JP2005350601A - 高結晶性ポリ4−メチルペンテン樹脂組成物及びフィルム - Google Patents

高結晶性ポリ4−メチルペンテン樹脂組成物及びフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2005350601A
JP2005350601A JP2004174332A JP2004174332A JP2005350601A JP 2005350601 A JP2005350601 A JP 2005350601A JP 2004174332 A JP2004174332 A JP 2004174332A JP 2004174332 A JP2004174332 A JP 2004174332A JP 2005350601 A JP2005350601 A JP 2005350601A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl
film
pentene
poly
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004174332A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Tanaka
徹 田中
Toshiyuki Hirose
敏行 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2004174332A priority Critical patent/JP2005350601A/ja
Publication of JP2005350601A publication Critical patent/JP2005350601A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】表面結晶化度が高く、FPC等の製造に際して離型フィルムとして使用した場合に良好な離型性が得られる、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなるフィルムおよび、該樹脂フィルムである離型フィルムを提供することである。
【解決手段】4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)0.5〜3質量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)95.5〜97質量部からなるポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなるフィルムが、高い表面結晶化度を有するとともに、ブロッキング係数が小さく、FPCなどの製造に際して離型フィルムとして使用した場合、良好な離型性が得られることを見出した。
【選択図】
なし

Description

本発明は、ブロッキング係数が小さく表面結晶化度が高いことから、フレキシブル配線基板などの製造に好適な、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物および該樹脂組成物からなるフィルムに関する。
電子機器の急速な進歩に伴い、ICの集積度が増大するにつれ、より高密度、高信頼性化への要求に対応する目的でプリント配線板が多用されていることは良く知られている。
プリント配線板としては、片面プリント配線板、両面プリント配線板、多層プリント配線板、およびフレキシブルプリント配線板などがあるが、なかでも3層以上の導電体の中間に電気絶縁層をおいて一体化し、任意の導電体層相互およびプリント配線板に実装する電子部品のリードと任意の導電体層との接続ができる点で、多層フレキシブルプリント配線基板(以下FPCと略す)の応用分野は広がっている。このFPCは銅箔とポリイミドフィルムを、接着剤を介して積層化して製造される。
ところで、FPCの製造に先立って行われる銅貼積層板の製造は、銅箔上に載置したプリプレグを加熱加圧処理によって一体化するものであるが、銅貼積層板は一組ずつ作られるわけでなく、複数の銅貼積層板枚を同時にプレス成形することが行われており、その際それぞれの銅貼積層板の間に離型フィルムを挟んでプレス成形を行ない、プレス成形後に離型フィルムを剥離することで一組ずつ銅貼積層板を得る製造法が行われている。
離型フィルムとしては、耐熱性および加熱加圧後の離型性が優れていることから、ポリ−4−メチル−1−ペンテン樹脂からなるフィルムを使用することが提案されている。ポリ−4−メチル−1−ペンテンは、融点が235℃と高いため、温度180℃程度で行われる銅貼積層板の成形においても、優れた耐熱性および離型性を有している。
しかしながら、近年とみに配線速度の増大や信頼性向上のために高品質のFPCが要求される傾向があり、このようなプリント配線板の製造に用いられる銅貼積層板の製造時の加熱加圧処理条件も厳しくなり、使用される離型フィルムにも、さらに優れた離型性が要求されている。
特開平2−32106号公報には、炭素原子数2〜6のα−オレフィンを触媒成分中のチタン原子1ミリモル当り、約1〜約500gの割合で予備重合させた触媒を使用する、低分子量体成分の含有量が低い4−メチル−1−ペンテン系共重合体の製法が開示されている。しかしながら、当該製法で得られる4−メチル−1−ペンテン共重合体をFPCなどの製造に際して離型フィルムとして使用した場合の離型性は、十分なものではなかった。
特公昭58−15952号公報 特開昭57−70653号公報 特開平2−32106号公報
本発明は、上記の問題を解決するものであり、表面結晶化度が高くFPCなどの製造に際して離型フィルムとして使用した際に加熱加圧処理後にFPCと接着を起こすことなく離型性が良好な、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物並びに該樹脂組成物からなるフィルムおよび、離型フィルムを提供することである。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定のα−オレフィンからなる重合体を特定量有するポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなるフィルムが、高い表面結晶化度を有するとともに、ブロッキング係数が小さく、FPCなどの製造に際して離型フィルムとして使用した場合、良好な離型性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)0.5〜3質量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)95.5〜97質量部((A)と(B)の合計量は100質量部)からなるポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物並びに、該樹脂組成物からなるフィルムおよび、該樹脂組成物からなるフィルムである離型フィルムを提供することである。
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなるフィルムは、表面結晶化度が高く、ブロッキング係数が小さいことから離型性が良好であり、FPCなどの製造に際して離型フィルムとして好適に使用できることから、工業的価値は極めて高い。
以下、本発明に係るポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物並びに該樹脂組成物からなるフィルムおよび離型フィルムについて詳細に説明する。
[本発明の重合体(A)]
本発明の4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)としては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテンなどが例示できる。これらのα−オレフィンは一種単独でも二種以上組合わせても用いることができ、特に3−メチル−1−ブテンまたは3−メチル−1−ペンテンが好ましい。さらに、3−メチル−1−ブテンまたは3−メチル−1−ペンテンから導かれる繰り返し単位が通常80質量%以上、好ましくは90〜100質量%、さらに好ましくは98〜100質量%であると、より表面結晶化度が高く、ブロッキング係数が小さいフィルムを得ることができる。
また本発明の4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)は、チーグラ・ナッタ触媒、メタロセン系触媒等の周知の触媒を用いて製造することができ、例えば特開2003−105022号公報に記載されているように、触媒の存在下に上記の炭素原子数4〜10のα−オレフィンを、重合温度20℃以下、好ましくは10〜20℃で、実質的に水素の存在しない状態で重合することが好ましい。ここで実質的に水素が存在しないとは、積極的に水素を添加しないことを意味し、重合系内の水素濃度は0〜0.1モル%、好ましくは0.0001〜0.001モル%未満である。
[ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)]
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン(B)は、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体または、4−メチル−1−ペンテンと他のα−オレフィンとの共重合体である。他のα−オレフィンとしては、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンが挙げられ、一種単独でも二種以上使用してもよい。本発明において好ましいα−オレフィンとしては、炭素原子数7〜20のα−オレフィンであり、特に1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1―オクタデセンが好適に使用できる。また4−メチル−1−ペンテンを93質量%以上、好ましくは96質量%以上の量で含む4−メチル−1−ペンテンを主体とした重合体であると、良好な耐熱性が得られることから好ましい。
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン(B)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、チーグラ・ナッタ触媒、メタロセン系触媒等の周知の触媒を用いて製造することができ、例えば特開2003−105022号公報に記載されているように触媒の存在下に4−メチル−1−ペンテンと上記α−オレフィンを重合することで得ることができる。
また重合に際しての重合温度の調節および重合系へ水素添加を行なうことにより分子量を調節することができ、ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)は、ASTM J1601に準じて測定した極限粘度[η]が、2.5〜4dl/g、さらに3〜3.8dl/gであことが好ましい。
[ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物]
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物は、上記の4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)0.5〜3質量部、好ましくは0.5〜1質量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)95.5〜97質量部、好ましくは95.5〜99質量部((A)と(B)の合計量は100質量部)からなる。(A)および(B)がこのような範囲にあると、ポリ4−メチル−1−ペンテンの良好な透明性および耐熱性を損なうことなく、フィルムとして表面結晶化度20〜70%、好ましくは30〜60%、さらに好ましくは30〜50%、半結晶化時間130〜220秒、好ましくは130〜200秒、また、ブロッキング係数3〜9gf/cm、好ましくは3〜8gf/cmの物性が得られ、離型フィルムとして使用した際に良好な剥離性を得ることができる。
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物は、上記のチーグラ・ナッタ触媒などを用いて、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)を重合する予備重合を行なう。次いで該予備重合済みの触媒の存在下に、ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)を重合する主重合を行なうことで、重合体パウダーとして得ることができる。
ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物中の、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)とポリ4−メチル−1−ペンテン(B)の割合は、上記予備重合と主重合で得られる重合体の量を、単量体の供給量および重合時間などを調節することにより可能である。また重合に際しての重合温度の調節および重合系へ水素添加を行なうことにより分子量を調節することができ、ASTM J1601に準じて測定した極限粘度[η]は、2.5〜4dl/g、さらに3〜3.8dl/gであることが好ましい。
さらに得られた重合パウダーに、本発明の目的を損なわない範囲で、耐熱安定剤、耐候安定剤、発錆防止剤、耐銅害安定剤、帯電防止剤など、ポリオレフィンに配合されるそれ自体公知の各種添加剤を添加して、単軸押出機、複軸押出機、ニーダーなどを用いて溶融混練或いは粉砕してペレットまたは粉砕物を得ることができ、ASTM D1238に準じて測定されたメルトフローレート(MFR)は10〜40g/10分、さらに20〜30g/10分であると成形性が良好であり好ましい。
また本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物は、チーグラ・ナッタ触媒などを用いてそれぞれ別々に重合して得られた、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)を本発明の量比で配合し、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー等のミキサーなどを用いて混合、単軸押出機、複軸押出機、ニーダー、などを用いたて溶融混練して造粒或いは粉砕して得ることもできる。
[本発明の樹脂組成物からなるフィルム]
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなるフィルムは、上記のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物を、プレス成形法、押出成形法、インフレーション法、カレンダー法などの公知の方法でフィルム成形して得ることができる。
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂フィルムの厚さは、その使用用途にもよるが、離型フィルムとして使用する場合、通常5〜1000μm、好ましくは50〜100μmであるとフィルムの生産性に優れ、フィルム成形時にピンホールが生じることがなく好ましい。また、他の樹脂と多層フィルムを形成してもよく、共押出成形法、押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等で多層フィルムとすることができる。
[離型フィルム]
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂フィルムである離型フィルムは、プリント基板用離型フィルム、熱硬化性樹脂用離型フィルム、合成皮革用離型フィルムなどに好適に使用できる。本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂フィルムは表面結晶化度が高く、ブロッキング係数が小さいことから離型性が良好であり、離型フィルムとしてこれらの用途に好適に使用することができる。
以下、実施例にて説明するが、本発明はこれらの実施例等によって何等制限されるものではない。実施例および比較例で用いた試料調製方法、物性の測定方法を下記に示した。
[メルトフローレート(MFR)]
ASTM D1238に準じ、荷重5kg、温度260℃の条件で測定した。
[極限粘度[η]]
移動粘度計(離合社製、タイプVNR053U型)を用い、樹脂0.25〜0.27gを25mlのデカリンに溶解させたものを試料とし、ASTM J1601に準じ135℃にて比粘度ηSPを測定し、これと濃度との比を濃度0に外挿して極限粘度[η]を求めた。
[半結晶化時間]
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用い、ペレットをプレス成形したシートから切り出した10mgのサンプルを窒素雰囲気下280℃で10分間熱処理後、降温速度320℃/分で220℃まで冷却し、220℃で温度一定とした際に観察される結晶化曲線において、発熱ピークの積分値の半分に到達するまでの時間t1/2(秒)を測定した。
[表面結晶化度]
Tダイ付きキャストフィルム成形機でシリンダー温度310℃、チルロール温度20℃で成形した厚さ50μmのフィルムの表面を剃刀にて極薄く削りだした厚さ1μmのフィルムを試料とし、広角X線回折測定にて結晶化度を算出した。広角X線回折は、下記の方法で測定を行う。測定に供するX線は、(株)リガク製X線回折装置RINT2500を用いて発生させる。ターゲットとして銅対陰極を用い、出力50kV×300mAのポイントフォーカスで取り出したX線を試料に照射し、回折X線の強度をシンチレーションカウンタで計測する。2θ走査は5〜35°で行ない、試料の広角X線回折プロファイルを得る。また、同材料の非晶質試料を用意し、同様の測定を行って得た非晶質試料のX線回折プロファイル(非晶ハロー)を用いて、実試料のX線回折プロファイルを非晶ハローと結晶ピークとに分離する。実試料の結晶化度は次の通りに求める。はじめにベースラインを切り離し、全面積における結晶ピーク面積総和の比を百分率で求めた。
[ブロッキング係数]
ASTM D1893−67に準じて、Tダイ付きキャストフィルム成形機でシリンダー温度310℃、チルロール温度20℃で成形した厚さ50μmのフィルムから切り出した、6cm×12cmのフィルム2枚を重ね合わせ、表面を鏡面処理した2枚の金属板で挟んで、温度180℃、5MPaの荷重で30分間加熱加圧処理した後、室温まで冷却して、(株)インテスコ製2001型万能材料試験機にて試験速度200mm/分、荷重200g、180°剥離の条件で、剪断剥離するときの最大荷重を測定して、ブロッキン係数(gf/cm)を求めた。
[銅箔との剥離性]
ASTM D1893−67に準じて、Tダイ付きキャストフィルム成形機でシリンダー温度310℃、チルロール温度20℃で成形した厚さ50μmのフィルムから切り出した、6cm×12cmフィルムと銅箔を重ね合わせ、鏡面処理した2枚の金属板で挟んで、5MPaの荷重下で180℃、30分加熱加圧処理した。次いで室温まで冷却した後、フィルムの端を持って、フィルムを銅箔から剥離した際の剥離性を、○:容易に剥離可能、△:剥離に際して重いと感じる、×:剥離が困難として評価した。
[エポキシ樹脂との剥離性]
ASTM D1893−67に準じて、Tダイ付きキャストフィルム成形機でシリンダー温度310℃、チルロール温度20℃で成形した厚さ50μmのフィルムから切り出した、6cm×12cmのフィルムとエポキシ樹脂からなるシートを重ね合わせ、鏡面処理した2枚の金属板で挟んで、5MPaの荷重下で180℃、30分加熱加圧処理した。次いで室温まで冷却した後、フィルムの端を持って、フィルムを銅箔から剥離した際の剥離性を、○:エポキシ樹脂への接着がなく容易に剥離可能、△:若干の接着があり剥離が重いと感じる、×:接着力が大きく手で剥離させることが不可能として評価した。
[ポリイミドとの剥離性]
ASTM D1893−67に準じて、Tダイ付きキャストフィルム成形機でシリンダー温度310℃、チルロール温度20℃で成形した厚さ50μmのフィルムから切り出した、6cm×12cmのフィルムとポリイミド樹脂からなるシートを重ね合わせ、鏡面処理した2枚の金属板で挟んで、5MPaの荷重下で180℃、30分加熱加圧処理した。次いで室温まで冷却した後、フィルムの端を持って、フィルムを銅箔から剥離した際の剥離性を、○:ポリイミド樹脂への接着がなく容易に剥離可能、△:若干の接着があり剥離が重いと感じる、×:接着力が大きく手で剥離させることが不可能として評価した。
[実施例1]
[固体状チタン触媒成分の調製]
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物の重合に使用した固体状チタン触媒成分は、次のように調整した。
無水塩化マグネシウム750g、デカン2800gおよび2−エチルヘキシルアルコ−ル3080gを130℃で3時間加熱反応を行って均一溶液とした後、この溶液中に2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン220mlを添加し、さらに、100℃にて1時間攪拌混合を行なった。このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、この均一溶液3000mlを、−20℃に保持した四塩化チタン800ml中に、攪拌下45分間にわたって全量滴下挿入した。挿入終了後、この混合液の温度を4.5時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところで2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン5.2mlを添加し、これにより2時間同温度にて攪拌下保持した。2時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を1000mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び110℃で2時間、加熱反応を行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、90℃デカンおよびヘキサンで洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分はデカンスラリ−として保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。このようにして得られた触媒成分の組成はチタン3.0質量%,マグネシウム17.0質量%,塩素57質量%,2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン18.8質量%および2−エチルヘキシルアルコ−ル1.3質量%であった。
[ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物の製造]
(本発明の重合体(A)の製造)
内容積80リットルの攪拌機付きのSUS製重合槽に窒素雰囲気下、デカン16リットル、トリエチルアルミニウム0.76モル、3−メチル−1−ペンテン2.28リットルおよび上記固体状チタン触媒成分をTi原子換算で0.38モルを含むデカンスラリー溶液13.1Lを添加した後、20℃の温度で45分間予備重合を行った。
(ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)の製造)
内容積130リットルの重合器に、室温下にて、デカン100リットル、27kgの4−メチル−1−ペンテン、890gのデセン−1、水素6.75リットル、トリエチルアルミニウム67.5ミリモルおよび、上記3−メチル−1−ペンテンを予備重合した触媒をチタン原子換算で2.7ミリモルを加え、重合器内を60℃に昇温し、その温度を保った。重合時間6時間経過後、重合器からパウダーを取り出し、ろ過した後、ヘキサンで洗浄して、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の収量は26kg、極限粘度[η]は3.6dl/gであり、3−メチル−1−ペンテン重合体の含有量は、0.6質量%、デセン−1含有量は3.3質量%であった。
[フィルムの製造]
上記で得られた、3−メチル−1−ペンテンを0.6質量%含むポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物に、従来公知の中和剤、フェノール系酸化防止剤を添加してヘンシェルミキサーにて混合、押出機を用いて290℃にて溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのメルトフローレートは、25g/10分であった。
次いで、Tダイ付きキャストフィルム成形機を用い、シリンダー温度310℃、チルロール温度20℃でフィルム成形することで、厚さ50μmのキャストフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表1に示した。
[実施例2]
3−メチル−1−ペンテン重合体の含有量が1質量%となるよう、予備重合で3−メチル−1−ペンテン21リットル使用した以外は実施例1と同様に重合を行ないパウダーを溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのMFRは25g/10分であった。次いで製膜を行ないフィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[実施例3]
予備重合を3−メチル−1−ブテンで行ない、3−メチル−1−ブテン重合体の含有量が0.6質量%となるよう、予備重合で3−メチル−1−ブテン12.6リットル使用した以外は、実施例1と同様に重合を行ないパウダーを溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのMFRは25g/10分であった。次いで製膜を行ないフィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[実施例4]
3−メチル−1−ブテン重合体の含有量が1質量%となるよう、予備重合で3−メチル−1−ブテン21リットル使用した以外は、実施例3と同様に重合を行ないパウダーを溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのMFRは25g/10分であった。次いで製膜を行ないフィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[比較例1]
3−メチル−1−ブテン重合体の含有量が0.4質量%となるよう、予備重合で3−メチル−1−ブテン8.4リットルとした以外は、実施例3と同様に重合を行ないパウダーを溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのMFRは25g/10分であった。次いで製膜を行ないフィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
Figure 2005350601
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなるフィルムは、表面結晶化度が高く、ブロッキング係数が小さいことから離型性が良好であり、プリント配線基板、特に多層フレキシブル配線基板の製造に際して離型フィルムとして好適に使用できる。

Claims (5)

  1. 4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)0.5〜3質量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)95.5〜97質量部((A)と(B)の合計量は100質量部)からなるポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物。
  2. 4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる重合体(A)が3−メチル−1−ブテンまたは3−メチル−1−ペンテンを80質量%以上有する重合体であり、ポリ4−メチル−1−ペンテン(B)が4−メチル−1−ペンテンを93質量%以上有する重合体であることを特徴とする、請求項1に記載のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物。
  3. ブロッキング係数が3〜9gf/cmであることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなるフィルム。
  4. 表面結晶化度が20〜70%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなるフィルム。
  5. 請求項3または4に記載のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂フィルムである離型フィルム。
JP2004174332A 2004-06-11 2004-06-11 高結晶性ポリ4−メチルペンテン樹脂組成物及びフィルム Pending JP2005350601A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004174332A JP2005350601A (ja) 2004-06-11 2004-06-11 高結晶性ポリ4−メチルペンテン樹脂組成物及びフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004174332A JP2005350601A (ja) 2004-06-11 2004-06-11 高結晶性ポリ4−メチルペンテン樹脂組成物及びフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005350601A true JP2005350601A (ja) 2005-12-22

Family

ID=35585342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004174332A Pending JP2005350601A (ja) 2004-06-11 2004-06-11 高結晶性ポリ4−メチルペンテン樹脂組成物及びフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005350601A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010024300A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Mitsui Chemicals Inc オレフィン系重合体組成物、該組成物を用いて得られるフィルムおよび積層体、ならびに該フィルムまたは積層体からなる離型フィルム
US20110105710A1 (en) * 2008-07-15 2011-05-05 Mitsui Chemicals, Inc. Optical resin, optical resin composition, optical film, and film
EP2311914A4 (en) * 2008-07-10 2011-07-27 Mitsui Chemicals Inc POLYMER OF 4-METHYL-1-PENTENE, RESIN COMPOSITION CONTAINING THE POLYMER OF 4-METHYL-1-PENTENE, ITS MASTER MIXTURE AND MOLDED ARTICLES CONTAINING THE SAME
US8765872B2 (en) 2008-07-10 2014-07-01 Mitsui Chemicals, Inc. 4-methyl-1-pentene polymer, resin composition containing 4-methyl-1-pentene polymer, masterbatch thereof, and formed product thereof

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5770653A (en) * 1980-10-22 1982-05-01 Mitsubishi Gas Chemical Co Manufacture of laminated board
JPS5815952B2 (ja) * 1980-03-31 1983-03-28 日立化成工業株式会社 接着剤被覆積層板の製造法
JPS617349A (ja) * 1984-06-22 1986-01-14 Mitsubishi Chem Ind Ltd 3−メチルブテン−1重合体組成物およびその製法
JPH0232106A (ja) * 1988-07-20 1990-02-01 Mitsui Petrochem Ind Ltd 4‐メチル‐1‐ペンテン系共重合体の製法
JPH0359051A (ja) * 1989-07-28 1991-03-14 Mitsui Petrochem Ind Ltd 4―メチル―1―ペンテン系重合体組成物
JPH0373588A (ja) * 1989-08-15 1991-03-28 Mitsui Petrochem Ind Ltd プリント配線板製造用の離型フィルムおよびその製造方法
JPH06283843A (ja) * 1993-03-25 1994-10-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd フレキシブルプリント回路板の製造方法
JP2002137231A (ja) * 2000-11-02 2002-05-14 Mitsui Chemicals Inc 離型フィルムおよびその製造方法
JP2004035625A (ja) * 2002-06-28 2004-02-05 Mitsui Chemicals Inc 4−メチル−1−ペンテン系重合体の樹脂組成物
JP2005307059A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Mitsui Chemicals Inc ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂フィルム

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5815952B2 (ja) * 1980-03-31 1983-03-28 日立化成工業株式会社 接着剤被覆積層板の製造法
JPS5770653A (en) * 1980-10-22 1982-05-01 Mitsubishi Gas Chemical Co Manufacture of laminated board
JPS617349A (ja) * 1984-06-22 1986-01-14 Mitsubishi Chem Ind Ltd 3−メチルブテン−1重合体組成物およびその製法
JPH0232106A (ja) * 1988-07-20 1990-02-01 Mitsui Petrochem Ind Ltd 4‐メチル‐1‐ペンテン系共重合体の製法
JPH0359051A (ja) * 1989-07-28 1991-03-14 Mitsui Petrochem Ind Ltd 4―メチル―1―ペンテン系重合体組成物
JPH0373588A (ja) * 1989-08-15 1991-03-28 Mitsui Petrochem Ind Ltd プリント配線板製造用の離型フィルムおよびその製造方法
JPH06283843A (ja) * 1993-03-25 1994-10-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd フレキシブルプリント回路板の製造方法
JP2002137231A (ja) * 2000-11-02 2002-05-14 Mitsui Chemicals Inc 離型フィルムおよびその製造方法
JP2004035625A (ja) * 2002-06-28 2004-02-05 Mitsui Chemicals Inc 4−メチル−1−ペンテン系重合体の樹脂組成物
JP2005307059A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Mitsui Chemicals Inc ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂フィルム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2311914A4 (en) * 2008-07-10 2011-07-27 Mitsui Chemicals Inc POLYMER OF 4-METHYL-1-PENTENE, RESIN COMPOSITION CONTAINING THE POLYMER OF 4-METHYL-1-PENTENE, ITS MASTER MIXTURE AND MOLDED ARTICLES CONTAINING THE SAME
US8765872B2 (en) 2008-07-10 2014-07-01 Mitsui Chemicals, Inc. 4-methyl-1-pentene polymer, resin composition containing 4-methyl-1-pentene polymer, masterbatch thereof, and formed product thereof
US9657117B2 (en) 2008-07-10 2017-05-23 Mitsui Chemicals, Inc. 4-methyl-1-pentene polymer, resin composition containing 4-methyl-1-pentene polymer, masterbatch thereof, and formed product thereof
US20110105710A1 (en) * 2008-07-15 2011-05-05 Mitsui Chemicals, Inc. Optical resin, optical resin composition, optical film, and film
US8633290B2 (en) * 2008-07-15 2014-01-21 Mitsui Chemicals, Inc. Optical resin, optical resin composition, optical film, and film
JP2010024300A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Mitsui Chemicals Inc オレフィン系重合体組成物、該組成物を用いて得られるフィルムおよび積層体、ならびに該フィルムまたは積層体からなる離型フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006070252A (ja) ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物、フィルムおよび電子部品封止体製造用型枠
TWI682967B (zh) 樹脂組成物、預浸體、覆金屬箔疊層板、樹脂複合片及印刷電路板
KR102466877B1 (ko) 열경화성 수지 조성물, 프리프레그, 적층판 및 다층 프린트 배선판
WO2006095511A1 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物および該樹脂組成物から得られる基板
KR102327243B1 (ko) 열경화성 수지 조성물, 프리프레그, 적층판, 프린트 배선판 및 고속 통신 대응 모듈
JPWO2019189466A1 (ja) 樹脂材料及び多層プリント配線板
WO2006098452A1 (ja) プロピレン系重合体組成物、その用途、および熱可塑性重合体組成物の製造方法
WO2020045408A1 (ja) 樹脂材料、積層構造体及び多層プリント配線板
KR100823403B1 (ko) 폴리아릴케톤수지 필름과 그 금속적층체
US20080315066A1 (en) Poly 4-Methyl-1-Pentene Resin Composition, Film and Mold for Production of Sealed Electronic Element Product
JP2005350601A (ja) 高結晶性ポリ4−メチルペンテン樹脂組成物及びフィルム
JP2005307059A (ja) ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂フィルム
JP5587771B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド樹脂製回路基板用離型フィルム及び積層体
US7314905B2 (en) Drawn film and process for producing the same
JP2002137231A (ja) 離型フィルムおよびその製造方法
JP4255073B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた高周波回路用積層板
JP2012207066A (ja) 熱硬化性樹脂材料及び多層基板
JP4094211B2 (ja) 金属箔積層板の製造方法
JP7331849B2 (ja) 成形体及びその製造方法、プリプレグ、並びに積層体
JP2008266502A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを含有してなるフィルム
WO2024038794A1 (ja) 低誘電性樹脂組成物、接着付与剤、低誘電接着性組成物、低誘電接着性成形物、低誘電接着剤および積層体
JP4391873B2 (ja) 樹脂組成物を用いた高周波回路用積層板
JP6969029B2 (ja) 環状オレフィン重合体、溶液、フィルム、及び金属樹脂積層体
JP3766263B2 (ja) 耐熱性フィルム及びこれを基材とするフレキシブルプリント配線基板
WO2021090730A1 (ja) 樹脂組成物及び樹脂付銅箔

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060614

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090428