JP2005504862A - 1,3−ジグリセリド油を製造するための化学的方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、トリグリセリド含有油から1,3−ジグリセリド油を製造するための方法に関する。より詳細には、本発明は、市販の食品用1,3−ジグリセリド油が生成するような条件下でグリセロリシスを進行させるべく、モノカルボン酸またはジカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を使用するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
先進工業国では、肥満症の増加に伴い、循環器疾患、高血圧症、糖尿病といった退行性疾患の発生率も驚くほどの割合で増加している。肥満症の背景には、遺伝的、心理的、社会経済的、および文化的な要因が重なり合っている場合もあるが、もっと単純に損益で説明するならば、肥満症の「原因」はエネルギー消費量に比較したエネルギー摂取量の不均衡にある。人々の間では肥満に伴う健康上のリスクに対する認識が高まる一方であり、より健康的な生活(典型的にはより健康的な食事を含む)を送ろうとする人が増えている。
【0003】
肥満症および病気を増加させた一因として油脂類が槍玉に挙げられてきた。油脂類はバランスのとれた食事には不可欠であるが、先進工業国に住む人々の多くはこれらを必要以上に消費する傾向にある。油脂類を消費させる主な原因は食用油で揚げたり焼いたりした食品にある。人々は食用油がこのようにして食品に吸収されることで生み出される一定の質感、色、および口当たりの良い味わいに慣れてしまっている。これらの食用油や揚げ物を単純に食事から抜いてしまうと、消費者が物足りなさを感じたり、食品の風味や口当たりを損ねてしまうことが多く、そうなると、健康上の利益を見込んでこのような食品を食べようという意欲が長続きしなくなる。その代替品として低脂肪油を用いることは、これまでのところ概ね失敗に終わっている。世間は味に妥協してまで健康を追求したいわけではないようである。より健康的でしかもより口に合う食用油が肥満症および特定の疾患の発生率を抑制する鍵となる可能性がある。
【0004】
米国特許第6,004,611号明細書には、栄養摂取面に独自の利点を持つ食用油組成物が開示されている。この食用油組成物は大部分がジグリセリドであり、そのなかでも実際に有益な成分が1,3−ジグリセリド(この油の40%超を構成する)であると考えられている。トリグリセリドの性質を持つ食用油は、消化を受けると脂肪の構成成分に分解される。この成分は体内でトリグリセリドに合成(package)され、組織に運搬される一方で、余った分は肝臓に取り込まれる。
【0005】
このトリグリセリドは、後に体がエネルギーを必要とするときまで脂肪組織に貯蔵される。ところが人体は、トリグリセリドに対して行っている合成を、1,3−ジグリセリドが消化された後の構成成分に対しては行わない。したがって、1,3−ジグリセリドの成分は肝臓に運搬されて代謝される。同一譲受人からの別の特許公報(欧州特許第0 307 154 B2号明細書、国際公開第99/09119号パンフレット)において、当該発明者らがこのジグリセリド(DG)油の調製方法を開示している。彼らの開示した方法には、トリグリセリド油を分解または部分的に分解することによって、対応する脂肪酸を生成させ、次いでこの脂肪酸を分離して分留し、次に分留された酸をグリセロールと一緒に選択的酵素的エステル化に付すことによって、1,3−ジグリセリドに富むDG油を生成させることが含まれる。このDG油は、色および風味を望ましいものにするべくさらに加工される。この特許には、1,3−ジグリセリドの含有量を増加させるために1,3−位に特異的な酵素をこのエステル化反応に使用することが教示されている。位置特異性を最大限にするべく、脂肪酸およびグリセロール(トリグリセリド(TG)油の脂肪分解反応による生成物)からDG油を調製することも行われていた。
【0006】
国際公開第99/09119号パンフレットに開示されている方法には副次的な作用が幾つかあり、これを克服するためには多大な労力と費用が必要となる。脂肪分解工程を行う間、トリグリセリド油原料は高温および高圧に曝されることから反応生成物は変色し、そのうえ高濃度の微量金属およびトランス脂肪酸が混ざってしまう。また、グリセロールは水溶液として回収されるため、これを次のエステル化反応で使用するためには蒸留して不純物を除去しなくてはならない。脂肪酸についても同様に、食用に適したものにするためには、エステル化を行う前またはエステル化後のいずれかにおいて不純物を除去しなければならない。
【0007】
モノグリセリド(MG)やジグリセリドなどの部分グリセリドは、その位置異性体間で平衡組成を成し、可能な位置異性体が一定の比率となることがずっと以前から知られていた。したがって、たとえ国際公開第99/09119号パンフレットに開示された方法を用いて選択的酵素的エステル化反応を行うことによって高濃度の1,3−ジグリセリドを含むDG油を達成したとしても、エステル化後に貯蔵を経ることで生成物の最終的な1,3−対1,2−ジグリセリドの比率は平衡化してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の概要
1,3−ジグリセリドに富むDG油をより簡単かつより経済的な方法で製造することを試みるなかで、DG油組成物の調製が化学的に行えることが確認された。DG油を化学的に調製すれば、国際公開第99/09119号パンフレットに開示された方法に必要とされる脂肪分解工程、脂肪酸分離工程、浄化工程、および選択的酵素的エステル化工程が不要となる。以下の実施例において説明するように、化学的に調製したジグリセリド油の1,3−対1,2−ジグリセリドの比率は、市販のDG油製品と本質的に同等であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって本発明は、1,3−ジグリセリド油を製造する方法に関するものである。この方法においては、グリセロリシスを達成するべくトリグリセリド含有油を触媒と反応させる。この触媒は、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩のなかから選択されるか、または触媒はこれらの混合物であってもよい。一例として、この触媒は、モノカルボン酸またはジカルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、またはバリウム塩であってもよい。この触媒も、上記したように、こうした組成物の混合物であってもよい。
【0010】
国際公開第99/09119号パンンフレットに開示されている酵素法に対する本化学的方法の別の利点は、様々な物理的性質を有する幅広い種類のDG油製品を様々な用途向け(例えばショートニング、マーガリン、揚げ油等)に製造できることにある。酵素的エステル化は、酵素の耐熱性や、酵素的エステル化をより高い温度で行うとアシル転移が起こることから、製造できる製品が限られている。国際公開第99/09119号パンフレットの文献においては、酵素の安定性および実用性を維持し、かつ、TGの形成を増加させたり位置異性体の割合を変化させる可能性のあるアシル転移を最小限に抑えるべく、エステル化が40℃で実施されていた。多くの脂肪は融点が高いという特性を有しているため、こうした形態のDG製品を酵素法で調製することは実際的ではない。一方、本化学的方法にはそのような制約がない。本化学的方法は、酵素的には製造し得なかったであろう様々なDG油製品を製造する機会を提供するものである。
【0011】
本発明の上述およびその他の特徴および利点は、添付の図面に例示するような本発明の好ましい実施態様に関する以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、1,3−ジグリセリド油を製造するための方法であって、グリセロリシスを達成するべく、トリグリセリド含有油と、グリセロールおよびモノカルボン酸もしくはジカルボン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩またはその混合物を含む触媒とを混合することを含み、その際1,3−ジグリセリド油が生成される、方法を提供するものである。
【0013】
本発明において食用DG油を製造するためのトリグリセリドのグリセロリシスは、最小限の変色と、最小限の触媒量と、最大限のジグリセリド収率とが確保されるような方法で実施する。本発明の方法には様々なトリグリセリド含有油を使用することができる。好ましい実施態様においては、トリグリセリド含有油は、大豆油、キャノーラ油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、バター脂、カカオ脂、イリッペ脂、乳脂、シア脂、ボルネオ脂、豚脂、ラノリン、牛脂、羊脂、動物性脂肪類、ヤシ油、へーゼルナッツ油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、パームステアリン、パームオレイン、パーム核オレイン、パーム核ステアリン、落花生油、菜種油、米糠油、紅花油、植物性油類、魚油類、メンハーデン油、タラ肝油、イワシ油、ニシン油、オレンジラフィー油、部分的もしくは完全に水素添加されるかまたは分留された油、およびこれらの1種またはそれ以上のブレンド物からなる群から選択される。
【0014】
グリセロリシスの結果として得られる生成物は、部分グリセリドと、トリグリセリドおよびグリセロールの残留物との混合物である。グリセロリシス反応によって生成された1,3−ジグリセリド油をさらに単離することができる。好ましい実施態様においては、この反応生成物を中和し、これを水蒸気蒸留工程に付すことによって残留グリセロールをストリッピングする。次いでここから残留触媒を除去し、さらに分子蒸留工程に付すことによって、モノグリセリドをDG油(>80%DG、<15%TG、および<3%MG)から分離する。別の実施態様においては、グリセロールのストリッピングおよび残留MGの分離を行う前に反応生成物の中和を行わない。MG留分は乳化剤用蒸留MGとして販売することができる。MGおよびグリセロールを中和後にまたは予め中和を施さずに反応生成物から回収してもよく、これをさらにグリセロリシス反応に戻して再利用してもよい。冷蔵要件を満たす製品となるよう、DG油をさらにウインタリゼーションしてもよい。さらに、DGの純度を高めるとともに色を薄くすることを目的として、DGをさらなる分子蒸留工程に付してもよい。この場合は、残留TG留分(触媒の中和や除去を行っていない場合は活性触媒を含む)をグリセロリシス反応に戻して再利用してもよい。
【0015】
色は食用DG油の重要な特性である。グリセロリシスに試したことのあるモノカルボン酸またはジカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の触媒のなかでは、酢酸カリウムによる変色が最も小さいことが確認されている。酢酸カリウム触媒を不活性雰囲気にした反応器内において加圧下または非加圧下のいずれかで使用してグリセロリシスを行った場合は、着色をさらに最小限に抑えられることも確認された。本発明の方法においては、不活性雰囲気中で0〜500psiの圧力下で反応を行う。反応体を反応容器内で真空に曝して空気を除去することも、反応を不活性雰囲気中で行う手段である。不活性雰囲気ガスの一部の例として、CO2、N2、Ar、Ne、He等がある。変色の進行が最小限になるように反応時間および温度についても最適化を行った。反応時間は10分間〜8時間のいずれかであってもよく、20分間〜4時間がより好ましい範囲である。最適な温度は、170〜280℃、より好ましくは190℃〜240℃の範囲内であろう。当業者らは、圧力、温度、および時間の関係を認識し、本開示によって提供される指針を用いて、過度の実験を行うことなく、本発明の特定の状況および変形形態に対する処理条件を最適化することができるであろう。最適化された条件下において変色はほとんど認められなかった。これを以下の実施例に記載するが、これは例示のみを目的とするものである。グリセロリシス中における着色を最小限に抑えることによって、大規模な浄化工程が不要になる。
【0016】
生成物のジグリセリド含有量が最大になるように、グリセロール対TG油比およびグリセロリシス条件を最適化した。グリセロール対TG油比によって反応混合物の平衡組成(MG、DG、およびTG)が決まってくる。反応に用いることのできるグリセロール対TGのモル比は、0.2:1〜19:1の範囲とすることができる。より好ましくは、グリセロール対TGのモル比は、1:1〜9:1の範囲であろう。最も好ましくは、グリセロール対TGのモル比は、1.5:1〜2.5:1の範囲である。反応を完結させるのに必要な触媒の最適量は、0.001%〜10%(反応物中における油の重量に対する触媒の重量)の範囲内、より好ましくは、0.01%〜1.0%の範囲内であることが確認された。触媒は反応中における色の生成を助長する。したがって、反応物中における触媒が余りに少ないと反応時間を増加させることになり、その結果、色が濃くなってしまう。反応物中における触媒が多すぎると反応にかかる費用が増大する。触媒がこのように相反する作用を示すことから、その反応に最適な触媒量を正確に見出すことが重要である。好ましい実施態様においては、触媒の反応性が最大限になるよう、触媒を添加する前に反応体から水分を除去しておく。この乾燥は、当該技術分野において知られている様々な方法、例えば真空下における蒸発、モレキュラーシーブの使用、水分を吸収する化合物(無水硫酸マグネシウム等)の使用によって達成することができる。モレキュラーシーブまたは水分を吸収する固体化合物を使用する場合は、その後にこれらの試薬を濾過や遠心分離などの手段によって取り除くことが必要になる。
【0017】
本発明の一実施態様においては、反応後に触媒の中和も除去も行わずに、これをTG留分と一緒にグリセロリシス反応に戻して再利用する。しかしながら残留触媒は、グリセロールのストリッピングまたは分子蒸留を行っている間にグリセリドの逆反応(reversion)を引き起こす可能性があり、そうなるとDG含有量が低下してTGが増加してしまう。したがって、本発明の好ましい実施態様においては残留触媒を除去する。これは様々な方法によって行ってもよい。たとえば、グリセロリシス後に残留酢酸カリウムをリン酸で中和した後、結果として生じた塩を分離するべく生成物を濾過(または遠心分離)した。必要に応じてこの中和反応生成物をシリカヒドロゲルを用いて処理することによって、残留した塩をさらに除去してもよい。シリカヒドロゲル処理の際には、グリセロールを反応混合物中にそのままにしておくよりも、まず中和反応混合物からグリセロールを水蒸気蒸留によってストリッピングした方が、最大限の効果が得られる。
【0018】
化学的に調製したDG油の組成は、上で検討した特許に従い酵素的に調製された油の組成に非常に類似している。しかも化学的に調製したDG油は、何ら脱色処理を施さなくてもサラダ油として申し分のない色をしている。本方法を用いて製造した本DG油を従来の脱色処理(白土または活性炭を用いた脱色等)を用いてさらに脱色することによって一層色の薄い製品を製造してもよい。キャノーラ油から調製したDG油がたとえ冷却試験に合格しなかったとしても、冷却試験が重視されない他の多くの用途にこの油を使用することができる。しかしながら、実施例18および19に記載するようにキャノーラDG油を分留することによって、冷却試験に合格するDG油製品が調製された。
【実施例】
【0019】
以下の実施例は、本発明の特定の具体的な実施態様をさらに例示的に説明することを目的とするものであって、ここに記載する具体的な手順、条件、または組成に本発明を限定する意図は全くない。
グリセロリシス中の変色の防止
上述したように、色は多くの油脂製品にとって重要な特性の一つである。油の色は天然の色素または処理中の望ましくない反応による生成物のいずれかに由来する。処理によって生じる望ましくない色は、白土による脱色等の従来法では取り除くことが難しいのが一般的である。したがって、加工油製品の色を管理する最善かつ最も経済的な方法は着色を防止することにある。触媒およびその他の反応条件がグリセロリシス反応混合物の色を大きく左右する。以下の実施例および表1のデータにその効果を示す。自動ロビボンド(Automated Lovibond)PFX990(5.25インチセル)を用いて試料の赤色度および黄色度を測定した。
実施例1
1Lの丸底フラスコにニューサン(Nusun)油(400g)を仕込み、90℃の真空中で30分間加熱することによって油を乾燥させた。この乾燥された油を激しく撹拌しながらグリセロール(80g)およびNaOH(1g)を加えた。145℃で3時間反応させた後、反応混合物を冷却し、次いでこれを遠心分離に付すことによって、色測定用の油相を残留グリセリンから分離した。油相の色は、Red12.5、Yellow70であった。もとのニューサン油の色は、0.8R、4.1Yであった。
実施例2
反応時間を4時間としたことを除いて実施例1と同一の手順を用いた。
実施例3
反応時間および温度をそれぞれ170℃および1時間としたことを除いて実施例1と同一の手順を用いた。
実施例4
5Lの丸底フラスコにニューサン油(2500g)を仕込み、90℃の真空中で30分間加熱することによって油を乾燥させた。この乾燥された油を激しく撹拌しながらグリセロール(500g)および酢酸カリウム(12.5g)を加えた。窒素を噴霧しながら反応を行った。200℃で2.75時間反応させた後、反応混合物を冷却し、次いでこれを遠心分離することによって色測定用の油相を分離した。色は、1.6R、8.4Yであった。
実施例5
1Lの丸底フラスコにニューサン油(400g)を仕込み、90℃の真空中で30分間加熱することによって油を乾燥させた。この乾燥された油を激しく撹拌しながらグリセロール(80g)および酢酸カリウム(2g)を加えた。200℃で5時間反応させた後、反応混合物を冷却し、次いで、これを遠心分離することによって色測定用の油相を分離した。色は、2.6R、23Yであった。
実施例6
触媒の使用量を油の重量の0.25%とし、反応温度を180℃とし、かつ反応時間を6時間としたことを除いて、実施例5と同一の手順を用いた。このような条件下では反応が終了しなかったため、反応混合物の色測定は行わなかった。
実施例7
反応温度を200℃とし、かつ反応時間を4.5時間としたことを除いて、実施例6と同一の手順を用いた。色は、3.6R、31Yであった。
実施例8
反応温度を220℃とし、かつ反応時間を1時間としたことを除いて、実施例6と同一の手順を用いた。色は、1.5R、5.6Yであった。
実施例9
反応時間を1.5時間とし、かつ反応混合物中にCO2を噴霧したことを除いて、実施例8と同一の手順を用いた。反応中はずっと二酸化炭素ガスを噴霧し続けた。色は、1.0R、5.6Yであった。
実施例10
キャノーラ油(2500g)を使用し、かつ反応時間を2時間としたことを除いて、実施例9と同一の手順を用いた。色は、0.6R、4.3Yであった。もとのキャノーラ油の色は、0.5R、3.8Yであった。
【0020】
水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドはグリセロリシスを工業的に実施する際に通常用いられる触媒である。表1に示すように、NaOHを触媒として用いた場合のグリセロリシス後の反応混合物はひどく暗色化していた。反応時間がより長い場合や温度が高い場合は反応混合物の変色が一層ひどくなる。本発明のグリセロリシス反応混合物においては、触媒として酢酸カリウムを使用することによって変色が大幅に低減された。触媒を用いた場合の色および反応が終了するかどうかは、反応温度および時間により影響を受けた。実施例9および10に示すように、触媒として酢酸カリウムを使用し、かつ反応中にCO2を噴霧しながら反応を実施することによって、変色が最小限に抑えられた。実施例10で生成した物質に変色はほとんど認められなかった。
【0021】
【表1】
【0022】
触媒の除去
本発明においては、反応が確実に終了するように触媒の使用を最適化する。好ましい実施態様においては、触媒の除去がより経済的に行えるよう、触媒の最適量も最小限に抑える。残留触媒を十分に除去しないと、グリセロールのストリッピングまたは分子蒸留を行う間にグリセリドの逆反応を引き起こす可能性があり、それによって最終生成物中のDGが減少してTGが増加してしまう。触媒を除去する従来法として、例えば、リン酸等の酸によって触媒を中和した後、結果として生じた塩を濾過することが挙げられる。水洗または各種吸着体を用いた吸着によって触媒を除去することも可能である。以下の実施例においては様々な手法を試みており、最少量の触媒を使用し、酸を用いて中和し、中和された触媒の塩を濾過または遠心分離し、そして、生成された油からさらに触媒の塩を除去することが必要な場合は、シリカヒドロゲルによる処理を施した。中和および濾過によって触媒のほとんどが除去された。この油をさらに浄化するために市販の吸着体による吸着を用いた。しかし、吸着体の使用は必ずしも必要ではない。シリカヒドロゲル(トリシル(TriSyl)(登録商標)600)は比較的安価であり、油中の極性化合物を吸着することが知られている。
【0023】
実施例11および表2の結果は、残留触媒を油から除去しなければどの程度DG油に望ましくないグリセリドの逆反応が起こり得るのかを示している。反応混合物中にグリセロールがある程度残留していても、トリシル(登録商標)処理によって触媒を除去することが可能であった。しかしながら、予めグリセロールをストリッピングしたDG油中で使用した方がトリシル(登録商標)の効果ははるかに高かった。当業者らは、これと同じ目的に他の吸着体(例えばもみ殻灰、アルミナ、珪藻土、漂白土等)を使用することが可能であったことを認識するであろう。
実施例11
実施例4と同様にしてグリセロリシス反応混合物を調製した。この混合物を3%トリシル(登録商標)600で処理した後、この混合物からグリセロールをストリッピングした。次いで圧力を0.001〜0.010ミリバールとして200〜210℃で分子蒸留を行った。グリセリドの逆反応によって分子蒸留工程中に試料の組成が変化した。グリセリドの組成を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
実施例12
実施例10と同様にしてグリセロリシス反応混合物を調製した。グリセロリシス反応後、反応混合物を110℃に冷却し、次いでリン酸を加えて触媒を中和した後、この混合物を沈殿させて上層の油を分離した。その後、150℃で30分間、0.5〜3torrの真空中でグリセロールのストリッピングを行った。これに続くシリカヒドロゲル処理においては、トリシル(登録商標)の使用量を1.2%とした。シリカ処理後の油からシリカを濾去した後のカリウム含有量は15.5ppmであった。次いでこのシリカ処理された油を、圧力を0.001ミリバールとして約210℃で分子蒸留に付すことによってDG油を(蒸留残渣中に)得た。このカリウム濃度では、蒸留中もDG/TG比に大きな変化はなかった。
実施例13
実施例7と同様にしてグリセロリシス反応混合物を調製した。この混合物をリン酸を用いて中和した後、これを沈殿させて上層の油を濾過した。濾過後の物質のカリウム含有量は38.4ppmであった。
実施例14
実施例9と同様にしてグリセロリシス反応混合物を調製した。この混合物をリン酸を用いて中和した後、これを沈殿させて上層の油を濾過した。濾過後の物質のリン含有量は54.2ppmであった。グリセロールをストリッピングした後、1%のトリシル(登録商標)600で処理すると、リン含有量は4ppmとなった。
ジグリセリド油の調製
実施例12および15に記載したようにジグリセリド油を調製した。キャノーラDG油のグリセリド組成は、酵素的に調製された市販のジグリセリド油のものと類似していた。ジグリセリドの位置異性体の比率、即ち1,3−DG対1,2−DG比も類似していた。実施例12(CO2噴霧)からの油は、何ら脱色処理を施さなくても赤色が薄かった。
実施例15
油の重量の0.5%の酢酸カリウムを触媒として用いて、CO2噴霧を行わずにキャノーラ油(2500g)からグリセロリシス反応混合物を調製した。中和およびグリセロールストリッピングを行った後、この混合物を10%のトリシル(登録商標)600で処理した。次いでシリカ処理後の生成物を分子蒸留に付した。ジグリセリド油(DG/TG油)を蒸留残渣として回収した。CO2噴霧を行わない場合のこの油のDG/TG比は、酵素的に調製された油の組成と類似していたが、色は実施例12(1.6R)よりも濃かった(4.1R、39Y)。
ジグリセリド油の脱色
ジグリセリド油調製物(分子蒸留工程の蒸留残渣)の色は、何ら脱色処理を施さなくてもサラダ油として申し分ないものであった。しかしながらこの油を、漂白土、活性炭等を用いた従来の脱色方法によってさらに脱色してもよい。実施例16および17に脱色の効果を示す。
実施例16
実施例12のキャノーラジグリセリド油(300g)を70℃に加熱した後、激しく撹拌しながら、漂白土(SF105、エンゲルハード(Englehard))6gを加えた。70℃で2分間かき混ぜた後、油/白土スラリーを100℃に加熱して4〜8torrの真空中で20分間脱色を行った。ワットマン(Whatman)No.40濾紙で加圧下に白土を濾過した。白土で脱色された油の色は、1.4Rであった。
実施例17
実施例12のキャノーラジグリセリド油を、漂白土を6gおよび活性炭を3g使用したことを除いて実施例16に記載したように脱色した。脱色後の油の色は、1.1Rであった。
ジグリセリド油のウインタリゼーション
キャノーラジグリセリド油には、実施例18および19に記載するようにさらにウインタリゼーションを施すことが可能であり、それによって低温保存試験を満足するであろう生成物が作製される。
実施例18
実施例12のキャノーラジグリセリド油を、ヘキサンまたはアセトンのいずれか(30%v/v油)と混合した。どちらの溶液についても−15℃の冷却浴内で一夜ウインタリゼーションの後、ワットマンNo.40濾紙にて濾過した。溶媒を蒸発させた後の液体留分はどちらも冷却試験に合格した。
実施例19
分留温度を−20℃としたことを除いて実施例18と同一の手順を用いた。やはり液体留分はいずれも冷却試験に合格した。
【0026】
これまで本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、本発明の範囲またはその具体的な実施態様のいずれにも影響を及ぼすことなく、幅広い均等な条件、配合、および条件の範囲内で実施できることが当業者らに理解されよう。本明細書において引用したすべての特許、本出願、および刊行物全体を、本明細書の一部を構成するものとして、ここに援用する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の方法の2種類の好ましい実施態様を図示したものである。
Claims (44)
- 1,3−ジグリセリド油を製造するための方法であって、グリセロリシスを達成するべく、トリグリセリド含有油と、グリセロールおよびモノカルボン酸もしくはジカルボン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩またはその混合物を含む触媒とを混合し、1,3−ジグリセリド油が生成されることを含む方法。
- 前記触媒が添加される前に、前記トリグリセリド含有油および前記グリセロールから水分が除去される、請求項1に記載の方法。
- 水分が、真空、モレキュラーシーブ、または化合物を用いることによって除去される、請求項2に記載の方法。
- 前記トリグリセリド含有油が、大豆油、キャノーラ油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、バター脂、カカオ脂、イリッペ脂、乳脂、シア脂、ボルネオ脂、豚脂、ラノリン、牛脂、羊脂、動物性脂肪類、ヤシ油、へーゼルナッツ油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、パームステアリン、パームオレイン、パーム核オレイン、パーム核ステアリン、落花生油、菜種油、米糠油、紅花油、植物油類、魚油類、メンハーデン油、タラ肝油、イワシ油、ニシン油、オレンジラフィー油、部分的もしくは完全に水素添加されるかまたは分留された油、およびこれらの1種またはそれ以上のブレンド物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- グリセロール対トリグリセリドのモル比が、0.2:1〜19:1である、請求項1に記載の方法。
- グリセロール対トリグリセリドのモル比が、1:1〜9:1である、請求項1に記載の方法。
- グリセロール対トリグリセリドのモル比が、1.5:1〜2.5:1である、請求項1に記載の方法。
- 前記触媒が、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、もしくはバリウム塩、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記触媒が、酢酸カリウムである、請求項8に記載の方法。
- 前記触媒が、前記混合物中の前記油の重量を基準として、0.001%〜10%の範囲内の濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
- 前記触媒が、前記混合物中の前記油の重量を基準として、0.01%〜1.0%の範囲内の濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
- 前記混合によって生成された前記1,3−ジグリセリド油が、実質的に全く変色していない、請求項1に記載の方法。
- 前記混合の温度が、170℃〜280℃の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記混合の温度が、190℃〜240℃の間である、請求項1に記載の方法。
- 前記混合ステップの反応時間が、10分間〜8時間である、請求項1に記載の方法。
- 前記混合ステップの反応時間が、20分間〜4時間である、請求項1に記載の方法。
- 前記混合の圧力が、0〜500psiの間である、請求項1に記載の方法。
- 前記混合ステップにおいて、前記混合物中に不活性ガスを噴霧することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
- 前記不活性ガスが、CO2、N2、Ar、Ne、およびHeからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
- 前記混合が、真空中で行われる、請求項1に記載の方法。
- 生成された前記1,3−ジグリセリド油から残留グリセロールおよびモノグリセリドを分離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記残留グリセロールおよびモノグリセリドの前記分離が、水蒸気蒸留および/または分子蒸留による、請求項21に記載の方法。
- 前記残留グリセロールおよびモノグリセリドを前記混合ステップに戻して再利用することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
- 生成された前記1,3−ジグリセリド油から残留トリグリセリドを分離することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
- 前記残留トリグリセリドの前記分離が、分子蒸留による、請求項24に記載の方法。
- 前記残留トリグリセリドを前記混合ステップに戻して再利用することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
- 前記触媒を失活させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記触媒の前記失活が、酸を用いた中和による、請求項27に記載の方法。
- 前記酸が、リン酸である、請求項28に記載の方法。
- 触媒残渣を除去することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
- 触媒残渣の前記除去が、濾過および/または遠心分離による、請求項30に記載の方法。
- 前記触媒残渣を吸着体を用いて吸着することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
- 前記吸着体が、シリカヒドロゲルである、請求項32に記載の方法。
- 生成された前記1,3−ジグリセリド油から残留グリセロールおよびモノグリセリドを分離することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
- 前記残留グリセロールおよびモノグリセリドの前記分離が、水蒸気蒸留および/または分子蒸留による、請求項34に記載の方法。
- 前記残留グリセロールおよびモノグリセリドを前記混合ステップに戻して再利用することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
- 生成された前記1,3−ジグリセリド油から残留トリグリセリドを分離することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
- 前記残留トリグリセリドの前記分離が、分子蒸留による、請求項37に記載の方法。
- 前記残留トリグリセリドを前記混合ステップに戻して再利用することをさらに含む、請求項37に記載の方法。
- (a)前記触媒を失活させることと、
(b)生成された前記1,3−ジグリセリド油から残留グリセロールを分離し、かつ触媒残渣を除去することと、
(c)生成された前記1,3−ジグリセリド油からモノグリセリドを分離することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 前記残留グリセロールおよびモノグリセリドを前記混合ステップに戻して再利用することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
- 生成された前記1,3−ジグリセリド油から残留トリグリセリドを分離することをさらに含む、請求項40に記載の方法。
- 前記残留トリグリセリドを前記混合ステップに戻して再利用することをさらに含む、請求項42に記載の方法。
- 生成された前記1,3−ジグリセリド油がさらにウインタリゼーションに付される、請求項1に記載の方法。
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