JP2005504746A - フェノール化合物の単離方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は植物材料からフェノール化合物を単離する方法に関し、さらに詳細にはダイズ抽出物などの植物材料からイソフラボン(類)を単離する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物は生物活性化合物の天然の倉庫である。この豊富な種類の化合物を利用することにおける基本的な問題はその各種成分の分離が厄介なことにある。イソフラボンは、哺乳動物に対して多くの有用な健康効果があると考えられているフェノール含有植物フラボノイド化合物の興味ある群の1例である。例えば、イソフラボンは更年期および近更年期の女性が経験する症状に対して有効な作用を与えることが示唆されている。現在更年期の女性の15%が動物のエストロゲンを用いるホルモン補充療法[Hormone Replacement Therapies(HRT)]を受けている。動物エストロゲン由来のHRT生成物は極めて効果的で全てのエストロゲン受容体を活性化する。この効力は乳癌や他の合併症のリスクの増大と相関している。植物イソフラボンはこのエストロゲン受容体に対してより低い親和性をもつので、一部の用途に対しては動物エストロゲンよりも好ましい可能性がある。加えて、一部の研究によるとイソフラボンはある種の癌例えば乳癌および前立腺癌を予防または遅延する可能性があることおよび血清コレステロール低減効果をもつ可能性があることさえ示されている。
【0003】
植物イソフラボンが関係する有効な作用にも拘わらず多くの人のイソフラボン特にダイズ食品から利用可能なイソフラボンの摂取量が増えていないが、その理由は多くの国におけるダイズをベースとする食品の種類が限られていることと、大半の人はダイズ食品の味および色が苦くまた食欲をそそるものでもないと感じているためである。従って、各種の植物材料から純度、色、味、溶解度および保存安定性の改良されたイソフラボンを単離する方法を提供してこれら有用な栄養物を各種の食品、飲料、栄養補助食品、および医薬製品中に取り込むことを促進することは望ましいことであると思われる。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、
(a) 初期pHが10よりも高い水性植物抽出物であって、複数のフェノール化合物を含んでいる水性植物抽出物を供給する工程;
(b) 上記水性植物抽出物を有機溶媒で洗う工程;
(c) 上記水性植物抽出物のpHを9よりも低いpHに調節する工程;および
(d) 上記水性植物抽出物から前記フェノール化合物を単離する工程;
を有してなるフェノール化合物の単離方法を提供するものである。
【0005】
本発明はまた、
(a) 初期pHが10よりも低い水性植物抽出物であって、複数のフェノール化合物を含んでいる水性植物抽出物を供給する工程;
(b) 上記水性植物抽出物を第1の有機溶媒で抽出して第1の有機抽出物を得る工程;
(c) 上記第1の有機抽出物をpHが10よりも高い水相で抽出してフェノールに富む水相を得る工程;
(d) 上記フェノールに富む水相のpHを9よりも低いpHに調節する工程;および
(e) 上記フェノールに富む水相から前記フェノール化合物を単離する工程;
を有してなるフェノール化合物の単離方法を提供するものである。
【0006】
本発明はまた、
a) 2種以上のイソフラボンを含む組成物であって、該イソフラボンが該組成物の15重量%超を占めている組成物であって、
b) 該組成物が、水中に該組成物約0.03重量%を含む混合物中において約80%以上の溶解度を呈す組成物、
を提供するものである。
【0007】
本発明はまた、本組成物を燃焼させた場合約25%より低い灰分含量が測定されるイソフラボン組成物を提供するものである。本発明はまた、本組成物のL-色値が約65よりも大きいイソフラボン組成物を提供するものである。
【0008】
本発明はまた、本組成物がダイズインとゲニスチンを含み、該ダイズインの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が1より大きく、その際該ダイズインとゲニスチンがそのアグリコン形またはグリコシル化形のどちらかで存在しているイソフラボン組成物を提供するものである。
【0009】
本発明はまた、
a) 本組成物が約90%より高い溶解度を呈し、
b) 燃焼させた場合その灰分含量が約10%より低く、
c) 本組成物のL-色値が約75より大きく、a-色値が2より小さく、
d) 本組成物がダイズイン、グリシチンおよびゲニスチンを含み、該ダイズインの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が2より大きくまた該グリシチンの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が2より大きく、
e) 前記イソフラボンの95%超が遊離グリコシド類の形態にある、
イソフラボン組成物を提供するものである。
【0010】
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術および科学用語は、この発明が関係している分野における当業者が通常理解しているのと同じ意味をもつ。本明細書で記載されるものと類似または同等の方法および材料を用いて本発明を実施することができるが、好適な方法および材料が以下に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願明細書、特許明細書、および他の参考文献は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。矛盾が生じた場合は、定義も含めて本明細書が優先するものとする。さらに、本材料、方法、および実施例は説明のためだけであって、限定のためではない。
【0011】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細が以下の詳細な説明に記載される。本発明のその他の特徴、目的、および優位点は以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであると思われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、フェノール化合物特にイソフラボンを、そのような化合物を含有している植物材料の水性抽出物から単離する方法を提供するものである。本発明はまたイソフラボンの組成物を提供するものである。本方法は、温度、溶媒、およびpHによる調節を利用して前記フェノール化合物を、イソフラボンを含有している粗製水性植物抽出物中に存在している主要混在物から分離するものである。選択的な分配、抽出、精製、単離、および所望のイソフラボンの変換は、所望のイソフラボンの回収、安定性、および純度の向上を促進する。得られるイソフラボン組成物はその色、味、匂い、溶解度、および保存性の特性が向上されている。
【0013】
本発明は溶液および混合物のpHを調節する工程を用いるものである。水性溶液または混合物のpHを上げるにはいずれの公知の塩基を使用してもよく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、またはアンモニアなどがある。水性溶液または混合物のpHを下げるには数多くある公知の有機または無機酸のいずれを使用してもよく、例えば酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、酒石酸、亜硫酸、または亜塩素酸などがある。
【0014】
フェノール含有、特にイソフラボン含有水性植物抽出物は、そのような化合物を含有している植物材料から、当技術分野で周知で、報告されている方法により製造することができる。フェノールまたはポリフェノール化合物を含有する植物材料としては、限定するものではないが、果実、野菜、穀物、堅果、茶、ワイン、草などが挙げられる。本発明の方法では、フェノール化合物を含有し、pH > 10で安定であるならばどのような植物材料でも使用することができる。イソフラボンを含有する植物材料としては以下の植物および植物副生物が挙げられる:ダイズ[soybean]、ヒヨコマメ[chick pea]、アカツメクサ[red clover]、サブテラニアンクローバー[subterranean clover]、アメリカホドイモ[ground pea]、ミルクベッチ[milk vetch]、マラママメ[marama bean]、カタナマメ[sword bean]、タチナタマメ[jack bean]、カイガンカタナマメ[seaside sword bean]、カラオマメ[carao bean]、クラスターマメ[cluster bean]、バルー[balu]、ヒヤシンスマメ[hyacinth bean]、クサマメ[grass pea]、インディアンベッチ[Indian vetch]、ニワマメ[garden pea]、ジェンコマメ[djenko bean]、ゴアマメ[goa bean]、ヤムマメ[yam bean]、ソラマメ[broad bean]、ジマメ[earth pea]、レンチル[lentil]、トウダイグサマメ[jumping bean]、アルファルファ[alfalfa]、ベルベットマメ[velvet bean]、アフリカイナゴマメ[African locust bean]、インガー[inga]、サイプラスベッチ[Cyprus vetch]、イェブナット[yebnut]、シラキハゼ[tallow tree]、ポリネシアチェスナット[Polynesian chestnut]、クズの根[kudzu root]、アブラマメの木[oil bean tree]、メスキート[mesquite]、タマリンド[tamarind]、フェヌグリーク[fenugreek]、インディアンアマクサ[Indian licorice]、および堅果の挽き粉ならびにこのような植物材料の処理物例えば脱脂ダイズフレーク、ダイズ粉、ダイズ胚芽粉、およびダイズミールなど。
【0015】
本明細書で使用する用語「フェノール化合物」は、フェノールサブユニットをもつ化合物を包含する。このサブユニットは他のいかなる種類の分子構造に連結、結合、または縮合していてもよい。好ましいフェノール化合物としては植物抽出物由来のもの(植物フェノール化合物)が挙げられる。他の好ましいフェノール化合物としては、フェノールサブユニットに複数のヒドロキシ置換基をもつ化合物、または複数のフェノールサブユニットをもつ化合物(ポリフェノール化合物)が挙げられる。特に好ましいポリフェノール化合物は植物抽出物由来のもの(植物ポリフェノール化合物)である。ポリフェノール化合物としては、限定するものではないが、フェノール酸およびフラボノイドが挙げられる。
【0016】
本明細書で使用される用語「フラボノイド」は当業者なら直ぐに分ると思われ(例えばH. Merken and G. Beecher, J. of Agricultural and Food Chemistry, Vol 48, No. 3, 2000参照)、それらには限定するものではないが、アントシアニジン、フラボン/フラボノール、フラボノン、およびプロアントシアニジンが挙げられる。
【0017】
フラボノイドの一般構造式
(フラボンでは R = H 、フラボノールでは R = OH )
【化1】
【0018】
フラボノンの一般構造式
【化2】
【表1】
【0019】
フラボノールの一般構造式
【化3】
【表2】
【0020】
フラボンの一般構造式
【化4】
【表3】
【0021】
アントシアニジンの一般構造式
【化5】
【表4】
【0022】
イソフラボンの一般構造式1
【化6】
【0023】
表1:アグリコンイソフラボンの一般構造式
【表5】
【0024】
ダイズに存在するグリコシル化イソフラボンは、さらに細かく以下の表に記載されている次の一般構造式(構造式2)をもちうる。
【化7】
【0025】
グリコシル化イソフラボンの一般構造式
【表6】
【0026】
特に、イソフラボン含有水性植物抽出物は、イソフラボンを高い濃度で含むことが知られているダイズまたはクローバーから製造することができる。例えば、水性植物抽出物はダイズ、ダイズミール、ダイズフレーク、ダイズ粉、ダイズ胚芽、ダイズ胚芽粉、ダイズモラッセ[molasses](ダイズ可溶物とも呼ばれる)、Novasoy(登録商標)、ダイズ乳漿、またはその他のイソフラボン濃縮生成物から製造することができる。ダイズ胚芽画分は、他のダイズ画分に比較してイソフラボンを高いレベルで含有(重量/重量基準で約2%)しているので出発原料として特に有用である。ダイズからダイズミール、ダイズフレーク、ダイズ粉、ダイズ胚芽、ダイズ胚芽粉、ダイズモラッセ(ダイズ可溶物とも呼ばれる)、Novasoy(登録商標)、およびダイズ乳漿を製造する方法は公知である。(例えば、Erickson D.R., Practical Handbook of Soybean Processing and Utilization, AOCS Press, 1995、およびダイズモラッセの製造方法を記載している米国特許第5,702,752号を参照されたい)。ダイズ乳漿は、米国特許第6,033,714号に記載されているように、ダイズをダイズ食品に加工することにより得られる可溶化画分を等電または二価陽イオン析出することにより形成される液体である。Novasoy(登録商標)はダイズ由来の製品として記載されており、Archer Daniels Midland Companyから入手可能である。
【0027】
出発原料としてダイズまたはダイズ胚芽を用いる場合、それらを在来の周知の油抽出法で前処理することができる(例えば、Wan Peter J., Technology and Solvents for Extracting Oilseeds and Nonpetroleum Oils, AOCS Press, 1997.参照)。例えば、原料ダイズを粗砕して、外皮をとり、フレーク状にして、そしてヘキサンなどの有機溶媒で抽出する。脱溶媒した後、上記油抽出で得られたダイズミールまたは白色フレークを次にエタノールなどの水性アルコールで60〜80℃で抽出してもよい。抽出のあと、このアルコールを、必須ではないが優先的に取り除くことで約6〜8のほぼ中性のpHをもつ粗製水性植物抽出物が得られる。従って、本発明で使える水性植物抽出物は多くの場合各種の他の溶媒の残留量を含むことになる。植物材料からイソフラボン含有粗製水性植物抽出物を製造する他の在来の方法については、例えば米国特許第6,132,795号を参照されたい。
【0028】
上記で説明した水性植物抽出物は本発明の方法の出発原料として直接使用してもよい。あるいは、水性植物抽出物を、本発明に従って加工する前にさらなる予備精製工程にもっていってもよい。さらなる予備精製法は周知であり、限定するものではないが限外濾過および吸着クロマトグラフィーが挙げられる。また、予備精製には植物抽出物の噴霧乾燥および再結晶化がさらに含まれていてもよい。例えば、米国特許第5,702,752号;第5,792,503号;第6,033,714号;および第6,171,638号を参照されたい。得られるフェノールまたはイソフラボン含有画分を適宜水溶液中で処理しおよび/または再懸濁させ、そのあと本発明に従って処理する。
【0029】
ダイズおよびダイズ食品はイソフラボンの一般的な食物源である。ダイズ中に存在するイソフラボンとしてはイソフラボンアグリコンとイソフラボングリコシドの両方が挙げられ、これらにおいてはグルコース分子がグリコシド結合を介してイソフラボン骨格に結合している。ダイズ中に存在するイソフラボンアグリコンとしては限定するものではないがダイゼイン、ゲニステイン、およびグリシテインが挙げられる。ダイズ中に存在するイソフラボングリコシド化合物としては、ダイズイン、ゲニスチン、グリシチン、6"-O-アセチルダイズイン、6"-O-アセチルゲニスチン、6"-O-アセチルグリシチン、6"-O-マロニルダイズイン、6"-O-マロニルゲニスチン、および6"-O-マロニルグリシチンが挙げられる。この6"-O アセチルおよび6"-O マロニルイソフラボンは6位におけるグルコース分子のエステル化誘導体である。ダイズ中に天然に存在するイソフラボンの凡そ97〜98パーセントはそのグリコシル化形である。
【0030】
イソフラボン含有粗製水性アルコール抽出物中の主要混在物はサポニン、オリゴ糖、およびタンパク質である。イソフラボンと上記主要混在物との1つの違いはイソフラボンはフェノール部分構造をもつが、サポニンおよびオリゴ糖はそれをもたないことである。タンパク質はフェノール部分構造をもつ場合があるが、タンパク質の溶解度および分配は通常これらフェノール基によっては左右されない。オリゴ糖およびサポニンは通常極性溶媒中ではpHに関わらず可溶性のままであるが、タンパク質は有機溶媒によって変性される。興味あることには、イソフラボン内のフェノール部分構造は極性または非極性(水性または有機)溶媒中においてその溶媒のpHに応じてイソフラボンを可溶化させる。
【0031】
本発明は、上述のようにして水性植物抽出物を得た後、イソフラボンを以下の方法を用いることで単離できることを認識したものである。
【0032】
反応図式I
【数1】
【0033】
最初に、水性アルコール抽出物を処理して存在するアルコールの量を低減させる。この低減はこれ以降の抽出の効率を上げる。アルコールの低減は当技術分野で周知の方法例えば多くの場合水を加えた大気圧または減圧での共沸蒸留により行うことができる。
【0034】
工程(a)において、この水性植物抽出物のpHを約6〜8の範囲のほぼ中性pHに調節してもよく、そして非混和性有機溶媒で抽出して第1の粗製有機抽出物を得る。この抽出は当技術分野で周知の方法により行うことができ、多くの場合何回もの洗浄が含まれ、これを合わせて抽出物を得る。使える有機溶媒としては1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソヘキサン、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン、ジイソプロピルエーテル、または他のエーテル類、または水と非混和性である他の極性または非極性有機溶媒あるいはこのような溶媒の混合物が挙げられる。この段階ではイソフラボンは主にこの有機抽出物中にあり、一部のタンパク質、オリゴ糖、およびサポニンは水相中に残っている。
【0035】
別の方法としては、第1の有機抽出の前に前記水性植物抽出物を、上昇させたまたは下降させたpHで前処理することによりこのあとの抽出を容易にすることができる。植物抽出物に含まれている成分の多くは酸性または塩基性条件にさらされることにより変性される。この変性はこれら種々の化合物の溶解度を変えることができ、目的とする生成物に従ってこれらを分離しやすく、または分離しにくくする。イソフラボングリコシドの抽出には、第1の抽出工程の前に水性植物抽出物を、上昇させたpHで前処理するのが好ましい。10〜12のpH、11〜12のpH、あるいは11.1、11.2、11.3、11.4、または11.5などの1つの特定のpH、またはこれらの数値の間にある値のpHでの処理はアセチルおよびマロニルイソフラボン誘導体両方の、グリコシル化された構造式2[式中のR3は水素である]への変換を促進する。当業者なら、これらの変性の速度は全てその温度を上げることによって増大させることができることは理解すると思われる。しかしながら、この温度を高く上げすぎると不要な副反応または副生成物が生じる場合がある。従って、一部の状況下ではより低い温度でより長い反応が好ましい場合がある。好ましくは、pHが調節された抽出物の温度は40℃超の温度に上げる。温度は42℃〜65℃、55℃〜65℃、57℃〜62℃、あるいは例えば60℃などのある特定の温度または間の値に上げることができる。好ましくは抽出物をpH 11.3に調節し、45℃に加熱し、それを30分間維持し、そのあとおよそ室温まで冷やし、そして次の抽出工程のためにpHをほぼ中性に調節する。
【0036】
このあと工程(b)において、第1の有機抽出物自体をpH > 10の、好ましくは11超のpHの水溶液で抽出してイソフラボンに富む水性抽出物を得る。この抽出における特定的なpHは重要ではなく、それは抽出が行なわれている化合物のpKaにより決まる。イソフラボンの場合は、その平衡を、大半のフェノール基が脱プロトン化される程度にもっていくために約10〜12のpHが好ましく、得られる塩は水溶性となる。11.2〜11.5のpHが特に好ましい。当業者なら、pHが高すぎると極端な温度と同じ悪影響を及ぼすことは分ると思われる。多くの場合何回もの洗浄を行ない、そしてそれを合わせてイソフラボンに富む水性抽出物を得る。所望なら、このイソフラボンに富む水性抽出物の純度をさらに上げるために有機溶媒で洗浄することができる。
【0037】
次に工程(c)において、このイソフラボンに富む水性抽出物のpHを凡そ中性(6〜8)に調節し、有機溶媒で抽出してイソフラボンに富む(第2の)有機抽出物を得る。ここでも何回もの洗浄が多くの場合行なわれ、そして合わせられてこの抽出物が得られる。
【0038】
最後に、工程(d)においてイソフラボンがイソフラボンに富む有機抽出物から標準的な方法例えば乾燥、クロマトグラフィー、結晶化またはその他の周知の方法により単離される。最も簡便には抽出物を噴霧乾燥して本発明のイソフラボンを得る。
【0039】
当業者なら、本発明の方法をとおして、前記種々の抽出工程で撹拌を行って、または抽出温度を高くしてより効率の高い抽出を達成するのが有利である場合があることは理解すると思われる。このような改変は当技術分野ではよく知られており、多かれ少なかれその状況に応じて適応されることと思われる。好ましい温度は大気温度に近い温度(すなわち15〜40℃)である。抽出物が低くした温度でより安定である場合はそのような温度での抽出が有利である場合がある。
【0040】
分配、抽出および/または精製の複数ラウンドは、異なるpHの極性相を用いて複数分配工程を行うことで達成することができる。例えば、中性pHと10超のpH間で分配工程を交互に行うことができる。
【0041】
別の方法として、水性植物抽出物を反応図式IIに示すようにして処理してもよい。
【0042】
反応図式 II
【数2】
【0043】
出発水性植物抽出物のpHを10超に上昇させ、反応図式Iの工程(a)のように有機溶媒で洗って第1の有機抽出物およびイソフラボンに富む水性抽出物を得る。得られた第1の有機抽出物は不純物を含むので捨てる。イソフラボンに富む水性抽出物をこのあと6〜8のほぼ中性pHに調節し、反応図式Iの工程(c)のように有機溶媒で抽出して第2の有機抽出物を得る。この第2の有機抽出物を上記反応図式Iで説明したようにして処理して単離された生成物を得る。本発明の好ましいイソフラボン生成物の純度は全イソフラボン重量のパーセント基準で15〜70パーセントになる。好ましくはこの純度は約35%〜約65%、最も好ましくは約40%〜50%になる。
【実施例】
【0044】
これらの実施例で使用される材料はよく知られた販売元から入手できる。報告されている純度は重量パーセント基準であり、収率は工程で使用する出発原料の理論量基準である。イソフラボンレベルの分析は当技術分野でよく知られた方法により行った(例えば:Song, Tongtong; Barua, Kobita; Buseman, Gwen; Murphy, PA, Soy Isoflavone Analysis : Quality Control and a New Internal Standard. Am J Clin Nutr 1998;68(suppl), pp. 1474S-9S;Murphy, PA; Song, TT; Buseman, Gwen; Barua, Kobita; Isoflavone in Soy-based Infant Formulas. J. Agric. Food Chem. 1997, 45, 4635-4638;および Wang, H; Murphy, PA; Isoflavone Content in Commercial Soybean Foods. J. Agric. Food Chem. 1994, 42, 1666-1673 を参照されたい)。
【0045】
製造1:ダイズ胚芽粉からの水性植物抽出物の製造
ヘキサン抽出:ダイズ胚芽80%超を含有している製品を粉砕してダイズ粉を得た(ダイズ胚芽製品は当技術分野で周知であり、米国特許第5,952,230号およびWO 96/10341を参照されたい)。ダイズ胚芽粉20 kgを連続撹拌しながら沸騰ヘキサン53.5 kgで5時間抽出した。回収ヘキサンから固形物を分離するためこの抽出スラリーを50℃でバスケット遠心機にかけて全部で18.6 kgの脱脂ダイズミールを得た。この脱脂ダイズミールを室温(21〜22℃)で24時間空気脱溶媒した。
【0046】
エタノール抽出と濃縮:この脱溶媒したミールを連続撹拌しながらエタノール/水(80/20、v/v)290 kgを用いて59〜62℃で15時間抽出した。固形物はここでも遠心分離により単離した。遠心分離を50℃で行って約17.4 kgの固形物と約350 Lの粗製水性抽出物を得た。この粗製抽出物を次に65〜70℃で約1時間真空濃縮して約170 Lの容量とした。この真空濃縮を65〜70℃でさらに4時間続けたが、この間抽出物中のエタノールレベルを下げるために全部で270 Lの軟水を徐々に加えた。この濃縮操作の間沈殿とか色の変化は起らなかった。残留エタノールレベル825 ppmの最終水性抽出物(重量48 kg)が得られた。この抽出物は固形物約5.5%ならびにイソフラボン0.3〜0.35%、サポニン0.3〜0.5%、オリゴ糖0.2〜0.35%、およびタンパク質0.38%であった。
【0047】
製造2:市販ダイズミールからの水性植物抽出物の製造
白色フレークの形で入手した市販の低線維脱脂ダイズミール(250g)を80%エタノール/水(2.5 L)を用いて60℃で7時間抽出した。エタノールを減圧下で蒸発させて、固形物17%とイソフラボン0.2%の水性抽出物(2.0 L)を得た。
【0048】
製造3:ダイズ胚芽からの水性植物抽出物の製造
純度約74%で入手したダイズ胚芽を使用して水性抽出物を製造した。ダイズ胚芽を粉砕し、ヘキサンで脱脂し、乾燥させた。これを次に80%エタノール/水を用いて60℃で7時間抽出した。エタノールを減圧下で蒸発させて固形物14%とイソフラボン0.86%の水性抽出物を得た。
【0049】
水性植物抽出物からのイソフラボンの単離
実施例1
製造1で得た水性植物抽出物(100 mL)を6 N NaOHを用いてpH 11.2に調節した。水相を次に1-ブタノール(100 mL)を用いて抽出し、層を分離した。濃HClを用いて水相のpHを6.8に調節し、1-ブタノール(60 mL)で再抽出を行い第2の抽出物を得た。第1の抽出物を減圧下で濃縮して黄色固形物(イソフラボン3.37%)1.28 gを得、第2の抽出物を同様に処理して薄黄色固形物(純度37.78%、回収率:56.9%)0.55 gを得た。
【0050】
実施例2
製造1の植物抽出物の水相のサンプルを再生セルロース膜(10,000 MWCO)を通過させてイソフラボンを含有する透過液200 mLを得た。透過液を6 N NaOHを用いてpHを11.2に調節し、室温でブタノール200 mLを用いて抽出し、層を分離して第1の抽出物を得た。水相のpHを濃HClを用いて6.8に調節し、水相を1-ブタノール(200 mL)で抽出して第2の抽出物を得た。第1の抽出物を減圧下で濃縮すると黄色固形物(イソフラボン純度10.48%)0.84 gが得られ、第2の抽出物を同様に処理すると薄黄色固形物(純度:34.88%、回収率:38%)0.52 gが得られた。
【0051】
実施例3
製造1で得た水性植物抽出物(100 mL)を6 N NaOHを用いてpH 11.8に調節し、酢酸エチル(100 mL)で抽出し、層を分離して第1の抽出物を得た。水相のpHを濃HClを用いて6.7に調節し、これを酢酸エチル(100 mL)で抽出して第2の抽出物を得た。第1の抽出物を減圧下で濃縮すると黄色固形物(イソフラボン純度:15.71%)0.4 gが得られた。第2の抽出物を同様に処理すると薄黄色固形物(純度:67.46%、回収率:32%)0.19 gが得られた。
【0052】
実施例4
製造3で得た水性植物抽出物を水で2倍に希釈して希釈溶液(200 mL))を得;pHを6 N NaOHを用いて11.24に調節し;水相を1-ブタノール(200 mL)で抽出し;層を分離して第1の抽出物を得た。水相のpHを濃HClを用いて6.5に調節し、それを1-ブタノール(200 mL)で抽出して第2の抽出物を得た。第1の抽出物を減圧下で濃縮すると黄色固形物(純度 4.5%)1.57 gが得られ、第2の抽出物を同様に処理すると薄黄色固形物(純度:34.9%、回収率:72%)1.44 gが得られた。
【0053】
実施例5
製造1で得られた水性植物抽出物(200 mL)を42℃に加熱し、pHを6 N NaOHを用いて11.2に調節した。混合物を15分間撹拌した。撹拌のあと、pHを濃HC1を用いて6.5に戻し、混合物を室温まで冷却させた。混合物を次に1-ブタノール(200 mL)で抽出した。ブタノール層を水を用いてpH 11.2で15分間撹拌することで逆抽出し、層を分離した。合わせた水相を次に濃HClを用いてpH6.5に調節し、1-ブタノール(200 mL)で抽出して第2の抽出物を得た。第2の抽出物を減圧下で濃縮すると薄黄色固形物(純度:45.38%、回収率:66.4%、イソフラボンの98.6%は遊離グリコシドであり、アグリコンとしてのイソフラボンの比はゲネステイン16.1%、グリシテイン36.8%、ダイゼイン47.1%である)0.93 gが得られた。
【0054】
実施例6
製造1で得られた水性植物抽出物(200 mL)を45℃に加熱し、pHを6 N NaOHを用いて11.3に調節した。混合物を10分間撹拌した。撹拌のあと、pHを濃HC1を用いて6.5に戻し、混合物を室温まで冷却させた。混合物を次に1-ブタノール(2 X 100 mL)で抽出した。ブタノール層を水を用いてpH 11.2で15分間撹拌することで逆抽出し、層を分離した。水相のpHを濃HClを用いて6.5に調節し、1-ブタノール(2 X100 mL)で抽出して第2の抽出物を得た。第2の抽出物を減圧下で濃縮すると薄黄色固形物(純度:42.49%、回収率:78.2%)1.15 gが得られた。
【0055】
実施例7
製造1で得られた水性植物抽出物(200 mL)を40℃に加熱し、6 N NaOHを用いてpHを11.3に調節した。混合物を10分間撹拌した。撹拌の間に、pHを濃HC1を用いて6.5に戻し、室温まで冷却させた。混合物を次に1-ブタノール(2 X 100 mL)で撹拌することで抽出し、ブタノール層を遠心分離により分離した。ブタノール層を水を用いてpH 11.2で15分間撹拌することで逆抽出し、有機層を分離した。水相のpHを濃HClを用いて6.9に調節し、それを1-ブタノール(2 X100 mL)で抽出し、層を遠心分離で分離して第2の抽出物を得た。第2の抽出物を減圧下で濃縮すると薄黄色固形物(イソフラボン48.08%、回収率83.6%)1.15 gが得られた。
【0056】
実施例8
製造2で得られた水性植物抽出物(70 mL)を脱イオン水で200 mLに希釈し、45℃に加温した。pHを6 N NaOHを用いて11.3に調節し、15分間撹拌し、室温まで放冷した。pHを濃硫酸を用いて6.5に戻し、混合物を1-ブタノール(2 X 100 mL)で抽出した。ブタノール相に水200mLを加え、pHを6N NaOHで11.3に調節した。層を分離し、水層のpHを硫酸で6.5に戻し、そのあと1-ブタノール(2x100 mL)で抽出した。ブタノールを減圧下で蒸発させて薄黄色固形物(イソフラボン24.44%、回収率86.5%)0.39 gを得た。
【0057】
実施例9
Novasoy(登録商標)(1 g)を1-ブタノール75 mL、水50 mL、およびブライン25 mLの中に撹拌投入し、層を分離した。ブタノール相を75 mLの水に加え、pHを撹拌しながら6N NaOHで11.3に調節した。層を分離して、水相をHClでpH 6.3に調節し、ブタノール(1x75mL)で抽出した。ブタノールを減圧下で蒸発させて褐色固形物(イソフラボン58.3%、回収率51.7%)0.34 gを得た。
【0058】
実施例10
製造1で得られた水性植物抽出物(100 mL)を60℃に加熱し、6 N NaOHを用いてpHを11.2に調節した。混合物を10分間撹拌した。撹拌の後、pHを濃HC1を用いて6.5に戻し、混合物を室温まで放冷させた。次に混合物を溶媒(1-ブタノールと酢酸エチル1:1比の混合物)100 mLを用いて振盪することで抽出し、層を分離した。有機相に水(100 ml)を加え、混合物を撹拌しながらpHを6 N NaOHで9.3に調節した。次に層を分離し、水相をpH 6.5に調節した。水層を次にもう一度1-ブタノール/酢酸エチルの1:1混合物で抽出し、溶媒層を単離し、減圧下で蒸発させて灰色固形物(イソフラボン37.25%;回収率13.05%)0.11 gを得た。
【0059】
実施例11
製造1で得られた水性植物抽出物(100 mL)を60℃に加熱し、6 N NaOHを用いてpHを11.2に調節した。混合物を次に1-ペンタノール(室温で100 mL)で抽出した。水相を取り除き、室温まで冷却させ、濃HClでpH 6.5に調節し、1-ペンタノール(100 mL)で抽出した。層を次に減圧下で蒸発させて黄金色固形物(イソフラボン27.1%、回収率67%)0.63 gを得た。
【0060】
実施例12
製造1で得られた水性植物抽出物(6000 mL)を6 N NaOHでpH 11.3に30分間調整し、撹拌しながら濃硫酸でpH 6.5に戻した。これを蒸発により6リットルから1リットルに濃縮し、1-ブタノール(2x1000 mL)で抽出した。境界面に在った不溶固形物を遠心分離により取り除いた。合わせたブタノール層をpH 11.3の水(4x250 mL)で逆抽出した。水性逆洗浄の第1分画を濃硫酸でpH 6.5に調節し、一晩2℃に冷やした。真空濾過により沈殿物6.99 gを回収し、60℃および2 mm Hgにある真空オーブン中で乾燥させた。(イソフラボン82.1%、回収率60%)。
【0061】
実施例13
製造1で得られた水性植物抽出物(1000 mL)を6 N NaOHでpH 11.3に45分間撹拌しながら調節し、濃硫酸でpH 6.5に戻した。溶液をロータリーエバポレーターで乾燥するまで濃縮し、真空オーブン中で乾燥させると固形物69 gが生成した。固形物の12.39 gを、水で飽和した1-ブタノール200 mLが入ったビーカーに加え、そして激しく1時間撹拌した。ブタノールをデカンターで分離し、ブタノールに水200 mLを加えた。溶液のpHを6 N NaOHで11.3に調節した。層を分離し、水相100 mLを濃硫酸でpH 6.5に調節した。水溶液を1-ブタノール(1x100 mL)で抽出した。最終ブタノール相をロータリーエバポレーターで乾燥させると、0.03% wt/volの完全溶解度をもつ灰色粉状物0.5 gが生成した。(イソフラボン、回収率57.6%)。
【0062】
実施例14
製造1で得られた水性植物抽出物(10000 mL)をpH 11.3に調節し、撹拌しながら室温に90分間維持した。pHを濃硫酸を用いて約6.5に戻した。混合物を次に室温にて1-ブタノール(3x2500 mL)で抽出した。エマルジョン相を第三段階の際に遠心分離して水相から溶媒をさらに分離した。三つのブタノール溶液を合わせ、水5000 mLを加えた。合わせた溶液のpHを6 N NaOHで撹拌しながら11.4に調節した。層を分離し、エマルジョン相を再度遠心分離した。水相のpHを濃硫酸で撹拌しながら6.5に調節した。水相を室温にて1-ブタノール(2x2500 mL)で再度抽出した。ブタノール相を合わせ、溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発させて灰色固形物(イソフラボン49.51%、回収率70.4%)45.41 gを得た。
【0063】
実施例15:フラバノンの単離
フラバノンをKinnow Extract(USDAのマンダリン)から以下の方法により単離した。出発原料として使用したこの水性抽出物を1-ブタノール(1x)で撹拌することで抽出し、ブタノール層を分離して中間抽出物を得た。前記ブタノール層をpH 11.2の水で15分間撹拌することで逆抽出し、有機層を分離した。水相のpHを濃HClを用いて6.5に調節し、これを1-ブタノール(1x)で抽出し、層を遠心分離により分離して第2の抽出物を得た。中間体および第2の抽出物をヘスペリジンおよびジジミンについて公知の方法によりアッセイした。(例えば上記Merkenを参照)。
【0064】
【0065】
実施例16:フラボノールの単離
フラボノールをGunpowder Tea- Pin Head Varietyから以下の方法により単離した。水性抽出物を出発原料として使用し、1-ブタノール(1x)を用いて撹拌することで抽出し、ブタノール層を遠心分離により分離して中間抽出物を得た。ブタノール層をpH 11.3の水を用いて15分間撹拌することで逆抽出し、有機層を分離した。水相のpHを濃HClを用いて6.4に調節し、これを1-ブタノール(1x)で抽出し、層を遠心分離により分離して第2の抽出物を得た。中間および第2の抽出物を以下に掲載するフラボノールについて公知の方法によりアッセイした。(例えば上記Merken参照)。
【0066】
【0067】
実施例17:フラボノールの単離
フラボノールをBuckwheat Farinetta(登録商標)から以下の方法により単離した。この水性抽出物を出発原料として使用し、1-ブタノール(1x)を用いて撹拌することで抽出し、ブタノール層を遠心分離により分離して中間抽出物を得た。ブタノール層をpH 11.2の水を用いて15分間撹拌することで逆抽出し、有機層を分離した。水相のpHを濃HClを用いて6.4に調節し、それを1-ブタノール(1x)で抽出し、層を遠心分離により分離して第2の抽出物を得た。中間および第2の抽出物を以下に掲載するフラボノールについて公知の方法によりアッセイした。(例えば上記Merken参照)。
【0068】
【0069】
高濃度イソフラボン生成物の比較評価
A.色調測定
各種イソフラボンの色調を以下の方法を用いてHunterLab(Reston、VA)のColorQuest XEで測定した。この装置はデュアルビーム、キセノンフラッシュスペクトル分光計である。色調は3つの別個の値、L-値、a-値およびb-値で特性づけられる。L-値は明るさに対応し、高い値ほど明るい生成物となる。a-値は赤/緑の色合いを評価するもので正の値および負の値はそれぞれ赤と緑の度合いに対応する。同様に、b-値は黄色/青色の色合いの度合いを定量化するもので正の値は黄色の色相、負の値は青色と相関するものである。
【0070】
1. スペクトル分光器を以下の設定を用いて標準化する:
a. モードタイプを「Reflectance, Specular Exclusion(RSEX)」に設定する
b. 視野面積を「小」に設定する
c. ポートサイズを「0.375インチ」に設定する
d. 白色タイルを用いてソフトウェア標準化手順に従い校正を行う。
【0071】
2. 各生成物について、サンプルを20-mm光透過セル中に入れて反射光ポートを完全に覆う。セルの高さの半分より少し高めに充填する。
【0072】
3. セルの底をたたいて目で見える生成物の塊を除去し、均質性を確保する。
【0073】
4. サンプルの入った光透過セルを反射光ポートの前に置き、光トラップで覆い、そして装置を動かしてサンプル色調を特性評価する。
【0074】
B.水溶解性
水溶解性を以下の方法を用いて測定した。
【0075】
1. 20℃で脱イオン水50.0gを100-mLビーカー中に秤量する。
【0076】
2. サンプルの約0.05gを秤量して、次に上記水に加えて撹拌バーを用いて混合する。加えたサンプルの正確な質量を確実に記録する。
【0077】
3. サンプルが容易に分散する場合は、もう一回0.05gを加え適切に混合する。溶解度の限界を越えるまでこの工程を続け、各回に加えたサンプルの量の重量を確実に記録する。
【0078】
4. 混合物を30分間撹拌する。
【0079】
5. Whatman #4濾紙の質量を秤量し、記録する。
【0080】
6. ブフナー漏斗を真空下で用いて、事前に秤量した濾紙を通過させて溶液を濾過して不溶物質を除去する。
【0081】
7. アルミニウムパンを秤量し、次に残渣の入った濾紙をこのパンの中に入れる。
【0082】
8. サンプルを真空デシケーター中で室温にて48時間乾燥させる。
【0083】
9. 乾燥のあと、パン、濾紙および不溶物質を秤量する。水溶解性物質の重量および溶解度パーセントを計算する。
【0084】
結果
本発明の生成物の色調、溶解性、およびその他の特性を、NovaSoy(登録商標)、Solbar、およびCentral Soyaから市販されているイソフラボン製品と比較した。結果を以下にまとめる。
【0085】
市販の高イソフラボン( 40 %)製品の色調
【表7】
【0086】
視覚的には、本発明の生成物は、他の市販の製品がより赤い外観であるのに対して薄茶色〜クリーム色の色調である。この観察は、Hunterスペクトル分光計による色調の結果により確認された。本発明の生成物は、その高いL-値により示されているように顕著に明るい。本生成物はまた検査した市販の高イソフラボン製品よりも赤色の少ない色合い(低いa-値)をもつ。また、SolbarおよびNovasoy(登録商標)の製品は共に本発明の生成物よりもより強い黄色の色相であった。本発明のイソフラボン組成物は好ましくは約65超、より好ましくは約75超、または約65〜75の間のL-値をもつ。本発明のイソフラボン組成物は好ましくは約4より低い、より好ましくは約2より低い、または2〜4の間のa-値をもつ。
【0087】
市販の高イソフラボン( 40 %)製品 0.03 %の水への溶解性
【表8】
【0088】
Central Soyaの製品は金色〜薄茶色の沈殿物を生じ、他の2つの製品は白色沈殿物が生じた。溶解性評価のあと、上澄みを除去して液体の色調に対する各製品の影響を測定した。Novasoy(登録商標)製品は、その高いb-値ならびに薄い緑色の色合いに示されるように相当濃い黄色の外観を呈していた。Solbar製品は同じような色調傾向を示したが、Novasoy(登録商標)ほどは強くなかった。Central Soyaの製品および本発明の生成物は、Hunter読取値の負のb-値が示すようにかすかな青い色相を有していたが、この色合いは対照の水のサンプルと比較して辛うじて認められる程度であった。
【0089】
水中 0.03 %( w/w )溶液における高イソフラボン製品の室温安定性と色調
【表9】
【0090】
実施例13の物質は水に容易に分散可能で、完全に可溶性であり、そして透明で実質的に無色の溶液となった。市販の製品と比較して、本発明の生成物は著しい優位点を示す。これらの優位点は飲料用途において特に重要であると考えられる。
【0091】
本発明のイソフラボン生成物はほとんどその遊離グリコシド形態のみで存在することができる(すなわちR3が水素である構造式2)。好ましい実施形態では、イソフラボンの95%超が遊離グリコシドとして存在し、より好ましくは98%超が遊離グリコシドとして存在する。加えて、ダイズ胚芽から単離されたイソフラボンは、異なる源由来のイソフラボンよりも低いレベルのゲニスチンを有する。イソフラボンの生成物プロファイルを変えることが可能であるということは、その効力に望ましい影響を与えることができる。従って、本発明の好ましい実施形態は、本組成物がダイズインおよびゲニスチンを含み、ダイズインの重量パーセント対ゲニスチンの重量パーセントの比が1よりも大きい、より好ましくは2より大きいものである。もう1つの好ましい組成物は、該組成物がグリシチンおよびゲニスチンを含み、グリシチンの重量パーセント対ゲニスチンの重量パーセントの比が1よりも大きい、より好ましくは2より大きいものである。
【0092】
イソフラボンの生成物プロファイルおよび他の分析結果
【表10】
【0093】
本発明の多数の実施形態を記載した。にも拘わらず、本発明の精神および範囲を逸脱することなく色々な改変ができることは理解されると思われる。例えば、イソフラボン含有抽出物をとることができる植物材料には広範囲のものがある。従って、そのような他の実施形態は本特許請求の範囲内である。
Claims (32)
- (a) 初期pHが10よりも高く、複数のフェノール化合物を含んでいる水性植物抽出物を提供する工程;
(b) 上記水性植物抽出物を有機溶媒で洗浄する工程;
(c) 上記水性植物抽出物のpHを9よりも低いpHに調節する工程;および
(d) 上記水性植物抽出物から前記フェノール化合物を単離する工程;
を有してなるフェノール化合物の単離方法。 - 前記水性植物抽出物がダイズ由来のものである請求項1に記載の方法。
- 前記水性植物抽出物が脱脂ダイズ胚芽由来のものである請求項2に記載の方法。
- 前記フェノール化合物がイソフラボン類である請求項3に記載の方法。
- 前記フェノール化合物が、フラボノイド類、アントシアニジン類、フラボン類、フラボノール類、フラボノン類およびプロアントシアニジン類からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- (a) 初期pHが10よりも低く、複数のフェノール化合物を含んでいる水性植物抽出物を提供する工程;
(b) 上記水性植物抽出物を第1の有機溶媒で抽出して第1の有機抽出物を得る工程;
(c) 上記第1の有機抽出物をpHが10よりも高い水相で抽出してフェノールに富む水相を得る工程;
(d) 上記フェノールに富む水相のpHを9よりも低いpHに調節する工程;および
(e) 上記フェノールに富む水相から前記フェノール化合物を単離する工程;
を有してなるフェノール化合物の単離方法。 - 前記水性植物抽出物がダイズ由来のものである請求項6に記載の方法。
- 前記水性植物抽出物が脱脂ダイズ胚芽由来のものである請求項7に記載の方法。
- 前記フェノール化合物がイソフラボン類である請求項8に記載の方法。
- 前記フェノール化合物が、フラボノイド類、アントシアニジン類、フラボン類、フラボノール類、フラボノン類およびプロアントシアニジン類からなる群から選択される請求項6に記載の方法。
- 工程(e)が、前記フェノールに富む水相を第2の有機溶媒で抽出して第2の有機抽出物を得ることを含む請求項9に記載の方法。
- さらに、前記第2の有機抽出物から前記有機溶媒を除去してイソフラボン生成物を得る工程を有してなる請求項11に記載の方法。
- 前記第1および第2の有機溶媒が1-ブタノール、2-ブタノン、酢酸エチルまたはイソプロピルアルコールからなる群から独立に選択される請求項11に記載の方法。
- さらに、工程(b)の前に、前記水性植物抽出物のpHを10より高く上げ、それから該pHを6〜8に下げる工程を有している請求項13に記載の方法。
- a) 2種以上のイソフラボン類を含む組成物であって、該イソフラボン類が該組成物の15重量%超を占めており、
b) 該組成物が、水中に該組成物約0.03重量%を含む混合物中において約80%以上の溶解度を呈す組成物。 - 前記イソフラボン類が前記組成物の約15%〜約60%を占めている請求項15に記載の組成物。
- 前記イソフラボン類が前記組成物の約35%〜約55%を占めている請求項16に記載の組成物。
- 前記組成物が約90%より高い溶解度を呈す請求項17に記載の組成物。
- 前記組成物が約95%より高い溶解度を呈す請求項18に記載の組成物。
- 前記組成物を燃焼させたとき約25%より低い灰分含量が測定される請求項15に記載の組成物。
- 燃焼させたとき前記灰分含量が約10%より低い請求項20に記載の組成物。
- 前記組成物のL-色値が約65よりも大きい請求項15に記載の組成物。
- 前記組成物のa-色値が約4よりも小さい請求項15に記載の組成物。
- 前記組成物のL-色値が約75よりも大きく、a-色値が2よりも小さい請求項15に記載の組成物。
- 前記組成物がダイズインとゲニスチンを含み、該ダイズインの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が1より大きく、その際該ダイズインとゲニスチンがそのアグリコン形またはグリコシル化形のどちらかで存在している請求項15に記載の組成物。
- 前記組成物がダイズインとゲニスチンを含み、該ダイズインの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が2より大きく、その際該ダイズインとゲニスチンがそのアグリコン形またはグリコシル化形のどちらかで存在している請求項15に記載の組成物。
- 前記組成物がグリシチンとゲニスチンを含み、該グリシチンの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が1より大きく、その際該グリシチンとゲニスチンがそのアグリコン形またはグリコシル化形のどちらかで存在している請求項15に記載の組成物。
- 前記組成物がダイズイン、グリシチンおよびゲニスチンを含み、該ダイズインの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が1より大きくまた該グリシチンの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が1より大きく、その際該ダイズイン、グリシチンおよびゲニスチンがそのアグリコン形またはグリコシル化形のどちらかで存在している請求項15に記載の組成物。
- 前記組成物がダイズイン、グリシチンおよびゲニスチンを含み、該ダイズインの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が2より大きくまた該グリシチンの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が2より大きく、その際該ダイズイン、グリシチンおよびゲニスチンがそのアグリコン形またはグリコシル化形のどちらかで存在している請求項15に記載の組成物。
- 前記イソフラボン類の約95%超が遊離グリコシドの形態にある請求項15に記載の組成物。
- 前記イソフラボン類の約98%超が遊離グリコシドの形態にある請求項29に記載の組成物。
- a) 前記組成物が約90%より高い溶解度を呈し、
b) 燃焼させたときその灰分含量が約10%より低く、
c) 前記組成物のL-色値が約75より大きく、a-色値が2より小さく、
d) 前記組成物がダイズイン、グリシチンおよびゲニスチンを含み、該ダイズインの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が2より大きくまた該グリシチンの重量パーセント対該ゲニスチンの重量パーセントの比が2より大きく、
e) 前記イソフラボン類の95%超が遊離グリコシド類の形態にある、
請求項15に記載の組成物。
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