JP2005159619A - マイクロレゾネータ及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents

マイクロレゾネータ及びその製造方法並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 所望の共振周波数を有するマイクロレゾネータ、及び当該マイクロレゾネータを高い歩留まりで製造することができるマイクロレゾネータの製造方法、並びに当該マイクロレゾネータを備える電子機器を提供する。
【解決手段】 マイクロレゾネータ10は、櫛歯部21を有する固定電極22と櫛歯部31を有する固定電極32との間に共振子40が配置された構成である。共振子40は、櫛歯部23が固定電極22の櫛歯部21と噛み合うよう配置された可動電極24と、櫛歯部33が固定電極32の櫛歯部31と噛み合うよう配置された可動電極34とを有する。これら可動電極24,34を連結する連結ビーム41上に共振子40の共振周波数を設定する錘が共振子40の重心位置に関して対称に形成されている。この錘45は、共振子40の重心位置の上方に形成された共振周波数を微調整するための微調整用錘を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固有の共振周波数で微小振動する共振子を備えるマイクロレゾネータ及びその製造方法、並びに当該マイクロレゾネータを備える電子機器に関する。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて超小型・超高性能の電子部品を製造する研究・開発が盛んに行われている。MEMS技術を用いた電子部品は多岐に亘るが、その一種としてマイクロレゾネータがある。マイクロレゾネータは、例えばシリコン基板等の基板上に酸化膜からなる絶縁膜が形成され、その絶縁膜上に櫛歯状の固定電極の櫛歯と櫛歯状の可動電極の櫛歯とが基板表面に対して平行に噛み合わされるように形成された構造である。
また、上記の櫛歯状の可動電極はシリコン基板上に支持されたバネ性を有する支持部に結合されており、このような互いに噛み合う櫛歯状の固定電極と櫛歯状の可動電極との組を支持部の両側に1組ずつ配置した構成となっている。尚、上記の櫛歯状の可動電極と支持部とが共振子を構成している。更に、絶縁膜上には、櫛歯状の固定電極の各々に接続された2つの電極端子と、これら2つの電極端子に共通した接地電極としての電極端子とが設けられている。以上の櫛歯状の固定電極、櫛歯状の可動電極、支持部、及び電極端子は、例えば上記の絶縁膜上に形成したポリシリコン膜を利用して形成される。
このようなマイクロレゾネータは、一方の櫛歯状の固定電極の電極端子と接地電極としての電極端子との間に交流電圧を印加することにより、その櫛歯状の固定電極と櫛歯状の可動電極との間に静電引力を発生させ、この静電引力により櫛歯状の可動電極を櫛歯の噛み合い方向(櫛歯の長さ方向)に平面的に押し引きすることによって振動させる。この振動は櫛歯状の可動電極と一体化されたバネ性を持つ支持部に伝達され、他方の同様に噛み合い状態にある櫛歯状の可動電極を平面的に振動させる。
入力側である一方の櫛歯状の固定電極と櫛歯状の可動電極との間で発生した振動が、可動電極の質量とバネ性を持つ支持部の構造で定まるバネ定数で決定される共振周波数に一致したところで共振現象が生じ、この共振周波数が出力側である他方の櫛歯状の固定電極の電極端子から取り出される。かかる構成のマイクロレゾネータは、特定周波数の電気信号を発振する発振子又は複数の周波数を含む電気信号から特定周波数の電気信号をフィルタリングするフィルタとして用いられる。尚、マイクロレゾネータの詳細については、例えば以下の特許文献1,2を参照されたい。
米国特許第5025346号明細書(第3欄第37行−第6欄第2行、第6欄第55行−第7欄第52行、図1−図4) 米国特許第5537083号明細書(第4欄第43行−第10欄第33行、図4−図8)
ところで、上述したマイクロレゾネータの共振周波数は、可動電極の質量(厳密には可動電極及び支持部の質量)と支持部のバネ定数とによって定まる。上述した可動電極及び支持部等は、半導体素子等の製造において広く用いられるフォトリソグラフィー技術を用いて基板上に形成されるが、複数の可動電極及び支持部等を設計値通りに形成するのは難しく、製造された可動電極及び支持部の質量及びバネ定数はばらつくことが多い。このため、製造されたマイクロレゾネータの共振周波数もばらつき、共振周波数が等しいマイクロレゾネータを複数製造するのは困難であるという問題があった。
また、マイクロレゾネータの製造においては、単一の共振周波数を有するマイクロレゾネータを複数製造する場合もあれば、同一の構造ではあるが同一の共振周波数帯内の異なる共振周波数を有するマイクロレゾネータを製造する場合もある。後者のマイクロレゾネータを製造する場合において、マイクロレゾネータの製造上のばらつきがあると、所望の共振周波数を有するものが得られる可能性が高くなるが、その歩留まりは製造条件に応じて大きく左右されるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、所望の共振周波数を有するマイクロレゾネータ、及び当該マイクロレゾネータを高い歩留まりで製造することができるマイクロレゾネータの製造方法、並びに当該マイクロレゾネータを備える電子機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、シリコン基板と、当該シリコン基板上に形成された少なくとも絶縁膜を含む積層部と、当該積層部上に設けられた共振子とを備えたマイクロレゾネータの製造方法であって、前記共振子の上部に前記共振子の重心位置に関して対称に錘を形成する錘形成工程と、前記錘の重さを調整する調整工程とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、共振子の上部に共振子の重心位置に関して対称に錘を形成し、この錘の重さを調整することにより共振子の重さを調整するようにしているため、共振子等の製造誤差があった場合でも共振子の重さを調整することができる。また、共振子の重心位置に関して対称に錘を形成しているため、意図しない共振モードの発生を防止することができ、所望の共振周波数で共振子が共振するマイクロレゾネータを高い歩留まりで、且つ安価に製造することができる。
また、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、前記錘形成工程が、前記積層部上に前記共振子を作りつける導電層を形成する工程と、前記導電層の前記共振子を形成すべき箇所の上部に前記錘を形成する工程と、前記導電層を所定形状にパターニングして前記基板上に前記共振子を形成する工程とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、積層部上に共振子を作りつける導電層を形成し、この導電層の上部であって共振子を形成すべき箇所の上部に錘を形成した後で導電層を所定形状にパターニングして基板上に共振子を形成するようにしているため、基板上において振動可能に構成された共振子の振動に支障をきたすことなく共振子上に錘を形成することができる。また、一度に複数の錘を形成することができるため、スループットの低下を招かずに複数の共振子上に錘を形成することができる。
また、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、前記錘形成工程が、複数設定された目標とする前記共振子の共振周波数の各々に応じて重さが設定された錘を前記共振子の重心位置に関してそれぞれ対称に形成することを特徴としている。
この発明によれば、目標とする共振周波数の各々に応じて重さが設定された錘が共振子上において共振子の重心位置に関してそれぞれ対称となるように形成されるため、錘の重さを調整することにより同一の構造であっても共振周波数が異なるマイクロレゾネータを容易に且つ高い歩留まりで製造することができる。
また、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、前記錘形成工程が、目標とする前記共振子の共振周波数を表す周波数表示部を前記錘の各々に対応させて形成することを特徴としている。
この発明によれば、共振子の共振周波数を表す周波数表示部を錘の各々に対応して形成しているため、重さを調整すべき錘を視認により又は撮像装置で撮像して表示装置に表示させることにより容易に判別することができ、マイクロレゾネータの製造効率を向上させることができる。
また、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、前記錘形成工程が、前記共振子の重心位置の上方に前記共振子の共振周波数を微調整する微調整用錘を形成することを特徴としている。
この発明によれば、共振子の重心位置の上方に微調整用錘を形成しているため、重心位置に関して対称に形成された錘の重さ調整を行って得られる共振周波数が目的とする共振周波数からずれている場合であっても、微調整用錘の重さを調整することにより不要な共振モードを生じさせることなく共振子の共振周波数を目的とする共振周波数に合わせることができる。
また、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、前記調整工程が、目標とする前記共振子の共振周波数に応じて、当該共振周波数に応じて重さが設定された錘を前記共振子の重心位置に関して対称に除去する工程を含むことを特徴としている。
この発明によれば、複数設定された目標とする前記共振子の共振周波数の各々に応じて重さが設定された錘を共振子の重心位置に関して対称に形成しておき、これらの錘のうちから目標とする共振周波数に応じた重さに設定された錘を共振子の重心位置に関して対称に除去することにより共振子上に形成された錘の重さを調整しているため、不要な共振モードを生じさせることなく共振子の共振周波数を目標とする共振周波数に短時間で設定することができる。また、異なる共振周波数を有するマイクロレゾネータを製造する場合には、各々の共振周波数に応じて重さが設定された錘を除去するだけで良いため、製造ラインを変更せずに所望の共振周波数を有するマイクロレゾネータを短時間で製造することができる。
また、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、前記所定の錘の除去が、前記錘に対してレーザを照射して前記所定の錘を蒸散させることにより行われることを特徴としている。
この発明によれば、共振子上に形成された錘に対してレーザを照射して錘を選択的に蒸散させることで錘を除去しているため、錘の除去を短時間で且つ高精度で行うことができ、その結果として所望の共振周波数を有するマイクロレゾネータをスループットの低下を招かずに製造することができる。
また、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、前記調整工程が、前記共振子の重心位置の上方に形成された微調整用錘の重さを微調整する工程を含むことを特徴としている。
この発明によれば、共振子の重心位置の上方に形成された微調整用錘の重さを微調整することによって共振子の共振周波数を微調整しているため、重心位置に関して対称に形成された錘の重さ調整を行って得られる共振周波数が目的とする共振周波数からずれている場合であっても、不要な共振モードを生じさせることなく共振子の共振周波数を目的とする共振周波数に合わせることができる。
また、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、前記微調整用錘の重さの微調整が、前記微調整用錘に対してレーザを照射して前記微調整用錘を選択的に蒸散させることで行われることを特徴としている。
この発明によれば、共振子の重心位置に関して対称に形成された錘を除去する場合と同様にレーザの照射により微調整用錘の重さを微調整しているため、製造ラインを何ら変えることなく共振子の共振周波数を目標とする共振周波数に合わせることができる。
また、本発明のマイクロレゾネータの製造方法は、前記微調整用錘の重さの微調整が、前記共振子を振動させながら前記共振子の共振周波数を計測しつつ行われることを特徴としている。
この発明によれば、共振子を振動させながら共振子の共振周波数を計測しつつ微調整用錘の重さを微調整しているため、極めて高い精度でマイクロレゾネータの共振周波数を所望の共振周波数に合わせることができるため、所望の共振周波数を有するマイクロレゾネータを高い歩留まりで製造することができる。
上記課題を解決するために、本発明のマイクロレゾネータは、シリコン基板と、当該シリコン基板上に形成された少なくとも絶縁膜を含む積層部と、当該積層部上に設けられた共振子とを備えたマイクロレゾネータであって、前記共振子の上部に、前記共振子の重心位置に関して対称に形成された錘を備えることを特徴としている。
この発明によれば、共振子の上部に共振子の重心位置に関して対称に形成された錘を備えているため、共振子自体の重さのばらつきがあっても共振子の重心位置を変えることなく共振子の重さを一定にすることができ、その結果として不要な共振モードを生じさせることなく一定の共振周波数を得ることができる。また、共振子の重さのばらつき以外の共振周波数の変化を引き起こす要因があっても、共振子上に形成された錘によって一定の共振周波数が得られる。
また、本発明のマイクロレゾネータは、前記錘が、目標とする前記共振子の共振周波数に応じて重さが設定された複数の錘を組として、少なくとも一組形成されていることが好ましい。
また、本発明のマイクロレゾネータは、前記共振子の重心位置の上方に、前記共振子の共振周波数を微調整する微調整用錘を備えることを特徴としている。
この発明によれば、共振子の重心位置の上方に微調整用錘が形成されているため、不要な共振モードを生じさせることなく目的とする共振周波数で共振子を共振させることができる。
また、本発明のマイクロレゾネータは、前記錘及び前記微調整用錘が、金(Au)、白金(Pt)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)のうちの何れかの金属で形成されることが好ましい。
これらの金属は半導体素子の配線等を形成する場合にも用いられているため、製造プロセスが確立している上に、共振子に対する密着性が十分に得られる。特に、金(Au)、又は白金(Pt)を用いて錘を形成すれば、共振子等の形成プロセスを何ら変更せずに共振子等を形成することができる。
また、本発明のマイクロレゾネータは、前記共振子の上部に、前記錘の各々に対応して目標とする前記共振子の共振周波数を表す周波数表示部が形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、錘の各々に対応して目標とする共振子の共振周波数を表す周波数表示部が形成されているため、製造されたマイクロレゾネータの共振周波数を視認により又は撮像装置で撮像して表示装置に表示させることにより容易に判別することができる。
また、本発明のマイクロレゾネータは、前記共振子が、前記積層部上に設けられた2組の一対の櫛歯状電極と当該櫛歯状電極を連結する連結部とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、共振子が櫛歯状電極又は櫛歯状電極を連結する連結部を備えているため、錘及び微調整用錘を形成するための領域を十分に確保することができる。また、かかる構成であれば、重心位置が容易に求められるため、重心位置に関して錘を対称に形成し、又は重心位置の上方に微調整用錘を形成する上で好ましい。但し、本発明は、共振子が櫛歯状電極を有する形状のものに限定されることを意図しているわけではなく、櫛歯状電極を有する形状以外に、梁(ビーム)形状又は円板形状を採用することもできる。
本発明の電子機器は、上記の何れかに記載のマイクロレゾネータの製造方法を用いて製造されたマイクロレゾネータ、又は上記の何れかに記載のマイクロレゾネータを備えることを特徴としている。
この発明によれば、半導体素子を製造する技術を用いてシリコン基板上に所望の共振周波数を有するマイクロレゾネータを形成することができるため、マイクロレゾネータを応用したフィルタ及び発振子等を半導体チップ内に集積化することができる。この結果、例えば、発振子、フィルタ、アンプ、混合器、及び検波器等からなる受信回路を1チップ化した半導体素子等の超小型・超高機能の半導体素子が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態によるマイクロレゾネータ及びその製造方法並びに電子機器について詳細に説明する。
〔マイクロレゾネータ〕
図1は、本発明の一実施形態によるマイクロレゾネータを示す平面図であり、図2は、図1中のA−A線に沿った断面矢視図である。図1及び図2に示すマイクロレゾネータ10は、トランスバーサル型のSAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波素子)フィルタと同様な働きをするフィルタとして構成したものである。尚、以下の説明においては、必要があれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。図1及び図2中のXYZ直交座標系は、X軸及びY軸がシリコン基板50の表面に対して平行となるよう設定され、Z軸がシリコン基板50の表面に対して直交する方向に設定されている。
図1に示すマイクロレゾネータ10は、シリコン基板50の表面に形成された酸化膜を含む絶縁膜51上において、X方向に沿って送信側IDT(Inter Digital Transducer)20と受信側IDT30とを配置し、これらの間に共振子40を配置した構成である。送信側IDT20、受信側IDT30、及び共振子40は、例えばシリコン基板50上に形成された導電層としてのポリシリコン(p−SiO)膜を利用して形成される。或いは、SOI(Silicon On Insulator)基板の絶縁膜上に結晶化されているシリコン層を利用して形成される。
送信側IDT20は櫛歯部21を有する固定電極22と櫛歯部23を有する可動電極24とから構成されている。送信側IDT20の固定電極22は、リード線25を介して電極端子26に接続されている。同様に、受信側IDT30は、櫛歯部31を有する固定電極32と櫛歯部33を有する可動電極34とから構成されている。受信側IDT30の固定電極32は、リード線35を介して電極端子36に接続されている。尚、図1中の38は、電極端子26,36に対して共通に設定された接地電極としての電極端子である。
上記の可動電極24と可動電極34とは、X方向延びる連結ビーム41で連結されている。共振子40は、この連結ビーム41、可動電極24,34、及び後述する方形状のフレームからなる梁部42とから構成されている。共振子40は、連結ビーム41の−X方向における端部に連結された可動電極24の櫛歯部23が固定電極22の櫛歯部21と平面的に噛み合うように、且つ連結ビーム41の+X方向における端部に連結された可動電極34の櫛歯部33が固定電極32の櫛歯部31と平面的に噛み合うように、固定電極22と固定電極32との間に配置されている。
また、固定電極22の櫛歯部21と可動電極24の櫛歯部23とは、それぞれ複数の櫛歯が所定の平面上の隙間(櫛歯ギャップ)をもって、シリコン基板50の表面に平行に噛み合っている。同様に、固定電極32の櫛歯部31と可動電極34の櫛歯部33とは、それぞれ複数の櫛歯が所定の平面上の隙間をもって、シリコン基板50の表面に平行に噛み合っている。
可動電極24,34に対して一体的に形成されたフレーム状の梁部42は、梁部42に結合された片持ち梁43によって支持されており、片持ち梁43の支持部44がシリコン基板50上に固定された構造になっている。支持部44は接地電極としての電極端子38と導通しているため、共振子40は電位がほぼ接地電位になる。尚、梁部42の外形形状は、特に方形形状に限定されるものではなく、円形形状、長円形状、紡錘形状等の任意の形状に設定することができる。
図2に示す通り、連結ビーム41はシリコン基板50の絶縁膜51の表面よりも上方(+Z方向)に基板面に対して平行に浮き上がった状態で支持されている。従って、連結ビーム41の両端に連結された櫛歯状の可動電極24,34も同様に基板面に平行に浮き上がった状態に配置される。また、可動電極24,34に噛み合う櫛歯状の固定電極22,32も櫛歯の部分が基板面に平行に浮き上がった状態に支持されている。
可動電極24,34及び固定電極22,32の浮上高さ、即ち、シリコン基板50上に形成された絶縁膜51との間隔は2〜3μm程度である。尚、図2において、ポリシリコン等で形成された電極端子26,36及びリード部25,35と絶縁膜51との間の層52は、櫛歯状の固定電極22,32と可動電極24,34との櫛歯部を基板面に平行に浮き上がった構成に形成する際の製造工程において設けられた犠牲層である。
本実施形態のマイクロレゾネータ10は、図1及び図2に示す通り、共振子40の一部をなす連結ビーム41上に複数の錘45を備える。これらの錘45は、共振子40の共振周波数を調整するために形成されたものであり、図1及び図2に示す例では、連結ビーム41上に、連結ビーム41の長手方向(X方向)に沿って配列形成されている。
図3は、共振子40上に形成された錘45の拡大図である。尚、図3においては、共振子40の共振周波数が40kHzに設定された場合の構成を図示している。図3に示す通り、錘45は、第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、第3錘48a,48b、及び微調整用錘49からなる。第1錘46a,46bは、共振子40の共振周波数を40kHzに設定するために形成された錘であり、これらが組となって共振子40の重心位置に関して対称となるようX方向に沿って配置されている。
また、第2錘47a,47bは、共振子40の共振周波数を60kHzに設定するために形成された錘であり、これらが組となって共振子40の重心位置に関して対称となるようX方向に沿って配置されている。但し、第2錘47a,47bは、第1錘46aと第1錘46bとによって挟まれる位置に配置されている。同様に、第3錘48a,48bは、共振子40の共振周波数を80kHzに設定するために形成された錘であり、これらが組となって共振子40の重心位置に関して対称となるようにX方向に沿って配置され、且つ第2錘47aと第2錘47bとによって挟まれる位置に形成されている。
微調整用錘49は、共振子40の共振周波数を微調整するために形成された錘であり、共振子40の重心位置の上方(共振子40の重心位置の+Z方向)に配置されている。上述した通り、第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、及び第3錘48a,48bは、共振子40の共振周波数を所定の値(40kHz、60kHz、80kHz)とするためのものであるが、共振子40の共振周波数は、共振子40自体の重さのばらつき、又は共振子40の一部をなす梁部42のバネ定数のばらつきが原因で変化する。微調整用錘49は、これらのばらつきに起因する共振周波数のずれを微調整するために設けられる。
ここで、第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、第3錘48a,48bの各々の組が共振子40の中心位置に関して対称となるように形成されているのは、共振子40の重心位置を変えることなく共振子40の共振モードをX方向に沿って振動する共振モードのみにし、共振子40の回転(例えば、Y軸回りの回転)による共振モード又は共振子40のねじれによる共振モードを抑制するためである。また、同様の理由により微調整用錘49は共振子40の重心位置の上方に形成されている。
また、第1錘46aに対応してマークm11,m12が形成され、第2錘47aに対応してマークm21,m22が形成され、第3錘48aに対応してマークm31,m32が形成されている。同様に、第1錘46bに対応してマークm13,m14が形成され、第2錘47bに対応してマークm23,m24が形成され、第3錘48bに対応してマークm33,m34が形成されている。
マークm11〜m14は、第1錘46a,46bが共振子40の共振周波数を40kHzにするための錘である旨を表示するマークであり、その平面形状は数字「40」を形取った形状に形成されている。マークm21〜m24は、第2錘47a,47bが共振子40の共振周波数を60kHzにするための錘である旨を表示するマークであり、その平面形状は数字「60」を形取った形状に形成されている。同様に、マークm31〜m34は、第3錘48a,48bが共振子40の共振周波数を80kHzにするための錘である旨を表示するマークであり、その平面形状は数字「80」を形取った形状に形成されている。
錘45及びマークm11〜m34は、金(Au)、白金(Pt)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)等の金属によって形成されている。これらの金属は半導体素子の配線等を形成する場合にも用いられており、製造プロセスが確立しているために形成が容易である上に、共振子に対する密着性が十分に得られる。尚、上述した第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、第3錘48a,48bの形状、重さ、及び共振子40(連結ビーム41)上における形成位置、並びに微調整用錘49の形状及び重さは、目標とする共振子40の共振周波数に応じて設定されている。
但し、第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、第3錘48a,48b各々の重さは、対応して形成されているマークの重さを考慮して、対応するマークの重さを差し引いた重さに設定されている。また、微調整用錘49と第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、第3錘48a,48bと区別することができるように、微調整用錘49の形状はこれらの錘の形状とは異なる形状に設定することが好ましい。
図1〜図3においては、共振子40の共振周波数が40kHzに設定されたマイクロレゾネータ10を図示しているが、共振子40の共振周波数を60kHzに設定するには、第1錘46a,46b及び第1錘46a,46bに対応して形成されているマークm11〜m14を除去し、共振子40の重心に対して最も遠い位置に配置される錘が第2錘47a,47bとなるようにする。
また、共振子40の共振周波数を80kHzに設定するには、第1錘46a,46b及び第1錘46a,46bに対応して形成されているマークm11〜m14並びに第2錘47a,47b及び第2錘47a,47bに対応して形成されているマークm21〜m24を除去し、共振子40の重心に対して最も遠い位置に配置される錘が第3錘48a,48bとなるようにする。このように、共振子40の重心に関して錘を対称に除去することにより、共振子40の共振周波数を目標とする共振周波数に設定することができる。
尚、錘を除去する際に併せてその錘に対応して形成されているマークも除去される。このため、共振子40の重心に対して最も遠い位置に配置される錘に対応して形成されているマークを視認により読み取り、又はCCD(Charge Coupled Device)等の撮像装置で撮像してCRT(Cathod Ray Tube)又は液晶表示装置等の表示装置に表示させることによりマイクロレゾネータ10の共振周波数を容易に判別することができる。
以上説明した構成のマイクロレゾネータ10を、例えば発振子として用いる場合には、櫛歯状の固定電極22の電極端子26と接地電極としての電極端子38との間に交流電圧を印加する。これらの電極端子間に交流電圧を印加すると、固定電極22の櫛歯部21と可動電極24の櫛歯部23との間に静電引力が発生する。これによって可動電極24が、櫛歯の噛み合い方向(櫛歯の長さ方向、即ちX方向)にバネ性を有する梁部42を介して引き押しされて振動する。この振動は可動電極24と一体化されたバネ性を持つ梁部42に伝達され、他方の同様に固定電極32の櫛歯部31と噛み合い状態にある櫛歯部33を備える可動電極34がX方向に振動する。
入力側である一方の櫛歯状の固定電極22と可動電極24との間で発生した振動が、共振子40の固有振動数に達すると、共振子40はその振動数で共振する。共振子40が共振することによって、他方の櫛歯部31を有する固定電極32に接続された電極端子36から、その固有振動数に応じた発振周波数を有する電気信号が出力される。発振周波数(共振周波数)は、可動電極24,34を含む共振子40の質量と梁部42のバネ定数で定まる変位に対する復元力(梁部42の弾性力)とによって定まる。ここで、共振子40の質量をmとし、梁部42のバネ定数をkとすると、固定電極32から出力される電気信号の発振周波数fは以下の(1)式で表される。
=(1/(2・π))・(k/m)1/2 ……(1)
また、マイクロレゾネータ10をフィルタとして用いる場合には、図4に示す通り、共振子40の固有振動数fを中心とした共振幅Wの通過帯域幅を有するフィルタとして用いられる。図4は、マイクロレゾネータ10をフィルタとして用いる場合の通過特性の一例を示す図である。マイクロレゾネータ10をフィルタとして用いる場合には、櫛歯状の固定電極22の電極端子26と接地電極としての電極端子38との間に交流電圧が印加される。
これらの電極端子間に印加された交流電圧の周波数が、図4に示す帯域幅Wに含まれる周波数であれば、共振子40が静電力によってX方向に振動して、その周波数を有する電気信号が電極端子36から出力される。一方、帯域幅Wに含まれない周波数の交流電圧が入力された場合には、共振子30が共振しない。この結果として、その周波数は除去される。このような動作によりマイクロレゾネータ10がフィルタとして用いられる。
以上説明した本発明の一実施形態によるマイクロレゾネータ10は、共振子40が櫛歯部23を有する可動電極24及び櫛歯部33を有する可動電極34を備え、可動電極24,34を挟むように櫛歯部21を有する固定電極22及び櫛歯部31を有する固定電極32が配置され、可動電極24,34を連結する連結ビーム41上に錘45が重心位置に関して対称に形成された形態であった。マイクロレゾネータ10の共振子の形態は、かかる形態以外に梁(ビーム)形状又は円板形状の形態のものを採用することができる。これらの形態のものを採用した場合であっても、共振子の重心位置に関して重さの異なる組の錘を対称に複数組形成するとともに重心位置の上方に微調整用錘を形成し、共振子の重心に関して所定の錘を対称に除去することで、共振子の共振周波数を所望の共振周波数に設定することができる。
〔マイクロレゾネータの製造方法〕
図5及び図6は、本発明の一実施形態によるマイクロレゾネータの製造方法を示す工程図である。尚、図5及び図6において、図1〜図3に示した部材と同一の部材には同一の符号を付してある。まず、図5(a)に示す通り、シリコン基板50上に二酸化珪素(SiO)からなる酸化膜51aを形成する。上記シリコン基板50は両面が研磨されており、厚さが約500μm程度である。また、酸化膜51aは減圧気相成長(減圧CVD(Chemical Vapor Deposition))法を用いて形成され、その厚さは0.1μm程度である。
次に、酸化膜51a上に厚さ0.5μm程度の窒化膜(Si)51bを形成する。この窒化膜51bも減圧CVD法を用いて形成される。尚、これらの酸化膜51a及び窒化膜51bから図1及び図2に示した絶縁膜51が形成されている。窒化膜51bを形成すると、次に窒化膜51b上にSiOからなり、厚さが2μm程度の犠牲層52を形成する工程が行われる。これらの層により本発明の積層部が構成されている。尚、図2に示したマイクロレゾネータ10においても窒化膜51bが設けられているが、図2においては図示を省略している。
以上の工程が終了すると、犠牲層52の上面の全面に亘ってフォトレジスト(不図示)を塗布し、このフォトレジストに対して露光処理及び現像処理を行って所定形状のレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして犠牲層52に対してエッチング処理を行うことにより、図5(b)に示す通り、固定電極22,32となるべき箇所及び支持部44となるべき箇所(図1参照)の犠牲層52を除去する。
エッチング処理が完了し、犠牲層52上に形成されているレジストパターンを剥離すると、図5(c)に示す通り、犠牲層52及び露出している窒化膜51b上の全面に亘って厚さが2.0μm程度の導電層としてのポリシリコン(p−SiO)膜60を形成する工程が行われる。ポリシリコン膜60の形成が完了すると、図5(d)に示す通り、ポリシリコン膜60上の全面に亘って金属膜61を形成する工程が行われる。ここで、金属膜61は、金(Au)、白金(Pt)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)の何れかで形成され、例えば蒸着法又はスパッタリング法を用いて形成される。尚、金属膜61の厚みは、図1〜図3に示した錘45の重さに応じて適宜設定される。
次に、金属膜61の上面の全面に亘ってフォトレジスト(不図示)を塗布し、このフォトレジストに対して露光処理及び現像処理を行って所定形状のレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして金属膜61に対してエッチング処理を行うことにより、図6(a)に示す通り、共振子40の連結ビーム41となるべき箇所(必要であれば、可動電極24,34となるべき箇所)の上部に錘45を形成する。
この処理によって、図3に示す通り、共振子40の重心位置に関して対称に配置された第1錘46a,46bの組、第2錘47a,47bの組、第3錘48a,48bの組が形成される。また、共振子40の重心位置の上方に微調整用錘が形成される。更に、第1錘46a,46bに対応してマークm11〜m14が形成され、第2錘47a,47bに対応してマークm21〜m24が形成され、第3錘48a,48bに対応してマークm31〜m34が形成される。このように、本実施形態では一つの工程で錘45(第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、第3錘48a,48b、及び微調整用錘49)及びマークm11〜m34が形成されている。尚、錘45に含まれる微調整用錘49の重さは、共振子45重さのばらつきを考慮して目標とする共振周波数の各々が得られる重さよりも僅かに重めに設計して形成しておくことが好ましい。
錘45の形成が完了すると、錘45の形成に用いたフォトレジストを剥離した後で、再度ポリシリコン膜60上に不図示のフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して露光処理及び現像処理を行って所定形状のレジストパターンを形成する。レジストパターンを形成すると、ポリシリコン膜60に対してエッチング処理を行い、最終的に固定電極22,32、共振子40(連結ビーム41、可動電極24,34、及び梁部42)、片持ち梁43、電極端子26,36,38、及びリード部25,35となるべき部分を残し、それ以外の部分を除去する。エッチング処理を終えて、ポリシリコン膜60上に形成されているレジストパターンを除去すると、図6(b)に示す状態になる。
以上の工程が終了すると、固定電極22の櫛歯部21、固定電極32の櫛歯部31、共振子40(可動電極24,34、連結ビーム41、及び梁部42)、及び片持ち梁43の下方の犠牲層52をエッチングにより除去する。このようなエッチングは、エッチング時間を制御することにより可能である。かかるエッチングを行うことで、図6(c)に示す通り、シリコン基板50上(窒化膜51b上)において、2〜3μm程度の間隔をもって浮上した状態にある共振子40を形成することができる。
以上説明した通り、本実施形態においては、導電層としてのポリシリコン膜60を形成し、共振子40の連結ビーム41となるべき箇所(必要であれば、可動電極24,34となるべき箇所)の上部に錘45を形成した後で、ポリシリコン膜60を所定形状にパターニングするとともに犠牲層52をエッチングして共振子40を形成している。かかる方法で共振子40を形成することにより、共振子40の振動に支障をきたすことなく共振子40上に錘45を形成することができる。
また、錘45(第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、第3錘48a,48b、及び微調整用錘49)及びマークm11〜m34を一度に形成することができるため、スループットの低下を招くことはない。また、複数の共振子40上に錘45及びマークm11〜m34を形成する場合であってもスループットの低下を招かずに錘45を形成することができる。
尚、以上の説明では、ポリシリコン膜60上の全面に亘って金属膜61を形成し、エッチングにより錘45及びマークm11〜m34を形成していたが、錘45及びマークm11〜m34の形成はこの形成方法に限定されるものではない。例えば、ポリシリコン膜60上に蒸着又はスパッタにより金属を蒸着する際に、マスクを用いて選択的に共振子40の連結ビーム41となるべき箇所に金属を蒸着することで錘45及びマークm11〜m34を形成しても良い。かかる形成方法を用いる場合には、共振子40を形成した後、つまりポリシリコン膜60をパターニングするとともに、共振子40となるべき箇所の下方の犠牲層52をエッチングした後で、共振子40上に錘45を形成することもできる。
上部に錘45を有する共振子40の形成が完了すると、共振子40の共振周波数を60kHzに設定する場合には第1錘46a,46b及びマークm11〜m14を除去する工程が行われ、共振子40の組を80kHzに設定する場合には第1錘46a,46b及びマークm21〜m24並びに第2錘47a,47b及びマークm31〜m34を除去する工程が行われる。
ここでは、第1錘46a,46b及びマークm11〜m14を除去して共振子40の共振周波数を60kHzに設定する場合について説明する。第1錘46a,46b及びマークm11〜m14を除去するときには、まず共振子40上に形成されたマークm11〜m34を読み取り、第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、及び第3錘48a,48bの各々によって設定される発振周波数を確認する。
尚、マークm11〜m34の読み取りは、作業者が視認により読み取り、又は撮像装置で撮像して表示装置に表示させ、その表示内容から作用者が読み取っても良く、撮像装置の撮像結果に対して画像処理を施して自動的に読み取るようにしても良い。本実施形態においては、図3に示す通り、−X方向から+X方向に沿って、又は+X方向から−X方向に沿って順に「40」、「60」、「80」、「80」、「60」、「40」と読み取られる。
マークm11〜m34の読み取りが完了すると、次に、設定すべき共振周波数(60kHz)を表しているマークm21,m22に対応している第2錘47a及びマークm23,m24に対応している第2錘47bよりも外側に形成されている第1錘46a,46b及びこれらに対応して形成されているマークm11〜m14を除去する工程が行われる。図7は、共振周波数が60kHzに設定された共振子40上の錘45を示す図である。錘46a,46bは共振子40の重心に関して対称に形成されているため、これらを除去すると共振子40上の錘が共振子40の重心に関して対称に除去されることになる。尚、何れの錘及びマークを除去するかは、コンピュータに対して予め目的とする共振周波数を設定しておき、この共振周波数と上記の画像処理による自動読み取り結果とからコンピュータに自動的に判断させることが望ましい。また、この判断結果に基づいて除去すべき錘及びマークが自動的に除去されるようにすることが望ましい。
この工程では、第1錘46a,46b及びマークm11〜m14に対して強度の高いレーザ光を順次照射して選択的に蒸散させることにより、第1錘46a,46b及びマークm11〜m14の除去を行うことが望ましい。この方法は、第1錘46a,46b及びマークm11〜m14の除去を短時間で且つ高精度で行うことができる。このため、スループットの低下を招くことはない。尚、共振子40の共振周波数を80kHzに設定する場合にも同様の工程が行われて、第1錘46a,46b及びマークm21〜m24並びに第2錘47a,47b及びマークm31〜m34が除去される。共振子40の共振周波数を60kHz又は80kHzに設定する場合には錘を除去する工程が行われるが、共振子40の共振周波数を40kHzに設定する場合には、この工程は省略される。
次に微調整用錘49の重さを調整する工程が行われる。図8は、微調整用錘49の重さを調整する工程の様子を示す図である。図8に示す通り、レーザ70から射出されるレーザ光を微調整用錘49に照射し、微調整用錘49を選択的に蒸散させることで微調整用錘49の重さを微調整する。微調整用錘49の重さの調整量は、形成された共振子40の重さのばらつき及び片持ち梁43のバネ定数に応じて変化する。このため、本実施形態では共振子40を振動させながら共振子40の共振周波数を計測しつつ微調整用錘49の重さの調整を行っている。
共振子40を振動させながら共振子40の共振周波数を計測するために、図8に示す通り、アンプ71、センサヘッド72、レーザドップラー振動計73、及び周波数アナライザ74からなる計測装置を用いる。アンプ71は周波数アナライザ74の信号出力端(signal)から出力される所定の周波数(共振子40に設定された共振周波数又はその近傍の周波数)を有する交流信号を所定の増幅率で増幅して電極端子36に与えるものである。
センサヘッド72は、例えばHe−Neレーザ等の光源を備えており、この光源から射出されるレーザ光を共振子40に設けられた可動電極24の櫛歯部23に照射し、その反射光と基準光とを干渉させて得られる干渉光を受光して光電変換した受光信号を出力する。尚、センサヘッド72から射出されるレーザ光の強度は、レーザ70から射出されるレーザ光の強度より遙かに低く設定されており、レーザ光の照射によって可動電極24の重さが変化する等の影響は生じない。
レーザドップラー振動計73は、センサヘッド72から出力される受光信号を周波数変調することにより、共振子40の振動周波数・振動速度を検出した検出信号を出力する。周波数アナライザ74は、周波数が可変である交流信号を出力するとともに、レーザドップラー振動計73から出力されて入力端(ch1)に入力される検出信号と、信号出力端(signal)から出力されて入力端(ch2)に入力される交流信号とを用いて共振子40の共振周波数を求め、その結果を視覚的にCRT(Cathod Ray Tube)又は液晶表示装置等の表示装置75に表示する。
以上の構成において、共振子40上の微調整用錘49の重さの調整は、例えば以下の手順で行う。まず、レーザ70からのレーザ光を微調整用錘49に照射しない状態で共振子40の共振周波数を計測する。この計測のために、周波数アナライザ74の信号出力端(signal)から所定の周波数の電気信号を出力させてアンプ71で増幅した後で電極端子36に印加する。また、センサヘッド72からレーザ光を共振子40に設けられた可動電極24の櫛歯部23に照射する。
電極端子36に印加された電気信号の周波数が共振子40の共振周波数から離れた周波数であれば、共振子40の振幅が小さいため、レーザドップラー振動計73から出力される検出信号のうちの振動速度を示す信号の値は小さくなる。一方、電極端子36に印加された電気信号の周波数が共振子40の共振周波数に近づけば、共振子40の振幅が大きくなるため、レーザドップラー振動計73から出力される検出信号のうちの振動速度を示す信号の値は大きくなる。
このような計測を、周波数アナライザ74の信号出力端から出力される電気信号の周波数を変えつつ行う。これにより、微調整用錘49の重さを調整していない状態における共振子40の共振周波数が測定される。前述した通り、微調整用錘49は目標とする共振周波数が得られる重さよりも僅かに重めに形成されるため、以上の測定で得られる共振周波数は、目標とする共振周波数よりも低い値になる。
次に、周波数アナライザ74の信号出力端からの電気信号が電極端子36に印加されている状態で、レーザ70から射出されるレーザ光を微調整用錘49に照射し、微調整用錘49を選択的に蒸散させる。このとき、センサヘッド72からのレーザ光を共振子40に設けられた可動電極24の櫛歯部23に照射して常時共振子40の共振周波数を計測する。尚、共振子40の共振周波数を測定するためには、周波数アナライザ74からの電気信号の周波数を変化させる必要があるため時間を要する。このため、計測が終了するまではレーザ70の照射を停止することが望ましい。勿論、微調整用錘49の蒸散量が少なければ、レーザ70を照射しつつ共振周波数の計測を行うことができる。
このように、レーザ70からのレーザ光を微調整用錘49に照射して微調整用錘49を選択的に蒸散させつつ共振子40の共振周波数を計測する動作を繰り返し、計測される共振子40の共振周波数が目標とする共振周波数まで高くなったとなったときに、レーザ70からのレーザ光の照射を停止する。微調整用錘49は、共振子40の重心位置の上方に形成されているため、微調整用錘49の重さを変化させても不要な振動モードを発生すくことなく、目標とする共振周波数を有する共振子40を備えるマイクロレゾネータ10が得られる。
本実施形態では、共振子40の構造は同一構造であるが、異なる発振周波数を有するマイクロレゾネータ10を短時間で製造することができる。ここで、第1錘46a,46b、第2錘47a,47b、マークm11〜m14、及びマークm21〜m24の除去を図8に示すレーザ70を用いて行うようにすれば、製造ラインを全く変更することなく錘の除去及び微調整用錘49の重さの微調整を行うことができる。
以上説明した本実施形態のマイクロレゾネータの製造方法によれば、この発明によれば、共振子40の上部に共振子40の重心位置に関して対称に錘45を形成し、この錘45の重さを調整することにより共振子40の重さを調整するようにしているため、共振子40等の製造誤差があった場合でも共振子40の重さを調整することができる。また、共振子40の重心位置に関して対称に錘45を形成しているため、意図しない共振モードの発生を防止することができ、所望の共振周波数で共振子40が共振するマイクロレゾネータ10を高い歩留まりで、且つ安価に製造することができる。
また、錘45の重さの微調整は、共振子40上に形成された微調整用錘49に対してレーザを照射して微調整用錘49を選択的に蒸散させているため、微調整用49の重さの調整を短時間で且つ高精度で行うことができ、その結果として目標とする共振周波数を有するマイクロレゾネータ10をスループットの低下を招かずに製造することができる。更に、共振子40を振動させながら共振子40の共振周波数を計測しつつ微調整用錘49の重さを調整しているため、確実にマイクロレゾネータの共振周波数を目標とする共振周波数に調整することができる。これにより、高い歩留まりで目標とする共振周波数を有するマイクロレゾネータ10を製造することができる。以上説明した製造方法は、梁(ビーム)形状又は円板形状の共振子を有するマイクロレゾネータを製造する場合にも同様に適用することができる。
尚、上記実施形態においては、シリコン基板50上に酸化膜51a及び窒化膜51bからなる絶縁膜51を形成し、この絶縁膜51上に犠牲層52を形成し、更に犠牲層52上にポリシリコン膜60を形成して、ポリシリコン膜60に共振子40及び固定電極22,32等を形成していた。しかしながら、SOI基板を用いてこれらを形成することもできる。SOI基板を用いる場合には、SOI基板に形成された縁膜上に結晶化されているシリコン層を利用して共振子40及び固定電極22,32等を形成し、絶縁膜を上記の犠牲層52と同様にエッチングすることにより、シリコン基板に対して共振子40及び固定電極22,32が浮上した状態にすることができる。
以上説明した本発明の一実施形態によるマイクロレゾネータ10は、共振子40が櫛歯部23を有する可動電極24及び櫛歯部33を有する可動電極34を備え、可動電極24,34を挟むように櫛歯部21を有する固定電極22及び櫛歯部31を有する固定電極32が配置され、可動電極24,34を連結する連結ビーム41上に錘45が形成された形態であった。マイクロレゾネータ10の共振子の形態は、かかる形態以外に梁(ビーム)形状又は円板形状の形態のものを採用することができる。これらの形態のものを採用した場合であっても、共振子上に共振子の重心位置に対して対称に錘を形成するとともに共振子の重心位置の上方に微調整用錘を形成することができ、且つ共振子の重心位置に対して対称に錘を除去して共振子の共振周波数を設定するとともに微調整用錘の重さを微調整することで共振子の共振周波数を微調整することができる。
更に、上記実施形態では、共振子40の共振周波数を計測するために、センサヘッド72、レーザドップラー振動計73、及び周波数アナライザ74を用いていた。高い精度で共振子40の共振周波数を計測するにはこれらを用いて計測することが望ましい。しかしながら、共振子40の共振周波数の計測方法はこれに限られる訳ではない。例えば、共振子40の振動に起因して生ずる固定電極22と可動電極24との間の電気容量変化又は固定電極32と可動電極34との間の電気容量変化を検出することで共振子40の共振周波数を計測することもできる。
また更に、上記実施形態においては、マークm11〜m34を錘45と同様の金属によって共振子40(連結ビーム41)上に形成していたが、錘45とは別にマークm11〜m34に相当するマークを形成することもできる。例えば、図5(d)に示す金属膜61をエッチングするときに錘45のみを形成し、図6(a)に示すポリシリコン膜60をエッチングするときにマークマークm11〜m34に相当するマークをエッチングにより形成する。かかる方法でマークを形成する場合には、マークのエッチング深さが深くなりすぎないよう注意する必要がある。また、エッチングによりマークを形成すると、エッチングされた分だけ形成される共振子40の重さが軽くなるが、ポリシリコン膜60比重は錘45を形成する金属の比重よりも遙かに小さいため、錘45(微調整用錘45)の重さを微調整することでエッチングでのマーク形成による共振子40の重さの変化を補償することができる。
〔電子機器〕
図9は、本発明の一実施形態による電子機器としての腕時計の外観を示す斜視図である。図9に示す腕時計100は、発振子として上述したマイクロレゾネータ10を備えている。このマイクロレゾネータ10の発振周波数は、例えば32kHz程度に設定されている。現在一般に設けられている腕時計は発振子としてクオーツ(水晶)発振子を備えるものが多いが、マイクロレゾネータ10を発振子として用いることにより、腕時計100の更なる小型・軽量化を図ることができる。
図10は、本発明の他の実施形態による電子機器としての携帯電話機の外観を示す斜視図である。図10に示す携帯電話機200は、アンテナ201、受話器202、送話器203、液晶表示部204、及び操作釦部205等を備えて構成されている。上述したマイクロレゾネータ10は、携帯電話機200が備える計時機能を実現するための発振子として用いられる。
また、前述した実施形態では、共振周波数が数十〜百kHz程度の範囲に設定されたマイクロレゾネータ10について説明したが、共振子の構造を変えることにより数百MHzの発振周波数を有するマイクロレゾネータとすることができる。このマイクロレゾネータにおいても共振子の重心位置に関して錘が対称に形成されるとともに、共振子の重心位置の上方に微調整用錘が形成されている。
数百MHzの発振周波数を有するマイクロレゾネータは、例えば図10に示した携帯電話機200の送受信回路に設けられる。図11は、図10に示した携帯電話機200の内部に設けられる電子回路の電気的構成を示すブロック図である。図11に示した電子回路は、携帯電話機200内に設けられる電子回路の基本構成を示し、送話器210、送信信号処理回路211、送信ミキサ212、送信フィルタ213、送信電力増幅器214、送受分波器215、アンテナ216a,216b、低雑音増幅器217、受信フィルタ218、受信ミキサ219、受信信号処理回路220、受話器221、周波数シンセサイザ222、制御回路223、及び入力/表示回路224を含んで構成される。尚、現在実用化されている携帯電話機は、周波数変換処理を複数回行っているため、その回路構成はより複雑となっている。
送話器210は、例えば音波を電気信号に変換するマイクロフォン等で実現され、図10中の送話器203に相当するものである。送信信号処理回路211は、送話器210から出力される電気信号に対して、例えばD/A変換処理、変調処理等の処理を施す回路である。送信ミキサ212は、周波数シンセサイザ222から出力される信号を用いて送信信号処理回路211から出力される信号をミキシングする。尚、送信ミキサ212に供給される信号の周波数は、例えば380MHz程度である。送信フィルタ213は、中間周波数(IF)の必要となる周波数の信号のみを通過させ、不要となる周波数の信号をカットする。尚、送信フィルタ213から出力される信号は不図示の変換回路によりRF信号に変換される。このRF信号の周波数は、例えば1.9GHz程度である。送信電力増幅器214は、送信フィルタ213から出力されるRF信号の電力を増幅し、送受分波器215へ出力する。
送受分波器215は、送信電力増幅器214から出力されるRF信号をアンテナ216a,216bへ出力し、アンテナ216a,216bから電波の形で送信する。また、送受分波器215はアンテナ216a,216bで受信した受信信号を分波して、低雑音増幅器217へ出力する。尚、送受分波器215から出力される受信信号の周波数は、例えば2.1GHz程度である。低雑音増幅117は送受分波器215からの受信信号を増幅する。尚、低雑音増幅器217から出力される信号は、不図示の変換回路により中間信号(IF)に変換される。
受信フィルタ218は不図示の変換回路により変換された中間周波数(IF)の必要となる周波数の信号のみを通過させ、不要となる周波数の信号をカットする。受信ミキサ219は、周波数シンセサイザ222から出力される信号を用いて送信信号処理回路211から出力される信号をミキシングする。尚、受信ミキサ219に供給される中間周波数は、例えば190MHz程度である。受信信号処理回路220は受信ミキサ219から出力される信号に対して、例えばA/D変換処理、復調処理等の処理を施す回路である。受話器221は、例えば電気信号を音波に変換する小型スピーカ等で実現され、図10中の受話器202に相当するものである。
周波数シンセサイザ222は送信ミキサ212へ供給する信号(例えば、周波数380MHz程度)及び受信ミキサ219へ供給する信号(例えば、周波数190MHz)を生成する回路である。尚、周波数シンセサイザ222は、例えば760MHzの発振周波数で発振するPLL回路を備え、このPLL回路から出力される信号を分周して周波数が380MHzの信号を生成し、更に分周して周波数が190MHzの信号を生成する。制御回路223は、送信信号処理回路211、受信信号処理回路220、周波数シンセサイザ222、及び入力/表示回路224を制御することにより携帯電話機の全体動作を制御する。入力/表示回路224は、携帯電話機200の使用者に対して機器の状態を表示するとともに操作者の指示を入力するためのものであり、例えば図10に示した液晶表示部204及び操作釦部205に相当する。
以上の構成の電子回路において、送信フィルタ213及び受信フィルタ218として前述したマイクロレゾネータ(発振周波数が数百MHz程度に設定されたマイクロレゾネータ)が用いられている。これら送信フィルタ213及び受信フィルタ218がフィルタリングする周波数(通過させる周波数帯域)は、送信ミキサ212から出力される信号の内の必要となる周波数、及び、受信ミキサ219で必要となる周波数に応じて送信フィルタ213及び受信フィルタ218で個別に設定されている。
また、周波数シンセサイザ222内に設けられるPLL回路の一部として前述したマイクロレゾネータ(発振周波数が数百MHz程度に設定されたマイクロレゾネータ)が用いられている。尚、送信フィルタ213と送信電力増幅器214との間及び低雑音増幅器217と受信フィルタ218との間に設けられる不図示の変換回路にも上述したマイクロレゾネータが用いられている。
送信フィルタ213及び受信フィルタ218並びに周波数シンセサイザ222等に相当する従来の部品は、受信ミキサ219等と集積化することはできなかったため、集積化された受信ミキサ219等とは別個の部品として基板上に搭載されていた。これに対し、図11に示す電子回路では、送信フィルタ213及び受信フィルタ218並びに周波数シンセサイザ222等にマイクロレゾネータが用いられているため、受信ミキサ219等と一緒に集積化することができ、その結果として携帯電話機200の小型化・軽量化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態によるマイクロレゾネータ及びその製造方法並びに電子機器について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば上記実施形態においては電子機器として携帯電話機及び腕時計を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の電子機器は携帯電話機及び腕時計に限定される訳ではなく、計時機能を有するコンピュータ、電波時計、ディジタルカメラ、各種の家電製品等の種々の電子機器が含まれる。
また、携帯電話機等の携帯性を有する電子機器のみならずBS放送及びCS放送を受信するチューナ等の据置状態で使用される通信機器も含まれる。更には、通信キャリアとして空中を伝播する電波を使用する通信機器のみならず、同軸ケーブル中を伝播する高周波信号又は光ケーブル中を伝播する光信号を用いるHUB等の電子機器も含まれる。これらの電子機器は、所定の周波数をフィルタリングするため、及び計時機能を実現するためにマイクロレゾネータが用いられる。
本発明の一実施形態によるマイクロレゾネータを示す平面図である。 図1中のA−A線に沿った断面矢視図である。 共振子40上に形成された錘45の拡大図である。 マイクロレゾネータ10をフィルタとして用いる場合の通過特性の一例を示す図である。 本発明の一実施形態によるマイクロレゾネータの製造方法を示す工程図である。 本発明の一実施形態によるマイクロレゾネータの製造方法を示す工程図である。 共振周波数が60kHzに設定された共振子40上の錘45を示す図である。 微調整用錘49の重さを調整する工程の様子を示す図である。 本発明の一実施形態による電子機器としての腕時計の外観を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態による電子機器としての携帯電話機の外観を示す斜視図である。 図10に示した携帯電話機200の内部に設けられる電子回路の電気的構成を示すブロック図である。
符号の説明
10……マイクロレゾネータ
24……可動電極(櫛歯状電極)
34……可動電極(櫛歯状電極)
40……共振子
45……錘
46a,46b……第1錘
47a,47b……第2錘
48a,48b……第3錘
49……微調整用錘
50……シリコン基板
51……絶縁膜(積層部)
51a……酸化膜(積層部)
51b……窒化膜(積層部)
52……犠牲層(積層部)
60……ポリシリコン膜(導電層)
m11〜m14……マーク(周波数表示部)
m21〜m24……マーク(周波数表示部)
m31〜m34……マーク(周波数表示部)

Claims (17)

  1. シリコン基板と、当該シリコン基板上に形成された少なくとも絶縁膜を含む積層部と、当該積層部上に設けられた共振子とを備えたマイクロレゾネータの製造方法であって、
    前記共振子の上部に前記共振子の重心位置に関して対称に錘を形成する錘形成工程と、
    前記錘の重さを調整する調整工程と
    を含むことを特徴とするマイクロレゾネータの製造方法。
  2. 前記錘形成工程は、前記積層部上に前記共振子を作りつける導電層を形成する工程と、
    前記導電層の前記共振子を形成すべき箇所の上部に前記錘を形成する工程と、
    前記導電層を所定形状にパターニングして前記基板上に前記共振子を形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項1記載のマイクロレゾネータの製造方法。
  3. 前記錘形成工程は、複数設定された目標とする前記共振子の共振周波数の各々に応じて重さが設定された錘を前記共振子の重心位置に対してそれぞれ対称に形成することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマイクロレゾネータの製造方法。
  4. 前記錘形成工程は、目標とする前記共振子の共振周波数を表す周波数表示部を前記錘の各々に対応させて形成することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のマイクロレゾネータの製造方法。
  5. 前記錘形成工程は、前記共振子の重心位置の上方に前記共振子の共振周波数を微調整する微調整用錘を形成することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のマイクロレゾネータの製造方法。
  6. 前記調整工程は、目標とする前記共振子の共振周波数に応じて、当該共振周波数に応じて重さが設定された錘を前記共振子の重心位置に関して対称に除去する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のマイクロレゾネータの製造方法。
  7. 前記所定の錘の除去は、前記錘に対してレーザを照射して前記所定の錘を蒸散させることにより行われることを特徴とする請求項6記載のマイクロレゾネータの製造方法。
  8. 前記調整工程は、前記共振子の重心位置の上方に形成された微調整用錘の重さを微調整する工程を含むことを特徴とする請求項5記載のマイクロレゾネータの製造方法。
  9. 前記微調整用錘の重さの微調整は、前記微調整用錘に対してレーザを照射して前記微調整用錘を選択的に蒸散させることで行われることを特徴とする請求項8記載のマイクロレゾネータの製造方法。
  10. 前記微調整用錘の重さの微調整は、前記共振子を振動させながら前記共振子の共振周波数を計測しつつ行われることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のマイクロレゾネータの製造方法。
  11. シリコン基板と、当該シリコン基板上に形成された少なくとも絶縁膜を含む積層部と、当該積層部上に設けられた共振子とを備えたマイクロレゾネータであって、
    前記共振子の上部に、前記共振子の重心位置に関して対称に形成された錘を備えることを特徴とするマイクロレゾネータ。
  12. 前記錘は、目標とする前記共振子の共振周波数に応じて重さが設定された複数の錘を組として、少なくとも一組形成されていることを特徴とする請求項11記載のマイクロレゾネータ。
  13. 前記共振子の重心位置の上方に、前記共振子の共振周波数を微調整する微調整用錘を備えることを特徴とする請求項11又は請求項12記載のマイクロレゾネータ。
  14. 前記錘及び前記微調整用錘は、金(Au)、白金(Pt)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)のうちの何れかの金属で形成されることを特徴とする請求項13記載のマイクロレゾネータ。
  15. 前記共振子の上部に、前記錘の各々に対応して目標とする前記共振子の共振周波数を表す周波数表示部が形成されていることを特徴とする請求項11から請求項14の何れか一項に記載のマイクロレゾネータ。
  16. 前記共振子は、前記積層部上に設けられた2組の一対の櫛歯状電極と当該櫛歯状電極を連結する連結部とを備えることを特徴とする請求項11から請求項15の何れか一項に記載のマイクロレゾネータ。
  17. 請求項1から請求項10の何れか一項に記載のマイクロレゾネータの製造方法を用いて製造されたマイクロレゾネータ、又は請求項11から請求項16の何れか一項に記載のマイクロレゾネータを備えることを特徴とする電子機器。
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