JP2005504722A - 相乗的抗真菌薬剤としての置換テトラサイクリン化合物 - Google Patents
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Abstract
真菌に関連した疾患の全身的治療の治療のための方法および組成物に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2001年3月14日に出願された、表題「相乗的抗真菌剤としての置換テトラサイクリン化合物」の米国仮特許出願出願番号60/275,899に対する優先権を主張し、参照により本明細書にその全体が取り入れられる。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
長年、真菌疾患(真菌症)のための有効な治療薬の開発は、注目を欠いており、他の伝染性微生物に対して有効な薬剤に向けられていた。最も一般的な真菌感染は本質的には表在性であり、生命の脅威とはならず、製薬会社に対し新規治療を開発するための医学的な原動力をほとんどもたらさない。しかし、このシナリオは変化しており、一方では、真菌疾患による死亡は新しいものではなく、これらの致命性を引き起こす全身性真菌感染の発生率は増加している。皮肉にも、他の分野(免疫抑制薬および/または細胞毒性治療)における現代の医療技術の進歩および後天性免疫不全症候群(AIDS)などの疾患の出現は、重篤真菌感染数の増加を引き起こす主要な原因である。
【0003】
したがって、真菌疾患は、ヒストプラスマ症、全身性カンジダ症、アスペルギルス症、ブラストマイセス症、コクシジオイデス症、パラコクシジオイデス症、およびクリプトコッカス症などの、生命の脅威となる全身感染、並びに皮膚糸状菌(白せん)感染、たとえば足部白癬(水虫)および股部白癬(ジョッキ掻痒症)、カンジダ症、並びにアクチノマイセス症などの、より一般的な表在性のものである。生命の脅威となる真菌感染は、上記のように免疫抑制されたか、または免疫力が低下している個体に対してのみの問題ではなく、化学療法または放射線療法を受けている癌患者に対し、抗拒絶剤を受けている移植患者に対し、および毒性化学物質、金属、および放射線被曝を受けた患者に対する、サイトメガロウィルス(CMV)およびインフルエンザなどの他のウィルス感染の個体に対しても増加している問題である。
【0004】
真菌症は、病原体よりむしろ日和見性の真菌によって引き起こされることが多い。カンジダ症、アスペルギルス症、藻菌症、ノカルジア症、およびクリプトコッカス症は、典型的に日和見性の真菌感染である。たとえば鵞口瘡カンジダは、消化管における共生生物として通常見られ、しかも、免疫無防備状態の患者における全身性真菌感染および健康な個体における局所的感染の主要な原因である。
【0005】
現在真菌症の治療のために利用される大部分の薬剤は、効力が制限されているか、または耐容性が不十分である。抗真菌剤におけるしつこくかつ厄介な問題は、主に従来技術では放置されており、合成することが簡単で経済的で、生物に対して高活性および広範なスペクトル活性を保持し、低毒性かつ弊害が制限された剤がないことである。
【0006】
さらに、多くの既知の薬剤は、殺真菌特性よりもむしろ単に静真菌特性を有するだけである。静真菌活性は、真菌の増殖を防ぐ能力であり、一方、殺真菌(対真菌毒性)活性は、真菌を死滅させる能力である。表在性真菌症の治療に使用される多くの薬剤は、使用した濃度における静真菌作用または殺真菌作用を実質的に欠いており、これらの有益効果は、おそらく真菌類に対するどのような直接の効果にも関係しない要因に依存する。
【0007】
抗真菌特性を有するとされていた、またはされた、あり余る程の薬剤にもかかわらず、ほとんどが単に静真菌性であり、対真菌毒性がない。殺真菌性であるもの、たとえばアンホテリシンBについては、これらの使用およびこれらの化学的性質(たとえば溶解性)を制限し、ドラッグデリバリー方法を制限する重篤な副作用がある。
【発明の開示】
【0008】
本発明の概要
本発明は、抗真菌剤の抗真菌活性を、少なくとも一部、増大するための方法に関する。本方法は、抗真菌剤を置換テトラサイクリン化合物の有効な量と共に投与することを含み、その結果、抗真菌剤の抗真菌活性が増大する。抗真菌剤の例は、アンホテリシンBなどのポリエンを含む。置換テトラサイクリン化合物の例は、式Iの化合物、並びにその薬学的に許容される塩および鏡像異性体を含む:
Xは、CHC(R13Y'Y)、C=CR13Y、CR6'R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R2 ’、R4 ’、およびR4 ’’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4 ’R4 ’’、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、複素環式芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6 ’は、それぞれ独立して、水素、メチレン、なし、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R7は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0 〜 3NR7CC(=W')WR7aであり;
R9は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ(たとえば、-N=S)、または-(CH2)0 〜 3NR9CC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9b、またはOであり;
Z'は、O、S、またはNR9fであり;
Wは、CR7d R7e、S、NR7b、またはOであり;
W’は、O、NR7fSであり;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノまたはアリールアルキルであり;並びに、
Y'およびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。
【0009】
1つの態様において、本発明は、被験体の真菌に関連した疾患を治療するための方法を含む。本方法は、被験体が真菌に関連した疾患が治療されるように、抗真菌剤と組み合わせて置換テトラサイクリン化合物の有効な量を被験体に投与することを含む。
【0010】
また、本発明は、少なくとも一部、哺乳類の真菌に関連した疾患を治療するための方法に関する。本方法は、哺乳類が真菌に関連した疾患が治療されるように、アンホテリシンBの有効な量と組み合わせて置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量を哺乳類に投与することを含む。
【0011】
別の態様において、本発明は、置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量、抗真菌剤の有効な量、および選択的に、薬学的に許容される担体を含有する薬学的組成物に関する。
【0012】
また、本発明は、真菌を少なくとも一部、死滅させるための方法に関する。本方法は、置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量および抗真菌剤の有効な量と真菌を接触させることを含む。
【0013】
発明の詳細な説明
日和見性の全身性真菌感染は、高い罹患率および死亡率を有し、これらの発生率は増加しており、限られた副作用で、かつ低毒性であり、幅広い抗真菌薬スペクトラム活性を有する安全で、効率的に水可溶性で、合成が容易で、対真菌毒性の薬剤を提供する技術はまだない。
【0014】
本発明は、抗真菌剤を、置換テトラサイクリン化合物の有効な量と組み合わせて投与することにより、抗真菌薬の抗真菌活性を少なくとも一部、増大するための方法に関する。以前に、非置換のミノサイクリンおよびドキシサイクリンは、単独およびアンホテリシンBとの相乗作用の両者において、制限された抗真菌活性を備えていることが示されていた(Antimicrob. Agents Chemother. (1984), 26(6) 837-40;Pathol. Biol. (1975), 23(9):725-8)。しかし、非置換のミノサイクリンおよびドキシサイクリンは共に、低い相乗的活性、並びに高い細胞毒性の両者によって制限されている。
【0015】
「真菌(fungus)」または「真菌類(fungi)」という用語は、核をもち、胞子を有するクロロフィルを欠いた種々の生物を含む。例には、酵母、白カビ、糸状菌、錆菌、およびキノコを含む。真菌類の例は、アスペルギルスフミガーツス(Aspergillus fumigatus)、黄色コウジ菌(Aspergillus flavus)、アスペルギルスニデュランス(Aspergillus nidulans)、鵞口瘡カンジダ(Candida albicans)、カンジタ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・ギリエルモンヂ(Candida guilliermondii)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・ルシタニエ(Candida lusitaniae)、カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、イッサケンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)、コクシジオイデス(Coccidioides)、パラコクシジオイデス(Paracoccidioides)、ヒストプラスマ(Histoplasma)、ブラストミセス(Blastomyces)、およびアカパンカビ(Neurospora crassa)を含むが、これらに限定されない。1つの態様において、本発明の真菌類は、カンジダ属の真菌類を含む(たとえば、C.トロピカリス(C.tropicalis)、C,パラプシローシス(C.parapsilosis)、C.ルシタニエ(C.lusitaniae)、C.クルセイ(C.krusei)、C.ギリエルモンヂ(C.guilliermondii)、C.グラブラータ(C.glabrata)、Cデュブリニエンシス(C.dubliniensis)、および鵞口瘡カンジダ(C.albicans))。
【0016】
「抗真菌剤」という用語は、本発明の化合物を使用して相乗的に増大し得る、静真菌活性または殺真菌活性を有することが当業者に知られている薬剤(agent)を含む。抗真菌剤の例は、アゾール(たとえば、フルコナゾール(登録商標)、イトラコナゾール(登録商標);、ケトコナゾール(登録商標)、ミコナゾール(登録商標)、クロルトリマゾール(Clortrimazole)(登録商標)、ボリコナゾール(Voriconazole)(登録商標)、ポサコナゾール(Posaconazole)(登録商標)、ルボコナゾール(Rovuconazole)(登録商標)、など)、ポリエン(たとえば、ナタマイシン、ルセンソマイシン、ナイスタチン、アンホテリシンB、など)、エキノカンジン(echinocandins)(たとえば、カンシダス(Cancidas)(登録商標))、プラディマイシン(たとえば、ベアノマイシン、ニコマイシン、ソルダリン、アリルアミン、など)並びに誘導体およびその類似体を含むが、これらに限定されない。
【0017】
「抗真菌活性」という用語は、真菌の増殖を阻害すること(たとえば、静真菌活性)、少なくとも一部の真菌を殺すこと(たとえば、殺真菌活性)、真菌が再生する能力を制限すること、などを含む。
【0018】
「真菌の増殖阻害」という用語は、静真菌活性および殺真菌活性の両者を含む。静真菌活性は、真菌のコロニーの増殖速度におけるいかなる減少をも含む。静真菌活性は、真菌がその現在の大きさを維持しているか、または包囲する領域にコロニーを作ることができないことによって明らかにされてもよい。静真菌活性は、真菌の生殖作用の抑制の結果であってもよい。殺真菌活性は、一般に、たとえば真菌または真菌のコロニーの根絶(irraditication)、真菌または真菌のコロニーの死滅、あるいは1つの態様において、真菌または真菌のコロニーの質量もしくは大きさの減少を含む。
【0019】
1つの態様において、抗真菌剤の抗真菌活性は、本発明の置換テトラサイクリン化合物と組み合わせて投与される時に増大され、これにより、抗真菌剤を単独で投与するときに必要な量と比較して、必要な抗真菌剤の有効な量が減少する。1つの態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物の同時投与により、たとえば置換テトラサイクリン化合物または別の相乗的薬剤を使用しない抗真菌剤単独の有効な量と比較して、抗真菌剤の有効な量を1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍に減少する。有利には、置換テトラサイクリン化合物は、たとえば実施例4において測定したとおり、低い細胞毒性を有しており、低い抗菌活性(または、一部の態様では、抗菌活性がない)を示すかもしれない。低い抗菌活性を有する置換テトラサイクリン化合物は、4μm以上のMICを有する化合物であってもよい。ある態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、たとえば当業者に認識されるアッセイ法によって測定されるものとして、消炎作用を有してもよい。特定の置換テトラサイクリン化合物、抗真菌剤、およびその併用による細胞毒性は、実施例3に示したアッセイ法を使用して測定することができる。
【0020】
抗真菌剤の「有効な量」という専門用語は、真菌の増殖を阻害するのに、またはある場合には、真菌を死滅させるのに、必要もしくは十分な量である。1つの態様において、抗真菌剤の有効な量は、本発明の置換テトラサイクリン化合物と組み合わせて投与されるときに減少される。
【0021】
「テトラサイクリン化合物」という用語は、メタサイクリン、サンサイクリン(sancycline)、アピサイクリン(apicycline)、クロモサイクリン(clomocycline)、グアメサイクリン(guamecycline)、メグルサイクリン(meglucycline)、メフィルサイクリン(mepylcycline)、ペニメピサイクリン(penimepicycline)、ピパサイクリン(pipacycline)、エタモサイクリン(etamocycline)、ペニモサイクリン(penimocycline)、などのテトラサイクリンファミリーメンバ、並びに特徴あるナフタセンA-B-C-D環状構造を有する、他のテトラサイクリン化合物を含む。さらなるテトラサイクリン化合物は、たとえば米国特許出願出願番号:09/234847および米国特許番号5,834,450;5,532,227;5,789,395;5,639,742、並びにドイツ特許DE2814974およびDE2820983に見出される。上述した出願および特許の全ての内容は、参照により本明細書に明示的に組み入れられる。
【0022】
最近の調査努力は、変化する治療条件および投与経路の下で有効な新規テトラサイクリン組成物を開発すること;並びに元来導入されたテトラサイクリンファミリと同等または抗生物質としてより有効であると判明するかもしれない新規テトラサイクリン類似体を開発することに焦点が集まっている(米国特許番号3,957,980;3,674,859;2,980,584;2,990,331;3,062,717;3,557,280;4,018,889;4,024,272;4,126,680;3,454,697;および3,165,531を参照されたい)。
【0023】
「置換テトラサイクリン化合物」という用語は、たとえば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、11a、12、12a位に、またはメタサイクリンについては13位に、少なくとも1つの置換を有するテトラサイクリン化合物であって、化合物がその目的とする機能、たとえば相乗的に真菌の増殖を阻害することを、実行可能にする化合物を含む。1つの態様において、「置換テトラサイクリン化合物」という用語は、非置換のテトラサイクリン、ミノサイクリン、またはドキシサイクリンを含まない。1つの態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、非置換のドキシサイクリン、テトラサイクリン、またはミノサイクリンよりも広範にアンホテリシンBのMICを減少する。「置換テトラサイクリン化合物」という用語は、たとえば置換サンサイクリン化合物、置換ミノサイクリン化合物、および置換ドキシサイクリン化合物を含む。1つの態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物のFICは、0.125以下、0.09以下、0.08以下、0.07以下、0.063以下、などである。また、本明細書に記載された範囲内に含まれるか、および/または中間の値および範囲は、本発明の範囲内であることが意図される。
【0024】
本発明の方法および組成物に使用される置換テトラサイクリン化合物は、式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩を含む:
Xは、CHC(R13Y'Y)、C=CR13Y、CR6 ’R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R2 ’、R4 ’、およびR4 ’’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4 ’R4 ’’、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、複素環式芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6 ’は、それぞれ独立して、水素、メチレン、なし、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R7は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0 〜 3NR7CC(=W')WR7aであり;
R9は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ(たとえば、-N=S)、または-(CH2)0 〜 3NR9CC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9b、またはOであり;
Z'は、O、S、またはNR9fであり;
Wは、CR7d R7e、S、NR7b、またはOであり;
W'は、O、NR7fSであり;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;並びに、
Y'およびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。
【0025】
1つの態様において、本発明の方法および組成物に使用される置換テトラサイクリン化合物は、たとえば2、5、6、7、8、9、10、11、11a、12、12a位、および/またはミノサイクリンについては13位に置換基を有する置換サンサイクリン化合物である。本発明の置換サンサイクリン化合物において、R2 ’、R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;R4 ’およびR4 ’’は、それぞれアルキル(たとえば低級アルキル、たとえばメチル)であり;Xは、CR6R6 ’であり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、およびR8は、一般にそれぞれ水素である。その他の態様において、置換テトラサイクリン化合物は、置換テトラサイクリン(たとえば、一般に、式中、R4はNR4 ’R4 ’’であり、R4 ’およびR4 ’’はメチルであり、R5は水素であり、並びにXはCR6R6 ’であり、式中R6はメチルであり、およびR6 ’はヒドロキシである);置換ドキシサイクリン(たとえば、式中R4はNR4 ’R4 ’’であり、R4 ’およびR4 ’’はメチルであり、R5はヒドロキシルであり、並びにXはCR6R6 ’であり、式中R6はメチルであり、およびR6 ’は水素である);置換ミノサイクリン(たとえば、式中R4はNR4 ’R4 ’’であり、R4 ’およびR4 ’’はメチルであり;R5は水素であり、並びにXはCR6R6 ’であり、式中R6およびR6 ’は水素原子であり、およびR7はジメチルアミノである)、または置換サンサイクリン(式中R4はNR4 ’R4 ’’であり、R4 ’およびR4 ’’はメチルであり;R5は水素であり、並びにXはCR6R6 ’であり、式中R6およびR6 ’は水素原子である)である。
【0026】
1つの態様において、R5は、置換されており、たとえば水素またはヒドロキシではない。さらなる態様において、R5は、エステル(アルキカルボニルオキシ)である。1つの態様において、R5はアルキルエステルである。R5の例は、アルキルエステル(たとえば、C1〜C12アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリールエステル)を含む。アルキル基は、直鎖、分枝鎖、および/または環を含んでいてもよい。エステルの例は、エタン酸、プロパン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、2-シクロペンタンエタン酸、シクロペンタン酸、シクロヘプタン酸、2-メチルプロパン酸、シクロヘキサン酸、およびアダマンタン2-カルボン酸のテトラサイクリンエステルを含むが、これらに限定されない。その他の態様において、R5は水素である。
【0027】
1つの態様において、本発明の方法および組成物に使用される置換テトラサイクリン化合物は、たとえば2、7、および/または9位に置換を有する置換サンサイクリン化合物である。本発明の置換サンサイクリン化合物において、R2 ’、R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;R4はジアルキルアミノであり、およびR4 ’は水素であり;XはCR6R6 ’であり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、およびR8はそれぞれ一般に水素である。7位置換のサンサイクリン化合物については、R9は水素であってもよい。別の態様において、R4は水素である。
【0028】
1つの態様において、R7は、置換のまたは非置換のアリール、たとえばヘテロアリール、フェニル、などである。R7置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含む。このような置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含むが、これらに限定されない。ある態様において、フェニルは、少なくとも1つのアルキル、アミノ、ヘテロ環、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノ、またはアルキルアミノで置換される。
【0029】
別の態様において、R7は、置換のまたは非置換のヘテロアリールである。複素環式芳香族基の例は、単環および多環(たとえば、多重環)の両者を含み、例えばフラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、ベンゾジオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフトリジニル(naphthridinyl)、チアゾリル、イソチアゾリル、およびデアザプリニルなどであるが、これらに限定されない。1つの態様において、R7はベンゾフラニルである。置換基の例は、テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる全ての置換基を含み、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールなどであるが、これらに限定されない。1つの態様において、R7はチエニルである。また、R7は、置換のまたは非置換の複素環、たとえばモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、などであってもよい。
【0030】
別の態様において、R7は、置換のまたは非置換の、分岐状、直鎖状、または環状のアルキルである。置換基の例は、テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含み、例えばアルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、トリアルキルシリル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールなどであるが、これらに限定されない。ある態様において、置換基は、ヘテロ環、置換および非置換のフェニル、ヒドロキシ、並びにこれらの組み合わせを含む。また、アルキルの置換基R7は、化学的に可能であるならば、上に一覧を示したR7基に対する置換基でさらに置換されてもよい。R7基の例は、C1〜C15基、C1〜C10基、C1〜C7基、などで、例えば2-エチルペンチル、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、などを含むが、これらに限定されない。本明細書に記載した範囲内に含まれるか、および/または中間の値並びに範囲は、本発明の範囲内であることが意図される。たとえば、C1〜C7基は、1、2、3、4、5、6、および7個の炭素を有する基を含む。
【0031】
1つの態様において、R7は置換のまたは非置換のアルケニルである。置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含む。このような置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリール含むが、これらに限定されない。
【0032】
1つの態様において、アルケニルR7部分は、置換のまたは非置換の環状部分で置換される。環状部分は、炭素環、複素環の両者の、アリール、ヘテロアリール、シクロアルケニル、およびシクロアルキル基を含む。環状部分の例は、たとえばシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、フェニル、その他を含む。環状部分は、たとえば上に一覧を示したアルケニルR7部分のいずれかの置換基で置換することができる。
【0033】
また、R7は、結合部分を介して、別のテトラサイクリン環状構造に結合されていてもよい。結合部分は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうるどのような長さであることもできる。結合部分は、第二のテトラサイクリン環状構造に対し、このような置換が可能などのような位置においても結合することができる。ある態様において、リンカーは、アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。リンカーは、大体C1〜C25、C1〜C20、C1〜C15、などからなっていてもよい。ある態様において、リンカーは、アルキニルであり、および第二のテトラサイクリン環状構造は、サンサイクリル(sansyclyl)である。「テトラサイクリン二量体」という用語は、2つのテトラサイクリン環状構造が、化学的に、たとえば共有結合で、たとえば結合部分に結合された化合物をいう。
【0034】
別の態様において、R7は置換のまたは非置換のアルキニルである。置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含み、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含むアルキニルR7部分などであるが、これらに限定されない。
【0035】
R7アルキニル部分は、置換のまたは非置換の環状部分と置換されてもよい。環状部分は、炭素環、複素環の両者の、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルケニル基、およびシクロアルキル基を含む。環状部分の例は、たとえばシクロブタン、シクロペンタン(cylopentane)、シクロヘキサン、などのシクロアルキルを含む。環状部分は、たとえば上に一覧を示したアルキニルR7部分のいずれの置換基で置換することもできる。アルキニルR7部分の環状置換基の例は、フェニル、シクロヘキシル、p-ニトロフェニル、p-メチルフェニル、シクロヘキセン、および1-ヒドロキシシクロヘキサンを含むが、これらに限定されない。
【0036】
R7基のその他の例は、置換および非置換のアルキルカルボニル基を含む。これらの基は、アリール、アルキル、アリールアミノ、アルケニル、アルコキシ、または置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうるその他の置換基でさらに置換することもできる。R7部分の別の例は、置換および非置換のアミノを含む。アミノ基は、ジアルキルアミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、など、またはその意図された機能、たとえば抗真菌剤の有効な量を減少することが可能な、あらゆるその他の置換基の組み合わせであることもできる。
【0037】
また、本発明は、7,9-二置換テトラサイクリン化合物(たとえば7位および9位置換のテトラサイクリン化合物を含む方法および薬学的組成物に関する。たとえば、本発明は、7,9-置換のサンサイクリン化合物、たとえばXがCR6R6 ’であり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、およびR8がそれぞれ水素である化合物に関する。本発明は、R9がアルキルであり、およびR7が置換のまたは非置換のアミノメチルである化合物を含む。本発明は、別の位置、たとえばR9において起こりうるその他のあらゆる置換基とともに、R7について上記したとおりのどのような組み合わせの置換基を有する化合物をも含む。
【0038】
別の態様において、本発明は、R5がヒドロキシまたはアルキルカルボニルオキシであり;XがCHR6であり;R6がアルキル(たとえば低級アルキル、たとえばメチル)であり;およびR8が水素である置換ドキシサイクリン化合物に関する。R7は、水素またはアルキルであってもよい。R2は、水素またはアルキルであってもよい。
【0039】
1つの態様において、R9は置換のまたは非置換のアルケニルである。置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含む。このような置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリール含む。
【0040】
R9の他の例は、置換のまたは非置換のアルキル(たとえば、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、n-ブチル、i-ブチル、ペンチル、など)、アリール、または化合物がその意図された機能を実行しうる置換基も含む。
【0041】
別の態様において、本発明は、置換テトラサイクリン化合物が置換ミノサイクリン化合物である方法および組成物に関する。これらの化合物の例は、XがCR6R6 ’;R2、R5、R6、R6 ’、およびR8である化合物がそれぞれ水素であり、およびR7は、ジアルキルアミノ、たとえばジメチルアミノである化合物を含む。ある態様において、置換基は、1つまたは複数の窒素原子を含んでもよい。
【0042】
1つの態様において、R9は置換のもしくは非置換のアリール(たとえば、フェニルビアリール、ヘテロアリール、など)またはアラルキルである。R9は、置換のまたは非置換のヘテロアリールであってもよい。複素環式芳香族基の例は、単環および多環(たとえば、多重環)の両者を含み、フラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、ベンゾジオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフトリジニル(naphthridinyl)、チアゾリル、イソチアゾリル、およびデアザプリニルなどであるが、これらに限定されない。1つの態様において、R7は、ベンゾフラニルである。置換基の例は、テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる全ての置換基を含み、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールなどであるが、これらに限定されない。1つの態様において、R7はチエニルである。また、R7は、置換のまたは非置換の複素環で、たとえばモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、その他であってもよい。1つの態様において、アリールR9部分は、置換のまたは非置換のフェニルである。
【0043】
R9部分のその他の例は、置換および非置換の、環状、分岐状、または直鎖状アルキル(たとえば、C1〜C15、C1〜C10、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2-シクロペンタンエチル、など)を含む。置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリール含むが、これらに限定されない。置換基の例は、アミド、アルキル、アミノアルキル、ヘテロ環、カルボン酸、ホルミル、塩素、フッ素、またはアセチルからなる基より選択される上記に挙げた置換基を含む。
【0044】
R9のその他の例は、置換および非置換のものの両方または非置換の、アルケニルもしくはアルキニルを含む。置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフィドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含むが、これらに限定されない。1つの態様において、アルキニルR9部分は、置換および非置換のアリール、置換および非置換のアルキル、カルボン酸、シクロアルキル、シクロアルケニル、またはアルコキシカルボニルからなる基より選択される1つまたは複数の置換基で置換される。
【0045】
別の態様において、R9は置換のまたは非置換のアルキルまたはアルキルアミノである。たとえば、R9は、C1〜C15アルキル、C1〜C10アルキル、などであってもよい。その他の態様において、R9は、アミノアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、および置換テトラサイクリン化合物は、これらが意図された機能を実行しうるその他の置換基で置換されていてもよい。置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリール含むが、これらに限定されない。
【0046】
別の態様において、R9cは水素であり、ZはSまたはOであり、Z'はNHである。1つの態様において、R9aは置換のまたは非置換のフェニルを含む。置換フェニルの置換基の例は、たとえば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含む。
【0047】
他の態様において、R9は、複素環、たとえばモルホリニル、ピリジニル、ピラジニル、ピペリジニル(piperdinyl)、などであってもよい。これらの置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールなどの置換基でさらに置換されていてもよいが、これらに限定されない。
【0048】
さらなる態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、置換メタサイクリン化合物であって、たとえば、式中XはC=CR13Yであり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、R8、およびYはそれぞれ水素である化合物を含む。また、R7およびR9は、水素または本発明の置換テトラサイクリン化合物がそれらの意図された機能を実行可能にする別の部分であってもよい。
【0049】
1つの態様において、R13は、置換のまたは非置換のアリール、たとえばフェニル、ビアリール、ヘテロアリール、その他である。置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物が、その意図された機能を実行しうるものを含む。例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含むが、これらに限定されない。さらなる態様において、置換基は、メチルまたはアルコキシである。
【0050】
さらなる態様において、式(I)の置換テトラサイクリン化合物は、7、9、または13位に大きな疎水性部分を有する化合物を含む。疎水性部分は、部分的に、立体的に強固(たとえば、二重結合もしくは三重結合を含むか、または1つもしくは複数のリングを含む)であってもよい。たとえば、化合物が置換のもしく非置換のアリール(たとえば、ヘテロアリール、フェニル、その他のリング)基または1つもしくは複数のアルキル基を含んでもよい。別の態様において、化合物は、1つもしくは複数の窒素またはその他のヘテロ原子を有する基を含んでもよい。さらなる態様において、化合物は、9-置換のミノサイクリン化合物であってもよい。置換テトラサイクリン化合物は、表2に示される置換基の任意の組み合わせで含むことができる。
【0051】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載されたか、または表2に示された置換基を有する4-デジメチルアミノテトラサイクリン化合物に関する(たとえば、ジメチルアミノ基が水素であるR4位を除き、本明細書または表2に記載されたものと同じ置換基を有する)。
【0052】
本発明の方法に使用することができる置換テトラサイクリン化合物を、以下および表2に示す。
【0053】
本発明の置換テトラサイクリン化合物は、実施例1に記載された方法、以下のスキーム、および当技術分野で認識された技術を使用して合成することができる。本明細書において、記載された全ての新規の置換テトラサイクリン化合物は、化合物として本発明に含まれる。
【0054】
【0055】
9-および7-置換のテトラサイクリンは、スキーム1に示した方法によって合成することができる。スキーム1に示したとおり、9-および7-置換のテトラサイクリン化合物は、テトラサイクリン化合物(たとえば、ドキシサイクリン、1A)を硫酸および硝酸ナトリウムで処理することによって合成することができる。生じた生成物は、7-ニトロおよび9-ニトロ異性体(それぞれ1Bおよび1C)の混合物である。7-ニトロ(1B)および9-ニトロ(1C)誘導体を、水素気体および白金触媒を用いた水素化によって処理し、アミン1DおよびIEを得る。このとき、異性体を従来法によって分離する。7-または9-置換のアルケニル誘導体を合成するためには、7-または9-アミノテトラサイクリン化合物(それぞれ1Eおよび1F)をHONOで処理して、ジアゾニウム塩(1Gおよび1H)を得る。この塩(1Gおよび1H)をハロゲン化された適切な試薬(たとえば、R9がアリール、アルケニル、またはアルキニル部分であるR9Br)で処理して、所望の化合物(たとえば、スキーム1における、7-シクロペント-1-エニルドキシサイクリン(1H)および9-シクロペント-1-エニルドキシサイクリン(1I))を得る。
【0056】
【0057】
スキーム2に示したとおり、R7がカルバメートまたは尿素誘導体である本発明のテトラサイクリン化合物は、以下のプロトコルを使用して合成することができる。サンサイクリン(2A)を酸性条件下においてNaNO2で処理して、位置異性体の混合物中に7-ニトロサンサイクリン(2B)を形成させる。次いで、7-ニトロサンサイクリン(2B)をH2気体および白金触媒で処理して、7-アミノサンサイクリン誘導体(2C)を形成させる。尿素誘導体(2E)を形成させるためには、イソシアネート(2D)を7-アミノサンサイクリン誘導体(2C)と反応させる。カルバメート(2G)を形成させるためには、適切な塩素酸エステル(2F)を2Cと反応させる。
【0058】
【0059】
スキーム3に示したとおり、本発明のテトラサイクリン化合物であって、式中R7が複素環(すなわちチアゾール)置換のアミノ基である化合物は、上記プロトコルを使用して合成することができる。7-アミノサンサイクリン(3A)をFmoc-イソチオシアネート(3B)と反応させて、保護されたチオ尿素(3C)を生成させる。次に、保護されたチオ尿素(3C)を脱保護して、活性サンサイクリンチオ尿素(3D)化合物を得る。サンサイクリンチオ尿素(3D)をα-ハロケトン(3E)と反応させて、チアゾール置換の7-アミノサンサイクリン(3F)を生成させる。
【0060】
【0061】
7-アルキニルサンサイクリン(4A)および7-アルケニルサンサイクリン(4B)などの7-アルケニルテトラサイクリン化合物を水素化して、7-置換のテトラサイクリン化合物(たとえば、7-アルキルサンサイクリン,4C)を形成させることができる。スキーム4には、生成物を得るための、飽和メタノールおよび塩酸溶液での圧力下におけるパラジウム/炭素触媒による7位の二重結合または三重結合の選択的水素化を示す。
【0062】
【0063】
スキーム5には、7位アリール誘導体を合成するための一般的な合成スキームを示す。ヨードサンサイクリン化合物とアリールボロン酸のスズキカップリングを示す。ヨードサンサイクリン化合物(5B)は、酸性条件下において少なくとも1当量のN-ヨードスクシンイミド(NIS)でサンサイクリン(5A)を処理することにより、サンサイクリンから合成することができる。反応を停止させ、次いで、生じた7-ヨードサンサイクリン(5B)は、当業者に既知の標準的な技術を使用して精製することができる。アリール誘導体を形成させるためには、7-ヨードサンサイクリン(5B)を水性塩基(たとえば、Na2CO3)および適切なボロン酸(5C)で、および不活性雰囲気下で処理する。反応は、パラジウム触媒によって触媒される(たとえばPd(OAc)2)。生成物(5d)は、当業者に既知の方法(HPLCなど)によって精製することができる。その他の7-アリールおよびアルキニルテトラサイクリン化合物も、同様のプロトコルを使用して合成することができる。さらに、7-および9-カルボニル化された合成物は、当業者に認識される技術を使用して合成することができる。
【0064】
また、本発明の7-置換のテトラサイクリン化合物は、Stilleクロスカップリングを用いて合成することができる。スティルクロスカップリングは、適切なスズ試薬(たとえば、R-SnBu3)およびハロゲン化されたテトラサイクリン化合物(たとえば、7-ヨードサンサイクリン)を用いて行うことができる。スズ試薬およびヨードサンサイクリン化合物を、パラジウム触媒(たとえば、Pd(PPh3)2Cl2またはPd(AsPh3)2Cl2)で、および選択的に、さらに銅の塩、たとえばCuIで処理することもできる。次いで、生じた化合物は、当業者に既知の技術を用いて精製することができる。
【0065】
【0066】
また、本発明の化合物は、Heck-型クロスカップリング反応を使用して合成することができる。スキーム6に示すように、ハロゲン化されたテトラサイクリン化合物(たとえば、6-ヨードサンサイクリン,6A)および適切なパラジウムまたはその他の遷移金属触媒(たとえば、Pd(OAc)2およびCuI)を懸濁することによって、適切な溶媒(たとえば、脱ガスしたアセトニトリル)中で、Heck-型クロスカップリングを行うことができる。次いで、基質、反応性アルケン(6B)またはアルキン(6D)、およびトリエチルアミンを添加して、混合液を数時間加熱した後、室温に冷却する。次いで、生じた7-置換のアルケニル(6C)または7-置換のアルキニル(6E)テトラサイクリン化合物は、当業者に既知の技術を使用して精製することができる、
【0067】
【0068】
7-(2'-クロロ-アルケニル)-テトラサイクリン化合物を調製するためには、適切な7-(アルキニル)-サンサイクリン(7A)を飽和メタノールおよび塩酸に溶解して撹拌する。次いで、溶媒を除去して生成物(7B)を得る。
【0069】
【0070】
スキーム8に図示したように、9-置換テトラサイクリン化合物である5-エステルは、強酸(たとえばHF、メタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸)に9-置換化合物(8A)を溶解し、適切なカルボン酸を添加することによって形成し、対応するエステル(8B)を得ることができる。
【0071】
【0072】
スキーム9に示すように、メタサイクリン(9A)は、Pd(OAc)2などのパラジウム触媒の存在下でフェニルホウ酸と反応させ、13アリール置換の2メタサイクリン化合物を形成させることができる。次いで、生じた化合物を調製用HPLCなどの当業者に既知の技術を使用して精製することができ、特徴づけることができる。
【0073】
下記のスキーム10に示すように、7および9アミノメチルテトラサイクリンは、ヒドロキシメチル-カルバミン酸ベンジルエステルなどの試薬を使用して合成してもよい。
【0074】
【0075】
「アルケニル」という用語は、直鎖アルケニル基、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(脂環式)基、アルケニル置換のシクロアルキル基またはシクロアルケニル基、およびシクロアルケニル置換のアルキル基またはアルケニル基を含む不飽和の脂肪族基を含む。アルケニルという用語は、アルケニル基をさらに含み、これには、炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素を置換する酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子、たとえば酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子をさらに含むことができる。好ましい態様において、直鎖または分枝鎖アルケニル基は、その骨格に10以下の炭素原子(たとえば、直鎖についてC1〜C10、分枝鎖についてC3〜C10)、およびより好ましくは、6以下の炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルケニル基は、それらの環状構造(たとえば、シクロペンテンまたはシクロヘキセン)に4〜7個の炭素原子を有し、より好ましくは、それらの環状構造に5個または6個の炭素原子を有する。
【0076】
「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換のシクロアルキル基、およびシクロアルキル置換のアルキル基を含む飽和脂肪族基を含む。アルキルという用語は、さらにアルキル基を含み、これには、炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素を置換する酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子、たとえば酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子をさらに含むことができる。好ましい態様において、直鎖または分枝鎖アルキル基は、その骨格に10個以下の炭素原子、およびより好ましくは、6個以下の炭素原子を有する(たとえば、直鎖についてC1〜C10、分枝鎖についてC3〜C10)。同様に、好ましいシクロアルキルは、それらの環状構造に4〜7個の炭素原子を有し、より好ましくは、それらの環状構造に5個または6個の炭素原子を有する。
【0077】
さらに、アルキルという用語は、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両者を含み、これらのうちの後者は、炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素の水素を置換する置換基を有するアルキル部分をいう。このような置換基は、たとえば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリルアミノ、ジアリールアミノ、およびアミノアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフロロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分を含むことができる。炭化水素鎖において置換された部分が、適切であるならば、それ自体を置換しうることは、当業者によって理解と考えられる。シクロアルキルは、たとえば上記に挙げた置換基によってさらに置換することもできる。「アルキルアリール」部分は、アリール(たとえば、フェニルメチル(ベンジル))で置換されたアルキルである。
【0078】
「アリール」という用語は、ゼロから4つのヘテロ原子を含む5員環および6員環の単環芳香族基を含むアリール基、たとえば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジン、その他同種のものを含む。また、アリール基は、ナフチル、キノリル、インドリル、その他同種のものなどの多環融合された芳香族基を含む。また、環状構造中にヘテロ原子を有するこれらのアリール基は、「アリールヘテロ環」、「ヘテロアリール」または「複素環式芳香族」と呼ぶ。芳香環は、1つまたは複数の環状部位に、上記に挙げたような置換基(たとえば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリルアミノ、ジアリールアミノ、およびアミノアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフロロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分)で置換することもできる。また、アリール基は、多環(たとえば、テトラリン)を形成するように、芳香族でない脂環式もしくは複素環のリングと融合または架橋することができる。
【0079】
「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、長さおよび起こりうる置換が上記のアルキルと類似しているが、それぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む不飽和の脂肪族基を含む。アルキニル基の置換基の例は、たとえば、アルキル基、アルケニル基(たとえばシクロアルケニル、たとえばシクロヘキシニル)、およびアリール基を含む。
【0080】
炭素数が特に指定されない限り、本明細書において使用される「低級アルキル」は、上記に定義した通りのアルキル基を意味するが、その骨格構成に1個〜3個の炭素原子を有する。同様に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」も同様の鎖長を有する。
【0081】
記述のように、「アルコキシアルキル」、「ポリアミノアルキル」、および「チオアルコキシアルキル」という用語は、アルキル基を含み、記述のように、これには炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素を置換する酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子、たとえば酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子をさらに含むことができる。
【0082】
「多環式」または「多環式ラジカル」という用語は、2つ以上の炭素が2つの隣接しているリングに共通である、2つ以上の環式の環(たとえば、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、および/またはヘテロシクリル)を指し、たとえば本リングは、「融合されたリング」である。隣接していない原子を介して結合されたリングは、「架橋された」リングである。多環リングのそれぞれは、このような上記記載したとおりの置換基で置換することもでき、たとえば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアミノアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフロロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分を含むことができる。
【0083】
「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外のいかなる要素の原子をも含む。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、およびリンである。
【0084】
「アルキルスルフィニル」という用語は、1つまたは複数のスルフィニル(SO)結合、典型的には、1個〜約5個または6個のスルフィニル結合を有する基を含む。有利なアルキルスルフィニル基は、1個〜約12個の炭素原子、好ましくは1個〜約6個の炭素原子を有する基を含む。
【0085】
「アルキルスルホニル」という用語は、1つまたは複数のスルホニル(SO2)結合、典型的には、1個〜約5個または6個のスルホニル結合を有する基を含む。有利なアルキルスルホニル基は、1個〜約12個の炭素原子、好ましくは1個〜約6個の炭素原子を有する基を含む。
【0086】
「アルカノイル」という用語は、1個〜約4個または5個のカルボニル基を有する基を含む。「アロイル」という用語は、フェニルおよびその他の炭素環アリールなどの、カルボニル置換基を有するアリール基を含む。「アルカロイル」という用語は、アルキルカルボニル置換基、たとえばフェニルアセチルを有するアリール基を含む。
【0087】
本発明の方法および組成物に使用されるいくつかの置換テトラサイクリン化合物構造は、不斉炭素原子を含む。特に示されない限り、キラル原子(たとえば、全ての鏡像異性体およびジアステレオマー)から生じる異性体は、本発明の範囲内に含まれる。このような異性体は、古典的な分離技術により、および立体化学的に制御された合成により、実質的に純粋の形態で得ることができる。
【0088】
1つの態様において、本発明は、被験体において真菌に関連した疾患を治療するための方法に関する。本方法は、被験体が真菌関連疾患の治療がなされるように、置換テトラサイクリン化合物の有効な量を抗真菌剤と組み合わせて被験体に投与することを含む。
【0089】
置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤の「有効な量」という専門用語は、真菌の増殖を阻害するために、たとえば被験体において、たとえば真菌に関連した疾患の種々の形態学的および身体的な症状を予防するために、必要または十分な量のことである。有効な量は、被験体の大きさおよび重量、疾患のタイプ、または個々の置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤に依存して変化し得る。たとえば、置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤の選択は、「有効な量」を構成するものに影響を及ぼし得る。当業者であれば、前述の因子を研究して、過度の実験なく、置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤の有効な量を決定することができるであろう。実施例2に記載したとおりのインビトロアッセイ法またはこれと同様のアッセイ法(たとえば、真菌の選択において異なるもの)は、置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤の「有効な量」を決定するために使用することができる。当業者であれば、上述したインビトロにおけるアッセイ法に使用するために、置換テトラサイクリン化合物の適切な量を選択するであろう。
【0090】
「被験体」という用語は、真菌の抑制による利益を得る可能性がある、または真菌に関連した疾患を有し得る、任意の生物を含む。被験体の例は、哺乳類、鳥類、魚、その他などの動物だけでなく、真菌の存在下で逆に効果を与える植物も含む。
【0091】
「哺乳類」という用語は、反すう動物(たとえば、ウシおよびヤギ)、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ライオン、トラ、クマ、サル、チンパンジー、および好ましい態様においてヒトを含むが、これらに限定されない。哺乳類は、免疫応答性でもよく、または免疫無防備状態、たとえば免疫不全に罹患していてもよい。たとえば、哺乳類は、AIDSを有してもよく、または以前にもしくは並行して、化学療法を受けていてもよい。別の態様において、哺乳類は初老または若令であってもよい。哺乳類は、真菌に関連した疾患に罹患していてもよく、または罹患していなくてもよい。テトラサイクリン化合物は、疾患の発症を予防するために、真菌に関連した疾患にかかりやすい哺乳類に投与されてもよい。
【0092】
「真菌に関連した疾患」という専門用語は、被験体に真菌が存在することに関連した疾患を含む。動物における真菌に関連した疾患の例は、たとえばカンジダ(Candida)および白癬菌(Trichophyton)、ミクロスポルム(Microsporum)、もしくはエピダーモフィトン(Epidermophyton)などの皮膚糸状菌によって引き起こされる局所的真菌感染、または鵞口瘡カンジダ(Candida.albicans)(たとえば、経口口腔カンジタ症および膣カンジダ症)によって引き起こされる粘膜感染を含む。また、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、たとえば鵞口瘡カンジダ(Candida.albicans)、クリプトコッカス・ネオフォーマンス(Cryptococcus neoformans)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フトニガタス(Aspergillus fumigatus)、コクシジオイド(Coccidioides)、パラコクシジオイド(Paracoccidioides)、ヒストプラスマ(Histoplasma)、またはブラストミセス(Blastomyces)によって引き起こされる全身性真菌感染の治療に有用である。本発明の置換テトラサイクリン化合物は、AIDS、CMV、およびインフルエンザなどのウィルス感染した患者のような免疫無防備状態の患者、化学療法または放射線療法を受けている癌患者、抗拒絶性剤を受けている移植患者、並びに毒性化学物質、金属、および放射線被曝を受けている患者の真菌感染を治療するために特に有用である。
【0093】
その他の真菌に関連した疾患は、動物におけるアスペルギルス症、カンジダ症、黒色真菌感染症、コクシジウム症(coccidioidiocycosis)、クリプトコッカス症、エントモフトラ真菌症(entomophthoromycosis)、伝染性リンパ管炎、ゲオトリクム症、ヒストプラスマ症、ムコール菌症、足菌腫(mycetoma)、北アメリカ分芽菌症、卵菌症、パエシリマイコシス(paecilimycosis)、ペニシリウム症、リノスポリジウム症、およびスプロトリッチイオシス(sprotrichiosis)を含む。1つの態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、家畜類の飼料に含ませることもでき、その結果前記飼料の通常の消費により、1日あたりkg動物毎に、本発明の置換テトラサイクリン化合物のうちの少なくとも約1mg〜約200mgを提供することができる。
【0094】
抗真菌剤「と組み合わせて」という用語は、置換テトラサイクリン化合物と抗真菌剤を同時に投与すること、最初に抗真菌剤を投与して、続いて置換テトラサイクリン化合物を投与すること、最初に置換テトラサイクリン化合物を投与して、続いて抗真菌剤を投与することを含むことを意図する。抗真菌剤は、テトラサイクリンと同じか、または1つ、また複数の異なったルートによって投与することができる。抗真菌剤およびテトラサイクリン化合物は、適切な間隔で投与されてもよい(たとえば、間隔は、本発明の化合物がこれらの意図された機能を実行できるように、たとえば置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤が、相乗的に相互作用することができるように選択される)。
【0095】
また、本発明は、哺乳類において真菌に関連した疾患を治療するための方法に関する。本方法は、哺乳類が真菌に関連した疾患の治療がなされるように、置換テトラサイクリン化合物の相乗的にな有効な量を、アンホテリシンBの有効な量と組み合わせて哺乳類に投与することを含む。1つの態様において、テトラサイクリン化合物は、式(I)の化合物である。別の態様において、テトラサイクリン化合物は、表2に示したトラサイクリン化合物である。
【0096】
また、本発明は、置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量、抗真菌剤の有効な量、および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物に関する。
【0097】
「相乗的に有効な量」は、真菌に関連した疾患が治療されるように、抗真菌剤の抗真菌活性を増大るために必要な本発明の置換テトラサイクリン化合物の量である。
【0098】
「薬学的に許容される担体」という用語は、置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤の同時投与できる物質を含み、これにより、抗真菌剤および置換テトラサイクリン化合物がこれらの意図された機能の実行、たとえば真菌に関連した疾患を治療するか、または予防することが可能となる。このような担体の例は、溶液、溶媒、分散媒体、遅延剤、乳剤、その他同種のものを含む。薬学的に活性な物質に対するこのような媒体の使用は、公知の技術である。本発明のテトラサイクリンの用途に適した従来のいずれのその他の担体も、含まれる。薬学的に許容される担体は、1つまたは複数の活性成分を所望の長さの時間にわたって放出されるように(たとえば放出時間)、当業者に既知の方法により、処方されてもよい。
【0099】
たとえば、本発明の1つまたは複数の化合物は、単独で被験体に投与されてもよく、より典型的には、本発明の化合物は、従来の賦形剤、すなわち活性化合物と有害な反応を起こさず、かつレシピエントに有害でない、非経口、経口、またはその他の所望の投与のために適した薬学的に許容される有機または無機の担体物質との混合物中に薬学的組成物の一部として投与される。適切な薬学的に許容される担体は、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘稠性パラフィン、香料油、脂肪酸モノグリセリド、および脂肪酸ジグリセリド、石油エーテル脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、その他を含むが、これらに限定されない。薬学的製剤は、滅菌することができ、必要に応じて補助剤、たとえば潤滑剤、防腐剤、安定器、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝液、カラーリング、香料、および/または芳香薬物質、活性化合物と有害な反応を生じないその他同種のものと混合することができる。
【0100】
置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤は、プロトン化されかつ水溶性の形態、たとえば有機または無機の酸の薬学的に許容される塩、たとえば硫酸塩、ヘミ硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、メシレート、その他として、被験体に投与されてもよい。また、適切な酸性基が本発明の置換テトラサイクリン化合物または抗真菌剤に存在する場合、有機または無機塩基の薬学的に許容される塩には、アンモニウム塩、または有機アミンの塩、またはカリウム、カルシウム、もしくはナトリウムの塩などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などを使用することができる。
【0101】
治療的な化合物は、様々なルートのいずれによって本発明に従って被験体に投与することもできる。局所的(経皮的、ほほ側、または舌下を含む)、経口的、非経口的(腹腔内、皮下、静脈内、皮内、または筋内の注射を含む)が一般的に好ましい。
【0102】
経口投与については、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、およびグリシンなどの種々の賦形剤を含むタブレットを、デンプン(および好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ、またはタピオカデンプン)、アルギン酸、およびある化合物体のシリケートなどの種々の崩壊剤とともに、ポリビニルピロリドン、シュクロース、ゼラチン、およびアカシア様の顆粒結合剤とともに使用してもよい。その上、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルクなどの潤滑剤は、タブレット化の目的にしばしば非常に有用である。また、同様のタイプの固体組成物を、ゼラチンカプセルにおける賦形剤して使用してもよく;この点について、好ましい物質は、ラクトースまたは乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールを含む。経口投与のために水性懸濁液および/またはエリキシルが望まれる場合、活性成分は、種々のスイートニングまたは香料、カラーリング物質または色素、要望に応じて、乳化剤および/または懸濁剤、また、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびこれらの種々の組み合わせなどの稀釈剤と共に、組み合わせてもよい。
【0103】
非経口的な適用については、溶液、好ましくは油性もしくは水性の溶液、並びに懸濁液、乳剤、または坐薬を含むインプラントが特に適している。治療的な組成物は、無菌の生理食塩液または通常注射可能薬物と共に使用される5%塩類デキストロース溶液などの液体担体中に分散されたものなどの、複数または一回用量形態で無菌形態として処方されてもよい。
【0104】
経腸の適用については、タルクおよび/もしくは含水炭素担体結合剤を有するタブレット、糖衣丸、またはカプセル等が特に適しており、担体には、ラクトースおよび/またはコンスターチおよび/またはジャガイモデンプンが好ましい。シロップ、エリキシル等は、加糖媒体が使用される場合に使用することができる。徐放性組成物は、マイクロカプセル化、複数の被覆、その他により、有効成分が差別的に分解可能な被覆で保護されているものを含むように処方することができる。
【0105】
局所適用については、置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤は、ジェル、軟膏、ローション、またはクリームなどの薬理学的に不活性の局所的担体中に、適切に混合することができる。このような局所的担体は、水、グリセロール、アルコール、プロピレングリコール、脂肪族アルコール、トリグリセリド、脂肪酸エステル、または鉱油を含む。その他の可能な局所的担体は、液状ペトロラタム、イソプロピルペトロラタム、ポリエチレングリコール、95%エタノール、モノラウリン酸ポリオキシエチレン5%の水溶液、5%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液、その他同種のものである。さらに、抗酸化剤、湿潤剤、粘度調整剤、その他同種のものなどの物質も、必要に応じて添加されてもよい。
【0106】
所与の治療法に使用される活性化合物の実際の好ましい量は、利用される特定の化合物、処方される特定の組成物、適用の型式、投与の特定の部位等により、変化するであろう。所与の投与プロトコルについての最適な投与比率は、前述のガイドラインに関して行った従来の用量決定試験を使用して、当業者によって容易に確認することができる。
【0107】
一般に、治療のための本発明の化合物は、従来のテトラサイクリン治療法に使用される用量で被験体に投与することができる。たとえば、Physicians'DeskReferenceを参照されたい。たとえば、1つまたは複数の本発明の化合物の適切な有効量は、1日あたりレシピエント体重の1キログラムにつき0.01〜100ミリグラム、好ましくは、1日あたりレシピエント体重の1キログラムにつき0.1〜50ミリグラム、より好ましくは、1日あたりレシピエント体重の1キログラムにつき1〜20ミリグラムの範囲である。所望の用量は、適切には、1日1回または数回のサブ用量であり、たとえば、1日にわたって適切な間隔で、またはその他の適切なスケジュールで2〜5回投与される。
【0108】
また、一般に正常な使用環境下でテトラサイクリンおよび抗真菌剤の効率を保証するために、正常な従来の既知の予防措置がテトラサイクリンおよび抗真菌剤の投与に関してなされることは理解されるであろう。特に、ヒトおよび動物の治療処置のために、インビボにおいて使用されるときに、開業医は、従来の既知の矛盾および毒作用を回避するために、全ての賢明な予防措置をするべきである。したがって、胃腸の窮迫および炎症について従来認識されている有害反応、腎毒性、過敏性反応、血液における変化、並びにアルミニウム、カルシウム、およびマグネシウムイオンを介した吸収機能障害は、従来方法によってしかるべく考慮されるべきである。
【0109】
なおさらなる側面において、本発明の置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤は、農業組成物、たとえば錆、ミルデュ、および糸状菌を含む様々な植物病原真菌を治療するか、または予防するための植物および種子のための組成物に使用することができる。通常、本発明の化合物は、打ち粉、顆粒、シード包帯剤、水溶液、分散剤もしくは乳剤、浸漬剤、スプレー、エアロゾル、または煙の形で調剤される。また、組成物は、分散可能な粉末、顆粒、もしくは粒子の形態、または使用前に希釈するように濃縮物で供給されてもよい。このような組成物は、農業および園芸において既知であり、許容されており、このような従来の担体、希釈液、またはアジュバントを含んでもよく、これらは、従来の手順に従って製造される。組成物は、典型的には0.01〜10wt%、好ましくは0.1〜1wt%の活性成分を含む。また、組成物は、その他の活性成分、たとえば除草性または殺虫性の活性を有する化合物またはさらなる抗真菌剤を取り入れてもよい。化合物および組成物は、多くの方法に適用することができ、たとえば、これらを直接、植物枝葉、茎、枝、種子、もしくは根に、または土壌もしくはその他の成長媒体に適用することもでき、これらは、疾患を根絶するためだけでなく、罹患から植物または種子を保護するために予防的に適用することもできる。用地に使用するためには、おそらく活性成分の適用率は、約100〜10,000g/エーカーである。
【0110】
また、本発明は、前記真菌が死滅するように、置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量および抗真菌剤の有効な量と、真菌を接触させることによって真菌を死滅させる方法に関する。
【0111】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示される。これらの実施例は、本発明の理解を補助するために提供され、その限定として解釈されることはない。
【0112】
本発明の具体例
実施例1:テトラサイクリン化合物の合成
以下の例では、本発明のテトラサイクリン化合物を合成する方法を考察する。本発明のその他の化合物は、本出願において考察した技術および/または当業者に認識される方法を使用することによって合成することができる。
【0113】
実験例
融点は、Mel-Tempキャピラリ融点装置で測定し、修正していない。核磁気共鳴(1HNMR)スペクトラムは、Bruker Avance分光計において300MHzで記録した。化学シフト値は、テトラメチルシランまたは3-(トリメチルシリル)-1-プロパンスルホン酸、ナトリウム塩に関してδ値(ppm)で表し、内部または外部標準として、CDCl3、DMSO-d6、またはMeOH-d4のいずれかを溶媒として使用した。カラムクロマトグラフィは、使用前にNa2EDTA飽和溶液で処理して、水で洗浄し、濾過して乾燥器において130℃で3時間乾燥したBaker「flash」グレードシリカゲル(40μm)を使用して、スティルの方法に従って行った。分析的TLC分離は、J.Tから得られる蛍光指示薬と共に0.25mmのシリカゲルプレートを使用した。Baker Chemical Co., Phillipsburg, NJは、Na2EDTAの飽和溶液中に5分間液浸することによって予め処理し、130℃において3時間再活性化した。使用した溶媒系は、以下の通りであった:50:50:5 CHCl3/MeOH/5% Na2EDTAの(低層)(I),65:20:5、CHCl3/MeOH/Na2EDTA(低層)(II)。TLCの視覚化は、水性の0.5%のFast Blue BB塩により、および130℃で5分間加温することにより達成した。分析的HPLCは、Waters Bondapak C18逆相カラムにおいて、ソフトウェアによって1.6mL/minの流速に制御した2 Varian SD100 HPLCポンプを使用することによって行った。検出は、Model441の吸収度検出器を280nmで操作してUV吸収によって行った。移動相は、1.6mL/分の流速で30分にわたって30%から100%のメタノール直線勾配に続いて、MeOHでのアイソクラチック溶出を使用した;溶媒システムA:0.02MのNa2HPO4+0.001MのNa2EDTAをH3PO3でpH4.5に合わせた;溶媒システムB:100%のMeOH。準調整用のHPLC分離には、6.4mL/分の流速で、Waters準調整用C18逆相カラムを使用した。低解像度および高解像度質量スペクトルは、PE Mariner分光計において行った(Nelsonら, J. Med. Chem.(1993)36(3):374)。
【0114】
7 ヨードサンサイクリン
1グラムのサンサイクリンを、0℃(氷上)に冷却した25mLのTFA(トリフルオロ酢酸)に溶解した。1.2当量のN-ヨードスクシンイミド(NIS)を反応液に添加して40分間反応させた。反応液を氷溶液から除去して、さらに5時間室温で反応させた。次いで、混合液をHPLCおよびTLCによって分析し、NISの段階的添加によって化合物体を溶出した。反応の完了後、TFAを真空中で除去し、3mLのMeOHを添加して残さを溶解した。メタノール溶液を、迅速に撹拌しているジエチルエーテル溶液にゆっくりと添加して、緑がかった褐色沈降物を形成させた。サンサイクリンの7-ヨード異性体は、7-ヨード生成物を活性炭で処理することによって精製し、セライトを通して濾過し、および次の真空中における溶媒の除去により、75%の収率で純粋な黄色の固体として7-異性体化合物を生成した。
MS(M+H)(ギ酸溶媒)541.3。
/Rt:Hypersil C18 BDS Column、11.73
【0115】
化合物 B ( 13-(4'- トリフルオロメチルフェニル ) メタサイクリン )
メタサイクリン(1.0mmol)、PdCl2(.14mmol)、およびCuCl2(.90mmol)を20mlのMeOHに溶解して、および窒素気圧下で加熱した。1時間後、4-トリフルオロメチルフェニルボロン酸(2.0mmol)をこれに添加し、反応混合液をさらに6〜10時間加熱した。反応は、TLCおよび分析的HPLCによってモニターした。次いで、反応混合液を室温に冷却してセライトのベッドを通した。溶媒を蒸発させることにより、黄褐色固体を得て、これを、調整用HPLCを使用して精製した(CH3CN:MeOH:H2O)。画分から溶媒を蒸発させると、期待される生成物の正しいピークが示され、黄色の固体を得て、これを再びMeOHに溶解してHCl気体でパージした。MeOHの蒸発後、黄色の物質を減圧下で数時間乾燥した。
【0116】
化合物 HF ( 7-(3',4'- ジメトキシ - フェニル ) サイクリン )
7-ヨードサンサイクリン(0.28mM)、Pd(OAc)2、および10mLのMeOHを撹拌バーを有するフラスコに添加して、3xアルゴンを使用して、系から脱ガスした。水に溶解してアルゴンで脱ガスしたNa2CO3(0.8mM)を、注射器によって添加して、2,5-ジメトキシフェニルホウ酸(0.55mM)の脱ガスしたMeOH溶液と共に添加した。反応液を2時間HPLCにかけて、室温に冷却した。溶液を濾過して乾燥し、未精製の混合液を生成させた。固体をジメチルホルムアミドに溶解して、C18逆相シリカを使用して調整用HPLC系に注入した。溶媒を真空中で除去して、生成物プラス塩を得た。塩は、50:25:25水、ブタノール、エチルアセテートに抽出することによって除去して、真空で乾燥した。この固体をMeOHに溶解して、HCl気体中に通気することによってHCI塩を作製した。
【0117】
化合物 FN ( 7-(3'- アミノフェニル ) サンサイクリン )
200mgの7-(3-ニトロフェニル)サンサイクリンの50mLメタノール溶液に、木炭触媒中の10%のパラジウム10mgを添加した。反応混合液を40psi水素圧下で2時間浸透し、次いで濾過し、続いて濃縮した。残渣を調整用HPLCによってさらに精製した。HCl塩として35mgを単離して、MNRおよびLC-MSにより、構造が7-(3-アミノフェニル)サンサイクリンであることが判明した。
【0118】
化合物 NB(l,8- ジ -7- サンサイクリン -1,8- ヘプチン )
フラスコには、7-ヨードサンサイクリン(3.0g, 4.57mmol)、Pd(OAc)2(0.102g, 0.46mmol)、Cul(0.044g, 0.23mmol)、およびP(o-Tol)3(0.278g, 0.91mmol)を充填し、内容物を無水アセトニトリルに懸濁させた。60℃(溶液温度)において、ジニトロジェンでこの混合液をパージした後に、1,7-オクタジイン(0.305mL, 2.29mmol)をこれに添加し、続いてトリエチルアミンを添加した。暗い有色溶液を60℃で3時間撹拌し、セライトのベッドを通して濾過し、乾燥させた。生成物(9C)のメタノール:DMF:TFA(90:8:2)溶液を調整用HPLCカラムで精製した。化合物ANは、HPLC、MS、および1H NMR分光法によって特徴づけた。
【0119】
化合物 EN(7-(2',4'- ジフルオロフェニル ) サンサイクリン )
7-ヨードサンサイクリン(0.3mM)、Pd(OAc)2、およびMeOH 10mLを、撹拌バーを有するフラスコに添加し、3xアルゴンを使用して系から脱ガスした。Na2C03(1.1mM)を、注射器によって添加して、2,4-ジフルオロフェニルホウ酸(0.7mM)の脱ガスしたMeOH溶液と共に添加した。反応液を20分間HPLCにかけて、室温に冷却した。溶液を濾過して乾燥し、未精製の混合物を生成させた。固体をジメチルホルムアミドに溶解して、C18逆相シリカを使用して調整用HPLC系に注入した。溶媒を真空中で除去して、生成物プラス塩を得た。塩は、50:25:25水、ブタノール、エチルアセテートに抽出することによって除去して、真空中で乾燥した。この固体をMeOHに溶解して、HCl気体中に通気することによってHCI塩を作製した。溶媒を除去して、生成物を生成させた。
【0120】
化合物 FO(9- シクロヘキセニルエチニル - ミノサイクリン )
9-ヨード-ミノサイクリン(1.13mmol)、50mgのテトラキス-トリフェニルホスフィノ-パラデート、50mgのヨウ化銅(I)、10mgの酢酸パラジウム、および3mlのトリエチルアミンの溶液に、0.1mlのシクロヘキセニル-アセチレンを添加した。反応混合液を60℃で1時間撹拌し、セライトベッドを通して濾過して濃縮した。乾燥状態物質をメタノールに溶解して濾過した。次いで、溶液を濃縮して調整用液体クロマトグラフィーを使用して精製した。調整用液体クロマトグラフィーには、溶出剤A:0.1%のTFA水溶液および溶出剤B:0.1% TFAのアセトニトリル溶液により、C18定常相を使用した。生じた化合物は、標準的な技術によって決定し、化合物BEであると決定された。
【0121】
化合物 HC(7-( プロピニル )- サンサイクリン )
25mLのアセトニトリルに取り入れた7-I-サンサイクリン(1mg, 1.86mmol)を脱ガスして窒素(3時間)でパージした。この懸濁液にPd(OAc)2(20mg, 089mmol)、CuI(10mg, 053mmol)、(o-トリル)3P(56mg, 0.183mmol)を添加して、数分間窒素でパージした。プロピン(3.72mmol)およびトリエチルアミン(1mL)を懸濁液に添加した。これは、Et3Nの添加によって褐色の溶液に変化した。次いで、反応混合液を70℃で3時間加熱した。反応の進行は、HPLCによってモニターした。次いで、これを室温に冷却しセライトを通して濾過した。溶媒の蒸発により褐色の固体を得て、次いで調整用HPLCで精製して黄色の固体を得た。この化合物の構造を1H NMR、HPLC、およびMSを使用して特徴づけた。
【0122】
化合物 HG(7-(2- メチルフェニルエチル )- サンサイクリン )
7-(2-メチルフェニルエチニル)-サンサイクリン(1mmol)を、飽和MeOH/HCl溶液に取り入れた。この溶液に、10%のPd/Cを添加して、12時間50psiで水素化に供した。次いで、これをセライトを通して濾過した。溶媒を蒸発して黄色の粉末を得た。最後に、それをMeOH/ジエチルエーテルから沈殿した。この化合物の構造を、1H NMR、HPLC、およびMSを使用して特徴づけた。
【0123】
化合物 HJ(9-(4'- アセチルフェニル ) ミノサイクリン
清潔な、乾燥した反応容器に、10mlの試薬グレードメタノールと共に、9-ヨードミノサイクリン(0.762mmoles)ビスHCl塩、酢酸パラジウム(II)(0.076mmoles)を配置した。溶液を撹拌しながら、約5分間アルゴンガス流で、直ちにパージした。反応容器を還流させて、それに注射器によって2M炭酸カリウム溶液、続いてp-アセチルフェニルボロン酸(1.53mmoles)の5mlの試薬DMF溶液を順番に添加した。これらの溶液は共に、事前に約5分間アルゴンガスで脱ガスさせた。反応液を45分間加熱して、進行を逆相HPLCによってモニターした。反応液を、珪藻土のパッドを通して吸入濾過して、DMFでパッドを洗浄した。ろ液を減圧下で油状まで減少させ、残さをt-ブチルメチルエーテルで処理した。未精製物質を、1.0%のトリフルオロ酢酸を含む水およびメタノール/アセトニトリル勾配を利用して、DVBの逆相HPLCによって精製した。
【0124】
化合物 IO(7-n- プロピル - サンサイクリン )
7-プロピニルサンサイクリンを飽和メタノール塩酸溶媒に溶解した。混合液を水素化装置内に50psi水素圧力下に配置した。反応は、〜8時間で完了させた。触媒を濾過して、生じた溶液を濃縮した。未精製の生成物を、溶出剤A:0.1%のTFA水溶液および溶出剤B:0.1%のTFAのアセトニトリル溶液によるC18定常相を使用した調整用液体クロマトグラフィーによって精製した。透明な画分を合わせて濃縮し、塩酸飽和イソプロパノールを添加した。純粋な生成物をジエチルエーテルの添加によって沈殿させて、濾過した。
【0125】
化合物 OU(N- ベンジル -9'- ミノサイクリニルグアニジン )
9-アミノミノサイクリン(1.6mmol)の撹拌した30mLアセトニトリル溶液に、ベンジルシアニミド(6.0mmol)を1部分添加した。反応混合液を、まず加熱して、60℃で数時間還流させ、室温で4-5日間継続した。その後、グアニジノ生成物を単離してMS、NMR、およびHPLCを使用して同定した。
【0126】
化合物 QE(7-( パラ -tert- ブチルフェニル )-9- アミノメチルサンサイクリン )
7-パラ-tert-ブチルフェニルサンサイクリン(5.0g)をトリフルオロ酢酸(300mL)に溶解した。3当量のHMBCを添加して、反応混合液を室温で撹拌した。72時間後、HPLCにより、反応が完全であることを示した。反応混合液を濾過して、その後メタノールに溶解し、ジエチルエーテル中に沈殿させて、褐色の液体を得た。次いで、HPLCを使用して固体を精製し、およびNMRおよび質量スペクトラムを使用して生成物を同定した。
【0127】
化合物 QS(7- フラニルサンサイクリン )
7-ヨードサンサイクリン(1.3mg)およびPd(OAc)2を100mLのメタノールに取り入れ、70℃において5分間アルゴンでパージした。この溶液に炭酸ナトリウム(44mg)水溶液(予めアルゴンでパージした)を添加した。黄色の沈降物が得られ、混合液をもう10分間加熱した。次いで、3-フラニルボロン酸(333mg、アルゴンでパージしたDMF溶液)を添加して、混合液を70℃でさらに2時間加熱した。反応をMPLC/MSでモニターした。反応が完了したときに、混合液をセライトを通して濾過し、溶媒を除去して未精製の物質を得た。未精製の物質を、これをエーテル(200ml)で沈殿させることによって精製した。黄色の沈降物を濾過して、調整用HPLCを使用して精製した。MeOH/HCl中に物質を溶解して、乾燥するまで蒸発することによって塩酸塩を作成した。生じた固体の同一性は、HPLC、MS、およびNMRを使用して確認した。
【0128】
化合物 RR(9-(2' フェニルエチルアミノメチル )- ドキシサイクリン )
N2雰囲気下において、9-アミノメチルドキシサイクリンジヒドロクロライド(1.21g, 2.21mmol)の撹拌したDMF(10mL)溶液をInCl3(0.076g, 0.34mmol)およびフェニルアセトアルデヒド(0.511mL, 4.4mmol)で処理した。反応をHPLCおよびLC-MSでモニタリングすることにより、12時間の経過にわたって、開始物質の完全な消費が示され;生成物は、モノ-(主要な)およびビス-(微量な)置換のアミノメチルドキシサイクリンの両方であった。メタノール(10mL)を添加してこの反応を停止させた。反応混合液をセライトのベッドを通して濾過した。その後、セライトベッドを5mLのメタノールで二回洗浄した。有機洗浄液を合わせて、約7〜8mLに濃縮してエーテルで希釈した。生じたアモルファス固体を濾過し、エーテル(6x15mL)で洗浄して乾燥し、減圧下で赤い粉末を提供し、これを調整用HPLCによって精製した。最終製品、化合物RRをHPLC、MS、および1H NMR分光学的方法によって特徴づけた。MS(m/z):Theor.577.24;Found:578.17(M+1)。
【0129】
化合物 SF(7- エチル -9- イソ - ブチルアミノサンサイクリン )
7-エチル-9-アミノサンサイクリン(390mg)を10mLのDMFに溶解した。次いで、トリエチルアミン(237μL)、イソブチルアルデヒド(77μL)、およびInCl3(19mg)を添加して、反応混合液を室温で数分間撹拌した。次いで、NaBH(OAc)3(360mg)を添加して、反応を室温で続けた。LC-MSにより、反応が2時間後に完了されることが示された。反応をメタノールで停止させ、乾燥した。生じた固体をメタノールに再溶液して精製した。次いで、生成物は、HCl塩に転換した。生成物の同一性は、NMR、HPLC、およびMSを使用して確認した。
【0130】
化合物 SM(7- フラニル -9- ニトロ - サンサイクリン )
500ミリグラムの9-NO2サンサイクリンを20mLのTFAに取り入れ、氷溶液中で冷却した。この溶液に、NIS(300mg)を一部添加して、3時間室温で撹拌した。一旦反応が完了すると、7-ヨード-9-NO2サンサイクリンをジエチルエーテル中で沈殿した。次いで、黄色の粉末を濾過して真空中で乾燥した。
【0131】
7-ヨード-9-ニトロ-サンサイクリン(585mg)およびPD(OAc)2(22mg)を20mLのメタノールに取り入れ、5分間アルゴンでパージした。この溶液に、Na2CO3(420mg、5mLのH20(アルゴンでパージ)溶液)を添加し、黄色の沈降物が得られた。溶液を5分間55〜60℃で撹拌した。この溶液に、3-フラニルボロン酸(5mLのDMF(アルゴンでパージ)溶液160mg)を添加して、反応混合液を70℃で3時間加熱した。次いで、反応混合液をセライトを通した。溶媒の蒸発により、褐色の固体を得て、次いでこれをメタノールおよびエーテルの混合液を使用して再結晶し、7-フラニル9-ニトロサンサイクリンを得た。
【0132】
7-フラニル-9-ニトロサンサイクリン(500mg)を30mlのメタノールに取り入れた。この溶液に、PtO2(15mg)を添加して、3時間40psiで水素化させた。次いで、これをセライトを通して濾過した。未精製の物質を調整用HPLCを使用して精製し、7-フラニル-9-アミノサンサイクリンを得た。
【0133】
化合物 TC(9- ミノサイクリンメチルエステル )
Parr装置に:9-ヨードサンサイクリントリフルオロ酢酸(0.8g, 1.17mmol)、NaOAc(0.64g, 4eq.)、Pd(dppf)2Cl2、およびCH2Cl2(48mg, 5%)を配置した。装置を閉じて、COでパージし、次いで、450psi下においてCOで満たした。反応混合物を80℃で4時間撹拌した。次いで、これをTFAで酸性化して真空中で濃縮した。生成物は、HPLCによって精製した。3:1エピマーの混合液が得られた。収率は、188mgの生成物であった。
【0134】
化合物 TI(7- シアノサンサイクリン )
7-ヨードサンサイクリン(1.3g)をNMP(15mL)に溶解し、CuCN(344mg)を添加した。反応混合液を80℃においてオーバーナイトで15/16時間撹拌した。反応混合液をメタノールで希釈して灰白色の沈殿を得て、遠心分離した。次いで、反応混合液をセライトを通して濾過し、さらにメタノールで洗浄した。次いで、ろ液を濃縮してエーテルで沈殿させた。次いで、得られた固体を調整用HPLCを使用して精製し、50/50エピマーの混合物中に7-シアノサンサイクリンを得た。生成物の構造は、質量スペクトルおよびNMRを使用して確認した。
【0135】
化合物 TP(9-N- ピペリジニル - ミノサイクリン ) 、
濃H2SO4(2mL)を、撹拌したグルタルアルデヒド(1mL)の溶液にゆっくり添加した。水(0.8g)を添加して室温で18時間撹拌し、70℃に2時間加熱した。次いで、混合液を室温に冷却した。次いで、溶液を9-アミノミノサイクリンのDMF(5ml)溶液へ移し、HPLCによって示されるものとして、全ての開始物質が消費されるまで2日間室温で撹拌した。生成物を単離して標準的な技術を使用して精製した。生成物の構造は、NMRおよび質量分析器(Mass spec.)によって確認した。
【0136】
化合物 UC(2-[4-(5- ミノサイクリン -9- イル - フラン 2- イルメチル )- ピペラジン -1- イル ]- エタノール)
Na2CO3(0.64g)水溶液(5mL)を、塩酸9-ヨードミノサイクリン(1g)の脱ガス溶液およびPd(OAc)2(100mg)のメタノール(10mL)溶液に添加した。反応液を60℃で5分間攪拌した。次いで、2-ホルミルフラン-5-ボロン酸(0.3g)のメタノール溶液(10mL)を添加して、反応を4時間進行させた。次いで、混合液を濾過して濃縮し、褐色の固体(9-(2'ホルミルフラニル)-ミノサイクリン)を得た。
【0137】
褐色(brown)の固体(9-(2'ホルミルフラニル)-ミノサイクリン1g)を20mLのメタノールに溶解し、酢酸(2mL)およびヒドロキシエチルペラジン(1mL)を添加して、室温で10分間撹拌した。反応をエーテル(200mL)で停止させ、次いで有機相を洗浄して濃縮し、褐色の油を得た。褐色の油をメタノール(10mL)および水に溶解した。混合液をCH3CN勾配を使用してクロマトグラフを行い、生成物2-[4-(9-ミノサイクリン-2-イル-フラン-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-エタノールを得た。生成物は、MS、NMR、およびHPLCを使用して確認した。
【0138】
化合物 UD(9-N- モルホリニルミノサイクリン )
NaCNBH3(200mg)を撹拌した9-アミノミノサイクリンH2SO4(1g)のメタノール(4.9mL)および酢酸(91mL)の溶液に添加し、室温で5分間撹拌した。(2-オキソ-エトキシ)-アセトアルデヒド(10mL)を滴下して添加し、室温で1 5分間撹拌した。反応混合物を加熱せずに濃縮し、残さを20mLのメタノールおよびTFA(0.5mL)に溶解した。生成物を調整用HPLCを使用して得てHC1塩に転換させた。生成物は、質量スペクトルおよびNMRを使用して確認した。
【0139】
化合物 UK(N- ベンジル -N ’ ,N ’ - ジメチル -N-(5- ミノサイクリン -9- イル - フラン -2- イルメチル) - エタン -1,2- ジアミン )
Na2CO3(0.64g)水溶液(5mL)を塩酸9-ヨードミノサイクリン(1g)およびPd(OAc)2(100mg)の脱ガスされたメタノール溶液(10mL)に添加した。反応液を60℃で5分間攪拌した。次いで、2-ホルミルフラン-5-ボロン酸(0.3g)のメタノール溶液(10mL)を添加して、反応を4時間進行させた。次いで、混合液を濾過して濃縮し、褐色の固体(9-(2'ホルミルフラニル)-ミノサイクリン)を得た。
【0140】
褐色の固体(9-(2'ホルミルフラニル)-ミノサイクリン1g)をメタノール20mLおよび酢酸(2mL)の溶液に溶解し、N'-ベンジル-N,N-ジメチルエチレンジアミン(1mL)を添加して、室温で10分間撹拌した。反応をエーテル(200mL)で停止させ、次いで有機相を洗浄して濃縮し、褐色の油を得た。褐色の油をメタノールおよび水に溶解した。混合液をクロマトグラフ分析して生成物(N-ベンジル-N’,N’-ジメチル-N-(5-ミノサイクリン-9-イル-フラン-2-イルメチル)-エタン-1,2-ジアミンを得た。生成物は、MS、NMR、およびHPLCを使用して確認した。
【0141】
実施例2:アンホテリシンBと置換テトラサイクリンの相乗的な抗真菌活性
置換テトラサイクリンの相乗的な抗真菌活性を、NCCLS(1997)Standardに従ったブロス微量希釈技術によって決定した。アッセイ法は、Tecan Genesロボットワークステーションを使用してセットアップした。全ての薬剤は、DMSOに溶解して適切に希釈した。薬剤濃度は、2倍階段希釈の0.125〜64μg/mLの範囲にした。それぞれのテトラサイクリンは、0.125〜64μg/mLの範囲の10濃度で試験した。化合物では、鵞口瘡カンジダ(Candida albicans)(ATCC#;90028)に対するこれらの抗真菌活性について試験した。アンホテリシンBは、プレートの全てのウェルにアンホテリシンBMICよりも10倍少ない濃度で添加した(0.5μg/mL)。
【0142】
試験した系統は、表1に一覧を示したもの含む。
【0143】
【表1】
【0144】
結果を表2に示す。それぞれの化合物について、*は特定の真菌に対して良好な抗真菌活性を示し、**は非常に良好な真菌の抑制を示し、および***は特定の真菌に対して優れた抑制を示す。表2の各化合物は、少なくとも1つの真菌系統に対するアンホテリシンBとの相乗的挙動を示した。
【0145】
多くの誘導体は、0.063〜0.125の範囲の画分抑制濃度(FIC)値を示した。画分抑制値は、アンホテリシンB抗真菌活性の増強の測定である。0.063〜0.125の範囲のFIC’sを示す化合物は、抗真菌活性に必要とされるアンホテリシンの有効な量を8〜10倍減少させた。
【0146】
実施例3:インビトロにおけるテトラサイクリング化合物の細胞毒性アッセイ法:哺乳類細胞毒性アッセイ法
COS-1およびCHO細胞懸濁液を調製し、96穴組織培養処理された黒壁マイクロタイタープレート(細胞株によって密度を決定した)にまき、および5%CO2、約95%の湿度下において37℃でオーバーナイトでインキュベートした。翌日、階段希釈した薬剤を無菌条件下で調製して細胞プレートへ移した。細胞/薬剤プレートを上記の条件下で24時間インキュベートした。インキュベーション期間後、媒体/薬剤を吸引し、および50mlのレザズリンを添加した。次いで、プレートを上記の条件下で2時間インキュベートして、次いでさらに暗闇で室温において30分間インキュベートした。蛍光測定を行った(535nm励起、590nm放射)。次いで、IC50(50%の成長阻害が生じる薬剤濃度)を、それぞれの化合物について算出した。
【0147】
表2において、25μg/mL >より大きい毒性は、*によって表示し、25μg/mL未満の毒性は**によって表示する。
【0148】
【表2】
【0149】
実施例4:インビトロにおける抗菌活性アッセイ法
以下のアッセイ法は、一般の細菌に対するテトラサイクリン化合物の効率を決定するために使用される。2mgのそれぞれの化合物を100μlのDMSOに溶解する。次いで、溶液を、カチオン調整したミュラーヒントンブロス(CAMHB)に添加し、これにより200μmlの最終化合物濃度となる。テトラサイクリン化合物溶液を、.098μg/mLの濃度の試験化合物で50μL体積に希釈する。光学濃度(OD)測定は、試験系統の新規ログ-段階ブロス培養から行う。希釈を行い、lX106CFU/mlの最終菌体密度を達成する。OD=1では、種々の属についての菌体密度は、おおよそ以下の通りのはずである:
大腸菌 1x109CFU/ml
S.アウレウス(aureus) 5X108CFU/ml
エンテロコッカス(Enterococcus) sp. 2.5x109CFU/ml
【0150】
50μlの細胞懸濁液をマイクロタイタープレートのそれぞれのウェルに添加する。最終菌体密度は、約5x105CFU/mlであるべきである。これらのプレートを約18時間環境空気インキュベータにおいて35℃でインキュベートする。プレートをマイクロプレートリーダで読取り、必要に応じて視覚的に調べる。MICは、テトラサイクリン化合物の増殖を阻害する最も低い濃度として定義される。
【0151】
均等物
当業者であれば、ルーチン実験、本明細書において記載した多くの特定の手順の均等物のみを使用して、認識するか、または確認することができるでだろう。このような均等物は、本発明の範囲内であると考えられ、請求の範囲によって包含される。本出願の全体にわたって引用される全ての参照、特許、および特許出願の内容は、本明細書に組み入れられたものとする。適切なコンポーネント、プロセス、並びにこれらの特許、出願、およびその他のドキュメントの方法は、本発明およびその態様として選択されてもよい。
【0001】
関連出願
本出願は、2001年3月14日に出願された、表題「相乗的抗真菌剤としての置換テトラサイクリン化合物」の米国仮特許出願出願番号60/275,899に対する優先権を主張し、参照により本明細書にその全体が取り入れられる。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
長年、真菌疾患(真菌症)のための有効な治療薬の開発は、注目を欠いており、他の伝染性微生物に対して有効な薬剤に向けられていた。最も一般的な真菌感染は本質的には表在性であり、生命の脅威とはならず、製薬会社に対し新規治療を開発するための医学的な原動力をほとんどもたらさない。しかし、このシナリオは変化しており、一方では、真菌疾患による死亡は新しいものではなく、これらの致命性を引き起こす全身性真菌感染の発生率は増加している。皮肉にも、他の分野(免疫抑制薬および/または細胞毒性治療)における現代の医療技術の進歩および後天性免疫不全症候群(AIDS)などの疾患の出現は、重篤真菌感染数の増加を引き起こす主要な原因である。
【0003】
したがって、真菌疾患は、ヒストプラスマ症、全身性カンジダ症、アスペルギルス症、ブラストマイセス症、コクシジオイデス症、パラコクシジオイデス症、およびクリプトコッカス症などの、生命の脅威となる全身感染、並びに皮膚糸状菌(白せん)感染、たとえば足部白癬(水虫)および股部白癬(ジョッキ掻痒症)、カンジダ症、並びにアクチノマイセス症などの、より一般的な表在性のものである。生命の脅威となる真菌感染は、上記のように免疫抑制されたか、または免疫力が低下している個体に対してのみの問題ではなく、化学療法または放射線療法を受けている癌患者に対し、抗拒絶剤を受けている移植患者に対し、および毒性化学物質、金属、および放射線被曝を受けた患者に対する、サイトメガロウィルス(CMV)およびインフルエンザなどの他のウィルス感染の個体に対しても増加している問題である。
【0004】
真菌症は、病原体よりむしろ日和見性の真菌によって引き起こされることが多い。カンジダ症、アスペルギルス症、藻菌症、ノカルジア症、およびクリプトコッカス症は、典型的に日和見性の真菌感染である。たとえば鵞口瘡カンジダは、消化管における共生生物として通常見られ、しかも、免疫無防備状態の患者における全身性真菌感染および健康な個体における局所的感染の主要な原因である。
【0005】
現在真菌症の治療のために利用される大部分の薬剤は、効力が制限されているか、または耐容性が不十分である。抗真菌剤におけるしつこくかつ厄介な問題は、主に従来技術では放置されており、合成することが簡単で経済的で、生物に対して高活性および広範なスペクトル活性を保持し、低毒性かつ弊害が制限された剤がないことである。
【0006】
さらに、多くの既知の薬剤は、殺真菌特性よりもむしろ単に静真菌特性を有するだけである。静真菌活性は、真菌の増殖を防ぐ能力であり、一方、殺真菌(対真菌毒性)活性は、真菌を死滅させる能力である。表在性真菌症の治療に使用される多くの薬剤は、使用した濃度における静真菌作用または殺真菌作用を実質的に欠いており、これらの有益効果は、おそらく真菌類に対するどのような直接の効果にも関係しない要因に依存する。
【0007】
抗真菌特性を有するとされていた、またはされた、あり余る程の薬剤にもかかわらず、ほとんどが単に静真菌性であり、対真菌毒性がない。殺真菌性であるもの、たとえばアンホテリシンBについては、これらの使用およびこれらの化学的性質(たとえば溶解性)を制限し、ドラッグデリバリー方法を制限する重篤な副作用がある。
【発明の開示】
【0008】
本発明の概要
本発明は、抗真菌剤の抗真菌活性を、少なくとも一部、増大するための方法に関する。本方法は、抗真菌剤を置換テトラサイクリン化合物の有効な量と共に投与することを含み、その結果、抗真菌剤の抗真菌活性が増大する。抗真菌剤の例は、アンホテリシンBなどのポリエンを含む。置換テトラサイクリン化合物の例は、式Iの化合物、並びにその薬学的に許容される塩および鏡像異性体を含む:
Xは、CHC(R13Y'Y)、C=CR13Y、CR6'R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R2 ’、R4 ’、およびR4 ’’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4 ’R4 ’’、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、複素環式芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6 ’は、それぞれ独立して、水素、メチレン、なし、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R7は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0 〜 3NR7CC(=W')WR7aであり;
R9は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ(たとえば、-N=S)、または-(CH2)0 〜 3NR9CC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9b、またはOであり;
Z'は、O、S、またはNR9fであり;
Wは、CR7d R7e、S、NR7b、またはOであり;
W’は、O、NR7fSであり;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノまたはアリールアルキルであり;並びに、
Y'およびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。
【0009】
1つの態様において、本発明は、被験体の真菌に関連した疾患を治療するための方法を含む。本方法は、被験体が真菌に関連した疾患が治療されるように、抗真菌剤と組み合わせて置換テトラサイクリン化合物の有効な量を被験体に投与することを含む。
【0010】
また、本発明は、少なくとも一部、哺乳類の真菌に関連した疾患を治療するための方法に関する。本方法は、哺乳類が真菌に関連した疾患が治療されるように、アンホテリシンBの有効な量と組み合わせて置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量を哺乳類に投与することを含む。
【0011】
別の態様において、本発明は、置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量、抗真菌剤の有効な量、および選択的に、薬学的に許容される担体を含有する薬学的組成物に関する。
【0012】
また、本発明は、真菌を少なくとも一部、死滅させるための方法に関する。本方法は、置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量および抗真菌剤の有効な量と真菌を接触させることを含む。
【0013】
発明の詳細な説明
日和見性の全身性真菌感染は、高い罹患率および死亡率を有し、これらの発生率は増加しており、限られた副作用で、かつ低毒性であり、幅広い抗真菌薬スペクトラム活性を有する安全で、効率的に水可溶性で、合成が容易で、対真菌毒性の薬剤を提供する技術はまだない。
【0014】
本発明は、抗真菌剤を、置換テトラサイクリン化合物の有効な量と組み合わせて投与することにより、抗真菌薬の抗真菌活性を少なくとも一部、増大するための方法に関する。以前に、非置換のミノサイクリンおよびドキシサイクリンは、単独およびアンホテリシンBとの相乗作用の両者において、制限された抗真菌活性を備えていることが示されていた(Antimicrob. Agents Chemother. (1984), 26(6) 837-40;Pathol. Biol. (1975), 23(9):725-8)。しかし、非置換のミノサイクリンおよびドキシサイクリンは共に、低い相乗的活性、並びに高い細胞毒性の両者によって制限されている。
【0015】
「真菌(fungus)」または「真菌類(fungi)」という用語は、核をもち、胞子を有するクロロフィルを欠いた種々の生物を含む。例には、酵母、白カビ、糸状菌、錆菌、およびキノコを含む。真菌類の例は、アスペルギルスフミガーツス(Aspergillus fumigatus)、黄色コウジ菌(Aspergillus flavus)、アスペルギルスニデュランス(Aspergillus nidulans)、鵞口瘡カンジダ(Candida albicans)、カンジタ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・ギリエルモンヂ(Candida guilliermondii)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・ルシタニエ(Candida lusitaniae)、カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、イッサケンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)、コクシジオイデス(Coccidioides)、パラコクシジオイデス(Paracoccidioides)、ヒストプラスマ(Histoplasma)、ブラストミセス(Blastomyces)、およびアカパンカビ(Neurospora crassa)を含むが、これらに限定されない。1つの態様において、本発明の真菌類は、カンジダ属の真菌類を含む(たとえば、C.トロピカリス(C.tropicalis)、C,パラプシローシス(C.parapsilosis)、C.ルシタニエ(C.lusitaniae)、C.クルセイ(C.krusei)、C.ギリエルモンヂ(C.guilliermondii)、C.グラブラータ(C.glabrata)、Cデュブリニエンシス(C.dubliniensis)、および鵞口瘡カンジダ(C.albicans))。
【0016】
「抗真菌剤」という用語は、本発明の化合物を使用して相乗的に増大し得る、静真菌活性または殺真菌活性を有することが当業者に知られている薬剤(agent)を含む。抗真菌剤の例は、アゾール(たとえば、フルコナゾール(登録商標)、イトラコナゾール(登録商標);、ケトコナゾール(登録商標)、ミコナゾール(登録商標)、クロルトリマゾール(Clortrimazole)(登録商標)、ボリコナゾール(Voriconazole)(登録商標)、ポサコナゾール(Posaconazole)(登録商標)、ルボコナゾール(Rovuconazole)(登録商標)、など)、ポリエン(たとえば、ナタマイシン、ルセンソマイシン、ナイスタチン、アンホテリシンB、など)、エキノカンジン(echinocandins)(たとえば、カンシダス(Cancidas)(登録商標))、プラディマイシン(たとえば、ベアノマイシン、ニコマイシン、ソルダリン、アリルアミン、など)並びに誘導体およびその類似体を含むが、これらに限定されない。
【0017】
「抗真菌活性」という用語は、真菌の増殖を阻害すること(たとえば、静真菌活性)、少なくとも一部の真菌を殺すこと(たとえば、殺真菌活性)、真菌が再生する能力を制限すること、などを含む。
【0018】
「真菌の増殖阻害」という用語は、静真菌活性および殺真菌活性の両者を含む。静真菌活性は、真菌のコロニーの増殖速度におけるいかなる減少をも含む。静真菌活性は、真菌がその現在の大きさを維持しているか、または包囲する領域にコロニーを作ることができないことによって明らかにされてもよい。静真菌活性は、真菌の生殖作用の抑制の結果であってもよい。殺真菌活性は、一般に、たとえば真菌または真菌のコロニーの根絶(irraditication)、真菌または真菌のコロニーの死滅、あるいは1つの態様において、真菌または真菌のコロニーの質量もしくは大きさの減少を含む。
【0019】
1つの態様において、抗真菌剤の抗真菌活性は、本発明の置換テトラサイクリン化合物と組み合わせて投与される時に増大され、これにより、抗真菌剤を単独で投与するときに必要な量と比較して、必要な抗真菌剤の有効な量が減少する。1つの態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物の同時投与により、たとえば置換テトラサイクリン化合物または別の相乗的薬剤を使用しない抗真菌剤単独の有効な量と比較して、抗真菌剤の有効な量を1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍に減少する。有利には、置換テトラサイクリン化合物は、たとえば実施例4において測定したとおり、低い細胞毒性を有しており、低い抗菌活性(または、一部の態様では、抗菌活性がない)を示すかもしれない。低い抗菌活性を有する置換テトラサイクリン化合物は、4μm以上のMICを有する化合物であってもよい。ある態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、たとえば当業者に認識されるアッセイ法によって測定されるものとして、消炎作用を有してもよい。特定の置換テトラサイクリン化合物、抗真菌剤、およびその併用による細胞毒性は、実施例3に示したアッセイ法を使用して測定することができる。
【0020】
抗真菌剤の「有効な量」という専門用語は、真菌の増殖を阻害するのに、またはある場合には、真菌を死滅させるのに、必要もしくは十分な量である。1つの態様において、抗真菌剤の有効な量は、本発明の置換テトラサイクリン化合物と組み合わせて投与されるときに減少される。
【0021】
「テトラサイクリン化合物」という用語は、メタサイクリン、サンサイクリン(sancycline)、アピサイクリン(apicycline)、クロモサイクリン(clomocycline)、グアメサイクリン(guamecycline)、メグルサイクリン(meglucycline)、メフィルサイクリン(mepylcycline)、ペニメピサイクリン(penimepicycline)、ピパサイクリン(pipacycline)、エタモサイクリン(etamocycline)、ペニモサイクリン(penimocycline)、などのテトラサイクリンファミリーメンバ、並びに特徴あるナフタセンA-B-C-D環状構造を有する、他のテトラサイクリン化合物を含む。さらなるテトラサイクリン化合物は、たとえば米国特許出願出願番号:09/234847および米国特許番号5,834,450;5,532,227;5,789,395;5,639,742、並びにドイツ特許DE2814974およびDE2820983に見出される。上述した出願および特許の全ての内容は、参照により本明細書に明示的に組み入れられる。
【0022】
最近の調査努力は、変化する治療条件および投与経路の下で有効な新規テトラサイクリン組成物を開発すること;並びに元来導入されたテトラサイクリンファミリと同等または抗生物質としてより有効であると判明するかもしれない新規テトラサイクリン類似体を開発することに焦点が集まっている(米国特許番号3,957,980;3,674,859;2,980,584;2,990,331;3,062,717;3,557,280;4,018,889;4,024,272;4,126,680;3,454,697;および3,165,531を参照されたい)。
【0023】
「置換テトラサイクリン化合物」という用語は、たとえば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、11a、12、12a位に、またはメタサイクリンについては13位に、少なくとも1つの置換を有するテトラサイクリン化合物であって、化合物がその目的とする機能、たとえば相乗的に真菌の増殖を阻害することを、実行可能にする化合物を含む。1つの態様において、「置換テトラサイクリン化合物」という用語は、非置換のテトラサイクリン、ミノサイクリン、またはドキシサイクリンを含まない。1つの態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、非置換のドキシサイクリン、テトラサイクリン、またはミノサイクリンよりも広範にアンホテリシンBのMICを減少する。「置換テトラサイクリン化合物」という用語は、たとえば置換サンサイクリン化合物、置換ミノサイクリン化合物、および置換ドキシサイクリン化合物を含む。1つの態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物のFICは、0.125以下、0.09以下、0.08以下、0.07以下、0.063以下、などである。また、本明細書に記載された範囲内に含まれるか、および/または中間の値および範囲は、本発明の範囲内であることが意図される。
【0024】
本発明の方法および組成物に使用される置換テトラサイクリン化合物は、式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩を含む:
Xは、CHC(R13Y'Y)、C=CR13Y、CR6 ’R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R2 ’、R4 ’、およびR4 ’’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4 ’R4 ’’、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、複素環式芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6 ’は、それぞれ独立して、水素、メチレン、なし、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R7は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0 〜 3NR7CC(=W')WR7aであり;
R9は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ(たとえば、-N=S)、または-(CH2)0 〜 3NR9CC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9b、またはOであり;
Z'は、O、S、またはNR9fであり;
Wは、CR7d R7e、S、NR7b、またはOであり;
W'は、O、NR7fSであり;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;並びに、
Y'およびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。
【0025】
1つの態様において、本発明の方法および組成物に使用される置換テトラサイクリン化合物は、たとえば2、5、6、7、8、9、10、11、11a、12、12a位、および/またはミノサイクリンについては13位に置換基を有する置換サンサイクリン化合物である。本発明の置換サンサイクリン化合物において、R2 ’、R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;R4 ’およびR4 ’’は、それぞれアルキル(たとえば低級アルキル、たとえばメチル)であり;Xは、CR6R6 ’であり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、およびR8は、一般にそれぞれ水素である。その他の態様において、置換テトラサイクリン化合物は、置換テトラサイクリン(たとえば、一般に、式中、R4はNR4 ’R4 ’’であり、R4 ’およびR4 ’’はメチルであり、R5は水素であり、並びにXはCR6R6 ’であり、式中R6はメチルであり、およびR6 ’はヒドロキシである);置換ドキシサイクリン(たとえば、式中R4はNR4 ’R4 ’’であり、R4 ’およびR4 ’’はメチルであり、R5はヒドロキシルであり、並びにXはCR6R6 ’であり、式中R6はメチルであり、およびR6 ’は水素である);置換ミノサイクリン(たとえば、式中R4はNR4 ’R4 ’’であり、R4 ’およびR4 ’’はメチルであり;R5は水素であり、並びにXはCR6R6 ’であり、式中R6およびR6 ’は水素原子であり、およびR7はジメチルアミノである)、または置換サンサイクリン(式中R4はNR4 ’R4 ’’であり、R4 ’およびR4 ’’はメチルであり;R5は水素であり、並びにXはCR6R6 ’であり、式中R6およびR6 ’は水素原子である)である。
【0026】
1つの態様において、R5は、置換されており、たとえば水素またはヒドロキシではない。さらなる態様において、R5は、エステル(アルキカルボニルオキシ)である。1つの態様において、R5はアルキルエステルである。R5の例は、アルキルエステル(たとえば、C1〜C12アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリールエステル)を含む。アルキル基は、直鎖、分枝鎖、および/または環を含んでいてもよい。エステルの例は、エタン酸、プロパン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、2-シクロペンタンエタン酸、シクロペンタン酸、シクロヘプタン酸、2-メチルプロパン酸、シクロヘキサン酸、およびアダマンタン2-カルボン酸のテトラサイクリンエステルを含むが、これらに限定されない。その他の態様において、R5は水素である。
【0027】
1つの態様において、本発明の方法および組成物に使用される置換テトラサイクリン化合物は、たとえば2、7、および/または9位に置換を有する置換サンサイクリン化合物である。本発明の置換サンサイクリン化合物において、R2 ’、R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;R4はジアルキルアミノであり、およびR4 ’は水素であり;XはCR6R6 ’であり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、およびR8はそれぞれ一般に水素である。7位置換のサンサイクリン化合物については、R9は水素であってもよい。別の態様において、R4は水素である。
【0028】
1つの態様において、R7は、置換のまたは非置換のアリール、たとえばヘテロアリール、フェニル、などである。R7置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含む。このような置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含むが、これらに限定されない。ある態様において、フェニルは、少なくとも1つのアルキル、アミノ、ヘテロ環、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノ、またはアルキルアミノで置換される。
【0029】
別の態様において、R7は、置換のまたは非置換のヘテロアリールである。複素環式芳香族基の例は、単環および多環(たとえば、多重環)の両者を含み、例えばフラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、ベンゾジオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフトリジニル(naphthridinyl)、チアゾリル、イソチアゾリル、およびデアザプリニルなどであるが、これらに限定されない。1つの態様において、R7はベンゾフラニルである。置換基の例は、テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる全ての置換基を含み、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールなどであるが、これらに限定されない。1つの態様において、R7はチエニルである。また、R7は、置換のまたは非置換の複素環、たとえばモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、などであってもよい。
【0030】
別の態様において、R7は、置換のまたは非置換の、分岐状、直鎖状、または環状のアルキルである。置換基の例は、テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含み、例えばアルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、トリアルキルシリル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールなどであるが、これらに限定されない。ある態様において、置換基は、ヘテロ環、置換および非置換のフェニル、ヒドロキシ、並びにこれらの組み合わせを含む。また、アルキルの置換基R7は、化学的に可能であるならば、上に一覧を示したR7基に対する置換基でさらに置換されてもよい。R7基の例は、C1〜C15基、C1〜C10基、C1〜C7基、などで、例えば2-エチルペンチル、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、などを含むが、これらに限定されない。本明細書に記載した範囲内に含まれるか、および/または中間の値並びに範囲は、本発明の範囲内であることが意図される。たとえば、C1〜C7基は、1、2、3、4、5、6、および7個の炭素を有する基を含む。
【0031】
1つの態様において、R7は置換のまたは非置換のアルケニルである。置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含む。このような置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリール含むが、これらに限定されない。
【0032】
1つの態様において、アルケニルR7部分は、置換のまたは非置換の環状部分で置換される。環状部分は、炭素環、複素環の両者の、アリール、ヘテロアリール、シクロアルケニル、およびシクロアルキル基を含む。環状部分の例は、たとえばシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、フェニル、その他を含む。環状部分は、たとえば上に一覧を示したアルケニルR7部分のいずれかの置換基で置換することができる。
【0033】
また、R7は、結合部分を介して、別のテトラサイクリン環状構造に結合されていてもよい。結合部分は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうるどのような長さであることもできる。結合部分は、第二のテトラサイクリン環状構造に対し、このような置換が可能などのような位置においても結合することができる。ある態様において、リンカーは、アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。リンカーは、大体C1〜C25、C1〜C20、C1〜C15、などからなっていてもよい。ある態様において、リンカーは、アルキニルであり、および第二のテトラサイクリン環状構造は、サンサイクリル(sansyclyl)である。「テトラサイクリン二量体」という用語は、2つのテトラサイクリン環状構造が、化学的に、たとえば共有結合で、たとえば結合部分に結合された化合物をいう。
【0034】
別の態様において、R7は置換のまたは非置換のアルキニルである。置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含み、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含むアルキニルR7部分などであるが、これらに限定されない。
【0035】
R7アルキニル部分は、置換のまたは非置換の環状部分と置換されてもよい。環状部分は、炭素環、複素環の両者の、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルケニル基、およびシクロアルキル基を含む。環状部分の例は、たとえばシクロブタン、シクロペンタン(cylopentane)、シクロヘキサン、などのシクロアルキルを含む。環状部分は、たとえば上に一覧を示したアルキニルR7部分のいずれの置換基で置換することもできる。アルキニルR7部分の環状置換基の例は、フェニル、シクロヘキシル、p-ニトロフェニル、p-メチルフェニル、シクロヘキセン、および1-ヒドロキシシクロヘキサンを含むが、これらに限定されない。
【0036】
R7基のその他の例は、置換および非置換のアルキルカルボニル基を含む。これらの基は、アリール、アルキル、アリールアミノ、アルケニル、アルコキシ、または置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうるその他の置換基でさらに置換することもできる。R7部分の別の例は、置換および非置換のアミノを含む。アミノ基は、ジアルキルアミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、など、またはその意図された機能、たとえば抗真菌剤の有効な量を減少することが可能な、あらゆるその他の置換基の組み合わせであることもできる。
【0037】
また、本発明は、7,9-二置換テトラサイクリン化合物(たとえば7位および9位置換のテトラサイクリン化合物を含む方法および薬学的組成物に関する。たとえば、本発明は、7,9-置換のサンサイクリン化合物、たとえばXがCR6R6 ’であり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、およびR8がそれぞれ水素である化合物に関する。本発明は、R9がアルキルであり、およびR7が置換のまたは非置換のアミノメチルである化合物を含む。本発明は、別の位置、たとえばR9において起こりうるその他のあらゆる置換基とともに、R7について上記したとおりのどのような組み合わせの置換基を有する化合物をも含む。
【0038】
別の態様において、本発明は、R5がヒドロキシまたはアルキルカルボニルオキシであり;XがCHR6であり;R6がアルキル(たとえば低級アルキル、たとえばメチル)であり;およびR8が水素である置換ドキシサイクリン化合物に関する。R7は、水素またはアルキルであってもよい。R2は、水素またはアルキルであってもよい。
【0039】
1つの態様において、R9は置換のまたは非置換のアルケニルである。置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる置換基を含む。このような置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリール含む。
【0040】
R9の他の例は、置換のまたは非置換のアルキル(たとえば、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、n-ブチル、i-ブチル、ペンチル、など)、アリール、または化合物がその意図された機能を実行しうる置換基も含む。
【0041】
別の態様において、本発明は、置換テトラサイクリン化合物が置換ミノサイクリン化合物である方法および組成物に関する。これらの化合物の例は、XがCR6R6 ’;R2、R5、R6、R6 ’、およびR8である化合物がそれぞれ水素であり、およびR7は、ジアルキルアミノ、たとえばジメチルアミノである化合物を含む。ある態様において、置換基は、1つまたは複数の窒素原子を含んでもよい。
【0042】
1つの態様において、R9は置換のもしくは非置換のアリール(たとえば、フェニルビアリール、ヘテロアリール、など)またはアラルキルである。R9は、置換のまたは非置換のヘテロアリールであってもよい。複素環式芳香族基の例は、単環および多環(たとえば、多重環)の両者を含み、フラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、ベンゾジオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフトリジニル(naphthridinyl)、チアゾリル、イソチアゾリル、およびデアザプリニルなどであるが、これらに限定されない。1つの態様において、R7は、ベンゾフラニルである。置換基の例は、テトラサイクリン化合物がその意図された機能を実行しうる全ての置換基を含み、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールなどであるが、これらに限定されない。1つの態様において、R7はチエニルである。また、R7は、置換のまたは非置換の複素環で、たとえばモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、その他であってもよい。1つの態様において、アリールR9部分は、置換のまたは非置換のフェニルである。
【0043】
R9部分のその他の例は、置換および非置換の、環状、分岐状、または直鎖状アルキル(たとえば、C1〜C15、C1〜C10、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2-シクロペンタンエチル、など)を含む。置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリール含むが、これらに限定されない。置換基の例は、アミド、アルキル、アミノアルキル、ヘテロ環、カルボン酸、ホルミル、塩素、フッ素、またはアセチルからなる基より選択される上記に挙げた置換基を含む。
【0044】
R9のその他の例は、置換および非置換のものの両方または非置換の、アルケニルもしくはアルキニルを含む。置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフィドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含むが、これらに限定されない。1つの態様において、アルキニルR9部分は、置換および非置換のアリール、置換および非置換のアルキル、カルボン酸、シクロアルキル、シクロアルケニル、またはアルコキシカルボニルからなる基より選択される1つまたは複数の置換基で置換される。
【0045】
別の態様において、R9は置換のまたは非置換のアルキルまたはアルキルアミノである。たとえば、R9は、C1〜C15アルキル、C1〜C10アルキル、などであってもよい。その他の態様において、R9は、アミノアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、および置換テトラサイクリン化合物は、これらが意図された機能を実行しうるその他の置換基で置換されていてもよい。置換基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリール含むが、これらに限定されない。
【0046】
別の態様において、R9cは水素であり、ZはSまたはOであり、Z'はNHである。1つの態様において、R9aは置換のまたは非置換のフェニルを含む。置換フェニルの置換基の例は、たとえば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含む。
【0047】
他の態様において、R9は、複素環、たとえばモルホリニル、ピリジニル、ピラジニル、ピペリジニル(piperdinyl)、などであってもよい。これらの置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールなどの置換基でさらに置換されていてもよいが、これらに限定されない。
【0048】
さらなる態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、置換メタサイクリン化合物であって、たとえば、式中XはC=CR13Yであり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、R8、およびYはそれぞれ水素である化合物を含む。また、R7およびR9は、水素または本発明の置換テトラサイクリン化合物がそれらの意図された機能を実行可能にする別の部分であってもよい。
【0049】
1つの態様において、R13は、置換のまたは非置換のアリール、たとえばフェニル、ビアリール、ヘテロアリール、その他である。置換基の例は、置換テトラサイクリン化合物が、その意図された機能を実行しうるものを含む。例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル(alkylaminoacarbonyl)、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリール、およびヘテロアリールを含むが、これらに限定されない。さらなる態様において、置換基は、メチルまたはアルコキシである。
【0050】
さらなる態様において、式(I)の置換テトラサイクリン化合物は、7、9、または13位に大きな疎水性部分を有する化合物を含む。疎水性部分は、部分的に、立体的に強固(たとえば、二重結合もしくは三重結合を含むか、または1つもしくは複数のリングを含む)であってもよい。たとえば、化合物が置換のもしく非置換のアリール(たとえば、ヘテロアリール、フェニル、その他のリング)基または1つもしくは複数のアルキル基を含んでもよい。別の態様において、化合物は、1つもしくは複数の窒素またはその他のヘテロ原子を有する基を含んでもよい。さらなる態様において、化合物は、9-置換のミノサイクリン化合物であってもよい。置換テトラサイクリン化合物は、表2に示される置換基の任意の組み合わせで含むことができる。
【0051】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載されたか、または表2に示された置換基を有する4-デジメチルアミノテトラサイクリン化合物に関する(たとえば、ジメチルアミノ基が水素であるR4位を除き、本明細書または表2に記載されたものと同じ置換基を有する)。
【0052】
本発明の方法に使用することができる置換テトラサイクリン化合物を、以下および表2に示す。
【0053】
本発明の置換テトラサイクリン化合物は、実施例1に記載された方法、以下のスキーム、および当技術分野で認識された技術を使用して合成することができる。本明細書において、記載された全ての新規の置換テトラサイクリン化合物は、化合物として本発明に含まれる。
【0054】
【0055】
9-および7-置換のテトラサイクリンは、スキーム1に示した方法によって合成することができる。スキーム1に示したとおり、9-および7-置換のテトラサイクリン化合物は、テトラサイクリン化合物(たとえば、ドキシサイクリン、1A)を硫酸および硝酸ナトリウムで処理することによって合成することができる。生じた生成物は、7-ニトロおよび9-ニトロ異性体(それぞれ1Bおよび1C)の混合物である。7-ニトロ(1B)および9-ニトロ(1C)誘導体を、水素気体および白金触媒を用いた水素化によって処理し、アミン1DおよびIEを得る。このとき、異性体を従来法によって分離する。7-または9-置換のアルケニル誘導体を合成するためには、7-または9-アミノテトラサイクリン化合物(それぞれ1Eおよび1F)をHONOで処理して、ジアゾニウム塩(1Gおよび1H)を得る。この塩(1Gおよび1H)をハロゲン化された適切な試薬(たとえば、R9がアリール、アルケニル、またはアルキニル部分であるR9Br)で処理して、所望の化合物(たとえば、スキーム1における、7-シクロペント-1-エニルドキシサイクリン(1H)および9-シクロペント-1-エニルドキシサイクリン(1I))を得る。
【0056】
【0057】
スキーム2に示したとおり、R7がカルバメートまたは尿素誘導体である本発明のテトラサイクリン化合物は、以下のプロトコルを使用して合成することができる。サンサイクリン(2A)を酸性条件下においてNaNO2で処理して、位置異性体の混合物中に7-ニトロサンサイクリン(2B)を形成させる。次いで、7-ニトロサンサイクリン(2B)をH2気体および白金触媒で処理して、7-アミノサンサイクリン誘導体(2C)を形成させる。尿素誘導体(2E)を形成させるためには、イソシアネート(2D)を7-アミノサンサイクリン誘導体(2C)と反応させる。カルバメート(2G)を形成させるためには、適切な塩素酸エステル(2F)を2Cと反応させる。
【0058】
【0059】
スキーム3に示したとおり、本発明のテトラサイクリン化合物であって、式中R7が複素環(すなわちチアゾール)置換のアミノ基である化合物は、上記プロトコルを使用して合成することができる。7-アミノサンサイクリン(3A)をFmoc-イソチオシアネート(3B)と反応させて、保護されたチオ尿素(3C)を生成させる。次に、保護されたチオ尿素(3C)を脱保護して、活性サンサイクリンチオ尿素(3D)化合物を得る。サンサイクリンチオ尿素(3D)をα-ハロケトン(3E)と反応させて、チアゾール置換の7-アミノサンサイクリン(3F)を生成させる。
【0060】
【0061】
7-アルキニルサンサイクリン(4A)および7-アルケニルサンサイクリン(4B)などの7-アルケニルテトラサイクリン化合物を水素化して、7-置換のテトラサイクリン化合物(たとえば、7-アルキルサンサイクリン,4C)を形成させることができる。スキーム4には、生成物を得るための、飽和メタノールおよび塩酸溶液での圧力下におけるパラジウム/炭素触媒による7位の二重結合または三重結合の選択的水素化を示す。
【0062】
【0063】
スキーム5には、7位アリール誘導体を合成するための一般的な合成スキームを示す。ヨードサンサイクリン化合物とアリールボロン酸のスズキカップリングを示す。ヨードサンサイクリン化合物(5B)は、酸性条件下において少なくとも1当量のN-ヨードスクシンイミド(NIS)でサンサイクリン(5A)を処理することにより、サンサイクリンから合成することができる。反応を停止させ、次いで、生じた7-ヨードサンサイクリン(5B)は、当業者に既知の標準的な技術を使用して精製することができる。アリール誘導体を形成させるためには、7-ヨードサンサイクリン(5B)を水性塩基(たとえば、Na2CO3)および適切なボロン酸(5C)で、および不活性雰囲気下で処理する。反応は、パラジウム触媒によって触媒される(たとえばPd(OAc)2)。生成物(5d)は、当業者に既知の方法(HPLCなど)によって精製することができる。その他の7-アリールおよびアルキニルテトラサイクリン化合物も、同様のプロトコルを使用して合成することができる。さらに、7-および9-カルボニル化された合成物は、当業者に認識される技術を使用して合成することができる。
【0064】
また、本発明の7-置換のテトラサイクリン化合物は、Stilleクロスカップリングを用いて合成することができる。スティルクロスカップリングは、適切なスズ試薬(たとえば、R-SnBu3)およびハロゲン化されたテトラサイクリン化合物(たとえば、7-ヨードサンサイクリン)を用いて行うことができる。スズ試薬およびヨードサンサイクリン化合物を、パラジウム触媒(たとえば、Pd(PPh3)2Cl2またはPd(AsPh3)2Cl2)で、および選択的に、さらに銅の塩、たとえばCuIで処理することもできる。次いで、生じた化合物は、当業者に既知の技術を用いて精製することができる。
【0065】
【0066】
また、本発明の化合物は、Heck-型クロスカップリング反応を使用して合成することができる。スキーム6に示すように、ハロゲン化されたテトラサイクリン化合物(たとえば、6-ヨードサンサイクリン,6A)および適切なパラジウムまたはその他の遷移金属触媒(たとえば、Pd(OAc)2およびCuI)を懸濁することによって、適切な溶媒(たとえば、脱ガスしたアセトニトリル)中で、Heck-型クロスカップリングを行うことができる。次いで、基質、反応性アルケン(6B)またはアルキン(6D)、およびトリエチルアミンを添加して、混合液を数時間加熱した後、室温に冷却する。次いで、生じた7-置換のアルケニル(6C)または7-置換のアルキニル(6E)テトラサイクリン化合物は、当業者に既知の技術を使用して精製することができる、
【0067】
【0068】
7-(2'-クロロ-アルケニル)-テトラサイクリン化合物を調製するためには、適切な7-(アルキニル)-サンサイクリン(7A)を飽和メタノールおよび塩酸に溶解して撹拌する。次いで、溶媒を除去して生成物(7B)を得る。
【0069】
【0070】
スキーム8に図示したように、9-置換テトラサイクリン化合物である5-エステルは、強酸(たとえばHF、メタンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸)に9-置換化合物(8A)を溶解し、適切なカルボン酸を添加することによって形成し、対応するエステル(8B)を得ることができる。
【0071】
【0072】
スキーム9に示すように、メタサイクリン(9A)は、Pd(OAc)2などのパラジウム触媒の存在下でフェニルホウ酸と反応させ、13アリール置換の2メタサイクリン化合物を形成させることができる。次いで、生じた化合物を調製用HPLCなどの当業者に既知の技術を使用して精製することができ、特徴づけることができる。
【0073】
下記のスキーム10に示すように、7および9アミノメチルテトラサイクリンは、ヒドロキシメチル-カルバミン酸ベンジルエステルなどの試薬を使用して合成してもよい。
【0074】
【0075】
「アルケニル」という用語は、直鎖アルケニル基、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(脂環式)基、アルケニル置換のシクロアルキル基またはシクロアルケニル基、およびシクロアルケニル置換のアルキル基またはアルケニル基を含む不飽和の脂肪族基を含む。アルケニルという用語は、アルケニル基をさらに含み、これには、炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素を置換する酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子、たとえば酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子をさらに含むことができる。好ましい態様において、直鎖または分枝鎖アルケニル基は、その骨格に10以下の炭素原子(たとえば、直鎖についてC1〜C10、分枝鎖についてC3〜C10)、およびより好ましくは、6以下の炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルケニル基は、それらの環状構造(たとえば、シクロペンテンまたはシクロヘキセン)に4〜7個の炭素原子を有し、より好ましくは、それらの環状構造に5個または6個の炭素原子を有する。
【0076】
「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換のシクロアルキル基、およびシクロアルキル置換のアルキル基を含む飽和脂肪族基を含む。アルキルという用語は、さらにアルキル基を含み、これには、炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素を置換する酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子、たとえば酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子をさらに含むことができる。好ましい態様において、直鎖または分枝鎖アルキル基は、その骨格に10個以下の炭素原子、およびより好ましくは、6個以下の炭素原子を有する(たとえば、直鎖についてC1〜C10、分枝鎖についてC3〜C10)。同様に、好ましいシクロアルキルは、それらの環状構造に4〜7個の炭素原子を有し、より好ましくは、それらの環状構造に5個または6個の炭素原子を有する。
【0077】
さらに、アルキルという用語は、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両者を含み、これらのうちの後者は、炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素の水素を置換する置換基を有するアルキル部分をいう。このような置換基は、たとえば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリルアミノ、ジアリールアミノ、およびアミノアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフロロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分を含むことができる。炭化水素鎖において置換された部分が、適切であるならば、それ自体を置換しうることは、当業者によって理解と考えられる。シクロアルキルは、たとえば上記に挙げた置換基によってさらに置換することもできる。「アルキルアリール」部分は、アリール(たとえば、フェニルメチル(ベンジル))で置換されたアルキルである。
【0078】
「アリール」という用語は、ゼロから4つのヘテロ原子を含む5員環および6員環の単環芳香族基を含むアリール基、たとえば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジン、その他同種のものを含む。また、アリール基は、ナフチル、キノリル、インドリル、その他同種のものなどの多環融合された芳香族基を含む。また、環状構造中にヘテロ原子を有するこれらのアリール基は、「アリールヘテロ環」、「ヘテロアリール」または「複素環式芳香族」と呼ぶ。芳香環は、1つまたは複数の環状部位に、上記に挙げたような置換基(たとえば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリルアミノ、ジアリールアミノ、およびアミノアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフロロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分)で置換することもできる。また、アリール基は、多環(たとえば、テトラリン)を形成するように、芳香族でない脂環式もしくは複素環のリングと融合または架橋することができる。
【0079】
「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、長さおよび起こりうる置換が上記のアルキルと類似しているが、それぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む不飽和の脂肪族基を含む。アルキニル基の置換基の例は、たとえば、アルキル基、アルケニル基(たとえばシクロアルケニル、たとえばシクロヘキシニル)、およびアリール基を含む。
【0080】
炭素数が特に指定されない限り、本明細書において使用される「低級アルキル」は、上記に定義した通りのアルキル基を意味するが、その骨格構成に1個〜3個の炭素原子を有する。同様に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」も同様の鎖長を有する。
【0081】
記述のように、「アルコキシアルキル」、「ポリアミノアルキル」、および「チオアルコキシアルキル」という用語は、アルキル基を含み、記述のように、これには炭化水素骨格の1つまたは複数の炭素を置換する酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子、たとえば酸素、窒素、硫黄、または亜リン酸原子をさらに含むことができる。
【0082】
「多環式」または「多環式ラジカル」という用語は、2つ以上の炭素が2つの隣接しているリングに共通である、2つ以上の環式の環(たとえば、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、および/またはヘテロシクリル)を指し、たとえば本リングは、「融合されたリング」である。隣接していない原子を介して結合されたリングは、「架橋された」リングである。多環リングのそれぞれは、このような上記記載したとおりの置換基で置換することもでき、たとえば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアミノアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフロロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分を含むことができる。
【0083】
「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外のいかなる要素の原子をも含む。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、およびリンである。
【0084】
「アルキルスルフィニル」という用語は、1つまたは複数のスルフィニル(SO)結合、典型的には、1個〜約5個または6個のスルフィニル結合を有する基を含む。有利なアルキルスルフィニル基は、1個〜約12個の炭素原子、好ましくは1個〜約6個の炭素原子を有する基を含む。
【0085】
「アルキルスルホニル」という用語は、1つまたは複数のスルホニル(SO2)結合、典型的には、1個〜約5個または6個のスルホニル結合を有する基を含む。有利なアルキルスルホニル基は、1個〜約12個の炭素原子、好ましくは1個〜約6個の炭素原子を有する基を含む。
【0086】
「アルカノイル」という用語は、1個〜約4個または5個のカルボニル基を有する基を含む。「アロイル」という用語は、フェニルおよびその他の炭素環アリールなどの、カルボニル置換基を有するアリール基を含む。「アルカロイル」という用語は、アルキルカルボニル置換基、たとえばフェニルアセチルを有するアリール基を含む。
【0087】
本発明の方法および組成物に使用されるいくつかの置換テトラサイクリン化合物構造は、不斉炭素原子を含む。特に示されない限り、キラル原子(たとえば、全ての鏡像異性体およびジアステレオマー)から生じる異性体は、本発明の範囲内に含まれる。このような異性体は、古典的な分離技術により、および立体化学的に制御された合成により、実質的に純粋の形態で得ることができる。
【0088】
1つの態様において、本発明は、被験体において真菌に関連した疾患を治療するための方法に関する。本方法は、被験体が真菌関連疾患の治療がなされるように、置換テトラサイクリン化合物の有効な量を抗真菌剤と組み合わせて被験体に投与することを含む。
【0089】
置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤の「有効な量」という専門用語は、真菌の増殖を阻害するために、たとえば被験体において、たとえば真菌に関連した疾患の種々の形態学的および身体的な症状を予防するために、必要または十分な量のことである。有効な量は、被験体の大きさおよび重量、疾患のタイプ、または個々の置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤に依存して変化し得る。たとえば、置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤の選択は、「有効な量」を構成するものに影響を及ぼし得る。当業者であれば、前述の因子を研究して、過度の実験なく、置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤の有効な量を決定することができるであろう。実施例2に記載したとおりのインビトロアッセイ法またはこれと同様のアッセイ法(たとえば、真菌の選択において異なるもの)は、置換テトラサイクリン化合物および/または抗真菌剤の「有効な量」を決定するために使用することができる。当業者であれば、上述したインビトロにおけるアッセイ法に使用するために、置換テトラサイクリン化合物の適切な量を選択するであろう。
【0090】
「被験体」という用語は、真菌の抑制による利益を得る可能性がある、または真菌に関連した疾患を有し得る、任意の生物を含む。被験体の例は、哺乳類、鳥類、魚、その他などの動物だけでなく、真菌の存在下で逆に効果を与える植物も含む。
【0091】
「哺乳類」という用語は、反すう動物(たとえば、ウシおよびヤギ)、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ライオン、トラ、クマ、サル、チンパンジー、および好ましい態様においてヒトを含むが、これらに限定されない。哺乳類は、免疫応答性でもよく、または免疫無防備状態、たとえば免疫不全に罹患していてもよい。たとえば、哺乳類は、AIDSを有してもよく、または以前にもしくは並行して、化学療法を受けていてもよい。別の態様において、哺乳類は初老または若令であってもよい。哺乳類は、真菌に関連した疾患に罹患していてもよく、または罹患していなくてもよい。テトラサイクリン化合物は、疾患の発症を予防するために、真菌に関連した疾患にかかりやすい哺乳類に投与されてもよい。
【0092】
「真菌に関連した疾患」という専門用語は、被験体に真菌が存在することに関連した疾患を含む。動物における真菌に関連した疾患の例は、たとえばカンジダ(Candida)および白癬菌(Trichophyton)、ミクロスポルム(Microsporum)、もしくはエピダーモフィトン(Epidermophyton)などの皮膚糸状菌によって引き起こされる局所的真菌感染、または鵞口瘡カンジダ(Candida.albicans)(たとえば、経口口腔カンジタ症および膣カンジダ症)によって引き起こされる粘膜感染を含む。また、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、たとえば鵞口瘡カンジダ(Candida.albicans)、クリプトコッカス・ネオフォーマンス(Cryptococcus neoformans)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フトニガタス(Aspergillus fumigatus)、コクシジオイド(Coccidioides)、パラコクシジオイド(Paracoccidioides)、ヒストプラスマ(Histoplasma)、またはブラストミセス(Blastomyces)によって引き起こされる全身性真菌感染の治療に有用である。本発明の置換テトラサイクリン化合物は、AIDS、CMV、およびインフルエンザなどのウィルス感染した患者のような免疫無防備状態の患者、化学療法または放射線療法を受けている癌患者、抗拒絶性剤を受けている移植患者、並びに毒性化学物質、金属、および放射線被曝を受けている患者の真菌感染を治療するために特に有用である。
【0093】
その他の真菌に関連した疾患は、動物におけるアスペルギルス症、カンジダ症、黒色真菌感染症、コクシジウム症(coccidioidiocycosis)、クリプトコッカス症、エントモフトラ真菌症(entomophthoromycosis)、伝染性リンパ管炎、ゲオトリクム症、ヒストプラスマ症、ムコール菌症、足菌腫(mycetoma)、北アメリカ分芽菌症、卵菌症、パエシリマイコシス(paecilimycosis)、ペニシリウム症、リノスポリジウム症、およびスプロトリッチイオシス(sprotrichiosis)を含む。1つの態様において、本発明の置換テトラサイクリン化合物は、家畜類の飼料に含ませることもでき、その結果前記飼料の通常の消費により、1日あたりkg動物毎に、本発明の置換テトラサイクリン化合物のうちの少なくとも約1mg〜約200mgを提供することができる。
【0094】
抗真菌剤「と組み合わせて」という用語は、置換テトラサイクリン化合物と抗真菌剤を同時に投与すること、最初に抗真菌剤を投与して、続いて置換テトラサイクリン化合物を投与すること、最初に置換テトラサイクリン化合物を投与して、続いて抗真菌剤を投与することを含むことを意図する。抗真菌剤は、テトラサイクリンと同じか、または1つ、また複数の異なったルートによって投与することができる。抗真菌剤およびテトラサイクリン化合物は、適切な間隔で投与されてもよい(たとえば、間隔は、本発明の化合物がこれらの意図された機能を実行できるように、たとえば置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤が、相乗的に相互作用することができるように選択される)。
【0095】
また、本発明は、哺乳類において真菌に関連した疾患を治療するための方法に関する。本方法は、哺乳類が真菌に関連した疾患の治療がなされるように、置換テトラサイクリン化合物の相乗的にな有効な量を、アンホテリシンBの有効な量と組み合わせて哺乳類に投与することを含む。1つの態様において、テトラサイクリン化合物は、式(I)の化合物である。別の態様において、テトラサイクリン化合物は、表2に示したトラサイクリン化合物である。
【0096】
また、本発明は、置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量、抗真菌剤の有効な量、および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物に関する。
【0097】
「相乗的に有効な量」は、真菌に関連した疾患が治療されるように、抗真菌剤の抗真菌活性を増大るために必要な本発明の置換テトラサイクリン化合物の量である。
【0098】
「薬学的に許容される担体」という用語は、置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤の同時投与できる物質を含み、これにより、抗真菌剤および置換テトラサイクリン化合物がこれらの意図された機能の実行、たとえば真菌に関連した疾患を治療するか、または予防することが可能となる。このような担体の例は、溶液、溶媒、分散媒体、遅延剤、乳剤、その他同種のものを含む。薬学的に活性な物質に対するこのような媒体の使用は、公知の技術である。本発明のテトラサイクリンの用途に適した従来のいずれのその他の担体も、含まれる。薬学的に許容される担体は、1つまたは複数の活性成分を所望の長さの時間にわたって放出されるように(たとえば放出時間)、当業者に既知の方法により、処方されてもよい。
【0099】
たとえば、本発明の1つまたは複数の化合物は、単独で被験体に投与されてもよく、より典型的には、本発明の化合物は、従来の賦形剤、すなわち活性化合物と有害な反応を起こさず、かつレシピエントに有害でない、非経口、経口、またはその他の所望の投与のために適した薬学的に許容される有機または無機の担体物質との混合物中に薬学的組成物の一部として投与される。適切な薬学的に許容される担体は、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘稠性パラフィン、香料油、脂肪酸モノグリセリド、および脂肪酸ジグリセリド、石油エーテル脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、その他を含むが、これらに限定されない。薬学的製剤は、滅菌することができ、必要に応じて補助剤、たとえば潤滑剤、防腐剤、安定器、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝液、カラーリング、香料、および/または芳香薬物質、活性化合物と有害な反応を生じないその他同種のものと混合することができる。
【0100】
置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤は、プロトン化されかつ水溶性の形態、たとえば有機または無機の酸の薬学的に許容される塩、たとえば硫酸塩、ヘミ硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、メシレート、その他として、被験体に投与されてもよい。また、適切な酸性基が本発明の置換テトラサイクリン化合物または抗真菌剤に存在する場合、有機または無機塩基の薬学的に許容される塩には、アンモニウム塩、または有機アミンの塩、またはカリウム、カルシウム、もしくはナトリウムの塩などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などを使用することができる。
【0101】
治療的な化合物は、様々なルートのいずれによって本発明に従って被験体に投与することもできる。局所的(経皮的、ほほ側、または舌下を含む)、経口的、非経口的(腹腔内、皮下、静脈内、皮内、または筋内の注射を含む)が一般的に好ましい。
【0102】
経口投与については、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、およびグリシンなどの種々の賦形剤を含むタブレットを、デンプン(および好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ、またはタピオカデンプン)、アルギン酸、およびある化合物体のシリケートなどの種々の崩壊剤とともに、ポリビニルピロリドン、シュクロース、ゼラチン、およびアカシア様の顆粒結合剤とともに使用してもよい。その上、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルクなどの潤滑剤は、タブレット化の目的にしばしば非常に有用である。また、同様のタイプの固体組成物を、ゼラチンカプセルにおける賦形剤して使用してもよく;この点について、好ましい物質は、ラクトースまたは乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールを含む。経口投与のために水性懸濁液および/またはエリキシルが望まれる場合、活性成分は、種々のスイートニングまたは香料、カラーリング物質または色素、要望に応じて、乳化剤および/または懸濁剤、また、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびこれらの種々の組み合わせなどの稀釈剤と共に、組み合わせてもよい。
【0103】
非経口的な適用については、溶液、好ましくは油性もしくは水性の溶液、並びに懸濁液、乳剤、または坐薬を含むインプラントが特に適している。治療的な組成物は、無菌の生理食塩液または通常注射可能薬物と共に使用される5%塩類デキストロース溶液などの液体担体中に分散されたものなどの、複数または一回用量形態で無菌形態として処方されてもよい。
【0104】
経腸の適用については、タルクおよび/もしくは含水炭素担体結合剤を有するタブレット、糖衣丸、またはカプセル等が特に適しており、担体には、ラクトースおよび/またはコンスターチおよび/またはジャガイモデンプンが好ましい。シロップ、エリキシル等は、加糖媒体が使用される場合に使用することができる。徐放性組成物は、マイクロカプセル化、複数の被覆、その他により、有効成分が差別的に分解可能な被覆で保護されているものを含むように処方することができる。
【0105】
局所適用については、置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤は、ジェル、軟膏、ローション、またはクリームなどの薬理学的に不活性の局所的担体中に、適切に混合することができる。このような局所的担体は、水、グリセロール、アルコール、プロピレングリコール、脂肪族アルコール、トリグリセリド、脂肪酸エステル、または鉱油を含む。その他の可能な局所的担体は、液状ペトロラタム、イソプロピルペトロラタム、ポリエチレングリコール、95%エタノール、モノラウリン酸ポリオキシエチレン5%の水溶液、5%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液、その他同種のものである。さらに、抗酸化剤、湿潤剤、粘度調整剤、その他同種のものなどの物質も、必要に応じて添加されてもよい。
【0106】
所与の治療法に使用される活性化合物の実際の好ましい量は、利用される特定の化合物、処方される特定の組成物、適用の型式、投与の特定の部位等により、変化するであろう。所与の投与プロトコルについての最適な投与比率は、前述のガイドラインに関して行った従来の用量決定試験を使用して、当業者によって容易に確認することができる。
【0107】
一般に、治療のための本発明の化合物は、従来のテトラサイクリン治療法に使用される用量で被験体に投与することができる。たとえば、Physicians'DeskReferenceを参照されたい。たとえば、1つまたは複数の本発明の化合物の適切な有効量は、1日あたりレシピエント体重の1キログラムにつき0.01〜100ミリグラム、好ましくは、1日あたりレシピエント体重の1キログラムにつき0.1〜50ミリグラム、より好ましくは、1日あたりレシピエント体重の1キログラムにつき1〜20ミリグラムの範囲である。所望の用量は、適切には、1日1回または数回のサブ用量であり、たとえば、1日にわたって適切な間隔で、またはその他の適切なスケジュールで2〜5回投与される。
【0108】
また、一般に正常な使用環境下でテトラサイクリンおよび抗真菌剤の効率を保証するために、正常な従来の既知の予防措置がテトラサイクリンおよび抗真菌剤の投与に関してなされることは理解されるであろう。特に、ヒトおよび動物の治療処置のために、インビボにおいて使用されるときに、開業医は、従来の既知の矛盾および毒作用を回避するために、全ての賢明な予防措置をするべきである。したがって、胃腸の窮迫および炎症について従来認識されている有害反応、腎毒性、過敏性反応、血液における変化、並びにアルミニウム、カルシウム、およびマグネシウムイオンを介した吸収機能障害は、従来方法によってしかるべく考慮されるべきである。
【0109】
なおさらなる側面において、本発明の置換テトラサイクリン化合物および抗真菌剤は、農業組成物、たとえば錆、ミルデュ、および糸状菌を含む様々な植物病原真菌を治療するか、または予防するための植物および種子のための組成物に使用することができる。通常、本発明の化合物は、打ち粉、顆粒、シード包帯剤、水溶液、分散剤もしくは乳剤、浸漬剤、スプレー、エアロゾル、または煙の形で調剤される。また、組成物は、分散可能な粉末、顆粒、もしくは粒子の形態、または使用前に希釈するように濃縮物で供給されてもよい。このような組成物は、農業および園芸において既知であり、許容されており、このような従来の担体、希釈液、またはアジュバントを含んでもよく、これらは、従来の手順に従って製造される。組成物は、典型的には0.01〜10wt%、好ましくは0.1〜1wt%の活性成分を含む。また、組成物は、その他の活性成分、たとえば除草性または殺虫性の活性を有する化合物またはさらなる抗真菌剤を取り入れてもよい。化合物および組成物は、多くの方法に適用することができ、たとえば、これらを直接、植物枝葉、茎、枝、種子、もしくは根に、または土壌もしくはその他の成長媒体に適用することもでき、これらは、疾患を根絶するためだけでなく、罹患から植物または種子を保護するために予防的に適用することもできる。用地に使用するためには、おそらく活性成分の適用率は、約100〜10,000g/エーカーである。
【0110】
また、本発明は、前記真菌が死滅するように、置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量および抗真菌剤の有効な量と、真菌を接触させることによって真菌を死滅させる方法に関する。
【0111】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示される。これらの実施例は、本発明の理解を補助するために提供され、その限定として解釈されることはない。
【0112】
本発明の具体例
実施例1:テトラサイクリン化合物の合成
以下の例では、本発明のテトラサイクリン化合物を合成する方法を考察する。本発明のその他の化合物は、本出願において考察した技術および/または当業者に認識される方法を使用することによって合成することができる。
【0113】
実験例
融点は、Mel-Tempキャピラリ融点装置で測定し、修正していない。核磁気共鳴(1HNMR)スペクトラムは、Bruker Avance分光計において300MHzで記録した。化学シフト値は、テトラメチルシランまたは3-(トリメチルシリル)-1-プロパンスルホン酸、ナトリウム塩に関してδ値(ppm)で表し、内部または外部標準として、CDCl3、DMSO-d6、またはMeOH-d4のいずれかを溶媒として使用した。カラムクロマトグラフィは、使用前にNa2EDTA飽和溶液で処理して、水で洗浄し、濾過して乾燥器において130℃で3時間乾燥したBaker「flash」グレードシリカゲル(40μm)を使用して、スティルの方法に従って行った。分析的TLC分離は、J.Tから得られる蛍光指示薬と共に0.25mmのシリカゲルプレートを使用した。Baker Chemical Co., Phillipsburg, NJは、Na2EDTAの飽和溶液中に5分間液浸することによって予め処理し、130℃において3時間再活性化した。使用した溶媒系は、以下の通りであった:50:50:5 CHCl3/MeOH/5% Na2EDTAの(低層)(I),65:20:5、CHCl3/MeOH/Na2EDTA(低層)(II)。TLCの視覚化は、水性の0.5%のFast Blue BB塩により、および130℃で5分間加温することにより達成した。分析的HPLCは、Waters Bondapak C18逆相カラムにおいて、ソフトウェアによって1.6mL/minの流速に制御した2 Varian SD100 HPLCポンプを使用することによって行った。検出は、Model441の吸収度検出器を280nmで操作してUV吸収によって行った。移動相は、1.6mL/分の流速で30分にわたって30%から100%のメタノール直線勾配に続いて、MeOHでのアイソクラチック溶出を使用した;溶媒システムA:0.02MのNa2HPO4+0.001MのNa2EDTAをH3PO3でpH4.5に合わせた;溶媒システムB:100%のMeOH。準調整用のHPLC分離には、6.4mL/分の流速で、Waters準調整用C18逆相カラムを使用した。低解像度および高解像度質量スペクトルは、PE Mariner分光計において行った(Nelsonら, J. Med. Chem.(1993)36(3):374)。
【0114】
7 ヨードサンサイクリン
1グラムのサンサイクリンを、0℃(氷上)に冷却した25mLのTFA(トリフルオロ酢酸)に溶解した。1.2当量のN-ヨードスクシンイミド(NIS)を反応液に添加して40分間反応させた。反応液を氷溶液から除去して、さらに5時間室温で反応させた。次いで、混合液をHPLCおよびTLCによって分析し、NISの段階的添加によって化合物体を溶出した。反応の完了後、TFAを真空中で除去し、3mLのMeOHを添加して残さを溶解した。メタノール溶液を、迅速に撹拌しているジエチルエーテル溶液にゆっくりと添加して、緑がかった褐色沈降物を形成させた。サンサイクリンの7-ヨード異性体は、7-ヨード生成物を活性炭で処理することによって精製し、セライトを通して濾過し、および次の真空中における溶媒の除去により、75%の収率で純粋な黄色の固体として7-異性体化合物を生成した。
MS(M+H)(ギ酸溶媒)541.3。
/Rt:Hypersil C18 BDS Column、11.73
【0115】
化合物 B ( 13-(4'- トリフルオロメチルフェニル ) メタサイクリン )
メタサイクリン(1.0mmol)、PdCl2(.14mmol)、およびCuCl2(.90mmol)を20mlのMeOHに溶解して、および窒素気圧下で加熱した。1時間後、4-トリフルオロメチルフェニルボロン酸(2.0mmol)をこれに添加し、反応混合液をさらに6〜10時間加熱した。反応は、TLCおよび分析的HPLCによってモニターした。次いで、反応混合液を室温に冷却してセライトのベッドを通した。溶媒を蒸発させることにより、黄褐色固体を得て、これを、調整用HPLCを使用して精製した(CH3CN:MeOH:H2O)。画分から溶媒を蒸発させると、期待される生成物の正しいピークが示され、黄色の固体を得て、これを再びMeOHに溶解してHCl気体でパージした。MeOHの蒸発後、黄色の物質を減圧下で数時間乾燥した。
【0116】
化合物 HF ( 7-(3',4'- ジメトキシ - フェニル ) サイクリン )
7-ヨードサンサイクリン(0.28mM)、Pd(OAc)2、および10mLのMeOHを撹拌バーを有するフラスコに添加して、3xアルゴンを使用して、系から脱ガスした。水に溶解してアルゴンで脱ガスしたNa2CO3(0.8mM)を、注射器によって添加して、2,5-ジメトキシフェニルホウ酸(0.55mM)の脱ガスしたMeOH溶液と共に添加した。反応液を2時間HPLCにかけて、室温に冷却した。溶液を濾過して乾燥し、未精製の混合液を生成させた。固体をジメチルホルムアミドに溶解して、C18逆相シリカを使用して調整用HPLC系に注入した。溶媒を真空中で除去して、生成物プラス塩を得た。塩は、50:25:25水、ブタノール、エチルアセテートに抽出することによって除去して、真空で乾燥した。この固体をMeOHに溶解して、HCl気体中に通気することによってHCI塩を作製した。
【0117】
化合物 FN ( 7-(3'- アミノフェニル ) サンサイクリン )
200mgの7-(3-ニトロフェニル)サンサイクリンの50mLメタノール溶液に、木炭触媒中の10%のパラジウム10mgを添加した。反応混合液を40psi水素圧下で2時間浸透し、次いで濾過し、続いて濃縮した。残渣を調整用HPLCによってさらに精製した。HCl塩として35mgを単離して、MNRおよびLC-MSにより、構造が7-(3-アミノフェニル)サンサイクリンであることが判明した。
【0118】
化合物 NB(l,8- ジ -7- サンサイクリン -1,8- ヘプチン )
フラスコには、7-ヨードサンサイクリン(3.0g, 4.57mmol)、Pd(OAc)2(0.102g, 0.46mmol)、Cul(0.044g, 0.23mmol)、およびP(o-Tol)3(0.278g, 0.91mmol)を充填し、内容物を無水アセトニトリルに懸濁させた。60℃(溶液温度)において、ジニトロジェンでこの混合液をパージした後に、1,7-オクタジイン(0.305mL, 2.29mmol)をこれに添加し、続いてトリエチルアミンを添加した。暗い有色溶液を60℃で3時間撹拌し、セライトのベッドを通して濾過し、乾燥させた。生成物(9C)のメタノール:DMF:TFA(90:8:2)溶液を調整用HPLCカラムで精製した。化合物ANは、HPLC、MS、および1H NMR分光法によって特徴づけた。
【0119】
化合物 EN(7-(2',4'- ジフルオロフェニル ) サンサイクリン )
7-ヨードサンサイクリン(0.3mM)、Pd(OAc)2、およびMeOH 10mLを、撹拌バーを有するフラスコに添加し、3xアルゴンを使用して系から脱ガスした。Na2C03(1.1mM)を、注射器によって添加して、2,4-ジフルオロフェニルホウ酸(0.7mM)の脱ガスしたMeOH溶液と共に添加した。反応液を20分間HPLCにかけて、室温に冷却した。溶液を濾過して乾燥し、未精製の混合物を生成させた。固体をジメチルホルムアミドに溶解して、C18逆相シリカを使用して調整用HPLC系に注入した。溶媒を真空中で除去して、生成物プラス塩を得た。塩は、50:25:25水、ブタノール、エチルアセテートに抽出することによって除去して、真空中で乾燥した。この固体をMeOHに溶解して、HCl気体中に通気することによってHCI塩を作製した。溶媒を除去して、生成物を生成させた。
【0120】
化合物 FO(9- シクロヘキセニルエチニル - ミノサイクリン )
9-ヨード-ミノサイクリン(1.13mmol)、50mgのテトラキス-トリフェニルホスフィノ-パラデート、50mgのヨウ化銅(I)、10mgの酢酸パラジウム、および3mlのトリエチルアミンの溶液に、0.1mlのシクロヘキセニル-アセチレンを添加した。反応混合液を60℃で1時間撹拌し、セライトベッドを通して濾過して濃縮した。乾燥状態物質をメタノールに溶解して濾過した。次いで、溶液を濃縮して調整用液体クロマトグラフィーを使用して精製した。調整用液体クロマトグラフィーには、溶出剤A:0.1%のTFA水溶液および溶出剤B:0.1% TFAのアセトニトリル溶液により、C18定常相を使用した。生じた化合物は、標準的な技術によって決定し、化合物BEであると決定された。
【0121】
化合物 HC(7-( プロピニル )- サンサイクリン )
25mLのアセトニトリルに取り入れた7-I-サンサイクリン(1mg, 1.86mmol)を脱ガスして窒素(3時間)でパージした。この懸濁液にPd(OAc)2(20mg, 089mmol)、CuI(10mg, 053mmol)、(o-トリル)3P(56mg, 0.183mmol)を添加して、数分間窒素でパージした。プロピン(3.72mmol)およびトリエチルアミン(1mL)を懸濁液に添加した。これは、Et3Nの添加によって褐色の溶液に変化した。次いで、反応混合液を70℃で3時間加熱した。反応の進行は、HPLCによってモニターした。次いで、これを室温に冷却しセライトを通して濾過した。溶媒の蒸発により褐色の固体を得て、次いで調整用HPLCで精製して黄色の固体を得た。この化合物の構造を1H NMR、HPLC、およびMSを使用して特徴づけた。
【0122】
化合物 HG(7-(2- メチルフェニルエチル )- サンサイクリン )
7-(2-メチルフェニルエチニル)-サンサイクリン(1mmol)を、飽和MeOH/HCl溶液に取り入れた。この溶液に、10%のPd/Cを添加して、12時間50psiで水素化に供した。次いで、これをセライトを通して濾過した。溶媒を蒸発して黄色の粉末を得た。最後に、それをMeOH/ジエチルエーテルから沈殿した。この化合物の構造を、1H NMR、HPLC、およびMSを使用して特徴づけた。
【0123】
化合物 HJ(9-(4'- アセチルフェニル ) ミノサイクリン
清潔な、乾燥した反応容器に、10mlの試薬グレードメタノールと共に、9-ヨードミノサイクリン(0.762mmoles)ビスHCl塩、酢酸パラジウム(II)(0.076mmoles)を配置した。溶液を撹拌しながら、約5分間アルゴンガス流で、直ちにパージした。反応容器を還流させて、それに注射器によって2M炭酸カリウム溶液、続いてp-アセチルフェニルボロン酸(1.53mmoles)の5mlの試薬DMF溶液を順番に添加した。これらの溶液は共に、事前に約5分間アルゴンガスで脱ガスさせた。反応液を45分間加熱して、進行を逆相HPLCによってモニターした。反応液を、珪藻土のパッドを通して吸入濾過して、DMFでパッドを洗浄した。ろ液を減圧下で油状まで減少させ、残さをt-ブチルメチルエーテルで処理した。未精製物質を、1.0%のトリフルオロ酢酸を含む水およびメタノール/アセトニトリル勾配を利用して、DVBの逆相HPLCによって精製した。
【0124】
化合物 IO(7-n- プロピル - サンサイクリン )
7-プロピニルサンサイクリンを飽和メタノール塩酸溶媒に溶解した。混合液を水素化装置内に50psi水素圧力下に配置した。反応は、〜8時間で完了させた。触媒を濾過して、生じた溶液を濃縮した。未精製の生成物を、溶出剤A:0.1%のTFA水溶液および溶出剤B:0.1%のTFAのアセトニトリル溶液によるC18定常相を使用した調整用液体クロマトグラフィーによって精製した。透明な画分を合わせて濃縮し、塩酸飽和イソプロパノールを添加した。純粋な生成物をジエチルエーテルの添加によって沈殿させて、濾過した。
【0125】
化合物 OU(N- ベンジル -9'- ミノサイクリニルグアニジン )
9-アミノミノサイクリン(1.6mmol)の撹拌した30mLアセトニトリル溶液に、ベンジルシアニミド(6.0mmol)を1部分添加した。反応混合液を、まず加熱して、60℃で数時間還流させ、室温で4-5日間継続した。その後、グアニジノ生成物を単離してMS、NMR、およびHPLCを使用して同定した。
【0126】
化合物 QE(7-( パラ -tert- ブチルフェニル )-9- アミノメチルサンサイクリン )
7-パラ-tert-ブチルフェニルサンサイクリン(5.0g)をトリフルオロ酢酸(300mL)に溶解した。3当量のHMBCを添加して、反応混合液を室温で撹拌した。72時間後、HPLCにより、反応が完全であることを示した。反応混合液を濾過して、その後メタノールに溶解し、ジエチルエーテル中に沈殿させて、褐色の液体を得た。次いで、HPLCを使用して固体を精製し、およびNMRおよび質量スペクトラムを使用して生成物を同定した。
【0127】
化合物 QS(7- フラニルサンサイクリン )
7-ヨードサンサイクリン(1.3mg)およびPd(OAc)2を100mLのメタノールに取り入れ、70℃において5分間アルゴンでパージした。この溶液に炭酸ナトリウム(44mg)水溶液(予めアルゴンでパージした)を添加した。黄色の沈降物が得られ、混合液をもう10分間加熱した。次いで、3-フラニルボロン酸(333mg、アルゴンでパージしたDMF溶液)を添加して、混合液を70℃でさらに2時間加熱した。反応をMPLC/MSでモニターした。反応が完了したときに、混合液をセライトを通して濾過し、溶媒を除去して未精製の物質を得た。未精製の物質を、これをエーテル(200ml)で沈殿させることによって精製した。黄色の沈降物を濾過して、調整用HPLCを使用して精製した。MeOH/HCl中に物質を溶解して、乾燥するまで蒸発することによって塩酸塩を作成した。生じた固体の同一性は、HPLC、MS、およびNMRを使用して確認した。
【0128】
化合物 RR(9-(2' フェニルエチルアミノメチル )- ドキシサイクリン )
N2雰囲気下において、9-アミノメチルドキシサイクリンジヒドロクロライド(1.21g, 2.21mmol)の撹拌したDMF(10mL)溶液をInCl3(0.076g, 0.34mmol)およびフェニルアセトアルデヒド(0.511mL, 4.4mmol)で処理した。反応をHPLCおよびLC-MSでモニタリングすることにより、12時間の経過にわたって、開始物質の完全な消費が示され;生成物は、モノ-(主要な)およびビス-(微量な)置換のアミノメチルドキシサイクリンの両方であった。メタノール(10mL)を添加してこの反応を停止させた。反応混合液をセライトのベッドを通して濾過した。その後、セライトベッドを5mLのメタノールで二回洗浄した。有機洗浄液を合わせて、約7〜8mLに濃縮してエーテルで希釈した。生じたアモルファス固体を濾過し、エーテル(6x15mL)で洗浄して乾燥し、減圧下で赤い粉末を提供し、これを調整用HPLCによって精製した。最終製品、化合物RRをHPLC、MS、および1H NMR分光学的方法によって特徴づけた。MS(m/z):Theor.577.24;Found:578.17(M+1)。
【0129】
化合物 SF(7- エチル -9- イソ - ブチルアミノサンサイクリン )
7-エチル-9-アミノサンサイクリン(390mg)を10mLのDMFに溶解した。次いで、トリエチルアミン(237μL)、イソブチルアルデヒド(77μL)、およびInCl3(19mg)を添加して、反応混合液を室温で数分間撹拌した。次いで、NaBH(OAc)3(360mg)を添加して、反応を室温で続けた。LC-MSにより、反応が2時間後に完了されることが示された。反応をメタノールで停止させ、乾燥した。生じた固体をメタノールに再溶液して精製した。次いで、生成物は、HCl塩に転換した。生成物の同一性は、NMR、HPLC、およびMSを使用して確認した。
【0130】
化合物 SM(7- フラニル -9- ニトロ - サンサイクリン )
500ミリグラムの9-NO2サンサイクリンを20mLのTFAに取り入れ、氷溶液中で冷却した。この溶液に、NIS(300mg)を一部添加して、3時間室温で撹拌した。一旦反応が完了すると、7-ヨード-9-NO2サンサイクリンをジエチルエーテル中で沈殿した。次いで、黄色の粉末を濾過して真空中で乾燥した。
【0131】
7-ヨード-9-ニトロ-サンサイクリン(585mg)およびPD(OAc)2(22mg)を20mLのメタノールに取り入れ、5分間アルゴンでパージした。この溶液に、Na2CO3(420mg、5mLのH20(アルゴンでパージ)溶液)を添加し、黄色の沈降物が得られた。溶液を5分間55〜60℃で撹拌した。この溶液に、3-フラニルボロン酸(5mLのDMF(アルゴンでパージ)溶液160mg)を添加して、反応混合液を70℃で3時間加熱した。次いで、反応混合液をセライトを通した。溶媒の蒸発により、褐色の固体を得て、次いでこれをメタノールおよびエーテルの混合液を使用して再結晶し、7-フラニル9-ニトロサンサイクリンを得た。
【0132】
7-フラニル-9-ニトロサンサイクリン(500mg)を30mlのメタノールに取り入れた。この溶液に、PtO2(15mg)を添加して、3時間40psiで水素化させた。次いで、これをセライトを通して濾過した。未精製の物質を調整用HPLCを使用して精製し、7-フラニル-9-アミノサンサイクリンを得た。
【0133】
化合物 TC(9- ミノサイクリンメチルエステル )
Parr装置に:9-ヨードサンサイクリントリフルオロ酢酸(0.8g, 1.17mmol)、NaOAc(0.64g, 4eq.)、Pd(dppf)2Cl2、およびCH2Cl2(48mg, 5%)を配置した。装置を閉じて、COでパージし、次いで、450psi下においてCOで満たした。反応混合物を80℃で4時間撹拌した。次いで、これをTFAで酸性化して真空中で濃縮した。生成物は、HPLCによって精製した。3:1エピマーの混合液が得られた。収率は、188mgの生成物であった。
【0134】
化合物 TI(7- シアノサンサイクリン )
7-ヨードサンサイクリン(1.3g)をNMP(15mL)に溶解し、CuCN(344mg)を添加した。反応混合液を80℃においてオーバーナイトで15/16時間撹拌した。反応混合液をメタノールで希釈して灰白色の沈殿を得て、遠心分離した。次いで、反応混合液をセライトを通して濾過し、さらにメタノールで洗浄した。次いで、ろ液を濃縮してエーテルで沈殿させた。次いで、得られた固体を調整用HPLCを使用して精製し、50/50エピマーの混合物中に7-シアノサンサイクリンを得た。生成物の構造は、質量スペクトルおよびNMRを使用して確認した。
【0135】
化合物 TP(9-N- ピペリジニル - ミノサイクリン ) 、
濃H2SO4(2mL)を、撹拌したグルタルアルデヒド(1mL)の溶液にゆっくり添加した。水(0.8g)を添加して室温で18時間撹拌し、70℃に2時間加熱した。次いで、混合液を室温に冷却した。次いで、溶液を9-アミノミノサイクリンのDMF(5ml)溶液へ移し、HPLCによって示されるものとして、全ての開始物質が消費されるまで2日間室温で撹拌した。生成物を単離して標準的な技術を使用して精製した。生成物の構造は、NMRおよび質量分析器(Mass spec.)によって確認した。
【0136】
化合物 UC(2-[4-(5- ミノサイクリン -9- イル - フラン 2- イルメチル )- ピペラジン -1- イル ]- エタノール)
Na2CO3(0.64g)水溶液(5mL)を、塩酸9-ヨードミノサイクリン(1g)の脱ガス溶液およびPd(OAc)2(100mg)のメタノール(10mL)溶液に添加した。反応液を60℃で5分間攪拌した。次いで、2-ホルミルフラン-5-ボロン酸(0.3g)のメタノール溶液(10mL)を添加して、反応を4時間進行させた。次いで、混合液を濾過して濃縮し、褐色の固体(9-(2'ホルミルフラニル)-ミノサイクリン)を得た。
【0137】
褐色(brown)の固体(9-(2'ホルミルフラニル)-ミノサイクリン1g)を20mLのメタノールに溶解し、酢酸(2mL)およびヒドロキシエチルペラジン(1mL)を添加して、室温で10分間撹拌した。反応をエーテル(200mL)で停止させ、次いで有機相を洗浄して濃縮し、褐色の油を得た。褐色の油をメタノール(10mL)および水に溶解した。混合液をCH3CN勾配を使用してクロマトグラフを行い、生成物2-[4-(9-ミノサイクリン-2-イル-フラン-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-エタノールを得た。生成物は、MS、NMR、およびHPLCを使用して確認した。
【0138】
化合物 UD(9-N- モルホリニルミノサイクリン )
NaCNBH3(200mg)を撹拌した9-アミノミノサイクリンH2SO4(1g)のメタノール(4.9mL)および酢酸(91mL)の溶液に添加し、室温で5分間撹拌した。(2-オキソ-エトキシ)-アセトアルデヒド(10mL)を滴下して添加し、室温で1 5分間撹拌した。反応混合物を加熱せずに濃縮し、残さを20mLのメタノールおよびTFA(0.5mL)に溶解した。生成物を調整用HPLCを使用して得てHC1塩に転換させた。生成物は、質量スペクトルおよびNMRを使用して確認した。
【0139】
化合物 UK(N- ベンジル -N ’ ,N ’ - ジメチル -N-(5- ミノサイクリン -9- イル - フラン -2- イルメチル) - エタン -1,2- ジアミン )
Na2CO3(0.64g)水溶液(5mL)を塩酸9-ヨードミノサイクリン(1g)およびPd(OAc)2(100mg)の脱ガスされたメタノール溶液(10mL)に添加した。反応液を60℃で5分間攪拌した。次いで、2-ホルミルフラン-5-ボロン酸(0.3g)のメタノール溶液(10mL)を添加して、反応を4時間進行させた。次いで、混合液を濾過して濃縮し、褐色の固体(9-(2'ホルミルフラニル)-ミノサイクリン)を得た。
【0140】
褐色の固体(9-(2'ホルミルフラニル)-ミノサイクリン1g)をメタノール20mLおよび酢酸(2mL)の溶液に溶解し、N'-ベンジル-N,N-ジメチルエチレンジアミン(1mL)を添加して、室温で10分間撹拌した。反応をエーテル(200mL)で停止させ、次いで有機相を洗浄して濃縮し、褐色の油を得た。褐色の油をメタノールおよび水に溶解した。混合液をクロマトグラフ分析して生成物(N-ベンジル-N’,N’-ジメチル-N-(5-ミノサイクリン-9-イル-フラン-2-イルメチル)-エタン-1,2-ジアミンを得た。生成物は、MS、NMR、およびHPLCを使用して確認した。
【0141】
実施例2:アンホテリシンBと置換テトラサイクリンの相乗的な抗真菌活性
置換テトラサイクリンの相乗的な抗真菌活性を、NCCLS(1997)Standardに従ったブロス微量希釈技術によって決定した。アッセイ法は、Tecan Genesロボットワークステーションを使用してセットアップした。全ての薬剤は、DMSOに溶解して適切に希釈した。薬剤濃度は、2倍階段希釈の0.125〜64μg/mLの範囲にした。それぞれのテトラサイクリンは、0.125〜64μg/mLの範囲の10濃度で試験した。化合物では、鵞口瘡カンジダ(Candida albicans)(ATCC#;90028)に対するこれらの抗真菌活性について試験した。アンホテリシンBは、プレートの全てのウェルにアンホテリシンBMICよりも10倍少ない濃度で添加した(0.5μg/mL)。
【0142】
試験した系統は、表1に一覧を示したもの含む。
【0143】
【表1】
【0144】
結果を表2に示す。それぞれの化合物について、*は特定の真菌に対して良好な抗真菌活性を示し、**は非常に良好な真菌の抑制を示し、および***は特定の真菌に対して優れた抑制を示す。表2の各化合物は、少なくとも1つの真菌系統に対するアンホテリシンBとの相乗的挙動を示した。
【0145】
多くの誘導体は、0.063〜0.125の範囲の画分抑制濃度(FIC)値を示した。画分抑制値は、アンホテリシンB抗真菌活性の増強の測定である。0.063〜0.125の範囲のFIC’sを示す化合物は、抗真菌活性に必要とされるアンホテリシンの有効な量を8〜10倍減少させた。
【0146】
実施例3:インビトロにおけるテトラサイクリング化合物の細胞毒性アッセイ法:哺乳類細胞毒性アッセイ法
COS-1およびCHO細胞懸濁液を調製し、96穴組織培養処理された黒壁マイクロタイタープレート(細胞株によって密度を決定した)にまき、および5%CO2、約95%の湿度下において37℃でオーバーナイトでインキュベートした。翌日、階段希釈した薬剤を無菌条件下で調製して細胞プレートへ移した。細胞/薬剤プレートを上記の条件下で24時間インキュベートした。インキュベーション期間後、媒体/薬剤を吸引し、および50mlのレザズリンを添加した。次いで、プレートを上記の条件下で2時間インキュベートして、次いでさらに暗闇で室温において30分間インキュベートした。蛍光測定を行った(535nm励起、590nm放射)。次いで、IC50(50%の成長阻害が生じる薬剤濃度)を、それぞれの化合物について算出した。
【0147】
表2において、25μg/mL >より大きい毒性は、*によって表示し、25μg/mL未満の毒性は**によって表示する。
【0148】
【表2】
【0149】
実施例4:インビトロにおける抗菌活性アッセイ法
以下のアッセイ法は、一般の細菌に対するテトラサイクリン化合物の効率を決定するために使用される。2mgのそれぞれの化合物を100μlのDMSOに溶解する。次いで、溶液を、カチオン調整したミュラーヒントンブロス(CAMHB)に添加し、これにより200μmlの最終化合物濃度となる。テトラサイクリン化合物溶液を、.098μg/mLの濃度の試験化合物で50μL体積に希釈する。光学濃度(OD)測定は、試験系統の新規ログ-段階ブロス培養から行う。希釈を行い、lX106CFU/mlの最終菌体密度を達成する。OD=1では、種々の属についての菌体密度は、おおよそ以下の通りのはずである:
大腸菌 1x109CFU/ml
S.アウレウス(aureus) 5X108CFU/ml
エンテロコッカス(Enterococcus) sp. 2.5x109CFU/ml
【0150】
50μlの細胞懸濁液をマイクロタイタープレートのそれぞれのウェルに添加する。最終菌体密度は、約5x105CFU/mlであるべきである。これらのプレートを約18時間環境空気インキュベータにおいて35℃でインキュベートする。プレートをマイクロプレートリーダで読取り、必要に応じて視覚的に調べる。MICは、テトラサイクリン化合物の増殖を阻害する最も低い濃度として定義される。
【0151】
均等物
当業者であれば、ルーチン実験、本明細書において記載した多くの特定の手順の均等物のみを使用して、認識するか、または確認することができるでだろう。このような均等物は、本発明の範囲内であると考えられ、請求の範囲によって包含される。本出願の全体にわたって引用される全ての参照、特許、および特許出願の内容は、本明細書に組み入れられたものとする。適切なコンポーネント、プロセス、並びにこれらの特許、出願、およびその他のドキュメントの方法は、本発明およびその態様として選択されてもよい。
Claims (76)
- 抗真菌剤の抗真菌活性を増大するための方法であって、抗真菌剤の抗真菌活性が増大するように、前記抗真菌剤を置換テトラサイクリン化合物の有効な量と組み合わせて投与することを含む、方法。
- 抗真菌剤がポリエンである、請求項1記載の方法。
- 抗真菌剤がアンホテリシンBである、請求項2記載の方法。
- 抗真菌活性が真菌の増殖の阻害である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
- 抗真菌活性が真菌を死滅させることである、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
- 抗真菌剤の有効な量が、抗真菌剤が単独で投与される有効な量よりも5倍以上減少される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 抗真菌剤の抗真菌活性が8倍以上減少される、請求項6記載の方法。
- 抗真菌剤の抗真菌活性が10倍以上減少される、請求項7記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか一項記載の方法であって、置換テトラサイクリン化合物が式Iの化合物、並びにその薬学的に許容される塩および鏡像異性体である方法:
Xは、CHC(R13Y'Y)、C=CR13Y、CR6'R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R2 ’、R4、およびR4 ’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、複素環式芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6 ’は、それぞれ独立して、水素、メチレン、なし、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R7は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0 〜 3NR7CC(=W')WR7aであり;
R9は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ(たとえば、-N=S)、または-(CH2)0 〜 3NR9CC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9b、またはOであり;
Z'は、O、S、またはNR9fであり;
Wは、CR7d R7e、S、NR7b、またはOであり;
W’は、O、NR7fSであり;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノまたはアリールアルキルであり;並びに、
Y'およびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。 - 請求項9記載の方法であって、R2 ’、R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり、並びにR4は、ジメチルアルキルである方法。
- 請求項9または10のいずれか一項記載の方法であって、XがCR6R6 ’であり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、R8およびR9は、それぞれ水素である、方法。
- R7が置換のまたは非置換のアリールである、請求項9〜11のいずれか一項記載の方法。
- R7が置換のまたは非置換のフェニルである、請求項12記載の方法。
- 置換のまたは非置換のフェニルが少なくとも1つのアルキル、アミノ、ヘテロ環、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノ、またはアルキルアミノで置換される、請求項13記載の方法。
- R7が置換のまたは非置換のヘテロアリールである、請求項12記載の方法。
- R7がチエニルである、請求項15記載の方法。
- R7が置換のまたは非置換のアルキルである、請求項9〜11のいずれか一項記載の方法。
- アルキルがC1〜C10である、請求項12の方法。
- アルキルが置換のもしくは非置換のヘテロ環、置換のもしくは非置換のフェニル、ヒドロキシ、またはその組み合わせで置換される、請求項17記載の方法。
- R7が置換のまたは非置換のアルケニルである、請求項9〜11のいずれか一項記載の方法。
- 置換アルケニルが置換のまたは非置換の環状部分で置換される、請求項20記載の方法。
- 環状部分が複素環、シクロアルケニル、シクロアルキル、またはアリールである、請求項21記載の方法。
- 環状部分が置換のまたは非置換のフェニルである、請求項22記載の方法。
- R7が置換のまたは非置換のアルキニルである、請求項9〜11のいずれか一項記載の方法。
- 置換アルキニルが環状部分またはテトラサイクリン二量体部分で置換される、請求項24記載の方法。
- 環状部分が複素環、シクロアルケニル、シクロアルキル、またはアリールである、請求項25記載の方法。
- 環状部分が置換のもしくは非置換のフェニル、または置換のもしくは非置換のシクロアルキルである、請求項26記載の方法。
- R7が置換のもしくは非置換のアルキルカルボニル、または置換のもしくは非置換のアミノである、請求項9〜11のいずれか一項記載の方法。
- XがCR6R6 ’であり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、およびR8がそれぞれ水素である、請求項9または10記載の方法。
- R9がアルキルであり、およびR7が置換のまたは非置換のアミノメチルである、請求項29記載の方法。
- R7がアルキルであり、およびR9が置換のまたは非置換のアミノメチルである、請求項29記載の方法。
- XがCR6R6 ’であり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、およびR8がそれぞれ水素であり、R8がジメチルアミノである、請求項9または10記載の方法。
- R9が置換のまたは非置換のアリールまたはアラルキルである、請求項32記載の方法。
- アリールが置換のまたは非置換のフェニルである、請求項33記載の方法。
- フェニルがアミド、アルキル、アミノアルキル、ヘテロ環、カルボン酸、ホルミル、塩素、フッ素、またはアセチルからなる基より選択される1つまたは複数の置換基で置換される、請求項34記載の方法。
- R9が置換のもしくは非置換のアルケニルまたはアルキニルである、請求項32記載の方法。
- アルキニルが置換および非置換のアリール、置換および非置換のアルキル、カルボン酸、シクロアルキル、シクロアルケニル、またはアルコキシカルボニルからなる基より選択される1つまたは複数の置換基で置換される、請求項36記載の方法。
- R9が置換のもしくは非置換のアルキルまたはアルキルアミノである、請求項32記載の方法。
- R9cが水素であり、ZがSまたはOであり、Z'がNHである、請求項32記載の方法。
- R9aが置換のまたは非置換のフェニルを含む、請求項39記載の方法。
- XがC=CR13Yであり;並びにR2、R5、R6、R6 ’、R7、R8、R9およびYがそれぞれ水素である、請求項9または10記載の方法。
- Rl3が置換のまたは非置換のアリールである、請求項41記載の方法。
- テトラサイクリン化合物が非抗菌性である、請求項1〜43のいずれか一項記載の方法。
- テトラサイクリン化合物が抗炎症活性を有する、請求項1〜43のいずれか一項記載の方法。
- テトラサイクリン化合物が表2に示した化合物である、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
- 被験体における真菌に関連した疾患を治療するための方法であって、前記被験体が前記真菌に関連した疾患が治療されるように、置換テトラサイクリン化合物の有効な量を前記抗真菌剤と組み合わせて前記被験体に投与することを含む方法。
- 抗真菌剤がポリエンである、請求項47記載の方法。
- 抗真菌剤がアンホテリシンBである、請求項47記載の方法。
- 有効な量が単独で投与されるときの抗真菌剤の有効な量よりも低い細胞毒性を有する、請求項47〜49のいずれか一項記載の方法。
- 請求項47〜50のいずれか一項記載の方法であって、置換テトラサイクリン化合物が式Iの化合物、並びにその薬学的に許容される塩および鏡像異性体である方法:
Xは、CHC(R13Y'Y)、C=CR13Y、CR6'R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R2 ’、R4、およびR4 ’’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4 ’R4 ’’、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、複素環式芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6 ’は、それぞれ独立して、水素、メチレン、なし、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R7は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0 〜 3NR7CC(=W')WR7aであり;
R9は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ、または-(CH2)0 〜 3NR9CC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9b、またはOであり;
Z'は、O、S、またはNR9fであり;
Wは、CR7d R7e、S、NR7b、またはOであり;
W’は、O、NR7fSであり;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;並びに、
Y'およびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。 - 請求項47〜51のいずれか一項記載の方法であって、真菌に関連した疾患がA.ニデュランス、L.オリエンタリス、C.ネオホルマンス、C.トロピカリス、C.パラプシローシス、C.ルシタニエ、C.クルセイ、C.ギリエルモンヂ、C.グラブラータ、Cデュブリニエンシス、または鵞口瘡カンジダからなる群より選択される真菌に関連する方法。
- 請求項47〜52のいずれか一項記載の方法であって、真菌に関連した疾患がヒストプラスマ症、全身性カンジダ症、アスペルギルス症、ブラストマイセス症、コクシジオイデス症、パラコクシジオイデス症、クリプトコッカス症、皮膚糸状菌感染症、足部白癬、股部白癬、カンジダ症、アクチノマイセス症、真菌症、アスペルギルス症、カンジダ症、黒色真菌感染症、エントモフトラ真菌症、伝染性リンパ管炎、ゲオトリクム症、ヒストプラスマ症、ムコール菌症、足菌腫、北アメリカ分芽菌症、卵菌症、パエシリマイコシス、ペニシリウム症、リノスポリジウム症、またはスポロトリッチイオシスである方法。
- 被験体が植物である、請求項47〜52のいずれか一項記載の方法。
- 被験体が哺乳類である、請求項47〜53のいずれか一項記載の方法。
- 哺乳類がヒトである、請求項55記載の方法。
- 哺乳類が免疫応答性である、請求項55または56記載の方法
- 哺乳類が免疫無防備状態である、請求項52または53記載の方法。
- ヒトが免疫不全である、請求項58記載の方法。
- ヒトがAIDSである、請求項59記載の方法。
- ヒトが化学療法を受けたヒトである、請求項59記載の方法。
- 薬学的に許容される担体を投与することをさらに含む、請求項47〜61のいずれか一項記載の方法。
- テトラサイクリン化合物が非抗菌性である、請求項47〜62のいずれか一項記載の方法。
- テトラサイクリン化合物が抗炎症活性を有する、請求項47〜62のいずれか一項記載の方法。
- テトラサイクリン化合物が表2に示した化合物である、請求項47〜62のいずれか一項記載の方法。
- 哺乳類において真菌に関連した疾患を治療するための方法であって、前記哺乳類が真菌に関連した前記疾患が治療されるように、置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量をアンホテリシンBの有効な量と組み合わせて前記哺乳類に投与することを含む方法。
- 置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量およびアンホテリシンBの有効な量が被験体に有毒でない、請求項66記載の方法。
- 前記置換テトラサイクリン化合物の相乗的に有効な量、抗真菌剤の有効な量、および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
- テトラサイクリン化合物および前記抗真菌剤が、同じ薬学的に許容される担体中に混合されている、請求項68記載の薬学的組成物。
- 薬学的組成物が2つ以上の薬学的に許容される担体を含む、請求項68記載の薬学的組成物。
- 有効な量がヒストプラスマ症、全身性カンジダ症、アスペルギルス症、ブラストマイセス症、コクシジオイデス症、パラコクシジオイデス症、クリプトコッカス症、皮膚糸状菌感染症、足部白癬、股部白癬、カンジダ症、アクチノマイセス症、真菌症、アスペルギルス症、カンジダ症、黒色真菌感染症、エントモフトラ真菌症、伝染性リンパ管炎、ゲオトリクム症、ヒストプラスマ症、ムコール菌症、足菌腫、北アメリカ分芽菌症、卵菌症、パエシリマイコシス、ペニシリウム症、リノスポリジウム症、またはスポロトリッチイオシスを治療するために有効である、請求項68〜70のいずれか一項記載の組成物。
- 請求項68〜71のいずれか一項記載の薬学的組成物であって、置換テトラサイクリン化合物が式Iの化合物、並びにその薬学的に許容される塩および鏡像異性体である薬学的組成物:
Xは、CHC(R13Y'Y)、C=CR13Y、CR6'R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R2 ’、R4 ’、およびR4 ’’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4 ’R4 ’’、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、複素環式芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6 ’は、それぞれ独立して、水素、メチレン、なし、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R7は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0 〜 3NR7CC(=W')WR7aであり;
R9は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ、または-(CH2)0 〜 3NR9CC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9b、またはOであり;
Z'は、O、S、またはNR9fであり;
Wは、CR7d R7e、S、NR7b、またはOであり;
W'は、O、NR7fSであり;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノまたはアリールアルキルであり;並びに、
Y'およびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。 - 薬学的組成物が表2に示した置換テトラサイクリン化合物を含む、請求項68〜72記載の薬学的組成物。
- 真菌を死滅させる方法であって、前記真菌が死滅するように、置換テトラサイクリン化合物の相乗的にな有効な量および抗真菌剤の有効な量と前記真菌を接触させることを含む方法。
- 抗真菌剤がアンホテリシンBである、請求項74記載の方法。
- 請求項74または75記載の方法であって、置換テトラサイクリン化合物が式Iの化合物、並びにその薬学的に許容される塩および鏡像異性体である方法:
Xは、CHC(R13Y'Y)、C=CR13Y、CR6 ’R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R2 ’、R4 ’、およびR4 ’’は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4 ’R4 ’’、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R3、R10、R11、およびR12は、それぞれ水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、複素環式芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6 ’は、それぞれ独立して、水素、メチレン、なし、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R7は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0 〜 3NR7CC(=W')WR7aであり;
R9は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ、または-(CH2)0 〜 3NR9CC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9b、またはOであり;
Z'は、O、S、またはNR9fであり;
Wは、CR7d R7e、S、NR7b、またはOであり;
W'は、O、NR7fSであり;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、複素環式芳香族、またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;並びに、
Y'およびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。
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