JPWO2009123242A1 - 非対称積層製剤製造方法 - Google Patents
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Abstract
1方向に移動可能な基材2に対して、吐出ヘッド3aから第1の液滴を間欠的に吐出することにより、前記基材2との接触角θを30度≦θ≦70度の範囲の所定の値に設定した状態で第1の液滴層6aを規則的に形成し、他の吐出ヘッド3b、3cから他の液滴を間欠的に吐出することにより他の液滴層を積層状に形成し、各液滴層を乾燥して、非対称積層製剤を製造し、これらの結果、全体として少ない工程しか必要とせず、しかも、全体としてドライ環境での処理のみとして簡略化できる。
Description
本発明は、基材上に少なくとも2層の液滴層を積層状に吐出形成して乾燥させて非対称積層製剤を製造する方法に関する。
従来から、基板上に、生体接着層または難水性ポリマー層である第1の層、薬物層、生体接着層または難水性ポリマー層のうち、第1の層と異なる層をこの順に形成し、得られた積層体にレーザを照射してXY方向に切断し、次いで切断された積層体を基板から剥離し、各積層体をアルカリ可溶層で被覆する固形製剤の製造方法(特許文献1参照)、シート状基材上に腸溶性層、粘着剤層および薬物層を順に形成して積層体を作製し、積層体の薬物層側からシート状基材表面に達する深さに切り溝を入れ、切り溝部分を広げて薬物層上および切り溝部分にバリア層を形成し、バリア層側から、切り溝と同じ位置および同じ深さに切り溝を入れてバリア層で被覆された複数の微小積層体に分割し、シート状基材から剥離する固形製剤の製造方法(特許文献2参照)が提案されている。
特許文献1:特開2005−220083号公報
特許文献2:特開2006−193458号公報
特許文献1:特開2005−220083号公報
特許文献2:特開2006−193458号公報
特許文献1に記載された固形製剤の製造方法であれば、大面積の3層積層体を製造する工程と、レーザを照射してXY方向に切断する工程と、切断された積層体を基板から剥離する工程と、各積層体をアルカリ可溶性ポリマーを含む液に加えて混合し、アルカリ可溶層で被覆する工程とが必要であり、全体として多くの工程が必要であるという問題がある。また、製造工程の一部にウェット環境での処理が必要であり、ウェット環境での処理は一般的にドライ環境での処理よりも煩雑であるという問題もある。
特許文献2に記載された固形製剤の製造方法であれば、シート状基材上に3層積層体を作製する工程と、積層体の薬物層側から切り溝を入れる工程と、切り溝部分を拡げ、その状態で薬物層上および切り溝部分にバリア層を形成する工程と、バリア層側から、前記切り溝と同じ位置および同じ深さに切り溝を入れ、バリア層で被覆された複数の微小積層体に分割する工程と、分割された微小積層体をシート状基材から剥離する工程とが必要であり、全体として多くの工程が必要であり、高い精度が要求されるという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、全体として少ない工程しか必要とせず、しかも、全体としてドライ環境での処理のみでよい非対称積層製剤製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、基材と液滴を間欠的に吐出する吐出ヘッドを備え、基材に対して複数種類の溶液を液滴として吐出ヘッドより吐出させ、複数種類の溶液の液滴を積層し乾燥させることにより非対称積層製剤を製造する方法である。
この非対称積層製剤製造方法であれば、吐出ヘッドから液滴を間欠的に吐出して基材に液滴層の積層体を形成し、各液滴層を乾燥させることにより、非対称積層製剤を製造することができる。そして、吐出する液滴の間隔を空けることにより、独立した非対称積層製剤を容易に作成することが可能となり、積層後のカット処理が省けることとなり、工程を簡略化することが可能となる。
ここで、基材と直接接触する第一層目の液滴を構成する溶液と前記基材との接触角θを30度≦θ≦70度の範囲の所定の値に設定することが好ましい。
この場合には、簡単に積層体を基材から剥離することができる。ここで、接触角θを30度≦θ≦70度の範囲の所定の値に設定するのは、接触角が30度未満であれば基材から非対称積層製剤を剥離させることが困難であり、接触角が70度より大きければ基材に非対称積層製剤を適度に付着させることができず、積層化の段階で剥離してしまい積層化できないからである。すなわち、必要とする工程数を大幅に少なくすることができ、しかも、ウェット環境での処理を不要にすることができる。そして、切断装置などを不要にすることができるので、非対称積層製剤を製造するための装置全体としての構成を簡素化することができる。
また、前記第一層目の液滴を構成する溶液の表面張力γを、20mN/m≦γ≦70mN/mの範囲の所定の値に設定することが好ましい。ここで、表面張力γを、20mN/m≦γ≦70mN/mの範囲に設定するのは、20mN/mよりも低いと界面張力の低い基材を用いても簡単に積層体を基材から剥離することができないからであり、また、70mN/mよりも高いと界面張力の高い基材を用いても積層体が適度に付着しない為、積層させることが困難であるからである。
また、前記非対称積層製剤の各層液滴を構成する溶液の粘度μを、溶液の温度が20℃〜40℃の範囲で1mPa・s≦μ≦200mPa・sの範囲の所定の値に設定することが好ましい。吐出機構により適正な粘度範囲があるが、圧電素子またはサーマル方式による方式では1mPa・s〜20mPa・sが適正な粘度範囲であり、加圧バルブ開閉方式では200mPa・sが吐出可能な上限粘度範囲であるからである。また、粘度を上記のように設定することにより、常温において吐出状態を安定化することも可能となり、簡単に積層体を基材から剥離することができる。
本発明の非対称積層製剤製造方法では、必要とする工程数を大幅に少なくすることが可能となり、しかも、ウェット環境での処理を不要にすることができ、非対称積層製剤の取り扱いを容易にする効果がある。また、切断装置などを不要にすることができるので、装置全体としての構成を簡素化することができるという効果がある。
以下、添付図面を参照して、本発明の非対称積層製剤製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の非対称積層製剤製造方法が適用される非対称積層製剤製造装置の一例を示す概略正面図、図2は同斜視図、図3は同平面図である。
この非対称積層製剤製造装置は、金属ベルト、例えばステンレスの表面にフッ素樹脂が施されたもの、ポリエステルシートなどからなる基材2を基材搬送機構1により所定方向に間欠的に移動させ、基材2の上方に設けられた吐出ヘッド3a、3b、3cにより順次液滴を吐出させ、基材表面上に基材2の移動方向(X方向)及び基材2の幅方向(Y方向)に間欠的に移動停止を繰り返しながら格子状の交点上に非対称積層製剤を製造する装置である。
各々異なる吐出液を備えた吐出ヘッド3a、3b、3cの各々は基材2の表面より所定の高さだけ上方に吐出ヘッド先端が配置されており、各々が基材2の表面に向かってそれぞれ異なる種類の溶液を順次吐出する様になっている。更に、吐出ヘッド3は基材2の幅方向(Y方向)に移動可能な様、従来公知の駆動機構4を備えている。順次製造された非対称積層製剤6は基材搬送機構1により搬送され、剥離機構5により基材2と非対称積層製剤6とに離形され、捕集機構7により各々の非対称積層製剤6が回収される。
また、必要に応じて吐出ヘッド3a、3b、3cの間、さらに吐出ヘッド3cの後段に、積層液滴を乾燥させるための機構を備えて乾燥させても良く、捕集機構7にて回収された非対称積層製剤6をバッチにより乾燥させることも可能である。
基材搬送方向に設置される前記吐出ヘッドの個数は、非対称積層製剤6の層数と等しい個数に設定されている。ここで、非対称積層製剤6は、例えば、腸溶層6a、薬物層6b、バリア層6cをこの順に積層してなるものであり、積層方向に非対称である。
また、吐出ヘッド3aより吐出され、基材2と直接接する第一層目液滴を形成する溶液と基材2との接触角θを30度≦θ≦70度の範囲の所定値になる様に設定してある。更に、前記第一層目溶液の表面張力γを、20mN/m≦γ≦70mN/mの範囲に設定すること、および、20℃〜40℃の温度範囲で前記第一層目溶液の粘度μを1mPa・s≦μ≦200mPa・sの範囲に設定することが好ましい。
例えば、基材2としてポリエステルシートを採用し、これに接する第一層目溶液として20℃〜40℃の温度範囲で20mPa・sの粘度を有するとともに、33mN/mの表面張力を有するものを採用することにより、接触角を40度にすることができる。
前記剥離機構5は、例えば、スクレイパーにより直接非対称積層製剤を離形させているが、非対称積層製剤6の剥離部分の直下に超音波振動を印加させる機構や、エアシャワーの様な非接触による剥離機構を用いても良く、種々の構成のものが採用可能であるが、出来る限りエネルギーが少なくて済む簡単なスクレイパー方式が適当である。
図4は本発明の非対称積層製剤製造方法の一実施形態を説明する概略図である。
以下、定常状態に入った後の実施形態を述べる。
搬送機構1及び駆動機構4により基材2は間欠的に移動、所定時間の停止を繰り返し、吐出ヘッド3aより第一層目液滴である腸溶層6a、吐出ヘッド3bより第二層目液滴である薬物層6b、吐出ヘッド3cより第三層目液滴であるバリア層6cを各々吐出させ、3層構造の非対称積層製剤を形成する。
次に、基材2と基材上に形成された非対称積層製剤6を真空、凍結、ヒーター、赤外線、温風等を用いた乾燥機構を通すことにより、乾燥させる。
更に、剥離機構5を通すことにより、基材2から非対称積層製剤6を剥離させ、捕集機構7により捕集する。
本実施態様において、吐出ヘッドとして超音波駆動式のインクジェットノズルを採用したが、空気圧駆動・バルブ開閉式のジェットディスペンサー、空気圧駆動・ソレノイド開閉式のジェットディスペンサー等の微小液滴吐出ヘッドであれば良く、要は、対象とする溶液の液滴を安定的に吐出できるものであれば良い。更に、液滴を1秒間の液滴飛翔速度が数十センチメートルから10メートルで飛翔させることのできる吐出ヘッドであることが好ましい。
本実施態様において、腸溶層の着弾直径Da、薬物層の着弾直径Db、バリア層の着弾直径Dcとすると、Db<Da、Db<Dcの関係が成立する様に吐出ヘッドからの吐出液滴量および吐出条件を設定することが好ましい。
また、基材2の表面と吐出ヘッドの先端との距離は、各吐出ヘッド位置での液滴吐出完了後の積層液滴の未乾燥状態での高さより大きくし、吐出ヘッドの先端が積層液滴と接触しない様にすることが重要である。
基材2と直接接する第一層目液滴を形成する溶液と基材2との接触角θを30度≦θ≦70度の範囲の所定値になる様に設定してあり、更に、前記第一層目溶液の表面張力γを、20mN/m≦γ≦70mN/mの範囲に設定してあること、および、20℃〜40℃の温度範囲で前記第一層目溶液の粘度μを1mPa・s≦μ≦200mPa・sの範囲に設定することで、安定して効率よく製造でき、非対称積層製剤6が容易に基材2表面より剥離しやすく、簡単な方法で剥離させることが可能となっている。
次いで、腸溶層6aの具体例を、表1を参照して説明する。
@0001
表1において、剥離することが確認された場合は○を、剥離しなかった場合は×を表示した。ここで評価した剥離手法は自然剥離、10m/sの速度のエアシャワー、40kHzの振動による超音波、スクレイパー法の4種類で評価した。ここで言う自然剥離とは基材が搬送される段階で剥離するかどうかで判断した。
サンプル1
メタクリル酸コポリマーをエチルアルコールにて所定濃度(5wt%)になるように溶解させた液を用いて、ポリエステル基材を用いて液滴法にて接触角度、懸滴法にて液表面張力を、振動法にて粘度を測定した。
表1において、剥離することが確認された場合は○を、剥離しなかった場合は×を表示した。ここで評価した剥離手法は自然剥離、10m/sの速度のエアシャワー、40kHzの振動による超音波、スクレイパー法の4種類で評価した。ここで言う自然剥離とは基材が搬送される段階で剥離するかどうかで判断した。
サンプル1
メタクリル酸コポリマーをエチルアルコールにて所定濃度(5wt%)になるように溶解させた液を用いて、ポリエステル基材を用いて液滴法にて接触角度、懸滴法にて液表面張力を、振動法にて粘度を測定した。
また、本溶液を吐出ヘッドに充填させ、ポリエステルシート基材と吐出ヘッド先端とのクリアランスを2mmに設定し、5mmピッチの等間隔に2mmφの液滴を塗布させた後、室温25℃、相対湿度40%において5時間自然乾燥させた後基材を搬送させ、4種類の剥離手法にてそれぞれ離形させた。
このサンプル1の場合は、いずれの手法を用いても離形させることができないことが確認された。
サンプル2
サンプル1に基づき、基材をポリエステルからフッ素樹脂基材に変更し同様の評価を行った結果、自然剥離する事がなく、他の3種類の手法いずれもスムーズに離形させることができた。
サンプル3
メタクリル酸コポリマーを1-アセトキシ-2-メトキシエタンにて所定濃度(5wt%)になるように溶解させた液を用いて、ポリエステル基材を用いて液滴法にて接触角度、懸滴法にて液表面張力を、振動法にて粘度を測定した。
サンプル2
サンプル1に基づき、基材をポリエステルからフッ素樹脂基材に変更し同様の評価を行った結果、自然剥離する事がなく、他の3種類の手法いずれもスムーズに離形させることができた。
サンプル3
メタクリル酸コポリマーを1-アセトキシ-2-メトキシエタンにて所定濃度(5wt%)になるように溶解させた液を用いて、ポリエステル基材を用いて液滴法にて接触角度、懸滴法にて液表面張力を、振動法にて粘度を測定した。
また、本溶液を吐出ヘッドに充填させ、ポリエステルシート基材と吐出ヘッド先端とのクリアランスを2mmに設定し、5mmピッチの等間隔に2mmφの液滴を塗布させた後、室温25℃、相対湿度40%において5時間自然乾燥させた後基材を搬送させ、4種類の剥離手法にてそれぞれ離形させた。
いずれの手法においても離形させることができないことが確認された。
サンプル4
サンプル3に基づき、基材をポリエステルからフッ素樹脂基材に変更し同様の評価を行った結果、サンプル2の結果同様自然剥離することなく、さらに他の3種類の方法にてスムーズに離形させることが確認された。
サンプル4
サンプル3に基づき、基材をポリエステルからフッ素樹脂基材に変更し同様の評価を行った結果、サンプル2の結果同様自然剥離することなく、さらに他の3種類の方法にてスムーズに離形させることが確認された。
サンプル5
メタクリル酸コポリマーをエチルアルコールにて所定濃度(5wt%)になるように溶解させた液を用いて、ポリエステル基材を用いて液滴法にて接触角度、懸滴法にて液表面張力を、振動法にて粘度を測定した。
メタクリル酸コポリマーをエチルアルコールにて所定濃度(5wt%)になるように溶解させた液を用いて、ポリエステル基材を用いて液滴法にて接触角度、懸滴法にて液表面張力を、振動法にて粘度を測定した。
また、本溶液を吐出ヘッドに充填させ、ポリエステルシート基材と吐出ヘッド先端とのクリアランスを2mmに設定し、5mmピッチの等間隔に2mmφの液滴を塗布させた後、室温25℃、相対湿度40%において5時間自然乾燥させた後基材を搬送させ、4種類の剥離手法にてそれぞれ離形させた。
このサンプル5の場合は、いずれの手法を用いても離形させることができないことが確認された。
サンプル6
サンプル5に基づき、基材をポリエステルからポリエチレン基材に変更し同様の評価を行った結果、自然剥離せず、エアシャワーにても離形することができなかったが、超音波及びスクレイパーではスムーズに離形することができた。
サンプル5に基づき、基材をポリエステルからポリエチレン基材に変更し同様の評価を行った結果、自然剥離せず、エアシャワーにても離形することができなかったが、超音波及びスクレイパーではスムーズに離形することができた。
サンプル7
サンプル5に基づき、基材をポリエステルからフッ素樹脂基材に変更し同様の評価を行った結果、いずれの手法においてもスムーズに離形することが確認された。
サンプル5に基づき、基材をポリエステルからフッ素樹脂基材に変更し同様の評価を行った結果、いずれの手法においてもスムーズに離形することが確認された。
以上の結果から接触角30°未満であるサンプル1、サンプル3、サンプル5はいずれの剥離方法においても離形することができなかった。
一方、接触角度が30°以上70°以下であるサンプル2、サンプル4、サンプル6においては自然に剥離することが無く、いずれかの剥離方法にてスムーズに離形させることが可能であった。
また、接触角度が70°より大きいサンプル7においては自然に剥離することから少なくとも2層以上を積層する本発明においては実施することが難しいと言える。
ここで、腸溶層に用いる溶媒として、水酸化ナトリウム水溶液(pH5.5以上)、アンモニア水溶液(pH5.5以上)、水酸化カリウム水溶液(pH5.5以上)、2−プロパノール、2−ブタノール、1−プロパノール、メチルアルコール、塩化メチレン等が挙げられ、医薬品又は食品に用いられる残留溶媒が少ない溶媒を用いることができる。そして、ポリマー固形分率を添加することで好ましい粘度及び表面張力が得られる。ただし、これらの溶媒や固形分率に限定されず、基材との接触角θを30度≦θ≦70度の範囲の所定の値に設定可能な溶媒であればどんな溶媒を用いても良い。また、使用可能な他の基材として、使用する溶媒と反応せず、且つ、腸溶層溶液との接触角θを30度≦θ≦70度の範囲の所定の値に設定可能な基材であればどの様な基材でも良い。例えば、ポリプロピレン等が挙げられる。
更に、金属やプラスチックシートの表面にシリコン、または剥離性を調整する薄膜等をコーティングしたもの、または、プラズマ処理を施し剥離性を調整したものを基材として使用しても良い。
腸溶層6aの上に形成されるに第二層目である薬物層6b{図2中(B)参照}は、本実施例の場合はエリスロポエチンであるが、タンパク薬、高分子薬、カルシトニン、インターフェロン、成長ホルモンバソプレシンおよびその誘導体等の各種蛋白、ペプチド薬物が用いられる。
薬物層6bを覆う第三層目であるバリア層6cは、本実施例の場合はクメンにアミノアルキルメタクリレートコポリマーを5wt%、可塑剤であるクエン酸トリエチルを7wt%になるように調整したバリア層液を使用しているが、エチルアルコール、2−プロパノール、メチルアルコール、1−アセトキシ−2−メトキシエタン、塩化メチレン等の溶媒を用いても良い。
そして、基材2から剥離された非対称積層製剤6は、捕集機構7によって捕集される。
捕集機構7によって捕集された非対称積層製剤6は、必要に応じて、カプセルなどの容器に所定量ずつ収容することにより、定量ずつの使用を簡単に達成することができる。
以上の説明から分かるように、全工程をドライ環境下で行うことができ、基材を溶剤などで溶解させて非対称積層製剤を分離させ、次いで捕集、乾燥などを行う場合と比較して、全体としての工程数を減少させ、かつ作業を容易にすることができる。
ここで示した一例は連続生産であるが、枚葉式で各工程がバッチ生産による方式でも良い。また製剤の乾燥は温度や、波長による失活の可能性があるため真空乾燥や凍結乾燥が好ましい。
以上には、腸溶層6a、薬物層6b、バリア層6cからなる3層構造の非対称積層製剤6を製造する実施の形態を説明した。しかし、図5に示すように、基材と直接接触する第一層目の液滴を構成する溶液の他の例としての腸溶層6aの上面に粘着層6dをさらに有する4層構造の非対称積層製剤6e(図5参照)を製造する場合にも適用可能である。また、基材と直接接触する第一層目の液滴を構成する溶液のさらに他の例としての、腸溶材料と薬物とを混合した腸溶薬物層6gを採用する2層構造の非対称積層製剤6f(図6参照)を製造する場合にも適用可能であり、その他、任意の層数の非対称積層製剤を製造する場合にも適用可能である。もちろん、これらの場合にも、基材と直接接触する第一層目の液滴を構成する溶液との接触角θを30度≦θ≦70度の範囲の所定の値に設定することが重要である。
上記のようにして捕集される非対称積層製剤6、6e、6fの用途は、薬物を含む関係上、薬剤である。ただし、薬物に代えて乳酸菌やビタミン剤、栄養補助食品を採用することにより、飲食物などを用途とすることができる。
1 基材搬送機構
2 基材
3a、3b、3c 吐出ヘッド
4 駆動機構
5 剥離機構
6、6e、6f 非対称積層薬剤
6a 腸溶層
6b 薬物層
6c バリア層
6d 粘着層
6g 腸溶薬物層
7 捕集機構
2 基材
3a、3b、3c 吐出ヘッド
4 駆動機構
5 剥離機構
6、6e、6f 非対称積層薬剤
6a 腸溶層
6b 薬物層
6c バリア層
6d 粘着層
6g 腸溶薬物層
7 捕集機構
Claims (4)
- 基材と、液滴を基材上に間欠的に吐出する吐出ヘッドを備え、基材に対して複数種類の溶液を液滴として吐出ヘッドより吐出させ、複数種類の溶液の液滴を積層し乾燥させることにより非対称積層製剤を製造することを特徴とする非対称積層製剤製造方法。
- 基材と直接接触する第一層目の液滴を構成する溶液と前記基材との接触角θを30度≦θ≦70度の範囲の所定の値に設定する請求項1に記載の非対称積層製剤製造方法。
- 前記第一層目の液滴を構成する溶液の表面張力γを、20mN/m≦γ≦70mN/mの範囲の所定の値に設定する請求項1または請求項2に記載の非対称積層製剤製造方法。
- 前記非対称積層製剤の各層液滴を構成する溶液の粘度μを、溶液の温度が20℃〜40℃の範囲で1mPa・s≦μ≦200mPa・sの範囲の所定の値に設定する請求項1から請求項3の何れかに記載の非対称積層製剤製造方法。
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