JP2005506554A - 電気光学変調器の速度整合電極構造体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ニオブ酸リチウムのような電気光学基板(100)と、基板内に形成された光導波路(200)と、導電性の脚(350A)によって基板から持ち上げられたマイクロ波伝送ライン(300)を含む電極構造体とを有する電気光学変調器に関する。一実施形態では、基板と伝送ラインとの間に低誘電定数のバッファ層(400)が配置されている。導電性の脚は、伝送ラインからバッファ層を通って導波路の方向に基板表面まで延びている。マイクロ波伝送ラインは、電気的伝搬速度が最大になるような距離で基板から持ち上げられている。高速の電気速度は導電性の脚によって生じる負荷キャパシタンスにより相殺され、それにより、伝送ライン上の電気速度が低下して光速度と整合する。対向する導電性の脚の対は、強力な電界を供給して光信号を変調する。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の背景】
電気光学変調器は、光ファイバ通信システム、特に商用の長距離高速デジタル通信システムにおいて使用されている。電気光学変調器は、電気信号を変調された光信号に変換する。電気信号は、光ファイバ通信システム上で伝送するためのデータまたは音声を表わしている。変調された光信号は、光学波形によるデータ/音声伝送である。
【0002】
光信号を変調する技術には、振幅変調および位相変調が含まれる。振幅変調によって、変調された光信号が生成されるか、または変調器から放射されるオン・オフ切換えされた光が生成される。マッハツェンダー干渉計は、振幅変調を実行する変調器の一例である。位相変調により、光信号の位相が所定量だけシフトされる。位相変調された信号は、位相の変化を検出する特殊な検波器を必要とするのに対して、振幅変調された信号は、受信された信号の電力を光子として検出する光子検出器によって検出することが可能である。
【0003】
電気光学変調器の典型的な構造は、ニオブ酸リチウムまたはIII−V族半導体のような電気光学基板と、基板内に形成された光導波路パターンと、変換される電気信号を伝搬する、基板上に配置された電極構造体とを含む。
【0004】
電気信号が電極構造体を介して伝播するにつれて、相互作用距離として知られる導波路の長さ全体にわたって電界が発生する。導波路に交差する電界が相互作用距離の全長に印加されると、電気光学基板の屈折率に影響を与え、導波路を伝播する光信号(即ち、光)が変調される。
【0005】
基板上に配置された電極構造体は、強力な電気光学相互作用をもたらす。相互作用の大きさは「VL積」により表わされ、これは、電気信号のスイッチング電圧(VII)と相互作用距離(L)との積(即ち、V×L)である。スイッチング電圧VIIは変調器の電気入力において必要な電圧振幅であり、この電圧により、変調器から放射される光を「オン」から「オフ」に切り換えるか、またはその位相を所定量だけシフトさせる。この相互作用力は一般に定数であり、ニオブ酸リチウムの場合、典型的には1550ナノメートル(nm)において1ミリメートル当たり55ボルト(V−mm)である。
【0006】
電気光学変調器の現在の制約要因は、毎秒10ギガビット(Gbit/s)以上のデータ転送速度での送信に適する高い駆動電圧要件である。VL積によれば、必要なスイッチング電圧を低減するには、変調器の相互作用距離を増加することにより、最大長全体にわたって光信号に電界が印加されるようにすれば、可能である。しかし、長い変調器では、電気信号の速度と光信号の速度とを整合させて、相互作用距離の全長にわたり電界を光信号に印加する必要がある。整合されなければ、相互作用距離の全長にわたって電界が光信号に印加されず、変調品質が低下する。
【0007】
今日では、必要な速度整合を達成するさまざまな電極構成が存在している。これらは全て、速度、電気/光オーバーラップ(変調効率の尺度)、インピーダンス、マイクロ波損失および製造可能性の間で幾分かの妥協を行っている。変調器基板材料(主としてニオブ酸リチウムおよびIII−V族半導体)を組合せても、最新の変調器性能は、かろうじて10Gbit/sシステムに適合する程度であり、40Gbit/s等の高速には不十分である。
【0008】
速度整合のための従来の電極構成としては、伝送ラインの容量性負荷がある。この構成の効果は、電気信号の速度を無負荷の伝送ライン上でのその速度よりも遅くすることと、無負荷ラインよりもインピーダンスを下げることにある。これは、例えばIII−V族半導体の電気光学基板をベースとする変調器構造のような、無負荷ライン上の電気速度(electrical velocity)が導波路における光の速度に比べて速い変調器構造において有利である。
【0009】
しかし、ニオブ酸リチウムの電気光学基板をベースとする変調器構造のように電気信号の速度が既に光速度(optical velocity)よりも遅い変調器の場合には、この電極構造の減速効果も、このタイプの電極を無意味にする。
【0010】
【発明の概要】
一実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体とを備える。導電性の脚は伝送ラインを基板から延長し、電気信号は伝送ラインに沿って電気速度で伝播する。別の実施形態によれば、電気光学変調器は、基板と伝送ラインとの間に配置された誘電体層を含むことが可能である。この誘電体層は、誘電体層がポリイミドで製作されている実施形態の場合には、基板よりも低い誘電率を有する。
【0011】
一実施形態によれば、導電性の脚は伝送ラインを基板表面から一定の距離まで延長し、これにより伝送ライン内を伝播する電気信号に付随する基板内の電界の大きさを実質的に低減し、伝送ライン上を伝播する電気信号の電気速度を最大にする。伝送ライン内を伝播する電気信号に付随する電界は、基板の誘電率よりも低い誘電率を有する領域内を実質的に移動する。低い誘電率を有する領域は、空気または誘電体層であってもよい。
【0012】
導電性の脚は、電気速度を低減して導波路内を伝播する光信号の光速度に電気速度を整合させるキャパシタンスを提供する。一実施形態によれば、電気光学変調器は導電性の脚の第1セットを備え、この導電性の脚の第1セットは光導波路の長手方向に沿って導電性の脚の第2セットに対向し、導波路を交差し光信号を変調する電界を発生させる。導電性の脚は、相互に間隔を空けることができる。
【0013】
一実施形態によれば、導電性の脚は低リアクタンスの導電体と負荷電極とを備える。対向する導電性の脚の対向する負荷電極は光導波路の長手方向に沿って配置され、導波路を交差し光信号を変調する電界を発生させる。対向する導電性の脚の対向する負荷電極は、伝送ライン上の電気速度を低減して光信号の光速度に電気速度を整合させるキャパシタンスを発生する。
【0014】
一実施形態によれば、光導波路を導電性の脚の対向する負荷電極の間に配置することにより、光信号が電界の水平成分によって変調されるようにしている。別の実施形態によれば、光導波路を負荷電極に近接して配置することにより、光信号が電界の垂直成分によって変調されるようにしている。
【0015】
電気光学基板は、幾つかの異なる実施形態によって変更することが可能である。電気光学基板は、電気周波数においてより低い誘電率を有する第2の基板上に配置された薄い層であってもよい。基板は、光導波路が突出している非平面であってもよい。基板はまた、ニオブ酸リチウムのような強誘電体材料またはIII−V族半導体材料であってもよい。
【0016】
別の実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体とを備える。伝送ラインは、信号電極と少なくとも1つのグラウンド電極とを有する。導電性の脚は伝送ラインを基板から延長することが可能であり、伝送ラインに沿って電気速度で伝播する電気信号は光速度に実質的に整合される。さらに、誘電体層は、基板よりも低い誘電率を有する信号電極およびグラウンド電極に隣接して配置される。
【0017】
別の実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体とを備える。伝送ラインは、信号電極と、信号電極を基板から延長する導電性の脚を有する少なくとも1つのグラウンド電極とを備える。グラウンド電極は、基板表面上に直接配置することができる。伝送ラインに沿って伝播する電気信号の電気速度は、光速度に実質的に整合される。さらに、誘電体層はグラウンド電極に隣接して配置され、この誘電体層は基板よりも低い誘電率を有する。
【0018】
さらに他の実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、マイクロストリップ伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体とを備える。マイクロストリップ伝送ラインは、信号電極とグラウンド電極とを有し、信号電極はそこからほぼ垂直に延びるアームを有する。導電性の脚は、信号電極のアームから導波路へ向けて基板表面まで延び、グラウンド電極は基板表面上へ直接配置できる。伝送ラインに沿って伝播する電気信号の電気速度は、光速度に実質的に整合される。さらに別の実施形態は、信号電極とグラウンド電極との間に配置された誘電体層を備え、導電性の脚は、信号電極のアームから導波路の方へ誘電体層を介して基板の表面まで延びている。この誘電体層は、基板よりも低い誘電率を有する。
【0019】
さらに他の実施形態によれば、電気光学変調器は、さらに、電気光学基板上に直接配置された絶縁バッファ層を備える。本発明の実施形態は、マッハツェンダー干渉計、位相変調器またはカットオフ変調器のような各種の変調器に適用することができる。
【0020】
さらに別の実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、光信号を光速度でサポートするための基板内における少なくとも1つの光導波路と、伝送ラインから延びる、光速度に実質的に整合する電気速度で伝送ラインに沿って伝播する電気信号をサポートできる導電性の脚とを備える。
【0021】
本発明の前述および他の目的、特徴および利点は、添付の図面による本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明白となるであろう。図では、同一参照符号は、異なる図面においても同一部分を指している。図面は必ずしも縮尺通りではなく、発明の原理を説明するのに重点が置かれている。
【0022】
【好ましい実施形態の詳細な説明】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0023】
一般に、電気光学基板は、電気周波数と光周波数とで異なる誘電率を有する。特定の周波数においては、誘電率が高いほど、その周波数での信号の伝搬速度は遅い。典型的な電気光学変調器では、光導波路は、ニオブ酸リチウムまたはIII−V族半導体のような電気光学基板内に完全に埋め込まれている。導波路内を
伝播する光信号の速度(v)は、真空中の光速(c)を、ある光周波数における基板の誘電率(k)の平方根で除して計算される。
【0024】
【数1】
【0025】
無負荷伝送ライン上の電気信号の速度も同じ式で計算されるが、この場合のcは真空中の電気信号の速度である。但し、伝送ラインを介して伝播する電気信号は、その電界の一部を電気光学基板内に有し、かつ一部を伝送ラインを取り囲む他の層内(即ち、空気中)に有するため、電気速度はそれぞれの誘電率の組合せに依存する。
【0026】
ニオブ酸リチウムは、強誘電体材料である。ニオブ酸リチウム基板に関しては、電気マイクロ波周波数におけるその誘電率は35であり、光周波数におけるものより遙かに大きい。したがって、光導波路内を進む光は、伝送ライン上を進む電気信号よりも速い。典型的には、ニオブ酸リチウムにおける光信号の速度は真空内の光速のおよそ2分の1であり、電気信号の速度は光速のおよそ4分の1である(即ち、光速度は電気速度の2倍である)。
【0027】
ニオブ酸リチウム基板に速度整合させる先行技術による手法は、伝送ラインを変調器に沿って連続した状態に維持しているが、その断面を厚く設計して、より多くの電界が誘電率1を有する空気のような低誘電率を有する領域内を進行するようにしている。このように、高誘電体基板を介して進む電界が少なくなるため、伝送ライン上の電気速度は増大する。これにより必要な速度整合が達成され、変調器は長い長さ(例えば典型的には40mm)を保有できるようになる。しかし、この手法もまた光導波路と交差する電界を低減させてVL積が上昇し、長さをより長くできる利点が、相互作用力が低下する欠点によって部分的に相殺される。このような変調器は、32GHzで約6Vのスイッチング電圧を達成すると報告されている。
【0028】
速度整合の従来の方法としては、負荷ライン電極構造体を使用する伝送ラインの容量性負荷がある。伝送ラインの容量性負荷は、一般には、無負荷マイクロ波伝送ライン上の電気信号速度がIII−V族半導体変調器のような導波路内の光速度よりも速い場合の速度整合において効果的である。III−V族半導体基板の場合、容量性負荷なしの電気速度は光速のおよそ2分の1であり、一方、光速度はより遅くて光速の3分の1である。負荷ライン電極構造体の効果は、電気伝送ラインにキャパシタンスを追加して電気伝搬速度を減少させ、光伝搬速度にほぼ一致するようにすることにある。伝送ライン上の電気伝搬速度もまた、インダクタンス(L)とキャパシタンス(C)との積の平方根の逆数によって計算できるため、キャパシタンスを追加すれば電気速度は低減する。
【0029】
【数2】
【0030】
式(2)では、Cは合計キャパシタンス、C=Cu+Cloadである。但し、Cuは無負荷伝送ラインのキャパシタンスであり、Cloadは負荷電極のキャパシタンスである。伝送ラインのインピーダンスZは、次式で与えられる。
【0031】
【数3】
【0032】
インピーダンスは、多くの用途では、伝送ラインインピーダンスが所定の駆動増幅器インピーダンスに整合するという必要条件によって制約されている。インピーダンス整合要件によって制約されない場合でも、Zが余り小さい値でないことが望ましが、これは、所定の駆動電力にとってより高インピーダンスは高い電圧を意味し、電気光学変調器はこの電圧に応答するからである。言い換えると、インピーダンスZは自由なパラメータではなく、変調器設計の問題に対する入力条件として適正な値に取られる。したがって、負荷ラインのマイクロ波速度が光速度に整合する場合には、伝送ラインの式(1)〜(3)を次式のように組み合わせることができる。
【0033】
【数4】
【0034】
式(4)では、n0は光速度の計算に使用される光屈折率である(即ち、光速度は真空中の光速(c)をn0で除したものにほぼ等しい)。同様に、無負荷伝送ラインのマイクロ波屈折率(nu)は誘電率kの平方根にほぼ等しく、無負荷ライン上のマイクロ波速度の計算に使用される(即ち、電気速度は真空中の電気信号の速度(c)をnuで除したものにほぼ等しい)。
【0035】
小さい電極間隙、電極によって覆われる高い割合の有効な相互作用長さ、およびその電界が高誘電率の材料内に集中するような電極配置などのような変調器の効率を向上させる要因は全て、電極のキャパシタンスを増大させる。したがって、優れた変調器構成は高いCloadを必要とする。式(4)から、nuが小さいほど、Cloadを大きくできることは明らかである。
【0036】
負荷ライン変調器に対する先行技術による手法は、おそらくは薄い絶縁バッファ層で、電気光学基板上に単に無負荷のラインを配置しただけであったため、無負荷ライン速度は伝送ライン基板としての電気光学基板によって実質的に決定されていた。ニオブ酸リチウムのような基板の場合、nuがn0よりも大きいと予想されるため、先行技術を使用する容量性負荷(例えば負荷されたライン)は全く不可能であると思われる。本発明の実施形態は、nuをn0よりも実質的に小さいものにして負荷ラインを可能にする。本発明の実施形態はまた、広範な材料に適用可能である。先行技術を用いてはnuがn0よりも小さいIII−V族半導体のような基板に対して、本発明の実施形態はnuをさらに低減する方法と、低電圧の変調器を生み出す大きい負荷キャパシタンスを負荷する方法とを提供する。
【0037】
本明細書に記載する本発明の実施形態は、無負荷ライン屈折率nuの低減を容易にし、それにより無負荷ライン上の速度を増大させる。
【0038】
図1は、一実施形態による高速電気光学変調器であるマッハツェンダー干渉計の三次元断面図である。マッハツェンダー干渉計は、アナログおよびデジタル伝送に使用される。例示を目的としてマッハツェンダー干渉計が使用されているが、本発明の原理に従って他の変調器に変更することも可能である。
【0039】
概要的には、本発明は、電気光学基板100を有する電気光学変調器10と、基板100内に形成された光導波路200と、導電性の脚350によって基板100から持ち上げられたマイクロ波伝送ライン300を含む電極構造体と、基板100と伝送ライン300との間に配置されたバッファ層400とを有する。ここでは便宜的に「持ち上げられた」という用語が使用されているが、伝送ライン300はまた、基板から下へ等距離だけ押し下げまたは低下させることもできることは明白である。導電性の脚350は、伝送ライン300からバッファ層400を通って光導波路200の方へと基板100の表面まで延びている。
【0040】
実施形態によっては、導電性の脚350が伝送ライン300を支持することが可能であって、支持するバッファ層400の存在を必要としないものがある。伝送ラインは、ポリイミドのような低誘電率材料の厚い層で支持することが最も容易であるが、場合によっては、伝送ラインと電気光学基板との間の誘電材料が空気であるように、導電性の脚自体で支持することも可能である。
【0041】
マイクロ波伝送ライン300は、電気伝搬速度が最大となるように基板100から一定の距離まで持ち上げられている。これは、無負荷の伝送ラインを伝送ラインの寸法に比べて大きい距離で電気光学材料から分離することによって達成され、その結果、無負荷ラインの速度はそれを取り囲む低誘電率材料によって決定される。特に、導電性の脚350は十分長くして、伝送ライン300を基板100から離して持ち上げることにより、伝送ライン300内を伝播する電気信号によって発生する強い電界部分(以後、「伝搬の電界710」と称する)が電気速度を低下させるニオブ酸リチウム基板100に到達しないようにする必要がある。伝搬の電界710(図3に示されている)は伝送ライン300の電極間の間隙の間に発生するが、光信号の変調は行わない。高い電気速度は次に、伝送ライン300上で電気速度を低減させる導電性の脚350によって導入される負荷キャパシタンスで相殺され、光速度に整合される。
【0042】
対向する導電性の脚の対は、光信号を変調するための強力な電界(以後、「変調のための電界700」と称する)を供給する。
【0043】
バッファ層400が存在する場合、これは低い誘電率を有する材料で製作される。ここでの「低い」は、ニオブ酸リチウムのような基板100の電気光学材料の誘電率よりも低い定数として定義される。バッファ層400の厚さは、約10ミクロンまたはそれ以上である導電性の脚350の高さとほぼ同一である。伝搬の電界710の一部は電気光学基板100内でなく低誘電体のバッファ層400内を進行しているため、伝送の電気速度は増大する。
【0044】
詳細には、図2は一実施形態によるマッハツェンダー干渉計の平面図である。マッハツェンダー干渉計10は、基板100の表面と同一平面に形成された光導波路200を有する電気光学基板100を含む。光導波路200は、200Bで2つの別々の導波路またはアームに分岐し、200Cで再び結合される。光信号は、200Aで入力光ファイバ500から光導波路200へ入る。光信号のソースは、レーザまたは当業者には公知の他の適切な光源であってもよい。光導波路200に沿って一定の光速度で伝播する光信号は、200Bで導波路の2つのアームに分かれる。両アーム内の光信号は、200Cで再度結合される。変調された光信号は、200Dで変調器を出て出力光ファイバ510に入る。
【0045】
負荷ライン電極構造体はまた、電気速度を低減して光速度に整合させるための負荷キャパシタンスに加えて、光信号を変調するための電界(以後、「変調のための電界700」と称する)を供給する。負荷ライン電極構造体は2つの部分、すなわち無負荷のマイクロ波伝送ライン300および導電性の脚350を有する。
【0046】
無負荷のマイクロ波伝送ライン300は、電気信号が対象とする全周波数(例えばDCから32GHzまで)で同ラインに沿って伝播可能であるという意味において連続である。一実施形態によれば、無負荷のマイクロ波伝送ライン300は、1つの信号電極300Aと2つのグラウンド電極300Bとを含む。信号電極300Aおよびグラウンド電極300Bは同一平面上で、基板100の上方のバッファ層400上に配置されている。信号電極300Aおよびグラウンド電極300Bは、また、光導波路200の一部分の上の光信号の伝播にほぼ並行している。無負荷の伝送ライン300は物理的に大きく、特に高い電気周波数において信号損失が最小化される。伝搬の電界710は、信号電極300Aとグラウンド電極300Bとの間の間隙の間に発生するが、変調は行わない。
【0047】
信号電極300Aとグラウンド電極300Bとの間には、抵抗R1およびR2が取り付けられている。これらの抵抗は、エネルギー反射に起因する電気信号の崩れを防止するための終端インピーダンスを提供する。
【0048】
導電性の脚350は、低リアクタンスの導電体350A(図2には示さず)と、負荷性または変調性の電極350Bとを含む。負荷キャパシタは対向する両負荷電極350Bによって形成され、負荷電極350Bは、一方の電極が信号電極300Aに接続されかつ他方の電極が導電体350Aを介してグラウンド電極300Bに接続されている。対向する両負荷電極350Bは、光導波路200のアームの全長の任意部分に沿って周期的に、または非周期的パターンで配置することが可能である。これらの離散的な負荷キャパシタは相互に絶縁され、電気信号がその1つから他へと無負荷の伝送ライン300以外の経路によって低損失で伝播できないようにしている。容量性負荷が追加されると、伝送ライン300の持ち上げに起因して増大した電気速度は減速されることになり、光信号と電気信号の速度が整合される。
【0049】
変調は、負荷電極350Bによって達成される。変調のための電界700は、負荷キャパシタの対向する両負荷電極350B間の間隙に発生し、光導波路200に交差して印加される。両負荷キャパシタ間の間隔が電気信号の波長に比べて小さい限り、変調のための電界700は光導波路200に交差して均一かつ連続的に印加される。対向する両負荷電極350B間に小さな間隙を形成することにより、所定の電圧に対する変調のための電界700を極めて大きくすることが可能であり、これにより、高電圧の必要条件が低減される。
【0050】
信号発生器は、電気データ入力600に入り、一定の電気速度で信号電極300Aを介して伝播する電気信号を発生させる。電気信号が伝送ライン300を通って伝播するにつれて、電荷は導電性の脚350の負荷電極350Bをオンおよびオフして移動され、時間変化する変調のための電界700が光導波路200のアームの間に印加される。
【0051】
一般に、変調のための電界700の印加は、電気光学基板100の屈折率を変化させ、光導波路200内の光信号の位相を僅かにシフトさせる。例えば、マッハツェンダー干渉計10が振幅変調を実行する場合、光信号または光を光導波路200の各アーム間で分割して、各アームが原信号のパワーの半分を有し、光信号が同位相になるようにする。データ入力600で入力された電気信号の所定の電圧VIIは、変調のための電界700を発生させる。変調のための電界700が相互作用距離の全長で光導波路200に交差して印加されると、光導波路200の両アーム内を伝播する2つの光信号は、180度の位相シフトで位相がずれる。したがって、変調された光信号は、200Cで再び結合されると互いに効果的に相殺されてゼロになり、最終的に変調器10からは光が出力されなくなる。逆に、光導波路200を交差する電界が全く印加されない場合(例えば、グラウンドに対する電気信号の電圧がゼロボルトのとき)は、光信号の変調は発生しない。したがって、信号は200Cにおいて同位相で再度結合され、光信号(即ち光)は変調器10を出る。
【0052】
図3は、一実施形態によるマッハツェンダー干渉計の断面図である。導電性の脚350は、負荷電極350Bを伝送ライン300に接続する金属ストライプのような低リアクタンスの導電体350Aを含む。一実施形態では、導電性の脚350の導電体350Aは、マイクロ波伝送ライン300の信号電極300Aおよびグラウンド電極300Bからバッファ層400の孔を通って延びる。これらの孔は、フォトリソグラフィおよびエッチング・プロセスにより製作される。導電性の脚350は、金のような低リアクタンス金属で製作できる。導電体350Aに接続された導電性の脚350の負荷電極350Bは、バッファ層400と電気光学基板100または絶縁バッファ層105の何れかとの間に配置されている。対向する両負荷電極350Bは、光導波路200の両アームの両側に整列されている。
【0053】
この実施形態によれば、光導波路200は、基板100内の導電性の脚350の負荷電極350B間に整列されている。xカットのニオブ酸リチウムの場合は、この整列により変調のための電界700の水平成分の利用が容易になる。
【0054】
電気光学基板100は、負荷電極350Bを光導波路200から分離する薄い絶縁バッファ層105で覆われている。絶縁バッファ層105は、二酸化ケイ素(SiO2)または光導波路内の光が負荷されたライン電極構造体によって吸収されるのを防止する特性を有する特定の別の適正な材料の層であってもよい。別の実施形態では、絶縁バッファ層105を省略することができる。
【0055】
バッファ層400は、基板100の表面の大部分の領域を覆って配置されたものとして示されている。バッファ層400は、低い誘電率を有する材料で製作される。但し、「低い」はニオブ酸リチウムのような基板100の電気光学材料の誘電率よりも低いものとして定義される。バッファ層400に適する材料はポリイミドであり、その誘電率3は、ニオブ酸リチウム上でのこの構成の実現を可能にするのに十分な低い値である。図示されている実施形態によれば、マイクロ波伝送ライン300の信号電極300Aおよびグラウンド電極300Bは全てバッファ層400の表面に配置されている。バッファ層400の厚さを十分に厚くして、伝送ライン300内を伝播する電気信号によって発生する電界710が、電気速度を低下させるニオブ酸リチウム基板に到達しないようにする必要がある。一実施形態では、バッファ層400は厚さ10ミクロン以上の層に製作され、基板がニオブ酸リチウムである場合には、好ましくは、厚さ40〜80ミクロンである。
【0056】
さらにこの負荷ライン電極構造体は、III−V族半導体基板を有する変調器の場合にも効果的である。先に論じた通り、III−V族半導体基板を有する変調器の場合は既に、電気速度が光速度よりも速い。伝送ライン300をIII−V族半導体基板から離して持ち上げることにより、既に光速度よりも速い電気速度はさらに増大する。但し、この超過速度分は負荷キャパシタンスの追加を可能にし、より小型の寸法の変調器の実現を容易にする。例えば、導電性の脚350の対向する負荷電極350B間の間隙を小さくすることにより、大きいキャパシタンスを得ることができる。負荷電極350B間の小さい間隙は、低いスイッチング電圧でのより高い電界700に相当する。したがって、III−V族半導体等の基板を有する電気光学変調器であっても、この改良された構成から利益を受けることができる。
【0057】
図4は、別の実施形態によるエッチングされたバッファ層を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。空気はポリイミドのバッファ層400よりも低い誘電率を有することから、伝送ライン300を支持する必要のないバッファ層400の部分を除去すれば、伝送ライン300の電気速度はさらに増大する。図4が示すように、バッファ層400の一部は、信号およびグラウンドの各電極300Aおよび300Bそれぞれと導電性の脚350との間に実質的に形成される容積から除去されている。自己整列式マスクとして伝送ライン電極と共に反応性イオン・エッチングのような異方性エッチング方法が使用されて、これを達成することができる。
【0058】
バッファ層400の残りの部分は、伝送ライン300の信号およびグラウンド電極300Aおよび300Bの下に配置されている。したがって、伝送ライン300内を伝播する電気信号は、その電界710の大部分を、誘電率1を有する空気中に有する。これにより、電気伝搬速度はさらに上がる。III−V族半導体の
場合と同様に、超過の速度は大きい負荷キャパシタンスを可能にし、低いスイッチング電圧での小さい寸法およびより強力な電界を有する電気光学変調器の設計を容易にする。負荷キャパシタ間の間隔が小さく、導電性の脚350が伝送ラインを支持できれば、異方性エッチング(湿式化学的エッチング等)を使用してバッファを完全に除去し、伝送ラインを完全に空気で取り囲んだ状態にすることができる。
【0059】
図5は、別の実施形態によるグラウンド電極構造体を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。図4の場合と同様に、バッファ層400は、より多くの電界710が低い誘電率を有する空気の領域を進行して電気伝搬速度をさらに増大するように、エッチングして除去されている。図が示すように、バッファ層400の残りの部分は、実質上、電気光学基板100から持ち上げられている信号電極300Aの下の容積内に配置されている。
【0060】
但しこの配置では、グラウンド電極300Bは、伝送ライン300のためのグラウンドであることに加えて、光信号を変調するためにも使用される。グラウンド電極300Bは連続的であり、絶縁バッファ層105の表面もしくは絶縁バッファ層105が省かれていれば基板100の上に直接配置されている。
【0061】
グラウンド電極300Bに接続された負荷電極350Bを有する導電性の脚350は存在しないが、導電性の脚350と信号電極300Aとで形成される分割された中心電極により、マイクロ波電力が伝送ライン300上のみを流れることを保証している。光信号を変調するための電界700は、導電性の脚350とグラウンド電極300Bの間隙に印加される。
【0062】
図6Aは、別の実施形態によるマイクロストリップ伝送ラインを有するマッハツェンダー干渉計の平面図である。低い誘電率のバッファ層400は、電気光学基板100の上に配置されている。基板100は、先の実施形態が示すように、その内部に形成された光導波路200を有する。
【0063】
マイクロストリップ伝送ライン800は、信号電極800Aと、抵抗R3を介して相互に接続されるグラウンド電極800Bとを含む。信号電極800Aは、バッファ層400の頂面上に光信号の伝播とほぼ並行して配置されている。アーム800Cは、信号電極800Aから垂直にバッファ層400の頂面を横断して光導波路200の一部を超えて延びている。信号電極800Aのアーム800Cは、図6Bが示すように、導電性の脚350に接続されている。
【0064】
図6Bは、図6Aに対応するマイクロストリップ伝送ラインを有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。導電性の脚350は、信号電極800Aのアーム800Cから光導波路200の方へバッファ層400を通り基板100の表面まで延びる。導電性の脚350は、低リアクタンスの導電体350Aと負荷電極350Bとを含む。
【0065】
グラウンド電極800Bは、バッファ層400の下で、絶縁バッファ層105の表面上または絶縁バッファ層が省かれていれば基板100上に直接配置されている。グラウンド電極800Bは、導電性の脚350の負荷電極350Bの第1セットに対向する、光導波路200の第1のアームの長手方向に沿って負荷キャパシタを形成する負荷電極800Dに接続されている。
【0066】
さらに、グラウンド電極800Bからは、負荷電極350Bの第2セットと共に第2の負荷キャパシタのセットを形成する「L」字形のアーム800Eが延びている。この第2の負荷キャパシタのセットは、光導波路200の第2のアームに沿って配置されている。
【0067】
先の実施形態と同様に、導電性の脚350は、グラウンド電極800Bからの対向する負荷電極800Dおよび「L」字形のアーム800Eと共に負荷キャパシタンスを生成し、マイクロストリップ伝送ライン800上の電気速度を低減させる。さらにこれらは、光信号を変調するための電界700を供給する。
【0068】
詳細には、このマイクロストリップ伝送ライン構造体は、ニオブ酸リチウム基板100の上面上のグラウンド電極800Bと、グラウンド電極800Bの上面に厚さ80ミクロンで配置されたポリイミド・バッファ層400とによって形成できる。信号電極800Aは、ポリイミド・バッファ層400の上面上の幅約150ミクロンのストリップであってもよい。これにより、57オームのインピーダンス、c/1.5の速度および32GHzで僅か0.8dB/cmの損失(導体損失および誘電損失の両方を含む)を有する無負荷のマイクロストリップ伝送ライン800が得られる。
【0069】
光導波路200内の光の速度はc/2.15であることから、0.092pF/mmの負荷キャパシタンスを追加して、速度を整合させる。負荷キャパシタンスを0.4mm毎に配置すれば、間隔は32GHzで波長の2分の1を大幅に下回り、分散はほとんどなくなる。また、導電性の脚350の金の接続部の直列抵抗を通り流れる充電電流に起因する損失もほとんどなくなる。負荷キャパシタンスはインピーダンスを40オームにまで下げるが、これは50オームに十分に近く、50オーム電源からの供給における不整合問題はほとんどなくなる。
【0070】
マイクロストリップ構造体が、図8が示すように、各々約20ミクロンの幅を有する負荷電極350Bに隣接して約10ミクロンの突出幅を有する突出部分100Aによって形成された突出導波路構造体を含む。光導波路200の両アームの周りの電極350Bが並列に駆動されるとき、VL積は1550ナノメートル(nm)において0.38pF/mmの負荷キャパシタンスで40V−mmである。代わりに、2つの電極セットが直列で駆動されると、VL積は0.105pF/mmの負荷キャパシタンスで80V−mmになる。突出した基板を有するこの実施形態では、変調器の長さの88%に沿って変調電極を配置すれば0.092pF/mmの負荷キャパシタンスを得ることができるため、光導波路200の両アームの周りの電極350Bを直列で(図8には示さず)駆動することがより効果的である。さらに、変調器10が50mmの長さであれば、スイッチング電圧は32GHzで僅か2.7Vであり、DCから32GHzまで応答の低下は僅か2dBである。これは、先行技術を使用するいかなる従来構成よりも優れた大幅な実用的改良を表している。本明細書における数字は2−D静電界ソルバ(商標名はELECTRO−2D)を使用して求め、電界を導波路、経験的損失およびインピーダンスの公式で数値的にモデル化した。
【0071】
図7Aは、別の実施形態による電気光学位相変調器の平面図である。導波路パラメータが僅かに変更されているこの構造体もまた、カットオフ変調器を形成することが可能である。この構造体は、図6Aに類似するものであるが、主たる相違は基板100内に形成された光導波路200のパターンと、これに対応する電極構造体の変更にある。この構造体は光信号を変調し、受信システムで波動検出器により検出される位相シフトを有する変調された光信号を発生させる。
【0072】
この実施形態によれば、光導波路200はほぼ直線で、電気光学基板100と同一平面で形成されている。導波路200はマッハツェンダー干渉計の場合のように複数のアームに分岐しないため、図7Bが示すように、信号電極800Aのアーム800Cからは導電性の脚の1セットしか延びていない。
【0073】
図7Bは、図7Aに対応する電気光学位相変調器の断面図である。導電性の脚350は、信号電極800Aのアーム800Cから導波路200の方向にバッファ層400を通して基板100の表面まで延びている。導電性の脚350の負荷電極350Bはグラウンド電極800Bと対向し、先の実施形態の場合と同様に作用する負荷キャパシタを形成している。グラウンド電極800Bに接続された負荷電極は存在しないが、導電性の脚350と信号電極800Aとで形成される分割された中心電極は、マイクロ波電力がマイクロストリップ伝送ライン800上のみを流れることを保証している。光信号を変調するための電界700は、導電性の脚350とグラウンド電極800Bの間隙に印加される。
【0074】
図8、9および10は、本発明の原理に従って使用できる代わりの基板構造体を示している。
【0075】
図8は、別の実施形態による、突出した電気光学基板を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。この基板構造体は、所定の電圧で導波路200に交差する電界700を増大させる。電気光学基板100の表面を変更して、平面でないようにしている。突出部分100Aは基板100の一部によって形成され、基板100の基面から突出した光導波路200を含む。導電性の脚350の負荷電極350Bは、電極350Bの一部が電気光学基板100の突出部分100Aの垂直成分に沿って延びるように改変されている。絶縁バッファ層105は、負荷電極350Bを電気光学基板100の突出部分100Aから分離することができる。この代わりの基板構造体上に配置されている電極およびバッファ層構造体は、先の実施形態において説明しかつ示したものと類似にできる。
【0076】
図9は、別の実施形態による、薄い電気光学基板層を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。図9は図3と同様であるが、電気光学基板100は、電気周波数でより低い誘電率を有する異なる基板材料110上に配置された薄層である点が異なる。この代わりの基板構造体上に配置される電極およびバッファ層構造体は、先の実施形態において説明しかつ示したものと類似にできる。
【0077】
図10は、別の実施形態による、導波路配列を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。図10は図3と同様であるが、光導波路200は、光信号が変調のための電界700の水平成分ではなく垂直成分によって変調されるように配置される点が異なる。この実施形態によれば、導波路200は負荷電極350Bの真下に配置されている。電界700の垂直成分は、一般的には電気光学基板100がzカットのニオブ酸リチウムであるときに使用される。この代わりの導波路配列上に配置される電極およびバッファ層構造体は、先の実施形態において説明しかつ示したものと類似にできる。
【0078】
以上、本発明を特にその好ましい実施形態により説明しかつ示してきたが、当業者には、添付の請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく本発明の形態および細部にさまざまな変更を行い得ることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
一実施形態による、高速電気光学変調器であるマッハツェンダー干渉計の2アーム領域の三次元断面図である。
【図2】
一実施形態による、マッハツェンダー干渉計の平面図である。
【図3】
一実施形態による、マッハツェンダー干渉計の2アーム領域の断面図である。
【図4】
別の実施形態による、エッチングされたバッファ層を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図5】
別の実施形態による、グラウンド電極構造体を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図6A】
別の実施形態による、マイクロストリップ伝送ラインを有するマッハツェンダー干渉計の平面図である。
【図6B】
マイクロストリップ伝送ラインを有し、かつ図6Aに対応するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図7A】
別の実施形態による電気光学位相変調器の平面図である。
【図7B】
図7Aに対応する電気光学位相変調器の断面図である。
【図8】
別の実施形態による、突出した電気光学基板を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図9】
別の実施形態による、薄い電気光学基板層を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図10】
別の実施形態による、導波路配置を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【符号の説明】10…電気光学変調器、100…電気光学基板、200…光導波路、…300伝送ライン、350…導電性の脚。
【発明の背景】
電気光学変調器は、光ファイバ通信システム、特に商用の長距離高速デジタル通信システムにおいて使用されている。電気光学変調器は、電気信号を変調された光信号に変換する。電気信号は、光ファイバ通信システム上で伝送するためのデータまたは音声を表わしている。変調された光信号は、光学波形によるデータ/音声伝送である。
【0002】
光信号を変調する技術には、振幅変調および位相変調が含まれる。振幅変調によって、変調された光信号が生成されるか、または変調器から放射されるオン・オフ切換えされた光が生成される。マッハツェンダー干渉計は、振幅変調を実行する変調器の一例である。位相変調により、光信号の位相が所定量だけシフトされる。位相変調された信号は、位相の変化を検出する特殊な検波器を必要とするのに対して、振幅変調された信号は、受信された信号の電力を光子として検出する光子検出器によって検出することが可能である。
【0003】
電気光学変調器の典型的な構造は、ニオブ酸リチウムまたはIII−V族半導体のような電気光学基板と、基板内に形成された光導波路パターンと、変換される電気信号を伝搬する、基板上に配置された電極構造体とを含む。
【0004】
電気信号が電極構造体を介して伝播するにつれて、相互作用距離として知られる導波路の長さ全体にわたって電界が発生する。導波路に交差する電界が相互作用距離の全長に印加されると、電気光学基板の屈折率に影響を与え、導波路を伝播する光信号(即ち、光)が変調される。
【0005】
基板上に配置された電極構造体は、強力な電気光学相互作用をもたらす。相互作用の大きさは「VL積」により表わされ、これは、電気信号のスイッチング電圧(VII)と相互作用距離(L)との積(即ち、V×L)である。スイッチング電圧VIIは変調器の電気入力において必要な電圧振幅であり、この電圧により、変調器から放射される光を「オン」から「オフ」に切り換えるか、またはその位相を所定量だけシフトさせる。この相互作用力は一般に定数であり、ニオブ酸リチウムの場合、典型的には1550ナノメートル(nm)において1ミリメートル当たり55ボルト(V−mm)である。
【0006】
電気光学変調器の現在の制約要因は、毎秒10ギガビット(Gbit/s)以上のデータ転送速度での送信に適する高い駆動電圧要件である。VL積によれば、必要なスイッチング電圧を低減するには、変調器の相互作用距離を増加することにより、最大長全体にわたって光信号に電界が印加されるようにすれば、可能である。しかし、長い変調器では、電気信号の速度と光信号の速度とを整合させて、相互作用距離の全長にわたり電界を光信号に印加する必要がある。整合されなければ、相互作用距離の全長にわたって電界が光信号に印加されず、変調品質が低下する。
【0007】
今日では、必要な速度整合を達成するさまざまな電極構成が存在している。これらは全て、速度、電気/光オーバーラップ(変調効率の尺度)、インピーダンス、マイクロ波損失および製造可能性の間で幾分かの妥協を行っている。変調器基板材料(主としてニオブ酸リチウムおよびIII−V族半導体)を組合せても、最新の変調器性能は、かろうじて10Gbit/sシステムに適合する程度であり、40Gbit/s等の高速には不十分である。
【0008】
速度整合のための従来の電極構成としては、伝送ラインの容量性負荷がある。この構成の効果は、電気信号の速度を無負荷の伝送ライン上でのその速度よりも遅くすることと、無負荷ラインよりもインピーダンスを下げることにある。これは、例えばIII−V族半導体の電気光学基板をベースとする変調器構造のような、無負荷ライン上の電気速度(electrical velocity)が導波路における光の速度に比べて速い変調器構造において有利である。
【0009】
しかし、ニオブ酸リチウムの電気光学基板をベースとする変調器構造のように電気信号の速度が既に光速度(optical velocity)よりも遅い変調器の場合には、この電極構造の減速効果も、このタイプの電極を無意味にする。
【0010】
【発明の概要】
一実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体とを備える。導電性の脚は伝送ラインを基板から延長し、電気信号は伝送ラインに沿って電気速度で伝播する。別の実施形態によれば、電気光学変調器は、基板と伝送ラインとの間に配置された誘電体層を含むことが可能である。この誘電体層は、誘電体層がポリイミドで製作されている実施形態の場合には、基板よりも低い誘電率を有する。
【0011】
一実施形態によれば、導電性の脚は伝送ラインを基板表面から一定の距離まで延長し、これにより伝送ライン内を伝播する電気信号に付随する基板内の電界の大きさを実質的に低減し、伝送ライン上を伝播する電気信号の電気速度を最大にする。伝送ライン内を伝播する電気信号に付随する電界は、基板の誘電率よりも低い誘電率を有する領域内を実質的に移動する。低い誘電率を有する領域は、空気または誘電体層であってもよい。
【0012】
導電性の脚は、電気速度を低減して導波路内を伝播する光信号の光速度に電気速度を整合させるキャパシタンスを提供する。一実施形態によれば、電気光学変調器は導電性の脚の第1セットを備え、この導電性の脚の第1セットは光導波路の長手方向に沿って導電性の脚の第2セットに対向し、導波路を交差し光信号を変調する電界を発生させる。導電性の脚は、相互に間隔を空けることができる。
【0013】
一実施形態によれば、導電性の脚は低リアクタンスの導電体と負荷電極とを備える。対向する導電性の脚の対向する負荷電極は光導波路の長手方向に沿って配置され、導波路を交差し光信号を変調する電界を発生させる。対向する導電性の脚の対向する負荷電極は、伝送ライン上の電気速度を低減して光信号の光速度に電気速度を整合させるキャパシタンスを発生する。
【0014】
一実施形態によれば、光導波路を導電性の脚の対向する負荷電極の間に配置することにより、光信号が電界の水平成分によって変調されるようにしている。別の実施形態によれば、光導波路を負荷電極に近接して配置することにより、光信号が電界の垂直成分によって変調されるようにしている。
【0015】
電気光学基板は、幾つかの異なる実施形態によって変更することが可能である。電気光学基板は、電気周波数においてより低い誘電率を有する第2の基板上に配置された薄い層であってもよい。基板は、光導波路が突出している非平面であってもよい。基板はまた、ニオブ酸リチウムのような強誘電体材料またはIII−V族半導体材料であってもよい。
【0016】
別の実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体とを備える。伝送ラインは、信号電極と少なくとも1つのグラウンド電極とを有する。導電性の脚は伝送ラインを基板から延長することが可能であり、伝送ラインに沿って電気速度で伝播する電気信号は光速度に実質的に整合される。さらに、誘電体層は、基板よりも低い誘電率を有する信号電極およびグラウンド電極に隣接して配置される。
【0017】
別の実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体とを備える。伝送ラインは、信号電極と、信号電極を基板から延長する導電性の脚を有する少なくとも1つのグラウンド電極とを備える。グラウンド電極は、基板表面上に直接配置することができる。伝送ラインに沿って伝播する電気信号の電気速度は、光速度に実質的に整合される。さらに、誘電体層はグラウンド電極に隣接して配置され、この誘電体層は基板よりも低い誘電率を有する。
【0018】
さらに他の実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、マイクロストリップ伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体とを備える。マイクロストリップ伝送ラインは、信号電極とグラウンド電極とを有し、信号電極はそこからほぼ垂直に延びるアームを有する。導電性の脚は、信号電極のアームから導波路へ向けて基板表面まで延び、グラウンド電極は基板表面上へ直接配置できる。伝送ラインに沿って伝播する電気信号の電気速度は、光速度に実質的に整合される。さらに別の実施形態は、信号電極とグラウンド電極との間に配置された誘電体層を備え、導電性の脚は、信号電極のアームから導波路の方へ誘電体層を介して基板の表面まで延びている。この誘電体層は、基板よりも低い誘電率を有する。
【0019】
さらに他の実施形態によれば、電気光学変調器は、さらに、電気光学基板上に直接配置された絶縁バッファ層を備える。本発明の実施形態は、マッハツェンダー干渉計、位相変調器またはカットオフ変調器のような各種の変調器に適用することができる。
【0020】
さらに別の実施形態によれば、電気光学変調器は、電気光学基板と、光信号を光速度でサポートするための基板内における少なくとも1つの光導波路と、伝送ラインから延びる、光速度に実質的に整合する電気速度で伝送ラインに沿って伝播する電気信号をサポートできる導電性の脚とを備える。
【0021】
本発明の前述および他の目的、特徴および利点は、添付の図面による本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明白となるであろう。図では、同一参照符号は、異なる図面においても同一部分を指している。図面は必ずしも縮尺通りではなく、発明の原理を説明するのに重点が置かれている。
【0022】
【好ましい実施形態の詳細な説明】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0023】
一般に、電気光学基板は、電気周波数と光周波数とで異なる誘電率を有する。特定の周波数においては、誘電率が高いほど、その周波数での信号の伝搬速度は遅い。典型的な電気光学変調器では、光導波路は、ニオブ酸リチウムまたはIII−V族半導体のような電気光学基板内に完全に埋め込まれている。導波路内を
伝播する光信号の速度(v)は、真空中の光速(c)を、ある光周波数における基板の誘電率(k)の平方根で除して計算される。
【0024】
【数1】
【0025】
無負荷伝送ライン上の電気信号の速度も同じ式で計算されるが、この場合のcは真空中の電気信号の速度である。但し、伝送ラインを介して伝播する電気信号は、その電界の一部を電気光学基板内に有し、かつ一部を伝送ラインを取り囲む他の層内(即ち、空気中)に有するため、電気速度はそれぞれの誘電率の組合せに依存する。
【0026】
ニオブ酸リチウムは、強誘電体材料である。ニオブ酸リチウム基板に関しては、電気マイクロ波周波数におけるその誘電率は35であり、光周波数におけるものより遙かに大きい。したがって、光導波路内を進む光は、伝送ライン上を進む電気信号よりも速い。典型的には、ニオブ酸リチウムにおける光信号の速度は真空内の光速のおよそ2分の1であり、電気信号の速度は光速のおよそ4分の1である(即ち、光速度は電気速度の2倍である)。
【0027】
ニオブ酸リチウム基板に速度整合させる先行技術による手法は、伝送ラインを変調器に沿って連続した状態に維持しているが、その断面を厚く設計して、より多くの電界が誘電率1を有する空気のような低誘電率を有する領域内を進行するようにしている。このように、高誘電体基板を介して進む電界が少なくなるため、伝送ライン上の電気速度は増大する。これにより必要な速度整合が達成され、変調器は長い長さ(例えば典型的には40mm)を保有できるようになる。しかし、この手法もまた光導波路と交差する電界を低減させてVL積が上昇し、長さをより長くできる利点が、相互作用力が低下する欠点によって部分的に相殺される。このような変調器は、32GHzで約6Vのスイッチング電圧を達成すると報告されている。
【0028】
速度整合の従来の方法としては、負荷ライン電極構造体を使用する伝送ラインの容量性負荷がある。伝送ラインの容量性負荷は、一般には、無負荷マイクロ波伝送ライン上の電気信号速度がIII−V族半導体変調器のような導波路内の光速度よりも速い場合の速度整合において効果的である。III−V族半導体基板の場合、容量性負荷なしの電気速度は光速のおよそ2分の1であり、一方、光速度はより遅くて光速の3分の1である。負荷ライン電極構造体の効果は、電気伝送ラインにキャパシタンスを追加して電気伝搬速度を減少させ、光伝搬速度にほぼ一致するようにすることにある。伝送ライン上の電気伝搬速度もまた、インダクタンス(L)とキャパシタンス(C)との積の平方根の逆数によって計算できるため、キャパシタンスを追加すれば電気速度は低減する。
【0029】
【数2】
【0030】
式(2)では、Cは合計キャパシタンス、C=Cu+Cloadである。但し、Cuは無負荷伝送ラインのキャパシタンスであり、Cloadは負荷電極のキャパシタンスである。伝送ラインのインピーダンスZは、次式で与えられる。
【0031】
【数3】
【0032】
インピーダンスは、多くの用途では、伝送ラインインピーダンスが所定の駆動増幅器インピーダンスに整合するという必要条件によって制約されている。インピーダンス整合要件によって制約されない場合でも、Zが余り小さい値でないことが望ましが、これは、所定の駆動電力にとってより高インピーダンスは高い電圧を意味し、電気光学変調器はこの電圧に応答するからである。言い換えると、インピーダンスZは自由なパラメータではなく、変調器設計の問題に対する入力条件として適正な値に取られる。したがって、負荷ラインのマイクロ波速度が光速度に整合する場合には、伝送ラインの式(1)〜(3)を次式のように組み合わせることができる。
【0033】
【数4】
【0034】
式(4)では、n0は光速度の計算に使用される光屈折率である(即ち、光速度は真空中の光速(c)をn0で除したものにほぼ等しい)。同様に、無負荷伝送ラインのマイクロ波屈折率(nu)は誘電率kの平方根にほぼ等しく、無負荷ライン上のマイクロ波速度の計算に使用される(即ち、電気速度は真空中の電気信号の速度(c)をnuで除したものにほぼ等しい)。
【0035】
小さい電極間隙、電極によって覆われる高い割合の有効な相互作用長さ、およびその電界が高誘電率の材料内に集中するような電極配置などのような変調器の効率を向上させる要因は全て、電極のキャパシタンスを増大させる。したがって、優れた変調器構成は高いCloadを必要とする。式(4)から、nuが小さいほど、Cloadを大きくできることは明らかである。
【0036】
負荷ライン変調器に対する先行技術による手法は、おそらくは薄い絶縁バッファ層で、電気光学基板上に単に無負荷のラインを配置しただけであったため、無負荷ライン速度は伝送ライン基板としての電気光学基板によって実質的に決定されていた。ニオブ酸リチウムのような基板の場合、nuがn0よりも大きいと予想されるため、先行技術を使用する容量性負荷(例えば負荷されたライン)は全く不可能であると思われる。本発明の実施形態は、nuをn0よりも実質的に小さいものにして負荷ラインを可能にする。本発明の実施形態はまた、広範な材料に適用可能である。先行技術を用いてはnuがn0よりも小さいIII−V族半導体のような基板に対して、本発明の実施形態はnuをさらに低減する方法と、低電圧の変調器を生み出す大きい負荷キャパシタンスを負荷する方法とを提供する。
【0037】
本明細書に記載する本発明の実施形態は、無負荷ライン屈折率nuの低減を容易にし、それにより無負荷ライン上の速度を増大させる。
【0038】
図1は、一実施形態による高速電気光学変調器であるマッハツェンダー干渉計の三次元断面図である。マッハツェンダー干渉計は、アナログおよびデジタル伝送に使用される。例示を目的としてマッハツェンダー干渉計が使用されているが、本発明の原理に従って他の変調器に変更することも可能である。
【0039】
概要的には、本発明は、電気光学基板100を有する電気光学変調器10と、基板100内に形成された光導波路200と、導電性の脚350によって基板100から持ち上げられたマイクロ波伝送ライン300を含む電極構造体と、基板100と伝送ライン300との間に配置されたバッファ層400とを有する。ここでは便宜的に「持ち上げられた」という用語が使用されているが、伝送ライン300はまた、基板から下へ等距離だけ押し下げまたは低下させることもできることは明白である。導電性の脚350は、伝送ライン300からバッファ層400を通って光導波路200の方へと基板100の表面まで延びている。
【0040】
実施形態によっては、導電性の脚350が伝送ライン300を支持することが可能であって、支持するバッファ層400の存在を必要としないものがある。伝送ラインは、ポリイミドのような低誘電率材料の厚い層で支持することが最も容易であるが、場合によっては、伝送ラインと電気光学基板との間の誘電材料が空気であるように、導電性の脚自体で支持することも可能である。
【0041】
マイクロ波伝送ライン300は、電気伝搬速度が最大となるように基板100から一定の距離まで持ち上げられている。これは、無負荷の伝送ラインを伝送ラインの寸法に比べて大きい距離で電気光学材料から分離することによって達成され、その結果、無負荷ラインの速度はそれを取り囲む低誘電率材料によって決定される。特に、導電性の脚350は十分長くして、伝送ライン300を基板100から離して持ち上げることにより、伝送ライン300内を伝播する電気信号によって発生する強い電界部分(以後、「伝搬の電界710」と称する)が電気速度を低下させるニオブ酸リチウム基板100に到達しないようにする必要がある。伝搬の電界710(図3に示されている)は伝送ライン300の電極間の間隙の間に発生するが、光信号の変調は行わない。高い電気速度は次に、伝送ライン300上で電気速度を低減させる導電性の脚350によって導入される負荷キャパシタンスで相殺され、光速度に整合される。
【0042】
対向する導電性の脚の対は、光信号を変調するための強力な電界(以後、「変調のための電界700」と称する)を供給する。
【0043】
バッファ層400が存在する場合、これは低い誘電率を有する材料で製作される。ここでの「低い」は、ニオブ酸リチウムのような基板100の電気光学材料の誘電率よりも低い定数として定義される。バッファ層400の厚さは、約10ミクロンまたはそれ以上である導電性の脚350の高さとほぼ同一である。伝搬の電界710の一部は電気光学基板100内でなく低誘電体のバッファ層400内を進行しているため、伝送の電気速度は増大する。
【0044】
詳細には、図2は一実施形態によるマッハツェンダー干渉計の平面図である。マッハツェンダー干渉計10は、基板100の表面と同一平面に形成された光導波路200を有する電気光学基板100を含む。光導波路200は、200Bで2つの別々の導波路またはアームに分岐し、200Cで再び結合される。光信号は、200Aで入力光ファイバ500から光導波路200へ入る。光信号のソースは、レーザまたは当業者には公知の他の適切な光源であってもよい。光導波路200に沿って一定の光速度で伝播する光信号は、200Bで導波路の2つのアームに分かれる。両アーム内の光信号は、200Cで再度結合される。変調された光信号は、200Dで変調器を出て出力光ファイバ510に入る。
【0045】
負荷ライン電極構造体はまた、電気速度を低減して光速度に整合させるための負荷キャパシタンスに加えて、光信号を変調するための電界(以後、「変調のための電界700」と称する)を供給する。負荷ライン電極構造体は2つの部分、すなわち無負荷のマイクロ波伝送ライン300および導電性の脚350を有する。
【0046】
無負荷のマイクロ波伝送ライン300は、電気信号が対象とする全周波数(例えばDCから32GHzまで)で同ラインに沿って伝播可能であるという意味において連続である。一実施形態によれば、無負荷のマイクロ波伝送ライン300は、1つの信号電極300Aと2つのグラウンド電極300Bとを含む。信号電極300Aおよびグラウンド電極300Bは同一平面上で、基板100の上方のバッファ層400上に配置されている。信号電極300Aおよびグラウンド電極300Bは、また、光導波路200の一部分の上の光信号の伝播にほぼ並行している。無負荷の伝送ライン300は物理的に大きく、特に高い電気周波数において信号損失が最小化される。伝搬の電界710は、信号電極300Aとグラウンド電極300Bとの間の間隙の間に発生するが、変調は行わない。
【0047】
信号電極300Aとグラウンド電極300Bとの間には、抵抗R1およびR2が取り付けられている。これらの抵抗は、エネルギー反射に起因する電気信号の崩れを防止するための終端インピーダンスを提供する。
【0048】
導電性の脚350は、低リアクタンスの導電体350A(図2には示さず)と、負荷性または変調性の電極350Bとを含む。負荷キャパシタは対向する両負荷電極350Bによって形成され、負荷電極350Bは、一方の電極が信号電極300Aに接続されかつ他方の電極が導電体350Aを介してグラウンド電極300Bに接続されている。対向する両負荷電極350Bは、光導波路200のアームの全長の任意部分に沿って周期的に、または非周期的パターンで配置することが可能である。これらの離散的な負荷キャパシタは相互に絶縁され、電気信号がその1つから他へと無負荷の伝送ライン300以外の経路によって低損失で伝播できないようにしている。容量性負荷が追加されると、伝送ライン300の持ち上げに起因して増大した電気速度は減速されることになり、光信号と電気信号の速度が整合される。
【0049】
変調は、負荷電極350Bによって達成される。変調のための電界700は、負荷キャパシタの対向する両負荷電極350B間の間隙に発生し、光導波路200に交差して印加される。両負荷キャパシタ間の間隔が電気信号の波長に比べて小さい限り、変調のための電界700は光導波路200に交差して均一かつ連続的に印加される。対向する両負荷電極350B間に小さな間隙を形成することにより、所定の電圧に対する変調のための電界700を極めて大きくすることが可能であり、これにより、高電圧の必要条件が低減される。
【0050】
信号発生器は、電気データ入力600に入り、一定の電気速度で信号電極300Aを介して伝播する電気信号を発生させる。電気信号が伝送ライン300を通って伝播するにつれて、電荷は導電性の脚350の負荷電極350Bをオンおよびオフして移動され、時間変化する変調のための電界700が光導波路200のアームの間に印加される。
【0051】
一般に、変調のための電界700の印加は、電気光学基板100の屈折率を変化させ、光導波路200内の光信号の位相を僅かにシフトさせる。例えば、マッハツェンダー干渉計10が振幅変調を実行する場合、光信号または光を光導波路200の各アーム間で分割して、各アームが原信号のパワーの半分を有し、光信号が同位相になるようにする。データ入力600で入力された電気信号の所定の電圧VIIは、変調のための電界700を発生させる。変調のための電界700が相互作用距離の全長で光導波路200に交差して印加されると、光導波路200の両アーム内を伝播する2つの光信号は、180度の位相シフトで位相がずれる。したがって、変調された光信号は、200Cで再び結合されると互いに効果的に相殺されてゼロになり、最終的に変調器10からは光が出力されなくなる。逆に、光導波路200を交差する電界が全く印加されない場合(例えば、グラウンドに対する電気信号の電圧がゼロボルトのとき)は、光信号の変調は発生しない。したがって、信号は200Cにおいて同位相で再度結合され、光信号(即ち光)は変調器10を出る。
【0052】
図3は、一実施形態によるマッハツェンダー干渉計の断面図である。導電性の脚350は、負荷電極350Bを伝送ライン300に接続する金属ストライプのような低リアクタンスの導電体350Aを含む。一実施形態では、導電性の脚350の導電体350Aは、マイクロ波伝送ライン300の信号電極300Aおよびグラウンド電極300Bからバッファ層400の孔を通って延びる。これらの孔は、フォトリソグラフィおよびエッチング・プロセスにより製作される。導電性の脚350は、金のような低リアクタンス金属で製作できる。導電体350Aに接続された導電性の脚350の負荷電極350Bは、バッファ層400と電気光学基板100または絶縁バッファ層105の何れかとの間に配置されている。対向する両負荷電極350Bは、光導波路200の両アームの両側に整列されている。
【0053】
この実施形態によれば、光導波路200は、基板100内の導電性の脚350の負荷電極350B間に整列されている。xカットのニオブ酸リチウムの場合は、この整列により変調のための電界700の水平成分の利用が容易になる。
【0054】
電気光学基板100は、負荷電極350Bを光導波路200から分離する薄い絶縁バッファ層105で覆われている。絶縁バッファ層105は、二酸化ケイ素(SiO2)または光導波路内の光が負荷されたライン電極構造体によって吸収されるのを防止する特性を有する特定の別の適正な材料の層であってもよい。別の実施形態では、絶縁バッファ層105を省略することができる。
【0055】
バッファ層400は、基板100の表面の大部分の領域を覆って配置されたものとして示されている。バッファ層400は、低い誘電率を有する材料で製作される。但し、「低い」はニオブ酸リチウムのような基板100の電気光学材料の誘電率よりも低いものとして定義される。バッファ層400に適する材料はポリイミドであり、その誘電率3は、ニオブ酸リチウム上でのこの構成の実現を可能にするのに十分な低い値である。図示されている実施形態によれば、マイクロ波伝送ライン300の信号電極300Aおよびグラウンド電極300Bは全てバッファ層400の表面に配置されている。バッファ層400の厚さを十分に厚くして、伝送ライン300内を伝播する電気信号によって発生する電界710が、電気速度を低下させるニオブ酸リチウム基板に到達しないようにする必要がある。一実施形態では、バッファ層400は厚さ10ミクロン以上の層に製作され、基板がニオブ酸リチウムである場合には、好ましくは、厚さ40〜80ミクロンである。
【0056】
さらにこの負荷ライン電極構造体は、III−V族半導体基板を有する変調器の場合にも効果的である。先に論じた通り、III−V族半導体基板を有する変調器の場合は既に、電気速度が光速度よりも速い。伝送ライン300をIII−V族半導体基板から離して持ち上げることにより、既に光速度よりも速い電気速度はさらに増大する。但し、この超過速度分は負荷キャパシタンスの追加を可能にし、より小型の寸法の変調器の実現を容易にする。例えば、導電性の脚350の対向する負荷電極350B間の間隙を小さくすることにより、大きいキャパシタンスを得ることができる。負荷電極350B間の小さい間隙は、低いスイッチング電圧でのより高い電界700に相当する。したがって、III−V族半導体等の基板を有する電気光学変調器であっても、この改良された構成から利益を受けることができる。
【0057】
図4は、別の実施形態によるエッチングされたバッファ層を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。空気はポリイミドのバッファ層400よりも低い誘電率を有することから、伝送ライン300を支持する必要のないバッファ層400の部分を除去すれば、伝送ライン300の電気速度はさらに増大する。図4が示すように、バッファ層400の一部は、信号およびグラウンドの各電極300Aおよび300Bそれぞれと導電性の脚350との間に実質的に形成される容積から除去されている。自己整列式マスクとして伝送ライン電極と共に反応性イオン・エッチングのような異方性エッチング方法が使用されて、これを達成することができる。
【0058】
バッファ層400の残りの部分は、伝送ライン300の信号およびグラウンド電極300Aおよび300Bの下に配置されている。したがって、伝送ライン300内を伝播する電気信号は、その電界710の大部分を、誘電率1を有する空気中に有する。これにより、電気伝搬速度はさらに上がる。III−V族半導体の
場合と同様に、超過の速度は大きい負荷キャパシタンスを可能にし、低いスイッチング電圧での小さい寸法およびより強力な電界を有する電気光学変調器の設計を容易にする。負荷キャパシタ間の間隔が小さく、導電性の脚350が伝送ラインを支持できれば、異方性エッチング(湿式化学的エッチング等)を使用してバッファを完全に除去し、伝送ラインを完全に空気で取り囲んだ状態にすることができる。
【0059】
図5は、別の実施形態によるグラウンド電極構造体を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。図4の場合と同様に、バッファ層400は、より多くの電界710が低い誘電率を有する空気の領域を進行して電気伝搬速度をさらに増大するように、エッチングして除去されている。図が示すように、バッファ層400の残りの部分は、実質上、電気光学基板100から持ち上げられている信号電極300Aの下の容積内に配置されている。
【0060】
但しこの配置では、グラウンド電極300Bは、伝送ライン300のためのグラウンドであることに加えて、光信号を変調するためにも使用される。グラウンド電極300Bは連続的であり、絶縁バッファ層105の表面もしくは絶縁バッファ層105が省かれていれば基板100の上に直接配置されている。
【0061】
グラウンド電極300Bに接続された負荷電極350Bを有する導電性の脚350は存在しないが、導電性の脚350と信号電極300Aとで形成される分割された中心電極により、マイクロ波電力が伝送ライン300上のみを流れることを保証している。光信号を変調するための電界700は、導電性の脚350とグラウンド電極300Bの間隙に印加される。
【0062】
図6Aは、別の実施形態によるマイクロストリップ伝送ラインを有するマッハツェンダー干渉計の平面図である。低い誘電率のバッファ層400は、電気光学基板100の上に配置されている。基板100は、先の実施形態が示すように、その内部に形成された光導波路200を有する。
【0063】
マイクロストリップ伝送ライン800は、信号電極800Aと、抵抗R3を介して相互に接続されるグラウンド電極800Bとを含む。信号電極800Aは、バッファ層400の頂面上に光信号の伝播とほぼ並行して配置されている。アーム800Cは、信号電極800Aから垂直にバッファ層400の頂面を横断して光導波路200の一部を超えて延びている。信号電極800Aのアーム800Cは、図6Bが示すように、導電性の脚350に接続されている。
【0064】
図6Bは、図6Aに対応するマイクロストリップ伝送ラインを有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。導電性の脚350は、信号電極800Aのアーム800Cから光導波路200の方へバッファ層400を通り基板100の表面まで延びる。導電性の脚350は、低リアクタンスの導電体350Aと負荷電極350Bとを含む。
【0065】
グラウンド電極800Bは、バッファ層400の下で、絶縁バッファ層105の表面上または絶縁バッファ層が省かれていれば基板100上に直接配置されている。グラウンド電極800Bは、導電性の脚350の負荷電極350Bの第1セットに対向する、光導波路200の第1のアームの長手方向に沿って負荷キャパシタを形成する負荷電極800Dに接続されている。
【0066】
さらに、グラウンド電極800Bからは、負荷電極350Bの第2セットと共に第2の負荷キャパシタのセットを形成する「L」字形のアーム800Eが延びている。この第2の負荷キャパシタのセットは、光導波路200の第2のアームに沿って配置されている。
【0067】
先の実施形態と同様に、導電性の脚350は、グラウンド電極800Bからの対向する負荷電極800Dおよび「L」字形のアーム800Eと共に負荷キャパシタンスを生成し、マイクロストリップ伝送ライン800上の電気速度を低減させる。さらにこれらは、光信号を変調するための電界700を供給する。
【0068】
詳細には、このマイクロストリップ伝送ライン構造体は、ニオブ酸リチウム基板100の上面上のグラウンド電極800Bと、グラウンド電極800Bの上面に厚さ80ミクロンで配置されたポリイミド・バッファ層400とによって形成できる。信号電極800Aは、ポリイミド・バッファ層400の上面上の幅約150ミクロンのストリップであってもよい。これにより、57オームのインピーダンス、c/1.5の速度および32GHzで僅か0.8dB/cmの損失(導体損失および誘電損失の両方を含む)を有する無負荷のマイクロストリップ伝送ライン800が得られる。
【0069】
光導波路200内の光の速度はc/2.15であることから、0.092pF/mmの負荷キャパシタンスを追加して、速度を整合させる。負荷キャパシタンスを0.4mm毎に配置すれば、間隔は32GHzで波長の2分の1を大幅に下回り、分散はほとんどなくなる。また、導電性の脚350の金の接続部の直列抵抗を通り流れる充電電流に起因する損失もほとんどなくなる。負荷キャパシタンスはインピーダンスを40オームにまで下げるが、これは50オームに十分に近く、50オーム電源からの供給における不整合問題はほとんどなくなる。
【0070】
マイクロストリップ構造体が、図8が示すように、各々約20ミクロンの幅を有する負荷電極350Bに隣接して約10ミクロンの突出幅を有する突出部分100Aによって形成された突出導波路構造体を含む。光導波路200の両アームの周りの電極350Bが並列に駆動されるとき、VL積は1550ナノメートル(nm)において0.38pF/mmの負荷キャパシタンスで40V−mmである。代わりに、2つの電極セットが直列で駆動されると、VL積は0.105pF/mmの負荷キャパシタンスで80V−mmになる。突出した基板を有するこの実施形態では、変調器の長さの88%に沿って変調電極を配置すれば0.092pF/mmの負荷キャパシタンスを得ることができるため、光導波路200の両アームの周りの電極350Bを直列で(図8には示さず)駆動することがより効果的である。さらに、変調器10が50mmの長さであれば、スイッチング電圧は32GHzで僅か2.7Vであり、DCから32GHzまで応答の低下は僅か2dBである。これは、先行技術を使用するいかなる従来構成よりも優れた大幅な実用的改良を表している。本明細書における数字は2−D静電界ソルバ(商標名はELECTRO−2D)を使用して求め、電界を導波路、経験的損失およびインピーダンスの公式で数値的にモデル化した。
【0071】
図7Aは、別の実施形態による電気光学位相変調器の平面図である。導波路パラメータが僅かに変更されているこの構造体もまた、カットオフ変調器を形成することが可能である。この構造体は、図6Aに類似するものであるが、主たる相違は基板100内に形成された光導波路200のパターンと、これに対応する電極構造体の変更にある。この構造体は光信号を変調し、受信システムで波動検出器により検出される位相シフトを有する変調された光信号を発生させる。
【0072】
この実施形態によれば、光導波路200はほぼ直線で、電気光学基板100と同一平面で形成されている。導波路200はマッハツェンダー干渉計の場合のように複数のアームに分岐しないため、図7Bが示すように、信号電極800Aのアーム800Cからは導電性の脚の1セットしか延びていない。
【0073】
図7Bは、図7Aに対応する電気光学位相変調器の断面図である。導電性の脚350は、信号電極800Aのアーム800Cから導波路200の方向にバッファ層400を通して基板100の表面まで延びている。導電性の脚350の負荷電極350Bはグラウンド電極800Bと対向し、先の実施形態の場合と同様に作用する負荷キャパシタを形成している。グラウンド電極800Bに接続された負荷電極は存在しないが、導電性の脚350と信号電極800Aとで形成される分割された中心電極は、マイクロ波電力がマイクロストリップ伝送ライン800上のみを流れることを保証している。光信号を変調するための電界700は、導電性の脚350とグラウンド電極800Bの間隙に印加される。
【0074】
図8、9および10は、本発明の原理に従って使用できる代わりの基板構造体を示している。
【0075】
図8は、別の実施形態による、突出した電気光学基板を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。この基板構造体は、所定の電圧で導波路200に交差する電界700を増大させる。電気光学基板100の表面を変更して、平面でないようにしている。突出部分100Aは基板100の一部によって形成され、基板100の基面から突出した光導波路200を含む。導電性の脚350の負荷電極350Bは、電極350Bの一部が電気光学基板100の突出部分100Aの垂直成分に沿って延びるように改変されている。絶縁バッファ層105は、負荷電極350Bを電気光学基板100の突出部分100Aから分離することができる。この代わりの基板構造体上に配置されている電極およびバッファ層構造体は、先の実施形態において説明しかつ示したものと類似にできる。
【0076】
図9は、別の実施形態による、薄い電気光学基板層を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。図9は図3と同様であるが、電気光学基板100は、電気周波数でより低い誘電率を有する異なる基板材料110上に配置された薄層である点が異なる。この代わりの基板構造体上に配置される電極およびバッファ層構造体は、先の実施形態において説明しかつ示したものと類似にできる。
【0077】
図10は、別の実施形態による、導波路配列を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。図10は図3と同様であるが、光導波路200は、光信号が変調のための電界700の水平成分ではなく垂直成分によって変調されるように配置される点が異なる。この実施形態によれば、導波路200は負荷電極350Bの真下に配置されている。電界700の垂直成分は、一般的には電気光学基板100がzカットのニオブ酸リチウムであるときに使用される。この代わりの導波路配列上に配置される電極およびバッファ層構造体は、先の実施形態において説明しかつ示したものと類似にできる。
【0078】
以上、本発明を特にその好ましい実施形態により説明しかつ示してきたが、当業者には、添付の請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく本発明の形態および細部にさまざまな変更を行い得ることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
一実施形態による、高速電気光学変調器であるマッハツェンダー干渉計の2アーム領域の三次元断面図である。
【図2】
一実施形態による、マッハツェンダー干渉計の平面図である。
【図3】
一実施形態による、マッハツェンダー干渉計の2アーム領域の断面図である。
【図4】
別の実施形態による、エッチングされたバッファ層を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図5】
別の実施形態による、グラウンド電極構造体を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図6A】
別の実施形態による、マイクロストリップ伝送ラインを有するマッハツェンダー干渉計の平面図である。
【図6B】
マイクロストリップ伝送ラインを有し、かつ図6Aに対応するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図7A】
別の実施形態による電気光学位相変調器の平面図である。
【図7B】
図7Aに対応する電気光学位相変調器の断面図である。
【図8】
別の実施形態による、突出した電気光学基板を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図9】
別の実施形態による、薄い電気光学基板層を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【図10】
別の実施形態による、導波路配置を有するマッハツェンダー干渉計の断面図である。
【符号の説明】10…電気光学変調器、100…電気光学基板、200…光導波路、…300伝送ライン、350…導電性の脚。
Claims (28)
- 電気光学基板と、
この基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、
伝送ライン、および前記基板から前記伝送ラインを延長する導電性の脚を有する電極構造体とを備え、
電気信号が前記伝送ラインに沿って電気速度で伝播する、電気光学変調器。 - 請求項1において、さらに、前記基板と前記伝送ラインとの間に配置された誘電体層を備え、この誘電体層が前記基板よりも低い誘電率を有する電気光学変調器。
- 請求項1において、前記導電性の脚が前記伝送ラインを前記基板の表面から一定距離延長し、前記伝送ラインを伝播する電気信号に付随する前記基板内の電界の強さを実質的に低減させて、前記伝送ライン上を伝播する前記電気信号の電気速度を増大する、電気光学変調器。
- 請求項3において、前記伝送ライン内を伝播する電気信号に付随する電界が、前記基板の誘電率よりも低い誘電率を有する領域内を実質的に進行する、電気光学変調器。
- 請求項4において、前記低い誘電率を有する領域が空気である、電気光学変調器。
- 請求項4において、前記低い誘電率を有する領域が誘電体層である、電気光学変調器。
- 請求項1において、前記導電性の脚が電気速度を低減するキャパシタンスを提供して、前記導波路内を伝播する光信号の光速度に電気速度を整合させる、電気光学変調器。
- 請求項1において、導電性の脚の第1セットが前記光導波路の長手方向に沿って導電性の脚の第2セットに対向し、前記導波路に交差する電界を発生させて光信号を変調する、電気光学変調器。
- 請求項8において、前記導電性の脚が相互に間隔を空けている、電気光学変調器。
- 請求項1において、前記導電性の脚が低リアクタンスの導電体と負荷電極とを備えた、電気光学変調器。
- 請求項10おいて、対向する導電性の脚の対向する負荷電極が前記光導波路の長手方向に沿って配置され、これら対向する負荷電極が前記導波路を交差する電界を発生させて光信号を変調する、電気光学変調器。
- 請求項11において、前記対向する導電性の脚の前記対向する負荷電極が、前記伝送ライン上の電気速度を低減して光信号の光速度に電気速度を整合させるキャパシタンスを発生する、電気光学変調器。
- 請求項11において、前記光導波路は前記導電性の脚の対向する負荷電極の間に配置され、前記光信号が電界の水平成分によって変調される、電気光学変調器。
- 請求項11において、前記光導波路が前記負荷電極に隣接して配置され、前記光信号が電界の垂直成分によって変調される、電気光学変調器。
- 請求項1において、前記電気光学基板が、電気周波数においてより低い誘電率を有する第2の基板上に配置された薄層である、電気光学変調器。
- 請求項1において、前記電気光学基板が非平面であり、前記光導波路が突出している、電気光学変調器。
- 電気光学基板と、
この基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、
伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体であって、この導電性の脚は前記基板から前記伝送ラインを延長し、前記伝送ラインは1つの信号電極と少なくとも1つのグラウンド電極とを有する、電極構造体とを備え、
電気信号が前記伝送ラインに沿って電気速度を伝播し、前記電気速度は前記光速度と実質的に整合し、
さらに、
前記信号電極と前記グラウンド電極とに隣接して配置された誘電体層であって、前記基板よりも低い誘電率を有する誘電体層を備えた、電気光学変調器。 - 電気光学基板と、
この基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、
伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体であって、前記伝送ラインは1つの信号電極と少なくとも1つのグラウンド電極とを有し、前記導電性の脚は前記基板から前記信号電極を延長し、前記グラウンド電極は前記基板の表面上に直接配置されている、電極構造体とを備え、
電気信号が前記伝送ラインに沿って電気速度で伝播し、前記電気速度が前記光速度と実質的に整合し、
さらに、
前記信号電極に隣接して配置された誘電体層であって、前記基板よりも低い誘電率を有する誘電体層を備えた、電気光学変調器。 - 電気光学基板と、
この基板内に形成された、光速度で伝播する光信号を有する少なくとも1つの光導波路と、
マイクロストリップ伝送ラインおよび導電性の脚を有する電極構造体であって、前記マイクロストリップ伝送ラインは1つの信号電極と1つのグラウンド電極とを有し、前記信号電極は前記信号電極からほぼ垂直に延びるアームを有し、前記導電性の脚は前記信号電極のアームから前記導波路の方へ前記基板の表面まで延び、前記グラウンド電極は前記基板の表面上に直接配置されている、電極構造体とを備え、
電気信号が前記伝送ラインに沿って電気速度を伝播し、前記電気速度が前記光速度と実質的に整合する、電気光学変調器。 - 請求項19において、さらに、前記信号電極と前記グラウンド電極との間に配置された誘電体層を備え、前記導電性の脚は信号電極の前記アームから前記誘電体層を通して前記導波路の方へ前記基板の表面まで延び、前記誘電体層が前記基板よりも低い誘電率を有する、電気光学変調器。
- 請求項1において、前記電気光学基板が強誘電体材料である、電気光学変調器。
- 請求項21において、前記強誘電体材料がニオブ酸リチウムである、電気光学変調器。
- 請求項1において、前記電気光学基板がIII−V族半導体である、電気光学変調器。
- 請求項2において、前記誘電体層がポリイミドである、電気光学変調器。
- 請求項1において、さらに、絶縁バッファ層を備え、
前記絶縁バッファ層が前記電気光学基板の直上に配置されている、電気光学変調器。 - 請求項1において、前記電気光学変調器がマッハツェンダー干渉計である、電気光学変調器。
- 請求項1において、前記電気光学変調器が位相変調器である、電気光学変調器。
- 請求項1において、前記伝送ラインが、前記光速度と実質的に整合する電気速度で伝送ラインに沿って伝播する電気信号をサポートできる、電気光学変調器。
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