JP2005354786A - 電気接続箱 - Google Patents

Abstract

【課題】 ＰＤと分岐回路ブロックを備えた電気接続箱において、ＰＤに設ける回路パターンを簡単にすることによりＰＤを小型化し、電気接続箱を小型化する。
【解決手段】 プリント基板３１の一面側に半導体リレー３５を含む電子部品および基板リレー３６を実装して導体３２と接続していると共に他面側に一層のバスバー３３を固定し、該バスバー配置側に放熱用金属板３４を取り付けているパワーディストリビュータ（ＰＤ）３０とバスバー２１と絶縁板２２との積層体からなる分岐回路ブロック２０とをケース内部に収容し、ケース内部の電気回路のうち、ヒューズとリレーとの直列回路５０ＡはＰＤ３０側に設ける一方、ヒューズのみと接続される回路５０Ｂ及び分岐回路５０、５２、５４は分岐回路ブロック２０のバスバー２１で形成している。
【選択図】 図１

Description

本発明は、電気接続箱に関し、詳しくは、導体を設けた一面側に電子部品を実装していると共に他面にバスバーを固定しているプリント基板と、該プリント基板の他面側に一体的に固着している放熱用金属板とからなるパワーディストリビュータ（ＰＤ）を備えたものである。

従来、自動車用のジャンクションボックス等の電気接続箱には、多数のリレー、ヒューズを搭載していると共に、ボックス内部に収容するバスバーとワイヤハーネスとを接続するために多数のコネクタ搭載部が設けられている。
近年、電装品が急増していると共に車両の電気回路システムが多くなり、リレーの搭載個数が多くなる等、電気接続箱の大型化が余儀なくされている。

このような問題を解決するため、本出願人は、特開２００１−３１９７０８号（特許文献１）において、図５に示すように、機械式のリレーに代えて半導体スイッチング素子（ＦＥＴ）３をバスバーが固定されたプリント基板上に配置して、大電流を必要とする半導体スイッチング素子をバスバーと接続する構成としたパワーディストリビュータ（ＰＤ）２と、バスバーと絶縁板との積層体からなる分岐回路ブロック４を組み込んだ電気接続箱１を提供している。

前記ＰＤ２においては、一般にバスバーを積層せず、１枚の導電性金属板を打ち抜いて回路パターンを形成した一層のバスバーを固定している。よって、ＰＤのバスバーは複雑な回路パターンには適しておらず、ＰＤのバスバーにより分岐回路を形成すると、バスバーの取りまわしにスペースが必要となりＰＤが大型化する問題がある。
また、ＰＤのプリント基板に実装した電子部品とは接続しない回路までＰＤのバスバーにより形成すると、バスバー回路パターンが複雑となり、やはりＰＤが大型化する問題がある。
特開２００１−３１９７０８号公報

本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、ＰＤと分岐回路ブロックを備えた電気接続箱において、ＰＤに設ける回路パターンを簡単にすることによりＰＤを小型化し、電気接続箱を小型化することを課題としている。

前記課題を解決するため、本発明は、プリント基板の一面側に半導体リレーを含む電子部品および基板リレーを実装して導体と接続していると共に他面側に一層のバスバーを固定し、該バスバー配置側の外方に放熱用金属板を取り付けているパワーディストリビュータ（ＰＤ）と、
バスバーと絶縁板との積層体からなる分岐回路ブロックとをケース内部に収容し、
前記ケース内部の電気回路のうち、ヒューズとリレーとの直列回路は前記ＰＤ側の導体あるいは/およびバスバーに設けている一方、ヒューズのみと接続される回路及び分岐回路は前記分岐回路ブロックのバスバーで形成していることを特徴とする電気接続箱を提供している。

前記構成によれば、ＰＤに設けた一層のバスバーあるいは／および導体によりヒューズとリレーとの直列回路を形成する一方、ヒューズのみと接続される回路及び複雑な分岐回路は分岐回路ブロックのバスバーにより形成しているため、ＰＤのバスバーおよび導体を簡単な回路パターン形状とすることができる。これにより、ＰＤのバスバーおよび導体の回路の取りまわしに大きなスペースを必要としないため、ＰＤを小型化することができる。
一方、分岐回路ブロックのバスバーによりヒューズのみと接続される回路及び複雑な分岐回路を形成しているが、分岐回路ブロックのバスバーは複数層からなるため、回路の取りまわしにそれほどスペースを必要とせず、ＰＤのバスバーあるいは／および導体により分岐回路を形成する場合に比して、分岐回路ブロックを大型化することもない。
このように、電気接続箱の内部回路のうち、簡潔な回路をＰＤのバスバーあるいは／および導体により形成する一方、複雑な分岐回路やＰＤの電子部品と直接接続しない回路は分岐回路ブロックのバスバーにより形成することで、できる限りＰＤのバスバーおよび導体を簡単な回路パターンとしてＰＤを小型化しているため、該ＰＤを収容している電気接続箱を小型化することができる。

前記ＰＤ側のヒューズとリレーとの直列回路の下流側回路を構成する導体あるいはバスバーを、前記分岐回路ブロックのバスバーと直接接続あるいは中継端子を介して接続し、前記ヒューズとリレーとの直列回路の下流の分岐回路を前記分岐回路ブロックのバスバーで形成していることが好ましい。

前記構成によれば、ヒューズとリレーとの直列回路をＰＤのバスバーあるいは／および導体により形成し、該直列回路の下流側の分岐回路は分岐回路ブロックのバスバーにより形成して、これら直列回路と分岐回路を溶接等により直接接続するか、もしくは中継端子で接続している。よって、前記直列回路と分岐回路とが同一の回路内にある場合であっても、上流側の簡単な直列回路はＰＤのバスバーあるいは／および導体により形成し、下流側の複雑な分岐回路は分岐回路ブロックのバスバーにより形成することで、効率良く回路を形成することができる。

なお、分岐回路が簡単な形状である場合、例えば、２方向に分岐した回路の先端にタブを設けて、該タブをケースに設けたコネクタ収容部の隣接する端子孔に通して突出させる場合等には、分岐回路を分岐回路ブロックのバスバーにより形成せず、ＰＤのバスバーあるいは／および導体により形成してもよい。

前述したように、本発明によれば、ＰＤに設けた一層のバスバーあるいは／および導体によりヒューズとリレーとの直列回路を形成する一方、ヒューズのみと接続される回路及び複雑な分岐回路は分岐回路ブロックのバスバーにより形成しているため、ＰＤのバスバーおよび導体が複雑にならず簡単な回路パターン形状とすることができる。このように、電気接続箱の電気回路のうち、簡潔な回路をＰＤのバスバーあるいは／および導体により形成する一方、複雑な分岐回路やＰＤの電子部品と直接接続しない回路は分岐回路ブロックのバスバーにより形成することで、できる限りＰＤのバスバーおよび導体を簡単な回路パターンとしてＰＤを小型化し、該ＰＤを収容している電気接続箱を小型化することができる。

本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図１乃至図３は、本発明の実施形態を示す。
図１は、電気接続箱１０の内部回路の概略図であり、ヒューズ４１と半導体リレー３５もしくは基板リレー３６との直列回路５１はパワーディストリビュータ３０（以下、ＰＤ３０と称す）に設ける一方、ヒューズのみと接続される回路５０Ｂ及び分岐回路５０、５２、５４は分岐回路ブロック２０に設けている。

電気接続箱１０は、図２に示すように、アッパーケース１１、ロアケース１２及びＰＤケース１３を組み付けて形成しており、アッパーケース１１とロアケース１２とで囲まれた上部空間Ｓ１に分岐回路ブロック２０を収容すると共にロアケース１２とＰＤケース１３とで囲まれた下部空間Ｓ２にＰＤ３０をそれぞれ水平方向に配置している。

分岐回路ブロック２０は、バスバー２１と絶縁板２２を交互に積層した積層体からなり、バスバー２１は所要箇所を上下いずれか一方に屈折して端子２１ａ〜２１ｅを設けている。下方に向けて突設するタブ状の端子２１ａは、ロアケース１２の一側周縁に沿って下向きに突設した複数のコネクタ搭載部１４内に突出し、該コネクタ搭載部１４に搭載するコネクタ内の入力側の端子もしくは出力側の端子に接続される。また、下方に向けて突設するタブ状の端子２１ｂは、ロアケース１２に設けた中継端子収容部１５内に突出し、該中継端子収容部１５内の両端に雌端子部を備えた中継端子４０に接続され、該中継端子４０を介してＰＤ３０の導体３２もしくはバスバー３３の端子と接続される。
一方、バスバー２１から上方に向けて突設する音叉状の端子２１ｃ、２１ｄ及びタブ状の端子２１ｅは、それぞれアッパーケース１１の上面に設けたヒューズ搭載部１６、リレー搭載部１７、ヒュージブルリンク搭載部１８内に突出して、それぞれヒューズ４１、リレー４２、ヒュージブルリンク（図示せず）の端子と接続される。

下部空間Ｓ２には、ＰＤ３０を水平方向に配置している。該ＰＤ３０は、導体３２を設けた上面に半導体リレー３５および基板リレー３６等の電子部品を実装していると共に下面にバスバー３３を固定しているプリント基板３１と、該プリント基板３１の下部に一体的に固着している放熱用金属板３４とからなる。放熱用金属板３４はＰＤケース１３の周壁下面に固定して、ＰＤケース１３の下面開口に露出している。
ＰＤ３０のバスバー３３は、プリント基板３１の基板の周縁に沿って上部空間Ｓ１側へと突出させており、基板の両側に端子３３ａ、３３ｂを設けている。

ＰＤケース１３は、ＰＤ３０のプリント基板３１を四方から囲む枠状としている。該枠状の周壁１３ａには、ロアケース１２の中継端子収容部１５を外嵌する凹部１３ｂを設けると共に、下面に該凹部１３ｂと連通する端子孔１３ｃを設け、該端子孔１３ｃにＰＤ３０のバスバー３３の端子３３ａを貫通させて、中継端子収容部１５に収容する中継端子４０に接続し、該中継端子４０を介して分岐回路ブロック２０のバスバー２１の端子２１ｂと接続している。
また、周壁１３ａの他側周縁には上下に延在する貫通孔１３ｄを設けており、該貫通孔１３ｄにＰＤ３０のバスバー３３の端子３３ｂを貫通させてアッパーケース１１のヒューズ搭載部１６内に突出させている。該ヒューズ搭載部１６にヒューズ４１を搭載すると、ヒューズ４１の一対のタブ４１ａ、４１ｂがそれぞれバスバー３３の端子３３ｂとバスバー２１の端子２１ｃに接続されて、該ヒューズ４１を介して分岐回路ブロック２０のバスバー２１とＰＤ３０のバスバー３３が接続される。
なお、中継端子４０もしくはヒューズ４１のタブ４１ａと接続するＰＤ３０側の端子は、バスバー３３の端子３３ａ、３３ｂに限らず、ＰＤ３０の導体３２に導通させた端子を接続してもよい。また、ＰＤ３０のバスバー３３の端子３３ａと分岐回路ブロック２０のバスバー２１の端子２１ｂとは、溶接等により直接接続してもよい。

放熱用金属板３４の下面側には、プリント基板３１の絶縁基板の下面に突設したコネクタ搭載部３７を放熱用金属板３４に設けた開口を通して突出させている。該コネクタ搭載部３７にはＰＤ３０のバスバー３３もしくは導体３２に設けた端子を突出させている。また、放熱用金属板３４の所要箇所には、ボルト孔３４ａを設けたブラケット３４ｂを突設し、該ボルト孔３４ａにボルトを通して車体パネル（図示せず）にボルト締め固定している。放熱用金属板３４を金属製の車体パネルに直接固定することで放熱用金属板３４の放熱性を高めている。

次に、電気接続箱１０の回路構造について説明する。
図１に示すように、コネクタ搭載部１４で電源線に接続された入力側の端子と接続される分岐回路ブロック２０のバスバー２１は、下流側で分岐して分岐回路５０（５０Ａ、５０Ｂ、５０Ｃ）を形成している。

分岐回路５０Ａの下流側は、ヒューズ４１を介してＰＤ３０のバスバー３３と接続され、ＰＤ３０の半導体リレー３５もしくは基板リレー３６に接続され、ヒューズ４１とリレー３５、３６との直列回路５１を形成している。直列回路５１のうち、下流側で分岐して分岐回路５２を形成している回路は、中継端子４０を介して分岐回路ブロック２０のバスバー２１と接続し、バスバー２１の端子２１ａをコネクタ搭載部１４内に突出して、コネクタ内の出力側の端子（図示せず）と接続し、各電装品に電力を分配している。
一方、下流側で二手に分岐し、下流端に設けた端子がコネクタ搭載部の隣接する端子孔から突出する簡単な回路パターンである分岐回路６０は、分岐回路ブロック２０のバスバー２１により形成せずにＰＤ３０のバスバー３３もしく導体３２により形成し、下流端の端子を放熱用金属板３４に設けたコネクタ搭載部３７内に突出している。
また、下流側で分岐回路を形成していない回路５３には、中継端子４０を介して分岐岐路ブロック２０と接続している回路５３Ａと、分岐回路ブロック２０とは接続せずそのまま外部回路と接続している回路５３Ｂがある。

分岐回路５０Ｂはヒューズ４１のみと接続される回路であり、分岐回路ブロック２０のバスバー２１で形成している。分岐回路５０Ｂは下流側で分岐して分岐回路５４を形成し、該分岐回路５４は、コネクタ搭載部１４に搭載したコネクタ内の出力側の端子に接続されて、各電装品に電力を分配している。

分岐回路５０Ｃは、ヒューズ４１とリレー４２との直列回路であり、分岐回路ブロック２０のバスバー２１で形成している。下流側はコネクタ搭載部１４に搭載したコネクタ内の出力側の端子に接続されて、各電装品に電力を分配している。

前記構成によれば、ＰＤ３０に設けた一層のバスバー３３もしくは導体３２によりヒューズ４１とリレー３５、３６との直列回路５１を形成する一方、ヒューズ４１のみと接続される回路５０Ｂ及び複雑な分岐回路５０、５２、５４は分岐回路ブロック２０のバスバー２１により形成しているため、ＰＤ３０のバスバー３３あるいは／および導体３２により複雑な回路を形成せずにすみ簡単な回路パターン形状とすることができる。このように、電気接続箱１０の電気回路のうち、簡潔な回路をＰＤ３０のバスバー３３あるいは／および導体３２により形成する一方、複雑な分岐回路やＰＤ３０の電子部品と直接接続しない回路は分岐回路ブロック２０のバスバー２１により形成することで、できる限りＰＤ３０のバスバー３３および導体３２を簡単な回路パターンとしてＰＤ３０を小型化し、該ＰＤ３０を収容している電気接続箱１０を小型化することができる。

図４は、本発明の実施形態の変形例を示し、分岐回路は全て分岐回路ブロック２０のバスバー２１で形成している。
前記実施形態では、リレーとヒューズとの直列回路５１の下流側に設けた分岐回路６０は、簡単な回路パターンであるためＰＤ３０のバスバー３３で形成している。
これに対し、本変形例では、このような簡単な回路パターンであっても、ＰＤ３０のバスバー３３と分岐回路ブロック２０のバスバー２１とを中継端子４０を介して接続し、分岐回路６０を分岐回路ブロック２０のバスバー２１で形成し、下流側をコネクタ搭載部１４に搭載したコネクタ内の出力側の端子に接続している。

前記構成によれば、ＰＤ３０のバスバー３３及び導体３２で分岐回路を１つも形成しないことにより、さらにＰＤ３０の回路パターンを簡単なものとし、ＰＤ３０を小型化することができる。

本発明の実施形態の電気接続箱の内部回路を示す概略図である。 電気接続箱の断面図である。 電気接続箱を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図、（Ｃ）は底面図である。 変形例の電気接続箱の内部回路を示す概略図である。 従来例を示す図面である。

符号の説明

１０ 電気接続箱
１１ アッパーケース
１２ ロアケース
１３ ＰＤケース
１４ コネクタ搭載部
１６ ヒューズ搭載部
１７ リレー搭載部
２０ 分岐回路ブロック
２１ 分岐回路ブロックのバスバー
２１ａ〜２１ｆ バスバーに設けた端子
３０ パワーディストリビュータ（ＰＤ）
３１ プリント基板
３２ 導体
３３ ＰＤのバスバー
３４ 放熱用金属板
３５ 半導体リレー
３６ 基板リレー
４０ 中継端子
４１ ヒューズ
４２ リレー
５０、５２、５４ 分岐回路
５０Ａ、５０Ｃ ヒューズとリレーとの直列回路
５０Ｂ ヒューズのみと接続される回路

Claims (2)

1. プリント基板の一面側に半導体リレーを含む電子部品および基板リレーを実装して導体と接続していると共に他面側に一層のバスバーを固定し、該バスバー配置側の外方に放熱用金属板を取り付けているパワーディストリビュータ（ＰＤ）と、
   バスバーと絶縁板との積層体からなる分岐回路ブロックとをケース内部に収容し、
   前記ケース内部の電気回路のうち、ヒューズとリレーとの直列回路は前記ＰＤ側の導体あるいは/およびバスバーに設けている一方、ヒューズのみと接続される回路及び分岐回路は前記分岐回路ブロックのバスバーで形成していることを特徴とする電気接続箱。
2. 前記ＰＤ側のヒューズとリレーとの直列回路の下流側回路を構成する導体あるいはバスバーを、前記分岐回路ブロックのバスバーと直接接続あるいは中継端子を介して接続し、前記ヒューズとリレーとの直列回路の下流の分岐回路を前記分岐回路ブロックのバスバーで形成している請求項１に記載の電気接続箱。

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