JP2005354583A - Memsデバイスの製造方法、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マイクロレゾネータ等のMEMS素子の製造方法において、簡単な方法によりMEMS素子の形成状態を検知することができる方法等を提供する。
【解決手段】 基材53上に、犠牲層51と、犠牲層51上に機能層52とを形成する工程と、機能層52に対してエッチング処理を行ってMEMS素子10を形成するMEMS素子形成工程と、犠牲層51を取り除いてMEMS素子10の一部を基材53から離間させる工程と、を含むMEMSデバイス80の製造方法において、MEMS素子形成工程は、MEMS素子10と同時に検知素子72を形成しつつ、検知素子72の形成状態を監視する工程を含むようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固有の共振周波数で微小振動する共振子を備えるマイクロレゾネータ等のMEMS素子の製造方法、MEMSデバイス、並びに電子機器に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて超小型・超高性能の電子部品(MEMS素子)を製造する研究・開発が盛んに行われている。MEMS技術を用いた電子部品は多岐に亘るが、その一種としてマイクロレゾネータがある。マイクロレゾネータは、例えばシリコン基板等の基板上に酸化膜からなる絶縁膜が形成され、その絶縁膜上に櫛歯状の固定電極の櫛歯と櫛歯状の可動電極の櫛歯とが基板表面に対して平行に噛み合わされるように形成された構造である。
櫛歯状の可動電極は、シリコン基板上に支持されたバネ性を有する支持部に結合されており、このような互いに噛み合う櫛歯状の固定電極と櫛歯状の可動電極との組を支持部の両側に1組ずつ配置した構成となっている。なお、櫛歯状の可動電極と支持部とが共振子を構成している。更に、絶縁膜上には、櫛歯状の固定電極の各々に接続された2つの電極端子と、これら2つの電極端子に共通した接地電極としての電極端子とが設けられている。以上の櫛歯状の固定電極、櫛歯状の可動電極、支持部、及び電極端子は、例えば絶縁膜上に形成したポリシリコン膜を利用して形成される。
このようなマイクロレゾネータは、一方の櫛歯状の固定電極の電極端子と接地電極としての電極端子との間に交流電圧を印加することにより、その櫛歯状の固定電極と櫛歯状の可動電極との間に静電引力を発生させ、この静電引力により櫛歯状の可動電極を櫛歯の噛み合い方向(櫛歯の長さ方向)に平面的に押し引きすることによって振動させる。この振動は櫛歯状の可動電極と一体化されたバネ性を持つ支持部に伝達され、他方の同様に噛み合い状態にある櫛歯状の可動電極を平面的に振動させる。
入力側である一方の櫛歯状の固定電極と櫛歯状の可動電極との間で発生した振動が、可動電極の質量とバネ性を持つ支持部の構造で定まるバネ定数で決定される共振周波数に一致したところで共振現象が生じ、この共振周波数が出力側である他方の櫛歯状の固定電極の電極端子から取り出される。
かかる構成のマイクロレゾネータは、特定周波数の電気信号を発振する発振子又は複数の周波数を含む電気信号から特定周波数の電気信号をフィルタリングするフィルタとして用いられる。なお、マイクロレゾネータの詳細については、例えば以下の特許文献1,2に開示されている。
米国特許第5025346号明細書(第3欄第37行〜第6欄第2行、第6欄第55行〜第7欄第52行、図1〜図4) 米国特許第5537083号明細書(第4欄第43行〜第10欄第33行、図4〜図6)
マイクロレゾネータのようなMEMS素子を形成する際には、基板の表層の機能層に対して選択的に高異方性ディープエッチング処理を行って共振子等の可動部を形成し、更に可動部の下層の犠牲層をエッチングにより取り除くことにより、基板上から可動部を離間させている。
ところが、機能層のエッチング処理が不足すると、本来取り除かれるべき機能層が取り残されて下層の犠牲層のエッチング処理に悪影響を及ぼす、或いは取り残された機能層が可動部に存在する隙間に入り込んで可動部の動作の阻害原因となってしまう等の問題がある。
一方、機能層のエッチング処理が過剰であると、可動部自体もエッチングされて、必要な形状が確保できなくなり、このため、十分な性能が得られない或いは強度不足により寿命が短くなる等の問題がある。
なお、通常のドライエッチングでは、発生させるプラズマの色の変化によってエッチングの進行状態を把握することができるが、高異方性ディープエッチング技術には適用できないという問題がある。また、レーザ光を用いてエッチングの進行状態を把握する方法も提案されているが、高価な装置が必要であるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、マイクロレゾネータ等のMEMS素子を有するデバイス製造方法において、簡単な方法によりMEMS素子の形成状態を検知することができる方法等を提供することを目的とする。
本発明に係るMEMSデバイスの製造方法、及び電子機器では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、基材上に、犠牲層と、犠牲層上に機能層とを形成する工程と、機能層に対してエッチング処理を行ってMEMS素子を形成するMEMS素子形成工程と、犠牲層を取り除いてMEMS素子の一部を基材から離間させる工程と、を含むMEMSデバイスの製造方法において、MEMS素子形成工程は、MEMS素子と同時に検知素子を形成しつつ、検知素子の形成状態を監視する工程を含むようにした。
この発明によれば、エッチング処理によりMEMS素子と同時に形成される検知素子の形成状態を監視するので、間接的にMEMS素子の形成状態を監視することが可能となる。したがって、エッチングの不足或いは過剰によるMEMS素子の形成不良を防止することができる。
また、MEMS素子形成工程が、検知素子の形成状態に応じて、エッチング処理を終了させる工程を含むものでは、検知素子の形成状態からエッチング処理の進行状態が把握されるので、エッチング処理を過不足なく終了させることができる。これにより、MEMS素子の形成を良好に行うことができる。
また、検知素子の形成状態が、検知素子を構成する所定の距離で離間した複数の素子間の導通状態により検知されるものでは、複数の素子の間に存在する機能層がエッチング処理の進行にしたがって徐々に除去されると共に、この素子間の通電状態も徐々に変化するので、複数の素子間の抵抗値を検出することにより、エッチング処理の進行状態を的確に把握することが可能となる。
また、所定の距離が、MEMS素子の形状に基づいて規定されるものでは、より確実にMEMS素子の形成状態を確認することができる。
また、検知素子が、基板上に複数設けられるものでは、MEMS素子の基板上の配置場所に関わらず、MEMS素子の形成状態を確認することが可能となる。
第2の発明は、電子機器が、第1の発明の製造方向により得られたMEMSデバイスを備えるようにした。
この発明によれば、所望の性能を備えたMEMSデバイスが用いられるので、高性能な電子機器を得ることができる。
以下、本発明のMEMSデバイスの製造方法、及び電子機器の実施形態について図を参照して説明する。
〔MEMSデバイス〕
図1は、本発明の一実施形態によるMEMSデバイスを示す平面図であり、図2は、図1中のA−A線に沿った断面矢視図である。
MEMSデバイス80は、SOI(Silicon On Insulator)基板50の絶縁層51上に結晶化されたシリコン層52を利用して形成されたマイクロレゾネータ10と検知素子70とを備える。
なお、以下の説明においては、必要があれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。図1及び図2中のXYZ直交座標系は、X軸及びY軸がSOI基板50の表面に対して平行となるよう設定され、Z軸がSOI基板50の表面に対して直交する方向に設定される。
マイクロレゾネータ10は、トランスバーサル型のSAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波素子)フィルタと同様な働きをするフィルタとして構成したものである。
マイクロレゾネータ10は、SOI基板50の表面に形成された絶縁層51上において、X方向に沿って送信側IDT(Inter Digital Transducer)20と受信側IDT30とを配置し、これらの間に共振子40を配置した構成である。送信側IDT20、受信側IDT30、及び共振子40は、絶縁層51上のシリコン層52を利用して形成される。
送信側IDT20は、櫛歯部21を有する固定電極22と櫛歯部23を有する可動電極24とから構成される。送信側IDT20の固定電極22は、リード線25を介して電極端子26に接続される。同様に、受信側IDT30は、櫛歯部31を有する固定電極32と櫛歯部33を有する可動電極34とから構成される。受信側IDT30の固定電極32は、リード線35を介して電極端子36に接続される。なお、電極端子38は、電極端子26,36に対して共通に設定された接地用電極端子である。
可動電極24と可動電極34とは、X方向延びる連結ビーム41で連結される。そして、この連結ビーム41、可動電極24,34、及び後述する方形状のフレームからなる梁部42とから共振子40が構成される。
共振子40は、連結ビーム41の−X方向における端部に連結された可動電極24の櫛歯部23が固定電極22の櫛歯部21と平面的に噛み合うように、且つ連結ビーム41の+X方向における端部に連結された可動電極34の櫛歯部33が固定電極32の櫛歯部31と平面的に噛み合うように、固定電極22と固定電極32との間に配置される。
また、固定電極22の櫛歯部21と可動電極24の櫛歯部23とは、それぞれ複数の櫛歯が所定の平面上の隙間(櫛歯ギャップ)をもって、SOI基板50の表面に平行に噛み合っている。同様に、固定電極32の櫛歯部31と可動電極34の櫛歯部33とは、それぞれ複数の櫛歯が所定の平面上の隙間をもって、SOI基板50の表面に平行に噛み合っている。櫛歯部23を有する可動電極24及び櫛歯部33を有する可動電極34が共振子40に設けられているため、櫛歯部23,33の長手方向の振動、又は共振子40のねじれ又は回転による振動等の共振モードを得ることができ、共振周波数の設定範囲を広くする上で好適である。勿論、かかる構成であれば単一の共振周波数を得ることもできる。
可動電極24,34に対して一体的に形成されたフレーム状の梁部42は、梁部42に結合された片持ち梁43によって支持されており、片持ち梁43の支持部44が絶縁層51を介してシリコン基材53上に固定された構造になっている。
支持部44は接地電極としての電極端子38と導通しているため、共振子40は電位がほぼ接地電位になる。なお、梁部42の外形形状は、特に方形形状に限定されるものではなく、円形形状、長円形状、紡錘形状等の任意の形状に設定することができる。
連結ビーム41は、図2に示すように、SOI基板50のシリコン基材53の上方(+Z方向)に基板面に対して平行に浮き上がった状態で支持される。従って、連結ビーム41の両端に連結された櫛歯状の可動電極24,34も同様に基板面に平行に浮き上がった状態に配置される。また、可動電極24,34に噛み合う櫛歯状の固定電極22,32も櫛歯の部分が基板面に平行に浮き上がった状態に支持される。なお、可動電極24,34及び固定電極22,32の浮上高さは2〜3μm程度である。
検知素子70は、図1に示すように、2つの端子72,73を有する。2つの端子72,73の形状は、任意であるが、2つの端子72、73の間の距離は、例えば、櫛歯部21と櫛歯部23との間、櫛歯部31と櫛歯部33との間の距離と略一致させる。また、検知素子70は、複数個形成されることが望ましい。例えば、マイクロレゾネータ10を取り囲むように、基板50の四方に配置される。
以上説明したMEMSデバイス80を、例えば発振子として用いる場合には、マイクロレゾネータ10の電極端子26と接地電極としての電極端子38との間に交流電圧を印加する。これらの電極端子間に交流電圧を印加すると、固定電極22の櫛歯部21と可動電極24の櫛歯部23との間に静電引力が発生する。これによって可動電極24が、櫛歯の噛み合い方向(櫛歯の長さ方向、即ちX方向)にバネ性を有する梁部42を介して引き押しされて振動する。この振動は可動電極24と一体化されたバネ性を持つ梁部42に伝達され、他方の同様に固定電極32の櫛歯部31と噛み合い状態にある櫛歯部33を備える可動電極34がX方向に振動する。
入力側である一方の櫛歯状の固定電極22と可動電極24との間で発生した振動が、共振子40の固有振動数に達すると、共振子40はその振動数で共振する。共振子40が共振することによって、他方の櫛歯部31を有する固定電極32に接続された電極端子36から、その固有振動数に応じた発振周波数を有する電気信号が出力される。発振周波数(共振周波数)は、可動電極24,34を含む共振子40の質量と片持ち梁43のバネ定数で定まる変位に対する復元力(梁部42の弾性力)とによって定まる。
ここで、共振子40の質量をmとし、片持ち梁43のバネ定数をkとすると、固定電極32から出力される電気信号の発振周波数fは以下の(1)式で表される。
=(1/(2・π))・(k/m)1/2 ……(1)
図1及び図2に示すマイクロレゾネータ10を発振子として用いる場合には、その発振周波数の設計目標値として、例えば16kHz、32kHz、72kHz等が設定される。
図3は、MEMSデバイス80をフィルタとして用いた場合の通過特性の一例を示す図である。
図3に示すように、MEMSデバイス80(マイクロレゾネータ10)は、共振子40の固有振動数fを中心とした共振幅Wの通過帯域幅を有するフィルタとして用いることができる。具体的には、櫛歯状の固定電極22の電極端子26と接地電極としての電極端子38との間に交流電圧が印加される。
これらの電極端子間に印加された交流電圧の周波数が、図3に示す帯域幅Wに含まれる周波数であれば、共振子40が静電力によってX方向に振動して、その周波数を有する電気信号が電極端子36から出力される。一方、帯域幅Wに含まれない周波数の交流電圧が入力された場合には、共振子40が共振しない。この結果として、その周波数は除去される。このような動作によりMEMSデバイス80(マイクロレゾネータ10)がフィルタとして用いられる。
〔MEMSデバイスの製造方法〕
図4は、本発明の一実施形態によるMEMSデバイス80の製造方法を示す工程図である。なお、図4において、図1、図2に示した部材と同一の部材には同一の符号を付してある。
まず、MEMSデバイス80が半導体素子90を有する場合には、マイクロレゾネータ10及び検知素子70の形成に先立って、半導体素子90を形成する。
図4(a)に示すように、SOI基板50上の所定位置に半導体素子90を形成する。半導体素子90は、必要とされる機能に応じて幾つかの工程を経て形成される。例えば、半導体素子90が増幅回路等を形成する。
次に、マイクロレゾネータ10及び検知素子70の形成を行う。マイクロレゾネータ10と検知素子70は、同一の工程で同時に形成される。
まず、シリコン層52上に不図示のフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して露光処理及び現像処理を行って所定形状のレジストパターンを形成する。そして、レジストパターンを形成すると、シリコン層52に対して高異方性ディープエッチング処理を行い、最終的に固定電極22,32、共振子40(連結ビーム41、可動電極24,34、及び梁部42)、片持ち梁43、電極端子26,36,38、及びリード線25,35となるべき部分を残し、それ以外の部分を除去する。
同様に、検知素子70の2つの端子72、73を残し、それ以外の部分を除去する。
マイクロレゾネータ10及び検知素子70の形成工程において、高異方性ディープエッチング処理を行う際には、検知素子70を用いて、高異方性ディープエッチング処理の進行状態を検知する。
具体的には、高異方性ディープエッチング処理中に、検知素子70の2つの端子72、73の間の抵抗値を測定する。2つの端子72、73の間には、高異方性ディープエッチング処理により取り除かれるシリコン層52が存在しているので、処理の初期段階では、2つの端子72、73の間には導通があるので、抵抗値は小さい。高異方性ディープエッチング処理が進行して、2つの端子72、73の間のシリコン層52が徐々に取り除かれると、それにしたがって抵抗値は徐々に大きくなる。そして、2つの端子72、73の間のシリコン層52が完全に取り除かれると、2つの端子72、73の間の導通がなくなり、抵抗値が略無限大になる。
このように、検知素子70の2つの端子72、73の間の抵抗値を検出し、その変化を観察することにより、高異方性ディープエッチング処理の進行状態を把握することができる。しかも、2つの端子72、73の間の距離がマイクロレゾネータ10の所定の部位間の距離と略一致するように形成することにより、検知素子70の形成状態により、間接的にマイクロレゾネータ10の形成状態を正確に把握することができる。例えば、2つの端子72、73の間の距離を櫛歯部21と櫛歯部23との間、櫛歯部31と櫛歯部33との間の距離と略一致させることにより、櫛歯部21と櫛歯部23との間、櫛歯部31と櫛歯部33との間の形成状態を正確に把握することができる。
そして、2つの端子72、73の間の抵抗値が略無限大になったときに、高異方性ディープエッチング処理を終了させる。これにより、取り除くべきシリコン層52を取り残すことなく略完全に除去することができるとともに、過剰な高異方性ディープエッチング処理によって共振子40等の形状が過剰に削り取られてしまうことを防止できる。
したがって、検知素子70の2つの端子72、73の間の抵抗値を検出し、観察することにより、高異方性ディープエッチング処理の過不足を防止することもできるので、マイクロレゾネータ10を所望の通りに高精度に形成することが可能となる。特に、検知素子70を複数個形成した場合には、基板50の全面に渡って高異方性ディープエッチング処理の進行状態を把握できるので、より適切にマイクロレゾネータ10を形成することができる。
このようにして、高異方性ディープエッチング処理を終え、シリコン層52上に形成されたレジストパターンを除去すると、図4(b)に示す状態になる。
次に、図4(c)に示すように、SOI基板50上に不図示の感光性ポリイミド樹脂を塗布し、この感光性ポリイミド樹脂に対して露光処理及び現像処理を行うことにより、半導体素子90、電極端子26,36、及び支持部44(図4(c)においては不図示)上にのみ耐酸性保護膜92を形成する。そして、更に耐酸性保護膜92をベーキング(乾燥・固化処理)することにより、耐酸性保護膜92の耐性(機械的強度)を向上させる。
続いて、固定電極22の櫛歯部21、固定電極32の櫛歯部31及び共振子40(可動電極24,34、連結ビーム41、及び梁部42)の下方の絶縁層51をエッチングにより除去する。このようなエッチングは、エッチング時間を制御することにより可能である。かかるエッチングを行うことで、図4(d)に示す通り、SOI基板50上において、2〜3μm程度の間隔をもって浮上した状態にある共振子40を形成することができる。
そして、最後に、マイクロレゾネータ10の電極端子26,36を形成するとともに、電極端子36と半導体素子90(増幅回路)との導通が確保される。
以上説明したマイクロレゾネータ10の製造方法によれば、
マイクロレゾネータ10と同時に検知素子70を形成しつつ、検知素子70の形成状態を監視するので、間接的にマイクロレゾネータ10の形成状態を監視することが可能となる。これにより、高異方性ディープエッチング処理の過不足によるマイクロレゾネータ10の形成不良を防止することができる。
例えば、2つの端子72、73の間の距離を櫛歯部21と櫛歯部23との間、櫛歯部31と櫛歯部33との間の距離と略一致させることにより、櫛歯部21と櫛歯部23との間、櫛歯部31と櫛歯部33との間の形成状態を把握することができる。
そして、検知素子70の2つの端子72,73の間の抵抗値を測定することにより、高異方性ディープエッチング処理を過不足なく終了させることができる。特に、2つの端子72,73の間の距離をマイクロレゾネータ10の所定の部位間の距離と略一致させることにより、検知素子70の形成状態により、間接的にマイクロレゾネータ10の形成状態を的確に把握することができるので、マイクロレゾネータ10を精度よく形成することができる。
なお、上記実施形態では、SOI基板50上にマイクロレゾネータ10等のMEMS素子や検知素子70を形成したが、これに限らない。
例えば、シリコン基板上に酸化膜及び窒化膜からなる絶縁膜を形成し、この絶縁膜上に犠牲層を形成し、更に犠牲層上にポリシリコン膜を形成して、ポリシリコン膜にマイクロレゾネータ10等のMEMS素子や検知素子70を形成してもよい。
〔電子機器〕
図5は、本発明の一実施形態による電子機器としての携帯電話機の外観を示す斜視図である。図5に示す携帯電話機100は、アンテナ101、受話器102、送話器103、液晶表示部104、及び操作釦部105等を備えて構成される。図6は、図5に示した携帯電話機100の内部に設けられる電子回路の電気的構成を示すブロック図である。
図6に示した電子回路は、携帯電話機100内に設けられる電子回路の基本構成を示し、送話器110、送信信号処理回路111、送信ミキサ112、送信フィルタ113、送信電力増幅器114、送受分波器115、アンテナ116a,116b、低雑音増幅器117、受信フィルタ118、受信ミキサ119、受信信号処理回路120、受話器121、周波数シンセサイザ122、制御回路123、及び入力/表示回路124を含んで構成される。なお、現在実用化されている携帯電話機は、周波数変換処理を複数回行っているため、その回路構成はより複雑である。
送話器110は、例えば音波を電気信号に変換するマイクロフォン等で実現され、図5中の送話器103に相当するものである。送信信号処理回路111は、送話器110から出力される電気信号に対して、例えばD/A変換処理、変調処理等の処理を施す回路である。送信ミキサ112は、周波数シンセサイザ122から出力される信号を用いて送信信号処理回路111から出力される信号をミキシングする。なお、送信ミキサ112に供給される信号の周波数は、例えば380MHz程度である。送信フィルタ113は、中間周波数(IF)の必要となる周波数の信号のみを通過させ、不要となる周波数の信号をカットする。なお、送信フィルタ113から出力される信号は不図示の変換回路によりRF信号に変換される。このRF信号の周波数は、例えば1.9GHz程度である。送信電力増幅器114は、送信フィルタ113から出力されるRF信号の電力を増幅し、送受分波器115へ出力する。
送受分波器115は、送信電力増幅器114から出力されるRF信号をアンテナ116a,116bへ出力し、アンテナ116a,116bから電波の形で送信する。また、送受分波器115はアンテナ116a,116bで受信した受信信号を分波して、低雑音増幅器117へ出力する。なお、送受分波器115から出力される受信信号の周波数は、例えば2.1GHz程度である。低雑音増幅器117は送受分波器115からの受信信号を増幅する。なお、低雑音増幅器117から出力される信号は、不図示の変換回路により中間信号(IF)に変換される。
受信フィルタ118は不図示の変換回路により変換された中間周波数(IF)の必要となる周波数の信号のみを通過させ、不要となる周波数の信号をカットする。受信ミキサ119は、周波数シンセサイザ122から出力される信号を用いて送信信号処理回路111から出力される信号をミキシングする。なお、受信ミキサ119に供給される中間周波数は、例えば190MHz程度である。受信信号処理回路120は受信ミキサ119から出力される信号に対して、例えばA/D変換処理、復調処理等の処理を施す回路である。受話器121は、例えば電気信号を音波に変換する小型スピーカ等で実現され、図5中の受話器102に相当するものである。
周波数シンセサイザ122は送信ミキサ112へ供給する信号(例えば、周波数380MHz程度)及び受信ミキサ119へ供給する信号(例えば、周波数190MHz)を生成する回路である。なお、周波数シンセサイザ122は、例えば760MHzの発振周波数で発振するPLL回路を備え、このPLL回路から出力される信号を分周して周波数が380MHzの信号を生成し、更に分周して周波数が190MHzの信号を生成する。制御回路123は、送信信号処理回路111、受信信号処理回路120、周波数シンセサイザ122、及び入力/表示回路124を制御することにより携帯電話機の全体動作を制御する。入力/表示回路124は、携帯電話機100の使用者に対して機器の状態を表示するとともに操作者の指示を入力するためのものであり、例えば図5に示した液晶表示部104及び操作釦部105に相当する。
以上の構成の電子回路において、送信フィルタ113及び受信フィルタ118として前述したマイクロレゾネータが用いられている。これら送信フィルタ113及び受信フィルタ118がフィルタリングする周波数(通過させる周波数帯域)は、送信ミキサ112から出力される信号の内の必要となる周波数、及び、受信ミキサ119で必要となる周波数に応じて送信フィルタ113及び受信フィルタ118で個別に設定される。
また、周波数シンセサイザ122内に設けられるPLL回路の一部として前述したマイクロレゾネータが用いられている。周波数シンセサイザ122内に設けられるPLL回路は、上述した通り特定の周波数で発振する回路であるため、このPLL回路の一部として設けられるマイクロレゾネータは、単一の共振モードで共振し、上記の特定の周波数でQ値が高くなるように設定される。なお、送信フィルタ113と送信電力増幅器114との間及び低雑音増幅器117と受信フィルタ118との間に設けられる不図示の変換回路にも上述したマイクロレゾネータが用いられている。
送信フィルタ113及び受信フィルタ118並びに周波数シンセサイザ122等に相当する従来の部品は、受信ミキサ119等と集積化することはできなかったため、集積化された受信ミキサ119等とは別個の部品として基板上に搭載されていた。これに対し、図6に示す電子回路では、送信フィルタ113及び受信フィルタ118並びに周波数シンセサイザ122等にマイクロレゾネータが用いられているため、受信ミキサ119等と一緒に集積化することができ、その結果として携帯電話機100の小型化・軽量化を図ることができる。
図7は、本発明の他の実施形態による電子機器としての腕時計の外観を示す斜視図である。図7に示す腕時計200は、発振子として上述したマイクロレゾネータ10を備えている。このマイクロレゾネータ10の発振周波数は、例えば32kHz程度に設定される。現在一般に設けられている腕時計は発振子としてクオーツ(水晶)発振子を備えるものが多いが、マイクロレゾネータ10を発振子として用いることにより、腕時計200の更なる小型・軽量化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態によるマイクロレゾネータ及びその製造方法並びに電子機器について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば上記実施形態においては電子機器として携帯電話機及び腕時計を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の電子機器は携帯電話機及び腕時計に限定される訳ではなく、計時機能を有するコンピュータ、電波時計、ディジタルカメラ、各種の家電製品等の種々の電子機器が含まれる。
また、携帯電話機等の携帯性を有する電子機器のみならずBS放送及びCS放送を受信するチューナ等の据置状態で使用される通信機器も含まれる。更には、通信キャリアとして空中を伝播する電波を使用する通信機器のみならず、同軸ケーブル中を伝播する高周波信号又は光ケーブル中を伝播する光信号を用いるHUB等の電子機器も含まれる。これらの電子機器は、所定の周波数をフィルタリングするため、及び計時機能を実現するためにマイクロレゾネータが用いられる。
MEMSデバイス80を示す平面図 MEMSデバイス80(マイクロレゾネータ10)の断面図 マイクロレゾネータ10をフィルタとして用いた場合の通過特性図 MEMSデバイス80の製造方法を示す工程図 携帯電話機100の外観を示す斜視図 携帯電話機100の電子回路の電気的構成を示すブロック図 腕時計200の外観を示す斜視図
符号の説明
10…マイクロレゾネータ(MEMS素子)、 50…基板、 51…絶縁層(犠牲層)、 52…シリコン層(機能層)、53…シリコン基材(基材)、 70…検知素子、 72,73…端子、 80…MEMSデバイス、 100…携帯電話機(電子機器)、 200…腕時計(電子機器)

Claims (6)

  1. 基材上に、犠牲層と、前記犠牲層上に機能層とを形成する工程と、
    前記機能層に対してエッチング処理を行ってMEMS素子を形成するMEMS素子形成工程と、
    前記犠牲層を取り除いて前記MEMS素子の一部を前記基材から離間させる工程と、
    を含むMEMSデバイスの製造方法において、
    前記MEMS素子形成工程は、前記MEMS素子と同時に検知素子を形成しつつ、前記検知素子の形成状態を監視する工程を含むことを特徴とするMEMSデバイスの製造方法。
  2. 前記MEMS素子形成工程は、前記検知素子の形成状態に応じて、前記エッチング処理を終了させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  3. 前記検知素子の形成状態は、前記検知素子を構成する所定の距離で離間した複数の素子間の導通状態により検知されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  4. 前記所定の距離は、前記MEMS素子の形状に基づいて規定されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  5. 前記検知素子は、前記基材上に複数設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のMEMSデバイスの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の製造方向により製造されたMEMSデバイスを備えることを特徴とする電子機器。


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