JP2005506264A - 光結合技術 - Google Patents
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Abstract
2つの光学コンポーネントの対向した表面のうち少なくとも一方にガラス失透温度Tclよりも実質的に低いガラス転移温度Tgをもつ結合用ガラスの薄い層(厚さは好ましくは100ミクロン以下)を設け、これら表面の間に1又は複数の被膜だけを設けた状態でこれら表面を合わせ、組立て状態のコンポーネントを圧力下において、TgとTclとの間に位置し、ガラスを軟化させてコンポーネントを互いに結合するのに十分に高い温度Tbまで加熱することにより上記対向した表面を接合する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、屈折率整合ガラス被膜により互いに結合された光学コンポーネントに関する。本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123740.3号明細書及びGB0123742.9号明細書は特に、屈折率整合ガラス被膜を用いてコンポーネントを互いに結合する非線形光デバイスに関し、本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123744.5号明細書は、屈折率整合ガラス被膜から製造された反射防止層の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、低光損失インタフェースを備えた互いに結合された多コンポーネント光デバイスの製作を容易にする。光学的接触状態にあるべきフェース相互間におけるギャップ又は空間の存在は、例えば接合されるべき表面中の欠陥のような源又は表面のところの汚染の存在、特に粒子汚染の存在に起因して生じる場合があり、かかる存在により、とりわけ反射(屈折率不整合のため)及び散乱に起因する光損失が生じる。
【0003】
複合光デバイス内の光インタフェースに起因する光損失を回避する多くの試行及び試験済みの技術が開発されたが、かかる技術としては、ダイレクトインタフェース、即ち、表面が直接的な光学及び機械的接触状態にあるインタフェースの提供、コンポーネント相互間への接着剤層の配置及び可能な場合には拡散結合が挙げられる。
直接的にインタフェースを取るには、コンポーネントの表面の非常に正確な物理的作製が必要であると共に極めて高い基準の清浄さが必要である。この理由で、この技術は実際に用いられたが実施困難であり、可能ならば避けるのが最善である。
【0004】
例えば接着剤のような材料の中間層でコンポーネントを接合することは、光損失を減少又は無くし、したがってデバイス効率を向上させるのに役立つ場合がある。例えば、顕微鏡スライダを取り付けたりレンズコンポーネントを接合するために長年にわたり、従来型シリカ系光学ガラスの屈折率に非常に類似した屈折率のカナダバルサムが接着剤として用いられた。多くの最新型光学コンポーネントは、従来型ガラス、例えば半導体電気光学デバイス及びガラスよりも非常に大きな屈折率の材料で作られており、これは一般に、例えば赤外領域で用いられるコンポーネントで生じる。従来型接着剤組成物の屈折率は、これらの非常に増大した屈折率に整合できず、したがって、インタフェースのところの反射が再び増大するので、直接的にインタフェースを取ろうとすることが必要な場合が多かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
数種類の窓材料では、2つのガラス層が、圧力及び熱の条件下でプラスチック層により接合され、難燃性ガラスは、2つのガラス層相互間にサンドイッチされた硼素含有層を有している。しかしながら、この場合も又、この技術は、各光学コンポーネントと中間層との間にギャップ又は空間無く接合部を得ることができるかどうかにかかっており、この種の結合は、光学性能が重要ではない構造、例えば、建物及び車のフロントガラス用の窓に用いられる傾向がある。接着剤又は他の結合材料の各中間層は、2つのインタフェースをもたらし、接合が不良と言っていいほどのものであれば、光学性能が2つの直接結合されたコンポーネントの光学性能を上回って劣化する場合さえある。
【0006】
多くの用途では、中間結合層を用いる場合、かかる層に極めて小さいだけでなく、正確に制御できる厚さを持たせることができることが望ましい。これは、当該技術分野において従来用いられている接着剤又は他の中間材料を用いても特に容易ではない。
上述の拡散結合方式は、多くの実際的問題に起因して実現するに困難である。個々の層は、非常に研磨されて光学的にフラットでなければならず、層の表面は、粒子汚染が無いものでなければならない。1μmという小さな粒子の結果として直径が1mmのボイドが層相互間に生じる場合のあることが観察された(D.Bollmann et al, Jpn J Appl Phys, vol 35, pp 3807-3809 )。かかるボイドは、多くの層のスタック上に相当堆積する場合のある光損失の源である。層を拡散結合するのに必要な温度及び圧力も又、材料の光学的性質を劣化させる場合がある(D.Zheng et al, J Electrochem Soc, vol 144, no 4, pp 1439-1441 )。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、別の光学コンポーネントに結合されるべき少なくとも1つの光学コンポーネントは、ガラス状材料の薄い層で被覆される。ガラス相からメルト相又は結晶相への変化に対応したガラス失透温度Tcに加え、多くのガラスは、ガラス相が保持されるが、幾分性質が異なった状態になる少なくとも1つのガラス転移温度Tgを有する。特に、ガラスを温度Tgまで加熱してこれよりも高い温度のガラス相を得ることは(読者は、相変化が他の条件を必要とし、特に相変化には相当な時間がかかる場合のあることは理解されよう)、かなり軟質又は移動性の高い相を提供できる。
【0008】
ガラス相転移は、示差熱分析法により検出でき、かかる示差熱分析法では、熱を制御された速度でサンプルに供給し、サンプルの温度を時間の経過につれてプロットする。示差熱分析中、温度は当初全体的に直線状のプロットを辿り、相転移は、直線性からの偏差によって指示される。特に、ガラス転移温度Tgは、一般に屈折点の形態をしたプロット中の不連続点により識別できる。これ以上の転移点がこれよりも高い温度で識別でき、これらのうちの少なくとも1つは、失透温度に相当する場合がある。後者は、サンプルを冷却することにより逆測定を行った際、対応関係にある屈折点が存在せず、又は少なくとも同一の温度では生じないので識別できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、以下のサイクルを用いる材料Ge15As15Se29Te41についての示差熱分析プロットを示している。
1. 1.0分間20.00℃に保持する。
2. 10.00℃/分で20.00℃から450.00℃まで加熱する。
3. 10.0分間450.00℃に保持する。
4. 10.00℃/分で450.00℃から20.00℃まで冷却する。
120℃及び240℃のところでの曲線の上方部分上の2つの変曲点はそれぞれ、第1及び第2のガラス(ガラス/ガラス)転移温度Tg1,Tg2である。290℃及び380℃のところにおけるより急峻な移行部Tc1,Tc2は、結晶相と関連した移行部であり、これら温度のうち低い方Tc1は、その点では材料がガラス相の状態でいるのをやめるので失透温度であろう。図1では、曲線は冷却時に同じ道筋を辿らず、Tg1,Tg2に相当するガラス/ガラス転移点(逆)を示さず、開始点まで戻らないことが観察される。かくして、この材料の熱処理は、材料の性質の目立った変化と関連しがちであり、これら変化は、多くの因子(例えば、時間、温度、加熱速度、雰囲気)に依存する場合があり、したがってどのような変化であっても高信頼度で再現するのが困難と言っていい。
本明細書で用いる「第1のガラス転移温度」という用語は、周囲よりも高い最も低いガラス転移温度を意味している。
【0010】
図2は、以下のサイクルを用いる材料Ge15As15Se17Te53についての示差熱分析プロットを示している。
1. 1.0分間20.00℃に保持する。
2. 10.00℃/分で20.00℃から440.00℃まで加熱する。
3. 10.00℃/分で440.00℃から80.00℃まで冷却する。
4. 20.0分間80.00℃に保持する。
5. 10.00℃/分で80.00℃から440.00℃まで加熱する。
6. 10.00℃/分で440.00℃から80.00℃まで冷却する。
7. 20.0分間80.00℃に保持する。
8. 10.00℃/分で80.00℃から440.00℃まで加熱する。
9. 10.00℃/分で440.00℃から20.00℃まで冷却する。
10.60.0分間20.00℃に保持する。
【0011】
図1と比較すると、このプロットは、145℃及び260℃のところでの第1及び第2のガラス(ガラス/ガラス)転移温度Tg1及びTg2並びに330℃のところの単一の失透温度Tc1を含む比較的単純なトレース又は軌跡である。冷却時、同じ曲線を辿らないが、270℃及び160℃のところに逆ガラス転移点Tg1及びTg2が示されている。このトレースは、330℃への加熱を伴う3つのサイクルにわたって測定により立証されるように再現可能である。
【0012】
図3は、以下のサイクルを用いる材料Ge19As11Se17Te53の示差熱分析プロットを示している。
1. 1.0分間20.00℃に保持する。
2. 10.00℃/分で20.00℃から500.00℃まで加熱する。
3. 10.0分間500.00℃に保持する。
4. 10.00℃/分で500.00℃から20.00℃まで加熱する。
5. 60.0分間20.00℃に保持する。
このプロットは、図2のプロットよりも一段と単純であり、170℃のところにちょうど単一のガラス/ガラス転移温度Tgを示しているが、470℃を越える温度まで失透点が無いことを示している。Tgと調査した中で最も高い温度との間には大きな温度間隔がある。
【0013】
本発明は、2つの光学コンポーネントの対向した表面を接合する方法であって、少なくとも一方の前記表面にガラス失透温度Tclよりも実質的に低いガラス転移温度Tgをもつ結合用ガラスの薄い層を設ける工程と、前記表面相互間に1又は複数の被膜だけを設けた状態で前記表面を互いに合わせて集成体を形成する工程と、集成体を圧力下において、TgとTclとの間に位置し、ガラスを軟化させてコンポーネントを互いに結合するのに十分に高い温度Tbまで加熱する工程とを有していることを特徴とする方法を提供する。
【0014】
Tb及び結合用ガラス材料の選択を含む接合の実施条件は好ましくは、互いに結合されるコンポーネント又はこれらの表面を破壊し又は歪めることにより、或いはこれらコンポーネントに非可逆性相変化を生じさせることによりこれらコンポーネントのうちの何れかに望ましくない変化が無いように選択される。大抵の場合、コンポーネントが結合プロセスにより実質的に全く影響を受けないこと、或いは少なくとも結合プロセスの実施後、たとえ或る形態の変化がその間に生じたとしても、コンポーネントが開始コンポーネントに実質的に一致することが理想である。しかしながら、Tbが望ましい変化、例えば一方のコンポーネントの材料中に非可逆的相変化を引き起こして改変されるが望ましい性質を持つコンポーネントを生じさせるよう選択される場合があることが計画される。
【0015】
結合の実施条件は好ましくは、結合表面相互間からのガラスのはみ出しが実質的に無いようにすると共に(或いは)1又は複数の薄い層の厚さが実質的に一定のままであるよう選択される。
接合用ガラスが周囲温度よりも高い複数のガラス転移温度を示す場合、Tbは好ましくは、第1のガラス転移温度と第2のガラス転移温度との間に位置するよう選択される。
【0016】
好ましくは、結合用ガラスは、結合サイクルを可逆的に受け、サイクルの終わりにおけるその性質がサイクルの開始時における性質に実質的に等しいものであるよう選択される。図1のガラスは、この基準に合わず、したがって好ましい材料ではない。図2及び図3のガラスは、この基準に一致する好ましい材料である。
【0017】
好ましくは、結合用ガラスは、失透温度に達する前では1つのガラス転移温度を有するに過ぎず、したがって図3のガラスは図2のガラスよりもより好ましい。
好ましくは、ガラス転移温度(第1のガラス転移温度)と別のガラス転移温度であれ失透温度であれ何れにせよ任意他の転移温度との間には少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも100℃、更により好ましくは少なくとも150℃の間隔がある。この基準では、図3のガラスはこの場合も又、図2のガラスよりも好ましい。ただし、両方とも、これよりも広い基準には適合している。
【0018】
結合用ガラスの屈折率は好ましくは、接合されるべき2つのコンポーネントの屈折率(即ち、接合されるべき表面を提供する材料の屈折率)にほぼ等しい。理想的には、接合用ガラスは、接合されるべき材料の2つの屈折率(これらは、互いに等しくても等しくなくてもよい)の積の平方根に実質的に等しい値Rgを有する。これは、接合ガラス層とのインタフェースのところでの望ましくない反射を減少させる。かくして、接合用ガラスの屈折率は好ましくは、Rgの20%以内(即ちRg±20%)、より好ましくは15%以内、より好ましくは10%以内、最も好ましくは5%以内である。
【0019】
このガラスは、無機ガラス、例えばカルコゲナイドガラス又は非晶質硫化砒素である。Ge−As−Se−Te系を基材とする赤外線透過性カルコゲナイドガラスは、屈折率がn=3.00〜3.45の範囲を備えるよう作製されている。これらガラスは又、RFスパッタリング法を用いて首尾良くシリコン(n=3.43)及びGaAs(n=3.28)基材上にコーティングされ、層厚さは0.1ミクロン〜3ミクロン以上である。
接合用ガラスは、Ge、As、Se及びTeを含むのがよく、好ましいガラスの一範囲は、一般式Ge(x-a)AsaSe(100-x-b)Tebを有し、この一般式において25<x≦55(好ましくは25<x≦40)、10≦a≦25、40<b≦70及び(100−x−b)>0(これについては、本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123743.7号明細書を参照されたい)。図1及〜図3のガラスは、この公式に合致しており、かかるガラスの屈折率は一般に、2.1ミクロンにおいて3.0〜3.5、9.3ミクロンではこれよりも僅かに小さな値である。
【0020】
上記公式において、bは好ましくは少なくとも41である。上記公式に合致するガラスの中には、本発明の目的上良好な又は非常に良好な熱特性を示すものがある。さらに、調査した組成物の中には、ガリウム砒素の屈折率、特に30≦x≦40、10≦a≦25、50<b≦70及び(100−x−b)>0の範囲の屈折率を有するものがあり、これら範囲内での組成物の中にはシリコンの屈折率にほぼ等しいものもある。例えば、組成物Ge15As25Se14Te46、Ge20As20Se14Te46、Ge15As15Se5Te65及び図2の組成物はそれぞれ良好な熱特性から非常に良好な熱特性を有し、それぞれ、2.1ミクロンのところにおいて3.267、3.200、3.246、3.447の屈折率を有する。
【0021】
半導体デバイス用のセラミックパッケージを密封するためにガラス状材料、特にカルコゲナイドガラスを用いることが米国特許第4,954,874号明細書(発明者:ミウラ)に開示されているが、光学的特徴については何ら言及されていない。より適切には、かかる材料を用いて簡単な光学的構造中に低光損失結合部を形成することが別の文献で示されており、これについては例えば、米国特許第4,072,782号明細書(発明の名称:ホプキンス、クラマー及びホフマン)及びホプキンス(Hopkins )他著,「ジェイ・アプライド・フィジックス(J Appl Phys.)」,第49巻,3133〜3139ページ(1978年発行)を参照されたい。
【0022】
米国特許第4,072,782号は、腐食又は水に敏感な赤外線窓材料、例えばセレン化亜鉛を例えば硫化亜鉛のより頑丈な外側窓で保護した場合の問題を取り扱っている。この目的のため、かかる米国特許明細書は、As−S−Seガラスにより提供される2つの窓相互間に結合部を用いることを示唆しており、結合部は、主としてガラス材料でできた薄い別々に介在して設けられたウェーハから作られる。具体的に記載されているように、結合は、2つの透明な窓材料片相互間でガラスの20ミル(500ミクロン)厚さのウェーハを真空熱圧することによって実施され、かかる窓材料片は各々、真空蒸発法により10ミクロンのAs−S−Seガラス層で被覆されている。プロセスは、約2時間かかり、その結果、ガラスの大部分が絞り出されて後に2〜5ミクロンの「比較的一様な」中間層が残る。
【0023】
中間ガラスの薄い皮膜を正確な所要厚さで被着させることができるが、厚さにおけるこの正確さは、次に中間材料の大部分が接合されるべき窓相互間から押し出されるような方法では破壊され又は大幅に減少すると考えられる。さらに、米国特許第4,072,782号で特定された窓材料は、形態が多結晶である。かかる米国特許明細書において計画された窓の用途のためには、これら検討事項はどれも重要なものではない。それにもかかわらず、多くの他の光学的構造は、一般に単結晶基材を含むと共に(或いは)中間ガラス層の厚さ及び一様性において正確な制御を必要とし、本発明は、接合されるべき基材が実質的に単結晶である構造の生成を容易にすることができる。
【0024】
対比して言えば、本発明の実施形態は、接合されるべき2つの光学コンポーネントのうち少なくとも一方の表面上に被着されたガラス転移点Tgが比較的低いガラス、好ましくは無機ガラスの薄い層を用い、同種のガラスの介在が無く、或いは全く必要とせず、しかもコンポーネントを接合したとき、ガラスの実質的なはみ出しが無い。これにより、コンポーネントを非常に正確且つ制御可能な間隔で接合することができる。
【0025】
接合されるべき表面のうち一方又は両方に被着された被膜の厚さは、少なくとも一部が表面の特性及びこれらの作製方法により定められることになる。高度の光学的精度を持つ幾つかの表面(表面品質及び表面形態−最も一般的には接合されるべき表面が光学的にフラットであるが、他の形状の表面も本発明の範囲に属する)を作製することは極めて困難であり、又はかかる条件は光学的清浄さを保証できないようなものである。かかる条件下においては、しかしながら生じた表面欠陥が結合用ガラスによって効果的に包囲され、基材表面の密に隣り合った領域の光散乱又は分離に過度に貢献しないようにするためには幾分厚い層が必要な場合がある。
【0026】
好ましくは、一方又は両方の表面上の被膜の厚さは、100ミクロン未満である。一般に、この厚さは、0.1〜20ミクロン、より好ましくは1〜10ミクロン、最も好ましくは5ミクロン以下である。結合されたデバイス中のガラスの最大厚さは、好ましくは20ミクロン、より好ましくは10ミクロン、更により好ましくは6ミクロン、最も好ましくは4ミクロン以下である。しかしながら、これよりも大きな厚さの層は、すぐ前に述べた理由で提供可能である。
【0027】
接合用ガラスの1又は複数の層を任意の標準方法、例えばRFスパッタリング、フラッシュ蒸発、溶剤蒸発又はスピンコーティングにより被着できる。
好ましくは、結合工程は、制御された雰囲気下で実施される。これは、増大した又は減少した圧力、或いは真空に近い圧力を伴う場合があり、雰囲気は、不活性であっても活性であってもよい。
【0028】
第1の特徴の方法は、2つのコンポーネント相互間に強固で光損失の低い結合部を形成することができる。材料及び条件の適切な選択により、結合中、ガラスが何れかの表面上の粒子汚染を包み込んで散乱損失の影響を最小限に抑えるよう結合部を構成でき、しかもかかる結合部は又、表面窪み中に流れ込むのに十分軟らかくなることができ、かくしてこの技術は本来的に研磨するのが困難な結晶材料、例えばZnGeP2への結合に特に有用になる。
「光学コンポーネント」という用語は、ガラス転移温度が低いガラスが被着されるべき表面を提供する単純な一体形基材だけでなく、かかる表面を提供するより複雑なコンポーネントをも意味するようになっている。
【0029】
接合されるコンポーネントの表面は、平らであってもよく、平らでなくてもよく、例えば一寸法(1次元)又は両寸法(2次元)方向において湾曲していてもよいが、明らかに、かかるコンポーネント表面は形状が実質的に相補している必要がある。コンポーネントは、積層状態であるのがよく、例えば光学材料の平らな又は湾曲した側部の平行なシートであるのがよい。変形例として、コンポーネントは、非積層状態のもの、即ち平行な主要表面を備えていないもの、例えば一方に平らな表面を備え又は平らな表面を備えていないレンズであってもよい。
【0030】
コンポーネントは、受動式光学コンポーネント、例えば光学的放射損傷に耐性のある層、又はレンズ、プリズム、ミラー又は振幅回折格子、或いはブルースター窓又は反射防止膜を備えた窓であってよく、或いは、能動式光学コンポーネント、例えば、電気光学コンポーネント、例えば光源(例えば、LED又はレーザダイオード)、検出器(例えば、フォトダイオード)、非線形又はレイジング材料から成るコンポーネント、例えばパラメトリックデバイスであってもよい。
【0031】
コンポーネントの材料はとりわけ例えば、ZnGeP2、シリコン、ガリウム砒素、ゲルマニウム又はニオブ酸リチウムであるのがよい。或る実施形態では、コンポーネントは、スペクトルの赤外線部分で使用されるようになっており又はそのように用いられるのが適している。ただし、本発明は、スペクトルの可視及び(又は)近UV部分にも使用されるコンポーネントにも及ぶ。結合用ガラスは、意図した用途のスペクトルの部分において透過性であるよう選択される。
【0032】
2つの受動式コンポーネント又は2つの能動式コンポーネント、例えば、光カプラ又はアイソレータ中のエミッタ及び検出器、又は受動式コンポーネントと能動式コンポーネントを互いに結合することができる。
とりわけ、本発明の実施形態では、レンズが半導体LED又はフォトダイオードに接合され、保護窓が非線形光学層に接合される。
このように接合された多数の隣り合う対を持つコンポーネントのスタックは、適当に被覆が施されたコンポーネントをスタック集成体内に配置し、集成体全体に熱及び圧力を加えることにより同時に形成できる。変形例として、スタックは、接合部を一度に1つ形成することにより又は任意の中間プロセスにより順次形成できる。
【0033】
本発明の別の特徴は、読者が参照する特許請求の範囲及び本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むと明らかになろう。
1.レンズ付き半導体電気光学コンポーネント
ゲルマニウムレンズを赤外線半導体ガスセンサ装置、例えば発光ダイオード(LED)又は検出器に結合してデバイス性能を向上させるコンパクトで安価な方法を提供することが知られている。検出器の場合、見かけのサイズが増大し、高屈折率材料で作られたLEDの場合、これは外部効率を向上させる際及びエミッションプロフィールを付形する際に非常に顕著な利点がある。
【0034】
現在行われている結合は、レンズをグルーで半導体デバイスに接着することによって達成されるが、この技術は、グルー厚さ又は空隙が0.2ミクロン未満であることが必要であり、かくして表面平坦度(λ/10よりも良好な表面平坦度)、表面プロフィール及び清浄さの厳密な制御が必要なので信頼性が低く且つ非常に困難であることが判明した。インタフェースロスを最小限に抑え、大量生産に適した半導体デバイスへのレンズの結合技術が必要であり、本発明は、顕著な技術的進歩をもたらすものと考えられる。以下の本発明の実施形態では、光学コンポーネントを半導体電気光デバイスに結合する低融点(<200℃)赤外線透過性ガラスの使用法が説明される。
【0035】
ゲルマニウム凸レンズ及びGaAsLEDの対向していると見込まれる平らな表面を「表面被膜」の項目で説明されているようなRFスパッタリングにより厚さ約5ミクロンのGe15As15Se17Te53のガラスの層で被覆する。次に、これらを所望の整列状態で合わせ、集成体に制御された圧力及び温度サイクルを施して強固な低光損失結合部を形成する。サイクル中の最高温度は、200℃未満であり、サイクルは、ガスが粒子汚染物を包み込んで散乱損失の影響を最小限に抑えるよう設計されている。
レンズに代えて光学格子又は他の干渉デバイス、例えばフレネルレンズを用いてもよい。
【0036】
2.保護光学コンポーネント
光学結晶の光損傷しきい特性を向上させる技術が説明されている。これについては、例えば、1997年10月に発行された米国特許第5,680,412号明細書(発明者:デマリア等;発明の名称:Apparatus for improving the optical intensity induced damage limit of optical quality crystals)を参照されたい。これら方法では光学的に透明な材料の厚い片(数mm)を非被覆状態の光学結晶の端面に取り付ける。通常、バルク光学結晶よりも光損傷及び熱特性が向上していて、場合によっては、次に行われる誘電体被膜が得られるよう向上した表面仕上げを提供する材料が選択される。
【0037】
材料に関する主要な要件は、材料/結晶インタフェースのところでの反射損失を最小限に抑えるためにバルク光学結晶の屈折率と類似した屈折率を持つことにある。かかる選択の一例は、中赤外領域中における向上した非線形光学結晶を生じさせるためにGaAs(n=3.3)をZnGeP2結晶(n=3.1)に取り付けることである。今日まで実際に行われた取付け技術は、直接的な光学的接触を利用している。これには、バルク結晶の注意深い表面前処理(それ自体困難な場合がある)と端面材料の注意深い表面前処理の両方が必要である。必要ならば、次に、取り付けられた材料をいったん定位置で接触させると、これに標準の誘電体被膜法を用いて反射防止膜を施すのがよい。
取付け材料は、平らな層、例えばディスク又はブルースターカットプリズムの形態を取るのがよく、これによりAR膜は一段と不要になる。
【0038】
GaAs(n=3.3)の保護単層の主要フェース及びZnGeP2結晶(n=3.1)の主要フェースの各々をGe−As−Se−Te系の低軟化点ガラスの薄い層で被覆し、炭素及び結晶を被覆表面と接触状態で集成し、炭素又は結晶の何れの機械的又は光学的性質に影響を及ぼすことなく熱及び圧力を加えて集成体を互いに結合する。結合された集成体は、中赤外領域中での改良された非線形光学結晶として有用である。
【0039】
大開口位相(Large Aperture Phase)リターデーションプレート
位相リターデーションプレート又は波長板は、レーザ又は他の光ビームの偏光状態を変えるために一般に用いられている。これらは、或る特定の結晶光学材料又はポリマーフィルムの複屈折という性質を利用しており、四分の一又は二分の一波長のリターデーションをもたらす0次(1次)又は多次プレートとして供給される場合が多い。多次プレートは、四分の一又は二分の一波長厚さの何れかの奇数整数倍をもたらす厚さを持つ単一の複屈折プレートから作られている。
【0040】
0次波長板は、光軸が相互に直交して配置された2つの複屈折プレートから作られ、これらプレートは、正確に四分の一又は二分の一波長厚さが互いに異なっている。これら厚い2枚のプレートが用いられる理由は、大抵の複屈折結晶の二分の一波長厚さの四分の一は薄すぎて単一プレートから0次波長板を安定的に製作することができないからである。多次プレートと比較して、0次プレートは、向上した受光角、バンド幅及び動作温度範囲をもたらすが、製造はより複雑である。というのは、2枚のプレートを取り付ける必要があるからである。さらに、2つの追加の光学表面が存在することにより、反射損失が増大する。
【0041】
現在、0次波長板を製作するには、2枚のプレートを光学的に接触させ又はこれらプレートをこれらプレート相互間に空隙を設けた状態で締付けリング内に設け、或いはこれらプレートを光学的に透明なセメントで互いに接着している。各技術はこれと関連した欠点がある。結晶石英及びマイカは、可視及び近赤外線領域について複屈折材料として一般に用いられているが、中から遠赤外線領域に用いられるのに適した複屈折材料の選択は非常に制限される。
【0042】
サファイアは、中赤外線領域(2〜5.5ミクロン)で一般に用いられている。遠赤外線領域(6〜12ミクロン)についてはCdSを用いることができるが、これは、空隙法で用いられる必要がある。というのは、利用できる適当な光学セメントが無く、光学的接触が困難だからである。CdSの比較的高い接触率(5ミクロンでn=2.2)は、4つのインタフェースから高いフレネル反射損失を生じさせ、その結果非被覆状態の0次波長板について全体で55%の透過率となる。さらに、後者が原因となって、望ましくないエタロン効果が生じる場合がある。
【0043】
本発明の方法の利用により、単一の複屈折プレート又は2枚の複屈折プレートの何れかを用いる0次波長板を提供することが可能になる。
図4は、2枚の複屈折プレート1,2の各々の表面をそれぞれガラス層3,4で被覆し(図4a)、次に圧力及び熱を加えることによりプレートを互いに結合する(図4b)ことによって0次波長板を形成する方法を概略的に示している。結果的に得られたガラス層5の厚さは、重要ではないが、プレート表面上の粒子汚染物を包み込むのに十分であるべきである。その屈折率は、上述の基準に従ってプレート1,2の屈折率を整合させるよう選択されたものであることが必要である。ガラスの熱的性質並びに結合温度及び圧力は、プレート1,2の性質を考慮に入れて選択されることが必要となろう。ガラス被膜を被着させるのに用いられる方法は、上述の方法のうち任意のものであってよく、接合されるべきコンポーネントの一方にのみ施された被膜を用いることが可能であるが、これは好ましくはない。
【0044】
図4の構成例では、依然として4つの光学的インタフェースがあり、2枚のプレートを提供することが必要であり、これらプレートは結合製品内で正確に差し向けられるようにすることが必要である。
図5は、本発明の利用により達成できる0次波長板の変形形態を示している。この場合、図4のプレート1に代えて非複屈折基材6を用い(図5a)、基材6とプレート2の結合(図5b)後、プレート2を所望の四分の一又は二分の一波長の光学的厚さの層7まで研磨する(図5c)。好ましくは、基材6の屈折率は、プレート2の屈折率に厳密に整合するよう選択され、ガラスの屈折率は上述したように基材6及びプレート2の屈折率の積の平方根にほぼ等しいことが必要である。
【0045】
この設計は、必要とされるコストのかかる材料処理量を減少させるだけでなく、2枚のプレートの相互の向きについての要件を緩和する。
図4及び図5に示す集成体では、複屈折プレートは、屈折率が2.2のCdSのものであるのがよく、この場合、結合に適したガラスは、三硫化砒素である。後者は、市販されていて容易に手に入り、これは約210℃という低い軟化温度を有し(したがって、結合は250℃以下で起こり得る)、良好な光学的透明度及び2.4という屈折率を有している。図5では、この場合非複屈折基材6は、セレン化亜鉛(屈折率が2.4)のものである。
【0046】
このように0次波長板を作製することにより、これら波長板は、機械的に頑丈に作製可能であると共に大きな開口を有する。空隙が無く、締付けリングが不要である。図5の構成では、基材の厚さは任意所望のものであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ガラス相転移を示す例示の示差熱分析プロットを示すグラフ図である。
【図2】ガラス相転移を示す例示の示差熱分析プロットを示すグラフ図である。
【図3】ガラス相転移を示す例示の示差熱分析プロットを示すグラフ図である。
【図4】本発明の方法を用いて製造された0次波長板の構成例を示す図である。
【図5】本発明の方法を用いて製造された0次波長板の構成例を示す図である。
【0001】
本発明は、屈折率整合ガラス被膜により互いに結合された光学コンポーネントに関する。本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123740.3号明細書及びGB0123742.9号明細書は特に、屈折率整合ガラス被膜を用いてコンポーネントを互いに結合する非線形光デバイスに関し、本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123744.5号明細書は、屈折率整合ガラス被膜から製造された反射防止層の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、低光損失インタフェースを備えた互いに結合された多コンポーネント光デバイスの製作を容易にする。光学的接触状態にあるべきフェース相互間におけるギャップ又は空間の存在は、例えば接合されるべき表面中の欠陥のような源又は表面のところの汚染の存在、特に粒子汚染の存在に起因して生じる場合があり、かかる存在により、とりわけ反射(屈折率不整合のため)及び散乱に起因する光損失が生じる。
【0003】
複合光デバイス内の光インタフェースに起因する光損失を回避する多くの試行及び試験済みの技術が開発されたが、かかる技術としては、ダイレクトインタフェース、即ち、表面が直接的な光学及び機械的接触状態にあるインタフェースの提供、コンポーネント相互間への接着剤層の配置及び可能な場合には拡散結合が挙げられる。
直接的にインタフェースを取るには、コンポーネントの表面の非常に正確な物理的作製が必要であると共に極めて高い基準の清浄さが必要である。この理由で、この技術は実際に用いられたが実施困難であり、可能ならば避けるのが最善である。
【0004】
例えば接着剤のような材料の中間層でコンポーネントを接合することは、光損失を減少又は無くし、したがってデバイス効率を向上させるのに役立つ場合がある。例えば、顕微鏡スライダを取り付けたりレンズコンポーネントを接合するために長年にわたり、従来型シリカ系光学ガラスの屈折率に非常に類似した屈折率のカナダバルサムが接着剤として用いられた。多くの最新型光学コンポーネントは、従来型ガラス、例えば半導体電気光学デバイス及びガラスよりも非常に大きな屈折率の材料で作られており、これは一般に、例えば赤外領域で用いられるコンポーネントで生じる。従来型接着剤組成物の屈折率は、これらの非常に増大した屈折率に整合できず、したがって、インタフェースのところの反射が再び増大するので、直接的にインタフェースを取ろうとすることが必要な場合が多かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
数種類の窓材料では、2つのガラス層が、圧力及び熱の条件下でプラスチック層により接合され、難燃性ガラスは、2つのガラス層相互間にサンドイッチされた硼素含有層を有している。しかしながら、この場合も又、この技術は、各光学コンポーネントと中間層との間にギャップ又は空間無く接合部を得ることができるかどうかにかかっており、この種の結合は、光学性能が重要ではない構造、例えば、建物及び車のフロントガラス用の窓に用いられる傾向がある。接着剤又は他の結合材料の各中間層は、2つのインタフェースをもたらし、接合が不良と言っていいほどのものであれば、光学性能が2つの直接結合されたコンポーネントの光学性能を上回って劣化する場合さえある。
【0006】
多くの用途では、中間結合層を用いる場合、かかる層に極めて小さいだけでなく、正確に制御できる厚さを持たせることができることが望ましい。これは、当該技術分野において従来用いられている接着剤又は他の中間材料を用いても特に容易ではない。
上述の拡散結合方式は、多くの実際的問題に起因して実現するに困難である。個々の層は、非常に研磨されて光学的にフラットでなければならず、層の表面は、粒子汚染が無いものでなければならない。1μmという小さな粒子の結果として直径が1mmのボイドが層相互間に生じる場合のあることが観察された(D.Bollmann et al, Jpn J Appl Phys, vol 35, pp 3807-3809 )。かかるボイドは、多くの層のスタック上に相当堆積する場合のある光損失の源である。層を拡散結合するのに必要な温度及び圧力も又、材料の光学的性質を劣化させる場合がある(D.Zheng et al, J Electrochem Soc, vol 144, no 4, pp 1439-1441 )。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、別の光学コンポーネントに結合されるべき少なくとも1つの光学コンポーネントは、ガラス状材料の薄い層で被覆される。ガラス相からメルト相又は結晶相への変化に対応したガラス失透温度Tcに加え、多くのガラスは、ガラス相が保持されるが、幾分性質が異なった状態になる少なくとも1つのガラス転移温度Tgを有する。特に、ガラスを温度Tgまで加熱してこれよりも高い温度のガラス相を得ることは(読者は、相変化が他の条件を必要とし、特に相変化には相当な時間がかかる場合のあることは理解されよう)、かなり軟質又は移動性の高い相を提供できる。
【0008】
ガラス相転移は、示差熱分析法により検出でき、かかる示差熱分析法では、熱を制御された速度でサンプルに供給し、サンプルの温度を時間の経過につれてプロットする。示差熱分析中、温度は当初全体的に直線状のプロットを辿り、相転移は、直線性からの偏差によって指示される。特に、ガラス転移温度Tgは、一般に屈折点の形態をしたプロット中の不連続点により識別できる。これ以上の転移点がこれよりも高い温度で識別でき、これらのうちの少なくとも1つは、失透温度に相当する場合がある。後者は、サンプルを冷却することにより逆測定を行った際、対応関係にある屈折点が存在せず、又は少なくとも同一の温度では生じないので識別できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、以下のサイクルを用いる材料Ge15As15Se29Te41についての示差熱分析プロットを示している。
1. 1.0分間20.00℃に保持する。
2. 10.00℃/分で20.00℃から450.00℃まで加熱する。
3. 10.0分間450.00℃に保持する。
4. 10.00℃/分で450.00℃から20.00℃まで冷却する。
120℃及び240℃のところでの曲線の上方部分上の2つの変曲点はそれぞれ、第1及び第2のガラス(ガラス/ガラス)転移温度Tg1,Tg2である。290℃及び380℃のところにおけるより急峻な移行部Tc1,Tc2は、結晶相と関連した移行部であり、これら温度のうち低い方Tc1は、その点では材料がガラス相の状態でいるのをやめるので失透温度であろう。図1では、曲線は冷却時に同じ道筋を辿らず、Tg1,Tg2に相当するガラス/ガラス転移点(逆)を示さず、開始点まで戻らないことが観察される。かくして、この材料の熱処理は、材料の性質の目立った変化と関連しがちであり、これら変化は、多くの因子(例えば、時間、温度、加熱速度、雰囲気)に依存する場合があり、したがってどのような変化であっても高信頼度で再現するのが困難と言っていい。
本明細書で用いる「第1のガラス転移温度」という用語は、周囲よりも高い最も低いガラス転移温度を意味している。
【0010】
図2は、以下のサイクルを用いる材料Ge15As15Se17Te53についての示差熱分析プロットを示している。
1. 1.0分間20.00℃に保持する。
2. 10.00℃/分で20.00℃から440.00℃まで加熱する。
3. 10.00℃/分で440.00℃から80.00℃まで冷却する。
4. 20.0分間80.00℃に保持する。
5. 10.00℃/分で80.00℃から440.00℃まで加熱する。
6. 10.00℃/分で440.00℃から80.00℃まで冷却する。
7. 20.0分間80.00℃に保持する。
8. 10.00℃/分で80.00℃から440.00℃まで加熱する。
9. 10.00℃/分で440.00℃から20.00℃まで冷却する。
10.60.0分間20.00℃に保持する。
【0011】
図1と比較すると、このプロットは、145℃及び260℃のところでの第1及び第2のガラス(ガラス/ガラス)転移温度Tg1及びTg2並びに330℃のところの単一の失透温度Tc1を含む比較的単純なトレース又は軌跡である。冷却時、同じ曲線を辿らないが、270℃及び160℃のところに逆ガラス転移点Tg1及びTg2が示されている。このトレースは、330℃への加熱を伴う3つのサイクルにわたって測定により立証されるように再現可能である。
【0012】
図3は、以下のサイクルを用いる材料Ge19As11Se17Te53の示差熱分析プロットを示している。
1. 1.0分間20.00℃に保持する。
2. 10.00℃/分で20.00℃から500.00℃まで加熱する。
3. 10.0分間500.00℃に保持する。
4. 10.00℃/分で500.00℃から20.00℃まで加熱する。
5. 60.0分間20.00℃に保持する。
このプロットは、図2のプロットよりも一段と単純であり、170℃のところにちょうど単一のガラス/ガラス転移温度Tgを示しているが、470℃を越える温度まで失透点が無いことを示している。Tgと調査した中で最も高い温度との間には大きな温度間隔がある。
【0013】
本発明は、2つの光学コンポーネントの対向した表面を接合する方法であって、少なくとも一方の前記表面にガラス失透温度Tclよりも実質的に低いガラス転移温度Tgをもつ結合用ガラスの薄い層を設ける工程と、前記表面相互間に1又は複数の被膜だけを設けた状態で前記表面を互いに合わせて集成体を形成する工程と、集成体を圧力下において、TgとTclとの間に位置し、ガラスを軟化させてコンポーネントを互いに結合するのに十分に高い温度Tbまで加熱する工程とを有していることを特徴とする方法を提供する。
【0014】
Tb及び結合用ガラス材料の選択を含む接合の実施条件は好ましくは、互いに結合されるコンポーネント又はこれらの表面を破壊し又は歪めることにより、或いはこれらコンポーネントに非可逆性相変化を生じさせることによりこれらコンポーネントのうちの何れかに望ましくない変化が無いように選択される。大抵の場合、コンポーネントが結合プロセスにより実質的に全く影響を受けないこと、或いは少なくとも結合プロセスの実施後、たとえ或る形態の変化がその間に生じたとしても、コンポーネントが開始コンポーネントに実質的に一致することが理想である。しかしながら、Tbが望ましい変化、例えば一方のコンポーネントの材料中に非可逆的相変化を引き起こして改変されるが望ましい性質を持つコンポーネントを生じさせるよう選択される場合があることが計画される。
【0015】
結合の実施条件は好ましくは、結合表面相互間からのガラスのはみ出しが実質的に無いようにすると共に(或いは)1又は複数の薄い層の厚さが実質的に一定のままであるよう選択される。
接合用ガラスが周囲温度よりも高い複数のガラス転移温度を示す場合、Tbは好ましくは、第1のガラス転移温度と第2のガラス転移温度との間に位置するよう選択される。
【0016】
好ましくは、結合用ガラスは、結合サイクルを可逆的に受け、サイクルの終わりにおけるその性質がサイクルの開始時における性質に実質的に等しいものであるよう選択される。図1のガラスは、この基準に合わず、したがって好ましい材料ではない。図2及び図3のガラスは、この基準に一致する好ましい材料である。
【0017】
好ましくは、結合用ガラスは、失透温度に達する前では1つのガラス転移温度を有するに過ぎず、したがって図3のガラスは図2のガラスよりもより好ましい。
好ましくは、ガラス転移温度(第1のガラス転移温度)と別のガラス転移温度であれ失透温度であれ何れにせよ任意他の転移温度との間には少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも100℃、更により好ましくは少なくとも150℃の間隔がある。この基準では、図3のガラスはこの場合も又、図2のガラスよりも好ましい。ただし、両方とも、これよりも広い基準には適合している。
【0018】
結合用ガラスの屈折率は好ましくは、接合されるべき2つのコンポーネントの屈折率(即ち、接合されるべき表面を提供する材料の屈折率)にほぼ等しい。理想的には、接合用ガラスは、接合されるべき材料の2つの屈折率(これらは、互いに等しくても等しくなくてもよい)の積の平方根に実質的に等しい値Rgを有する。これは、接合ガラス層とのインタフェースのところでの望ましくない反射を減少させる。かくして、接合用ガラスの屈折率は好ましくは、Rgの20%以内(即ちRg±20%)、より好ましくは15%以内、より好ましくは10%以内、最も好ましくは5%以内である。
【0019】
このガラスは、無機ガラス、例えばカルコゲナイドガラス又は非晶質硫化砒素である。Ge−As−Se−Te系を基材とする赤外線透過性カルコゲナイドガラスは、屈折率がn=3.00〜3.45の範囲を備えるよう作製されている。これらガラスは又、RFスパッタリング法を用いて首尾良くシリコン(n=3.43)及びGaAs(n=3.28)基材上にコーティングされ、層厚さは0.1ミクロン〜3ミクロン以上である。
接合用ガラスは、Ge、As、Se及びTeを含むのがよく、好ましいガラスの一範囲は、一般式Ge(x-a)AsaSe(100-x-b)Tebを有し、この一般式において25<x≦55(好ましくは25<x≦40)、10≦a≦25、40<b≦70及び(100−x−b)>0(これについては、本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123743.7号明細書を参照されたい)。図1及〜図3のガラスは、この公式に合致しており、かかるガラスの屈折率は一般に、2.1ミクロンにおいて3.0〜3.5、9.3ミクロンではこれよりも僅かに小さな値である。
【0020】
上記公式において、bは好ましくは少なくとも41である。上記公式に合致するガラスの中には、本発明の目的上良好な又は非常に良好な熱特性を示すものがある。さらに、調査した組成物の中には、ガリウム砒素の屈折率、特に30≦x≦40、10≦a≦25、50<b≦70及び(100−x−b)>0の範囲の屈折率を有するものがあり、これら範囲内での組成物の中にはシリコンの屈折率にほぼ等しいものもある。例えば、組成物Ge15As25Se14Te46、Ge20As20Se14Te46、Ge15As15Se5Te65及び図2の組成物はそれぞれ良好な熱特性から非常に良好な熱特性を有し、それぞれ、2.1ミクロンのところにおいて3.267、3.200、3.246、3.447の屈折率を有する。
【0021】
半導体デバイス用のセラミックパッケージを密封するためにガラス状材料、特にカルコゲナイドガラスを用いることが米国特許第4,954,874号明細書(発明者:ミウラ)に開示されているが、光学的特徴については何ら言及されていない。より適切には、かかる材料を用いて簡単な光学的構造中に低光損失結合部を形成することが別の文献で示されており、これについては例えば、米国特許第4,072,782号明細書(発明の名称:ホプキンス、クラマー及びホフマン)及びホプキンス(Hopkins )他著,「ジェイ・アプライド・フィジックス(J Appl Phys.)」,第49巻,3133〜3139ページ(1978年発行)を参照されたい。
【0022】
米国特許第4,072,782号は、腐食又は水に敏感な赤外線窓材料、例えばセレン化亜鉛を例えば硫化亜鉛のより頑丈な外側窓で保護した場合の問題を取り扱っている。この目的のため、かかる米国特許明細書は、As−S−Seガラスにより提供される2つの窓相互間に結合部を用いることを示唆しており、結合部は、主としてガラス材料でできた薄い別々に介在して設けられたウェーハから作られる。具体的に記載されているように、結合は、2つの透明な窓材料片相互間でガラスの20ミル(500ミクロン)厚さのウェーハを真空熱圧することによって実施され、かかる窓材料片は各々、真空蒸発法により10ミクロンのAs−S−Seガラス層で被覆されている。プロセスは、約2時間かかり、その結果、ガラスの大部分が絞り出されて後に2〜5ミクロンの「比較的一様な」中間層が残る。
【0023】
中間ガラスの薄い皮膜を正確な所要厚さで被着させることができるが、厚さにおけるこの正確さは、次に中間材料の大部分が接合されるべき窓相互間から押し出されるような方法では破壊され又は大幅に減少すると考えられる。さらに、米国特許第4,072,782号で特定された窓材料は、形態が多結晶である。かかる米国特許明細書において計画された窓の用途のためには、これら検討事項はどれも重要なものではない。それにもかかわらず、多くの他の光学的構造は、一般に単結晶基材を含むと共に(或いは)中間ガラス層の厚さ及び一様性において正確な制御を必要とし、本発明は、接合されるべき基材が実質的に単結晶である構造の生成を容易にすることができる。
【0024】
対比して言えば、本発明の実施形態は、接合されるべき2つの光学コンポーネントのうち少なくとも一方の表面上に被着されたガラス転移点Tgが比較的低いガラス、好ましくは無機ガラスの薄い層を用い、同種のガラスの介在が無く、或いは全く必要とせず、しかもコンポーネントを接合したとき、ガラスの実質的なはみ出しが無い。これにより、コンポーネントを非常に正確且つ制御可能な間隔で接合することができる。
【0025】
接合されるべき表面のうち一方又は両方に被着された被膜の厚さは、少なくとも一部が表面の特性及びこれらの作製方法により定められることになる。高度の光学的精度を持つ幾つかの表面(表面品質及び表面形態−最も一般的には接合されるべき表面が光学的にフラットであるが、他の形状の表面も本発明の範囲に属する)を作製することは極めて困難であり、又はかかる条件は光学的清浄さを保証できないようなものである。かかる条件下においては、しかしながら生じた表面欠陥が結合用ガラスによって効果的に包囲され、基材表面の密に隣り合った領域の光散乱又は分離に過度に貢献しないようにするためには幾分厚い層が必要な場合がある。
【0026】
好ましくは、一方又は両方の表面上の被膜の厚さは、100ミクロン未満である。一般に、この厚さは、0.1〜20ミクロン、より好ましくは1〜10ミクロン、最も好ましくは5ミクロン以下である。結合されたデバイス中のガラスの最大厚さは、好ましくは20ミクロン、より好ましくは10ミクロン、更により好ましくは6ミクロン、最も好ましくは4ミクロン以下である。しかしながら、これよりも大きな厚さの層は、すぐ前に述べた理由で提供可能である。
【0027】
接合用ガラスの1又は複数の層を任意の標準方法、例えばRFスパッタリング、フラッシュ蒸発、溶剤蒸発又はスピンコーティングにより被着できる。
好ましくは、結合工程は、制御された雰囲気下で実施される。これは、増大した又は減少した圧力、或いは真空に近い圧力を伴う場合があり、雰囲気は、不活性であっても活性であってもよい。
【0028】
第1の特徴の方法は、2つのコンポーネント相互間に強固で光損失の低い結合部を形成することができる。材料及び条件の適切な選択により、結合中、ガラスが何れかの表面上の粒子汚染を包み込んで散乱損失の影響を最小限に抑えるよう結合部を構成でき、しかもかかる結合部は又、表面窪み中に流れ込むのに十分軟らかくなることができ、かくしてこの技術は本来的に研磨するのが困難な結晶材料、例えばZnGeP2への結合に特に有用になる。
「光学コンポーネント」という用語は、ガラス転移温度が低いガラスが被着されるべき表面を提供する単純な一体形基材だけでなく、かかる表面を提供するより複雑なコンポーネントをも意味するようになっている。
【0029】
接合されるコンポーネントの表面は、平らであってもよく、平らでなくてもよく、例えば一寸法(1次元)又は両寸法(2次元)方向において湾曲していてもよいが、明らかに、かかるコンポーネント表面は形状が実質的に相補している必要がある。コンポーネントは、積層状態であるのがよく、例えば光学材料の平らな又は湾曲した側部の平行なシートであるのがよい。変形例として、コンポーネントは、非積層状態のもの、即ち平行な主要表面を備えていないもの、例えば一方に平らな表面を備え又は平らな表面を備えていないレンズであってもよい。
【0030】
コンポーネントは、受動式光学コンポーネント、例えば光学的放射損傷に耐性のある層、又はレンズ、プリズム、ミラー又は振幅回折格子、或いはブルースター窓又は反射防止膜を備えた窓であってよく、或いは、能動式光学コンポーネント、例えば、電気光学コンポーネント、例えば光源(例えば、LED又はレーザダイオード)、検出器(例えば、フォトダイオード)、非線形又はレイジング材料から成るコンポーネント、例えばパラメトリックデバイスであってもよい。
【0031】
コンポーネントの材料はとりわけ例えば、ZnGeP2、シリコン、ガリウム砒素、ゲルマニウム又はニオブ酸リチウムであるのがよい。或る実施形態では、コンポーネントは、スペクトルの赤外線部分で使用されるようになっており又はそのように用いられるのが適している。ただし、本発明は、スペクトルの可視及び(又は)近UV部分にも使用されるコンポーネントにも及ぶ。結合用ガラスは、意図した用途のスペクトルの部分において透過性であるよう選択される。
【0032】
2つの受動式コンポーネント又は2つの能動式コンポーネント、例えば、光カプラ又はアイソレータ中のエミッタ及び検出器、又は受動式コンポーネントと能動式コンポーネントを互いに結合することができる。
とりわけ、本発明の実施形態では、レンズが半導体LED又はフォトダイオードに接合され、保護窓が非線形光学層に接合される。
このように接合された多数の隣り合う対を持つコンポーネントのスタックは、適当に被覆が施されたコンポーネントをスタック集成体内に配置し、集成体全体に熱及び圧力を加えることにより同時に形成できる。変形例として、スタックは、接合部を一度に1つ形成することにより又は任意の中間プロセスにより順次形成できる。
【0033】
本発明の別の特徴は、読者が参照する特許請求の範囲及び本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むと明らかになろう。
1.レンズ付き半導体電気光学コンポーネント
ゲルマニウムレンズを赤外線半導体ガスセンサ装置、例えば発光ダイオード(LED)又は検出器に結合してデバイス性能を向上させるコンパクトで安価な方法を提供することが知られている。検出器の場合、見かけのサイズが増大し、高屈折率材料で作られたLEDの場合、これは外部効率を向上させる際及びエミッションプロフィールを付形する際に非常に顕著な利点がある。
【0034】
現在行われている結合は、レンズをグルーで半導体デバイスに接着することによって達成されるが、この技術は、グルー厚さ又は空隙が0.2ミクロン未満であることが必要であり、かくして表面平坦度(λ/10よりも良好な表面平坦度)、表面プロフィール及び清浄さの厳密な制御が必要なので信頼性が低く且つ非常に困難であることが判明した。インタフェースロスを最小限に抑え、大量生産に適した半導体デバイスへのレンズの結合技術が必要であり、本発明は、顕著な技術的進歩をもたらすものと考えられる。以下の本発明の実施形態では、光学コンポーネントを半導体電気光デバイスに結合する低融点(<200℃)赤外線透過性ガラスの使用法が説明される。
【0035】
ゲルマニウム凸レンズ及びGaAsLEDの対向していると見込まれる平らな表面を「表面被膜」の項目で説明されているようなRFスパッタリングにより厚さ約5ミクロンのGe15As15Se17Te53のガラスの層で被覆する。次に、これらを所望の整列状態で合わせ、集成体に制御された圧力及び温度サイクルを施して強固な低光損失結合部を形成する。サイクル中の最高温度は、200℃未満であり、サイクルは、ガスが粒子汚染物を包み込んで散乱損失の影響を最小限に抑えるよう設計されている。
レンズに代えて光学格子又は他の干渉デバイス、例えばフレネルレンズを用いてもよい。
【0036】
2.保護光学コンポーネント
光学結晶の光損傷しきい特性を向上させる技術が説明されている。これについては、例えば、1997年10月に発行された米国特許第5,680,412号明細書(発明者:デマリア等;発明の名称:Apparatus for improving the optical intensity induced damage limit of optical quality crystals)を参照されたい。これら方法では光学的に透明な材料の厚い片(数mm)を非被覆状態の光学結晶の端面に取り付ける。通常、バルク光学結晶よりも光損傷及び熱特性が向上していて、場合によっては、次に行われる誘電体被膜が得られるよう向上した表面仕上げを提供する材料が選択される。
【0037】
材料に関する主要な要件は、材料/結晶インタフェースのところでの反射損失を最小限に抑えるためにバルク光学結晶の屈折率と類似した屈折率を持つことにある。かかる選択の一例は、中赤外領域中における向上した非線形光学結晶を生じさせるためにGaAs(n=3.3)をZnGeP2結晶(n=3.1)に取り付けることである。今日まで実際に行われた取付け技術は、直接的な光学的接触を利用している。これには、バルク結晶の注意深い表面前処理(それ自体困難な場合がある)と端面材料の注意深い表面前処理の両方が必要である。必要ならば、次に、取り付けられた材料をいったん定位置で接触させると、これに標準の誘電体被膜法を用いて反射防止膜を施すのがよい。
取付け材料は、平らな層、例えばディスク又はブルースターカットプリズムの形態を取るのがよく、これによりAR膜は一段と不要になる。
【0038】
GaAs(n=3.3)の保護単層の主要フェース及びZnGeP2結晶(n=3.1)の主要フェースの各々をGe−As−Se−Te系の低軟化点ガラスの薄い層で被覆し、炭素及び結晶を被覆表面と接触状態で集成し、炭素又は結晶の何れの機械的又は光学的性質に影響を及ぼすことなく熱及び圧力を加えて集成体を互いに結合する。結合された集成体は、中赤外領域中での改良された非線形光学結晶として有用である。
【0039】
大開口位相(Large Aperture Phase)リターデーションプレート
位相リターデーションプレート又は波長板は、レーザ又は他の光ビームの偏光状態を変えるために一般に用いられている。これらは、或る特定の結晶光学材料又はポリマーフィルムの複屈折という性質を利用しており、四分の一又は二分の一波長のリターデーションをもたらす0次(1次)又は多次プレートとして供給される場合が多い。多次プレートは、四分の一又は二分の一波長厚さの何れかの奇数整数倍をもたらす厚さを持つ単一の複屈折プレートから作られている。
【0040】
0次波長板は、光軸が相互に直交して配置された2つの複屈折プレートから作られ、これらプレートは、正確に四分の一又は二分の一波長厚さが互いに異なっている。これら厚い2枚のプレートが用いられる理由は、大抵の複屈折結晶の二分の一波長厚さの四分の一は薄すぎて単一プレートから0次波長板を安定的に製作することができないからである。多次プレートと比較して、0次プレートは、向上した受光角、バンド幅及び動作温度範囲をもたらすが、製造はより複雑である。というのは、2枚のプレートを取り付ける必要があるからである。さらに、2つの追加の光学表面が存在することにより、反射損失が増大する。
【0041】
現在、0次波長板を製作するには、2枚のプレートを光学的に接触させ又はこれらプレートをこれらプレート相互間に空隙を設けた状態で締付けリング内に設け、或いはこれらプレートを光学的に透明なセメントで互いに接着している。各技術はこれと関連した欠点がある。結晶石英及びマイカは、可視及び近赤外線領域について複屈折材料として一般に用いられているが、中から遠赤外線領域に用いられるのに適した複屈折材料の選択は非常に制限される。
【0042】
サファイアは、中赤外線領域(2〜5.5ミクロン)で一般に用いられている。遠赤外線領域(6〜12ミクロン)についてはCdSを用いることができるが、これは、空隙法で用いられる必要がある。というのは、利用できる適当な光学セメントが無く、光学的接触が困難だからである。CdSの比較的高い接触率(5ミクロンでn=2.2)は、4つのインタフェースから高いフレネル反射損失を生じさせ、その結果非被覆状態の0次波長板について全体で55%の透過率となる。さらに、後者が原因となって、望ましくないエタロン効果が生じる場合がある。
【0043】
本発明の方法の利用により、単一の複屈折プレート又は2枚の複屈折プレートの何れかを用いる0次波長板を提供することが可能になる。
図4は、2枚の複屈折プレート1,2の各々の表面をそれぞれガラス層3,4で被覆し(図4a)、次に圧力及び熱を加えることによりプレートを互いに結合する(図4b)ことによって0次波長板を形成する方法を概略的に示している。結果的に得られたガラス層5の厚さは、重要ではないが、プレート表面上の粒子汚染物を包み込むのに十分であるべきである。その屈折率は、上述の基準に従ってプレート1,2の屈折率を整合させるよう選択されたものであることが必要である。ガラスの熱的性質並びに結合温度及び圧力は、プレート1,2の性質を考慮に入れて選択されることが必要となろう。ガラス被膜を被着させるのに用いられる方法は、上述の方法のうち任意のものであってよく、接合されるべきコンポーネントの一方にのみ施された被膜を用いることが可能であるが、これは好ましくはない。
【0044】
図4の構成例では、依然として4つの光学的インタフェースがあり、2枚のプレートを提供することが必要であり、これらプレートは結合製品内で正確に差し向けられるようにすることが必要である。
図5は、本発明の利用により達成できる0次波長板の変形形態を示している。この場合、図4のプレート1に代えて非複屈折基材6を用い(図5a)、基材6とプレート2の結合(図5b)後、プレート2を所望の四分の一又は二分の一波長の光学的厚さの層7まで研磨する(図5c)。好ましくは、基材6の屈折率は、プレート2の屈折率に厳密に整合するよう選択され、ガラスの屈折率は上述したように基材6及びプレート2の屈折率の積の平方根にほぼ等しいことが必要である。
【0045】
この設計は、必要とされるコストのかかる材料処理量を減少させるだけでなく、2枚のプレートの相互の向きについての要件を緩和する。
図4及び図5に示す集成体では、複屈折プレートは、屈折率が2.2のCdSのものであるのがよく、この場合、結合に適したガラスは、三硫化砒素である。後者は、市販されていて容易に手に入り、これは約210℃という低い軟化温度を有し(したがって、結合は250℃以下で起こり得る)、良好な光学的透明度及び2.4という屈折率を有している。図5では、この場合非複屈折基材6は、セレン化亜鉛(屈折率が2.4)のものである。
【0046】
このように0次波長板を作製することにより、これら波長板は、機械的に頑丈に作製可能であると共に大きな開口を有する。空隙が無く、締付けリングが不要である。図5の構成では、基材の厚さは任意所望のものであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ガラス相転移を示す例示の示差熱分析プロットを示すグラフ図である。
【図2】ガラス相転移を示す例示の示差熱分析プロットを示すグラフ図である。
【図3】ガラス相転移を示す例示の示差熱分析プロットを示すグラフ図である。
【図4】本発明の方法を用いて製造された0次波長板の構成例を示す図である。
【図5】本発明の方法を用いて製造された0次波長板の構成例を示す図である。
Claims (47)
- 2つの光学コンポーネントの対向した表面を接合する方法であって、少なくとも一方の前記表面にガラス失透温度Tclよりも実質的に低いガラス転移温度Tgをもつ結合用ガラスの薄い層を設ける工程と、前記表面相互間に1又は複数の被膜だけを設けた状態で前記表面を互いに合わせて集成体を形成する工程と、集成体を圧力下において、TgとTclとの間に位置し、ガラスを軟化させてコンポーネントを互いに結合するのに十分に高い温度Tbまで加熱する工程とを有していることを特徴とする方法。
- 一方又は両方の表面上の結合用ガラス層の厚さは、100ミクロン以下であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 接合は、結合された表面相互間からのガラスの実質的なはみ出しが無いような条件下で行われることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
- 接合は、1又は複数の薄い層の厚さが実質的に不変のままであるような条件下で行われることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
- 結合用ガラスは、周囲温度よりも高い複数のガラス転移温度を示し、Tbは、第1のガラス転移温度と第2のガラス転移温度との間に位置するよう選択されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の方法。
- 結合用ガラスは、失透温度に達する前はガラス転移温度を1つだけ持つことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一に記載の方法。
- 結合用ガラスは、無機ガラスであることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一に記載の方法。
- 結合用ガラスは、カルコゲナイドガラスであることを特徴とする請求項6記載の方法。
- 結合用ガラスは、Ge、As、Te及びSeを含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
- 結合用ガラスの一般式は、Ge(x-a)AsaSe(100-x-b)Teb、25<x≦40;10≦a≦25;40<b≦70及び(100−x−b)>0であることを特徴とする請求項9記載の方法。
- 結合用ガラスは、非晶質硫化砒素であることを特徴とする請求項7記載の方法。
- 少なくとも1つの基材が、ZnGeP2、GaAs、Si、ZnSe、ZnS及びニオブ酸リチウムから選択された材料から成ることを特徴とする請求項8〜11のうち何れか一に記載の方法。
- 結合用ガラスは、結合サイクルを可逆的に受けるよう選択されていることを特徴とする請求項1〜12のうち何れか一に記載の方法。
- 結合用ガラスは、第1のガラス転移温度と、別のガラス転移温度であるにせよ失透温度であるにせよ何れにせよ、次の第1のガラス転移温度よりも高い転移温度との間に少なくとも50℃の間隔があるように選択されていることを特徴とする請求項1〜13のうち何れか一に記載の方法。
- 結合用ガラスは、0.8Rg〜1.2Rgの範囲内にある屈折率を持つよう選択されており、Rgは、接合されるべき2つのコンポーネントの屈折率の積の平方根であることを特徴とする請求項1〜14のうち何れか一に記載の方法。
- 基材は、実質的に単結晶であることを特徴とする請求項1〜15のうち何れか一に記載の方法。
- 一方又は両方の表面上の結合用ガラス層の厚さは、0.1〜20ミクロンであることを特徴とする請求項1〜16のうち何れか一に記載の方法。
- 結合デバイス中のガラスの厚さは、20ミクロン以下であることを特徴とする請求項1〜17のうち何れか一に記載の方法。
- 結合用ガラスの層又は各層は、RFスパッタリング、フラッシュ蒸発、溶剤蒸発及びスピンコーティングから選択された方法により被着されることを特徴とする請求項1〜18のうち何れか一に記載の方法。
- 結合工程は、制御された雰囲気下で実施されることを特徴とする請求項1〜19のうち何れか一に記載の方法。
- 前記表面は、平らであることを特徴とする請求項1〜20のうち何れか一に記載の方法。
- 前記表面は、平らではなく、形状が相補していることを特徴とする請求項1〜20のうち何れか一に記載の方法。
- 少なくとも一方の前記コンポーネントは、光学的放射損傷に強い層、レンズ、プリズム、ミラー、振幅回折格子、ブルースター窓及び反射防止膜付きの窓から選択されることを特徴とする請求項1〜22のうち何れか一に記載の方法。
- 少なくとも一方の前記コンポーネントは、電気光学コンポーネント、非線形材料から成るコンポーネント及びレイジング材料から成るコンポーネントから選択されることを特徴とする請求項1〜23のうち何れか一に記載の方法。
- 少なくとも一方の前記コンポーネントは、半導体材料から成ることを特徴とする請求項1〜24のうち何れか一に記載の方法。
- 前記半導体材料は、ZnGeP2、シリコン、ガリウム砒素及びゲルマニウムから選択されることを特徴とする請求項25記載の方法。
- 少なくとも一方の前記コンポーネントは、ニオブ酸リチウムから成ることを特徴とする請求項1〜26のうち何れか一に記載の方法。
- 一方の前記コンポーネントは、レンズであり、他方の前記コンポーネントは、半導体LED又はフォトダイオードであることを特徴とする請求項1〜27のうち何れか一に記載の方法。
- 一方の前記コンポーネントは、光学的損傷を生じやすく、他方の前記コンポーネントは、かかる損傷を比較的受けないことを特徴とする請求項1〜28のうち何れか一に記載の方法。
- 適当に被覆が施された前記コンポーネントのスタックを形成し、これに熱及び圧力を加えて全てのコンポーネントを同時に互いに接合することを特徴とする請求項1〜29のうち何れか一に記載の方法。
- 少なくとも一方の前記コンポーネントは、複屈折材料のプレートから成ることを特徴とする請求項1〜22のうち何れか一に記載の方法。
- 他方の前記コンポーネントは、複屈折材料のプレートから成ることを特徴とする請求項31記載の方法。
- 他方の前記コンポーネントは、非複屈折材料の基材から成ることを特徴とする請求項31記載の方法。
- 前記コンポーネントを互いに結合した後、複屈折材料の前記プレートの厚さを減少させる工程を更に有していることを特徴とする請求項33記載の方法。
- 請求項1〜29のうち何れか一に記載の方法を繰り返すことにより前記2つのコンポーネントのうちの一方の表面に別のコンポーネントを接合する工程を更に有していることを特徴とする請求項1〜34のうち何れか一に記載の方法。
- 結合用ガラスの前記層は、前記コンポーネントの両方に設けられることを特徴とする請求項1〜35のうち何れか一に記載の方法。
- 前記光学コンポーネントの外側フェースは、誘電体被膜又は反射防止膜を備えていることを特徴とする請求項1〜36のうち何れか一に記載の方法。
- 光学ガラスの層により互いに接合された2つの複屈折プレートコンポーネントから成る0次波長板の形態をした光デバイス。
- 光学ガラスの層により非複屈折基材コンポーネントに結合された単一の複屈折プレートコンポーネントから成る0次波長板の形態をした光デバイス。
- 光学ガラスの層によりレンズ、格子又は干渉コンポーネントに結合された半導体電気光学コンポーネントから成る光デバイス。
- 光学ガラスの層により、保護光学コンポーネントに結合された光学コンポーネントから成る光デバイス。
- 光学ガラスは、無機材料のものであることを特徴とする請求項38〜41のうち何れか一に記載の光デバイス。
- 無機材料は、カルコゲナイドガラス又は三硫化砒素であることを特徴とする請求項42記載の光デバイス。
- 前記コンポーネント及び光学ガラスは、赤外領域の少なくとも一部において透過性であることを特徴とする請求項38〜43のうち何れか一に記載の光デバイス。
- 2つのコンポーネント及び光学ガラスは、中又は遠赤外領域の少なくとも一部において透過性であることを特徴とする請求項44記載の光デバイス。
- 光学ガラスは、2つのコンポーネントに厳密に屈折率整合されていることを特徴とする請求項38〜45のうち何れか一に記載の光デバイス。
- 請求項1及び実質的に請求項1〜46のうち何れか一に記載の2つの光学コンポーネントの隣り合う表面を接合する方法。
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