JP2005353188A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トラックの最低周速が1m/s〜5m/sという磁気ディスクとフェムト・スライダを備え優れた性能を発揮することができる磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】 磁気ディスク装置は、負圧型フェムト・スライダを備え、ロード・アンロード方式を採用する。ヘッド・サスペンション・アセンブリHSAの押付荷重GLを3mNを超えて15mN未満にし、静的ピッチ角PSA(deg)、及びピッチ剛性Kp(μN・m/deg)が、式((PSA×Kp)/GL)<0.25mmを充足する。これにより、フェムト・スライダにバイ・ステーブル・ハイトという準安定的な高浮上状態が発生する状態を抑制することができる。さらに、静的ピッチ角PSAを0degより大きくすることで、セミ・ステーブル・ハイトというスライダが磁気ディスク表面に準安定的に接触する状態を抑制することができる。
【選択図】 図10



Description

本発明は、回転数が低かったり最内周トラックまでの半径が小さかったりして周速度が遅いトラックを含む磁気ディスクを搭載した磁気ディスク装置にフェムト・スライダを使用する技術に関する。
磁気ディスク装置に使用するスライダは、小型化による利点が大きいためダウンサイジングの傾向を続けている。スライダの外形寸法に関しては、IDEMA(International Disk Drive Equipment and Materials Association)でスタンダードを定めている。そのスタンダードによれば、4.06mm×3.2mm×0.86mmのミニ・スライダを100%サイズと称して基準とし、以下、マイクロ・スライダ(70%)、ナノ・スライダ(50%)、ピコ・スライダ(30%)、フェムト・スライダ(20%)と規定している。
フェムト・スライダは現在実用化されているスライダでは最も小型であり、その外形寸法は0.85mm×0.7mm×0.23mmである。スライダの外形寸法を小さくすると、一つのウエハーから取り出せる数が増加するためコスト上有利であり、さらに磁気ディスク装置の小型化にも適している。また、ロード・アンロード方式の磁気ディスク装置では、ランプからスライダをロードするときにスライダが磁気ディスクの表面に衝突する場合がある。よって、ロード・アンロード方式の磁気ディスク装置では、記録データの安全等のために磁気ディスクの最外周トラックの外側に非記録領域を設けるのが一般的である。フェムト・スライダは小型であるため非記録領域の幅を減らして磁気ディスクの記録容量を増加させることができる利点があり、直径の小さい磁気ディスクほどその効果は大きい。
フェムト・スライダは長手方向の寸法がピコ・スライダに比べて約70%であるため、回転する磁気ディスク表面のトラック円周方向に生ずるうねりに対する追従性が良好で浮上高さが安定するといった利点がある。フェムト・スライダとピコ・スライダとを同一ディスク上に浮上させて浮上高さの変化量を比較したとき、理想的な磁気ディスクの浮上高さを基準にしたフェムト・スライダの浮上高さの変化量、すなわち、浮上感度は、ピコ・スライダに比べて約半分になる。
フェムト・スライダは、磁気ディスクに対向する面に形成された空気軸受面(以後、ABS(Air Bearing Surface)という。)の面積がピコ・スライダの約半分である。これまでフェムト・スライダは、磁気ディスクの公称直径が2.5インチ(1インチは、25.4mm)である2.5インチ型磁気ディスク装置に使用されてきたが、非記録領域の低減や小型化への利点等があるため磁気ディスクの公称直径が1インチ以下といった小型の磁気ディスク装置へ採用する利点も大きい。
スピンドル軸受の直径が小さくて最内周トラックまでの半径が小さい小型の磁気ディスク装置では、回転速度を上昇させないと最も内側に配置された最内周トラックにおいて空気軸受を形成するための空気流の流速を十分に得られない場合がある。これを解決するためにスピンドル・モータの回転速度を上げて最内周トラックの周速を上げる方法があるが、消費電力が増大したりスピンドル・モータの駆動に高い電圧を必要としたりするといった問題があるために制約を受ける。よって、フェムト・スライダを小型の磁気ディスク装置に採用するには、スライダのABS面積の減少と空気流の流速の低下とによってもたらされる諸問題を解決する必要がある。
特許文献1には、フェムト・スライダを2.5インチ磁気ディスク装置に適用し、サスペンション荷重を29.4mNにした例が記載されている(段落0096、図8参照)。非特許文献1の第53ページには、フェムト・スライダがばね荷重1〜2gf(9.8mN〜19.6mN)で使用されている旨記載されている。
US2003−0218832号公報 ハード・ディスク装置の構造と応用 CQ出版社 2003年7月1日発行
スライダには、ロード・ビーム又はフレキシャに形成されたディンプル・コンタクト・ポイント(以下、DCPという。)を支持点にして、空気流に対して安定したピボット動作又はジンバル動作をするような運動性能が要求される。スライダの運動性能にはABS面の構造、フレキシャのピッチ方向及びロール方向の剛性、ロード・ビームの押付荷重、スライダの静的ピッチ角及び静的ロール角、空気流によりもたらされるABSの圧力分布、スライダのトラックに対するスキュー角等の要因が関連しているが、空気流の流速が遅い磁気ディスクにフェムト・スライダを採用しようとすると、スライダの運動性能を確保する上での新たな問題が発生する。
磁気ディスク装置には、回転速度と磁気ディスクの最内周トラックまでの半径で決まるトラックの最低周速が最内周トラックにおいて1m/s〜5m/sといったものが存在する。例えば、磁気ディスクの公称直径が1インチで回転速度が9,000rpmの場合に、最内周トラックの周速が5m/s程度になる。トラックの最低周速が1m/s〜5m/sの磁気ディスク装置にフェムト・スライダを適用した磁気ディスク装置を、以後フェムト低周速ドライブということにする。フェムト低周速ドライブは、磁気ディスク表面の空気流の流速が遅く、かつ、スライダのABS面積が小さいので、浮上性を損なわないようにするために、ロード・ビームの押付荷重を減らす必要がある。
しかし、ロード・ビームの押付荷重を減らすと、従来の磁気ディスク装置のようにフェムト・スライダを周速の速い磁気ディスク装置に適用した場合や、ピコ・スライダを周速の遅い磁気ディスク装置に適用した場合にはあまり問題にならなかった新たな問題が生じてきた。それは、動作時又は非動作時の耐衝撃性が弱化したり気圧による浮上変化量を厳密に考慮しなければならなかったりといった問題、スライダにバイ・ステーブル・ハイト(Bi-Stable Height)という正常な浮上高さより高い準安定的な浮上高さが生ずるという問題、及びセミステーブル・ドラッグ(Semi-Stable Drag)というスライダが磁気ディスク表面に準安定的に接触する状態が生ずるという問題である。
磁気ディスク装置にフェムト・スライダを使用することには、上述のとおり多くの利点があるが、磁気ディスクが1m/s〜5m/sという低い周速のトラックを含んでいる場合には、耐衝撃能力の確保、バイ・ステーブル・ハイト又はセミ・ステーブル・ドラッグの発生といった問題を解決する必要がある。そこで本発明の目的は、これらの問題を解決し、トラックの最低周速が1m/s〜5m/sという磁気ディスクとフェムト・スライダを備え、優れた性能を発揮することができる磁気ディスク装置を提供することにある。
本発明の原理は、フェムト低周速ドライブの実現を可能にするためにヘッド・サスペンション・アセンブリ(以後、HSAという。)に特有の構造を採用した点にある。フェムト低周速ドライブを実現するために本発明においては、HSAを構成するロード・ビームの押付荷重GL(Gram Load)、フレキシャの静的ピッチ角PSA(Pitch Static Attitude)、及びフレキシャのピッチ剛性Kpに着目している。本発明においては、磁気ディスク装置が負圧型フェムト・スライダを用いて、かつ、ロード・アンロード方式を採用する場合には、従来の磁気ディスク装置では発生することのなかったバイ・ステーブル・ハイトやセミ・ステーブル・ドラッグに対応できるようなHSAの構造を提供する。
ここに、バイ・ステーブル・ハイトとは、スライダが磁気ディスクの表面上を安定した高さで飛行するときの浮上位置に、予定された正常な高さの浮上位置と、それよりも通常4倍ないし8倍程度条件によっては数十倍程度高い浮上位置(以後これを、フライ・ハイという。)との二つのモードが存在することをいう。このような二つの安定した浮上位置のうちで、スライダがフライ・ハイの位置で浮上するときは、ヘッドと磁気ディスクの記録面との間隔が広くなりすぎて、サーボ・データの再生や、ユーザ・データの読み取り又は書き込みが不安定になり、サーボ・データが再生できなかったり、サーボ・データは再生できるがユーザ・データの読み取り又は書き込みがエラーになったりといった状態が発生する。
ここで、安定した浮上位置とは、スライダが完全に一定した浮上高さで飛行する位置という意味ではなく、ジンバル運動や、浮上しているトラックの周速度の相違等によりある範囲で小さく変化しながら浮上している位置をいう。また、セミ・ステーブル・ドラッグとは、スライダの姿勢がリーディング・エッジ(空気流入端)がトレイリング・エッジ(空気流出端)より磁気ディスク表面に近づいた状態になり、リーディング・エッジが磁気ディスク表面と持続的に接触したり、接触と非接触を頻繁に繰り返したりする状態をいう。
本発明の態様は、定格回転速度において周速がほぼ1m/sを超えほぼ5m/s未満の範囲にあるトラックを有する磁気ディスクと、前記磁気ディスクにアクセスするヘッドを備えるフェムト・スライダと、前記フェムト・スライダを支持するヘッド・サスペンション・アセンブリとを有し、前記ヘッド・サスペンション・アセンブリの押付荷重が、3mNを超えて15mN未満である磁気ディスク装置を提供する。
フェムト低周速ドライブにおいては、HSAの押付荷重を3mNを超えて15mN未満にすると動作時の耐衝撃能力と気圧の変化によるスライダの浮上変化量の問題を解決することができる。ピッチ剛性を0.2μN・m/deg以上にするとフレキシャの塑性変形を回避して非動作時の耐衝撃能力を確保することができ、ピッチ剛性を2μN・m/deg以下にすると良好なジンバル運動で安定した浮上特性を得ることができる。磁気ディスク装置が負圧型フェムト・スライダを備え、かつ、ロード・アンロード方式を採用する場合には、HSAを((PSA×Kp)/GL)<0.25mmを充足する構造にすることにより、バイ・ステーブル・ハイトの発生を抑制することができる。
さらに、PSAを、0degを超えて3deg未満にすると、セミ・ステーブル・ドラッグの発生も抑制することができる。フェムト・スライダは外形寸法が小さく非記録領域の面積を減らすこともできるので、小型の磁気ディスク装置に適用する利点が大きい。よってフェムト低周速ドライブは、磁気ディスクの公称の直径が1インチ、又は0.8インチといった1インチ以下の小型の磁気ディスク装置で実現するのに適している。ただし、本発明の範囲には、1インチ以上の磁気ディスクに適用することも含んでいる。
本発明により、トラックの最低周速が1m/sを超え5m/s未満の磁気ディスクを備えた磁気ディスク装置にフェムト・スライダを採用してフェムト・スライダの利点を生かした磁気ディスク装置を提供することができた。
[ヘッド・サスペンション・アセンブリの説明]
図1は、本発明の実施の形態に係るフェムト低周速ドライブの一例である磁気ディスク装置10の概略構成を示す平面図である。ベース11は、上面に接合されるトップ・カバー(図示せず。)と共に清浄な密閉空間を形成するとともに、アクチュエータ・ヘッド・サスペンション・アセンブリ(以下、AHSAという。)13、磁気ディスク15、ランプ17、ボイス・コイル磁気回路25等を収納するための取付面を提供する。磁気ディスク15は、1枚、又は複数枚のスタックがスピンドル軸19の周りを回転できるようにスピンドル・ハブ(図示せず。)に取り付けられており、それぞれの表面と裏面には磁性層の記録面が形成されている。磁性層の表面には薄い保護膜が形成されている。
磁気ディスク15の下部に設けたスピンドル・モータ(図示せず。)は、磁気ディスク15を高速で回転させるが、最内周トラックにおける周速は1m/sを超え5m/s未満の範囲にある。最内周トラックは、磁気ディスク15のトラックの中で最も周速が遅いトラックである。トラックの周速とは、回転する磁気ディスクにおける各トラックの円周方向の速度をいう。磁気ディスク15には、内側から外側に向かって同心円状に多数のトラックがサーボ情報により定義されており、外径に近いトラックほど周速は速くなる。
AHSA13は、HSA100、アクチュエータ・アセンブリ21で構成されている。HSA100は、フェムト・スライダ、フレキシャ、及びロード・ビーム等で構成されており、その構造は図2〜図4を参照して後に説明する。アクチュエータ・アセンブリ21は、ボイス・コイル(図示せず。)を保持しており、ボイス・コイルとボイス・コイル磁気回路25で構成するボイス・コイル・モータ(以下、VCMという。)により駆動されピボット軸23を中心に回動して、スライダに設けたヘッドを所定のトラックに位置付ける。
HSA100の先端にはマージ・リップ101を形成しており、磁気ディスク15の回転を停止する前に、AHSA13を磁気ディスク15の外側方向に回転させてマージ・リップ101をランプ17に係合させフェムト・スライダ113を退避させる。この動作をスライダのアンロードという。また、ランプ17から回転する磁気ディスク15の面上にスライダを移動させる動作をロードという。このようにスライダの退避領域としてランプ17を使用する方式をロード・アンロード方式という。
本発明は、ロード・アンロード方式のフェムト低周速ドライブに関するものに加え、磁気ディスク15の一部に退避領域を設けたコンタクト・スタート・ストップ方式のフェムト低周速ドライブに関するものを含んでいる。磁気ディスク15は矢印Aの方向に回転し、AHSA13のピボット軸23側からマージ・リップ101側に向かういわゆる順回転になっている。ただし、本発明の範囲は順回転の磁気ディスク装置に限定する必要はなく、逆回転の磁気ディスク装置も含んでいる。
磁気ディスク15の最外周トラックの外側には、非記録領域を設けている。非記録領域は、ランプ17からフェムト・スライダ113(図2)がロードする際、磁気ディスク表面に衝突する場合があることに備えて設けている。非記録領域の幅は、最外周トラック付近でスキューしたスライダ113の外形を基準にして定まるが、フェムト・スライダ113はピコ・スライダに比べて外形寸法が小さいため、磁気ディスク15の直径が1インチの場合非記録領域の幅を狭くすることで約10%記録面積を増大することができる。
図2は、本発明の実施の形態に係るHSA100の分解斜視図である。HSA100は、マウント・プレート103、ロード・ビームのアーム部105a、ロード・ビームの固定部105b、ヒンジ107、フレキシャ109、フェムト・スライダ113、及び配線層111で構成されたマルチ・ピース型サスペンション・アセンブリとして構成されている。本発明においては、HSA100の構造をこれに限定する必要はなく、ピボット・カートリッジの周囲にスペーサを介して積層していく積層型サスペンションといった他の構造のHSAであってもよい。
フレキシャ109が磁気ディスク15の表面に対向する面側にはフェムト・スライダ113が取り付けられる。フェムト・スライダ113にはデータの読み取り及び書き込み又はそのいずれか一方のためのヘッド(図示せず。)が形成されている。フェムト・スライダ113は負圧型スライダといわれるもので、ABSには負圧生成部が形成されている。負圧生成部は、スライダ113を磁気ディスク15の表面に近づける方向に空気流により生成された力である負圧を発生し、空気軸受の空気膜剛性を高めたり、スキュー角による浮上感度を補償したり、後述する気圧による浮上変化量を低下させたりして安定した浮上性能を得るために設けている。HSA100はマウント・プレート103によりアクチュエータ・アセンブリ21のアクチュエータ・アームに取り付けられている。
ロード・ビームは、アーム部105aと固定部105bで構成されている。アーム部105aは、フレキシャ109に押付荷重を付与しながらこれを支持する。固定部105bは、アクチュエータ・アームへの取付構造を備えている。ヒンジ15はバネ構造となっており、アーム部105aと固定部105bを結合し、ロード・ビームのアーム部105aに弾力を与えてフェムト・スライダ113に対して磁気ディスク15の面に向かう方向の押付荷重を与える。配線層111は一端がスライダ113に設けられたヘッドに接続され、フレキシャ109の金属層の表面にフォトリソグラフィック・エッチング・プロセスにより誘電体層、導体層、及び保護層などの積層構造で形成されている。
図3は、図2に示したフレキシャ109を、スライダ113を取り除いた状態で磁気ディスク15側からみた平面図である。フレキシャ109は全体が薄いステンレス鋼の金属層で形成され、支持領域125の一部は溶接スポット127でロード・ビームのアーム部105aにスポット溶接されている。支持領域125からは、1対のアーム115a、115bがロード・ビーム105aの先端側に向かって延び、先端領域119で両者は一体になっている。さらにフレキシャ109には、先端領域119とアーム115a、115bとで支持されるように形成されたフレキシャ・タング(flexure tongue)121が設けられている。
フレキシャ・タング121のほぼ中央にはDCPが定義され、DCPがほぼ中心にくるようにフェムト・スライダ113がフレキシャ・タング121に固定される。さらに、配線層117a、117bが金属層に積層して形成され、支持領域125の端部で金属層から分離して、フェムト・スライダ113に設けられたボンディング・パッドの位置に整合するように終端している。フレキシャ・タング121のアクチュエータ・アセンブリ21側には、フレキシャ・タング121が振動で過度に跳ね上がるのを防止するリミッタ123が形成されている。
図4は、図2に示したロード・ビームのアーム部105aとフレキシャ109の側面を示す図である。フレキシャ・タング121は、溶接スポット127でロード・ビームのアーム部105aに溶接された金属層の支持領域125と、2本のアーム115a、115bで構成された片持バネ構造で支持されている。ロード・ビーム105aにはプレス加工でディンプル106が形成されている。ディンプル106をフレキシャ・タング121に設けて、DCPをロード・ビームのアーム部105aに定義することもできる。
フレキシャ・タング121のスライダを取り付ける面の裏側のほぼ中央部に定義されたDCPをディンプル106が押し付け、フェムト・スライダ113はABSが磁気ディスク15の表面に発生した気流から受ける力が変化したときに、ピッチング運動やローリング運動といったジンバル運動(gimbalmotion)をしながらヘッドと磁気ディスク15の表面との間隔を維持するように浮上する。
ここで、ローリング運動とは、図2において、フェムト・スライダ113が磁気ディスク15の表面上に浮上しているときに、HSA100の長手方向に考えたX軸の周りでディンプル106を中心にピボット動作をすることであり、ピッチング運動とは、DCPをとおりX軸に垂直で磁気ディスク面に平行な面に含まれるY軸の周りでピボット動作をすることである。ジンバル運動の特性は、HSA100全体の構造で定まるが、フェムト低周速ドライブに使用するHSA100では、静的ピッチ角PSA、ピッチ剛性Kp、及び押付荷重GLを適切に設定した構造を採用しないと上述の問題に対処することができない。
[押付荷重GL]
つぎに、HSA100の押付荷重について図5を参照して説明する。図5は、HSA100の側面を模式的に描いた図である。図5(A)は、アクチュエータ・アセンブリ21のアクチュエータ・アーム(図示せず。)に取り付けられたHSA100が、磁気ディスク15が存在しないと想定したときに示す姿勢を示している。ロード・ビームの固定部105bは、アクチュエータ・アセンブリ21のアクチュエータ・アームに取り付けられている。ロード・ビームのアーム部105aはヒンジ107を介してロード・ビームの固定部105bに結合している。
マウント・プレート103がスウェージ加工で固定されるアクチュエータ・アームの面と、磁気ディスク15の表面との間の距離をZ−Heightという。図5(A)において、磁気ディスク15を取り除いたときに、ヒンジ107の弾力は完全に解放されるので、磁気ディスク15の位置よりフェムト・スライダ113が下方に位置して安定している。ヒンジ107にはあらかじめそのようなバイアス荷重をかけておく。
図5(A)では、説明の都合上磁気ディスク15の上側の面に対応するHSAだけを記載しているが、磁気ディスク15の下側の面に対応するHSAを描くとすれば、そのスライダは磁気ディスク15の位置より上方に位置して安定する。図5(B)は、磁気ディスク15とAHSA13をベース11に取り付け、磁気ディスク15の回転を停止しているときのHSA100の姿勢を示す。磁気ディスク15の回転が停止しているときは、その表面に空気流が発生しないため、フェムト・スライダ113は磁気ディスク15の表面に着地している。
このとき、図5(A)と対比すると明らかなように、フェムト・スライダ113の位置は上側にシフトしており、ヒンジ107が有している弾力がフェムト・スライダ113を磁気ディスク15の表面に押し付ける(矢印108の方向)。このようにスライダを回転が停止している磁気ディスクの表面に押し付ける力を押付荷重GLという。押付荷重GLは、ロード・ビームの固定部105bを測定器具に固定し、フェムト・スライダ113のABSをZ−Heightの位置まで押し上げるときの荷重として周知の測定器具を用いて測定することができる。
従来、負圧型フェムト・スライダを使用したトラック最低周速が5m/s以上の磁気ディスク装置では、押付荷重GLを14mN〜25mNの範囲に設定していた。また、負圧型ピコ・スライダを使用した最低周速が5m/s以下の磁気ディスク装置では、押付荷重GLを10mN〜15mNの範囲に設定していた。しかし、フェムト低周速ドライブに使用するHSA100の押付荷重GLは、従来の磁気ディスク装置とは異なる視点も取り入れて定める必要がある。
[押付荷重GLの下限値]
フェムト低周速ドライブでは、最内周トラックにおける周速が1m/sを超え5m/s未満の範囲にあって空気流の速度が低下しており、かつ、ABS面積がピコ・スライダの約半分しかないためABSが空気流から受ける正圧が低下する。したがって、このような条件でスライダを浮上させるための一般的な手法は、正圧とバランスできるよう押付荷重GLを低減することである。しかし、ヒンジ107の初期曲角を小さくしたり、ヒンジ107の材料をやわらかい材質のものに代えるなどでバネ定数を小さくしたりして押付荷重を減らしていくと動作時の耐衝撃能力が低下し、動作中の磁気ディスク装置10に磁気ディスク15の面に垂直な方向に衝撃が加えられたときに、フェムト・スライダ113が磁気ディスク15から離れる方向に跳ね上がり、次に、反動で戻って磁気ディスク15の表面に衝突してこれを損傷させる恐れが生じてくる。
動作時の耐衝撃能力は、ロード・ビーム13の押付荷重GL、HSA100の重量、ロード・ビーム13の長さ、及びスライダの空気膜剛性等で変化するが、フェムト低周速ドライブに適する押付荷重GLの下限値を、図6を参照して説明する。図6は、フェムト低周速ドライブにおいて、押付荷重GLに対する動作時の耐衝撃能力を示すグラフである。図6は、磁気ディスク装置10を動作させてデータを書き込み、様々な大きさの衝撃を加えた後に、読み取り動作を行ってハード・エラーが発生する境界の衝撃加速度値をプロットし、さらに、押付荷重GLを様々に変化させて同様にハード・エラーが発生する境界の衝撃加速度値をプロットしたものである。
磁気ディスク15にデータを書き込んだ後に衝撃を加え、その後データを読み取ったときにハード・エラーが発生したということは、エラー修復プログラムを実行してもデータを正しく読み取ることができないため、フェムト・スライダ113が磁気ディスク15に衝突してディスク表面に傷が付きデータを再生できなくなったものと想定することができる。衝撃は磁気ディスク装置10を所定の衝撃加速度値Gが発生する条件の高さから落下して与えた。図6から明らかなように、押付荷重GLを減らしていくと、ハード・エラー発生の境界を示す衝撃加速度値は低下していく。衝撃加速度値が200Gまでハード・エラーが発生しなければ磁気ディスク装置10をノートパソコン等の可搬式電子機器に搭載しても実用上問題が生じないと考えられているので、押付荷重GLの下限を3mNにすると実用的な用途に供し得るといえる。
押付荷重GLは、単に耐衝撃能力の点からだけでは定めることができない。ロード・アンロード方式の磁気ディスク装置では、通常の動作において磁気ディスク15の回転を停止する際は、ボイス・コイル・モータを制御してAHSA13のマージ・リップ101をランプ17の退避面を滑走させていくので、AHSA13はアウター・クラッシュ・ストップ(図示せず。)に軽く衝突してフェムト・スライダ113がランプ17に退避することができる。しかし、動作中に突然電源が遮断されたときは、磁気ディスク15の回転が停止する前に、フェムト・スライダ113をランプ17に退避する必要がある。
通常、径の小さい磁気ディスクを備える磁気ディスク装置の場合は、コンデンサの放電電荷を利用して、AHSA13を比較的速い速度でランプ17に退避させるため、アウター・クラッシュ・ストップに衝突した反動で、スライダ113が磁気ディスク15の表面に戻るリバウンドという問題が生ずる場合がある。一般に、リバウンドの防止にはアクチュエータ・ラッチ機構を設けて対処しているが、マージ・リップ101とマージ・リップ101が滑走するランプ17の退避面との摩擦を確保することも重要である。摩擦力はランプ17の材質からも影響を受けるが、押付荷重GLの影響が大きくこの観点から3mNを超える値は最低必要な値である。
押付荷重GLを3mNを超えた値に設定することは別の意義も有する。押付荷重GLを減らして耐衝撃能力を向上させる方法にロード・ビームを軽量化することが挙げられる。しかし、3mN以下の押付荷重を実現するようにヒンジを軽量化していくと、衝撃によるフェムト・スライダ113の跳ね上がりと反動による磁気ディスク15への衝突という問題は回避できるが、ヒンジ107が塑性変形を起こしてしまうので、押付荷重GLはこの観点からも3mNを超えた値にする必要がある。
[押付荷重GLの上限値]
押付荷重GLの上限値は、従来のピコ・スライダを使用したトラック周速の遅い磁気ディスク装置では、ロード・アンロード時に必要なボイス・コイル・モータの電流値の上限に着目して定めていた。押付荷重GLを大きくするとマージ・リップとランプとの摩擦力が大きくなるため、ボイス・コイル・モータに要求されるトルクが増大し、電流が大きくなって消費電力や回路設計上の問題が生じてくるためである。また、フェムト・スライダを使用したトラック周速の速い磁気ディスク装置では、押付荷重の上限をマージ・リップによるランプの摩耗防止に着目して定めていた。
フェムト低周速ドライブでは、従来の押付荷重の決定手法とは異なり、以下に述べるように押付荷重GLの上限値を記録密度と気圧による浮上変化量を考慮して定める必要がある。気圧による浮上変化量とは、磁気ディスク装置10を使用する環境の気圧が変動したときにスライダの浮上高さが増減する割合をいう。フェムト・スライダ113のABSが受ける正圧は空気流の密度が小さくなると減少するため、特に可搬式用途のように高地で使用することを当然予定しておく必要のある磁気ディスク装置では、そのような場所でもスライダが適切な高さで浮上することが要求されるためHSAの気圧による浮上変化量は小さいことが望ましい。
標準気圧(1気圧)において動作する磁気ディスク装置の押付荷重を3mNより大きくしていくと、これに応じてフェムト・スライダ113の浮上高さは減少していく。磁気ディスク装置は一般に海抜10,000フィート(約3,000m)の高さで使用できるようになっている。3,000mという高さは約0.7気圧に相当し空気の密度が30%減少するので、同一の押付荷重GLであってもスライダの浮上高さは、標準気圧の場合に比べて低下する。
図7は、フェムト・スライダ113を標準気圧の地上で、ヘッドと磁性層との間隔を約30nm確保し、高度10,000フィート(約3,000m)で浮上させたときの浮上量の低下を計算で求めた値をプロットしたグラフである。このとき磁気ディスク15の保護膜の表面とヘッドとの間隔として定義される浮上高さは約15nmになっている。図7には、押付荷重GLが増加するほど高度3,000mにおけるヘッドと磁性層との間隔又は浮上高さが低くなり、気圧による浮上変化量が多くなることが示されている。押付荷重GLは磁気ディスク装置10が動作する環境の気圧に依存しないからである。
負圧型のフェムト・スライダ113では、気圧の減少に伴って負圧も低減するのである程度は気圧による浮上変化量を抑えることができるが、気圧による浮上変化量の大部分は押付荷重GLの大きさに支配される。押付荷重GLの上限を決定する上では、高度3,000mでもスライダが確実に浮上できることを考慮する必要がある。
よって、標準気圧の地上における浮上高さは、高度3,000mでの気圧による浮上変化量を考慮して設定しておく必要がある。しかし、標準気圧下での浮上高さを高くすると、ヘッドと磁気ディスクの磁性層との間隔が大きくなり記録密度が低下するので好ましくない。本実施の形態では、気圧による浮上変化量の上限を10%に設定して、標準気圧の地上における浮上高さに保護膜の厚さを加えた磁性層表面とヘッドとの間隔を30nmに設定し、高度3,000mでの浮上高さの低減量をその10%である3nmに設定している。気圧による浮上変化量が10%以下であればフェムト・スライダ113と磁気ディスク15間の衝突の問題が発生しないような空気膜剛性を備えたフェムト・スライダを製作することができる。また、記録密度の確保と、フェムト・スライダ113の磁気ディスク15に対する衝突の問題をバランスよく解決することができる。
図7には、磁性層とヘッドとの間隔の低減量を3nm以下にするには、押付荷重GLが15mN未満であることが条件になることが示されている。したがって、本実施の形態では気圧による浮上変化量が10%になる15mNを押付荷重GLの上限にしている。押付荷重GLを15mN以上にすると、気圧による浮上変化量を10%以下にする負圧型スライダを製作することが困難になる。ここで、押付荷重GLの上限を、標準気圧での浮上高さが15nm(磁性層とヘッドとの間隔が30nm)になる場合を例にして設定したが、通常のスライダでは標準気圧での磁性層表面とヘッドとの間隔から10%程度浮上高さが低下しても磁気ディスクに対する接触の問題が起きないように考慮されているので、押付荷重の上限を15mNにすることは標準気圧での浮上高さが本実施の形態と異なるスライダにも適合する。また、押付荷重GLを大きくしすぎると、ランプとマージ・リップとの摩擦力が大きくなって、スライダを退避させるためのVCMの消費電力が増大したり、ランプの摩耗量が多くなったりするので、上限は15mNにする必要がある。
以上のとおり、本発明においては、フェムト低周速ドライブにおけるHSA100の押付荷重を、3mNを超えて15mN未満にすると動作時の耐衝撃能力及び気圧の変化による浮上量変化への対応の点で良好な性能を得ることができる。上述のとおり、押付荷重GLを設定するに当たっては、耐衝撃能力の確保、ランプの摩耗、スライダを退避させるためのVCMの消費電力、および気圧による浮上変化量特性など様々の要因をバランスよく維持することが重要である。押付荷重GLを6mNを超えて13mN未満にすると、一般的な磁気ディスク装置においてはこれら諸要因のバランスをよりよく維持することができる。さらに押付荷重GLを7mNを超えて12mN未満にすると、通常の磁気ディスク装置においては諸要因のバランスを最適に維持することができる。
[静的ピッチ角PSAとピッチ剛性Kp]
フェムト低周速ドライブでは、押付荷重GL以外にHSA100が静的ピッチ角PSAとピッチ剛性Kpを適切に設定した構成を備えている必要がある。図8は、静的ピッチ角PSAとピッチ剛性Kpの定義と測定方法を示す図である。図8(A)は、図5を参照して説明したようにロード・ビームの固定部105bとスライダ113のABSの中心がZ−Heightの関係になるようにマージ・リップ101またはロード・ビーム105aに力を加えたときにフェムト・スライダ113が形成する姿勢を模式的に示した図である。矢印131方向に回転する磁気ディスク15は参考までに記載している。フレキシャ・タング121(図4)に固定されたフェムト・スライダ113は、ロード・ビームのアーム部105aに形成されたディンプル106(図4)を中心にピッチ方向に所定のピッチ角PSA(rad)を有している。図8(A)からは、フレキシャ・タング121やロード・ビームのアーム部105aは省略している。
この場合のピッチ角PSAは、フェムト・スライダ113が磁気ディスク15から空気流の影響を受けない状態において、フェムト・スライダ113に力を加えないようにしてABSのDCPに対応する位置をZ−Heightの位置に置いたときにABSが磁気ディスク15の表面に対してなす角度であり、これを静的ピッチ角PSA(deg)という。静的ピッチ角PSAは、HSA100をベース11(図1)に取り付けない状態で測定する。静的ピッチ角PSAの符号は、フェムト・スライダ113のリーディング・エッジ側が、トレイリング・エッジ側に対して磁気ディスク15の表面から離れる方向の姿勢を保つときに(図8(A)の状態)にプラスとし、近づく方向の姿勢を保つときマイナスとする。ABSが磁気ディスク15の表面に平行であれば、静的ピッチ角PSAはゼロである。静的ピッチ角PSAには製造上の公差が設けられて一定の範囲が許容されており、フェムト・スライダ113は公差の範囲で許容される静的ピッチ角PSAの値をとったとき、ジンバル動作に対する適切な運動性能を発揮しなければならない。
図8(B)は、磁気ディスク装置10の一部としてHSA100を組み込んで磁気ディスク15を定格回転速度で回転させたときにABSが磁気ディスク15の表面に対してなす角度を示しており、これを動的ピッチ角(PDA:Pitch Dynamic Attitude)ということにする。フェムト・スライダ113は、所定の浮上高さで浮上するときに動的ピッチ角PDAを維持する。フェムト・スライダ113が適切なジンバル運動をするためには、動的ピッチ角PDAは若干プラスの角度を保つ必要がある。本実施の形態では、フェムト・スライダ113の動的ピッチ角PDAは、数十マイクロ・ラジアンである。
図8(C)、(D)は、ピッチ剛性Kpの定義と測定方法を説明する図である。図8(C)は、HSA100を試験器具に取り付けて、図8(A)と同様にスライダ113をZ−Heightの位置に位置付け、フェムト・スライダ113のリーディング・エッジ側に対して矢印133で示す方向に力を加えた結果、ピッチ角がプラス方向に変化する様子を示している。力133を加える位置は、ABSのリーディング・エッジとフェムト・スライダ113の長手方向の中心線が交差する位置の近辺である。このときフレキシャ・タング121(図4)がピッチ方向に発揮する弾力がピッチ剛性Kp(μNm/rad)である。図8(D)は、ABSのトレイリング・エッジの中央近辺に力135を加えて、ピッチ角をマイナス方向に変化させてピッチ剛性Kpを測定する状態を示している。ピッチ剛性Kpはピッチ角をプラス方向及びマイナス方向のいずれの方向に変化させてもほぼ同じ値になる。
従来、負圧型のフェムト・スライダを使用したトラック最低周速が5m/sを超える磁気ディスク装置では、静的ピッチ角PSAを0deg〜2degの範囲に設定し、ピッチ剛性Kpを0.5μN・m/deg〜1μN・m/degの範囲に設定していた。また、負圧型ピコ・スライダを使用した最低周速が5m/s以下の磁気ディスク装置では、PSAを−1deg〜2degに設定し、Kpを0.7μN・m/deg〜1.2μN・m/degの範囲に設定していた。
実際には、ある程度の公差を認め、静的ピッチ角PSAがマイナスになったものでも使用しており、性能上も問題がなかった。しかし、フェムト低周速ドライブに使用するHSA100は、従来の磁気ディスク装置に比べてバイ・ステーブル・ハイトやセミ・ステーブル・ドラッグが発生し易くなったり、浮上高さが安定しなかったりするので、押付荷重GL値、静的ピッチ角PSA値、ピッチ剛性Kp値の範囲の設定やそれらの組み合わせを適切に行う必要がある。
[静的ピッチ角PSAの上限値]
図9は、ロード時のフェムト・スライダ113の挙動を説明する図である。図9において、フェムト・スライダ113は、磁気ディスク15が矢印A方向(図1)に回転しているときにAHSA13(図1)が矢印B方向に回転し、フェムト・スライダ113が磁気ディスク15の表面に浮上していく状態を示している。図は、フェムト・スライダ113が、フレキシャ109のバネ構造で支持される点を誇張して描いている。フェムト・スライダ113のABSは、マージ・リップ101がランプ17の傾斜面を下るにつれて磁気ディスク15の表面に近づいていき、徐々に空気流の影響を受けるようになる。しかし、ABSと磁気ディスク表面との間隔は正規の浮上高さの場合より広いため、フェムト・スライダ113のピッチ方向の姿勢は、図8(A)で説明した静的ピッチ角PSAに支配されている。
AHSA13をさらに矢印B方向に回転させると、マージ・リップ101がついにランプ17の傾斜面から離れるが、このときフェムト・スライダ113は、ロード・ビーム105aの押付荷重、スライダ113に働く正圧及び負圧がバランスした位置で図8(B)に示した動的ピッチ角PDAの姿勢で浮上することが望ましい。しかし、負圧型のフェムト・スライダ113を採用したフェムト低周速ドライブでは、フェムト・スライダ113が動的ピッチ角PDAの姿勢に移行せずに、静的ピッチ角PSAと動的ピッチ角PDAの中間の姿勢になり、フライ・ハイが発生する場合がある。
負圧型フェムト・スライダ113を使用したフェムト低周速ドライブでフライ・ハイが発生し易い理由を、図10(A)を参照して説明する。図10(A)は、フェムト・スライダ113が静的ピッチ角PSAから、動的ピッチ角PDAに移行する過程において、フェムト・スライダ113に働く力を示している。まず、フェムト・スライダ113が予定された動的ピッチ角PDAを保つためには、フェムト・スライダ113の浮上高さが正規の浮上高さになり、ABSと磁気ディスク15の表面との間に楔状の空気流路が形成されて矢印141の方向の空気流が流れ、ABSに予定された正圧と負圧が発生している必要がある。
図10(A)の状態は、ロード直後でABSと磁気ディスク15との間にまだ正規の楔状の空気流路が形成されていないため、ABSにおける負圧の発生はわずかであり、発生している圧力はほとんど正圧だけになっている状態である。負圧型フェムト・スライダ113は、押付荷重GLと正圧及び負圧がバランスして正規の浮上高さで浮上できる構成になっているが、押付荷重GLが小さいと、ロード直後の高い浮上位置では負圧を十分に得ることができないため、スライダ113を正規の浮上高さまで押さえ込む力が弱くなる。この点負圧部を設けていない正圧型スライダでは、負圧部に依存しないで押付荷重だけで正圧とバランスする構成になっているためフライ・ハイは発生しない。フライ・ハイの状態になると、ヘッドがサーボ情報を読み取れなくなってヘッドの位置付け不良によるエラーが発生したり、サーボ情報は読み取れても正確な読み書きができなくなったりするという問題が生じる。
また、ディンプル106が、押付荷重GLでフェムト・スライダ113を磁気ディスク15の面方向に押し付けたときに、フェムト・スライダ113のトレイリング・エッジが空気軸受けから受ける反力Z1は、押付荷重GLが低下している分だけ小さくなっている。さらにフェムト・スライダ113はピコ・スライダに比べて、スライダの中心からトレイリング・エッジまでの長さLが約70%である。よって、フェムト・スライダ113では、ピッチ角をマイナス方向に変化させるモーメントであるZ1×Lが小さい。
一方、ランプ17からロードしたフェムト・スライダ113のピッチ角が静的ピッチ角PSAから動的ピッチ角PDAに近づこうとするときに、これを妨げる力は、図8を参照した説明からもわかるようにKp×PSAとして表すことができる。よってフライ・ハイを発生させないためには、Kp×PSAの値に上限を設ける必要がある。ただし、Kp×PSAの上限値は、押付荷重GLに依存している。フライ・ハイが発生する条件を数値計算で求めた結果を図11に示す。
図11は、HSA100の押付荷重GL(mN)、ピッチ剛性Kp(μN・m/deg)、及び静的ピッチ角PSA(deg)を様々変化させて、フライ・ハイが発生するときの押付荷重GLに対するPSA×Kpの値をプロットしたフライ・ハイ限界特性を示すグラフである。フライ・ハイが発生すると、ヘッドと磁性層との間隔が広くなり、サーボ情報を読み取るために設けたリード・チャネル内の自動利得制御装置のゲインが増大するので、ゲインを監視してフライ・ハイの発生を検出することができる。図11は、押付荷重GLに対してKp×PSA特性が線形に変化しており、あるフェムト低周速ドライブについて押付荷重GLに対するKp×PSAの値が、図11に示すKp×PSA特性の値より小さければフライ・ハイが発生しないことを示している。よってフェムト低周速ドライブでは、図11のKp×PSA特性の傾きを参照すると、((Kp×PSA)/GL)<0.25mmにすることでフライ・ハイを抑制できることがわかる。
[静的ピッチ角PSAの下限値]
図10(B)は、フェムト・スライダ113がロード直後に、リーディング・エッジが磁気ディスク15の表面に接触して安定したセミ・ステーブル・ドラッグが発生している状態を示す。セミ・ステーブル・ドラッグは、フェムト低周速ドライブでは、フレキシャ109(図4)の静的ピッチ角PSAがマイナスの場合に生ずる。セミ・ステーブル・ドラッグは、磁気ディスク15の記録面が損傷するので避けなければならない現象である。フェムト・スライダ113をトラック最低周速が5m/s以上の磁気ディスクに採用した場合や、ピコ・スライダをトラック最低周速が5m/s以下の磁気ディスクに採用した場合には、一般的な磁気ディスク装置においては、フレキシャの静的ピッチ角PSAがマイナスであってもセミ・ステーブル・ドラッグは生じない。
フェムト低周速ドライブでセミ・ステーブル・ドラッグが発生し易い理由を、図10(B)を参照して説明する。フェムト・スライダ113は、フレキシャ109の静的ピッチ角PSAがマイナスに形成されていると、ランプ17(図1)からのロード時にABSのリーディング・エッジが磁気ディスク15の表面に接触する。また、静的ピッチ角PSAが多少プラスに形成されていても、ロード直後のスライダ113の挙動は不安定なため、同様の現象が起こる場合がある。
磁気ディスク15の表面に接触したフェムト・スライダ113には、ディンプル106を介して押付荷重GLが加えられるため、ABSのリーディング・エッジにはZ2方向の反力が働く。反力Z2は、フェムト・スライダ113の姿勢をピッチ角がプラスになる方向に回転させる力で、フェムト・スライダ113の姿勢をセミ・ステーブル・ドラッグから動的ピッチ角PDAへ修正するのに寄与する。
しかし、フェムト低周速ドライブに使用するHSA100の押付荷重GLは小さいので、反力Z2もこれに応じて小さい。また、磁気ディスク15は矢印143の方向に回転しており、フェムト・スライダ113にはピッチ角をマイナスにする回転力を与える摩擦力Xが働く。よって、押付荷重GL、反力Z2、及び摩擦力Xがバランスしてセミ・ステーブル・ドラッグが発生すると考えられる。
従来の磁気ディスク装置では、押付荷重GLが比較的大きいためZ2もこれに応じて大きくなっており、スライダはピッチ角がプラスの方向に回転し易いものと考えられる。そしてABSのリーディング・エッジが磁気ディスクの表面に接触しても、ABSと磁気ディスク15の表面に一端空気流が入り込むと空気軸受が形成されてスライダが動的ピッチ角PSAの姿勢をとって浮上することができるため、セミ・ステーブル・ドラッグは発生しないものと考えられる。
また、従来の磁気ディスク装置では、押付荷重GLと反力Z2が大きかったので、相対的に摩擦力Xの影響が小さいため、セミ・ステーブル・ドラッグが発生しにくいとも考えられるが、フェムト低周速ドライブでは押付荷重GLが小さいため摩擦力Xの影響が大きくなり、セミ・ステーブル・ドラッグが発生しやすいといえる。従来の磁気ディスク装置では、静的ピッチ角PSAがマイナスであっても動的ピッチ角PDAの姿勢で浮上することができたが、フェムト低周速ドライブにおいては、セミ・ステーブル・ドラッグを回避するために、フレキシャ109の静的ピッチ角PSAをプラスにしておく必要がある。
したがって、フェムト低周速ドライブに使用するフェムト・スライダの静的ピッチ角PSAをプラスにするためには、製造上のバラツキを考慮して、一例として静的ピッチ角PSAの中心値を0.5degにし、標準偏差を0.15degに設定するとよい。以上のとおり、静的ピッチ角PSAは、((Kp×PSA)/GL)<0.25の式を充足させる範囲で0degを超えるようにするとバイ・ステーブル・ハイトとセミ・ステーブル・ドラッグを回避することができる。また、この式を充足しながら静的ピッチ角PSAを大きくしていくと、スライダをランプにアンロードする際、ランプの傾斜面でスライダをより高く持ち上げるようにしておかないと、スライダのトレイリング・エッジと磁気ディスクの表面が接触することがある。スライダをより高く持ち上げることは、図5で説明したZ−Heightを増大することを意味する。
図12は、静的ピッチ角PSAとZ−Heihtの関係を計算で求めた結果を示すグラフである。図12には、静的ピッチ角PSAが0degのときのZ−Heightを基準値にして、静的ピッチ角PSAを変化させたときにZ−Heightが基準値から増大する量を示している。図12では、フレキシャ109の静的ピッチ角PSAが増大するほどZ−Heightも増大することが示されており、このことは、磁気ディスクの枚数又は記録面が多いほど磁気ディスク装置の厚さが増すことに相当する。
図12には、静的ピッチ角PSAが3degを超えると、0degの場合に比べてZ−Heightが約22μm増大することが示されており、両面記録の1枚の磁気ディスクを搭載した1インチ型磁気ディスク装置に3degより大きい静的ピッチ角PSAを適用すると、厚さがコンパクト・フラッシュ(CF)の規格である5mmを満たすことが困難になる。よって、公称1インチあるいはそれより小さいサイズの磁気ディスクを搭載する磁気ディスク装置では、静的ピッチ角PSAの上限を3degにする必要がある。
静的ピッチ角PSAが大きいほどセミ・ステーブル・ドラッグは発生しにくいので、静的ピッチ角PSAの下限を好適には0.3degにし、最適には0.5degにしておくとよい。また静的ピッチ角PSAの上限は、公称1インチあるいはそれより小さい磁気ディスク装置については、好適には2degとし、最適には1.8degにするとZ−Heightの面で一層設計の自由度を向上することができる。
[ピッチ剛性Kp]
フライ・ハイを回避するためにピッチ剛性Kpは、静的ピッチ角PSAを含めてKp×PSAを小さくすることが望まれる。さらに、フライ・ハイを回避するには押付荷重GLを考慮して上述のとおり、式((Kp×PSA)/GL)<0.25mmを充足する必要がある。しかし、ピッチ剛性Kpを必要以上に小さくすると、フェムト・スライダ113の非動作時の耐衝撃能力を低下させる。非動作時には、フェムト・スライダ113がランプ17に退避している。このとき図9を参照して説明すると、マージ・リップ101はさらに磁気ディスク15から離れた位置にあるランプ17の退避面と係合し、フェムト・スライダ113はフレキシャ109から支持された状態になっている。
非動作時に磁気ディスク装置10に外部から磁気ディスクに垂直な方向の衝撃が加えられると、ランプに退避していたフェムト・スライダ113に加速度が加わりピッチ方向に運動する。非動作時の耐衝撃能力の目標値は動作時に比べて大きく、一般的には10,000m/sである。図13は、ピッチ剛性Kpを様々に変えた磁気ディスク装置に対して、非動作時に20,000m/sの衝撃を加えた後に静的ピッチ角PSAが変化する値を計算で求めた結果を示すグラフである。図13よりピッチ剛性Kpが0.2μN・m/deg以上あれば、静的ピッチ角PSAは衝撃の前後で変化していないためフレキシャ109に塑性変形は起きていないことがわかる。また、図13よりフレキシャ109のピッチ剛性Kpが0.2μN・m/deg近辺から小さくなるに従って、衝撃後に静的ピッチ角PSAが復元しないで塑性変形していることがわかる。
よって、図13に示した結果によれば、フレキシャ109のピッチ剛性KpをKp>0.2μN・m/degにすると、様々な悪条件が重なっても10,000m/sの衝撃加速度に対して確実にフレキシャ109が塑性変形を起こさないようにすることができる。また、ピッチ剛性Kpは、フレキシャ109が良好なジンバル運動を行ってスライダの浮上を安定させる運動性能の面でKp<2μN・m/degにすることが望ましい。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
本発明の実施の形態に係る磁気ディスク装置の平面図である。 ヘッド・サスペンション・アセンブリの分解斜視図である。 ヘッド・サスペンション・アセンブリを構成するフレキシャの平面図である。 ヘッド・サスペンション・アセンブリの側面図である。 押付荷重GLを説明する図である。 押付荷重GLと動作時耐衝撃能力との関係を示すグラフである。 押付荷重GLと気圧による浮上変化量の関係を示すグラフである。 静的ピッチ角PSAとピッチ剛性Kpを説明する図である。 ロード時のスライダの挙動を説明する図である。 バイ・ステーブル・ハイト及びセミ・ステーブル・ドラッグを説明する図である。 フライ・ハイ限界特性を示すグラフである。 静的ピッチ角PSAとZ−Heihtの関係を計算で求めた結果を示すグラフである。 非動作時に20,000m/sの衝撃を加えた後に静的ピッチ角PSAが変化する値を計算で求めた結果を示すグラフである。
符号の説明
10…磁気ディスク装置
100…ヘッド・サスペンション・アセンブリ(HSA)
101…マージ・リップ
103…マウント・プレート
105…ロード・ビーム
106…ディンプル
107…ヒンジ
109…フレキシャ
111…配線層
113…フェムト・スライダ
121…フレキシャ・タング

Claims (19)

  1. 定格回転速度において周速がほぼ1m/sを超えほぼ5m/s未満の範囲にあるトラックを有する磁気ディスクと、
    前記磁気ディスクにアクセスするヘッドを備えるフェムト・スライダと、
    前記フェムト・スライダを支持するヘッド・サスペンション・アセンブリとを有し、
    前記ヘッド・サスペンション・アセンブリの押付荷重が、ほぼ3mNを超えてほぼ15mN未満である磁気ディスク装置。
  2. 前記ヘッド・サスペンション・アセンブリの押付荷重がほぼ6mNを超えてほぼ13mN未満である請求項1記載の磁気ディスク装置。
  3. 前記ヘッド・サスペンション・アセンブリの押付荷重がほぼ7mNを超えてほぼ12mN未満である請求項1記載の磁気ディスク装置。
  4. 前記ヘッド・サスペンション・アセンブリのピッチ剛性がほぼ0.2μN・m/degを超えてほぼ2μN・m/deg未満である請求項1記載の磁気ディスク装置。
  5. 前記磁気ディスクの直径が公称1インチ以下である請求項1記載の磁気ディスク装置。
  6. 定格回転速度において周速がほぼ1m/sを超えほぼ5m/s未満の範囲にあるトラックを有する磁気ディスクと、
    前記磁気ディスクにアクセスするヘッドを備える負圧型フェムト・スライダと、
    前記負圧型フェムト・スライダを退避させるランプと、
    前記負圧型フェムト・スライダを支持するヘッド・サスペンション・アセンブリとを有し、
    前記ヘッド・サスペンション・アセンブリの押付荷重GL(mN)、静的ピッチ角PSA(deg)、及びピッチ剛性Kp(μN・m/deg)が、式
    ((PSA×Kp)/GL)<0.25mm
    を満たす磁気ディスク装置。
  7. 前記静的ピッチ角が、ほぼ0degを超えてほぼ3deg未満である請求項6記載の磁気ディスク装置。
  8. 前記静的ピッチ角が、ほぼ0.3degを超えてほぼ2deg未満である請求項6記載の磁気ディスク装置。
  9. 前記静的ピッチ角が、ほぼ0.5degを超えてほぼ1.8deg未満である請求項6記載の磁気ディスク装置。
  10. 前記ピッチ剛性が、ほぼ0.2μN・m/degを超えてほぼ2μN・m/deg未満である請求項6記載の磁気ディスク装置。
  11. 前記磁気ディスクの直径が公称1インチ以下である請求項6記載の磁気ディスク装置。
  12. 定格回転速度において周速がほぼ1m/sを超えてほぼ5m/s未満の範囲にあるトラックを有する磁気ディスクと、
    前記磁気ディスクにアクセスするヘッドを備える負圧型フェムト・スライダと、
    前記負圧型フェムト・スライダを退避させるランプと、
    前記負圧型フェムト・スライダを支持するヘッド・サスペンション・アセンブリとを有し、
    前記ヘッド・サスペンション・アセンブリの押付荷重GLが3mNを超えて15mN未満であり、前記押付荷重GL(mN)、静的ピッチ角PSA(deg)、及びピッチ剛性Kp(μN・m/deg)が、式
    ((PSA×Kp)/GL)<0.25mm
    を満たす磁気ディスク装置。
  13. 前記押付荷重がほぼ6mNを超えてほぼ13mN未満である請求項12記載の磁気ディスク装置。
  14. 前記押付荷重がほぼ7mNを超えてほぼ12mN未満である請求項12記載の磁気ディスク装置。
  15. 前記静的ピッチ角がほぼ0degを超えてほぼ3deg未満である請求項12記載の磁気ディスク装置。
  16. 前記静的ピッチ角がほぼ0.3degを超えてほぼ2deg未満である請求項12記載の磁気ディスク装置。
  17. 前記静的ピッチ角がほぼ0.5degを超えてほぼ1.8deg未満である請求項12記載の磁気ディスク装置。
  18. 前記ピッチ剛性がほぼ0.2μN・m/degを超えてほぼ2μN・m/deg未満である請求項12記載の磁気ディスク装置。
  19. 前記磁気ディスクの直径が公称1インチ以下である請求項12記載の磁気ディスク装置。
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