JP2005516953A6 - 3−位がヘテロ環によって置換されたピペリジン−2,6−ジオン - Google Patents

3−位がヘテロ環によって置換されたピペリジン−2,6−ジオン Download PDF

Info

Publication number
JP2005516953A6
JP2005516953A6 JP2003554672A JP2003554672A JP2005516953A6 JP 2005516953 A6 JP2005516953 A6 JP 2005516953A6 JP 2003554672 A JP2003554672 A JP 2003554672A JP 2003554672 A JP2003554672 A JP 2003554672A JP 2005516953 A6 JP2005516953 A6 JP 2005516953A6
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piperidine
dione
general formula
quinazolin
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003554672A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005516953A (ja
Inventor
ブッシュマン・ヘルムート・ハインリヒ
フロシュ・シュテファニー
ゲルマン・ティーノ
ツィンマー・オスヴァルト・カール
タイル・フリッツ
Original Assignee
グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE10163595A external-priority patent/DE10163595A1/de
Application filed by グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング filed Critical グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
Publication of JP2005516953A publication Critical patent/JP2005516953A/ja
Publication of JP2005516953A6 publication Critical patent/JP2005516953A6/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

本発明は3-位がヘテロ環によって置換されたピペリジン-2,6-ジオン、その製造方法及びこれを医薬の形で、特に炎症- 及び自動免疫疾患及び(又は)血液学-腫瘍学的疾患の治療及び(又は)予防用免疫調節剤として使用する方法に関する。

Description

本発明は一般式I
Figure 2005516953
で表わされる3-位がヘテロ環によって置換されたピペリジン-2,6-ジオン、その製造方法及びこれを医薬の形で使用する方法に関する。
従来技術
自動免疫疾患は、生体に特有な構造に対する免疫システムの反応性に基づいて生じる。その際通常存在する、生体に特有な組織に対する耐性は失われる。種々の自動免疫疾患の病原に、抗体と共に特にT-リンパ球及び単球/マクロファージが決定的な役割をはたす。活性化された単球/マクロファージは、種々の炎症助長媒介物質の多くを分泌する。この媒介物質は自動免疫疾患による組織の破壊に直接的又は間接的原因となっている。単球/マクロファージの活性化は、T-リンパ球との相互作用において又は細菌による産生物、たとえばリポポリサッカライド(LPS)によって行われる。活性化された単球/マクロファージによって生じる炎症助長物質はインターロイキン-12 (IL-12)である。
IL-12は共有結合するp35 及び p40鎖から成るヘテロダイマー分子である。この分子は抗原提供細胞(単球/マクロファージ、樹状細胞、B-リンパ球)から種々の細菌による産生物、たとえばLPS、リポ蛋白質、細菌性DNAによる活性化の後に又は活性化されたT−リンパ球との相互作用で生じる(Trinchieri 1995. Ann. Rev.Immunol. 13: 251)。IL-12は中枢性免疫調節で重要であり、そして炎症助長性TH1反応性の発生の原因になっている。特有の抗原に対するTH1免疫反応の存在で重い疾患の発生が起こる。これはたとえば多数の動物実験及び最初の臨床試験で明らかに実証されている。疾患、たとえばリューマチ性関節炎、多発性硬化症、真性糖尿病並びに炎症性腸−、皮膚- 及び粘膜疾患に関する種々の動物実験で、IL-12の病態生理学的重要性が分る(Trembleau 等, 1995. Immunol.Today 16: 383; Muller 等, 1995. J.Immunol. 155: 4661; Neurath 等, 1995. J.Exp.Med. 182: 1281; Segal 等, 1998. J.Exp.Med. 187: 537; Powrie 等, 1995. Immunity 3: 171; Rudolphi 等, 1996. Eur.J.Immunol. 26: 1156; Bregenholt 等, 1998. Eur.J.Immunol. 28: 379)。IL-12の投与によって夫々の疾患が解決されるか又は内因性IL-12の中和(Neutralisierung) の後、動物の治癒に至るまで軽減された疾病経過を示す。現在、ヒトにおけるIL-12に対する抗体の使用は際立っている。
サイトカインIL-10は炎症助長性サイトカインTNFa, IL-1, IL-6, IL-8, IL-12 及びGM-CSFの合成をヒト及びネズミ単球/マクロファージによって阻害する(Fiorentino 等, 1991. J.Immunol. 146: 3444; De Waal Malefyt 等. 1991. J.Exp.Med. 174:1209)。それによって間接的にTH1 リンパ球によるIFN-gの合成の阻害も起こる。IL-10の形成が単球/マクロファージによって炎症助長性サイトカインの合成に比べて僅かに時間的に遅く生じることは興味深いことである。IL-10での抗原提供細胞の処理は、その不活性化をみたらす。このような細胞はT-リンパ球をIFN-g の増殖又は合成のために活性化されう必要がない。しかしこのT-リンパ球自体が多量のIL-10を分泌し、そして炎症を抑制させる。これはたとえば炎症性腸疾患に対する動物実験の例で示すことができる(Groux 等, 1997. Nature 389: 737)。炎症性皮膚疾患の発生もIL-10によって阻止することができる (Enk 等, 1994. J.Exp.Med. 179: 1397)。
要約すると、IL-12の過剰又はIL-10の欠乏は多くの炎症性/自動免疫疾患の病態生理学の原因となることが認められる。したがって炎症助長性(IL-12) と炎症阻害性 (IL-10) サイトカインのバランスの回復のための調製物が上記疾患で多大な治療効果を有する。
更にIL-12は細胞の生存の調節にも関与する。非調節細胞増殖を特にアポトーシス(プログラム細胞死)によって調節する。T-リンパ球でIL-12は抗アポトーシス作用を有し、 T-細胞の生存を助長する(Clerici 等. 1994. Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91: 11811; Estaquier 等. 1995. J.Exp.Med. 182: 1759)。したがってIL-12の局部的過産生は腫瘍細胞の生存に寄与することができる。したがってIL-12形成の阻害は腫瘍治療でも多大な治療効果を有する。
IL-12阻害及び IL-10 増加の免疫調節作用機序を有する物質は サリドマイドである。臨床研究から、最近になってようやく次の疾患へのサリドマイド のポジティブな効果を得ている: らい性結節性紅斑(Sampaio 等. 1993. J.Infect.Dis. 168: 408), アフタ症 (Jacobson 等. 1997. N.Engl.J.Med. 336: 1487), 慢性拒絶反応 (Vogelsang, 等. 1992. N.Engl.J.Med. 326: 1055), 炎症性腸疾患(Ehrenpreis 等. 1999. Gastroenterology 117: 1271; Vasiliauskas 等. 1999. Gastroenterology 117: 1278) 並びに多数の皮膚疾患 (Bernal 等. 1992. Int.J.Derm. 31: 599)。 臨床研究によれば、現在一連の腫瘍に対する治療にも有効である(Rajkumar, 2001. Oncology 15: 867)。 多発性骨髄腫における有効性は確かであると考えられる(Singhal, 1999. N.Engl.J.Med. 341: 1565)。
しかしサリドマイドはその鎮静、 催奇性及び神経障害を含む一連の副作用を解決する。更にこの物質は難溶性であり、そして強い加水分解不安定性である。
したがって本発明が基礎とする課題は、上記免疫調節成分を有し、さらに比較的僅かな加水分解不安定性及び改善された溶解性を示す新規化合物を開発することにある。
この開発すべき化合物に求められる要求は特定の置換されたピペリジン-2,6-ジオン類によって満たされる。
したがって本発明の対象は一般式I
Figure 2005516953
{式中、
R1 及び R2 は相互に同一か又は異なり、H, Br, Cl, F, CF3, OH, NO2, NH2, N(CH3)2, C1-3-アルキル, C1-3-アルコキシ, フェニルを示すか又はこれらが一緒になって縮合されたベンゼン環を示し、この際この環は場合によりR1 及び(又は) R2 によって置換され、 R1及び R2 は上記に定義された通りであり、
R3はH、メチル基又はC-N-単結合がある場合、 OH, C1-3-アルコキシ又は[O(CO)C1-3-アルキル]-基を示すか又はこれがC-原子と一緒になってカルボニル基を示し、
R4はH, F, CF3 又はC1-3-アルキルを示し、
R5はH, CH2-OH-基又は基CH2-NR6R7(式中、R6 及びR7は同一か又は異なり、C-原子数1-6のアルキル基(直鎖状又は分枝状)を示すか又はこれがN-原子と一緒になってピロリジン-, ピペリジン-, ヘキサ-メチレンイミン- 又はモルホリン環を示す。)を示し、
Nは0又は1を示し、
Mは0, 1 又は2を示す。}
で表わされる3-位がヘテロ環によって置換されたピペリジン-2,6-ジオンである。
本発明の化合物は純粋な対掌体又は非ラセミ性対掌体混合物、ラセミ化合物、ジアステレオマー又はジアステレオマー混合物としてその遊離塩基の形に及び又は生理学的に許容し得る有機又は無機酸との塩の形にあることができる。
好ましい化合物はR1 及びR2が相互に同一か又は異なり、H, Br, Cl, F, CF3, NO2, NH2, C1-3-アルキル, C1-3-アルコキシ又はこれらが一緒になって縮合されたベンゼン環を示し、
R3がH 又はOHを示し、R4がH 又はメチル基、R5 がH 又は基CH2-NR6R7を示し、この際R6 及びR7はN-原子と一緒になってピペリジン環を示し、n = 0 及びm = 1 又は 2 である化合物である。
特に好ましくはR1 及びR2が相互に同一か又は異なり、H, Cl, F, CH3 又はNO2を示し、R3, R4 及びR5が水素を示し、n = 0 及びm = 1 であり、C=N-二重結合である化合物である。
その他の好ましい化合物を挙げる:
3-(7-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する臭化水素酸塩。
3-(6-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する臭化水素酸塩。
3-(4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する臭化水素酸塩 又は塩酸塩。
3-(2-ヒドロキシ-1,4-ジヒドロ-2H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(6-メトキシ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する塩酸塩。
3-(5-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(8-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(6-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(8-メトキシ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する塩酸塩。
3-(7-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン 及びその対応する塩酸塩。
3-(4H-ベンゾ[g]キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(5-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(5-ニトロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(7-トリフルオロメチル)-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(7-ニトロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(8-ブロモ-6-メチル-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(5-メチル-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(6,7-ジフルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-メチル-3-(4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(4,5-ジヒドロベンゾ[d][1,3]ジアゼピン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(5-アミノ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン 及びその対応する二塩酸塩。
3-(7-アミノ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン 及びその対応する二塩酸塩。
3-(7-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)1-ピペリジン-1-イルメチル-ピペリジン-2,6-ジオン。
そのうち特に好ましくは次の化合物である:
3-(7-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン 及びその対応する臭化水素酸塩。
3-(4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する臭化水素酸塩。
3-(5-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
3-(7-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン 及びその対応する塩酸塩。
3-(5-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン。
本発明の別の対象は本発明の一般式Iで表わされる化合物の製造方法である。
一般式Iで表わされる化合物は
まず一般式II
Figure 2005516953
で表わされるアミノ化合物を一般式III
Figure 2005516953
で表わされる3-ブロモピペリジン-2,6-ジオン誘導体でアルキル化して一般式IA
Figure 2005516953
で表わされる化合物とし、この際化合物IA, II 及び III において基 R1 〜 R4は上記に定義された通りであり、ついでR5 が水素を示してはならない場合、 この基をホルムアルデヒドとの反応によって、場合により一般式HNR6R7 で表わされるアミン(式中、R6 及び R7 は上記に定義された通りである。)との反応と共に導入することによって得られる。一般式IAで表わされる化合物 において基 R4 が水素である場合、それ自体公知のアルキル化反応又はハロゲン化反応によってこの基を残りのR4-置換基で置換する。
式 IAで表わされる化合物において R1及び(又は) R2 がニトロ基を示す場合、 これからそれ自体公知の方法で、たとえば接触的に活性化された水素で還元することによって化合物IA (式中、R1 及び(又は) R2はアミノ基を示す。)を製造することができる。
一般式Iで表わされる化合物は、一般式IIで表わされるアミノ化合物をまず 一般式IV
Figure 2005516953
で表わされる3-ブロモピペリジン-2-オン誘導体でアルキル化して一般式IB
Figure 2005516953
で表わされる化合物とし、これを好ましくはm-クロロ-過安息香酸又はルテニウム(IV)-オキシド/過ヨウ化ナトリウムで酸化して上記一般式IAで表わされる化合物とし、場合によりその他の基R4 及び(又は) R5 を導入することによって得られる。
好ましい一般式Iで表わされる化合物(式中、m = 1 及びn = 0 を示し、R3 はH 又はOHを示す。)は一般式VI
Figure 2005516953
(式中、R1及び R2 は上記に定義された通りである。)
で表わされるホルムアミド誘導体[これは対応する2-アミノベンジルアルコールの選択的N-ホルミル化によって又はN,O-ビスホルミル誘導体の選択的O-脱ホルミル化によって、たとえば酵素によってCAL-Bを用いて得られる。]を先ずそれ自体公知の方法で、たとえばピリジウムジクロマートを用いて酸化して一般式VII
Figure 2005516953
で表わされるベンズアルデヒドとし、これをグルタミンを用いて錯体水素化ホウ素、たとえば水素化ホウ素ナトリウムの使用下に還元アミノ化して一般式VIII
Figure 2005516953
で表わされる化合物に変えることによって製造される。ついでこの一般式VIII で表わされる化合物をたとえばN,N‘-カルボニルジイミダゾールを用いて閉環して一般式IX
Figure 2005516953
で表わされるグルタルイミドとし、好ましくはアミン官能基の、たとえばベンジルオキシカルボニル基(これは引き続き氷酢酸中の臭化水素によって再度離脱する。)による予めの保護の後に閉環することができる。
一般式IXで表わされる化合物からプロトン性溶剤、たとえば水中で酸触媒下で最後に一般式Iで表わされる化合物(式中、R1, R2 及びR4 は上記に定義された通りであり、 m は1, n は0 を示し、C=N-二重結合が存在し、R3 又はR5 は水素原子であって、これはR5 が水素であってはならない場合、上述のように残りの定義された置換基で置換される。)に変換される。
一般式IXで表わされる化合物(式中、アミン官能基はベンジルオキシカルボニル基によって保護されている。)でこの保護基を水素化分解による離脱する場合、一般式Iで表わされる化合物(式中、R1, R2 及び R4は上記に定義された通りであり、 C-N-単結合が存在し、R3 はヒドロキシ基を示す。)が得られる。希酸を用いて有機溶剤、たとえばメタノール中でこの化合物を水の離脱によって、C=N-二重結合を有し、 R3 =水素である一般式Iで表わされる化合物に変えることができる。
一般式VIIで表わされる化合物の還元アミノ化後、反応混合物を酸で処理した場合、これから一般式X
Figure 2005516953
(式中、R1, R2 及びR4は上記に定義された通りである。)
で表わされる化合物を生じ、これをたとえば無水酢酸/アセチルクロライドを用いて閉環することによって一般式I で表わされる化合物(式中、m = 1 及び n = 0 を示し、C=N-二重結合を有し、R1, R2 及びR4 は上記に定義された通りであり、R3又はR5が Hを示す。)に変える。その後場合により他の定義にしたがうR4及び(又は) R5 を上述のように導入する。
同様な方法で、それと同時に一般式Iで表わされる化合物(しかし m = 2であり、残り基は上記に定義された通りである。)も製造することができる。
本発明の化合物は免疫調節活性を有し、したがってこれはLPS-活性化された単求中でのIL-12 産生の劇的な還元をIL-10 産生の同時の増加と共に誘発する。この作用機序に基づきこの化合物は、多大な治療効果を過剰のIL-12 産生及び IL-10の相対的欠乏が病因となる疾患において示す。すなわちこのような化合物は炎症- 及び自動免疫疾患の治療及び(又は)予防のために使用される。IL-12の抗アポトーシス作用に基づき、本発明の化合物は血液学−腫瘍学的疾患でのIL-12の形成の抑制にも適する。
これが当該化合物と公知の免疫調節剤、たとえばIL-12及び IL-10の合成を単球によって抑制するコルチコステロイド(たとえばデキサメタゾン)との違いである。
サリドマイドに比べて、新規化合物は驚くべきことに改善された有効性、良好な水溶性並びにより僅かな加水分解不安定性の点で優れている。
上記形態悪化の疾患に特に皮膚炎症(たとえばアトピー性皮膚炎、乾癬、湿疹、らい性結節性紅斑)、気管炎症(たとえば気管支炎、肺炎、気管支喘息、ARDS(adult respiratorydistress syndrom) 、サルコイド症、珪肺症/ 線維症) 、胃腸域炎症( たとえば胃十二指腸潰瘍、クローン病、潰瘍性大腸炎) 、更なる疾患、たとえば肝炎、膵炎、盲腸炎、腹膜炎、腎炎、アフタ症、結膜炎、角膜炎、ブドウ膜炎、鼻炎が属する。
自動免疫疾患は、たとえば形態悪化の関節炎(たとえばリュウマチ性関節炎、HLA−B27に関連する疾患、リウマチ性脊椎炎)、更に多発性硬化症、若年糖尿病又は狼瘡紅斑を含む。
他の症状は敗血症、敗血症性ショック、細菌性髄膜炎、ミコバクテリア感染、AIDSの際の日和見感染、悪液質、移植片- 拒絶反応、対宿主性移植片反応並びに慢性心不全(Chronisches Herzversagen) 、心不全、再潅流症候群及びアテローマ性動脈硬化症である。
さらに慢性苦痛状態、線維筋痛症、ズーデック病(反射性交感神経性ジストロフィ(RSD))も症状に挙げられる。
更に血液学的疾患、たとえば多発性骨髄腫、骨髄組織過形成症候群及び白血病並びにその他の腫瘍学的疾患、たとえば神経膠芽腫症、前立腺癌、乳癌、甲状腺癌、頭部癌、及び頸部癌、すい臓癌及び結腸直腸癌並びにメラノーマ及びカポシ肉腫は、上記免疫調節剤が適用されうる病像である。
本発明による医薬は、少なくとも1種の一般式Iの化合物と共に、賦形剤、増量剤、溶剤、希釈剤、着色料及び(又は)結合剤を含有する。助剤の選択及び使用される量は、医薬が経口、直腸、眼(硝子体内、房内)、鼻腔内、局所(専らバッカル及び舌下)、膣内又は非経口(専ら皮下、筋肉内、静脈内、皮内、気管内及び硬膜内)に投与されねばならないかどうかに依存する。
経口投与に、錠剤、そしゃく錠、糖衣丸、カプセル、顆粒、滴剤、液剤又はシロップの形の製剤が、非経口、外用及び吸入投与に、溶液、懸濁液、容易に再構成可能な乾燥調製物並びにスプレーの形の製剤が適当である。皮膚投与製剤は軟膏、ゲル、クリーム及びパスタ剤である。眼投与製剤は滴剤、軟膏及びゲルを含む。場合により皮膚浸透を促剤する剤の添加下に溶解された形でデポ剤としての、担体薄片としての又は硬膏剤としての本発明の化合物は、たとえば経皮投与形として適当である。経口又は経皮投与可能な製剤形から、本発明の化合物を徐放することができる。
患者に投与されうる有効物質は、患者の体重、投与の種類、症状及び疾病の重さによって変化する。
下記例によって本発明を詳述する。
クロマトグラフィー分離に対する固定相としてシリカゲル60 (0,040 〜 0,063 mm) ( E. Merck社, Darmstadt)を使用する。溶離剤の混合割合は常に容量/容量で表される。
物質をその融点及び(又は)1H-NMR-スペクトルによって特徴づける。スペクトル吸収は300 MHzでGemini 300装置(Varian社)を用いて行われる。化学変化をppm で示す (d-スケール)。内部標準としてテトラメチルシラン (TMS)を使用する。
例1
3-(7-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 臭化水素酸塩
工程 1:
N-(5-クロロ-2-ヒドロキシメチルフェニル)ホルムアミド
無水テトラヒドロフラン50 ml 中に(2-アミノ-4-クロロフェニル) メタノール5,00 g、ギ酸シアンメチルエステル2,73 g 及び4-N,N-ジメチルアミノピリジン0,04 gを有する溶液を72時間20°Cで攪拌する。ついで溶剤を減圧蒸発させて、残留物を酢酸エチルエステル50 ml中に取る。溶液を0,01 N 塩酸及び飽和塩化ナトリウム溶液それぞれ100 ml で続けて2回洗浄し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、ついで減圧蒸発させる。
残留物を溶離剤として酢酸エチルエステル/シクロヘキサン (2/1)を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。目的化合物1,41 g (理論値の24 % )が淡い黄色結晶で得られる。融点: 120 - 124°C。
工程2:
N-(5-クロロ-2-ホルミルフェニル)ホルムアミド
無水ジクロロメタン350 ml中に工程1からの生成物1,40 g及びピリジニウムジクロマート3,40 g を有する混合物を24時間20°Cで攪拌する。 ついでろ過し、ろ液を減圧で蒸発させる。残留物を溶離剤として酢酸エチルエステル/シクロヘキサン(1/1)を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。この際 目的化合物0,88 g (理論値の64 %)を 結晶形で生じる。融点: 131 - 136°C。
工程 3:
2-[ベンジルオキシカルボニル-4-クロロ-2-ホルミルアミノベンジル)アミノ]-4-カルバモイル酪酸
2 N 苛性ソーダ溶液2,8 ml 中にL-グルタミン0,75 gを有する溶液にテトラヒドロフラン12 mlに工程2からの生成物1,02 g を有する溶液を添加する。混合物を1時間20°Cで攪拌し、0°Cに冷却し、水素化ホウ素ナトリウム0,13 gを少しづつ添加する。20°C で12時間の攪拌後、1時間以内にテトラヒドロフラン5,5 ml 中にピロ炭酸ジベンジルエステル1,47 g を有する溶液を滴下する。ついで2 N 苛性ソーダ溶液2 mlを添加する。20°C で12時間の攪拌後、テトラヒドロフランを減圧で十分に蒸発させて、残留物を3回それぞれ20 mlのジエチルエーテルを用いて抽出する。水相を2 N 塩酸を用いて pH 1にさせ、3回それぞれ20 mlの酢酸エチルエステルを用いて抽出する。精製された有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、減圧で蒸発させる。この際目的化合物 0,99 g (理論値の40 %)を生じる。これは精製することなく更に反応させる。
工程4:
(4-クロロ-2-ホルミルアミノベンジル)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル-) カルバミド酸ベンジルエステル
無水テトラヒドロフラン50 ml中に工程3からの生成物0,98 g及びN,N‘-カルボニルジイミダゾール 0,97 gを有する溶液を8時間還流加熱する。 冷却後、減圧で蒸発させ, 残留物をそれぞれ40 mlの水又は酢酸エチルエステル中に取り、有機相を分離する。水相を3回それぞれ20 mlの酢酸エチルエステルを用いて抽出する。一緒にされた有機相を3回それぞれ20 ml の水、ついで飽和塩化ナトリウム溶液20 ml を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを介して乾燥させ、塩圧で蒸発させる。残留物を酢酸エチルエステル/シクロヘキサン(1/1)を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製した後、目的化合物0,37 g (工程 2の生成物に対して、理論値の16 %)が残存する。
工程 5:
N-{5-クロロ-2-[(2,6-ジオキソピペリジン-3-イルアミノ)メチル] フェニル}ホルムアミド; 臭化水素酸塩
酢酸2 ml中に工程 4からの生成物0,38 gを有する溶液に酢酸 (33 % HBr)中の臭化水素0,9 mlを添加し、混合物を1 時間20°Cで攪拌する。ついで ジエチルエーテル400 ml上に注ぎ、 0°Cに冷却し、沈殿した固体を分離する。これを数回ジエチルエーテルで洗浄し、減圧で乾燥させる。この際目的化合物 0,27 g (理論値の83 %理論値の) が無色結晶形で生じる。融点: 155 - 180°C (分解)。
工程 6:
3-(7-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 臭化水素酸塩
蒸留水10 ml中に工程5からの生成物0,20 gを有する溶液を72時間20°Cで攪拌する。ついでろ過し、ろ液を減圧で蒸発させて、残留物を乾燥させる。その際目的化合物 0,13 g (理論値の68 % ) を白色固体として生じる。
融点: 160 - 200 °C (分解)
1H-NMR (DMSO-d6): 2,57 (m, 2H); 2,82 (m, 2H); 4,80 (m, 1H); 4,95 (m, 1H); 5,10 (m, 1H) 7,30 (m, 2H); 7,45 (m, 1H); 8,68 (s, 1H); 11,42(s, 1H)
例2
3-(6-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 臭化水素酸塩
例 1(工程 1)で使用されたベンジルアルコールを5-クロロ-異性体に代え、そして工程1 〜 6 に記載の処理方法を使用した場合、目的化合物が淡い黄色結晶形で得られる。
1H-NMR (DMSO-d6): 2,19 (m, 1H); 2,43 (m, 1H); 2,75 (m, 2H); 4,78 (m, 2H); 5,02 (m, 1H); 7,18 (d, 1H); 7,38 (d, 1H); 7,45 (q, 1H); 8,59 (s, 1H); 11,35 (s,1H)。
例3
3-(4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 臭化水素酸塩
工程1:
(2-ホルミルアミノベンジル)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル) カルバミド酸ベンジルエステル
例 1(工程 1)において(2-アミノフェニル)メタノールを使用し、工程1 〜4 に記載の処理方法を使用して、目的化合物が黄色粉末形で得られる。
工程 2:
N-{2-[(2,6-ジオキソピペリジン-3-イルアミノ)メチル]フェニル} ホルムアミド; 臭化水素酸塩
工程1からの生成物1,00 gを例 1(工程 5)に記載されているように酢酸(33 % HBr)中の臭化水素3 ml と反応させる。同様な後処理の後、目的化合物0,79 g (理論値の91 %) が帯黄色固体形で得られる。これを精製することなく更に反応させる。
工程3:
3-(4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 臭化水素酸塩
蒸留水5 ml中に工程 2からの生成物0,91 g を有する溶液を24 時間20°Cで攪拌する。その後反応溶液を減圧で蒸発乾固する。残存する固体をジエチルエーテルと共に細かく砕き、この際目的化合物0,85 g (99 % 理論値の99 %)が黄色粉末として残存する。
融点 : 218 - 222°C (分解 )
1H-NMR (DMSO-d6): 2,23 (m, 1H); 2,48 (m, 1H); 2,71 (m, 2H); 4,70 (d, 1H); 4,86 (d, 1H); 4,98 (m, 1H); 7,22 (m, 2H); 7,34 (m, 2H); 8,53 (s, 1H); 11,35 (s, 1H)。
例4
3-(2-ヒドロキシ-1,4-ジヒドロ-2H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
テトラヒドロフラン950 ml 中に溶解された例3(工程 1)からの生成物15,90 g を活性炭(10 % Pd)上に担持されたパラジウム 15 g を介して20°C で常圧で水素化する。ろ過によって触媒を分離した後、ろ液を減圧で蒸発させる。その際目的化合物10,30 g (理論値の98 %) がジアステレオマー混合物として白色固体形で残存する。
融点 : 185 - 188°C
例5
3-(4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 塩酸塩
メタノール210 ml及び12 N 塩酸3,2 ml中に例4からの生成物10,20 gを有する溶液を24 時間 20°Cで攪拌する。ついで減圧で十分に蒸発させ、この際目的化合物が結晶形で生じ、これからろ過及び乾燥後、生成物9,00 g (理論値の82 %)が残存する。
融点 : 172 - 178°C
1H-NMR(DMSO-d6): 2,22 (m, 1H); 2,48 (m, 1H); 2,71 (m, 2H); 4,70 (d, 1H); 4,86 (d, 1H); 4,98 (m, 1H); 7,22 (m, 2H); 7,35 (m, 2H); 8,53 (s, 1H); 11,35 (s, 1H)。
例6
3-(6-メトキシ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン, 塩酸塩
工程 1:
ギ酸(2-ホルミルアミノ-5-メトキシベンジル)エステル
無水テトラヒドロフラン30 ml中に(2-アミノ-5-メトキシ-フェニル) メタノール7,00g、ギ酸シアン-メチルエステル9,8 ml及び4-N,N,-(ジメチルアミノ)ピリジン0,05 g を有する溶液を5 時間還流加熱する。ついで減圧蒸発させ、残留物を 酢酸エチルエステル100 ml中に取る。溶液を0°Cに冷却後結晶が生じ、これを吸引濾取し、メタノールを用いて洗浄し、減圧で乾燥させる。 目的化合物7,20 g (理論値の75 %)が得られる。
融点 : 117°C
工程 2:
N-(2-ヒドロキシメチル-4-メトキシフェニル)ホルムアミド
無水アセトニトリル190 ml及びn-ブタノール10,3 mlからなる混合物中に工程 1からの生成物5,90 g を有する溶液に1,70 g のCandida antartica B Lipase (CAL-B) を添加し、 65 時間 20°Cで攪拌する。ついで濾過し、アセトニトリルを用いて洗浄する。ろ液を減圧で蒸発させた後、目的化合物5,00 g (理論値の98 %)が残存する。
融点 : 97 - 98°C
工程 3:
N-(2-ホルミル-4-メトキシフェニル)ホルムアミド
例1(工程 2)からの生成物5,00 g を例 1(工程 2)に記載されているようにピリジニウムジクロマートで酸化し、この際目的化合物3,62 g (理論値の72 %)が生じる。
融点 : 125 - 127°C
工程 4:
4-カルバモイル-2-(6-メトキシ-4H-キナゾリン-3-イル)ブタン酸
メタノール10 ml及び2N 苛性ソーダ溶液2 ml中に L-グルタミン0,58 gを有する溶液にメタノール30 ml 中に工程 3 からの生成物0,79 gを有する溶液を添加する。 20°C で1 時間の攪拌後 0°Cに冷却し、30分以内に水素化ホウ素ナトリウム0,103 g を少しづつ添加する。12 時間 0°Cで攪拌し、ついで pH 2〜3にし、もう4 時間 20°C で攪拌する。苛性ソーダ溶液で溶液を中和した後、メタノールを蒸留する。 水性残留物を2回それぞれ15 mlのジエチルエーテルで洗浄し、ついで 減圧で蒸発させる。 残留物 をメタノール25 ml中に取り、不溶性成分を濾過によって除く。減圧でろ液を蒸発させて得られた残留物を精製することなく直ちに工程 5に記載されているように更に反応させる。
工程 5:
3-(6-メトキシ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 塩酸塩
それぞれ7 mlの無水酢酸及びアセチルクロライド中に工程 4からの粗生成物1,20 gを有する溶液を5 時間70°Cで攪拌し、ついで減圧で蒸発させる。残留物をメタノール20 mlに取り、1時間イオン交換体 Amberlyst A-21を用いて攪拌する。濾過後、ろ液を減圧蒸発させ、残留物を溶離剤としてクロロホルム/メタノール (4/1) を用いてフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。このように得られた目的化合物の遊離塩基をメタノール4 mlに溶解させ、この溶液にジエチルエーテル中のHCl-ガス 飽和溶液0,5 ml、ついでジエチルエーテル150 mlを添加する。生じた塩を分離し、減圧乾燥させ、この際目的化合物0,29 g (工程 4の L-グルタミンに対して理論値の23 %) が得られる。
1H-NMR (DMSO-d6): 2,45 (m, 4H); 3,76 (s, 3H); 4,65 (d, 1H); 4,81 (d, 1H); 4,98 (m, 1H); 6,88 (m, 2H); 7,20 (m, 1H); 8,46 (5, 1H); 11,32 (s, 1H)。
例7
対応する置換された出発化合物の使用下で及び例6に記載された処理法の使用下で同様に下記化合物が得られる (一部塩酸塩に変えない):
a) 3-(5-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 245 - 250°C (分解 )
b) 3-(8-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 238 - 248°C
c) 3-(6-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 75 - 79°C
d) 3-(8-メトキシ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 塩酸塩
融点 : 152 - 159°C
e) 3-(7-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 239 - 241°C (分解 )
f) 3-(7-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 塩酸塩
融点 : 205 - 207°C
g) 3-(4H-ベンゾ[g]キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 238 - 242°C
h) 3-(5-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 237 - 239°C (分解 )
i) 3-(5-ニトロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 197 - 215°C
j) 3-(7-トリフルオロメチル)-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 230 - 234°
k) 3-(7-ニトロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : > 360°C
l) 3-(8-ブロモ-6-メチル-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 258 - 265°C
m) 3-(5-メチル-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : 217 - 227°C
n) 3-(6,7-ジフルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
融点 : ab 360°C (分解 )
o) 3-メチル-3-(4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
1H-NMR (DMSO-d6): 1,59 (s, 3H); 1,93 - 2,70 (m, 4H); 4,35 (d, 1H); 4,47 (d, 1H); 6,90 - 7,15 (m, 4H); 7,36 (s, 1H); 11,04 (s, 1H)。
例8
3-(4,5-ジヒドロベンゾ[d][1,3]ジアゼピン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
工程 1:
N-[2-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]ホルムアミド
ギ酸12,6 mlを 0°Cで無水酢酸15 mlに滴下する。混合物をついで2 時間 60°Cで攪拌する。 20°Cに冷却後、テトラヒドロフラン140 mlを用いて希釈し、- 4°Cに冷却し、この温度でテトラヒドロフラン185 ml 中に2-(2-アミノフェニル)エタノール 18,4 gを有する溶液を滴加する。- 6°Cで3時間の攪拌後、炭酸水素カリウム水溶液(25 % KHCO3)を用いて中和し、4回それぞれ300 mlの酢酸エチルエステルで抽出する。一緒にされた抽出物を硫酸マグネシウムを介して乾燥させ、減圧で蒸発させる。その際目的化合物18,4 g (理論値の94 %) が帯黄色結晶形で生じ、これは49 - 54°C で融解する。
工程 2:
N-[2-(2-オキシエチル)フェニル]ホルムアミド又は2-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロインドール-1-カルボアルデヒド
無水ジクロロエタン 270 ml 中に工程 1からの生成物18,2 g を有する溶液を 0°Cで攪拌下にピリジニウムジクロマート 49,4 gを添加し、ついで混合物を24 時間 40°Cで攪拌する。セライトを介して濾過した後、ろ液を減圧で蒸発させ、 残留物を溶離剤として酢酸エチルエステル/シクロヘキサン (1/1)を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。その際目的化合物7,5 g (理論値の42 % )が帯黄色の固体として得られ、これは84 - 91°Cで分解下に融解する。
工程 3:
4-カルバモイル-2-(4,5-ジヒドロベンゾ[d][1,3]ジアゼピン-3-イル)酪酸
2N苛性ソーダ溶液14 ml及びメタノール7 ml中にL-グルタミン4,1 gを有する溶液に、メタノール110 ml中に工程 2からの生成物4,6 g を有する溶液を添加し、混合物を2 時間 20°Cで攪拌する。ついで 0°Cに冷却し、水素化ホウ素ナトリウム0,64 g を少しづつ添加する。12 時間 0°Cで攪拌する。反応混合物を2 N 塩酸を用いてpH-値3,5に調整し、20 時間20°Cで攪拌する。苛性ソーダ溶液を用いて中和した後、生じた個体を濾過によって分離し、ろ液から減圧でメタノールを除く。水性残留物から粗目的化合物3,0 g (理論値の39 %)を単離し、これはつぎの反応のために精製する ことなく使用する。
工程 4:
3-(4,5-ジヒドロベンゾ[1][1,3]ジアゼピン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
無水酢酸12 ml 中の工程 3から生成物3,0 g にアセチルクロライド12 ml を添加する。混合物を32 時間還流下に 66 時間 50°Cで攪拌し、ついで減圧で蒸発させる。 残留物を溶離剤としてトリクロロメタン/メタノール (4/1)を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。この際目的化合物 0,79 g (理論値の28 %)が帯黄色固体として生じ、これは 250°C以下で分解下に融解する。
1H-NMR (DMSO-d6/D2O): 2,10 - 2,20 (m, 1H); 2,25 - 2,40 (m, 1H); 2,60 - 2,75 (m, 2H); 3,10 - 3,14 (m, 2H); 3,54 - 3,85 (m, 2H); 4,89 (dd, 1H); 7,10 - 7,30 (m, 4H); 7,77 (s, 1H)。
例9
a) 3-(5-アミノ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 二塩酸塩
N,N-ジメチル-ホルムアミド11 ml 及び2N 塩酸1,1 ml中に例 7i からの生成物0,315 gを有する溶液を二酸化白金(80 %) 0,057 g を介して20°Cで3バールの水素圧下に接触水素化する。ついで触媒を濾過によって分離し、ろ液を減圧で蒸発させる。残存する固体を数回トルエン又はジエチルエーテルで処理し、五酸化リンを介して乾燥させる。その際目的化合物 0,32 g (理論値の88 %)が暗色に着色した結晶形で得られ、これは空気に触れて潮解する。
1H-NMR (DMSO-d6): 2,10 - 2,80 (m, 4H); 4,35 (d, 1H); 4,56 (d, 1H); 5,03 (dd, 1H); 6,43 (d, 1H); 6,60 (d, 1H); 7,03 (dd, 1H); 8,44 (d, 1H); 8,90 (s, 2H); 11,34 (s, 1H).
b) 3-(7-アミノ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン; 二塩酸塩
例7k の生成物から例 9aに記載された処理法の使用下で同様に目的化合物を理論値の81 %の収率で得る。
1H-NMR (DMSO-d6): 1,86 - 1,94 (m, 1H); 2,02 - 2,33 (m, 2H); 2,40 - 2,59 (m, 1H); 4,51 - 4,57 (m, 2H); 5,02 - 5,08 (m, 1H); 6,68 - 6,76 (m, 1H); 6,93 - 7,10 (m, 2H); 8,50 - 8,56 (m, 1H); 8,96 (s, 2H); 11,27 (s, 1H)。
例10
3-(7-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)1-ピペリジン-1-イル メチル-ピペリジン-2,6-ジオン
エタノール50 ml 中に例 7eからの生成物2,61 g を有する懸濁液に、ホルムアルデヒド水溶液(37 %)及びピペリジン 0,8 mlを添加する。混合物を1 時間 50°Cで攪拌し、ついで減圧で十分に溶剤を除く。ジエチルエーテルを残留物に添加した場合(濾過によって分離し、減圧で乾燥した後) 、目的化合物 2,83 g (理論値の79 %)がほぼ色のない結晶形で生じる。
1H-NMR (DMSO-d6): 1,36 - 1,48 (m, 6H); 1,95 - 2,06 (m, 1H); 2,22 - 2,82 (m, 7H); 4,25 (d, 1H); 4,46 (d, 1H); 4,52 - 4,68 (m, 3H); 6,66 (dd, 1H); 6,81 (m, 1H); 6,90 - 6,95 (m, 1H); 7,11 (s, 1H)。
免疫調節効果の試験
IL−10及びIL−12の分泌のためにリポポリサッカライドを用いるヒト単球の刺激
ヒト単球を、ヘパリン化された純血(Vollblut)の Ficoll-密度勾配遠心分離によって得られた末梢血液−単核細胞(PBMC)から単離する。更に、PBMCをモノクロナール抗体と共にインキュベートする。この抗体は単球−特異性表面分子CD14に向けられており、スーパーパラマグネティック ミクロビーズ(Superparamagnetische Microbeads)(Miltenyi Biotech, Bergisch Gladbach)に結合する。PBMCの細胞混合物から成る標識された単球の陽性(positive)選択のために、全細胞懸濁液を強磁性キャリヤーマトリックスを有するカラムに付与し、これを磁場に置く。これによってミクロビーズで負荷された細胞をキャリヤーマトリックスに結合させ、標識されていない細胞をカラム通過させ、排除する。磁場からマトリックスを取り除いた後、抗体負荷された細胞をそのとき脱磁性化されたカラムを緩衝液で洗浄して、溶出する。このようにして得られたCD14-陽性単球集団の純度は約95-98%である。この単球を106細胞/ml培地(RPMI,10%胎児の子牛血清で強化されている)の密度でDMSO−溶解されたテスト物質と共に1時間37°C で、 5% CO2でインキュベートする。次いで大腸菌(E. coli)からの20 μg/ml のLPSを添加する。24時間後、細胞不含培養上澄液を取り、IL-10 及び IL-12の含有量を試験する。
細胞培養上澄液中のIL-12 及び IL-10の濃度を、サンドウィッチ- ELISAsを用いて2つのanti−IL-12 又は IL-10モノクロナール抗体(Biosource Europe, Fleurus, ベルギー) の使用下に測定する。ヒトIL-10 又はIL-12による標準曲線が含まれる。IL-12 ELISAsの検出限界は10 pg/mlであり、IL-10 ELISAsの検出限界は15 pg/mlである。
表 1: サリドマイドと比較した試験物質のLPS-活性化された単球の IL-12及びIL-10 産生への影響
Figure 2005516953
式Iで表わされる 3-位がヘテロ環によって置換されたピペリジン-2,6-ジオンに記載された基本構造は、濃度に依存してLPS-活性化された単球の IL-12産生を有効に抑制する。興味深いことには同一の濃度範囲でIL-10 産生が明らかに増加することである。最大IL-12阻害及びIC50値はサリドマイドのものよりも高いことが明らかである。最も有効な化合物はその芳香族環が5 又は 7位に塩素-又はフッ素-置換基を有するものか又は置換されていないものである。

Claims (13)

  1. その塩基又は生理学的に許容し得る酸の塩の形にある、一般式I
    Figure 2005516953
    {式中、
    R1 及び R2 は相互に同一か又は異なり、H, Br, Cl, F, CF3, OH, NO2, NH2, N(CH3)2, C1-3-アルキル, C1-3-アルコキシ, フェニルを示すか又はこれらが一緒になって縮合されたベンゼン環を示し、この際この環は場合によりR1及び(又は) R2 によって置換され、 R1及び R2 は上記に定義された通りであり、
    R3はH、メチル基又はC-N-単結合がある場合、 OH, C1-3-アルコキシ又は[O(CO)C1-3-アルキル]-基を示すか又はこれがC-原子と一緒になってカルボニル基を示し、
    R4はH, F, CF3 又はC1-3-アルキルを示し、
    R5はH, CH2-OH-基又は基CH2-NR6R7(式中、R6 及びR7は同一か又は異なり、C-原子数1-6のアルキル基(直鎖状又は分枝状)を示すか又はこれがN-原子と一緒になってピロリジン-, ピペリジン-, ヘキサ-メチレンイミン- 又はモルホリン環を示す。)を示し、
    Nは0又は1を示し、
    Mは0, 1 又は2を示す。}
    で表わされる3-位がヘテロ環によって置換されたピペリジン-2,6-ジオン又はその純粋な対掌体又は非ラセミ性対掌体混合物、ラセミ化合物、ジアステレオマー又はジアステレオマー混合物。
  2. R1 及びR2が相互に同一か又は異なり、H, Br, Cl, F, CF3, NO2, NH2, C1-3-アルキル, C1-3-アルコキシ又はこれらが一緒になって縮合されたベンゼン環を示し、
    R3がH 又はOHを示し、R4がH 又はメチル基、R5 がH 又は基CH2-NR6R7を示し、この際R6 及びR7はN-原子と一緒になってピペリジン環を示し、n = 0 及びm = 1 又は 2 である、請求項1記載の化合物。
  3. R1及びR2が相互に同一か又は異なり、H, Cl, F, CH3 又はNO2を示し、R3, R4 及びR5が水素を示し、n = 0 及びm = 1 であり、C=N-二重結合である、請求項 1又は2記載の化合物。
  4. 基 R1及びR2 が5又は7位にある、請求項3記載の化合物
  5. 3-(7-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する臭化水素酸塩、
    3-(6-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する臭化水素酸塩、
    3-(4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する臭化水素酸塩又は塩酸塩、
    3-(2-ヒドロキシ-1,4-ジヒドロ-2H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(6-メトキシ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する塩酸塩、
    3-(5-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(8-クロロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(6-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(8-メトキシ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する塩酸塩、
    3-(7-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する塩酸塩、
    3-(4H-ベンゾ[g]キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(5-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(5-ニトロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(7-トリフルオロメチル)-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(7-ニトロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(8-ブロモ-6-メチル-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(5-メチル-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(6,7-ジフルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-メチル-3-(4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(4,5-ジヒドロベンゾ[d][1,3]ジアゼピン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、
    3-(5-アミノ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する二塩酸塩、
    3-(7-アミノ-4H-キナゾリン-3-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその対応する二塩酸塩、
    3-(7-フルオロ-4H-キナゾリン-3-イル)1-ピペリジン-1-イルメチル-ピペリジン-2,6-ジオン.
    である、請求項1記載の化合物。
  6. 請求項1記載の一般式Iで表わされる3-位がヘテロ環によって置換されたピペリジン-2,6-ジオンの製造方法において、まず一般式II
    Figure 2005516953
    で表わされるアミノ化合物を一般式III
    Figure 2005516953
    で表わされる3-ブロモピペリジン-2,6-ジオン誘導体でアルキル化して一般式IA
    Figure 2005516953
    で表わされる化合物とし、この際化合物IA, II 及び III において基 R1 〜 R4は上記に定義された通りであり、ついでR5 が水素を示してはならない場合、ホルムアルデヒドとの反応によって、場合により一般式HNR6R7 で表わされるアミン(式中、R6 及び R7 は上記に定義された通りである。)との反応と共にこの基を導入し、一般式IAで表わされる化合物 において基 R4 が水素である場合、 本発明のその他の化合物(R4 = F, CF3 又はC1-3-アルキル)に対して それ自体公知のアルキル化反応又はハロゲン化反応によって前記R4-置換基でこの基を置換することを特徴とする、上記一般式Iで表わされる化合物の製造方法。
  7. 請求項1記載の一般式Iで表わされる3-位がヘテロ環によって置換されたピペリジン-2,6-ジオンの製造方法において、上記一般式IIで表わされるアミノ化合物をまず 一般式IV
    Figure 2005516953
    で表わされる3-ブロモピペリジン-2-オン誘導体でアルキル化して一般式IB
    Figure 2005516953
    で表わされる化合物とし、この化合物を好ましくはm-クロロ-過安息香酸又はルテニウム(IV)-オキシド/過ヨウ化ナトリウムで酸化して上記一般式IAで表わされる化合物とし、場合によりその他の基R4 及び(又は) R5 を上述(請求項 5)のように導入することを特徴とする、上記一般式Iで表わされる化合物の製造方法。
  8. 請求項1記載の一般式Iで表わされる3-位がヘテロ環によって置換されたピペリジン-2,6-ジオン(式中、m = 1 及びn = 0 を示し、R3 はH 又はOHを示す。)の製造方法において、
    一般式VI
    Figure 2005516953
    (式中、R1及び R2 は上記に定義された通りである。)
    で表わされるホルムアミド誘導体[これは対応する2-アミノベンジルアルコールの選択的N-ホルミル化によって又はN,O-ビスホルミル誘導体の選択的O-脱ホルミル化によって得られる。]を先ずそれ自体公知の方法で酸化して一般式VII
    Figure 2005516953
    で表わされるベンズアルデヒドとし、これをグルタミンを用いて錯体水素化ホウ素の添加下に還元アミノ化して一般式VIII
    Figure 2005516953
    で表わされる化合物に変え、これを活性化試薬、好ましくはN,N‘-カルボニルジイミダゾールの存在下に、好ましくはアミン官能基の保護基、好ましくはベンジルオキシカルボニル基(これは引き続き再度離脱する。。)による予めの保護の後に閉環して一般式IX
    Figure 2005516953
    で表わされるグルタルイミドとし、
    この際
    A. 一般式 IX で表わされる化合物をプロトン性溶剤中で酸触媒下で一般式Iで表わされる化合物(式中、R1, R2 及びR4 は上記に定義された通りであり、 m は1, n は0 を示し、C=N-二重結合が存在し、R3 又はR5 は水素原子であって、R5 が水素であってはならない場合、上述のように残りの定義された置換基で置換される。)に変換されるか
    あるいは
    B. 一般式IXで表わされる化合物(式中、アミン官能基は保護基によって保護されている。)をこの保護基の水素化分解による離脱によって一般式Iで表わされる化合物(式中、R1, R2 及び R4は上記に定義された通りであり、 C-N-単結合が存在し、R3 はヒドロキシ基を示す。)に変換させ、場合により更に希酸を用いて有機溶剤中で水の離脱によって、C=N-二重結合を有し、 R3 =水素である一般式Iで表わされる化合物に変えることを特徴とする、上記一般式Iで表わされる化合物の製造方法。
  9. 請求項1記載の一般式Iで表わされる3-位がヘテロ環によって置換されたピペリジン-2,6-ジオン(式中、m = 1 及び n = 0 を示し、R3 が Hを示す。)の製造方法において、先ず請求項7記載の上記一般式VIIで表わされる化合物を製造し、ついで還元アミノ化し、その後反応混合物を酸で処理し、一般式X
    Figure 2005516953
    (式中、R1, R2 及びR4は上記に定義された通りである。)
    で表わされる化合物に変換し、これを閉環によってC=N-二重結合を有する一般式I で表わされる化合物に変え、場合により別の R4 及び(又は) R5 を上述(請求項6)のように導入することを特徴とする、上記一般式Iで表わされる化合物の製造方法。
  10. 対応する一般式Iで表わされる化合物(しかし m = 2である。)を同様に製造する、請求項9記載の方法。
  11. 有効物質として請求項1記載の少なくとも1個の一般式I で表わされる化合物及び(又は)その対掌体、そのジアステレオマー、その塩基又はその生理学的に許容し得る酸の塩を含む医薬。
  12. 炎症- 及び自動免疫疾患及び(又は)血液学-腫瘍学的疾患の治療及び(又は)予防のための、免疫調節作用を有する請求項8記載の医薬。
  13. 請求項1記載の少なくとも1個の一般式I で表わされる化合物及び(又は)その対掌体、そのジアステレオマー、その塩基又はその生理学的に許容し得る酸の塩を炎症- 及び自動免疫疾患及び(又は)血液学-腫瘍学的疾患の治療及び(又は)予防用医薬の製造のために使用する方法。
JP2003554672A 2001-12-21 2002-12-18 3−位がヘテロ環によって置換されたピペリジン−2,6−ジオン Withdrawn JP2005516953A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10163595A DE10163595A1 (de) 2001-12-21 2001-12-21 In 3-Position heterocyclisch substituierte Piperidin-2,6-dione
DE10163595.8 2001-12-21
PCT/EP2002/014447 WO2003053956A1 (de) 2001-12-21 2002-12-18 In 3-position heterocyclisch substituierte piperidin-2,6-dione

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005516953A JP2005516953A (ja) 2005-06-09
JP2005516953A6 true JP2005516953A6 (ja) 2005-08-11

Family

ID=7710600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003554672A Withdrawn JP2005516953A (ja) 2001-12-21 2002-12-18 3−位がヘテロ環によって置換されたピペリジン−2,6−ジオン

Country Status (27)

Country Link
US (1) US7183274B2 (ja)
EP (1) EP1456197B1 (ja)
JP (1) JP2005516953A (ja)
KR (1) KR20040068325A (ja)
CN (1) CN1620448A (ja)
AR (1) AR037963A1 (ja)
AT (1) ATE355285T1 (ja)
AU (1) AU2002364286A1 (ja)
BR (1) BR0215337A (ja)
CA (1) CA2471079A1 (ja)
CY (1) CY1106540T1 (ja)
DE (2) DE10163595A1 (ja)
DK (1) DK1456197T3 (ja)
EC (1) ECSP045161A (ja)
ES (1) ES2282514T3 (ja)
HU (1) HUP0402477A2 (ja)
IL (1) IL162619A0 (ja)
MX (1) MXPA04006120A (ja)
NO (1) NO20042946L (ja)
NZ (1) NZ533995A (ja)
PE (1) PE20030745A1 (ja)
PL (1) PL371028A1 (ja)
PT (1) PT1456197E (ja)
RU (1) RU2004122633A (ja)
SI (1) SI1456197T1 (ja)
WO (1) WO2003053956A1 (ja)
ZA (1) ZA200405780B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004026703A1 (de) * 2004-05-28 2005-12-29 Grünenthal GmbH Verfahren zur Herstellung von in 3-Position heterocyclisch substituierten Piperidin-2,6-dionen
DE102005057912A1 (de) 2005-12-02 2007-07-19 Grünenthal GmbH In 3-Position heterocyclisch substituierte Pyrrolidin(thi)one
KR200484781Y1 (ko) 2017-07-04 2017-10-25 김정래 지퍼손잡이 보호장치

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2163410T3 (es) * 1992-07-29 2002-02-01 Merck Sharp & Dohme Derivados de benzodiazepina.
JPH09500134A (ja) * 1993-07-16 1997-01-07 メルク エンド カンパニー インコーポレーテッド ベンゾオキサジノンおよびベンゾピリミジノンピペリジニル早産防止オキシトシン受容体拮抗剤
DE19843793C2 (de) * 1998-09-24 2000-08-03 Gruenenthal Gmbh Substituierte Benzamide
WO2000072836A2 (en) 1999-05-27 2000-12-07 The Rockefeller University Methods of promoting or enhancing interleukin-12 production through administration of thalidomide
US6767926B1 (en) * 1999-10-12 2004-07-27 Temple University - Of The Commonwealth System Of Higher Education Method for protecting normal cells from cytotoxicity of chemotherapeutic agents
DE19957342A1 (de) 1999-11-29 2001-05-31 Gruenenthal Gmbh Verfahren zur Behandlung und/oder Prophylaxe von IL-12-bedingten Erkrankungen
DE10002509A1 (de) * 2000-01-21 2001-07-26 Gruenenthal Gmbh Substituierte Glutarimide
DE10250082A1 (de) * 2002-10-25 2004-05-13 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co. Kg Ausgewählte CGRP-Antagonisten, Verfahren zu deren Herstellung sowie deren Verwendung als Arzneimittel

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2291218C (en) Substituted 2-(2,6-dioxopiperidin-3-yl)-phthalimides and -1-oxoisoindolines and method of reducing tnf.alpha. levels
AU780636B2 (en) Substituted glutarimides and use thereof IL-12 production inhibitors
EP2964223B1 (en) Compounds inhibiting leucine-rich repeat kinase enzyme activity
FI114984B (fi) Menetelmä talidomidin valmistamiseksi
FR2640266A2 (fr) Derives de (hydroxy-1 piperidinyl-2 alkyl) indolones-2, quinoleinones-2, benzo(b)azepinones-2 et benzimidazolones-2, leur preparation et leur application en therapeutique
EP1019373B1 (fr) Derives de 1-acyl-3-phenyl-3-(3-piperidinopropyl)piperidine comme antagonistes selectifs du recepteur nk3 humain
CN102120739A (zh) 盐酸法舒地尔的制备方法
CN108948020A (zh) 一种枸橼酸托法替布的精制方法
JPH10500138A (ja) 酸化窒素合成酵素阻害剤としての2環アミジン誘導体
CA2530310C (en) Substituted diketopiperazines and their use as oxytocin antagonists
EP1214313A2 (fr) Heteroaryloxypropanolamines comme agonistes du recepteur beta3-adrenergique
JP2005516953A6 (ja) 3−位がヘテロ環によって置換されたピペリジン−2,6−ジオン
JP2005516953A (ja) 3−位がヘテロ環によって置換されたピペリジン−2,6−ジオン
JPH09502991A (ja) N−メチル−3−(1−メチル−4−ピペリジニル)−1h−インドール−5−エタンスルホンアミドの製造法
FR2696177A1 (fr) Dérivés de pipéridine, leur préparation et leur application en thérapeutique.
EP1226137B8 (fr) Phenyl- et pyridyl-tetrahydro-pyridines possedant une activite inhibitrice de fnt
JP5787899B2 (ja) アミノアルコール誘導体およびそれらの治療活性
RU2155761C2 (ru) Бициклические производные амидина, способ их получения, фармацевтическая композиция и способ ингибирования синтетазы окиси азота
CN113896730A (zh) 一种枸橼酸托法替布及其中间体的制备方法
EP1517896A2 (fr) Phenyl- et pyridyl-diazaheterocycles ayant une activite modulatrice du tnf
FR2800071A1 (fr) Tetrahydropyridines, procede pour leur preparation et compositions pharmaceutiques les contenant