JP3437421B2 - 楽音符号化装置及び楽音符号化方法並びに楽音符号化プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

楽音符号化装置及び楽音符号化方法並びに楽音符号化プログラムを記録した記録媒体

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JP3437421B2
JP3437421B2 JP26611997A JP26611997A JP3437421B2 JP 3437421 B2 JP3437421 B2 JP 3437421B2 JP 26611997 A JP26611997 A JP 26611997A JP 26611997 A JP26611997 A JP 26611997A JP 3437421 B2 JP3437421 B2 JP 3437421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】任意の入力楽音を分析、圧縮
し符号化する楽音符号化装置及び楽音符号化方法並びに
楽音符号化プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】楽音の符合化による楽音符号化復号化装
置では、1)聴覚的に符号化再生後の再現性が高く、
2)処理量が少なく、3)圧縮率の高い方式が望まれて
いる。このため楽音圧縮にあたっては、楽音データを時
間領域から周波数領域に変換し、周波数領域において用
いられていない周波数帯域の成分を伝送しないと同時
に、人間の聴覚モデルに従い主に、1)同時マスキン
グ、2)最少可聴限のモデル等に基づき各周波数帯域に
おける伝送ビット幅を制限することにより高圧縮率を実
現している。
【0003】時間領域から周波数領域への変換の1手法
としてサブバンドコーディング(SBC)による方式が
ある。本方式は信号に対して、バンドパスフィルタを通
し希望とする周波数帯域のみを通過させることにより、
周波数帯域に分割するものである。この際、演算量・デ
ータ量を減少させるためダウンサンプリングするが、フ
ィルタのサイドロープによる影響のためエイリアシング
が生じる。エイリアシングの影響を最小限にするために
は演算量は多くなるが次数の高いフィルタを構成する必
要がある。この問題を解決するため、QMFフィルタを
構成し、合成時にこのエイリアシングの影響を除去する
方法が多く取られてきた。
【0004】また、時間領域から周波数領域への変換へ
の一般的な手法としてMDCTのようなトランスフォー
ムコーディング(TFC)による方法がある。このTF
CとSBCを組み合わせ、各周波数帯域で信号の定常性
を調べ、定常的な場合は分析窓を長くして周波数分解能
を上げ、非定常な場合は分析窓を短くすることによって
時間分解能を上げることによって、より圧縮率が高く再
現性の良い楽音符号化を実現している。
【0005】これらSBCとTFCを組み合わせた楽音
圧縮手法の代表的なものとしては、MDに使われている
ATRAC方式、MPEG1、2のLayer3が良く
知られている。MPEGのLayer3(JIS規格
X4323、及び ISO/IEC11172―3参
照)では、SBCにQMFフィルタを用い、その後TF
CにMDCT分析を用いて楽音を符号化復号化してい
る。ここでは符号化時の量子化誤差によりエイリアシン
グの影響が十分に取り除けない問題を解決するための折
り返し歪み削減器の構成が示してあり、この構成を用い
ることによりQMFフィルタの悪影響をある程度防ぐこ
とが可能となっている。
【0006】図6は、従来の楽音圧縮符号化装置の構成
を概略的に示したブロック図である。図6の楽音符号化
装置は、楽音入力部10′、周波数帯域分割(QMFフ
ィルタ)部11′、時間−周波数変換部12′、量子化
部16′、聴覚モデル算出部18′、符号化列生成部1
9′により構成されている。以下、上記の楽音符号化の
構成要素の動作を説明する。まず、楽音入力部10′は
楽音を入力して、分析フレーム単位に楽音波形を切り出
し、周波数帯域分割(QMFフィルタ)部11′及び聴
覚モデル算出部18′に出力する。
【0007】周波数帯域分割(QMFフィルタ)部1
1′は、楽音入力部10′から出力された楽音波形をQ
MFフィルタを通し希望とする周波数帯域のみを通過さ
せることにより、特定の周波数帯域のみを含む時間波形
データにいくつか分割した後、ダウンサンプリングを施
しサンプリング変換を施した後、時間−周波数変換部1
2′に出力する。時間−周波数変換部12′は、幾つか
に分割されたの特定の周波数帯域のみを含む時間波形デ
ータを、MDCTなどの手法を用いて、各々周波数帯域
毎に周波数領域のパラメータに変換し、量子化部16′
に出力する。
【0008】聴覚モデル算出部18′は、楽音入力部1
0′から出力された楽音波形をFFT等を用いて周波数
分析を行い、同時マスキング・最小可聴限などの聴覚モ
デルに従い、量子化のための周波数帯域における量子化
ビットの精度を決定し、量子化部16′に出力する。量
子化部16′は、聴覚モデル算出部18′によって算出
された量子化のための各周波数帯域における量子化ビッ
トの精度に基づいて、時間−周波数変換部12′によっ
て変換された各周波数の周波数領域の特徴パラメータの
精度を打ち切り、各周波数のパラメータの大きさ、量子
化精度、量子化データ等の量子化符号化データを符号化
列生成部19′に出力する。
【0009】最後に符号化列生成部19′では、楽音符
号化部16′によって生成された各周波数のパラメータ
の大きさ・量子化精度・量子化データ等の量子化符号化
データを伝送/蓄積し圧縮率が高くなるように符号化列
に変換し、符号列出力部20′により伝送/蓄積され
る。ここで周波数帯域分割部(QMFフィルタ)1
1′、時間−周波数変換部12′、量子化部16′、符
号化列生成部19′、聴覚モデル算出部18′の構成要
素(図4の点線で囲んだ部分)は符号化制御部21′に
より制御を行うことも可能である。この場合、符号化制
御部21′を計算機で構成し、上述の図4中の点線で囲
んだ範囲の構成要素をプログラムにより実現することが
可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】QMFフィルタを利用
することにより、合成時にエイリアシング成分を原理的
に完全に削除することが可能である。しかしながら、符
号化時に圧縮率を高めるため、荒い量子化を行いデータ
量の削減を行っているため、合成時にエイリアシング成
分を十分に削減できず、その量子化誤差が聴覚的に知覚
されてしまうという問題があった。
【0011】これに対して上記、MPEGのLayer
3の折り返し歪み削減器では、MDCT分析を行って算
出した周波数成分(MDCT係数)に対して折り返し歪
みを取り除くことによって問題を解決しようとしてい
る。この場合、合成時にQMFフィルタを用いているた
め、折り返し歪み成分を推定し、周波数成分に加算した
周波数成分(MDCT係数)を合成した後、時間成分に
変換している。しかしながら、符号化時に量子化を行っ
ているため、折り返し歪みを加算した周波数成分(MD
CT係数)の量子化誤差は、聴覚的に知覚可能な場合が
あるという問題があった。
【0012】そこで本発明の目的は、上述の折り返し歪
みが与える影響を実用上充分な、すなわち聴覚的に判別
できない程度に削減することである。このためには、影
響しあう周波数データ対の量子化を、エイリアシング成
分を含んでいることを前提に、折り返し歪みを聴覚的に
判別できない程度の精度に量子化の大きさを決定すれば
良い。
【0013】この課題を解決する方法は、折り返し歪み
として影響しあう周波数成分の量子化誤差をも考慮し、
双方の量子化誤差が同一になるように誤差の少ない方を
採用するように双方の量子化方法を決定することであ
る。この場合はMPEGのLayer3と比較して、符
号化時に折り返し歪みを推定し削減することや復号化時
に折り返し歪みを推定し加算する必要がなくなり処理構
成が簡略化される。
【0014】さらに圧縮率を高めるためには、周波数成
分の量子化誤差から折り返し歪みの誤差が推定できる
が、この推定される折り返し歪みの誤差が聴覚的に判別
できないようにすると同時に、従来通りその周波数成分
の量子化誤差が聴覚的に判別できないように、周波数成
分の量子化誤差を決定すればよい。この場合、MPEG
のLayer3と比較して、先ほどと同様に符号化時に
折り返し歪みを推定し削減したり復号化時に折り返し歪
みを推定し加算しなくてもよい。またMPEGのLay
er3と同様に符号化時に折り返し歪みを推定し削減し
たり復号化時に折り返し歪みを推定し加算しても良い。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
の楽音符号化装置は、上記課題を解決するために、楽音
を入力する楽音入力部と、上記楽音入力部に入力された
楽音を、QMFフィルタを用いて周波数帯域別に分割す
る周波数帯域分割部及び、聴覚モデルを用いて量子化幅
を算出する聴覚モデル算出部と、上記周波数帯域分割部
で処理された時間波形データを周波数領域のパラメータ
に変換する時間−周波数変換部と、上記時間−周波数変
換部からの周波数領域のパラメータを上記、聴覚モデル
算出部からの量子化幅に基づいて量子化する量子化部
と、上記量子化部からの各種情報に基づいて符号化列を
生成する符号化生成部とを、備えた楽音符号化装置にお
いて、上記各周波数帯域のパラメータの量子化誤差に基
づき、遮断周波数に対して対称となる周波数のパラメー
タの量子化誤差対の内、小さい方を選択し、さらにこの
2つの周波数成分の量子化誤差幅が同一になるように、
量子化誤差が大きい方 の周波数成分の量子化幅を修正
し、上記量子化部へ出力する最小誤差選択部を設けたこ
とを特徴とする。
【0016】請求項2に記載の本発明の楽音符号化方法
は、上記課題を解決するために、楽音を入力する楽音入
力工程と、上記楽音入力工程に入力された楽音を、QM
Fフィルタを用いて周波数帯域別に分割する周波数帯域
分割工程及び、聴覚モデルを用いて量子化幅を算出する
聴覚モデル算出する工程と、上記周波数帯域分割工程で
処理された時間波形データを周波数領域のパラメータに
変換する時間−周波数変換工程と、上記時間−周波数変
換工程からの周波数領域のパラメータを上記、聴覚モデ
ル算出部からの量子化幅に基づき量子化部により量子化
する量子化工程と、上記量子化工程からの各種情報に基
づいて符号化列を生成する符号化生成工程とを、備えた
楽音符号化する方法において、上記各周波数帯域のパラ
メータの量子化誤差に基づき、遮断周波数に対して対称
となる周波数のパラメータの量子化誤差対の内、小さい
方を選択し、さらにこの2つの周波数成分の量子化誤差
幅が同一になるように、量子化誤差が大きい方の周波数
成分の量子化幅を修正し、上記量子化部へ出力する最小
誤差選択工程を含むことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0018】[実施形態1] 図1は、本発明の実施形態1の構成を概略的に示すブロ
ック図である。図1の楽音符号化装置は、従来の楽音符
号化装置(図6)に対し、最小誤差選択部17が付加さ
れている。以下、追加された構成の動作を説明する。こ
こで周波数帯域分割部11(QMFフィルタ)は、全体
を簡単に説明するために周波数帯域を2分割にしている
が、2分割以外の構成にしても良い。
【0019】量子化部16は、聴覚モデル算出部18に
よって算出された量子化のための各周波数成分における
量子化ビットの精度に基づいて、時間−周波数変換部1
2によって算出された各周波数のパラメータから、各周
波数成分・帯域のパラメータの大きさ・量子化精度・量
子化誤差・量子化データ等の量子化符号化データを算出
する。
【0020】最小誤差選択部17は本実施形態の特徴を
構成するものであり、量子化部16から入力される各周
波数のパラメータの量子化の誤差量から、影響しあう周
波数パラメータ対の量子化の誤差量を誤差が少ない方を
選択し、量子化誤差その情報を量子化部16に出力す
る。量子化器16は、選択された量子化誤差情報に基づ
き、再度、各周波数成分・帯域のパラメータの大きさ・
量子化精度・量子化データ等の量子化符号化データを設
定し、符号化列生成部19に出力する。
【0021】図2を用いてさらに本実施形態について説
明する。影響しあう周波数データ対とは、遮断周波数に
対称に位置する周波数データのことである。最小誤差選
択部17の動作は、図2に示しているように中心線Cに
一番近い低域部の周波数の誤差幅GL1と、高域部で中
心線Cに近い周波数の誤差幅GH1とを比較し、低域部
の誤差は場GL1の方が少ないので、この2つの周波数
成分の量子化誤差幅としてGL1を選択し、高域部の量
子化幅をRH1から、RH1’に修正する。
【0022】同様に中心線Cに2番目に近い低域部の誤
差幅GL2と、高域部の周波数の誤差は場GH2とを比
較し、高域部の誤差幅GH2が少ないので、この2つの
周波数成分の量子化誤差幅としてGH2を選択し、低域
部の周波数の量子化幅をRL2からRL2’に修正す
る。そして、この2つの周波数成分の量子化誤差幅が少
ない方を選択する。さらにこの2つの周波数成分の量子
化誤差幅が同一になるように、2つの周波数成分の量子
化幅を決定し、量子化部16へ出力する。
【0023】図6と同様に、周波数帯域分割部(QMF
フィルタ)11、時間−周波数変換部12、量子化部1
6、符号化列生成部19、聴覚モデル算出部18、最小
誤差推定部17の構成要素(図1の点線で囲んだ部分)
は符号化制御部21により制御を行うことも可能であ
る。この場合、符号化制御部21を計算機で構成し、上
述の図1中の点線で囲んだ範囲の構成要素をプログラム
により実現することが可能であり、図1の点線で囲んだ
ハードの構成要素の代わりに、図4に示す各工程により
実現することができる。
【0024】以下、図4の各工程を説明する。まず、最
初の処理工程ステップS0により処理が開始され、楽音
入力処理工程ステップS1で楽音を入力して、分析フレ
ーム単位に楽音波形を切り出し、周波数帯域分割(帯域
フィルタ)工程ステップS2及び、聴覚モデル算出工程
ステップS4にデータを出力する。
【0025】周波数帯域分割(帯域フィルタ)工程ステ
ップS2は、入力された楽音波形をバンドパス(ハイパ
ス、ローパスを含む)フィルタを通し希望とする周波数
帯域のみを通過させることにより、特定の周波数帯域の
みを含む時間波形データにいくつか分割した後、ダウン
サンプリングしサンプリング周波数変換を行う。
【0026】時間−周波数変換工程ステップS3は、幾
つかに分割されたの特定の周波数帯域のみを含む時間波
形データを、MDCTなどの手法を用いて、各々周波数
帯域毎に周波数領域のパラメータに変換する。聴覚モデ
ル算出工程S4は、入力された楽音波形をFFT等を用
いて周波数分析を行い、同時マスキング・最小可聴限な
どの聴覚モデルに従い、量子化のための周波数帯域にお
ける量子化ビットの精度を決定する。
【0027】量子化工程ステップS5は、聴覚モデル算
出工程ステップS4によって算出された量子化のための
各周波数帯域における量子化ビットの精度に基づいて、
時間−周波数変換工程ステップS3によって算出された
周波数領域のパラメータの精度を打ち切り、各周波数帯
域のパラメータの大きさ、量子化精度、量子化データ等
の量子化符号化データと各周波数帯域のパラメータの量
子化誤差を算出する。最小誤差選択工程ステップS6
は、量子化工程ステップS5によって算出された各周波
数帯域のパラメータの量子化誤差に基づき、遮断周波数
に対して対称となる周波数のパラメータの量子化誤差対
の内、小さい方を選択し、量子化工程ステップS7に出
力する。量子化工程ステップS7では、この周波数成分
の量子化誤差情報に基づき、各周波数成分の量子化精度
を算出し直し、再度各周波数成分のパラメータの大きさ
・量子化精度・量子化データ等の量子化符号化データを
設定し、符号化列生成工程ステップS8に出力する。
【0028】符号化列生成工程ステップS8では、量子
化工程ステップS7によって生成された各周波数のパラ
メータの大きさ、量子化精度、量子化データ等の量子化
符号化データを伝送・蓄積し圧縮率が高くなるように符
号化列に変換し、最後に符号化データ出力工程ステップ
S9により符号化データが作成される。また、これらの
処理手順は、図1の符号化制御部21を計算機で構成
し、プログラムにより実現することが可能であり記録媒
体としても提供できる。
【0029】[参考例] 図3は、参考例の構成を概略的に示すブロック図であ
る。図3に示す楽音符号化装置は、図4の従来の楽音符
号化装置に対し、折返歪み量子化誤差推定部15および
誤差幅決定部17が付加されている。以下、追加された
折返歪み量子化誤差推定部15および誤差幅決定部17
の動作を説明する。以下、MPEG1、2Layer3
の例で説明をする。以下の式(1)は、MPEG1、2
Layer3で、折り返し歪みを削減し、折り返し歪み
を削減した周波数成分からQMFフィルタに入力する周
波数パラメータを復元する式である。
【0030】
【数1】
【0031】この式より聴覚的に量子化誤差の影響を取
り除く場合は、Cs[i]*xr[18*sb―1―
i]とCa[i]*xr[18*sb+i]の量子化誤
差歪みがxar[18*sb−1−i]の聴覚モデル算
出部18によって算出された量子化のための周波数帯域
における量子化ビットの量子化誤差より小さくすれば良
いことが分かる。
【0032】このように、折返歪み量子化誤差推定部1
5では、MPEG1、2 Layer3の例のように、
QMFフィルタの折り返し歪みの特性に基づき、周波数
成分の量子化誤差から折り返し歪みの誤差が推定する。
さらに誤差幅決定部16では、パラメータの周波数成分
の量子化時にこの折り返し歪みの量子化誤差が聴覚的に
判別できないように、折り返し歪み量子化誤差が量子化
誤差よりも小さくなるように量子化誤差幅を決定し、量
子化部16に出力すればよい。この際、図2では、周波
数データについて折り返し歪みを削減せずに量子化を行
っている。このように折り返し歪みを削減しなくても良
いし、また折り返し歪みを削減する折り返し歪み削減部
を時間―周波数変換部12と量子化部16の間に挿入し
て構成しても良い。
【0033】また図6と同様に、周波数帯域分割部(Q
MFフィルタ)11、時間−周波数変換部12、量子化
部16、符号化列生成部19、聴覚モデル算出部18、
折り返し歪み量子化誤差推定部16、誤差幅決定部17
の構成要素(図3の点線で囲んだ部分)は符号化制御部
21により制御を行うことも可能である。この場合、符
号化制御部21を計算機で構成し、上述の図3中の点線
で囲んだ範囲の構成要素をプログラムにより実現するこ
とが可能であり、図3の点線で囲んだハードの構成要素
の代わりに、図6に示す各工程により実現することがで
きる。
【0034】このように、本参考例に係る楽音符号化装
置は、楽音を入力する楽音入力部と、上記楽音入力部に
入力された楽音を、QMFフィルタを用いて周波数帯域
別に分割する周波数帯域分割部及び、聴覚モデルを用い
て量子化幅を算出する聴覚モデル算出部と、上記周波数
帯域分割部で処理された時間波形データを周波数領域の
パラメータに変換する時間−周波数変換部と、上記時間
−周波数変換部からの周波数領域のパラメータを上記、
聴覚モデル算出部からの量子化幅に基づいて量子化する
量子化部と、上記量子化部からの各種情報に基づいて符
号化列を生成する符号化生成部とを、備えた楽音符号化
装置において、上記量子化部からの周波数領域のパラメ
ータからQMFフィルタの折り返し歪みの量子化誤差を
算出する折り返し歪み量子化誤差推定部と、上記折り返
し歪み量子化誤差推定部からの折り返し歪み量子化誤差
に基づき、周波数領域のパラメータの量子化幅を再設定
し、量子化部に量子化幅を出力する誤差幅決定部を設け
たことを特徴とする。
【0035】以下、図5の各工程を説明する。まず、最
初の処理工程ステップS20により処理が開始され、楽
音入力処理工程ステップS21で楽音を入力して、分析
フレーム単位に楽音波形を切り出し、周波数帯域分割
(帯域フィルタ)工程ステップS22及び聴覚モデル算
出工程ステップS24にデータを出力する。
【0036】周波数帯域分割(帯域フィルタ)工程ステ
ップS22は、入力された楽音波形を帯域(ハイパス、
ローパスを含む)フィルタを通し希望とする周波数帯域
のみを通過させることにより、特定の周波数帯域のみを
含む時間波形データにいくつか分割した後、ダウンサン
プリングしサンプリング周波数変換を行う。時間−周波
数変換工程ステップS23は、幾つかに分割されたの特
定の周波数帯域のみを含む時間波形データを、MDCT
などの手法を用いて、各々周波数帯域毎に周波数領域の
パラメータに変換する。
【0037】聴覚モデル算出工程ステップS24は、入
力された楽音波形をFFT等を用いて周波数分析を行
い、同時マスキング・最小可聴限などの聴覚モデルに従
い、量子化のための周波数帯域における量子化ビットの
精度を決定する。量子化工程ステップS25は、聴覚モ
デル算出工程ステップS24によって算出された量子化
のための各周波数帯域における量子化ビットの精度に基
づいて、時間−周波数変換工程ステップS23によって
算出された周波数領域のパラメータの精度を打ち切り、
各周波数帯域のパラメータの大きさ、量子化精度、量子
化データ等の量子化符号化データと各周波数帯域のパラ
メータの量子化誤差を算出する。
【0038】折り返し歪み量子化誤差推定工程ステップ
S26は、量子化工程ステップS25によって算出され
た各周波数帯域のエイリアス成分を式(1)によって算
出する。次に誤差幅決定工程ステップS27では、パラ
メータの周波数成分の量子化時にこの折り返し歪みの量
子化誤差が聴覚的に判別できないように、折り返し歪み
量子化誤差が量子化誤差よりも小さくなるように量子化
誤差幅を決定し、量子化工程ステップS28に出力す
る。
【0039】量子化工程ステップS28では、この周波
数成分の量子化誤差情報に基づき、各周波数成分の量子
化精度を算出し直し、再度各周波数成分のパラメータの
大きさ・量子化精度・量子化データ等の量子化符号化デ
ータを設定し、符号化列生成工程ステップS29に出力
する。符号化列生成工程ステップS29では、量子化工
程ステップS28によって生成された各周波数のパラメ
ータの大きさ、量子化精度、量子化データ等の量子化符
号化データを伝送・蓄積し圧縮率が高くなるように符号
化列に変換し、最後に符号化データ出力工程ステップS
30により符号化データが作成される。
【0040】またこれらの処理手順は、図4の符号化制
御部21を計算機で構成し、プログラムにより実現する
ことが可能であり記録媒体としても提供できる。このよ
うに、楽音波形を符号化する、折り返し歪み量子化誤差
推定部15、最小誤差選択部17の構成要素を設けるこ
とにより、従来の符号化手法に比べ、圧縮率が高く、高
音質の符号化復号化楽音を生成することができる。
【0041】このように、本参考例に係る楽音符号化方
法は、楽音を入力する楽音入力工程と、上記楽音入力工
程に入力された楽音を、QMFフィルタを用いて周波数
帯域別に分割する周波数帯域分割工程及び、聴覚モデル
を用いて量子化幅を算出する聴覚モデル算出工程と、上
記周波数帯域分割工程で処理された時間波形データを周
波数領域のパラメータに変換する時間−周波数変換工程
と、上記時間−周波数変換工程からの周波数領域のパラ
メータを上記、聴覚モデル算出部からの量子化幅に基づ
いて量子化する量子化工程と、上記量子化工程からの各
種情報に基づいて符号化列を生成する符号化生成工程と
を、備えた楽音符号化方法において、上記量子化工程か
らの周波数領域のパラメータからQMFフィルタの折り
返し歪みの量子化誤差を算出する折り返し歪み量子化誤
差推定工程と、上記折り返し歪み量子化誤差推定工程か
らの折り返し歪み量子化誤差に基づき、周波数領域のパ
ラメータの量子化幅を再設定し、量子化部に量子化幅を
出力する誤差幅決定工程を含むことを特徴とする。
【0042】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明では、
QMFフィルタの過渡域の周波数特性による折り返し歪
みの量子化誤差の影響を考慮して量子化するため、より
高品質、あるいは圧縮率を高くすることが可能な楽音の
符号化装置及び方法並びに楽音符号化プログラムを記録
した記録媒体を提供することができる。さらに本発明で
は、復号化側では従来の方式をなんら変更することな
く、符号化側を変更することにより、より高品質の楽音
を復号化することが出来る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楽音符号化装置の実施形態1の構成を
示すブロック図。
【図2】本発明の楽音符号化装置の実施形態1に係る最
小誤差選択部の動作例を示す図。
【図3】参考例の楽音符号化装置の構成を示すブロック
図。
【図4】本発明の楽音符号化装置及び方法に係る楽音符
号化処理手順。
【図5】参考例の楽音符号化装置及び方法に係る楽音符
号化処理手順。
【図6】従来の楽音符号化装置の構成を示すブロック
図。
【符号の説明】
10 楽音入力部 11 周波数帯域分割部 12 時間−周波数変換部 15 折返歪み量子化誤差推定部 16 量子化部 17 誤差幅決定部 18 聴覚モデル算出部 19 符号化列生成部 20 符号化列出力部 21 符号化制御部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音を入力する楽音入力部と、 上記楽音入力部に入力された楽音を、QMFフィルタを
    用いて周波数帯域別に分割する周波数帯域分割部及び、
    聴覚モデルを用いて量子化幅を算出する聴覚モデル算出
    部と、 上記周波数帯域分割部で処理された時間波形データを周
    波数領域のパラメータに変換する時間−周波数変換部
    と、 上記時間−周波数変換部からの周波数領域のパラメータ
    を上記、聴覚モデル算出部からの量子化幅に基づいて量
    子化する量子化部と、 上記量子化部からの各種情報に基づいて符号化列を生成
    する符号化生成部とを、備えた楽音符号化装置におい
    て、上記各周波数帯域のパラメータの量子化誤差に基づき、
    遮断周波数に対して対称となる周波数のパラメータの量
    子化誤差対の内、小さい方を選択し、さらにこの2つの
    周波数成分の量子化誤差幅が同一になるように、量子化
    誤差が大きい方の周波数成分の量子化幅を修正し、上記
    量子化部へ出力する 最小誤差選択部を設けたことを特徴
    とする楽音符号化装置。
  2. 【請求項2】楽音を入力する楽音入力工程と、 上記楽音入力工程に入力された楽音を、QMFフィルタ
    を用いて周波数帯域別に分割する周波数帯域分割工程及
    び、聴覚モデルを用いて量子化幅を算出する聴覚モデル
    算出する工程と、 上記周波数帯域分割工程で処理された時間波形データを
    周波数領域のパラメータに変換する時間−周波数変換工
    程と、 上記時間−周波数変換工程からの周波数領域のパラメー
    タを上記、聴覚モデル算出部からの量子化幅に基づき量
    子化部により量子化する量子化工程と、 上記量子化工程からの各種情報に基づいて符号化列を生
    成する符号化生成工程とを、備えた楽音符号化する方法
    において、 上記各周波数帯域のパラメータの量子化誤差に基づき、
    遮断周波数に対して対称となる周波数のパラメータの量
    子化誤差対の内、小さい方を選択し、さらにこの2つの
    周波数成分の量子化誤差幅が同一になるように、量子化
    誤差が大きい方の周波数成分の量子化幅を修正し、上記
    量子化部へ出力する最小誤差選択工程を含むことを特徴
    とする楽音符号化方法。
  3. 【請求項3】楽音を入力する楽音入力手段と、上記楽音
    入力部に入力された楽音を、QMFフィルタを用いて周
    波数帯域別に分割する周波数帯域分割手段及び、聴覚モ
    デルを用いて量子化幅を算出する聴覚モデル算出手段
    と、上記周波数帯域分割部で処理された時間波形データ
    を周波数領域のパラメータに変換する時間−周波数変換
    手段と、上記時間−周波数変換手段からの周波数領域の
    パラメータを上記、聴覚モデル算出手段からの量子化幅
    に基づいて量子化する量子化手段と、上記量子化手段か
    らの各種情報に基づいて符号化列を算出する符号化列算
    出手段とを、備えた楽音符号化するためのプログラムを
    記録した記録媒体であって、 上記各周波数帯域のパラメータの量子化誤差に基づき、
    遮断周波数に対して対称となる周波数のパラメータの量
    子化誤差対の内、小さい方を選択し、さらにこの2つの
    周波数成分の量子化誤差幅が同一になるように、量子化
    誤差が大きい方の周波数成分の量子化幅を修正し、修正
    された量子化幅に基づいて量子化手段でパラメータの量
    子化を行う楽音符号化プログラムを記録した記録媒体。
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