JP2005504969A - 高温液体クロマトグラフィー解析を実施するための装置 - Google Patents
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Abstract
高温液体クロマトグラフィー解析を行うためのシステム(図8)であって、移動相を移動相源からシステム中の対応するクロマトグラフィー装置(206)へ移送操作できるように配置された移動相輸送チューブ(202);所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるように移動相輸送チューブに組み合わされた予備加熱装置(212);該予備加熱装置と組み合わされ、カラムを予め定められた温度に維持するための温度維持手段(204)を含む、クロマトグラフィーカラム(206);及び伝導的熱伝達手段によって出口移動相から導入移動相に熱交換操作できる向流熱交換器(212)を含むシステムを提供する。特別な態様において、クロマトグラフィーカラムを通過する移動相は実質的に断熱環境に維持される。
Description
【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明は、一般的に液体クロマトグラフィーシステムに関するものであり、より具体的には、高温で液体クロマトグラフィー解析を行うためのシステムに関するものである。又、この発明は、昇温された又は高温での液体試料についてクロマトグラフィー解析を実施する方法にも関する。
【0002】
(背景技術)
今日、多くの液体クロマトグラフィーシステムが使用されており、これらのシステムでは特別なクロマトグラフィー用途に対して特異的に工夫された種々の組み合わせが利用されている。そのような用途の多くにおいて、高温にすることが移動相中の液体試料の溶離において役に立つことが明らかになっている。一般的事項として、液体移動相の温度を上げると、それに対応して移動相の粘度が下がり、その結果、望ましいクロマトグラフィー解析の特質を維持しながら液体クロマトグラフィーシステムを通過する移動相の流速が上がる。その結果、今日使用される多くの液体クロマトグラフィーシステムは、移動相がシステムに向かうとき、移動相の温度を上げるための加熱手段を利用している。
【0003】
液体クロマトグラフィー加熱装置及びその設計は、クロマトグラフィーシステムを構成する特定の材料によって決まるため、通常、室温から60℃の温度範囲及びゼロから3ml/分の流速に制約される。移動相流を昇温状態で処理するための既存のクロマトグラフィーシステムに対する特定の制約は、液体クロマトグラフィーカラムに使用される充填材料である。そのような充填材料は一般的にはシリカ又はそれより一般的ではないがポリマー系材料である。シリカ系材料は、100℃を越える温度では化学的及び熱的に不安定であり、他方、ポリマー系材料は膨潤し又は変形する傾向にあり使用中に問題を起こす。従って、60℃を越える液体移動相をクロマトグラフィー解析するためには、より耐熱性の材料を使用しなければならない。
【0004】
そのような熱的に安定な材料の例は、200℃を越える温度でも比較的安定な解析分離を提供するジルコニアである。事実、最近の試験で、基材としてジルコニアを用いた充填材料が水の臨海温度(375℃)に近い温度で化学的及び熱的に安定であることが実証された。
【0005】
そのような充填材料によって液体クロマトグラフィーシステムにおける移動相の温度限界を著しく高めることができ、そのため典型的な比較的低温(<60℃)のクロマトグラフィーシステムと比べて多くの利点が提供されている。例えば、高温の移動相液体はそれに相応してより低粘度になり、そのためクロマトグラフィーカラムを通過する流速が上がり、一方、実質的に層流域が維持される。それに加えて、そのような昇温下又は高温下では有利な溶媒の性質が実現できる。例えば、温度が水の臨海温度に向かって上昇するに従い、水は有機溶媒に増々似てくる。実際に、最近の試験及び計算から、水が、250℃において、メタノール及びアセトニトリルのような液体クロマトグラフィー用途において最も普通に使用される純粋な有機溶媒の性質に近い溶媒の性質を表すことが示されている。このように、逆相用途において、高温(200℃)での純水から固定相への溶質の移動は、25℃での純粋な有機溶離液から固定相への溶質の移動と類似している。移動相として水だけを使用することは、外部環境面及び経済面から非常に望ましい。更に、100℃を越えると水の粘度が低下することは、移動相の流速が、標準温度のクロマトグラフィーシステムと比べて実質的に上がり、そのため解析時間が実質的に短くなることから明らかであろう。そのような流速の増大は、より低い粘度とそれに対応したクロマトグラフィーカラム中での移動相の背圧低下によって可能となる。背圧低下により、液体クロマトグラフィーポンプシステムの機械的圧力限界を越えることなく吐出流速増大がもたらされる。高温クロマトグラフィーの更なる利点は、解析者に試料分離最適化のための追加手段及び種々の分析物の分解能向上を提供することである。
【0006】
しかしながら、今日使用されているクロマトグラフィー加熱システムは一般的に60℃未満で運転され、そのため多くの短所を有し、そのような高温液体クロマトグラフィーの全体効率を損なう。いくつかの既存システムでは、移動相に溶解した試料の高温解析のために移動相に熱エネルギーを付与するために、クロマトグラフィーカラムにおいて伝導加熱又は対流加熱が利用されている。そのような手法では、クロマトグラフィーカラムに導入する前に移動相を適切に「予備加熱」することがうまくいかず、そのためクロマトグラフィーカラム内に半径方向又は軸方向に移動相の温度プロファイルが生じる。移動相の温度プロファイルは、一般的にそれがピークをブロード化するため、液体クロマトグラフィー用途においては一般的に望ましくない。
【0007】
いくつかのクロマトグラフィー加熱システムでは、輻射又は対流オーブンが利用され、その中にいくつかのクロマトグラフィー装置が置かれてカラムに輸送される移動相が昇温される。そのようなオーブンは、一般的には、少なくともクロマトグラフィーシステムの一部を加熱外部環境下に収容するために比較的容積が大きいが、それぞれを均一に昇温するという点で成功の度合いは様々である。例えば、各クロマトグラフィー装置内の温度が、オーブン内のその位置によって変わるなど、望ましい温度がオーブン内の全ての場所では達成できない。更に、導入される移動相とオーブンの間に温度差があるため、クロマトグラフィーカラム内の温度が半径方向及び軸方向の両者において変わり得る。オーブン加熱システムで経験する共通の問題は、オーブン内の温度勾配又は実際の運転条件下でのカラムの遅い熱平衡のために、カラム温度が所望の設定温度と異なることである。
【0008】
そのような温度勾配状況を最小化するために利用される一つの方法は、移動相がクロマトグラフィーカラムに向かう前に、移動相を昇温するための予備加熱装置を使用することである。そのような予備加熱器は種々の形態であり得るが、最も典型的には、伝導又は対流手段を介して予め定められた熱エネルギー量を付与する手段が用いられる。そのような予備加熱器は、予め定められた熱エネルギー量を移動相に提供するように一般的にプログラムされているため、変化する外部環境条件と導入される移動相の温度に対して、所望の設定温度に移動相を加熱するよう調整することが既存のシステムでは上手く達成されない。更に、そのような予備加熱器は、カラム内で勾配がない断熱状態に適合する温度で加熱された移動相をクロマトグラフィーカラムに送るように、一般的には最適化されていない。
【0009】
従って、クロマトグラフィーカラム内の温度勾配が最小化されている、高温で液体クロマトグラフィー解析を実施するシステムを提供することが、本発明の主要な目的の一つである。
【0010】
100℃を越えて加熱された移動相中の試料を解析するためのクロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【0011】
クロマトグラフィーカラムを通じて実質的に断熱環境において、加熱された移動相を用いる高温クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の更なる目的の一つである。
【0012】
移動相を十分加熱するのに必要な外部エネルギーが最小化される高温液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の又更なる目的の一つである。
【0013】
クロマトグラフィーカラムから出てくる移動相中に蓄えられた熱エネルギーを利用するための、向流熱交換手段を有する高温液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の又更なる目的の一つである。
【0014】
システム内の種々の位置でエネルギー入力を動的に調整でき、種々の移動相流領域において所望の設定温度を達成できる負荷応答システムを提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【0015】
それぞれのクロマトグラフィー装置を所望の設定温度に維持するための、一つ又はそれより多くの温度制御手段を有する高温液体クロマトグラフィー装置を提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【0016】
カラムとそこを通過する加熱された移動相との間を実質的に断熱環境に維持すべく操作できるように、クロマトグラフィーカラムと組み合わされた温度安定化手段を有する液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の又更なる目的の一つである。
【0017】
移動相の高められた温度を含む、系中の種々の温度を制御するための一つ又はそれより多くの温度感知手段を有する液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の更なる目的の一つである。
【0018】
導入移動相と出口移動相を互いに熱的に接触させる状態にする向流熱交換器、導入移動相を所望の設定温度に昇温させるための予備加熱装置、及び、温度安定化装置を組み合わせて、カラム内の温度勾配を最小化するように、カラム及びそこを通過する加熱された移動相の間を実質的に断熱環境に維持すべく操作できるように、それぞれのクロマトグラフィーカラムに結合させて利用する高温液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の又更なる目的の一つである。
【0019】
(発明の概要)
本発明によれば、100℃を越え臨界温度未満の温度での液体移動相を用いて、又はその中に溶解した試料を解析するための改良された高温液体クロマトグラフィー装置が提供される。本発明のシステムは、好ましくは、クロマトグラフィーカラム内の温度勾配を最小化し、カラムとそこを通過する昇温された移動相の間を実質的に断熱の外部環境に維持するように配置される。そのような100℃を越える温度で液体クロマトグラフィーを実施することにより、水系移動相中の有機溶媒の割合を減ずること、又は、試料にも依存するが、移動相中の唯一の溶媒として水を利用することが可能であり、それに呼応して液体クロマトグラフィー用途において既存の有機溶媒を使用するのに比べて経済面と外部環境面で便益を提供することが見出された。
【0020】
高温液体クロマトグラフィー解析を実施するシステムの一つの態様は、このシステムにおいて、移動相を移動相源から各クロマトグラフィー装置へ移送操作できるように配置された移動相輸送チューブ;所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるようにこの移動相輸送チューブに組合された予備加熱装置;及び、この予備加熱装置と組み合わされ、且つ、その下流に配置されたクロマトグラフィーカラム;を含む。ここで、このクロマトグラフィーカラムは、このカラムとそこを通過する移動相を実質的に断熱環境下に維持するように、温度安定化手段を付随して含有する。この予備加熱装置には、移動相輸送チューブに隣接して配置された伝導的加熱要素が含まれてよく、且つ、この予備加熱装置の構成部分並びにその中の移動相の温度を定めるために、一つ又はそれより多くの温度感知手段が使用される。この温度感知手段は、好ましくは、各要素が予め定められた設定温度に維持されるように加熱要素への電源入力を制御するために使用される温度制御手段又は電源入力制御手段と組み合わされる。このクロマトグラフィーカラムには、好ましくは、カラムを所望の設定温度に維持するためのカラム加熱装置が含まれ、ここで、カラム設定温度は実質的にカラムに入る移動相の温度と等しくなる。
【0021】
この高温クロマトグラフィーシステムのもう一つの態様には、移動相を移動相源から該システムへ移送操作できるように配置された移動相導入管;所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるように該移動相導入管に組合された予備加熱装置;該予備加熱装置と組合されたクロマトグラフィーカラム、ここで、該クロマトグラフィーカラムは、該カラムをそこを通過する移動相と一致する温度に維持するための断熱手段を含む;及び移動相を該カラムから移送操作できるように配置された移動相出口管;が含まれる。ここで、向流熱交換器が、熱交換ゾーンにおいて該導入管と該出口管の各部分の間に置かれ、そのことによって出口移動相中に含まれる熱が伝導的に導入移動相に伝達されるように、該出口管の一部が該熱交換ゾーンにおいて該導入管の一部と近接関係にあるように配置される。
【0022】
又本発明は、高温クロマトグラフィー外部環境中で液体試料を解析する方法も考慮する。この方法には、移動相を移動相源から各クロマトグラフィー装置へ移送操作できるように配置された移動相導入管を備え;所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるように該移動相導入管に組み合わされた予備加熱装置を備え;該予備加熱装置と組み合わされたクロマトグラフィーカラムを備え、その際に、該カラムを、そこを通過する移動相と一致する温度に維持するための断熱手段を該カラムが含み;そして、該移動相を該カラムから移送操作できるように配置された移動相出口管を備え、ここで向流熱交換器が、熱交換ゾーンにおいて該導入管と該出口管の各部分の間に置かれるように、該出口管の一部が該熱交換ゾーンにおいて該導入管の一部と熱的に伝導関係にあるように配置される;ことが含まれる。この方法では、該移動相導入管内と各クロマトグラフィー装置を通して移動相を注入するための移動相ポンプが利用され、且つ、該熱交換ゾーンにおいて、伝導的熱伝達を介して出口移動相から導入移動相に熱を散逸させることが含まれる。次いで、該移動相は該予備加熱装置において予め定められた第一の設定温度まで加熱され、その後、該移動相中に溶解している試料を少なくとも100℃の昇温状態でクロマトグラフィー的に分離し、該カラム全長に亙って実質的に断熱状態にこの昇温状態が維持される。次いで、該熱交換ゾーンにおいて、導入移動相への伝導的熱伝達を介して該移動相が冷却される。次いで、冷却されてクロマトグラフィー的に分離されたこの試料は、該熱交換ゾーンから下流の適切なクロマトグラフィー的検知器中で解析される。
【0023】
(発明の詳細な説明)
上記に列挙された目的及び利点、並びに本発明によって示される他の目的、特徴及び進歩は、本発明の種々の可能な配置を代表する意図を持った添付の図面を参照して記載される詳細な態様によってここに示される。本発明の他の態様及び側面は、当業者の把握する知識の範囲内にあると認識される。
【0024】
ここで、図面について参照用の記号を用いて記載する。先ず図1では、クロマトグラフィー加熱システム10が示されている。システム10は、好ましくは、移動相を移動相源(図示されていない)から各液体クロマトグラフィー装置に移動させるための移動相導入管12を含む。システム10を通して移動相を輸送するための導入管は、耐久性があり、そこを通過する種々の移動相によって引き起こされる劣化の影響を比較的受けにくいことが好ましい。そのような管の材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタン、ハステロイC−22又は劣化その他の反応条件に耐えるあらゆる材料が挙げられる。
【0025】
図1に示されるように、移動相導入管12は予備加熱器14を通るように向っており、その予備加熱器14は、そこを通過する移動相に熱エネルギーを付与するために配置されている。好ましい態様においては、予備加熱器14は、導入管12に隣接し、且つ、熱的接触状態で配置される伝導加熱手段16を含む。このように予備加熱器14は、好ましくは、管12を通って流れる移動相を伝導的に加熱するために、少なくとも一部が導入管12の外周に配置された伝導式加熱器である。従って、好ましくは加熱手段16から熱伝導性の管12へ、更に管12内の移動相へと熱伝達が成される。
【0026】
予備加熱器14の加熱手段16は、好ましくは長い熱伝導性材料であり、電線などの電力入力手段と操作可能に組み合わされる。加熱手段16を構成する材料は、好ましくは入力電力を熱エネルギーに変換し、それが容易に管12に散逸されるように配置される。好ましい態様においては、加熱手段16は、熱伝導性接着剤又ははんだを介して物理的、且つ、熱的に内部に配置される移動相管12と組み合わされる。好ましい態様においては、加熱手段16を管12に溶接するために使用されるはんだは、銀、銅及び亜鉛の混合物を含むが、望ましくは250℃より高い融点を有する接合はんだとして好適ないかなる材料を含んでもよい。
【0027】
加熱手段16としては、種々の配置が採られてよいが、伝導加熱のために加熱手段16の少なくとも一部が移動相導入管12を取り囲む、図1に示される配置が最も好ましい。加熱手段16は、好ましくは、入力電力を熱エネルギーに比較的高効率で変換できるものであればいかなる比較的薄い装置であってもよい。好ましい対応において、加熱手段16が50ワットのエネルギーを移動相に伝達する効率は約90%である。いくつかの態様においては、加熱手段16は150ワットまでのエネルギーを移動相に付与するように配置されるが、それよりも大きなエネルギー伝達率も考えられる。移動相導入管12に沿って配置される加熱手段16の長さは、好ましくは、それによって加熱される移動相に所望の熱エネルギー量を付与するのに十分なものである。特別な態様においては、5ml/分の移動相を室温から200〜250℃まで加熱するのに十分なエネルギーを提供するように、予備加熱器14が配置される。
【0028】
予備加熱器14は、好ましくは加熱手段16を取り囲む断熱材料18を含む。図1に示されるように、断熱材料18は、好ましくは加熱手段16の外周を囲み、そうすることで外部環境への熱エネルギー損失を阻止する。断熱材料18は、種々の断熱材料を含んでよく、最も好ましいのはガラス繊維又はその他の鉱物系材料である。断熱層18中に、高温条件下での断熱性に好適な、シリコーン及びポリイミドを含む発泡ポリマーのようなその他の断熱材料が利用されてもよい。
【0029】
移動相導入管12の移動部位22は、好ましくは、予備加熱器14からクロマトグラフィーカラム装置30に移動相を移送する。管12の壁を通って外部環境へ出る熱損失を最小化するために、管12の移動部位22の長さは短いことが好ましい。管12の移動部位22は、好ましくは移動相をカラム32の入口34に移送する。
【0030】
図1に示されるように、クロマトグラフィーカラム装置30は、液体クロマトグラフィー用途で使用するために好ましく採用されるカラムを含む。ここで、液体試料をクロマトグラフィー分離させるのに有用な適切な充填材料が、カラム32内に含まれる。本発明のカラム装置30は好ましくは、少なくとも一部がカラム32の回りに配置されたカラム熱遮蔽加熱器36を含む。好ましい態様において、内部断熱層38は、カラム32の近くを取り囲み、且つ、カラム32と熱遮蔽加熱器36の間に配置される。しかしながら、他の態様において、熱遮蔽加熱器36は、間に配置される内部断熱層38を介さずに直接カラム32に隣接して配置されてもよい。内部断熱層38はいかなる断熱材料を含んでもよいが、ガラス繊維又はその他の鉱物系断熱材料、又は、シリコーン及びポリイミドを含む他の好適な高温発泡ポリマーが、本発明のクロマトグラフィー装置の断熱には特に望ましい。
【0031】
本発明の好ましい態様において、カラム装置30は、カラム32が全長に亙って一定温度を維持し、その温度が入口34での移動相の温度と一致するように配置される。そのようにすることにより、カラム装置30は、カラム32とそこを通過する移動相との間で実質的に断熱環境を維持する。カラム全長に亙ってそのような一定温度を維持するために、カラム32自身の温度を実質的にその中の移動相の温度と同じに維持し、並びに、移動相及びカラム32から外部環境への熱エネルギー損失を防ぐために、熱遮蔽加熱器36は、少なくともその一部がカラム32の外周に至るように配置される。そのため、熱遮蔽加熱器36は、好ましくは、少なくとも部分的にカラム32を取り囲む加熱ジャケットの形態で熱伝導材料を含み、その熱伝導材料は電線のような電力入力手段と組み合わされる。具体的例において、熱遮蔽加熱器36は電線と組み合わされた銅ジャケットを含み、そうすることにより加熱器36と電源(図示されていない)が結合される。運転においては、電力入力の作用でカラム32への伝導熱の伝達が達成され、熱遮蔽加熱器36が昇温する。
【0032】
好ましい態様において、外部断熱層40は少なくとも部分的に熱遮蔽加熱器36を取り囲み、そうすることにより発生熱が熱的に遮蔽される。熱遮蔽加熱器36、カラム32及び移動相から外部環境への熱損失は、本発明の高温要素を周囲外部環境から効果的に隔離することにより、好ましくは最小化される。従って、外部断熱層40は、好ましくはカラム装置30に高度の断熱性を提供する。
【0033】
カラム装置30は、好ましくは、カラム32とそこを通過する移動相との間で実質的に断熱環境が創出されるように配置されるが、熱遮蔽加熱器36から移動相へ熱を加える態様も本発明によって考えられる。そのような方法においては、入口32での導入移動相の温度が、望ましくはカラム32の全長に亙って維持される。従って、熱遮蔽加熱器36内の熱含量が維持されるだけで加えられることはない。実質的に断熱環境を維持するために、導入移動相の温度測定用に移動相温度プローブ42がカラム入口34に隣接して提供される。移動相温度プローブ42は、好ましくは電力入力制御器と組み合わされ、それが熱遮蔽加熱器36への電力入力を制御する。そのようにして、移動相温度プローブ42が熱遮蔽加熱器36への電力入力の調節を支え、そうすることによりカラム32の温度がカラム32の全長に亙って実質的に移動相の温度と等しく維持される。移動相温度プローブ42は、好ましくは典型的な熱電対型装置であり、温度を測定して対応する電気信号を組み合わされた電力入力制御器に伝えるために採用される。最も好ましくは、移動相温度プローブ42は、カラム32内の温度勾配がその全長に亙って最小化されるように、カラム32の入口34に隣接して配置される。
【0034】
本発明のいくつかの態様において、移動相温度プローブ42は、チューブを含む材料が少なくとも熱電対型装置の一部として作用し得るように、移動部導管22自身を含んでもよい。そのような方法において、導管22の長さは、カラム装置30に入る前の外部環境への熱損失を減じるように対応して最小化される。
【0035】
システム10中の各加熱要素に供給される熱エネルギー量が、移動相の流量と組成に対して検量されるという点で、システム10が「負荷対応型」となることが可能な手段が好ましくは提供される。そのような負荷対応型手段を介して、システム10は、導入移動相の流量と組成特性に対して所望の設定温度を達成するために、自動的に、且つ、動的に熱入力を調整する。
【0036】
好ましい態様において、本発明のカラム装置30は、更に、熱遮蔽加熱器36及び電力入力制御手段(図示されていない)と組み合わされる熱遮蔽温度プローブ44を含む。熱遮蔽温度プローブ44は、好ましくは熱遮蔽加熱器36の温度を測定し、そのことによって、カラム32とそこを通過する移動相との間で実質的に断熱環境を維持することに関する情報を電力入力制御手段に提供するために採用される。好ましくは熱遮蔽温度プローブ44は、温度プローブ44を構成する熱電対型装置によって発生する電気的インパルス情報を伝え、その電気的インパルスが電力入力制御器によって解釈されて、熱遮蔽加熱器36への電力入力が対応して調整されるように採用される。熱遮蔽温度プローブ44は、好ましくはカラム装置30内の温度勾配が対応して最小化されるように、移動相温度プローブ42から離れて配置される。
【0037】
図1に示されるように、移動相出口導管24は、好ましくはカラム装置30から出てくる移動相を、更にクロマトグラフィー検出器(図示されていない)を含む各カラムクロマトグラフィー装置に移動させる。移動相出口導管24は、好ましくは各導管との相互作用のため、移動相への、もしあるとすれば、一貫した効果が維持されるように、入口導入管12及び移動部22に使用されるものと同一材料から製造される。
【0038】
ここで、図2に注目すると、図1に示されるシステム10と類似したシステム70が示されている。しかしながら、クロマトグラフィーシステム70には、出口導管76中の出口移動相から入口導管78を通過する導入移動相に熱を伝達するために置かれる向流熱交換器72が含まれる。好ましくは、出口導管76及び入口導管78は熱交換器72内で熱的に接触するように配置される。最も好ましくは、そのような移動相導管は、熱伝導性接着剤、又は、250℃を越える融点を有する、銀と銅のはんだ混合物等のはんだによって熱交換器72内で互いに結合されるが、その他の結合手段も本発明によって考えられる。そのような方法においては、出口移動相及び出口導管76中に蓄えられる熱含量が、熱交換器72内で効果的に導入移動相と入口導管78に伝達される。そのような熱交換法を介して、導入移動相が各クロマトグラフィー装置に入る前に加熱され、一方、出て行く移動相はクロマトグラフィー検出器(図示されていない)中で解析される前に対応して冷却される。入口導管78及び出入口導管76中の移動相の組成及び流量が実質的に類似しているため、導入移動相によって得られる温度が、出口移動相流中に失われる温度と等しく相殺されるというように、熱伝達特性は対称的である。
【0039】
本発明の好ましい態様において、熱交換器72は、少なくとも部分的に移動相導管と組み合わされた断熱層80を含む。断熱層80は、好ましくは外部環境への熱損失を最小化し、且つ、その代わりに熱伝達が出口移動相及び出口導管76から入口導管78中の導入移動相へ集中するように配置される。
【0040】
熱交換器72は、出口移動相流からの熱交換原理によって移動相温度を最初に上げることによって、熱遮蔽加熱器と同様、予備加熱装置に必要な入力熱エネルギーを最小化するように作用する。更に対応して、移動相が適切な温度でクロマトグラフィー検出器に導入されるように、出口移動相流はクロマトグラフィーカラム内での昇温状態から冷却される。
【0041】
図3に示される態様は、図1及び2に示されるものと類似したシステム90を表し、このシステム90は、出口移動相流と導入移動相流との間で熱交換するための熱交換器92を含む。システム90は、更に、加熱装置96及び電力入力制御器(図示されていない)と組み合わされる予備加熱器温度プローブ94を含む。温度プローブ94は、好ましくは、感知した温度に基づいて電気的インパルス情報を電力入力制御手段に提供する熱電対型装置によって、加熱装置96の温度を監視する。そのような方法において、温度プローブ94は、電力入力制御手段との組み合わせで、加熱装置96を所望の設定温度に維持し、且つ、それに対応して、そこを通過する移動相を所望の温度に維持する能力を有する。
【0042】
本発明のいくつかの態様において、本発明の予備加熱装置中で、組み合わせ又は独立して移動相温度プローブを利用してもよい。そのような移動相温度プローブは、好ましくは電気的温度情報を電力入力制御手段に出す機能があり、それによって予備加熱装置を出て行く移動相の温度が所望の設定温度に維持されるように対応して調整される。特別な態様において、予備加熱装置を出て行く移動相の温度は、クロマトグラフィーカラム内での解析過程における定常状態にある移動相の所望の温度より少し高い。本発明のシステム全体における複数の定められた点での移動相のそのような温度制御は、一つ又はそれより多くの上記の温度プローブを利用することによって達成され得る。組み合わせで操作されるそのような温度プローブは、温度を所望の設定値に維持するために、電力入力制御手段が各システム加熱器に指示する電力を調整するために必要な情報を供する。従って、システム全体に亙って移動相と各クロマトグラフィー装置の両者を昇温状態に望ましく維持するために、その他の種々の温度プローブと同様に、上記の温度プローブ装置が利用され、且つ、本発明のシステム全体に亙って分配され得る。
【0043】
図4及び5は、予備加熱装置及びカラム熱遮蔽加熱器の各々への電力入力を電気的に制御するための電気的制御手段を示すブロック図例を表す。図4は、所望により積算機構を含む、本発明の特別な応用において加えられてもよい予備加熱装置のための電気的制御設計を示す。図5は、クロマトグラフィーカラム装置の熱遮蔽加熱器と組み合わされた電気的温度制御手段を示す。図5に示されるように、本発明の熱遮蔽加熱器は複数の加熱領域に分けられてよく、それらは、明確な電気的制御シーケンスによって個々に制御されても制御されなくてもよい。その他の態様において、熱遮蔽加熱器の電気的制御は図5に示されたものよりも少ないか多い、明確な制御シーケンスによって駆動されてよい。本発明の特別な応用において、各加熱要素に加えられる電力は、そこを通過する移動相の流速に比例してよい。そのような場合、一つ又はそれより多くの加熱要素がパルスエネルギー入力によって加熱されてよい。そのようなパルス電力を正確に加えるために、必要な電力入力が移動相の滞留時間と逆比例するとして計算されるように、各温度感知装置の間での移動相の滞留時間を計時することができる。
【0044】
図6は、本発明のシステムの一態様の断面図を示す。図6に示されるように、加熱システム102は、移動相の入口ポート及び出口ポート104を示し、それらの入口ポート及び出口ポート104は、液体クロマトグラフィーシステムの追加成分と繋がっている。入口導管106及び出口導管108は、熱交換器110中で互いに熱的接触から隔離された状態に置かれる。そのような方法において、導管106を通って流れる導入移動相は、予備加熱装置112に導入される前に加熱される。予備加熱装置112は、好ましくは伝導的熱伝達手段を介して導入移動相に伝達される熱エネルギーを提供する。アルミニウム又は銅のような熱伝導性帯114を介して熱エネルギーが導入移動相に提供され、その帯114がそれに隣接して配置されたカートリッジ加熱器116によって伝導的に加熱される。カートリッジ加熱器116は、好ましくは電線118等を介して電気的コネクター装置120と組み合わされる。次いで、予備加熱された移動相は、種々の結合手段によって導管106を介してクロマトグラフィーカラム124へ輸送される。本発明の特別な態様において、カラム124への移動相の流速を制御するために保護カラム128が提供される。
【0045】
図7は、図6に示されたようなシステム102の末端部切断図を示す。図7においてより明確に分かるように、カートリッジ加熱器116は、好ましくは銅又はアルミニウム等の熱伝導性の材料によって囲まれた加熱されたコアを含む。加熱帯114は、伝導性熱伝達が効率的に達成されるように、カートリッジ加熱器116に直ぐ隣接して置かれる。導管106及び108は、加熱帯114に隣接して熱的に接触状態にあるものとして図7に示されている。その他種々の熱伝達配置が本発明によって考えられる。
【0046】
図7に示されるように、システム102は、外側の断熱カバー132、及び、加熱された本発明の成分が好ましくは中に存在する内側の密閉できる容器134を有する、選択的に密閉できる容器130を含んでもよい。容器134が密閉されている場合、その内部に温度制御された外部環境が得られる。そのような方法において、断熱された容器130内で一貫した高温クロマトグラフィー解析が達成できる。図7に示されるように、容器132及び134は、解析終了後に過剰の熱が迅速に伝搬するように、各々選択的に密閉され得る。更に、本発明の選択的密閉手段によって、使用及び洗浄のために特定のクロマトグラフィー部品に容易に触れることができる。
【0047】
本発明の加熱システムを組み込んだクロマトグラフィーシステムの全体例が図8及び9に示されている。図8を参照すると、注入バルブループ202及び注入バルブ204を介して本発明のシステムに試料を注入するために、液体クロマトグラフィーポンプを含む溶媒移送システムが利用される。そのような溶媒移送システムを介して、本発明の加熱システムに、計量された流速の移動相が好ましくは提供される。図8に示される態様において、本発明の加熱システム206を出てくる出口移動相は、検出器に達する前に望ましく冷却されるように、HPLC検出器208に移動される前に外部向流熱交換器212に向けられる。外部熱交換器212は、移動相を効率的に冷却するために独立した液流を取り込んでもよい。100℃を越える温度を有する移動相によって損傷を受け得る、クロマトグラフィー検出器中の敏感な装置を保護するためには、そのような冷却が望ましい。外部向流熱交換器212を動かすために、熱交換器212の向流領域を通過する十分な移動相流を維持するポンプ又は背圧制御器が提供される。
【0048】
本発明によって考えられる更なる態様においては、導入移動相が、注入バルブループ202及び注入バルブ204に運ばれる前に、外部向流熱交換器212を通過するように向けられることが含まれる。そのような方法においては、クロマトグラフィー検出器に向けられる出口移動相が、外部向流熱交換器212に最初に室温で入る導入移動相との熱交換によって更に冷却されるように、導入移動相流と出口移動相流との間で高められた熱交換冷却が得られる。幾つかの態様においては、注入バルブ204を、そこを通過する過剰な移動相温度から適切に保護するために冷却コイル220が提供されてよい。そのような冷却コイル220には、冷却水チューブ又はその他の冷却流体が含まれてよい。
【0049】
運転において、本発明のシステムは、好ましくは1ml/分から約20ml/分の間、そしてより好ましくは約3ml/分から約10ml/分の間の速度で注入バルブから移動相を受ける。そのような移動相流は典型的な構造の液相ポンプによって動かされる。本発明のいくつかの態様においては、クロマトグラフィーカラムに入れる前に、移動相温度を好ましくは少なくとも約100℃の臨界温度未満の温度まで上げるための適切な加熱手段が提供されさえすれば、20ml/分を越える流速も包含することができる。導入移動相は、好ましくは向流熱交換器を通過するように向かい、そこで出口移動相に含まれる熱が導入移動相に好ましくは伝達され、そうすることにより導入移動相の温度を上げる。次いで、導入移動相は、好ましくは予備加熱装置に向かい、そこには、少なくとも部分的に導入移動相導管の外周に伝導加熱要素が配置される。予備加熱装置によって発生する熱は、好ましくは移動相導管を介して伝導的に導入移動相に伝達される。
【0050】
加熱された移動相は、好ましくは、クロマトグラフィーカラムに熱を伝導的に伝達する能力がある熱遮蔽加熱器を含む温度安定化手段を有するクロマトグラフィーカラム装置に向かう。しかしながら、好ましい態様においては、クロマトグラフィーカラムを通過する全通路での移動相によって発生する温度勾配が最小化されるように、クロマトグラフィーカラムはカラム入口の移動相の温度と実質的に等しい温度に維持される。そのような方法においては、クロマトグラフィーカラムは、カラム壁とそこを通過する移動相との間を実質的に断熱環境状態に維持する。次いで、クロマトグラフィーカラムを出て行く昇温された移動相は、出口移動相内に含有される熱を導入移動相に伝搬するために、好ましくは向流熱交換器を通過して向かう。
【0051】
本発明の好ましい態様において、各々の温度を監視し、且つ、電力入力制御手段が、そのような温度を電力入力制御手段に指示してシステム中の各熱発生装置への入力電力を調整制御できるように、一つ又はそれより多くの温度感知手段がシステムの種々の場所に置かれる。
【0052】
本発明のシステムによって、既存のシステムに対する多くの明確な利点が導入される。本発明によってもたらされる主要な利点は、好ましくは臨界温度未満で100℃を越える温度に移動相中の試料を加熱して解析する本クロマトグラフィーシステムの能力である。そのような昇温下では、システムを通る移動相流速が、熱伝達又はクロマトグラフィー解析特性に悪影響を与えずに対応して増大するような、実質的により低い粘度を、移動相流中で使用される溶媒が有する。システムを通る移動相の流速を上げることによって、システムにおいて要求される解析時間も対応して短縮される。しかしながら、システム中における移動相の滞留時間が短くなっても、クロマトグラフィー解析特性は悪影響を受けない。それはクロマトグラフィー分解能への昇温効果があるためである。事実、移動相の温度を上げると、より短いカラム距離において分離が適切に解像されるように、それに対応してクロマトグラフィーカラムの理論段数が増す。従って、各クロマトグラフィーカラムの分解能は、移動相の温度上昇に伴って比例的に上がる。従って、昇温環境中では、クロマトグラフィーの結果に悪影響を及ぼすことなく、カラム長さと解析時間が実質的に減少する。
【0053】
高温クロマトグラフィーは、クロマトグラフィーシステムの配置全体が利点であるのに加え、移動相中の溶媒として水の使用を増やすことを可能ならしめる。事実、200℃を越える温度では、移動相の溶媒として水のみを使用できるため、有機溶媒に対して経済面及び外部環境面の便益が実現できる。
【0054】
本発明の特別な利点は、少なくとも100℃の温度でクロマトグラフィーシステムを通過する移動相の、加熱及び維持に必要なエネルギー入力の最小化である。本システムにおいて導入される移動相は、好ましくは最初に熱交換領域内で加熱され、ここで、昇温された出口移動相が導入移動相と、互いの伝導的熱伝達のために熱接触させられる。そのような熱伝達によって導入移動相の温度が上げられるため、下流装置によって要求されるエネルギー入力は対応して少なくなる。本発明のシステムは、好ましくは導入移動相を、更に移動相がクロマトグラフィーカラムの下流を通して好ましくは維持される所望の設定温度まで昇温させるための伝導的予備加熱装置を利用する。移動相の温度が所望の設定温度まで上げられると、本発明のシステムは、少なくとも部分的にクロマトグラフィーカラムを取り囲む温度維持手段を好ましくは利用し、そうすることによって実質的断熱環境がカラムとそこを通過する移動相との間に創出される。断熱カラムの設計によって、熱エネルギーの実施的な部分が移動相自身によって供給されるため、カラムに要求されるエネルギー入力が最小化される。従って、実質的に移動相の温度と等しい特定の温度にカラムを維持するためのエネルギーが必要になるだけである。断熱配置により、更にクロマトグラフィーカラム内の温度勾配が最小になり、そのことにより、カラム入口での移動相の温度が、カラムから出て行く移動相の温度と実質的に等しくなる。温度勾配の最小化によって、カラム内で得られるクロマトグラフィー分離の分解能が対応して最適化される。従って、本発明のシステムは、高温クロマトグラフィー解析を実施するために必要なエネルギー負荷を最小化するように配置される。
【0055】
本発明の更なる利点は、クロマトグラフィー装置に沿った種々の場所に位置する一つ又はそれより多くの温度感知装置の利用であり、これらの感知装置は、各加熱手段への入力電力を自動的に調整設定するために動的に制御される電力入力制御手段と組み合わされる。従って、温度設定及び移動相の組成及び流速の情報がシステムオペレーターによって予め定められ、続いて本発明の自動化された温度制御手段によって実施される。特別な用途において、予備加熱装置及びカラム装置の間での移動相からの熱損失がそれによって説明できるように、予備加熱装置を出て行く移動相の温度設定が、クロマトグラフィーカラム全体に定義される設定温度に等しいか又はそれより大きな値に予め定められる。いくつかの態様において、温度感知手段によって、電力入力制御手段との組合せで、システム管理者がシステム全体の種々の場所でのシステム温度を定義し制御することが可能になる。
【0056】
本発明の追加の利点は、所望のクロマトグラフィー特性を維持する一方で、クロマトグラフィーカラムの長さを短くし、且つ、加熱領域の長さを短くすることを含む低量システムを利用することである。そのような低量システムを介すると、比較的多量なシステムと比べて、移動相の温度を上げるための入力電力の必要が低減される。他の態様においては、所望の設定温度に達するまでに必要な立上り時間が実質的に短くなるために、この低量システムへのエネルギー入力が最適化される。それ自身が移動相を運ぶニッケル−クロムチューブ等の加熱要素が、より迅速に移動相を加熱するために、熱エネルギーを伝達するように使用され得る。そのようなチューブは、質量及び抵抗値がそこを通る移動相の迅速加熱に適合する限り、ニッケル−クロムの組合せ以外の材料を含んでよい。
【0057】
特許法に適合させ、新しい原理を応用するために必要な情報を当業者に提供し、且つ、要求されるような本発明の態様を構築して使用するために、本発明は本明細書中で非常に詳細に記載された。しかしながら、本発明が特定の異なる装置によって実施され得ることと、本発明自身の範囲から逸脱することなく種々の修正が成し得ることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の一態様の中心構成物を示す概略図である。
【図2】
図2は、本発明の一代替態様の中心構成物を示す概略図である。
【図3】
図3は、本発明の二つ目の代替態様の中心構成物を示す概略図である。
【図4】
図4は、本発明の予備加熱要素に対する電気的制御機構を示すブロック図である。
【図5】
図5は、本発明のカラム装置内の熱遮蔽加熱器を制御するための電気的制御機構を示すブロック図である。
【図6】
図6は、本発明の一態様の部分断面図である。
【図7】
図7は、図6に示された態様の部分的末端部切断図である。
【図8】
図8は、本発明に従うクロマトグラフィーシステム全体を示す概略図である。
【図9】
図9は、本発明に従うクロマトグラフィーシステムの一代替態様を示す概略図である。
(発明の属する技術分野)
本発明は、一般的に液体クロマトグラフィーシステムに関するものであり、より具体的には、高温で液体クロマトグラフィー解析を行うためのシステムに関するものである。又、この発明は、昇温された又は高温での液体試料についてクロマトグラフィー解析を実施する方法にも関する。
【0002】
(背景技術)
今日、多くの液体クロマトグラフィーシステムが使用されており、これらのシステムでは特別なクロマトグラフィー用途に対して特異的に工夫された種々の組み合わせが利用されている。そのような用途の多くにおいて、高温にすることが移動相中の液体試料の溶離において役に立つことが明らかになっている。一般的事項として、液体移動相の温度を上げると、それに対応して移動相の粘度が下がり、その結果、望ましいクロマトグラフィー解析の特質を維持しながら液体クロマトグラフィーシステムを通過する移動相の流速が上がる。その結果、今日使用される多くの液体クロマトグラフィーシステムは、移動相がシステムに向かうとき、移動相の温度を上げるための加熱手段を利用している。
【0003】
液体クロマトグラフィー加熱装置及びその設計は、クロマトグラフィーシステムを構成する特定の材料によって決まるため、通常、室温から60℃の温度範囲及びゼロから3ml/分の流速に制約される。移動相流を昇温状態で処理するための既存のクロマトグラフィーシステムに対する特定の制約は、液体クロマトグラフィーカラムに使用される充填材料である。そのような充填材料は一般的にはシリカ又はそれより一般的ではないがポリマー系材料である。シリカ系材料は、100℃を越える温度では化学的及び熱的に不安定であり、他方、ポリマー系材料は膨潤し又は変形する傾向にあり使用中に問題を起こす。従って、60℃を越える液体移動相をクロマトグラフィー解析するためには、より耐熱性の材料を使用しなければならない。
【0004】
そのような熱的に安定な材料の例は、200℃を越える温度でも比較的安定な解析分離を提供するジルコニアである。事実、最近の試験で、基材としてジルコニアを用いた充填材料が水の臨海温度(375℃)に近い温度で化学的及び熱的に安定であることが実証された。
【0005】
そのような充填材料によって液体クロマトグラフィーシステムにおける移動相の温度限界を著しく高めることができ、そのため典型的な比較的低温(<60℃)のクロマトグラフィーシステムと比べて多くの利点が提供されている。例えば、高温の移動相液体はそれに相応してより低粘度になり、そのためクロマトグラフィーカラムを通過する流速が上がり、一方、実質的に層流域が維持される。それに加えて、そのような昇温下又は高温下では有利な溶媒の性質が実現できる。例えば、温度が水の臨海温度に向かって上昇するに従い、水は有機溶媒に増々似てくる。実際に、最近の試験及び計算から、水が、250℃において、メタノール及びアセトニトリルのような液体クロマトグラフィー用途において最も普通に使用される純粋な有機溶媒の性質に近い溶媒の性質を表すことが示されている。このように、逆相用途において、高温(200℃)での純水から固定相への溶質の移動は、25℃での純粋な有機溶離液から固定相への溶質の移動と類似している。移動相として水だけを使用することは、外部環境面及び経済面から非常に望ましい。更に、100℃を越えると水の粘度が低下することは、移動相の流速が、標準温度のクロマトグラフィーシステムと比べて実質的に上がり、そのため解析時間が実質的に短くなることから明らかであろう。そのような流速の増大は、より低い粘度とそれに対応したクロマトグラフィーカラム中での移動相の背圧低下によって可能となる。背圧低下により、液体クロマトグラフィーポンプシステムの機械的圧力限界を越えることなく吐出流速増大がもたらされる。高温クロマトグラフィーの更なる利点は、解析者に試料分離最適化のための追加手段及び種々の分析物の分解能向上を提供することである。
【0006】
しかしながら、今日使用されているクロマトグラフィー加熱システムは一般的に60℃未満で運転され、そのため多くの短所を有し、そのような高温液体クロマトグラフィーの全体効率を損なう。いくつかの既存システムでは、移動相に溶解した試料の高温解析のために移動相に熱エネルギーを付与するために、クロマトグラフィーカラムにおいて伝導加熱又は対流加熱が利用されている。そのような手法では、クロマトグラフィーカラムに導入する前に移動相を適切に「予備加熱」することがうまくいかず、そのためクロマトグラフィーカラム内に半径方向又は軸方向に移動相の温度プロファイルが生じる。移動相の温度プロファイルは、一般的にそれがピークをブロード化するため、液体クロマトグラフィー用途においては一般的に望ましくない。
【0007】
いくつかのクロマトグラフィー加熱システムでは、輻射又は対流オーブンが利用され、その中にいくつかのクロマトグラフィー装置が置かれてカラムに輸送される移動相が昇温される。そのようなオーブンは、一般的には、少なくともクロマトグラフィーシステムの一部を加熱外部環境下に収容するために比較的容積が大きいが、それぞれを均一に昇温するという点で成功の度合いは様々である。例えば、各クロマトグラフィー装置内の温度が、オーブン内のその位置によって変わるなど、望ましい温度がオーブン内の全ての場所では達成できない。更に、導入される移動相とオーブンの間に温度差があるため、クロマトグラフィーカラム内の温度が半径方向及び軸方向の両者において変わり得る。オーブン加熱システムで経験する共通の問題は、オーブン内の温度勾配又は実際の運転条件下でのカラムの遅い熱平衡のために、カラム温度が所望の設定温度と異なることである。
【0008】
そのような温度勾配状況を最小化するために利用される一つの方法は、移動相がクロマトグラフィーカラムに向かう前に、移動相を昇温するための予備加熱装置を使用することである。そのような予備加熱器は種々の形態であり得るが、最も典型的には、伝導又は対流手段を介して予め定められた熱エネルギー量を付与する手段が用いられる。そのような予備加熱器は、予め定められた熱エネルギー量を移動相に提供するように一般的にプログラムされているため、変化する外部環境条件と導入される移動相の温度に対して、所望の設定温度に移動相を加熱するよう調整することが既存のシステムでは上手く達成されない。更に、そのような予備加熱器は、カラム内で勾配がない断熱状態に適合する温度で加熱された移動相をクロマトグラフィーカラムに送るように、一般的には最適化されていない。
【0009】
従って、クロマトグラフィーカラム内の温度勾配が最小化されている、高温で液体クロマトグラフィー解析を実施するシステムを提供することが、本発明の主要な目的の一つである。
【0010】
100℃を越えて加熱された移動相中の試料を解析するためのクロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【0011】
クロマトグラフィーカラムを通じて実質的に断熱環境において、加熱された移動相を用いる高温クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の更なる目的の一つである。
【0012】
移動相を十分加熱するのに必要な外部エネルギーが最小化される高温液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の又更なる目的の一つである。
【0013】
クロマトグラフィーカラムから出てくる移動相中に蓄えられた熱エネルギーを利用するための、向流熱交換手段を有する高温液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の又更なる目的の一つである。
【0014】
システム内の種々の位置でエネルギー入力を動的に調整でき、種々の移動相流領域において所望の設定温度を達成できる負荷応答システムを提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【0015】
それぞれのクロマトグラフィー装置を所望の設定温度に維持するための、一つ又はそれより多くの温度制御手段を有する高温液体クロマトグラフィー装置を提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【0016】
カラムとそこを通過する加熱された移動相との間を実質的に断熱環境に維持すべく操作できるように、クロマトグラフィーカラムと組み合わされた温度安定化手段を有する液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の又更なる目的の一つである。
【0017】
移動相の高められた温度を含む、系中の種々の温度を制御するための一つ又はそれより多くの温度感知手段を有する液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の更なる目的の一つである。
【0018】
導入移動相と出口移動相を互いに熱的に接触させる状態にする向流熱交換器、導入移動相を所望の設定温度に昇温させるための予備加熱装置、及び、温度安定化装置を組み合わせて、カラム内の温度勾配を最小化するように、カラム及びそこを通過する加熱された移動相の間を実質的に断熱環境に維持すべく操作できるように、それぞれのクロマトグラフィーカラムに結合させて利用する高温液体クロマトグラフィーシステムを提供することが、本発明の又更なる目的の一つである。
【0019】
(発明の概要)
本発明によれば、100℃を越え臨界温度未満の温度での液体移動相を用いて、又はその中に溶解した試料を解析するための改良された高温液体クロマトグラフィー装置が提供される。本発明のシステムは、好ましくは、クロマトグラフィーカラム内の温度勾配を最小化し、カラムとそこを通過する昇温された移動相の間を実質的に断熱の外部環境に維持するように配置される。そのような100℃を越える温度で液体クロマトグラフィーを実施することにより、水系移動相中の有機溶媒の割合を減ずること、又は、試料にも依存するが、移動相中の唯一の溶媒として水を利用することが可能であり、それに呼応して液体クロマトグラフィー用途において既存の有機溶媒を使用するのに比べて経済面と外部環境面で便益を提供することが見出された。
【0020】
高温液体クロマトグラフィー解析を実施するシステムの一つの態様は、このシステムにおいて、移動相を移動相源から各クロマトグラフィー装置へ移送操作できるように配置された移動相輸送チューブ;所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるようにこの移動相輸送チューブに組合された予備加熱装置;及び、この予備加熱装置と組み合わされ、且つ、その下流に配置されたクロマトグラフィーカラム;を含む。ここで、このクロマトグラフィーカラムは、このカラムとそこを通過する移動相を実質的に断熱環境下に維持するように、温度安定化手段を付随して含有する。この予備加熱装置には、移動相輸送チューブに隣接して配置された伝導的加熱要素が含まれてよく、且つ、この予備加熱装置の構成部分並びにその中の移動相の温度を定めるために、一つ又はそれより多くの温度感知手段が使用される。この温度感知手段は、好ましくは、各要素が予め定められた設定温度に維持されるように加熱要素への電源入力を制御するために使用される温度制御手段又は電源入力制御手段と組み合わされる。このクロマトグラフィーカラムには、好ましくは、カラムを所望の設定温度に維持するためのカラム加熱装置が含まれ、ここで、カラム設定温度は実質的にカラムに入る移動相の温度と等しくなる。
【0021】
この高温クロマトグラフィーシステムのもう一つの態様には、移動相を移動相源から該システムへ移送操作できるように配置された移動相導入管;所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるように該移動相導入管に組合された予備加熱装置;該予備加熱装置と組合されたクロマトグラフィーカラム、ここで、該クロマトグラフィーカラムは、該カラムをそこを通過する移動相と一致する温度に維持するための断熱手段を含む;及び移動相を該カラムから移送操作できるように配置された移動相出口管;が含まれる。ここで、向流熱交換器が、熱交換ゾーンにおいて該導入管と該出口管の各部分の間に置かれ、そのことによって出口移動相中に含まれる熱が伝導的に導入移動相に伝達されるように、該出口管の一部が該熱交換ゾーンにおいて該導入管の一部と近接関係にあるように配置される。
【0022】
又本発明は、高温クロマトグラフィー外部環境中で液体試料を解析する方法も考慮する。この方法には、移動相を移動相源から各クロマトグラフィー装置へ移送操作できるように配置された移動相導入管を備え;所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるように該移動相導入管に組み合わされた予備加熱装置を備え;該予備加熱装置と組み合わされたクロマトグラフィーカラムを備え、その際に、該カラムを、そこを通過する移動相と一致する温度に維持するための断熱手段を該カラムが含み;そして、該移動相を該カラムから移送操作できるように配置された移動相出口管を備え、ここで向流熱交換器が、熱交換ゾーンにおいて該導入管と該出口管の各部分の間に置かれるように、該出口管の一部が該熱交換ゾーンにおいて該導入管の一部と熱的に伝導関係にあるように配置される;ことが含まれる。この方法では、該移動相導入管内と各クロマトグラフィー装置を通して移動相を注入するための移動相ポンプが利用され、且つ、該熱交換ゾーンにおいて、伝導的熱伝達を介して出口移動相から導入移動相に熱を散逸させることが含まれる。次いで、該移動相は該予備加熱装置において予め定められた第一の設定温度まで加熱され、その後、該移動相中に溶解している試料を少なくとも100℃の昇温状態でクロマトグラフィー的に分離し、該カラム全長に亙って実質的に断熱状態にこの昇温状態が維持される。次いで、該熱交換ゾーンにおいて、導入移動相への伝導的熱伝達を介して該移動相が冷却される。次いで、冷却されてクロマトグラフィー的に分離されたこの試料は、該熱交換ゾーンから下流の適切なクロマトグラフィー的検知器中で解析される。
【0023】
(発明の詳細な説明)
上記に列挙された目的及び利点、並びに本発明によって示される他の目的、特徴及び進歩は、本発明の種々の可能な配置を代表する意図を持った添付の図面を参照して記載される詳細な態様によってここに示される。本発明の他の態様及び側面は、当業者の把握する知識の範囲内にあると認識される。
【0024】
ここで、図面について参照用の記号を用いて記載する。先ず図1では、クロマトグラフィー加熱システム10が示されている。システム10は、好ましくは、移動相を移動相源(図示されていない)から各液体クロマトグラフィー装置に移動させるための移動相導入管12を含む。システム10を通して移動相を輸送するための導入管は、耐久性があり、そこを通過する種々の移動相によって引き起こされる劣化の影響を比較的受けにくいことが好ましい。そのような管の材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタン、ハステロイC−22又は劣化その他の反応条件に耐えるあらゆる材料が挙げられる。
【0025】
図1に示されるように、移動相導入管12は予備加熱器14を通るように向っており、その予備加熱器14は、そこを通過する移動相に熱エネルギーを付与するために配置されている。好ましい態様においては、予備加熱器14は、導入管12に隣接し、且つ、熱的接触状態で配置される伝導加熱手段16を含む。このように予備加熱器14は、好ましくは、管12を通って流れる移動相を伝導的に加熱するために、少なくとも一部が導入管12の外周に配置された伝導式加熱器である。従って、好ましくは加熱手段16から熱伝導性の管12へ、更に管12内の移動相へと熱伝達が成される。
【0026】
予備加熱器14の加熱手段16は、好ましくは長い熱伝導性材料であり、電線などの電力入力手段と操作可能に組み合わされる。加熱手段16を構成する材料は、好ましくは入力電力を熱エネルギーに変換し、それが容易に管12に散逸されるように配置される。好ましい態様においては、加熱手段16は、熱伝導性接着剤又ははんだを介して物理的、且つ、熱的に内部に配置される移動相管12と組み合わされる。好ましい態様においては、加熱手段16を管12に溶接するために使用されるはんだは、銀、銅及び亜鉛の混合物を含むが、望ましくは250℃より高い融点を有する接合はんだとして好適ないかなる材料を含んでもよい。
【0027】
加熱手段16としては、種々の配置が採られてよいが、伝導加熱のために加熱手段16の少なくとも一部が移動相導入管12を取り囲む、図1に示される配置が最も好ましい。加熱手段16は、好ましくは、入力電力を熱エネルギーに比較的高効率で変換できるものであればいかなる比較的薄い装置であってもよい。好ましい対応において、加熱手段16が50ワットのエネルギーを移動相に伝達する効率は約90%である。いくつかの態様においては、加熱手段16は150ワットまでのエネルギーを移動相に付与するように配置されるが、それよりも大きなエネルギー伝達率も考えられる。移動相導入管12に沿って配置される加熱手段16の長さは、好ましくは、それによって加熱される移動相に所望の熱エネルギー量を付与するのに十分なものである。特別な態様においては、5ml/分の移動相を室温から200〜250℃まで加熱するのに十分なエネルギーを提供するように、予備加熱器14が配置される。
【0028】
予備加熱器14は、好ましくは加熱手段16を取り囲む断熱材料18を含む。図1に示されるように、断熱材料18は、好ましくは加熱手段16の外周を囲み、そうすることで外部環境への熱エネルギー損失を阻止する。断熱材料18は、種々の断熱材料を含んでよく、最も好ましいのはガラス繊維又はその他の鉱物系材料である。断熱層18中に、高温条件下での断熱性に好適な、シリコーン及びポリイミドを含む発泡ポリマーのようなその他の断熱材料が利用されてもよい。
【0029】
移動相導入管12の移動部位22は、好ましくは、予備加熱器14からクロマトグラフィーカラム装置30に移動相を移送する。管12の壁を通って外部環境へ出る熱損失を最小化するために、管12の移動部位22の長さは短いことが好ましい。管12の移動部位22は、好ましくは移動相をカラム32の入口34に移送する。
【0030】
図1に示されるように、クロマトグラフィーカラム装置30は、液体クロマトグラフィー用途で使用するために好ましく採用されるカラムを含む。ここで、液体試料をクロマトグラフィー分離させるのに有用な適切な充填材料が、カラム32内に含まれる。本発明のカラム装置30は好ましくは、少なくとも一部がカラム32の回りに配置されたカラム熱遮蔽加熱器36を含む。好ましい態様において、内部断熱層38は、カラム32の近くを取り囲み、且つ、カラム32と熱遮蔽加熱器36の間に配置される。しかしながら、他の態様において、熱遮蔽加熱器36は、間に配置される内部断熱層38を介さずに直接カラム32に隣接して配置されてもよい。内部断熱層38はいかなる断熱材料を含んでもよいが、ガラス繊維又はその他の鉱物系断熱材料、又は、シリコーン及びポリイミドを含む他の好適な高温発泡ポリマーが、本発明のクロマトグラフィー装置の断熱には特に望ましい。
【0031】
本発明の好ましい態様において、カラム装置30は、カラム32が全長に亙って一定温度を維持し、その温度が入口34での移動相の温度と一致するように配置される。そのようにすることにより、カラム装置30は、カラム32とそこを通過する移動相との間で実質的に断熱環境を維持する。カラム全長に亙ってそのような一定温度を維持するために、カラム32自身の温度を実質的にその中の移動相の温度と同じに維持し、並びに、移動相及びカラム32から外部環境への熱エネルギー損失を防ぐために、熱遮蔽加熱器36は、少なくともその一部がカラム32の外周に至るように配置される。そのため、熱遮蔽加熱器36は、好ましくは、少なくとも部分的にカラム32を取り囲む加熱ジャケットの形態で熱伝導材料を含み、その熱伝導材料は電線のような電力入力手段と組み合わされる。具体的例において、熱遮蔽加熱器36は電線と組み合わされた銅ジャケットを含み、そうすることにより加熱器36と電源(図示されていない)が結合される。運転においては、電力入力の作用でカラム32への伝導熱の伝達が達成され、熱遮蔽加熱器36が昇温する。
【0032】
好ましい態様において、外部断熱層40は少なくとも部分的に熱遮蔽加熱器36を取り囲み、そうすることにより発生熱が熱的に遮蔽される。熱遮蔽加熱器36、カラム32及び移動相から外部環境への熱損失は、本発明の高温要素を周囲外部環境から効果的に隔離することにより、好ましくは最小化される。従って、外部断熱層40は、好ましくはカラム装置30に高度の断熱性を提供する。
【0033】
カラム装置30は、好ましくは、カラム32とそこを通過する移動相との間で実質的に断熱環境が創出されるように配置されるが、熱遮蔽加熱器36から移動相へ熱を加える態様も本発明によって考えられる。そのような方法においては、入口32での導入移動相の温度が、望ましくはカラム32の全長に亙って維持される。従って、熱遮蔽加熱器36内の熱含量が維持されるだけで加えられることはない。実質的に断熱環境を維持するために、導入移動相の温度測定用に移動相温度プローブ42がカラム入口34に隣接して提供される。移動相温度プローブ42は、好ましくは電力入力制御器と組み合わされ、それが熱遮蔽加熱器36への電力入力を制御する。そのようにして、移動相温度プローブ42が熱遮蔽加熱器36への電力入力の調節を支え、そうすることによりカラム32の温度がカラム32の全長に亙って実質的に移動相の温度と等しく維持される。移動相温度プローブ42は、好ましくは典型的な熱電対型装置であり、温度を測定して対応する電気信号を組み合わされた電力入力制御器に伝えるために採用される。最も好ましくは、移動相温度プローブ42は、カラム32内の温度勾配がその全長に亙って最小化されるように、カラム32の入口34に隣接して配置される。
【0034】
本発明のいくつかの態様において、移動相温度プローブ42は、チューブを含む材料が少なくとも熱電対型装置の一部として作用し得るように、移動部導管22自身を含んでもよい。そのような方法において、導管22の長さは、カラム装置30に入る前の外部環境への熱損失を減じるように対応して最小化される。
【0035】
システム10中の各加熱要素に供給される熱エネルギー量が、移動相の流量と組成に対して検量されるという点で、システム10が「負荷対応型」となることが可能な手段が好ましくは提供される。そのような負荷対応型手段を介して、システム10は、導入移動相の流量と組成特性に対して所望の設定温度を達成するために、自動的に、且つ、動的に熱入力を調整する。
【0036】
好ましい態様において、本発明のカラム装置30は、更に、熱遮蔽加熱器36及び電力入力制御手段(図示されていない)と組み合わされる熱遮蔽温度プローブ44を含む。熱遮蔽温度プローブ44は、好ましくは熱遮蔽加熱器36の温度を測定し、そのことによって、カラム32とそこを通過する移動相との間で実質的に断熱環境を維持することに関する情報を電力入力制御手段に提供するために採用される。好ましくは熱遮蔽温度プローブ44は、温度プローブ44を構成する熱電対型装置によって発生する電気的インパルス情報を伝え、その電気的インパルスが電力入力制御器によって解釈されて、熱遮蔽加熱器36への電力入力が対応して調整されるように採用される。熱遮蔽温度プローブ44は、好ましくはカラム装置30内の温度勾配が対応して最小化されるように、移動相温度プローブ42から離れて配置される。
【0037】
図1に示されるように、移動相出口導管24は、好ましくはカラム装置30から出てくる移動相を、更にクロマトグラフィー検出器(図示されていない)を含む各カラムクロマトグラフィー装置に移動させる。移動相出口導管24は、好ましくは各導管との相互作用のため、移動相への、もしあるとすれば、一貫した効果が維持されるように、入口導入管12及び移動部22に使用されるものと同一材料から製造される。
【0038】
ここで、図2に注目すると、図1に示されるシステム10と類似したシステム70が示されている。しかしながら、クロマトグラフィーシステム70には、出口導管76中の出口移動相から入口導管78を通過する導入移動相に熱を伝達するために置かれる向流熱交換器72が含まれる。好ましくは、出口導管76及び入口導管78は熱交換器72内で熱的に接触するように配置される。最も好ましくは、そのような移動相導管は、熱伝導性接着剤、又は、250℃を越える融点を有する、銀と銅のはんだ混合物等のはんだによって熱交換器72内で互いに結合されるが、その他の結合手段も本発明によって考えられる。そのような方法においては、出口移動相及び出口導管76中に蓄えられる熱含量が、熱交換器72内で効果的に導入移動相と入口導管78に伝達される。そのような熱交換法を介して、導入移動相が各クロマトグラフィー装置に入る前に加熱され、一方、出て行く移動相はクロマトグラフィー検出器(図示されていない)中で解析される前に対応して冷却される。入口導管78及び出入口導管76中の移動相の組成及び流量が実質的に類似しているため、導入移動相によって得られる温度が、出口移動相流中に失われる温度と等しく相殺されるというように、熱伝達特性は対称的である。
【0039】
本発明の好ましい態様において、熱交換器72は、少なくとも部分的に移動相導管と組み合わされた断熱層80を含む。断熱層80は、好ましくは外部環境への熱損失を最小化し、且つ、その代わりに熱伝達が出口移動相及び出口導管76から入口導管78中の導入移動相へ集中するように配置される。
【0040】
熱交換器72は、出口移動相流からの熱交換原理によって移動相温度を最初に上げることによって、熱遮蔽加熱器と同様、予備加熱装置に必要な入力熱エネルギーを最小化するように作用する。更に対応して、移動相が適切な温度でクロマトグラフィー検出器に導入されるように、出口移動相流はクロマトグラフィーカラム内での昇温状態から冷却される。
【0041】
図3に示される態様は、図1及び2に示されるものと類似したシステム90を表し、このシステム90は、出口移動相流と導入移動相流との間で熱交換するための熱交換器92を含む。システム90は、更に、加熱装置96及び電力入力制御器(図示されていない)と組み合わされる予備加熱器温度プローブ94を含む。温度プローブ94は、好ましくは、感知した温度に基づいて電気的インパルス情報を電力入力制御手段に提供する熱電対型装置によって、加熱装置96の温度を監視する。そのような方法において、温度プローブ94は、電力入力制御手段との組み合わせで、加熱装置96を所望の設定温度に維持し、且つ、それに対応して、そこを通過する移動相を所望の温度に維持する能力を有する。
【0042】
本発明のいくつかの態様において、本発明の予備加熱装置中で、組み合わせ又は独立して移動相温度プローブを利用してもよい。そのような移動相温度プローブは、好ましくは電気的温度情報を電力入力制御手段に出す機能があり、それによって予備加熱装置を出て行く移動相の温度が所望の設定温度に維持されるように対応して調整される。特別な態様において、予備加熱装置を出て行く移動相の温度は、クロマトグラフィーカラム内での解析過程における定常状態にある移動相の所望の温度より少し高い。本発明のシステム全体における複数の定められた点での移動相のそのような温度制御は、一つ又はそれより多くの上記の温度プローブを利用することによって達成され得る。組み合わせで操作されるそのような温度プローブは、温度を所望の設定値に維持するために、電力入力制御手段が各システム加熱器に指示する電力を調整するために必要な情報を供する。従って、システム全体に亙って移動相と各クロマトグラフィー装置の両者を昇温状態に望ましく維持するために、その他の種々の温度プローブと同様に、上記の温度プローブ装置が利用され、且つ、本発明のシステム全体に亙って分配され得る。
【0043】
図4及び5は、予備加熱装置及びカラム熱遮蔽加熱器の各々への電力入力を電気的に制御するための電気的制御手段を示すブロック図例を表す。図4は、所望により積算機構を含む、本発明の特別な応用において加えられてもよい予備加熱装置のための電気的制御設計を示す。図5は、クロマトグラフィーカラム装置の熱遮蔽加熱器と組み合わされた電気的温度制御手段を示す。図5に示されるように、本発明の熱遮蔽加熱器は複数の加熱領域に分けられてよく、それらは、明確な電気的制御シーケンスによって個々に制御されても制御されなくてもよい。その他の態様において、熱遮蔽加熱器の電気的制御は図5に示されたものよりも少ないか多い、明確な制御シーケンスによって駆動されてよい。本発明の特別な応用において、各加熱要素に加えられる電力は、そこを通過する移動相の流速に比例してよい。そのような場合、一つ又はそれより多くの加熱要素がパルスエネルギー入力によって加熱されてよい。そのようなパルス電力を正確に加えるために、必要な電力入力が移動相の滞留時間と逆比例するとして計算されるように、各温度感知装置の間での移動相の滞留時間を計時することができる。
【0044】
図6は、本発明のシステムの一態様の断面図を示す。図6に示されるように、加熱システム102は、移動相の入口ポート及び出口ポート104を示し、それらの入口ポート及び出口ポート104は、液体クロマトグラフィーシステムの追加成分と繋がっている。入口導管106及び出口導管108は、熱交換器110中で互いに熱的接触から隔離された状態に置かれる。そのような方法において、導管106を通って流れる導入移動相は、予備加熱装置112に導入される前に加熱される。予備加熱装置112は、好ましくは伝導的熱伝達手段を介して導入移動相に伝達される熱エネルギーを提供する。アルミニウム又は銅のような熱伝導性帯114を介して熱エネルギーが導入移動相に提供され、その帯114がそれに隣接して配置されたカートリッジ加熱器116によって伝導的に加熱される。カートリッジ加熱器116は、好ましくは電線118等を介して電気的コネクター装置120と組み合わされる。次いで、予備加熱された移動相は、種々の結合手段によって導管106を介してクロマトグラフィーカラム124へ輸送される。本発明の特別な態様において、カラム124への移動相の流速を制御するために保護カラム128が提供される。
【0045】
図7は、図6に示されたようなシステム102の末端部切断図を示す。図7においてより明確に分かるように、カートリッジ加熱器116は、好ましくは銅又はアルミニウム等の熱伝導性の材料によって囲まれた加熱されたコアを含む。加熱帯114は、伝導性熱伝達が効率的に達成されるように、カートリッジ加熱器116に直ぐ隣接して置かれる。導管106及び108は、加熱帯114に隣接して熱的に接触状態にあるものとして図7に示されている。その他種々の熱伝達配置が本発明によって考えられる。
【0046】
図7に示されるように、システム102は、外側の断熱カバー132、及び、加熱された本発明の成分が好ましくは中に存在する内側の密閉できる容器134を有する、選択的に密閉できる容器130を含んでもよい。容器134が密閉されている場合、その内部に温度制御された外部環境が得られる。そのような方法において、断熱された容器130内で一貫した高温クロマトグラフィー解析が達成できる。図7に示されるように、容器132及び134は、解析終了後に過剰の熱が迅速に伝搬するように、各々選択的に密閉され得る。更に、本発明の選択的密閉手段によって、使用及び洗浄のために特定のクロマトグラフィー部品に容易に触れることができる。
【0047】
本発明の加熱システムを組み込んだクロマトグラフィーシステムの全体例が図8及び9に示されている。図8を参照すると、注入バルブループ202及び注入バルブ204を介して本発明のシステムに試料を注入するために、液体クロマトグラフィーポンプを含む溶媒移送システムが利用される。そのような溶媒移送システムを介して、本発明の加熱システムに、計量された流速の移動相が好ましくは提供される。図8に示される態様において、本発明の加熱システム206を出てくる出口移動相は、検出器に達する前に望ましく冷却されるように、HPLC検出器208に移動される前に外部向流熱交換器212に向けられる。外部熱交換器212は、移動相を効率的に冷却するために独立した液流を取り込んでもよい。100℃を越える温度を有する移動相によって損傷を受け得る、クロマトグラフィー検出器中の敏感な装置を保護するためには、そのような冷却が望ましい。外部向流熱交換器212を動かすために、熱交換器212の向流領域を通過する十分な移動相流を維持するポンプ又は背圧制御器が提供される。
【0048】
本発明によって考えられる更なる態様においては、導入移動相が、注入バルブループ202及び注入バルブ204に運ばれる前に、外部向流熱交換器212を通過するように向けられることが含まれる。そのような方法においては、クロマトグラフィー検出器に向けられる出口移動相が、外部向流熱交換器212に最初に室温で入る導入移動相との熱交換によって更に冷却されるように、導入移動相流と出口移動相流との間で高められた熱交換冷却が得られる。幾つかの態様においては、注入バルブ204を、そこを通過する過剰な移動相温度から適切に保護するために冷却コイル220が提供されてよい。そのような冷却コイル220には、冷却水チューブ又はその他の冷却流体が含まれてよい。
【0049】
運転において、本発明のシステムは、好ましくは1ml/分から約20ml/分の間、そしてより好ましくは約3ml/分から約10ml/分の間の速度で注入バルブから移動相を受ける。そのような移動相流は典型的な構造の液相ポンプによって動かされる。本発明のいくつかの態様においては、クロマトグラフィーカラムに入れる前に、移動相温度を好ましくは少なくとも約100℃の臨界温度未満の温度まで上げるための適切な加熱手段が提供されさえすれば、20ml/分を越える流速も包含することができる。導入移動相は、好ましくは向流熱交換器を通過するように向かい、そこで出口移動相に含まれる熱が導入移動相に好ましくは伝達され、そうすることにより導入移動相の温度を上げる。次いで、導入移動相は、好ましくは予備加熱装置に向かい、そこには、少なくとも部分的に導入移動相導管の外周に伝導加熱要素が配置される。予備加熱装置によって発生する熱は、好ましくは移動相導管を介して伝導的に導入移動相に伝達される。
【0050】
加熱された移動相は、好ましくは、クロマトグラフィーカラムに熱を伝導的に伝達する能力がある熱遮蔽加熱器を含む温度安定化手段を有するクロマトグラフィーカラム装置に向かう。しかしながら、好ましい態様においては、クロマトグラフィーカラムを通過する全通路での移動相によって発生する温度勾配が最小化されるように、クロマトグラフィーカラムはカラム入口の移動相の温度と実質的に等しい温度に維持される。そのような方法においては、クロマトグラフィーカラムは、カラム壁とそこを通過する移動相との間を実質的に断熱環境状態に維持する。次いで、クロマトグラフィーカラムを出て行く昇温された移動相は、出口移動相内に含有される熱を導入移動相に伝搬するために、好ましくは向流熱交換器を通過して向かう。
【0051】
本発明の好ましい態様において、各々の温度を監視し、且つ、電力入力制御手段が、そのような温度を電力入力制御手段に指示してシステム中の各熱発生装置への入力電力を調整制御できるように、一つ又はそれより多くの温度感知手段がシステムの種々の場所に置かれる。
【0052】
本発明のシステムによって、既存のシステムに対する多くの明確な利点が導入される。本発明によってもたらされる主要な利点は、好ましくは臨界温度未満で100℃を越える温度に移動相中の試料を加熱して解析する本クロマトグラフィーシステムの能力である。そのような昇温下では、システムを通る移動相流速が、熱伝達又はクロマトグラフィー解析特性に悪影響を与えずに対応して増大するような、実質的により低い粘度を、移動相流中で使用される溶媒が有する。システムを通る移動相の流速を上げることによって、システムにおいて要求される解析時間も対応して短縮される。しかしながら、システム中における移動相の滞留時間が短くなっても、クロマトグラフィー解析特性は悪影響を受けない。それはクロマトグラフィー分解能への昇温効果があるためである。事実、移動相の温度を上げると、より短いカラム距離において分離が適切に解像されるように、それに対応してクロマトグラフィーカラムの理論段数が増す。従って、各クロマトグラフィーカラムの分解能は、移動相の温度上昇に伴って比例的に上がる。従って、昇温環境中では、クロマトグラフィーの結果に悪影響を及ぼすことなく、カラム長さと解析時間が実質的に減少する。
【0053】
高温クロマトグラフィーは、クロマトグラフィーシステムの配置全体が利点であるのに加え、移動相中の溶媒として水の使用を増やすことを可能ならしめる。事実、200℃を越える温度では、移動相の溶媒として水のみを使用できるため、有機溶媒に対して経済面及び外部環境面の便益が実現できる。
【0054】
本発明の特別な利点は、少なくとも100℃の温度でクロマトグラフィーシステムを通過する移動相の、加熱及び維持に必要なエネルギー入力の最小化である。本システムにおいて導入される移動相は、好ましくは最初に熱交換領域内で加熱され、ここで、昇温された出口移動相が導入移動相と、互いの伝導的熱伝達のために熱接触させられる。そのような熱伝達によって導入移動相の温度が上げられるため、下流装置によって要求されるエネルギー入力は対応して少なくなる。本発明のシステムは、好ましくは導入移動相を、更に移動相がクロマトグラフィーカラムの下流を通して好ましくは維持される所望の設定温度まで昇温させるための伝導的予備加熱装置を利用する。移動相の温度が所望の設定温度まで上げられると、本発明のシステムは、少なくとも部分的にクロマトグラフィーカラムを取り囲む温度維持手段を好ましくは利用し、そうすることによって実質的断熱環境がカラムとそこを通過する移動相との間に創出される。断熱カラムの設計によって、熱エネルギーの実施的な部分が移動相自身によって供給されるため、カラムに要求されるエネルギー入力が最小化される。従って、実質的に移動相の温度と等しい特定の温度にカラムを維持するためのエネルギーが必要になるだけである。断熱配置により、更にクロマトグラフィーカラム内の温度勾配が最小になり、そのことにより、カラム入口での移動相の温度が、カラムから出て行く移動相の温度と実質的に等しくなる。温度勾配の最小化によって、カラム内で得られるクロマトグラフィー分離の分解能が対応して最適化される。従って、本発明のシステムは、高温クロマトグラフィー解析を実施するために必要なエネルギー負荷を最小化するように配置される。
【0055】
本発明の更なる利点は、クロマトグラフィー装置に沿った種々の場所に位置する一つ又はそれより多くの温度感知装置の利用であり、これらの感知装置は、各加熱手段への入力電力を自動的に調整設定するために動的に制御される電力入力制御手段と組み合わされる。従って、温度設定及び移動相の組成及び流速の情報がシステムオペレーターによって予め定められ、続いて本発明の自動化された温度制御手段によって実施される。特別な用途において、予備加熱装置及びカラム装置の間での移動相からの熱損失がそれによって説明できるように、予備加熱装置を出て行く移動相の温度設定が、クロマトグラフィーカラム全体に定義される設定温度に等しいか又はそれより大きな値に予め定められる。いくつかの態様において、温度感知手段によって、電力入力制御手段との組合せで、システム管理者がシステム全体の種々の場所でのシステム温度を定義し制御することが可能になる。
【0056】
本発明の追加の利点は、所望のクロマトグラフィー特性を維持する一方で、クロマトグラフィーカラムの長さを短くし、且つ、加熱領域の長さを短くすることを含む低量システムを利用することである。そのような低量システムを介すると、比較的多量なシステムと比べて、移動相の温度を上げるための入力電力の必要が低減される。他の態様においては、所望の設定温度に達するまでに必要な立上り時間が実質的に短くなるために、この低量システムへのエネルギー入力が最適化される。それ自身が移動相を運ぶニッケル−クロムチューブ等の加熱要素が、より迅速に移動相を加熱するために、熱エネルギーを伝達するように使用され得る。そのようなチューブは、質量及び抵抗値がそこを通る移動相の迅速加熱に適合する限り、ニッケル−クロムの組合せ以外の材料を含んでよい。
【0057】
特許法に適合させ、新しい原理を応用するために必要な情報を当業者に提供し、且つ、要求されるような本発明の態様を構築して使用するために、本発明は本明細書中で非常に詳細に記載された。しかしながら、本発明が特定の異なる装置によって実施され得ることと、本発明自身の範囲から逸脱することなく種々の修正が成し得ることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の一態様の中心構成物を示す概略図である。
【図2】
図2は、本発明の一代替態様の中心構成物を示す概略図である。
【図3】
図3は、本発明の二つ目の代替態様の中心構成物を示す概略図である。
【図4】
図4は、本発明の予備加熱要素に対する電気的制御機構を示すブロック図である。
【図5】
図5は、本発明のカラム装置内の熱遮蔽加熱器を制御するための電気的制御機構を示すブロック図である。
【図6】
図6は、本発明の一態様の部分断面図である。
【図7】
図7は、図6に示された態様の部分的末端部切断図である。
【図8】
図8は、本発明に従うクロマトグラフィーシステム全体を示す概略図である。
【図9】
図9は、本発明に従うクロマトグラフィーシステムの一代替態様を示す概略図である。
Claims (38)
- 高温液体クロマトグラフィー解析を実施するためのシステムであって、
(a)該システムにおいて、移動相を移動相源からクロマトグラフィー装置へ移送操作できるように配置された移動相輸送チューブ;
(b)所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるように該移動相輸送チューブに組み合わされた予備加熱装置;及び
(c)該予備加熱装置から出てくる移動相がカラムの方に向かい、且つ、それに伴って、該カラムと該移動相を予め定められた温度に維持するように、該クロマトグラフィーカラムが温度安定化手段を有する該予備加熱装置と組み合わされ、且つ、その下流に配置されたクロマトグラフィーカラム;
を含むシステム。 - 該温度安定化手段が該カラムを、そこを通過する移動相と共に実質的に断熱環境状態に動的に保持する、請求項1記載のシステム。
- 該予備加熱装置が、該移動相輸送チューブに隣接して配置された伝導的加熱要素を含む、請求項1記載のシステム。
- 該加熱要素が少なくとも部分的に該輸送チューブの外周に配置されている、請求項3記載のシステム。
- 該予備加熱装置が少なくとも部分的に該加熱要素の外周に配置された断熱材料を含む、請求項4記載のシステム。
- 該予備加熱装置を通過する移動相の温度を定めるために操作ができるように該予備加熱装置と組み合わされた第一の温度感知手段を含む、請求項1記載のシステム。
- 該感知手段が該予備加熱装置から出てくる移動相の温度を定める、請求項6記載のシステム。
- 該第一の温度感知手段と操作ができるように組み合わされた温度制御手段を含み、移動相の温度が予め定められた第一の設定温度に維持されるように該加熱要素への入力電源を制御するために該温度制御手段が使用される、請求項6記載のシステム。
- 移動相が該カラムの全長に亙って実質的に一定の高温を維持する、請求項1記載のシステム。
- 少なくとも部分的に該カラムの外周に配置された断熱材料を含む、請求項1記載のシステム。
- 該カラムを予め定められた第二の設定温度に維持するためのカラム加熱装置を含む、請求項1記載のシステム。
- 該カラム加熱装置が少なくとも部分的に該カラムの外周に配置された、請求項11記載のシステム。
- 内部及び外部断熱層を含み、該内部断熱層が該カラムに隣接し、且つ、少なくとも部分的にその外周に配置され、該外部断熱層が該カラム加熱装置に隣接し、且つ、少なくとも部分的にその外周に配置されるように、該内部及び外部断熱層が該カラム加熱装置を取囲む、請求項12記載のシステム。
- 予め定められた該第一の設定温度が実質的に予め定められた該第二の設定温度と等しい、請求項11記載のシステム。
- 予め定められた該第一の設定温度が予め定められた該第二の設定温度より高い、請求項11記載のシステム。
- 該カラムに入る移動相の温度を定めるために使用される第二の温度感知手段を含む、請求項12記載のシステム。
- 該カラム加熱装置に、その温度を定めるために操作可能に組み合される第三の温度感知手段を含む、請求項16記載のシステム。
- 該第三の温度感知手段に操作可能に組み合わされる第二の温度制御手段を含み、移動相の温度が予め定められた第二の設定温度に維持されるように該カラム加熱装置への電源入力を制御するために該第二の温度制御手段が使用される、請求項17記載のシステム。
- 該第二の温度制御手段が該第二及び該第三の温度感知手段と、そこでの温度を動的に制御するための操作ができるように組み合わされる、請求項18記載のシステム。
- 高温クロマトグラフィー解析を行うためのシステムであって、
(a)移動相を移動相源から該システムへ移送操作できるように配置された移動相導入管;
(b)所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるように該移動相導入管に組み合わされた予備加熱装置;
(c)該予備加熱装置から出てくる移動相が該カラムの方に向かい、且つ、該クロマトグラフィーカラムが、該カラムをそこを通過する移動相と一致する温度に維持するための断熱手段を含むように該予備加熱装置と操作可能に組み合わされ、且つ、その下流に配置されたクロマトグラフィーカラム;及び
(d)移動相を該カラムから移送操作できるように配置された移動相出口管であって、向流熱交換器が、熱交換ゾーンにおいて該導入管と該出口管の各々の部分の間に置かれ、そのことによって出口移動相中に含まれる熱が伝導的に導入移動相に伝達されるように、該出口管の一部が該熱交換ゾーンにおいて該導入管の一部と近接関係にあるように配置された移動相出口管;
を含むシステム。 - 該予備加熱装置が該移動相導入管に隣接して配置された伝導的加熱要素を含む、請求項20記載のシステム。
- 該加熱要素が少なくとも部分的に該移動相導入管の外周に配置されている、請求項21記載のシステム。
- 該予備加熱装置が少なくとも部分的に該加熱要素の外周に配置された断熱材料を含む、請求項22記載のシステム。
- 該予備加熱装置を出てくる移動相の温度を定めるために、操作可能に該予備加熱装置と組み合わされる第一の温度感知手段を含む、請求項20記載のシステム。
- 温度制御手段が該第一の温度感知手段に操作可能に組み合わされ、移動相の温度が予め定められた第一の設定温度に維持されるように該加熱要素への電源入力を制御するために該温度制御手段が使用される、請求項24記載のシステム。
- 該カラムと、そこを通過する移動相の間を、実質的に断熱の外部環境に保持し、そうすることによって移動相が該カラムの全長に亙って実質的に一定の高温を維持するための、該カラムに付随する温度安定化手段を含む、請求項20記載のシステム。
- 該温度安定化手段が、該カラムを予め定められた第二の設定温度に維持するためのカラム加熱装置を含む、請求項26記載のシステム。
- 該カラム加熱装置が少なくとも部分的に該カラムの外周に配置される、請求項27記載のシステム。
- 内部及び外部断熱層を含み、該内部断熱層が該カラムに隣接し、且つ、その外周に配置され、該外部断熱層が該カラム加熱装置に隣接し、且つ、その外周に配置されるように、該内部及び外部断熱層が該カラム加熱装置を取り囲む、請求項28記載のシステム。
- 該第一の設定温度が該第二の設定温度と実質的に等しい、請求項27記載のシステム。
- 該第一の設定温度が該第二の設定温度より高い、請求項27記載のシステム。
- 該熱交換ゾーンにおいて該導入管と該出口管のそれぞれの部分が、熱伝導性のはんだ材料によって熱伝導関係に保持される、請求項20記載のシステム。
- 該熱交換ゾーンにおいて少なくとも部分的に該導入管と該出口管のそれぞれの外周部分に配置された断熱材料を含む、請求項20記載のシステム。
- 該システムにおける各部分での温度を定めるための一つ又はそれより多くの温度感知手段を含む、請求項20記載のシステム。
- 該温度感知手段と各電力入力手段に操作可能に組み合わされる温度制御手段を含み、該温度制御手段が、該システムにおいて所望の温度が維持されるようにそのような電力入力手段を動的に調整操作できるように使用される、請求項34記載のシステム。
- 該熱交換ゾーンと該予備加熱装置の間に、移動相を所望の温度に冷却するための移動相冷却手段を含む、請求項20記載のシステム。
- 液体クロマトグラフィー解析を200℃を越える温度で行うために使用される、請求項20記載のシステム。
- 高温クロマトグラフィー外部環境で液体試料を解析するための方法であって、
(a)移動相を移動相源から対応するクロマトグラフィー装置へ移送操作できるように配置された移動相導入管を備え;
(b)所望の温度に移動相を加熱するための操作ができるように該移動相導入管に組み合わされた予備加熱装置を備え;
(c)該予備加熱装置から出てくる移動相が該カラムの方に向かい、且つ、該カラムが、該カラムを通過する移動相の温度と一致するように維持するための断熱手段を該カラムが含むように、該予備加熱装置と組み合わされ、且つ、その下流に配置されたクロマトグラフィーカラムを備え;
(d)移動相を該カラムから移送操作できるように配置された移動相出口管であって、熱交換ゾーンにおいて該導入管と該出口管の各部分の間に向流熱交換器が創設され、そのことによって出口移動相中に含まれる熱が伝導的に導入移動相に伝達されるように、該熱交換ゾーンにおいて該出口管の一部が該導入管の一部と熱伝導関係に配置された、移動相出口管を備え;
(e)該移動相導入管内及び該対応クロマトグラフィー装置を通して移動相を注入するための移動相ポンプを利用し;
(f)該熱交換ゾーンにおいて、伝導的熱伝達を介して出口移動相から導入移動相に熱を散逸させ;
(g)更に、該予備加熱装置において導入移動相を予め定められた第一の設定温度に加熱し;
(h)該カラム中の液体移動相を少なくとも100℃の高温でクロマトグラフィー的に分離し、該カラム全長に亙って実質的に断熱状態にこの高温を維持し;
(i)該熱交換ゾーンにおいて該カラムから出て行く出口移動相を、導入移動相への伝導的熱伝達を介して冷却し;そして
(j)分離された移動相を、該熱交換ゾーンから下流の適切なクロマトグラフィー的検知器中で解析する;
ことを含む方法。
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