JP2005508351A - ハロゲン非含有の難燃性化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲン非含有の難燃性化合物の提供
【解決手段】本発明は、一般式:
1−O−[m(R1PO3),n(R2HPO3)]−Z2 (I)
(式中、[m(R1PO3),n(R2HPO3)]は、m個の(R1PO3)単位及びn個の(R2HPO3)単位を有するコポリホスフェートを表し;
1はアンモニウム構成ブロックを表し;
2は1,3,5−トリアジン構成ブロックを表し;
1及びZ2は、互いに独立して選択されるアンモニウム又は1,3,5−トリアジン構成ブロックを表し;
m及びnは、1より大きいか又は等しい整数を表し;但し、mとnの合計は3より大きい。)
で表される化合物に関する。
本発明はさらに、上記化合物の調製方法及び上記式を有する化合物が難燃剤として適用される難燃性ポリマー組成物、コーティング組成物における前記ハロゲン非含有の化合物の使用、及び硬化されたコーティング組成物から形成されたコーティングを含む基材に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物、及び特にはハロゲン非含有の難燃性化合物、その調製方法、かかる化合物を含むポリマー組成物、コーティング組成物における前記ハロゲン非含有の化合物の使用、及び硬化されたコーティング組成物から形成されたコーティングを含む基材に関する。
【背景技術】
【0002】
ハロゲン非含有の難燃性化合物は文献において既知である。それらは窒素又はリン化合物又はそれらの混合物を含んでいる。メラミン置換されたアンモニウムポリホスフェートのような、窒素原子及びリン原子が存在している化合物はまた有益である。
【0003】
メラミン置換されたアンモニウムポリホスフェートは、米国特許第A−4,043,987号公報明細書に開示されている。この引用文献の記載に反して、メラミン置換されたアンモニウムポリホスフェートは製造されていない。前記公報の実施例1における反応生成物は、メラミン置換されたアンモニウムポリホスフェートに誤って帰されている。アンモニウムポリホスフェートのX線回折図は1965年から既知であるが、米国特許第A−4,043,987号公報明細書の実施例1にしたがって形成された反応生成物の完全なX線回折図の説明は、ウレアホスフェートのX線回折図が既知となる1997年まで不可能であった。実施例1からの反応生成物は今や、アンモニウムポリホスフェートとウレアホスフェートの混合物であることが明らかでる。メラミン置換されたアンモニウムポリホスフェートが実際に形成されたことを示すものは何もない。さらに、米国特許第A−4,043,987号公報明細書の実施例1からの反応生成物からつくられた水性スラリーは、pH5.68を有する。このことは、生成物が酸基を含んでいることを示している。結果として、かかる生成物はポリマー組成物における使用に適したものではない。
【0004】
メラミンでコートされたアンモニウムポリホスフェートは、ヨーロッパ特許第A−614936号公報明細書に開示されている。アンモニウムは、かかる引用文献に言及されるような反応条件下、部分的にメラミンで置換されている可能性がある。おそらく酸基は、メラミンでコートされたアンモニウムポリホスフェート中に多く存在している。ヨーロッパ特許第A−614936号公報明細書に言及されているように、おそらく不十分な量のアンモニウムがアンモニウムポリホスフェート中に存在する。
【特許文献1】
米国特許第A−4,043,987号公報明細書
【特許文献2】
ヨーロッパ特許第A−614936号公報明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリマー組成物中に存在する、米国特許第A−4,043,987号公報明細書に記載されるもののような酸基を含む難燃性化合物は、欠点を有する。(溶融)加工の間の熱安定性が不十分なことである。結果は、脆性のストランドが配合工程の間に形成されることであり、これは破壊し配合工程を妨害する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、上述した欠点を回避すること及び改良された難燃性化合物を提供することである。これは、化合物(I):
1−O−[m(R1PO3),n(R2HPO3)]−Z2 (I)
(式中、[m(R1PO3),n(R2HPO3)]は、m個の(R1PO3)単位及びn個の(R2HPO3)単位を有するコポリホスフェートを表し;
1はアンモニウム構成ブロックを表し;
2は1,3,5−トリアジン構成ブロックを表し;
1及びZ2は、互いに独立して選択されるアンモニウム又は1,3,5−トリアジン構成ブロックを表し;
m及びnは、1より大きいか又は等しい整数を表し;但し、mとnの合計は3より大きい。)
で表される化合物により達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
化合物(I)は、ポリマーの加工の間の熱安定性において強力に改良されていることを特徴とする。他の利点は、前記化合物を有するポリマー組成物の製造の間に、緻密な顆粒が得られることである。化合物(I)を含むポリマーからつくられた製品は、良好な難燃特性及び良好な機械的及び電気的特性並びに良好な色彩を示す。前記ポリマー組成物は特に、技術用途及び電子又は電気産業における使用に適している。
【0008】
化合物(I)の水溶解度は低く、これはコーティング組成物又はコーティングの用途に特に適している。
【0009】
本出願の明細書全体をとおして使用されている一般的な用語は、以下の好ましい意味を有し:
コポリホスフェートなる用語はランダム、交互コポリホスフェート及びブロックコポリホスフェートの両方を意味するものと理解される。
【0010】
アンモニウム構成ブロックは、アンモニウム化合物、例えば、NH4、又はアンモニウム誘導体であると理解される。1,3,5−トリアジン構成ブロックは、メラミン又はメラミン誘導体であると理解される。
【0011】
適切な1,3,5−トリアジン構成ブロックは、メラミン、アンメリン及びアンメリド、メラム、メレム又はそれらの混合物のようなメラミンの縮合生成物である。
【0012】
好ましくは、メラミン、アンメリン及びアンメリドは、1,3,5−トリアジン構成ブロックとして使用される。メラミンが1,3,5−トリアジン構成ブロックとして特に好ましい。
【0013】
好ましくは、コポリホスフェートは、交互コポリホスフェートである。相互に交互するトリアジン及びアンモニウム構成ブロックはこうしてもう一つの分子の近い鎖と‘ジップ ファスナー(zip fastener)’を形成して、高い熱安定性を達成し得る。
【0014】
好ましくは、mとnの合計は20より大きく、さらにより好ましくは50より大きい。mとnの合計が50より大きい化合物(I)は、より高い熱安定性を有することが分った。
【0015】
化合物(I)は、直線状構造のものに限定される必要はない。対応する枝分れした又は環状構造がまた適用可能である。枝分れした又は環状構造は、ホスフェート構成ブロック又は1,3,5−トリアジン又はアンモニウム構成ブロックのP又はNを介して形成され得る。化合物(I)中には酸基が存在しない為に、この生成物の水性スラリーは少なくともpH7を有する。
【0016】
ポリマーとの相溶性をさらに改良する為に、又は所望により水溶解度をさらに低下させる為に、化合物(I)はコートされ得る。このコーティングは、例えばウレア−ホルムアルデヒド樹脂、シリケート、ジルコニウム酸塩又はチタン酸塩化合物を含むポリマーの層を化合物(I)に与えることを包含していてもよい。かかるコーティングは、例えば、高温例えば120℃で化合物(I)を流動床に置き、及び該化合物に、例えばウレア−ホルムアルデヒド樹脂の水溶液を噴霧することにより行われ得る。溶液は例えば、60℃の温度を有していてもよい。溶液から水分が蒸発すると共に、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂はこうして、前記化合物に付着される。通常、コーティング量は1重量%以下である。
【0017】
本発明はまた、化合物(I)の調製方法にも関する。
置換されたアンモニウムポリホスフェートを調製する方法は、米国特許第A−4,043,987号公報明細書から既知である。前記公報において、縮合リン酸及び窒素化合物は150℃以上で加熱される。しかしながら、かかる方法においては、この場合にはメラミンである1,3,5−トリアジンの置換は、アンモニウムポリホスフェート上で起きず、しかしアンモニウムポリホスフェートとウレアホスフェートの混合物のみが形成されることが示された。さらにその上、米国特許第A−4,043,987号公報明細書の実施例からの反応生成物からつくられた水性スラリーは7以下のpHを有する。このことは、アンモニウムポリホスフェート中の酸基の存在を指している。
【0018】
置換されたポリホスフェート、すなわち‘アミドポリホスフェート’を調製するもう一つの方法は、英国特許第A−1440220号公報明細書に開示されている。リン化合物及び窒素化合物がウレア及び/又はウレアホスフェートと組合わされ、及び所望によりアンモニアの存在中で、150ないし350℃の間の温度まで加熱される。1,3,5−トリアジンで置換されたアンモニウムポリホスフェートは、前記原料を用いたこれら条件下では調製されないことが今や分っている。アンモニウムホスフェートとメラミンホスフェートの混合物のみが形成される。
【0019】
化合物(I)の調製の為の本発明による方法にしたがうと、ホスフェート構成ブロック、1,3,5−トリアジン構成ブロック及びアンモニウム構成ブロックを含み、−OH基をもまた含んでいてもよい開始材料が、200ないし400℃の間の温度で、少なくとも0.005MPaのアンモニア分圧下において加熱される。好ましくは、ホスフェート構成ブロックは、1,3,5−トリアジン構成ブロック、アンモニウム構成ブロック及び−OH基を含む。
【0020】
工程の間に、水が放出されると共に、1,3,5−トリアジンアンモニウムポリホスフェートが形成される。400℃以上ではポリホスフェートの崩壊が生じる一方で、200℃以下の温度においては、工程−縮重合反応−は通常はあまりにゆっくりすぎる。0.005MPa以下のアンモニア圧においては、NH3がポリホスフェートから分離し、その結果として、望ましくない酸基が形成される。
【0021】
ホスフェート構成ブロックは、、PO4 3-又はその誘導体を含むいかなる部分構造、例えばピロホスフェートもを含む。好ましくは、工程温度は240℃ないし330℃の間にある。このことは、反応速度と装置での上昇した温度の使用との間に実用的な最適条件を与える。
【0022】
好ましくは、反応は5MPa以下のアンモニア分圧で行われる。5MPa以上では、反応が行われる装置の構成材料に対して極端に高い要求が合致されるべきである。大規模操作の為には、0.005ないし0.03MPaの範囲内のアンモニア分圧が好ましい。反応時間は通常、30分ないし5時間の間である。
【0023】
本発明にしたがった方法においては、1,3,5−トリアジン−アンモニウム−ホスフェート及び1,3,5−トリアジン−アンモニウム−ピロホスフェートが好ましく、特にメラミンの広い商業上の利用性の為に、1,3,5−トリアジンとしてメラミンを含む化合物である。この場合、これらは、化合物メラミンアンモニウムホスフェート二水和物及びメラミンアンモニウムピロホスフェートである。
【0024】
また適切なのは、リン原子置換基を有する1,3,5−トリアジン構成ブロック及び/又はリン原子置換基を有するアンモニウム構成ブロックである。これら置換された構成ブロックは、反応前にすでに単純化合物中に存在し得るが、反応の間中にもまた形成され得る。この点において考えられるべきものは、第二主鎖のリン原子成分と反応するか又は置換される第一主鎖の1,3,5−トリアジン構成ブロック及び/又はアンモニウム構成ブロックである。
【0025】
所望により、ウレアを含む潜伏性アンモニア源を添加することが決定されてもよい。縮重合反応の間に放出された水はその後、ウレアをアンモニアと二酸化炭素に分解させる。添加されるウレア量は好ましくは、単純化合物のモルあたり2モル以下である。このことは、縮重合反応から水の形成とこの水とウレアの反応の間の良好な平衡を確実にする。また、単純化合物中に存在するいかなる結晶水にも結合させる為に余分のウレアが添加され得る。好ましくは、このウレアの余分量は、結晶水の量と等モルである。
【0026】
本発明はまた、良好な加工性、色彩及び難燃特性を示すポリマー組成物にも関する。前記ポリマー組成物は以下の成分:
35ないし99重量%のポリマー;
0ないし80重量の強化剤及び/又は充填剤;
1ないし50重量%の化合物(I);
<10重量%のアンモニウムポリホスフェート(APP);
を含み、ここで、重量パーセンテージはポリマー組成物の総重量に対応する。
【0027】
好ましくはポリマー組成物は、同様にポリマー組成物の総重量に対して、5重量%以下のAPPを含み、及び特には2重量%である。加工の間の安定性の見地から、低APP量は、200℃以上の温度で加工されるポリマーにとっては特に重要である。
【0028】
本発明にしたがった難燃性ポリマー組成物は素晴らしい熱安定性を示し、素晴らしい難燃剤であり、及び加工の間の析出、例えば配合又は射出成形機内に析出するメラミンを殆ど与えないことが分った。化合物(I)は加水分解に対して低感応性を有しており、及び水への溶解性に乏しい。
【0029】
本発明はまた、化合物(I)が、他の難燃性成分及び/又は強化剤及び/又は充填剤との相乗的組合せで存在するポリマー組成物にも関する。
【0030】
さらに、フェノール性抗酸化剤、芳香族アミン、ホスフィット、スルフィド、金属塩−特には銅塩−、UV吸収剤、HALS化合物(障害性アミン光安定剤)及び金属奪活剤;離型剤、流動促進剤、可塑剤、滑剤及び/又は金属セッケン、モンタン酸及びモンタン酸誘導体、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリエチレンワックス−極性であろうとなかろうと−、パラフィンワックス及び/又はフルオロポリマーを包含する分散剤、核剤及び静電防止剤を含む例えば熱及びUV安定剤のような通常の添加剤が存在し得る。添加剤あたり、総組成物に対して、通常は1重量%以下が使用される。これら添加剤がポリマー組成物の特性に対して悪影響を有しない限り、これを保持する。
【0031】
化合物(I)により難燃性が与えられ得るポリマー組成物は、好ましくは、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン及びこれら材料の混合物のような耐熱難燃剤を要するポリマーに基づく。
【0032】
ポリアミドの例は、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/6、4/6、部分的に芳香族の(コ)ポリアミド、例えば芳香族ジアミンとアジピン酸に基づいたポリアミド;アルキレンジアミンとイソ−及び/又はテレフタル酸から調製されたポリアミド及びそのコポリアミドのような、ジアミン及びジカルボン酸及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びそのコポリアミドである。
【0033】
ポリエステルの例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリカプロラクトン及びそのコポリエステルを包含するジカルボン酸及びジアルコールから、及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステルである。
【0034】
ポリスチレンはまた、シンジオタクチックなポリスチレン及び高衝撃耐性ポリスチレン(HIPS)であると理解される。ポリウレタンの例は、1.6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メタンジフェニルジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート−2.4及び−2.6(TDI)を包含する、ジオール又は多官能性ポリオール及びジイソシアネートから誘導されたポリウレタンである。
【0035】
好ましくは化合物(I)は、ポエチレンテレフタレート及び/又はポリブチレンテレフタレートと共に、特異な好例として与えられるポリブチレンテレフタレートと共に、又はナイロン(R)6、6,6又は4,6のようなポリアミドと共に、或いはポリウレタンと共に或いはポリウレタンフォームと共に、ポリマー組成物中に適用される。
【0036】
コーティング組成物の例は、顔料で充填されたアルキド樹脂、アクリレート、ウレタン、エステル、エポキシ又はその変性体に基づいたホモ−又はコポリマーである。所望により、これらは通常の架橋剤と共に提供され得る。かかるコーティング組成物の硬化後にコーティングが形成される。
【0037】
ポリマー組成物の難燃特性は、化合物(I)に対して相乗的に作用する化合物の存在により強化され得る。これは通常、化合物(I)のより低含量が選択されることを可能にする。相乗的な効果を有する化合物の例は、炭素の形成を促進する触媒と組合せようと組合せまいと炭素形成化合物である。
【0038】
炭素形成化合物としては、原則として、火により引き起こされる炭素の形成により難燃性ポリマー組成物の難燃特性を強化し得るすべての既知物質が考えられる。化合物(I)に対して相乗的に作用する化合物の総ポリマー組成物中の濃度は、通常は0ないし30重量%の間である。
【0039】
炭素の形成を促進する触媒として有益なのは、例えばタングステン酸の金属塩、又はタングステンとメタロイドの錯体酸性酸化物、又は酸化スズの塩である。タングステン酸の金属塩は好ましくは、タングステン酸のアルカリ金属塩であり、及び特にはタングステン酸ナトリウムである。タングステンとメタロイドの錯体酸性酸化物は、例えばケイタングステン酸又はリンタングステン酸を意味すると理解される。
【0040】
ポリマー組成物中に使用される炭素の形成を促進する触媒量は、0.1ないし5重量%であり、好ましくは0.1ないし2.5重量%である。
【0041】
本発明にしたがった化合物(I)の難燃特性は、ポリマー組成物が少なくとも1種の付加的な難燃性成分を含む場合にさらに強化され得る。原則として付加的な難燃性成分として、すべての既知の難燃剤が考えられ得る。例として、例えばハロゲン化合物と組合された三酸化アンチモン又はアンチモン酸ナトリウムのようなアンチモン化合物;アルカリ土類金属酸化物、例えば酸化亜鉛、酸化マグネシウム;他の金属酸化物、例えばアルミナ、シリカ、酸化鉄及び酸化マンガン;金属水酸化物、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;ナノ複合材料;例えばモンモリロナイト粘土及びカオリン粘土のような粘土;第一アンモニウム化合物又は第四アンモニウム化合物又はメラミン又はリン原子含有化合物で処理した粘土のような処理粘土、;例えばシリケート、有機ケイ素化合物、芳香族有機ケイ素化合物及びシリケートのようなケイ素原子含有化合物、チタネート及びジルコネート;金属ホウ酸塩、例えば水和又は非水和亜鉛ホウ酸塩;メラミンスルフェート;例えばホスフェート、ホスフェートエステル、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィン、ホスフィンオキシド及びホスフィットのようなリン原子含有化合物:メラミンシアヌレート、メラミンポリホスフェート、メレム及びメラムのようなメラミンの高縮重合生成物のような窒素原子含有化合物である。
【0042】
好ましくは、ホスフェート、ホスフィネート及び/又はホスホネートが、リン原子含有化合物として使用される。よりさらに好ましくは、カルシウム、亜鉛又はアンモニウムホスフィネートが使用される。
【0043】
ポリマー組成物中のこれらリン原子含有化合物の含量は、総組成物の重量に対して0重量%ないし25重量%の間で変化し得る。
【0044】
抗ドリップ剤であるポリテトラフルオロエチレンのような、難燃性組成物中に存在する他の既知の化合物が、また存在していてもよい。その含量は通常、総組成物の重量に対して、5重量%以下であり、好ましくは1重量%以下である。
【0045】
総ポリマー組成物中に適用される他の難燃性成分の含量は広い範囲内で変化し得;通常はその含量は、総組成物の重量に対して1ないし50重量%の間にある。
【0046】
強化剤及び/又は充填剤がポリマー組成物中に適用される場合、それらの含量は広い範囲内で変化し得、及びこの含量は、達成を望む(機械的)特性のレベルにより部分的に決定される。通常、強化剤/充填剤含量は、総組成物の80重量%以下である。好ましくは、強化されたポリマー組成物は5ないし50重量%の強化剤を含み、より好ましくは15ないし45重量%である。強化剤の例は、マイカ、粘土、タルク、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、アラミド繊維及び炭素繊維である。強化材料は、繊維、ビーズ、プレート等の形態で適用され得る。異なった強化剤が組合され得る。しかしながら、光学ガラス繊維が好ましい。充填剤は、顔料及び/又は染料であると理解される。
【0047】
本発明にしたがったポリマー組成物は、それ自体既知の慣用技術を用いて、例えば全て又は幾つかの成分をタンブラーミキサー、高剪断ミキサー等の中で乾燥混合し、続いてポリマーの又はポリマーへの添加により調製され得る。固体熱可塑性樹脂がメルトミキサー、例えばブラベンダーミキサー若しくは一軸又は二軸スクリュー押出機或いはニーダー中で溶融される一方で、液体樹脂、例えばアルキド樹脂はミキサーに直接に添加され得、難燃剤及び他の成分がその後に添加され得る。好ましくは、二軸スクリュー押出機が使用される。
【0048】
ポリマー組成物の異なった成分は、押出機のスロートに一緒に計量され得る。それらはまた、異なる位置で押出機へと計量され得る。存在していてもよい多数の成分、例えば染料、安定剤、難燃性組成物、化合物(I)に対して相乗的に作用する化合物及び/又は他の難燃性成分は、例えば濃縮物の形態で、例えばマスターバッチの形態でポリマーに添加され得る。
【0049】
本発明にしたがった難燃性ポリマー組成物は、当業者に既知の技術、例えば射出成形を用いて半製品又は最終製品に加工され得るか、又は既知の適用技術を介してコーティング組成物として使用され得る。
【0050】
本発明はまた、コーティング組成物中の化合物(I)の使用にも関する。そのようなコーティング組成物はとりわけ、木材、金属、石材、プラスチック、繊維及び布に適用され得、その場合、化合物(I)の低い水溶解度が有利である。
【0051】
最終的に本発明は、化合物(I)を含む、硬化されたコーティング組成物から形成されたコーティングを含む基材に関する。
【0052】
基材は限定される必要がない。例えば木材、プスチック/ポリマー、金属、ガラス等のような、普通にコーティングを供給されるすべての基材が考えられ得る。基材は、線状又は彎曲した表面或いは三次元成形品の形態をさらに有し得る。繊維、(モノ)フィラメント並びにその布が考えられ得る。
【0053】
以下の実施例及び比較試験に基づいて、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0054】
実施例
使用した測定方法の定義
スラリーpHは:水中にある本発明にしたがった化合物10重量%を有するスラリーの1時間の撹拌後において、室温で測定した。
難燃性:難燃性を試験片に対して測定し、該試験片は、Underwriters Laboratories Inc.,Bulletin94,Combustion Test for the Classification of Materials にしたがった試験方法を受けた。かかる試験方法にしたがって、こうして試験された材料を、得られた結果を基に、UL94 V0、UL94 V1又はUL94 V2として分類した。このような関係において、最も高い分類であるV0は、良好な難燃性を表す。
水溶解度は:化合物10gを100mLの水に添加し、そして室温で1時間撹拌することにより決定した。
トラッキング指数(CTI)は:IEC60112にしたがって測定した。
【0055】
比較試験A
47gのウレアを、撹拌しながら、100gの縮合リン酸に添加した。続いて8gのメラミンを、生じた液体混合物に添加した。混合物をその後、240℃にて10分間、炉中に置いた。反応生成物は、水100mLあたり5.4gの溶解度を有していた。スラリーpHは5.68であった。
生成物を、0.4MPaで及び170℃にて加圧反応器中で13時間粉砕し及び加熱した。この生成物のスラリーpHは6.63であった。
X線回折を用いてX線回折図を記録した。X線回折の間、結晶性物質が、結晶格子に対し特定数の反射数を与えた。このことは、多数のライン、いわゆるフィンガープリントを特徴とする回折図において明らかである。回折図中のラインの組合せは物質を同定する。種々の化合物の回折図は、幾つかのデータベース中で見ることが出来る。本発明の回折図の分類において使用したのは、ICDDデータ(International Centre for Diffraction Data)である。
比較試験Aにおいて形成された反応生成物の回折図を、表1に含める。表1は、反応生成物が、アンモニウムポリホスフェートとウレアホスフェートの混合物からなることを示している。メラミン置換されたアンモニウムポリホスフェートは存在していない。
【表1】
Figure 2005508351
元素分析:C:4%;N:18%;P:29%;H:4%;O:45%
このことは、米国特許第A−4,043,987号公報明細書の実施例1において、メラミン置換されたアンモニウムポリホスフェートが形成されなかったことを証明している。
【0056】
実施例1
554gのメラミンアンモニウムホスフェート二水和物(‘MAP2H2O塩’)を加圧反応器中に導入した。加圧反応器中のアンモニア分圧を1.2MPaに設定し;温度を315℃に設定した。200℃以上の温度における総反応時間はおよそ2時間であり、315℃において30分である。
反応生成物を、X線回折、元素分析、31P−NMR及びpH測定を用いて同定した:
・表2aからのX線回折図と表2bの比較は、新規化合物が形成されたことを示しており;
・窒素元素分析は、メラミン及びアンモニウムが反応生成物中に存在することを証明しており;
31P−NMRは、形成された生成物が、重合度(‘m+n’)30を有するポリホスフェートであることを証明しており;
・形成された反応生成物のスラリーpHは7.8であり、このことは酸基が存在しないことを意味している。
上の結果から、メラミン、アンモニウム及びポリホスフェートを含む新規化合物:メラミンアンモニウムポリホスフェート(‘MAPP’)が形成されているとの結論に達し得る。
メラミンアンモニウムポリホスフェートの水溶解度は、水100mLあたり1.1gである。かかるメラミンアンモニウムポリホスフェートのX線回折図を表2aに示す。表2bにおいては、メラミンアンモニウムホスフェート二水和物の第一の25ラインが示されている。
【表2】
Figure 2005508351
【表3】
Figure 2005508351
メラミンアンモニウムホスフェートは、メラミンアンモニウムポリホスフェートに完全に転換されている。
【0057】
実施例II
加圧反応器中で、1108gのメラミンアンモニウムホスフェート二水和物(‘MAP2H2O塩’)を600gのウレアと接触させた。反応器中のアンモニア分圧は初めは0.05MPaであった。加圧反応器の温度をおよそ315℃まで上昇させた。200℃以上の温度における総反応時間はおよそ2時間であり、315℃において30分であった。
形成されたメラミンアンモニウムポリホスフェートの重合度(‘m+n’)を31P−NMRを用いて決定し、そして120であることが分った。形成された反応生成物のスラリーpHは7.4であった。メラミンアンモニウムポリホスフェートの水溶解度は水100mLあたり1.0gであった。
【0058】
実施例III
加圧反応器中で、2MPaのアンモニア分圧下、メラミンアンモニウムピロホスフェートを315℃まで段階的に加熱し、そしてその後メラミンアンモニウムポリホスフェートを形成させる為に315℃にて1時間重合させた。段階的な加熱の利点は、反応器壁への反応生成物の析出−いわゆるスケーリングを防止することである。
反応生成物を、X線回折、元素分析、31P−NMR及びpH測定を用いて同定した:
・表3のX線回折図は、新規化合物が形成されたことを証明しており;
・窒素元素分析は、メラミン及びアンモニアが反応生成物中に存在することを証明しており;
31P−NMRは、形成された生成物が、重合度(‘m+n’)50を有するポリホスフェートであることを証明しており;
・形成された反応生成物のスラリーpHは7.0であり、このことは反応生成物中に酸基が存在しないことを意味している。
【表4】
Figure 2005508351
上の結果から、メラミン、アンモニウム及びポリホスフェートを含む新規化合物(メラミンアンモニウムポリホスフェート)が形成されているとの結論に達し得る。実施例1で使用されたものとは異なった開始材料が使用されているという事実から、このコポリホスフェートは、異なった結晶格子を生じるアンモニウムとメラミンの異なった配合を有する。このことは、実験Iを介して観察されたメラミンアンモニウムポリホスフェートに属する回折図ではない、新規X線回折図において明らかにされている。
【0059】
比較試験B
180.17gのモノアンモニウムホスフェート及び40.14gのメラミンホスフェート化合物を炉中に導入した。材料を撹拌しながら、温度を190℃まで上昇させ、そしてその後260℃まで段階的に上昇させた。総反応時間は3時間である。合成の間にアンモニアが放出された。反応生成物はAPPよりも低い溶解度を有しており、水100mL中に1.7gであった。
・表4におけるX線回折図は、反応生成物がアンモニウムポリホスフェートとメラミンピロホスフェートの混合物からなることを証明している。
・サーモグラフィック分析TGAは、反応混合物の熱安定性はAPPのそれに匹敵することを証明している。質量の損失は220℃付近で始まった。
・スラリーpHは5.7であり、これは反応混合物が酸基を含んでいることを示している。
【表5】
Figure 2005508351
【0060】
比較試験C
204.05gのメラミンホスフェート及び158.07gのウレアホスフェートを炉中に導入した。材料を撹拌しながら、温度を190℃まで上昇させ、そしてその後260℃まで段階的に上昇させた。総反応時間は3時間であった。合成の間にアンモニアが放出された。反応生成物はAPPよりも低い溶解度を有しており、水100mL中に1.2gであった。反応生成物は、アンモニウムポリホスフェートとメラミンピロホスフェートの混合物からなっていた。X線回折図は、比較試験Bからの回折図に匹敵した。TGAでの安定性もまた、比較試験Bからの反応生成物のそれに匹敵した。
【0061】
比較試験D
31.5gのメラミン及び158.07gのウレアホスフェートを炉中に導入した。材料を撹拌しながら、温度を190℃まで上昇させ、そしてその後260℃まで段階的に上昇させた。総反応時間は3時間であった。合成の間にアンモニアが放出された。反応生成物はAPPよりも低い水溶解度を有しており:水100mL中に2.1gであった。
・表5におけるX線回折図は、反応生成物がアンモニウムポリホスフェートと遊離メラミンの混合物からなることを示しており:
・TGAでの反応生成物の安定性は、比較試験Bからの反応生成物のそれに匹敵している(質量の損失は230℃で始まった。)。
【表6】
Figure 2005508351
【0062】
比較試験E
204gのメラミンホスフェート、230gのモノアンモニウムホスフェート及び60gのウレアを密閉された炉中に導入した。続いて温度をおよそ310℃まで段階的に上昇させた。総反応時間は4時間であった。反応生成物はAPPよりも低い溶解度を有しており:水100mL中に1.8gであった。
TGAを用いて測定した熱安定性は、APPのそれと匹敵した(質量の損失はおよそ220℃で始まった。)。表6におけるX線回折図は、アンモニウムポリホスフェートとメラミンポリホスフェートの混合物が形成されたことを示している。
【表7】
Figure 2005508351
【0063】
比較試験F
31.5gのメラミン、230gのモノアンモニウムホスフェート及び60gのウレアを密閉された炉中に導入した。続いて温度をおよそ310℃まで段階的に上昇させた。総反応時間は4時間であった。
反応生成物はAPPよりも低い溶解度を有しており:水100mL中に2.5gであった。TGAを用いて測定した熱安定性は、APPのそれと匹敵した(質量の損失はおよそ220℃で始まった。)。表7におけるX線回折図は、主としてアンモニウムポリホスフェートと遊離メラミンが反応生成物中に存在していることを示している。
【表8】
Figure 2005508351
【0064】
実施例IV
実施例Iからのメラミンアンモニウムポリホスフェートから開始して、ポリアミドを含むポリマー組成物、いわゆるポリアミド配合物を調製する。以下の材料をワーナー アンド フライダラー(Werner & Pfleiderer)ZSK30/33D 二軸スクリュー押出機に添加した:
ポリアミド6(アクロン(R)K123−DSM) 35.0重量%
実施例Iからの化合物 35.0重量%
ガラス繊維(OCF173 X10C) 30.0重量%
押出機に真空ガス抜きを装備した。ガス抜きは0.08MPaの真空に設定した。得られたポリマーストランドを水を用いた冷却タンクに通し、その後顆粒に細断した。顆粒は密であり、そして明るいクリーム色を有していた。
バッテンフェルド(Battenfeld)射出成形機のBA350 CDプラス型を使用し、Underwriters Laboratories UL94にしたがって1.6mm厚を有する試験片を製造した。溶融温度を275℃に設定し、成形温度は85℃であった。射出成形は問題なく行われ、製品は良好な離型性質を有し、そして型において析出する材料はなかった。製品はクリーム色を有していた。
試験片の難燃性をUnderwriter’s Laboratories UL94
にしたがって決定した。試験片は良好な難燃性を達成し、UL94にしたがってV0として分類した。電気的特性としてのCTIである、トラッキング指数を測定した。観察された数値は350ボルトであった。
【0065】
比較試験G
比較試験Aからの生成物から開始して、ポリアミド化合物を調製した。以下の材料をワーナー アンド フライダラー ZSK30/33D 二軸スクリュー押出機に添加した:
ポリアミド6(アクロン(R)K123−DSM) 35.0重量%
比較試験Aからの化合物 35.0重量%
ガラス繊維(OCF173 X10C) 30.0重量%
押出機に真空ガス抜きを装備した。ガス抜きは0.08MPaの真空に設定した。ガス抜きの際、ドラガー(Drager(R))チューブの使用によりアンモニアを検出した。放出されたアンモニア量は実施例IVの場合よりも5倍高かった。
押出機のヘッドから押出されたポリマーストランドが膨潤され、そしてストランドの破損が定期的に示された為に、配合工程を中断しなければならなかった。ストランドを、水を用いた冷却タンクに導き通し、そしてその後顆粒に細断した。ストランドを冷却タンク中の水に導き通している間に、水は青く変色し、そしてセッケン様の層が水の表面に形成された。さらに、ポリマーストランドの強い変色と顆粒の強い変色が生じた。
バッテンフェルド射出成形機のBA350 CDプラス型を用い、Underwriter’s Laboratories UL94にしたがって1.6mm厚を有する試験片を製造した。溶融温度を275℃に設定し、成形温度は85℃であった。射出成形の間に以下の問題を生じた:型に製品が付着し、そして結果として型からの離型性に乏しかった。製品中に、ガス泡から生じた孔が観察された。
試験片の難燃性をUnderwriter’s Laboratories UL94
にしたがって決定した。試験片はUL94にしたがってV0として分類する難燃性を達成した。CTIは175ボルト以下であった。
【0066】
比較試験H
比較試験Dからの生成物から開始して、ポリアミド化合物を調製した。以下の材料をワーナー アンド フライダラー ZSK30/33D 二軸スクリュー押出機に添加した:
ポリアミド6(アクロン(R)K123−DSM) 35.0重量%
比較試験Aからの化合物 35.0重量%
ガラス繊維(OCF173 X10C) 30.0重量%
押出機に真空ガス抜きを装備した。ガス抜きは0.08MPaの真空に設定した。ガス抜きの際、アンモニアを観察した。
昇華したメラミンの結果として30分以内にガス抜きが妨害され、そしてそれゆえ定期的に清掃しなければならなかった。ポリマーストランドが冷却タンクに到達する前に押出される押出機のヘッドにおいて、白色の蒸気が観察された。この蒸気は昇華するメラミンであると分った。
膨潤された外観を有する、得られたポリマーストランドを、水を用いた冷却タンクに導き通し、そしてその後顆粒に細断した。ストランドの破損が定期的に生じていた。ストランドを冷却タンク中の水に導き通している間に、水は青い変色を示し、そして析出物が冷却水の表面に観察された。さらに、ストランドの強い変色と顆粒の強い変色が生じた。
バッテンフェルド射出成形機のBA350 CDプラス型を用い、1.6mm厚を有する試験片を、Underwriter’s Laboratories UL94にしたがって製造した。溶融温度を275℃に設定し、成形温度は85℃とした。射出成形の間に、型に製品が付着し、そして離型性に乏しかった。さらに、型に付着物が形成した為に、型を定期的に清掃しなければならなかった。試験片は変色及び汚染を示していた。
試験片の難燃性をUnderwriter’s Laboratories UL94
にしたがって決定した。試験片はV0分類を達成した。

Claims (10)


  1. 1−O−[m(R1PO3),n(R2HPO3)]−Z2 (I)
    (式中、[m(R1PO3),n(R2HPO3)]は、m個の(R1PO3)単位及びn個の(R2HPO3)単位を有するコポリホスフェートを表し;
    1はアンモニウム構成ブロックを表し;
    2は1,3,5−トリアジン構成ブロックを表し;
    1及びZ2は、互いに独立して選択されるアンモニウム又は1,3,5−トリアジン構成ブロックを表し;
    m及びnは、1より大きいか又は等しい整数を表し;但し、mとnの合計は3より大きい。)
    で表される化合物。
  2. 前記コポリホスフェートは、交互コポリホスフェートからなる請求項1記載の化合物。
  3. 前記mとnの合計は20より大きい請求項1記載の化合物。
  4. メラミン、アンメリン、アンメリド又はメラム、メレム又はそれらの混合物を含むメラミンの縮合生成物がトリアジン構成ブロックとして使用される請求項1記載の化合物。
  5. ホスフェート構成ブロック、1,3,5−トリアジン構成ブロック及びアンモニウム構成ブロックを含む単純化合物を、200ないし400℃の間の温度にて、少なくとも0.005MPaのアンモニア分圧下において加熱することを特徴とする請求項1記載の化合物の調製方法。
  6. 前記化合物(I)が、他の難燃性成分及び/又は強化剤及び/又は充填剤との相乗的組合せで存在しているポリマー組成物。
  7. 35ないし99重量%のポリマー;
    0ないし80重量の強化剤及び/又は充填剤;
    1ないし50重量%の化合物(I);
    <10重量%のアンモニウムポリホスフェート(APP)
    を含むポリマー組成物。
  8. 前記ポリマー組成物の総重量に対して、5重量%以下のAPPが存在している請求項6記載のポリマー組成物。
  9. 前記ポリマー組成物の総重量に対して、2重量%以下のAPPが存在している請求項7記載のポリマー組成物。
  10. 請求項1記載の化合物を含む硬化されたコーティング組成物から形成されたコーティングを含む基材。
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