JP2005515198A6 - 運動ニューロン疾患を治療するためのワクチン及び方法 - Google Patents

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Abstract

Cop 1、Cop 1関連ペプチド、Cop 1関連ポリペプチド、及びポリ‐Glu,Tyrからなる群から選択された活性物質を含む、運動ニューロン疾患(MND)、特に筋萎縮性側索硬化症(ALS)、患者における病気の進行を遅らせる、及び/または運動神経変性を保護する、及び/またはグルタミン酸毒性から防護するためのワクチン。活性物質は望ましくはCop 1またはポリ‐Glu,Tyrであり、そしてアジュバントと共にまたは無しで投与することができる。

Description

発明の分野及び背景
本発明は、運動ニューロン疾患(MND)、特に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療するためのワクチンと方法に関するものである。
運動ニューロン疾患(MND)は脳(上位運動ニューロン)及び脊髄(下位運動ニューロン)に障害のある疾患群につけられた名称である。運動ニューロンは、それに沿って脳が電気パルスの形で筋肉に指令を送る神経細胞である。運動ニューロンの変性は筋肉の筋力低下と萎縮を生じる。これは一般的に腕または足に始まり、ある部分の筋肉はほかの部分よりも障害を受ける。
MNDはいくつかに分類されている。MNDはほとんどの場合に、上位及び下位の運動ニューロンに変性を生じる。この状態は筋萎縮性側索硬化症(ALS)と呼ばれ、ルーゲーリック病としても知られており、筋肉の筋力低下、硬化及び不随意繊維束性収縮現象(筋肉のピクツキ)が特徴である。上位運動ニューロン(原発性側索硬化症、PLSのような)または下位運動ニューロン(進行性筋萎縮症、PMAのような)のいずれかにより選択的であることが観察される余り一般的でない形もある。進行性球麻痺(PBPまたは球症状)は、嚥下、咀嚼及び会話に困難を感じることにはじまり、ALS患者の約25%が罹患するALSの変形である。
これらのMNDの形の間にかなりの重複がある。PMAの患者は徐々に上位運動ニューロンの部分に進展し、PMA及びALSの患者ではやがては種々の程度の会話及び嚥下の困難を感ずるようになる(球症状のあるALSまたはPMA)。
ALSは慢性、進行性の神経変性疾患であり、随意筋運動を支配する中枢神経系(CNS)における神経細胞が徐々に変性することが特徴である。運動ニューロンの進行性消失は骨格筋の萎縮を徐々に生じ、通常発症後2−3年から10年の間に死亡することは避けられない。筋肉の筋力低下及び萎縮及び脊髄前角細胞不全の兆候は初期にしばしば手にそしてまれに足に認められる。その発症の部位はまちまちであり、そしてその進行は非対称的である。米国だけで、現在30,000人がALSに罹患し、毎年約8,000人が新規に診断されている。
ALSは散発性(SALS)及び家族性(FALS)に生じる(Mulder et al., 1986; Munsat, 1989)。主なリスクファクターはほとんど分かっていないが、ALS患者の5から10%は家族性(FALS)である。家族性の約20%は染色体21上のCu/Znスーパーオキシドジスムターゼ1型をコードする遺伝子に突然変異を持つことが知られている(Rosen et al., 1993; Brown, 1995)。SODはスーパーオキシドアニオンを過酸化水素に変換する酵素であり、従ってSODはこのような毒性ラジカルの有害作用から細胞を保護することができる。酵素活性、ポリペプチド半減期及びタンパク分解に対する抵抗性と発症年齢または病気の進行の早さの間に相関性がないので、種々のSOD変異体の毒性はフリーラジカルの消去活性の減少によるものではないことは明らかである(総説として、Julien, 2001参照)。種々のSOD1突然変異を発現する形質転換マウスは運動ニューロン疾患を生じるので、ALS及びその他の運動ニューロンの治療を試験するための動物モデルとして認められている。
最近、新しいALS遺伝子が二つの異なるグループの研究者により同定された(Hadano et al., 2001; Yang et al., 2001)。ALS2と呼ばれるこの新しい遺伝子は染色体2上に存在し、そしてアルシンと命名されたタンパクをコードしている。この新しいALS2遺伝子は、ALS2としても知られている若年性筋萎縮性脊髄側索硬化症(JALS)及び若年性原発性側索硬化症(JPLS)の患者において突然変異を生じている。染色体の異なる領域における突然変異は異なる運動ニューロン疾患と関連している。特に、ALSの患者では一つの領域における突然変異が認められるが、JPLSの患者では二つの異なる領域における突然変異が認められる。将来、これら複数の突然変異を持つ形質転換マウスがALS治療を試験するためのモデルとして加わることになるであろう。
この10年間にわたりこの病気の病因、予後及び進行を理解するために多くの研究が行われてきた。病気を進行させる環境に存在する多数の因子が関与する病気であるということ以外には共通の認識に至らず、病因は不明のままである。
今日では、ALSの進行に関与する因子の多くが他の多くの慢性及び急性神経変性疾患において認められていることは明らかである。これらの因子としては、酸化的ストレス、興奮性毒性、栄養支持の喪失、及びイオン不均衡がある。他の慢性及び急性神経変性疾患と同様に、種々の細胞毒性の原因物質を阻害することによりALSの進行を止める試みが何年にもわたり行われてきた。これらの臨床試験のほとんどは否定的結果であった(Turner et al., 2001)。
酸化的ストレスは運動ニューロンの死をもたらすことがあるフリーラジカルの蓄積が特徴である。フリーラジカルは細胞膜、タンパクまたは遺伝物質を「酸化」することによりその成分を傷害する。家族性ALS患者に生じる遺伝子突然変異のために、または神経細胞の化学的環境のために酵素SODが正常に機能しないときにこのフリーラジカルは発生するであろうし、あるいはグルタミン酸興奮毒性の結果として、またはその他の理由で発生しうる。多くのALS患者はフリーラジカルを中和するためにコエンザイムZ Q10及びビタミンEを服用している。
グルタミン酸は、癲癇継発状態、脳虚血、外傷性脳傷害、ALS、ハンチントン舞踏病、イタチササゲ中毒及びアルツハイマー病のような急性及び慢性変性疾患(Pitt et al., 2000)における最も一般的毒性物質の一つである。グルタミン酸はヒトCNSにおける主たる興奮性神経伝達物質である。L‐グルタミン酸は大部分のシナプスに存在し、二つの作用を示すことができる:本質的神経伝達物質として正常な機能において重要な役割をしている、が生理的レベルを超えると毒性を示す。
脊髄運動ニューロンでは、シナプス活性化の後、アストロサイトに存在するグルタミン酸トランスポーターEAAT2により、速やかにグルタミン酸の除去が行われる。EAAT2活性及びタンパクレベルの減少はALS患者の脳組織に認められた(Rothstein et al., 1992)。これによりグルタミン酸の細胞外濃度上昇を生じ、そして運動ニューロンの死を生じるうる。グルタミン酸放出阻害薬であるリルゾールのヒト及び形質転換マウスの病気に対する臨床的に優れた効果により、ALS治療薬として承認された。しかし、毒性作用を中和する効果は、どこにでも広く存在するCNS神経伝達物質としてのグルタミン酸の生理的機能により妨害されるであろう。
ALSにおける、細胞性及び分子性の免疫因子の役割については何年も検討されてきた。他の多くの神経変性疾患と同様に、病気の進行に炎症が関係していることが強調され、ALSに免疫抑制薬の使用が示唆されている。また、多くのALS患者において、抗‐ガングリオシド抗体の存在との関連が観察され、一部の研究者にALSが自己免疫疾患であると考えさせている。しかし、この仮説を支持する結論的証拠は得られていない。
本発明者らの研究室において、最近、機械的(軸索除去)または生化学的(グルタミン酸、酸化的ストレス)損傷により生じた神経変性状態の下では、免疫系が重要な役割を演じていることが観察された。こうして、神経系(NS)の抗原を認識する活性化T細胞が神経変性を促進したり、あるいは神経保護を行うことが認められた。その内容全てをここに引用して取り入れたPCT公開番号WO 99/60021に引用されている。特に、MBPに反応するT細胞は、部分的に押しつぶした視神経(Moalem et al, 1999)及び脊髄傷害(Hauben et al, 2000)のラットモデルにおいて神経保護的であることが示された。最近に至るまで、免疫系は免疫細胞を神経系修復に関与することから除外してきたと考えられる。神経再生を促進するために、または外傷またはCNSの病気または末梢神経系(PNS)により傷害を受けた後の二次的変性から神経系組織を保護するために、NS‐特異的活性化T細胞を使用できることを発見したことは全く驚きであった。
本発明者らはさらに、CNSにおけるストレス状態はストレスに対処するための適応免疫応答を誘発し、この応答は遺伝子に支配されていることを観察した。このようにして、視神経の傷害またはグルタミン酸の毒性用量の硝子体内注射の後の成熟マウスまたはラットの網膜神経節細胞の生存率は、CNS自己免疫疾患抵抗性株において感受性株よりも2倍高いことを認めた。相違は、CNS傷害の後に自動的に抵抗株に発現し、感受性株に発現しなかった効果的自己免疫T細胞応答によることが認められた。そのような傷害の結果としてニューロンの生存率は自己に向かうT細胞応答が発現するときに、それが良く調節されているならば高い。言い換えると、保護的自己免疫応答は傷害の後続事象から動物を保護するようにストレス状態に対抗して発現することが示された。さらに、そのような応答を調節する能力が不十分である動物または(誕生時に胸腺摘出の結果として)成熟T細胞を持たない動物において、ストレス状態に対処する能力が低下している。その結果、これらの動物ではCNS障害によるニューロンの生存率は、保護的自己免疫T細胞仲介応答を備える有効な機構を持つ動物よりも低い(Kipnis et al., 2001)。
さらに、外傷性CNS障害の後、共重合体1(Cop 1またはグラチラマー)、4種のアミノ酸:チロシン‐グルタミン酸‐アラニン‐リシンからなるランダム共重合体(以降「Cop 1」)、及びポリ‐Glu, Tyr(以降「ポリYE」)のような自己タンパクに類似する非病原性合成共重合体及びそれにより活性化されるT細胞により保護的自己免疫は増強され、そして傷害に誘発されるその後の障害を軽減することができ、グルタミン酸毒性からCNS細胞を保護することができることが、本発明者らにより認められた。ここに完全に開示されるように、その全体を引用文献として取り入れた米国特許出願09/756,301及び09/765,644、いずれも2001年1月22日出願、対応するWO 01/93893を引用し、それらにはCop 1、Cop 1関連ペプチド及びポリペプチド及びそれらにより活性化されたT細胞がグルタミン毒性からCNS細胞を保護すること(USSN 09/756,301)及びCNSまたはPNS(USSN 09/765,644)において神経変性を阻止あるいは神経変性を促進することが開示されている。引用文献としてさらに、ここに完全に開示されるように、米国特許出願09/893,344、2001年6月28日出願、をその全体を取り入れたが、それには共重合体ポリ‐Glu50Tyr50、以前はポリGTおよびポリYEとも呼んでいた、及びそれにより活性化されたT細胞がグルタミン酸毒性からCNS細胞を保護すること、そしてニューロン変性を阻止またはCNSまたはPNSにおける神経変性を促進することが開示されている。特に、該応用において、視神経線維においてCop 1免疫またはポリ‐Glu, Tyr免疫マウスにおける網膜神経節細胞の生存数は、PBSを注射したマウスにおけるよりも有意に多かったことが示されている。
承認を受けそしてALSの治療に現在使用できる唯一の薬物はリルゾール(2−アミノ‐6−(トリフルオロメトキシ)ベンゾチアゾール)、理論上のグルタミン酸遊離阻害薬、であり、これは多分CNSにおけるグルタミン酸伝達を阻害することにより、この病気においてある期間痙攣減少効果を示すと思われる。錠剤の形で経口的に投与される。リルゾールは病気を治癒または症状を改善することはない。ALS患者においてその生存期間を約3ヶ月延長する効果を示すが、筋力または神経機能の改善はしない。
ALSを含む運動ニューロン疾患の治療のためにさらに他の薬物を供給することは非常に望ましいことであろう。
このセクションまたは本出願のほかの部分における引用または同定は、その引用が本発明の先行技術とみなされるべきではない。
発明の要約
本発明により、Cop 1による免疫は、ヒトSOD 1を過剰発現する形質転換マウス及び顔面神経軸索除去したマウス、いずれもALSのモデル、を運動ニューロン変性から保護することができることは今では認められている。このこと及びCop 1及びポリYEともに網膜神経節細胞をグルタミン酸毒性から保護するのに有効である事実は、運動ニューロン疾患、特にALSの治療のためにこれらの共重合体が適していることを示している。
このように、一態様において、本発明は疾患の進行を遅らせるための、運動ニューロン変性を防護するためのそして/または運動ニューロン疾患(MND)に罹患した患者におけるグルタミン酸毒性を防御するための方法、そしてそれはCop 1、Cop 1関連ペプチド、Cop 1関連ポリペプチド、及びポリYEからなる群から選択された活性物質を含むワクチンで該患者を免疫することを含む方法に関するものである。
運動ニューロン疾患(MND)は、脳及び脊髄における運動ニューロンに障害のある疾患であり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、家族性(FALS)及び散発性(SALS)の両ALS、原発性側索硬化症(PLS)、進行性筋萎縮(PMA)、進行性球麻痺(PBPまたは球症状)、及び球症状ALS及び球症状PMAのようなそれらの複合型が含まれる。
一態様において、本発明の方法はリルゾールまたはMND、特にALSの治療に適したその他の薬物による治療も含んでいる。
その他の態様において、本発明は、疾患の進行を遅くするための、運動神経変性を防御するための及び/または運動ニューロン疾患(MND)、特にALSにおけるグルタミン酸毒性を防御するためのワクチン、Cop 1、Cop 1関連ペプチド、Cop 1関連ポリペプチド、及びポリ‐Glu, Tyrからなる群から選択された活性物質を含むワクチン、を提供する。
その他の態様において、本発明は、疾患の進行を遅くするための、運動神経変性を防御するための及び/または運動ニューロン疾患(MND)、特にALSにおけるグルタミン酸毒性を防御するためのワクチンの製造のために、Cop 1、Cop 1関連ペプチド、Cop 1関連ポリペプチド、及びポリ‐Glu, Tyrからなる群から選択された活性物質の使用に関するものである。
活性物質はアジュバントなしに投与することができるし、またはヒト臨床使用に適したアジュバント中に乳化することもできる。ヒト臨床使用に適したアジュバントは水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、及びリン酸水酸化アルミニウムから選択される。望ましい態様において、ワクチンアジュバントは酸性等電点及び1:1のAl:P比を持つ無定形リン酸水酸化アルミニウム(ここではAlum‐phosと呼ぶ)。
一つの望ましい態様において、本発明のワクチンの活性物質はCop 1である。そのほかの望ましい態様では、活性物質はポリ‐Glu, Tyrである。
さらに、このワクチンはリルゾールまたはALSの治療に適したその他の薬物を含む治療方法で投与することができる。
発明の詳細な説明
本発明は、MND、特にALSに罹患した患者における病気の進行を遅らせるための、運動神経変性を保護するための、生存期間を延長するための、生活の質を改善するための、及び/またはグルタミン酸毒性から保護するためのワクチン及び方法を提供する、そしてその方法はCop 1、Cop 1関連ペプチド、Cop 1関連ポリペプチド、またはポリYEからなる群から選択された活性物質をアジュバントなしでまたはヒト臨床使用に適したアジュバントに乳化して含むワクチンで該患者を免疫することを含んでいる。
ここに使用される用語「運動(motor)ニューロン」と「運動(moton)ニューロン」、用語「ポリYE」と「ポリ‐Glu, Tyr」、及び用語「Cop 1」と「共重合体1」はそれぞれ互換的に使用される。
本発明の目的のために、「Cop 1またはCop 1関連ペプチドまたはポリペプチド」はミエリン塩基タンパク(MBP)と機能的に交差結合しそして抗原提示においてMHCクラスII上のMBPと競合することができるランダム共重合体を含むペプチドまたはポリペプチドを含むことを意図している。
本発明のワクチンは、グルタミン酸またはアスパラギン酸のような陰性荷電アミノ酸(望ましくはより少ない量)と組み合わせて、任意に充填物となるアラニンまたはグリシンのような非荷電中性アミノ酸、および共重合体に免疫原性を付与するためにチロシンまたはトリプトファンのような芳香族アミノ酸と組み合わせて、適当な量のリシンまたはアルギニンのような陽性荷電アミノ酸を含むランダム共重合体を活性物質として含むことができる。そのワクチンは、ここにその内容全てを引用して取り入れたWO 00/05250に開示されている重合体のいずれかを含むことができる。
特に、本発明に使用されるワクチンは次の群:(a)リシン及びアルギニン;(b)グルタミン酸およびアスパラギン酸; (c)アラニン及びグリシン;及び(d)チロシン及びトリプトファン、の少なくとも3群のそれぞれから選択された一個のアミノ酸を含むランダム共重合体からなる群から選択された少なくとも一個の共重合体を含む。
本発明に使用する共重合体はL‐またはD‐アミノ酸またはその混合から構成することができる。当業者既知のように、L‐アミノ酸はほとんどの天然タンパクに存在する。しかし、D‐アミノ酸は市販されており、本発明に使用されるテルポリマー及びその他の共重合体を作るために使用されるアミノ酸の一部または全部を置換することができる。本発明は、本質的にL‐またはD‐アミノ酸のいずれかを含む共重合体と同様に、D‐及びL‐アミノ酸の両者を含む共重合体の使用を考慮している。
本発明の一態様において、共重合体は、それぞれ群(a)から(d)の一つから選択された4個の異なるアミノ酸を含む。この態様による望ましい共重合体は、全体として陽性荷電となるようにアラニン、グルタミン酸、リシン、及びチロシンを組み合わせて含んでおり、分子量約2,000‐40,000 Da、望ましくは約2,000‐13,000 Daであり、最も望ましい共重合体1の平均分子量は約4,700‐13,000 Daである。望ましい分子量及びCop 1の望ましい形を作る方法は、その全体をここに引用した米国特許番号5,800,808に記述されている。これは説明のためにのみ示されているのであり、ワクチンは、上記の一般的条件に沿っているならば、成分及び成分の相対的比率に関して変化することができることは明らかである。このように、共重合体は約15から約100、望ましくは約40から約80のアミノ酸長のポリペプチドであり、望ましくは一般名酢酸グラチラマーを持つ共重合体である。
その他の態様において、共重合体は、それぞれ群(a)から(d)の中の異なる3群から選択した3個の異なるアミノ酸を含む。これらの共重合体はここではテルポリマーと称す。
一態様において、本発明に使用するためのテルポリマーはチロシン、アラニン、及びリシンを含み、以降YAKと呼ばれる。これらのテルポリマー中のアミノ酸の平均分子比率は変化しうる。例えば、チロシンは約0.005‐0.250のモル比で存在し;アラニンは0.3−0.6のモル比で存在し;そしてリシンは約0.1−0.5のモル比で存在しうる。平均分子量は2,000‐40,000 Daの間であり、望ましくは約3,000‐35,000 Daである。より望ましい態様において、平均分子量は約5,000‐25,000 Daである。リシンの代わりにアルギニン、アラニンの代わりにグリシン、及び/またはチロシンの代わりにトリプトファンで置換することができる。
その他の態様において、本発明に使用するためのテルポリマーはチロシン、グルタミン酸及びリシンを含み、以降YEKと称す。これらのテルポリマー中のアミノ酸の平均モル比は変動しうる:グルタミン酸は約0.005‐0.300のモル比で存在し、チロシンは0.005−0.250のモル比で存在し、そしてリシンは約0.3−0.7のモル比で存在しうる。平均分子量は2,000−40,000 Daの間であり、望ましくは約3,000‐35,000 Daである。より望ましい態様において、平均分子量は約5,000‐25,000 Daである。グルタミン酸の代わりにアスパラギン酸、リシンの代わりにアルギニン、そして/またはチロシンの代わりにトリプトファンで置換することができる。
その他の態様において、本発明に使用するためのテルポリマーは、リシン、グルタミン酸、及びアラニンを含み、以降KEAと称す。これらのポリペプチドのアミノ酸の平均モル比も変動しうる。例えば、グルタミン酸は約0.005‐0.300のモル比で存在し、アラニンは約0.005‐0.600のモル比で存在し、リシンは約0.2‐0.7のモル比で存在しうる。平均分子量は2,000−40,000 Daの間、そして望ましくは約3,000‐35,000 Daである。より望ましい態様において、平均分子量は約5,000‐25,000 Daである。グルタミン酸の代わりにアスパラギン酸、アラニンの代わりにグリシン、そして/またはリシンの代わりにアルギニンで置換することができる。
その他の態様において、本発明に使用するためのテルポリマーはチロシン、グルタミン酸、及びアラニンを含み、以降YEAと称す。これらのポリペプチドのアミノ酸の平均モル比も変動しうる。例えば、チロシンは約0.005‐0.250のモル比で存在し、グルタミン酸は約0.005‐0.300のモル比で存在し、アラニンは約0.005‐0.800のモル比で存在しうる。平均分子量は2,000−40,000 Daの間、そして望ましくは約3,000‐35,000 Daである。より望ましい態様において、平均分子量は約5,000‐25,000 Daである。チロシンの代わりにトリプトファン、グルタミン酸の代わりにアスパラギン酸、そして/またはアラニンの代わりにグリシンで置換することができる。
より望ましい態様において、テルポリマーのアミノ酸のモル比はほぼ共重合体1にとって望ましいものである。共重合体1におけるアミノ酸のモル比はグルタミン酸約0.14、アラニン約0.43、チロシン約0.10、及びリシン約0.34である。共重合体1の最も望ましい分子量は約5,000‐9,000 Daの間である。ここに開示されたワクチンとして共重合体1の活性は、次の置換:グルタミン酸の代わりにアスパラギン酸、アラニンの代わりにグリシン;リシンの代わりにアルギニン、そしてチロシンの代わりにトリプトファン、の一つ以上が行われているならば維持されることが期待される。
グルタミン酸、アラニン、及びチロシンのより望ましいテルポリマー、すなわちYEA、のモノマーのモル比は約0.21対約0.65対約0.14である。
グルタミン酸、アラニン及びリシンのより望ましいテルポリマー、すなわちKEA、のモノマーのモル比は約0.15対約0.48対約0.36である。
グルタミン酸、チロシン、及びリシンのより望ましいテルポリマー、すなわちYEK、のモノマーのモル比は約0.26対約0.16対約0.58である。
チロシン、アラニン及びリシンのより望ましいテルポリマー、すなわちYAK、のモノマーのモル比は約0.10対約0.54対約0.35である。
このテルポリマーは当業者が使用しうる方法のいずれかにより造ることができる。例えば、溶液中で望ましいモル比のアミノ酸を使用して縮合条件下に、または固相合成法によりテルポリマーを造ることができる。縮合条件には、適当な温度、pH、及び溶媒、一つのアミノ酸のカルボキシル基をほかのアミノ酸のアミノ基と縮合してペプチド結合を形成する条件が含まれる。縮合剤、例えばジシクロヘキシル‐カルボジイミド、をペプチド結合の形成を促進するために使用することができる。保護基を、側鎖分子及び一部のアミノ基またはカルボキシル基のような官能基を望ましくない副反応から保護するために使用することができる。
例えば、米国特許3,849,650に開示されている方法を使用することができ、その方法では、開始剤としてジエチルアミンを使用してチロシンのN-カルボキシアンヒドリド、アラニン、γ‐ベンジルグルタミン酸及びNε‐トリフルオロアセチル‐リシンを無水ジオキサン中環境温度で重合する。グルタミン酸のγ‐カルボキシル基は氷酢酸中臭化水素により脱保護することができる。トリフルオロ酢酸基は1モルのピペリジンによりリシンから除去される。操作によりグルタミン酸、アラニン、チロシン、またはリシンのいずれか一つに関する反応を選択的に除外することにより、目的とするアミノ酸、すなわち、共重合体中の4種のアミノ酸の3種を含むペプチド及びポリペプチドを造るために調節することができることを、当業者は容易に理解する。この応用の目的では、用語「環境温度」または「室温」は約20から約26℃の範囲の温度を意味する。
テルポリマーの分子量はポリペプチド合成の間にまたはテルポリマーが造られた後に調節することができる。ポリペプチド合成中に分子量を調節するために、合成条件またはアミノ酸の量を、ポリペプチドがほぼ目的とする長さに達したときに合成が停止するように調節する。合成の後、ポリペプチドを分子量で分離するカラムまたはゲルでクロマトグラフィーを行い、目的とする範囲の分子量のものを集めるような使用可能な分子量分別方法により望ましい分子量を持つポリペプチドを得ることができる。またこのポリペプチドは高分子量種を除去するために、例えば酸または酵素加水分解により、部分的に加水分解し、次いで酸または酵素を除去するために精製することができる。
一態様において、保護したポリペプチドを臭化水素酸と反応して目的とする分子量を持つトリフルオロアセチル‐ポリペプチドを形成することを含む方法により、望ましい分子量を持つテルポリマーを調製することができる。この反応は数回の試験的反応により予め決められた時間と温度で行われる。試験的反応の間に、時間と温度を変動させ、試験ポリペプチドのバッチの分子量範囲を測定する。ポリペプチドのバッチについて最適の分子量範囲を与える試験条件を大量合成に適用する。このようにして、目的とする分子量プロフィールを持つトリフルオロアセチル‐ポリペプチドを試験的反応により予め決めた時間と温度で保護ポリペプチドを臭化水素酸と反応させることを含む方法により製造することができる。この目的分子量プロフィールをもつトリフルオロアセチル‐ポリペプチドは次いでピペリジン水溶液と反応させて目的分子量を持つ低毒性ポリペプチドを形成する。
望ましい態様において、所与バッチの保護ポリペプチドの試験検体を、約10‐50時間約20‐28℃の温度で臭化水素酸と反応させる。そのバッチに最適の条件は数回の試験的反応を行って決定する。例えば、一態様において、保護ポリペプチドを約17時間約26℃の温度で臭化水素酸と反応させた。
Cop 1のMS関連HLA‐DR分子に結合するモチーフが知られているので(Fridkis‐ Hareli et al, 1999)、固定配列のポリペプチドは容易に造ることができ、そしてFridkis‐Hareli et al(1999)出版物に記述されているようにHLA‐DR分子結合溝に結合するペプチドとの結合を試験することができる。そのようなペプチドの例は、ここにその全体を引用して取り入れたWO 005249に記述されているものである。特に該出願に開示されているペプチドの32個を下記の表1に再掲する。そのようなペプチド、及びその他の類似ペプチドはCop 1に類似する活性を持つことが期待されるであろう。そのようなペプチド、及びその他の類似ペプチド、はCop 1関連ペプチドまたはポリペプチドの定義の範囲内と考えられ、そしてその使用は本発明の一部と考えられる。
本発明による「Cop 1関連‐ポリペプチド」の定義は、多発性硬化症の治療薬候補としてFridkis‐Hareli et al., 2002,により記述されたランダム4アミノ酸共重合体のようなほかの合成アミノ酸共重合体、すなわちアミノ酸フェニルアラニン、グルタミン酸、アラニン及びリシン(ポリFEAK)、またはチロシン、フェニルアラニン、アラニン及びリシン(ポリYFAK)、及びCop 1及びポリYEに共通の抗原となりうることが明らかにされるほかの類似共重合体を含む共重合体(14-,35-及び50-mers)、を包含することを意味する。

Figure 2005515198
本発明によると、本発明のワクチンに使用するための望ましい共重合体は共重合体1、ここではやはりCop 1 と称す、であり、最も望ましいその酢酸塩は一般名酢酸グラチラマーとして知られている。酢酸グラチラマーは数カ国において商品名、COPAXONE(登録商標)(Teva薬品会社、Petah Tikva, イスラエル、の商標)の下に多発性硬化症(MS)の治療薬として承認されている。いくつかの臨床試験では、Cop 1の耐容性は良好であり、注射部位における緩和な反応である軽度な副作用のみであることが示されている(Johnson et al, 1995)。
前記のように、SOD1遺伝子における突然変異は家族性ALSの一つの遺伝的原因である(Rosen et al., 1993; Brown, 1995)。変異SOD1遺伝子を発現するいくつかのマウスモデルはヒトと同じような運動ニューロン変性を生じる(Gurney et al., 1994; Ripps et al., 1995; Kong and Xu, 1998)。これらのマウス系統の最初の分析により、変異酵素による好ましくない性質のために運動ニューロン変性を生じることが立証された(総説として、Bruijn and Cleveland, 1996 参照)。さらに、これらの分析によりヒトにおいて観察される多数の病理的特徴が確認された(Hirano, 1991; Chou, 1992)。このSOD1変異と呼ばれる突然変異を理解することにより、家族性ALSの治療を試験するための認められた動物モデル(ALSマウス)が得られた。SOD1関連家族性ALS及び散発性ALS(全ALS症例の90%に及ぶ)は同じ症状及び病理特徴を持っているので、変異SOD1遺伝子を持つ形質転換マウスは家族性及び散発性の両者のALS型の治療方法を試験するための動物モデルとして受け入れられており、ALS治療法開発基金(ALS‐TDF)により使用されているモデルでる。ALSマウスはALSに極めてよく似た運動疾患を発症する。その運動機能不全は最終的にその死に至る。
本発明により、CFA中に乳化したCop 1のワクチンまたはヒト使用に適したアジュバント中のワクチンで免疫したALSマウスは、SODの過剰発現により創られる酸化的ストレス状態があるにもかかわらず、運動神経変性から保護されることが示された。CFA中の「共通」の弱い自己反応性抗原Cop 1のワクチン接種により、ALSマウスの生存期間(平均±SD,263±8日、n=14)は非処置対照(211±7日;n=15; P<.0001)に比較して52日延長した。ワクチン接種により発病後及び発病前の運動活性は著しく改善した。さらにCop 1のワクチン接種により顔面神経軸索除去後の急性運動ニューロン変性は阻止された:ワクチン接種マウスにおいて軸索除去対照よりもほとんど200%多い運動ニューロンが生存した(P<.05)。これらの結果は、保護的な自己免疫の概念は運動ニューロン疾患へ拡大できることを示している。また潜在的に劇的な臨床的意義を有している。
本発明により免疫するために使用するアジュバントはアルミニウムを使用するアジュバントである。B型肝炎表面抗原またはヘモフィラスインフルエンザb型カプセルポリサッカライドのようなウイルス由来抗原を含むワクチンに広く使用されており、これらのアジュバントは初めてこの合成共重合体、特にCop 1とともに使用される。
投与されるCop 1またはポリYEの用量は患者の年齢及び病気の段階に従って医師により決定されるであろう、そして、10‐80 mgの範囲から選択することができるが、それ以外の適当な量も本発明に包含される。投与は少なくとも1ヶ月に一度または少なくとも2または3ヶ月に一度、またはそれよりも頻度少なく行うことができるが、患者の状態によってはその他の適当な免疫間隔が想定されている。
本発明のワクチンは、経口、筋肉内、皮下及び皮内、を含む適当な投与方法により、アジュバントと共にまたはアジュバント無しで、投与することができる。
リルゾールまたはMND、特にALSの治療に適したその他の薬物と共に投与する場合は、追加の薬物は免疫と同じ日に投与され、そしてその後はメーカー説明に従ってワクチン治療と関係なく毎日投与する。例えば、リルゾールの一日用量は100 mgである。
以下の例により本発明の特徴を説明するが、本発明の範囲を制限することを意図していない。

材料と方法
動物。C57BL/6J株、8−13週齢のマウスをAnimal Breeding Center of The Weizmann Institute of Science (Rehovot,イスラエル)から入手した。実験に使用するのに先立って、80 mg/kg ケタミン及び16 mg/kgキシラジンの腹腔内投与によりマウスを麻酔した。Gly93→Ala(G93A)遺伝子(B6SJL‐TgN(SOD1‐G93A)1Gurを含む欠陥ヒト突然変異SOD1アレルを過剰発現する形質転換マウス(ここでは「ALSマウス」)はThe Jackson Laboratory (Bar Harbor, ME,米国)から購入した。全ての動物はInstitutional Animal Care and Use Committee (IACUC)によって定められた基準に従って取り扱った。
材料。Cop 1(中央値分子量:7,200ダルトン)はTeva 薬品会社(Petah Tikva,イスラエル)から入手。リン酸水酸化アルミニウムゲル(REHYDRAPHOS(登録商標)ワクチンアジュバント、ここではAlum‐phos)はReheis (NJ, 米国)から購入した。Mycobacterium tuberculosisを0.5 mg/ml含む完全フロイントアジュバント(CFA)は、特記しない限り、Difco (Detroit, Michigan,米国)から購入した。
免疫。マウスは、CFA中に乳化したCop 1またはCop 1‐Alum‐phos(全量100μl中100μg)で免疫した。Alum‐phosをCop 1と1:4の比で激しく混合した。各ワクチンはマウスのわき腹の片方の皮下に(SC)注射した。対照マウスにはマンニトールをCFAまたはAlum‐phosに入れて注射した。
グルタミン酸注射。麻酔したC57B BL/6Jマウスの右目の鞏膜上部に27ゲージ針で穴を開け、そして30ゲージ針をつけた10‐μlハミルトンシリンジを硝子体まで挿入した。生理食塩液に溶解したL‐グルタミン酸の全量1μl(200 nmol)をマウスに注射した。
マウスの網膜神経節細胞(RGC)の標識。RGCを実験終了の72時間前に標識した。マウスを麻酔し、立体計測装置につけた。頭蓋を露出し、乾燥し清潔に保った。前頭泉門部を同定し、マークした。注射の指定点は脳表面から2 mmの深さで、前後軸に沿って泉門部から2.92 mm後方、そして中心線から0.5 mm側方であった。右及び左半球の指定された位置の頭皮に窓を開けた。次いでハミルトンシリンジを使用して神経追跡色素FluoroGold(生理食塩液中5%溶液;Fluorochrome, Denver, CO)を適用した(1μl、各半球に0.5μl/minの速度で)、そして傷の皮膚を縫合した。色素の逆取り込みは生存細胞のマーカーとなる。
マウスにおけるRGC生存の評価。マウスに致死量のペントバルビトン(170 mg/kg)を投与した。眼を取り出し、網膜を剥離し、パラホルムアルデヒド(PBS中4%)中で平らにしてマウントした。同じ大きさ(0.7 mm2)の4‐6の視野を選び標識細胞を数えた。視神経乳頭からの距離によってRGC密度が変化するので、選択した視野は視神経乳頭からの距離をほぼ同じにした(0.3 mm)。観察者にはマウスの処置をブラインドにして、視野を蛍光顕微鏡(拡大×800)で計数した。各網膜の視野あたりの平均RGC数を算出した。
筋萎縮性側索硬化症モデル。3匹のALSマウス、75日齢、をAlum‐phos中に乳化したCop 1でワクチン接種した(全量100μl中100μgのCop 1、わき腹に一回皮下注射)。1週間後及び1ヶ月ごとにブースター注射をした。そのほかに3匹の形質転換マウスは免疫せずに、病気を自然に進行させる対照とした。筋力は盲検により回転する垂直な棒に各マウスが掴まっている時間を計って評価した。ほとんどの動物の回転棒に掴まっている最大時間は5分間であったので、各実験は5分間まで継続した。
筋力試験。この試験は既述(Kong and Xu, 1998)に従って実施した。下端に小さな輪のある垂直な針金(径2 mm)に掴まらせた。針金をしっかりとつかむために前足と後足の両方を使ってよいこととした。針金を垂直方向に保って24 rpmで円運動をさせた(回転半径10 cm)。マウスが掴まっていることができる時間をタイマーで記録した。ほとんどのマウスは5分間以内に落ちたので、試験は5分で打ち切った。通常週に1回試験し、針金に掴まることができなくなるまで継続した。
データ解析。生存データはMantel‐Cox検定またはCox’proportional hazards regression analysisにより分析した。統計的有意差は、SPSS‐PCソフトウエアプログラム(SPSS, Chicago, IL)を使用するポストホックStudent‐Neuman‐Keuls法による、一元配置ANOVAにより検定した。
例1.Alum‐phos中に乳化したCop 1のワクチン接種によるグルタミン酸毒性に対する神経保護。
最初に、グルタミン酸誘発毒性をCFAまたはAlum‐phos中に乳化したCop 1でのワクチン接種により阻止できるか否かを試験した。CFAはヒト使用には認められていないアジュバントであり、動物実験にはしばしば使用される。Alum‐phos及びその他の水酸化アルミニウムを使用したアジュバントはFDA及びそのほかの国の承認を得ており、動物及びヒトのワクチンによく使用されている。
CFAまたはAlum‐phos中に乳化したCop 1(全量100μl中に100μgのCop 1)をC57BL/6Jマウスのわき腹の片方に皮下注射し、7日後マウスの硝子体中にグルタミン酸(200 nmol)を注射した。7日後生存RGCを計数した。事前の免疫を行わずにグルタミン酸毒性を受けたRGCの生存を100%とした。
表2に示されるように、グルタミン酸を注射する7日前にCFAまたはAlum‐phos中のCop 1で予め免疫することにより、網膜神経節細胞はグルタミン酸毒性に対して有意に保護され、そしてAlum‐phos中に乳化したCop 1による保護はCFA中に乳化したものよりも有意に高かった。
Figure 2005515198
例2.アジュバント有りまたは無しのCop 1またはポリYEでのワクチン接種によるグルタミン酸毒性に対するニューロン保護
グルタミン酸毒性はALS神経変性におけるリスク因子の一つである。アジュバント無しのCop 1及びポリYEによる免疫のグルタミン酸毒性からニューロンを保護する効果を試験するために、C57BLマウスの網膜を過剰量のグルタミン酸に暴露した。C57BLマウスを4実験群に分けた;
1.免疫されていない動物‐陰性対照、n=9
2.マウス当り25μgのポリYE で免疫した動物、n=10
3.マウス当り225μgのポリYEで免疫した動物、n=10
4.マウス当り75μgのCop 1で免疫した動物、n=7
処置群は、眼内グルタミン酸投与の7日前に、100μlのPBSに溶解してポリYEまたはCop 1で免疫した。高レベルのグルタミン酸に暴露された後7日に生存したRGCの数を計測し、正常眼に対するパーセントを算出した。結果を図1に示す。全ての処置群(群2−4)におけるRGC生存は陰性対照群よりも有意に(p<0.001 t‐検定)高かった。
その他の実験において、C57BlマウスにAlum-phos中に乳化したCop 1(100μg)(n=8)またはAlum-phosのみ(n=8)またはCFA中に乳化したポリYE(100μg)(n=24)またはアジュバントのみ(陰性対照)(n=27)(100μl)を、眼内グルタミン酸注射の7日前に、投与した。高レベルのグルタミン酸に暴露された後7日に生存したRGCの数を計測した。保護効果は非投与群において失われたRGCを除いた生存RGCのパーセントとして計算した。結果を図2A−B に示す。Cop 1投与群(図2A)及びポリYE投与群(図2B)におけるRGC生存はアジュバントのみを投与した陰性対照より有意に高かった。
高分子量(中央値分子量:12,600、15,500、及び22,000ダルトン)のCop 1をグルタミン酸毒性モデルで試験した。特異的な神経保護作用を生じる効果を上記のようにRGCにおける急性グルタミン酸毒性モデルにおいて測定した。C57BL/6マウス(実験当り合計5群、群当り10動物)を眼内グルタミン酸注射(200 nmol)の14日前に免疫し、グルタミン酸投与後7日にRGC生存を調べた。各分子量のCop 1の3用量を試験し、陰性対照(グルタミン酸のみ)及び陽性対照(分子量7,200 dの75μg Cop 1、グルタミン酸毒性の7日前)と比較した。
例3.緑内障モデルにおけるCop 1及びポリYEによるワクチン接種の神経保護効果
緑内障は視覚ニューロンの進行性消失を伴う慢性神経変性疾患であり、最終的に失明に至る。眼内圧(IOP)の上昇は主要なリスク因子と考えられており、ニューロン死の主な原因と考えられている。従って、IOPを低下させる生化学物質または外科手術は現在標準的治療である。しかし、IOPを低下させることは必ずしもニューロン消失を止めるのに十分ではない。さらに、視神経変性はしばしばIOPの上昇無しに生じる、正常圧緑内障と呼ばれる(緑内障患者の約3分の1に生じる)。従って、神経保護治療が適していると考えられる。われわれはラットのIOP慢性上昇モデルを使用して、ALS患者に生じるような継続的ストレス状態の下にあるニューロンの死を減らすためのCop 1またはポリEYの能力を試験した。緑内障はALSのように慢性神経変性疾患であるので、緑内障モデルに生じる神経保護はALSにおける同様の神経保護の指標となりうる。
高IOPの誘発は以下のように行った:青‐緑色アルゴンレーザーを照射するHaag-Streitスリットランプを使用して、麻酔した雄Lewisラットの右目の4本の上鞏膜静脈の3本及び縁静脈叢の270度に向けた方向に80−120回適用して処置した。レーザービームは1ワットの強さで0.2秒間適用し、上鞏膜静脈には100 mmのそして縁静脈叢には50 mmの大きさのスポットを作った。1週間後に2回目のレーザー照射を行い、全ての照射を100 mmスポットの大きさとした以外は同じパラメーターを使用した。照射は4本の上鞏膜静脈全てと縁静脈叢24の360度に行った。
IOPの上昇を測定するために、ラットの腹腔内に10 mg/mlアセプロマジン、IOPを低下させない鎮静薬、を注射し、5分後に角膜にロカリンを適用した後、Tono-Pen XL眼圧計(Automated Ophthalmics, Ellicott City, MD,米国)を使用して両目の眼圧を測定した。各眼について10回測定を平均した。最初のレーザー処置の1週間後に、IOPは約30 mmHgのレベルに達し、下記表3に示すように試験終了(最初のレーザー処置の3週間後)まで著しい変動はなかった。
RGC生存を測定するために、最初のレーザー処置の3週間後に親水性神経追跡色素デキストランテトラメチルローダミン(ローダミンデキストラン)(Molecular Probes, Oregon,米国)を視神経の眼窩内部分に適用した。高IOPに生存し、機能が残っており、細胞体が生存している軸索のみが色素を取り込み、標識RGCを示す。24時間後ラットを殺処理し、網膜を取り出し、全部マウントし、標識RGCをZeiss蛍光顕微鏡の拡大×800で計数した。各網膜の全て同じ径(0.076 mm2)及び視神経乳頭から同じ距離にある4視野を計数した。RGCの計数はどの網膜であるかブラインドにされた観察者によって行われた。
表3は、正常IOPのラット及びレーザー処置3週間後にIOPが上昇したラットにおけるRGC生存率を示す。
Figure 2005515198
3a. 緑内障IOPモデルにおけるRGC生存に対するポリEYワクチン接種の効果
SPDラットを、最初のレーザー処置の1時間後にCFAで乳化したポリEY(500μg)で免疫した(n=9)。第一対照群(n=7)は抗原を含まないCFAで免疫し、第二対照群(n=5)はPBSのみを注射した。図3Aに示すように、実験期間を通してIOPが高く維持されたポリEY免疫ラットでは非免疫ラットに比較してRGCの生存は増加を示したが、PBS-免疫ラットでは認められなかった。RGCの保護は非免疫群において消失した全細胞に対する治療群の生存細胞のパーセントとして計算された。
3b. 緑内障IOPモデルにおけるRGC生存に対するCop 1ワクチン接種の効果
IOP上昇ラットモデルを使用して、IOPは高く維持されそして神経変性が既に始まっている事実があるにもかかわらず、Cop 1は、IOP上昇の開始時または1週間後に(CFA中500μg)投与した場合に、ニューロン消失を減少することが示された(図3B参照)。さらに、Cop 1ワクチンがIOP低下薬ブリモノジンと共に投与されると、ブリモノジンのみを使用した場合よりも大きなRGC保護効果を生じた(図3Bの挿入を参照)。
例4.Cop 1免疫は形質転換突然変異SOD1マウス(ALSマウス)における運動神経変性を防御する
Cop 1免疫により運動ニューロン変性の進行を防御できるか否かを試験するために、ALSマウスSOD1(n=3)を75日齢時にAlum‐phos中のCop 1で免疫し、そして1週間後にブースター投与を行った。ついで30日ごとに免疫を行った。ALSの対照群(n=3)はCop 1での免疫を行わなかった。マウスは、回転垂直棒に懸垂する時間を盲検により試験することにより、1週に数回筋力を試験した。各実験は5分間行った。
マウスにおける筋力低下の進行は図4A-Bに描かれている。図4Aは週ごとの動物の平均懸垂時間を示す(結果は平均±標準誤差)。示すように、Cop 1免疫動物(マウス1及び4)は非免疫マウスよりも長い懸垂時間を示す。
筋力低下の始まりは個々のマウスによって異なる。各マウスにおける低下速度に対するワクチン接種の効果を評価するために、所定時期の筋力を低下が始まる1週間前に測定された値と比較した。
図4Bは個別形質転換マウスの筋力低下の同期プロットを示す。Cop 1で免疫したマウス(黒カラム)は、免疫の日の筋力に関係なく、筋力低下の速度が有意に遅いことを示すことは明らかである。従って、非免疫動物に比較して長期間運動能力を維持していた。
Cop 1免疫の有用な効果はマウス体重にも反映されている。図5に示すように、病気の進行に従って、Cop 1免疫形質転換マウスは体重の減少もより遅くなることを示した。86日から111日齢の間に、全ての非免疫形質転換マウスは体重を2グラム減少させた。これに対して、Cop 1免疫群では、1匹のマウスは変化なく、2匹は2グラム体重を増加させた。
Cop 1での免疫はまた形質転換マウスの死亡率にも影響した。病気の進行と共に、マウスは麻痺しそして死亡する。Cop 1での免疫は形質転換マウスの寿命を有意に延長した:発症後2,3及び4週に非処置ラットは死亡したが、1匹のCop 1免疫マウスは4週間生存し、他の2匹は発症後7週間生存した(表4)。死亡時において、Cop 1免疫形質転換マウスは、非免疫マウスによりも平均で3週齢延命した。
Figure 2005515198
例5.Cop 1治療はALSマウスの平均余命を増加する
14匹のALSマウス、60日齢、を5 mg/mlのMycobacterium tuberculosisを含むCFA(Difco Laboratories, Heidelberg, ドイツ)中に乳化したCop 1(75μg)でワクチン接種した。この乳剤(全量200μl)を後肢足掌に注射し、次いでマウスに毎日Cop 1(12.5 mg/kg/day)を飲料水に加えて経口的に投与した。60日齢においてCop-1で免疫したマウス及び非処置の対照マウスを毎日観察し、毎週体重を測定した。それらの運動活性及び死亡を監視した。症状発現の日齢は最初に震顫及び/または四肢の震え、または尾を持ってマウスを空中に保ったときに後肢の(突っ張りでなく)懸垂が認められたときの日齢(日)とした。正向反射の消失は病気の末期を示すものとした。麻痺は脊髄の運動ニューロンの進行性消失により生じた。図6に示すように、非ワクチン接種対照(n=14)は一つ以上の肢に麻痺を生じ、211±7日(平均±標準偏差)の日齢で死亡した。Cop-1治療マウスは263±8日生存した。従って、Cop 1 でワクチン接種によりALSマウスの平均余命は劇的に延長した(図6)。
陽性対照として、15匹のALSマウスに、現在ALS患者に唯一投与されている薬物であるリルゾールの一日用量(30 mg/kg)を投与した。図7に示すように、リルゾール処置マウスは対照に対して9%の生存増加を示し、一方Cop 1処置マウスは対照に対して25%の増加を示した。
ほとんど25%の寿命延長に加えて、発症(運動能力により示される)は遅延し、発症前及び発症後のいずれの生活の質においても好ましいことが示された(図8)。マウスを下端に小さな輪のある垂直の針金(直径2 mm)に掴まらせた。回転棒装置(LMTB, Berlin)を使用して、各マウスの正常値は40から60日の間に夜間運動活性(8PMから8AM)を評価することにより得られた。その活性は個別にコンピューター化された装置により記録され、毎日評価された。統計的評価のために、回転棒能力は40日から60日の各マウスの平均能力に対して正規化した。データは平均±標準誤差(SEM)として示す。回転棒試験及び体重は分散分析(ANOVA)により比較した。統計的有意性は、SPSS-PCソフトウエアプログラム(SPSS, Chicago, IL)を使用するポストホックStudent-Neuman-Keulsによる一元配置ANOVAにより検定した。Cop 1処置及び非処置マウス間の有意差は次の時点において認められた:12及び20日の間(P<.058)、21及び24日の間(P<.0079)、及び25日及び28日の間(P<.0017)。
例6.アジュバント無しのCop 1によるALSマウスの処置
ALSマウス(群当り15動物)を11実験群に分けた:
1.非治療マウス‐陰性対照群
2.リルゾール投与マウス‐30 mg/kg/day
3.Cop 1/CFAで免疫したマウス‐75μg最初のワクチン接種、次いでCop 1 (12.5 mg/kg)の毎日経口投与‐陽性対照群
4.75μg Cop 1の2回注射による免疫マウス‐第1回目は45日に、第2回目は59日に
5.マウスを4群と同様に免疫し、次いで87日に100μgのCop 1 の一回注射
6.150μgのCop 1の2回注射で免疫したマウス:1回目は45日そして2回目は59日
7.75μgのCop 1の2回注射で免疫したマウス:1回目は83日そして2回目は97日
8.群4と同じで、リルゾール30 mg/kg/dayを併用
9.群5と同じで、リルゾール30 mg/kg/dayを併用
10.群6と同じで、リルゾール30 mg/kg/dayを併用
11.群7と同じで、リルゾール30 mg/kg/dayを併用。
投与開始の2週間前から、マウスの運動活性及び体重を週1回監視した。動物を殺処理する終了基準は、平面に両側に倒して置いたときに30秒以内に正向する能力により決定した。決定は動物プロトコールにより定められている独立した獣医により行われた。
例7.Cop 1投与は顔面神経軸索除去による運動ニューロン変性を防御する
成熟マウスの顔面神経の横断面は軸索除去運動ニューロンの20%から35%に視覚的に判別できる遅発性の変性を生じることが知られている。したがって、顔面神経の軸索除去により、進行性の運動ニューロン消失を特徴とするALSのモデルが提供される。顔面神経軸索除去モデルにおけるニューロンの生存及び機能に対する免疫の効果は、ALS患者におけるニューロン消失を減少させる治療の能力の指標である。
C57BL/6JO1aHsd株(Harlan Winkelmann, Borchen,ドイツ)の成熟メスマウス(12週齢、20‐25 g)34匹をこの実験に使用した。対照動物には片側の顔面神経軸索除去を行い、非処置またはCFAに乳化したPBSを注射した。実験群のマウス(n=10)をCop 1(全量100μg)で免疫し、またはPBS(n=9)を、いずれもCFA中に乳化して、注射し、7日後に顔面神経軸索除去を行った。第3群のマウス(n=8)は予め免疫せずに軸索除去を行い、そして第4群のマウス(n=7)は無処置とした。
7日後麻酔下に(体重 kg当り100 mg Ketanest(登録商標)プラス5 mg Rompun(登録商標))2箇所の11−0神経鞘縫合(Ethicon EH 7438G, Norderstedt,ドイツ)による近位切断枝と遠位切断枝の微細手術結合により顔面‐顔面吻合(FFA)を創った。傷を3箇所の4−0皮膚縫合により閉じた。回復の評価のために、頬肉筋肉に通じる顔面運動ニューロンを、各頬肉筋肉内に注射した蛍光逆トレーサーFluoroGoldプラス2%ヂメチルスルホキシド(DMSO)の1%水溶液の30μlの注射により逆標識した。7日後、マウスを再度麻酔し、0.9% NaClを心臓経由により潅流し、次いで0.1 Mリン酸緩衝液 pH 7.4中4%パラホルムアルデヒドで20分間固定した。脳を取り出し、ビブラトームを使用して脳幹を含めて50‐μm‐厚の冠状切片を切り出した。切片をZeiss Axioskop 50エピフルオレッセンス顕微鏡によりFluoroGold 用の 特製HQ-Schmalband-フィルター(AHF Analysentechnik, Tubingen,ドイツ)を通して観察した。
図9A-D及び表5に示すように、軸索除去8週後、Cop 1でワクチン接種したマウスにおいてFluoroGold標識運動ニューロンの平均数は、CFA中のPBSを注射した群、または非治療群に認められた数よりも有意に(P<.05)多かった。Cop 1による治療は、傷害を受けていない顔面神経の運動ニューロンの数には影響がなかった。CFA中のPBSによる対照免疫は保護効果がなかった。
頬肉内にFluoroGoldを注射した後の逆標識ニューロンは、正常な運動ニューロンの局在または数について、CFA中のCop 1で免疫したマウス(図9A)とCFA中のPBSを注射したマウス(図9C)との間に差を示さなかった。これに対して、CFA中のCop 1でマウスを予め処置した場合の傷害顔面神経は(図9B)、CFA中のPBSで前処置した対照動物の傷害顔面神経(図9D)におけるよりも有意に多い標識運動ニューロンを含んでいた。データは平均±標準偏差(SD)として示す。異なる実験群間の差は一元配置分散分析(ANOVA)及びBonferroni-Holm相関を使用する対応のないポストホックt検定を適用して検定した。P値.05未満を統計的有意と判断した。
例8.Cop 1投与は急性軸索除去から運動ニューロンを保護する
Cop 1処置により対照におけるよりも多く認められる運動ニューロン数は機能的改善と関係するか否かを調べるために、ひげの行動を生物学的に定量した。ひげ行動の基礎データは対照正常動物において記録した。正常な生理的条件下では、頬ひげは前方に向けて立っている。「ひげの振え」または「かぎ回り」として知られている同調したひげの運動は毎秒5−11回起こっている。この運動行動の重要な動きは立毛筋によるひげの伸び縮みであり、これは顔面神経の頬分枝により支配されている。顔面神経が切断されると、ひげは尾の方向を向きそして運動がなくなる。
このモデルを使用して、以下のパラメータを評価した:(i)伸び(ひげの前方運動)、中央矢状面と毛軸が作る嘴状に開いた角度を測る(大きな伸びは小さな角度を示す);(ii)ひげを動かす頻度、1秒間当りの伸び縮み(受動的な後方への動き)のサイクルによって示される;(iii)振幅‐最大伸びと最小縮みとの角度の差;(iv)伸びの間の角速度、1秒当りの角度;(v)伸びの間の角加速度、1秒当りの角度。
顔面神経軸索除去及びCop 1ワクチン接種を受けたマウスは、他の群のマウスよりも有意によいひげ活性を示した。これは、振幅、伸びの間の角速度、および伸びの間の角加速度によって最もよく示された(表6)。

Figure 2005515198

図9に示された結果の数値。正常マウス(群A)及びFFAのみを行ったマウス(群B)、CFA中のPBSを注射した後にFFA(群C)、及びCFA中のCop 1でワクチン接種した後にFFA(群D)のマウスにおける1% FluoroGold(30μl)注射による逆標識顔面核周辺部の数(平均±SD)。肩付文字は有意差(*P<.05)のある群を示す。画像解析のために、画像解析ソフトウエアOptimas 6.5(Optimas, Bothell, WA)を組み込んだCCDビデオカメラ(Optronics Engineering Model DEI-470, Goleta, CA)を使用し、コンピュータスクリーン上の逆標識顔面運動ニューロンを肉眼で計測した(42)。フラクショネイター原理(43)を使用し、手術側及び非手術側の両側の顔面核の50-μm-厚切片の各第2切片について可視細胞核を持つ逆標識運動ニューロン全てを計数した。計数はラットに施した処置をブラインドにした二人の観察者により行われた。

Figure 2005515198


正常マウス(群A)及びFFAのみを行ったマウス(群B)、CFA中のPBSを注射した後にFFA(群C)、及びCFA中のCop 1でワクチン接種した後にFFA(群D)もマウスにおけるひげ行動の正常及び回復の生物学的測定。数値は平均±SD。肩付文字は有意差(*P<.05)のある群を示す。顔の両側にあるC列の二本の大きなひげを生物学的測定分析に使用した。マウスをエーテルで軽く麻酔し、他のひげは小さなはさみでクリップした。デジタルカムコーダー(Panasonic NV DX-110 EG)を使用して3-5分間マウスをビデオテープに記録した。補正の後、ひげ行動のビデオ画像を50 Hz(1秒間に50枚)、ビデオカメラのシャッターを4 msec開いて、でサンプリングした。画像をAY-DVM 60 EKミニ‐カセットに記録した。ビデオ記録をゆっくりと再生し、各マウスについて1.5秒の連続記録をひげ行動生物測定のために選択した。頭の安定した位置、ひげ運動の頻度、ひげの角度を選択の基準とした。選択した連続記録を2D/Manual Advanced Video System PEAK Motus 2000(PEAK Performance Technologies, Englewood, CO)により保存した。空間モデルは3基準点(鼻の先端、両目の内角)で構成した。各ひげは空間モデル内において二点(根元及び根元から0.5 cmの点)で示した。
Figure 2005515198


Figure 2005515198
図1はアジュバント無しのCop 1またはポリYEによる免疫がグルタミン酸毒性からマウス網膜神経節細胞(RGC)を保護することを示す。 図2A-Bはアジュバント(CFA)に入れたCop 1(2A)またはポリYE(2B)による免疫がグルタミン酸毒性からマウスRGCを保護することを示す。 図3A-Bは、眼内圧(IOP)緑内障モデルにおけるRGC生存に対するポリYE(図3A)またはCop 1(図3B)の免疫による効果を示す。 図4A-Bは、ヒト突然変異SOD1を過剰発現する形質転換マウス(以降「ALSマウス」)で行った筋力試験の結果を示す。図4AはAlum-phosに乳化したCop 1で免疫したALSマウス(マウス1,2及び4)及び非免疫形質転換マウス(マウス3,5及び6)の垂直回転棒上における週ごとの平均懸垂時間(秒)を示す。図4Bは3匹の非免疫形質転換マウス(対照、灰色カラム)に対するAlum-phos中のCop 1で免疫した3匹のALSマウス(黒カラム)の平均懸垂時間(初期値の%)を示す。病気の進行の早さと比較するために、全ての動物は筋力低下の開始時期(0時)を同期させ、各動物の懸垂時間を発症前の自身の初期値(初期値‐100%)で正規化した。図は各群の平均±SEM懸垂時間、続く週の病気の進行を示す。 図5は、非免疫マウス(灰色菱形)に比較して、Alum-phos中のCop 1で免疫したALSマウス(黒菱形)の体重の維持を示す。 図6は、CFA中のCop 1で免疫したALSマウスにおける余命を示すグラフである。脊髄の運動ニューロンの進行性消失により麻痺を生じる。非ワクチン接種対照(n=15)は複数の肢に麻痺を生じ、211±7日齢(平均±SD)で死亡した。Cop 1処置マウスは263±8日生存した。 図7は、CFA中のCop 1で免疫したALSマウス及びリルゾールで処置したALSマウスの余命を示す。リルゾール処置及びCop 1免疫ALSマウスは、非ワクチン接種対照に対して、それぞれ9%及び25%増加を示した。 図8はCop 1処置及び非処置ALSマウスにおける表示時に測定した平均ロータロッド活性を示す。マウスは下端に小さな輪のある垂直針金(2 mm径)に掴まらせた。その活性はコンピュータ化システムにより個別に記録し、毎日評価した。統計的な評価を行うために、ロータロッド活性を40日から60日の各マウスの平均活性に対して正規化した。データを平均±標準誤差(SEM)で示す。治療マウスと非治療マウスの間の有意差は以下の時期に認められた:12日から20日の間(P<.058)、21日から24日の間(P<.0079)、及び25日から28日の間(P<.0017)。 図9A-Dは顔面神経軸索除去後にCop 1投与の投与によるマウスの運動ニューロン救助を示す。軸索除去8週後Cop 1でワクチン接種したマウス(図9D)の脳幹におけるFluoroGold標識運動ニューロンの数は、CFA中のPBSを注射した群(図9B)で認められた数よりも有意に多かった。Cop 1による処置は傷害を受けていない顔面核では運動ニューロン数に影響はなかった(図9A,9C)。CFA中のPBSで免疫した対照は保護効果がなかった。

Claims (39)

  1. Cop 1、Cop 1関連ペプチド、Cop 1関連ポリペプチド、及びポリ‐Glu,Tyrからなる群から選択された活性物質を含むワクチンで該患者を免疫することを含む、運動ニューロン疾患(MND)に罹患した患者における病気の進行を遅らせる、及び/または運動神経変性を保護する、及び/またはグルタミン酸毒性から防護するための方法。
  2. 該運動ニューロン疾患が筋萎縮性側索硬化症(ALS)である請求項1に記載の方法。
  3. 該運動ニューロン疾患が原発性側索硬化症(PLS)、進行性筋萎縮症(PMA)または進行性球麻痺(PBPまたは球症状)である請求項1に記載の方法。
  4. 該ワクチンがアジュバント無しで活性物質を含む請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
  5. 該ワクチンがヒト臨床使用に適したアジュバント中に乳化した活性物質を含む請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 該アジュバントが水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、及びリン酸水酸化アルミニウムからなる群から選択される請求項5に記載の方法。
  7. 該アジュバントが酸性等電点及び1:1のAl:P比を持つ無定形リン酸水酸化アルミニウムである請求項6に記載の方法。
  8. 該活性物質がCop 1である請求項1から7のいずれか一つに記載されている方法。
  9. 該活性物質がCop 1関連ペプチド、Cop 1関連ポリペプチドである請求項1から7のいずれか一つに記載の方法。
  10. 該活性物質がポリ‐Glu,Tyrである請求項1から7のいずれか一つに記載の方法。
  11. 該ワクチンが少なくとも月に1回投与される請求項1から10のいずれか一つに記載の方法。
  12. 該ワクチンが少なくとも2−3ヶ月に1回投与される請求項1から10のいずれか一つに記載の方法。
  13. 治療がリルゾールのようなMND治療のためのほかの薬物を投与することを含む請求項1から12のいずれか一つに記載の方法。
  14. Cop 1、Cop 1関連ペプチド、Cop 1関連ポリペプチド、及びポリ‐Glu,Tyrからなる群から選択された活性物質を含む、運動ニューロン疾患(MND)に罹患した患者における病気の進行を遅らせる、及び/または運動神経変性を保護する、及び/またはグルタミン酸毒性から防護するためのワクチン。
  15. 該運動ニューロン疾患が筋萎縮性側索硬化症(ALS)である請求項14に記載のワクチン。
  16. 該運動ニューロン疾患が原発性側索硬化症(PLS)、進行性筋萎縮症PMA)または進行性球麻痺(PBPまたは球症状)である請求項15に記載のワクチン。
  17. 該ワクチンがアジュバント無しで活性物質を含む請求項14から16のいずれか一つに記載のワクチン。
  18. 該ワクチンがヒト臨床使用に適したアジュバント中に乳化した活性物質を含む請求項14から16のいずれか一つに記載のワクチン。
  19. 該アジュバントが水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、及びリン酸水酸化アルミニウムからなる群から選択される請求項18に記載のワクチン。
  20. 該アジュバントが酸性等電点及び1:1のAl:P比を持つ無定形リン酸水酸化アルミニウムである請求項19に記載のワクチン。
  21. 該活性物質がCop 1である請求項14から20のいずれか一つに記載の方法。
  22. 該活性物質がCop 1関連ポリペプチド、Cop 1関連ポリペプチドである請求項14から20のいずれか一つに記載のワクチン。
  23. 該活性物質がポリ‐Glu,Tyrである請求項14から20のいずれか一つに記載のワクチン。
  24. 該ワクチンが少なくとも月に1回投与される請求項14から23のいずれか一つに記載のワクチン。
  25. 該ワクチンが少なくとも2−3ヶ月に1回投与される請求項14から23のいずれか一つに記載のワクチン。
  26. 治療がリルゾールのようなMND治療のためのほかの薬物を投与することを含む請求項14から25のいずれか一つに記載のワクチン。
  27. 運動ニューロン疾患(MND)に罹患した患者における病気の進行を遅らせる、及び/または運動神経変性を保護する、及び/またはグルタミン酸毒性から防護するためのワクチンを調製するための、Cop 1、Cop 1関連ペプチド、Cop 1関連ポリペプチド、及びポリ‐Glu,Tyrからなる群から選択された活性物質の使用。
  28. 該運動ニューロン疾患が筋萎縮性側索硬化症(ALS)である請求項27に記載の使用。
  29. 該運動ニューロン疾患が原発性側索硬化症(PLS)、進行性筋萎縮症(PMA)または進行性球麻痺(PBPまたは球症状)である請求項27に記載の使用。
  30. 該ワクチンがアジュバント無しで活性物質を含む請求項27から29のいずれか一つに記載のワクチン。
  31. 該ワクチンがヒト臨床使用に適したアジュバント中に乳化した活性物質を含む請求項27から29のいずれか一つに記載の使用。
  32. 該アジュバントが水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、及びリン酸水酸化アルミニウムからなる群から選択される請求項31に記載の使用。
  33. 該アジュバントが酸性等電点及び1:1のAl:P比を持つ無定形リン酸水酸化アルミニウムである請求項32に記載の使用。
  34. 該活性物質がCop 1である請求項27から33のいずれか一つに記載の使用。
  35. 該活性物質がCop 1関連ポリペプチド、Cop 1関連ポリペプチドである請求項27から33のいずれか一つに記載の使用。
  36. 該活性物質がポリ‐Glu,Tyrである請求項27から33のいずれか一つに記載の使用。
  37. 該ワクチンが少なくとも月に1回投与される請求項27から36のいずれか一つに記載の使用。
  38. 該ワクチンが少なくとも2−3ヶ月に1回投与される請求項27から36のいずれか一つに記載の使用。
  39. 治療がリルゾールのようなMND治療のためのほかの薬物を投与することを含む請求項27から38のいずれか一つに記載の使用。
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