JP2005517756A - 帯電防止特性を有するスチレン系ポリマー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電防止特性を有するスチレン系ポリマー組成物。
【解決手段】99〜60重量部のスチレン系ポリマー(A)と、1〜40重量部の下記(B)+(C)とからなり、(B)はポリアミドブロックと基本的にエチレンオキサイド単位−(C24−O)−から成るポリエーテルブロックとからなるコポリマーであり、(C)はスチレンを含む少なくとも一つのポリマーブロックとメチルメタクリレートを含む少なくとも一つのポリマーブロックとを有するブロックコポリマーの中から選択される相溶化剤であり、(B)/(C)の重量比は2〜10であることを特徴とした組成物(全体で100重量部)。

Description

本発明は、帯電防止特性を有するスチレン系ポリマーの組成物に関するものであり、特に、スチレン系ポリマー(A)と、ポリアミドブロックと基本的にエチレンオキサイド単位−(C24−O)−から成るポリエーテルブロックとを有するコポリマー(B)と、相溶化剤(C)とを含む組成物に関するものである。
本発明はスチレン系ポリマー(A)に帯電防止特性を与える方法に関するものである。
大抵のプラスチック材料の表面には静電気が形成または蓄積しているということは知られている。熱可塑性樹脂フィルム上に静電気が形成または蓄積されているとフィルムが互いに付着して分離が困難になる。また、包装フィルム上に静電気が形成されると商品上に埃やゴミが付着し、物品の使用時に問題が生じる。
スチレン系の樹脂、例えばポリスチレンやABS樹脂はコンピュタ、電話機、テレビ、コピー機、その他の多くの物品のハウジングに用いられている。静電気の蓄積は埃の付着の問題だけでなく、電子機器内部のマイクロプロセッサや電子回路をダメにする危険がある。これらの機器では一般にIEC93規格に従って測定した表面抵抗率が5×1013Ω/□以下か、IEC93規格に従って測定した体積抵抗率が5×1016Ω/□であるスチレン系樹脂が求められている(必要な抵抗率は用途に応じて異なり、上記2つの抵抗率値は同じ意味であるということは理解できよう)。すなわち、上記の抵抗率値があれば、一定の用途では電子部品と接触するポリマー材料に静電防止特性が与えられると考えられている。
ポリマー材料に添加する静電防止剤としてはエトキシ化アミンやスルホネートのようなイオン性界面活性剤が公知である。しかし、これらの静電防止剤は静電防止特性が外気の湿度に一般的に依存し、静電防止剤がポリマー表面に染み出てくる(マイグレーション)ため永久的な効果はない。
ポリアミドブロックと親水性のポリエーテルブロックとを有するコポリマーから成る静電防止剤も知られている。この静電防止剤は上記のマイグレーションがないため静電防止効果が永久的であり、湿度に依存しないという効果がある。
下記文献には0.01〜50部のポリエーテルブロックアミドと100部のポリスチレンとからなる組成物が記載されている。
特開昭60−023435号公報(1985年9月4日公開)
この組成物は摺動部材や耐磨耗部材を作るのに用いられる。帯電防止特性に関する記載はない。
下記文献にも上記文献および本発明と類似の組成物が記載されている。
欧州特許第EP167824号公報(1986年1月15日公開)
この文献ではポリスチレンに不飽和無水カルボン酸で官能化した変性ポリスチレンを混合することができる。この文献の組成物は射出成形部品で使用される。帯電防止特性に関する記載はない。
下記文献には5〜80%のポリエーテルエステルアミドと、95〜20%のアクリル酸または無水マレイン酸で官能化されたポリスチレン、ABSおよびPMMAの中から選択される熱可塑性樹脂とからなる帯電防止組成物が記載されている。
特開昭60−023435号公報(1985年2月6日公開)
実施例ではポリエーテルエステルアミドの比率は30重量%である。
下記文献には1〜40%のポリエーテルエステルアミドと、99〜60%のスチレン系樹脂、PPOおよびポリカーボネートの中から選択される熱可塑性樹脂とからなる帯電防止組成物が記載されている。
欧州特許第EP242158号公報
この文献の好ましい実施例の組成物は例えばメタクリル酸によって変性されていてもよいカルボン酸で官能化したビニルポリマーをさらに含んでいる。
本発明者は国際特許出願PCT/FR00/02140号において、スチレン樹脂とポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有するコポリマーとの間の相溶化剤として、スチレンと不飽和無水カルボン酸とのコポリマー、エチレンと不飽和無水カルボン酸とのコポリマー、エチレンと不飽和エポキシドとのコポリマー、カルボン酸または無水カルボン酸がグラフトしたSBSまたはSISブロックコポリマーが使用できることを開示した。
さらに、下記文献を従来技術として挙げることができる:
欧州特許第EP927727号公報 J. Polym. Sci. Part C, Lett. (1989), 27(12), 481 J. Polym. Sci. Part B, Lett. (1986), 34(7), 1289 JAPS, (1995), 54(4), 753 日本国特許JP04370156号公報 日本国特許JP04239045号公報 日本国特許JP02014232号公報 日本国特許JP11060855号公報 日本国特許JP11060856号公報 日本国特許JP09249780号公報 日本国特許JP08239530号公報 日本国特許JP08143780号公報
これらの従来技術には(i)相溶解剤を含まないスチレン系樹脂とポリエーテルエステルアミドとの混合物か、(ii) ポリエーテルエステルアミドと官能化したスチレン系樹脂との混合物か、(iii) ポリエーテルエステルアミドと、官能化していないスチレン系樹脂と、官能化したスチレン系樹脂との混合物 が開示されている。
(i)の混合物はポリエーテルエステルアミドを正しく選択すれば帯電防止性を示すが、機械特性が悪くなる。特に、スチレン系樹脂単独のものに比べて破断伸びが著しく低下する。(ii)および(iii)の混合物の場合には製造が複雑になり、コストがかかる官能化したスチレン系樹脂を使用しなければならないという欠点がある。
本発明者は、特定の相溶化剤を用いることによって、この相溶化剤を用いない場合に比べて破断伸びが著しく改良され、破断強度に優れ、衝撃(シャルピー)強度に優れたスチレン樹脂とポリアミドブロック/ポリエーテルブロックコポリマーとの帯電防止組成物が得られるということを見出した。
本発明は、99〜60重量部のスチレン系ポリマー(A)と、1〜40重量部の下記(B)+(C)とからなり、(B)はポリアミドブロックと基本的にエチレンオキサイド単位−(C24−O)−から成るポリエーテルブロックとからなるコポリマーであり、(C)はスチレンを含む少なくとも一つのポリマーブロックとメチルメタクリレートを含む少なくとも一つのポリマーブロックとを有するブロックコポリマーの中から選択される相溶化剤であり、(B)/(C)の重量比は2〜10であることを特徴とした組成物(全体で100重量部)を提供する。
スチレン系ポリマー(A)の例としてはエラストマによって変性されたポリスチレン、ブタジエンのようなジエン類によって変性されたのスチレンのランダムコポリマーまたはブロックコポリマー、スチレンとアクリロニトリルとのコポリマー(SAN)、エラストマ、特にABSによって変性されたSAN、例えばポリブタジエンまたはブタジエン/アクリロニトリルコポリマーの主幹にスチレンおよびアクリロニトリルをグラフト(グラフト重合)して得られるもの、SANとABSとの混合物が挙げられる。上記エラストマとしては例えばEPR(エチレンプロピレンゴムまたはエチレン/プロピレンエラストマの略)、EPDM(エチレン/プロピレン/ジエンゴムまたはエチレン/プロピレン/ジエンエラストマの略)、ポリブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、ポリイソプレン、イソプレン/アクリロニトリルコポリマーにすることができる。この(A)はポリブタジエンを主としたゴムのノジュール(節)を取り囲んだポリスチレンのマトリックスからなる耐衝撃性ポリスチレンにするのが好ましい。
上記のスチレン系ポリマー(A)のスチレンの一部をスチレンと共重合可能な不飽和のモノマー、例えばα-メチルスチレンおよび(メタ)アクリルエステルに置き換えることもできる。この場合、スチレン系ポリマー(A)はスチレンのコポリマーにすることができ、例えばスチレン−α−メチルスチレンコポリマー、スチレン−クロロスチレンコポリマー、スチレン−プロピレンコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、スチレン−塩化ビニルコポリマー、スチレン−酢酸ビニルコポリマー、スチレン−アルキルアクリレート(メチル、エチル、ブチル、オクチル、フェニルアクリレート)コポリマー、スチレン−アルキルメタクリレート(メチル、エチル、ブチル、フェニルメタアクリレートコポリマー、スチレン−メチルクロロアクリレートコポリマー、スチレン−アクリロニトリル−アルキルアクリレートコポリマーを挙げることができる。これらのコポリマーにおいてコモノマーの量は一般に20重量%以下である。本発明は高融点メタロセンポリスチレンにも関するものである。
スチレン系ポリマー(A)として上記ポリマーの2種または複数の混合物を用いても本発明の範囲を逸脱するものではない。
スチレン系ポリマー(A)は50重量%以上のスチレンを含むのが好ましい。スチレン系ポリマー(A)がSANの場合には75重量%以上のスチレンを含むのが好ましい。
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとからなるコポリマー(B)のは、下記のような、反応性末端を有するポリアミドと反応性末端を有するポリエーテルとの重縮合で得られる:
(1)ジアミン末端を有するポリアミド単位と、ジカルボン酸鎖末端を有するポリオキシアルキレン単位、
(2)ジカルボン酸鎖末端を有するポリアミドブロックと、ポリエーテルジオールとよばれる脂肪族ジヒドロキシル化α,ω−-ポリオキシアルキレンブロックをシアノエチル化および水素添加して得られるジアミン鎖末端を有するポリオキシアルキレンブロック、
(3)ジカルボン酸鎖末端を有するポリアミドブロックと、ポリエーテルジオール(この場合に得られる生成物を特にポリエーテルエステルアミドという)。(B)のポリアミドブロックはこのコポリマーを用いるのが有利である。
ジカルボン鎖末端を有するポリアミドブロックは例えば、連鎖制限剤のジカルボン酸の存在下でのα,ω−アミノカルボン酸、ラクタムまたはジカルボン酸とジアミンとの縮合で得られる。
ポリアミド単位の数平均分子量Mnは300〜15000、好ましくは600〜5000である。ポリエーテル単位の数平均分子量Mnは100〜6000、好ましくは200〜3000である。
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとからなる上記ポリマーはランダムに分散する単位を含んでいてもよい。このポリマーはポリエーテルとポリアミドブロック先駆体との同時反応で製造される。
例えば、ポリエーテルジオールと、ラクタム(またはα,ω−アミノ酸)と、連鎖制限剤のジアシッドとを少量の水の存在下で反応させることができる。基本的に種々の長さのポリエーテルブロックとポリアミドブロックとを有するポリマーが得られるが、各成分がランダムに反応し、ポリマー鎖中に分散した成分を含むことがある。
ポリアミド単位とポリエーテル単位との重縮合で得られるポリアミドブロックとポリエーテルブロックとからなる上記ポリマーは一段階で得られた場合でもそうでない場合でもジョア硬度Dが20〜75、好ましくは30〜70で、固有粘度が0.8〜2.5である(メタクレゾール中、250℃で測定。初期濃度=0.8g/100ml)。MFIは5〜50である(235℃、1kg荷重下)。
ポリエーテルジオールブロックをそのまま用い、カルボキシ末端基を有するポリアミドブロックと共重合するか、アミノ化してポリエーテルジアミンに変換し、カルボキシ末端基を有するポリアミドブロックと縮合する。また、ポリエーテルジオールブロックをポリアミド先駆体および連鎖制限剤と混合してランダムに分散した単位を有するポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを含むポリマーにすることもできる。
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを含むポリマーは下記文献に記載されている:
米国特許第4,331,786号明細書 米国特許第4,115,475号明細書 米国特許第4,195,015号明細書 米国特許第4,839,441号明細書 米国特許第4,864,014号明細書 米国特許第4,230,838号明細書 米国特許第4,332,920号明細書
本発明の第1の形態では、ジカルボン酸鎖末端を有するポリアミド単位が、例えば連鎖停止剤の存在下でのα,ω−アミノカルボン酸、ラクタムまたはジカルボン酸とジアミンの縮合で得られる。α,ω−アミノカルボン酸の例としてはアミノウンデカノン酸が挙げられる。ラクタムの例としてはカプロラクタムおよびラウリルラクタムが挙げられる。ジカルボン酸の例としてはアジピン酸、デカンジオン酸およびドデカンジオン酸が挙げられる。ジアミンの例としてはヘキサメチレンジアミンが挙げられる。ポリアミドブロックはポリアミドPA6およびPA12からなるのが好ましい。ポリアミド単位の融点(これはコポリマー(B)の融点でもある)はポリアミドPA6およびPA12の場合、一般に10〜15℃である。
スチレン系ポリマー(A)の種類によっては融点が上記より低いコポリマー(B)を用いることでコポリマー(B)の混合時にスチレン系ポリマー(A)が劣化しないようにするのが有利である。これが以下で説明する本発明の第2形態および第3形態である。
本発明の第2形態では、ポリアミド単位は例えば4〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸の存在下での1種または複数のα,ω−アミノカルボン酸および/または1種または複数の6〜12個の炭素原子を有するラクタムの縮合で得られるもので、その分子量は低分子量すなわちMnが400〜1000である。α,ω−アミノカルボン酸の例としてはアミノウンデカン酸おアミノドデカノン酸が挙げられる。
ジカルボン酸の例としてはアジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ブタンジオン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、テレフタル酸、スルホイソフタル酸のナトリウム塩またはリチウム塩、ダイマー化した脂肪酸(ダイマーを少なくとも一つの98%含み、水素化されているのが好ましい)およびドデカンジオン酸 HOOC-(CH2)10-COOHが挙げられる。
ラクタムの例としてはカプロラクタムおよびラウリルラクタムが挙げられる。カプロラクタムを避けて、ポリアミド中に溶解したカプロラクタムを精製する。
アジピン酸またはドデカンジオン酸の存在下でラウリルラクタムを縮合して得られるポリアミド単位は分子量Mnが750で融点は127〜130℃である。
本発明の第3の形態では、ポリアミド単位が少なくとも一種のα,ω−アミノカルボン酸(またはラクタム)と、少なくとも一種のジアミンと、少なくとも一種のジカルボン酸との縮合で得られる。これらのα,ω−アミノカルボン酸、ラクタム、ジアミンおよびジカルボン酸は上記のものの中から選択できる。
ジアミンは6〜12の炭素原子を含む脂肪族ジアミンにすることができるが、芳香族および/または飽和環式のジアミンでもよい。
ジアミンの例としてはヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、1−アミノエチレンジアミン、ビスアミノプロピルピペラジン、テトラメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1,5-ジアミノヘキサン、2,2,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、ポリオールジアミン、イソホロンジアミン(IPD)、メチルペンタメチレンジアミン(MPDM)、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(BACM)、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)が挙げられる。
本発明の第2および第3の形態では、互いに異なるポリアミド単位をその比率を違えて用いることによって融点を150℃以下、好ましく90〜135℃にすることができる。この低融点のコポリアミドは下記文献に記載されている:
米国特許第4,483,975号明細書 独国特許第3,730,504号公報 米国特許第5,459,230号明細書
(B)のブロックポリアミドの場合、同じ比率の成分を用いる。(B)は下記文献に記載のものにすることもできる。
米国特許第5,489,667号明細書
コポリマー(B)のポリエーテルブロックは5〜85重量%である。このポリエーテルブロックはエチレンオキサイド以外の他の単位、例えばプロピレンオキサイド、ピリテトラヒドロフラン(この場合にはポリテトラメチレングリコール鎖が得られる)を含んでいてもよい。また、PEGブロック(すなわちエチレンオキサイト単位からなる)と、PPG(すなわちオキサイト単位からなる)およびPTMG(すなわちテトラメチレングリコール単位からなる。ポリテトラヒドロフランともよばれる)とを同時に用いてもよい。好ましくはPEGブロックか、ビスフェノールAのようなビスフェノールのオキシエチレン化で得られる単位とを用いる。後者の化合物は下記文献に記載されている:
欧州特許第613,919号公報
コポリマー(B)中のポリエーテルブロックの比率は10〜50重量%、好ましくは35〜50重量%である。
本発明のコポリマーはポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを結合できる任意の手段で製造することができる。基本的には2段階法とよばれる方法か、1段階で製造できる。
2段階法では先ず最初の段階で連鎖制限剤のカルボン酸の存在下でポリアミドの前駆体の縮合によってカルボン酸末端を有するポリアミドブロックを作り、第2段階でポリエーテルと触媒とを添加する。ポリアミドの前駆体がラクタムかα,ω−アミノカルボン酸のみの場合にはカルボン酸を添加する。ポリアミドの前駆体がカルボン酸を既に含む場合には、ジアミンの化学量論量に対して過剰に使用する。反応は一般に180〜300℃、好ましくは200〜260℃で、圧力5〜30バールで約2時間行う。反応後、大気圧までゆっくりと下げ、過剰な水を例えば1時間または2時間蒸留で除去する。
得られたカルボン酸末端を有するポリアミドにポリエーテルと触媒を添加する。ポリエーテルは一回または複数に分けて添加する。触媒も同じである。有利な方法では、先ず始めにポリエーテルを添加してポリエーテルのOH末端とポリアミドのCOOH末端とを反応させてエステル結合を形成し,生成した水を除去する。一般には蒸留によって反応媒体中の水を除去した後に触媒を添加してポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを結合する。この第2段階は一般に反応物と得られたコポリマーが溶融状態となる少なくとも5mmHg(650Pa)の真空下で行う。温度は一般に100〜400℃、好ましくは200〜300℃である。溶融ポリマーが攪拌機に加える捩れトルクを測定するか、攪拌機の消費電流を測定して反応をモニターする。反応終了は目標の捩れトルクまたは消費電流で決定する。
触媒とはポリアミドブロックとポリエーテルブロックとをエステル化で結合することができる任意の化合物と定義できる。この触媒はチタン、ジルコニウムおよびハフニュウムからなる群の中から選択される金属(M)の誘導体にするのが好ましい。
触媒の例としては一般式:M(OR)4に対応するテトラアルコキサイドを挙げることができる(ここで、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニュウムを表し、Rは1〜24の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルコイル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい)。
本発明で触媒としては用いられるテトラアルコキサイドのR基として選択可能なC1〜C24アルコイル基の例としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、エチルヘキシル、デシル、ドデシルおよびヘキサドデシルが挙げられる。好ましい触媒はRがC1〜C8のアルコイル基(互いに同一でも異なっていてもよい)を表すテトラアルコキサイドである。そうした触媒の例としてはZr(0C2H5)4、Zr(O-iso-C3H7)4、Zr(OC4H9)4、Zr(0C5H11)4、Zr(0C6H13)4、Hf(0C2H5)4、Hf(OC4H9)4およびHf(O-iso-OC3H7)4.がある。
本発明方法ではM(OR)4で表されるテトラアルコキサイド触媒を単独または組み合わせて用いることができる。また、1種または複数のテトラアルコキサイドを式:(R1O)pYで表される1種または複数のアルカリまたはアルカリ土類アルコラートと一緒に用いることもできる。ここで、R1は炭化水素残基、特にC1〜C24、好ましくはC1〜C8のアルコイル残基であり、Yはアルカリまたはアルカリ土類金属であり、pはYの原子価である。触媒混合物を構成するために組み合わせるアルカリまたはアルカリ土類アルコラートおよびジルコニウムまたはハフニュウムのテトラアルコキサイドの量は広範囲に変えることができるが、アルコラートのモル比がテトラアルコキサイドのモル比にほぼ等しくなるような量のアルコラートおよびテトラアルコキサイドを用いるのが好ましい。
触媒の重量比率、すなわち触媒がアルカリまたはアルカリ土類アルコラートを含まない場合のテトラアルコキサイドの量か、触媒がアルカリまたはアルカリ土類アルコラートとテトラアルコキサイドとの組み合わせからなる場合のこれら2つの化合物の量は、ジカルボン酸基を有するポリアミドとポリオキシアルコイレングリコールとの混合物の重量の0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%にするのが好ましい。
その他の誘導体の例としては金属(M)の塩、特に、(M)と有機酸の塩および(M)の酸化物および/または(M)の水酸化物と有機酸の複塩が挙げられる。有機酸は蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレイン酸、リノール酸、カルボン酸シクロヘキサン、フェニル酢酸、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸およびクロトン酸にすることができる。酢酸およびプロピオン酸が好ましい。Mはジルコニウムが好ましい。この塩はジルコニル塩とよぶことができる。このようによぶのはこのジルコニウムと有機酸との塩および上記複塩は、反応時にZRO++を生じると考えるためであるが、この考えに拘束されるものではない。酢酸ジルコニルの名称で市販されている製品を使用することもできる。この使用量はM(OR)4の場合と同じである。
上記の方法および触媒は下記文献に記載されている。
米国特許第4,332,920号明細書 米国特許第4,230,838号明細書 米国特許第4,331,786号明細書 米国特許第4,252,920号明細書 特開平07−145368号公報 特開平06−287547号公報 欧州特許第613919号公報
1段階で行う場合には、上記の2段階法で使用する全ての材料(すなわち、ポリアミドの前駆体、連鎖制限剤のジカルボン酸、ポリエーテルおよび触媒)を混合する。すなわち上記の2段階法で使用したものと同じ材料およびしく倍である。ポリアミドの前駆体がラクタムだけの場合には少量の水を加えるのが好ましい。
得られたコポリマーは基本的に同じポリアミドブロックと同じポリエーテルブロックとを有するが、ランダムに反応した各種の反応物をさらに少量含む。これらはポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。
反応器を閉じた後、上記2段階法の第1段階の場合と同様に攪拌下に反応器を加熱する。圧力は5〜30バールになる。圧力が上昇しなくなったら、圧力を下げて溶融した反応物の攪拌を続ける。その後は上記2段階法の場合と同様に反応を続ける。
1段階法で用いる触媒は金属(M)と有機酸との塩か、(M)の酸化物および/または水酸化物と有機酸との複塩が好ましい。
コポリマー(B)は、ポリアミドブロックの連鎖制限剤としてまたはポリアミドブロックの構成モノマーの一つであるジアミンと組み合わされたジカルボン酸スルホネートを含み、基本的にアルキレンオキサイド単位からなるポリエーテルブロックを有する国際特許出願PCT/FR00/02889号に記載のようなポリエーテルエステルアミドでもよい。
相溶化剤(C)は、スチレンを含む少なくとも一つのポリマーブロックとメチルメタクリレートを含む少なくとも一つのポリマーブロックとを有するブロックコポリマーである。
この相溶化剤(C)中のスチレンを含むポリマーブロックの比率は一般に20〜80重量%である。
相溶化剤(C)中のメチルメタクリレートを含むポリマーブロックの比率は20〜80重量%である。
スチレンを含むポリマーブロックは一般に100℃以上のガラス転移温度を有し、少なくとも50重量%のスチレンを含む。スチレンを含むポリマーブロックは一般に不飽和エポキシドを含むことができる(共重合で得られる)。不飽和エポキシドはグリシジルメタアクリレートであるのが好ましい。この不飽和エポキシドはスチレンを含むポリマーブロック中に0.01〜5重量%存在することができる。
メチルメタクリレートを含むポリマーブロックは一般に100℃以上のガラス転移温度を有し、少なくとも50重量%のメチルメタクリレートを含む。このメチルメタクリレートを含むポリマーブロックは一般に不飽和エポキシドを含むことができる(共重合で得られる)。不飽和エポキシドはグリシジルメタアクリレートであるのが好ましい。この不飽和エポキシドはメチルメタクリレートを含むポリマーブロック中に0.01〜5重量%存在することができる。
スチレンを含む少なくとも一つのポリマーブロックとメチルメタクリレートを含む少なくとも一つのポリマーブロックとを有するブロックコポリマーに不飽和エポキシド、好ましくはグリシジルメタアクリレートをグラフトすることもできる。
不飽和エポキシドの例としては下記のものが挙げられる:
(1)脂肪族グリシジルエステルおよびエーテル、例えばアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジルマレエートおよびイタコネート、グリシジル(メタ)アクリレート、
(2)脂環式グリシジルエステルおよびエーテル、例えば2-シクロヘキセン-1−グリシジルエーテル、シクロヘキセン-4、5-ジグリシジルカーボネート、シクロヘキセン--4-グリシジルカーボネート、
カルボン酸エステル5-ノルボルネン-2-メチル-2-グリシジルおよびエンドシス−ビシクロ(2,2,1)-5-ヘプテン-2,3-ジグリシジルジカルボキシレート。
スチレンを含むポリマーブロックのスチレンの一部をスチレンと共重合可能な不飽和モノマーで置換することもできる。その例としてはα-メチルスチレンおよびエステル(メタ)アクリルエステルを挙げることができる。この場合、スチレンを含むポリマーブロックはスチレンのコポリマーであり、その例としてはスチレン−αメチルスチレンコポリマー、スチレン−クロロスチレンコポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、スチレン-塩化ビニルコポリマー、スチレン-酢酸ビニルコポリマー、スチレン-アルキルアクリレートー(アクリル酸メチル、エチル、フェニル、オクチル、ブチル)コポリマ、スチレン−アルキルメタクリレート(メタクリル酸メチル、フェニル、ブチル、エチル)コポリマー、スチレン−メチルクロロアクリレートコポリマーおよびスチレン−アクリロニトリル−アルキルアクリレートコポリマーが挙げられる。
(C)は特に下記にすることができる:
(1)スチレンポリマーブロックとメタクリル酸メチルポリマーブロックとからなるジブロックコポリマー、
(2)スチレンポリマーブロックとポリ(メタクリル酸メチル-co-メタクリル酸グリシジル)ブロックとからなるジブロックコポリマー、
(3)メタクリル酸グリシジルがグラフトされている、スチレンポリマーとメタクリル酸メチルポリマーとのジブロックコポリマー、
(4)ホモポリスチレンブロックとホモポリメタクリル酸メチルブロックとからなるジブロックコポリマー、
(5)ホモポリスチレンブロックとポリ(メタクリル酸メチル-co-メタクリル酸グリシジル)ブロックとからなるジブロックコポリマー、
(6)メタクリル酸グリシジルがグラフトされている、ホモポリスチレンとホモポリメタクリル酸メチルコポリマーから成るジブロックコポリマー、
(7)ポリスチレン-co-メタクリル酸グリシジルブロックとポリメタクリル酸メチルブロックからなるジブロックコポリマー、
(8)ポリスチレン-co-メタクリル酸グリシジルブロックとポリ(メチルメタクリル酸エステル-co-グリシジルメタアクリレート)ブロックから成るジブロックコポリマー。
(C)はS−B−Mトリブロックコポリマーでもよい。ここで、Sはスチレンから成る重合ブロックを表し、Mはメタクリル酸メチルから成る重合ブロックを表し、Bはガラス遷移温度(Tg)が5℃以下、好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−40℃以下であるエラストマーブロックを表す。
ブロック(B)のエラストマーの合成に用いるモノマーは、ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエンから選択されるジエンにすることができる。(B)はポリジエン類、特にポリ(ブタジエン)、ポリ(イソプレン)およびこれらのランダム共重合体、さらには部分的または完全に水素化されたポリ(ジエン)の中から選択するのが好ましい。ポリブタジエンの中ではTgが最も低いもの、
例えばTgが1,2-ポリブタジエン(約0℃)より低い1,4-ポリブタジエン(約−90℃)を使用するのが好ましい。ブロック(B)は水素化されていてもよい。この水素化は通常の方法で行うことができる。
エラストマーのブロック(B)を合成するためのモノマーも下記のようなアルキル(メタ)アクリレートにすることができる(アクリレートの名称の後の( )中にTg値を記載してある):アクリル酸エチル(−24℃)、アクリル酸ブチル(−54℃)、2-エチルヘキシルアクリレート(−85℃)、ヒドロキシエチルアクリレート(−15℃)および2-エチルヘキシルメタクリレート(−10℃)。アクリル酸ブチルを用いるのが好ましい。
ブロック(B)は主として1,4-ポリブタジエンからなるのが好ましい。
ブロック(C)は下記にすることができる:
(1)S−B−Mトリブロックコポリマー(ここで、Sはスチレンポリマーのブロック、Bはポリブタジエンのブロック、Mはメタクリル酸メチルポリマーのブロック);
(2)S−B−Mトリブロックコポリマー(ここで、Sはホモポリスチレンのブロック、Bはポリブタジエンのブロック、Mはホモメタクリル酸メチルポリマーのブロック)。
複数の相溶化剤(C)を使用しても本発明の範囲を逸脱するものではない。
相溶化剤(C)は安定なフリーラジカル(一般にニトロキシド)の存在下に制御された状態でラジカル重合することによって製造できる。その製造方法は下記文献に記載されている。
欧州特許第927,727号公報
上記のS−B−Mトリブロックコポリマーはアニオン重合で製造できる。
帯電防止特性は(B)の比率が増加するほど大きくなり、(B)が同じ場合には(B)中のエチレンオキサイド単位の比率が増加するほど大きくなる。
(B)の重量比率は、用途に応じて、最終組成物のレベルでIEC93規格に従って測定した組成物の表面抵抗率を5×1013Ω/□以下にするのに十分な量にするのが好ましい。また、用途によっては、(B)の重量比率をIEC93規格に従って測定した最終組成物の体積抵抗率を5×1016Ω/□以下にするのに十分な量にするのが好ましい。
95〜70重量部のスチレン系ポリマー(A)に対して(B)+(C)の量は5〜30重量部にするのが好ましく、さらには、90〜80重量部のスチレン系ポリマー(A)に対して(B)+(C)の量を10〜20重量部にするのが好ましい。(B)/(C)の重量比は4〜10にするのが好ましい。従って、100重量部の組成物に対して相溶化剤(C)の比率は0.5〜5重量部である。
無機充填材(タルク、CaCO3、カオリン等)、補強材(ガラス繊維、無機繊維、炭素繊維等)、(熱およびUVに対する)安定剤、難燃化剤および着色剤等の添加物を加えても本発明の範囲を逸脱するものではない。
本発明組成物は熱可塑性樹脂の技術で一般に使用されている方法、例えば押出し成形、スクリュー混練機等で製造できる。
本発明の他の対象は上記組成物を用いて製造された物品、例えばフィルム、チューブ、プレート、容器、包装材料、コンピュータ、FAX装置および電話機のハウジングにある。
実施例で使用した省略記号は以下の通りである:
GMA:メタクリル酸グリシジル;
MAM:メタクリル酸メチル;
SM:ポリスチレン−ブロック−ポリメタクリル酸メチル;
SM/GMA:メタクリル酸グリシジルをグラフトまたは共重合したポリスチレン−ブロック−ポリメタクリル酸メチル;
PEG:ポリエチレングリコール;
PMMA:ポリメタクリル酸メチル;
Mw:重量平均分子量;
Mn:数平均分子量;
Nw/Mn:多分散度
Rv:体積抵抗(Ω.cm)
Rs:表面抵抗率(Ω/□)
HO−TEMPO:4−ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(一般に、4−ヒドロキシTEMPOの名称で市販されている);
SEC:サイズ排除クロマトグラフィ;
LAC:液体吸着クロマトグラフィ;
GPC:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ;
NMR:核磁気共鳴;
TEN:透過型電子顕微鏡
実施例で使用した成分は以下の通り:
PS 4241
スチレン−ブタジエンコポリマー。このコポリマーは荷重5kg、200℃での流動指数が3〜5g/lO分(ISO規格1133:91)である。このコポリマーの他の特徴はビカット(Vicat)温度が97℃である点にある(ISO規格306A50)。このコポリマーのスチレン含有量は約95重量%である。このコポリマーはアトフィナ社からラクレーヌ(Lacqrene、登録商標)の名称で市販されている。
MH1657
数平均分子量が1500のナイロン-6ブロックと数平均分子量が1500のPEGブロックとを有するコポリエーテル-ブロック・アミド;融点は204℃である。このコポリマーはアトフィナ社からペバックス(Pebax、登録商標)MH1657の名称で市販されている。
SM
これは制御下にフリーラジカル重合で製造されたMw=106000、多分散度=2.1のポリスチレン-block-(ポリメタクリル酸メチル)ブロック共重合体である。スチレンの比率は61重量%である。
SM/GMA
これは制御下にラジカル重合で製造されたポリスチレン−ブロック−(メタクリル酸メチル-co-メタクリル酸グリシジル)ブロック共重合体で、Mw=108 700、多分散度=2.0である。スチレンの比率は65重量%で、0.4重量%のGMAを含む。
以下の実施例では下記の評価方法を用いた:
機械的特性
得られた組成物を220〜240℃の温度で亜鈴型、棒状またはプレート状に射出成形した。亜鈴型を用いてISO規格R527の引張り試験を行った。棒状サンプルはシャルピー衝撃(ノッチ付き)試験(ISO規格179:93leA)で使用した。
静電気防止特性
射出成形で100×100×2 mm3の寸法のプレートを作り、規格IEC-93で比抵抗を測定した。
下記の[表1]には測定された体積抵抗(Ω.cm)と表面抵抗率(Ω/□)とを示してある。この[表1]には引張り特性も示してある。
全てのテストは23℃で実行された。プレートは表面抵抗率をテストする前に50%湿度で15日間調整した。
実施例1〜6
(a) 相溶化剤(C)の製造(SMおよびSM/GNAの合成方法)
ジャケット付きスチール反応器を2つカスケード状に連結して用いた。2つの反応器を連結するパイプは加熱管で包んでその間を流れる時に冷却されるのを避けた。
スチレン、溶媒、開始剤およびOH−TEMPO(ニトロオキシド系)を反応器に導入し、大気圧で140℃に加熱した。反応混合物の温度が約130℃に達するまで、反応混合物を定期的にサンプリングして反応をモニターした。サンプルは全てフラッシュ蒸発(170℃、真空ガラス鐘中)させてスチレンのポリスチレンへの転化率を求めた。ポリスチレンへの転化率が約60%になった後、上部反応器で100℃に予め加熱したメタクリル酸メチルを一度に添加した。
反応混合物を約3時間、約140℃に維持した後、揮発成分を除去するために脱揮発操作を行った。コポリマーは顆粒の形で回収された。
下記の[表1]にはこれら2つの実験の合成の最初の段階での反応物の量が示してある。
Figure 2005517756
実験条件
オイルバスの温度:160℃、コンデンサ温度:−20℃、スチレン転化率の初期値は、重合混合物の温度が130℃に達した時を選択した。
MAM(またはMAM/GMA混合物)は反応混合物に加える前に予め加熱した。オイルバス温度は160℃で一定にした。コンデンサの弁は閉位置にした。反応器(P = 1.5バール)の圧力が増加し、120℃で温度は安定した。生成物は細かい顆粒の形で回収された。クロロホルム中で低速蒸発させてフィルムを作り、LAC、GPC、NMRおよびTEMで分析した。
これらSEC分析を補うためにLAO分析で量的分析を行った。この分析値から反応混合物中に存在するホモポリスチレンおよびホモPMMAの比率が定量でき、コポリマーのポリスチレンおよびPMMAの重量組成を決定することができる。また、反応混合物のNMR分析からブロック共重合体またはランダム共重合体中に存在するトリアドMMM、SMSおよびMMSの比率を決定することができる(MMM=互いに隣接する3つの単位、SMS=スチレン単位の次にMAM、その次にS、MMS=MAM単位、その次にMAM、その次にスチレン)。これらの比率を求めることによってブロックコポリマーの構造を特徴づけることができる。トリアドMMMが100%が完全な構造を表す。結果[表2]にまとめて示してある:
Figure 2005517756
これらの結果は、得られた化合物は全てブロック共重合体に豊むことを示している。すなわち、ホモポリスチレンの比率は約30%であり、PMMAのホモポリマーはなく、トリアドMMMの比率は70%以上である。さらに、生成物のTEM分析から層状(ラメラ)構造であることが示された。全ての実験で、得られたサンプルの構造は層状である。コポリマーの組成は50/50であるがPMMAの厚さより大きく膨張し、ホモポリスチレンによってポリスチレンの層が膨張していることが注目される。
ポリスチレンブロック−PMMAブロック共重合体のスチレン含有率は45重量%、MAM含有率は55重量%である。
(b) 押出機での混合による組成物の製造
ウエルナー エ プフライデル(Werner et Pfleiderer)押出機(直径=30mm、吐出流量=20kg/時、ツインスクリュー)を用いた。この吐出流量は使用した全成分の流量の合計を表す。バーレルのセッティング温度は230〜250℃である。押出機から出たストランドを水浴で冷却して顆粒にした。この顆粒を用いて同様な温度(230〜250℃)でプレート、棒状または亜鈴型サンプルに射出成形した。
[表2]の結果はSMおよびSM/GMAブロック共重合体の相溶化作用を示している。これらのブロック共重合体はそれに混合したホモポリスチレンに対して分離せずに得られたまま使用された。このホモポリスチレンはスチレン系樹脂(A)とみなすことができる。下記の[表3]のSMおよびSM/GMAの量は純粋なコポリマーの量に対応する。ブロック共重合体の添加時に加えられたホモポリスチレンの量は[表3]の第2列に記載されている。
Figure 2005517756
すなわち、マトリックスの衝撃特性を維持されたまま、破断伸び率および引張強度が改善され、組成物に帯電防止特性が付与される。
ブロック共重合体の影響は粒径の面にも表れている。すなわち、実施例1では粒径は1μmであるが、実施例5、6では粒径が半分に減少している(0.5μm)。粒径が減少することは一般にブロック共重合体での相溶化剤の作用が優れていることを示している。

Claims (18)

  1. 99〜60重量部のスチレン系ポリマー(A)と、1〜40重量部の下記(B)+(C)とからなり、(B)はポリアミドブロックと基本的にエチレンオキサイド単位−(C24−O)−から成るポリエーテルブロックとからなるコポリマーであり、(C)はスチレンを含む少なくとも一つのポリマーブロックとメチルメタクリレートを含む少なくとも一つのポリマーブロックとを有するブロックコポリマーの中から選択される相溶化剤であり、(B)/(C)の重量比は2〜10であることを特徴とした組成物(全体で100重量部)。
  2. (B)の組成物の重量比率が、IEC93規格に従って測定した組成物の表面抵抗率を5×1013Ω/□以下にするのに十分な量である請求項1に記載の組成物。
  3. (B)の組成物の重量比率が、IEC93規格に従って測定した組成物の体積抵抗率を5×1016Ω/□以下にするのに十分な量である請求項1に記載の組成物。
  4. (A)が50重量部以上のスチレンを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 100重量部の組成物に対して相溶化剤(C)の比率が0.5〜5重量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 相溶化剤(C)中のスチレンを含むポリマーブロックの比率が20〜80重量%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 相溶化剤(C)中のメチルメタクリレートを含むポリマーブロックの比率が20〜80重量%である請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. スチレンを含むポリマーブロックが少なくとも50重量%のスチレンを含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. スチレンを含むポリマーブロックがグリシジルメタアクリレートを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. メチルメタクリレートを含むポリマーブロックが少なくとも50重量%のメチルメタクリレートを含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. メチルメタクリレートを含むポリマーブロックがグリシジルメタアクリレートを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. スチレンを含む少なくとも一つのポリマーブロックとメチルメタクリレートを含む少なくとも一つのポリマーブロックとを有するブロックコポリマーにグリシジルメタアクリレートがグラフトしている請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. (A)がスチレン−ブタジエン共重合体である請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. (B)+(C)が5〜30重量部で、(A)が95〜70重量部である請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. (B)+(C)が10〜20重量部で、(A)が90〜80重量部である請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. (C)がS−B−Mトリブロックコポリマー(ここで、Sはスチレンを含むポリマーブロックを表し、Mはメチルメタクリレートを含むポリマーブロックを表し、Bはガラス遷移温度が5℃以下のエラストマーブロックを表す)である請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物で作られた物品。
  18. 請求項17の物品の電子部品と接触する材料での使用。
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