JP2005513081A - 溶媒交換による薬剤のマイクロカプセル化 - Google Patents

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Abstract

溶媒交換法が、医薬製剤のマイクロカプセルのような、マイクロカプセル化された組成物を提供するために用いられる。この方法は、水と親水性有機溶媒の交換に基づいており、有機溶媒の溶媒特性の低下により、それに溶けたポリマーが水性コアの上に付着する。最善の結果は、有機溶媒の水溶解度と表面張力のバランスにより、合理的に説明される。好ましい実施形態では、選択された薬剤を含む水溶液の微小液滴を、それに溶けたポリマーを含む有機溶媒と接触させることにより、その薬剤のマイクロカプセルが形作られる。好ましい方法は、酢酸、酢酸エチル、酢酸メチル、又はギ酸エチルに溶けた生分解性のポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)を、水性薬剤コアの回りにPLGA膜を形成するために利用する。この方法は、変性を実質的に起こすことなくタンパク質系薬剤をカプセル化するのに、特に魅力的である。

Description

【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2000年12月13日出願の米国仮特許出願第60/254,920号、及び2001年5月31日出願の第60/294,263号に関連する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医薬組成物及び薬物送達の方法に関連する。本発明は特に、タンパク質薬剤の放出を制御する方法及び組成物に関連する。
【0003】
(発明の背景)
制御された薬物送達技術は過去数十年にわたってかなり進歩し、現在の技術は、使われ方に応じて、数日及び数年間にわたり予め決められた割合で、薬剤を送達できる。しかし、これらの進歩は、主に低分子量薬剤に適用可能である。ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、及び遺伝子などの高分子量薬剤を長期間送達するための放出制御製剤をつくり出すことは依然として困難である。高分子量薬剤の送達は、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロン、インシュリン、及び多数の成長因子のようなタンパク質薬剤を大量に製造することを可能にした組換えDNA技術の発展以来、特に重要となった。さらに、ゲノム計画の完了により、多くの異なるタンパク質の治療学的役割の理解が改善されると期待されており、このことから数多くの新しいタンパク質薬剤が生まれるであろう。
【0004】
ほとんど全てのタンパク質薬剤は短時間作用性であり、治療上の効果を維持するために、繰り返し注入する必要がある。ヒト成長ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、インターフェロン、シクロスポリン、及びTPAなどの多くの薬剤は、毎日複数回の注射を必要とし得る治療計画に従うことによってのみ治療に役立つ。このことは、これらの薬剤の治療的使用及び商品化が、それらの生化学的及び生物物理学的安定性及び全身のバイオアベイラビリティを向上させ得る、見込みのある送達システムの開発に成功するかどうかに大きく依存しているということを意味する。経口、経鼻、経肺、経眼、バッカル(buccal)、経膣、経直腸、及び経皮経路などの非腸管外(nonparenteral)投与経路の開発は非常に望ましいが、今日までこのような経路による送達は、不可能ではないにしても、非常に困難である。タンパク質薬剤の高分子量及び酵素的分解のために、それらを非腸管外で送達することが特に困難になっている。
【0005】
現在、タンパク質系医薬品送達の主な目標は、1回の投与で数週間から数カ月の範囲にわたる長期の送達が可能な放出制御製剤を開発することである。このような使用のされ方では、生分解性ポリマーが、特にそれらの分解生成物が無害又は生体適合性であるとわかっている場合に、非常に魅力的である。それらは治療の最後に外科的に除去する必要がない。一般的に用いられている生分解性ポリマーは、タンパク質薬剤の制御された送達を目指して研究されており、ポリ(乳酸)(PLA)又はポリ(グリコール酸)(PGA)のホモポリマー、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(オルソエステル)、及びポリアンヒドリドが含まれる。これらのうちで、PLGAが最も多く用いられてきた。PLGAが臨床的に使用された長い歴史のために、ほとんどのタンパク質薬剤送達システムの開発で、それがよく用いられるポリマーとなった。いくつかの優れた総説が、現在利用可能なマイクロカプセル化の方法を記載している(1、2)。
【0006】
マイクロカプセル化の様々な手法の検討においては、マクロカプセル化の分野で通常用いられている専門用語を理解することが有益である。マイクロカプセル化のプロセスにより「微粒子(microparticle)」が得られる。微粒子を「マイクロスフィア」と「マイクロカプセル」に分けることができ、これらは互いに異なっている。マイクロスフェアは普通、薬剤分子がポリマー・マトリックス全体に分散しているモノリシック型製剤を表す(1、2)。他方、マイクロカプセルは、薬剤コアがポリマー連続層又は膜により囲まれているリザーバ・デバイスを表す。この薬剤コアは、ポリマー膜の内側で、単一(単核)又は複数(多核)であり得るが(3〜5)、ドラッグ送達では、単核マイクロカプセルが一般に好ましい。
【0007】
マイクロカプセルにはマイクロスフィアに勝るいくつかの利点がある。第1に、マイクロカプセル処方は、マイクロスフィアより薬剤リザーバ・スペースがずっと多い。マイクロカプセルでは、最少量の薬剤化合物だけが、処理中に有機溶媒と、またマイクロカプセルが形成された後は、ポリマー被覆と接触する。対照的に、マイクロスフィアのタンパク質薬剤はポリマー・マトリックス全体に分散しているが、タンパク質薬剤と固体ポリマー成分の間の接触面積が大きいことは、タンパク質の安定性にとって好ましくないかもしれない。マイクロカプセルでは、マイクロカプセル化の前に親水性材料又はマトリックスの別の層を用いて、分解するポリマーからタンパク質薬剤をさらに保護することができる。例えば、ゼラチン、アガロース、又はポリ(ビニルアルコール)で作られ、溶解したポリマー(例えば、塩化メチレン中のPLGA)を含む有機溶媒に懸濁した薬剤含有ナノ粒子は、相分離法(6、7)によって、又は溶媒抽出法(8、9)によって、多核マイクロカプセルを形作る。マイクロカプセルはまた、マイクロスフィアにより得られる、常に減少し続ける放出速度に比べて望ましいゼロ次放出を与える。
【0008】
マイクロカプセル化医薬製品を調製するために用いられる現在の方法が、以下に列挙されており、これらの各々にはそれ自体の利点、制約及び欠点がある。列挙された方法は、成功した市販製品を製造するために利用されてきたが、これらの方法を用いては、多くのタンパク質薬剤を製剤化することができない。今や多くのタンパク質薬剤が利用可能であり、また近い将来に製造されるであろうということを考慮すると、新規で、改良されたタンパク質送達システムの開発が求められていることは明らかである。
・溶媒蒸発及び溶媒抽出
・コアセルベーション(単純及び複合コアセルベーション)
・高温溶融マクロカプセル化(凝固)
・界面架橋及び界面重合
・スプレー・ドライ
・超臨界流体
【0009】
溶媒蒸発及び溶媒抽出法は、PLGAのような、水不溶性ポリマーを溶解するための揮発性有機溶媒を利用する。通常用いられる有機溶媒は、塩化メチレン、酢酸エチル、及びメチルエチルケトンである。タンパク質薬剤も含めて、水可溶性薬剤を含むPLGAマイクロスフィアを製造するために、ダブル・エマルジョン・プロセスが通常用いられる。固体/オイル/水(s/o/w)及び水/オイル/水(w/o/w)系の両方が、薬剤のタイプに応じて用いられる(10)。溶解するか又は分散する形態となる薬剤はポリマー溶液に加えられ、次に、その混合物は、ポリ(ビニルアルコール)のような界面活性剤を含む水相で乳化される。溶媒蒸発法では、温度を上げることにより、及び/又は減圧にすることにより、有機溶媒を蒸発させる。例えば、米国特許第3,523,906号(Vrancken他に交付)を参照。溶媒抽出法では、有機溶媒が水相に拡散してエマルジョン液滴を固形ポリマー・マイクロスフィアにする。例えば、米国特許第4,389,330号を参照(Tice他に交付)。何れの方法でも、連続相は非相溶性オイルであり得る。通常この方法で用いられる有機溶媒は、塩化メチレンのような塩素化炭化水素であり、その残留量は、知られている毒性のために、600ppm未満に厳しく管理される。さらに、溶媒抽出及び溶媒蒸発により調製されるマイクロスフィアの充填(loading)容量は一般に小さい。さらに、エマルジョンが作り出される方法のために、生物活性物質が曝される界面の総面積だけでなく、生物活性物質にとって破壊的であり得る、ずり及びキャビテーション・ストレスの度合いが増加する(12)。
【0010】
生物活性物質の活性の低下をできるだけ少なくするために、非常に低温でマイクロスフィアをつくることが提案された。例えば、米国特許第5,019,400号(Gombotz他に交付)を参照。生分解性ポリマーがタンパク質粉末と共に、塩化メチレンのような有機溶媒に溶かされ、次に、液体窒素を上に張った凍結エタノール床の上に霧状にして落とされる。微小液滴は液体窒素との接触で凍結し、次に凍結したエタノール層の上に沈む。エタノール層が解凍するとき、凍結マイクロスフィアはエタノールの中へ沈む。次に、マイクロスフィア内にある溶媒である塩化メチレンが解凍し、それからゆっくりとエタノールに抽出されて、タンパク質及びポリマー・マトリックスを含むマイクロスフィアが硬くなる。液体窒素と塩化メチレンを利用するこのプロセスは容易ではなく、特に大規模大量生産ではそうである。
【0011】
コアセルベーション法は、親水性ポリマーの均一なポリマー溶液を塩析(又は相分離)して、固体の凝集体ではなく、(小さな液滴の)ポリマー・リッチな第2の液相を生成させることに基づいている。ポリマー(例えば、ゼラチン又はカルボキシメチルセルロース)水溶液が、親水性が強い物質(例えば、硫酸ナトリウム)又は水相溶性の非溶媒(例えば、エタノール、アセトン、ジオキサン、イソプロパノール、又はプロパノール)の添加により、部分的に脱水(又は脱溶媒)すると、その水溶性ポリマーは水に濃縮されて、ポリマー・リッチ相を形成する。これは「単純」コアセルベーションとして知られている。水不溶性薬剤粒子が懸濁粒子あるいはエマルジョンとして存在する場合、ポリマー・リッチ相は薬剤粒子表面に形成されて適切な条件下でカプセルとなる。「複合」コアセルベーションでは、ポリマー・リッチな複合(コアセルベート)相は、反対電荷の、2種の分散した親水性ポリマー(コロイド)の間の相互作用により生成される。静電相互作用が関与しているので、媒体のpHは、ポリマーの電荷を制御するために非常に重要である。
【0012】
高温溶融マイクロカプセル化(凝固とも呼ばれる)では、固体薬剤又は液体薬剤が、高温で溶融したポリマーと混合される。次に、この混合物は、ポリマーの融点より数度高い温度で、攪拌を続けながら、非相溶性の溶媒中に懸濁される。そのエマルジョンが安定化された後、系はポリマー粒子が固化するまで冷却される。薬剤はポリマーの融点で安定でなければならない。界面で架橋するために、ポリマーはイオン又は多官能性分子により架橋され得る官能基をもっていなければならない。界面重合は、膜を生成するために、2つの非相溶物質の界面で重合し得るモノマーを必要とし、このため最終生成物から未反応モノマーを除去することが問題となる。
【0013】
スプレー・ドライ法では、薬剤は、溶解したポリマー物質を含む適当な(水又は非水)溶媒に、溶けているか、又は懸濁している。この薬剤は溶媒に溶けていても、懸濁していてもよい。別法として、ポリマー溶液中に薬剤溶液を乳化させることができる。溶液は霧状にされ、加熱キャリアガスによりマイクロスフィアが乾燥される。入口ガス温度は、タンパク質薬剤では90〜150℃であり得る(14、15)。マイクロスフィアの大きさは、スプレー速度、薬剤−ポリマー溶液の供給速度、ノズルの大きさ、並びに乾燥及び冷却チャンバー内の温度により制御される。この簡単に思われるプロセスは、一つには、プロセスの大規模化が困難であるという理由で、製薬産業では広く用いられていない。実験室規模のスプレー・ドライヤで最適化された条件は、ずっと大きい工業的規模のスプレー・ドライヤには通常合わない。スプレー・ドライ及び高温溶融マイクロカプセル化法は、タンパク質薬剤を容易に変性させ得る高温が必要とされるという理由で、溶媒蒸発及び溶媒抽出法ほど頻繁には使用されていない。
【0014】
超臨界流体は、気体の密度と残っている液体のそれが等しく、そしてこの2相の間の表面が消失する臨界点(すなわち、臨界温度Tc及び臨界圧力Pc)の温度及び圧力よりも同時に高い温度及び圧力の流体として定義される。微粒子は、超臨界溶液の急速膨張(RESS)、又は超臨界貧溶媒(antisolvent)結晶化(SAS)のいずれかにより調製されている(16)。RESSは超臨界流体の液体様溶媒力を活用し、一方SASは貧溶媒として超臨界流体を利用する。二酸化炭素が、臨界条件、すなわちTc=31℃及びPc=73.8barが達成し易いために、最も広く用いられる。それはまた、環境に優しく、比較的非毒性で、非引火性で、高価でなく、またそこそこの大きさの溶解力がある(17)。RESSは、全ての溶質が超臨界流体に可溶であるべきであるという制約により限定されている。この理由で、普通の超臨界流体へのそれらの低い溶解性のために、ポリマーを用いるタンパク質のカプセル化にRESSを用いることが通常はできない。SASは、ペプチド及びタンパク質のような、超臨界流体に溶解させることが困難な固体の処理に適している。超臨界流体の手法は、すでに列挙された他の方法を越える如何なる重要な利点ももたらさない。さらに、超臨界流体の手法はマイクロスフィアを製造するだけであり、マイクロカプセルの製造は極端に困難である。
【0015】
長期適用のタンパク質薬剤は、生分解性のポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)でつくられたマイクロスフィアに最も頻繁に製剤化されてきた。PLGAは、それが臨床での様々な応用で用いられてきており、生体適合性であるとして知られているために、好んで選択されるポリマーである。この理由で、PLGAの使用が不可能でないならば、他のポリマーを用いる理由はほとんどなかった。
【0016】
すでに列挙されたマイクロカプセル化の方法の中で、PLGAを用いる場合は、それが水溶性でないために、溶媒蒸発及び溶媒抽出法が最も頻繁に用いられてきた(18)。溶媒蒸発及び抽出法は、少数の選ばれた治療効果のあるタンパク質を用いて限られた成功を収めた(19−20)。また、米国特許第5,942,253号(Gombotz他に交付)及び6,020,004号(Shahに交付)を参照。しかし、これらの方法は、長い手順と大量生産のために大規模化することが困難であるために、大多数のタンパク質に適していない。多くの場合、マイクロスフィア・マトリックス全体でのタンパク質と溶媒の間の接触により、充填しようとするほとんどのタンパク質薬剤の変性が引き起こされ得る。有機溶媒を利用することに伴う問題のために、溶媒蒸発及び抽出法は、タンパク質薬剤の微粒子を製造する一般的な方法として使用されてはこなかった。マイクロスフィアの形成において塩素化有機溶媒の使用を避けるために、塩化メチレンは、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン又は酢酸などのより毒性の低い溶媒に置き換えられてきた。この場合、PLGAポリマーは、非溶媒としてアルコールを、また硬化剤(hardening agent)として水を加えることにより沈殿する(Benoit他のPCT国際公開WO 01/15,799)。この相分離手法は、前記のコアセルベーションと似ており、タンパク質薬剤は有機溶媒に長期間曝されねばならず、また調製されたマイクロスフィアは凝集しがちである。さらに、硬化剤として水を用いることは、溶解し、マイクロスフィアから水相中に滲出し得るタンパク質薬剤を含めて、水溶性薬剤にとって理想的でないこともある。タンパク質薬剤は、ポリマー・マトリックスと直に接触するであろうから、タンパク質分子が固体表面に吸着し変性し得る。
【0017】
いくつかの特許文献に、PLGAからなるもののようなマイクロスフィアの調製に酢酸を用いることが提案されている。米国特許第5,100,699号(Hyon他に交付)は、PLGA及び黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)のような活性物質の両方を含む溶液を調製するために氷酢酸を使用することを提案する。PLGAが溶けた氷酢酸は、1/10の体積のLHRH水溶液と混合されて、ポリマーと活性物質は完全に溶解された。この溶液はオイルに滴下されてエマルジョンが調製された。マイクロスフィアは、高温での溶媒蒸発により水と酢酸を除去することにより得られた。このプロセスは、同じ溶媒、例えば酢酸−水の混合物にPLGAと活性物質の両方を溶解させるために用いられた。
【0018】
米国特許第5,004,602号(Hutchinsonに交付)及び5,320,840号(Camble他に交付)は、PLGAとタンパク質薬剤の両方を同じ溶媒に溶解させるために酢酸の使用を提案する。PLGAとタンパク質薬剤の両方が溶けた氷酢酸を凍結乾燥して、高温でプレスできる粉末の形態が得られた。PLGAとペプチド薬剤(例えば、ソマトスタチン類似体)の両方を含む酢酸溶液を、マイクロスフィアを得るためにスプレー・ドライした(27)。別の応用では、PLGAを氷酢酸に溶かし、続いて凍結乾燥して、持続性のあるドラッグ送達のためのPLGA発泡体をつくった。明らかに、文献では主に、PLGA及び活性剤を同じ溶媒に溶解させるために酢酸を使用した。タンパク質薬剤を同じ溶媒に分散させることもでき、s/o/w、又はw/o/wエマルジョンを利用する通常の溶媒抽出及び蒸発法を用いるか、又はスプレー・ドライ法を用いて、マイクロスフィアをつくることもできる。
【0019】
薬剤が実質的に安定なままであり、また製造プロセスによって変性又は不活性化されない、マイクロカプセル化薬剤、例えばマイクロスフィア又はマイクロカプセルの形成方法の開発が望まれている。その方法で用いられる有機溶媒は、医薬製剤への如何なる取り込みも有害な副作用を及ぼさないように、過度の毒性をもつべきではない。長期間にわたり、効果を保ち、放出が持続及び/又は制御される、タンパク質薬剤の新規な処方及び製造方法が特に望まれている。
【0020】
(発明の概要)
本発明はカプセル化された組成物及びその製造方法を対象とする。カプセル化された組成物は、カプセル化された何らかの物、例えば医薬品、塗料、及び接着剤産業に見られるものであり得る。好ましくは、また最も普通には、カプセル化組成物は、コア材料として生理学的活性物質を含み、制御された放出特性を示す。より好ましくは、生理学的活性物質はタンパク質である。
【0021】
本発明の製造方法には、以下が含まれる:(i)水及び水に溶解したコア物質からなる水溶液を準備すること;(ii)水相溶性又は可溶性溶媒及びその溶媒に溶解した水不溶性ポリマーからなるポリマー溶液を準備すること;(iii)コア物質を含む水溶液の液滴を形成すること;及び(iv)水不溶性ポリマーがコア物質の上に付着して、カプセル化された組成物となるような条件のもとで、水溶液の液滴を少なくとも一部分のポリマー溶液と混合すること。好ましくは、コア物質はタンパク質薬剤であり、水不溶性ポリマーは生体適合性である。より好ましくは、このポリマーは、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)のように生分解性である。特に好ましい水相溶性又は可溶性溶媒には、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、及びギ酸エチルが含まれる。
【0022】
本発明の特に好ましい実施形態において、薬剤(例えば、タンパク質)水溶液の微小液滴を、ポリマーをそこに溶解させた親水性有機溶媒の微小液滴と接触させる。水と溶媒の界面で、溶媒交換が起こり、溶解したポリマーに対する溶媒としての特性が低下する。このため、ポリマーは水性微小液滴の表面上で沈殿してその回りに膜を形成する。そのうちのいくつかは後の実施例において記載された多くの方法で、水と有機溶媒の間の望ましい界面をつくり出すことができる。
【0023】
液滴界面での水と有機溶媒の間の交換は、本発明の鍵となる態様であるため、このプロセスは「溶媒交換法」と呼ばれる。この方法により、タンパク質薬剤のわずかな部分だけが直接ポリマーの溶媒に曝されるので、タンパク質の変性の可能性は最少化される。この溶媒交換法はまた、大量生産のための大規模化を容易にする。
【0024】
本発明の非限定的実施形態を例示する添付図を参照して、本発明をよりよく理解することができる。
【0025】
(発明の説明)
本発明はカプセル化された組成物及びその製造方法を提供する。本発明は、微粒子、好ましくは、1つの親水性コアがポリマー被覆により取り囲まれているマイクロカプセルを生成させるために溶媒交換を用いる。本発明の溶媒交換法の原理は、適当なポリマーを親水性有機溶媒に溶かすことができるが、そのポリマーは溶媒特性のわずかな低下、すなわち溶媒のモル分率のわずかな減少だけで相分離するということである。親水性溶媒は、水性コアとポリマー溶液の間の界面で水と混ざる。水性コア表面でのこの溶媒交換により、ポリマーの溶解性がわずかに低下して、親水性コアの回りにポリマー被覆が付着する結果となる。このようにして形成されたマイクロカプセルを、水浴中で、例えば、マイクロカプセルの凝集を防ぐための界面活性剤を含むもので捕集し、さらに硬くすることができる。
【0026】
典型的なマイクロカプセルの大きさ寸法は、大きさが約1mm未満、より一般的には約0.5ミクロンから約1000ミクロンの範囲である。マイクロカプセルの水性コアの寸法は0.1ミクロンから約600ミクロン、より好ましくは約1から約50ミクロンの範囲である。外側ポリマー層の厚さは、典型的には、約0.1ミクロンから約300ミクロンの範囲である。
【0027】
本発明の一実施形態の重要な態様は、生分解性ポリマーの溶媒として使うことができ、水に相溶性であるか、又は可溶性である1種又は複数の親水性有機溶媒を使用することである。このような親水性有機溶媒の例には、酢酸、酢酸エチル、グリコフロール(glycofurol)(28)、N−メチルピロリドン(29、30)トリアセチン(31)、ジメチルスルホキシド(29)、メチルエチルケトン、及びベンジルアルコールが含まれ、これらのほとんどは以前から注射可能な薬物送達システムで使用されている。文献は、マイクロスフィアの調製における、親水性有機溶媒の限定された使用にのみ関連する。
【0028】
本発明の生分解性・生体適合性ポリマーは、水性コア上に付着するカプセル化材料として使用し得る。このポリマーは、好ましくは、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリアンヒドリド、ポリ(アミノ酸)ポリオルソエステル、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(アルキレンアルキレート)、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、生分解性ポリウレタン、これらのブレンド及びコポリマーの中から選択される。ポリ(ラクチド)、ラクチドとグリコリドのコポリマー、これらのブレンド、又はこれらの混合物を含むポリマーが好ましい。単一の異性体タイプ、又は異性体の混合物のモノマーから、これらのポリマーを生成することができる。本発明では、非生分解性・生体適合性ポリマーもまた用いることができ、好ましくは、ポリアクリレート、エチレン−酢酸ビニルのポリマー及び他のアシル置換酢酸セルロース、非分解性ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホネートポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、これらのブレンド及びコポリマーから選択される。
【0029】
1つの手法では、PLGAが親水性有機溶媒に溶解され、この溶液にタンパク質水溶液の微小液滴が加えられる。本明細書では、「微小液滴」は、通常約0.1ミクロンから約1000ミクロンの範囲にある液滴の大きさに対応する。水性タンパク質液滴中の水と有機溶媒(例えば、酢酸)の間の相互作用により、2つの液体の交換が液滴表面で起こって、タンパク質コアの上に、例えば薄い膜としてPLGAを付着させる。
【0030】
別の手法では、タンパク質水溶液の微小液滴が、本明細書では、例えばインクジェット型の少なくとも1個のノズルを表す「マイクロディスペンサ」によりつくり出される。本明細書では、マイクロディスペンサは、例えば十分に小さいオリフィス径をもつことにより、微小液滴を生成できるディスペンス用デバイスである。この微小液滴は、PLGAが溶解した親水性有機溶媒からなる別の微小液滴と相互作用する。表面張力の違いにより、PLGA/有機溶媒は水性微小液滴を覆うように広がって、PLGA層でそれを被覆する。例えば複数のノズルをもつマイクロディスペンサを用いて非常に多くの微小液滴を生成させることができ、形成されたPLGA被覆水性微小液滴は、次に、水溶液に捕集される。溶媒交換は、水性微小液滴とPLGA/有機溶媒の間の界面で、またPLGA/有機溶媒と水溶液の間の界面でも起こる。このプロセスにより、水性タンパク質微小液滴の表面上にPLGAのシェルが形成される。
【0031】
マイクロカプセル化法のいくつかの変形形態が可能である。タンパク質水溶液に、タンパク質コアをより強固にし、かつ/又は薬剤放出速度を調節するために、ゾル−ゲル相転移をする他のポリマーを加えることができる。例には、アルギン酸ナトリウム(PLGA/溶媒中のカルシウム・イオンと接触してゲル化し得る)、キトサン(多価アニオン又はアニオン性ポリマーによりゲルを形成する)(10)、及び他の感熱性ゲル化系がある。変性を防ぐために、タンパク質薬剤を隔離し続けるように、保護層でタンパク質薬剤コアを被覆することもできる。その簡単さと変性条件へのタンパク質薬剤の最小限の暴露のために、抗体、酵素、リガンド、ホルモン、サイトカインなどの様々なタンパク質薬剤に対して溶媒交換法を用いることができる。例には、エリスロポエチン、成長ホルモン、インシュリン、インターフェロン、インターロイキン、G−CSF、皮膚成長因子、腫瘍壊死因子、及びこれから開発される他のタンパク質医薬が含まれる。
【0032】
親水性コア(すなわち水性液滴又はヒドロゲル)の表面でのポリマー層の形成は、ポリマーを溶解させるために用いられる有機溶媒の選択に依存する。溶媒交換法の適切な溶媒の選択で最も重要な2つのパラメータは、水への溶解度及び表面張力である。溶媒の水溶解度は、溶媒交換が如何に容易に起こるか、したがってまた如何に速くポリマーの相分離が起こって溶媒−水界面でポリマー膜(又は層)が形成されるかを決める。溶媒の水溶解度が適切であると、溶媒が水性液滴を容易に覆うことができるかどうかを、その溶媒の表面張力が決める。マイクロカプセルの製造において、用いられる溶媒の生体適合性は、最終のマイクロカプセル内の残留溶媒がヒトに使用された場合に許容される限界よりずっと少ないであろうから、重要な要素ではあり得ないかもしれない。しかし、利用できるならば、生体適合性溶媒を用いることが、他の毒性の溶媒より好ましい。好ましい溶媒は、臨床上の使用に対してFDAにより認可されている薬剤処方に使用されるものである。溶媒交換法に適する溶媒は、ヒルデブランドの溶解度パラメータが約16から24MPa1/2、好ましくは約18から23MPa1/2の範囲のものである。(溶解度パラメータは凝集エネルギー密度の平方根として定義される。)適切な溶媒は、また水に相溶しやすいか、又は水に溶けやすい、すなわち約5%w/vより大きく、好ましくは5から50%w/vである)。溶媒の表面張力は、好ましくは約45mN/mより小さく、より好ましくは約30mN/mより小さい。所定の溶媒交換法に対する最適の溶媒の選択は、マクロカプセルを製造するために用いられるポリマーの性質に依存する。
【0033】
溶媒交換法で使用し得る溶媒の非排除的リストには以下のものが含まれる:酢酸、アセトン、アセトニトリル、アセチルアセトン、アクロレイン、アクリロニトリル、アリルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、2−ブトキシエタノール、n−ブチルアミン、ブチルジオキシトール(dioxitol)アセテート、ブチルアルデヒド、酪酸、2−クロロエタノール、ジアセトンアルコール、ジアセチル、ジエチルアミン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジエチルニコチンアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセタミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、酢酸2−エトキシエチル、酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸エチレングリコールメチルエーテル、ギ酸、フルフラール、グリコフロール、へキシレングリコール、イソブタノール、イソプロピルアルコール、2,6−ルチジン、酢酸メチル、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピオン酸メチル、N−メチルピロリドン、モルホリン、tert−ペンタノール、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、ピペリジン、1−プロパノール、プロピオンアルデヒド、プロピレンオキシド、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラメチル尿素、トリアセチン、トリエチレングリコール、リン酸トリメチル。溶媒交換法で使用される好ましい溶媒は、5%以上の溶解度をもつものであるが、類似の手法でマイクロカプセルをつくるために、水溶解度がより小さい(<5%)溶媒を用いることもできる。
【0034】
溶媒の水溶解度が小さいとき、ポリマー膜の形成は、水性コア表面での急速な溶媒交換によるよりもむしろ、より大量の水溶液への溶媒抽出により支配される。この場合、溶媒交換はマイクロカプセルの形成で支配的であるには遅すぎる。単核のマイクロカプセルを製造するのに、溶媒の水溶解度及び膜形成の原理に関わらず、同じメカニズムを用いることができる。水溶解度が小さいが(<5%)使用し得る溶媒の例には、酢酸イソプロピルエステル(酢酸イソプロピル)、酢酸sec−ブチルエステル、アセトフェノン、酢酸n−アミル、アニリン、ベンズアルデヒド、ベンゼン、ベンゾフェノン、ベンジルアルコール、ベンジルアミン、安息香酸ベンジル、ブロモベンゼン、ブロモホルム、酢酸n−ブチル、酪酸メチルエステル、カプロン酸、二硫化炭素、四塩化炭素、o−クロロアニリン、クロロベンゼン、1−クロロブタン、クロロホルム、クロロメタン、m−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、シアノエタン、シアノプロパン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、1,2−ジブロモエタン、ジブロモメタン、ジブチルアミン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロフルオロメタン、炭酸ジエチル、マロン酸ジエチル、硫化ジエチル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジイソブチルケトン、硫化ジイソプロピル、フタル酸ジメチル、硫酸ジメチル、硫化ジメチル、N,N−ジメチルアニリン、エナント酸、アセト酢酸エチル、安息香酸エチル、プロピオン酸エチル、エチルベンゼン、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、exxate 600、exxate 800、exxate 900、フルオロベンゼン、フラン、ヘキサメチルホスホルアミド、1−ヘキサノール、酢酸n−ヘキシル、イソアミルアルコール(3−メチル−1−ブタノール)、酢酸イソブチル、メトキシベンゼン、メチルアミルケトン、安息香酸メチル、ギ酸メチル、メチルイソアミルケトン、メチルイソブテニルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルプロピルケトン、4−メチル−2−ペンタノール、N−メチルアニリン、塩化メチレン、ニトロベンゼン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、1−オクタノール、2−オクタノール、1−ペンタノール、3−ペンタノン、2−フェニルエタノール、酢酸n−プロピル、キノリン、スチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、トルエン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエチレン、トリフルオロメタン、吉草酸、m−キシレン、o−キシレン、p−キシレン、2,4−キシレノールが含まれる。
【0035】
マイクロカプセル化プロセス中の相分離の速度を調節するために、混合物として2種以上の異なる溶媒を用いることができる。好ましい親水性溶媒との混合物の成分として、水溶解度の小さい前記の溶媒もまた用いることができる。例えば、クロロホルムは、水に0.8%の溶解度があり、水相溶性が高くない。したがって、クロロホルムそれ自体は溶媒交換法の好ましい溶媒ではないが、親水性溶媒との混合物としてそれを用いて、ポリマー相分離、すなわち沈澱の速度と度合いを調節することができる。比較的疎水性の溶媒と親水性の溶媒を様々な比率で混合することにより、形成されたマイクロカプセルの厚さと表面の滑らかさが最適なものとなるように、ポリマー相分離の速度と度合いを調節することができる。溶媒混合物の使用はまた、そのことにより、毒性又は環境への影響の程度を考慮して、溶媒の選択の幅がずっと広くなり得るので有益である。
【0036】
表1のデータは、PLGAをモデル・ポリマーとして用い、水性液滴上にポリマー・カプセルをつくる際の溶媒の水溶解度及び表面張力の重要性を示す。様々な水溶解度及び表面張力をもつある数の溶媒が選ばれ、水性液滴の回りにポリマー膜をつくるそれらの能力について試験された。表1は様々な溶媒及びそれらのいくつかで得られた結果を列挙している。この特定の例では、2つの試験法が用いられた。1つの方法では、水溶解度及び表面張力が理論で予想されるようにマクロカプセルの形成に影響を及ぼすかどうかを調べるために、水溶液のそれぞれの微小液滴を、有機溶媒のもう1つの微小液滴と衝突させた。もう1つの方法では、水性液滴をポリマーが溶解した溶媒の中へ導き入れ、ポリマー・カプセルの生成を調べた。
表1.微小液滴の周りのマイクロカプセルの生成に対する水への溶解度及び表面張力の影響(PLGAに対する良溶媒のみが試験された。)
Figure 2005513081
Figure 2005513081
【0037】
溶媒の水溶解度及び表面張力に基づいて、表1のデータを分析することができる。溶媒の水溶解度は、ポリマー相分離(すなわち、沈澱)に影響する溶媒交換の速度を決め、また表面張力は水性液滴の回りへの溶媒の広がり易さを決める。
【0038】
1.水溶解度が大きい(50%以上)溶媒
酢酸、アセトン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)、及びテトラヒドロフラン(THF)などの非常に大きな水溶解度をもつ溶媒では、溶媒−水界面で溶媒交換が非常に速く起こり、全てのPLGAポリマーは、水性液滴の回りにポリマーの膜を形成するよりむしろ、細かく分かれた沈澱となる傾向がある。ポリマー膜が形成される場合には、そのポリマー膜の表面は通常滑らかではない。例えば、酢酸(27.4mN/mの表面張力をもつ)に溶けたPLGAは、水性液滴の回りにポリマー膜(すなわち、カプセル)を形成するが、カプセルの表面は、溶媒交換が速いために非常に粗い。水溶解度が非常に大きいが表面張力が比較的大きい溶媒、例えば、N−メチルピロリドン(表面張力が40.7mN/m)及びN,N−ジメチルアセトアミド(表面張力が32.4mN/m)は通常、水性液滴上にPLGA連続膜を形成せず、水性液滴表面とは独立した、分かれて不連続なポリマーの沈澱を形成する。これは、溶媒が水性液滴の回りを包むことを妨げる大きな表面張力が原因のようである。このため、添加剤、例えば界面活性剤を溶媒に加えることにより表面張力を低下させて、表面にPLGA連続膜を形成することができる。ポリマーの溶媒の表面張力は、30mN/mが限界値のようであり、それを超えると溶媒は水性液滴上で通常うまく広がらない。したがって、溶媒の表面張力はより小さい、例えば約30mN/mより小さいことが、必ずしも必要とされるわけではないが、一般に好ましい。水溶解度が大きい溶媒は一般に、このような溶媒に溶けたポリマーと水性液滴が直接接触するときには、マイクロカプセル製造に適している。
【0039】
2.水溶解度が中程度(5%〜50%)の溶媒
5〜50%の溶解度をもって水に溶けるこれらの溶媒は、水溶解度がより大きい他の溶媒ほど素早く水と混ざらない。したがって、PLGAの非常にわずかな部分だけが水性液滴の表面に沈澱し、そして溶媒交換が続くにつれて、安定なポリマー膜が水性液滴表面上に形成される。このプロセスにより、滑らかなPLGA膜のシェルが形成される。このタイプの溶媒は、マイクロカプセルを水中で捕集する前に、2つの別のマイクロディスペンサを用いて、空気中でマイクロカプセルを製造するのに適している。このタイプの溶媒の例には、酢酸メチル及び酢酸エチルが含まれる。どちらの溶媒でも水性液滴上にポリマー・カプセル膜が形成された。酢酸メチル及び酢酸エチルの表面張力はそれぞれ、24.1mN/mと23.75mN/mであり、これらは30mN/mより小さい。比較的表面張力が大きい溶媒、例えばアセチルアセトン(表面張力が31.2mN/m)及びフルフラール(表面張力が41.1mN/m)では、水性液滴上にPLGA連続膜が形成されず、水性液滴表面上にポリマー溶液の不連続で小さな液滴が生成する。これは、溶媒が水性液滴の回りを包むことを妨げる比較的大きな表面張力が原因のようである。表面張力は、やはり30mN/mが限界値のようであり、これを超えると溶媒は水性液滴上でうまく広がることができない。前記のように、望ましければ、水性コア表面上にポリマー連続膜を付けるために、界面活性剤のような添加剤を加えることにより、溶媒の表面張力を下げることができる。酢酸メチル(24.4%の水溶解度)では、通常のダブル・エマルジョン法が用いられた場合、マイクロカプセルは言うまでもなく、マイクロスフィアは生成しない。水溶解度がより小さい酢酸エチル(8%)では、通常のダブル・エマルジョン法により多核マイクロカプセルが得られた。溶媒交換法によるマイクロカプセルの形成は、これらの溶媒を単核マイクロカプセルの調製に利用する、独特で新規な方法である。
【0040】
3.水溶解度が小さい(<5%)溶媒
水溶解度が5%より小さいこれらの溶媒の、水性液滴の回りにポリマー膜を生成させる能力は、その表面張力に依存する。例えば、ベンジルアルコール(3.5%の水溶解度及び39.0mN/mの表面張力)では、水性液滴の回りに安定なポリマー膜が形成されない。その代わりに、その溶液は水性液滴上に細かく分かれたポリマーの沈澱を生成した。これは主に、ベンジルアルコールの比較的大きな表面張力のためである。他方、塩化メチレン(1.3%の水溶解度及び27.9mN/mの表面張力)は、水溶解度がより大きい他の溶媒ほどポリマー膜の形成は容易ではないが、水性液滴上にポリマー膜を形成できる。ここでもやはり、表面張力は、約30mN/mがマイクロカプセル生成の限界値のようである。望ましければ、適当な添加剤、例えば界面活性剤を用いて、溶媒の固有の表面張力を下げることができる。
【0041】
これまでに得られたデータによれば、50%以上の水溶解度がある溶媒では、一般に、水性液滴上に安定なポリマー膜が形成されるよりもむしろ、細かいポリマーの沈澱が生成する。しかしながら、酢酸では、水性液滴の回りにポリマー膜が生成したが、生成した膜は白濁しており、ポリマーの沈澱の生成を示していた。水溶解度が5%から50%の間の溶媒の場合、表面張力が30mN/mより小さいものでは通常、水性液滴上での安定で透明なポリマー膜の生成が示された。溶媒の水溶解度が5%より小さくなると、溶媒交換は、溶媒交換法によりマイクロカプセルを効果的に生成させるにはあまりに遅く進む。水溶解度が5%より小さいこれらの溶媒は、溶媒蒸発及び溶媒抽出などの通常の方法によりマイクロスフィアを製造するのにより適している。しかし、溶媒交換法においてそれらを使用することはやはり可能である。
【0042】
本発明の製造方法はタンパク質薬剤のマイクロカプセル化にとって特に好ましい。このような薬剤の例は、インシュリン、ソマトスタチン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)及びLHRHの誘導体、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、成長ホルモン(GH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、黄体形成ホルモン(LH)、パリプレシン(palipresin)、カルシトニン、オキシトシン、副甲状腺ホルモン、ガストリン、塩酸テトラガストリン、グルカゴン、パンクレオザイミン、コレシストキニン、アンギオテンシン、ヒト胎盤性ラクトゲン、ヒト絨毛性(chorinic)腺刺激ホルモン(HCG)、エンケファリン、エンドルフィン、コートルフィン(keutorphin)、インターフェロン、インターロイキン(I、II、III)、腫瘍壊死因子(TNF)、タフトシン、チモポエチン、チモシン、サイモスチムリン(thymostimulin)、胸腺体液因子、血液(blood)胸腺因子、コロニー刺激因子、モチリン、デイノルフィン(deinorphin)、ボンペシン(bompesin)、ニューロテンシン、セルレイン、ブラジキニン、ウロキナーゼ、アスパラギナーゼ、カリクレイン、サブスタンスP、神経成長因子、血液凝固因子、塩化リゾチーム、ポリミキシンB、コリスチン、グラミシジン(glamicidin)、バシトラシンなどである。他のものは熟練した従業者には明らかであろう。
【0043】
溶媒交換法の利点
溶媒抽出及び溶媒蒸発法などの従来の方法に勝る、溶媒交換法の多くの利点がある。溶媒交換法は1ステップ・プロセスであるから、それは他の現行のマクロカプセル化法よりはるかに簡単である。このため、難なくこのプロセスの規模を拡大できる。またこの簡単さにより、マイクロカプセル製造の全コストはかなり引き下げられる。
【0044】
溶媒交換法では、ポリマーの溶媒をより柔軟に選択することができる。従来のダブル・エマルジョン溶媒抽出又は溶媒蒸発法は、エマルジョンが形成できるように過度に親水性でなく、またエマルジョンの液滴があまりに長く液体状態に留まらないように過度に疎水性でない溶媒に限定される。薬剤は、エマルジョンの液滴が液体の、非沈澱状態にある限り、水相に分配されるということが見出された(32)。したがって、従来の方法で成功裏に利用できると思われる溶媒は、少数の溶媒だけ、実際上塩化メチレンに限定されていた。塩化メチレンは発ガン可能性物質であり、その残留量は限度内に厳格に制御されるべきであるため、これは従来のエマルジョン法の最も不利な点の1つである。
【0045】
他方、前記の制限は溶媒交換法には当てはまらない。第1に、溶媒の水溶解度が大きいことは、溶媒交換法がエマルジョンの形成に依存しないので、問題ではない。溶媒の水溶解度が小さいことは、除去されるべき溶媒の絶対量が従来のエマルジョン法よりずっと少ないので、溶媒交換法ではやはり限定要因ではない。さらに、溶媒交換法では、ポリマーの膜が非常に速く水性微小液滴の表面に形成され、充填された薬剤の損失が最小化されるので、カプセル化の効率を著しく向上させることができる。文献に示されているように、液滴界面を通しての薬剤の損失は、ポリマーが沈澱する前の最初の数分間にのみ起こる(32)。任意の形状をとることができ、また通常は大きさが約1mmより小さい微粒子がポリマーの沈澱により「閉じられている」限り、水相への薬剤のそれ以上の如何なる拡散も妨げられると推定される。溶媒交換法では、溶媒の絶対量が少ないので、沈澱が非常に速く生成するだけでなく、溶媒の適切な選択により、沈澱速度を調節することができる。こうして、溶媒交換法では、薬剤の水溶解度に関係なく、カプセル化の効率を高くできる。
【0046】
溶媒交換法では、溶媒中のポリマー濃度を調節することにより、ポリマー・カプセル膜の厚さを制御できる:ポリマー濃度が高いほど、膜は厚くなる。ポリマー膜がより厚いマイクロカプセルでは、充填された薬剤が放出される前の遅延時間がより長くなるであろう。また、ポリマーの厚さが様々であるマイクロカプセルを混ぜることにより、放出速度をゼロ次からパルス型放出まで調節することができる。
【0047】
溶媒交換法で使用される溶媒は、水とよく混ざるか、又は水に比較的よく溶け、また従来の方法で通常使用される溶媒より一般に毒性がずっと低い親水性有機溶媒である。溶媒交換法で好ましい溶媒の1つは酢酸であり、これは人間にとって安全である。酢酸は、FDAにより、人間に毒性作用がある可能性が少なく、また健康に基づく暴露限界を全く必要としないクラス3の溶媒として分類されている。マイクロカプセルを凍結乾燥している間に実に容易に、マイクロカプセルに残留し得る酢酸を除去することができる。残留有機溶媒の毒性を気遣う必要は全くない。
【0048】
本発明の別の利点は、それが、薬剤とポリマー・マトリックスの接触を最少化することにより、コア内の薬剤本体に対する保護効果をもたらす単核マイクロカプセルを製造する簡単な方法であるということである。同時に、それは、ポリマー・カプセル膜の侵食による放出速度の優れた制御をもたらす。タンパク質薬剤本体の溶媒への暴露は、従来の方法よりずっと短く、コア表面に限られている。したがって、それは、カプセル形成中に溶媒に曝されることによるタンパク質の変性を、もしあったとしても、最少化することが可能である。それが、製造プロセス中に薬剤の安定性に影響を及ぼす、大きな剪断応力や有機及び水性溶媒の間の大きな界面に曝すことなどの有害な条件を無くすということは、本発明のさらなる利点である。別の利点は、微小液滴噴射(jetting)方式により精密なマイクロカプセルの作製が可能なことである。本発明の別の利点は、容易に大規模な製造を可能にする単一ステップの平易さである。
【0049】
本発明はこれから、例示と説明のためであって限定のためではない特定の実施例を参照して説明される。明白な変形形態が当分野の技術者には明らかとなるであろう。
【0050】
実施例1
図1に示される簡単な注射器/針のシステムを用いる溶媒交換法により、マクロカプセルがつくられる。タンパク質水溶液(例えば、アルブミン又はゼラチン)の液滴がポリマー溶液(例えば、酢酸に溶けたPLGA)に導き入れられるとき、その液滴は水の大きな表面張力のために球形のままである。PLGAポリマーは瞬時にタンパク質の液滴の周囲に層を形成する。これは、酢酸が水に非常によく相溶するので、酢酸がタンパク質の液滴の外側の層に拡散し、また同時に水が液滴からPLGA/酢酸の溶液に拡散するためである。このPLGAの層は、溶媒交換に多くの時間をかけるほどより厚くなる。生成し、酢酸で濡れたマクロカプセルをピンセットで取り出し、水に移すと、液滴に付随する酢酸層内の全てのPLGAは直ちに沈澱して、より厚い被覆となる。
【0051】
図1に描かれた方法の一実施形態では、液滴の外縁に位置するタンパク質薬剤分子だけが、PLGA/酢酸に曝される。これにより、固体/液体の界面で起こり得るタンパク質の変性が制限される。いくらかのタンパク質はPLGA/酢酸に短時間曝された後でさえ、それらの生物活性を保持することが可能である。これは、タンパク質溶液が緩衝剤を含んでいて、微小液滴表面の水相が酢酸と混ざるとき、望ましいpHを維持する場合に特に可能である。図1において、PLGAは、水性タンパク質コアの回りでの酢酸の急速な希釈により、タンパク質コア上に直ちに付着する。中心のリザーバ・スペース(図1のタンパク質コア)が、PLGA又は溶媒に取られていないので、タンパク質薬剤装槙のための全スペースはこの方法により最大化される。これは、溶媒抽出又は蒸発法により調製されるマイクロスフィアのような他のマトリックス・デバイスに勝る、マイクロカプセルのようなリザーバ・デバイスの独特の利点の1つとなっている。
【0052】
図1に示される前記の溶媒交換プロセスを用いて生成したマクロカプセルは、そのカプセルは注射器を用いてゼラチン液滴を射出することによりつくられたのであるが、ミリメートルの領域であり得る。ノズル又は微小液滴をつくることができる何らかの他のデバイスを用いて、マイクロメートルの領域の大きさにすることができる。カプセルの1つを選んで目視検査のために壊して開いた。1種又は複数のタンパク質薬剤のリザーバとして、マクロカプセル内部の中空のスペースを利用することができる。タンパク質薬剤送達のための大量のマイクロカプセルを製造するために、同じ方法を用いることができる。タンパク質薬剤が酢酸との接触から、例えば変性を避けるために保護されねばならない場合は、酢酸からタンパク質薬剤を遮蔽する保護層でタンパク質薬剤コアを覆うことができ、これについては後に記載される。
【0053】
実施例2
溶媒交換法を用いるマイクロカプセルの調製では、微小液滴を生成するデバイスを使用する必要がある。ノズル又はインクジェット・ヘッド技術に基づく微小容積ディスペンス用装置のいずれかを用いて微小液滴をつくることができる。インクジェット・ヘッド技術は、よく知られており、以下に記載されるように、装置が位置調製されるとほとんど最適化されている。ノズルの手法では、2つの異なるタイプのノズル、単純な単一オリフィス・ノズル又は共軸ノズルを利用することができる。図2に示されるように、マイクロカプセルをつくるために単純なノズルを用いることができる。この方法では、タンパク質水溶液(N1を通して送られる)は霧状にされて、ポリマー溶液、例えば酢酸に溶けたPLGA内で捕集され得る微小液滴となる。ポリマー溶液に落下する微小液滴には、ポリマーの溶媒と水の間の瞬時の溶媒交換により、その表面に直ちにポリマー・シェルが形成される。
【0054】
実施例3
ポリマー・シェルの厚さは、各微小液滴に存在する水の量と溶媒中のポリマー濃度により決められる。より厚いPLGAシェルをつくる1つの方法は、通常、コアセルベーションの手法でなされているように、溶媒の特性を低下させることにより溶液からPLGAを相分離させることである。この場合、マイクロカプセルが最初に形成された後、バルクの溶液中の、例えば、酢酸、N,N−ジメチルアセトアミド、DMSO、又は酢酸エチルは、エタノールのようなPLGAの非溶媒で希釈される。エタノールをPLGA/酢酸の溶液に直接添加すると、バルクの溶液中のPLGAが直ちに沈殿してしまう。組成が順次変化する一連の、エタノール/酢酸又は水/酢酸をゆっくりと添加することにより、すでに形成されたPLGAシェル上にPLGAが積み重なる。こうしてより厚いPLGAシェルをもつマイクロカプセルが生成し、PLGA濃度及びPLGA溶液の溶媒の特性を低下させる速度により、その厚さを調節できる。
【0055】
実施例4
共軸ノズル手法が、溶媒交換法を一層簡単にするために考案される。図3に示されるように、内側ノズルN1によりつくられた、タンパク質水溶液の微小液滴は、PLGA/溶媒、例えば酢酸又は酢酸エチルの溶液(外側ノズル(図3のN2)を通して供給される)により覆われる。PLGAは直ちにシェルを形成し始める。同時に、微小液滴は水中に落下し、溶媒中の残りのPLGAはシェルの上に沈殿してマイクロカプセルの生成が完了する。この方法は前記の単純なノズル法よりずっと簡単であり、潜在的に大規模化のための非常に強力な手法である。それは、単純なノズル法より簡単でより便利であるが、共軸ノズル法はより細かい調整が必要である。この方法では、PLGAシェルの厚さは、PLGA溶液のPLGA濃度及び各微小液滴に導入されるPLGA/溶媒の体積により主に調節される。共軸ノズル・システムを用いる、マイクロカプセルの調製において、ポリマー・シェルは、タンパク質コアがノズルから放出されたすぐ後に生成し、このセルの生成は、液滴がバルクの水と接触するまでに実質的に完了している。
【0056】
実施例5
マイクロカプセルのコア内の薬剤分子の僅かな部分が、水性コアの外縁に拡散するポリマー溶媒に曝されることにより、生物活性を失う可能性がある。このことが問題となる場合、図4に示されるように保護層でその薬剤コアを被覆することができる。示されるように、薬剤水溶液は共軸ノズルの内側オリフィス(N1)に導入される。保護ポリマー(例えば、ゼラチン、アルギン酸、カラギナン、キトサン、又は感熱性合成ポリマー)を含む保護溶液が、外側オリフィス(N2)を通して導入されて薬剤含有微小液滴を被覆する。こうして、タンパク質微小液滴は、図4におけるタンパク質薬剤コア(a)及び保護層(b)からなる。生成した微小液滴がポリマー含有溶液に落ちるとき、ポリマー、例えばPLGAは、保護層の上に第2の層(c)を生成し始める。この手法では、タンパク質薬剤は変性させる可能性がある溶媒に全く曝されない。これはまた、pHの僅かな変化に非常に敏感な薬剤にとって有用な手法である。
【0057】
カプセル化の間にポリマーの溶媒によりpHが過度に低下するのを防ぐために、薬剤水溶液に、MgCO3、Mg(OH)2、又はZnCO3などの塩基性添加剤を加えることができる。これらの中で、MgCO3が最もよく水に溶けるので、pHを維持するために、一般に他の2つのものよりよい。他方、ZnCO3もまた、亜鉛イオンが、ヒト成長ホルモン(hGF)及びエリスロポエチンを含む多くのタンパク質薬剤を安定化するものとして知られているので、有用であり得る(11)。取り扱い易くするために、薬剤コアを機械的に強くしなければならないことがあり、ポリマー(天然又は合成の)を薬剤溶液に加えることにより、これを行うことができる。通常、周囲の状態の変化により直ちにゲルとなるポリマーが好ましい。例えば、アルギン酸ナトリウムは、カルシウム・イオンとの接触でほとんど瞬時にゲル化する。したがって、タンパク質水溶液にアルギン酸ナトリウムを加え、またポリマー溶液(例えば、PLGA/酢酸、又は酢酸エチル)にカルシウム・イオンを加えることにより、ポリマー・シェルが表面に生成するとしてもその前に、タンパク質コアをゲルに転化させることができる。この方法により、マイクロカプセルは、アルギン酸塩−カルシウム系がない場合よりずっと強くなる。この目的で利用できる他のポリマー系には、アニオン性ゼラチン−ポリ(L−リシン)、キトサン−アニオン性多糖、及びカラギナン−塩の組合せが含まれる(10)。薬剤放出速度を、ポリマー・シェルが分解した後でさえ、調節するために、機械的強度を向上させるために使用されるゲル系をまた利用できるということが注目される。このように、ゲル系は2重に有益な効果をもたらす。
【0058】
実施例6
インクジェット・デバイスに似たマイクロディスペンサを用いて、マイクロカプセルを調製することもできる(24〜26)。マイクロカプセル化された液滴をつくり出す方法は、例えば、別の2つのマイクロディスペンサを用いて、カプセル化される材料並びにカプセルとなる材料の離散的な液滴を空気中につくり出すことを必然的に伴う(図5)。液滴は、それらが受け器に落下する前に、空気中で接触するようになっている。外側のカプセル材料溶液(例えば、酢酸又は酢酸メチルに溶けたPLGA)と内側のカプセル化される材料溶液(例えば、タンパク質水溶液)の間の表面張力の違いにより、外側溶液が内側溶液を包み込むことができる。詳細には、2つの液滴の間の接触が内側溶液の表面で局所的に表面張力を下げ、このことが、外側流体を内側流体の回りに広げるマランゴニ(又は表面張力誘起)流を引き起こすように、外側溶液はより小さい表面張力をもつべきである。表1の例により示されるように、表面張力が30mN/mより小さいポリマー溶媒が好ましい。外側流体が内側流体を被覆するのに十分な時間(液滴の大きさと相対的表面張力によるが、通常、数マイクロ秒から数ミリ秒又はより長い時間)経過した後で、マイクロカプセルを固化することができる。この実施形態では、貯水に液滴が沈むのを助ける界面活性剤を入れたその貯水にそれが落下するようにして、カプセルを固化することができる。マイクロカプセルの正確な化学的性質が一般に、外側流体が固化される特定の方法を決めるであろう。このような方法で製造されたマイクロカプセルは、カプセル化された液体の体積とカプセル化被覆の厚さのいずれにおいても、本質的に単分散である。
【0059】
マイクロカプセル化された液滴をつくり出す1つの手法は、本質的に、離散的な液滴の定常的な流れを生成する連続式インクジェット(CIJ)ノズル及びポリマー溶液の皮膜をうまく保持するプレートからなる。代表的なCIJノズルは、米国特許第3,596,275号(Sweetに交付)に記載されている。このノズルは、好ましくは、直径が30μmから直径が60μmの範囲の出口オリフィスをもつ、引き伸ばされたガラス・キャピラリであるが、ノズルは任意の大きさと形状のものであり得る。ノズルには、ノズルのオリフィスから液体ジェットが飛び出すのに十分な圧力のもとで、薬剤を含む親水性コア材料が供給される。この実施形態では、注射器ポンプでノズルに供給することができるが、適当な推進力を生み出すために如何なる方法を用いてもよい。外力がない場合には、液体ジェットは、各液滴の大きさと位置が変動するランダムな仕方で、離散的な液滴に分かれる。したがって、液滴の大きさと位置が十分限定されるように、液体ジェットの分裂を制御することが重要である。ジェットを周期的に撹乱することにより(この実施形態では、正弦波形が用いられる)、この液滴形成の制御を実施することができ、これにより液滴は単分散となり、その間隔は非常に規則的になる。ノズルを形作るガラス・キャピラリの外側に、同軸(concentric)で結合したスリーブからなる圧電トランスデューサに、周期的に変化する電圧を加えることにより、この撹乱を実施することができる。電圧信号を印加すると、トランスデューサは周期的に収縮と膨張を繰り返し、ノズル内部の液体の圧力に摂動を与え、それが次にジェットを一定の液滴に分割させる。この実施形態では、ノズルは、1個のピエゾ・ドライバ/関数発生器により、同じ周波数で操作される。ノズルは、それぞれのオリフィスから出た液滴が衝突し(図5)、衝突で、外側流体が内側流体を包み込んでマイクロカプセルをつくるように、配置されている。表面張力がより大きい内側流体(すなわち、親水性コア溶液)はその球形を保ち、一方、表面張力が相対的により小さい外側流体(すなわち、ポリマー溶液)は親水性コアの回りを包む。2つの微小液滴が接触した直後に、水相溶性溶媒はコア粒子の水と混ざり始め、溶媒の特性が僅かに低下し、コア粒子の表面上にポリマー被覆が付着して、単核マイクロカプセルが生成する。得られたマイクロカプセルは、溶媒がさらに抽出され、マイクロカプセルが硬化されるように、界面活性剤を含む水槽で捕集される。界面活性剤は、マイクロカプセルを水槽内に導き入れることに対する抵抗を小さくし、また生成したマイクロカプセルが凝集するのを防ぐために含まれる。遠心又は濾過により、マイクロカプセルを捕集し、次に凍結乾燥することができる。
【0060】
微小液滴を放出するために、ドロップ・オン・デマンド(DOD)ノズル及び関連技術を用いることもできる(13)。例示的なデバイスが、米国特許第3,683,212号(Zoltanに交付)及び3,946,398号(Kyser他に交付)により記載されている。
【0061】
この方法は、従来の方法の不利な点である、薬剤分子が溶媒及び高剪断応力に曝される機会を最少化する。この方法の別の利点は、粒径及び粒径分布を精密に制御できるということである。均一な粒径は、望ましい放出速度のための要件の1つであるため、粒径分布は薬物送達を制御するための重要な問題点であった。しかし、従来の方法は粒径分布を狭くできる適当な手段を提供することができなかった。この理由で、本発明は、圧電トランスデューサにより制御されるマイクロディスペンサを用いる、簡単で容易な解決策を与える。
【0062】
液滴の半径rdは3つの変数、すなわち、ジェット化された溶液の流量、ノズルのオリフィス径、及び音響周波数(acoustic frequency)により、以下の式のように決定されているということが知られている:
d=(3rj 2j/4f)1/3
ここで、rjはオリフィスの半径であり、vjは溶液の流量であり、またfは音響周波数であり、これらの全ては容易に設定できる(33)。30μmから60μmの様々なオリフィスのマイクロディスペンサが市販されているので、都合よくオリフィス径を変更することができる。さらに、注射器ポンプ及び圧電トランスデューサを利用することにより、流量及び周波数を容易に最適化できる。得られる粒径分布は実質的に単一である。適切なマイクロディスペンサ製品供給業者には、MicroFab Technologies,Inc.(Plano、テキサス州)が含まれる。
【0063】
実施例7
別の実施形態では、タンパク質水溶液の微小液滴をつくるために1個のマイクロディスペンサを用い、そして生成した水性微小液滴を、カプセル材料溶液(例えば、酢酸又は酢酸メチルに溶けたPLGA)からなる微小液滴のミストを通過させることができる。霧化ノズル(例えば、超音波発生器をもつ超音波霧化ノズル)を用いて、カプセル化材料のミストを発生させることができる。1μmより小さいものから水性液滴の大きさより大きいものまで、生成する微小液滴の大きさを変えることができる。カプセル材料溶液の微小液滴の密度及び大きさを制御することにより、ポリマー・カプセルの厚さを容易に調節することができる。チャンバを通過する水性微小液滴だけが、それらと相互作用し得るように、チャンバ内にカプセル材料のミストを閉じ込めることができる。次に、ポリマー・カプセルで被覆された水性微小液滴は水槽で捕集される。適切な霧化ノズルは、SonoTek Corp.(Milton、ニューヨーク州)から市販されている。
【0064】
実施例8
図2に示されるもののようなノズル・アセンブリの下に、ポリマー溶液の皮膜をうまく保持できる穴があるステンレス・スチール・プレートが置かれる。このプレートはポリマー溶液のリザーバに結合している。ポリマー溶液が穴の近くに連続的に供給され、穴の上をステンレス・スチールの針が前後に動いてポリマー溶液を広げ皮膜をつくる。薬剤分子を含む親水性コア材料が前記のように皮膜の上に噴射される。放出されたコアの液滴は、穴にあるポリマー溶液の皮膜を通過する。親水性コアの液滴とポリマー溶液の皮膜の間の接触で、水相溶性溶媒はコア液滴の水と混ざり始め、溶媒の特性が僅かに低下し、コア粒子の表面上にポリマー被覆が付着して、単核マイクロカプセルが生成する。得られたマイクロカプセルは、溶媒がさらに抽出され、マイクロカプセルが硬化されるように、界面活性剤を含む水槽で捕集される。界面活性剤は、マイクロカプセルを水槽に導き入れることに対する抵抗を小さくし、またマイクロカプセルが凝集するのを防ぐために含まれる。
【0065】
実施例9
同軸ノズルを用いて、マイクロカプセルを作製することができる。圧電トランスデューサにより制御される同軸ノズルを用いて、マイクロカプセルを製造できることが示された(34)。内側と外側ノズルにそれぞれ信号を送る時刻を変えることにより、同軸ノズルの先端でマイクロカプセルをつくることができる。簡単に言えば、外側ノズルから第1の液体(A)を、また内側ノズルから第2の液体(B)を噴射することによりマイクロカプセルはつくられる。噴射は、圧電トランスデューサにより、外側ノズルを通して液体Aで始まる。液体Aの噴射開始からある一定時間の後、次に、液体Bが、やはり圧電トランスデューサの制御のもとに、内側ノズルを通して噴射される。液体Aが最初に噴射を始めたので、液体Bは液体Aの中へ噴射され、そのために、液体Bは液体Aにより包み込まれて、噴射が進行するにつれて層をもつ液滴となる。層をもつ液滴が形成され始めたすぐ後に、圧電体は液体Bの噴射を止め、そして次に液体Aの噴射を止める。これらの停止信号により、ノズル内の各溶液がリザーバへ一時的に戻るので、生成したマイクロカプセルをノズルの先端の外に引き離す。マイクロカプセルを噴射した後、全ての手順が、プログラムされた制御のもとで、別のマイクロカプセルをつくるために最初から繰り返される。溶媒交換を実施するために、このタイプのノズル・システムを利用することができる。外側ノズルからの液体A、及び液体Bはそれぞれ、PLGA溶液、及び親水性コア材料を含むタンパク質薬剤であり得る。2種の液体がノズルの先端で接触するとすぐに、ポリマー溶液の水相溶性溶媒がコア材料の水と混ざり始め、溶媒の特性が僅かに低下し、コア粒子の表面上にポリマー被覆が付着する。適切に時間設定された噴射信号がノズルの先端からマイクロカプセルとして被覆粒子を引き離し、粒子は、溶媒がさらに抽出されマイクロカプセルが硬化されるように、界面活性剤を含む水槽で捕集される。
【0066】
さらに粒径を小さくするために、静止した同軸ノズルの回りにキャリアを連続して流すことにより、このシステムをいくらか変更することができる。モノリシック型マイクロスフィアを製造する際に、小さなオリフィス・ノズルと組み合わせて、粒径と有効粒径分布を精密に制御するために、連続した流れが以前から使用されている(33)。別の例では、ポリマー溶液と相溶性がないキャリアの連続した流れが、同軸ノズルの先端で生成するマイクロカプセルへの剪断力として役立つ(35)。しかし、この場合、マイクロカプセルの直径は300μmから600μmの範囲にある。
【0067】
前記の、圧電トランスデューサにより制御される同軸ノズル・システムをキャリアの流れと共に、以下のようにして用いることができる。親水性コア溶液及びポリマー溶液がそれぞれ、同軸ノズルの内側ノズル及び外側ノズルを通してポンプで送られると同時に、キャリアが、出てくるマイクロカプセルの回りに連続して流れる。このキャリアの流れはポリマー溶液と相溶性がなく、その表面張力及び密度は水のそれより小さい。キャリアの流れの速度がポリマーの流れより大きいと、キャリアはポリマーを引っ張り、それを直径が小さくなったジェットに集中させる。この方法では、液滴の直径は、オリフィスの直径及びポリマー溶液とキャリアの流れの相対的流量の関数として低下する。流れは水槽へ向かい、そこでキャリア液体は水の最上部に留まるが、マイクロカプセルはキャリア液体を離れ、バルクの水の中へ入る。次に、さらなる溶媒交換により、水槽で捕集されたマイクロカプセルを硬化させることができる。
【0068】
実施例10
被覆プロセスの前に、薬剤分子を含む親水性コアを別途調製することができる。薬剤物質と保護のためのコア材料を含む水溶液が、連続槽にスプレーされる。望ましい粒径範囲のコア粒子を製造するために、如何なる方法でも用いることができる。コア材料が、pH、温度、イオン強度、又は他のポリマーの存在などの外部条件の変化に応じて物理的架橋が可能であるとき、捕集用の槽の条件の1つを制御することにより、ポリマー被覆の前に、コア粒子を別途捕集することが可能である。例えば、アルギン酸塩の鎖を水槽のカルシウム・イオンの存在下に架橋することにより、親水性コア粒子を都合良くつくることができる。得られたコア粒子は遠心又は濾過により捕集され、続いて、ポリマー溶液に使用されるものと同じ溶媒で洗浄される。粒子がポリマー溶液と完全に接触するまで、攪拌しながらポリマー溶液をコア粒子に加える。コア粒子とポリマー溶液が互いに接触するとすぐに、ポリマー溶液の水相溶性溶媒がコア粒子の水と混ざり始め、溶媒の特性が僅かに低下し、コア粒子の表面上にポリマー被覆が付着する。沈殿は、バルクのポリマー溶液に、ポリマーの非溶媒を加えることにより促進される。非溶媒の濃度を増加させながら、組成が順次変化する一連の、非溶媒と溶媒が加えられ、これにより、粒子の表面にポリマーがさらに付着する。組成が順次変化する一連のものに対する非溶媒の混合率、及びこの組成が順次変化する一連のものの、バルクのポリマー溶液への添加速度を変えることにより、ポリマーの被覆の厚さを調節することができる。得られたマイクロカプセルは、非溶媒で、かつ/又は次に蒸留水で洗浄され、乾燥される。
【0069】
実施例11
溶媒交換法を用いてアルブミンをマイクロカプセル化することができ、マイクロカプセルからの放出プロフィールが調べられた。この研究では、500mgのウシ血清アルブミン(BSA)及び40mgのアルギン酸ナトリウムを含む4mlの水溶液が、30mlの、0.15M CaCl2水溶液にスプレーされる。得られた粒子は、CaCl2溶液中で10分間硬化した後濾過により捕集され、次に酢酸又はN−メチルピロリドンで洗浄される。PLGA(50:50)の氷酢酸又はN−メチルピロリドン溶液(10/w%)が、攪拌しながら5分間で粒子に加えられる。エタノール及び氷酢酸(又はN−メチルピロリドン)の、組成が順次変化する一連のものが、エタノールの濃度を増加させながら加えられ、これにより粒子の表面上にポリマーが沈殿する。同時に、溶液から過剰のポリマーが除去される。PLGAで被覆されたアルギン酸塩粒子は、ポリマー被覆を硬化するために、エタノール、次に蒸留水で洗浄され、凍結乾燥される。
【0070】
マイクロカプセルからのアルブミンの放出プロフィールを求めるために、乾燥されたマイクロカプセルが秤量され、3mlのpH7.4の緩衝溶液が入ったバイアルに入れられる。バイアルは37℃で振とうされる。放出されたアルブミンの測定のために、上澄みが決められた一定の時間間隔で完全に取り除かれ、新しい緩衝液が再び入れられる。図6は、本発明の方法を用いて調製されたマイクロカプセルからの、BSAのin vitroでの累積放出を示す。
【0071】
実施例12
PLGAを用いる本発明の溶媒交換法に適する溶媒を、溶解度パラメータが16〜24MPa1/2の範囲にあることにより、まず選択することができる。試験された34種の溶媒の中で、14種の溶媒は、PLGAの良溶媒であることが判明し、10種は非溶媒であった。溶媒の残りは中間の性能を示した。ポリマーの溶解性をより良く予測するために、Hansen(36)により導入された部分(partial)溶解度パラメータが、Teas法(37)に従って、三角グラフにプロットされる。Hansenの多成分溶解度パラメータは次のように記される:
Figure 2005513081
ここでδは全溶解度パラメータであり、δdは分散力、δpは極性相互作用、またδhは水素結合からの寄与である。分率(fractional)パラメータは次のように計算される:
i=100δi/(δd+δp+δh
ここで、i=d、p又はhである。
【0072】
(Hansenパラメータ(38)が入手できる)溶媒が、分率パラメータを用いて、三角グラフ上にプロットされたとき、良溶媒は図7に示されるように、ある領域に集中する。PLGAを溶かし、PLGA膜を水性液滴上に生成する溶媒は、Fp及びFhが小さいがFdが大きい。良溶媒の中で、透明な膜と白色沈殿となるものが別々に記号で示された。傾向はほぼ水溶解度に対応する。このような三角グラフから、#12、15、16、及び24を含む領域に位置する如何なる溶媒も、透明なポリマー膜をもつマイクロカプセルをつくると期待される。溶媒力は溶解限界の中心に近いほど大きい。図7は、分散力、極性、及び水素結合成分を三角グラフ上にプロットすることにより、PLGA及び他のポリマーを利用する溶媒交換法の適切な溶媒を選択することができるということを示唆する。このグラフによる方法はまた、溶媒混合物の選択に対する手引きも提供する。溶媒混合物に対する部分溶解度パラメータ、δi,mは次のように計算される:
δi,m=φ1δi,1+φ2δi,2
ここで、i=d、p、又はhであり、φは成分溶媒の体積分率である。
【0073】
以上で本発明が、限定のためというより明確さと理解のために、特定の実施例を参照して説明された。しかし、添付の特許請求の範囲内で、特定の改善及び変更が実施され得るということが理解されるべきである。例えば、アルブミンは、センス及びアンチセンス・オリゴヌクレオチド、遺伝子、多糖、並びにタンパク質などの一般に1種又は複数の他の水溶性ポリマーで置換され得る。同様に、PLGAは、限定なしに、他の水不溶性・生分解性ポリマーと置換され得る。
【0074】
(引用文献)
以下の引用文献の、関連する開示を参照することにより本明細書に取り込むものとする。
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【図面の簡単な説明】
【図1】
薬剤水溶液の注射器/針からポリマーの溶液に滴下して、薬剤コアの回りにポリマー・シェルを有するマイクロスフィア又はマイクロカプセルを形成することを示す図である。ポリマー、例えばPLGAは、ポリマー溶媒、例えば酢酸が、水性液滴の近傍で急速に希釈されるために、接触すると直ちに薬剤コア上に付着する。
【図2】
単一ノズル・システムを用いるマイクロスフィア又はマイクロカプセルの形成を示す図である。ポリマーは、水及びポリマー溶媒相の間の瞬時の溶媒交換により、微小液滴の回りにシェルを形成する。
【図3】
共軸ノズル・システムを用いるマイクロスフィア又はマイクロカプセルの形成を示す図である。ポリマーのシェルは、薬剤コアがノズルから離れた直後から形成され始め、このシェルの形成はバルクの水との接触で実質的に完了する。
【図4】
図2に示される装置の変形形態を示し、保護層が、ポリマー・シェルの付着前に薬剤コアの回りに生成する。
【図5】
例えばインクジェット型のマイクロディスペンサを用いて、溶媒交換によりマイクロスフィア又はマイクロカプセルを形成する、本発明の一態様を示す図である。第1のマイクロディスペンサが水性微小液滴を生成し、第2のものが、ポリマーが溶解した溶媒の微小液滴を生成する。2つのマイクロディスペンサは、2つの異なる微小液滴が空中で接触するように調節されている。この略図は、はっきりと示すために、ストロボ照明を用いて得られた写真に基づいている。
【図6】
2つの異なる溶媒(酢酸及びN−メチルピロリドン)を用いて、本発明の溶媒交換法により調製されたマイクロカプセルからの、ウシ血清アルブミン(BSA)のin vitroでの累積放出率を示すグラフである。
【図7】
それらの各々の分散力(Fd)、極性(Fp)、及び水素結合(Fh)の比の関数として、様々なポリマーの溶媒をプロットしたものを示す図である。(〇)良溶媒;(◎)透明な膜を形成する良溶媒;
Figure 2005513081
(▲)中間の良溶媒;(△)中間の貧溶媒;及び(X)貧溶媒。(B)ベンゼン;(E)エタノール;(M)メタノール;及び(W)水。(1)n−ブチルアミン;(2)イソプロピルアルコール;(3)アセトン;(4)1−プロパノール;(5)テトラヒドロフラン;(6)酢酸;(8)N,N−ジメチルアセトアミド;(9)N−メチルピロリドン;(10)ジメチルスルホキシド;(12)酢酸メチル;(13)メチルエチルケトン;(14)2−ブタノール;(15)ギ酸エチル;(16)酢酸エチル;(17)1−ブタノール;(18)ベンジルアルコール;(20)酢酸イソプロピル;(23)メチルイソブチルケトン;(24)塩化メチレン;(25)酢酸イソブチル;(26)酢酸n−ブチル;(27)クロロホルム;(28)メチルアミンケトン;(31)1−オクタノール;(34)アセチルアセトン;(35)フルフラール;(36)ブチルアルデヒド。

Claims (17)

  1. 水及び水に溶解したコア物質からなる水溶液を準備すること;
    水相溶性溶媒及びその溶媒に溶解した水不溶性ポリマーからなるポリマー溶液を準備すること;
    コア物質を含む水溶液の液滴を形成すること;及び
    水不溶性ポリマーがコア物質の上に少なくとも1つの層として付着して、カプセル化された組成物となるような条件のもとで、水溶液の液滴と少なくとも一部分のポリマー溶液とを混合すること、
    を含む、カプセル化された組成物の調製方法。
  2. コア物質が生理学的活性物質であり、カプセル化された組成物が制御された放出特性を示す請求項1に記載の方法。
  3. コア物質がタンパク質、オリゴヌクレオチド、遺伝子、又は多糖である請求項2に記載の方法。
  4. コア物質がタンパク質である請求項3に記載の方法。
  5. 水不溶性ポリマーが生体適合性である請求項1に記載の方法。
  6. 前記ポリマーが生分解性である請求項5に記載の方法。
  7. 生分解性ポリマーが乳酸又はグリコール酸のホモポリマー、又は乳酸とグリコール酸のコポリマーである請求項6に記載の方法。
  8. 水相溶性溶媒が、酢酸、酢酸エチル、酢酸メチル及びギ酸エチルからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  9. 前記の液滴の形成が、少なくとも1つの注射器、単一ノズル、共軸ノズル、又はマイクロディスペンサ・デバイスで実施される請求項1、2、3、4、又は6に記載の方法。
  10. 前記の混合が、共軸ノズル・デバイスを用いて、水溶液の液滴とポリマー溶液とを接触させることにより実施される請求項1、2、3、4、又は6に記載の方法。
  11. 水溶液の液滴が、水性保護層を備える請求項1、2、3、4、又は6に記載の方法。
  12. 前記の混合が、水性コア及び外側ポリマー層をもつ微粒子となるように、水溶液の液滴とポリマー溶液の液滴とを合せることにより実施される請求項1、2、3、4、又は6に記載の方法。
  13. 微粒子を水に導き入れることをさらに含む請求項12に記載の方法。
  14. 水相溶性溶媒の溶解度パラメータが、16から26MPa1/2の範囲である請求項1に記載の方法。
  15. 水相溶性溶媒の表面張力が、約45mN/mより小さい請求項1に記載の方法。
  16. 水相溶性溶媒の水への溶解度が、5から100%である請求項1に記載の方法。
  17. 請求項1、2、3、4、又は6に記載の方法により製造されるカプセル化された組成物。
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