JP2005505735A - 四輪車両用変速機 - Google Patents

Abstract

【課題】
【解決手段】第２の回転軸（Ｄ）を中心として回転可能なインプットシャフト（８）に設けられている補助管状シャフト（１４）と、この補助管状シャフトを前記インプットシャフトに接続するための複数のギア群（１５、１６）と、前記補助管状シャフトの内部で、第２の回転軸（Ｄ）を中心として回転可能な第1のカウンターシャフト（１７）と、このカウンターシャフトに対向し、第２の回転軸（Ｄ）を中心として回転可能な第２のカウンターシャフト（１８）と、前記補助管状シャフトを前記第１のカウンターシャフトと前記第２のカウンターシャフトとに接続するための遊星ギアユニット（１９）と、前記第２のカウンターシャフトをリアーアウトプットシャフト（１２）に接続するための第１のカスケードギアセット（２５）と、前記第１のカウンターシャフトをフロントアウトプットシャフト（１０）に接続するための第２のカスケードギアセット（２６）とを有する四輪駆動車両用変速機。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、四輪車両の変速機に関する。
【０００２】
さらに具体的にいうと、本発明は、以下の説明が例として言及するように、高性能の四輪駆動車のための変速機に関する。
【背景技術】
【０００３】
周知の事実であるように、ある状態では、高性能車がエンジンから車道にパワーを排出することはとても困難である。近年、それゆえ、多くの主要な車製造業者が四輪駆動を備えている高性能な車モデルをマーケティングし始めている。
【０００４】
エンジンから車道にパワーを排出する課題を効果的に解決することに加えて、そのような解決策はまた、制御、弱いグリップ状態でのロードホールディング、そしてそれゆえの車両の本質的安全を大きく改善するように提供している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、現在市場取引されている四輪駆動車用の変速機は、極端に重く、大きいため、２つの車軸上全体に渡る重量分布と車両内部の配置に対して深刻なデザインの問題を引き起こすという主要な欠点を有している。現在市場取引されている変速機の構造は、実際、オフロードで通常使用されている変速機から直接導かれていて、この変速機の重量や大きさは強度や簡単な構造に対して二次的とみなされている。
【０００６】
本発明の目的は、現在使用されている変速機よりもコンパクトかつ軽量で、高性能車に使用の適した四輪駆動車両用変速機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明では、第１の回転軸を中心として車両エンジンにより回転される駆動トルクインプットシャフトと、車両のフロントアクスルに接続されていているフロントアウトプットシャフトと、車両のリアーアクスルに接続されるリアーアウトプットシャフトとを有する四輪車両用の変速機を提供することである。またこの変速機は、前記第１の回転軸に平行な第２の回転軸を中心として回転するよう、前記インプットシャフトに並んで設けられた補助管状シャフトと、前記インプットシャフトに補助管状シャフトを選択かつ機械的に接続するような複数のギア群と、前記補助管状シャフト内に第２の回転軸を中心として回転するよう備えられている第１のカウンターシャフトと、この第１のカウンターシャフトに対向し、第２の回転軸を中心として回転するよう備えられている第２のカウンターシャフトと、補助管状シャフトを前記第１及び第２のカウンターシャフトに機械的に接続するための遊星ギアユニットと、第２のカウンターシャフトを前記リアーアウトプットシャフトに機械的に接続するための第１のカスケードギアセットと、そして第１のカウンターシャフトを前記フロントアウトプットシャフトに機械的に接続するための第２のカスケードギアセットとを備えていることを特徴とする。
【０００８】
本発明の限定されない実施形態は、以下に添付図面を参照しながら説明されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
図１の符号１は、全体として四輪駆動車ギア変速機を示しており、この変速機は、細長いエンジンを備えている永続的な四輪駆動車において特に効果的に使用されている。
【００１０】
上記タイプの車は、車両内の縦方向に、すなわち車両の縦軸に平行して設けられている内燃焼機関（エンジン）２と、エンジン２から車両の前輪に駆動トルクを伝達するためのフロントアクスル３と、エンジン２から車両の後輪に駆動トルクを伝達するためのリアーアクスル４とを備えている。
【００１１】
図１、２に関して、変速機１が、エンジン２を車両のリアーアクスル４及びフロントアクスル３に機械的に接続し、この変速機の全体のサイズを最小にするように設計されている１つの強固なアウターシェル７内で互いと一体的な中央差動装置６とトランスミッションケース５とを有している。
【００１２】
さらに具体的にいうと、変速機１は、既知のクラッチアセンブリ９によりエンジン２に直接接続されている駆動トルクインプットシャフト８と、第１のプロペラシャフト１１により車両のフロントアクスル３に接続されているフロントアウトプットシャフト１０と、第２のプロペラシャフト１３により車両のリアーアクスル４に接続されているリアーアウトプットシャフト１２とを備えている。
【００１３】
図１、２に関して、インプットシャフト８は、必ずしも必要ではないが、車両の縦軸に平行し、好ましくは、回転軸Ａを中心として回転するように装着されている。フロントアウトプットシャフト１０は、軸Ａに平行している回転軸Ｂを中心として、リアーアウトプットシャフト１２は、軸Ａに平行している回転軸Ｃを中心としてそれぞれ回転するように備えられている。
【００１４】
実施の形態には、インプットシャフト８とリアーアウトプットシャフト１２は、軸Ａ及びＣが一致するよう、互いに対向して一列に並べられている。
【００１５】
図２に関して、インプットシャフト８に平行かつ並んで延長している補助管状シャフト１４と、補助管状シャフト１４をインプットシャフト８に機械的かつ選択的に接続するための複数の対のギア１５とを有している。インプットシャフト８は、各対のギア１５の減速比によって生じる角速度で回転軸Ｄを中心とする補助管状シャフト１４を回転させている。
【００１６】
実施の形態には、各対のギア１５は、補助管状シャフト１４又はインプットシャフト８に永続的に装着されている第１のギア１５ａと、第１のギア１５ａとかみ合い、前記２つのシャフトの他方に自由に回転するように装着されている第２のギア１５ｂと、そして補助管状シャフト１４又はインプットシャフト８に装着されている同期付けユニット１５ｃとを備えている。この補助管状シャフト１４は、第２のギア１５ｂに並び、一方のシャフトから他方のシャフトに駆動トルクを伝達するように装着されているこのシャフトと角度をなして一体かつ選択的に取付けるために設けられている。
【００１７】
さらに具体的にいうと、実施の形態には、変速機１は、次の通り配置されている６つの対のギア１５を有している。４つの連続した対のギア１５は、同期付けユニット１５ｃがインプットシャフト８に位置されるように、インプットシャフト８と補助管状シャフト１４に装着されている。その他２つの対のギア１５は、同期付けユニット１５ｃが補助管状シャフト１４に位置されるようにインプットシャフト８と補助管状シャフト１４に装着されている。
【００１８】
指摘するべきは、第２のギア１５ｂ−それぞれの同期付けユニット１５ｃは実際、２つの隣接している第２のギア１５ｂの間に位置され、この２つの第２のギアをシャフトに接続するように提供している−を稼動するように必要とされている同期付けユニット１５ｃの数を半減させることに加えて、上記の配置は、インプットシャフト８と補助管状シャフト１４の軸の長さを最小にもする。同期付けユニット１５ｃの軸の幅は実際、両シャフトの全体的な軸の長さに作用している。この軸の長さは、インプットシャフト８と補助管状シャフト１４の両方に同期付けユニット１５ｃを配置することにより絶対最小値に縮められている。
【００１９】
図２、５に関して、実施の形態には、変速機１はまた、インプットシャフト８に補助管状シャフト１４を選択かつ機械的に接続するためのカスケードギアセット１６を有している。インプットシャフト８は、対のギア１５によりインプットシャフト８に補助管状シャフト１４を接続することにより形成されている、対方向の軸Ｄを中心として補助管状シャフト１４を回転させ、車両（逆）の移動方向を逆にする。
【００２０】
さらに具体的にいうと、カスケードギアセット１６は、インプットシャフト８に永続的に装着されている第１のギア１６ａと、補助管状シャフト１４に自由な回転方法で装着されている第２のギア１６ｂと、同時にかみ合うように第２のギア１６ｂと第１のギア１６ａに並んで回転するよう装着されている中間ギア１６ｃと、そして補助管状シャフト１４に装着されている同期付けユニット１６ｄとを有している。補助管状シャフト１４は、第２のギア１５ｂに並び、一方のシャフトから他方のシャフトに駆動トルクを伝達するように、第２のギア１５ｂを装着されているシャフトと角度をなして一体かつ選択的に取付けるために設けられている。
【００２１】
前記同期付けユニット１５ｃ、１６ｄは、自動機械部品としてよく知られているのでこれ以上の説明は必要なく、これらのユニットが変速機ケース５の分岐点によりギアをかみ合わせたり、外したりするよう操作する既知の方法のどの説明も必要とされない。
【００２２】
図２、３、４に関して、変速機１はまた、補助管状シャフト１４の内側に備えられている軸Ｄを中心として回転するように設けられている第１のカウンターシャフト１７と、このカウンターシャフト１７に対向し、軸Ｄを中心として回転するように設けられている第２のカウンターシャフト１８と、そしてカウンターシャフト１７と１８の間に位置されている遊星ギア装置１９とを有している。この遊星ギア装置１９は、補助管状シャフト１４がカウンターシャフト１７と１８を同時に回転させるよう、補助管状シャフト１４にカウンターシャフト１７と１８を機械的に接続するよう設けられている。
【００２３】
さらに具体的にいうと、カウンターシャフト１７は、補助管状シャフト１４より長く、補助管状シャフト１４の内部で回転するように設けられ、そして補助管状シャフト１４の外側へ両軸端で突出している。実施の形態には、カウンターシャフト１７の一方の軸端−下記に示されている１７ａは、補助管状シャフト１４の外側へ突出し、フロントアウトプットシャフト１０に対応する軸端１０ａに並んで位置されている。カウンターシャフト１７の他方の端−下記に示されている１７ｂは、遊星ギア装置１９の太陽歯車を規定しているピニオン２０に装着されている。
【００２４】
ピニオン２０に面する補助管状シャフト１４の端は、内部面の歯を有するリングギア２１に一体的にはめ込まれている円形のフランジに正確に装着されている。リングギア２１は、ピニオン２０と同心的であり、ピニオン２０に面して位置されており、そして遊星ギア装置１９の外部リングギアを規定している。
【００２５】
カウンターシャフト１８は、リアーアウトプットシャフト１２の一端に並んで位置され、ピニオン２０に直接的に面しているリアーアウトプットシャフトの端は、３つの対のギア２３を回転するように設けられている円形のフランジ２２に装着されている。
【００２６】
図３、４に関して、各対のギア２３は、ピニオン２０とかみ合っている内側のギア２３ａと、リングギア２１及び内側のギア２３ａが同時にかみ合っている外側ギア２３ｂとを有している。内側のギア２３ａと外側ギア２３ｂは、円形のフランジ２２から延長しているスピンドルで自由に回転するよう設けられ、軸Ｄに平行し、そして遊星ギア装置１９の遊星ギアを規定している。遊星装置は、円形のフランジ２２により明らかに規定されている。
【００２７】
図２、３、５に関して、変速機１はまた、カウンターシャフト１８をリアーアウトプットシャフト１２に機械的に接続するために第１のカスケードギアセット２５と、カウンターシャフト１７をフロントアウトプットシャフト１０に機械的に接続するための第２のカスケードギアセット２６とを有している。実施の形態によると、カスケードギアセット２５は、カウンターシャフト１８とリアーアウトプットシャフト１２とにそれぞれ装着されている２つの相互にかみ合うギア２５ａと２５ｂとを有し、またカスケードギアセット２６は、カウンターシャフト１７の軸端１７ａと、フロントアウトプットシャフト１０とにそれぞれ装着されている２つの相互にかみ合うギア２６ａと２６ｂとを有している。ここで記載され、また説明されているギア変速機１の操作は、一目瞭然である。
【００２８】
ギア変速機１の効果は明らかであり、すなわち部品の高度な一体化は、実にコンパクトかつ軽量な構造の達成を規定し、しかし同時に、エンジン２からフロントアクスル３及びリアーアクスル４へ特に高度な駆動トルクを伝達することが可能である。
【００２９】
インプットシャフト８とリアーアウトプットシャフト１２とは同心的であり、変速機１は、路面により近い車両内に位置されることで車両の重心が低くなり、安定と制御に対して明らかな効果が可能である。
【００３０】
明らかに、複数の変更が、本発明の範囲から逸脱することなしに、しかしながら、ここに記載され、説明されているような変速機１になされる。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】本発明の指示に従い変速機を備えている四輪駆動車両の概略構想図を示している。
【図２】明瞭さのために取り外されたパーツで、図１変速機の切断面を示している。
【図３】図２の拡大図を詳細に示している。
【図４】明瞭さのために取り外されたパーツで、図２、３変速機のラインＩＶ−ＩＶに沿う切断面を示している。
【図５】明瞭さのために取り外されたパーツで、図２変速機のラインＩＩ−ＩＩに沿う切断面を示している。

Claims (9)

1. 第1の回転軸（Ａ）を中心として車両エンジン（２）により回転される駆動トルクインプットシャフト（８）と、
   車両のフロントアクスル（３）に接続されるフロントアウトプットシャフト（１０）と、
   車両のリアーアクスル（４）に接続されるリアーアウトプットシャフト（１２）とを具備する四輪駆動車両用変速機（１）において、
   この変速機（１）は、前記第1の回転軸（Ａ）に平行な第２の回転軸（Ｄ）を中心として回転するように、前記インプットシャフト（８）に並んで設けられている補助管状シャフト（１４）と、
   前記補助管状シャフト（１４）を前記インプットシャフト（８）に機械かつ選択的に接続するための複数のギア群（１５、１６）と、
   前記補助管状シャフト（１４）の内部で、前記第２の回転軸（Ｄ）を中心として回転するように設けられている第1のカウンターシャフト（１７）と、
   前記第１のカウンターシャフト（１７）に対向し、前記第２の回転軸（Ｄ）を中心として回転するように設けられている第２のカウンターシャフト（１８）と、
   前記補助管状シャフト（１４）を前記第１のカウンターシャフト（１７）と前記第２のカウンターシャフト（１８）とに機械的に接続するための遊星ギア装置（１９）と、
   前記第２のカウンターシャフト（１８）を前記リアーアウトプットシャフト（１２）に機械的に接続するための第１のカスケードギアセット（２５）と、前記第１のカウンターシャフト（１７）を前記フロントアウトプットシャフト（１０）に機械的に接続するための第２のカスケードギアセット（２６）とを具備することを特徴とする変速機。
2. 前記フロントアウトプットシャフト（１０）は、第３の回転軸（Ｂ）を中心として回転するように設けられ、また前記リアーアウトプットシャフト（１２）は、第４の回転軸（Ｃ）を中心として回転するように設けられていることを特徴とする請求項１に記載の変速機。
3. 前記インプットシャフト（８）と前記リアーアウトプットシャフト（１２）とは、同心的であることを特徴とする請求項２に記載の変速機。
4. 前記遊星ギア装置（１９）は、前記第１のカウンターシャフト（１７）と前記第２のカウンターシャフト（１８）との間に位置され、
   前記第１のカウンターシャフト（１７）の一端に装着されているピニオン（２０）と、
   このピニオン（２０）と同心的なように、前記補助管状シャフト（１４）により支持されているリングギア（２１）と、
   前記第２のカウンターシャフト（１８）に装着されている遊星装置用のフランジ（２２）に回転するように設けられている複数の遊星ギア（２３）とを有し、
   この遊星ギア（２３）は、前記ピニオン（２０）並びに/もしくはリングギア（２１）とかみ合っていることを特徴とする請求項３に記載の変速機。
5. 前記遊星ギア（２３）は、複数の対になっているギア（２３）を有し、各対のギア（２３）は、
   前記ピニオン（２０）とかみ合っている内側のギア（２３ａ）と、
   前記内側のギア（２３ａ）と前記リングギア（２１）とに同時にかみ合っている外側ギア（２３ｂ）とを有することを特徴とする請求項４に記載の変速機。
6. 前記インプットシャフト（８）を前記補助管状シャフト（１４）に選択的に接続するためのギア群（１５、１６）は、前記補助管状シャフト（１４）を前記インプットシャフト（８）に選択かつ機械的に接続するための複数対のギア（１５）を有し、
   各対のギア（１５）は、
   前記インプットシャフト（８）又は前記補助管状シャフト（１４）に永続的に装着されている第１のギア（１５ａ）と、
   この第１のギア（１５ａ）とかみ合い、前記２つのシャフトの一方に自由に回転するように装着されている第２のギア（１５ｂ）と、
   前記インプットシャフト（８）又は前記補助管状シャフト（１４）に装着され、前記第２のギア（１５ｂ）と並び、一方のシャフトから他方のシャフトに駆動トルクを伝達するように、前記第２のギア（１５ｂ）が装着されている前記シャフトと選択的かつ角度をなして一体的に取付けるように設けられている同期付けユニット（１５ｃ）とを有していることを特徴とする前記全ての請求項のいずれか１に記載の変速機。
7. 前記複数の対のギア（１５）に対応している前記同期付けユニット（１５ｃ）は、前記インプットシャフト（８）と前記補助管状シャフト（１４）とにそれぞれ部分的に位置されていることを特徴とする請求項６に記載の変速機。
8. 前記第１のカスケードギアセット（２５）は、互いにかみ合い、前記第２のカウンターシャフト（１８）と前記リアーアウトプットシャフト（１２）とにそれぞれ装着されている２つのギア（２５ａ、２５ｂ）を具備することを特徴とする前記全ての請求項のいずれか１に記載の変速機。
9. 前記第２のカスケードギアセット（２６）は、互いにかみ合い、前記第１のカウンターシャフト（１７）と前記フロントアウトプットシャフト（１０）とにそれぞれ装着されている２つのギア（２５ａ、２５ｂ）を具備することを特徴とする前記全ての請求項のいずれか１に記載の変速機。

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