JP2005511090A - 植物サイトカイニンオキシダーゼの発現を包含する、植物の形態学、生化学および生理学を改変するための方法 - Google Patents

植物サイトカイニンオキシダーゼの発現を包含する、植物の形態学、生化学および生理学を改変するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、根の成長を刺激するか、および/または側根もしくは不定根の形成を増強するか、および/または根の横地重力屈性を変更するための方法に関し、この方法は、植物または植物の一部において活性なサイトカイニンのレベルを低減させる、植物サイトカイニンオキシダーゼの発現または他のタンパク質の発現を包含する。また、本発明は、種子の大きさおよび/または重量、胚の大きさおよび/または重量、ならびに子葉の大きさおよび/または重量を増大させるための方法もまた、提供する。この方法は、植物または植物の一部において活性なサイトカイニンのレベルを低減させる、植物サイトカイニンオキシダーゼの発現または他のタンパク質の発現を含む。

Description

(発明の分野)
本発明は、一般的に、植物の形態学的、生化学的、および生理学的な、特性または特徴を改変するための方法(例えば、1つ以上の発生プロセスおよび/または環境適合プロセス(根の成長、および/または不定根形成および/もしくは側根形成、および/または根屈地性、および/または根の成長、および/または頂芽優性、および/または分枝、および/または老衰の時期、および/または開花の時期、および/または花形成、および/または種子発生、および/または種子生成の、開始もしくは刺激もしくは増強の改変を含むが、これらに限定されない))に関する。種子の大きさおよび/または重量を増加するための方法、胚の大きさおよび/または重量を増加するための方法、ならびに子葉の大きさおよび/または重量を増加する方法もまた、提供される。これらの方法は、植物において、調節可能なプロモーター配列(例えば、細胞特異的プロモーター配列、組織特異的プロモーター配列、または器官特異的プロモーター配列)の制御下で作動可能である、サイトカイニン分解制御タンパク質(特に、サイトカイニンオキシダーゼ)を発現する工程を包含する。好ましくは、本発明により改変される特徴は、サイトカイニン媒介性特徴および/またはオーキシン媒介性特徴である。本発明は、本方法を実施するために有用である遺伝子構築物、およびその遺伝子構築物により生成された、他の同系対応物と比較して変化した形態学的特性および/または生化学的特性および/または生理学的特性を有するトランスジェニック植物に及ぶ。
(発明の背景)
根は、高等植物の重要な器官である。その主要な機能は、土壌における植物の固定、ならびに水および栄養素(N栄養、無機質など)の取り込みである。従って、根の成長は、特に栄養素制限条件下で、空気中にある器官の成長および収穫量に対して直接的または間接的な影響を有する。根はまた、二次植物産物(例えば、防御化合物および植物ホルモン)の生成に関係する。
根はまた、多数の重要な主要穀物における貯蔵器官である。甜菜は、ヨーロッパにおける糖生成のための最も重要な植物である(260Mill t/年;世界生産の38%)。カサバ(Manioc(cassava))、ヤムおよびサツマイモ(sweet potato(batate))は、重要なデンプン生成体である(約150 Mill t/各年)。そのデンプン含量は、ジャガイモの二倍であり得る。根はまた、多数の野菜(例えば、ニンジン、ラディッシュ)、ハーブ(例えば、ショウガ、ククマ(kukuma))および医療植物(例えば、チョウセンニンジン)における消費関連器官である。さらに、根において見出される二次植物産物のうちのいくつかは、化学産業および薬学産業において経済的に重要である。例は、ヤムであり、これは、ステロイドホルモンの合成のための基礎分子を含む。別の例は、シコニンであり、これは、毛根培養物においてLithospermum erythrorhizonの根により生成される。シコニンは、その抗炎症特性、抗腫瘍特性および創傷治癒特性のために使用される。
さらに、穀物植物の改善された根の成長はまた、雑草植物との競争を増強し、そして水の接近性および取り込みを増加することによって、乾燥領域における成長を改善する。
改善された根の成長はまた、経済的目的(例えば、バイオレメディエーションおよび土壌侵食の予防/阻止)のために適切である。
根の構造は、古典的育種を通してはほぼ未開のたままである領域であり、それは、この分野においてこの形質を評価することが困難であることに起因する。従って、バイオテクノロジーは、この形質の改善に対して有意な影響を有し得る。なぜなら、バイオテクノローは、この分野において大規模スクリーニングに依存しないからである。むしろ、バイオテクノロジーアプローチは、その植物の特定の特徴を決定する分子成分の基礎的理解を必要とする。今日、この知見は、単に断片的に過ぎず、結果として、バイオテクノロジーは、この領域における躍進をこれまで実現できなかった。
根の成長についての十分に確立された調節因子は、オーキシンである。成長中の植物に対するインドール−3−酢酸(IAA)の適用は、側根成長および側根伸長を刺激する(Torrey,Am J Bot 37:257〜264,1950;Blakelyら、Bot Gaz 143:341〜352,1982;MudayおよびHaworth,Plant Physiol Biochem 32:193〜203,1994)。広範囲の濃度のIAAに曝露された根は、側根数の増加を開始した(Kerkら、Plant Physiol,122:925〜932,2000)。さらに、特定の濃度の外因性オーキシンに応答して生じた側根を有する根が後により高濃度のIAAに暴露された場合、既存の側根の間に間隔を空けた多数の過剰な側根が形成された(Kerkら、Plant Physiol,122:925〜932,2000)。逆に、オーキシン輸送インヒビター(NPAを含む)を含む寒天における根の成長は、側根数を減少する(MudayおよびHaworth,Plant Physiol Biochem 32:193〜203,1994)。
増加したレベルの内因性IAAを含むアラビドプシス変異体が、単離された(Boerjanら、Plant Cell 7:1405〜141,1995;Celenzaら、Gene Dev 9:2131〜2142,1995;Kingら、Plant Cell 7:2023〜2937,1995;Lehmanら、Cell 85:183〜194,1996)。これらの変異体は、第2染色体上に位置する単一遺伝子座の対立遺伝子であることが現在公知である。これらの変異体の種子は、過剰な不定側根を有し、このことは、上記の外部オーキシン適用の効果と一致する。
不定側根形成に対するオーキシンの刺激効果は、トランスジェニック植物のおけるオーキシンの過剰生成が、根の成長を増加するための有効なストラテジーであることを示唆する。しかし、このことがまた、改善された特徴を有する商業製品を生じるか否かは疑問である。不定側根形成に対するその刺激効果とは別に、オーキシン過剰生成は、他の効果(例えば、葉数の減少、異常な葉形態(狭い、巻いた葉)、開花の中止、頂芽優性の増加、幹における不定根形成)を誘発し、これらの効果のうちのほとんどは、農業的検知からは望ましくない(Kleeら、Genes Devel 1:86〜96,1987;Karesら、Plant Mol Biol 15:225〜236,1990)。従って、オーキシン合成の増加に依存するアプローチに関する主要な問題は、閉じ込めの問題、すなわち、オーキシンの効果を根に閉じ込めることである。この閉じ込めの問題は、組織特異的プロモーターを使用することによっては克服されないであろう。オーキシンは、植物において輸送され、その作用は、結果的には、合成部位に限定されない。別の問題は、オーキシンが常に根の全バイオマスを増加するか否かである。寒天で成長させた根について、濃度の増加により徐々に側根形成が刺激されたが、結果的に、これらの根の成長は阻害された(Kerkら、Plant Physiol 122:925〜932,2000)。
種子は、高等植物の生殖単位である。植物種子は、発芽後の胚の栄養を確保するために貯蔵化合物を含む。これらの貯蔵器官は、ヒトの栄養および家畜の給餌に有意に寄与する。種子は、3つの主要部分(すなわち、胚、内乳および種皮)からなる。貯蔵化合物は、内乳(例えば、すべての穀物において、二重受精から生じる)、いわゆる外乳(珠心組織に由来する)または子葉(例えば、マメ変種)のいずれかである貯蔵器官中に貯蔵される。貯蔵化合物は、脂質(脂肪種子セイヨウアブラナ)、タンパク質(例えば、穀物のアリュ−ロン中)、または炭水化物(デンプン、ラフィノース様オリゴ糖)である。
デンプンは、穀物の種子における貯蔵化合物である。最も重要な種は、トウモロコシ(FAO 1995によると、毎年生産約570mio t)、コメ(毎年540mio t)、およびコムギ(毎年530mio t)である。タンパク質が豊富な種子は、種々の種類のマメ(Phaseolus spec.,Vicia faba,Vigna Spec.;毎年約20mio t)、エンドウ(Pisum sativum;毎年14mio t)およびダイズ(Glycine max;毎年136mio t)である。ダイズ種子はまた、脂質の重要な供給源でもある。脂質が豊富な種子は、種々のBrassica種(毎年約30mio t)、ワタ、東洋ゴマ、アマ、ポピー、ヒマの実、ヒマワリ、ラッカセイ、ココナッツ、アブラヤシ、およびこれらより経済的に重要ではない他のいくつかの植物である。
受精の後、発生中の種子は、植物の供給源器官から栄養化合物を誘引しそれを使用して、貯蔵器官において貯蔵化合物を生成する、溜め込み(sink)器官になる。種子の大きさおよび重量の増加は、種々の多くの穀物種にとって望ましい。増加したデンプン蓄積、タンパク質蓄積および脂質蓄積、従って、摂取の際の栄養増加に加えて、種子の大きさおよび/または重量の増加ならびに子葉の大きさおよび/または重量の増加は、発芽の際のより速い成長(早期強勢)およびストレス寛容の増加に関連付けられる。サイトカイニンは、溜め込み(sink)強度を決定する際の重要な因子である。一般的概念は、サイトカイニンが溜め込み(sink)強度の正の調節因子であると予測する。
多数の報告が、種々の発生プロセス(例えば、根の成長および分枝、苗条における頂芽優性の制御、葉緑体の発生、および葉の老衰)におけるサイトカイニンの刺激機能または阻害機能を記載する(Mok M.C.(1994)Cytokines:Chemistry,Activity and Function、Mot,D.W.S.およびMok,M.C.編(CRC Boca Raton,FI)、pp.155〜166)。サイロカイニンの生物学的機能についての結論は、主に、外因性サイトカイニン適用の結果または内因的に増加したサイトカイニンレベルの結果に関する研究に由来する(Klee,H.J.およびLanehon,M.B.(1995)Plant Hormones:Physiology,Biochemistry and Molecular Biology,Davies,P.J.編(Kluwer,Dordrdrocht,the Netherlands),pp.340〜353,Smulling,T.,Rupp.,H.M.Frank,MおよびSchaferm,S.(1999)Advances in Regulation of Plant Growth and Development,Surnad,M.,Pac P.およびBeck,E.編(Peres,Prague)pp.85〜96)。現在まで、逆の問題:内因性サイトカイニン濃度が減少した場合、何が植物成長および発達についての結果であるのか?に取り組むことは可能ではなかった。サイトカイニン含量が減少した植物は、サイロカイニンが制限し従って調節し得るプロセスについてのより正確な情報をもたらすと予期される。他の植物ホルモン(例えば、アブシジン酸、ジベレリン、およびエチレン)とは異なり、サイトカイニン生合成変異体は単離されていない(Hooykens,P.J.J.,Hall,M.A.およびLibbeuga,K.R.編(1999)Biochemistry and Molecular Biology of Plant Hormones(Elsevier,Amsterdam)。
異化酵素サイトカイニンオキシダーゼ(CKX)は、植物組織におけるサイトカイニンレベルを制御する際に中心的役割を果す。CKX活性は、多数の高等植物および種々の植物組織において見出されている。この酵素は、不飽和のイソプレノイド側鎖を保有するサイロカイニンの分解を触媒する、FAD含有オキシドレダクターゼである。遊離塩基iPおよびZならびにその個々のリボシドが、好ましい基質である。iP異化の反応生成物は、アデニンおよび不飽和アルデヒド3−メチル−2−ブトナールである(Armstrong,D.J.(1994)Cytokinins:Chemistry,Activity and Functions,Mok.D.W.S.およびMok,M.C.編(CRC Boca Raton,FL)pp.139〜154)。最近、Zea mays由来のサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子が、単離された(Morris,R.O.,Bilyeu,K.D.,Laskey,J.G.およびCherich,N.N.(1999)Biochem.Biophys.Res.Commun.255,328〜333,Houba−Heria,N.,Pethe,C.d’Alayer,JおよびLelouc,M.(1999)Plant J.17:615〜626)。CKX遺伝子発現の操作は、サイトカイニン生合成変異体の欠損を部分的に克服し得、高等植物の全生活環の間のiP型サイトカイニンおよびZ型サイトカイニンの関連性を研究するための強力な道具として使用され得る。
本発明は、内因性サイトカイニン濃度の減少を介する、オーキシン効果の閉じ込め、根の成長の維持、ならびに増加した種子、胚および子葉の大きさおよび/または重量の促進に関する問題を克服する。
(発明の要旨)
本発明は、植物サイトカイニンオキシダーゼタンパク質、そのようなタンパク質をコードする核酸配列、およびベクター、宿主細胞、ならびにそのタンパク質、核酸配列およびベクターを含む、トランスジェニック植物細胞、植物、および植物部分を提供する。例えば、本発明は、Arabidopsis thaliana由来のサイトカイニンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を含む遺伝子構築物に関する。この遺伝子は、調節性プロモーターの制御下で発現され得る。このプロモーターは、内因性組織特異的因子もしくは環境特異的因子によって調節され得るか、あるいは、特定の化学物質の適用により誘導され得る。
本発明はまた、サイトカイニンオキシダーゼ遺伝子の発現、または植物もしくは植物部分における活性サイトカイニンレベルを減少するタンパク質をコードする核酸の発現によって、根の構造およびバイオマスを改変するための方法に関する。好ましくは、発現は、根または特定の組織または根の特定の細胞型に特異的なプロモーターの制御下である。
さらに、本発明は、種子の大きさおよび/もしくは重量、胚の大きさおよび/もしくは重量、ならびに子葉の大きさおよび/もしくは重量を増加する方法に関する。この方法は、サイトカイニン遺伝子の発現、または植物もしくは植物部分における活性サイトカイニンレベルを減少するタンパク質をコードする核酸の発現を包含する。好ましくは、発現は、種子、胚、または子葉において優先的に発現を指向するプロモーターの制御下である。
(発明の詳細な説明)
オーキシン生合成の増加に関連する上で言及した問題を回避するために、代替のアプローチに従うことに議論の余地はなった。本発明者らは、オーキシンの生物学的アンタゴニストのダウンレギュレートが、オーキシンレベルの増加と比較して、根の成長に対して類似の効果またはより優れた効果を誘発し得ることを理論付けた。ホルモン作用および相互作用は、非常に複雑であるが、本発明者らは、サイトカイニンが根の成長に対してオーキシンアンタゴニストとして機能し得ると仮定した。植物組織培養についてのホルモン研究は、サイトカイニンに対するオーキシンの割合が、これらホルモンの各々の絶対レベルよりも器官形成のために重要であることを示しており、このことは、実際に、これらのホルモンが、少なくとも特定の生物学的プロセスにおいてアンタゴニストとして機能することを示している。さらに、側根形成は、サイトカイニンの外因性適用によって阻害される。興味深いことに、根伸長は、サイトカイニン処理によってネガティブの影響を受け、このことは、サイトカイニンが根分枝形成と根の成長との両方を制御することを示唆している。
同時に、現在の文献データは、サイトカイニンレベルの増加が根の成長にネガティブの影響を与えることを示しているが、このプロセスの基礎となる機構は、理解されていない。植物におけるサイトカイニンの合成部位は、根先端部および苗条の若組織である。サイトカイニンの内因性濃度は、nM範囲である。しかし、これらの定量は困難であるので、かなり多量の組織を抽出する必要があり、実際の局所濃度は知られていない。また、サイトカイニンの亜細胞区画化も知られていない。一般的に、遊離塩基およびリボシドは、細胞質および核に局在化されており、一方グルコシドは、小胞に局在化されていると考えられている。わずかに異なる化学構造を有する種々のサイトカイニンもまた、存在している。結果として、外因性サイトカイニンの効果が、総サイトカイニン濃度の上昇に起因するはずであるか、またはむしろ、レセプター、トランスロケーター(translocator)、トランスポーター、および改変酵素に対する他の形態の植物保有(plant−borne)サイトカイニン(これは、構造、細胞位置または亜細胞位置のいずれかが異なる)からの競合に起因するはずであるかは、知られていない。
根におけるサイトカイニンレベルが、実際に根の成長に最適なレベルを超えるという仮定を試験するために、新規の遺伝子コードサイトカイニンオキシダーゼ(これは、サイトカイニン代謝酵素である)を、Arabidopsis thaliana(AtCKXと称される)からクローニングし、そしてその後、トランスジェニックタバコおよびArabidopsis中、強力な構成的プロモーターの下で発現させた。AtCKX mRNA発現を示しかつサイトカイニンオキシダーゼ活性を増加させる形質転換株はまた、根の形成および成長の促進を明示した。苗条成長に対するネガティブの影響もまた、観察された。後者は、これらの植物におけるサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子の構成的発現に従う。これは、一般的な植物成長特性に対するこのサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子の制限された発現の重要性を示す。サイトカイニンオキシダーゼ活性の閉じ込めは、細胞特異的プロモーター、組織特異的プロモーターまたは器官特異的プロモーターを使用することによって達成され得る。なぜなら、サイトカイニン分解は、上で説明されるように、ホルモン合成に頼るアプローチとは対照的に、CKXタンパク質を発現する組織または細胞に制限されるプロセスだからである。
苗条成長に対するサイトカイニンオキシダーゼの観察されたネガティブ効果は、サイトカイニンオキシダーゼが、成長を促進する化学物質を設計するためまたは成長を促進する化学物質についてスクリーニングするための、興味深い標的であることを示している。このような化学物質は、これらの化学物質の適用が根の成長を阻害しないように、サイトカイニンオキシダーゼ活性を阻害するべきであり、好ましくは、根に輸送されるべきではなく、かつ土に迅速に分解されるべきである。サイトカイニンはまた、葉の老化期を遅滞させ、このことは、ポジティブ効果が光合成組織の成長と維持との両方を含むことを意味する。さらに、サイトカイニンが老化期を遅滞させ、葉の緑化(葉緑素含量)を増加させ、苗条先端の優占度を低下させるという観察は、植物の気性部分におけるCKX活性の抑制に基づくストラテジー(例えば、アンチセンス技術、リボサイム技術、および相互抑制技術)が、結果として老化期を遅滞させ得、葉の緑化を増加させ得、そして分枝形成を増加させ得ることを示す。
同様に、根の成長に対するサイトカイニンオキシダーゼ発現の観察されたポジティブ効果は、サイトカイニンオキシダーゼが、除草薬を設計するためまたは除草薬についてスクリーニングするための、興味深い標的であることを示している。このような除草薬は、サイトカイニンオキシダーゼ活性を阻害するべきであり、好ましくは、苗条に輸送されるべきではなく、かつ土を通して根に投与され得る溶媒中に溶解しかつこの溶媒中で比較的安定であるべきである。
植物成長および植物構造に対するサイトカイニンオキシダーゼ過剰発現のこれらの効果は、現在までのところ未知であり、結果として、現在までの発明およびその実施形態は、予見することができなかった。
苗条成長に対する観察されたネガティブ効果は、サイトカイニンオキシダーゼの操作がまた、小さい表現型を得るためにも使用され得ることを示す。小さい表現型は、例えば、穀類および果樹のような商業的作物において特に有用である。
本発明に従って、サイトカイニンオキシダーゼ遺伝子を過剰発現するトランスジェニック植物が、サイズおよび/または重量の増加した種子(胚を含む)および子葉を成長させることがまた、驚くべきことに発見された。これらの結果は、驚くべきことである。なぜなら、サイトカイニン含量の減少が、器官成長の低下に関連して予測されたからである。
本発明の好ましい実施形態は、植物成長および植物構造に対するサイトカイニンオキシダーゼ発現のポジティブ効果に関し、特に、根の成長および根構造、種子サイズおよび種子重量、胚サイズおよび胚重量、ならびに子葉サイズおよび子葉重量に対するサイトカイニンオキシダーゼ発現のポジティブ効果に関する。サイトカイニンオキシダーゼ遺伝子ファミリーは、Arabidopsisの少なくとも6つのメンバーからなる(以下の実施例を参照のこと)。本発明者らは、トランスジェニック植物において、これらの遺伝子のうちのいくつかを用いて達成される効果の定量的相違が存在することを示している。記載されているArabidopsisサイトカイニンオキシダーゼの機能的ホモログは、多くの緑色植物(Hareおよびvan Staden,Physiol Plant 91:128−136,1994;JonesおよびSchreiber,Planr Growth Reg 23:123−134,1997)、および他の生物(Armstrong,Cytokinins:Chemistry,Activity and Function,Eds Mok and Mok,CRC Press,pp139−154,1994)においてサイトカイニンオキシダーゼ活性の存在についての証拠を与える他の生物から単離され得ることが予測される。従って、本発明において機能的なサイトカイニンオキシダーゼの配列は、本明細書中に記載される配列と同一である必要はない。本発明は、一般的な穀類作物および単子葉作物のために特に有用であり、例えば、小麦またはトウモロコシ由来のサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子も同様に使用され得る(Morrisら、1999;Rinaldi and Comandini,1999)。サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するかまたは任意の他のサイトカイニン代謝活性を有する他の遺伝子(Zazimalovaら、Biochemistry and Molecular Biology of Plant Hormones,Hooykaas,HallおよびLibbenga(編)、Elsevier Science,pp 141−160,1997)もまた、本発明の目的のために使用され得ると考えられる。同様に、内因性サイトカイニン代謝活性を増加させる遺伝子コードタンパク質もまた、本発明の目的のために使用され得る。原則として、類似の表現型はまた、サイトカイニンの下流で機能する遺伝子(例えば、サイトカイニンのシグナル伝達経路に関与するレセプターまたはタンパク質)を妨害することによって得られ得る。
本発明の目的のために、用語「根の成長」は、単子葉植物と双子葉植物との両方における、根の成長の種々の段階にて根系を作製する種々の部分の成長の全ての局面を包含することが理解されるべきである。この根の成長の促進は、根の1つ以上の部分(主根、側根、不定根などを含む)(これらの全ては、本発明の範囲内に含まれる)の成長の促進をもたらし得ることが理解されるべきである。
本発明の目的のために、種子重量または種子サイズの増加は、胚、内乳、アリューロン、および種皮の1つ以上のサイズの増加を含み得ることもまた、理解されるべきである。さらに、胚サイズおよび/または胚重量の増加は、胚に関連する種々の器官(例えば、子葉、胚軸、および根)の増加を含み得る。
第一の実施形態に従って、本発明は、根の成長を刺激するための方法、ならびに/あるいは側根および/または不定根の形成を促進するための方法、ならびに/あるいは植物サイトカイニンオキシダーゼの発現を含むかまたは植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現を含む根の向地性を変更するための方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、植物におけるサイトカイニンオキシダーゼのレベルもしくは活性を増加させることによってか、または植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現によって、植物種子のサイズおよび/または重量を増加させるための方法に関する。好ましくは、サイトカイニンオキシダーゼのレベルもしくは活性の増加、または植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現は、種々の組織を含む種子またはこの種子の細胞型に局在化される。
別の実施形態において、本発明は、植物におけるサイトカイニンオキシダーゼのレベルもしくは活性を増加させることによってか、または植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現によって、植物胚のサイズおよび/または重量を増加させるための方法に関する。好ましくは、サイトカイニンオキシダーゼのレベルもしくは活性の増加、または植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現は、種子に局在化される。なおより好ましくは、サイトカイニンオキシダーゼのレベルもしくは活性の増加、または植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現は、胚に局在化される。
なお別の実施形態において、本発明は、植物におけるサイトカイニンオキシダーゼのレベルもしくは活性を増加させることによってか、または植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現によって、植物子葉のサイズおよび/または重量を増加させるための方法に関する。好ましくは、サイトカイニンオキシダーゼのレベルもしくは活性の増加、または植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現は、子葉に局在化される。
本発明の文脈において、用語「発現」および/または「過剰発現」は、相互交換可能に使用され、かつこれら両方が、植物サイトカイニンオキシダーゼまたは植物における活性サイトカイニンのレベルを低下させる任意の他のタンパク質の「増強された発現および/または異所性発現」に関することが理解されるべきである。これとともに、植物サイトカイニンオキシダーゼの増強された発現、および植物サイトカイニンオキシダーゼまたは上記の他のタンパク質の「デノボ」発現が意味されることが、明確であるべきである。あるいは、上記の他のタンパク質は、植物サイトカイニンオキシダーゼのサイトカイニン代謝活性を増強する。
本発明の文脈において、語句「側根および/または不定根」は、「側根および不定根」を意味し得るが、「側根または不定根」を意味し得ないことが、さらに理解されるべきである。この増強は、側根の形成においてまたは不定根の形成において、および非主根の両方の型において存在し得るが、必ずしも必要ではない。
さらに、本明細書中で使用される場合、「種子のサイズ(大きさ)および/または重量の増加」は、種子のサイズおよび重量の増加を意味し得るが、種子のサイズまたは重量の増加を意味し得ない。従って、この増強は、種子のサイズの増加においてもしくは種子の重量の増加において、またはその両方において存在し得る。類似の解釈が、「胚のサイズおよび/または重量の増加」ならびに「子葉のサイズおよび/または重量の増加」に適用されるべきである。
用語「植物(単数)」および「植物の一部(単数)」は、用語「植物(複数)」および「植物の一部(複数)」と相互交換可能に使用される。
さらなる実施形態に従って、本発明は、根の成長を刺激するための方法、および/または側根もしくは不定根の形成を促進するための方法、および/または根の向地性を変更するための方法、および/または収穫量を増加させるための方法、および/または初期生長力を増強させるための方法、および/または根/苗条比を改変するための方法、および/または倒伏(lodging)に対する耐性を改善するための方法、および/または渇水耐性を増加させるための方法、および/またはインビトロでの外植片の伝播(植物サイトカイニンオキシダーゼの発現、または植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現を含む)を促進するための方法に関する。
好ましい実施形態に従って、本発明は、根の成長を刺激するための方法に関し、この方法は、サイトカイニンオキシダーゼ(好ましくは、本発明に従うサイトカイニンオキシダーゼ)、または植物もしくは植物の一部(好ましくは、根)における活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の過剰発現によって、根質量の増加をもたらす。
成長促進配列の過剰発現に起因する、より高度な根バイオマス生成は、その収穫量に対する直接的な効果を有し、かつ根細胞もしくはトランスジェニック根細胞またはこのトランスジェニック根細胞の細胞培養物によって生成される化合物の生成に対する間接的な効果を有する。根培養物中で生成される興味深い化合物の1つの例は、シコニン(shikonin)であり、この収穫量は、上記方法によって有利に増強され得る。
より特定の実施形態に従って、本発明は、根の成長を刺激するための方法、または側根および/もしくは不定根の形成を促進するための方法、または根の向地性を変更するための方法、または種子のサイズおよび/もしくは重量を増加させるための方法、または胚のサイズおよび/もしくは重量を増加させるための方法、または子葉のサイズおよび/もしくは重量を増加させるための方法に関する。この方法は、以下からなる群より選択される植物サイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸の発現、または好ましくは、植物もしくは植物の一部における活性サイトカイニンのレベルを低下させるタンパク質をコードする核酸の、根もしくは種子(胚、内乳、種皮、またはアリューロンのような種子の一部を含む)、もしくは子葉における発現を含む:
(a)配列番号27、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号25、配列番号26、配列番号28〜31、配列番号33もしくは配列番号34、またはそれらの相補体のいずれかで与えられるDNA配列を含む核酸:
(b)配列番号27、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号25、配列番号26、配列番号28〜31、配列番号33もしくは配列番号34、またはそれらの相補体のいずれかに対応するRNA配列を含む核酸;
(c)配列番号27、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号25、配列番号26、配列番号28〜31、配列番号33もしくは配列番号34、またはそれらの相補体のいずれかに特異的にハイブリダイズする核酸;
(d)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号32もしくは配列番号35、またはそれらの相補体のいずれかで与えられるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸;
(e)上記核酸が、DNA、ゲノムDNA,cDNA、合成DNAまたはRNAであることによって特徴付けられる、(a)〜(d)のいずれかにおいて定義される核酸(ここで、Tは、Uで置き換えられている);
(f)配列番号27、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号25、配列番号26、配列番号28〜31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかで与えられる核酸に退化される核酸、または遺伝暗号の結果として(a)〜(e)のいずれかにおいて定義される核酸に退化される核酸;
(g)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号35のいずれかで与えられるタンパク質をコードする核酸から分岐される核酸、または生物間でのコドン用法における差異に起因して、(a)〜(e)のいずれかにおいて定義される核酸から分岐される、核酸;
(h)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号35で与えられるタンパク質をコードする核酸、または対立遺伝子間の差異に起因して分岐される、(a)〜(e)に定義される核酸;
(i)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12または配列番号35のいずれかで与えられるタンパク質をコードする核酸;
(j)サイトカイニンオキシダーゼの生物学的活性を有する、(a)〜(i)のいずれかにおいて定義される核酸の機能的フラグメント;ならびに、
(k)植物サイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸。
本発明において、新規なArabidopsis thalianaサイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸が単離され、そして初めて、本発明者らは、驚くべきことに、トランスジェニック植物またはトランスジェニック植物部分におけるサイトカイニンオキシダーゼの発現が、上記した根および種子に関連した特徴を生じたことを示した。根に関連した特徴が発揮されるためには、サイトカイニンオキシダーゼの発現は、根において、好ましくは、根特異的プロモーターの制御下で、生じるべきである。種子に関連した特徴(胚を含む)が発揮されるためには、サイトカイニンオキシダーゼの発現は、種子において、好ましくは種子特異的プロモーターの制御下で、生じるべきである。このような根特異的プロモーターの一例は、配列番号36において提供される。種子特異的プロモーターの例は、表4中に列挙されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
子葉に関連した特徴が発揮されるためには、サイトカイニンオキシダーゼの発現が、子葉において、好ましくは、子葉で優先的に発現するプロモーターの制御下で、生じるべきである。
本発明は、いくつかの新規なAtCKX遺伝子およびタンパク質によって実施例の節において支持されるが、本発明の概念はまた、実施例の節において記載されるように、植物において同様の効果を得るために、他の植物(好ましくは、当該他の植物の根および/または種子および/または子葉)から単離され、そして発現される他のサイトカイニンオキシダーゼの使用にも関することが明らかであるべきである。
従って、本発明は、より一般的には、根成長を刺激するため、または側根または不定根の形成を増強するため、または根の重力屈性を変化させるための、植物サイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸、または植物または植物部分において活性サイトカイニンのレベルを減少させるタンパク質をコードする核酸の使用に関する。本発明はまた、種子サイズおよび/もしくは重量の増大のため、または胚サイズおよび/もしくは重量の増大のため、または植物子葉サイズおよび/もしくは重量の増大のための、植物サイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸の使用、または植物または植物部分において活性サイトカイニンのレベルを減少させるタンパク質をコードする核酸の使用に関する。使用されるべき好ましいサイトカイニンオキシダーゼは、上記で規定したようなサイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸によってコードされ、そして以下に規定されるような本発明の新規な核酸によってコードされる。
本発明は、以下からなる群から選択される、サイトカイニンオキシダーゼ活性を有する新規な植物タンパク質をコードする単離された核酸に関する:
(a)配列番号29、3、5、9、26、27、31、33または34のいずれかに示されるようなDNA配列を含む核酸、またはそれらの相補体、
(b)配列番号29、3、5、9、26、27、31、33または34のいずれかに示されるようなRNA配列を含む核酸、またはそれらの相補体、
(c)配列番号29、3、5、9、26、27、31、33または34のいずれかに示されるような核酸に特異的にハイブリダイズする核酸、またはそれらの相補体、
(d)配列番号32に示されているようなポリペプチドを含み、そして配列番号4に示されるようなアミノ酸配列に、少なくとも70%類似の、好ましくは、少なくとも75%、80%または85%、より好ましくは、少なくとも90%または95%、最も好ましくは、少なくとも99%類似のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸、
(e)配列番号6に示されるようなアミノ酸配列に、少なくとも35%類似の、好ましくは、37%、40%、45%、47%または50%類似の、より好ましくは、55%、60%、65%、70%、75%または80%類似の、最も好ましくは、85%、90%または95%類似のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸、
(f)配列番号10または35に示されるようなアミノ酸配列に、少なくとも35%類似の、好ましくは、37%、40%、45%、47%または50%類似の、より好ましくは、55%、60%、65%、70%、75%または80%類似の、最も好ましくは、85%、90%または95%類似のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸、
(g)配列番号4、6、10、32または35のいずれかに示されるようなアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸、
(h)配列番号29、3、5、9、26、27、33または34のいずれかに示されるような核酸に対して縮重しているか、または遺伝コードの結果として(a)から(g)のいずれかで規定されたような核酸に対して縮重している核酸、
(i)配列番号4、6、10または35のいずれかに示されるようなタンパク質をコードする核酸から分岐するか、または生物間でのコドン用法の差異に起因する(a)から(g)のいずれかに規定されるような核酸から分岐する核酸、
(j) 配列番号4、6、10または35に示されるようなタンパク質をコードする核酸、または対立遺伝子間の差異に起因して分岐する、(a)から(g)のに規定されるような核酸、
(k)配列番号29、3、5、9、26、27、31、33または34のいずれかに示されるような核酸によってコードされるサイトカイニンオキシダーゼの免疫学的活性フラグメントをコードする核酸、または(a)から(j)のいずれかに規定されるような核酸の免疫学的活性フラグメントコードする核酸、
(l)配列番号29、3、5、9、26、27、31、33または34のいずれかにおいて示されるような核酸によってコードされるサイトカイニンオキシダーゼの機能的フラグメントをコードする核酸、または(a)から(j)のいずれかにおいて規定されるような核酸の機能的フラグメントコードする核酸であって、ここで当該フラグメントは、サイトカイニンオキシダーゼの生物学的活性を有する、核酸、および
(m)配列番号4、6、10または35に規定されるようなタンパク質をコードする核酸であって、ここで、当該核酸は、以下のGenbank登録番号AC005917、AB024035、およびAC023754のいずれかの下で登録された核酸ではない、核酸。
本発明はまた、DNA、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAもしくはRNAであり、ここでTがUに置換されている、本発明の単離された核酸に関する。
本発明はまた、本発明の核酸と特異的にハイブリダイズするか、または特異的に増幅する、少なくとも15ヌクレオチド長の核酸分子に関する。
異なるサイトカイニン形態は、種々の発達プロセスにおいて果たす、異なる役割を有し得る。従って、CKX1、CKX2、CKX3およびCKX4の示差的な効果は、異なるサイトカイニンのプールに対する明確な効果に関連し得る。例えば、CKX1およびCKX3は、主に、根伸長および分枝を促進するが、CKX2およびCKX4は、主として、不定根の形成を刺激する。さらに、CKX1およびCKX3は、種子サイズおよび重量を、CKX2およびCKX4よりも大きな程度に増大する。特定の作用形態に束縛されることなく、サイトカイニンプールに対するこの示差的な効果は、基質特異性におけるいくらかの差異、または細胞におけるサイトカイニンオキシダーゼの示差的な区画化(CKX1およびCKX3についてミトコンドリアであり、CKX2、CKX4、CKX5、およびCKX6について細胞外であると推定される)から生じ得る。
別の実施形態に従って、本発明はまた、本発明の核酸を含むベクターに関する。好ましい実施形態では、当該ベクターは、この核酸が1つ以上の制御配列に作動可能に連結されており、原核生物宿主細胞および/または真核生物宿主細胞において当該配列の発現を可能にする発現ベクターである。
単子葉植物における本発明のサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子の発現について、cDNA配列に対応する核酸配列が、単子葉植物におけるイントロンの誤スプライシングを回避するために使用されるべきであることが理解されるべきである。単子葉植物において発現されるべき好ましいcDNA配列は、配列番号25から30および34のいずれかに示されるような核酸配列を有する。
本発明はまた、本発明の核酸分子またはベクターのいずれかを含む宿主細胞に関する。当該宿主細胞は、細菌、昆虫、真菌、植物または動物細胞を含む群から選択される。
本発明の別の実施形態は、本発明の核酸によってコード可能な単離されたポリペプチド、またはそれらのホモログまたは誘導体、またはそれらの免疫学的活性フラグメントまたは機能的フラグメントに関する。本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、32および35のいずれかに示されるようなアミノ酸配列、またはそれらのホモログもしくは誘導体、またはそれらの免疫学的活性フラグメントおよび/もしくは機能的フラグメントを含む。さらにより好ましい実施形態では、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12または35に示されるようなアミノ酸配列を有するポリペプチド、またはそれらのホモログもしくは誘導体、またはそれらの免疫学的活性フラグメントおよび/もしくは機能的フラグメントに関する。それらの好ましい機能的フラグメントは、それらのシグナルペプチドを欠くフラグメントである。
なお別の実施形態に従って、本発明は、本発明のポリペプチドを生成するための方法であって、ポリペプチドの発現を可能にする条件下で本発明の宿主細胞を培養する工程、およびこの培養物から生成されたポリペプチドを回収する工程を包含する、方法に関する。
本発明はまた、本発明のポリペプチドまたはそれらの特異的エピトープを特異的に認識する抗体に関する。
本発明はさらに、トランスジェニック植物、植物細胞、または植物組織の生成のための方法であって、当該植物、植物細胞、または植物組織において、発現可能な様式で本発明の核酸分子を、または本発明のベクターを導入する工程を包含する、方法に関する。
本発明はまた、変化した植物、植物細胞、または植物組織の生成のための方法であって、当該植物の細胞、組織、または器官に直接的に、本発明のポリペプチドを導入する工程を包含する、方法に関する。
別の実施形態に従って、本発明は、本発明のポリペプチドの発現を行うための方法であって、1つ以上の制御配列に作動可能に連結された本発明の核酸分子、または本発明のベクターを植物細胞のゲノムに安定に導入する工程を包含する、方法に関する。本発明はさらに、当該植物細胞から植物を再生する工程をさらに包含する、上記の方法に関する。
本発明はまた、本発明の核酸配列を含むトランスジェニック植物細胞であって、当該核酸配列が、調節エレメントに作動可能に連結されて、植物細胞における当該核酸の転写および/または発現を可能にする、植物細胞、または上述した方法によって得られ得るトランスジェニック植物細胞に関する。
別の好ましい実施形態に従って、本発明は、本明細書中上述したようなトランスジェニック植物細胞であって、ここで本発明の核酸が当該植物細胞のゲノムに安定して組み込まれている、トランスジェニック植物細胞に関する。
本発明はさらに、本明細書中に記載されるような植物細胞を含むトランスジェニック植物または植物組織、およびまた、当該トランスジェニック植物の収穫可能な部分、好ましくは、種子、葉、果実、茎培養物、根、塊茎、根茎、および鱗茎からなる群から選択される部分に関する。本発明はまた、当該トランスジェニック植物または植物部分のいずれかに由来する子孫に関する。
別の実施形態に従って、本発明は、根成長を刺激するための方法であって、本発明の核酸を発現する工程を包含するか、または植物もしくは植物部分において活性サイトカイニンのレベルを減少させる別のタンパク質を発現させる工程を包含する、方法に関する。
本発明の別の局面において、種子のサイズおよび/または重量を増大させる方法が提供される。この方法は、植物においてサイトカイニンオキシダーゼのレベルまたは活性を増大させる工程、植物または植物部分(好ましくは、種子)において活性サイトカイニンのレベルを減少させるタンパク質のレベルまたは活性を増大させる工程を包含する。
種子の種々の部分(器官)もまた、サイズおよび/または重量が増大され得る(例えば、胚、胚乳、種皮、またはアリューロン)。例えば、本発明に従って、胚の大きさおよび/または重量を増大させる方法が提供される。この方法は、植物においてサイトカイニンオキシダーゼのレベルまたは活性を増大させる工程、または植物または植物部分(好ましくは、胚)において活性サイトカイニンのレベルを減少するタンパク質のレベルまたは活性を増大させる工程を包含する。
本発明のさらに別の局面では、子葉の大きさおよび/または重量を増大させる方法が提供される。この方法は、植物においてサイトカイニンオキシダーゼのレベルまたは活性を増大させる工程、または植物または植物部分(好ましくは、子葉)において活性サイトカイニンのレベルを減少するタンパク質のレベルまたは活性を増大させる工程を包含する。
種子サイズおよび/または重量を増大する方法に従って、実生の成長速度の増大または早期強勢における増大が得られる。収穫量の増大もまた得られる。同様に、胚のサイズおよび/もしくは重量、または子葉の大きさおよび/もしくは重量を増大させる方法に従って、実生の成長速度の増大または早期強勢の増大が得られる。多くの場合、収穫量の増大もまた得られる。実生成長または早期強勢の増大は、しばしば、ストレス耐性の増大と関連する。例えば、実生(発芽の際の実生の根系を含む)のより速い発達は、生存(特に悪条件(例えば、乾燥)下での)にとって重要である。
サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする任意のヌクレオチド配列が、本発明の方法において使用され得る。例えば、サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードする本明細書中で提供される種々の配列のいずれかが、種子、胚、または子葉のサイズおよび/もしくは重量を増大させる方法において使用され得る。
好ましくは、配列番号1、5、25、または27のいずれかに記載のような核酸、または当該核酸のオルソログを発現するトランスジェニック植物が生成される。好ましくは、このオルソログは、トランスジェニック植物の関連した種に由来する。さらにより好ましくは、このオルソログは、トランスジェニック植物の種に対して特異的(ネイティブまたは内因性)である。
上記のように、発現を特異的に、または優先的に制御するプロモーターが、本発明の方法において使用され得る。従って、種子のサイズまたは重量における増大が望ましい場合、種子特異的プロモーターが使用され得る。胚のサイズまたは重量における増大が望ましい場合、胚特異的プロモーターが使用され得る。子葉のサイズまたは重量における増大が望ましい場合、子葉において発現を制御するプロモーターが好ましい。このようなプロモーターは周知であり、広範に入手可能であり、そして本明細書中に、例えば、表4において、列挙されている。
別の実施形態では、本発明は、種子の大きさまたは種子の重量、またはその両方を増大させるための方法であって、この方法は、本発明の核酸を発現させる工程を包含するか、または植物または植物部分において活性サイトカイニンのレベルを減少する別のタンパク質を発現させる工程を包含する、方法に関する。
なお別の実施形態では、本発明は、胚の大きさまたは胚の重量、またはその両方を増大させるための方法であって、この方法は、本発明の核酸を発現させる工程を包含するか、または植物または植物部分において活性サイトカイニンのレベルを減少する別のタンパク質を発現させる工程を包含する、方法に関する。
さらに別の実施形態では、本発明は、子葉の大きさを増大させるための方法であって、この方法は、本発明の核酸を発現させる工程を包含するか、または植物または植物部分において活性サイトカイニンのレベルを減少する別のタンパク質を発現させる工程を包含する、方法に関する。植物または植物部分において、係るサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子またはそれらの部分の、あるいは活性サイトカイニンのレベルを減少する別のタンパク質の局在化された発現は、子葉の成長の増強に至る。貯蔵器官として子葉を有する種においては、このような子葉の成長の増強は、収穫量の増強および/または実生の成長効率の増強に至る。さらにこの点において、炭水化物、脂質およびタンパク質は全て種子内に貯蔵され、植物の早期成長の間にエネルギーおよび代謝物を提供するために、発芽の間に代謝される。種子の大きさは、しばしば、早期強勢と関連している。なぜなら、より大きな種子は、より多くの炭水化物、脂質およびタンパク質を含み、従って、より速い成長を与えるからである。従って、本発明の方法は、実生のより早い成長に至る。このような早期強勢はストレス耐性の増強と関連している。例えば、植物の根系のより速い発達は、生存(特に悪条件(例えば、乾燥)下で)にとって重要である。早期強勢はまた、収穫量の増大および開花までの時間の短縮に関連している。
植物の細胞または組織培養物は、これらの植物細胞または組織に、成長および/または特定の化合物の生成に必要な全ての要件を提供する特別な培地(液体または固体のいずれかの)において増殖される、植物細胞または植物組織の人工的に生成される培養物である。植物の細胞および/または組織培養物は、数例を挙げると、植物の迅速な繁殖のため、およびトランスジェニック植物の生成のために使用され得る。根形成は、いくつかの移植片にとって、または当該培養物におけるいくらかの条件においては困難であり得、当該培養された植物細胞または組織におけるサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子の発現は、根形成を増強するために使用され得る。植物細胞および/または組織培養物はまた、有益な化合物の工業的生成のために使用され得る。可能な生成化合物は、医薬品、殺虫剤、色素、化粧品、香水、食物添加剤などである。このような生成物の例は、シコニン(shikonin)(これは、植物Lithospermum erythrorhizonの根によって生成される)である。植物組織培養物の例は、毛状根培養物であり、これは、毛状根の人工的に生成された塊である。L.erythrorhizonの根は、多数に採集することが困難であり、毛状根培養物を調製することにより、最終産物のシコニンは、通常存在するよりも速い速度で工業的に調製され得る。本明細書中で開示されるように、サイトカイニンオキシダーゼの発現は、根成長および発達を増強し、従って、当該植物細胞および組織培養手順において有利に使用され得る。従って、本発明の別の実施形態に従って、根成長および発達を刺激するための方法が提供され、この方法は、トランスジェニック植物細胞または当該トランスジェニック植物細胞を含む組織培養物において、植物サイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸、好ましくは、本発明のサイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸を発現させる工程を包含する。
本発明はさらに、側根または不定根の形成を増強するための方法であって、本発明の核酸を発現させる工程を包含するか、または植物または植物部分において活性サイトカイニンのレベルを減少する別のタンパク質を発現させる工程を包含する、方法に関する。
本発明はまた、根の横地重力屈性を変更する方法に関し、この方法は、本発明の核酸の発現の変更を含むかまたは、植物中もしくは植物の一部中の活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現を含む。
本発明はまた、初期生長力(vigor)を増強する方法、および/または根/苗条比を改変する方法、および/または倒伏に対する抵抗を向上する方法、および/または乾燥耐性を増大する方法、および/または外植体のインビトロにおける繁殖を促進する方法であって、植物もしくは植物の一部中の活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現を含む本発明の核酸の発現を含む方法に関する。
本発明はさらに、根の大きさを増大する方法あるいは根成長点の大きさを増大する方法に関し、この方法は、本発明の核酸の発現を含むかまたは植物もしくは植物の一部(好ましくは、根)中の活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現を含む。
さらに別の実施形態に従って、本発明は、苗条成長点の大きさを増大する方法に関し、この方法は、(好ましくは、苗条中の)本発明の核酸の発現のダウンレギュレーションを含む。
好ましい実施形態に従って、本発明は、葉老化を遅延させる方法に関し、この方法は、葉(好ましくは、老化した葉)中の本発明の任意のサイトカイニンオキシダーゼの発現のダウンレギュレーションを含む。本発明はまた、葉老化を変更する方法に関し、この方法は、老化した葉中のサイトカイニンオキシダーゼのうちの1つの発現を含む。
本発明はまた、葉の厚さを増大させる方法に関し、この方法は、本発明の核酸の発現を含むかまたは植物もしくは植物の一部(好ましくは、葉)中の活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現を含む。
本発明はまた、導管の大きさを低下させる方法に関し、この方法は、本発明の核酸の発現を含むかまたは植物もしくは植物の一部(好ましくは、導管)中の活性サイトカイニンのレベルを低下させる別のタンパク質の発現を含む。
本発明はさらに、導管の大きさを増大させる方法に関し、この方法は、植物もしくは植物の一部中の本発明の核酸の発現のダウンレギュレーションを含む。
別の実施形態に従って、本発明は、実生の直立性を改良する方法に関し、この方法は、本発明の核酸の発現を含むかまたは実生中の活性サイトカイニンのレベルを低下する別のタンパク質の発現を含む。
さらに、本発明は、上記の任意の方法に関し、この方法は、結果として収穫量の増加につながる。
本発明はさらに、本発明の任意の方法に関し、ここで、この核酸の発現は、強力な構成的プロモーターの制御下で起こる。植物根への効果を有する本発明の局面(例えば、好ましくは、根の成長を刺激する方法、側根または不定根の形成を向上させる方法、あるいは根の横地重力屈性を変更する方法)について、本発明の核酸の発現は、好ましくは根中において優先的に発現されるプロモーターの制御下で起こる。表5aにおいて、根特異的プロモーターの不完全な表が含まれる。本発明の方法に使用される好ましいプロモーターは、クラバータ(clavata)ホモログプロモーターであり、配列番号36に公表されるような配列を有する。
植物種子への効果を有する本発明の局面(例えば、種の大きさまたは重量を増大する方法、胚芽の大きさまたは重量を増大する方法)、あるいは植物子葉への効果を有する本発明の局面(例えば、子葉の大きさまたは重量を増大する方法)について、本発明の核酸の発現は、種中において優先的に発現されるプロモーターの制御下で起こる。種子特異的プロモーターは、全ての種子器官において発現されるプロモーターであり得るか、あるいは1つ以上の器官または組織(例えば、胚芽、胚乳、もしくはアリューロン)に対して、発現における優先傾向を示すプロモーターであり得る。このようなプロモーターの例を、本明細書の表4に示す。
さらに別の実施形態に従って、本発明は、細胞運命を改変する方法、および/または植物成長を改変する方法、および/または植物形態を改変する方法、および/または植物生化学を改変する方法、および/または植物生理学を改変する方法、および/または細胞周期進行速度を改変する方法であって、植物の特定の細胞、組織もしくは器官における本発明の核酸の発現の改変を含む方法に関する。
本発明はまた、成長の促進、ならびに/または収穫量の増加、ならびに/または植物細胞、組織および/もしくは器官の老化の変更、ならびに/または植物の側器官の形成の頻度の増大、を達成する方法であって、本発明の核酸の異所的発現を含む方法に関する。
本発明はまた、不利な生育条件および/またはストレス条件における細胞の細胞分裂活性を促進および拡大する方法に関し、この方法は、本発明の核酸配列の異所的発現を含む。
さらに別の実施形態に従って、本発明は、本発明のポリペプチドと相互作用するタンパク質を同定および獲得する方法に関し、この方法は、本発明のポリペプチドを使用したスクリーニングアッセイを含む。
さらに好ましい実施形態において、本発明は、本発明のポリペプチドと相互作用するタンパク質を同定および獲得する方法に関し、この方法は、本発明のポリペプチドをバイト(bait)として使用し、そしてcDNAライブラリーをプレイ(prey)として使用する、ツーハイブリッドスクリーニングアッセイを含む。
本発明はさらに、本発明のポリペプチドと、上記の方法によって得られ得る相互作用タンパク質パートナーとの間の相互作用を調節する方法に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、本発明のポリペプチドと相互作用する化合物を同定および獲得する方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:
(a)ツーハイブリッド系を提供する工程であって、本発明のポリペプチドおよび相互作用タンパク質パートナーが上記の方法によって得られる、工程;
(b)この化合物を、a)に記載の発現されたポリペプチドによって形成された複合体と相互作用させる工程;ならびに
(c)この化合物の、ポリペプチドまたはa)に記載の発現されたポリペプチドによって形成された複合体との相互作用の(リアルタイムの)測定を実行する工程。
本発明はさらに、本発明のポリペプチドに特異的に結合する化合物または化合物の混合物を同定する方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:
(a)複合体形成を可能にするのに適切な条件下で、本発明のポリペプチドをこの化合物または化合物の混合物と結合する工程;および
(b)複合体形成を検出する工程であって、この複合体の存在が、このポリペプチドを特異的に結合する化合物または混合物を同定する、工程。
本発明はまた、上記の方法に関し、ここで、この化合物または混合物は、本発明のこのポリペプチドの活性を阻害し、そして化学物質の合理的な設計に使用され得る。
別の実施形態に従って、本発明は、植物成長調節因子または除草剤として、上記の方法によって同定される化合物または混合物の使用に関する。
本発明はまた、植物成長調節因子または除草剤組成物の生成についての方法に関し、この方法は、上記の化合物スクリーニング方法の工程およびこの工程から得られる化合物を、農業または植物の細胞培養または組織培養における適用に適切な形態で処方する工程を包含する。
本発明はまた、分枝形成を増大する方法に関し、この方法は、植物または植物部分(好ましくは、茎または腋芽)中の本発明の核酸の発現を含む。
本発明はまた、倒伏耐性を改善する方法に関し、この方法は、植物または植物部分(好ましくは、茎または腋芽)中の本発明の核酸の発現を含む。
本発明はまた、成長促進化学物質もしくは除草剤についての設計またはスクリーニングの方法に関し、この方法は、本発明の核酸または本発明のベクターの使用を含む。
別の実施形態に従って、本発明は、収穫量の増大のための本発明の核酸分子、本発明のベクターまたは本発明のポリペプチドの使用に関する。
本発明はまた、根の成長を刺激するための本発明の核酸分子、本発明のベクターまたは本発明のポリペプチドの使用に関する。
本発明はまた、側根または附属根の形成を増大するための本発明の核酸分子、本発明のベクターまたは本発明のポリペプチドの使用に関する。
本発明はまた、根の横地重力屈性の変更のための本発明の核酸分子、本発明のベクターまたは本発明のポリペプチドの使用に関する。
本発明はまた、種子の大きさ、種子の重量、胚芽の大きさ、胚芽の重量、子葉の大きさ、および子葉の重量のうちの少なくとも1つを増大するための本発明の核酸分子、本発明のベクターまたは本発明のポリペプチドの使用に関する。
本発明はさらに、初期生長力の増進、および/または根/苗条比の改変、および/または倒伏に対する抵抗の改善、および/または乾燥耐性の増大、および/または外植体のインビトロにおける増殖の促進のための、本発明の核酸分子、本発明のベクターまたは本発明のポリペプチドの使用に関する。
本発明はまた、本発明の核酸分子、本発明の組換えベクターまたは本発明のポリペプチドの使用に関し、この使用によって、植物成長を改変し、および/または植物形態を改変し、および/または植物生化学を改変し、および/または植物生理学を改変する。
さらに別の実施形態に従って、本発明は、診断(ddiagnostic)組成物に関し、この組成物は、少なくとも本発明の核酸分子、本発明のベクター、本発明のポリペプチドまたは本発明の抗体を含む。
本発明の別の実施形態は、トランスジェニック台木の使用に関し、この使用によって、接ぎ穂(scion)を用いた接木手順において、サイトカイニンオキシダーゼの発現によって根の成長および発育が向上し、農業上の特性または園芸上の特性が改良された植物または木が生産される。接ぎ穂は、トランスジェニックまたは非トランスジェニックであり得る。この実施形態によって認識される特定の特性は、根系によって授与された特性であり、そして土壌における植物/木の係留の改善、ならびに/あるいは例えば結果として乾燥耐性の改善をもたらす水の取り込みの改善ならびに/あるいは土壌からの栄養の取り込みの改善ならびに/あるいは植物全体にわたる有機物質の輸送の改善ならびに/あるいは土壌中への物質(例えば、植物ヘモジデリン貪食細胞(phytosiderophore))の分泌の向上ならびに/あるいは呼吸の改善ならびに/あるいは対病性の改善ならびに/あるいは収穫量の改善を含む特性が挙げられる。接木のためにAtCKX形質転換台木を使用する利点は、根系の向上に加えて、本明細書中に記載されるように、接木上の葉の老化の遅延である(図12Aを参照)。この特定の実施形態のための好ましい植物または木としては、自己の根において良好に生育しない植物または木が挙げられ、そして栽培環境(cultivated setting)(例えば、市販の収穫が期待できる品種のブドウ、柑橘類、アプリコット、アーモンド、プラム、モモ、リンゴ、ナシ、サクランボ、クルミ、イチジク、ヘイゼルおよびビワ)において接木される。
上述のように、オーキシンおよびサイトカイニンは、ある生物学的プロセスにおいて、アンタゴニストとして作用する。例えば、サイトカイニン/オーキシン比は、結果的に根の組織化をもたらす高濃度のオーキシンおよび結果的に苗条の生成をもたらす高濃度のサイトカイニンを用いて、根および苗条の生成を調節する。本発明に開示されるように、タバコおよびArabidopsisにおけるサイトカイニンオキシダーゼの発現は、結果的に、オーキシン効果の向上と一致して、根の発育の向上をもたらす。オーキシンはまた、果実の発育にも関係する。雌花の部分のオーキシンでの処理は、結果的に、いくつかの植物種において単為結実果実の発育をもたらす。単為結実果実の発育は、いくつかの園芸作物において、雌性生殖器におけるオーキシンの生合成の増大を介して、遺伝学的に操作される(WO0105985)。
従って、別の実施形態に従って、本発明は、植物に単為結実形質を誘導する方法に関し、この方法は、1つ以上のサイトカイニンオキシダーゼまたは別のタンパク質(植物または植物の一部、好ましくは、雌性生殖器(例えば、胎座、胚珠およびそれらに由来する組織)において活性サイトカイニンのレベルを低下させる)の発現をダウンレギュレートする工程から構成される。Antirrhinum majusに由来するDefH9プロモーター領域またはその相同体の1つ(胎座および胚珠中の高い発現特異性を授与する)が、この目的に使用され得る。
当業者は、本明細書中に記載される発明が、具体的に記載される発明以外のバリエーションおよび改変を前提とすることを認識する。本明細書中に記載される発明が、このようなバリエーションおよび改変の全てを含むことが理解される。本発明はまた、本明細書中で参照されるかまたは示されるような工程、特性、組成物および化合物の全てを、個別にかまたは集合的に含み、そして、任意あるいはそれ以上のこれらの工程または特性のありとあらゆる組み合わせを含む。
本発明は、任意の植物、特に、飼い葉または飼料マメ科植物、観賞植物、食用作物、木、または以下を含む表から選択された低木:
Figure 2005511090
アマランス、朝鮮アザミ、アスパラガス、ブロッコリー、ブリュッセルスプラウト(brussel sprout)、キャベツ、アブラナ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、コラードの若葉、アマ、ケール、レンズマメ、菜種、オクラ、タマネギ、ジャガイモ、イネ、ダイズ、ストロー、サトウダイコン、サトウキビ、ヒマワリ、トマト、カボチャ、および茶、または中でも、上に具体的に名を挙げた任意の植物の種子、または上記の任意の種の組織培養、細胞培養もしくは器官培養を含む、単子葉植物および双子葉植物に適用される。
本明細書にわたって、その文脈が他に要求しない限り、単語「含む(comprise)」ならびにそのバリエーション(例えば、「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」)は、他の任意の整数または工程あるいは整数または工程の群の除外ではなく、規定された整数または工程あるいは整数または工程の包含を意味することが理解される。
本明細書中に使用されるように、用語「に由来する」は、特定の整数または整数の群が特定の種類に起源を有するが、特定の源から直接得られることを必要としないことを示すと解釈される。
用語「タンパク質」、「ペプチド」または「オリゴペプチド」は、本明細書中に使用される場合、任意の長さの重合体形態のアミノ酸をいう。これらの用語はまた、公知のアミノ酸修飾(例えば、ジスルフィド結合形成、システイニル化、酸化、グルタチオニル化(glutathionylation)、メチル化、アセチル化、ファルネシル化、ビオチン化、ステアロイル化、ホルミル化、リポ酸付加、リン酸化、硫酸化、ユビキチン化、ミリストイル化、パルミトイル化、ゲラニルゲラニル化、環化(例えば、ピログルタミン酸生成)、酸化、脱アミド、脱水、グリコシル化(例えば、ペントース、ヘキソサミン、N−アセチルヘキソサミン、デオキシヘキソース、ヘキソース、シアル酸など)およびアシル化、ならびに天然には存在しないアミノ酸残基、L−アミノ酸残基およびD−アミノ酸残基)を含む。
本発明のタンパク質の「ホモログ」とは、ホモログであるタンパク質に対して、その機能的特性の1つ以上を変化させることなく、特に、得られるものの活性を低下させることなく、アミノ酸の置換、欠失、および/または付加を含む、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質および酵素である。例えば、このタンパク質のホモログは、このタンパク質の生物活性アミノ酸配列改変体からなる。このようなホモログを生成するためには、そのタンパク質中に存在するアミノ酸が、類似の特性(例えば、疎水性、親水性、疎水性モーメント(hydrophobic moment)、抗原性、αヘリックス構造またはβシート構造を形成または破壊する性質など)を有する他のアミノ酸で置き換えられ得る。アミノ酸の物理的特性および化学的特性の概説が、表1に与えられる。
本発明のタンパク質の置換変異体は、このアミノ酸配列における少なくとも1つのアミノ酸が除去され、そしてその代わりに異なる残基が挿入されている、変異体である。アミノ酸置換は、代表的に、単一の残基の置換であるが、ポリペプチドに課される機能的制約に依存して、群がり得る;挿入は、通常、約1〜10アミノ酸残基のオーダーであり、そして欠失は、約1〜20残基の範囲である。好ましくは、アミノ酸置換は、上記のもののような保存的アミノ酸置換を含む。
Figure 2005511090
本発明の挿入アミノ酸配列改変体は、1つ以上のアミノ酸残基が、そのタンパク質において予め決定された部位に導入されている、変異体である。挿入は、アミノ末端融合および/またはカルボキシ末端融合、ならびに単一のアミノ酸もしくは複数のアミノ酸の配列ない挿入を包含し得る。一般に、アミノ酸配列における挿入は、アミノ末端融合またはカルボキシル末端融合より小さく、そして約1〜10残基のオーダーである。アミノ末端またはカルボキシ末端の融合タンパク質または融合ペプチドの例としては、2つのハイブリッド系において使用されるような、転写活性化剤の結合ドメインまたは活性化ドメイン、ファージコートタンパク質、(ヒスチジン)−タグ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、プロテインA、マルトース結合タンパク質、ジヒドロフォレートレダクターゼ、Tag・100エピトープ(EETARFQPGYRS)、c−mycエピトープ(EQKLISEEDL)、FLAG(登録商標)−エピトープ(DYKDDDK)、lacZ、CMP(カルモジュリン結合ペプチド)、HAエピトープ(YPYDVPDYA)、プロテインCエピトープ(EDQVDPRLIDGK)およびVSVエピトープ(YTDIEMNRLGK)が挙げられる。
本発明のタンパク質の欠失改変体は、1つ以上のアミノ酸の、このタンパク質のアミノ酸配列からの除去によって特徴付けられる。
本発明のタンパク質のアミノ酸改変体は、当該分野において周知のペプチド合成技術(例えば、固相ペプチド合成など)を使用して、または組換えDNA操作によって、容易に作製され得る。置換変異体、挿入変異体、または欠失変異体を表す改変体タンパク質を産生するための、DNA配列の操作は、当該分野において周知である。例えば、既知の配列を有するDNAにおいて、予め決定された部位に置換変異を作製するための技術は、当業者に周知であり、例えば、M13変異誘発、T7−Genインビトロ変異誘発キット(USB、Cleaveland,OH)、QuickChange Site Directed変異誘発キット(Stratagene,San Diego,CA)、PCR媒介部位特異的変異誘発、または他の部位特異的変異誘発プロトコルによる。
本発明において、DNA配列間および/またはタンパク質間での「同一性」パーセントおよび/または「類似性」パーセントは、当該分野において公知のコンピュータプログラム(例えば、Clustal法と組み合わせたDNAstar/MegAlignプログラム)を使用して、計算される。
本発明のタンパク質の「誘導体」は、そのポリペプチドの少なくとも5つの連続したアミノ酸残基を含むがそのタンパク質の生物学的活性を維持している、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質および酵素である。「誘導体」は、そのポリペプチドの天然に存在する形態のアミノ酸配列と比較して、さらなる天然に存在するアミノ酸残基、変更してグリコシル化されたアミノ酸残基、アシル化アミノ酸残基、または天然には存在しないアミノ酸残基をさらに含み得る。あるいは、またはさらに、誘導体は、そのポリペプチドの天然に存在するアミノ酸配列と比較して、そのアミノ酸配列に共有結合または非共有結合した、2つ以上の非アミノ酸置換基(例えば、レポーター分子または他のリガンド)を含み得る(例えば、検出を容易にするために結合された、レポーター分子)。
「免疫学的活性」とは、特異的エピトープまたはハプテンのような分子またはその特異的フラグメントが、例えば、抗体に結合することによって認識されることを意味する。特異的エピトープは、例えば、Geysenら(1996)(Geysen,H.M.,Rodda,S.J.およびMason,T.J.(1986).A priori delineation of a peptide which mimics a discontinuous antigenic determinant.Mol.Immunol.23,709−715)に記載されるような、ペプチド走査技術を使用して決定され得る。
用語「配列のフラグメント」または「配列の一部」とは、言及される元の配列の短縮型配列を意味する。短縮型配列(核酸配列またはタンパク質配列)は、長さが広範に変動し得る;最小サイズは、配列に、言及される元の配列の、少なくとも匹敵する機能および/または活性を提供するために十分な大きさの配列(例えば、「機能的フラグメント」)であり、一方で最大のサイズは、重要ではない。いくつかの適用において、最大のサイズは、通常、元の配列の所望の活性および/または機能を提供するために必要とされるより実質的に大きくない。代表的に、短縮型アミノ酸配列は、約5〜約60アミノ酸長の範囲である。しかし、より代表的には、配列は、最大約50アミノ酸長であり、好ましくは、最大約60アミノ酸長である。少なくとも約10、12、または15アミノ酸であり、最大約20または25アミノ酸までの配列を選択することが、通常望ましい。
機能的フラグメントはまた、本発明によるタンパク質に特異的なエピトープを含むフラグメントを含み得る。好ましい機能的フラグメントは、例えば、少なくとも5、10、25、100、150、または200アミノ酸の長さを有する。
従って、機能的フラグメントはまた、免疫学的に活性なフラグメントであってもそうでなくてもよいことが、理解されるべきである。
本発明の文脈において、上記で定義されたような、サイトカイニンオキシダーゼのホモログ、誘導体ならびに/あるいは免疫学的に活性なフラグメントおよび/または免疫学的に機能的なフラグメントが実施される。本発明において使用されることが企図される、特に好ましい、サイトカイニンオキシダーゼタンパク質のホモログ、誘導体ならびに/あるいは免疫学的に活性なフラグメントおよび/または免疫学的に機能的なフラグメントは、植物体から、より具体的には、Arabidopsis thalianaから誘導され、なおより具体的には、このサイトカイニンオキシダーゼは、Arabidopsis thaliana(At)CKXであるか、またはその中で発現され得る。本発明は、AtCKXタンパク質の機能的ホモログまたは誘導体、および/あるいは免疫学的に活性なフラグメントの使用を明らかに企図し、そしてこのAtCKXタンパク質の1つをコードするヌクレオチド配列の使用に対する適用に限定されるべきではない。
任意の上記タンパク質、ポリペプチド、ペプチドおよびそのフラグメントは、生物学的系(例えば、細胞培養)において産生され得る。あるいは、任意の上記タンパク質、ポリペプチド、ペプチドおよびそのフラグメントは、化学的に操作され得る(例えば、固相ポリペプチド合成によって)。上記タンパク質またはそのフラグメントは、例えば、ツーハイブリッドアッセイ(これは、例えば、本発明によるサイトカイニンオキシダーゼと相互作用するタンパク質の同定を可能にする)における場合と同様に、融合タンパク質の一部であり得る。
タンパク質またはそのフラグメントは、例えば、本発明によるサイトカイニンオキシダーゼと、本発明の方法によって得られる相互作用タンパク質パートナーとの間の、相互作用を調節するために、さらに有用である。化学合成されたペプチドは、例えば、抗血清および/または抗体の産生のための抗原の供給源として、特に有用である。
「抗体」としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、合成抗体または重鎖ラクダ抗体、ならびに抗体のフラグメント(例えば、Fabフラグメント、FvフラグメントまたはscFvフラグメント)が挙げられる。
モノクローナル抗体は、例えば、LiddleおよびCryer(1991)に記載されるような技術によって調製され得、この技術は、マウス骨髄腫細胞の、免疫動物由来の脾臓細胞への融合を包含する。さらに、分子またはそのフラグメントに対する、抗体またはそのフラグメントは、例えば、HarlowおよびLane(1988)に記載されるような方法を使用することによって、得られ得る。小ペプチド(例えば、本発明のタンパク質のフラグメント)に対する抗体の場合、このペプチドは、一般に、動物の免疫の前に、キャリアタンパク質に結合される。このようなタンパク質キャリアとしては、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、オボアルブミンおよび破傷風トキソイドが挙げられる。キャリアタンパク質は、動物の免疫応答を増強し、そしてT細胞レセプター結合部位に対するエピトープを提供する。用語「抗体」は、その誘導体(例えば、標識された抗体)をさらに含む。抗体標識としては、アルカリホスファターゼ、PKH2、PKH26、PKH67、フルオレセイン(FITC)、Hoechst33258、R−フィコエリトリン(PE)、ローダミン(TRITC)、Quantum Red、Texas Red、Cy3、ビオチン、アガロース、ペルオキシダーゼおよび金粒子が挙げられる。タンパク質に対する抗体に依存する分子生物学におけるツールとしては、タンパク質ゲルブロット分析、遺伝子の同定を可能にする発現ライブラリーのスクリーニング、タンパク質定量方法(ELISAおよびRIAが挙げられる)、タンパク質の免疫親和性精製、タンパク質の免疫沈降(例えば、実施例6を参照のこと)、および免疫学的局在決定が挙げられる。抗体および特にペプチド抗体の他の使用としては、タンパク質分解プロセシングの研究(Lofflerら、1994、Woulfeら、1994)、タンパク質活性部位の決定(Lerner 1982)、前駆体および翻訳後プロセシングの研究(BaronおよびBaltimore 1982、Lernerら、1981、Semierら、1982)、タンパク質−タンパク質相互作用に関与するタンパク質ドメインの同定(Murakamiら、1992)、ならびに遺伝子発現におけるエキソン利用の研究(Tamuraら、1991)が挙げられる。
上で定義されたような、サイトカイニンオキシダーゼ、またはそのホモログ、誘導体もしくはフラグメントを特異的に認識する抗体が、本発明において実施される。好ましくは、このサイトカイニンオキシダーゼは、植物サイトカイニンオキシダーゼであり、より具体的には、Arabidopsis thalianaサイトカイニンオキシダーゼ(AtCKX)の1つである。
用語「遺伝子」、「ポリヌクレオチド」、「核酸」、「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」、または「核酸分子」とは、本明細書中において使用される場合、任意の長さのポリマー形態のヌクレオチド(リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれか、あるいは両方の組み合わせ)をいう。この用語はさらに、二本鎖および一本鎖のDNAおよびRNAを包含する。この用語はまた、メチル化、環化のような公知のヌクレオチド改変、ならびに1つ以上の天然に存在するヌクレオチドの、イノシンのようなアナログでの「キャップ」および置換を包含する。核酸の改変としては、アクリジン、アミン、ビオチン、カスケードブルー、コレステロール、Cy3(登録商標)、Cy5(登録商標)、Cy5.5(登録商標)、Dabcyl、ジゴキシゲニン、ジニトロフェニル、Edans、6−FAM、フルオレセイン、3’−グリセリル、HEX、IRD−700、IRD−800、JOE、ホスフェートソラレン、ローダミン、ROX、チオール(SH)、スペーサー、TAMRA、TET、AMCA−S(登録商標)、SE、BODIPY(登録商標)、Marina Blue(登録商標)、Pacific Blue(登録商標)、Oregon Green(登録商標)、Rhodamine Green(登録商標)、Rhodamine Red(登録商標)、Rhodol Green(登録商標)、およびTexas Red(登録商標)の付加が挙げられる。ポリヌクレオチド骨格改変としては、メチルホスホネート、2’−OMe−メチルホスホネートRNA、ホスホロチオレート、RNA、2’−OMeRNAが挙げられる。塩基改変としては、2−アミド−dA、2−アミノプリン、3’−(ddA)、3’dA(コルジセピン)、7−デアザ−dA、8−Br−dA、8−オキソ−dA、N−Me−dA、無塩基部位(dSpacer)、ビオチンdT、2’−OMe−5Me−C、2’−OMe−プロピニル−C、3’−(5−Me−dC)、3’−(ddC)、5−Br−dC、5−I−dC、5−Me−dC、5−F−dC、カルボキシ−dT、交換可能なdA、交換可能なdC、交換可能なdG、交換可能なdT、交換可能なdU、7−デアザ−dG、8−Br−dG、8−オキソ−dG、O−Me−dG、S6−DNP−dG、4−メチル−インドール、5−ニトロインドール、2’−OMe−イノシン、2’−dI、O−フェニル−dI、4−メチル−インドール、2’−デオキシネブラリン、5−ニトロインドール、2−アミノプリン、dP(プリンアナログ)、dK(ピリミジンアナログ)、3−ニトロピロール、2−チオ−dT、4−チオ−dT、ビオチン−dT、カルボキシ−dT、O−Me−dT、O−トリアゾールdT、2’−OMe−プロピニル−U、5−Br−dU、2’−dU、5−F−dU、5−I−dU、O−トリアゾールdUが挙げられる。これらの用語はまた、ペプチド核酸(PNA)(骨格が糖ではなくN−(2−アミノエチル)−グリシン単位を含む偽ペプチドである、DNAアナログ)を包含する。PNAは、DNAの挙動を模倣し、そして核酸鎖に相補的に結合する。PNAの天然の骨格は、通常活性化されるより強い結合およびより大きい特異性を生じる。さらに、PNAの独特の化学的特性、物理的特性および生物学的特性は、強力な生体分子ツール、アンチセンスおよび抗原薬剤、分子プローブおよびバイオセンサを生成するために利用されている。
本発明はまた、本発明による核酸の少なくとも約15の連続するヌクレオチド、そして好ましくは、15〜50ヌクレオチドの核酸配列を、有利に提供する。これらの配列は、上で定義されたような本発明の配列に特異的にハイブリダイズするためのプローブとして、または上で定義されたような本発明の配列の特異的な増幅もしくは複製を開始するためのプライマーとして、などで有利に使用され得る。このような核酸配列は、当該分野において周知の技術に従って、例えば、組換え手段または合成手段によって、産生され得る。これらはまた、本発明による核酸の存在を検出するための診断キットなどにおいて使用され得る。これらの試験は、一般に、プローブを、サンプルと、ハイブリダイゼーション条件下で接触させる工程、およびプローブとサンプル中の任意の核酸との間での任意の二重鎖または三重鎖の存在を検出する工程を包含する。
有利には、本発明による核酸配列は、組換え手段または合成手段を使用して(例えば、PCRクローニング機構を使用して)産生され得る。PCRクローニングは、一般に、プタイマーの対(これらは、約15〜50ヌクレオチドであり得る)を、クローニングされることが望まれる遺伝子の領域に作製する工程、これらのプライマーを、細胞由来のmRNA、cDNAまたはゲノムDNAと接触させる工程、所望の領域の増幅をもたらす条件下でポリメラーゼ連鎖反応を実施する工程、増幅された領域またはフラグメントを単離する工程、および増幅されたDNAを回収する工程を包含する。一般に、本明細書中に記載されるような技術は、Sambrookら(Molecular Cloning;a Laboratory Manual,1989)に記載されるように、当該分野において周知である。
「コード配列」または「オープンリーディングフレーム」または「ORF」は、適切な制御配列または調節配列の制御下に置かれる場合(すなわち、このクローニング配列またはORFが発現可能な形式で存在する場合)、mRNAに転写され得、そして/またはポリペプチドに翻訳され得る、ヌクレオチド配列であると定義される。ORFのクローニング配列は、5’翻訳開始コドンおよび3’翻訳終止コドンと境界を接する。コード配列またはORFとしては、RNA、mRNA、cDNA、組換えヌクレオチド配列、合成により製造されたヌクレオチド配列またはゲノムDNAが挙げられるが、これらに限定されない。このコード配列またはORFは、核酸配列に介在することによって、中断され得る。
実質的に同じタンパク質をコードするが異なる供給源から単離された、遺伝子およびコード配列は、実質的に分岐した核酸配列からなり得る。逆向きの、実質的に分岐する核酸配列は、本質的に同じタンパク質の発現をもたらすように設計され得る。これらの核酸配列は、例えば、所定の遺伝子の異なる対立遺伝子、遺伝コードの縮重、またはコドン利用の差異の結果である。従って、表2に示されるように、メチオニンおよびトリプトファンのようなアミノ酸は、単一のコドンによってコードされるが、一方でアルギニン、ロイシン、およびセリンのようなアミノ酸は、おのおの、6つまでの異なるコドンから翻訳され得る。好ましいコドン利用の差異が、Agrobacterium tumefaciens(細菌)、A.thaliana、M.sativa(2つの双子葉植物)およびOryza sativa(単子葉植物)に対して表3に示される。1例を抜き出すと、コドンGGC(グリシンを表す)が、A.tumefaciensにおいて最も頻繁に使用されるコドンであり(36.2‰)、O.sativaにおいて2番目に頻繁に使用されるコドンであるが、A.thalianaおよびM.sativaにおいてはずっと低い頻度で使用される(それぞれ9‰および8.4‰)。グリシンをコードし得る4つの可能なコドンのうちで(表2を参照のこと)、GGCコドンが、A.tumefaciensおよびO.sativaにおいて最も頻繁に使用される。しかし、A.thalianaにおいては、これはGGA(およびGGU)コドンであり、一方でM.sativaにおいては、これはGGU(およびGGA)コドンである。
本発明において規定されるDNA配列は、介在配列によって中断され得る。「介在配列」とは、本発明のDNA配列を含むコード配列を破壊するか、または本発明のDNA配列を含むDNA配列の発現可能な形式を破壊する、任意の核酸配列を意味する。介在配列の除去は、このコード配列またはその発現形式を回復させる。
介在配列の例としては、イントロンおよび可動性DNA配列(例えば、トランスポゾン)が挙げられる。「可動性DNA配列」とは、組換え事象の結果として可動になり得る任意のDNA配列を意味する。
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「ハイブリダイゼーション」とは、実質的に相同な相補ヌクレオチド配列が互いにアニールするプロセスである。ハイブリダイゼーションプロセスは、溶液中で全体で起こり得る。すなわち、両方の相補核酸が溶液中にある。このようなプロセスに依存する分子生物学のツールとしては、PCR、差引きハイブリダイゼーションおよびDNA配列決定が挙げられる。ハイブリダイゼーションプロセスはまた、さらに、相補核酸の一方がマトリックス(例えば、磁気ビーズ、セファロースビーズまたは任意の他の樹脂)に固定された状態で起こり得る。このようなプロセスに依存する分子生物学的ツールとしては、ポリ(A+)mRNAの単離が挙げられる。ハイブリダイゼーションプロセスは、さらに、相補核酸の一方が固体支持体(例えば、ニトロセルロースまたはナイロン膜)に固定された状態で、または例えば、フォトリソグラフィーによって、例えば、ケイ酸含有ガラス支持体に固定された状態(後者は、核酸アレイまたはマイクロアレイとして、あるいは核酸チップとして公知である)で、起こり得る。このようなプロセスに依存する分子生物学ツールとしては、RNAおよびDNAのベルブロット分析、コロニーハイブリダイゼーション、プラークハイブリダイゼーションならびにマイクロアレイハイブリダイゼーションが挙げられる。ハイブリダイゼーションを起こすためには、核酸分子は、一般に、熱的にかまたは化学的に(例えば、NaOHによって)、二本鎖を2つの一本鎖に融解するため、および/またはヘアピンもしくは他の二次構造を一本鎖核酸から除くために、変性される。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、温度、塩濃度およびハイブリダイゼーション緩衝液の組成のような条件によって、影響を受ける。ハイブリダイゼーションのための高ストリンジェンシー条件としては、高温および/または低塩濃度(塩としては、NaClおよびクエン酸Na3が挙げられる)ならびに/あるいはハイブリダイゼーション緩衝溶液へのホルムアミドの含有および/またはハイブリダイゼーション溶液中のSDS(界面活性剤)のような化合物の濃度の低下および/またはハイブリダイゼーション緩衝液からの硫酸デキストランもしくはポリエチレングリコール(分子の集合を促進する)のような化合物の排除が挙げられる。従来のハイブリダイゼーション条件は、例えば、Sambrookら(1989)に記載されているが、当業者は、多くの異なるハイブリダイゼーション条件が、公知または期待される相同性および/もしくは核酸配列の長さの様式で設計され得ることを理解する。十分に低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、上記で定義された本発明のDNA配列に相同な核酸を単離するために、特に好ましい。上記異常発生に寄与する要素としては、対立性、遺伝コードの縮重および上記のような好ましいコドン利用の差異が挙げられる。
用語「特異的にハイブリダイズする(specifically hybridizing)」または「特異的にハイブリダイズする(hybridizing specifically)」とは、配列が複合混合物(例えば、全細胞DNAまたはRNA)中に示される場合、中程度のストリンジェントな条件下での、特定のヌクレオチド配列への分子の結合、複合またはハイブリダイズをいう。
核酸ハイブリダイゼーション実験(例えば、サザンハイブリダイゼーションおよびノーザンハイブリダイゼーション)の文脈において、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件」は、配列依存性であり、そして異なる環境パラメーター下で異なる。例えば、より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。Tは、50%の標的配列が完全にマッチしたプローブにハイブリダイズする、規定されたイオン強度およびpH下の温度である。特異性は、代表的にハイブリダイゼーション後の洗浄機能である。このような洗浄の重大な因子としてはイオン強度および最終洗浄溶液の温度が挙げられる。
一般的に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHで特定の配列について融点(T)よりも約50℃低い温度から選択される。Tは、50%の標的配列が完全にマッチしたプローブにハイブリダイズする温度(規定されたイオン強度およびpH下での)である。Tは、溶液条件およびプローブの塩基組成に依存し、そして以下の式を使用して計算され得る:
=79.8℃+(18.5×Log[Na+])+(58.4℃×%[G+C])−(820/#二重鎖中のbp)−(0.5%×ホルムアミド)。
より好ましいストリンジェント条件は、温度がTより20℃低い場合、および最も好ましいストリンジェント条件は、Tより10℃低い場合である。非特異的結合はまた、多数の公知の技術(例えば、タンパク質含有溶液による膜のブロッキング、ハイブリダイゼーション緩衝液への異種のRNA、DNAおよびSDSの添加およびRNaseでの処理)のうちの任意の1つを使用して制御され得る。
洗浄条件は、代表的にストリンジェンシー以下で行われる。一般的に、核酸ハイブリダイゼーションアッセイまたは遺伝子増幅検出手順についての適切なストリンジェント条件は、上記される。よりストリンジェントな条件または低いストリンジェントな条件がまた、選択され得る。
ストリンジェンシーレベルを規定する目的のために、参照は、Sambrook,J.,E.F.Frischら1989「Molecular Cloning:a Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor,NY,Cold Spring Harbor Laboratory Press,at 11.45に簡便になされ得る。低いストリンジェンシー条件の例は、37〜45℃で、2〜3時間、4〜6×SSC/0.1−0.5% w/v SDSである。ハイブリダイゼーションに関する核酸の供給原または濃度に依存して、ストリンジェンシーの代替条件が、中程度のストリンジェント条件のように使用され得る。中程度のストリンジェント条件の例としては、45℃以上で2〜3時間、1〜4×SSC/0.25% w/v SDSが挙げられる。高いストリンジェント条件の例としては、60℃で1〜3時間、0.1−1X SSC/0.1% w/v SDSが挙げられる。当業者は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の間変化し得、そしてストリンジェンシー条件を維持するかまたは変化する種々のパラメーターを承知する。例えば、別のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、65℃で4×SSCでのハイブリダイゼーション、次いで約1時間65℃で0.1×SSCでの洗浄である。あるいは、例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50%ホルムアミド中、4×SSC、42℃である。ストリンジェント条件のなお別の例としては、62℃で、6×SSC、0.05×BLOTTOでのハイブリダイゼーションおよび62℃で2×SSC、0.1%SDSでの洗浄が挙げられる。
明らかに、本発明は、サイトカインオキシダーゼ、ホモログ、誘導体あるいはハイブリダイゼーションの任意の方法においてより高く規定された場合、その免疫学的に活性なおよび/または機能的フラグメントをコードする本発明のDNA配列の使用を具体化する。さらに、本発明はまた、前記本発明のDNA配列にハイブリダイズするDNA配列に関する。好ましい前記サイトカインオキシダーゼは、植物サイトカインオキシダーゼ、より詳細にArabidopsis thaliana(At)CKXである。
細胞、組織または器官(好ましくは植物器官)中のタンパク質の発現に影響するために、タンパク質は、例えば、マイクロインジェクションまたは弾道手段によって前記細胞へと直接的に導入され得るか、あるいは、前記タンパク質をコードする単離された核酸分子は、発現可能な形式において、前記細胞、組織または器官へと導入され得る。
好ましくは、本発明のDNA配列は、コード配列またはサイトカインオキシダーゼタンパク質またはホモログあるいはその誘導体または前記で規定されるようなその免疫学的に活性なおよび/または機能的フラグメントをコードするオープンリーディングフレーム(ORP)を含む。本発明の好ましいタンパク質は、前記のサイトカインオキシダーゼのアミノ酸配列を含む。好ましい前記サイトカインオキシダーゼは、植物サイトカインオキシダーゼおよびより詳細にはArabidopsis thaliana(At)CKXである。
「ベクター」または「ベクター配列」は、形質転換によって生物に導入され得、そして前記生物中で安定に維持され得るDNA配列を意味する。ベクター維持は、例えば、Escherichia coli、A.tumefaciens、Saccharomyces cerevisiaeまたはSchizosaccharomyces pombe培地中で可能である。他のベクター(例えば、ファージミドベクターおよびコスミドベクター)は、細菌および/またはウイルス中で維持され得るか、または複合され得る。ベクター配列は、一般的に、制限酵素、複合クローニング部位(MCS)によって認識される独特な部位のセットを含み、ここで、1つ以上の非ベクター配列は、挿入され得る。
「非ベクター配列」は、ベクター内に含まれたMCSの1つ以上の部位に組み込まれるDNA配列をさらに意味する。
「発現ベクター」は、挿入された非ベクター配列についての発現可能形式の作製を可能にする適切な調節配列または制御配列を含むことによってベクターのサブセットを形成し、従って、前記非ベクター配列によってコードされたタンパク質の発現を可能にする。発現ベクターは、細菌(例えば、E.coli)、真菌(例えば、S.cerevisiae、S.pombe、Pichia pastoris)、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現ベクター)、動物細胞(例えば、COS細胞またはCHO細胞)および植物細胞(例えば、ジャガイモウイルスのXベースの発現ベクター)を含む生物におけるタンパク質発現を可能にすることが当業者に公知である。
本発明は、明らかに、任意のサイトカインオキシダーゼ、ホモログ、誘導体および/あるいは前記で規定されるようなその免疫学的に活性なおよび/または機能的フラグメントを含む。好ましい前記サイトカインオキシオダーゼは、植物サイトカインオキシダーゼであり、より詳細にArabidopsis thaliana(At)CKXである。
生物学的系におけるベクター媒介タンパク質生産を発現するための代替として、化学タンパク質合成が適用され得る。合成ペプチドは、溶液相または固相において製造され得る。しかし、固相ペプチド合成(Merrifield 1963)が、最も一般的な方法であり、そして直線ペプチド鎖を製造するためのアミノ酸の連続的な添加を含む。固相ペプチド合成は、3つの工程からなるサイクルを包含する:(i)固体支持体または樹脂への成長ペプチド鎖のカルボキシ末端アミノ酸の固定化;(ii)鎖アセンブリ、成長ペプチド鎖に添加されるアミノ酸の活性化、カップリングおよび脱保護からなるプロセス;および(iii)樹脂からの完全なペプチドの除去およびアミノ酸側鎖からの保護基の除去を含む切断。固相ペプチド合成における一般的なアプローチとしては、アミノ酸のアミノ末端保護基として、Fmoc/tBu(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル/t−ブチル)およびBoc(t−ブチルオキシカルボニル)が挙げられる。アミノ酸側鎖の保護基としては、以下が挙げられる:メチル(Me)、ホルミル(CHO)、エチル(Et)、アセチル(Ac)、t−ブチル(t−Bu)、アニシル、ベンジル(Bzl)、トリフルオロアセチル(Tfa)、N−ヒドロキシスクシンイミド(ONSu、OSu)、ベンゾイル(Bz)、4−メチルベンジル(Meb)、チオアニジル、チオクレシル(thiocresyl)、ベンジルオキシメチル(Bom)、4−ニトロフェニル(ONp)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、2−ニトロベンゾイル(NBz)、2−ニトロフェニルスルフェニル(Nps)、4−トルエンスルフォニル(Tosyl、Tos)、ペンタフルオロフェニル(Pfp)、ジフェニルメチル(Dpm)、2−クロロベンジルオキシカルボニル(Cl−Z)、2,4,5−トリクロロフェニル,2−ブロモベンジルオキシカルボニル(Br−Z)、トリフェニルメチル(Trityl、Trt)および2,5,7,8−ペンタメチル−クロマン−6−スルホニル(Pmc)。鎖アセンブリの間、FmocまたはBocは、除去され、成長鎖に結合したアミノ酸残基の活性化アミノ末端を生じる。次のアミノ酸のカルボキシ末端は、例えば、HBTUによって高反応性エステルへの変換によって活性化され得る。現在の技術(例えば、PerSeptive Biosystems 9050 synthesizer,Applied Biosystems Model 431A Peptide Synthesizer)を用いて、50残基までの直線ペプチドが、製造され得る。多数のガイドラインは、以下を含む生物学的系における使用に適切なペプチドを生産するのに役立つ:(i)異なるアミノ酸(例えば、cys、met、trp(ペプチド合成の間に、容易に酸化されそして/または分解される)またはarg)の使用の限定;(ii)疎水性アミノ酸(ペプチドの可溶性を減じる)を最小化;および(iii)アミノ末端のグルタミン酸(ピログルタミメートに環化し得る)を防止。
「発現可能形式」は、単離された核酸分子が、構成的に、あるいは、細胞内シグナルもしくは細胞外シグナル(例えば、環境刺激もしくは環境ストレス(マイトジェン、無酸素(anoxia)、低酸素(hypoxia)、温度、塩、光、脱水など)または化合物(IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシドまたは抗生物質(テトラサイクリン、アンピシリン、リファンピシン、カナマイシン))、ホルモン(例えば、ジベレリン、オーキシン、サイトカイニン、グルココルチコイド、ブラシノステロイド、エチレン、アブシジン酸など)、ホルモンアナログ(インドール酢酸(IAA)、2,4−Dなど)、金属(亜鉛、銅、鉄など)、またはとりわけ、デキサメタゾンによる誘導に従って、mRNAに転写され、そして/または翻訳されてタンパク質を産生するのに適切な形態にあることを意味する。当業者に既知であるように、機能タンパク質の発現はまた、1以上の翻訳後修飾(グリコシル化、リン酸化、脱リン酸化)または、特に、1以上のタンパク質−タンパク質相互作用を必要とし得る。このような他の全てのプロセスは、「発現可能形式」との用語の範囲に含まれる。
好ましくは、特定の細胞、組織または器官(好ましくは、植物起源)におけるタンパク質の発現は、その細胞、組織、または器官に対して上記のタンパク質をコードする単離された核酸分子(例えば、cDNA分子、ゲノム遺伝子、合成オリゴヌクレオチド分子、mRNA分子またはオープンリーディングフレーム)を誘導するかまたはそれらを発現することによって与えられ、ここで、上記の核酸分子は、適切な調節配列または制御配列と作動可能に連結して配置されており、この適切な調節配列または制御配列としては、プロモーター、好ましくは植物発現可能プロモーター、およびターミネーター配列を含む。
「プロモーター」に対する本明細書中での参照は、その最も広い程度のうちに入り、そして、従来の真核生物ゲノム遺伝子から由来される転写調節配列を含み、この配列は、正確な転写開始のために必要であるTATAボックスを含み、CCAATボックス配列はあってもなくともよく、そして発生的な刺激および/または外的な刺激に応答してかまたは組織特異的様式で遺伝子発現を変更するさらなる調節エレメントまたは制御エレメント(すなわち、上流の活性化配列、エンハンサーおよびサイレンサー)があってもなくともよい。
「プロモーター」との用語はまた、標準的な原核生物遺伝子の転写調節配列を含み、この場合、−35ボックス配列および/または−10ボックス転写調節配列を含み得る。
「プロモーター」との用語はまた、細胞、組織または器官の中の核酸分子の発現を与え、活性化し、また増強する合成分子または融合分子あるいは誘導体を記述するのに使用される。
プロモーターはまた、1以上の特異的な調節エレメントのさらなるコピーを含み、プロモーターが作動可能に連結する核酸分子の発現をさらに増強するか、および/または空間的発現および/または一過性の発現を変更する。このような調節エレメントは、異種プロモーター配列に隣接して位置し得、例えば、銅、糖コルチコイド、デキサメタゾン、テトラサイクリン、ジベレリン、cAMP、アブシジン酸、オーキシン、創傷、エチレン、ジャスモネート(jasmonate)、またはサリチル酸に応答して核酸分子の発現を駆動するか、または特定の細胞、組織または器官(例えば、分裂組織、葉、根、胚、花、種、または果実)に核酸分子の発現を与え得る。
本発明の状況において、そのプロモーターは、好ましくは、植物発現可能プロモーター配列である。細菌、酵母細胞、昆虫細胞、および動物細胞のような非植物細胞において機能するかまたは単独で機能するプロモーターは、本発明から除外されない。「植物発現可能」とは、プロモーター配列(それに添加されたか、またはそれに含まれる任意のさらなる調節エレメントを含む)は、少なくとも、植物細胞、組織または器官(好ましくは、単子葉植物または双子葉植物の植物細胞、組織または器官)における発現を誘導するか、それの発現を与えるか、その発現を活性化するか、またはその発現を増強することができる。
「植物作動可能」および「植物において作動可能」との用語は、本明細書中で使用される場合に、プロモーター配列に関して、植物発現可能プロモーター配列と等価であるとされる。
バイナリーウイルス植物発現系の一部分として調節可能なプロモーターはまた、当業者にとって公知である(Yadav 1999−WO9922003;Yadav 2000−WO0017365)。
本発明の文脈において、「調節可能プロモーター配列」は、必要に応じて、特定の条件下で、植物の、特定の細胞、組織、器官または、細胞、組織、もしくは器官の群における構造遺伝子上で発現を与えることのできるが、一般的に全ての条件下でその植物全体に亘って発現を与えない、プロモーターである。従って、調節可能プロモーター配列は、そのプロモーターがその植物中あるいは特定の条件のセット(例えば、化合物または他の誘導因子による遺伝子発現の誘導に従う)の下でその植物全体に亘って特定の位置に作動可能に結合している遺伝子上での発現を与える、プロモーター配列である。
好ましくは、本発明の実施において使用される調節可能プロモーターは、その植物中における特定の位置で発現を、構成的に与えるかまたは誘導に従って与えるが、しかし、任意の環境の植物全体において発現を与えない。このようなプロモーターの範囲のうちに含まれるのは、細胞特異的プロモーター配列、組織特異的プロモーター配列、器官特異的プロモーター配列、細胞周期特異的遺伝子プロモーター配列、誘導性プロモーター配列、および構成性プロモーター配列であり、これらの配列は、任意の時間においてその植物の特定部位に発現を与えるように改変される(例えば、転移性遺伝エレメント(Ac、Ds、Spm、Enまたは他のトランスポゾン)中の上記の構成性プロモーターの組み込みによる)。
同様に、「組織特異的」との用語は、発現が、好ましくは、植物起源の特定の組織または組織型(これらの、組織または組織型に必ずしも限定されない)において、優勢であることを示す。
同様に、「器官特異的」との用語は、発現が、好ましくは、植物起源の特定の器官(これらの、器官に必ずしも限定されない)において、優勢であることを示す。
同様に、「細胞周期特異的」との用語は、発現が、支配的に周期的であって、かつ好ましくは、植物起源の1以上の必ずしも構成的段階でない細胞周期において生じる(必ずしも細胞は排他的に細胞周期になくてもよいにもかかわらず)ことを示している。
当業者は、「誘導性プロモーター」が、その転写活性が、発生学的刺激、化学的刺激、環境的刺激、または物理的刺激に応答して増大されそして誘導されるプロモーターであることを理解する。同様に、「構成性プロモーター」が、生物体(好ましくは、植物)の殆どの部分(必ずしも全ての部分でなくともよい)にわたって、その成長および発生の大半期間(必ずしも全ての部分でなくともよい)にて、転写的に活性なプロモーターであることを、当業者は理解する。
当業者は、過度の実験をすることなく、公的に利用可能な供給源または容易に利用可能な供給源からサイトカイニンオキシダーゼタンパク質の適切な発現を調節する用途のために、適切なプロモーター配列を選択することが容易にできる。
核酸分子をプロモーター配列の調節制御下におくか、またはプロモーター配列と作動可能に連結しておくことは、発現がそのプロモーター配列によって制御されるように核酸分子を位置付けることを意味する。プロモーターは、(必ずというわけでないが)通常、そのプロモーターが調節する核酸分子の上流または5’末端側、およびその転写開始部位から2kb以内に、位置付けられる。異種プロモーター/構造遺伝子の組み合わせの構築において、一般的に、そのプロモーターをその遺伝子転写開始部位から距離をとって位置付けることが好ましく、その距離は、そのプロモーターと天然の状態でそのプロモーターが制御する遺伝子(すなわち、そのプロモーターが駆動される遺伝子)との間の距離とほぼ同じである。当該分野で公知であるように、この距離おける幾つかのバリエーションは、プロモーター機能を喪失することなしに、適応され得る。同様に、その制御下におかれた異種遺伝子に関する調節配列エレメントの好ましい位置づけは、天然状態におけるそのエレメント(すなわち、それが駆動される遺伝子)の位置づけによって規定される。その上、当該分野で知られるように、その距離のバリエーションンがまた、生じ得る。
本発明の遺伝子構築物における用途に適切なプロモーターの例としては、特に、表4に列挙されるプロモーターが挙げられる。表4に列挙されたプロモーターは、例証目的のみで提供され、かつ本発明は、表4によって提供されたリストによって限定されない。当業者は、容易に、本発明を実施するのに有用なさらなるプロモーターを提供する立場にある。
構成性プロモーターまたは植物全体に亘って発現を誘導するプロモーターの場合、このような配列は、表4に列挙される1以上の組織特異的なプロモーターに由来するヌクレオチド配列、あるいは、1以上の上記の組織特異的誘導性プロモーターに由来するヌクレオチド配列を付加して、その植物における組織特異性を与えることよって改変されることが好ましい。例えば、CaMV 35Sプロモーターは、上述した(Ellisら,1987)ように、トウモロコシAdh1プロモーター配列を付加し、その上での嫌気的に調節される根特異的発現を与えることによって改変され得る。別の例は、CaMV35SプロモーターをトウモロコシのグリシンリッチプロテインGRP3遺伝子のエレメントに融合することによって根特異的遺伝子または根多量性遺伝子の発現を与えることを記載している(FeixおよびWulff 2000−WO0015662)。このような改変は、当業者によって慣用的な実験によって達成され得る。
「ターミネーター」との用語は、転写の終止のシグナルとなる転写単位の末端のDNA配列をいう。ターミネーターは、ポリアデニル化シグナルを含む3’側の非翻訳DNA配列であり、この配列は、ポリアデニレート配列を一次転写物の3’末端側に付加することを容易にする。ウイルス、酵母、コケ類、細菌、昆虫、鳥類、哺乳類ならびに植物に由来する細胞において活性なターミネーターは、公知であり、刊行物において記載されている。これらは、細菌、真菌、ウイルス、動物および/または植物から単離され得る。
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本発明の遺伝子構築物における使用に特に適切なターミネーターの例としては、Agrobacterium tumefaciensノパリンシンターゼ(NOS)遺伝子ターミネーター、Agrobacterium tumefaciensオクトピンシンターゼ(OCS)遺伝子ターミネーター配列、Cauliflowerモザイクウイルス(CaMV)35S遺伝子ターミネーター配列、Oryza sativa ADP−グルコースピロホスホリラーゼターミネーター配列(t3’Bt2)、Zea maysゼイン遺伝子ターミネーター配列、rbcs−1A遺伝子ターミネーター、およびrbcs−3A遺伝子ターミネーター配列などが挙げられる。
本発明の好ましいプロモーター配列としては、根特異的プロモーターおよび種子特異的プロモーター(表5、表4、ならびに実施例において概略されているものが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。
表5.本発明の実施における使用のための例示的な根部特異的プロモーター
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当業者は、本発明の実施における使用について適切であり得るさらなるプロモーター配列およびターミネーター配列を理解する。このような配列は、過度の実験なしに容易に使用され得る。
本発明の文脈において、遺伝子またはタンパク質の「異所性発現」または「異所性過剰発現」は、天然の条件下では通常存在しない遺伝子またはタンパク質の発現パターンおよび/または発現レベルをいい、より具体的には、増加した発現および/または増加した発現レベルを意味する。異所性発現は、そのタンパク質をコードするコード配列と単離された相同性プロモーターまたは異種プロモーターとを作動可能に連結して、キメラ遺伝子を生成する工程、および/またはそのコード配列とそれ自体の単離されたプロモーター(すなわちそのタンパク質の発現を天然に駆動する非単離のプロモーター)とを作動可能に連結して、組換え遺伝子複製または遺伝子倍加効果を生成する工程を含む多数の方法で達成され得る。「異所性同時発現」は、2つ以上の遺伝子またはタンパク質の異所性発現または異所性過剰発現を意味する。同じの、より好ましくは、異なるプロモーターは、その遺伝子またはタンパク質の異所性発現をいうのに使用される。
好ましくは、本発明の文脈において使用されるプロモーター配列は、サイトカイニンオキシダーゼタンパク質もしくはホモログ、誘導体または前出で規定されるその免疫学的に活性なフラグメントおよび/あるいは機能的フラグメントをコードするコード配列またはオープンリーディングフレーム(ORF)に作動可能に連結される。
本明細書で使用される場合、「発現のダウンレギュレーション」とは、より低い遺伝子発現のレベルおよび/またはより低い活性な遺伝子産物のレベルおよび/またはより低い遺伝子産物活性のレベルを意味する。発現の減少は、例えば、プロモーター配列に対するセンス方向(同時発現が生じる場合)か、またはアンチセンス方向における、コード配列またはその部分の添加によって、さらに、例えば、挿入変異誘発(例えば、T−DNA挿入もしくはトランスポゾン挿入)によって、または例えば、AngellおよびBaulcombe(1988−WO9836083)、Loweら(1999−WO9853083)、Ledererら(1999−WO9915682)あるいはWangら(1999−WO9953050)により記載される遺伝子サイレンシングストラテジーによって達成され得る。サイレンシング遺伝子発現が目的の遺伝的構築物は、プロモーター配列に対してセンス方向および/またはアンチセンス方向において、そこに含まれる遺伝子(または、その1つ以上の部分)のヌクレオチド配列を有し得る。遺伝子発現をダウンレギュレートするための別の方法は、リボザイムの使用を含む。
活性な遺伝子産物のレベルまたは遺伝子産物活性のレベルの調節(低下を含む)は、細胞、組織、器官または生物を、その遺伝子産物、ホモログ、誘導体および/もしくはその免疫学的に活性なフラグメントに投与するか、または曝露することによって達成され得る。免疫調節は、活性な遺伝子産物のレベルおよび/または遺伝子産物活性のレベルをダウンレギュレートし得る技術の別の例であり、細胞、組織、器官または生物にか、またはそれらの中における、その遺伝子産物に対する抗体の投与、または曝露、または発現を包含し、ここで、遺伝子産物および/または遺伝子産物活性のレベルは、調節されるべきである。このような抗体は、「植物抗体(plantibody)」、一本鎖抗体、IgG抗体および重鎖ラクダ抗体ならびにそのフラグメントを含む。
活性な遺伝子産物または遺伝子産物活性のレベルを調節(低下させることを含む)することは、さらに、細胞、組織、器官または生物を、その遺伝子産物のアゴニストまたはその活性に投与または曝露することによって達成され得る。このようなアゴニストとしては、タンパク質(例えば、キナーゼおよびプロテイナーゼを含む)ならびに前記のように本発明に従って同定される化学的化合物が挙げられる。
本発明の文脈において、より以前に規定されるようなサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子の発現のダウンレギュレーションは、想像される。好ましくは、このサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子は、植物サイトカイニンオキシダーゼ遺伝子であり、より好ましくはAtCKXである。本発明はさらに、サイトカイニンオキシダーゼタンパク質またはサイトカイニンオキシダーゼ活性のレベルのダウンレギュレーションを包含し、それによって、このサイトカイニンオキシダーゼタンパク質は、前記に規定される。好ましくは、このサイトカイニンオキシダーゼタンパク質は、植物サイトカイニンオキシダーゼであり、より特にはAtCKXである。
「細胞発生運命および/または植物発生および/または植物形態学および/または生化学および/または生理学を改変する」とは、植物の1つ以上の発生特性および/または形態学的特性および/または生化学的特性および/または生理学的特性が、本明細書に記載される本発明に関与する1つ以上の工程の実施によって変更されることを意味する。
「細胞運命」とは、植物発生もしくはそのための細胞プロセスの間に産生される特定の細胞の、または特に細胞周期の間についての細胞プロセスの、または細胞周期プロセスの結果としての細胞型もしくは細胞特性をいう。
「植物発生」または用語「植物発生特性」または類似の用語は、本明細書で使用される場合、植物細胞、特に、先祖細胞が発生する特定の組織型または器官型の発生運命を決定する際に関与する植物の任意の細胞プロセスを意味すると見なされる。植物発生に関連する細胞プロセスは、当業者に公知である。このようなプロセスとしては、例えば、形態発生、光形態発生、苗条発生、根部発生、栄養体発生、再生発生、幹伸長、開花、ならびに細胞運命の決定の際に関与する調節機構、特に、細胞周期に関与するプロセスまたは調節プロセスが挙げられる。
「植物形態学」または用語「植物形態学特性」または類似の用語は、本明細書で使用される場合、植物の外観(1つ以上の構造的特徴またはその構造的特徴の組み合わせを含む)をいうことは、当業者によって理解される。このような構造的特徴としては、植物の任意の細胞、細胞の組織もしくは器官または細胞、細胞の組織もしくは器官の群(根、幹、葉、苗条、茎、毛、花、花弁、気孔、花柱、おしべ、花粉、胚珠、種子、胚子、胚乳、種皮、アリューロン、繊維、果実、形成層、木質、心材、実質組織、通気組織、篩要素、師部または脈管組織など)の形状、サイズ、数、位置、色、組織、配置、ならびに模様が挙げられる。
「植物生化学」または用語「植物性化学的特性」または類似の用語は、本明細書で使用される場合、植物の代謝プロセスまたは触媒プロセス(1次代謝および2次代謝ならびにその産物(植物によって産生される、任意の低分子、高分子または化学的化合物(例えば、デンプン、糖、タンパク質、ペプチド、酵素、ホルモン、成長因子、核酸分子、セルロース、ヘミセルロース、カロース、レクチン、繊維、色素(例えば、アントシアニン)、ビタミン、ミネラル、微量栄養素または多量栄養素が挙げられるが、これらに限定されない)を含む))をいうことは、当業者によって理解される。
「植物生理学」または用語「植物生理学的特性」または類似の用語は、本明細書で使用される場合、植物の機能的プロセス(発生プロセス(例えば、成長、展開および分化、性発生、性生殖、種子設定、種子発生、穀粒充填、無性生殖、細胞分裂、休止状態、光順応、発芽光合成、葉拡大、繊維生成、2次成長または木質生成など)を含む;外部から適用される因子(例えば、金属、化学物質、ホルモン、成長因子)および環境ならびに環境ストレス因子(例えば、無酸素、低酸素、高温、低温、脱水、光、光周期、冠水、塩、重金属など)に対する植物の応答(この外部から適用される因子に対する植物の順応応答を含む))をいうと理解される。
組換えDNAを植物組織または植物細胞に導入するための手段としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:CaClおよびそのバリエーションを用いる形質転換(特に、Hanahan(1983)により記載される方法)、プロトプラストへのDNAの直接取り込み(Krensら、1982;Paszkowskiら、1984)、プロトプラストへのPEG媒介取り込み(Armstrongら、1990)、微粒子衝撃、エレクトロポレーション(Frommら、1985)、DNAのマイクロインジェクション(Crosswayら、1986)、組織外植片または組織細胞の微粒子衝撃(Christouら、1988;Sanford、1988)、核酸を有する組織の真空浸潤、または植物の場合、Agrobacteriumから植物組織へのT−DNA媒介輸送(Anら(1985)Doddsら(1985)、Herrera−Estrellaら(1983a、1983b、1985)によって本質的に記載される)。単子葉植物の形質転換のための方法は、当該分野で周知であり、以下が挙げられる:Agrobacterium媒介形質転換(Chengら1997−WO9748814;Hansen 1998−WO9854961;Hieiら、1994−WO9400977;Hieiら、1998−WO9817813;Rikiishiら、1999−WO9904618;Saitoら、1995−WO9506722)、微粒子銃(Adamsら、1999−米国特許第5,969,213号;Bowenら、1998−米国特許第5,736,369号;Changら、1994−WO9413822;Lundquistら、1999−米国特許第5,874,265号/米国特許第5,990,390号;VasilおよびVasil、1995−米国特許第5,405,765号;Walkerら、1999−米国特許第5,955,362号)、DNA取り込み(Eyalら、1993−WO9318168)、Agrobacterium細胞のマイクロインジェクション(von Holt、1994−DE4309203)ならびに超音波処理(Finerら、1997−米国特許第5,693,512号)。
細胞の微粒子銃については、微粒子が、細胞中へと推進され、形質転換された細胞を生成する。任意の適切な衝撃細胞形質転換方法論および装置は、本発明の実施の際に使用され得る。例示的な装置および手順は、Stompら(米国特許第5,122,466号)ならびにSanfordおよびWolf(米国特許第4,945,050号)によって開示される。衝撃形質転換手順を使用する場合、遺伝子構築物は、形質転換されるべき細胞において複製し得るプラスミドを組み込み得る。このようなシステムにおける使用に適切な微粒子の例としては、1〜5μmの金粒子が挙げられる。DNA構築物は、任意の適切な技術(例えば、沈殿)によって微粒子上に堆積し得る。
完全植物は、当該分野で周知の手順に従って、形質転換されたまたはトランスフェクトされた細胞から再生成され得る。続くクローン増殖し得る(器官形成または胚形成のいずれかによる)植物組織は、本発明の遺伝子構築物により形質転換され、それから完全植物が再生成され得る。選択された特定の組織は、形質転換される特定の種に対して利用可能であり、最も適するクローン増殖系に依存する。例示的な組織標的としては、葉横紋、花粉、胚、子葉、胚軸、大型配偶体、カルス組織、存在する分裂組織(例えば、頂端分裂組織、腋芽、および根分裂組織)、ならびに誘導された分裂組織(例えば、子葉分裂組織および胚軸分裂組織)が挙げられる。
用語「器官形成」は、本明細書で使用される場合、苗条および根が、分裂組織中心から連続的に発生するプロセスを意味する。
用語「胚形成」は、本明細書で使用される場合、苗条および根が、体細胞または配偶子のいずれかから、協同した様式(連続的でない)で一緒に発生するプロセスを意味する。
好ましくは、植物は、本発明の方法に従って生成され、任意の当該分野で認識される手段(例えば、微粒子銃、マイクロインジェクション、Agrobacterium媒介形質転換(planta形質転換を含む)、プロトプラスト融合、またはエレクトロポレーションなど)によって、トランスフェクトされるか、または遺伝子配列により形質転換されるか、またはタンパク質の導入に寛容である。最も好ましくは、その植物は、Agrobacterium媒介形質転換によって生成される。
植物、酵母、カビまたは糸状菌のAgrobacterium媒介形質転換あるいはアグロリスティック(agrolistic)は、T−DNAと呼ばれる形質転換ベクター配列の部分の核への輸送、および真核生物のゲノムにおけるこのT−DNAの組み込みに基づく。
「Agrobacterium」は、Agrobacteriaceaeのメンバー、より好ましくは、AgrobacteriumまたはRhizobacteriumおよび最も好ましくはAgrobacterium tumefaciensを意味する。
「T−DNA」、または輸送されたDNAは、Agrobacterium vir遺伝子の活性化後に、T−DNA境界においてニック形成され、そして真核生物細胞の核に対する一本鎖DNAとしてトランスフェクトされるT−DNAと隣接する形質転換ベクターの部分を意味する。
本明細書で使用される場合、「T−DNA境界」、「T−DNA境界領域」、または「境界領域」は、右T−DNA境界(RB)または左T−DNA境界(LB)のいずれかを意味する。このような境界は、T−DNA隣接境界の部分としての境界内部領域および/またはベクター骨格隣接境界の部分としての境界外部領域によって隣接されるコア配列を含む。コア配列は、オクトピン型ベクターの場合には22bpを含み、そしてノパリン型ベクターの場合には25bpを含む。右境界領域および左境界領域におけるコア配列は、不完全な反復を形成する。境界コア配列は、少なくともVirD1およびVirD2からなるAgrobacteriumニック形成複合体による認識および処理について必要不可欠である。T−DNAに隣接するコア配列は、そのT−DNAの輸送を促進するのに十分である。しかし、そのコア配列にのみ隣接されるT−DNAを保有する形質転換ベクターを用いる形質転換の効率は、低い。境界内部領域および境界外部領域は、T−DNA輸送の有効性を調節することが知られている(Wangら、1987)。T−DNA輸送を増強させる1つの要素は、右境界外部領域において特徴付けおよび存在し、そしてoverdriveと呼ばれる(Paraltaら、1986、van Haarenら、1987)。
「T−DNA形質転換ベクター」または「T−DNAベクター」は、少なくともそれぞれ右および左の境界コア配列からなる右および左のT−DNA境界に隣接するT−DNA配列を包含する任意のベクターを意味し、そして任意の真核生物細胞の形質転換に使用される。
「T−DNAベクター骨格配列」は、T−DNA境界の外側、そしてより具体的には、境界コア不完全反復のニック形成部位の外側に存在するベクターを含むT−DNAの全てのDNAを意味する。
本発明は、最適化されたT−DNAを含み、その結果、真核生物細胞のゲノムにおけるベクター骨格統合は、最小限にされるか、または存在しない。「最適化されたT−DNAベクター」とは、ベクター骨格配列の真核生物細胞のゲノムへの輸送を減少または廃止のいずれかするように設計されたT−DNAベクターを意味する。このようなT−DNAベクターは、当業者に公知であり、Hansonら(1999)およびStuiverら(1999−WO9901563)に記載のものを含む。
バイナリー形質転換ベクター、超バイナリー形質転換ベクター、同時組み込み形質転換ベクター、Ri誘導型形質転換ベクターを含む任意のT−DNAにおいて、ならびに、アグロリスティック(agrolistic)形質転換に使用されるT−DNA保有ベクターにおいて、本発明は、サイトカイニンオキシダーゼ、ホモログ、誘導体もしくは前出のようなその免疫学的に活性なおよび/または機能的フラグメントをコードするDNA配列の封入を明確に考慮する。好ましくは、このサイトカイニンオキシダーゼは、植物サイトカイニンオキシダーゼであり、より好ましくは、Arabidopsis thaliana(At)CKXである。
「バイナリー形質転換ベクター」とは、以下:
(a)形質転換されるべき真核生物細胞において活性な目的の少なくとも1つの遺伝子および/または少なくとも1つの選択可能なマーカーを含むT−DNA領域;ならびに
(b)E.coliおよびAgrobacteriumにおいて活性な少なくとも1つの複製の起源ならびにE.coliおよびAgrobacteriumにおける選択についてのマーカーを含むベクター骨格領域、
を含む、t−DNA形質転換ベクターを意味する。
バイナリー形質転換ベクターのT−DNA境界は、オクトピン型またはノパリン型のTiプラスミド由来もしくはその両方由来であり得る。バイナリーベクターのT−DNAは、ヘルパープラスミドと組み合わせて、真核生物細胞にのみ輸送される。
「ヘルパープラスミド」は、Agrobacteriumにおいて安定に維持され、T−DNAの輸送を可能にするのに必要なvir遺伝子のセットを少なくとも保有するプラスミドを意味する。このvir遺伝子のセットは、オクトピン型またはノパリン型のTiプラスミド由来もしくはその両方由来であり得る。
「超バイナリー形質転換ベクター」は、ベクター骨格領域において、極めて有毒なA.tumefaciens系統A281(EP0604662、EP0687730)のTiプラスミドpTiBo542のvir領域をさらに保有するバイナリー形質転換ベクターを意味する。超バイナリー形質転換ベクターは、ヘルパープラスミドと組み合わせて使用される。
「同時組み込み形質転換ベクター」は、以下:
(a)植物において活性な、少なくとも1つの目的遺伝子および/または少なくとも1つの選択可能なマーカーを含むT−DNA領域;ならびに
(b)Escherichia coliおよびAgrobacteriumにおいて活性な少なくとも1つの複製の起源ならびにE.coliおよびAgrobacteriumにおける選択についてのマーカー、ならびにT−DNAの輸送を可能にするのに必要なvir遺伝子セットを含むベクター骨格領域、
を少なくとも含む、t−DNAベクターを意味する。
T−DNA境界および上記T−DNAベクターのvir遺伝子の上記セットが、オクトピン型もしくはノパリン型のTiプラスミドのいずれか、またはその両方から得られ得る。
「Ri由来植物形質転換ベクター」は、そのT−DNA境界が、Tiプラスミドから由来するバイナリ形質転換ベクターを意味し、このバイナリ形質転換ベクターは、vir遺伝子の必要なセットを有する「ヘルパー」Riプラスミドとともに使用される。
本明細書中で使用される場合、用語「選択マーカー遺伝子」または「選択マーカー」または「選択用マーカー」は、発現されて、細胞の同定および/または選択を容易にする、細胞に表現型を付与する任意の遺伝子(これは、本発明の遺伝子構築物またはその誘導体にトランスフェクトまたは形質転換される)を含む。本明細書中で企図される適切な選択マーカー遺伝子としては、とりわけ、アンピシリン耐性(Amp)、テトラサイクリン耐性遺伝子(Tc)、細菌カナマイシン耐性遺伝子(Kan)、ホスフィノスリシン耐性遺伝子、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(nptll)、ハイグロマイシン耐性遺伝子、β−グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子、緑色蛍光タンパク質(gfp)遺伝子(Haseloffら,1997)、およびルシフェラーゼ遺伝子が挙げられる。
「農業科学的導入(agrolistics)」、「農業科学的形質転換」または「農業科学的移入」によって、ここでAgrobacterium媒介性形質転換の特徴と微粒子銃(biolistic)DNA送達の特徴とを組み合わせた形質転換方法を意味する。このように、T−DNA含有標的プラスミドは、VirE2ありまたはなしでVirD1およびVirD2の植物生成において可能なDNA/RNAを用いて同時に送達される(HansenおよびChilton 1996;Hansenら,1997;HansenおよびChilton 1997−WO9712046)。
「外来DNA」によって、組換え技術によって宿主のゲノムに導入される任意のDNA配列を意味する。上記の外来DNAは、例えば、T−DNA配列またはその一部(例えば、発現可能な様式において選択マーカーを含むT−DNA配列)を含む。外来DNAは、さらに、上記で規定される介在DNA配列を含む。
「組換え事象」によって、部位特異的組換え事象またはトランスポゾン「移動(ジャンピング)(jumping)」によってもたらされる組換え事象のいずれかを意味する。
「リコンビナーゼ」によって、部位特異的リコンビナーゼまたはトランスポザーゼのいずれかを意味する。
「組換え部位」によって、部位特異的組換え部位またはトランスポゾン境界配列のいずれかを意味する。
「部位特異的組換え事象」によって、一般に、以下の3つのエレメントからなるシステムによって触媒される事象を意味する:一対のDNA配列(部位特異的組換え配列または部位)および特定の酵素(部位特異的リコンビナーゼ)。部位特異的リコンビナーゼは、部位特異的組換え配列の配向に依存して、2つの部位特異的組換え配列の間でのみ、組換え反応を触媒する。2つの部位特異的組換え部位の間に介在する配列は、部位特異的組換え配列が、互いに対して反対の方向に配向されている場合(すなわち、逆反復)に、部位特異的リコンビナーゼの存在下で逆にされる。部位特異的組換え配列が、互いに対して同じ方向(すなわち、直接反復(direct repeats))に配向される場合、任意の介在配列は、部位特異的リコンビナーゼとの相互作用の際に欠失される。従って、部位特異的組換え配列が、真核生物ゲノムに組み込まれた外来DNA配列の両端にて直接反復として存在する場合、上記配列のこのような組み込みは、その後、部位特異的組換え配列の、対応する部位特異的リコンビナーゼとの相互作用によって逆にされ得る。
多くの異なる部位特異的リコンビナーゼ系が使用され得、これらの系としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:バクテリオファージP1のCre/lox系、酵母のFLP/FRT系、ファージμのGinリコンビナーゼ、E.coliのPinリコンビナーゼ、Shigella由来のPinB、PinDおよびPinF、ならびにpSR1プラスミドのR/RS系。リコンビナーゼは、一般に、インテグラーゼ、レゾルバーゼ、またはフリッパーゼである。また二重特異的(dual−specific)リコンビナーゼは、二重特異的リコンビナーゼに対応する2つの異なる部位特異的組換え部位の直接反復または関節反復とともに使用され得る(W099/25840)。この2つの好ましい部位特異的リコンビナーゼ系は、バクテリオファージP1 Cre/loxおよび酵母FLP/FRT系である。これらの系において、リコンビナーゼ(CreまたはFLP)は、そのそれぞれの部位特異的組換え配列(それぞれ、loxまたはFRT)と特異的に相互作用し、その介在配列を逆にするかまたは切り出す。これら2つの系の各々についての部位特異的組換え配列は、比較的短い(loxについては34bpおよびFRTについては47bp)。これらの系のいくつかは、タバコ(Daleら.1990)およびArabidopsis(Osborneら.1995)のような植物において高効率により、既に使用されている。部位特異的組換え系は、相同組換えの制御のため(例えば、US5527695)、標的化された導入のため、遺伝子スタッキングなどのため(WO99/25821)および複雑なT−DNA組み込みパターンの解明または選択マーカーの切り出しのため(WO99/23202)の方法を含め、植物分子生物学において多くの適用を有する。
その部位特異的組換え配列は、DNAの末端に連結されて、切り出されるかまたは逆にされなければならないが、部位特異的リコンビナーゼをコードする遺伝子は、何れの場所にも位置し得る。例えば、リコンビナーゼ遺伝子は、既に、真核生物のDNA中に存在し得るか、あるいは細胞に直接導入されるか、または交配もしくは他家受粉を通じてかのいずれかによって後に導入されるDNAフラグメントにより供給され得る。あるいは、実質的に精製されたリコンビナーゼタンパク質は、例えば、マイクロインジェクションまたは微粒子銃により、真核生物細胞に直接導入され得る。代表的には、その部位特異的リコンビナーゼコード領域は、調節配列に作動可能に連結され、真核生物細胞における部位特異的リコンビナーゼの発現を可能にする。
「トランスポゾンの移動によってもたらされる組換え事象」または「トランスポザーゼ媒介性組換え」によって、以下の3つのエレメントからなる系によって触媒される組換え事象を意味する:一対のDNA配列(トランスポゾン境界配列)および特定の酵素(トランスポザーゼ)。そのトランスポザーゼは、逆反復として配置されている2つのトランスポゾン境界配列の間の組換え反応のみを触媒する。
多くの異なるトランスポゾン/トランスポザーゼ系が使用され得、これらの系としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Ds/Ac系、Spm系およびμ系。これらの系は、トウモロコシに端を発するが、少なくともDs/AcおよびSpm系は、他の植物においても機能することが示された(Fedoroffら.1993,Schlappiら.1993,Van Sluysら.1987)。11bp境界配列および13bp境界配列によって、それぞれ輪郭が示される、Ds型トランスポゾンおよびSpm型トランスポゾンが好ましい。
トランスポゾン境界配列は、DNAの末端に連結されて、切り出されなければならないが、トランスポザーゼをコードする遺伝子は、何れの場所にも位置され得る。例えば、リコンビナーゼ遺伝子は、真核生物のDNAに既に存在し得るか、あるいは細胞に直接導入されるか、または交配もしくは他家受粉を通じてかのいずれかによって後に導入されるDNAフラグメントにより供給され得る。あるいは、実質的に精製されたトランスポザーゼタンパク質は、例えば、マイクロインジェクションまたは微粒子銃により、細胞に直接導入され得る。
本発明の一部として、トランスポゾン境界配列は、それらが、上記DNA配列の外側に存在し、上記DNAを、トランスポザーゼの作用によって動き得るトランスポゾン様実体に形質転換するように、外来DNA配列に含まれる。
トランスポゾンは、しばしば、宿主ゲノムの別の遺伝子座に再組み込みされるので、トランスポザーゼが作用可能であった宿主の子孫の分離は、例えば、トランスポゾンフットプリントのみを含む形質転換宿主およびなお外来DNAを含む形質転換宿主を分離するために必要であり得る。
本発明を実施するにあたり、その遺伝的エレメントは、好ましくは、例えば、細胞におけるリコンビナーゼタンパク質の発現によって、移動するように誘導され、これは、遺伝的エレメントの組み込み部位を接触させて、そこでの組換え事象を容易にし、遺伝的エレメントを完全に切り出すか、あるいは一般に、本来の組み込み部位に約20ヌクレオチド以上の長さである「フットプリント」を残す。本発明の方法に従って生成されたそれらの宿主および宿主部分は、同じものを含む移動可能な遺伝的エレメントまたは遺伝子構築物の存在を検出するために、標準的核酸ハイブリダイゼーションおよび/または増幅技術によって同定され得る。あるいは、移動可能な遺伝的エレメントが切り出された形質転換宿主細胞、組織および宿主の場合、このような技術を使用して、宿主のゲノムにおいて、切り出し事象の後に残ったフットプリントを検出することが可能である。
本明細書中で使用される場合、用語「フットプリント」とは、移動可能な遺伝的エレメントの、上記遺伝子構築物で先に形質転換された細胞のゲノムからの切り出し、欠失または他の除去によって生成される、本明細書中で記載されるものと同じもの含む、移動可能な遺伝的エレメントまたは遺伝子構築物の任意の誘導体をいうものとする。フットプリントは、一般に、切り出しを促進するために使用される組換え遺伝子座またはトランスポゾンの少なくとも1つの単一のコピーを含む。しかし、フットプリントは、遺伝子構築物に由来するさらなる配列(例えば、左側境界配列、右側境界配列、複製起点、使用される場合はリコンビナーゼコード配列もしくはトランスポザーゼコード配列に由来するヌクレオチド配列)、または他のベクターに由来するヌクレオチド配列を含み得る。従って、フットプリントは、使用される遺伝子構築物の組換え遺伝子座もしくはトランスポゾンのヌクレオチド配列(例えば、lox部位またはfrt部位に対応するか、またはこれらの部位に相補的なヌクレオチド配列)に従って、同定可能である。
用語「細胞周期」とは、細胞の増殖および分裂と関連する、特にDNAの複製および有糸分裂の調節に関連する、周期的な生化学的かつ構造的事象を意味する。細胞周期は、以下のように呼ばれる相を含む:G0、Gap1(G1)、DNA合成(S)、Gap2(G2)、および有糸分裂(M)。通常は、これら4つの相は、連続的に生じるが、細胞周期はまた、改変された周期を含む。ここで、1つ以上の相がなく、改変された細胞周期(例えば、内部倍数性、母性効果変異体、倍数性、ポリテニー、および核内倍加)を生じる。
用語「細胞周期進行」とは、異なる細胞周期相を通過するプロセスをいう。用語「細胞周期進行速度」とは、従って、上記細胞周期相が通り抜ける速度または上記細胞周期相を完了するために必要な時間範囲をいう。
「ツーハイブリッドアッセイ」によって、多くの真核生物転写因子が、2つのドメイン、すなわちDNA結合ドメイン(DB)および活性化ドメイン(AD)を含むという観察に基づくアッセイを意味する。これらのドメインは、物理的に分離している(すなわち、共有結合の破壊)と、標的遺伝子発現をもたらさない。DBに融合される上記タンパク質のうちの一方およびADに融合される上記タンパク質のうちの他方と物理的に相互作用し得る2つのタンパク質は、標的遺伝子発現において生じる転写因子のDBドメインおよびADドメインを再結合する。酵母ツーハイブリッドアッセイにおける標的遺伝子は、通常は、ガラクトシダーゼ遺伝子のようなレポーター遺伝子である。酵母ツーハイブリッドアッセイにおけるタンパク質パートナーの間の相互作用は、従って、レポーター遺伝子産物の活性を測定することによって定量され得る(BartelおよびFields 1997)。あるいは、哺乳動物ツーハイブリッド系が使用され得、例えば、この系は、キメラ緑色蛍光タンパク質をコードするレポーター遺伝子を含む(Shiodaら,2000)。
さらに、本発明のタンパク質の構造モチーフの折りたたみシミュレーションおよびコンピューター再設計は、適切なコンピュータープログラムを使用して行われ得る(Olszewski,Proteins 25(1996),286−299;Hoffman,Comput.Appl.Biosci.1(1995),675−679)。タンパク質折りたたみのコンピュータモデリングは、詳細なペプチドモデルおよびタンパク質モデルの立体配座分析およびエネルギー分析のために使用され得る(Monge,J.Mol.Biol.247(1995),995−1012;Renouf,Adv.Exp.Med.Biol.376(1995),37−45)。特に、適切なプログラムは、相補的ペプチド配列についてのコンピューター補助検索により、サイトカイニンオキシダーゼ、そのリガンドまたは他の相互作用タンパク質の相互作用部位の同定のために使用され得る(Fassina,Immunomethods 5(1994),114−120)。さらに、タンパク質およびペプチドの設計のための適切なコンピューターシステムは、先行技術において記載される(例えば、Berry,Biochem.Soc.Trans.22(1994),1033−1036;Wodak,Ann,N.Y.Acac.Sci.501(1987),1−13;Pabo,Biochemistry 25(1986),5987−5991において)。上記のコンピューター分析から得られた結果は、例えば、本発明のタンパク質のペプチド模倣物またはそのフラグメントの調製のために使用され得る。タンパク質の天然のアミノ酸配列のこのような偽ペプチドアナログは、非常に効率的に親タンパク質を模倣し得る(Benkirane,J.Biol.Chem.271(1996),33218−33224)。例えば、容易に利用可能なアキラルΩ−Dアミノ酸残基の、本発明のタンパク質またはそのフラグメントへの組み込みは、脂肪族鎖のポリメチレン単位によるアミノ結合の置換を生じ、それにより、ペプチド模倣物を構築するための都合の良いストラテジーを提供する(Banerjee,Biopolymers 39(1996),769−777)。他のシステムにおける小ペプチドホルモンの過剰活性(Superactive)ペプチド模倣アナログは、先行技術において記載される(Zhang,Biochem.Biophys.Res.Commun.224(1996),327−331)。本発明のタンパク質の適切なペプチド模倣物はまた、連続的アミンアルキル化を介したペプチド模倣コンビナトリアルライブラリーの合成および得られた化合物を(例えば、それらの結合特性、キナーゼ阻害性特性および/または免疫学的特性について)試験することによって同定され得る。ペプチド模倣コンビナトリアルライブラリーの作製および使用の方法は、先行技術において記載されている(例えば、Ostresh,Methods in Enzymology 267(1996),220−234およびDorner,Bioorg.Med.Chem.4(1996),709−715)。
さらに、本発明のタンパク質の三次元構造および/または結晶構造が、本発明のタンパク質の生物学的活性のペプチド模倣インヒビターの設計のために使用され得る(Rose,Biochemistry 35(1996),12933−12944;Ruterber,Bioorg.Med.Chem.4(1996),1545−1558)。
本発明の方法において得られるかまたは同定される化合物は、本発明の核酸、ペプチドまたはタンパク質のいずれかに結合し得る化合物であり得る。同定される他の目的の化合物は、上記遺伝子またはタンパク質のいずれかの発現が、上記化合物の作用によって増強または減少されるような様式において、本発明の遺伝子またはタンパク質の発現を調節する化合物である。あるいは、この化合物は、本発明の任意のタンパク質の活性を増強または減少することによってその作用を発揮し得る。本明細書中で好ましいタンパク質は、新規なサイトカイニンオキシダーゼである。
上記化合物または複数の化合物は、例えば、サンプル(例えば、植物、動物または微生物からの例えば細胞抽出物)中に含まれ得る。さらに、上記化合物は、当該分野で公知であり得るが、今まで、サイトカイニンオキシダーゼ相互作用タンパク質を抑制または活性化し得ることは知られていない。反応混合物は、細胞または組織培養物の無細胞抽出物であってもよいし、細胞または組織培養物を含んでいてもよい。本発明の方法に従う適切な設定は、当業者に公知であり、例えば、一般に、Albertsら,Molecular Biology of the Cell,第3版(1994)、特に第17章において記載される。複数の化合物は、例えば、反応混合物、培養培地に添加され得るか、または細胞に注入され得る。
化合物を含むサンプルが本発明の方法において同定される場合、アゴニストとして作用し得る化合物を含むと同定される本来のサンプルからその化合物を単離することが可能であり得るか、または例えば、複数の異なる化合物からなる場合、1サンプルにつき異なる物質の数を減少し、本来のサンプルの細分によってこの方法を反復するために、本来のサンプルをさらに細分し得るかのいずれかである。サンプルの複雑性に依存して、上記の工程は、好ましくは、本発明の方法に従って同定されるサンプルが、限定数のまたは唯一の物質を含むのみであるまで数回行われ得る。好ましくは、上記のサンプルは、物質または類似の化学的特性および/もしくは物理的特性を含み、最も好ましくは、上記物質は、同一である。好ましくは、上記の方法に従って同定される化合物またはその誘導体は、植物交配または植物細胞および組織培養物における適用に適切な形態にさらに処方される。
用語「早期強勢(early vigor)」とは、植物が、早期発生の間に迅速に生長する能力をいい、発芽後の、十分に発達した根系および十分に発達した光合成装置の首尾よい確立に関連する。
用語「倒伏に対する耐性」または「直立性(standability)」とは、植物が、土壌に対してそれ自体を固定する能力をいう。直立または半直立生長習性を有する植物に関して、この用語はまた、有害な(環境的)条件下で直立性の位置を維持する能力をいう。この形質は、根系の大きさ、深さおよび形態に関連する。
用語「接ぎ木(grafting)」とは、本明細書中で使用される場合、2つの異なる植物の一部を一緒に接ぎ(join)、その結果、それらが一緒に結合して、樹液が流れ得、従って、生長および発達し得る新たな単一の植物を形成することをいう。従って、接ぎ木は、2つの部分からなる:(i)下の部分は、本明細書中でいわれる場合、根茎であり、本質的には、根系および茎部分からなる、ならびに(ii)上の部分(接ぎ枝(scion)または接ぎ穂(graft))は、植物の空中部分を生じる。
本明細書中で使用される場合、tblastnとは、BLAST(基本的局所的アラインメント検索ツール)ファミリーのプログラム(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)の一部であるアラインメントツールをいう。BLASTは、最適な局所的アラインメント(すなわち、類似性の分離された領域のみを共有する配列の中での関係を検出するための2つの核酸配列またはタンパク質配列のある部分のアラインメント)の領域を同定することを目的とする(Altschulら,1990)。本発明において、BLAST 2.0統合ソフト(suite)のプログラムのtblastnを使用して、トウモロコシサイトカイニンオキシダーゼタンパク質配列を、全てのリーディングフレームにおいて動的に翻訳されたヌクレオチド配列データベースに対して比較する(Altschulら,Nucleic Acids Res. 25:3389−3402 (1997))。
以下の実施例は、本発明の例示によって提供され、決して限定ではない。本出願中に含められる全ての参考文献の内容は、それらが完全に記載されているかのように、本明細書中に参考として援用される。
(実施例1:本発明の配列の簡単な説明)
Figure 2005511090
Figure 2005511090
(実施例2.Arabidopsis thaliana由来の候補サイトカイニンオキシダーゼコード遺伝子の同定)
6個の異なる遺伝子を、トウモロコシ由来のサイトカイニンオキシダーゼに対する配列類似性を保有するArabidopsis thalianaから同定した(Morrisら、Biochem Biophys Res Comm 255:328−333,1999;Houda−Herinら、Plant J 17:615−626;WO99/06571)。これらの遺伝子を、トウモロコシタンパク質の配列を含む公的なゲノムデータベースからのヌクレオチド配列の6−フレーム翻訳を、tblastnプログラムを使用して、スクリーニングすることによって見出した。これらの配列を、Arabidopsis thalianaサイトカイニン−様遺伝子またはAtCKXと指定した。これらは、AtCKX1〜AtCKX6として任意に番号を付けた。以下のリストは、これらの遺伝子に対する情報を要約する。予測されたORF境界およびタンパク質配列は、Arabidopsisサイトカイニンオキシダーゼとトウモロコシサイトカイニンオキシダーゼとの間および異なるArabidopsisサイトカイニンオキシダーゼの間のタンパク質配列相違を近似することによって示すための指標である。示されるORF境界およびタンパク質配列は、これらのAtCKX遺伝子の作用の様式に対する決定的な証拠として取られないべきである。DNAとタンパク質配列との比較に対して、DNAstar製のプログラムMegAlignを使用した。このプログラムは、アライメントのためにClustal法を使用する。タンパク質配列とDNA配列とのマルチプルアライメントについて、ギャップペナルティーおよびギャップ長を、各10に設定した。タンパク質のペアワイズアライメントについて、パラメーターは、以下の通りであった:1で保存されたKtuple;3で保存されたギャップペナルティー;5で保存されたウィンドウ;5で保存されたダイアゴナル。cDNAのペアワイズアライメントについて、パラメーターは、以下の通りであった:2で保存されたKtuple;5で保存されたギャップペナルティー;4で保存されたウィンドウ;4で保存されたダイアゴナル。タンパク質のアライメントについての類似する群は以下である:(M,I,L,V)、(F,W,Y)、(G,A)、(S,T)、(R,K,H)、(E,D)、(N,Q)。Arabidopsis cDNA配列およびタンパク質配列の間で示される値は、全ての組み合わせを用いて示される最小値および最大値を示す。
(A.遺伝子名:AtCKX1(Arabidopsis thalianaサイトカイニンオキシダーゼ様タンパク質1(配列番号1)))
データベース中での位置(登録番号、bacの位置):AC002510、Arabidopsis thaliana 第II染色体、255の完全配列の第225節。クローンT32G6由来の配列。
データベースにおいて予測されるORF:
15517..16183、16415..16542、16631..16891、16995..17257、17344..17752
AtCKX1 cDNA配列は、配列番号25として列挙される。
予測されるタンパク質配列:配列番号2:
相同性
Z.mays cDNAとの%同一性:
31.5%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
Z.maysタンパク質との%類似性:
32.2%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsis cDNAとの%同一性(範囲):
38.2%(AtCKX2)−54.1%(AtCKX6)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsisタンパク質との%同一性(範囲):
37.1%(AtCKX2)−58.1%(AtCKX6)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
(B.遺伝子名:AtCKX2(Arabidopsis thalianaサイトカイニンオキシダーゼ様タンパク質2(配列番号3)))
データベース中での位置(登録番号、bacの位置):AC005917、Arabidopsis thaliana第II染色体、255の完全配列の第113節。F27F23,F3P11クローン由来の配列。
データベースにおいて予測されるORF:
相補体、40721..41012、41054..41364、41513..41770、42535..42662、43153..43711
留意してください:遺伝子予測プログラムNetPlantGene(http://www.cbs.dtu.dk/services/NetGene2/)を使用して本発明者らによって同定されたcDNA配列は、データベースにおいて注釈をつけられた配列とは異なる。新規のcDNA配列に基づいて、データベースにおいて予測されたORFを改訂した:
相補体、40721..41012、41095..41364、41513..41770、42535..42662、43153..43711
このcDNAによってコードされるタンパク質配列を、配列番号4に列挙する。AtCKX2のcDNAを、1工程RT−PCRキット(Qiagen,Hilden,Germany)を用いてAtCKX2トランスジェニック植物組織の全RNAからRT−PCRによってクローン化し、ABI PRISM Big Dye Terminator cycle sequencing reactionキット(Perkin Elmer Applied Biosystems Division)を使用して配列決定した。これは、本発明者らによって同定され、予想されたcDNA配列が正しいことを確認した。新規AtCKX2 cDNA配列を、配列番号26として列挙する。AtCKX2 cDNAのヌクレオチド1171〜1254に対応する84bpのフラグメントを、配列番号31として列挙する。この84bp cDNA配列の対応するペプチド配列を、配列番号32として列挙する。
相同性
Z.mays cDNAとの%同一性:
38.4%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
Z.maysタンパク質との%類似性:
37.5%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsis cDNAとの%同一性(範囲):
34.9%(AtCKX6)−64.5%(AtCKX4)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsisタンパク質との%類似性(範囲):
36.5%(AtCKX6)−66.1%(AtCKX4)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
(C.遺伝子名:AtCKX3(Arabidopsis thalianaサイトカイニンオキシダーゼ様タンパク質3(配列番号5)))
データベース中での位置(登録番号、bacの位置):AB024035、Arabidopsis thalianaゲノムDNA、第5染色体、P1クローン:MHM17、完全配列。
データベース中にORFの予測はなし。
以下の遺伝子を、いくつかの遺伝子予測プログラム(GRAIL(ftp://arthur.epm.ornl.gov/pub/xgrail)、Genscan(http://CCR−081.mit.edu/GENSCANhtml)およびNetPlantGene(http://www.cbs.dtu.dk/services/NetGene2/)を含む)を使用して、本発明者らが同定した:
相補体、29415..29718、29813..30081、30183..30443、30529..30656、32107..32716
本発明者らによって同定された新規のAtCKX3 cDNA配列を、配列番号27として列挙する。
予測されたタンパク質配列、自身のORF予測に基づく:配列番号6
相同性
Z.mays cDNAとの%同一性:
38.7%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
Z.maysタンパク質との%類似性:
39.2%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsis cDNA%同一性(範囲):
38.8%(AtCKX6)−51.0%(AtCKX2)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsisタンパク質との類似性(範囲):
39.9%(AtCKX6)−46.7%(AtCKX2)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
(D.遺伝子名:AtCKX4(Arabidopsis thalianaサイトカイニンオキシダーゼ様タンパク質4(配列番号7)))
データベース中での位置(登録番号、bacの位置):
1)AL079344、Arabidopsis thaliana DNA 第4染色体、BACクローンT16L4(ESSAプロジェクト)
2)AL161575、Arabidopsis thaliana DNA 第4染色体、コンティグフラグメント第71番目。
データベース中に予測されるORF:
1)76187..76814、77189..77316、77823..78080、78318..78586、78677..78968
2)101002..101629、102004..102131、102638..102895、103133..103401、103492..103783
AtCKX4 cDNA配列を、配列番号28として列挙する。
予測されたタンパク質配列:配列番号8
相同性
Z.mays cDNAとの%同一性:
41.0%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
Z.maysタンパク質との類似性
41.0%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsis cDNAとの%同一性(範囲):
35.2%(AtCKX6)−64.5%(AtCKX2)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsisタンパク質との%相同性(範囲):
35.1%(AtCKX6)−66.1%(AtCKX2)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
(E.遺伝子名:AtCKX5(Arabidopsis thalianaサイトカイニンオキシダーゼ様タンパク質5(配列番号9)))
データベース中での位置(登録番号、bacの位置):AC023754、F1B16、完全配列、第1染色体
データベース中にORFの予測はなし。
以下の遺伝子を、いくつかの遺伝子予測プログラム(GRAIL(ftp://arthur.epm.ornl.gov/pub/xgrail)、Genscan(http://CCR−081.mit.edu/GENSCANhtml)およびNetPlantGene(http://www.cbs.dtu.dk/services/NetGene2/)を含む)を使用して、本発明者らが同定した:
43756..44347、44435..44562、44700..44966、45493..45755、46200..46560
本発明者らによって同定され、予測された新規のAtCKX5 cDNA配列を、配列番号29として列挙する。このcDNAについての予測されたタンパク質配列を、配列番号10として列挙する。第2の潜在的なATG開始コドンは、ゲノム配列中に9ヌクレオチドを超えて上流に存在する。これら2つの開始コドンのうちどちらが、タンパク質の第1のアミノ酸をコードするかは不明である。従って、この上流開始コドンで開始する第2の潜在的なAtCKX5 cDNAをまた、本発明において配列番号34として列挙する。対応するゲノム配列を、配列番号33として列挙し、コードされるタンパク質を配列番号35として列挙する。
相同性
Z.mays cDNAとの%同一性:
39.1%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
Z.maysタンパク質との%類似性:
36.6%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsis cDNAとの%同一性(範囲):
40.1%(AtCKX2)−44.0%(AtCKX3)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsisタンパク質との%類似性(範囲):
41.6%(AtCKX4)−46.4%(AtCKX6)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
(F.遺伝子名:AtCKX6(Arabidopsis thalianaサイトカイニンオキシダーゼ様タンパク質6(配列番号11)))
データベース中での位置(登録番号、bacの位置):AL163818、Arabidopsis thaliana DNA 第3染色体、P1クローンMAA21(ESSAプロジェクト)
データベース中に予測されるORF:
46630..47215、47343..47470、47591..47806、47899..48161、48244..48565
AtCKX6 cDNA配列を、配列番号30として列挙する。
予測されたタンパク質配列:配列番号12
相同性
Z.mays cDNAとの%同一性:
37.3%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
Z.maysタンパク質との%類似性:
36.1%(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のArabidopsis cDNAとの%同一性(範囲):
34.9%(AtCKX2)−54.1%(AtCKX1)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
他のタンパク質との%類似性(範囲):
35.1%(AtCKX4)−58.1%(AtCKX1)(Dnastar/MegAlign−Clustal法)
遺伝子AtCKX3およびAtCKX5を、データベース中の推定サイトカイニンオキシダーゼとして注釈を付けず、これらの遺伝子に対するORFを与えなかった。さらに、AtCKX2について予測されたORF(従って、タンパク質構造)は、本出願人らの独自の予想とは異なり、本出願人らの予測を、AtCKX2 cDNAを配列決定することによって確認した。
Arabidopsis AtCKX遺伝子1〜4の遺伝子とトウモロコシCKX遺伝子との構造の比較を、図1に示す。
Arabidopsis AtCKX遺伝子によってコードされる予測タンパク質は、トウモロコシタンパク質と32%と41%との間の配列類似性を示す一方、これらは、互いに35%と66%との間の配列類似性を示す。この配列保存の低下に起因して、Arabidopsis AtCKX遺伝子が、サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするかどうかは、演繹的に明確というわけではない。Arabidopsis AtCKXの予測されたタンパク質1〜4およびトウモロコシCKX遺伝子のアライメントを、図2に示す。
(実施例3.AtCKX1を過剰発現するトランスジェニック植物は、サイトカイニンオキシダーゼ活性の増加を示し、植物形態学を変更した)
(1.クローニングプロセスの記載)
以下のプライマーを使用し、Arabidopsis thaliana(登録Columbia)由来のAtCKX−1遺伝子をPCR増幅した(クローニングのために使用された非相同配列は、下の場合である):
5’プライマーの配列:cggtcgacATGGGATTGACCTCATCCTTACG(配列番号13)
3’プライマーの配列:gcgtcgacTTATACAGTTCTAGGTTTCGGCAGTAT(配列番号14)。
これらのプライマーによって増幅された2235bpのPCRフラグメントを、pUC19のSalI部位に挿入した。挿入物を配列決定し、PCR増幅産物が、どの変異も含まなかったことを確認した。このベクターのSalI/SalIフラグメントを、二元ベクターpBinHyg−Tx(Gatzら、1992)中の改変CaMV 35Sプロモーター(3つのテトラサイクリンオペレーター配列を保有)の下流のSalI部位でサブクローン化した。得られた構築物を、標準的な形質転換プロトコルを使用するAgrobacterium媒介性形質転換によって、タバコおよびArabidopsis thalianaに導入した。
(2.トランスジェニック株の分子分析)
高いレベルでAtCKX1転写物を合成するいくつかのトランスジェニック株を、同定した(図3)。AtCKX1転写物を発現するトランスジェニック株はまた、記載されるように(Motykaら、1996)、[2−H]iPのアデニンへの変換に基づくサイトカイニンオキシダーゼ活性に対する標準的なアッセイによって決定される場合、増加したサイトカイニンオキシダーゼ活性を示した。これは、表6の2つのタバコ株および2つのArabidopsis株について例示される。この結果は、AtCKX1遺伝子が、サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードすることを示す。
(表6.AtCKX1トランスジェニック植物組織におけるサイトカイニンオキシダーゼ活性)
Figure 2005511090
(3.トランスジェニック株の表現型の記載)
(3.1 タバコにおいて:)
植物は、低下した頂芽優勢(図7A、BおよびC)および増加した根生成(図8)を有する小型表現型を有した。
(表現型の5つの範疇:)
1)強−2クローン
2)中間−3クローン
3)弱−4クローン
4)大きな花部を有する高い植物(WTとして)−5クローン
5)WTに類似、9クローン
(高い(図7BおよびCを参照のこと))
− WT:100〜150cmの間
− 弱:約75cm
− 中間:約40〜45cm(主幹 約25cmであるが、側枝がより大きくなる)
− 強:約10cm
トランスジェニックAtCKX1−48およびAtCKX1−50は、強表現型を示した。以下は、WT植物と比較される場合の幹伸長についての測定である。
Figure 2005511090
(実験)
植物を、温室中、土壌で栽培した。データを、1株あたり少なくとも10の植物から得た。
(葉(図7Dおよび7Eを参照のこと))
AtCKX1トランスジェニック発現体(expressor)の葉の形状は、皮針形(狭く細長い)であり:成葉の幅 対 長さの比は、1:2(野生型植物)から1:3(AtCKX1トランスジェニック)まで減少した(図7E)。葉のおよび葉表面の数は,WTと比較して減少した(図7Dを参照のこと)。顕著な差異はまた、葉の老化の進行の間にも観察された。WTタバコにおいて、葉の老化は、最も基本の葉で始まり、そして葉色素の均一な減少を生じる(図7E)。対照的に、強力に発現するAtCKX1植物の老化している葉は、葉脈に沿って緑色のままであり、そして葉脈間領域において黄色に変わり、このことは変化した葉の老化を示している。より古い葉の手触りは、より堅かった。
(根)
遺伝子を高度に発現するインビトロで栽培された植物は、より厚い(より強い)より多くの根を形成する能力(図8A)によって、および茎に沿った気根の形成によって、WTから容易に区別可能であった。
AtCKX1−50過剰発現実生について、図8Cに示されるように、一次根はより長く、そして側根および不定根の数は、より多かった(実施例9もまた参照のこと)。
外因性サイトカイニンによる根成長阻害の用量応答曲線は、トランスジェニック実生の根が、WT根よりもサイトカイニン耐性であることを示した(図8D)。iPRに対するAtCKX1トランスジェニック体の耐性は、AtCKX2についてほど示されず、このことは、後者のiP型サイトカイニンにおけるより小さな変化と一致する(表10を参照のこと)。
気生植物部分の成長は非常に減少されたという事実にもかかわらず、根生物体量の大きな増加が、土壌で栽培した成体植物について観察された(4〜5ヶ月間土壌で栽培した植物について、図8Bを参照のこと)。
(節間距離)
・中間表現型:WT植物における第5節間および第9節間の、それぞれ、5cmおよび2cmの長さと比較して、花の下から5番目の節間は、約2.5cmの長さであり、そして9番目の節間は、約0.5cmの長さであった。
・強力な表現型:植物AtCKX1−50。発芽の131日後に測定した根元からの20番目の節間の長さは、WTの39.2±3.8mmと比較して、1.3±.0.4であった。
(頂芽優性および枝分かれ)
より多くの側枝が、形成され、このことは、栄養成長の間の、WT植物と比較して減少した頂芽優性を示している(図9を参照のこと)。側枝は、主茎を過剰に生長させ、中間AtCKX1発現体について、40〜45cmの高さに達した。さらに二次枝が現れた。しかし、芽は、頂芽優性から完全には解放されなかった(すなわち、側枝は、現実に、伸び続けなかった)。減少した頂芽優性は、より小さな苗条の頂端分裂組織の頂芽成長点による減少したオーキシン産生に起因し得る(実施例10を参照のこと)。
(生殖性発生)
AtCKX1トランスジェニック体における開花の開始は、遅れ、そしてさく果1つあたりから得られる花および種子の数が、減少した。花のサイズは、トランスジェニック植物において変化せず、そして個々の種子の重量は、野生型植物由来の種子の重量に匹敵した。2つの代表的なAtCKX1トランスジェニック体のデータを、以下にまとめる:
(A.開花の開始)
Figure 2005511090
実験:データを、1株あたり少なくとも10の植物について収集した。第1の花の完全な伸びを、開花の開始として定義した。DAG=発芽後の日数。
(B.1植物あたりの種子さく果の数)
Figure 2005511090
実験:種子さく果の数を、少なくとも5種の異なる植物について決定した。これらの植物は、冬季の間、温室で栽培した。これは、特に、トランスジェニッククローンにおいて、形成される花の数に悪影響を及ぼすことを注記する。しかし、これらの植物が減少した数の花を形成する一般的特徴(picture)は、正しい。n.d.決定せず。
(C.種子の収穫量/さく果(mg))
Figure 2005511090
実験:さく果の収穫量を、少なくとも12個の種子さく果について決定した。種子さく果のサイズは、非常に可変性であり、故に、標準偏差が大きかった。n.d.決定せず。
(D.100個の種子の重量(mg))
Figure 2005511090
実験:種子生物体量を、少なくとも5種の異なる種子さく果由来の100個の種子の重量として決定した。n.d.決定せず。
(3.2 Arabidopsisについて)
・発芽の開始は、WTについてと同じであった。
・全根系は、伸長し、そして側根および不定根の数が、増大した(図4A〜Dを参照のこと)。
・気生器官(aerial organ)の成長は減少して、縮小した表現型を生じ(図4Eおよび4Fを参照のこと)、そして葉生物体量は、減少した。葉および花の形成は、遅れる。
・生活環は、WTと比較して長く、そして種子の収穫量は、WTと比較して少なかった。
以下の形態計測学的データは、これらの表現型を例示する:
(根の発生)
(A.根系の全長)
Figure 2005511090
(B.一次根の長さ)
Figure 2005511090
(C.側根(LR)の長さ)
Figure 2005511090
(D.不定根の長さ)
Figure 2005511090
(E.側根(LR)の数)
Figure 2005511090
(F.不定根(AR)の数)
Figure 2005511090
実験:測定を、MS培地でインビトロで発芽した8日後に、植物に対して実施した。1株あたり少なくとも17の植物を、スコア付けした。
(苗条の発生)
(A.葉表面)
Figure 2005511090
実験:発芽の30日後に形成された主要なロゼット型の葉の葉表面積を、測定した。1クローンあたり3の植物を分析した。
(生殖性発生)
開花の開始
Figure 2005511090
実験:植物を、温室条件下で栽培した。1クローンあたり少なくとも13の植物を分析した。DAG=発芽後の日数。
(結論)
AtCKX1トランスジェニックArabidopsis植物の分析は、タバコから得られた結果を大部分確認し、そして減少したサイトカイニン含量の結果の一般的な性質を示す。全根系は、伸長し(根の全長は、AtCKX1トランスジェニック体において、約110〜140%増加した)、そして苗条は、よりゆっくりと発生し(開花の遅れ)そして葉生物体量は、減少した。種子の収穫量も同様に、このトランスジェニック体においてより低かった。
(実施例4.AtCKX2を過剰発現するトランスジェニック植物は、サイトカイニンオキシダーゼ活性の増加および植物形態の変化を示した)
(1.クローニングプロセスの説明)
以下のプライマーを使用して、Arabidopsis thaliana(受託 コロンビア)由来のAtCKX2遺伝子をPCR増幅した(クローニングのために使用される非相同配列は、小文字である):
5’プライマーの配列:gcggtaccAGAGAGAGAAACATAAACAAATGGC(配列番号15)
3’プライマーの配列:gcggtaccCAATTTTACTTCCACCAAAATGC(配列番号16)。
3104bpのPCRフラグメント(これらのプライマーによって増幅した)を、pUC19のKpnl部位に挿入した。この挿入物を配列決定して、公開された配列との差異が、このPCR手順によって導入されていないことを確認した。このベクターのKpnl/Kpnlフラグメントを、バイナリーベクターpBinHyg−Tx中の改変CaMV 35Sプロモーター(3つのテトラサイクリンオペレーター配列を有する)の下流のKpnl部位にサブクローニングした(Gatzら、1992)。得られた構築物を、標準的な形質転換プロトコールを使用して、Agrobacterium媒介性形質転換によって、タバコおよびArabidopsis thalianaに導入した。
(2.トランスジェニック株の分子分析)
AtCKX2転写物を高レベルで合成するいくつかのトランスジェニック株を、同定した(図6)。AtCKX2転写物を発現するトランスジェニック株もまた、増加したサイトカイニンオキシダーゼ活性を示した。これは、表7中の2つのタバコ株および3つのArabidopsis株について例示される。この結果は、AtCKX2遺伝子が、サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードすることを証明する。
(表7.AtCKX2トランスジェニック植物組織におけるサイトカイニンオキシダーゼ活性)
Figure 2005511090
(3.トランスジェニック株の表現型の説明)
(3.1 タバコについて(図7〜10を参照のこと))
表現型の3つのカテゴリー:
1)強い−15クローン(AtCKX1の中間表現型と類似);
2)弱い−6クローン;
3)その他−WT植物と類似、7クローン。
(気生植物部分)
植物の高さ、節間距離、枝分かれ、葉の形態および黄変に関する観察は、矮性特徴が、AtCKX2トランスジェニック体よりもAtCKX1トランスジェニック体においてより激しいという点で、一般に小さい量的差異を有するAtCKX1トランスジェニック体についての観察と類似していた(図7Aおよび7Bにおいて、AtCKX1植物とAtCKX2植物とを比較のこと)。このことは、強力な表現型であるAtCKX2−38およびAtCKX2−40を有するクローンの幹伸長および節間距離の測定について、以下に例示される。
(幹伸長)
Figure 2005511090
実験:植物を、温室中、土壌で栽培した。データを、1株あたり少なくとも10の植物から収集した。
(節間距離)
Figure 2005511090
実験:根元から20番目の節間の長さを、発芽の131日後に測定した。
(根)
遺伝子を高度に発現するインビトロで栽培された植物は、より厚い(より強い)より多くの根を形成する能力によって、および茎に沿った気根の形成によって、WT植物から容易に区別可能であった。
AtCKX2−38過剰発現実生について、図8Cに示されるように、一次根はより長く、そして側根および不定根の数は、より多かった(実施例9もまた参照のこと)。
外因性サイトカイニンによる根成長阻害の用量応答曲線は、トランスジェニック実生の根が、WT根よりもサイトカイニン耐性であることを示した(図8D)。iPRに対するAtCKX1−28トランスジェニック体の耐性は、AtCKX2−38についてほど示されておらず、このことは、後者のiP型サイトカイニンにおけるより小さな変化と一致する(表10を参照のこと)。
WTと比較した、AtCKX2トランスジェニック植物のTO株の根生物体量の生重量および乾燥重量の増加が、以下の表に示されるように、土壌で栽培した植物について観察された:
Figure 2005511090
実験:35S::AtCKX2クローンの6種のWT植物および6種の独立したT0株を、土壌で栽培した。開花後、根系を、水で洗浄し、そして土を可能な限り除去し、そして生重量および乾燥重量を測定した。以下の表に示されるように、根生物体量の生重量および乾燥重量の増加はまた、WTと比較した場合、水耕栽培したAtCKX2トランスジェニック体のF1子孫について観察された。
Figure 2005511090
実験:土壌栽培した植物を、発芽の60日後に、水耕系(Hoagland溶液)に移し、そしてさらに60日間栽培した。水耕溶液を、連続して通気し、そして3日おきに新鮮な溶液と交換した。
要約すると、水耕溶液中で栽培されたトランスジェニック植物は、野生型植物よりも65〜150%大きな根生物体量(生重量)を形成した。乾燥重量の増分は、10〜50%であった。この差異は、おそらく、トランスジェニック体のより大きな細胞容量に一部起因する。これは、細胞壁の相対部分を減少させ、これにより乾物物質の大部分を形成する。苗条生物体量は、野生型苗条の20%から70%に減少した。生重量の差異は、苗条根/茎比の変化を生じ、この根/茎比は、野生型において、約8であるが、トランスジェニッククローンにおいて、約1であった。
(結論)
気生植物部分の成長が減少するという事実にもかかわらず、WTコントロールと比較して、根の成長および生物体量の増加が、AtCKX2トランスジェニック実生および異なる条件下で栽培した成体植物について観察された。異なるトランスジェニック植物の間の量的差異が観察された:根生物体量のより大きな増加が、最も強力に発現するクローンについて観察された。
(生殖性発生)
AtCKX2トランスジェニック体における開花の開始は、遅れ、そして1さく果あたりの花の数および種子の収穫量が、減少した。これらの効果は、AtCKX1トランスジェニック植物において観察された効果と非常に類似していたが、これらは、以下の表に示されるように、AtCKX2トランスジェニック体においてあまり顕著でなかった。花の大きさは、トランスジェニック植物においては変化せず、そして個々の種子の重量は、野生型植物の種子の重量に匹敵した。
(A.開花の開始)
Figure 2005511090
実験:データを、1株あたり少なくとも10の植物について収集した。第1花の全伸長を、開花の開始として定義した。DAG=開花後の日数。
(B.1植物あたりの種子さく果の数)
Figure 2005511090
実験:種子さく果の数を、少なくとも5種の異なる植物について決定した。これらの植物は、冬季の間に、温室条件下で栽培されたことに注意のこと。これは、特に、トランスジェニッククローンについて、形成された花の数に悪影響を与える。しかし、これらの植物が減少した数の花を形成する一般的特徴は、正しい。n.d.決定せず。
(C.種子の収穫量/さく果(mg))
Figure 2005511090
実験:種子の収穫量を、少なくとも12個の種子さく果について決定した。種子さく果のサイズは、非常に可変性であり、故に、標準偏差が大きかった。n.d.決定せず。
(D.100個の種子の重量(mg))
Figure 2005511090
実験:種子生物体量を、少なくとも5種の異なる種子さく果由来の100個の種子の重量として決定した。n.d.決定せず。
(3.2 Arabidopsisにおいて)
以下の形態計測データは、AtCKX2トランスジェニックスについて得られた:
根発育
(A.根系の全長)
Figure 2005511090
(B.主根長)
Figure 2005511090
(C.側根長)
Figure 2005511090
(D.不定根長)
Figure 2005511090
(E.側根(LR)の数)
Figure 2005511090
(F.不定根(AR)の数)
Figure 2005511090
(実験:測定を、MS培地において、植物8d.a.gインビトロで行った。1株当たり少なくとも17の植物を評価した。
(苗条発育)
(葉表面)
Figure 2005511090
(実験:発芽の30日後に形成された主ロゼット葉の葉表面積を測定した。クローン当たり3つの植物を分析した。
(繁殖的発育)
(開花の開始)
Figure 2005511090
(実験:植物を温室条件下で生育させた。クローン当たり少なくとも13の植物を分析した。DAG=発芽後の日数。
(結論):Arabidopsis AtCKX2トランスジェニックスは、減少した葉のバイオマスおよびAtCKX1トランスジェニックスと類似した矮化表現型(図5と図4Fを比較する)を有した。全根系はまた、AtCKX2トランスジェニックArabidopsisにおいて増大した。全根長は、AtCKX2トランスジェニックスにおいて約50%増加した。AtCKX1トランスジェニックスは、より長い主根、より多くの側根を有し、そしてより多くの不定根を形成する。AtCKX2トランスジェニックスは、主根の増加した増殖を欠いたが、WTよりも、より多くの横根(side root)および側根(lateral root)を形成する。
(要旨):
AtCKX2トランスジェニックスについて観測された表現型は、AtCKX1トランスジェニックスと非常に類似するが、同一ではなく、これは、タバコトランスジェニックスについて得られた結果と非常に類似するが、同一ではない。これは、これらの2つの植物種における減少したサイトカイニン含有量の結果の一般的な性質を確認し、従って、類似の表現型は、同様に他の植物種において予期され得る。タバコとArabidopsisとの間の主要な違いは、AtCKX2過剰発現植物における増加した主根増殖の欠如である。
(実施例5.AtCKX3を過剰発現するトランスジェニック植物は、増加したサイトカイニンオキシダーゼ活性および変化した植物形態学を示した)
(1.クローニングプロセスの説明)
以下のプライマーを使用して、Arabidopsis thaliana(Columbia許諾)由来のAtCKX3遺伝子をPCR増幅した(クローニングのための使用した非相同性配列は、小文字である):
Figure 2005511090
このPCR増幅によって産生された3397−bp PCRフラグメントを、pBluescriptのKpnl部位に挿入した。挿入物を配列決定して、PCR産物が、遺伝子と比較して配列の変化を有さないことを確認した。このベクターのKpnl/Kpnlフラグメントを、バイナリーベクターpBinHyg−Txにおいて、改変CaMV 35Sプロモーター(3つのテトラサイクリンオペレーター配列を有する)の下流のKpnl部位にサブクローニングした(Gatzら、1992)。得られた構築物を、標準的な形質転換プロトコルを使用して、Agrobacterium媒介形質転換によって、タバコおよびArabidopsis thalianaに導入した。
(2.トランスジェニック株の分子分析)
AtCKX3転写物を高レベルで合成する、いくつかのトランスジェニックタバコ株を同定した(図11A)。AtCKX3転写物を発現するトランスジェニックタバコ株はまた、増加したサイトカイニンオキシダーゼ活性を示した。これは、表8において3つの植物で例示される。これは、AtCKX3遺伝子が、サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードすることを証明する。
(表8.AtCKX4トランスジェニック植物組織におけるサイトカイニンオキシダーゼ活性)
Figure 2005511090
(3.植物表現型分析)
タバコおよびArabidopsisにおけるAtCKX3遺伝子の過剰発現によって生成される表現型は、AtCKX1発現植物およびAtCKX2発現植物の表現型と基本的に類似した(すなわち、増強された根付きおよび矮化)。しかし、タバコにおけるAtCKX3遺伝子の過剰発現は、AtCKX2と比較してより強力な表現型を生じた。この意味において、AtCKX3の過剰発現は、AtCKX1過剰発現とより類似した。
(実施例6.AtCKX4を過剰発現するトランスジェニック植物は、増加したサイトカイニンオキシダーゼ活性および変化した植物形態学を示した)
(1.クローニングプロセスの説明)
以下のプライマーを使用して、Arabidopsis thaliana(Columbia許諾)由来のAtCKX4遺伝子をPCR増幅した(クローニングのための使用した非相同性配列は、小文字である):
Figure 2005511090
このPCR増幅によって産生された2890−bp PCRフラグメントを、pBluescriptのKpnl部位に挿入した。挿入物を配列決定して、PCR産物が、この遺伝子と比較して配列の変化を有さないことを確認した。このベクターのKpnl/Kpnlフラグメントを、バイナリーベクターpBinHyg−Txにおいて、改変CaMV 35Sプロモーター(3つのテトラサイクリンオペレーター配列を有する)の下流のKpnl部位にサブクローニングした(Gatzら、1992)。得られた構築物を、標準的な形質転換プロトコルを使用して、Agrobacterium媒介形質転換によって、タバコおよびArabidopsis thalianaに導入した。
(2.トランスジェニック株の分子分析)
いくつかのトランスジェニックタバコ株は、AtCKX4転写物を高レベルで合成した(図11B)。AtCKX4転写物を発現するトランスジェニック株はまた、増加したサイトカイニンオキシダーゼ活性を示した。これは、表9において3つのArabidopsisおよび3つのタバコ株で例示される。この結果は、AtCKX4遺伝子が、サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードすることを証明する。
(表9.AtCKX4トランスジェニック植物組織におけるサイトカイニンオキシダーゼ活性)
Figure 2005511090
全般的に、このデータは、4つのサイトカイニンオキシダーゼについての見かけのK値が、基質としてiPを用いて0.2〜9.5μMの範囲であり、これは、さらに、AtCKX1〜4によってコードされるタンパク質が、実際に、本明細書中において開示されるように、サイトカイニンオキシダーゼ酵素であることを実証する。
(3.植物表現型分析)
タバコおよびArabidopsisにおけるAtCKX4遺伝子の過剰発現によって生成される表現型は、AtCKX1発現植物およびAtCKX2発現植物の表現型と基本的に類似した(すなわち、増強された根付き、減少した頂芽優性、矮化、およびタバコの規則的な葉の葉脈間領域の黄変)。タバコにおけるさらなる表現型は、披針形の葉であった(変化した、長さ対幅の比)。
(AtCKXを過剰発現するタバコ植物の一般的な観察)
全般的に、表現型分析は、AtCKX遺伝子過剰発現が、タバコにおける苗条および根系における劇的な発育の変化(増強された根系の発育、および着生植物部分の矮化を含む)を引き起こしたことを実証した。他の効果(例えば、変化した葉の老化、茎における不定根の形成、および他のもの)もまた、本明細書中に記載されるように観察された。異なる遺伝子について、変化は非常に類似するが、同一ではなかった。タバコにおいて、AtCKX1およびAtCKX3の過剰発現は、AtCKX2およびAtCKX4とは異なる。一般的に、2つの前者は、特性(特に、苗条)のより高い発現を示した。従って、特定のサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子は、本発明の実施形態に記載される表現型を達成するために好ましくあり得る。
(実施例7.AtCKX5遺伝子のクローニング)
以下のプライマーを使用して、Arabidopsis thaliana(Columbia許諾)由来のAtCKX5遺伝子をPCR増幅した(クローニングのための使用した非相同性配列は、小文字である):
Figure 2005511090
5’プライマーの配列は、AtCKX5タンパク質の2つの潜在的開始コドンを含み、この最も5’側の開始コドンには、下線が付され、そして第2のATGは、イタリックで示される。
2843−bp PCRフラグメント(このPCR増幅によって産生される)を、pCR−Blunt II−TOPOクローニングベクター(Invitrogen)に平滑末端産物として挿入した。
(実施例8.AtCKX6遺伝子のクローニング)
以下のプライマーを使用して、Arabidopsis thaliana(Columbia許諾)由来のAtCKX6遺伝子をPCR増幅した(クローニングのための使用した非相同性配列は、小文字である):
Figure 2005511090
1949−bp PCRフラグメント(このPCR増幅によって産生される)を、pCR−Blunt II−TOPOクローニングベクター(Invitrogen)に平滑末端産物として挿入した。
(実施例9.タバコ実生生育試験が、AtCKXトランスジェニックスの早期の生長力を実証した)
AtCKX1−50およびAtCKX2−38を過剰発現トランスジェニックスおよびWTタバコの種子を、MS培地にインビトロで播き、冷却処理の4日後、培養室に持って行き、6日後に、発芽した。実生生育に対する観察を、発芽の10日後に行い(図8Cもまた参照のこと)、以下に要約した。少なくとも20の個体を、クローン当たりで評価した。類似のデータが、2つの他の実験において得られた。
(A.根系の全長)
Figure 2005511090
(B.主根長)
Figure 2005511090
(C.側根長)
Figure 2005511090
(D.不定根長)
Figure 2005511090
(E.側根(LR)の数)
Figure 2005511090
(F.不定根(AR)の数)
Figure 2005511090
(AtCKX1植物およびAtCKX2植物、一般的観察):
AtCKX1過剰発現タバコ植物およびAtCKX2過剰発現タバコ植物の実生は、発芽の10日後の非形質転換コントロール植物よりも60%多くの不定根および3倍多くの側根を有した。主根の長さは、約70%増加した。これは、より多くて長い横根および第2根とともに、全体の根の長さの70〜100%の増加を生じた。これらの結果は、サイトカイニンオキシダーゼの過剰発現が、主根および不定根の両方の生育および発育を増強し、早期の生長力を生じることを示した。
(実施例10.AtCKX1過剰発現タバコ植物における変化した植物形態学の組織学的分析)
種々の組織の顕微鏡分析は、AtCKXトランスジェニックスにおける形態学的変化が、細胞数および細胞形成速度における明瞭な変化によって反映されることを明らかにした(図10を参照のこと)。AtCKX1トランスジェニックスの苗条頂端分裂組織(SAM)は、野生型より小さく、そして中心区域(zone)と側方器官形成の周辺区域との間の空間をより少ない細胞が占めるが、細胞は同じサイズであった(図10A)。減少したサイトカイニン含有量の結果としての、SAMの減少した細胞数およびサイズは、サイトカイニンが、SAM増殖においてある役割を有することを示す。分化パターンにおける明確な変化は生じず、SAMにおける分化区域の空間的組織化が、細胞数および局所サイトカイニン濃度から大きく独立することを示唆する。サイトカイニンオキシダーゼ過剰発現における葉の全体的な組織パターンは、変化しなかった。しかし、師部および木部のサイズは、有意に減少した(図10B)。対照的に、葉の柔組織および表皮細胞の平均細胞サイズは、4〜5倍増加した(図10C、D)。AtCKX1トランスジェニックスの新たな細胞は、野生型の葉の速度の3〜4%で形成され、そして最終的な葉の細胞数は、野生型の5〜6%の範囲であると推定された。これは、葉におけるサイトカイニンが、細胞分裂サイクルを維持するための絶対的な要件であることを示す。花器官の細胞サイズも細胞形態も、変化せず、そしてカプセル当たりの種子収穫量が、野生型およびAtCKXトランスジェニック植物において類似した。AtCKX1トランスジェニック植物の根分裂組織の細胞集団は、約4倍拡大し、そして中心カラムネラ(columnella)および側方カラムネラの両方における細胞数が増加した(図10E、F)。最終根直径は、全ての型の根細胞の増加した直径に起因して、60%増加した。半径方向の根のパターンは、しばしば第4層の皮層細胞が、トランスジェニックの根において注目されたことを除いて、野生型およびトランスジェニックスと同一であった(図10G)。増加した細胞数およびわずかに減少した細胞長は、増強された根の生育が、増加した細胞の生育よりもむしろ増加した数のサイクリング細胞に起因することを示す。低下したサイトカイニン含有量の存在下において、根の分裂組織細胞は、分裂組織を残し、伸長を開始する前に、さらなる回の有糸分裂を受けなければならない。従って、分裂組織からの出口は、サイトカイニンに感受性の機構によって調節される。明らかに、サイトカイニンは、根の分裂組織においてネガティブな調節の役割を有し、そして野生型サイトカイニン濃度は、最大の根系の発育に対して阻害性である。従って、サイトカイニンオキシダーゼを過剰発現することによる活性サイトカイニンのレベルの減少は、根の発育を刺激しこれは、WT植物と比較してより多くの側根および不定根を有する根のサイズの増加を生じる。
(実施例11.AtCKX1過剰発現タバコ植物およびAtCKX2植物過剰発現タバコ植物は、減少したサイトカイニン含有量を有した)
測定した16の異なるサイトカイニン代謝のうち、最も大きな変化は、AtCKX2過剰発現物のiP型サイトカイニンにおいて生じた(表10):iP型サイトカイニンの含有量の全体的な減少は、AtCKX1トランスジェニックスにおけるよりもAtCKX2発現植物においてより明白である。AtCKX1トランスジェニックスは、苗条においてより強力な表現型を示した。どのサイトカイニン代謝物が、分析された異なる性質に関連するかは、分からない。それは、異なるサイトカイニンが、種々の発育プロセスにおける異なる役割を演じることであり得る。より小さな変化がZ型サイトカイニンについて注記され、これは、基質の異なる接近性またはタンパク質のより低い基質特異性に起因し得る。個体トランスジェニッククローンにおけるiPおよびZ代謝物の合計の含有量は、野生型の31%と63%との間であった。O−グルコシドのサイトカイニン保存プールはまた、トランスジェニックスにおいて低下した(表10)。N−グルコシドおよびDHZ型サイトカイニンの濃度は、非常に低く、そしてトランスジェニックの実生において変化しないか、またはほんのわずかに変化した(データは示さず)。
表10.AtCKXトランスジェニック植物のサイトカイニン含有量。サイトカイニン抽出、免疫精製、HPLC分離およびELISA法による定量は、Faissら、1997により記載されるように実施された。約100の2週齢の実生の3つの独立してプールされたサンプル(サンプル当たり2.5g)を、各クローンについて分析した。濃度は、pmol×g新鮮重量−1である。略語:iP、N−(Δイソペンテニル)アデニン;iPR、N−(Δイソペンテニル)アデニンリボシド;iPRP、N−(Δイソペンテニル)アデニンリボシド5’モノホスフェート;Z、trans−ゼアチン;ZR、ゼアチンリボシド;ZRP、ゼアチンリボシド5’モノホスフェート;ZOG、ゼアチンO−グルコシド;ZROG、ゼアチンリボシドO−グルコシド。
Figure 2005511090
(実施例12.接ぎ木実験は、AtCKX過剰発現に起因する矮化および増強された根の発育が、トランスジェニック組織に制限されることを示した)
どのサイトカイニンオキシダーゼ過剰発現の表現型の効果が、発現組織に制限されるか(すなわち、細胞自律性または器官自律性の性質)を調査するために、接ぎ木実験を行った。AtCKX2トランスジェニックタバコ植物とWTタバコとの間で、相互接ぎ木を行った。この実験で使用されたトランスジェニック植物は、AtCKX2−38であり、これは、増強された根の生育および着生植物部分の減少した発育によって特徴付けられる強い表現型を示した。実施例3〜6に記載されるように、これらは、タバコおよびarabidopsisにおけるサイトカイニンオキシダーゼ過剰発現から生じる2つの重要な表現型であった。
植物は、接ぎ木したとき約15cm長であり、そして接ぎ木接合部は、土壌の約10cm上であった。図12は、接ぎ木の15週間後の植物を示す。主な結果は以下であった:(i)トランスジェニック台木に接ぎ木したWT接ぎ穂(scion)の着生表現型(aerial phenotype)は、WTコントロールの接ぎ枝(graft)(=WT台木上のWT接ぎ穂)に類似した。重要なことに、これは、台木におけるAtCKX2導入遺伝子の過剰発現が、植物の非トランスジェニック着生部分の矮化を誘導しなかったことを示した(図12Aを参照のこと)。トランスジェニック台木の改善された根の成長は維持され、このことは、AtCKXトランスジェニックの改善された根の成長が自律的であり、AtcKXトランスジェニック苗条に依存しないことを示した(図12C)。興味深いことに、トランスジェニック台木に接ぎ木したWT接ぎ穂はより健全なようであり、より良く発達した。特に、根出葉の老化は、これらの植物において遅延した。(図12Aを参照のこと);(ii)WT台木に接ぎ木したトランスジェニック接ぎ穂は、トランスジェニック接ぎ穂が由来するトランスジェニック植物の着生部分に類似するようであった。すなわち、苗条矮化表現型もまた自律的であり、そして改善した根の成長に依存しない(図12Bを参照のこと)。
上記の、トランスジェニック台木に接ぎ木したWT苗条のより良い外観に加えて、WT苗条の根部分(basal part)での不定根の形成は顕著であった(図12D、右の植物)。不定根の形成はまた、AtCKXトランスジェニックの幹に生じたが、WTコントロールの接ぎ枝の幹には生じず(図12D、左の植物)、従って非自律的形質であるようである。
まとめると、AtCKX過剰発現タバコにおける促進された根形成および苗条の矮化は自律的形質であり、そして接ぎ木手順によって接合し得ないことが、本発明において開示される。驚くべきことに、AtCKXトランスジェニック台木上にWT接ぎ穂を接ぎ木することにより、より活発に育つ植物を得、そして葉の老化は遅延した。
接ぎ木の代わりとして、組織特異的プロモーターを使用して、サイトカイニン過剰発現の自律的表現型的影響から離し得た。従って、本発明において、組織特異的な様式でのサイトカイニンオキシダーゼの過剰発現を使用して、苗条系または根系のような植物の形態を変更し得ることが開示されている。
(実施例13.トランスジェニック植物における根特異的プロモーター下でのAtCKX遺伝子の発現は、根生成の増加を導く)
AtCKX遺伝子(実施例4を参照のこと)を、Arabidopsisの根clavataホモログプロモーター(配列番号36)(これは、根特異的発現を駆動するプロモーターである)の制御下にクローニングする。他の根特異的プロモーターもまた、本発明の目的のために使用され得る。例示的な根特異的プロモーターについては、表5を参照のこと。
根において特異的にAtCKX遺伝子を発現するトランスジェニック植物は、植物の着生部分の成長および発達に負に影響することなく、根の生成の増加を示す。葉の老化および着生植物部分の成長に対する正の影響が観察される。
(実施例14.トランスジェニック植物における老化誘導性プロモーター下でのAtCKX遺伝子の抑制は、葉の老化の遅延および種子収穫量の増大を導く)
AtCKX遺伝子に由来し、かつ内因性サイトカイニンオキシダーゼ遺伝子の発現を抑制するように設計したキメラ遺伝子構築物を、老化誘導性プロモーターの制御下にクローニングする。例えば、老化関連遺伝子(SAG)由来のプロモーター(例えば、SAG12プロモーター)を使用し得る(Quirinoら、2000)。葉の老化において特異的に内因性サイトカイニンオキシダーゼ遺伝子を抑制するトランスジェニック植物は、植物の形態および成長および発達に負に影響することなく、葉の老化の遅延ならびにより多い種子収穫量を示す。
(実施例15.雌性生殖器官におけるAtCKX遺伝子の過剰発現は、単為結実果実の発達を導く)
AtCKX遺伝子のオープンリーディングフレームを、雌性生殖器官における過剰発現付与するプロモーター(例えば、Antirrhinum majus由来のDefH9プロモーターまたはそのホモログのうちの1つであり、これは、胎座および胚珠における特異的に高発現特異性を有する)の制御下にクローニングする。これらの組織において増強されたサイトカイニンオキシダーゼ活性を有するトランスジェニック植物は、単為結実果実の発達を示す。
(実施例16.AtCKX遺伝子の過剰発現は、種子サイズおよび子葉サイズの増大を生じる)
トランスジェニックArabidopsis thaliana植物は、上記のように、35Sプロモーターの制御下で、サイトカイニンオキシダーゼ(AtCKX)遺伝子を過剰発現する。トランスジェニック植物(特に、AtCKX1遺伝子およびAtCKX3遺伝子を発現する)は、サイズが大きくなった種子を発達させた。この種子のサイズが大きくなった原因はほとんど完全に、胚が大きくなったことによるものである。種子、胚および初期後胚表現型の詳細は、図13A〜13Eに示される。表11は、野生型および4つの調査したAtCKX遺伝子の各2つの独立したクローンの種子重量を示す。平均重量は、各クローンについて200種子の5つの異なるバッチを分析することによって得た。定量評価は、AtCKX1発現クローンおよびAtCKX3発現クローンの種子重量が、野生型よりも約1.8〜2.3倍高いことを示した。AtCKX2発現系統およびAtCKX4の発現系統の種子収穫重量は、10〜25%の範囲であった(表11および図14)。
種子、胚、および子葉のサイズおよび重量増加は予測されない。なぜなら、サイトカイニン含有量の減少は、器官成長の減少に関連することが予期されているからである。種子、胚、および子葉のサイズにおける増加についての1つの考えられる理由は、これらの貯蔵器官におけるサイトカイニンの、以前は知られていなかった負の調節機能である。器官成長の制御におけるサイトカイニンの負の調節機能は、根からということのみがこれまで知られていた(Wernerら、2001)。従って、本発明者らは、成長がサイトカイニンによって負に調節される組織における、サイトカイニンオキシダーゼ遺伝子の局在化された発現が、この組織の促進した成長を導くことを提唱する。例えば、子葉の発達の間、CKX遺伝子の局在された発現は、子葉および貯蔵器官としての子葉を有する種子の成長を促進し、実生の収穫量を増やし、そして実生の成長効率を高めるように導く可能性がある。種子の数は、AtCKX1発現物およびAtCKX3発現物において少なくなる。しかし、以前には、Arabidopsisの種子数の減少が、サイズの増大に関連することを報告するものはなかった。
(実施例17)
Nicotiana tabacum L.cv.Samsun NNの葉外植片を、CaMV35 Sプロモーターの制御下に、AtCKX1遺伝子またはAtCKX2遺伝子を備えるベクターBin−Hyg−TXで形質転換した。これらの形質転換した植物に由来するいくつかの系統をさらに培養し、そしてこれらの種子サイズを分析した(表12)。
導入遺伝子CKX1およびCKX2を有するタバコ植物は全て、種子サイズについてのパラメータである種子領域において増加を示した。
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図1は、植物サイトカイニンオキシダーゼ遺伝子の模式図を示す。トウモロコシから単離された種々のサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子(ZmCKX1、登録番号AF044603、Biochem.Biophys.Res.Com.255:328〜333,1999)およびArabidopsisから単離された種々のサイトカイニンオキシダーゼ遺伝子(AtCKX1〜AtCKX4)の構造が、示される。エキソンは、「E」と称され、影付き四角により示される。イントロンは、白四角により示される。遺伝子のサイズ(kb、各構造の上部)、遺伝子登録番号(名前の下)、および0.5kbを示すサイズ棒が、さらに示される。 図2は、植物サイトカイニンオキシダーゼアミノ酸配列のアライメントを示す。トウモロコシ由来のサイトカイニンオキシダーゼ(ZmCKX1)およびArabidopsis由来のサイトカイニンオキシダーゼ(AtCKX1〜AtCKX4)からのアミノ酸配列が、整列される。同一のアミノ酸残基は、黒四角により示され、類似するアミノ酸が、灰色の四角中にある。アミノ酸類似性のグループ:(M、I、L、V)、(F、W、Y)、(G、A)、(S、T)、(R、K、H)、(E、D)、(N、Q)。 図3は、AtCKX1を発現するタバコおよびArabidopsis植物のノーザンブロット分析を示す。(A)野生型SNNタバコ(レーン9)と比較した構成的に発現するタバコ植物(レーン1〜8)のノーザンブロット分析。(B)12時間誘導後の葉におけるテトラサイクリン誘導遺伝子発現と、構成的に発現するクローンとの比較。レーン2〜9は、4つの異なるAtCKX1〜W38TetRクローン(+、−、テトラサイクリン処理ありまたはテトラサイクリン処理なし)であり、レーン1は、構成的に発現する35S::AtCKX1クローンである。(C)AtCKX1遺伝子を構成的に発現するArabidopsis植物のノーザンブロット分析。レーン2〜4は、野生型Arabidopsis植物(レーン1)と比較した3つの異なる構成的に発現する35S::AtCKX1クローンである。 図4は、35S::AtCKX1トランスジェニックArabidopsis植物の成長特徴を示す。(A)2つの35S::AtCKX1発現実生(右)と比較した2つの野生型実生(左)。トランスジェニック実生における不定根の形成の増加および分枝している根の増加に注意のこと。写真は、発芽14日後に撮影した。植物は、垂直位置のペトリ皿においてMS培地上でインビトロで成長した。(B)Aと同様であるが、根を、トルイジンブルーで染色した。(C)発芽3週間後の35S::AtCKX1トランスジェニック実生を含むペトリ皿の平面図である。(D)液体培地中で成長した35S::AtCKX1トランスジェニック植物を示す。野生型実生の根は、これらの条件下で不十分にしか成長しない(示さず)。(E)35S::AtCKX1遺伝子を発現する形質転換体(T0)を示し(右の3つの植物)、野生型植物が左に示される。(F)土壌中で成長したT1植物の表現型を示す。2つの35S::AtCKX1トランスジェニック植物と比較した野生型植物(左)。 図5は、AtCKX2を過剰発現するArabidopsis植物の表現型を示す。野生型(左の植物)と比較した、35S::AtCKX2を発現するArabidopsis植物のT1世代(右の2つの植物)。 図6は、AtCKX2を発現するタバコおよびArabidopsis植物のノーザンブロット分析を示す。(A)野生型SNNタバコ(レーン8)と比較した構成的に発現するタバコ植物(レーン1〜7)のノーザンブロット分析。(B)AtCKX2遺伝子を構成的に発現するArabidopsis植物のノーザンブロット分析。レーン2〜8は、野生型Arabidopsis植物(レーン1)と比較した7つの異なる構成的に発現する35S::AtCKX2クローン。 AtCKX1発現するタバコ植物およびAtCKX2を発現するタバコ植物の苗条表現型を示す。(A)6週齢植物の平面図。(B)開花段階でのタバコ植物。(C)幹伸長の速度論。矢印は、開花の開始を標識する。植物の齢(発芽後の日数)およびその段階での葉数が、矢印の上に示される。棒は、SD(標準偏差)を示す;n=12。(D)発芽後68日目と100日目との間に形成される葉の数(n=12)およびこれらの葉の最終表面積(野生型100%は、3646±144cm;n=3)。(E)葉の大きさおよび老衰の比較。葉は、上から、節数4、9、12、16および20(左から右へ)である。 図8は、AtCKXを発現するトランスジェニックタバコ植物の根の表現型を示す。(A)発芽17日後の実生。(B)開花段階の土壌で成長した植物の根系。(C)発芽10日後の根の長さ、側根(LR)の数、および不定根(AR)の数。(D)内因性サイトカイニンによる根の成長阻害の用量応答曲線。棒は、±SD(標準偏差)を示す。;n=30. 図9は、35S::AtCKX1発現タバコ植物における腋生苗条分裂組織の成長を示す。 図10は、AtCKX1過剰発現タバコ植物 対 野生型(WT)タバコの、苗条分裂組織、葉および根分裂組織の組織学を示す。 (A)植物性苗条先端部の分裂組織を通る縦の中央断面。P=葉原基。 (B)葉の二次整列葉脈における維管組織。X=木質部、PH=篩部束。 (C)完全に成長した葉の断面。 (D)上部の葉表皮の走査型電子顕微鏡。 (E)DAPIで染色した根先端部。RM=根分裂組織。 (F)発芽から10日後の、根分裂組織の縦の中央断面。RC=根冠;PM=前分裂組織。 (G)先端部から10mmの横根断面。E=表皮、C1〜C4=皮層細胞層、X=木質部、PH=篩部束。棒線は、100μmである。 図11は、AtCKX3発現タバコ植物およびAtCKX4発現タバコ植物のノーザンブロット分析を示す。 (A)構成的発現AtCKX3タバコ植物のノーザンブロット分析。レーン指定は、個々のトランスジェニック植物番号を示し、WTは、野生型SNNタバコである。上のブロットは、AtCKX3特異的プローブで探査され、下のブロットは、25S rRNAに特異的なプローブ(これは、RNSローディングのためのコントロールとして作用する)で探査された。 (B)構成的発現AtCKX4タバコ植物のノーザンブロット分析。レーン指定は、個々のトランスジェニック植物番号を示し、WTは、野生型SNNタバコである。上のブロットは、AtCKX4特異的プローブで探査され、下のブロットは、25S rRNAに特異的なプローブ(これは、RNSローディングのためのコントロールとして作用する)で探査された。 図12は、AtCKX2トランスジェニックタバコ植物および野生型植物の相互移植を示す。 (A)左側の2種の植物:コントロール(WT根茎上に移植されたWT接ぎ穂)。右側の2種の植物:AtCKX2−38トランスジェニック根茎上に移植されたWT接ぎ穂。 (B)左:コントロール(WT根茎上に移植されたWT接ぎ穂)。右:WT根茎上に移植されたAtCKX2−38植物の接ぎ穂。 (C)根領域の拡大図。左:コントロール(WT根茎上に移植されたWT接ぎ穂)。右:AtCKX2−38トランスジェニック根茎上に移植されたWT接ぎ穂。 (D)不定根の形成。左:コントロール(WT根茎上に移植されたWT接ぎ穂)。右:AtCKX2−38トランスジェニック根茎上に移植されたWT接ぎ穂。 図13は、Arabidopsis種子、胚および実生の表現型を示す。 (A)AtCKX1トランスジェニック株の種子および野生型種子。棒線サイズ=1mm。 (B)AtCKX1トランスジェニック株、AtCKX2トランスジェニック株、AtCKX3トランスジェニック株およびAtCKX4トランスジェニック株の種子、ならびに野生型種子。棒線サイズ=1mm。 (C)AtCKX1トランスジェニックArabidopsisの成熟胚および野生型植物の成熟胚。棒線サイズ=200μm。胚を、20%のEtOH中で12時間吸収させた成熟種子から得、その種皮から搾り取り、抱水クロラールで洗浄し、そしてNomarski光学を使用して撮影した。 (D)発芽から4日後の、野生型(上)およびAtCKX1発現Arabidopsis種子。 (E)Dのクローズアップ。 図14は、野生型および、4つの研究したAtCKX遺伝子の各々とは無関係の2つのクローンの種子重量を示す。各クローンについて200個の種子の5つの異なるバッチを分析することによって、平均重量を得た。
【配列表】
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Claims (137)

  1. 根の成長を刺激するか、または側根もしくは不定根の形成を増強するか、または根の横地重力屈性を変更するための方法であって、該方法は、植物または植物の一部において活性なサイトカイニンのレベルを低減させる、植物サイトカイニンオキシダーゼまたは他のタンパク質のレベルを、植物または植物の一部において増加させる工程を包含する、方法。
  2. 根の成長を刺激するか、または側根もしくは不定根の形成を増強するか、または根の横地重力屈性を変更するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)配列番号27、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号25、配列番号26、配列番号28〜31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに示されるDNA配列またはこれらの相補体を含む、核酸;
    (b)配列番号27、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号25、配列番号26、配列番号28〜31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに示されるRNA配列またはこれらの相補体を含む、核酸;
    (c)配列番号27、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号25、配列番号26、配列番号28〜31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに特異的にハイブリダイズする核酸、またはこれらの相補体;
    (d)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号32もしくは配列番号35のいずれかに示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする核酸、またはその相補体;
    (e)(a)〜(d)のいずれかにおいて規定される核酸であって、該核酸は、DNA、ゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたはRNAであるという点で特徴付けられ、該RNAにおいて、TはUで置換されている、核酸;
    (f)遺伝子コードの結果として、配列番号27、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号25、配列番号26、配列番号28〜31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに示される核酸に対して縮重しているか、または(a)〜(e)のいずれかにおいて規定される核酸に対して縮重している、核酸;
    (g)種間のコドン用法の差異に起因して、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号35のいずれかに示されるタンパク質をコードする核酸に由来する核酸、または(a)〜(e)のいずれかにおいて規定される核酸に由来する核酸;
    (h)対立遺伝子間の差異に起因して分岐している、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号35のいずれかに示されるタンパク質をコードする核酸、または(a)〜(e)のいずれかにおいて規定される核酸;
    (i)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号35のいずれかに示されるタンパク質をコードする核酸;
    (j)サイトカイニンオキシダーゼの生物学的活性を有する、(a)〜(i)のいずれかにおいて規定される核酸の機能的フラグメント;ならびに
    (k)植物サイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸、または植物もしくは植物の一部における活性なサイトカイニンレベルを低減するタンパク質をコードする核酸の、好ましくは根における発現を構成する核酸、
    からなる群より選択される、植物サイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸の発現を包含する、方法。
  3. 単離された核酸であって、以下:
    (a)配列番号29、配列番号3、配列番号5、配列番号9、配列番号26、配列番号27、配列番号31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに示されるDNA配列を含む、核酸、またはこれらの相補体;
    (b)配列番号29、配列番号3、配列番号5、配列番号9、配列番号26、配列番号27、配列番号31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに示されるRNA配列を含む、核酸、またはこれらの相補体;
    (c)配列番号29、配列番号3、配列番号5、配列番号9、配列番号26、配列番号27、配列番号31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに示される核酸に特異的にハイブリダイズする核酸、またはこれらの相補体;
    (d)配列番号32に示されるポリペプチドを含み、そして配列番号4に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%類似するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする、核酸;
    (e)配列番号6に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも47%類似するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする、核酸;
    (f)配列番号10もしくは配列番号35に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも47%類似するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする、核酸;
    (g)配列番号4、配列番号6、配列番号10、配列番号32もしくは配列番号35のいずれかに示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、核酸;
    (h)遺伝子コードの結果として、配列番号29、配列番号3、配列番号5、配列番号9、配列番号26、配列番号27、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに示される核酸配列に対して縮重しているか、または(a)〜(g)のいずれかにおいて規定される核酸に対して縮重している、核酸;
    (i)生物間のコドン用法の差異に起因して、配列番号4、配列番号6、配列番号10もしくは配列番号35のいずれかに示されるタンパク質をコードする核酸とは異なるか、または(a)〜(g)のいずれかにおいて規定される核酸とは異なる、核酸;
    (j)対立遺伝子間の差異に起因して分岐している、配列番号4、配列番号6、配列番号10もしくは配列番号35のいずれかに示されるタンパク質をコードする核酸、または(a)〜(g)のいずれかにおいて規定される核酸;
    (k)配列番号29、配列番号3、配列番号5、配列番号9、配列番号26、配列番号27、配列番号31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに示される核酸によってコードされるサイトカイニンオキシダーゼの免疫学的に活性なフラグメントをコードするか、または(a)〜(j)のいずれかにおいて規定される核酸の免疫学的に活性なフラグメントをコードする核酸、
    (l)配列番号29、配列番号3、配列番号5、配列番号9、配列番号26、配列番号27、配列番号31、配列番号33もしくは配列番号34のいずれかに示される核酸によってコードされるサイトカイニンオキシダーゼの機能的フラグメントをコードするか、または(a)〜(j)のいずれかにおいて規定される核酸の機能的フラグメントをコードする核酸であって、該フラグメントは、サイトカイニンオキシダーゼの生物学的活性を有する、核酸;ならびに
    (m)配列番号4、配列番号6、配列番号10もしくは配列番号35に規定されるタンパク質をコードする核酸であって、但し、該核酸は、以下のGenbank登録番号:AC005917、AB024035およびAC023754のいずれかのもとで登録された核酸ではない、核酸、
    からなる群より選択される、サイトカイニンオキシダーゼ活性を有する植物タンパク質をコードする、核酸。
  4. DNA、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAもしくは合成RNAであって、該RNAにおいて、TはUで置換されている、請求項3に記載の単離された核酸。
  5. 請求項3または4に記載の核酸と特異的にハイブリダイズする、少なくとも15ヌクレオチド長の核酸分子。
  6. 請求項3または4に記載の核酸を特異的に増幅する、少なくとも15ヌクレオチド長の核酸分子。
  7. 請求項3または4に記載の核酸を含む、ベクター。
  8. 発現ベクターである、請求項7に記載のベクターであって、前記核酸は、原核生物宿主細胞における該核酸の発現を可能にする1つ以上の制御配列に作動可能に連結されている、ベクター。
  9. 発現ベクターである、請求項7に記載のベクターであって、前記核酸は、真核生物宿主細胞における該核酸の発現を可能にする1つ以上の制御配列に作動可能に連結されている、ベクター。
  10. 請求項3または4に記載の核酸を含む、宿主細胞。
  11. 請求項7に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  12. 請求項8に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  13. 請求項9に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  14. 細菌細胞、昆虫細胞、真菌細胞、植物細胞または動物細胞である、請求項10に記載の宿主細胞。
  15. 細菌細胞、昆虫細胞、真菌細胞、植物細胞または動物細胞である、請求項11に記載の宿主細胞。
  16. 細菌細胞である、請求項12に記載の宿主細胞。
  17. 昆虫細胞、真菌細胞、植物細胞または動物細胞である、請求項13に記載の宿主細胞。
  18. 請求項3もしくは4に記載の核酸によってコードされる単離されたポリペプチド、またはそのホモログもしくは誘導体、またはその免疫学的に活性なフラグメントもしくは機能的フラグメント。
  19. 配列番号4、配列番号6、配列番号10もしくは配列番号35のいずれかに示されるアミノ酸配列、またはそのホモログもしくは誘導体、またはその免疫学的に活性なフラグメントもしくは機能的フラグメントを含む、請求項18に記載のポリペプチド。
  20. サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成するための方法であって、該方法は、請求項11に記載の宿主細胞を、該ポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養する工程、および該培養物から生成されたポリペプチドを回収する工程、を包含する、方法。
  21. サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成するための方法であって、該方法は、請求項12に記載の宿主細胞を、該ポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養する工程、および該培養物から生成されたポリペプチドを回収する工程、を包含する、方法。
  22. サイトカイニンオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを生成するための方法であって、該方法は、請求項13に記載の宿主細胞を、該ポリペプチドの発現を可能にする条件下で培養する工程、および該培養物から生成されたポリペプチドを回収する工程、を包含する、方法。
  23. 請求項18に記載のポリペプチドまたはその特異的エピトープを特異的に認識する、抗体。
  24. 請求項19に記載のポリペプチドまたはその特異的エピトープを特異的に認識する、抗体。
  25. トランスジェニックの植物、植物細胞または植物組織の生成のための方法であって、発現可能な形式またはベクター中の請求項3または4に記載の核酸の、該植物、植物細胞または植物組織への導入を包含する、方法。
  26. 変更された植物、植物細胞または植物組織の生成のための方法であって、該植物の細胞、組織または器官への、請求項18に記載のポリペプチドの直接的導入を包含する、方法。
  27. 変更された植物、植物細胞または植物組織の生成のための方法であって、該植物の細胞、組織または器官への、請求項19に記載のポリペプチドの直接的導入を包含する、方法。
  28. 請求項18に記載のポリペプチドの発現をもたらす方法であって、該方法は、1つ以上の制御配列に作動可能に連結された、該ポリペプチドをコードする核酸、または1つ以上の制御配列に作動可能に連結された、該ポリペプチドをコードする核酸を含むベクターの、植物細胞のゲノムへの安定な導入を包含する、方法。
  29. 請求項19に記載のポリペプチドの発現をもたらす方法であって、該方法は、1つ以上の制御配列に作動可能に連結された、該ポリペプチドをコードする核酸、または1つ以上の制御配列に作動可能に連結された、該ポリペプチドをコードする核酸を含むベクターの、植物細胞のゲノムへの安定な導入を包含する、方法。
  30. 前記植物細胞から植物を再生する工程をさらに包含する、請求項25に記載の方法。
  31. 前記植物細胞から植物を再生する工程をさらに包含する、請求項28に記載の方法。
  32. 前記植物細胞から植物を再生する工程をさらに包含する、請求項29に記載の方法。
  33. 請求項3または4に記載の核酸を含むトランスジェニック植物細胞であって、該核酸は、植物細胞またはトランスジェニック植物細胞における該核酸の転写および/または発現を可能にする調節エレメントに、作動可能に連結されている、トランスジェニック植物細胞。
  34. 請求項33に記載のトランスジェニック植物細胞であって、前記核酸は、該植物細胞のゲノムに安定に組み込まれている、トランスジェニック植物細胞。
  35. 請求項33に記載の植物細胞を含む、トランスジェニックの植物、植物の一部または植物組織。
  36. 請求項34に記載の植物細胞を含む、トランスジェニックの植物、植物の一部または植物組織。
  37. 請求項35に記載の植物の、収穫可能な部分。
  38. 請求項36に記載の植物の、収穫可能な部分。
  39. 種子、葉、果実、幹培養物、根茎、根、塊茎および球茎からなる群より選択される、請求項37に記載の植物の収穫可能な部分。
  40. 種子、葉、果実、幹培養物、根茎、根、塊茎および球茎からなる群より選択される、請求項38に記載の植物の収穫可能な部分。
  41. 請求項35に記載の植物または植物の一部由来の子孫。
  42. 請求項36に記載の植物または植物の一部由来の子孫。
  43. 根の成長を刺激するための方法であって、該方法は、請求項3もしくは4に記載の核酸の発現を包含するか、または植物もしくは植物の一部において活性なサイトカイニンのレベルを低減する別のタンパク質の発現を包含する、方法。
  44. 側根または不定根の形成を増強するための方法であって、該方法は、請求項3もしくは4に記載の核酸の発現を包含するか、または植物もしくは植物の一部において活性なサイトカイニンのレベルを低減する別のタンパク質の発現を包含する、方法。
  45. 根の横地重力屈性を変更するための方法であって、該方法は、請求項3もしくは4に記載の核酸の発現の変更を包含するか、または植物もしくは植物の一部において活性なサイトカイニンのレベルを低減する別のタンパク質の発現を包含する、方法。
  46. 収穫量の増加をもたらす、請求項43に記載の方法。
  47. 収穫量の増加をもたらす、請求項44に記載の方法。
  48. 収穫量の増加をもたらす、請求項45に記載の方法。
  49. 前記核酸の発現が、強力な構成的プロモーターの制御下で生じる、請求項43に記載の方法。
  50. 前記核酸の発現が、強力な構成的プロモーターの制御下で生じる、請求項44に記載の方法。
  51. 前記核酸の発現が、強力な構成的プロモーターの制御下で生じる、請求項45に記載の方法。
  52. 前記核酸の発現が、根において優先的に発現されるプロモーターの制御下で生じる、請求項43に記載の方法。
  53. 前記核酸の発現が、根において優先的に発現されるプロモーターの制御下で生じる、請求項44に記載の方法。
  54. 前記核酸の発現が、根において優先的に発現されるプロモーターの制御下で生じる、請求項45に記載の方法。
  55. 請求項18に記載のポリペプチドと相互作用するタンパク質を同定および獲得するための方法であって、請求項18に記載のポリペプチドが使用されるスクリーニングアッセイを包含する、方法。
  56. 請求項19に記載のポリペプチドと相互作用するタンパク質を同定および獲得するための方法であって、請求項19に記載のポリペプチドが使用されるスクリーニングアッセイを包含する、方法。
  57. ツーハイブリッドスクリーニングアッセイを包含する、請求項55に記載の方法であって、ここで、請求項18に記載のポリペプチドはベイトとして、そしてcDNAライブラリーはプレイとして使用される、方法。
  58. ツーハイブリッドスクリーニングアッセイを包含する、請求項56に記載の方法であって、ここで、請求項19に記載のポリペプチドはベイトとして、そしてcDNAライブラリーはプレイとして使用される、方法。
  59. 請求項18に記載のポリペプチドと、該ポリペプチドが使用されるスクリーニングアッセイによって獲得可能な、相互作用するタンパク質パートナーとの間の相互作用を、調節するための方法。
  60. 請求項19に記載のポリペプチドと、該ポリペプチドが使用されるスクリーニングアッセイによって獲得可能な、相互作用するタンパク質パートナーとの間の相互作用を、調節するための方法。
  61. 請求項18に記載のポリペプチドと相互作用する化合物を同定および獲得するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    a)請求項18に記載のポリペプチドと、請求項55に記載の方法によって獲得可能な、相互作用するタンパク質パートナーとが発現される、ツーハイブリッドシステムを提供する工程、
    b)(a)に規定されるように発現されたポリペプチドによって形成される複合体と、該化合物とを相互作用させる工程、ならびに
    c)該化合物と該ポリペプチドとの相互作用、または(a)に規定されるように発現されたポリペプチドによって形成される該複合体の測定を実施する工程、
    を包含する、方法。
  62. 請求項19に記載のポリペプチドと相互作用する化合物を同定および獲得する方法であって:
    a)ツーハイブリッドシステムを提供する工程であって、ここで、請求項19に記載のポリペプチドおよび請求項56に記載の方法によって獲得可能な相互作用するタンパク質パートナーが発現される、工程、
    b)該化合物と、(a)において規定される該発現されたポリペプチドにより形成される複合体とを相互作用させる工程、および
    c)該化合物と、該ポリペプチドまたは(a)において規定される該発現されたポリペプチドにより形成される複合体との相互作用の測定を実施する工程、
    を包含する、方法。
  63. 請求項18に記載のポリペプチドに特異的に結合する化合物または化合物の混合物を同定する方法であって、
    a)請求項18に記載のポリペプチドと、該化合物または化合物の混合物を、複合体の形成を可能にするのに適した条件下で合わせる工程、および
    b)複合体の形成を検出する工程であって、ここで、複合体の存在は、該ポリペプチドに特異的に結合する化合物または混合物を同定する、工程、
    を包含する、方法。
  64. 請求項19に記載のポリペプチドに特異的に結合する化合物または化合物の混合物を同定する方法であって、
    a)請求項19に記載のポリペプチドと、該化合物または化合物の混合物を、複合体の形成を可能にするのに適した条件下で合わせる工程、および
    b)複合体の形成を検出する工程であって、ここで、複合体の存在は、該ポリペプチドに特異的に結合する化合物または混合物を同定する、工程、
    を包含する、方法。
  65. 前記化合物が、前記ポリペプチドの活性を阻害し、そして合理的な化学物質設計のために使用され得る、請求項61に記載の方法。
  66. 前記化合物が、前記ポリペプチドの活性を阻害し、そして合理的な化学物質設計のために使用され得る、請求項62に記載の方法。
  67. 前記化合物または化合物の混合物が、前記ポリペプチドの活性を阻害し、そして合理的な化学物質設計のために使用され得る、請求項63に記載の方法。
  68. 前記化合物または化合物の混合物が、前記ポリペプチドの活性を阻害し、そして合理的な化学物質設計のために使用され得る、請求項64に記載の方法。
  69. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項55に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  70. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項56に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  71. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項57に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  72. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項58に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  73. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項59に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  74. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項60に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  75. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項61に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  76. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項62に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  77. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項63に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  78. 植物成長調節因子または除草剤組成物の生成方法であって、請求項64に記載の方法の工程、および農業における適用に適した形態で、該工程から得られる前記化合物または植物細胞または組織培養物を処方する工程、を包含する、方法。
  79. 請求項3または4に記載の核酸分子を含む、診断組成物。
  80. 請求項7に記載のベクターを含む、診断組成物。
  81. 請求項8に記載のベクターを含む、診断組成物。
  82. 請求項18に記載のポリペプチドを含む、診断組成物。
  83. 請求項19に記載のポリペプチドを含む、診断組成物。
  84. 請求項23に記載の抗体を含む、診断組成物。
  85. 請求項24に記載の抗体を含む、診断組成物。
  86. 根の成長点の大きさを増大する方法であって、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含むか、または植物または植物の一部、好ましくは根において活性なサイトカイニンのレベルを減少させるタンパク質をコードする核酸の発現を含む、方法。
  87. 根の大きさを増大する方法であって、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含むか、または植物または植物の一部、好ましくは根において活性なサイトカイニンのレベルを減少させるタンパク質をコードする別の核酸の発現を含む、方法。
  88. 根の成長点の大きさを増大する方法であって、好ましくは苗条における、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現のダウンレギュレーションを含む、方法。
  89. 葉の老化を遅らせる方法であって、好ましくは、葉の老化における、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現のダウンレギュレーションを含む、方法。
  90. 葉の老化を変化させる方法であって、葉の老化における、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含む、方法。
  91. 葉の厚みを増大する方法であって、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含むか、または植物または植物の一部において活性なサイトカイニンのレベルを減少させるタンパク質をコードする核酸の発現を含む、方法。
  92. 道管の大きさを減少させる方法であって、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含むか、または植物または植物の一部において活性なサイトカイニンのレベルを減少させるタンパク質をコードする核酸の発現を含む、方法。
  93. 道管の大きさを増大する方法であって、植物または植物の一部における、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現のダウンレギュレーションを含む、方法。
  94. 単為結実を誘導する方法であって、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含むか、または植物または植物の一部において、好ましくは胎座、胚珠、およびそれら由来の組織において活性なサイトカイニンのレベルを減少させるタンパク質をコードする核酸の発現を含む、方法。
  95. 実生の直立性を改善する方法であって、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含むか、または実生、好ましくは実生の根において活性なサイトカイニンのレベルを減少させるタンパク質をコードする核酸の発現を含む、方法。
  96. 植物または植物の一部における、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含む、枝分かれを増大する方法。
  97. 植物または植物の一部、好ましくは幹または腋芽における、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含む、倒伏耐性を改善する方法。
  98. 植物サイトカイニンオキシダーゼを過剰発現するトランスジェニック台木を含む、トランスジェニック植物。
  99. 接ぎ穂をさらに含む、請求項98に記載のトランスジェニック植物。
  100. 請求項98または99に記載の植物の収穫可能な一部分。
  101. 根の成長および発達を刺激する方法であって、トランスジェニックの植物細胞または組織培養物における植物サイトカイニンオキシダーゼをコードする核酸の発現を含む、方法。
  102. 前記核酸が、請求項3に記載の核酸または請求項2に規定される核酸のうちの少なくとも1つである、請求項61に記載の方法。
  103. 種子の大きさまたは重量を増大する方法であって、植物におけるサイトカイニンオキシダーゼのレベルまたは活性を増大する工程、または植物または植物の一部、好ましくは種子における活性サイトカイニンのレベルを減少するタンパク質のレベルまたは活性を増大する工程を包含する、方法。
  104. 胚の大きさまたは重量を増大する方法であって、植物におけるサイトカイニンオキシダーゼのレベルまたは活性を増大する工程、または植物または植物の一部、好ましくは胚における活性サイトカイニンのレベルを減少するタンパク質のレベルまたは活性を増大する工程を包含する、方法。
  105. 子葉の大きさを増大する方法であって、植物におけるサイトカイニンオキシダーゼのレベルまたは活性を増大する工程、または植物または植物の一部、好ましくは子葉における活性サイトカイニンのレベルを減少するタンパク質のレベルまたは活性を増大する工程を包含する、方法。
  106. 種子の大きさまたは重量を増大する方法であって、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含むか、または植物または植物の一部、好ましくは種子における活性サイトカイニンのレベルを減少するタンパク質をコードする核酸の発現を包含する、方法。
  107. 胚の大きさまたは重量を増大する方法であって、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含むか、または植物または植物の一部、好ましくは胚における活性サイトカイニンのレベルを減少するタンパク質をコードする核酸の発現を包含する、方法。
  108. 子葉の大きさを増大する方法であって、請求項3もしくは4に記載の核酸または請求項2において規定される核酸の発現を含むか、または植物または植物の一部、好ましくは子葉における活性サイトカイニンのレベルを減少するタンパク質をコードする核酸の発現を包含する、方法。
  109. 前記核酸が、種子において優先的に発現を制御するプロモーターの制御下にある、請求項106に記載の方法。
  110. 前記核酸が、胚において優先的に発現を制御するプロモーターの制御下にある、請求項107に記載の方法。
  111. 前記核酸が、子葉において優先的に発現を制御するプロモーターの制御下にある、請求項108に記載の方法。
  112. 前記プロモーターがさらに、内乳またはアリューロンに対して特異的である、請求項109に記載の方法。
  113. 前記方法が、収穫量の増加を導く、請求項106に記載の方法。
  114. 前記方法が、実生の成長の増大または早期強勢の増大を導く、請求項106に記載の方法。
  115. 前記方法が、収穫量の増加を導く、請求項107に記載の方法。
  116. 前記方法が、実生の成長の増大または早期強勢の増大を導く、請求項107に記載の方法。
  117. 前記方法が、収穫量の増加を導く、請求項108に記載の方法。
  118. 前記方法が、実生の成長の増大または早期強勢の増大を導く、請求項108に記載の方法。
  119. 実生の成長の増大または早期強勢の増大が、増大したストレス耐性に関連する、請求項114に記載の方法。
  120. 実生の成長の増大または早期強勢の増大が、増大したストレス耐性に関連する、請求項116に記載の方法。
  121. 実生の成長の増大または早期強勢の増大が、増大したストレス耐性に関連する、請求項118に記載の方法。
  122. 植物において種子の大きさまたは重量を増大する方法であって、配列番号1、5、25、もしくは27のいずれかに示される核酸または該核酸のオルソログの発現を含み、該オルソログが、該植物の種に特異的である、方法。
  123. 植物において胚の大きさまたは重量を増大する方法であって、配列番号1、5、25、もしくは27のいずれかに示される核酸または該核酸のオルソログの発現を含み、該オルソログが、該植物の種に特異的である、方法。
  124. 植物において子葉の大きさを増大する方法であって、配列番号1、5、25、もしくは27のいずれかに示される核酸または該核酸のオルソログの発現を含み、該オルソログが、該植物の種に特異的である、方法。
  125. 前記核酸が、種子において優先的に発現を制御するプロモーターの制御下にある、請求項122に記載の方法。
  126. 前記核酸が、胚において優先的に発現を制御するプロモーターの制御下にある、請求項123に記載の方法。
  127. 前記核酸が、子葉において優先的に発現を制御するプロモーターの制御下にある、請求項124に記載の方法。
  128. 前記プロモーターがさらに、内乳またはアリューロンに対して特異的である、請求項125に記載の方法。
  129. 前記方法が、収穫量の増加を導く、請求項122に記載の方法。
  130. 前記方法が、実生の成長の増大または早期強勢の増大を導く、請求項122に記載の方法。
  131. 前記方法が、収穫量の増加を導く、請求項123に記載の方法。
  132. 前記方法が、実生の成長の増大または早期強勢の増大を導く、請求項123に記載の方法。
  133. 前記方法が、収穫量の増加を導く、請求項124に記載の方法。
  134. 前記方法が、実生の成長の増大または早期強勢の増大を導く、請求項124に記載の方法。
  135. 実生の成長の増大または早期強勢の増大が、増大したストレス耐性に関連する、請求項130に記載の方法。
  136. 実生の成長の増大または早期強勢の増大が、増大したストレス耐性に関連する、請求項132に記載の方法。
  137. 実生の成長の増大または早期強勢の増大が、増大したストレス耐性に関連する、請求項134に記載の方法。
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