JP2005517456A - 核酸リガンドによる標的結合を検出する方法および試薬 - Google Patents

核酸リガンドによる標的結合を検出する方法および試薬 Download PDF

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Abstract

本発明は、核酸リガンドへのタンパク質標的の結合を検出する新規方法および試薬を提供する。普遍的タンパク質染色剤(UPS)を用いると、核酸リガンドが結合したタンパク質を検出可能部分で標識することが可能である。該方法および試薬は、核酸リガンドの多重化アレイに結合したタンパク質標的の検出には特に有用である。本発明はまた、光架橋核酸リガンドを多重評価する新規方法も提供する。該方法は:(1)複数の光架橋核酸リガンドの性能(ダイナミックレンジ)を評価し;そして(2)同族標的タンパク質に対する各光架橋核酸リガンドの特異性を評価することを同時に可能にする。その後、診断および予後の医学的アッセイに使用するため、最も望ましい特性を持つ光架橋核酸リガンドを選択することが可能である。本発明はまた、HIV gp120MNに特異的に結合する光架橋核酸リガンドも提供する。

Description

発明の分野
本発明は、核酸リガンド、核酸リガンドを性質決定する方法、並びに核酸リガンドへの標的結合を検出する方法および試薬に向けられる。
発明の背景
SELEX法は、標的分子に非常に特異的な結合を持つ、核酸分子のin vitro進化のための方法であり、そして表題“Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment”であり、現在放棄されている、1990年6月11日出願の米国特許出願第07/536,428号、表題“Nucleic Acid Ligands”である米国特許第5,475,096号、および表題“Nucleic Acid Ligands”である米国特許第5,270,163号(WO 91/19813も参照されたい)に記載され、これらの各々は、特に本明細書に援用される。これらの特許および出願は各々、本明細書において、集合的にSELEX特許出願と称され、いかなる望ましい標的分子に対しても核酸リガンドを作成するための根本的に新規の方法を記載する。SELEX法は、核酸リガンドまたはアプタマーと称され、各々、特有の配列を有し、そして望ましい標的化合物または分子に特異的に結合する特性を有する種類の産物を提供する。SELEX法によって同定される各核酸リガンドは、既定の標的化合物または分子の特異的リガンドである。
SELEX法は、核酸が、多様な二次元構造および三次元構造を形成するのに十分な能力、並びに、モノマーであれポリマーであれ、モノマー内に、実質的にいかなる化学化合物に対してもリガンドとして作用する(特異的な結合対を形成する)のに利用可能な十分な化学的万能性を有するという、特有の洞察に基づく。いかなる大きさまたは組成の分子も標的として役立ちうる。高親和性結合の適用に適用されるSELEX法は、同じ一般的選択スキームを用いた、候補オリゴヌクレオチド混合物からの選択、並びに結合、分配および増幅の段階的反復を伴い、実質的にいかなる望ましい基準の結合親和性および選択性も達成する。SELEX法は、好ましくは無作為化配列セグメントを含んでなる核酸混合物から出発し、結合に好ましい条件下で標的と混合物を接触させ、標的分子に特異的に結合している核酸から未結合核酸を分配し、核酸−標的複合体を解離させ、核酸−標的複合体から解離した核酸を増幅して、リガンド濃縮核酸混合物を生じ、その後、結合、分配、解離および増幅の工程を、望ましいだけ多くの周期で再反復して、標的分子に対する非常に特異的な高親和性核酸リガンドを生じる工程を含む。
SELEX法の特に重要な態様の1つは、どちらも表題“Photoselection of Nucleic Acid Ligands”であり、そしてどちらも現在放棄されている、1993年9月17日出願の米国特許出願第08/123,935号、および1995年5月18日出願の米国特許出願第08/443,959号、並びに各々、表題“Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment: Photoselection of Nucleic Acid Ligands and Solution SELEX”であり、そして各々、標的分子への結合および/または光架橋、および/または標的分子の光活性化が可能な光反応基を含有する核酸リガンドを選択する、SELEX法に基づく方法を記載する、米国特許第5,763,177号、米国特許第6,001,577号、WO 95/08003、米国特許第6,291,184号、米国特許第6,458,539号、および2000年11月28日出願の米国特許出願第09/723,718号に記載される。生じた核酸リガンドは、交換可能に「光架橋核酸リガンド」および「光アプタマー」と称される。これらの特許および特許出願は、本出願において、集合的に「光SELEX法出願」と称される。SELEX法の光SELEX法態様において、RNAまたはssDNA無作為化オリゴヌクレオチドライブラリーいずれかにおいて、天然塩基の代わりに光の吸収によって活性化される修飾ヌクレオチドを取り込む。光化学がこの目的に特によく適している、こうした光反応性ヌクレオチドの1つが、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(5−BrdU)である(MeisenheimerおよびKoch (1997) Crit: Rev. Biochem. Mol. Biol. 32: 101−140)。5−BrdU発色団は、核酸およびタンパク質の天然の発色団が吸収しないかまたは非常に弱くしか吸収しない310nm範囲で、紫外(UV)光を吸収する。生じる励起一重項状態は、最低三重項状態に項間交差し、これが、適切に近接したタンパク質標的の芳香族およびイオウ所持アミノ酸残基と特異的に架橋する(DietzおよびKoch (1987) Photochem. Photobiol. 46: 971−8; DietzおよびKoch (1989) Photochem. Photobiol. 49: 121−9; Dietzら (1987) J. Am. Chem. Soc. 109: 1793−1797; Itoら (1980) J. Am. Chem. Soc. 102: 7535−7541; Swansonら (1981) J. Am. Chem. Soc. 103: 1274−1276)。架橋はまた、ブロモウラシル発色団に近接したタンパク質の芳香族残基の励起を介しても生じうる(Norrisら (1997) Photochem. Photobiol. 65: 201−207)。特に重要なことに、DNA中で励起されたブロモウラシルは、近位にあり、正しく方向付けされた反応性アミノ酸(Gottら (1991) Biochemistry 30: 6290−6295 ; Willisら (1994) Nucleic Acids Res. 22: 4947−4952; Norrisら (1997) Photochem. Photobiol. 65: 201−207)またはヌクレオチド残基(Sugiyamaら (1990) J. Am. Chem. Soc. 112: 6720−6721; CookおよびGreenberg (1996) J. Am. Chem. Soc. 118: 10025−10030)の非存在下で、比較的非反応性である。方向付けの重要性は、架橋する芳香族アミノ酸残基とブロモウラシル発色団が錠前および鍵の配置であることを示す、タンパク質−核酸複合体の結晶構造で明らかである(Horvathら (1998) Cell 95: 963−974; MeisenheimerおよびKoch (1997) Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol.32 : 101−140)。
基本的な態様において、光SELEX法は以下の工程を含んでなる:
a)核酸の候補混合物を調製する。候補混合物核酸は、例えば候補混合物内に5−BrdUを取り込むことによって、光反応基を含む無作為化領域を持つ配列を含んでなる。
b)候補混合物を一定量の標的と接触させる。候補混合物中の標的の核酸リガンドが標的と複合体を形成する;
c)候補核酸リガンド中の光反応基を光照射によって光活性化する。それによって、標的と特異的な複合体を形成していた核酸リガンドが標的に光架橋される;
d)標的に光架橋された核酸リガンドを、候補混合物中の他の核酸から分配する;
e)標的に光架橋された核酸リガンドを標的から放出させ(例えば標的がタンパク質である場合、プロテアーゼ消化によって)、そしてその後、増幅する;そして
f)増幅された核酸リガンドを候補混合物として用いて、光SELEX法の別の周期を開始する。
光SELEX法は、一本鎖または二本鎖RNAまたはDNAオリゴヌクレオチドである核酸リガンドを産生する。光反応基は、増加した反応性または光反応性を核酸残基に与える、比較的単純な修飾を含む天然核酸残基を含んでなることが可能である。こうした修飾には、限定されるわけではないが、シトシン環外アミンでの修飾、ハロゲン化基、例えば5’−ブロモまたは5’−ヨード−ウラシルでの置換、2’位での修飾、例えば2’−アミノ(2’−NH)および2’−フルオロ(2’−F)、主鎖修飾、メチル化、異常な塩基対の組み合わせ等が含まれる。例えば、光SELEX法によって産生される光架橋核酸リガンドには、以下:5−ブロモウラシル(BrU)、5−ヨードウラシル(IU)、5−ブロモビニルウラシル、5−ヨードビニルウラシル、5−アジドウラシル、4−チオウラシル、5−ブロモシトシン、5−ヨードシトシン、5−ブロモビニルシトシン、5−ヨードビニルシトシン、5−アジドシトシン、8−アジドアデニン、8−ブロモアデニン、8−ヨードアデニン、8−アジドグアニン、8−ブロモグアニン、8−ヨードグアニン、8−アジドヒポキサンチン、8−ブロモヒポキサンチン、8−ヨードヒポキサンチン、8−アジドキサンチン、8−ブロモキサンチン、8−ヨードキサンチン、5−ブロモデオキシウリジン、8−ブロモ−2’−デオキシアデニン、5−ヨード−2’−デオキシウラシル、5−ヨード−2’−デオキシシトシン、5−[(4−アジドフェナシル)チオ]シトシン、5−[(4−アジドフェナシル)チオ]ウラシル、7−デアザ−7−ヨードアデニン、7−デアザ−7−ヨードグアニン、7−デアザ−7−ブロモアデニン、および7−デアザ−7−ブロモグアニンから選択される光反応基が含まれうる。好ましくは、光反応基は、標的またはオリゴヌクレオチドの非修飾部分に吸収されない波長のスペクトルで光を吸収するであろう。光SELEX法の好ましい態様において、光架橋核酸リガンドに取り込まれる光反応性ヌクレオチドは、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(5−BrdU)および5−ヨード−2’−デオキシウリジン(5−IdU)である。これらのヌクレオチドは、チミジンヌクレオチドの代わりにDNAに取り込まれることが可能である。
光SELEX法によって産生される光架橋核酸リガンドは、診断または予後の医学的アッセイにおいて、特に有用性を有する。こうした態様の1つにおいて、疾患に関連付けられる標的の光架橋核酸リガンドをアレイ形式で平面固体支持体に付着させ、そしてその後、標的の存在または非存在に関して解析しようとする生物学的液体と、該固体支持体を接触させる。光架橋核酸リガンドを光活性化し、そして非特異的に結合した分子をすべて取り除くため、非常にストリンジェントで、そしてアグレッシブな条件下(好ましくは核酸および/またはタンパク質を変性させる条件下)で、固体支持体を洗浄する。結合した標的は、光反応基を介して核酸リガンドに共有架橋されているため、取り除かれない。ストリンジェントな洗浄後、行おうとする、平行しない(unparalleled)感度および特異性の診断および予後アッセイが、光架橋する能力によって可能になる。光架橋核酸リガンドおよびアプタマーを含む、核酸リガンドのアレイ(通常、「バイオチップ」または「マイクロアレイ」とも称される)、並びにその製造法および使用法が、各々、表題“Nucleic Acid Ligand Diagnostic Biochip”である、米国特許第6,242,246号、現在放棄されている1998年12月14日出願の米国特許出願第08/211,680号、WO99/31275、2000年6月12日出願の米国特許出願第09/581,465号、米国特許第6,503,715号、および米国特許第6,458,543号に記載される。これらの特許および特許出願は、集合的に「バイオチップ出願」と称され、そして各々、特に、完全に本明細書に援用される。
光架橋核酸リガンドを生成するための自動化法および装置が、各々、表題“Method and Apparatus for the Automated Generation of Nucleic Acid Ligands”である、2001年11月21日出願の米国特許出願第09/993,294号、2001年3月22日出願の米国特許出願第09/815,171号、2000年7月14日出願の米国特許出願第09/616,284号、1999年7月16日出願の米国特許出願第09/356,233号、1999年1月19日出願の米国特許出願第09/232,946号に提供される。これらの非常に平行な自動化法が光架橋核酸リガンドを迅速に生成可能であることを考慮すると、光架橋核酸リガンドの特異性および用量−反応特性を評価する、多重化法(multiplexed methods)を有することが望ましい。本発明にはこうした方法が含まれる。
発明の概要
1つの側面において、本発明は、試験混合物に含有されていると推測される標的分子の存在を検出する方法であって、前記標的分子がタンパク質であり、該方法が;
a)固体支持体を提供し、ここで前記固体支持体は前記標的タンパク質に特異的な親和性を有する光反応性核酸リガンドを含んでなり、前記光反応性核酸リガンドは非ワトソン−クリック相互作用を通じて前記標的分子に特異的に結合する;
b)前記標的分子を含有していると推測される前記試験混合物と前記固体支持体を接触させ、ここで前記標的分子が存在しているならば、核酸リガンド−標的分子複合体が形成される;
c)前記固体支持体に光照射し、ここで前記核酸リガンド−標的分子複合体が光架橋される;
d)前記固体支持体から、非特異的に結合した物質を取り除き;
e)前記固体支持体と普遍的タンパク質染色剤(Universal Protein Stain)(UPS)を接触させ、ここで前記UPSは検出可能部分でタンパク質を標識する1以上の試薬を含んでなる;そして
f)前記固体支持体上の前記検出可能部分の存在を検出することによって、前記標的分子の存在を検出する
ことを含んでなる、前記方法を提供する。
好ましい態様において、工程d)は、前記バイオチップを、核酸および/またはタンパク質を変性させる条件に曝露することによって達成される。
適切な検出可能部分には、限定されるわけではないが、色素(dye)(蛍光体を含む)、酵素(限定されるわけではないが、アルカリホスファターゼおよび西洋ワサビ(horseradish)ペルオキシダーゼを含む)、酵素基質、および放射標識が含まれる。
好ましい態様において、前記UPS試薬の少なくとも1つが、限定されるわけではないが、第一級アミン(好ましくはリジン残基上)、チオール、アルコール(限定されるわけではないが、セリン、スレオニン、チロシン上のアルコール基、および糖タンパク質上の糖部分を含む)、およびカルボキシレートを含む、タンパク質上に見られる基と反応する。
いくつかの態様において、UPSはN−ヒドロキシスクシンイミドに活性化される色素、最も好ましくは、限定されるわけではないがNHS−ALEXA蛍光体を含む、N−ヒドロキシスクシンイミドに活性化される蛍光体を含んでなる。
他の態様において、UPSはCBQCA(3−(4−カルボキシベンゾイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド)を含んでなる。
さらなる態様において、UPSは、イソシアネート、イソチオシアネート、アジ化アシル、塩化スルホニル、アルデヒド、4−スルホ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール(STP)エステル、NBD(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)クロリド、NBDフルオリド、およびジクロロトリアジンからなるリストから選択されるアミン反応基を所持する試薬を含んでなる。
さらなる態様において、UPSは、第一級アミンと反応可能なビオチン誘導体、および前記検出可能部分で誘導体化されたストレプトアビジンを含んでなる。
さらなる態様において、UPSは:第一級アミンと反応可能な第一のビオチン誘導体、ストレプトアビジン、および前記検出可能部分にコンジュゲート化された第二のビオチン誘導体を含んでなる。
さらなる態様において、UPSは:2−イミノチオレーン、および色素のチオール反応性誘導体、好ましくは色素のマレイミド誘導体を含んでなる。
さらなる態様において、UPSは:第一級アミンと反応可能なハプテン誘導体、および前記検出可能部分にコンジュゲート化された抗ハプテン抗体を含んでなる。あるいは、検出可能部分を、抗ハプテン抗体を認識する二次抗体にコンジュゲート化可能である。
さらなる態様において、UPSは:アミノ酸側鎖を修飾する試薬、および前記の修飾されたアミノ酸側鎖を特異的に認識する抗体を含んでなる。この態様において、該抗体を検出可能部分にコンジュゲート化可能である。あるいは、検出可能部分を、抗修飾側鎖抗体を認識する二次抗体にコンジュゲート化可能である。この態様にしたがったアミノ酸側鎖の修飾に適した試薬には、限定されるわけではないが、ニトロシル化(nitrosylating)剤(テトラニトロメタンなど)およびアセチル化剤(スルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドアセテートなど)が含まれる。ニトロシル化タンパク質は、抗ニトロチロシン抗体によって認識可能であり;アセチル化タンパク質は、抗アセチル化リジン抗体によって認識可能である。
本明細書が提供するUPS試薬および方法は、バイオチップ(「アレイ」または「マイクロアレイ」とも称される)を用いて多重化アッセイが行われる態様において、特に有用である。1つのこうした態様において、本発明は、試験混合物に含有されていると推測される標的分子の存在を検出する方法であって、検出しようとする前記標的分子がタンパク質であり、該方法が:
a)固体支持体を含んでなるバイオチップを提供し、ここで前記固体支持体は複数の空間的に定義されたアドレスを含んでなり、前記アドレスは各々、それに付着した単一種の核酸リガンドを少なくとも1コピー含んでなり、前記種の核酸リガンドは各々、前記試験混合物に含有されていると推測される前記標的分子の1つに特異的な親和性を有し、そして前記種の核酸リガンドは各々、非ワトソン−クリック相互作用を通じて前記標的分子に特異的に結合する;
b)前記標的分子を含有していると推測される前記試験混合物と前記バイオチップを接触させ;
c)前記バイオチップから、非特異的に結合した物質を取り除き;
d)前記固体支持体と普遍的タンパク質染色剤(UPS)を接触させ、ここで前記UPSは検出可能部分でタンパク質を標識する1以上の試薬を含んでなる;そして
e)前記バイオチップ上の適切なアドレスで、前記検出可能部分の存在を検出することによって、前記標的分子の存在を検出する
ことを含んでなる、前記方法を提供する。
関連する態様において、本発明は、試験混合物に含有されていると推測される標的分子の存在を検出する方法であって、検出しようとする前記標的分子がタンパク質であり、該方法が;
a)固体支持体を含んでなるバイオチップを提供し、ここで前記固体支持体は複数の空間的に定義されたアドレスを含んでなり、前記アドレスは各々、それに付着した単一種の核酸リガンドを1コピー含んでなり、前記種の核酸リガンドは各々、前記試験混合物に含有されていると推測される前記標的分子の1つに特異的な親和性を有し、前記種の核酸リガンドは各々、非ワトソン−クリック相互作用を通じて前記標的分子に特異的に結合し、そして検出しようとする前記標的分子に特異的な親和性を有する前記核酸リガンドは光反応性核酸リガンドである;
b)前記標的分子を含有していると推測される前記試験混合物と前記バイオチップを接触させ、ここで前記標的分子が存在しているならば、核酸リガンド−標的分子複合体が形成される;
c)前記バイオチップに光照射し、ここで前記核酸リガンド−標的分子複合体が光架橋される;
d)前記バイオチップから、非特異的に結合した物質を取り除き;
e)タンパク質と共有的に反応し、そして核酸とは反応しない試薬と、前記バイオチップを接触させ;そして
f)前記バイオチップ上の適切なアドレスで、前記検出可能部分の存在を検出することによって、前記標的分子の存在を検出する
ことを含んでなる、前記方法を提供する。
これらの方法を用い、単一のUPSを用いて、アレイ上の核酸リガンド(光架橋および非光架橋両方)に結合されている標的タンパク質をすべて検出することが可能である。
別の側面において、本発明は、固体支持体に付着した複数の核酸リガンドのアレイを含んでなるバイオチップであって、複数の前記核酸リガンドが非ワトソン−クリック相互作用を通じて標的分子と特異的に会合し、そして前記標的分子が検出可能部分で標識される、前記バイオチップを提供する。
別の側面において、本発明は、複数種の光架橋核酸リガンドの用量−反応特性を同時に測定する方法であって、光架橋核酸リガンドの前記種が各々、同族(cognate)標的タンパク質に特異的な親和性を有し、該方法が:
a)複数のアレイを提供し、ここで前記アレイは各々、複数の空間的に定義されたアドレスを含んでなり、前記アドレスは各々、それに付着した単一種の光架橋核酸リガンドを少なくとも1コピー有する;
b)複数の標的タンパク質混合物を提供し、ここで混合物は各々、特有の標的タンパク質濃度プロフィールを含んでなる;
c)前記アレイを各々、前記混合物の異なる1つと接触させ;そして
d)前記アレイ各々の上の前記アドレス各々に結合した標的タンパク質の量を測定し、それによって、光架橋核酸リガンドの前記種各々の用量−反応特性を同時に測定する
ことを含んでなる、前記方法を提供する。
好ましくは、前記の各標的タンパク質は、標的タンパク質混合物の少なくとも1つに存在しない。好ましくは、さらに、前記同族標的タンパク質の各対の組み合わせに対して、少なくとも1つの標的タンパク質混合物が、対の組み合わせの第二のメンバーよりも少なくとも一桁高い濃度で、対の組み合わせの第一のメンバーを含んでなり、そして少なくとも1つの標的タンパク質混合物が、対の組み合わせの第二のメンバーよりも少なくとも一桁低い濃度で、対の組み合わせの第一のメンバーを含んでなるように、標的タンパク質濃度プロフィールが設定されている。より好ましくは、前記同族標的タンパク質の各対の組み合わせに対して、少なくとも1つの標的タンパク質混合物が、対の組み合わせの第二のメンバーよりも少なくとも二桁高い濃度で、対の組み合わせの第一のメンバーを含んでなり、そして少なくとも1つの標的タンパク質混合物が、対の組み合わせの第二のメンバーよりも少なくとも二桁低い濃度で、対の組み合わせの第一のメンバーを含んでなるように、標的タンパク質濃度プロフィールが設定されている。
本発明が提供する方法によって:(1)複数の光架橋核酸リガンドの性能(ダイナミックレンジ)を評価し;そして(2)同族標的タンパク質に対する各光架橋核酸リガンドの特異性を評価することが同時に可能になる。その後、診断および予後の医学的アッセイに使用するため、最も望ましい特性を持つ光架橋核酸リガンドを選択することが可能である。
別の側面において、本発明は、核酸リガンドを固体支持体に付着させる方法であって:
a)前記核酸リガンドをポリ(エチレングリコール)(PEG)で誘導体化し;
b)前記固体支持体に前記PEGを付着させる
ことを含んでなる、前記方法を提供する。
好ましくは、工程a)のPEGは、ビニルスルホン−PEGであり、そして固体支持体はチオール基を含んでなる。
さらに別の側面において、本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)gp120MNに対する光架橋核酸リガンドを提供する。
好ましい態様の詳細な説明
定義
本発明の側面に言及するため、本明細書において、多様な用語を用いる。本発明の構成要素の説明を明確にするのを補助するため、以下の定義を提供する:
本明細書において、「核酸リガンド」は、標的に対して望ましい作用を有する、非天然存在(non-naturally occurring)核酸である。核酸リガンドはまた、本出願において、ときに、「アプタマー」とも称される。望ましい作用には、限定されるわけではないが、標的の結合、標的の触媒的変化、標的または標的の機能的活性を修飾する/改変する方式での標的との反応、自殺阻害剤におけるような、標的への共有結合、標的および別の分子の間の反応の促進が含まれる。好ましい態様において、作用は、標的分子への特異的結合親和性であり、こうした標的分子は、主にワトソン/クリック塩基対形成または三重鎖らせん結合に依存する機構を通じて核酸リガンドに結合するポリヌクレオチド以外の三次元化学構造であり、ここで核酸リガンドは、標的分子に結合される既知の生理学的機能を有する核酸ではない。既定の標的のリガンドである核酸リガンドには:a)核酸候補混合物を標的と接触させ、ここで候補混合物に比較して、標的に対して増加した親和性を有する核酸を、残りの候補混合物から分配することが可能である;b)親和性が増加した核酸を、残りの候補混合物から分配し;そしてc)親和性が増加した核酸を増幅して、リガンド濃縮核酸混合物を生じ、これによって標的分子の核酸リガンドが同定されることを含む方法によって、核酸候補混合物から同定される核酸が含まれる。
本明細書において、「候補混合物」は、そこから望ましいリガンドを選択しようとする、異なる配列の核酸の混合物である。候補混合物の供給源は、天然存在核酸またはその断片、化学的に合成された核酸、酵素的に合成された核酸、あるいは前述の技術の組み合わせによって作成された核酸由来であることが可能である。光反応基を持つヌクレオチドなどの修飾ヌクレオチドを候補混合物内に取り込むことが可能である。さらに、事前にSELEX法によって候補混合物を産生することが可能であり、例えば、第一のSELEX法実験を用いて、リガンド濃縮核酸混合物を産生可能であり、この混合物をその後、第二のSELEX法実験において、候補混合物として使用可能である。候補混合物はまた、1以上の共通の構造モチーフを持つ核酸を含んでなることも可能である。例えば、表題“Nucleic Acid Ligands With Intramolecular Duplexes”であり、そして完全に本明細書に援用される、2001年8月9日出願の米国仮特許出願第60/311,281号は、5’端および3’端間に形成される分子内二重鎖を持つ核酸を含んでなる候補混合物を記載する。
好ましい態様において、各核酸は、増幅プロセスを容易にするため、無作為化領域の周りに、固定配列を有する。自動化SELEX法適用に詳述されるように、候補混合物核酸は、その5’末端および3’末端に固定「テール」配列をさらに含んでなり、増幅プロセスの高分子量混入物質の形成を防止することが可能である。
本明細書において、「核酸」は、DNA、RNA、一本鎖または二本鎖いずれか、およびそのいかなる化学修飾物をも意味する。修飾には、限定されるわけではないが、核酸リガンド塩基または全体としての核酸リガンドに、さらなる電荷、分極率、水素結合、静電相互作用、および流動性(fluxionality)を取り込む、他の化学基を提供するものが含まれる。こうした修飾には、限定されるわけではないが、2’位糖修飾、5位ピリミジン修飾、8位プリン修飾、環外アミンでの修飾、4−チオウリジンの置換、5−ブロモまたは5−ヨード−ウラシルの置換;主鎖修飾、メチル化、異常塩基対の組み合わせ、例えばイソ塩基、イソシチジンおよびイソグアニジン等が含まれる。修飾はまた、キャッピングなどの3’および5’修飾も含むことが可能である。
「SELEX」方法論は、望ましい方式で標的と相互作用する、例えばタンパク質に結合する、核酸リガンドの選択と、選択された核酸の増幅との組み合わせを伴う。場合による、選択/増幅工程の反復周期によって、非常に多数の核酸を含有するプールから、標的と最も強く相互作用する1つまたは少数の核酸の選択が可能になる。選択/増幅法の周期は、選択された目的が達成されるまで続ける。SELEX方法論はSELEX特許出願に記載される。SELEX法のいくつかの態様において、標的に非共有結合するアプタマーを生成する。SELEX法の他の態様において、標的に共有結合するアプタマーを生成する。
本明細書において、「普遍的タンパク質染色剤」または「UPS」は、検出可能部分でタンパク質を標識し、そして核酸を標識しない、単数または複数の試薬を指す。
本明細書において、「標的タンパク質濃度プロフィール」は、前記標的タンパク質の混合物中に存在する個々の標的タンパク質濃度の説明を指す。本発明の好ましい態様において、標的タンパク質の特定の集合に関して、複数の標的タンパク質混合物が産生され、各混合物は、特有の標的タンパク質濃度プロフィールを含んでなる。集合中の特定の標的タンパク質が混合物の1つに存在しない場合、その混合物の標的タンパク質濃度プロフィールは、その標的タンパク質に関して、値0Mを含むであろう。
「SELEX標的」または「標的分子」または「標的」は、本明細書において、あらかじめ決定された望ましい方式で、核酸がそれに対して作用可能な、いかなる化合物も指す。SELEX標的分子は、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、病原体、毒性物質、基質、代謝物、遷移状態類似体、補因子、阻害剤、薬剤、色素、栄養物、増殖因子、細胞、組織などであることが可能であり、制限はない。実質的にいかなる化学的または生物学的エフェクターも、適切なSELEX標的であろう。いかなる大きさの分子もSELEX標的として役立ちうる。標的はまた、標的および核酸間の相互作用の見込みを増進するため、特定の方法で修飾可能である。標的がペプチドであるSELEX法の態様が、表題“Modified SELEX Processes Without Purified Protein”である、2000年9月22日出願の米国特許出願第09/668,602号に記載され、該出願は完全に本明細書に援用される。
「組織標的」または「組織」は、本明細書において、上述のSELEX標的の特定のサブセットを指す。この定義にしたがうと、組織は、不均一環境中の巨大分子である。本明細書において、組織は、単一の細胞種、細胞種の集合、細胞の凝集物、または巨大分子の凝集物を指す。これは、典型的にはタンパク質などの単離された可溶性分子である、より単純なSELEX標的とは異なる。好ましい態様において、組織は、より単純なSELEX標的よりも数桁大きい不溶性巨大分子である。組織は、多くの巨大分子で構成される複雑な標的であり、巨大分子は各々、多くの潜在的なエピトープを有する。多くのエピトープを含んでなる、異なる巨大分子は、タンパク質、脂質、炭水化物など、またはその組み合わせであることが可能である。組織は、一般的に、構造および組成両方に関して流動的であることも、または強固であることも可能である、巨大分子の物理的アレイである。細胞外マトリックスは、構造的および組成的に、より強固な組織の例であり、一方、膜二重層は、構造および組成がより流動的である。組織は一般的に可溶性でなく、そして固相に留まり、そしてしたがって分配は比較的容易に達成可能である。組織には、限定されるわけではないが、既定の臓器、例えば腎臓組織、脳組織の全体的な細胞構造を与えるのに、一般的に用いられる構造物質の1つを形成する細胞間物質とともに、通常は特定の種類である、細胞の凝集物が含まれる。組織の4つの一般的な種類は、上皮組織、結合組織、神経組織および筋組織である。
この定義に属する組織の例には、限定されるわけではないが、無細胞であるフィブリン塊などの巨大分子の不均一凝集物;細胞の均一または不均一凝集物;臓器、腫瘍、リンパ節、動脈など、特定の機能を有し、細胞を含有する、より高次の構造;および個々の細胞が含まれる。組織または細胞は、天然環境にあるか、単離されているか、または組織培養中にあることが可能である。組織は、損なわれていない(intact)か、または修飾されていることが可能である。修飾には、形質転換、トランスフェクション、活性化などの多くの変化、および下部構造単離、例えば細胞膜、細胞核、細胞小器官などの単離が含まれることが可能である。組織、細胞または細胞内構造の供給源は、原核生物とともに真核生物から得ることが可能である。これには、ヒト、動物、植物、細菌、真菌およびウイルス構造が含まれる。
本明細書において、「固体支持体」は、共有結合または非共有結合いずれかを通じて分子が付着可能である表面いずれかと定義される。これには、限定されるわけではないが、膜、プラスチック、常磁性ビーズ、荷電紙、ナイロン、ラングミュア−ブロジェット膜、官能化ガラス、ゲルマニウム、シリコン、PTFE、ポリスチレン、ヒ化ガリウム、金および銀が含まれる。表面上に取り込まれたアミノ、カルボキシル、チオールまたはヒドロキシルなどの官能基を有することが可能な、当該技術分野に知られるいかなる他の素材も意図される。これには、いかなるトポロジーの表面も含まれ、限定されるわけではないが、球状表面、溝付き表面、および筒状表面、例えばカラムが含まれる。各々異なる標的に特異的な、複数の核酸リガンドを、アドレス可能な形式で固体支持体表面上の特定の位置(「アドレス」)に付着させて、「マイクロアレイ」または「バイオチップ」とも称されるアレイを形成することが可能である。限定されない例でしかないが、表面に核酸リガンドが付着した平面固体支持体を用いて、アレイを形成可能である。限定されない例でしかないが、核酸リガンドをビーズに付着させ、そしてその後、マイクロタイタープレートなどの別の固体支持体上のアレイ形式にビーズを配置することによってもまた、アレイを形成可能である。
「分配」は、標的分子に結合しているリガンドを、標的分子に結合していない核酸から分離することが可能なプロセスいずれかを意味する。より広く言及すると、分配は、標的分子への相対的親和性に基づき、候補混合物中のすべての核酸を少なくとも2つのプールに分離することを可能にする。分配は、当該技術分野に知られる多様な方法によって達成可能である。核酸−タンパク質対は、ニトロセルロースフィルターに結合することが可能であるが、未結合核酸はフィルターに結合しない。核酸−標的複合体を特異的に保持するカラムが、分配に使用可能である。例えば、カラム上に結合している標的分子と会合可能なオリゴヌクレオチドの場合、最も高い親和性の核酸リガンドを分離しそして単離するのに、カラムクロマトグラフィーを使用することが可能である。標的分子がコンジュゲート化されているビーズもまた、混合物中の核酸リガンドを分配するのに使用可能である。ビーズが常磁性である場合、磁場の適用によって分配が達成可能である。表面プラズモン共鳴技術を用いて、センサーチップ上に標的を固定し、そして該チップ上に混合物を流すことによって混合物中の核酸を分配可能であり、ここで標的に対して親和性を有する核酸が標的に結合可能であり、そして残った核酸を洗い流すことが可能である。液体−液体分配と共にろ過ゲル遅延、および密度勾配遠心分離が使用可能である。
本明細書において、「光SELEX」は、指数的濃縮によるリガンドの光化学的計画的進化(Photochemical Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment)の頭文字であり、そして光架橋核酸リガンド(「光アプタマー」または「光架橋アプタマー」とも称する)を生成するSELEX法の態様を指す。光SELEX法において、RNAまたはssDNA無作為化オリゴヌクレオチドライブラリー中の天然塩基の代わりに、光の吸収によって活性化される光反応性ヌクレオチドを取り込み、核酸標的分子混合物に光照射して、核酸−標的分子複合体に取り込まれたいくつかの核酸を、光反応性官能基を介して標的分子に架橋させ、そして選択工程は光架橋活性に関する選択である。光SELEX法は、光SELEX法出願に非常に詳細に記載されている。
SELEX特許出願および光SELEX法出願は、前述の方法を非常に詳細に記載し、そして精巧に作り上げている。含まれるのは、使用可能な標的;最初の候補混合物の調製法;候補混合物内の核酸の分配法;および分配された核酸を増幅して、濃縮された候補混合物を生成する方法である。SELEX特許出願および光SELEX法出願はまた、核酸結合タンパク質であるか、またはない、タンパク質標的を含む、いくつかの標的種に対して得られたリガンド溶液も記載する。
本出願全体で、多様な刊行物、刊行物、および特許出願に言及することに注目されたい;各刊行物および特許出願は、特にそして個々に本明細書に援用されるのと同じ度合いで、本明細書に援用される。
光架橋核酸リガンドの多重化評価
本発明の1つの態様において、本明細書において交換可能に「マイクロアレイ」または「バイオチップ」とも称される核酸リガンドアレイ上の多重化アッセイを用いて、潜在的に有用な親和性および光架橋活性を所持すると同定される光架橋核酸リガンドを迅速にアッセイする。アッセイプロトコルで使用可能であり、限定されるわけではないが、以下の形式:マイクロタイターウェル、顕微鏡スライド、シリコンウエハーチップ、フロースルーチップ、およびマイクロビーズを含む、非常に多様な固体支持体表面上に、核酸リガンドを固定することが可能である。固体支持体に核酸を固定する方法が当該技術分野に周知である。
各タンパク質標的に関して、1以上の同定される光架橋核酸リガンドをアレイ上の別個のアドレスに固定することが可能である。好ましくは、複数の同一アレイを構築し、そしてその後、個々のアレイを各々、分析物溶液(例えば、タンパク質標的の混合物(本明細書において、「カクテル」とも称される)、または限定されるわけではないが、血清、組織培養上清、尿、および組織ホモジネートを含む生物学的液体)と接触させることが可能である。アレイを用いて、(1)核酸リガンドの多重化性能を試験するか;または(2)分析物タンパク質濃度に関して、試料をアッセイするか、いずれかが可能である。アレイを用いて、核酸リガンドの多重化された性能を試験する場合、対応する光架橋核酸リガンドがアレイ上に存在するタンパク質標的各々が、アレイとインキュベーションする標的タンパク質混合物中に含まれる。
分析物をマイクロアレイとインキュベーションした後、光架橋核酸リガンドを同族タンパク質標的に光架橋し、そして非特異的に結合したタンパク質を取り除くため、ストリンジェントな条件下でアレイを洗浄する。「普遍的タンパク質染色剤」と題するセクションに後述するとおり、普遍的タンパク質染色剤(UPS)を用いることによって、アレイによるタンパク質結合を定量可能である。実施例3および4は、多重化アレイをプロセシングする典型的な方法を提供する。
本明細書に記載する多重化アッセイは:(1)アレイ形式の光架橋核酸リガンドの性能(ダイナミックレンジ)を評価し、そして(2)同族標的タンパク質に対する光架橋核酸リガンドの特異性を評価するのを可能にすることによって、光架橋核酸リガンドの2倍の評価を可能にする。アレイを用いて、核酸リガンドの性能を評価する場合、各々異なる標的タンパク質濃度プロフィールを有する標的タンパク質混合物を産生し、そして該混合物を、アレイと接触させる試料として用いることが可能である。各タンパク質の絶対濃度を変化させることによって、各光架橋核酸リガンドの用量−反応曲線を得ることが可能である。各光架橋核酸リガンドの特異性を同時に評価することが可能である。多重化アッセイはまた、非特異的相互作用に関してさらにスクリーニングするため、血清の存在下および非存在下でも実行可能である。この方式では、単一のアレイシリーズ上で、多くの光架橋核酸リガンドを同時に評価可能である。その後、最も望ましい特性を持つ光架橋核酸リガンドを、診断および予後の医学的アッセイに使用するため、選択可能である。
本発明の多重化アッセイによって、光架橋核酸リガンド評価プロセスを劇的に合理化することが可能になり、時間および資源が両方節約できる。例えば、各光架橋核酸リガンドに関して別個のアッセイを行うと、例えば緩衝液および血清各々において、10の測定が必要であろう。各々100の異なるタンパク質に対して、5つの光架橋核酸リガンドを評価するためには、2x10x5x100=10,000実験が必要であろう。多重化アッセイは、標的タンパク質混合物(「カクテル」)に対して500の光架橋核酸リガンド反応を同時に測定可能である。緩衝液および血清両方において、各々特異的な標的タンパク質濃度プロフィールを有する10の標的タンパク質混合物を測定するのに、20の実験しか必要でなく、そして10,000実験と同じデータが提供されるのに加えて、特異性に関するさらなる情報が得られるであろう。
本発明のこの態様の限定されない例の1つにおいて、10−6Mから開始して、そして10−14Mまで濃度を1対数ずつ減少させた標的タンパク質混合物中の9つの異なるタンパク質濃度に関してデータを収集することによって、単一の光架橋核酸リガンドのダイナミックレンジを評価する。第10の標的タンパク質混合物は、同族タンパク質を含有せず、すなわち、その混合物に関する標的タンパク質濃度プロフィールは0Mであろう。より適切な限定に関して、これらの正確な数および範囲を調整可能であることが、当業者には明らかであろう。非常に多重化されたアッセイのためには、100以上の異なるタンパク質のダイナミックレンジを同時に評価することが望ましい可能性があり、したがって、単一リガンドの場合におけるように、少なくとも10の標的タンパク質混合物が必要である。例えば、ごくわずかな非特異的結合を持つ光架橋核酸リガンドに関しては、10の標的タンパク質混合物を作成可能であり、ここで、最初の10の標的タンパク質は、最初の標的タンパク質混合物中に存在せず、次の10の標的タンパク質が範囲の中で最低の濃度で存在し、以下同様であって、最後の10の標的タンパク質が最高の濃度で存在する。それから、次の標的タンパク質混合物は、最低濃度で最初の10の標的タンパク質を有し、二番目に低い濃度で次の10のタンパク質を有し、以下同様であって、最後の10の標的タンパク質はこの標的タンパク質混合物中に存在しない。このパターンをあと8回反復すると、特有の標的タンパク質濃度プロフィールを有する、10の複合標的タンパク質混合物が生じるであろう。各標的タンパク質は、望ましい全濃度範囲をサンプリングするであろう。この戦略は、潜在的に、100の異なるタンパク質標的のダイナミックレンジを測定可能であるが、異なるタンパク質分布戦略は、同時に特異性データも生じるであろう。
多重化アッセイでは非特異的結合/架橋および干渉の可能性があるが、光架橋核酸リガンド特有の特性によって、この可能性は、診断チップに基づくアッセイで使用する他の試薬に比較して、非常に低いレベルに減少する。多重化アッセイにおけるこうした影響の可能性をさらに最小限にするため、これらの影響を検出し、そして非同族タンパク質に架橋を示す光架橋核酸リガンドを取り除く(または少なくとも適切な光架橋核酸リガンドを選択することによって、こうした影響を最小限にする)ことが望ましい。本発明の1つの態様において、個々の標的タンパク質混合物の標的タンパク質濃度プロフィールを適切に設定することによって、これを達成可能である。標的タンパク質混合物中のいかなるタンパク質も、他のタンパク質いずれかのシグナルに影響を及ぼす可能性があるため、好ましい態様において、タンパク質標的混合物のすべてに渡って、多様な濃度で標的タンパク質の各対の組み合わせを試験する−光架橋核酸リガンド交差反応性はもちろん対称でないため、あるものは第一のタンパク質に対して高く、そしてあるものは第二のタンパク質に対して高い。例えば、10のタンパク質1〜10に関して、タンパク質1の対の組み合わせは:[1、2]、[1、3]、[1、4]・・・[1、10]であろう。特に好ましい態様において、各タンパク質対は、いくつかの標的タンパク質混合物において、濃度が少なくとも1対数多く、そして少ないことで異なり(すなわち少なくとも一桁多く、そして少ない)、より好ましくは、濃度が少なくとも2対数多く、そして少なく、そしてさらにより好ましくは、濃度が少なくとも3対数多く、そして少ない。例えば、少なくとも1つの標的タンパク質試験混合物における、メンバー1およびメンバー2の前述の対の組み合わせに言及すると、タンパク質1はタンパク質2より二桁高い濃度で存在し;そして少なくとも1つの標的タンパク質混合物において、タンパク質1はタンパク質2より少なくとも二桁低い濃度で存在するであろう。これによって、評価アッセイにおいて、交差反応性を検出可能であることが確実になるであろう。さらに、標的タンパク質混合物組成に対するこの制限は、また、いかなる2つの標的タンパク質混合物においても、2つのタンパク質が同じ濃度でないことも必要とするであろう。
10の標的タンパク質混合物A〜Jにおいて、10の異なる濃度で存在する10のタンパク質1〜10があるとする。第一のタンパク質に関して、10の標的タンパク質混合物に10の濃度を割り当てるには、10!=3628800通りある。第二のタンパク質に関しては、タンパク質混合物の間に第一のものと同じ割り当てを有することは不能であるため、10!−1通りがあり、以下同様である。標的タンパク質濃度プロフィールを設定する重要な側面は、上述のように、100タンパク質各々の割り当ての相異を最大にすることに関連するはずである。以下の表1は、10の生じる標的タンパク質混合物A〜Jにおいて、典型的な標的タンパク質濃度プロフィールを列挙する。例えばタンパク質1は、混合物Aには存在せず、混合物B中で10−11の濃度を有し、混合物C中で10−9の濃度を有するなどである。表に示す標的タンパク質濃度プロフィールは、各タンパク質対が、10の標的タンパク質混合物中で、少なくとも2回、プラスおよびマイナス両方に、3対数離れた濃度を有することを確実にする。例えば、混合物Aにおいて、タンパク質6は、タンパク質10、8、9、2、7、および5より、少なくとも3対数少ない。混合物Eにおいて、タンパク質6は、タンパク質5、10、8、7、および4より、少なくとも3対数多い。
Figure 2005517456
表1:典型的な標的タンパク質濃度プロフィール
3,628,800のありうる標的タンパク質濃度プロフィールのうち、非同族光架橋核酸リガンドに対するタンパク質の交差反応性を明らかにする最善の機会を提供する100通りを見出すことが可能である。割り当てを無作為にサンプリングし、そしてタンパク質の各対間の複数の比較を有する基準を満たすもののみを容認することによって、モンテカルロ技術を用いて、これらの割り当てを生成する。過剰な「バックグラウンド」タンパク質の存在下で同族タンパク質を測定する回数を最大化することによって、妥当な特異性試験が提供されるであろう。有意な交差反応性の非存在下で、妥当な標準曲線が生成されるであろう。低い同族タンパク質レベルでのこれらの曲線中のスパイク、または感度の損失は、交差反応性の指標となるであろう。
あらゆる非特異的結合または干渉の非存在下で、上述の方法にしたがって行う多重化評価アッセイは、各光架橋核酸リガンドの標準曲線を産生するだろうし、ここで各曲線は、光架橋核酸リガンドのダイナミックレンジを明らかにするであろう。非特異的結合の影響を決定するため、本発明はここで、各光架橋核酸リガンドに結合する複合混合物の割合を評価するモデルを提供する。
該モデルは、以下の等式:
Figure 2005517456
[式中、[P]は、試料中の未結合タンパク質分析物i(iは1〜100の間で多様である)の濃度であり、[L]は、チップ上の未結合光架橋核酸リガンドj(jは1〜500の間で多様であり、すなわち1つのアッセイで測定する各タンパク質に対して、5つの光架橋核酸リガンドがある)の濃度であり、[P:L]は固定タンパク質/光架橋核酸リガンド複合体の濃度であり、そしてKijは反応の平衡会合定数である]
にしたがった平衡結合の標準的処理に基づく。非特異的結合がなければ、会合定数Kのマトリックスは、タンパク質あたり1つの光架橋核酸リガンドしかないタンパク質チップに対して対角であり;非対角のエントリーは交差反応性を示し、そして特異的な(対角)相互作用条件より、数対数低い会合定数を有する可能性が最も高い。
総タンパク質および光架橋核酸リガンド濃度に関して、物質収支等式は
Figure 2005517456
であり、ここで、第二の等式は、[P]Kij[L]を[P:L](等式(1)を参照されたい)に代入することによって得られる。等式(2)への等式(3)の代入によって、遊離タンパク質濃度の連立方程式が得られる。
Figure 2005517456
遊離タンパク質濃度[P]において、自己無矛盾まで、連立方程式を反復して解くことが可能である。その後、結合した光架橋核酸リガンドの濃度を、以下を用いて計算する。
Figure 2005517456
洗浄および架橋によって、検出されるタンパク質の量は、元来結合していたものよりも減少するであろう。洗浄による損失の割合は、個々の複合体の脱離速度(off rate)に応じるであろう;脱離速度が遅い、高親和性の相互作用は、特異的に結合したタンパク質をほとんど失わず、一方、非特異的結合物質は、実質的に減少するはずである。濃縮プールから回収されるアプタマーの架橋効率は、もちろん、0〜100%の範囲で多様であろう;架橋していない光架橋核酸リガンドは、厳しい洗浄後、アレイ上にとどまらないであろうため、該核酸リガンドを取り除くことが可能である。最後に、各タンパク質は、捕捉したタンパク質に特異的に結合する染色剤分子の数に比例するシグナルを、例えばタンパク質に含有されるリジンの数およびその反応性の関数として、生じるであろう。
以下の議論に関しては、洗浄および架橋の損失とともに、染色剤シグナル増進を、各複合体に特有の因子として処理するであろう。アレイ上の各光架橋核酸リガンドに関して測定される最終シグナルは
Figure 2005517456
[式中、RFは光架橋核酸リガンドjに関して測定される相対蛍光であり、fijは、各タンパク質/光架橋核酸リガンド複合体P:Lの洗浄、架橋効率、および染色を計上し、そしてbは検出の絶対下限を設定する装置バックグラウンドである]
として与えられる。
これでモデルは完了である。上に定義する10の標的タンパク質混合物を例として用いて、提唱するアッセイを質的に検討することが可能である。例えば、標的タンパク質特異的相互作用Kij=1011−1(Kd=10pM)およびfij/b=5.0x1013(これはいくぶん恣意的であり、そして検出の下限にしか影響を及ぼさない−ここで、光架橋核酸リガンドの飽和が上限を設定する)で、濃度10−11Mの光架橋核酸リガンドが1つあるとする。図1は、異なる標的タンパク質混合物に関するアッセイ反応を例示する(log([P])対log相対蛍光(RF)のプロットとして示す)。太い曲線は、交差反応性がない場合に期待される反応である。タンパク質1〜5に関する非特異的相互作用の反応を、印をつけた曲線に示す。バックグラウンドタンパク質に対する交差反応性がなければ、図1の太い曲線は、期待される反応曲線であろう。直線領域はおおよそ10−14〜10−11であり、タンパク質濃度4対数分である。ここでの飽和は、主に、光架橋核酸リガンド濃度によって設定される。
単一の非特異的相互作用の存在下で、反応の振る舞いを検討するため、標的タンパク質混合物中の他のタンパク質各々に関して1つずつ、9つの曲線を生成し;各シミュレーションにおいて、1つのタンパク質のみが、交差反応を許された。上記と同一の光架橋核酸リガンドに関して、非特異的相互作用は、特異的なものより3対数少なく設定され、Kij=10−1(Kd=10nM)であり、そしてfij/b=5.0x1012であり、特異的なものの10パーセントであった。各計算には、同一の標的タンパク質混合物を用いた。図1は5つの曲線(タンパク質1〜5)を含有し、そして残りの4つ(タンパク質6〜9)を図2に示す。再び、図2において、太い曲線は、交差反応性がない場合に期待される反応である。タンパク質6〜9に関する非特異的相互作用の反応を、印をつけた曲線に示す。
データは対数/対数目盛り上にプロットするため、非特異的相互作用による直線性からの逸脱は、通常、非常に明らかである。2つの曲線は逸脱を示し、この逸脱は、ノイズの存在下では識別が困難である可能性があるが、完全にここで用いる標的タンパク質混合物の結果である;タンパク質混合物をさらに注意深く選択することによって、さらなる増進が達成可能である。
図1および図2は、最も非特異的な結合/架橋が、直線性からの陽性の逸脱を生じることが可能であるが、タンパク質濃度のいくつかの組み合わせは、非特異的タンパク質が同族タンパク質より非常に過剰であり、そうでなければ占有されるであろう部位に関して競合する際には、特異的シグナルの損失を生じるであろうことを示す。
本明細書に提供するモデルは、多重化評価アッセイにおける、光架橋核酸リガンドのダイナミックレンジおよび潜在的な非特異的相互作用を、10の測定のセットから得ることが可能であることを示す。10の標的タンパク質混合物を用いることに対しては制限がないことに注目することが重要であり−20を用いて、非特異的相互作用の検出を最大限にするため、混合物中のすべての他のタンパク質に対して、低レベルの同族タンパク質のより多くの比較を確実にすることが可能である。実験数を二倍にしても、アプローチの効率を危うくしない。標的タンパク質混合物中のすべての標的タンパク質に関して、光架橋核酸リガンドの交差反応性を評価する。
アレイ合成
多くの表面付着化学反応を核酸リガンド固定に使用可能であり、これらには、限定されるわけではないが:金を含むチオール反応性表面に結合したチオール修飾核酸リガンド;チオール含有表面に結合したアクリダイト修飾核酸リガンド;ストレプトアビジン表面に結合したビオチン化核酸リガンド;カルボキシレート、イソチオシアネート、N−ヒドロキシ−スクシンイミド、またはエポキシド活性化表面に結合したアミン修飾核酸リガンドが含まれる。非常に多様な表面コーティングが核酸リガンドアレイに適していると立証されてきており、これらには:ガラス上のエポキシド、シリコン上のエポキシド、Accelr8 N−ヒドロキシ−スクシンイミド活性化有機ポリマー、Surmodics N−ヒドロキシ−スクシンイミド活性化アクリルアミドポリマー、Rosatechアミン反応性有機ポリマー、有機自己集合単層(SAM)でコーティングした金、およびマトリックスチオール含有アクリルアミドポリマーが含まれる。
定期的に最初のスクリーニングで評価されるプリンティング(「スポッティング」とも称される)緩衝液構成要素には、緩衝剤(NaPO、NaBO、NaCOが一般的に用いられる)、界面活性剤(ザルコシル、Tween20、およびSDS)、親水性添加剤(PEG、Me−PEG、グリセロール)、および有機溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP))が含まれる。
修飾表面上に核酸リガンドをプリンティングした後、好ましい態様において、プリンティング後処理を行って、残った官能基を除去し、そして核酸リガンドフィーチャー周囲の環境を修飾する。表面上の残った官能性をキャッピングするために行う、典型的なプリンティング後処理には、不安定な基を加水分解するアルカリ洗浄、並びに第一級アミンまたは未結合(free)スルフィドリルのアセチル化が含まれる。
さらなるプリンティング後処理には、核酸リガンド自体の周囲環境を修飾する、アルキルまたはポリエチレングリコール鎖と表面官能基の反応が含まれうる(以下の実施例5を参照されたい)。例えば、いくつかの態様において、ポリ(エチレングリコール)(PEG)スペーサーを核酸リガンドおよび固体支持体表面の間に挿入する。本発明の発明者らは、PEGスペーサーが、マイクロアレイ中の核酸リガンドによる特異的タンパク質結合活性を促進することを発見している。同様に、アレイを生成するため、PEG分子を核酸リガンドと同時にスポッティングして使用すると、マイクロアレイ中の核酸リガンドの特異的結合活性が促進される。単一の理論または仮説に限定されることなく、PEG分子は、各核酸リガンドおよびアレイ表面間に、長い柔軟な中性荷電および親水性スペーサーを提供することによって、核酸リガンドの変性を最小限にし、そしてその特異的活性を改善すると考えられる。
具体的には、限定されるわけではないが、5’誘導体化核酸リガンドへのPEGスペーサーを含む(そしてまたフルオロ化合物も含むことが可能である)二官能性リンカーのコンジュゲート化は、表面への付着を促進し、そしてまた、核酸リガンドを、支持体自体から離れた、より親水性の環境に移動させる。PEGスペーサーの非存在下では、いくつかの核酸リガンドに関して、表面特異的不活性化効果が観察され、そして核酸リガンド固定にPEGスペーサーを用いると、タンパク質結合活性が回復した。表面に同時にスポッティングされるPEGポリマーは、多様な表面上の非特異的相互作用を減少させるのに用いられてきている。PEG分子を核酸に、そして固体支持体にカップリングする方法および試薬が当該技術分野に周知である。例えば、NHS−PEG−ビニルスルホンを5’アミン誘導体化核酸リガンドと反応させて、核酸リガンドへのPEGビニル−スルホン部分のカップリングを導くことが可能である。その後、生じたビニルスルホン−PEG核酸リガンドを、チオール基で標識した固体支持体にカップリングすることが可能である。
アレイ合成のための前述の方法は、光架橋核酸リガンドおよび非光架橋核酸リガンド両方に使用可能であることが理解されるであろう。
実施例5は、核酸リガンドをPEG化するための典型的なプロトコルを提供する。
光アプタマーアッセイプロトコル
本発明は、光架橋核酸リガンドのアレイを使用する多重化アッセイを設計する方法を提供する。ここに、多重化アレイをプロセシングする典型的な方法を提供する。
本発明の好ましい態様において、まずSELEX緩衝液、tRNAなどのブロッキング核酸、およびメチル化カゼインキャリアーなどのブロッキングタンパク質でアレイを平衡化することによって、光架橋核酸リガンドのアレイへのタンパク質標的結合の多重化検出を行う。タンパク質分析物を表面と、好ましくは平衡に達するのに十分な時間(静的条件下またはアレイ表面上を渡る流れの中で)、インキュベーションする。非同族タンパク質バックグラウンドが最小限であることを確実にするため、好ましくは親和性結合タンパク質を緩衝液、最も好ましくはSELEX緩衝液(40mM HEPES、pH7.5、111mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、1mM CaCl、0.05%TWEEN−20)で洗浄して、アレイから非同族の低親和性タンパク質を取り除く。いくつかの態様において、増加したイオン強度で、この架橋前洗浄を行って、こうした非特異的相互作用が破壊される可能性を増加させる。
その後、アレイをUV光(好ましくは単色光供給源からの308nmの光、または水銀ランプにカットオフフィルターを適用することによって選択する、312nmを超える波長を用いる)に曝露して、その同族タンパク質標的に結合した核酸リガンドを光架橋する。好ましくは、架橋は、アレイ表面上の水性緩衝液の薄層を用いて行う。
最も好ましくは、その後、核酸および/またはタンパク質を変性させる条件下で、アレイを厳しく洗浄する。例えば、塩(例えば20mM NaHPO、pH7.4、150mM NaCl、0.1% SDS、1mM EDTA)、界面活性剤、水酸化物(例えば20mM NaOH)、酸、カオトロピック剤(例えば8M尿素)、熱(例えば40℃)、および流れの組み合わせによって、適切な厳しい条件を達成する。洗浄の厳しさは、構造の完全性を維持する有機表面コーティングの能力によってのみ制限される。上に提供する固定化学反応および光架橋自体は、どちらも、こうした洗浄で安定である。
非特異的結合タンパク質を取り除くため、スライドを厳しく洗浄した後、検出可能部分を持つタンパク質をすべて標識するため、UPSでアレイを染色する。バックグラウンドシグナルを最小限にするため、好ましい態様において、UPS処理後、アレイを再び厳しく洗浄する。その後、検出可能部分からのシグナルを定量化することによって、アレイを「読み取る」。好ましい態様において、適切な励起供給源およびフィルターを持つ標準的マイクロアレイ蛍光読み取り装置を用いる。
普遍的タンパク質染色剤
普遍的タンパク質染色剤(UPS)は、検出可能部分を持つタンパク質をすべて標識するが、核酸またはアレイの他の構成要素、例えば核酸リガンドを固定するのに使用する誘導体化表面は標識しない、単数または複数の試薬を含んでなる。検出可能部分は、蛍光、化学発光シグナル、または同一性にしたがって、他の定量可能シグナルいずれかを介して検出可能である。UPS試薬の少なくとも1つがタンパク質と共有的に反応することが好ましいが、必要ではない。タンパク質上に見られるが、核酸またはスライド支持体上には見られない反応性化学基いずれかが、共有結合部位として役立ちうる。タンパク質標的の検出において、これらの基には、限定されるわけではないが、第一級アミン(リジン)、チオール(システイン、ジスルフィド連結の還元によって産生可能)、アルコール(セリン、スレオニン、チロシンおよび糖タンパク質上の糖部分(こうした糖上のシス・ジオールの酸化産物を含む))、およびカルボキシレート(グルタミン酸およびアスパラギン酸)が含まれる。
検出可能部分は、限定なしに、色素(より好ましくは蛍光体)、放射標識、量子ドット、酵素、酵素基質、またはいずれかの方式で定量可能シグナルを生成するのに使用可能な他の物質いずれかであることが可能である。検出可能部分が酵素(例えばアルカリホスファターゼ)である場合、酵素基質および酵素活性に必要なあらゆるさらなる因子の存在下で、定量可能シグナルを生成可能である。検出可能部分が酵素基質である場合、酵素および酵素活性に必要なあらゆるさらなる因子の存在下で、定量可能シグナルを生成可能である。タンパク質に検出可能部分を付着させるのに適した試薬配置には、限定されるわけではないが、タンパク質への検出可能部分の共有結合、タンパク質に共有結合した別のUPS構成要素と検出可能部分の非共有結合、およびタンパク質に非共有結合したUPS構成要素への検出可能部分の共有結合が含まれる。
最も基本的な態様において、UPSは、タンパク質特有の官能基と共有的に反応し、そしてその際に、タンパク質に検出可能部分を共有結合させる、単一の化学的試薬である。この態様にしたがった好ましいUPSは、タンパク質に特有の官能基と共有的に反応可能な基を含む色素を含んでなる。こうした基を誘導体化によって色素に付加することが可能であるし、またはこうした基が未修飾色素上に存在することが可能である。N−ヒドロキシスクシンイミドに活性化される色素(NHSに活性化される色素としても知られる)はアミン基と反応し、そして特に好ましいUPSである。別の特に好ましいUPSは、シアン化物またはチオールの存在下で、やはりアミンと反応して、非常に蛍光性のイソインドールを形成する、CBQCA(3−(4−カルボキシベンゾイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド)である。UPSで使用するのに適した他のアミン反応基には、限定されるわけではないが、イソシアネート、イソチオシアネート、アジ化アシル、塩化スルホニル、アルデヒド、4−スルホ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール(STP)エステル、並びにNBD(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)クロリド、NBDフルオリド、およびジクロロトリアジンなどのアリール化剤が含まれる。
いくつかの態様において、UPSは複数の試薬を含んでなる。例えば、UPSは、タンパク質と共有的に反応する第一の試薬、および直接または間接的に、共有的または非共有的に、第一の試薬が導入する化学基または他の官能性を介して、タンパク質に検出可能部分を付着させる、1以上のさらなる試薬を含んでなることが可能である。例えば、1つの態様において、適切なUPSは、(a)タンパク質と反応するビオチン誘導体;および(b)ストレプトアビジン−検出可能部分コンジュゲート、例えば蛍光ストレプトアビジン誘導体またはストレプトアビジン−酵素コンジュゲートを含んでなる。ビオチン誘導体は、アミン基と反応し、それによって、ビオチンをタンパク質に共有結合させる;ストレプトアビジン−検出可能部分コンジュゲートは、固定ビオチン基に結合し、それによって、アレイ上のタンパク質結合部位に検出可能部分を局在させる。
別の態様において、適切なUPSは:i)結合したタンパク質標的にビオチンまたはビオチン誘導体を共有結合させることが可能な反応基にコンジュゲート化された、ビオチンまたはビオチン誘導体;ii)アビジンおよび/またはストレプトアビジン;およびiii)ビオチン−検出可能部分コンジュゲート、例えば蛍光ビオチン誘導体を含んでなる。好ましくは、i)におけるビオチン誘導体は、アミン反応性ビオチン誘導体、最も好ましくはNHS−ビオチンであり、ここでビオチンは、場合によって、スペーサー原子によってNHSから分離されている(Calbiochem, Inc.)。結合したタンパク質標的上の第一級アミンとNHS基の反応は、アレイ上の核酸リガンドに結合したタンパク質標的へのビオチンの共有結合を導く。その後、アレイをストレプトアビジンまたはアビジンで処理することが可能である。ストレプトアビジンおよびアビジンは、互いに4つのビオチンと結合可能であり、これらのタンパク質を添加すると、元来、NHS−ビオチンによって、結合したタンパク質標的にカップリングしていた各ビオチンに3つのビオチン結合部位が提供される。その後、iii)のビオチン−検出可能部分誘導体を添加することが可能であり、その際、これはストレプトアビジンまたはアビジン上の占有されていないビオチン結合部位に緊密に結合する。
別の態様において、UPSは(a)タンパク質と反応する基で誘導体化されたジニトロフェノール(DNP)などのハプテン;および(b)検出可能部分にコンジュゲート化された抗ハプテン抗体、例えば蛍光抗ハプテン抗体または酵素−抗ハプテン抗体コンジュゲートを含んでなる。さらなる態様において、UPSは:(a)タンパク質と反応する基で誘導体化されたジニトロフェノール(DNP)などのハプテン;および(b)抗ハプテン抗体;(c)抗ハプテン抗体に結合する二次抗体(例えば抗ハプテン抗体を調製するのに用いた動物種由来の免疫グロブリンすべてと反応する抗体調製)であって、検出可能部分にコンジュゲート化されている、前記二次抗体を含んでなる。
UPSが複数の試薬を含んでなるとき、いくつかの場合、試薬を連続して添加すべきであり、一方、他の場合、一緒に添加することが可能であることを、当業者は理解するであろう。
別の態様において、UPSは、ジスルフィド(例えばシステイン)をチオール基に還元する剤を含んでなり、そしてさらにチオール反応性化合物を含んでなる。UPSで使用可能な適切なチオール反応基には、限定されるわけではないが、ヨードアセトアミド、マレイミド、ハロゲン化ベンジルおよびブロモメチルケトンが含まれる。例えば、この態様にしたがって適切な1つのUPSは、(a)還元剤;および(b)チオール反応基で誘導体化された検出可能部分を含んでなる。この態様にしたがったUPSの別の例は、(a)還元剤;(b)チオール基と反応するビオチン誘導体;および(c)ストレプトアビジン−検出可能部分コンジュゲートを含んでなる。
さらなる態様において、UPSは、タンパク質グリコシル化部位のシス−ジオールを酸化する剤を含んでなり、そしてさらに、ヒドラジド反応基を所持する化合物を含んでなる。例えば、この態様にしたがって適切な1つのUPSは:(a)糖中のシス−ジオールを酸化する酸化剤;(b)検出可能部分のヒドラジド誘導体を含んでなる。
別の態様において、タンパク質上のカルボキシレートは、(a)カルボキシレートと反応してNHS−エステル基を形成する、EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)/スルホ−NHS(N−ヒドロキシスルホスクシンイミド);および(b)NHS−エステル基と反応する基、例えばアミン基(類)またはヒドラジド基(類)にコンジュゲート化された検出可能部分を含んでなるUPSと反応可能である。こうした態様の1つにおいて、UPSは:(a)EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)/スルホ−NHS(N−ヒドロキシスルホスクシンイミド);(b)アミン基を含むビオチン誘導体;(c)ストレプトアビジン−酵素コンジュゲートまたは蛍光ストレプトアビジン誘導体を含んでなることが可能である。
当業者は、本発明の特定の態様において、未反応官能基を「ブロック」する必要がありうることを認識するであろう。例えば、EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)/スルホ−NHS(N−ヒドロキシスルホスクシンイミド)を伴う上述の例において、タンパク質上の未反応NHS−エステル基は、アミン基を含むビオチン誘導体を添加した後も残る可能性があり;その後、これらの未反応NHS−エステル基が酵素と反応し、その不活性化を導く可能性がある。この態様において、未反応NHS−エステル基のブロッキングは、エタノールアミンなどの、アミン基を含む小分子を用いて達成可能である。
いくつかの態様において、UPSは、ジスルフィド連結の還元によって産生されるチオール基および酸化シス−ジオールを含む、タンパク質特有の基と反応し、そしてその際に、タンパク質に官能基を導入する試薬(類)を含んでなる。例えば、トラウト試薬(2−イミノチオレーン)およびN−スクシンイミジル3−[2−ピリジルジチオ]−プロピオンアミド(SPDP)ヘテロ二官能性リンカーはどちらも、アミン基と反応し、それによってチオール基を導入する。その後、検出可能部分でタンパク質を標識するため、新たに導入したチオール基を上述のような他の試薬と反応させることが可能である。例えば、この態様にしたがって適切な1つのUPSは:(a)トラウト試薬;および(b)チオール反応基で誘導体化された色素を含んでなる。官能基でタンパク質を誘導体化する多くの他の試薬は、ホモ二官能性リンカーおよびヘテロ二官能性リンカーを含めて、当業者に周知である。
タンパク質標的を染色することによって達成されるシグナルを増進するため、いくつかの態様において、検出可能部分として酵素を含むUPSを用いて、増幅を活用することが可能である。増幅は、各酵素による複数の基質の代謝回転の結果であり、最小限の全体のバックグラウンドで、システムにおけるタンパク質定量化のため、よりよいシグナル対ノイズ比を生じる。これらの態様において、酵素基質および酵素活性に必要なあらゆるさらなる因子を添加した際、定量可能シグナルが生成される。酵素でタンパク質を標識するのに適切な1つのUPSは、(a)タンパク質特有の基と反応する基で誘導体化されたビオチン;および(b)ストレプトアビジン−酵素コンジュゲートを含んでなる。別の適切なUPSは、(a)タンパク質特有の基と反応するハプテン誘導体(例えばジニトロフェノール誘導体);および(b)酵素にコンジュゲート化された抗ハプテン抗体を含んでなる。
上に提供する態様にしたがって、UPS系で使用可能な、適切な1つの酵素はアルカリホスファターゼであり、特に、可溶性非蛍光基質、2−(5’−クロロ−2’−ホスホリルオキシフェニル)−6−クロロ−4−(3H)−キナゾリノン(ELF−97ホスフェート)を用いた場合に適している。アルカリホスファターゼは、この基質を切断して、不溶性および蛍光性のELFアルコールを産生し、このELFアルコールは局所的に沈降し、それによって酵素固定部位で定量可能シグナルを提供する。
上述の態様にしたがって、UPS系で使用可能な、適切な別の酵素は、西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ(HRP)であり、特に、チラミドシグナル増幅(TSA)系において使用するのに適している。HRPは、基質として、多様な蛍光標識チラミド誘導体を許容する。生じたチラミドラジカル産物は非常に反応性であり、そして局在チロシンおよび他の芳香族アミノ酸と共有結合を形成し、アレイ上のタンパク質結合部位に局在した蛍光シグナルを生じる。
N−ヒドロキシスクシンイミド基を含むUPS試薬を使用する本発明の態様において、NHS基の望ましい反応(例えば、タンパク質上のアミン基とN−ヒドロキシスクシンイミドに活性化される色素の反応)は、NHS基の加水分解と競合する。NHS加水分解を最小限にするため、好ましくは、NHS試薬を水性緩衝液で希釈する前に、乾燥DMSO中に保管し、そして好ましくは、希釈した試薬を、希釈後直ちに使用する。さらに、好ましい態様において、ジメチルホルムアミド(DMF)などの乾燥有機溶媒を反応中に含んで、それによって、NHS基のより効率的な利用、そしてその結果、より効率的なタンパク質標識を可能にしうる。DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)などの非求核有機塩基をUPS反応中に含んで、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステルとリジンのアミン側鎖の反応を触媒させることが可能である。
有機溶媒は、疎水性側鎖を可溶化する能力を持っているため、強いタンパク質変性特性を有し、そしてしたがって、タンパク質側鎖上の基と反応する活性UPS試薬に対して、タンパク質側鎖の利用可能性を最大にする。溶媒の同一性もまた、固体支持体の表面層の特性および溶媒の特性にしたがって、核酸リガンドアレイが固定されている固体支持体の染色の度合いに大きな影響を及ぼしうる。したがって、本発明の好ましい態様において、UPS反応(単数または複数)を、少なくとも部分的に、UPSの構成要素と固体支持体の表面層の反応性を抑制する能力のために選択された、有機溶媒(類)の存在下で行う。例えば、NHSに活性化される色素用のAccelr8スライド上のOptiChem表面の表面反応性は、水性条件下では、極性非プロトン性有機溶媒DMFまたはDMSO中で抑制される(おそらく表面ゲル層の脱水および崩壊のため)。
当業者は、本明細書に提供する方法にしたがってUPS反応(単数または複数)用の有機溶媒を用いると、水性溶液中で行う同一の反応に比較して、タンパク質標識の劇的な改善が導かれうることを認識するであろう。具体的には、適切な有機溶媒(類)をUPS反応(単数または複数)で用いると、UPS試薬(類)の安定性の改善、タンパク質側鎖基の利用可能性の改善、および固体支持体表面層の反応性抑制の改善を同時に実現可能である。例えば、NHSに活性化される色素を含んでなるUPSと組み合わせて有機溶媒を使用すると、タンパク質の染色が増加し(タンパク質側鎖中のアミンの利用可能性増加のため、そしてNHS基の加水分解減少のため、少なくとも10倍)、そしてスライド表面の染色が減少し(およそ5倍)、こうして染色プロトコルの感度が増加する。
UPSの感度は、アレイが固定されている固体支持体の表面とUPSが反応することによる、または核酸リガンドフィーチャー中の少ない割合のDNA塩基とUPSが反応することによる、バックグラウンドシグナルによって限定される可能性がある。いくつかの態様において、UPSには、アミノ酸と共有的に反応して、天然には存在しない修飾アミノ酸側鎖の形成を導く試薬が含まれる。UPSはさらに、修飾アミノ酸に結合するが、未修飾アミノ酸に結合しない試薬、好ましくは抗体を含んでなる。抗体を検出可能部分、例えば蛍光体または酵素に直接コンジュゲート化することが可能である。あるいは、さらなるUPS試薬を添加して、結合した抗体に向けて検出可能部分を間接的に局在させることが可能である。例えば、第一の抗体を認識する蛍光標識二次抗体を使用可能である。
修飾アミノ酸を使用する1つの態様において、UPSは、テトラニトロメタン(チロシンおよび他の芳香族アミノ酸をニトロシル化する)を含んでなり、そしてさらに抗ニトロチロシン抗体を含んでなる。別の態様において、UPSは、スルホ−NHSアセテート(リジン残基をアセチル化する)を含んでなり、そしてさらに抗アセチル化リジン抗体を含んでなる。
UPS試薬の例を実施例3および実施例4に提供する。
本明細書に記載するUPS試薬を用いて、核酸リガンドに結合する標的タンパク質を検出することが可能であり、これには、光架橋核酸リガンドおよび非光架橋核酸リガンドが含まれる。好ましくは、UPS試薬を用いて、固体支持体上に固定された核酸リガンドへの標的タンパク質結合を検出する。特に好ましい態様において、UPS試薬を用いて、核酸リガンドの多重化アレイへの標的タンパク質結合を検出する。こうしたアレイにおいて、タンパク質が結合するアレイ上の位置(「アドレス」)によって、標的同一性を決定する。多重化アレイを用いたいくつかの態様において、単一のUPSを用いて、数百または数千の異なる標的タンパク質の結合を検出可能である。
実施例
例示目的のみのために以下の実施例を提供し、そして該実施例は本発明の範囲を限定することを意図しない。
(実施例1)
固体支持体上に光架橋核酸リガンドをアレイ化するプロトコル
以下の説明は、光架橋核酸リガンドを含むアミン末端核酸リガンドを、Surmodics N−ヒドロキシ−スクシンイミド活性化スライド表面上にアレイ化する、典型的でそして限定されない方法を提供する。
150mM NaPO pH8.5、0.001%ザルコシル中で、各核酸リガンドの10μM溶液を作成することによって、プリンティング用の光アプタマーを調製する。各アプタマー15μlを384ウェルマイクロタイタープレートウェルに入れる。対照には、30N12無作為DNA、DNAを含有しないプリント緩衝液、およびコーナーマーカーとして使用するための30N12無作為DNA+0.2μM NH−モデル−Cy3が含まれる。マイクロタイタープレートを簡単に遠心分離して、すべての物質をウェル底に引き寄せ、そしてプレートはここでプリンティングの用意ができている。
以下の方法にしたがってPackard Gene Arrayコンタクトスポッターなどの商業的プリンターを用いて、プリンティングプロセスを行うことが可能である(コンタクトスポッターは22℃および62%RHに維持する):
1.アレイ形式で、スライド上に〜1nlの小滴を沈着させる。
2.小滴を数時間インキュベーションさせる。
3.スライドをスポッティング後溶液(0.2M TrisHCl、0.05Mアスパラギン酸、pH9.0、.1%SDS(使用直前に添加))に室温(18℃)で60分間浸す。
4.スライドをスポッティング後安定化緩衝液(NaCl、クエン酸Na、pH7.0、0.1%SDS(使用直前に添加))に48℃で60分間浸す。
5.スライドをSELEX緩衝液(40mM HEPES、pH7.5、111mM NaCl、5mM KCl、1mM CaCl、1mM MgCl、0.05%Tween−20)に室温(18℃)で30分間浸す。
6.各々、300ml脱イオン水で1分間5回リンスする。
7.乾燥を防止するため、スライドを湿った環境に保管する。
より好ましくは、以下の方法にしたがってプリンティング法を行うことが可能である:
1. 1nlスポットをアレイ形式に沈着させ、そして表面上で小滴を2時間インキュベーションさせる。
2.プリンティングプロセス後、表面上の残った官能基を20mM NaOHに浸すことによって加水分解し、その後、20分間震蘯し、そしてddHOでリンスする。
3.その後、0.2mg/mlのスルホ−NHS−アセテートで表面をブロッキングし、そして震蘯しながら60分間インキュベーションし、その後、ddHOでリンスする。このブロッキング工程は、アミン反応性タンパク質色素でのスライド表面の染色を防止する。
4.窒素ガス下でスライドを乾燥させる。
特異的なプリンティングプロトコルは、核酸リガンド固定に用いる各表面で異なる。
(実施例2)
マイクロビーズ支持体
マイクロビーズが核酸リガンド結合の別の支持体である。カルボキシ誘導体化ビーズをNaOHで洗浄し、その後、pH6.0の100mM MES(2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸)緩衝液中の250mM EDCで活性化する。その後、この活性化ビーズを、pH6.0の100mM MES緩衝液中の250mMスルホ−N−ヒドロキシ−スクシンイミドを用いて室温で3時間処理する。pH9.0の100mM重炭酸緩衝液中の500mM CTAB(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド)、2%PEG(8kDa)中の10μM 5’−アミン核酸リガンドの溶液を添加することによって、アプタマーをビーズにカップリングする。カルボキシ、アミン、ストレプトアビジン、およびエポキシド官能性で誘導体化されたビーズを含む支持体として、多様なビーズ種が用いられてきている。
(実施例3)
UPSと標的のインキュベーション、光架橋、および検出
以下の典型的なプロトコルによって、同族光架橋核酸リガンドに結合して、そして光架橋されたタンパク質標的の多重化検出が可能になる。この実施例中のUPSは、蛍光体ALEXA 555(Molecular Probes, Inc.)のNHS誘導体である;しかし、当業者は、この実施例が他のUPS試薬に広く適用可能であり、そしてNHS誘導体に限定されないことを理解するであろう。
1.スライドを希釈緩衝液(1xSELEX緩衝液、0.05%Tween、150μg/ml tRNA、0.1mg/mlカゼイン)で15分間平衡化し、そして溶液を取り除く
2.アレイに、適切な試料マトリックス中で調製したタンパク質混合物を添加する。
3.加湿チャンバー中、より好ましくはフローセル(体積300μl、流速3ml/分)中、30℃で1〜2時間インキュベーションする。
4.タンパク質溶液を取り除き、希釈緩衝液を添加し、そして室温で5分間インキュベーションする。
5. 3J/cm、308nmの光でスライドを架橋する(照射の間、スライドを湿ったままにしておく)
6.スライドを:
a. 1xSSPE+0.1%SDS:15分間(20XSSPE=200mM pH7.4 NaHPO、5M NaClおよび20mM EDTA)
b. 20mM NaOH:5分間
c. HOで3回、全部で5分間洗浄し、N乾燥する
7.炭酸緩衝液(0.1M炭酸Na、pH8.75、1mM EDTA、.1%Tween−20)中、Alexa 555 NHSを10mg/mlのストックから0.01mg/mlに希釈する
8.加湿チャンバー中、スライドあたり1mlを添加する
9.室温で30分間インキュベーションする
10.スライドチャンバーを
a. 0.1%SDSで15分間
b. 20mM NaOHで5分間
c. dHOで3回、全部で5分間洗浄して、乾燥する
11.Alexa 555のcy3チャネル中、Array Worxで読み取る
(実施例4)
UPSの比較
bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)を認識する、2つの異なる光架橋核酸リガンド(6.7および6.40;図3を参照されたい)を、実施例1に上述するようなSurmodicsスライド表面上に付着させ、そして1nMおよび10nM濃度のbFGFとスライドを接触させた。実施例3にしたがって、架橋を開始し、そして異なるUPSを用いて、bFGF結合レベルを決定した。図4は、1nM bFGFおよび10nM bFGFで、2つの異なるbFGF核酸リガンドに関して、CBQCA染色と比較したNHS−Alexa−555染色を示す。
bFGF、アンジオゲニン、およびエンドスタチンに対する光架橋核酸リガンドを含むSurmodicsスライドを用いて、さらなるUPS試薬をアッセイした。標的タンパク質濃度は10nM bFGF、50nMエンドスタチン、および50nMアンジオゲニンであった。図5は、明記する濃度のNHS−Alexa−555、マレイミド−Alexa−555、および2つの異なるpH値のトラウト試薬後、マレイミド−Alexa−555で観察された染色間の比較を例示する。光架橋核酸リガンドの配列を図3に提供する。
また、UPSとして、チロシンのニトロシル化後、抗ニトロシル化チロシン一次抗体で染色し、その後、蛍光二次抗体で染色した場合も調べた。図6は、異なるタンパク質濃度で、固定bFGFアプタマーを用いて得た結果を示す。具体的には、グラフは、log(タンパク質の存在下の相対蛍光単位(RFU)−タンパク質の非存在下のRFU)に対してlog(pg/ml bFGFタンパク質)をプロットする。
(実施例5)
ビニル−スルホン−PEG核酸リガンドコンジュゲートの調製
いくつかの5’アミン誘導体化核酸リガンド(92.4、328.43、334.46、71.25、12.48、6.40、457.4、311.37)に関して、pH9.2の100mMホウ酸緩衝液の10μlアリコット中、2μl乾燥DMSO中の6等量の二官能性NHS−PEG(3400kDa)−ビニルスルホン(Shearwater)で核酸リガンドを処理することによって、ビニルスルホン−PEG−核酸リガンドコンジュゲートの調製を達成した。あらかじめ平衡化したイオン交換カラム(SartoriusのQ5)上でコンジュゲート化核酸リガンドを精製して、過剰なPEG試薬を取り除き、その後、1M NaClで溶出した後、Sephadex G50脱塩カラム上で脱塩した。ビニルスルホン−PEG−核酸リガンドをチオール活性化表面(Apogent)上にプリンティングした。
図7は、核酸マイクロアレイを含むApogentスライド表面上の明記したタンパク質に関する用量反応曲線を示す。2つのデータセットは、PEGリンカー付着を伴うものおよび伴わないものの、エンドスタチンに対する光架橋核酸リガンド(92.4)の活性を対比させる。データは、修正RFU(RFU−バックグラウンド)に対するエンドスタチン濃度(M)としてプロットされている。PEGリンカーが92.4光架橋核酸リガンドのタンパク質結合活性を増進することがわかる。
(実施例6)
67の光架橋核酸リガンドのアレイ
実施例1の方法にしたがって、25の異なるタンパク質標的に対する67の光架橋核酸リガンドをアレイ化した。各光架橋核酸リガンドを3つ組でスポッティングした。アレイはまた、以下のアドレスも含んでなる:
1.スキャナーにおいて、アレイを位置決定するための蛍光タンパク質(蛍光標識ヤギ抗ウサギ抗体);
2.アレイ上のDNAの非特異的結合/標識を評価するための無作為DNAプール(30N12 DNA)
3.アミン修飾DNAでなくヒドロキシDNA(OH6.7)と接触させたアドレス。ヒドロキシDNAは、スライドの誘導体化表面に結合しないであろう。
4. N−6.40 DNA。塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)に対するこのアミン修飾光架橋核酸リガンドは、3つの異なる位置(各々3つ組)でアレイ上に見られる。各アドレスは別々のときにスポッティングされたため、アレイ上に最初にスポッティングされた光架橋核酸が、後にスポッティングされたものと異なる振る舞いをするかどうかを決定することが可能になる。アレイレイアウトを図8に提供する(各フィーチャーは連続3回存在する)。
このレイアウトで8つの複製アレイを産生した。アレイ上の各光アプタマーの配列を図3に提供する(「N−」は、スライドに各光アプタマーを付着させるのに用いた5’アミノ−C6リンカーの存在を示す)。
表2(レベル1〜8と称する個々の濃度の手掛かりを提供する)および表3(個々の標的タンパク質混合物(試験管1〜8)各々の標的タンパク質濃度プロフィール(レベル1〜8)を示す)に詳述するように、タンパク質混合物を産生した。
Figure 2005517456
表2
Figure 2005517456
表3 個々の標的タンパク質混合物の標的タンパク質濃度プロフィール
図9は、明記する標的濃度で、bFGF、アンジオゲニン、エンドスタチン、およびトロンビン光架橋核酸リガンドのアレイから取った画像を示す。
図10は、トロンビン光架橋核酸リガンド反応の複数のアレイからの画像を示す。このデータを用いて、トロンビン光架橋核酸リガンドの用量−反応曲線を提供する。
図11は、4つの複製アレイからのbFGF、アンジオゲニン、エンドスタチン、およびトロンビン光架橋核酸リガンドの画像を示す。各標的タンパク質の相対濃度は、グラフに示すように、アレイ間で多様である。
図12は、各々、異なる濃度のbFGFと接触させた、複数のアレイ由来のbFGF光架橋核酸リガンド結合曲線を示す。グラフは、RFUに対するbFGF濃度(pM)のプロットである。
(実施例7)
血清中のHIV gp120MNの検出
実施例1および実施例3の技術を用いて、gp120MN、bFGF、およびトロンビンに対する光架橋核酸リガンドをスライド上にアレイ化した。一方のスライドを5%血清のみとインキュベーションし;もう一方のスライドを、5%血清+100nM gp120MNとインキュベーションした。図13は、生じたアレイシグナルを例示する。トロンビン(血清中に存在)が両方で検出され、そしてgp120MN光架橋核酸リガンドがいかなる血清タンパク質とも交差反応しないことがわかる。
(実施例8)
14の標的タンパク質分析物に向けられる光架橋核酸リガンドのアレイ
実施例1にしたがって、スライド上にアレイをプリンティングした。各スライドは8つの複製アレイを含んでなった。各光架橋核酸リガンドを連続4回スポッティングし、各アレイ上に総数96の光架橋核酸リガンドフィーチャーを生じた。アレイのレイアウトを図14に示す。個々の光架橋核酸リガンドの配列を図3に提供する。
14の異なるタンパク質(エンドスタチン、ルシフェラーゼ、トロンビン、IL−4、tPA、カタラーゼ、C3、IL−8、フォン・ウィルブランド因子、bFGF、HIV gp120MN、IGFBP−3、アンジオゲニン、およびVEGF)を含有するタンパク質混合物を産生した。アプタマー感度および特異性を試験するため、タンパク質混合物を設計した。8つのタンパク質混合物を、各タンパク質が、少なくとも一度は混合物中の他のタンパク質各々より多く存在するように設計した。個々のタンパク質の濃度範囲は、タンパク質の大部分に関して、10pM〜10nMであった。高濃度の場合、ある程度の非特異的反応が引き起こされるため、タンパク質のうち3つ(bFGF、HIV gp120MN、およびフォン・ウィルブランド因子)は10pM〜2nMで存在した。各混合物中、添加した総タンパク質濃度はおよそ25nMであった。タンパク質混合物多重設計の例を表3(レベルA〜Hと称する個々の濃度の手掛かりを提供する)および表4(個々のタンパク質混合物(試験管1〜8)の標的タンパク質濃度プロフィールを示す)に提供する。
Figure 2005517456
表3:標的タンパク質濃度手掛かり
Figure 2005517456
表4:個々の標的タンパク質混合物の標的タンパク質濃度プロフィール
4つの試料マトリックスにタンパク質混合物を添加した:
a.ヒト脱線維素/脱脂質血清基本マトリックス:病原体活性を中和するよう操作したプロセシング血清。この血清はグロブリンを欠き、そして脂質含量のほとんどを欠く。5%基本マトリックスの総血清タンパク質は3mg/mlである。
b.尿:プールした男性の尿、総タンパク質=90μg/ml。50%希釈で用いる。
c.組織培地:RPMI(Roswell Park Memorial Institute)、血清補充なし。試料の95%として用いる。
d.「血餅除去(Off the Clot)」(OTC)血清:プールしたヒト血清。血清をSELEX緩衝液中で50%に希釈し、300K分子量カットオフフィルターでろ過し、そして、12mg/ml総タンパク質である、最終濃度20%に希釈した。血清ろ過後、タンパク質混合物を添加した。
個々のタンパク質混合物(試料マトリックス中)各々をアレイとインキュベーションし、そしてUPSとしてN−ヒドロキシ−スクシンイミド−Alexa−555を用い、実施例3の方法にしたがってプロセシングした。したがって、総数で32の異なるアッセイ試料があった(4つの試料マトリックス各々における8つのタンパク質混合物各々)。各スライドは8つの複製アレイを有するため、4つのスライドしか用いずに、すべてのアッセイを実行し、各スライドは、特定の試料マトリックスにおいて、14のタンパク質標的の用量反応曲線を提供する。
図15は、同族標的タンパク質とのインキュベーション後のアレイの蛍光画像を示す。5%脱線維素/脱脂質血清基本マトリックスまたは50%尿または95%組織培養上清において、1nM未満の濃度で、すべてのタンパク質が検出可能であった。
図16は、エンドスタチン核酸リガンドの用量反応プロフィールを示すアレイ画像を提供する(0pM〜1,000pMエンドスタチン)。アレイ上のエンドスタチンフィーチャーをボックスに区別する。
図17は、5%脱線維素/脱脂質ヒト血清基本マトリックス中の、14の異なる標的タンパク質の用量反応曲線を提供する。各プロットは、タンパク質標的濃度(pM)対RFUを示す。
この実施例は、核酸リガンドマイクロアレイを用いて、血清および尿標本を含む複合タンパク質混合物において、特定のタンパク質濃度を測定可能であることを立証する。単一のスライド上にプリンティングした8のアレイから、14のタンパク質に対して、用量反応曲線を同時に生成した。複数の試料マトリックスにおけるタンパク質のナノモル未満の測定によって、光アプタマーアレイの感度および再現性が立証されている。結果は、光アプタマーアレイが、分析実験室セッティング、すなわち:ハイスループットで使用するのに必要な品質、一定の条件で複数の分析物をアッセイする能力、最小限の試料体積(<100μl)を使用する能力、再現可能な結果を提供する能力、および最小限のマトリックス干渉を所持することを立証する。
(実施例9)
5%血清における同族タンパク質の検出
実施例1および実施例3の技術を用いて、bFGF、VEGF、エンドスタチン、およびカタラーゼに対する光架橋核酸リガンドをスライド上にアレイ化した。マイクロアレイを5%血清(0.2ミクロンフィルターでろ過して粒子を取り除くが、他のいかなる前処理も行わない)に曝露し、いくつかの試料を1pM〜1nMのさまざまな濃度のさらなるbFGF、VEGF、エンドスタチン、およびカタラーゼでスパイク処理した。5%血清のマトリックスにおけるVEGF、エンドスタチン、およびカタラーゼの用量反応は明瞭であり、血清の干渉は最小限である。試料中で5%の血清を用いると、UV光架橋工程後、徹底的で厳しい洗浄処理が必要であり、これは以下のように定義される:マイクロアレイに渡る、10mM DTT、0.1%SDS、70mM TRIS緩衝液pH11.0、および500mM NaClの流れ、40℃30分間。未処理血清の存在下で、Accelr8および他のものが提供する非汚染(nonfouling)表面は、最も信頼のおける用量反応曲線を生じる。Accelr8スライド表面上、5%血清におけるVEGF、エンドスタチン、およびカタラーゼの用量反応曲線を、図18に示す。個々のプロットはlog RFUに対するlog[タンパク質、M]のものである。
(実施例10)
ビーズ上の同族タンパク質の検出
実施例2に記載するように、ビーズに核酸リガンドを装填し、その後、同族タンパク質に曝露した際、平面で観察されるものと類似の用量反応曲線を生成可能である。図19は、b−NGFに対する5つの特有の核酸リガンドとともに、1つの非同族アプタマーのタンパク質結合曲線を示す。10pM〜100nMの範囲でタンパク質濃度を試験した。6.15と称する非同族核酸リガンドは、非特異的タンパク質結合のバックグラウンドシグナルを立証する。これらの結合曲線を用いて、最高の感度および最低の非特異的バックグラウンドに関して、核酸リガンドをランク付けすることが可能である。
(実施例11)
内因性血清タンパク質の検出
血清中にスパイク処理したタンパク質を検出するのに加えて、光架橋核酸アレイは、血清または組織培養上清などの試験液体において、標的タンパク質の内因性レベルを検出することが可能である。1%血清、5%脱脂質血清、50%血清基本マトリックスまたは50%ろ過血清をアレイ(実施例1にしたがって産生)に添加し、平衡化させ、架橋し、その後、捕捉したタンパク質が変性するのを回避するため、未変性条件下で洗浄した。エンドスタチンおよびトロンビンに特異的な抗体を、捕捉したタンパク質に結合させ、そしてAlexa−555標識抗ウサギ二次抗体の使用によって、これらの抗体を検出した。組織培養上清または未処理血清において、内因性タンパク質と光アプタマーの反応を観察し;アレイ上の他の光アプタマーはいずれも、内因性タンパク質と反応しなかった。図20を参照されたい。LnCAP組織培養上清由来の上清で処理し、そして抗エンドスタチン抗体で標識したアレイでも、同様の結果が観察された。
図1は、異なる標的タンパク質混合物に関して予測されるアッセイ反応を例示する(log([P])対log相対蛍光(RF)のプロットとして示す)。太い曲線は、交差反応性がない場合に期待される反応である。タンパク質1〜5に関する非特異的相互作用の反応を、印をつけた曲線に示す。 図2は、異なる標的タンパク質混合物に関するアッセイ反応を例示する(log([P])対log相対蛍光(RF)のプロットとして示す)。太い曲線は、交差反応性がない場合に期待される反応である。タンパク質6〜9に関する非特異的相互作用の反応を、印をつけた曲線に示す。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図3は、本発明の光架橋核酸リガンドの配列を提供する。 図4は、1nM bFGFおよび10nM bFGFでの2つの異なるbFGF核酸リガンドに関して、CBQCA染色と比較したNHS−Alexa−555染色を示す。 図5は、明記した濃度のNHS−Alexa−555、マレイミド−Alexa−555、および2つの異なるpH値でのトラウト試薬処理後のマレイミド−Alexa−555下の、bFGF、アンジオゲニン、およびエンドスタチンに対する光架橋核酸リガンドで観察される標的染色間の比較を例示する。 図6は、テトラニトロメタン/抗ニトロチロシン抗体を含んでなるUPSを用い、異なるタンパク質濃度で固定bFGFアプタマーを用いて得られる結果を示す。具体的には、グラフは、log(タンパク質の存在下での相対蛍光単位(RFU)−タンパク質の非存在下でのRFU)に対するlog(pg/ml bFGFタンパク質)をプロットする。 図7は、核酸マイクロアレイを含むApogentスライド表面上の明記するタンパク質に関する用量反応曲線を示す。2つのデータセットは、PEGリンカー付着を伴うものおよび伴わないものの、エンドスタチンに対する光架橋核酸リガンド(92.4)の活性を対比させる。データは、修正RFU(RFU−バックグラウンド)に対するエンドスタチン濃度(M)としてプロットされている。 図8は、光架橋核酸アレイのレイアウトを例示する。各フィーチャーを3回連続してスポッティングする。 図9は、明記する標的濃度で、bFGF、アンジオゲニン、エンドスタチン、およびトロンビン光架橋核酸リガンドのアレイから取った画像を示す。 図10は、トロンビン光架橋核酸リガンド反応の複数のアレイからの画像を示す。このデータを用いて、トロンビン光架橋核酸リガンドの用量−反応曲線を提供する。 図11は、4つの複製アレイからのbFGF、アンジオゲニン、エンドスタチン、およびトロンビン光架橋核酸リガンドの画像を示す。各標的タンパク質の相対濃度は、グラフが示すように、アレイ間で多様である。 図12は、各々、異なる濃度のbFGFと接触させた、複数のアレイ由来のbFGF光架橋核酸リガンド結合曲線を示す。グラフは、RFUに対するbFGF濃度(nM)のプロットである。 図13は、gp120MN、bFGF、およびトロンビンに対する光架橋核酸リガンドを含んでなるアレイを例示する。一方のスライドを5%血清のみとインキュベーションし;もう一方のスライドを、5%血清+100nM gp120MNとインキュベーションした。 図14は、光架橋核酸アレイのレイアウトを例示する。 図15は、同族標的タンパク質とのインキュベーション後の、図14のアレイの蛍光画像を示す。 図16は、エンドスタチン核酸リガンドの用量反応プロフィールを示すアレイ画像を提供する(0pM〜10,000pMエンドスタチン)。アレイ上のエンドスタチンフィーチャーをボックスに区別する。 図17Aは、5%脱線維素/脱脂質ヒト血清基本マトリックスにおける14の異なる標的タンパク質の用量反応曲線を提供する。各プロットは、タンパク質標的濃度(pM)対RFUを示す。 図17Bは、5%脱線維素/脱脂質ヒト血清基本マトリックスにおける14の異なる標的タンパク質の用量反応曲線を提供する。各プロットは、タンパク質標的濃度(pM)対RFUを示す。 図17Cは、5%脱線維素/脱脂質ヒト血清基本マトリックスにおける14の異なる標的タンパク質の用量反応曲線を提供する。各プロットは、タンパク質標的濃度(pM)対RFUを示す。 図17Dは、5%脱線維素/脱脂質ヒト血清基本マトリックスにおける14の異なる標的タンパク質の用量反応曲線を提供する。各プロットは、タンパク質標的濃度(pM)対RFUを示す。 図17Eは、5%脱線維素/脱脂質ヒト血清基本マトリックスにおける14の異なる標的タンパク質の用量反応曲線を提供する。各プロットは、タンパク質標的濃度(pM)対RFUを示す。 図17Fは、5%脱線維素/脱脂質ヒト血清基本マトリックスにおける14の異なる標的タンパク質の用量反応曲線を提供する。各プロットは、タンパク質標的濃度(pM)対RFUを示す。 図17Gは、5%脱線維素/脱脂質ヒト血清基本マトリックスにおける14の異なる標的タンパク質の用量反応曲線を提供する。各プロットは、タンパク質標的濃度(pM)対RFUを示す。 図18は、Accelr8スライド表面上、5%血清におけるVEGF、エンドスタチン、およびカタラーゼの用量−反応曲線を例示する。個々のプロットは、logRFUに対するlog[タンパク質、M]のものである。 図19は、ビーズ上に固定された、b−NGFに対する5つの特有の核酸リガンドとともに、1つの非同族アプタマーのタンパク質結合曲線を示す。 図20は、固体支持体上に固定されたエンドスタチンおよびトロンビン光架橋核酸リガンドを用いた、組織培地および20%「血餅除去」血清における内因性トロンビンおよびエンドスタチンの検出を例示する。
【配列表】
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Claims (45)

  1. 試験混合物に含有されていると推測される標的分子の存在を検出する方法であって、前記標的分子がタンパク質であり、該方法が;
    a)固体支持体を提供し、ここで前記固体支持体は前記標的タンパク質に特異的な親和性を有する光反応性核酸リガンドを含んでなり、前記光反応性核酸リガンドは非ワトソン−クリック相互作用を通じて前記標的分子に特異的に結合する;
    b)前記標的分子を含有していると推測される前記試験混合物と前記固体支持体を接触させ、ここで前記標的分子が存在しているならば、核酸リガンド−標的分子複合体が形成される;
    c)前記固体支持体に光照射し、ここで前記核酸リガンド−標的分子複合体が光架橋される;
    d)前記固体支持体から、非特異的に結合した物質を取り除き;
    e)前記固体支持体と普遍的タンパク質染色剤(UPS)を接触させ、ここで前記UPSは検出可能部分でタンパク質を標識する1以上の試薬を含んでなる;そして
    f)前記固体支持体上の前記検出可能部分の存在を検出することによって、前記標的分子の存在を検出する
    ことを含んでなる、前記方法。
  2. 前記工程d)が、前記バイオチップを、核酸を変性させる条件に曝露することによって達成される、請求項1の方法。
  3. 工程d)が、前記バイオチップを、タンパク質を変性させる条件に曝露することによって達成される、請求項1の方法。
  4. 前記検出可能部分が色素(dye)である、請求項1の方法。
  5. 前記色素が蛍光体である、請求項4の方法。
  6. 前記検出可能部分が酵素である、請求項1の方法。
  7. 前記酵素がアルカリホスファターゼである、請求項6の方法。
  8. 前記酵素が西洋ワサビ(horseradish)ペルオキシダーゼである、請求項6の方法。
  9. 前記検出可能部分が酵素基質である、請求項1の方法。
  10. 前記検出可能部分が放射標識である、請求項1の方法。
  11. 前記UPS試薬の少なくとも1つが第一級アミンと反応する、請求項1の方法。
  12. 第一級アミンがリジン残基上に存在する、請求項11の方法。
  13. 前記UPS試薬の少なくとも1つと前記第一級アミンとの反応が、有機溶媒の存在下で起こる、請求項11の方法。
  14. 前記UPS試薬の少なくとも1つがチオールと反応する、請求項1の方法。
  15. 前記UPS試薬の少なくとも1つがアルコールと反応する、請求項1の方法。
  16. 前記UPS試薬の少なくとも1つがカルボキシレートと反応する、請求項1の方法。
  17. 前記UPSがN−ヒドロキシスクシンイミドに活性化される色素を含んでなる、請求項1の方法。
  18. 前記UPSがN−ヒドロキシスクシンイミドに活性化される蛍光体を含んでなる、請求項17の方法。
  19. 前記UPSがCBQCA(3−(4−カルボキシベンゾイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド)を含んでなる、請求項1の方法。
  20. 前記UPSが、イソシアネート、イソチオシアネート、アジ化アシル、塩化スルホニル、アルデヒド、4−スルホ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール(STP)エステル、NBD(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)クロリド、NBDフルオリド、およびジクロロトリアジンからなるリストから選択されるアミン反応基を所持する試薬を含んでなる、請求項1の方法。
  21. 前記UPSが:
    a)第一級アミンと反応可能なビオチン誘導体;および
    b)前記検出可能部分にコンジュゲート化されたストレプトアビジン
    を含んでなる、請求項1の方法。
  22. 前記UPSが:
    a)第一級アミンと反応可能な第一のビオチン誘導体;
    b)ストレプトアビジン;および
    c)前記検出可能部分にコンジュゲート化された第二のビオチン誘導体
    を含んでなる、請求項1の方法。
  23. 前記UPSが:
    a)2−イミノチオレーン;および
    b)色素のチオール反応性誘導体
    を含んでなる、請求項1の方法。
  24. 前記色素の前記チオール反応性誘導体がマレイミド基を含んでなる、請求項23の方法。
  25. 前記UPSが:
    a)第一級アミンと反応可能なハプテン誘導体;および
    b)前記検出可能部分にコンジュゲート化された抗ハプテン抗体
    を含んでなる、請求項1の方法。
  26. 前記UPSが:
    a)第一級アミンと反応可能なハプテン誘導体;
    b)抗ハプテン抗体;および
    c)前記検出可能部分にコンジュゲート化された二次抗体、ここで前記の二次抗体は前記抗ハプテン抗体に結合する
    を含んでなる、請求項1の方法。
  27. 前記UPSが:
    a)アミノ酸側鎖を修飾する試薬;
    b)前記の修飾されたアミノ酸側鎖を特異的に認識する抗体
    を含んでなる、請求項1の方法。
  28. 前記抗体が前記検出可能部分にコンジュゲート化されている、請求項27の方法。
  29. アミノ酸側鎖を修飾する前記試薬がニトロシル化(nitrosylating)剤であり、そして前記抗体が抗ニトロチロシン抗体である、請求項27の方法。
  30. 前記ニトロシル化剤がテトラニトロメタンである、請求項29の方法。
  31. アミノ酸側鎖を修飾する前記試薬がスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドアセテートであり、そして前記抗体が抗アセチル化リジン抗体である、請求項27の方法。
  32. 試験混合物に含有されていると推測される標的分子の存在を検出する方法であって、検出しようとする前記標的分子がタンパク質であり、該方法が;
    a)固体支持体を含んでなるバイオチップを提供し、ここで前記固体支持体は複数の空間的に定義されたアドレスを含んでなり、前記アドレスは各々、それに付着した単一種の核酸リガンドを少なくとも1コピー含んでなり、前記種の核酸リガンドは各々、前記試験混合物に含有されていると推測される前記標的分子の1つに特異的な親和性を有し、そして前記種の核酸リガンドは各々、非ワトソン−クリック相互作用を通じて前記標的分子に特異的に結合する;
    b)前記標的分子を含有していると推測される前記試験混合物と前記バイオチップを接触させ;
    c)前記バイオチップから、非特異的に結合した物質を取り除き;
    d)前記固体支持体と普遍的タンパク質染色剤(UPS)を接触させ、ここで前記UPSは検出可能部分でタンパク質を標識する1以上の試薬を含んでなる;そして
    e)前記バイオチップ上の適切なアドレスで、前記検出可能部分の存在を検出することによって、前記標的分子の存在を検出する
    ことを含んでなる、前記方法。
  33. 試験混合物に含有されていると推測される標的分子の存在を検出する方法であって、前記標的分子がタンパク質であり、該方法が;
    a)固体支持体を提供し、ここで前記固体支持体は前記標的タンパク質に特異的な親和性を有する核酸リガンドを含んでなり、前記核酸リガンドは非ワトソン−クリック相互作用を通じて前記標的分子に特異的に結合する;
    b)前記標的分子を含有していると推測される前記試験混合物と前記固体支持体を接触させ;
    c)前記固体支持体から、非特異的に結合した物質を取り除き;
    d)前記固体支持体と普遍的タンパク質染色剤(UPS)を接触させ、ここで前記UPSは検出可能部分でタンパク質を標識する1以上の試薬を含んでなる;そして
    e)前記バイオチップ上の適切なアドレスで、前記検出可能部分の存在を検出することによって、前記標的分子の存在を検出する
    ことを含んでなる、前記方法。
  34. 試験混合物に含有されていると推測される標的分子の存在を検出する方法であって、検出しようとする前記標的分子がタンパク質であり、該方法が;
    a)固体支持体を含んでなるバイオチップを提供し、ここで前記固体支持体は複数の空間的に定義されたアドレスを含んでなり、前記アドレスは各々、それに付着した単一種の核酸リガンドを少なくとも1コピー含んでなり、前記種の核酸リガンドは各々、前記試験混合物に含有されていると推測される前記標的分子の1つに特異的な親和性を有し、前記種の核酸リガンドは各々、非ワトソン−クリック相互作用を通じて前記標的分子に特異的に結合し、そして検出しようとする前記標的分子に特異的な親和性を有する前記核酸リガンドは光反応性核酸リガンドである;
    b)前記標的分子を含有していると推測される前記試験混合物と前記バイオチップを接触させ、ここで前記標的分子が存在しているならば、核酸リガンド−標的分子複合体が形成される;
    c)前記バイオチップに光照射し、ここで前記核酸リガンド−標的分子複合体が光架橋される;
    d)前記バイオチップから、非特異的に結合した物質を取り除き;
    e)タンパク質と共有的に反応し、そして核酸とは反応しない試薬と、前記バイオチップを接触させ;そして
    f)前記バイオチップ上の適切なアドレスで、前記検出可能部分の存在を検出することによって、前記標的分子の存在を検出する
    ことを含んでなる、前記方法。
  35. 固体支持体に付着した複数の核酸リガンドのアレイを含んでなるバイオチップであって、複数の前記核酸リガンドが非ワトソン−クリック相互作用を通じて標的分子と特異的に会合し、そして前記標的分子が検出可能部分で標識される、前記バイオチップ。
  36. 核酸リガンドを固体支持体に付着させる方法であって:
    a)前記核酸リガンドをポリ(エチレングリコール)(PEG)で誘導体化し;
    b)前記固体支持体に前記PEGを付着させる
    ことを含んでなる、前記方法。
  37. 前記PEGがビニルスルホン−PEGであり、そして前記固体支持体がチオール基を含んでなる、請求項36の方法。
  38. 複数種の光架橋核酸リガンドの用量−反応特性を同時に測定する方法であって、光架橋核酸リガンドの前記種が各々、同族(cognate)標的タンパク質に特異的な親和性を有し、該方法が:
    a)複数のアレイを提供し、ここで前記アレイは各々、複数の空間的に定義されたアドレスを含んでなり、前記アドレスは各々、それに付着した単一種の光架橋核酸リガンドを少なくとも1コピー有する;
    b)複数の標的タンパク質混合物を提供し、ここで混合物は各々、特有の標的タンパク質濃度プロフィールを含んでなる;
    c)前記アレイを各々、前記混合物の異なる1つと接触させ;そして
    d)前記アレイ各々の上の前記アドレス各々に結合した標的タンパク質の量を測定し、それによって、光架橋核酸リガンドの前記種各々の用量−反応特性を同時に測定する
    ことを含んでなる、前記方法。
  39. 前記標的タンパク質濃度プロフィールが各々、前記標的タンパク質の異なる1つに関して約0Mの濃度値を含んでなる、請求項38の方法。
  40. 前記同族標的タンパク質の各対の組み合わせに対して、少なくとも1つの標的タンパク質混合物が、対の組み合わせの第二のメンバーよりも少なくとも一桁高い濃度で、対の組み合わせの第一のメンバーを含んでなり、そして少なくとも1つの標的タンパク質混合物が、対の組み合わせの第二のメンバーよりも少なくとも一桁低い濃度で、対の組み合わせの第一のメンバーを含んでなるように、前記標的タンパク質濃度プロフィールが設定されている、請求項38の方法。
  41. 前記同族標的タンパク質の各対の組み合わせに対して、少なくとも1つの標的タンパク質混合物が、対の組み合わせの第二のメンバーよりも少なくとも二桁高い濃度で、対の組み合わせの第一のメンバーを含んでなり、そして少なくとも1つの標的タンパク質混合物が、対の組み合わせの第二のメンバーよりも少なくとも二桁低い濃度で、対の組み合わせの第一のメンバーを含んでなるように、前記標的タンパク質濃度プロフィールが設定されている、請求項38の方法。
  42. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)gp120に対する、精製され、そして単離された非天然存在核酸リガンド。
  43. 前記gp120がHIV株MN由来である(gp120MN)、請求項42の核酸リガンド。
  44. デオキシリボ核酸である、請求項43の核酸リガンド。
  45. 前記リガンドが:
    Figure 2005517456
    である、請求項44の核酸リガンド。
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