−1]
g[m] < g[m−1]の場合、
g[m−1]=(1.0−d[m])・g[m−1]
+d[m]・g[m]
図5は、実施の形態4における復号装置の構成図である。本実施形態における復号装置の構成は、先に説明した図2に示す実施の形態2、3の復号装置の構成に対し、エイリアシング検出手段に、分析フィルタバンク103からの低域サブバンド信号617に加えて、ビットストリーム分離手段101からの高域成分情報108を入力するように構成した点が異なる。
前述の実施の形態1から4で説明したオーディオ復号装置では、高域成分情報に高域サブバンドのゲイン情報が含まれており、そのゲイン情報を直接調整することを前提としている。しかしながら、ゲイン情報の伝送方法としては、ゲイン情報を直接伝送する他に、高域サブバンドの復号後のエネルギ値を伝送する方法がある。この場合、復号化処理において、復号後のエネルギ値と、コピー元となる低域サブバンドのエネルギ値との比を取ることによりゲイン情報を得るが、そのためには、エイリアシング除去処理を行う前に、高域サブバンド信号のゲインを算出する処理が必要となる。本実施形態では、高域サブバンドの復号後のエネルギ値を伝送する、ゲイン情報の伝送方法に対応したオーディオ復号装置を説明する。
g = sqrt(R/E/(1+Q))
ここで、sqrtは平方根演算を表す。
算出した合計値Et[m]を目標エネルギとし、その目標エネルギを得るために必要な、基準エネルギ(低域サブバンド信号のエネルギ)に対するゲインを求める。ゲインは、目標エネルギと基準エネルギの比の平方根で表されるので、m−1サブバンドとmサブバンドの平均ゲインGt[m]は次式で算出される。
Gt[m]=sqrt(Et[m]/(E[m]+E[m−1]))
このゲイン調整によって、mサブバンドのエネルギが変化する。m−1サブバンドとmサブバンドのエネルギの合計Et[m]を変化させない様にするためには、m−1サブバンドのエネルギはEt[m]からmサブバンドのエネルギを減算したものであることから、調整後のm−1サブバンドのゲインg’[m−1]を次式で算出すればよい。
g’[m−1]=
sqrt((Et[m]−g’[m]2・E[m])/E[m−1])
Gt[m]=sqrt(Et[m]/(E[m−2]+E[m−1]+E[m]))
なお、ゲイン調整の対象となるサブバンド数が4以上の場合も同様である。
Et[m]=g[m−2]2・E[m−2]
+g[m−1]2・E[m−1]+g[m]2・E[m]
この合計値Et[m]を用いて、平均ゲインの2乗値G2t[m]を次式で算出する。
G2t[m]を用いて、対象となるサブバンドl=m−2、m−1、mのゲインは以下のように一時的に算出される。なお、本例では、ゲインはその2乗値を用いて補間される。
ここで、f[l]は、d[l]とd[l+1]のうち大きい方の値である。この一時的なゲインg2[l]を用いた場合の合計エネルギE’t[m]は、
E’t[m]=g2[m−2]・E[m−2]
+g2[m−1]・E[m−1]+g2[m]・E[m]
となる。さらに、合計エネルギE’t[m]は前述の合計エネルギEt[m]と一致するとは限らない。したがって、ゲイン調整により合計エネルギが変化しないようにするためには、対象となるサブバンドl(l=m−2、m−1、m)の調整後のゲインg’[l]を、
g’[l] = sqrt( b・g2[l] )
b = Et[m]/ E’t[m]
とすれば良い。ゲイン調整の対象となるサブバンド数が2、もしくは、4以上の場合も同様に構成できる。
Claims (30)
- 狭帯域なオーディオ信号の符号化情報を有するビットストリームから広帯域なオーディオ信号を復号するオーディオ復号装置であって、
前記ビットストリームから前記符号化情報を分離するビットストリーム分離手段と、
分離された前記符号化情報から狭帯域なオーディオ信号を復号する復号手段と、
前記復号された狭帯域なオーディオ信号を複数の第1サブバンド信号に分割する分析フィルタバンクと、
少なくとも1つの前記第1サブバンド信号から、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域の複数の第2サブバンド信号を生成する帯域拡張手段と、
前記第2サブバンド信号に発生するエイリアシング成分を抑制するために、前記第2サブバンド信号のゲインを調整するエイリアシング除去手段と、
前記第1サブバンド信号と前記第2サブバンド信号とを合成して広帯域なオーディオ信号を得る、実数演算の合成フィルタバンクとを備える、ことを特徴とするオーディオ復号装置。 - 狭帯域なオーディオ信号の符号化情報を有するビットストリームから広帯域なオーディオ信号を復号するオーディオ復号装置であって、
前記ビットストリームから前記符号化情報を分離するビットストリーム分離手段と、
分離された前記符号化情報から狭帯域なオーディオ信号を復号する復号手段と、
前記復号された狭帯域なオーディオ信号を複数の第1サブバンド信号に分割する分析フィルタバンクと、
少なくとも1つの前記第1サブバンド信号から、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域の複数の第2サブバンド信号を生成する帯域拡張手段と、
前記帯域拡張手段により生成される前記複数の第2サブバンド信号のエイリアシング成分の発生度合いをそれぞれ検出するエイリアング検出手段と、
前記エイリアシング成分を抑制するために、前記検出されたエイリアシング成分の発生度合いに基づいて、前記第2サブバンド信号のゲインを調整するエイリアシング除去手段と、
前記第1サブバンド信号と前記第2サブバンド信号とを合成して広帯域なオーディオ信号を得る、実数演算の合成フィルタバンクとを備える、ことを特徴とするオーディオ復号装置。 - 前記エイリアシング成分は、複素演算を行う合成フィルタバンクによる合成後には抑圧される成分を少なくとも含む、ことを特徴とする請求項2記載のオーディオ復号装置。
- 前記第1サブバンド信号は低域のサブバンド信号であり、前記第2サブバンド信号は高域のサブバンド信号である、ことを特徴とする請求項2記載のオーディオ復号装置。
- 前記エイリアシング検出手段は、前記複数の第1サブバンド信号の周波数分布の傾きを表すパラメータを用いてエイリアシング成分の発生度合いを検出する、ことを特徴とする請求項4記載のオーディオ復号装置。
- 前記エイリアシング検出手段は、隣接する2つのサブバンドの周波数分布の傾きを表すパラメータを評価し、前記2つのサブバンド間におけるエイリアシング発生度合いを検出する、ことを特徴とする請求項5に記載のオーディオ復号装置。
- 前記エイリアシング検出手段は、隣接する3つのサブバンドの周波数分布の傾きを表すパラメータを評価し、前記3つのサブバンド間におけるエイリアシング発生度合いを検出する、ことを特徴とする請求項5に記載のオーディオ復号装置。
- 前記周波数分布の傾きを表すパラメータは反射係数である、ことを特徴とする請求項5記載のオーディオ復号装置。
- 前記ビットストリームは、狭帯域なオーディオ信号の符号化情報と、前記狭帯域を広帯域に拡張する補助情報とを含み、
前記補助情報は、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域の信号の特徴を示す高域成分情報を含み、
前記ビットストリーム分離手段はさらに前記ビットストリームから前記補助情報を分離し、
前記帯域拡張手段は、少なくとも1つの前記第1サブバンド信号と前記補助情報の高域成分情報から、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域の複数の第2サブバンド信号を生成する、ことを特徴とする請求項2記載のオーディオ復号装置。 - 前記高域成分情報は前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域のゲイン情報を含み、
前記帯域拡張手段は、前記ゲイン情報に基づき、前記第1サブバンド信号から前記第2サブバンド信号を生成し、
前記エイリアシング除去手段は、前記エイリアシング成分を抑制するために、前記検出されたエイリアシング成分の発生度合いと前記ゲイン情報とに基づいて、前記第2サブバンド信号のゲインを調整する、ことを特徴とする請求項9記載のオーディオ復号装置。 - 前記高域成分情報は、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域のエネルギ情報を含み、
前記帯域拡張手段は、前記エネルギ情報から算出したゲイン情報に基づき、前記第1サブバンド信号から前記第2サブバンド信号を生成し、
前記エイリアシング除去手段は、前記エイリアシング成分を抑制するために、前記検出されたエイリアシング成分の発生度合いと前記ゲイン情報とに基づいて、前記第2サブバンド信号のゲインを調整する、ことを特徴とする請求項9記載のオーディオ復号装置。 - 前記エイリアシング除去手段は、前記ゲイン調整された複数の第2サブバンド信号のエネルギ値の合計値が、前記エネルギ情報によって与えられる、対応する第2サブバンド信号のエネルギ値の合計値と等しくなるように、前記第2サブバンド信号のゲイン調整を行う、ことを特徴とする請求項11に記載のオーディオ復号装置。
- 前記帯域拡張手段は、生成した第2サブバンド信号に付加信号をさらに付加し、
前記エネルギ情報は、前記第2サブバンド信号のエネルギ値Rと、前記エネルギ値Rと前記付加信号のエネルギ値との比Qを含み、
前記帯域拡張手段は、第1サブバンド信号のエネルギ値Eを算出し、対応する前記第2サブバンド信号のゲインgを、前記エネルギ値Rと、前記エネルギ値Eと、前記エネルギ比Qによって表される付加信号のエネルギ値とから算出する、ことを特徴とする請求項11記載のオーディオ復号装置。 - 前記第2サブバンド信号のゲインgを、
g=sqrt{R/E/(1+Q)}
で算出し、ここでsqrtは平方根演算子である、ことを特徴とする請求項13記載のオーディオ復号装置。 - 狭帯域なオーディオ信号の符号化情報を有するビットストリームから広帯域なオーディオ信号を復号するオーディオ復号方法であって、
前記ビットストリームから前記符号化情報を分離するステップと、
分離された前記符号化情報から狭帯域なオーディオ信号を復号するステップと、
前記復号された狭帯域なオーディオ信号を複数の第1サブバンド信号に分割するステップと、
少なくとも1つの前記第1サブバンド信号から、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域の複数の第2サブバンド信号を生成するステップと、
前記第2サブバンド信号に発生するエイリアシング成分を抑制するために、前記第2サブバンド信号のゲインを調整するステップと、
前記第1サブバンド信号と前記第2サブバンド信号とを、実数のフィルタ演算により合成して、広帯域なオーディオ信号を得るステップとを有する、ことを特徴とするオーディオ復号方法。 - 狭帯域なオーディオ信号の符号化情報を有するビットストリームから広帯域なオーディオ信号を復号するオーディオ復号方法であって、
前記ビットストリームから前記符号化情報を分離するステップと、
分離された前記符号化情報から狭帯域なオーディオ信号を復号するステップと、
前記復号された狭帯域なオーディオ信号を複数の第1サブバンド信号に分割するステップと、
少なくとも1つの前記第1サブバンド信号から、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域の複数の第2サブバンド信号を生成するステップと、
第2サブバンド信号を生成する前において、前記生成される複数の第2サブバンド信号のエイリアシング成分の発生度合いをそれぞれ検出するステップと、
前記エイリアシング成分を抑制するために、前記検出されたエイリアシング成分の発生度合いに基づいて、生成される前記第2サブバンド信号のゲインを調整するステップと、
前記第1サブバンド信号と前記第2サブバンド信号とを、実数のフィルタ演算により合成して、広帯域なオーディオ信号を得るステップとを有する、ことを特徴とするオーディオ復号方法。 - 前記エイリアシング成分は、複素演算を行う合成フィルタバンクによる合成後には抑圧される成分を少なくとも含む、ことを特徴とする請求項16記載のオーディオ復号方法。
- 前記第1サブバンド信号は低域のサブバンド信号であり、前記第2サブバンド信号は高域のサブバンド信号である、ことを特徴とする請求項16記載のオーディオ復号方法。
- 前記エイリアシング成分の発生度合いをそれぞれ検出するステップにおいて、前記複数の第1サブバンド信号の周波数分布の傾きを表すパラメータを用いてエイリアシング成分の発生度合いを検出する、ことを特徴とする請求項18記載のオーディオ復号方法。
- 前記エイリアシング成分の発生度合いをそれぞれ検出するステップにおいて、隣接する2つのサブバンドの周波数分布の傾きを表すパラメータを評価し、前記2つのサブバンド間におけるエイリアシング発生度合いを検出する、ことを特徴とする請求項19に記載のオーディオ復号方法。
- 前記エイリアシング成分の発生度合いをそれぞれ検出するステップにおいて、隣接する3つのサブバンドの周波数分布の傾きを表すパラメータを評価し、前記3つのサブバンド間におけるエイリアシング発生度合いを検出する、ことを特徴とする請求項19に記載のオーディオ復号方法。
- 前記周波数分布の傾きを表すパラメータは反射係数である、ことを特徴とする請求項19記載のオーディオ復号方法。
- 前記ビットストリームは、狭帯域なオーディオ信号の符号化情報と、前記狭帯域を広帯域に拡張する補助情報とを含み、
前記補助情報は、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域の信号の特徴を示す高域成分情報を含み、
前記分離するステップにおいて、さらに前記ビットストリームから前記補助情報を分離し、
前記複数の第2サブバンド信号を生成するステップにおいて、少なくとも1つの前記第1サブバンド信号と前記補助情報の高域成分情報から、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域の複数の第2サブバンド信号を生成する、ことを特徴とする請求項16記載のオーディオ復号方法。 - 前記高域成分情報は前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域のゲイン情報を含み、
前記複数の第2サブバンド信号を生成するステップにおいて、前記ゲイン情報に基づき、前記第1サブバンド信号から前記第2サブバンド信号を生成し、
前記ゲインを調整するステップにおいて、前記エイリアシング成分を抑制するために、前記検出されたエイリアシング成分の発生度合いと前記ゲイン情報とに基づいて、前記第2サブバンド信号のゲインを調整する、ことを特徴とする請求項23記載のオーディオ復号方法。 - 前記高域成分情報は、前記第1サブバンド信号の帯域より高い帯域のエネルギ情報を含み、
前記複数の第2サブバンド信号を生成するステップにおいて、前記エネルギ情報から算出したゲイン情報に基づき、前記第1サブバンド信号から前記第2サブバンド信号を生成し、
前記ゲインを調整するステップは、前記エイリアシング成分を抑制するために、前記検出されたエイリアシング成分の発生度合いと前記ゲイン情報とに基づいて、前記第2サブバンド信号のゲインを調整する、ことを特徴とする請求項23記載のオーディオ復号方法。 - 前記ゲインを調整するステップにおいて、前記ゲイン調整された複数の第2サブバンド信号のエネルギ値の合計値が、前記エネルギ情報によって与えられる、対応する第2サブバンド信号のエネルギ値の合計値と等しくなるように、前記第2サブバンド信号のゲイン調整を行う、ことを特徴とする請求項25に記載のオーディオ復号方法。
- 前記第2サブバンド信号を生成するステップにおいて、生成した第2サブバンド信号に付加信号をさらに付加し、
前記エネルギ情報は、前記第2サブバンド信号のエネルギ値Rと、前記エネルギ値Rと前記付加信号のエネルギ値との比Qを含み、
前記第2サブバンド信号を生成するステップにおいて、さらに、第1サブバンド信号のエネルギ値Eを算出し、対応する前記第2サブバンド信号のゲインgを、前記エネルギ値Rと、前記エネルギ値Eと、前記エネルギ比Qによって表される付加信号のエネルギ値とから算出する、ことを特徴とする請求項25記載のオーディオ復号方法。 - 前記第2サブバンド信号のゲインgを、
g=sqrt{R/E/(1+Q)}
で算出し、ここでsqrtは平方根演算子である、ことを特徴とする請求項27記載のオーディオ復号方法。 - 請求項15ないし18のいずれか1つに記載のオーディオ復号方法をプログラミング言語を用いて記述したソフトウェア。
- 請求項29記載のソフトウェアを記録した情報記録媒体。
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