JPWO2006004069A1 - 微小カプセルおよびその製造方法 - Google Patents

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孝生 大西
廣田 寿一
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Abstract

本発明は、微小カプセルの新規な製造方法を提供する。このため、本発明では、カプセル壁10又はその原料を含むカプセル壁用材を、少なくとも該カプセル壁用材が付着可能な表面22を有する担体20の該表面22を指向して供給する工程と、1又は2以上の芯物質4若しくはその原料を含む芯物質用材を、少なくとも該芯物質用材が付着可能な表面を指向して供給する工程と、を備えるようにする。

Description

本発明は、微小カプセルおよびその製造方法に関する。
マイクロカプセル等を含むミリメートルからナノメートルレベルのサイズの微小なカプセルは、固体状、液体状の内包物(芯物質)を壁材(カプセル壁)により被覆した微小な容器である。微小カプセルは、不安定な物質の保護、反応性物質の隔離、内包物の拡散制御等を目的として、薬剤分野、食品分野、印刷分野、液晶分野等の広い分野で利用されている。この種の微小カプセルの製造方法としては、界面重合法、in situ重合法および液
中硬化被膜法等の化学的方法、相分離法、液中乾燥法などの物理化学的方法、噴霧乾燥法、気中懸濁法などの機械的方法が知られている(印刷学会誌 第37巻第1号、p.28−p.33)。これらは、いずれも芯物質をほとんど拘束しない媒体に分散させ、この系にカプセル壁材料を導入して芯物質の表面をターゲットとして芯物質を囲繞する薄膜状のカプセル壁を形成させる点において共通している。また、特開2000−5593号公報や特開2001−232178号公報には、こうしたカプセル製法において、芯物質を分散又は供給する手段として、圧電素子などを用いたインクジェット法を用いることが開示されている。
発明の概要
しかしながら、これらの方法によって得られる微小カプセルは、いずれも空気などのガスや液体などの分散媒中において芯物質粒子の表面をカプセル壁が被覆することになる。すなわち、得られる微小カプセルは、芯物質の表面形態に倣った外形形態を有し、そのカプセル壁の膜厚もおおよそ一定となる。また、微小カプセルの製造方法においては、従来、芯物質に対して均一な被膜を形成して芯物質を内包するという観点から、各種の方法が試みられてきているが、これに替わる新たな形式の微小カプセルの製造方法は未だ提供されていない。
そこで、本発明は、微小カプセルの新規な製造方法を提供することを1つの目的とし、微小カプセルに所望の外形形態を付与可能な微小カプセルの製造方法を提供することを他の1つの目的とし、さらに、芯物質の新規な内包形態を有する微小カプセルの製造方法を提供することをさらに他の1つの目的とする。また、本発明は、新規な芯物質の内包形態を有する微小カプセルを提供することを一つの目的とし、新規な外形形態を備える微小カプセルを提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明は、1又は2以上の微小カプセルを備える微小カプセル保持体を提供することも他の1つの目的とする。
本発明者らは、上記した課題を解決するために、インクジェットプリンタなどに用いられている微小液滴の吐出システムなどの印刷手法を用いることに着目し、さらに、芯物質やカプセル壁の材料となる液状物を所定の表面に付着させることにより該表面において三次元形状を有する微小カプセルを構築できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば以下の手段が提供される。
本発明の一つの形態によれば、微小カプセルであって、1又は2以上の芯物質と、該芯物質を内部に保持するカプセル壁と、を備え、前記芯物質表面から前記微小カプセル表面までの距離につき異方性を有する、微小カプセルが提供される。また、本発明の1つの形態によれば、微小カプセルであって、1又は2以上の芯物質と、該芯物質を内部に保持するカプセル壁と、を備え、前記微小カプセルの表面の少なくとも一部に平坦状部を有する、微小カプセルも提供される。これらの形態においては、前記カプセル壁は、前記1又は2以上の芯物質の全体を内包することが好ましい態様であり、前記微小カプセルの表面の少なくとも一部が平坦状部を有することも好ましい。また、微小カプセルは板状部位を有することも好ましい態様である。さらに、これらの微小カプセルにおいては、扁平部位を有することが好ましい態様であり、球状体表面の一部からなる球状部位を有することも好ましい態様である。さらに、これらの微小カプセルにおいては、その平面形態は円形状又は楕円状であることが好ましい。また、前記平坦状部の周縁に堤部を有することもできる。
さらに、これらのいずれかの微小カプセルにおいて、前記芯物質は扁平な形態で前記カプセル壁に内包されていることが好ましい。また、前記芯物質を2つ以上備え、該2つ以上の芯物質の材質は2種類以上であることが好ましい態様であり、さらに、前記カプセル壁の材質は2種類以上であることも好ましい態様である。また、これらのいずれかの微小カプセルにおいて、前記カプセル壁は、前記1又は2以上の芯物質の表面の一部を被覆する第1のカプセル壁と、前記1又は2以上の芯物質の表面の残部を被覆する第2のカプセル壁と、を備えることが好ましい態様である。
また、これらのいずれかの微小カプセルにおいて、前記カプセル壁において対向する領域は異なる表面積を有することが好ましい態様である。この態様においては、該カプセル壁において対向する領域の凹凸形態および/または表面粗さの相違によって表面積が異なることが好ましい態様である。
さらに、上記いずれかの微小カプセルにおいて、前記カプセル壁の対向する領域の一方において凹部および/または凸部を備えることも好ましい態様であり、さらに、前記カプセル壁の対向する領域は、異なる厚み及び/又は組成を有していることも好ましい。さらに、前記カプセル壁の対向する領域の一方が前記芯物質又はその成分の放出制御領域であり、他方が微小カプセルの到達部位制御領域であることが好ましい態様である。
さらにまた、これらのいずれかの微小カプセルにおいては、最大寸法が2mm以下でかつ最大寸法/最小寸法の比が200000以下であることが好ましい態様である。また、前記カプセル壁は独立状気孔を含有していることが好ましい態様である。さらに、前記芯物質又はその成分について濃度傾斜を有していることも好ましい態様であり、前記微小カプセルの最小寸法に対する最大寸法の比(最大寸法/最小寸法)が5以上であることも好ましい態様である。
本発明の他の一つの形態によれば、1又は2以上の芯物質と該芯物質を内側に保持するカプセル壁とを備える微小カプセルの製造方法であって、前記カプセル壁又はその原料を含むカプセル壁用材を、少なくとも該カプセル壁用材が付着可能な表面を有する担体の該表面を指向して供給する工程と、1又は2以上の前記芯物質若しくはその原料を含む芯物質用材を、少なくとも該芯物質用材が付着可能な表面を指向して供給する工程と、を備え、これらの供給工程を、前記表面において前記芯物質用材の付着物の少なくとも一部を前記カプセル壁用材の付着物で内包するように実施する、微小カプセルの製造方法が提供される。この形態においては、前記カプセル壁用材の供給工程および前記芯物質用材の供給工程は、前記表面の予め定めた位置に前記カプセル壁用材および前記芯物質用材をそれぞれ供給する工程であることが好ましい態様である。
また、上記いずれかの微小カプセルの製造方法においては、前記カプセル壁用材の供給
工程および前記芯物質用材の供給工程のうち少なくとも1つの供給工程は、マイクロポンプ方式によって前記芯物質用材および/または前記カプセル壁用材の液滴を吐出して行うことが好ましい態様であり、前記カプセル壁用材の供給工程および前記芯物質用材の供給工程の少なくとも1つの供給工程は、スクリーン印刷法により行うことも好ましい態様である。さらに、前記カプセル壁用材の供給工程を、スクリーン印刷法により行い、前記芯物質用材の供給工程を、マイクロポンプ方式によって芯物質用材の液滴と吐出して行うことも好ましい。
さらに、これらのいずれかの微小カプセルの製造方法において、微小カプセルの形成される内層又はその原料を含む内層用材を、最外層に位置されるカプセル壁よりも内層側に位置されるように前記芯物質用材の付着物又は前記カプセル壁用材の付着物に対して供給することが好ましい態様である。さらにまた、前記カプセル壁用材の供給工程により形成されたカプセル壁用材の付着物に対して前記芯物質用材の供給工程を実施し、該芯物質用材の付着物に対して前記カプセル壁用材の供給工程を実施することも好ましい態様である。そして、この態様においては、前記芯物質用材の供給工程に先だって又は該供給工程に次いで、前記芯物質用材の前記カプセル壁用材への拡散又は浸透を抑制する内層用材の供給工程を実施することが好ましい。
また、上記いずれかの微小カプセルの製造方法において、前記担体は可撓性材料であることが好ましい態様であり、また、前記担体は、伸縮性材料であることも好ましい態様であり、前記担体は、少なくともその表面に発泡性材料層を有することも好ましい態様であり、前記担体は、少なくともその表面に撥液性層を有することも好ましい態様である。さらに、前記担体は、気体に対する選択的透過性を有していることも好ましい態様である。
さらにまた、上記いずれかの微小カプセルの製造方法において、前記担体は、ほぼ平坦な部分を有することが好ましい態様であり、前記担体は、前記芯物質用材および前記カプセル壁用材が供給される凹部を有することも好ましい態様であり、この態様において、前記凹部は平板状の第1の担体と該第1の担体に重ねられる第2の平板状担体に設けられる貫通孔とによって形成されることが好ましく、これらの態様において、前記貫通孔はテーパ状であることが好ましい。
また、上記いずれかの微小カプセルの製造方法において、前記担体上に形成した微小カプセルを前記担体から分離する工程を備えることが好ましい態様である。この態様において、前記分離工程は、前記担体上の前記微小カプセルに対して前記担体の少なくとも前記表面を変形させる工程であることが好ましい。また、前記分離工程は、前記担体の前記表面と反対側の面から外力を作用させることにより前記担体を凹凸状に変形させる工程であることが好ましい。さらに、前記分離工程は、前記担体上の前記微小カプセルに対し直接外力を作用させる工程であることが好ましい。
また、本発明の他の一つの形態によれば、担体と、該担体に保持される、芯物質と該芯物質を内側に保持する複数の微小カプセルと、を備える、微小カプセル保持体が提供される。また、本形態においては、前記担体の一部が前記微小カプセルのカプセル壁を構成していることが好ましい態様であり、また、前記担体は、生体内のいずれかの部位における溶解性又は崩壊性を備える製剤用担体であることが好ましい態様である。
図1は、本発明における微小カプセルの一例を示す図、
図2は、本発明における微小カプセルの他の一例を示す図、
図3は、本発明における微小カプセルの他の一例を示す図、
図4は、本発明における微小カプセルの他の一例を示す図、
図5は、本発明における微小カプセルの積層構造を示す図、
図6は、本発明における微小カプセルの積層構造を示す図、
図7は、芯物質の微小カプセルにおける二次元存在形態を示す図、
図8は、各種の微小カプセルにおける芯物質の単位時間当たりの溶解量モデルを示す図、
図9は、本発明の微小カプセルの製造方法の一例を示す図、
図10は、微小カプセルの大きさに相当する凹部を有する担体を用いた微小カプセルの製造例を示す図、
図11は、担体を分割構成する一例を示す図、
図12は、担体を分割構成する他の一例を示す図、
図13は、担体上に所望のパターンで配列された微小カプセルの一例を示す図、
図14は、微小カプセルの分離方法の一例を示す図、
図15は、微小カプセルの分離方法の他の一例を示す図、
図16は、微小カプセルの分離方法の他の一例を示す図、
図17は、微小カプセルの分離方法の他の一例を示す図、
図18は、微小カプセルの分離方法の他の一例を示す図、
図19は、担体として製剤用担体を用いた微小カプセル保持体(a)及び(b)を示す図である。
本発明における微小カプセルは、1又は2以上の芯物質と、該芯物質を内側に保持するカプセル壁と、を備え、前記芯物質の表面から前記微小カプセルの表面までの距離につき異方性を有することを特徴とする。この微小カプセルによれば、芯物質から微小カプセル表面までの距離、換言すれば芯物質と外部との距離につき異方性を有する。すなわち、芯物質に対してカプセル壁の厚みが部位により異なることになる。かかる芯物質の内包形態は、芯物質の表面形状に倣ってカプセル壁を形成する従来の微小カプセルの製造手法では得られなかった構造である。このため、本微小カプセルによれば、微小カプセルでは従来達成しえなかった放出制御が可能となる。例えば、芯物質の拡散又は放出に異方性を付与することができる。このため、一つの微小カプセルにおいて、部位により芯物質の拡散又は放出タイミングを異ならせることができる。また、本微小カプセルによれば、微小であっても1カプセル単位での放出制御も可能となるため、放出制御量、例えば、時間に対する芯物質の溶出量のバラツキを抑えることができる。
また、本発明の他の微小カプセルは、1又は2以上の芯物質と、該芯物質を内側に保持するカプセル壁と、を備え、前記微小カプセルの表面の少なくとも一部に平坦状部を有することを特徴とする。この微小カプセルによれば、平坦状部を有することで、従来の微小カプセルとは異なり、微小カプセルを保持させようとする部位に対する接触面積を確保できるため、該部位において微小カプセルを容易に保持させることができる。したがって、例えば、芯物質が放出されるまで特定部位に保持させることが可能となり、確実に所望の部位における芯物質の放出が可能となる。また、平坦状部で荷重を分散して受けることができるため、微小カプセルの強度を容易に確保できる。このため、微小カプセルの破損や芯物質の漏出を有効に防止できる。
さらに、本発明の微小カプセルの製造方法は、1又は2以上の前記芯物質若しくはその原料を含む芯物質用材を、少なくとも該芯物質用材が付着可能な表面を有する担体に対して供給する工程と、前記カプセル壁又はその原料を含むカプセル壁用材を、少なくとも該カプセル壁用材が付着可能な前記表面に対して供給する工程と、を備え、これらの供給工程を、前記芯物質用材が付着可能な表面において前記芯物質用材の付着物の少なくとも一部を前記カプセル壁用材の付着物で内包するように実施することを特徴とする。この製造方法によれば、前記担体の表面において芯物質用材の付着物とカプセル壁用材との付着物とから所望の三次元形状の微小カプセルを構築できる。すなわち、本製造方法では、芯物質用材やカプセル壁用材を所定の表面に供給し付着させるものであるとともに、これらの供給量や供給部位を容易に調整できることから、芯物質の内包形態や微小カプセルの三次元形状を自在に構築できる。したがって、上記の形態の微小カプセルも容易に構築できる。
以下、本発明の実施の形態について、本発明の微小カプセルについて図を参照しながら詳細に説明するとともに本発明の微小カプセルの製造方法について説明する。
(微小カプセル)
本微小カプセル2は、図1〜図7に示すように、芯物質4と該芯物質4を内側に保持するカプセル壁10とを備えている。芯物質4は、1つのみ備えられてもよいし、複数個備えられていてもよい。また、複数個の芯物質4が内包されているとき、これらの芯物質4の材質は2種類以上とすることができ、異種であってもよいし、同種であってもよい。
芯物質4は液状、固体状又は気体状とすることができる。好ましくは、液状又は固体状である。このような芯物質4は、カプセル壁10によっておおよそ内包されていればよく、カプセル壁10によって形成され芯物質4が充填されるべき内部部位(空間)の全体又は一部を充填していればよいが、好ましくは、かかる部位を芯物質4がおおよそ充填している形態とすると、芯物質4を多く含有でき、芯物質4の溶出速度に差を付けることができる。以下、例示する各種形態においては、芯物質4の形態は、芯物質4が充填される空間に一致しているものとする。微小カプセル2における芯物質4の存在形態は、後述するように、芯物質用材やカプセル壁用材の供給量や供給形態によっても異なるが、図1、2、4および5に示すような単一核状または図3および6に示すような分散状
(多核状)を採ることができる。
内在する芯物質4の形状(存在形態)も、芯物質用材等の供給量や供給形態によって異なるが、図1〜図6に一部例示するように、球状、板状等の扁平状、棒状、不定形状等の各種の形態を採ることができる。
なお、芯物質4の微小カプセル2における存在パターンは単純な単核又は単なる多核状に限らず、各種設定することができる。図7に芯物質4の二次元存在形態を示す。なお、二次元存在形態とは、最も表面積が大きい表面からの形態とする。例えば、図7(a)および(b)に示すように、デザインされた平面形態を備えることもできる。図7(a)では、芯物質4をリング状に配置してあり、リングは2以上設けることもできる。なお、芯物質4のリングは、必ずしも芯物質4が連続して存在する必要はなく、不連続な芯物質4のドットで形成されていてもよい。また、図7(b)では、芯物質4のラインをクロス状に配置してある。芯物質4のラインは単線であってもよく、クロス状に配置しなくても、並行状に配置してもよい。また、芯物質4のラインは、不連続な芯物質4のドットで形成してもよい。こうした芯物質4の存在形態を採ることにより、本微小カプセル2における上述の異方性を得ることができる。これらの例示においては、全て微小カプセル2の平面形態は円形状となっているが、他の平面形態の微小カプセル2についても同様に適用できる。
なお、これらの各種形態において、芯物質4又は芯物質4の中の有効成分の濃度を傾斜させるようにすることもできる。濃度傾斜を付与することにより、芯物質4又は有効成分の放出量をコントールすることが可能となる。芯物質4又は有効成分の濃度の傾斜の形態としては、特に限定しないが、微小カプセル2の中心側において高濃度であり、中心から外部に向かって低濃度となる傾斜組成を有していてもよいし、この逆であってもよい。また、濃度の傾斜においても異方性を備えることができ、例えば、高濃度の中心部から微小カプセル2の表面の一部に向かって低濃度となる濃度傾斜を備えるようにすることもできる。なお、濃度傾斜は、連続的であっても非連続的であってもよい。このような芯物質4又はその成分についての濃度傾斜の形成方法については後述する。
このような芯物質4としては、本微小カプセル2の用途に応じて物質や組成物が選択され、例えば、酵素剤、ホルモン剤、抗アレルギー剤、抗体医薬、細胞医薬、抗菌剤、抗炎症剤、疼痛緩和剤、抗ガン剤、糖尿病治療薬、高血圧症治療剤、血栓溶解剤等の医薬品の原体又は該原体を含有する組成物、DNAやベクターなどのオリゴヌクレオチドやポリ
ヌクレオチド、防臭剤、防虫剤、殺虫剤や農薬又はこれらを含む組成物、ビタミン、タンパク質、糖類などの栄養素の他調味料、香辛料などの食品成分又は該食品成分を含有する組成物、精油や香料などの易揮発性成分又は該成分組成物、リポソームや食用油などの油状物、磁性材料又は磁性材料組成物、液晶材料又は液晶組成物、金属又はセラミックスなどの無機系材料又はその組成物などが挙げられる。なお、磁性材料や液晶材料を芯物質4とする場合には、これらの材料は適当な液状の分散媒にて分散された状態でカプセル化される。磁性体としては、例えば、薄片状等の鉄、ニッケル、鉄−ニッケル合金等の金属粉又は合金等、又はこれらに対して有機化合物などをコートして分散安定性を高めたものやアルミニウム蒸着により反射率を高めたものを用いることができる。
また、芯物質4には、有効成分の他に有効成分を生体における、口腔、鼻腔、耳腔、涙腺、眼膜、胃、小腸、大腸、直腸等の各種消化管、血管、尿管、膣、子宮などの各種生体におけるいずれかのターゲティング部位の粘膜の表面に付着性を有する付着性材料を含有することもできる。付着性材料としては、微小カプセル2を到達させようとする粘膜の表面に付着しやすい材料であれば足り、適度な粘性を発現する材料を好ましく用いることが
できる。例えば、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸、アクリル酸オクチルエステル共重合体などの各種アクリル酸系共重合体、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等又はこれらに可塑剤を添加したものが挙げられる。芯物質4としてこうした付着性材料を含有することで、微小カプセル2の崩壊時又は芯物質4の放出時において、有効成分がこれらの付着性材料とともに粘膜表面に付着されやすくなる。これにより、標的部位における芯物質4の滞留性と吸収性を向上させることができる。
このような芯物質4は、カプセル壁10の内側に保持されている。ここでカプセル壁10の内部に保持されているとは、カプセル壁10によって外部と区画されていれば足りる。したがって、カプセル壁10は、その外側から又は内側からの成分の透過を抑制できる程度の緻密性を有していてもよいし、また、部分的に欠落していてもよい。例えば、芯物質4の全体がカプセル壁10によって覆われてカプセル壁10内部に封入されている形態とすることもできるし、貫通孔を有し、又は対向配置されたカプセル壁10が閉じていない部位など部分的に壁が欠落したカプセル壁10の内側に芯物質4を保持している形態とすることもできる。カプセル壁10内部に芯物質4を封入する形態とすれば、芯物質4はカプセル壁10により保護されるとともに、カプセル2間で接触した際、芯物質4が接触したカプセル2の表面に付着することがない。このため、微小カプセル2同士を凝集させることなく、より正確に個々の微小カプセル2を生体内の表面などのターゲティング部位で保持させて芯物質を溶出させたいときに有効である。なお、カプセル壁10の欠落部位においては、該部位において芯物質4が露出されることになる。
このようなカプセル壁10もまた、本微小カプセル2の用途に応じた材料で構成することができる。高分子材料としては、例えば、(メタ)アクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテル、ポリエーテル・エーテルケトン、ナイロン、ポリウレア、ポリアミド又はこれらのコポリマー等を用いることもできる。なお、カプセル壁10内においても芯物質4又はその一部を含んでいてもよい。カプセル壁10は、1種又は2種以上の材質で構成することができる。また、微小カプセル2は、その材質が単一のカプセル壁10で構成されていてもよいが、2種以上の材質のカプセル壁10を備えることもできる。なお、異種のカプセル壁10は、芯物質4の一方側と他方側とをそれぞれ被覆するなど異なる表面を被覆するものであってもよいし、それぞれ芯物質4を中心に異なる層を形成して被覆するものであってもよい。
微小カプセル2を医薬品などの製剤用途に用いる場合、カプセル壁10の少なくとも一部は生体における各種ターゲティング部位における選択的溶解性又は崩壊性を備えていることが好ましい。口腔内、胃、腸などにおいて選択的な又は好ましい溶解性等を備える組成は、製剤分野において公知のものを用いることができる。また、カプセル壁10は、ターゲティング部位の粘膜への付着性を備えることもできる。後述するように、微小カプセル10をカプセル化し、造粒し、又は担体に保持させる場合、これらの外皮やマトリックスにターゲティング部位での溶解性又は崩壊性を備えさせることができる。この際、微小カプセル2がターゲティング部位へ付着性を備えていれば、芯物質4のターゲティング部位への到達性をより高めることができる。付着性を発揮させる材料としては、芯物質4に用いる付着性材料を用いることができる。
また、カプセル壁10は気孔を含有することができる。気孔を含有することにより、カプセル壁10の溶解又は崩壊速度をコントロールできる。例えば、気泡などの独立状の気孔を含有する場合には、カプセル壁10によって芯物質4を効果的に外部と隔離できるとともに、溶解や崩壊を促進することができる。また、連続状の気孔を有する場合には、カプセル壁10自体の溶解や崩壊を促進するほか、芯物質4の徐放性に寄与することができる。
微小カプセル2は、芯物質4の三次元形状に依存しないで各種の三次元形状を採ることができる。なお、芯物質4の三次元形状に依存する三次元形状を採ることを排除するものではない。本微小カプセル2にあっては、カプセル壁10の形状が本微小カプセル2の三次元形状に大きく寄与している。微小カプセル2の三次元形状は、後述するようにカプセル壁用材の供給量や供給部位などの供給形態によって所望の形状とすることができる。例えば、球状体の少なくとも一部からなる球状部位、扁平部位、錐体状部位、柱状部位など各種の形態の部位を少なくともその一部に有することができる。さらに、これらの部位とは別に又はこれらの部位との組み合わせで、カプセル壁10の表面、すなわち、微小カプセル2の表面の少なくとも一部に平坦状部を有することが好ましい。既に述べたように、かかる平坦状部を有することで、微小カプセル2を付着ないし保持させようとする所定の表面に対する接触面積を確保でき、該部位に保持させやすくすることができるからである。また、平坦状部にて荷重を受けることで微小カプセル2の耐荷重を向上させることができる。したがって、図1〜図3に示す板状体や、図4に示す半球状体や、断面略半円状の柱状体などが好ましい形態である。また、微小カプセル2が板状体であるなど扁平部位を有する場合には、微小カプセル2の生体内などにおける溶解性を向上させることができる。
さらに、図2にも示したように、微小カプセル2の表面には厚肉部分(断面半円状)と薄肉部分(扁平部位かつ平坦状部)とを備えるなど凹凸を備えることもできる。このように、扁平部位と他の厚膜部位と組み合わせることで1つの微小カプセル2内においてカプ
セル壁10の厚みの差を大きくすることが可能であり、より徐放時間の範囲を大きくとることができる。なお、微小カプセル2の表面の凹凸形状はより微小であってもよい。さらに、ここでいう凹部は芯物質4に到達する孔部も包含している。また、微小カプセル2の平面形態は各種の形態とすることができるが、破損などを考慮すれば、円形状又は楕円状とすることが好ましい。
さらにこのように、微小カプセル2において対向状にあるカプセル壁10の領域は表面積が異なることが好ましい。こうすることで、芯物質4又は有効成分の放出形態やターゲット部位への付着性を対向するカプセル壁10の面で異ならせることができる。ここで、対向状にあるカプセル壁10の領域とは、芯物質4を挟んで対向される領域であればよく、平行でなくてもよい。このような表面積の差は、既に述べた微小カプセル2表面における凹部や凸部などの凹凸形態の相違によって創出することができる他、表面粗さの相違によって創出することもできる。ここで、凹凸形態は、特に限定されないが、例えば凸部の場合、その幅と高さの比(高さ/幅)を、0.0001以上0.003以下とする
ことが好ましい。幅を固定し、高さを小さくし0.0001より小さくしていくと表面積差をつけにくくなる。また、0.003より大きくしていくと、凸部が破損しやすくなる。さらに、製造工程を考慮すると、微小カプセル2の直径φを0.1〜0.2mmとし、凸部幅を0.01〜0.075mm程度とし、高さを5μm以下とすることが好ましい。なお、より好ましい高さは0.5μm以下である。また、表面粗さの相違は、一般的に用いられる表面粗さを測定可能な装置によって測定することができる。なお、表面粗さの相違は、中心線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rmax)、十点平均高さ(Rz)などのいずれか又はこれらを組み合わせて用いて検出することができる。なお、ここでいう凹凸量の相違とは、例えば、Rmaxが1μm以下の表面粗さとすることができる。表面粗さの測定装置としては、例えば、レーザーなどを光源として用いるフィゾー干渉計などの光学式干渉計を用いて測定することができる。なお、微小カプセル2の対向する領域における表面積の差は、上記した凹凸量と表面粗さとを組み合わせて創出することができるほか、いずれか一方のみによって創出することもできる。
微小カプセル2を生体のいずれかの部位に到達されるよう投与される製剤とする場合に
は、カプセル壁10の対向される一方の領域を、芯物質4等の放出領域とし、他方の領域をターゲット部位付着領域とすることができる。例えば、図2に示す形態では、中央の平坦部の周囲に堤部を備えることにより、微小カプセル2のカプセル壁10の対向する領域一方側の面において凹部を備える形態となっている。すなわち、微小カプセル2の凹部を有する側においては、堤部の存在により表面積が大きくなっている一方、ターゲット部位と接触可能な部位が堤部の頂部に限定されるため、ターゲット部位への付着が制限される結果、他方の面(ここでは堤部のない平坦状部を有している)が選択的にターゲット部位への付着領域として機能するようになっている。こうして付着領域を一方側とした場合には、他方側を芯物質4又はその成分の放出領域として機能するよう構成することができる。
また、対向するカプセル壁10には、それぞれに異なる厚みおよび/または組成を有するように構成できる。こうすることによっても、それぞれの領域において異なる機能、例えば、ターゲット部位への付着能力や芯物質4等の放出能力を付与することができる。
こうした本微小カプセル2は、例えば、芯物質4やカプセル壁10の積層形態によって構成されている。図5および図6には、本微小カプセル2の積層構造を示す。図5に示す例では、円板状のカプセル壁10a上に同様に円板状の芯物質4が積層され、さらに、円板状のカプセル10bが積層されている。この積層構造は、図1に例示する微小カプセル2の外形形態を得るための一つの構造であり、該構造によれば、芯物質4の表面の一部を被覆するカプセル10aと、芯物質4の表面の残部を被覆するカプセル壁10bとを備えることになる。また、図6に示す例では、円板状のカプセル壁10a〜10cが積層され、それぞれのカプセル壁間に芯物質4a、4bが介在されている。なお、カプセル壁10bは、カプセル壁10a、10cと異なり単にカプセル壁でなく他の機能を備える内層として備えることもできる。また、このような積層構造を有することにより、積層するカプセル壁10の溶解特性や強度特性などを異ならせることにより、徐放効果や強度などを表面側と裏面側とで異ならせることができる。なお、本微小カプセル2の典型的形態は、扁平な円形状又は楕円状である外形形態を備え、こうした外形形態を構成するカプセル壁10の内側に扁平状の芯物質4を保持する形態である。かかる形態は、後述するように、印刷システムを用いた微小カプセルの製造方法によって得られる典型的形態でもある。
本微小カプセル2の最大寸法は2mm以下であることが好ましい。ここで最大寸法とは、カプセルにおいて最大となる厚み、縦、横又は径のいずれかをいうものとする。最大寸法が2mmを超えて扁平化するなどして芯物質4の内包形態の異方性やカプセル壁10の溶解性を高めていくと、微小カプセル2の剛性が低下して変形等を生じやすくなり平坦状部や扁平部位などを維持できなくなる。結果として、生体内表面への付着性が低下しがちになるなど本微小カプセル2の本来の有用性が得られにくくなる。また、最大寸法が2mm以下であると後述する印刷システムを利用により効率的に微小カプセル2を製造できる。より好ましくは、0.5mm以下である。また、本微小カプセル2の最大寸法は、1μm以上であることが好ましい。1μm未満であると凝集しやすくなり、所期のサイズの微小カプセルとして使用しにくくなるからである。より好ましくは、10μm以上であり、さらに好ましくは、50μm以上である。
なお、本微小カプセル2は、上述のように、球形状や立法形状等というよりも扁平状や半球状、棒状、紡錘状等、その外形形状自体において断面形態又は平面形態のアスペクト比が1を大きく超える形態を容易に得ることができる。このため、本微小カプセル2のアスペクト比が十分に大きい場合、例えば、たとえ最小寸法(カプセルにおいて最小となる厚み、縦、横又は径のいずれかをいう。)が数μm〜1μm以下程度のサイズであったとしても、最大寸法が10μm程度以上あれば、相互の接触面積を有効に低減できるため微小カプセル2の凝集を防止できる。従来の微小カプセルは断面や平面形態のアス
ペクト比が1に近く体積に比して接触面積が大きくなる傾向の外形形態を有していたため、直径が数十μm程度であっても凝集を生じやすく凹凸などの表面形態を付与する必要があったが、本微小カプセル2によればその外形形状自体によって凝集抑制可能となっている。なお、アスペクト比(最大寸法/最小寸法の比)が200000以下であることが好ましい。さらに微小カプセル2の剛性を考慮すると、アスペクト比は1000以下が好ましく、微小カプセル2の製造時において、担体20から剥離する際に微小カプセル2に微細なクラックの発生を抑制することを考慮すると250以下がより好ましい。一方、微小カプセル2における歪の発生を抑制して割れなどを防止するには、厚みが10μm以下とすることが好ましく、最大寸法が50μm以上であることを考慮すると、好ましいアスペクト比は5以上である。
このような本微小カプセル2においては、上記のような芯物質4およびカプセル壁10の存在形態により、芯物質4の表面から微小カプセル2の表面までの距離が部位によって異なるという異方性を備えることができる。本微小カプセル2における前記距離の異方性は以下のように例示できる。図1の円形板状の微小カプセル2においては、芯物質4の図中左右端部から微小カプセル2の左右端部表面までの距離Lと、芯物質4の図中上部中央から真上方向における微小カプセル2の表面までの距離Sは異なっている。また、図2の円形板状の微小カプセル2においては、芯物質4の左右端部は、微小カプセル2の表面に露出されており、前記距離SSは0となるが、芯物質4の上部左右寄りの部位から真上方向における前記距離Lと、同上部中央から真上方向における前記距離Sとは異なっている。さらに、図3の円形板状の微小カプセル2においては、各芯物質4a、4bは、微小カプセル2内において偏心した位置に存在され、各芯物質4a、4bから真上方向への前記距離S1、S2は、各芯物質4a、4bからそれぞれ左右側への距離L1,L2と異なっている。
図4の略半球状の微小カプセル2においては、芯物質4の上部左寄りの部位から真上方向への前記距離Sは、同上部中央から真上方向への前記距離Lと異なっている。このように球状部位を有する微小カプセル2においては、芯物質4を扁平形態で存在させ、又は偏心部位に存在させることにより、前記距離を容易にかつ連続的に異ならせることができる。図1〜図3に示す円形板状の微小カプセル2においては、芯物質4を扁平形態で内在させるか又は偏よった部位に内在させることにより、前記距離を異ならせることができる。また、図2に示すように微小カプセル2に異なる形状部位を備えることによれば、さらに前記距離を多様化させることができる。さらに、図4の微小カプセル2においては、芯物質4の左右端部からそれぞれ左右方向への前記距離は距離Sや距離Lとも異なっている。
本微小カプセル2は、このような前記距離において異方性を備えることにより、芯物質4の徐放タイミングや徐放速度を制御できる。本微小カプセル2における前記距離の異方性による徐放効果の一例を図8に示す。図8には、各種の微小カプセルにおける芯物質の単位時間当たりの溶解量モデルを示す。従来の芯物質の外表面におおよそ均一なカプセル壁を備える微小カプセルの溶解量曲線a(一点鎖線)は、カプセル壁がおおよそ均一厚さであるため、一定時間経過後に一挙に芯物質が溶解することを示している。これに対して、本微小カプセル2の一例である板状カプセル(図1の形態のもの)の溶解量曲線b(太線)は、従来例に比べてより遅い時間で溶解量の最大ピークを示しその大きさは小さくなっており、本微小カプセル2の一例である半球状カプセル(図4に例示のもの)の溶解量曲線c(細線)は、一層遅い時間で最大ピークを示し、その大きさも一層小さくなっている。このように、本微小カプセル2によれば、単一の微小カプセルでも芯物質4の時限放出効果や徐放効果を得ることができる。なお、既に述べた芯物質4の各種の二次元又は三次元の存在形態を組み合わせることにより、例えば、芯物質4に含まれる有効成分の血中濃度等を有効治療領域内により長く維持することなど、より複雑な時限放出制御や徐
放制御が可能となる。また、カプセル壁10の特性を部位により異ならせることによってもこれらの制御が可能となる。
本発明の微小カプセルは、医薬用の製剤として複数の微小カプセルを含有させた各種形態の製剤に用いることができる。かかる製剤としては、特に限定しないで、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、エアゾール剤、シロップ剤、トローチ剤等の各種経口製剤、注射剤、点眼剤、貼付剤、坐剤、経皮型外用剤、皮下埋め込み型製剤、口腔ないし鼻腔粘膜適用製剤等が挙げられる。なお、錠剤化、カプセル化、顆粒化等、各種の製剤への適用にあたっては公知の製剤化技術を適用することができる。
(微小カプセルの製造方法)
次に、本微小カプセルの製造に適した微小カプセルの製造方法について説明する。図9には、本製造方法のフローの一例を示す。このフローは、図5に示す微小カプセル2を製造するのに適している。本製造方法は、芯物質4又はその原料を含む液状等の芯物質用材を、少なくとも芯物質用材が付着可能な表面を有する担体に対して供給する工程と、カプセル壁又はその原料を含む液状等のカプセル壁用材を、少なくともカプセル壁用材が付着可能な前記表面に対して供給する工程と、を備えている。
(カプセル壁用材および芯物質用材の供給工程)
カプセル壁は既に述べたとおりの材料を用いることができる。本製造方法では、これらの材料を最終的に得られるように構成したカプセル壁用材を調製し、これを用いる。例えば、カプセル壁10を高分子材料で構成する場合には、高分子材料又は反応により高分子化する材料を適当な溶媒に懸濁又は溶解し、必要に応じて各種の添加剤を添加してカプセル壁用材を調製する。カプセル壁用材は、液状またはペースト状に調製されることが好ましい。液状またはペースト状であると、印刷方式を採用してカプセル壁用材を供給することが容易になる。なお、液状という場合には、溶液や懸濁液を包含する。カプセル壁用材は、液状やペースト状の他、粉末状であってもよい。
また、カプセル壁用材に適宜気泡を導入することで、気孔(特に独立状気孔を主体となる)を含有するカプセル壁10を形成できる。例えば、カプセル壁用材を調製時において攪拌等により気泡を導入するか、又は化学的発泡剤を用いるなどして気泡を導入することにより、気孔を含有するカプセル壁用材を得ることができる。このようなカプセル壁用材においては、後述するマイクロポンプ等の供給手段から供給を阻害する程度の大きさの気泡を予め除去しておくことが好ましい。
また、既に述べた芯物質4を含有する芯物質用材も調製する。芯物質用材としては芯物質4のみであってもよいが、各種の添加剤等を加えて適当な組成物とすることができる。また、芯物質4の濃度や芯物質4の種類が異なる2種類以上の芯物質用材を調製し、これを用いることもできる。芯物質用材も、カプセル壁用材と同様好ましくは液状またはペースト状である。また、芯物質用材は粉末状であってもよい。
次に、微小カプセル2を製造するための担体20について説明する。本発明においては、カプセル壁用材材は、少なくともカプセル壁用材が付着可能な表面22を有する担体20の該表面に対して供給する。担体20は、固体、液体、ゲルであっても、カプセル壁用材が付着可能な表面を有していればよい。固体やゲルは、弾性や可塑性を有するものであってもよい。また、液体は、カプセル壁用材の微小量をその表面に保持することができる。また、必要に応じて液体の温度又は塩濃度を調整し、さらには有機溶媒などを用いることでその粘度や比重を調整するなどして、カプセル壁用材の付着又は着地に適した表面を構成できる。また、担体20は、カプセル壁用材を付着させ保持するとともに、その表面22に倣った形状をカプセル壁10に付与することができる。したがって、得よ
うとする微小カプセル2の形状に応じた表面22を有する担体20を選択することにより、微小カプセル2に所望の外形形状を容易に付与できる。
担体20としては、生体内のいずれかの部位における溶解性又は崩壊性を備える製剤用担体(キャリア)を用いることができる。このような担体20とすることで、微小カプセル2を、ターゲット部位において溶解又は崩壊し微小カプセルを放出することができる製剤(微小カプセル保持体)を供給できる。たとえば、微小カプセル2を、口腔粘膜、歯肉及び歯牙などに作用させる製剤とするときには、担体20を、口腔内での唾液などの水分によって容易に溶解ないし崩壊させる材料及び構成として、口腔内にて微小カプセル2を放出させるようにすることが好ましい。同様に、胃ないし腸などの消化管や血管において微小カプセル2を放出させるには、担体20を、それぞれの部位にて溶解し又は崩壊するような材料及び構成とすることができる。さらに、担体20として、生体内のカプセル壁10は、ターゲティング部位の粘膜への付着性を備える付着性材料を用いることもできる。担体20の胃粘膜や腸管粘膜に対する付着性を向上させることで微小カプセル2のターゲティング部位への到達性を高めた製剤(微小カプセル保持体)を得ることができる。担体20としてこのような溶解性や付着性材料を用いる場合、これらの場合には、担体20を既に述べたカプセル壁10に用いるのと同様の材料で構成することができ、担体20は、カプセル壁10の少なくとも一部として機能することとなる。例えば、図19(a)に示す例では、担体20はカプセル壁10の一部として機能している。なお、担体20をカプセル壁10の一部とする場合、残部のカプセル壁10は、担体20の構成材料と同一とすることもできるし異なる材料とすることもできる。また、担体20として、嚥下を容易化し又は苦味マスキング性を有する製材用担体を用いることで、担体20に多数個の微小カプセル2や複数種類の微小カプセル2を容易に一括投与できるいわゆるオブラート様又は被包剤材料様機能を付与することもできる(図19(b))。なお、このオブラート様機能を有する担体20としては、ガム状、ゲル状、又は水を吸収してゲル状となる製剤用担体を用いることもできる。
このような担体20の材料としては、各種高分子材料が挙げられ、たとえば、ポリルピロリドン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カンテン、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられ、特に、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートテトラヒドロフタレート、ヒドロキシメチルプロピルセルローテレフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、メタクリル酸コポリマー等が腸溶性の高分子材料として挙げられる。
また、担体20として、培養皮膚、コラーゲン、ゼラチンなどから形成される皮膚代替材料、人工血管などの各種臓器代替材料を用いることもできる。このような担体20を用いる場合、後述するマイクロポンプ方式によって微小カプセルを形成することによって、これらの代替材料への障害を抑制して効果的に薬剤などを保持させることができる。また、必要な部位に必要量の薬剤を正確に保持させることができる。なお、こうして形成された微小カプセル2は、担体20とともに微小カプセル保持体として使用されることになる。
また、担体20の表面22は適度な撥液性を有していてもよい。ここでいう撥液性とは、少なくともカプセル壁用材に対する撥液性である。表面22が撥液性を有することにより、該表面22に付着したカプセル壁用材の付着形態を制御できる。高い撥液性の表面にカプセル壁用材が付着すると、付着形態は球にちかづき、撥液性が低い場合には、平坦状の付着形態となる。さらに、表面22において、撥液性部位と非撥液性部位(カプセル壁用材に対して親和性のある部位)とを備え、該非撥液性部位の周囲に撥液性部位を設ける
ことでカプセル壁用材の付着形態を制御することもできる。
担体20の形状は特に限定しないが、印刷システムの利用を考慮すれば、板状ないしシート状であることが好ましい。なお、印刷システムを適用可能な曲面を有していてもよい。また、図9に示すように、担体20の表面22を平坦状とすると、カプセル壁10に平坦状部を形成することができる。また、図10に示すように、微小カプセル2の大きさに相当する凹部を有することにより、該凹部に対応する形状を微小カプセル2に容易に付与できる。凹部に半球状の内面を形成することで、図4に示すような球状部位を備える微小カプセル2を容易に得ることができる。さらに、図11に示すように、第1の担体20aを平板状体とし、第2の担体20bを第1の担体20aに重ねる平板状体とし、該平板状体20bに微小カプセル2に対応する貫通孔を形成することで、凹部24を表面22に有する担体20を容易に得ることができる。また、後述するように、このように、担体20を第1の担体20aと第2の担体20bとで分割構成することで、微小カプセル2の脱型を容易に行うことができる。加えて、図12に示すように、第2の担体20bの貫通孔をテーパ状とすると、一層容易に脱型することができる。
また、後述するように、担体20上において製造した微小カプセル2をその表面22から分離することを考慮すると、担体20は可塑性材料であることが好ましい。担体20の表面22を変形させることで容易に微小カプセル2を表面22から分離できる。また、担体20は、少なくとも表面22における一の方向において伸縮性材料であってもよい。該方向にそって担体20を伸縮させて変形させることで微小カプセル2を分離できる。また、担体20は、その表面22に発泡性材料層30を有していてもよい。微小カプセル製造後、担体20を加熱等することで、発泡性材料層30に内在する発泡剤などを発泡させることで表面22からガスが噴出し又は表面22形状が変化することで微小カプセル2を分離できる。また、担体20は、少なくとも表面22に撥液性層を備えることも好ましい。表面22における微小カプセル2の接触面積を低減するとともに密着強度を低減できるからである。
また、担体20として気体に対する選択的透過性を有する材料を用いることもできる。すなわち、液体が透過しにくく気体が透過しやすい材料を用い、該材料の気体選択的透過性を利用して、担体20の表面22以外の部分から該表面から気体が通過するように担体20に気体を供給することにより、担体20の表面22に形成した微小カプセル2を容易に分離することができる。このような選択的気体透過性材料としては、セラミックス、金属、高分子材料の多孔材料を用いることが挙げられる。なかでも、ポリプロピレンのフィルム状体等の高分子材料を用いることによりその可撓性によって微小カプセル2の分離を容易に実現できる。また、高分子材料の表面エネルギーの低さによる撥水性の高さを利用することで、比較的気孔率が高くても、カプセル壁用材の担体20の孔部への侵入を抑制して低い通気圧力によって微小カプセル2を分離できる。なお、このような材料における好ましい気孔サイズは、材料自体の有する撥水性、カプセル壁用材の特性(表面張力、粘度、pH等)及び与える気体量や圧力によっても異なるが、平均直径が200nm以下であることが好ましい。平均直径は、より確実にカプセル壁用材などの侵入を抑制して微小カプセルの分離性を確保するには、10nm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは1nm以下である。
次に、カプセル壁用材および芯物質用材を担体20に対して供給する方法について説明する。かかる供給方法としては、印刷システムを用いることが好ましい。印刷システム、具体的には、印刷システムにおける記録材の供給方法を用いることにより、芯物質用材の供給工程および前記カプセル壁用材の供給工程において、表面22の予め定めた位置に芯物質用材およびカプセル壁用材をそれぞれ供給することができる。したがって、多数個の微小カプセル2を容易に製造できるとともに、所望の形状の微小カプセル2を製造できる。さらに、図13に示すように、担体20において所望のパターンで多数個の微小カプセル2を配列させることが可能である。
本製造方法において利用する印刷システムとしては、具体的には、インクジェット記録において用いられているマイクロポンプ方式や、スクリーン印刷などに代表される孔版印刷方式である。マイクロポンプ方式によれば、カプセル壁用材の微小液滴を担体20に対して吐出して表面22に着地させ付着させることができる。マイクロポンプ方式によれば、供給量の制御や着地点制御を高精度に行うことができる。したがって、カプセル壁用材の供給にも都合がよいが、特に、高精度な供給量制御や供給位置制御が必要となる芯物質用材の供給工程をマイクロポンプ方式で行うことが好ましい。また、比較的小さい(数μmから数十μm程度)の微小カプセル2の製造に適している。
マイクロポンプ方式としては、荷電制御方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式および静電吸引方式などが挙げられる。本製造方法においては、これらのいずれであっても用いることができるが、好ましくは、液体を加熱することなしに吐出圧が得られる電気機械変換方式である圧電式液吐出方式を用いることが好ましい。具体的な装置としては、液体を噴射させる複数のノズル孔が設けられたノズル部に対して、該ノズル孔に対する1つまたは複数の液体加圧室が設けられたポンプ部を接合し、該液体加圧室の壁の一部を圧電/電歪素子によって変形させて該液体加圧室に供給される液体を、前記ノズル孔から噴射させるようにしたものが挙げられる。なお、かかる加圧室に液溜め流路を介して液体を供給するのに用いる液体注入口は互い違いに配列されていると、微小液滴の正確な量で吐出できる。なお、本製造方法においては、必ずしもインクジェット式の記録装置に用いられているものと同等物を使用する必要はない。
また、孔版印刷方式のなかでも、スクリーン印刷方式を用いることが好ましい。スクリーン印刷は、所望の平面形態にパターニングされたスクリーン膜を介して担体20に対して所望のパターンでカプセル壁用材を供給することができる。また、スクリーン印刷によれば、インクジェット方式よりも大きな(数十μm〜2000μm以下程度)微小カプセル2を容易に製造することができる。また、スクリーン印刷は、芯物質用材よりも量的に多いカプセル壁用材の供給に適している。
カプセル壁用材および芯物質用材の供給工程は、表面22において芯物質用材の付着物の少なくとも一部を前記カプセル壁用材の付着物で内包するように実施する。こうすることで、微小カプセルの少なくとも一部が製造される。本製造方法においては、図9にも示すように、まず、担体20の表面22にカプセル壁用材を供給し、このカプセル壁用材の付着物に対して芯物質用材を供給する。こうすることで、表面22を利用してカプセル壁10に所望の形状を付与することができる。また、芯物質用材をカプセル壁用材に対して供給することで、担体20の種類や芯物質用材の液性等によらないで確実に芯物質4をカプセル壁10の内側に保持可能に位置させることができる。なお、カプセル壁用材を表面22に供給した後、芯物質用材を供給するのにあたり、カプセル壁用材を適宜放置、乾燥、加熱等することにより必要な程度に硬化させることもできる。
芯物質4又はその成分についての濃度傾斜を形成するには、濃度傾斜させようとする芯物質4又は成分についての濃度が異なる芯物質用材を供給する。例えば、厚みの中心部分から下層及び上層に向かって濃度がそれぞれ低下していく濃度傾斜を有する微小カプセル2を作製するには、カプセル壁用材を供給後、芯物質4中のある種の有効成分を第1の濃度で含有する芯物質用材を供給し、その後、同じ有効成分を第1の濃度よりも高い第2の濡度で含有する芯物質用材を供給し、さらに、同じ有効成分を第1の濃度で含有する芯物質用材を供給した上、カプセル壁用材を供給することで濃度傾斜のある微小カプセルを形成できる。なお、各種芯物質用材を積層するにあたり、下層の芯物質用材が十分に乾燥してから次の芯物質用材を供給すると、芯物質の種類等によってはこれらの界面が明確になるときには、下層の芯物質用材が次に重ねる芯物質用材に拡散又は混合する程度の乾燥状態で次の芯物質用材を供給することで連続的な濃度傾斜を形成できる。
次に、芯物質用材の付着物を被覆するように、カプセル壁用材を供給する。こうすることで、芯物質用材の下側および上側のカプセル壁用材による保持構造が形成される。なお、こうした順序で微小カプセルを製造する場合、各種材料の供給量は下側のカプセル壁用材を最も多くし、次いで、上側カプセル壁用材とし、芯物質用材は最も少なくすると、芯物質4の全体を完全にカプセル壁10で内包する微小カプセル2を得ることができる。なお、これらの量比は、下側のカプセル壁と上側のカプセル壁と芯物質との関係においても同様である。
なお、芯物質用材の供給量と該芯物質用材に対して供給するカプセル壁用材の供給量が多い場合や、芯物質用材とカプセル壁用材との相溶性があり芯物質用材がカプセル壁用材へ又は逆方向へ浸透又は拡散しやすい場合など、最終的にカプセル壁用材を供給するのに先立ってあらかじめ少量のカプセル壁用材等を芯物質用材の付着物に対して供給して、かかる浸透や拡散を抑制する内層を一旦形成することができる。かかる内層は、カプセル壁用材と同一であってもよいが、別途の構成とすることもできる。なお、このような内層がこのような目的に限らず、カプセル壁10と芯物質4との間に介在されるように、適宜液状等の内層用材を供給することができる。
このようにして、図5に例示するような微小カプセル2を担体20上に得ることができる。この状態においては、微小カプセル2は担体20に付着したままである。担体20上の微小カプセル2において最終的にカプセル壁10を構成するのに乾燥や加熱などが必要な場合には、この状態でこれらの工程を実施してもよい。
こうして得られた微小カプセル2は、多数個の微小カプセル2が担体20に保持されたままの状態で使用に供することもできる。すなわち、微小カプセル2を保持した微小カプセル保持体として用いることができる。特に、担体20として生体内の所定部位での溶解性又は崩壊性を備える製剤用担体を用いた場合には、微小カプセル保持体はそのまま投与可能な製剤となる。こうした製剤によれば、通常マイクロカプセルに必要とされる、カプセル充てん、造粒、分包などの作業を省略して、投与に適した形態を予め備える製剤が提供される。例えば、微小カプセル2が所定のパターンで配列されている場合であって、芯物質4として医薬品の有効成分等を含有している場合には、このまま経皮型外用剤、皮下埋め込み型製剤、口腔ないし鼻腔粘膜適用製剤、坐剤、経口製剤等に用いることができる。これらは適宜分割可能に割線を備えることもできる。これらの用途においても、微小カプセル2は、時限徐放効果や徐放効果などを発揮できる。
また、担体20を、一時的に微小カプセル2を保持する包装用担体として用いることもできる。すなわち、この微小カプセル保持体は、そのまま使用に供されるほか、このまま通常のカプセル包装体となるよう透明フィルムによるパッケージング処理を行って包装体を構成することもできる。
なお、担体20を微小カプセル2保持体として使用に供する場合には、用途に適した材料の担体20を選択するものとし、また、必要に応じて、微小カプセル2の保護膜やバインダー、担体20を所定部位に固着するための接着層、該接着層を保護する保護層などを付与することができる。また、カプセル壁10として、担体20に対して結合力のある材料を用いることが好ましい。こうした微小カプセル保持体は、担体20にカプセル壁10を形成した上、芯物質4を供給し、カプセル壁10を供給して形成してもよいが、担体20の材料や表面22の形状を選択すれば、担体20の表面に直接芯物質用材を供給し、そ
の後カプセル壁用材を供給して、芯物質4を担体20の表面とカプセル壁10とで内包するようにしても、微小カプセル保持体として機能させることができる。この場合において、担体20はカプセル壁10の一部として機能しているといえる(図19(a)参照)。
微小カプセル2を個別に用いるためには、担体20から微小カプセルを分離する工程を実施する。微小カプセル2を分離するには、既に説明したように、担体20として可撓性材料を用いた場合には、少なくともその表面を変形させることにより、微小カプセル2を分離できる。例えば、図14に示すように、微小カプセル2を保持した担体20をベルトコンベア等により順次送りながら、コンベア端部などにて担体20を屈曲させることで、該端部にて微小カプセル2を分離できる。より確実に微小カプセル2を分離するには、図15に示すように、該端部にて微小カプセル2が当接され押圧されるようなブレード40を備えることができる。ブレード40は単に微小カプセル2が当接されるだけでなく、微小カプセル2と表面22との間に挿入されやすい刃先を備えることもできる。なお、ブレード40は、屈曲されない状態で移動する担体20上の微小カプセル2に当接するように位置させることもできる。こうすることで微小カプセル2を分離できる場合もある。また、ブレード40に替えて空気などのガスショットを用いて微小カプセル2に対して表面22から分離させるような外力を付与することもできる。
また、図16に示すように、微小カプセル2を保持した担体20の表面22と反対側の面26から外力を作用させることにより担体20を凹凸状に変形させることにより、微小カプセル2を担体20から分離することもできる。図16では、担体20の反対面(裏面)24側に多数個の突起52と該突起52間に備えられる多数個の真空吸引装置にそれぞれ接続された吸引孔54とを有する微小カプセル分離装置50を配置し、突起52を担体20の裏面26に当接させるとともに微小カプセル2の位置に対応するように位置決めすることで、担体20の隣り合う微小カプセル2と微小カプセル2との間の裏面26と、分離装置20の隣り合う突起54間の表面において吸引孔54から真空吸引可能なキャビティが形成される。そうして、真空吸引装置を作動させて吸引孔54から真空吸引することで、キャビティを形成していた担体20の裏面26は突起54側に吸着され、結果として、微小カプセル2の底部周縁部の担体20は該底部から剥離し、突起54の先端が担体20の裏面26から微小カプセル2の底部中央部を上方に押圧する。これにより、微小カプセル2を容易に担体20から分離することができる。
また、図17に示すように、担体20として伸縮性材料を用いたときには、少なくとも表面22において担体20を伸縮させることで、微小カプセル2を分離でき、図18に示すように、担体20として少なくとも表層に発泡性材料層30を有する場合には、加熱等により発泡させることにより微小カプセル2を分離できる。なお、図11および図12に示すように、担体20を分割構成した場合にも容易に微小カプセル2を担体20から分離できる。
また、担体20として選択的気体透過性材料を用いた場合には、担体20の表面22から気体が吐出されるように担体20に空気などの気体を供給することによって、この気体の圧力によって微小カプセル2を表面22から分離することができる。
以上説明したように、本製造方法によれば、印刷システムの利用により芯物質4の量、形態、カプセル壁10の膜厚、形状を制御して所望の三次元形状の微小カプセルを構築可能となっている。また、従来にない芯物質4の内包形態を構築可能な方法となっている。また、本製造方法によれば、上記した本微小カプセル2の各種の三次元形状や芯物質4の内包形態を全て実現することができる。
なお、上記説明においては、担体20の表面に微小カプセルを形成するものとしたが、
マイクロポンプ等によるカプセル壁用材や芯物質用材の供給圧力及び担体20の材料等を調整することにより、担体20中にカプセル壁用材および芯物質用材を埋め込むように供給して担体20にて微小カプセル2を形成することもできる。さらに、担体20に対して、微小カプセル2を供給して、微小カプセル2保持体を形成することもできる。また、担体20をカプセル壁として用いて芯物質用材のみを担体20に注入することで微小カプセル2を形成することもできる。
また、上記説明においては、微小カプセル2を形成した担体をそのまま微小カプセル保持体として用いることができるものとしたが、担体20として可塑性材料を用いる場合、又は水や熱により可塑化して所定の形状を付与可能な材料を用いる場合には、微小カプセル2を保持した担体20を所定条件下で可塑化して任意の形状を付与することができる。例えば、経口投与や外科的又は経管的手法により生体内の所定部位に場合に到達される製剤の場合、投与形態や投与部位に応じた形態に成形することができる。例えば、一定量の微小カプセル2が形成された担体領域毎に経口投与に呈した球状、棒状体やタブレット状等に成形することができる。
なお、上記説明においては、カプセル壁を有する微小カプセル及び微小カプセルの製造方法にマイクロポンプ等による印刷システムを用いることについて説明したが、マイクロポンプ等による印刷システムは、特にカプセル壁を有しない形態である微小タブレットの作製にも同様に適用できる。すなわち、マイクロポンプ方式により有効成分及び結合材等を担体に対して供給することにより、既に説明した微小カプセルが有する外形形状および/または積層形状および/または成分分布形態のタブレットを得ることができる。有効成分と結合材等は同時に供給することもできるし、別個のショットとして供給することもできる。したがって、マイクロポンプ等による印刷システムの利用により、微小カプセル、微小タブレットなどの微小なサイズの製剤及びその製造方法が提供される。
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に拘束されるものではない。
(微小カプセルの製造例1)
本実施例は、図5に示す構造の微小カプセルの製造例であり、図9に示す製造工程に準じている。カプセル壁の材料を、メタアクリル酸とメタアクリル酸エステルをベースとした陰イオンポリマーとし、このポリマー濃度10wt%の水溶液をカプセル壁用材とした。また、芯物質用材とし薬剤の代替品とし水溶性インク(固形分10重量%)を使用した。また担体は樹脂のポリエチレンテレフタレート(PET)シートを使用した。本例においては、圧電式液吐出方式によるインクジェット方式により、カプセル壁用材および芯物質用材の液滴を吐出した。ユニットは、特開平2003−75305号に開示された構造のものを用いた。吐出量は各用材とも1ショット当り約200plとなるように圧電体に印加する駆動波形を調整した。
まず、カプセル壁用材10ショット(液量2000pL)を、担体上の平面に吐出して着地させ風乾してカプセル壁を構成した(工程1)。次に、このカプセル壁上に芯物質用材を1ショット(液量200pL)吐出し風乾して、芯物質を形成した(工程2)。次にカプセル壁用材を1ショット(200pL)吐出して風乾して拡散抑制層を形成した後、カプセル壁用材4ショット(液量800pl)吐出して風乾して、微小カプセルを得た(工程3)。なお、このような微小カプセルを同時に4個作製した。
(微小カプセルの評価)
次に、各工程において作製される部位(カプセル壁や芯物質)の径と膜厚を測定すると
ともに、最終的に得られた微小カプセルの径と膜厚を測定し、さらに、実体顕微鏡での観察を行いカプセル化の確認をした。膜厚測定は光学式干渉計、径の測定には光学顕微鏡を使用した。
この結果、工程1で形成されるカプセル壁は、径約0.2mmで膜厚約300nmであり、工程2で形成される芯物質は径約0.05mmで膜厚約20nmであった。工程3で形成されるカプセル壁は、径約0.1mmで膜厚は約100nmであった。最終的に得られた微小カプセルは約400nmの膜厚で径は約0.2mmであった。さらに、本カプセルを実体顕微鏡にて確認したところ、カプセル化していることの確認ができた。
なお、得られた微小カプセルについて、フィゾー干渉計を用いて、工程1において担体に接触されて形成されたカプセル壁(下面)と工程3において形成されたカプセル壁(上面)の表面粗さを測定したところ、下面のRmaxは0.1μm以下であり、上面のRmaxは0.5μmであった。以上のことから、担体上にて微小カプセルを作製することにより表面粗さの異なる微小カプセルを容易に作製できることがわかる。
以上のことから、印刷システムの利用により、担体上において微小カプセルを構築できることが明らかである。したがって、微小液滴の吐出システム又はスクリーン印刷などのシステムを用いることで、多様な形態の微小カプセルが得られることがわかる。
(微小カプセルの製造例2)
本実施例では、芯物質中のある成分について濃度傾斜のある微小カプセルを製造した。実施例1と同様のカプセル壁用材を用い、芯物質用材とし2種類の固形分濃度の水溶性インク(固形分10重量%のものと固形分0.1重量%のもの)を使用した。なお、固形分0.1重量%の水溶性インクには、実施例1とカプセル壁用材に用いたのと同一のポリマーの1wt%水溶液を添加した。担体及びカプセル壁用材および芯物質用材の吐出方式も実施例と同様としたうえ、カプセル壁用材10ショット(液量2000pL)を、担体上の平面に吐出して着地させ風乾してカプセル壁を構成した。次に、このカプセル壁上に低濃度の芯物質用材を7ショット(液量1400pL)吐出し風乾後、高濃度の芯物質用材を1ショット(液量200pL)吐出し風乾後、低濃度の芯物質用材を7ショットし風乾して、芯物質を形成した。次にカプセル壁用材を10ショット(2000pL)吐出して風乾して微小カプセルを得た。
作製した微小カプセルを目視及び顕微鏡にて観察したところ、微小カプセルの中心側において水溶性インクによる濃い着色部分が観察されるこの着色部分の上層側及び下層側をそれぞれ指向して徐々に着色度合いが低減されていることが観察された。以上のことから、成分の濃度の異なる芯物質用材を重ねて打つことにより、濃度傾斜を有する微小カプセルが得られることがわかる。
(カプセル壁の製造例)
本実施例では、気孔を有するカプセル壁を作製した。カプセル壁の材料を、メタアクリル酸とメタアクリル酸エステルをベースとした陰イオンポリマーとし、このポリマー濃度10wt%の水溶液に励起波長が550nm、検出波長が570nmの蛍光剤を添加した溶液をカプセル壁用材とした。このカプセル壁用材をマイクロピペットで攪拌して気泡を導入した後、遠心分離を行い大きな気泡を除去し、実施例1と同様の吐出方式により、適当量をショットし風乾してカプセル壁のみを作製した。このカプセル壁を蛍光顕微鏡で観察したところ、カプセル壁内に数μm程度の気泡(独立状気孔)が存在することを確認した。以上のことから、気孔を有するカプセル壁を作製できることがわかる。
本発明は、2004年7月1日に出願された日本国特許出願2004−195919号、および2004年8月20日に出願された日本国特許出願2004−241387を優先権主張の基礎としており、その内容のすべてが編入される。

Claims (44)

  1. 微小カプセルであって、
    1又は2以上の芯物質と、
    該芯物質を内部に保持するカプセル壁と、
    を備え、
    前記芯物質表面から前記微小カプセル表面までの距離につき異方性を有する、微小カプセル。
  2. 前記カプセル壁は、前記1又は2以上の芯物質の全体を内包する、請求項1に記載の微小カプセル。
  3. 前記微小カプセルの表面の少なくとも一部が平坦状部を有する、請求項1または2に記載の微小カプセル。
  4. 前記微小カプセルは扁平部位を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の微小カプセル。
  5. 前記微小カプセルは板状部位を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の微小カプセル。
  6. 前記微小カプセルの一部に球状体表面の一部からなる球状部位を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の微小カプセル。
  7. 前記微小カプセルの平面形態は円形状又は楕円状である、請求項1〜6のいずれかに記載の微小カプセル。
  8. 前記芯物質は扁平な形態で前記カプセル壁に内包されている、請求項1〜7のいずれかに記載の微小カプセル。
  9. 微小カプセルであって、
    1又は2以上の芯物質と、
    該芯物質を内部に保持するカプセル壁と、
    を備え、
    前記微小カプセルの表面の少なくとも一部に平坦状部を有する、微小カプセル。
  10. 前記芯物質を2つ以上備え、該2つ以上の芯物質の材質は2種類以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の微小カプセル。
  11. 前記カプセル壁の材質は2種類以上である、請求項1〜10のいずれかに記載の微小カプセル。
  12. 前記カプセル壁は、前記1又は2以上の芯物質の表面の一部を被覆する第1のカプセル壁と、前記1又は2以上の芯物質の表面の残部を被覆する第2のカプセル壁と、を備える、請求項1〜11のいずれかに記載の微小カプセル。
  13. 前記微小カプセルの最大寸法が2mm以下かつ最小寸法に対する最大寸法の比(最大寸法/最小寸法)が5以上200000以下の範囲である、請求項1〜12のいずれかに記載の微小カプセル。
  14. 前記カプセル壁において対向する領域は異なる表面積を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の微小カプセル。
  15. 前記カプセル壁において対向する領域は、凹凸形態および/または表面粗さの相違によって表面積が異なる、請求項14に記載の微小カプセル。
  16. 前記カプセル壁の対向する領域の一方において凹部および/または凸部を備える、請求項1〜15のいずれかに記載の微小カプセル。
  17. 前記カプセル壁の対向する領域は、異なる厚み及び/又は組成を有している、請求項1〜16のいずれかに記載の微小カプセル。
  18. 前記カプセル壁の対向する領域の一方が前記芯物質又はその成分の放出領域であり、他方が微小カプセルの到達部位付着領域である、請求項1〜17のいずれかに記載の微小カプセル。
  19. 前記カプセル壁は独立状気孔を含有している、請求項1〜18のいずれかに記載の微小カプセル。
  20. 前記芯物質又はその成分の濃度について傾斜を有している1〜19のいずれかに記載の微小カプセル。
  21. 1又は2以上の芯物質と該芯物質を内側に保持するカプセル壁とを備える微小カプセルの製造方法であって、
    前記カプセル壁又はその原料を含むカプセル壁用材を、少なくとも該カプセル壁用材が付着可能な表面を有する担体の該表面を指向して供給する工程と、
    1又は2以上の前記芯物質若しくはその原料を含む芯物質用材を、少なくとも該芯物質用材が付着可能な表面を指向して供給する工程と、
    を備え、
    これらの供給工程を、前記芯物質用材が付着可能な前記表面において前記芯物質用材の付着物の少なくとも一部を前記カプセル壁用材の付着物で内包するように実施する、微小カプセルの製造方法。
  22. 前記カプセル壁用材の供給工程および前記芯物質用材の供給工程は、前記表面の予め定めた位置に前記カプセル壁用材および前記芯物質用材をそれぞれ供給する工程である、請求項21に記載の微小カプセルの製造方法。
  23. 前記カプセル壁用材の供給工程および前記芯物質用材の供給工程のうち少なくとも1つの供給工程は、マイクロポンプ方式によって前記芯物質用材および/または前記カプセル壁用材の液滴を吐出して行う、請求項21または22に記載の微小カプセルの製造方法。
  24. 前記カプセル壁用材の供給工程および前記芯物質用材の供給工程の少なくとも1つの供給工程は、スクリーン印刷法により行う、請求項21〜23のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  25. 前記カプセル壁用材の供給工程を、スクリーン印刷法により行い、前記芯物質用材の供給工程を、マイクロポンプ方式によって芯物質用材の液滴と吐出して行う、請求項21〜24のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  26. さらに、微小カプセルの形成される内層又はその原料を含む内層用材を、最外層に位置されるカプセル壁よりも内層側に位置されるように前記芯物質用材の付着物又は前記カプセル壁用材の付着物に対して供給する、請求項21〜25のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  27. 前記カプセル壁用材の供給工程により形成されたカプセル壁用材の付着物に対して前記芯物質用材の供給工程を実施し、該芯物質用材の付着物に対して前記カプセル壁用材の供給工程を実施する、請求項21〜26のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  28. 前記芯物質用材の供給工程に先だって又は該供給工程に次いで、前記芯物質用材の前記カプセル壁用材への拡散又は浸透を抑制する内層用材の供給工程を実施する、請求項24〜27のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  29. 前記担体は、可撓性材料である、請求項21〜28のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  30. 前記担体は、伸縮性材料である、請求項21〜28のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  31. 前記担体は、少なくともその表面に発泡性材料層を有する、請求項21〜28のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  32. 前記担体は、少なくともその表面に撥液性層を有する、請求項21〜28のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  33. 前記担体は、ほぼ平坦な部分を有する、請求項21〜32のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  34. 前記担体は、前記芯物質用材および前記カプセル壁用材が供給される凹部を有する、請求項21〜33のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  35. 前記凹部は平板状の第1の担体と該第1の担体に重ねられる第2の平板状担体に設けられる貫通孔とによって形成される、請求項34に記載の微小カプセルの製造方法。
  36. 前記貫通孔はテーパ状である、請求項34または35に記載の微小カプセルの製造方法。
  37. さらに、前記担体上に形成した微小カプセルを前記担体から分離する工程を備える、請求項21〜36のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  38. 前記分離工程は、前記担体上の前記微小カプセルに対して前記担体の少なくとも前記表面を変形させる工程である、請求項37に記載の微小カプセルの製造方法。
  39. 前記分離工程は、前記担体の前記表面と反対側の面から外力を作用させることにより前記担体を凹凸状に変形させる工程である、請求項38に記載の微小カプセルの製造方法。
  40. 前記分離工程は、前記担体上の前記微小カプセルに対し直接外力を作用させる工程である、請求項37〜39のいずれかに記載の微小カプセルの製造方法。
  41. 前記担体は、気体に対する選択的透過性を有している、請求項21〜40のいずれかに記載の方法。
  42. 担体と、
    該担体に保持される、芯物質と該芯物質を内側に保持する複数の微小カプセルと、
    を備える、微小カプセル保持体。
  43. 前記担体の一部が前記微小カプセルのカプセル壁を構成している、請求項42に記載の微小カプセル保持体。
  44. 前記担体は、生体内のいずれかの部位における溶解性又は崩壊性を備える製剤用担体である、請求項42または43に記載の微小カプセル保持体。
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