JP2005509442A - 免疫遺伝子レパートリーのプロファイリング - Google Patents

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Abstract

本発明は、生物の抗体およびT細胞受容体のmRNAレパートリーのプロファイリングのための方法に関する。生成されるプロファイルは、現在の免疫状態を説明するものである。この知識は、病気の診断および予測、ならびに治療薬およびタンパク質の同定に有用である。

Description

発明の分野
本発明は、生物の抗体およびT細胞受容体のmRNAレパートリーのプロファイリングの方法に関する。作成されたプロフィールは、現在の免疫状態を説明するものである。この知識は病気の診断および予測に有用であり、治療薬およびタンパク質の同定に有用である。
発明の背景
脊椎動物の適応免疫系は、膨大な多様性を有する抗原および病原体への特異的な応答を可能にしている。この応答は、Bリンパ球およびTリンパ球の存在に基づくものであり、これらリンパ球は、B細胞およびT細胞発達中に体細胞遺伝子組換えを通じて組み立てられるB細胞受容体(BCR)またはT細胞受容体(TCR)を通して自らの機能を及ぼす。BCRおよびTCRは、リガンドの認識後に特定のシグナルを媒介する共受容体と共にBおよびTリンパ球の膜に結合している。さらに、Bリンパ球は、BCRを特定の抗体の形で分泌することが可能で、それら抗体も免疫反応を及ぼすことができる。
組換え過程(V(D)J組換えとして知られる)により、BCRおよびTCRの高度な多様性が可能であり、その多様性は脊椎動物におけるリンパ球数より桁違いに高い。例えば、推定数で1014〜1015の異なるBCR特異性は、ヒトに存在するほんの1011のB細胞により理論的に生み出され得る。
B細胞
Bリンパ球は、ウイルス、寄生生物および細菌などの外部からの侵入物に特異的に結合し、それらの破壊を開始させ得る抗体を産生することによる、体液性免疫の主たる媒介物質である。抗体は、血液、リンパ管および体液中を循環する球状タンパク質である。体液性免疫応答は、抗体による抗原の認識に基づいている。抗原破壊において、抗体は3つの主機能:(1)体液性ブランチ(branch)、補体系、多種のタンパク質に基づく系の主なエフェクターの活性化、(2)抗原に対する結合、即ちそれらの傷害可能性の排除、および(3)専門的食細胞上のFc受容体による認識を実行する。抗原はまず、特異的B細胞の表面で膜に結合した抗体(IgMおよびIgD)により認識される。次いで、それは細胞内に取り込まれ、クラスII MHC活性化ヘルパーT2細胞上に提示される。樹状細胞またはマクロファージなどの他の抗原提示細胞もヘルパーT2細胞を活性化し得る。その後、それらはB細胞に結合してIL−4などのサイトカイン放出によりB細胞を刺激し、形質細胞への分化を開始させるであろう。これら形質細胞は、かなりの量の分泌抗体を産生、分泌し、この抗体は、溶液中で遊離状態であるかまたは外来細胞の表面上にある抗原に結合して、沈殿物を形成し、抗体Fcセグメントにおいてコンフォメーションの変化を引き起こす。この変化は、微生物の表面抗原に抗体が結合することから始まるカスケードにおいて補体系が外来細胞の溶解を開始させることを可能にする。その他、抗原が膜に結合していないが抗体により沈殿するなら、「イノセント・バイスタンダー溶解(Innocent-Bystander Lysis)」が生じて、活性細胞を殺す。さらに、補体系のタンパク分解産物は、好中球およびマクロファージを呼び込む責を担うオプソニンとして働く。これはさらに、外来抗原に対する免疫系の感作および炎症反応を開始させる。補体系活性物質としての抗体機能(特にIgM)に加えて、それらは自身がオプソニンとしても作用し、好中球を呼び込む。
脊椎動物が体液性免疫反応を開始させるための効率性は特異的抗体の存在に依存しているので、発現される免疫グロブリンの完全なコレクション(すなわち、免疫グロブリン「レパートリー」)が生物の免疫状態の決定因である。
しかしながら、V(D)J組換えは、B細胞およびT細胞における別個のゲノム遺伝子座の体細胞再構成(rearrangement)を通じて行われるので、脊椎動物のゲノムV(D)J再構成のコレクションも「レパートリー」と称することができる。それらのうち一部の再構成は実際には発現されていないかもしれない(それらが非生産的に再構成されているので)が、B細胞およびT細胞のゲノム再構成の状態についての知識により、発現される免疫グロブリンおよびT細胞受容体レパートリーの推定が可能になる。
T細胞
Tリンパ球は、ヒトにおける細胞性免疫の主媒介物質であり、感染物質(例えば、ウイルスおよび細菌)に対する免疫応答および新生物疾患に対する体の天然の防御において重要な役割を占めている。同様に、Tリンパ球は、宿主の免疫系が外部宿主から移植された組織を攻撃(拒絶)する急性移植片対宿主病、自己免疫疾患、過敏症、退化性神経系疾患および他の多くの状態において中心的役割を果たしている。T細胞免疫反応は、1つ(またはそれ以上)の特定のT細胞が特定の抗原を認識し、成長−促進サイトカインを分泌し、そしてモノクローナル(またはオリゴクローナル)性の拡大を遂げ、外来抗原を認識して除去する別のT細胞をもたらすことを特徴とする。
各T細胞およびその子孫は、相補的で構造的に唯一である抗原を認識するT細胞受容体(TCR)が構造的に唯一であるという理由で唯一のものである。一般的に、T細胞は2つの型のTCRのどちらかを産生する。γδ受容体は、Tリンパ球の<5%において見出される。これはT細胞の発達の初期段階にのみ合成される。TCRαβは、>95%のリンパ球において見られる。これはT細胞発達においてγδより後期に合成される。TCRαβは、細胞介在性免疫におけるヘルパーT細胞機能および細胞介在性免疫におけるキラーT細胞機能を担う。TCRはMHCタンパク質表面の溝にあるペプチドを認識する。この特異的相互作用の結果は、CD3複合体を通じたシグナリングである。T細胞の分化段階および同時刺激(co-stimulatory)シグナルに依存して、これはT細胞増殖、T細胞エフェクター機能、T細胞アネルギーまたは細胞死を導くことができる。
TCRの多様性の基礎および構造は、現在良く知られている。多様性は、TCR遺伝子座での体細胞組換えを通じて生み出される。この組換えは、3つの異なるセグメント型:V(可変)、D(多様性)およびJ(結合)セグメントを含み、これらは免疫グロブリンにおける組換えに似ている。別の多様性は、組換え過程中にセグメントの接合部で生じる。TCRαの構成はIgκの構成と似ており、一個のC遺伝子の前にあるJセグメントのクラスターから隔てられたV遺伝子を有する。αセグメントに加えて、この遺伝子座はδセグメントも含む。TCRβの構成は異なっており、各々がDセグメント、数個のJセグメントおよびC遺伝子を含む2つのクラスターから隔てられたV遺伝子を有する。T細胞受容体αおよびβ鎖内で可変領域は、免疫グロブリンに見られる領域と似ている超可変領域であり、そこでは抗原と接触する主な点を形成し、ゆえにCDR(相補性決定領域)と称される。免疫グロブリンからの類推に基づいて、これらTCR超可変領域は、結合しているβ−シートTCRフレームワーク配列からループを作り出している(loop out)と考えられている。2つのCDR(CDR1およびCDR2)は、主要組織適合性複合体(MHC)ペプチド配列と優位に接触すると仮定されるのに対して、第三の中央に位置するCDR(CDR3)はMHC抗原結合溝に結合したペプチドと接触すると考えられている。
TCRαβ細胞について、末梢で利用可能なレパートリーはランダムな組換え過程の結果のみではない。中心となるレパートリー形成は、自己のMHC分子を認識する可能性があるT細胞の正の選択、および明白に自己と反応するT細胞の破壊(負の選択)の両方により胸腺でのT細胞発達中に起こる
自己免疫、病原菌に対する応答、同種免疫および腫瘍免疫を含む、正常な生理学的および病理学的状態におけるT細胞の反応の特性化は、免疫系による病気の制御を理解するための鍵であり、多くの臨床的状態において重要な役割を果たし始めている。
ある時点で脊椎動物により発現されているBCRおよびTCRの全体、すなわち脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーは、脊椎動物の免疫状態を映し出す。ゆえに、脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーの簡潔な分析から、免疫状態についておよび病気に対する感受性についての結論を引き出すことができる。さらに、進行中の病気および炎症反応は、免疫遺伝子レパートリーにより評価することができ、治療に対する決定を下すこともできる。
ケモカイン、サイトカインおよび膜結合シグナリング分子などのシグナリング分子により別のレベルの複雑性が免疫系に加えられている。これらの免疫分子は、免疫系のT細胞、B細胞および他の細胞間のクロストーク(crosstalk)を可能にする。従って、これらのシグナリング分子の発現分析は、BCRおよびTCRレパートリー分析により得られる情報を補足して生物の免疫状態の評価も可能にする。
当技術分野の現状
様々な免疫グロブリン(Ig)レパートリー分析が、過去に行われ、Igレパートリーにおける変化が、生物の、異なる生理学的段階に関係し得ることを示している。より具体的には、サルコイドーシス、肝炎、多発性硬化症、リンパ腫および移植片対宿主病のような疾患はIgレパートリーにおける変動と関連していることが見出された。
しかし、以前の全てのレパートリー分析は、処理量の高い分析ができないそれらの実験計画により妨げられていた。以前の分析は、フィルターに対するコロニーハイブリダイゼーション、配列決定または相補性決定領域(CDR)スペクトラタイピングを用いて行われていた。それらの方法は、非常に面倒なものであって、統計的に有意な数の個体のIgとTCRレパートリーを評価して比較することができなかった。
Igレパートリー分析の1例は、Williamsonら[Proc Natl Acad Sci U S A., 13; 98(4):1793-8, 2001]により提供され、彼らは多発性硬化症患者の急性プラークからRNAを抽出した。cDNAを製造し、抗体の重鎖および軽鎖をPCR増幅してサブクローン化した。しかし、選択されたIg鎖のみが続いて分析された。このために単一の軽鎖および重鎖を真核細胞株にトランスフェクションして組換えられた全Ig分子を発現させた。得られた完全なIg分子の特異性を免疫細胞化学およびFACS分析により検討した。Williamsonら(2001)は労働集約的方法を使用し、その方法は完全なIgレパートリーをカバーするものでは決してなかった。おそらく実験系の複雑さのために、健康な対照個体は含まれなかった。しかし、Williamsonら(2001)は、自己免疫IgレパートリーがMS患者に存在することを示すことができた。
別の例は、Baxendaleら[Eur J Immunol., 30(4):1214-23, 2000]により提供され、彼らはヒト個体由来のB細胞ハイブリドーマを確立した。それら個体のIgレパートリーは、次いでELISAおよび配列決定により特性化された。この方法を用いて、Baxendaleら(2000)は、S.pneumoniaeおよび様々なS.pneumoniaeワクチンに対するヒト免疫反応を分析することができた。
免疫系をより理解し、モニターし、そして変調させるためにT細胞レパートリーをモニターするため、徹底的な研究努力が改良法の開発に注がれてきた。T細胞レパートリー分析の方法には、ランダム配列決定、RNaseプロテクションアッセイ(Okada et al., J.Exp.Med. 169:1703-1719, 1989; Singer et al., EMBO J. 9:3641-3648, 1990)、アンカーPCRまたは逆(inverse)PCRにより作製されたE.coliにおけるTCRミニ・ライブラリー(Rieux-Laucat et al., Eur.J.Immunol. 23:928-934; Uematsu et al., Immunogenetics 34:174-178, 1991)および使用可能時に特異的なモノクローナル抗体(mAb)を使用したV−遺伝子使用分析(Genevee et al., Int.Immunol. 6:1497-1504, 1994)が含まれる。T細胞レパートリー分析において、より成功を収めている進歩の多くのものは、T細胞受容体レパートリーの測定に向けられたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を含んでいる。Cottrez et al., J.Immunol.Methods, 172:85-94, 1994を総括として参照。
Oaksら(Am.J.Med.Sci., 309(1):26-34, 1995)は、細胞サンプルからのRNA抽出、RNAからのcDNA合成、およびファミリー特異的なVαおよびVβオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCR(約40サイクル)による一部のcDNAの増幅からなる、T細胞レパートリー分析のPCRに基づいた方法を報告した。そのPCR産物を2%アガロースゲル上での電気泳動、次いでα−鎖またはβ−鎖定常領域遺伝子プローブを使用したサザンブロッティングにより分析し、明らかなバンドが検出されるなら特異的TCR VαまたはVβファミリーの発現は陽性であると考えられた。この方法は心臓同種移植患者において組織拒絶病変と非拒絶病変とを見分けるのに有用であった。しかし、サザンブロット分析は、個々のVαまたはVβ遺伝子ファミリー内のT細胞レパートリーについて最適下限の情報をもたらす。理由については、Dietrichら(Blood, 80(9):2419-24, 1992)も参照。
欧州特許出願番号0653 493 Al(1993年4月30日出願)において、本発明者らは、細胞サンプルからのRNA抽出、RNAからのcDNA合成、およびファミリー特異的なVβオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRによる一部のcDNAの増幅を含む、T細胞レパートリー分析のPCRに基づく方法を報告した。次いで、PCR増幅されたcDNAを一本鎖に分離し、非変性ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、これにより同じ長さを有するDNAフラグメントを「高次構造」における差異によりさらに分離することができる、「一本鎖高次構造多型」(SSCP)法を用いてPCR産物を分析した。この方法を用いて、末梢血リンパ球由来の増幅DNAは、報告によれば、通常は「染み(smear)」として観察されるが、染みの中央にある一本のバンドの検出がT細胞クローン増殖を示している。
Cottrezらは細胞サンプルからのRNA抽出、オリゴ−dTプライマーを使用したRNAからのcDNA合成、およびファミリー特異的なVβオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCR(約25サイクル)による一部のcDNAの増幅を含む、T細胞レパートリー分析のPCRに基づく方法を報告した。PCR産物をDNAシーケンサーで分析し、該PCR産物は3塩基対長の間隔が空いた6〜11個の分離したフラグメントピークを含んでおり、これは「全ての」様々な長さのCDR3領域を示すものとして報告した。Gorski et al., J.Immunol., 152:5109-5119 (1994)も参照。
Puisieuxら[J.Immunol., 143 2807-18 (1994)]は、24個のヒトTCR VβサブファミリーにおけるVDJ接合サイズパターンの決定を含むT細胞レパートリー分析のPCRに基づく方法を報告した。TCR Vαサブファミリーは特性化されなかった。これら研究者らは、この方法を用いて逐次的な悪性黒色腫生検に浸潤しているT細胞を、クローン増殖の存在について分析し、多少とも複雑なポリクローナル的バックグラウンドの上に該増殖を検出した。彼らの研究は、腫瘍性状態および該状態の治療をモニターするためのT細胞レパートリー分析法の有用性を浮かび上がらせた。
Puisieux et alらによるT細胞レパートリー分析法は、細胞からのRNA抽出工程、オリゴ−(dT)プライマーを使用したRNAからのcDNA合成、およびファミリー特異的なVβオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRによる一部のcDNAの増幅を含むものであると報告されている。1個の蛍光ピーク(配列決定ゲル上)がファミリー中の全ピークの全蛍光強度の40%に相当するファミリーにおいて、PCR産物中の可能性あるクローン増殖が仮に同定された。T細胞レパートリー分析を「洗練する」ために、所望のVβファミリー特異的なPCR反応の第二セットを、蛍光ラベルされたCβプライマを用いて、および/または13個のJβ−ファミリー−特異的な蛍光ラベル化Jβプライマーを用いてさらにプライマー伸長「決選(run off)」反応にかけた。次いでこの決選反応産物をさらに配列決定ゲル上で分析した。
同じ研究グループは、最近、彼らのT細胞レパートリー分析法についてさらに詳しく述べている。Pannetier et al., Immunol.Today, 16:176-181, 1995を参照。このグループは、VαファミリーよりもVβファミリーがPCRにより分析しやすいことを報告している。それでもなお、彼らのVβ分析法は25のVβファミリー特異的なPCR増幅(その各々は平均8ピークを生じる)、25のCβ「決選」反応、および325のJβ「決選」反応(25Vβ×13Jβ=325)を含む。各「決選」反応は、ポリアクリルアミドゲル上で反応物の一部を電気泳動することにより分析される。
特許出願WO 97/18330において、Dauらは、T細胞受容体CD3領域のファミリー内フラグメント分析と彼らが称し、ファミリー間分析と彼らが称するものとは区別される、T細胞レパートリーを分析する新規な方法を特許請求している。ファミリー間分析中、各ファミリー由来のPCR産物は、定量的に比較されるが、プライマー効率を最適にして全てのVベータファミリーに対する対数増殖期の全ての反応を停止させることは実際には不可能である。ゆえに、ファミリー間のTCR遺伝子発現の相対量についての判断は信頼することができない。ファミリー内分析において、1個のVベータプライマーにより生じたフラグメントが比較されており、それによりファミリー間分析に必要な反応条件の最適化を回避している。
脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを特性化する上記の既知の方法のいずれを用いても、適用されるプライマーの特異性および増幅されたPCR産物の長さを基準にして異なるTCRまたはBCRファミリー構成員間を区別することができるのみである。これら分析を行うのは非常に単調で退屈であり、さらには得られる結果の情報内容がむしろ低い。さらに、免疫遺伝子レパートリーをプロファイリングする上記の方法のどれによっても、処理能力の高い分析ができず、また脊椎動物のT細胞および/またはB細胞レパートリーの総合的な説明を提供するものではない。
発明の要約
本発明は、脊椎動物の免疫遺伝子プロファイルを高い処理能力でプロファイリングする方法を提供する。これら方法において、抗体および/またはT細胞受容体遺伝子の可変領域の少なくとも一部を含む配列が、B細胞またはT細胞から単離されたDNA、全RNAまたはmRNAから単離、および/または増幅される。増幅は、抗体遺伝子の可変および/または定常領域および/またはT細胞受容体遺伝子の可変および/または定常領域をコードする遺伝子セグメントに特異的な適当なオリゴヌクレオチドを用いて行われる。可変領域由来核酸の増幅物のプールは、増幅産物をオリゴヌクレオチドアレイ上でハイブリダイズさせることにより分析する。オリゴヌクレオチドアレイとハイブリダイズした分子を、当分野で知られている適当な方法により検出し、ハイブリダイゼーションのパターンを免疫状態、例えば以前のまたは現在の病気、将来の病気に対する予防、または病気の進行の予測と相関させる。病気に対する予防または病気の進行に相関したパターンを用いて、原因となる抗体またはT細胞受容体遺伝子を同定することができる。特定の抗体またはT細胞受容体が同定されたなら、抗体またはT細胞受容体が特異的である抗原または病原体を同定することも可能である。
本発明の詳細な説明
脊椎動物の再構成された抗体およびT細胞受容体遺伝子のプロファイリングを可能にする方法が開発された。まず、細胞を脊椎動物から得る。これら細胞は、細胞サンプルがTリンパ球またはBリンパ球を含んでいる限りはいかなる供給源から得てもよい。末梢血は、脊椎動物由来の細胞を得るのに好ましい供給源である。また、滑液、脳脊髄液、リンパ液、気管支肺胞洗浄液、胃腸分泌物、唾液、尿および涙からなる液体の一群から選択される脊椎動物の体液から細胞を得るのも好ましい。別の好ましい態様において、細胞は個体の組織から、例えば組織生検を行うことにより得られる。個々の病状についてアッセイするときは、適当な細胞源の選択は当業者に明らかであろう。例えば、関節に影響を及ぼす自己免疫疾患(例えば、リウマチ様関節炎)についてアッセイするためには、滑液が細胞を得るのに好ましい液体である。肝臓に影響を与える病気(例えば、肝炎、原発性胆汁性肝硬変)についてアッセイするためには、細胞を得るのに肝臓が好ましい組織である。
T細胞またはB細胞を、蛍光表示式細胞分取(fluorescence activated cell sorting (FACS))、磁気細胞分取(magnetic cell sorting(MACS))、白血球分離採血法、密度勾配遠心沈殿法または他の適当な方法により細胞から抽出してもよい。ある種の状況下で、FACS、MACSまたは他の適当な方法を用いて単離されたT細胞またはB細胞の集団をさらに機能的に別個のサブセットに再分割することも好都合であろう。それら機能的に異なるサブセットは、それらの区別を可能にする細胞表面分子または他のマーカーにより同定したときに異なる発達段階のリンパ球を包含するかもしれない。
DNA、全RNAまたはmRNAを、得られた細胞集団から調製し、免疫遺伝子の可変領域の少なくとも一部に含まれる配列を特定増幅させるための鋳型として用いる。ある可能な増幅法は、インビトロ転写による免疫遺伝子アンチセンスRNA(aRNA)の生成である。この増幅法における第一段階には、T7またはSP6プロモーターなどのRNAポリメラーゼプロモーターを用いて5’末端で伸長させた、免疫遺伝子に特異的なプライマーの合成が含まれる。このオリゴヌクレオチドを用いて、免疫遺伝子に特異的なcDNAを合成するためにmRNA集団をプライムすることができる。特異性は、免疫遺伝子内の配列に相補的なオリゴヌクレオチドの3’部分により与えられる。この配列は、抗体またはT細胞受容体遺伝子の少なくとも1つのサブファミリーにおいて共有されている。本発明の1つの態様において、その配列は、IgG、IgM、IgA、IgDおよび/またはIgEクラスに属する抗体の重鎖のCH1領域における配列に相補的である。本発明の別の態様において、その配列はTCRアルファ、TCRベータ、TCRガンマまたはTCRデルタの定常ドメインにおける配列に相補的である。cDNAの第一鎖が合成された後に、cDNA第二鎖が作られ、次いでRNAヌクレアーゼ処理によりRNAを分解し、T4 DNAポリメラーゼを用いた処理により二本鎖分子を生成する。次いで、この二本鎖cDNAを、aRNA合成を導くために組み込まれたRNAポリメラーゼプロモーターを利用した増幅に用いることができる。
別の増幅法は、ポリメラーゼ連鎖反応である。免疫遺伝子の可変領域の増幅に用いるプライマーは、免疫遺伝子サブファミリーの少なくとも増幅を可能にする配列に相補的である。本発明の1つの態様において、免疫グロブリンまたはT細胞受容体の重鎖または軽鎖CDR3領域を、CDR3の5’および3’に位置するプライマーを用いて増幅する。再構成されたヒト免疫グロブリン遺伝子の増幅は、Sblattero and Bradbury,Immunotechnology 3(4):271-8, 1998またはWang and Stollar, J Immunol Methods, 244(1-2):217-25, 2000に記載されているように、オリゴヌクレオチドを用いて行うことができる。これら参考文献に記載されているプライマーは、ヒト免疫グロブリン遺伝子の大多数を評価するために示されたものである。ヒト免疫グロブリンCDR3領域の増幅は、Efremov et al., 1995に記載のように行うことができる。
本発明の別の態様において、当分野で既知である各V(D)J領域の5’および3’に位置するプライマーを用いて免疫遺伝子を増幅する(Kuppers et al., EMBO J. 1993 Dec 15; 12(13):4955-67; Roers et al., Am J Pathol. 2000 Mar; 156(3):1067-71; Willenbrock et al., Am J Pathol. 2001 May; 158(5):1851-7; Muschen et al., Lab Invest 2001 Mar; 81(3):289-95)。
本発明のさらに別の態様において、発現された免疫遺伝子は、オリゴdTプライマーまたは少なくとも一部が免疫遺伝子定常領域における配列に相補的である免疫遺伝子に特異的なプライマーを用いて逆転写され、次いで適当なプライマーを用いてPCRにより増幅される。プライマー認識部位は、1)cDNA末端へのリンカーの結合または2)ターミナルデオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼ酵素を用いた独特のヌクレオチド残基によるcDNAのテーリングによりPCRに先立って加えてもよい。
増幅された免疫遺伝子は、オリゴヌクレオチドアレイ、SAGEまたは関連法により分析する必要のある標的分子である。オリゴヌクレオチドアレイ上で引き続き検出するために標的分子をラベル化してもよい。増幅された標的分子のラベル化は、当分野で既知の方法に従い行うことができる。1つの可能性は、インビトロ転写反応中のビオチニル化UTPまたはCTPなどのラベル化ヌクレオチドの組み込みである。別の可能性は、増幅反応後の標的分子のラベル化、例えばγ−S−ATPを用いてT4ポリヌクレオチドキナーゼにより増幅核酸の5’末端の酵素的修飾を行い、引き続きビオチンを用いてコンジュゲート化するものである。
次いでラベル化標的分子をオリゴヌクレオチドアレイにハイブリダイズさせる。このアレイは、当業者に既知である方法によりアレイ上の特定の位置に固定化されるかまたは合成される様々な異なるオリゴヌクレオチドから成る。注文設計されたオリゴヌクレオチドアレイを購入することができる(Affymetrix, Santa Clara, USA, Agilent Technologies, Palo Alto, USA)。
本発明の好ましい態様において、オリゴヌクレオチドアレイは、アレイ上の既知の位置においてin situで合成される、または固定化される8mer、9merまたは10merの全ての可能なオリゴヌクレオチドからなる。このようなオリゴヌクレオチドアレイの別の例には、免疫遺伝子の個々のサブセットに相補的となるよう設計されたオリゴヌクレオチドが含まれる。これらオリゴヌクレオチドについての配列情報は、クローン化TCRまたはBCR受容体遺伝子の配列決定により得られるかもしれない。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイズした標的分子の視覚化は、当業者に既知の方法に従い行う。1つの態様において、アレイに特異的に結合していないビオチニル化標的分子を洗浄除去して、特異的に結合した分子をストレプトアビジン−フィコエリスリン・コンジュゲートを用いて染色してもよい。非結合コンジュゲート分子を洗浄除去した後に、染色したアレイをスキャンしてもよい。検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターンを分析することができ、パターンと病気の相関関係を同定することができる。
TCRはMHC拘束性であるから、遺伝的MHC背景に従ってTCRの分析から得たパターンを階層化するのが好ましい。MHC遺伝子は、抗体による血清分析、適当なプライマーを用いたPCR分析などの常法または適当なオリゴヌクレオチドプローブを用いたDNAアレイ分析により決定することができる。
病気と関連のある免疫グロブリン−またはTCR−転写体の特定パターンの同定は、病気の診断およびモニターに用いてもよい。さらに、特定の病気に関連のある配列を免疫グロブリンまたはTCRから同定することで、完全な分子の単離を可能にし、治療の基礎を提供するかもしれない。該治療は、特定の免疫遺伝子を有する免疫細胞の除去、免疫遺伝子がそれらの標的分子に結合するのを阻害する化合物の投与、または所望の免疫遺伝子を有する細胞の拡大を含んでいてもよい。
本発明の目的の範囲内において「免疫遺伝子」とは、免疫受容体または該免疫受容体のフラグメントのアミノ酸配列をコードしている核酸分子である。
「免疫受容体」は、本発明の目的の範囲内において、抗原または該抗原のフラグメントを検出するまたはそれらに結合することにより免疫応答に関与する分子または該分子のフラグメントであると理解するべきである。
本発明の目的の範囲内において「免疫細胞」は、例えば抗原を検出するまたは抗原に結合する免疫受容体を発現するまたは有することにより、脊椎動物の免疫反応に関与する細胞であると理解すべきである。免疫細胞は、例えばT細胞およびB細胞であり得る。
脊椎動物の「免疫遺伝子レパートリー」は、脊椎動物の体内に存在する免疫遺伝子の全体であると理解すべきである。免疫遺伝子のレパートリーの特性化には、脊椎動物に存在する全てのまたは一部の免疫遺伝子の検出および/または定量が含まれるが、これに限定されるものではない。
細胞の「免疫遺伝子レパートリーを表す」核酸分子のサンプルについて、核酸分子のサンプルは、免疫遺伝子の分布が該細胞における免疫遺伝子の分布に似ている、または好ましい態様においておよそ類似している核酸分子のサンプルであると理解されるべきである。
「免疫異常」という用語は、本発明の目的の範囲内において、免疫細胞が関与する病気または別の健康状態を意味する。そのような異常には、自己免疫疾患、新生物疾患、感染症、過敏症、移植および移植片対宿主病、および変性疾患が含まれるが、これらに限定はされない。自己免疫疾患には、慢性関節リウマチ、I型糖尿病、若年性関節リウマチ、多発性硬化症、甲状腺炎、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、シェーグレン症候群、グレーブス病、アジソン病、グッドパスチャー症候群、強皮症、皮膚筋炎、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、原発性胆汁性肝硬変および自己免疫性溶血性貧血が含まれるが、これらに限定はされない。新生物疾患には、白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫などのリンパ増殖性疾患、および乳癌、結腸癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、皮膚癌などの癌が含まれるが、これらに限定はされない。感染症には、HIV、HSV、EBV、CMV、インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎またはC型肝炎などのウイルスにより引き起こされるウイルス感染;例えば酵母属Candidaにより引き起こされる感染などの真菌感染症;住血吸虫、フィラリア、線虫、旋毛虫または原虫などにより引き起こされる寄生生物による感染症、例えば、トリパノゾーマに起因する睡眠病、プラスモジウムに起因するマラリアまたはリーシュマニアに起因するリーシュマニア症;およびミコバクテリウム、コリネバクテリウムまたはブドウ球菌により引き起こされる細菌感染が含まれるが、これらに限定はされない。過敏症には、アレルギーを導くアレルゲンとの接触などのI型過敏症、例えばグッドパスチャー症候群、重症筋無力症および自己免疫性溶血性貧血に存在するII型過敏症、およびハンセン氏病、結核、サルコイドーシスおよび住血吸虫症などに顕在するIV型過敏症が含まれるが、これらに限定はされない。変性疾患には、パーキンソン病、アルツハイマー病およびアテローム性動脈硬化が含まれるが、これらに限定はされない。
本発明の目的の範囲内において、「適当な細胞」はB細胞および/またはT細胞を含むあらゆる細胞集団であると理解すべきである。本発明の目的の範囲内において、「オリゴヌクレオチド」は、長さが5〜100ヌクレオチドの核酸分子である。
本発明の目的の範囲内において、「免疫遺伝子の可変領域」は、免疫受容体の特異的結合ドメインをコードしている免疫遺伝子の部分であると理解すべきである。免疫遺伝子の可変領域の例として、免疫受容体のCDR1、CDR2およびCDR3領域をコードしている免疫遺伝子の領域が挙げられる。本発明の目的範囲内で、特異的とは、完全に特異的であることを必ずしも意味するものではない。
本発明の目的の範囲内で「インビトロ転写」とは、Philips and Eberwine, Methods 1996 Dec; 10(3):283-8に開示されているような核酸分子増幅のための実験法であると理解すべきである。
本発明の目的の範囲内で「PCR適合性条件」とは、PCR反応のアニーリング段階に適した条件であると理解すべきである。これら条件は、当業者によく知られている。1例は例えばSambrook et al., MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2d ed., 1989, at pages 14.18-14.19に与えられている:第一サイクルは、(i)94℃で5分間の変性段階、(ii)50℃で2分間のアニーリング段階、(iii)72℃で3分間のポリメリゼーション段階からなり、次のサイクルは、(i)94℃で1分間の変性段階、(ii)50℃で2分間のアニーリング段階、(iii)72℃で3分間のポリメリゼーション段階からなり、そして最後のサイクルは、(i)94℃で5分間の変性段階、(ii)50℃で2分間のアニーリング段階、(iii)72℃で10分間のポリメリゼーション段階からなり、全ての段階は、著者らにより提案されている適当な緩衝溶液中で行われる。
本発明の目的の範囲内における「ランダム配列」は、確率過程により決定されているヌクレオチド配列、または例えばコンピュータープログラムにより、組み合わせ処理を行って作成された配列であるが、これは生物学的意味を有しているとは限らない。
本発明の目的の範囲内における「オリゴヌクレオチドアレイ」は、核酸分子が固定化されている二次元表面上のデバイスであって、デバイス二次元表面の特定部分に固定化される核酸分子の配列が知られているデバイスとして理解すべきである。
本発明の目的範囲内において、「検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターン」は、免疫遺伝子のハイブリダイゼーションおよび検出により得られるシグナルの組み合わせであると理解すべきである。「検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターン」は、ハイブリダイゼーションおよび検出実験から得られた情報内容を表す。これらパターンを、熟練者が手作業で、または例えばコンピュータープログラムにより自動的に比較することができる。パターン認識のためのコンピュータープログラムおよびアルゴリズムは、当業者によく知られている。本発明の目的範囲内におけるパターン認識またはパターン比較に適したコンピュータープログラムは、例えばサポートベクターマシン、あいまい理論アルゴリズム、人工ニューラルネットワーク、主成分分析、エキスパートシステム、クラスタリングアルゴリズムおよび/または他のパターン認識アルゴリズムを適用する。本発明の目的範囲内におけるパターンは、同時に行う対照実験において得られるパターンまたは以前の実験由来、文献に報告されているデータ由来または他の情報源由来のパターンと比較することができる。
本発明の1つの目的は、脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを特性化するための、次の工程からなる方法を提供することである:(i)脊椎動物から適当な細胞を含むサンプルを集め、(ii)免疫遺伝子レパートリーを表している核酸分子を該サンプルから調製し、(iii)固定化されたオリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ;そして該ハイブリダイゼーション複合体を検出する。
本発明の別の目的は、脊椎動物における特定の免疫遺伝子の存在を検出するための、次の工程からなる方法を提供することである:(i)脊椎動物から適当な細胞を含むサンプルを集め、(ii)免疫遺伝子レパートリーを表している核酸分子を該サンプルから調製し、(iii)固定化されたオリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ;そして該ハイブリダイゼーション複合体を検出する。
本発明の別の目的は、脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを特性化するための上記の方法または脊椎動物における特定の免疫遺伝子の存在を検出するための上記の方法であって、ある免疫遺伝子または複数の免疫遺伝子の可変領域の少なくとも一部がハイブリダイゼーションの前に増幅される方法を提供することである。
本発明の別の目的は、増幅される可変領域の一部がTCRのCDR3領域である、および/または免疫グロブリン重鎖および/または軽鎖のCDR3領域である上記の方法のうちの1つを提供することである。
本発明の別の目的は、増幅される可変領域がCDR2またはCDR1領域である、上記の方法のうちの1つを提供することである。
本発明の別の目的は、増幅工程にPCRまたはインビトロ転写が用いられる上記の方法のうちの1つを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、配列番号5、配列番号6および配列番号7からなるプライマー群から選択される5’プライマーまたは配列番号1で表されるコンセンサス配列を含む5’プライマー、および配列番号2または配列番号3の配列を有する核酸分子にPCR適合性条件下でハイブリダイズする配列を有する3’プライマーを用いて免疫遺伝子の可変領域を増幅させる上記の方法である。配列番号1の配列を含む5’プライマーは、例えば様々なTCR−ベータファミリーのCDR3領域を増幅させるのに適切である。
本発明に従った核酸分子の固定化は、ガラス、シリコン、ニトロセルロースまたは他の固体表面物質上で行うことができる。
本発明に従った方法において集められる好ましい細胞は、例えば血液細胞、Bリンパ球および/またはTリンパ球であり得る。上記の方法の工程(ii)で得られる好ましい核酸分子は、B細胞受容体および/またはT細胞受容体の可変領域を表現する核酸分子である。
本発明の方法では、固定化された、ランダム配列を有する核酸分子を上記方法の(iii)工程において使用することができる。これらランダム配列は、好ましくは7〜15、より好ましくは8〜10、最も好ましくは9ヌクレオチド長である。
本発明の別の目的は、脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを特性化するための上記の方法または脊椎動物における特定の免疫遺伝子の存在を検出するための上記の方法であって、固定される配列が、抗体またはT細胞の可変領域をコードしている核酸分子に含まれていることが知られている配列、または相補配列である方法を提供することである。
本発明の方法において固定化される核酸分子は、例えばRNAまたはDNAであってもよい。
本発明の方法には、核酸分子が固体支持体上、好ましくはオリゴヌクレオチドアレイ上に固定化される方法が包含される。固定化核酸分子は、ニトロセルロース上または紙支持体上に固定化することもできる。
本発明の方法には、核酸分子がラベルされる方法が包含される。本発明の好ましい態様において、該ラベルは蛍光ラベルであるかまたは、放射性ラベル、または発光ラベルである。
本発明の方法は、ヒトに適用することができる。
本発明の別の目的は、上記の本発明の方法を実行するのに必要な物質を含むキットを提供することである。本発明に従うキットは、例えばプライマーのセット、オリゴヌクレオチドアレイ、本発明の方法を実行するのに必要な適当な緩衝溶液および/または他の試薬を含んでいてもよい。
本発明の別の目的は、脊椎動物における自己免疫疾患を、該脊椎動物の適当な細胞を含むサンプルから同定する方法であって、以下の工程からなる方法を提供することである:(i)該サンプルから試験すべき脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを表している核酸分子を調製し、(ii)固定されたオリゴヌクレオチドに(i)の核酸分子をインキュベートし、それによりハイブリダイゼーション複合体を生成させ、(iii)該ハイブリダイゼーション複合体を検出し;そして(iv)検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターンを健康な脊椎動物および/または病気の脊椎動物の検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターンと比較する。次いで、例えば、試験脊椎動物の検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターンが、病気の脊椎動物の検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターンと似ているかどうかについて、免疫疾患を診断することができる。
本発明の別の目的は、脊椎動物における免疫遺伝子の転写、免疫受容体数および/または免疫細胞数を増大させるまたは減少させる化合物を同定する方法であって、次の工程かなる方法を提供することである:(i)脊椎動物由来の適当な細胞を含むサンプルを集め、(ii)免疫遺伝子レパートリーを表す核酸分子を該サンプルから調製し、(iii)固定化オリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ、(iv)該ハイブリダイゼーション複合体を検出し、(v)化合物の存在下に得られたハイブリダイゼーションの検出されたパターンを、化合物が存在しない場合に得られたハイブリダイゼーション複合体の検出されたパターンと比較する。該免疫遺伝子、免疫受容体および/または免疫細胞の転写または生成の増大または低下が、検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターンから見ることができたなら、該免疫遺伝子転写を増大または低下させる、または免疫受容体および/または免疫細胞の生成を増大または低下させるとして、化合物を同定することができる。
上記の方法で同定された化合物の、免疫疾患治療への使用。
脊椎動物における免疫疾患を治療するための医薬組成物を調製する方法であって、以下の工程からなる方法:(i)病気の脊椎動物および健康な脊椎動物由来の適当な細胞を含むサンプルを集め、(ii)病気の脊椎動物および健康な脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを表す核酸分子を該サンプルから調製し、(iii)固定化オリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ、(iv)該ハイブリダイゼーション複合体を検出し、(v)健康な脊椎動物および病気の脊椎動物のハイブリダイゼーション複合体の検出されたパターンを比較し、(vi)健康な脊椎動物と比較して病気の脊椎動物において存在度がより高いかまたはより低い、少なくとも1つの免疫遺伝子、免疫受容体および/または免疫細胞を含む医薬組成物を調製する。
脊椎動物における免疫疾患を治療するための医薬組成物を調製する方法であって、以下の工程からなる方法:(i)病気の脊椎動物および健康な脊椎動物由来の適当な細胞を含むサンプルを集め、(ii)病気の脊椎動物および健康な脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを表す核酸分子を該サンプルから調製し、(iii)固定化オリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ、(iv)該ハイブリダイゼーション複合体を検出し、(v)健康な脊椎動物と比較して病気の脊椎動物において発生量がより低いかまたはより高い、免疫遺伝子、免疫受容体および/または免疫細胞の生成を刺激するまたは低下させる少なくとも1つの物質を含む医薬組成物を調製する。
さらに本発明は、上記の方法により得られる医薬組成物を包含する。
さらに本発明は、サポートベクターマシンを用いる、上記の方法を包含する。
さらに本発明は、あいまい理論、人工ニューラルネットワーク、主成分分析、エキスパートシステムまたはクラスタリングアルゴリズムを用いる上記方法を包含する。
本発明をさらに以下の実施例において説明するが、これらは特許請求の範囲に記載の発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例は、説明のためにのみ提供されるのであって、いかなる場合においても本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例
実施例において言及される、市販品として入手可能な全ての試薬は、別に示さない限りは、製造者の指示に従い用いた。
実施例1 VH−遺伝子発現分析
密度沈殿(LSM, Organon Teknika, Durham, NC)により、10mlの全血から末梢血単核細胞(PBMC)を得た。RNAの単離は、アフィメトリックス(Affymetrix)によりGeneChip Expression Analysis技術マニュアルにおいて推奨されている方法に従い行った。簡単に説明すると、PMBCをTRIzol試薬中に溶解し、全RNAをQIAGENのRNeasy全RNA単離キットを用いて単離した。二本鎖cDNAを、Invitrogen Life Technologies SuperScript Choiceシステムを用いて調製した。オリゴ(dT)、T7−(dT)24オリゴマ−またはランダムプライマーの代わりに、T7(CH1)プライマーを用いて第一鎖cDNA合成をプライミングした。
プライマーT7(CH1)(配列番号4):
5'-GGCCAGTGAATTGTAATACGACTCACTATAGGGAGGCGGGAAACACGCTTGGACCTTTGGTCGACGCTGAGCTAACCGT-3'
RNAに対するプライマーのハイブリダイゼーションは、DEPC−H0においてRNAseフリーのエッペンドルフ試験管中、70℃で10分間行った。次いで、反応物を遠沈させて氷上に置いた。5×第一鎖cDNA緩衝液および0.1mM dNTP混合物を試験管に加え、混合し、温度調節しながら42℃で2分間インキュベートした。SuperScript II RTを加えて、全反応混合物を1時間インキュベートした。第二鎖cDNA合成のために、反応物を氷上に置き、DEPEC処理水、5×第二鎖反応緩衝液、10mM dNTP混合物、10U/μl E.coli DNAリガーゼ、10U/μl E.coli DNAポリメラーゼIおよび2U/μl E.coli RNase Hを加えて、混合し、16℃で2時間、冷却水浴中でインキュベートした。次いで、10U T4 DNAポリメラーゼを加えて、混合物を16℃でさらに5分間インキュベートした後に、0.5M EDTAの添加により反応を停止させた。Phase Lock Gels−フェノール/クロロホルム抽出を用いて、二本鎖cDNAを精製した。ENZOのBioArray HighYield RNA転写ラベリングキットを用いて、ビオチンラベルされたcRNAを合成した。QIAGENのRNeasyスピンカラムを用いてインビトロ転写産物を精製し、得られたcRNAをフラグメント化緩衝液中、94℃で35分間、0.5μg/mlの濃度でフラグメント化した。フラグメント化されたcRNAの、GeneChip(登録商標)アレイ(Affymetrix Inc.)へのハイブリダイゼーションは、GeneChip(登録商標)Expression Analysis技術マニュアルに記載されているように行った。簡潔に説明すると、10μg フラグメント化cRNA、3.3μL対照オリゴヌクレオチドB2(3nM)、10μL 20×真核細胞ハイブリダイゼーション対照(bioB、bioC、bioD、cre)、2μL ニシン精子DNA(10mg/mL)、2μLアセチル化BSA(50 mg/mL)、100μL 2×ハイブリダイゼーション緩衝液(最終1×濃度は、100mM MES、1M[Na]、20mMEDTA、0.01% Tween20)を用いて、HOで最終容量200μLに満たすことにより、ハイブリダイゼーションカクテルを調製した。オリゴヌクレオチドアレイを、使用直前に室温に平衡化し、1×ハイブリダイゼーション緩衝液を充填し、回転させながら45℃で10分間インキュベートした。ハイブリダイゼーションカクテルを99℃で5分間、次いで45℃で5分間インキュベートした。ハイブリダイゼーションカクテルをミクロ遠心分離機において最大速で5分間遠沈させて、ハイブリダイゼーション混合物からあらゆる不溶性物質を除去した。次いで、プローブ・アレイ・カートリッジ由来の緩衝溶液を除去し、適当量の浄化されたハイブリダイゼーションカクテルでアレイを満たした。アレイを45℃のオーブン中の回転ボックス(rotisserie box)に置き、ラベル化核酸のアレイへのハイブリダイゼーションを16時間行った。ソフトウェアプログラムAffymetrix(登録商標) Microarray Suite、流体ステーション400およびGenearrayスキャナーTMを有するワークステーションからなる、Affymetrix GeneChip(登録商標)機器システムを用いて洗浄、染色およびスキャンを行った。GeneChip(登録商標) Expression Analysis技術マニュアルに記載のように、洗浄およびストレプトアビジン・フィコエリスリンによる染色には標的真核細胞に対する抗体シグナル増幅プロトコールを用いた。スキャンは、570nmで行った。Microarray Suiteは、dat.ファイルおよびcel.ファイルを作成した。
実施例2:T細胞受容体ベータ遺伝子発現分析
密度沈殿(LSM, Organon Teknika, Durham, NC)により10mlの全血から末梢血単核細胞(PBMC)を得た。RNAの単離は、AffymetrixによりGeneChip Expression Analysis技術マニュアルにおいて推奨されている方法に従い行った。簡潔に説明すると、PMBCをTRIzol試薬中で溶解し、全RNAをQIAGENのRNeasy全RNA単離キットを用いて単離した。第一鎖cDNA合成のプライミングのためにオリゴ(dT)オリゴマーを用いるInvitrogen Life Technologies SuperScript First Strand Synthesis Systemシステムにより、第一鎖cDNAを調製した。滅菌した0.5mlの試験管中で5μgまでの全RNA、1μlの10mM dNTP混合物、1μlの0.5μg/μlオリゴ(dT)を用いて、DEPEC処理HOで10μlまで満たすことによりRNA/プライマー混合物を調製した。サンプルを65℃で5分間インキュベートし、次いで少なくとも1分間氷上に置いた。各サンプルについて、反応混合物を調製し、各成分を次の順に加えた。2μlの10×RT緩衝液、4μlの25mM MgCl、2μlの0.1M DTTおよび1μlのRNaseOUT Recombinant RNase Inhibitor。9μlの反応混合物を各RNA/プライマー混合物に加え、混合し、短時間の遠心分離により集め、そして42℃で2分間インキュベートした。次いで、1μl(50単位)のSUPERSCRIPT II RTを各試験管に加え、混合し、そして42℃で50分間インキュベートした。反応を15分間、70℃で終了させ、次いで氷上に置いた。反応物を短時間の遠心分離により集め、1μlのRNase Hを各試験管に加えて37℃で20分間インキュベートした。
Biometra PCRシステム(Biometra, Gottingen, Germany)上でVベータオリゴヌクレオチド1、2、3およびT7−C−ベータオリゴヌクレオチドを用いる50μlの複合(multiplex)反応において、cDNA合成反応の一部(全RNAの200ngに相当)を増幅させた。
オリゴVベータ1(配列番号:5):
TATTTCTGTGCCAGCAG
オリゴVベータ2(配列番号:6):
TGTATCTCTGTGCCAGCAG
オリゴVベータ3(配列番号:7):
TGTACTTCTGTGCCAGCAG
オリゴT7−C−ベータ(配列番号:8):
GGCCAGTGAATTGTAATACGACTCACTATAGGGAGGCGGAAACACAGCGACCTCGGGTGGGA ACAC
反応物には、1×緩衝液中、ホットスタート(hot start)のために500μM dNTPs、2.0mM MgCl、1単位のAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)を含有させた。各プライマーの最終濃度は、0.5μMであった。PCR条件は:95℃で7分間の最初のインキュベーション、次いで94℃で30秒、58℃で30秒、72℃で30秒を25〜35サイクル、そして最後に1インキュベーション工程が72℃で10分間であった。QIAquick PCR精製キット(Qiagen, Hilden, Germany)を用いてPCR産物を精製した。
ENZOのBioArray HighYield RNA転写ラベリングキットを用いて、PCR反応産物からビオチンラベルされたcRNAを合成した。QIAGENのRNeasyスピンカラムを用いてインビトロ転写産物を精製し、得られたcRNAをフラグメント化緩衝液中、94℃で35分間、0.5μg/mlの濃度でフラグメント化した。フラグメント化されたcRNAの、GeneChip(登録商標)アレイ(Affymetrix Inc.)へのハイブリダイゼーションは、GeneChip(登録商標)Expression Analysis技術マニュアルに記載されているように行った。簡潔に説明すると、10μg フラグメント化cRNA、3.3μL対照オリゴヌクレオチドB2(3nM)、10μL 20×真核細胞ハイブリダイゼーション対照(bioB、bioC、bioD、cre)、2μL ニシン精子DNA(10mg/mL)、2μLアセチル化BSA(50 mg/mL)、100μL 2×ハイブリダイゼーション緩衝液(最終1×濃度は、100mM MES、1M[Na]、20mMEDTA、0.01% Tween20)を用いて、HOで最終容量200μLに満たすことにより、ハイブリダイゼーションカクテルを調製した。オリゴヌクレオチドアレイを、使用直前に室温に平衡化し、1×ハイブリダイゼーション緩衝液を充填し、回転させながら45℃で10分間インキュベートした。ハイブリダイゼーションカクテルを99℃で5分間、次いで45℃で5分間インキュベートした。ハイブリダイゼーションカクテルをミクロ遠心分離機において最大速で5分間遠沈させて、ハイブリダイゼーション混合物からあらゆる不溶性物質を除去した。次いで、プローブ・アレイ・カートリッジ由来の緩衝溶液を除去し、適当量の浄化されたハイブリダイゼーションカクテルでアレイを満たした。アレイを45℃のオーブン中の回転ボックスに置き、ラベル化核酸のアレイへのハイブリダイゼーションを16時間行った。ソフトウェアプログラムAffymetrix(登録商標) Microarray Suite、流体ステーション400およびGenearrayスキャナーTMを有するワークステーションからなる、Affymetrix GeneChip(登録商標)機器システムを用いて洗浄、染色およびスキャンを行った。GeneChip(登録商標) Expression Analysis技術マニュアルに記載のように、洗浄およびストレプトアビジン・フィコエリスリンによる染色には標的真核細胞に対する抗体シグナル増幅プロトコールを用いた。スキャンは、570nmで行った。Microarray Suiteは、dat.ファイルおよびcel.ファイルを作成した。
実施例3:サポートベクターマシンを用いた免疫遺伝子ハイブリダイゼーション・パターンの分析
サポートベクターマシン(SVM)は、2クラスまたは多数のクラスのパターン認識に非常に適している(Weston and Watkins, Proceedings of the Seventh European Symposium On Artificial Neural Networks, April 1999; Vapnik, The Nature of Statistical Learning Theory, 1995, Springer, New York; Vapnik, Statistical Learning Theory, 1998, Wiley, New York; Burges, Data Mining and Knowledge Discovery, 2(2):955-974, 1998)。2クラスの分類の問題のために、サンプルの1セット、すなわち一連の入力ベクター
Figure 2005509442
を、対応するラベル
Figure 2005509442
と共に有すると仮定する。ここで、+1と−1は2つのクラスを示している。現在の免疫状態を説明するために再構成された免疫遺伝子の遺伝子発現パターンを分類するため、入力ベクターの次元は、オリゴヌクレオチドアレイ上に存在する異なるオリゴヌクレオチド型またはこのサブセットの数と均しく、各入力ベクター単位は1つの特定のオリゴヌクレオチド型のハイブリダイゼーション値を表す。目的は、将来のサンプルの誤分類の可能性の低い、入手可能なサンプルから2値(binary)の識別器を構成することまたは決定関数を導くことである。
SVMは、次の概念を実行する:それは入力ベクター
Figure 2005509442
を高次元特徴空間
Figure 2005509442
に写像し、そして最適分離超平面(Optimal Separating Hyperplane)(OSH)を構築するものであるが、これはマージン、超平面と空間Hにおける各クラスの最も近いデータポイント間の距離を最大化する(図1を参照)。特徴空間における正の例を負の例から分離し得るOSHを多数の中から選択することにより、SVMは過学習のリスクを回避している。
異なる写像は、異なるSVMを構成する。写像
Figure 2005509442
は、空間Hにおける内積を定義するカーネル関数
Figure 2005509442
により行われる。
SVMにより実行される決定関数は、
Figure 2005509442
(Burges, Data Mining and Knowledge Discovery, 2(2):955-974, 1998)として記すことができ、ここで係数αiは次の凸形二次計画(Quadratic Programming)(QP)問題:
Figure 2005509442
を最大化する(ただし、
Figure 2005509442
および
Figure 2005509442
を条件とする)を解くことにより得られる。
正規(regularity)パラメーターC(方程式2)は、マージンと誤識別エラー間の交換を制御する。対応するαiが>0である場合にのみ
Figure 2005509442
はサポートベクターと称される。
本例において用いられる2つのカーネル関数は:
Figure 2005509442
Figure 2005509442
であり、ここで、第一式(方程式3)は、d次の多項式カーネル関数と称され(最終的に、d=1のときに一次関数に戻るであろう)、後者(方程式4)はRadial Basic Function(RBF)カーネルと称される。
あるデータセットについて、1つのSVMを特定するためにカーネル関数と正規パラメーターCのみを選択する必要がある。SVMは多くの魅力的な特徴を有している。例えば、QP問題の解は、球状に(globally)最適化される一方で、ニューラルネットワークでは、変化度を基本とする訓練アルゴリズムが極小を見出すことを保証するのみである。さらに、SVMは大きな特徴空間を扱うことができ、マージンを調整することにより過学習を効果的に避けることができ(上記を参照)、情報点、すなわちサポートベクターなどからなる小さなサブセットを自動的に同定することができる。
脊椎動物の現在の免疫状態の分類および、それによる遺伝子発現データに基づく疾患の同定は、多クラス分類の問題である。クラス数kは、予測すべき、すなわち訓練データセットに存在する、免疫状態/疾患の数に均しい。現在のサンプルセットにおいて異なるクラス数が限定されているために、本発明者らは多クラス分類を一連の2値クラス分類へと変形させることにより多クラス分類を扱うことを決めた。k−クラス分類のために、k SVMを構成する。i番目のSVMは、i番目のクラスにある正のラベルを有する全てのサンプルおよび負のラベルを有する他の全てのサンプルを用いて学習されるであろう。最終的に未知のサンプルは、最も高いアウトプット値を有するSVMに対応するクラスに分類される。この方法を用いて、再構成免疫遺伝子の遺伝子発現パターンに対する予測/分類システムを構築する。
マイクロアレイハイブリダイゼーション実験(実施例1および2を参照)により生じた各データポイントは、分析サンプルに存在するmRNAのコピー数に相当し、それにより決定されるすなわちポリヌクレオチドアレイ上でn個のオリゴヌクレオチド型を有する実験からは一連のn個の発現レベル値が得られる。これらn個の値は、Affymetrix(登録商標) Microarray Suiteにより「セルファイル(cel file)」の分析結果であるメトリックスファイルに通常は保存される。一連のmメトリックスファイル(m個のハイブリダイゼーション実験を表す)から得たデータを取り、各m列が1実験に対するn成分の発現ベクトルからなる発現マトリックスを構築させる。m個の実験の発現値を正規化するために、本発明者らは遺伝子j(そのmRNAはマイクロアレイ上に存在するオリゴヌクレオチド型j’とハイブリダイズする)に対する発現レベルaij の対数の和としてxijを定義し、発現ベクトル
Figure 2005509442
がユークリッド距離1を有するように正規化した:
Figure 2005509442
最初の分析は、実施例1および2に記載のように297実験に対する20000−成分発現ベクトルの1セットを用いて行う(学習セットが240実験および試験セットが57実験)。
297実験が3つの異なる免疫状態を表しているという知識を用いて、本発明者らはそれら免疫状態を認識するために訓練セットで上記のSVMを学習させた。試験セットを用いて、予測の正確度を評価した。
TCRB 3’プライマーコンセンサス配列(配列番号1)を示す。 TCR C BETA1(配列番号2)を示す。 TCR C BETA2(配列番号3)を示す。 プライマーT7(CH1)(配列番号4)を示す。 オリゴVベータ1(配列番号5)を示す。 オリゴVベータ2(配列番号6)を示す。 オリゴVベータ3(配列番号7)を示す。 オリゴT7−C−ベータ(配列番号8)を示す。
【配列表】
Figure 2005509442
Figure 2005509442

Claims (32)

  1. 脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを特性化するための、次の工程からなる方法:
    i)脊椎動物から適当な細胞を含むサンプルを集め、
    ii)免疫遺伝子レパートリーを表している核酸分子を該サンプルから調製し、
    iii)固定化されたオリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ;そして
    iv)該ハイブリダイゼーション複合体を検出する。
  2. 脊椎動物における特定の免疫遺伝子の存在を検出するための、次の工程からなる方法: i)脊椎動物から適当な細胞を含むサンプルを集め、
    ii)免疫遺伝子レパートリーを表している核酸分子を該サンプルから調製し、
    iii)固定化されたオリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ;そして
    iv)該ハイブリダイゼーション複合体を検出する。
  3. (ii)における調製工程が1つまたは複数の免疫遺伝子の可変領域の増幅を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 増幅される可変領域がCDR3領域である、請求項3に記載の方法。
  5. 増幅される可変領域が重鎖のCDR3領域である、請求項3に記載の方法。
  6. 増幅される可変領域がCDR2またはCDR1領域である、請求項3に記載の方法。
  7. 増幅工程がPCRまたはインビトロ転写によるものである、請求項3に記載の方法。
  8. 配列番号5、配列番号6および配列番号7からなるプライマー群から選択される5’プライマーまたは配列番号1で表されるコンセンサス配列を含む5’プライマー、および配列番号2または配列番号3の配列を有する核酸分子にPCR適合性条件下でハイブリダイズする配列を有する3’プライマーを用いて免疫遺伝子の可変領域を増幅させる、請求項3に記載の方法。
  9. (iii)のオリゴヌクレオチドがガラス、シリコンまたはニトロセルロース上に固定化される、請求項1または2に記載の方法。
  10. (i)における細胞が血液細胞である、請求項1または2に記載の方法。
  11. (i)における細胞がBリンパ球および/またはTリンパ球である、請求項1または2に記載の方法。
  12. (ii)の核酸分子がB細胞受容体および/またはT細胞受容体の可変領域を表す、請求項1または2に記載の方法。
  13. (iii)において固定化される核酸分子がランダム配列を有する核酸分子である、請求項1または2に記載の方法。
  14. ランダム配列が7〜15のヌクレオチド長を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 固定される核酸分子が抗体またはT細胞受容体の可変領域をコードしている核酸分子中に含まれていることが知られている配列または相補配列である、請求項1または2に記載の方法。
  16. 固定化される核酸分子がDNAである請求項1または2に記載の方法。
  17. 固定化される核酸分子がRNAである請求項1または2に記載の方法。
  18. 固定化核酸分子が固体支持体上に固定される請求項1または2に記載の方法。
  19. 固定化核酸分子がオリゴヌクレオチドアレイ上に固定される請求項1または2に記載の方法。
  20. 固定化核酸分子がニトロセルロースまたは紙支持体上に固定される請求項1または2に記載の方法。
  21. 核酸分子がラベルされる請求項1または2に記載の方法。
  22. ラベルが蛍光性、発光性または放射性である、請求項21に記載の方法。
  23. 脊椎動物がヒトである、請求項1または2に記載の方法。
  24. 請求項1〜23に記載の任意の方法を行うために必要な物質を含有している診断キット。
  25. 脊椎動物における免疫疾患を、該脊椎動物の適当な細胞を含むサンプルから同定するための、次の工程からなる方法:
    (i)該サンプルから試験すべき脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを表している核酸分子を調製し、
    (ii)固定化されたオリゴヌクレオチドに(i)の核酸分子をインキュベートし、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ、
    (iii)該ハイブリダイゼーション複合体を検出し;そして
    (iv)検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターンを健康な脊椎動物および/または病気の脊椎動物の検出されたハイブリダイゼーション複合体のパターンと比較する。
  26. 脊椎動物における少なくとも1つの免疫遺伝子の転写、免疫受容体数および/または免疫細胞数を増大させるまたは減少させる化合物を同定するための、次の工程からなる方法:
    (i)脊椎動物由来の適当な細胞を含むサンプルを集め、
    (ii)免疫遺伝子レパートリーを表す核酸分子を該サンプルから調製し、
    (iii)固定化オリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ、
    (iv)該ハイブリダイゼーション複合体を検出し、
    (v)化合物存在下に得られたハイブリダイゼーション複合体の検出されたパターンを、化合物が存在しない場合に得られたハイブリダイゼーション複合体の検出されたパターンと比較する。
  27. 免疫疾患を治療するための、請求項26に記載の方法により同定された化合物の使用。
  28. 脊椎動物における免疫疾患を治療するための医薬組成物を調製する方法であって、以下の工程からなる方法:
    (i)病気の脊椎動物および健康な脊椎動物由来の適当な細胞を含むサンプルを集め、
    (ii)病気の脊椎動物および健康な脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを表す核酸分子を該サンプルから調製し、
    (iii)固定化オリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成させ、
    (iv)該ハイブリダイゼーション複合体を検出し、
    (v)健康な脊椎動物および病気の脊椎動物のハイブリダイゼーション複合体の検出されたパターンを比較し、
    (vi)健康な脊椎動物と比較して病気の脊椎動物において発生量がより高いかまたはより低い、少なくとも1つの免疫遺伝子、免疫受容体および/または免疫細胞を含む医薬組成物を調製する。
  29. 脊椎動物における免疫疾患を治療するための医薬組成物を調製する方法であって、以下の工程からなる方法:
    (i)病気の脊椎動物および健康な脊椎動物由来の適当な細胞を含むサンプルを集め、
    (ii)病気の脊椎動物および健康な脊椎動物の免疫遺伝子レパートリーを表す核酸分子を該サンプルから調製し、
    (iii)固定化オリゴヌクレオチドに(ii)の核酸分子をハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーション複合体を形成し、
    (iv)該ハイブリダイゼーション複合体を検出し、
    (v)健康な脊椎動物と比較して病気の脊椎動物において発生量がより低いかまたはより高い、免疫遺伝子、免疫受容体および/または免疫細胞の生成を刺激するまたは低下させる少なくとも1つの物質を含む医薬組成物を調製する。
  30. 請求項28または29に記載の方法により得られる医薬組成物。
  31. サポートベクターマシンを用いる、請求項1〜23、または請求項25または請求項26または請求項28または請求項29のいずれかに記載の方法。
  32. あいまい理論、人工ニューラルネットワーク、主成分分析、エキスパートシステムまたはクラスタリングアルゴリズムを用いる、請求項1〜23、または請求項25または請求項26または請求項28または請求項29のいずれかに記載の方法。
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