JP2005504161A - ポリプロピレンベース化合物及びこれを含むヒートシール可能な多層シート - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、80℃よりも低いシーリング温度を有するプロピレンポリマーベース化合物に関する。特に、本発明は、非常に低温のシーリング温度及び幅広いホット−タック範囲を有する異なる組成のプロピレンのランダムコポリマー2種を含む化合物に関する。本発明は、さらに、このような化合物が少なくとも1層のヒートシール可能な層に含まれている、ヒートシール可能な多層シートに関する。
【背景技術】
【0002】
プロピレンの結晶性ポリマーに基づく中心層を有し、一般に二軸方向に配向された(「BOPPフィルム」という)、非常に低温でシーリングする包装用の多層シートのヒートシール可能な層(「シーリング層」という)を製造するために、アクリル樹脂又はビニリデンクロライドのコポリマーを用いることは公知である。
【0003】
このようなアクリル樹脂又はビニリデンクロライドのコポリマーの欠点は、これらの費用に加えて、二軸フィルムの中心層への適用の費用である。さらに、これらは、二軸フィルムの中心層を本質的に構成するポリプロピレンと親和性でなく、このように適用されたBOPPフィルムをリサイクル不能とする。
【0004】
別の公知の実施は、エチレン又は1−ブテンを含むプロピレンのランダムコポリマー又はランダムターポリマーを用いることである。これらのランダムコポリマー又はランダムターポリマーの欠点は、非常に低いシーリング温度を達成するために、多くのコモノマーを組み込む必要があるということである。結果として得られる低融点は、シートを作製する機械又は例えば自動ディスペンサのいずれかのローラーへの固着などの問題を生じさせる。
【0005】
エチレン及び/又は1−ブテンから誘導されるモノマー単位の有効量を含むプロピレンの2種のコポリマーを含む化合物を用いて、これらの欠点を解決する試みがなされている。
【0006】
英国特許公開広報GB 2116989Aは、80℃以下のシーリング温度を有するプロピレンのコポリマーに基づく化合物を記載する。しかし、エチレンから誘導されたモノマー単位を1wt%よりも多く含むこの化合物は、光学特性が悪く、ブロッキング耐性が低い。
【0007】
欧州特許公開広報EP-A-067986は、80℃以下のシーリング温度を有するプロピレンのコポリマーに基づく組成物を記載する。しかし、これらの組成物は、2種のプロピレンのランダムコポリマーを物理的にブレンドして得られるものであり、その一方はコモノマーが非常に豊富で25%以下の量で存在する。この後者のコポリマーは、形態学的に低品位である。
【0008】
我々のフランス特許FR2819815は、コポリマー(A)の総量を基準として8〜16wt%の1−ブテンから誘導されたモノマー単位及び0.5wt%未満のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマー(コポリマー(A))61〜74wt%と、コポリマー(B)の総量を基準として、35〜50wt%の1−ブテンから誘導されたモノマー単位及び0〜1wt%のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマー(コポリマー(B))26〜39wt%と、を含み、シーリング開始温度が100℃以下である、ポリプロピレン組成物を開示する。シーリング開始温度は、最も頻繁には少なくとも70℃であり、より好ましくは少なくとも80℃であると記載されており、86℃及び95℃のシーリング開始温度を有する2種の実施例が記載されている。コポリマー(A)中1−ブテンを16%含み、シーリング開始温度が80℃未満である組成物の特定の開示はない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
現在、我々は、シーリング開始温度が80℃よりも大幅に低く、融点が比較的高いポリプロピレンベースの化合物を知見している。
第1の側面によれば、本発明は、シーリング温度が80℃よりも低く、プロピレンポリマーの総量を基準として1wt%未満のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むプロピレンポリマーベースの組成物であって、35〜68wt%のコポリマー(A)と、65〜32wt%のコポリマー(B)とを含み、
該コポリマー(A)は、コポリマー(A)の総量を基準として16〜30wt%の1−ブテンから誘導されたモノマー単位及び0〜0.5wt%のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマーであり、
該コポリマー(B)は、コポリマー(B)の総量を基準として35〜55wt%の1−ブテンから誘導されたモノマー単位及び0〜1wt%のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマーである、
組成物を提供する。
【0010】
本発明の目的にとって、シーリング開始温度(以後、SITと略す)は、次のように決定される。2種の共押し出しされた二軸配向フィルム25μm厚を、2個のジョーを有するOTTO BRUGGER HSG/C溶接機のジョーの間に位置づけて、本発明の化合物を含む層が互いにシールされるような態様で加熱する。3barの圧力を1秒間かける。冷却後、100mm/minの速度にて引っ張り試験を行う。SITは、100g/cmの強度で溶着部が存在する温度(℃で表される)である。二軸配向共押し出しフィルムは、プロピレンホモポリマー(MFI:2.8g/10min)の一次層23μm厚と、本発明による化合物の層1μm厚と、からなる。これらのシートを作製するために、長手方向における延伸、横断方向における延伸を作用させる。
【0011】
本発明による組成物のSITは、好ましくは79℃以下であり、有利には75℃未満であり、特に70℃未満である。
本発明による化合物に用いられるプロピレンポリマーは、実施例に記載した方法に準拠する赤外線スペクトル分光法により決定したエチレン含量が、プロピレンポリマーの総量を基準として0.83wt%を超えず、好ましくは最大でも0.5wt%であり、より好ましくは最大でも0.3wt%である。エチレンを含まないプロピレンポリマーが特に好ましい。
【0012】
好ましくは、コポリマー(A)中の1−ブテンの量は、コポリマー(A)の総量を基準として18〜30wt%である。
本発明の好ましい組成物は、45〜67wt%のコポリマー(A)と、33〜55wt%のコポリマー(B)とを含み、
該コポリマー(A)は、コポリマー(A)の総量を基準として84〜76wt%のプロピレンから誘導されたモノマー単位及び18〜24wt%の1−ブテンから誘導されたモノマー単位を本質的に含むプロピレン/1−ブテンコポリマーであり、
該コポリマー(B)は、コポリマー(B)の総量を基準として38〜50wt%の1−ブテンから誘導されたモノマー単位及び0〜0.5wt%のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマーである。
【0013】
好ましくは、組成物中のコポリマー(A)の量は、プロピレンポリマーの総量を基準として、60wt%以下であり、より好ましくは58wt%以下であり、最も好ましくは56wt%以下であり、組成物中のコポリマー(B)の量は、少なくとも40wt%であり、より好ましくは少なくとも42wt%であり、最も好ましくは少なくとも44wt%である。
【0014】
以後、「プロピレンから誘導されたモノマー単位」、「1−ブテンから誘導されたモノマー単位」及び「エチレンから誘導されたモノマー単位」をそれぞれ、略記号「C3」、「C4」及び「C2」で表す。
【0015】
より多量のコポリマー(A)を含む化合物は、一般に、高すぎるSITを有し、一方、より少量のコポリマー(A)は、シート作製中及び/又はこれらのシートで作られた包装の貯蔵中に、ローラに固着し得る化合物をしばしば生じる。コポリマー(A)中のC4の含量がより多い化合物は、しばしば、形態学的に低品位であり及び/又は触媒活性が低い。コポリマー(B)中のC4の含量がより高い化合物は、活性が低く、形態学的に低品位であり、さもなければ反応器を気相に維持するという問題を有するかもしれない。コポリマー(A)及び(B)中のC4の含量がより低い化合物は、高すぎるSITを誘導するであろう。コポリマー(A)及び(B)中のC2の含量がより高い化合物は、融点が低すぎて、食品包装用シートの用途としては高すぎる有機溶剤に対する可溶性を示すフラクションを含む。
【0016】
特に好ましいプロピレンポリマーベース化合物は、少なくとも40wt%のコポリマー(A)を含み、より好ましくは少なくとも45wt%のコポリマー(A)を含む。有利には、化合物は、最大でも67wt%のコポリマー(A)を含み、一実施形態においては60wt%以下のコポリマー(A)を含む。45〜67wt%のコポリマー(A)を含むプロピレンポリマーベース化合物が特に好ましい。
【0017】
コポリマー(A)は、好ましくは、C4の量が、コポリマー(A)に対して少なくとも18wt%であるが、24wt%以下である。最大でも24wt%の量が、良好な融点及びSITを兼備する化合物を得ることを可能とする。
【0018】
コポリマー(A)は、0.5wt%以下のC2を含み得る。このC2の低い含量は、この化合物から作られるシートの印刷可能性を改良する。好ましくは、コポリマー(A)に含まれるC2の含量は、最大でも0.3wt%である。C2を含まないコポリマー(A)は、良好な光学特性を導く。
【0019】
本発明による化合物中に存在するコポリマー(B)の量は、好ましくは少なくとも33wt%であり、一実施形態においては少なくとも40wt%である。有利には、化合物は、最大でも60wt%のコポリマー(B)を含み、より好ましくは最大でも55wt%のコポリマー(B)を含む。33wt%〜55wt%のコポリマー(B)を含むプロピリンポリマーベース化合物が特に好ましい。
【0020】
コポリマー(B)は、好ましくは少なくとも38wt%のC4を含む。良好な結果は、コポリマー(B)中のC4の量が最大でも50wt%の場合に得られる。コポリマー(B)は、0〜1wt%のC2を含むこともできる。有利には、コポリマー(B)中のC2の含量は、最大でも0.5wt%である。C2を含まないコポリマー(B)が特に好ましく、良好な融点及びSITを兼備する化合物を導く。
【0021】
本発明の別の側面は、80℃よりも低いシーリング開始温度を有し、組成物総量を基準として1wt%未満のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むポリプロピレン組成物であって、35〜60wt%のコポリマー(A)と、65〜40wt%のコポリマー(B)とを含み、
該コポリマー(A)は、コポリマー(A)の総量を基準として9〜30wt%の1−ブテンから誘導されたモノマー単位及び0〜0.5wt%のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマーであり、
該コポリマー(B)は、コポリマー(B)の総量を基準として35〜55wt%の1−ブテンから誘導されたモノマー単位及び0〜1wt%のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマーである、
ポリプロピレン組成物を提供する。
【0022】
本発明による化合物は、抗酸化剤、防酸剤、抗UV剤、着色剤、充填剤、静電防止剤、潤滑剤又は滑りを補助する薬剤などの通常の添加剤を含み得る。これらは、一般に、例えば本発明による化合物からグラニュールを作る際等、溶融状態で混合することにより添加される。本発明による化合物のMFIは、必要であれば、例えば過酸化物と、好ましくは溶融状態で混合することにより調節され得る。添加剤の総含量は、一般に、本発明による化合物の総量を基準として5wt%を超えない。好ましくは、2wt%を超えない。一般に、ポリマー(A)及び(B)は、化合物の総量を基準として、少なくとも95wt%を構成し、好ましくは少なくとも98wt%を構成する。有利には、化合物は、ポリマー(A)及び(B)以外のポリマーを含まない。
【0023】
本発明による化合物は、一般に、良好な光学特性を呈する。本発明による化合物のヘーズ(haze)は、通常は最大でも1.6%であり、より好ましくは最大でも1.3%である。ヘーズは、上述のようにして得られた共押し出し・二軸配向フィルムで、標準ASTM D 1003に準拠して測定され決定される。一般に、本発明による化合物の透明度は、上述のようにして得られた共押し出し・二軸配向フィルムで、標準ASTM D 1746に準拠して測定され、少なくとも75%であり、より好ましくは少なくとも78%である。最も頻繁には、この透明度は最大で100%である。上述のようにして得られた共押し出し・二軸配向フィルムで、45°にて標準ASTM D 2457に準拠して測定される輝度は、最も頻繁には少なくとも80%であり、より好ましくは少なくとも85%である。一般に、この輝度は最大でも100%である。
【0024】
本発明による化合物は、一般に、標準ASTM D1238(230℃、2.16kg装填)に準拠して測定した場合に、少なくとも0.5g/10min、好ましくは少なくとも1g/10minのメルトフローインデックス(MFI)を呈する。MFI値は、典型的には20g/10minを越えず、通常15g/10minを越えない。最大でも10g/10minのMFI値が得に好ましい。
【0025】
本発明による化合物のホット−タック(hot-tack)範囲は、最も頻繁には85〜145℃であり、より好ましくは90〜140℃である。ホット−タック範囲は、以下のようにして決定される。SIT測定に関して上述した方法に従って得た25μm厚の共押し出し・二軸配向フィルムの幅4cm、長さ29.5cmのストリップを一端に固定して、他端に63.3gの錘を垂らした。ストリップを、OTTO BRUGGER HSG/C溶接機のジョーに隣接した位置に位置づけて、幅1cmであり互いに離隔している2個のジョーがストリップに触れるようにする。錘と下方のジョーとの間の距離は8cmであり、フィルムの固定ポイントと上方のジョーとの間の距離は11cmである。次いで、水平ロッドを用いて、ストリップの一部が各ジョーの表面を横断するように引かれて、ジョーの間でのストリップの側方変位距離が3cmとなるように、2個のジョーの間を横断するようにストリップを引く。次いで、2個のジョーを5barの圧力で0.5秒間近づけて、ストリップの2個の部分を一緒に押圧する。ジョーを開いて、無傷のまま残っている溶着部のパーセンテージを測定する。この測定は、5℃の間隔で60℃〜160℃の間の種々の温度で(SIT値が低いほど低くする)有効になされ、「ホット−タック範囲」は、ジョーを開いた後に観察される溶着部の少なくとも80%が無傷のまま残っている温度範囲として規定される。
【0026】
本発明の組成物の融点(Tf)は、標準ASTM D 3418に準拠する示差走査熱分析(DSC)により測定した場合に、有利には少なくとも100℃であり、特に少なくとも110℃である。100℃よりも低いTfを有する化合物は、固着問題を引き起こし得る。本発明の組成物のTfは、典型的には132℃以下であり、特に130℃以下である。115℃〜128℃のTfを有する化合物が特に好ましい。なぜなら、これらは、高処理量包装機械で用いることができ、貯蔵中に包装の固着を生じさせないBOPPフィルムを製造することを可能にするからである。
【0027】
本発明による化合物中に用いられるプロピレンポリマーは、この目的での任意の公知の技術に従って得ることができる。
特に有利には、本発明による化合物中に用いられるプロピレンポリマーは、少なくとも2の連続ステージにおける重合により調製される。第1のステージのコースにて、コポリマーの一方が調製され、他方のコポリマーは最初のコポリマーの存在下で次の重合ステージのコースにて調製される。これらのステージの各々は、同じ重合媒体又は異なる重合媒体で効果的になされても良い。好ましくは、コポリマー(A)の調製が最初に行われ、次いで最初のステージで生じるコポリマー(A)の存在下でコポリマー(B)の調製が行われる。化合物中に用いられるプロピレンポリマーの調製の特に好ましいモードは、撹拌床もしくは好ましくは流動床モードにて機能する相互に連結された連続反応器内で、コポリマー(A)を合成し、次いでコポリマー(A)の存在下で、気相重合によりコポリマー(B)を連続的に合成することからなる。この後者の変形例は、凝集問題を生じず、本発明による化合物中に用いられるプロピレンポリマーの優れた粒径分布をもたらす。よって、一般に、プロピレンポリマー粒子の最大でも10wt%が少なくとも2000μmの粒径を有し、より好ましくは粒子の最大でも20wt%が少なくとも1000μmの粒径を有する。通常、本発明による化合物中に用いられるプロピレンポリマーの粒径分布は、粒子の最大でも30wt%が少なくとも710μmの粒径を有する。本発明による化合物中に用いられるプロピレンポリマーの粒径分布は、ASTM D 1921に準拠する篩法により決定される。本発明による化合物中に用いられるプロピレンポリマーの良好な形態学は、これらの化合物からグラニュールを作製する際に、重合反応器から送り出す問題や押出機に供給する問題を防止する。
【0028】
本発明による化合物中に用いられるプロピレンポリマーは、十分に活性で生産力のある任意の触媒系により得ることができる。
本発明による化合物を調製するために好ましい触媒系は、
基本的な成分として、マグネシウム、チタン及び塩素を含む触媒固体と、
有機アルミニウム化合物、好ましくはトリアルキルアルミニウム、より好ましくはトリエチルアルミニウムと、
式
【0029】
【化1】
【0030】
(式中、R1は1〜12個の炭素原子を含む炭化水素基を表し、R2は1〜8個の炭素原子を含む炭化水素基を表し、nは1、2又は3である)
のアルコキシシラン類から一般に選択される電子供与化合物(外部電子供与体)と、
を含む。
【0031】
外部電子供与体として好ましいアルコキシシラン類は、アルキルアルコキシ−及びシクロアルキルアルコキシ−シラン類であり、後者の中でもジ−及びトリ−メトキシシラン類が極めて好ましい。N−プロピルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、及びシクロヘキシルメチルジメトキシシランは、特に良好な結果を与える。
【0032】
本発明により使用可能な触媒固体は、当業者には周知の触媒でよい。これらは、カルボキシ芳香族酸のモノ−及びジ−エステルの中から選択され、好ましくはジアルキルフタレートの中から選択され、非常に好ましくはジイソブチルフタレートから選択される電子供与化合物(内部電子供与体)を含むことが最も多い。本発明により使用可能な触媒固体は、固体の合成時にもしくは本発明による化合物を作る直前の重合ステージの時に効果的になされる予備重合ステージから生じる予備形成されたポリマーを多かれ少なかれ実質的な量で含むこともある。
【0033】
触媒系の種々の構成成分は、一般に、有機アルミニウム化合物のアルミニウムと触媒固体のチタンとの間の原子比が3〜300となり、好ましくは10〜250となり、極めて好ましくは15〜100となるような態様で用いられる。さらに、有機アルミニウム化合物のアルミニウムと電子供与体化合物とのモル比は、一般に、0.5〜60であり、好ましくは1〜50であり、極めて好ましくは2〜30である。
【0034】
重合の他の一般的な条件は、当業者には周知である。温度は一般に、20〜150℃であり、好ましくは40〜95℃であり、最も頻繁には50〜75℃である。重合は、一般に、大気圧よりも高い圧力にて効果的であり、好ましくは1〜30 105Paである。
【0035】
本発明による化合物中に用いられるプロピレンポリマーの平均分子量は、水素、ジエチル亜鉛、アルコール、エーテル及びハロゲン化アルキルなどの1種以上の公知の分子量調節剤を添加することにより調整することができる。水素が、最も一般に用いられる。
【0036】
モノマー及び分子量調整剤の必要量は、重合媒体に、連続的にもしくは断続的に導入されてもよい。
本発明による化合物は、触媒残渣及び/又は低分子量画分を排除するために、水、アルコール及び/又は炭化水素希釈剤で、1種以上の公知の処理に供することができる。
【0037】
本発明による化合物は、ヒートシール可能なシートの製造に用いることに特に良好に適し、さらには、1のシーリング層又は複数のシーリング層を構成する多層シートの製造に特に適する。もちろん、本発明による化合物の2種以上を1のシーリング層または複数のシーリング層に用いることもできる。
【0038】
本発明の更に別の側面によれば、本発明による化合物を含む少なくとも1のシーリング層を含む多層シートが提供される。
多層シートは、一般に、α−オレフィンの結晶性ポリマーであることが一般的である任意のポリマー物質からなるものでもよいベース層を含む。好ましくは、ベースシートは、プロピレンの結晶性ポリマーから実質的になる。このプロピレンの結晶性ポリマーは、更に、コモノマーの一般には8wt%未満、好ましくは5wt%未満のエチレン及び/又は1−ブテンを含むプロピレンのコポリマーであってもよい。通常、多層シートは、ベース層及び本発明による化合物を含む1又は複数のシーリング層に加えて、ベースシートと1又は複数のシーリング層との間に他の中間層を含み得る。
【0039】
本発明による多層シートは、
−ベースシート及び本発明による化合物から予備形成された1以上のシートを加熱されたローラの間で加圧することによって相互結合させることにより;
−ベースシート上に本発明による化合物を積層させるために、有機溶剤中に本発明の化合物を含む溶液又は分散液でベースシートをコーティングすることにより;
−ベースシート上に本発明による化合物を積層させるために、本発明の化合物を含む層を溶融形態で押し出すことにより;
−本発明の化合物を含む1又は複数の層及びベースシートを別個に押し出して、共通のダイプレートを介して、溶融押出物を一緒にすることにより;
−本発明の化合物を含む1又は複数の層及びベースシートを多チャネルダイプレートを介して共押し出しすることにより;
得ることができる。
【0040】
本発明による多層シートの厚みは、一般に5〜300μmであり、好ましくは10〜170μmである。本発明の化合物に基づくシーリング層の厚みは、一般に0.1〜50μmであり、好ましくは0.5〜30μmである。ベースシートの厚みは、一般に5〜200μmであり、好ましくは10〜70μmである。
【0041】
本発明による多層シートは、延伸せずに用いることもできる。本発明による多層シートは、本発明の化合物を含む1又は複数の層によるベースシートのクラッディングの後、多層シートの配向からみて、好ましくは一軸延伸され、より好ましくは二軸延伸される。この延伸は、以下の公知の方法:
−本発明による化合物を含む層を予備形成されたベースシート上に押出し、こうして得られた多層シートを二軸延伸する方法;
−ベースシートを初めに、金属ローラを含む一連のローラにより長手方向(機械方向(MD))に一軸熱延伸して;こうして得られた一軸延伸シート上に、本発明による化合物の1層を押出し、こうして得られた多層シートを横断方向(TD)に延伸する方法;
−本発明による化合物を含む1又は複数の層及びベースシートの共通ダイプレートによる押出により得た多層シートを、2回の連続ステージにて又は同時に、二軸(長手方向(MD)及び横断方向(TD)に)延伸する方法;
の任意の方法に従って効果的になされる。
【0042】
後者の方法が好ましい。
こうして得た多層シートは、すべての包装用途に適する。これらは、高処理量包装機械にて、有利に用いられる。これらは、食品包装用に特に良好に適する。したがって、本発明は、本発明による多層シートに基づく包装材料をも包含する。
【0043】
以下の実施例は、本発明を説明するものである。
これらの実施例において、MFI、SIT、Tf、粒径分布、「ホット−タック」範囲、ハーゼ、透明度及び輝度は、上述のように測定した。化合物中に用いたコポリマー(A)中C4含量及びプロピレンポリマー中C4含量は、核磁気共鳴(NMR)により決定し、wt%で示す。コポリマー(B)中C4含量は、化合物中に用いたプロピレンポリマー中C4含量、コポリマー(A)中C4含量及びコポリマー(B)含量から決定した。コポリマー(B)含量は、コポリマー(A)に関して化合物中に用いたプロピレンポリマーの触媒残渣から決定した。C2含量は、733cm-1及び720cm-1の吸収バンドからのフーリエ変換IR分光測定により決定し、wt%で表す。C3含量は、質量計(weight balance)により決定し、同様にwt%で表す。
【実施例1】
【0044】
コポリマー(A)65%及びコポリマー(B)35%(すべてのパーセンテージは重量%である)を含むプロピレンポリマーを調製した。コポリマー(A)は、C3を82%、C4を18%含み、コポリマー(B)は、C3を56%、C4を44%含んでいた。プロピレンポリマー中のC4の総量は27.1%であった。
【0045】
コポリマー(A)及び(B)の各々の連続調製は、窒素、プロピレン、1−ブテン及び水素を含み、気体状反応媒体の均一化を効果的に行う撹拌子(agitating mobile)を具備する5リットルのオートクレーブ中で行った。オートクレーブの全圧を一定に維持するために、モノマー(C3及びC4)の自動調整を行った。質量分析法(mass spectrometry)により分析した重合オートクレーブの気相のモル組成は、オートクレーブの気相へのC3及びC4の導入モル比を調節できるようにした。コポリマー(A)のサンプルを取り出して分析した。
【0046】
重合条件は、以下のTable 1に示す。
アルゴン雰囲気下で反応媒体中に導入された触媒系は、
−2.6wt%のTiと、11wt%のMgCl2担持ジイソブチルフタレートと、を含む触媒固体、
−トリエチルアルミニウム(TEAL)、
−n−プロピルトリメトキシシラン
を含む。
【0047】
こうして得られたプロピレンポリマーの特性は、下記Table 1に示す。
APV 19TC25エクストルーダ(窒素雰囲気)において、以下の組成を有する化合物をグラニュール化した。
−上述のプロピレンポリマー 100重量部;
−カルシウムステアレート 0.05重量部;
−ジヒドロタルサイト 0.05重量部;
−ペンタエリスリチルテトラキス(3,5−ジ−ターシャリ−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)1/3(重量)及びトリス(2,4−ジ−ターシャリ−ブチル−フェニル)ホスファイト(CIBA SPECIALTY CHEMICALSからのIRGANOX(登録商標)B215)2/3(重量)からなる安定剤 0.201重量部;
−CRODAからのエルカミドCRODAMIDE(登録商標) 0.101重量部;
−GRACE DAVISONからのシリカSYLOBLOC(登録商標)45 0.126重量部。
【0048】
こうして得たグラニュールを用いて非配向キャストフィルムを作った。この非配向キャストフィルムの中心層は、エチレンを約0.45wt%含み且つ2.8g/10minのMFIを呈するプロピレンのランダムコポリマーからなる962μm厚であり、外層は上述の化合物からなる25μm厚であり、反対側の外層はランダムターポリマーELTEX(登録商標)P KS 300(SOLVAY POLYOLEFINS EUROPEから市販されている)からなる12μm厚である。サンプル8.5×8.5cm2をキャストフィルムから切り取り、KARO(登録商標)IV二軸フレーム(BRUECKNER Maschinenbau GmbHから市販されている)上で延伸させた(共押し出し方向に5.5回、横断方向に8回)。こうして得たBOPPフィルムの本発明による化合物を含むシーリング層の特性は、下記Table 2に示す。輝度は、化合物を含む二軸フィルムの面で測定したことに留意すべきである。
【実施例2】
【0049】
以下(wt%)を含むプロピレンポリマーを下記のように調製した。
コポリマー(A)55%及びコポリマー(B)45%。コポリマー(A)は、C3を82%、C4を18%含み、コポリマー(B)は、C3を61%、C4を39%含んでいた。プロピレンポリマー中のC4の総量は、27.5%であった。
【0050】
コポリマー(A)及び(B)の各々の連続調製は、実施例1に述べた一般的な条件に従って行った。
重合条件は、Table 1に示す。
【0051】
このプロピレンポリマーを、実施例1に述べた条件でグラジュール化した。こうして得たMFIが3.2g/10minの化合物を用いて、実施例1に述べたようにBOPPフィルムを作製した。このシーリング層は、Table 2に示す特性を呈する。
【実施例3】
【0052】
以下(wt%)を含むプロピレンポリマーを下記のように調製した。
コポリマー(A)50%及びコポリマー(B)50%。コポリマー(A)は、C3を82%、C4を18%含み、コポリマー(B)は、C3を55%、C4を45%含んでいた。プロピレンポリマー中のC4の総量は31.5%であった。
【0053】
コポリマー(A)及び(B)の連続調製は、実施例1に述べた一般的な条件に従って行った。
APV 19TC25エクストルーダ(窒素雰囲気)にて、以下の成分からなる化合物をグラニュール化した。
−上述のプロピレンポリマー 100重量部;
−ジヒドロタルサイト 0.05重量部;
−ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(CIBA SPECIALITY CHEMICALSからのIRGANOX(登録商標)1010) 0.101重量部;
−テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト(CIBA SPECIALITY CHEMICALSからのIRGANOX(登録商標)P-EPQ) 0.07重量部。
【0054】
ペレットについて測定したMFIは10.1g/10minであった。
融点:DSC測定に2個の最大、65.1℃と124.0℃がみられた。
関連する溶融エンタルピー:61.2J/g
こうして得たペレットを、次いで、総厚が1mmに近い3層キャストフィルムの製造に用いた。
−チルロール(厚みは35μmに近い)と接触する層を上述のペレットで作製した;
−内部層を、SOOVAY POLYOLEFINS EUROPEから製造され市販されているELTEX(登録商標)P HL402N6986(技術的添加剤なしのホモポリマー)で作製した;
−最後の層(厚みは35μmに近い)を、SOLVAY POLYOLEFINS EUROPEから製造され市販されているELTEX(登録商標)P KS407で作製した。
【0055】
このキャストフィルムから8.5cm2のサンプルを切り取った。サンプルを、BRUECKNER Maschinenbau GmbH製のKARO IVラボラトリストレッチャで延伸した(共押し出し方向に5.5回、横断方向に8回)。
【0056】
こうして得たBOPPフィルムの本発明による化合物を含むシーリング層の特性は、下記Table 2に示す。
【実施例4】
【0057】
下記(wt%)を含むプロピレンポリマーを以下のように調製した。
コポリマー(A)50%及びコポリマー(B)50%。コポリマー(A)は、C3を80%、C4を20%含み、コポリマー(B)は、C3を55%、C4を45%含んでいた。プロピレンポリマーのC4の総量は32.5%であった。
【0058】
コポリマー(A)及び(B)の各々の連続調製は、実施例1について述べた一般的な条件に従って行った。
次いで、ペレット及びフィルムを実施例4に述べたように調製した。
【0059】
ペレットについて測定したMFIは、4.1g/10minであった。DSC測定による融点は2個の最大、66.3℃及び119.7℃を与えた。関連する溶融エンタルピーは、58.4J/gであった。
【0060】
こうして得たBOPPフィルムの本発明による化合物を含むシーリング層の特性は、下記Table 2に示す。
【実施例5】
【0061】
下記(wt%)を含むプロピレンポリマーを以下のように調製した。
コポリマー(A)55%及びコポリマー(B)45%。コポリマー(A)は、C3を80%、C4を20%含み、コポリマー(B)は、C3を55%、C4を45%含んでいた。プロピレンポリマーのC4の総量は31.5%であった。
【0062】
コポリマー(A)及び(B)の各々の連続調製は、実施例1について述べた一般的な条件に従って行った。
次いで、ペレット及びフィルムを実施例4に述べたように調製した。
【0063】
ペレットについて測定したMFIは、4.3g/10minであった。DSC測定による融点は2個の最大、65.4℃及び119.7℃を与えた。関連する溶融エンタルピーは、59.6J/gであった。
[比較例6R]
本実験は、比較のために行った。
【0064】
C3を81%、C4を18.4%、C2を0.6%(wt%)含むただ1種のコポリマーを含むプロピレンポリマーを以下のように調製した。
このコポリマーの調製は、ガス分配グリルを具備する流動床を備えた連続運転反応器内で行った。安定な定常濃度で窒素、プロピレン、1−ブテン、エチレン及び水素を含む気体シャトルを作って、コンプレッサを介して、この反応器全体に循環させた。
【0065】
重合条件及びこうして得たコポリマーの特性は、Table 1に示す。
このコポリマーを、MFIが7.1g/10minであるグラニュールを得るために、必要量の2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリブチルペルオキシ)ヘキサンを添加した点を除いて、実施例1に述べた条件でグラニュール化した。こうして得たグラニュールは、実施例1に述べたようにBOPPフィルムを作製するために用い、このシーリング層はTable 2に示す特性を呈した。
【0066】
この化合物の比較的高いSITは、非常に高処理量包装機械にヒートシール可能なフィルムとして用いる際のハンディキャップである。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
Claims (17)
- 80℃よりも低いシーリング開始温度を有し、組成物の総量を基準として1wt%未満のエチレンから誘導されたモノマー単位を含むポリプロピレン組成物であって、35〜68wt%のコポリマー(A)と65〜32wt%のコポリマー(B)とを含み、
該コポリマー(A)は、コポリマー(A)の総量を基準として16〜30wt%の1−ブテン由来のモノマー単位及び0〜0.5wt%のエチレン由来のモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマーであり、
該コポリマー(B)は、コポリマー(B)の総量を基準として35〜55wt%の1−ブテン由来のモノマー単位及び0〜1wt%のエチレン由来のモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマーである、
ポリプロピレン組成物。 - 前記コポリマー(A)中の1−ブテン由来のモノマー単位の量は、コポリマー(A)の総量を基準として18〜30wt%である、請求項1に記載の組成物。
- コポリマー(A)の総量を基準として84〜76wt%のプロピレン由来のモノマー単位及び18〜24wt%の1−ブテン由来のモノマー単位を本質的に含むプロピレン/1−ブテンコポリマー(A)を45〜67wt%と、
コポリマー(B)の総量を基準として38〜50wt%の1−ブテン由来のモノマー単位及び0〜0.5wt%のエチレン由来のモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマー(B)を33〜55wt%と、
を含む請求項1又は2に記載の組成物。 - 組成物の総量を基準として、コポリマー(A)の量は60wt%以下であり、コポリマー(B)の量は少なくとも40wt%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 80℃よりも低いシーリング開始温度を有し、組成物の総量を基準として1wt%未満のエチレン由来のモノマー単位を含むポリプロピレン組成物であって、35〜60wt%のコポリマー(A)と65〜40wt%のコポリマー(B)とを含み、
該コポリマー(A)は、コポリマー(A)の総量を基準として9〜30wt%の1−ブテン由来のモノマー単位及び0〜0.5wt%のエチレン由来のモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマーであり、
該コポリマー(B)は、コポリマー(B)の総量を基準として35〜55wt%の1−ブテン由来のモノマー単位及び0〜1wt%のエチレン由来のモノマー単位を含むプロピレンのランダムコポリマーである、
組成物。 - 組成物の総量を基準として、コポリマー(A)の量は58wt%以下であり、コポリマー(B)の量は少なくとも42wt%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 組成物の総量を基準として、コポリマー(A)の量は56wt%以下であり、コポリマー(B)の量は少なくとも44wt%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- コポリマー(B)中1−ブテン由来のモノマー単位の量は、コポリマー(B)の総量を基準として38〜47wt%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
- ポリプロピレン粒子の10wt%以下は、2000μm以上の粒径を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- ポリプロピレン粒子の20wt%以下は、1000μm以上の粒径を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
- 75℃未満、好ましくは70℃未満のシーリング開始温度を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
- 少なくとも110℃の融点、好ましくは115℃〜132℃の融点を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
- 標準ASTM D1238(230℃;装填:2.16kg)に準拠して測定したメルトフローインデックス(MFI)が1g/10min〜10g/10minである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
- 90℃〜140℃のホット−タック範囲を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物を含む少なくとも1のシーリング層を組み込むことを特徴とするヒートシール可能な多層シート。
- 請求項15に記載のシートを含む包装材料。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物の製造方法であって、相互連結された連続反応器内で、コポリマー(A)を形成し、次いでコポリマー(A)の存在下で気相重合によりコポリマー(B)を連続的に形成する工程を含む方法。
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