JP2005350526A - アクリルゴム磁性材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン廻り等の耐熱性、耐油性が要求される磁気エンコーダ成形材料として用いることができ、しかもアクリルゴムベースに対して磁性粉を高充填することを可能とし、それによって飽和磁束密度を保持せしめたアクリルゴム磁性材料を提供する。
【解決手段】(A)ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を少くとも1個有するアクリル系重合体、(B)ヒドロシリル基含有化合物および(C)ヒドロシリル化触媒を必須成分として含有する組成物100重量部に磁性粉1000〜1800重量部を配合したアクリルゴム磁性材料。
【解決手段】(A)ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を少くとも1個有するアクリル系重合体、(B)ヒドロシリル基含有化合物および(C)ヒドロシリル化触媒を必須成分として含有する組成物100重量部に磁性粉1000〜1800重量部を配合したアクリルゴム磁性材料。
Description
本発明は、アクリルゴム磁性材料に関する。さらに詳しくは、磁性粉の高充填を可能とさせるアクリルゴム磁性材料に関する。
速度センサ等のエンコーダ部位に用いられる磁気エンコーダには、センサ用ゴム磁石が用いられている。このような車輪速センサのゴム磁石としては、一般にNBRベースのものが使用されているが、エンジンクランクセンサ等のエンジン廻りの駆動系部位への適用を考えた場合には、その使用環境が約130〜170℃と高温であるため、耐熱温度の上限が120℃付近であるNBRは満足に使用することができない。
また、NBRの耐熱性を向上させた水素化NBRを用いた場合には、耐熱性の向上がみられ、磁性粉の高充填も可能となるが、その耐熱温度の上限は150℃程度であり、十分な耐熱性を保持しているとはいえない。
WO 01/041162
約130〜170℃の温度で使用できるゴムとしては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等があるが、シリコーンゴムは耐油性に問題があり、またフッ素ゴムは高充填するとゴムの柔軟性が著しく失われるため、磁性粉の配合量に制限があり、このため高い磁力の磁性ゴムを得ることが難しい。
アクリル系ゴムであるエチレン-アクリル酸メチル共重合ゴムに磁性粉およびアミン系加硫剤を配合した磁気エンコーダ用ゴム組成物も提案されているが、この場合の磁性粉の添加割合はゴム100重量部当り約300〜1000重量部とされ、より高磁力を求めてそれ以上の量の磁性粉を添加した場合には、高充填によりゴム強度や柔軟性が著しく失われるばかりではなく、磁束密度の向上を伴わないため、実用的ではなかった。
特開2004−26849号公報
さらに、従来の磁性粉配合ゴムに、固形ゴムと反応し得る液状ゴム、例えば液状NBR、液状EPDM、液状フッ素ゴム等を配合することによって、磁性粉本来の高い磁力を保持しながら、かつ固形ゴム本来の物性を損うことなく、ゴムコンパウンドの粘度を低く抑え、加工性を改良し、耐熱性および成形物の柔軟性を保つことができるゴム組成物も提案されているが、この場合にも磁性粉の添加割合はゴム混合物100重量部に対して450〜1000重量部とされ、これよりも多い割合が添加されて用いられると、成形物の柔軟性が著しく悪化するとされている。
WO 03/051983
本発明の目的は、エンジン廻り等の耐熱性、耐油性が要求される磁気エンコーダ成形材料として用いることができ、しかもアクリルゴムベースに対して磁性粉を高充填することを可能とし、それによって飽和磁束密度を保持せしめたアクリルゴム磁性材料を提供することにある。
かかる本発明の目的は、(A)ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を少くとも1個有するアクリル系重合体、(B)ヒドロシリル基含有化合物および(C)ヒドロシリル化触媒を必須成分として含有する組成物に磁性粉を配合したアクリルゴム磁性材料によって達成される。
本発明に係るアクリルゴム磁性材料を加硫成形して得られた磁気エンコーダは、常態物性、特に引張強さにすぐれ、耐熱性および耐油性にもすぐれており、しかもアクリルゴムベース100重量部当り1000〜1800重量部といった高充填量の磁性粉の充填を可能としているため、飽和磁束密度の点でもすぐれているので、エンジン廻り駆動系部位に使用される車輪速センサの磁気エンコーダ等の回転検出(車軸、角クランク、カム等)に有効に使用することができる。
また、ゴム磁石の高磁力化は、磁気エンコーダにおける検出感度を向上させ、検出精度の向上やエンコーダセンサ間隙寸法の拡大などの効果をも奏する。さらに、高い磁性付与性が要求される磁気エンコーダとしてばかりではなく、通常の磁気センサとしても好適に用いることができる。
ゴム磁石のベースゴムとなるアクリルゴムは、前記(A)、(B)および(C)成分を必須成分として含有する組成物を硬化させて形成される。
(A)成分のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を少くとも1個、好ましくは末端に少くとも1個有するアクリル系重合体の主鎖を構成するアクリル酸エステル系モノマーとしては特に限定されず、各種任意のものを用いることができる。
例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、第3ブチルアクリレート、n-ペンチルアクリレート、n-へキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n-へプチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、トルイルアクリレート、ベンジルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、3-メトキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ステアリルアクリレート、グリシジルアクリレート、2-アミノエチルアクリレート、トリフルオロメチルメチルアクリレート、2-トリフルオロメチルエチルアクリレート、2-パーフルオロエチルエチルアクリレート、2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチルアクリレート、パーフルオロエチルアクリレート、パーフルオロメチルアクリレート、ジパーフルオロメチルメチルアクリレート、2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチルエチルアクリレート、2-パーフルオロへキシルエチルアクリレート、2-パーフルオロデシルエチルアクリレート、2-パーフルオロヘキサデシルエチルアクリレート等のアクリル酸エステルまたはこれに対応するメタクリル酸エステル、アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等が用いられる。あるいは、アクリル酸またはメタクリル酸も用いることができる。
これらの内、生成物の物性などの点からは、好ましくはアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが用いられ、特に好ましくはアクリル酸エステル、例えばブチルアクリレート、エチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート等が1種または2種以上組合せて用いられる。
本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーとランダム共重合したり、さらにブロック共重合させてもよく、この際にはこれらの好ましいモノマーであるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが60重量%以上の割合で共重合されていることが好ましい。
また、これらのアクリル酸系またはメタクリル酸系モノマーと共に、約30重量%以下の割合で他のモノマーを共重合させることができ、かかるモノマーとしては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸またはその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のけい素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルまたはジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルまたはジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、へキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル、けい皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。
これらのモノマーを共重合させて得られたアクリル系重合体中には、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が少くとも1個、好ましくは末端に少くとも1個導入される。導入されたアルケニル基は、一般式
CH2=C(R)-
で表わされ、ここでRは水素原子または炭素数1〜20の有機基であり、かかる有機基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等が挙げられ、ヒドロシリル基含有化合物との反応性の点からは、Rが水素原子またはメチル基、好ましくは水素原子であるアルケニル基が導入される。
CH2=C(R)-
で表わされ、ここでRは水素原子または炭素数1〜20の有機基であり、かかる有機基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等が挙げられ、ヒドロシリル基含有化合物との反応性の点からは、Rが水素原子またはメチル基、好ましくは水素原子であるアルケニル基が導入される。
かかるアルケニル基の導入は、例えば次のような方法によって行うことができる。
(a)リビングラジカル重合によりアクリル系重合体を合成する際に、所定のアクリル系モノマーと共に、一般式
CH2=CR1-R2-R3-CR1=CH2
R1:水素原子またはメチル基
R2:エステル基またはo-,m-またはp-フェニレン基
エステル基の場合は(メタ)アクリレート系化合物
フェニレン基の場合はスチレン系化合物
R3:直接結合または1個以上のエーテル結合を有していてもよいC1〜C20の 有機基
で表わされる、一分子中に重合性の高いアルケニル基および重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物、例えば
CH2=CHCOO(CH2)nCH=CH2
CH2=C(CH3)COO(CH2)nCH=CH2
o-,m-またはp-ジビニルベンゼン
等を反応させる方法
(b)リビングラジカル重合によりアクリル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、重合性の低いアルケニル基を少くとも2個有する化合物、すなわち一般式
CH2=CR1-R4-CR1=CH2
R1:水素原子またはメチル基
R4:1個以上のエーテル結合を含んでいてもよいC1〜C20の有機基
で表わされる化合物、例えば1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン等を反応させる方法
この方法は、一分子当りに導入されるアルケニル基の制御がより容易である。
(c)ハロゲンを少くとも1個有するアクリル系重合体にアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を作用させて、重合体中のハロゲンをアルケニル基に置換する方法など、アクリル系重合体中のハロゲンをアルケニル基に置換する方法
(a)リビングラジカル重合によりアクリル系重合体を合成する際に、所定のアクリル系モノマーと共に、一般式
CH2=CR1-R2-R3-CR1=CH2
R1:水素原子またはメチル基
R2:エステル基またはo-,m-またはp-フェニレン基
エステル基の場合は(メタ)アクリレート系化合物
フェニレン基の場合はスチレン系化合物
R3:直接結合または1個以上のエーテル結合を有していてもよいC1〜C20の 有機基
で表わされる、一分子中に重合性の高いアルケニル基および重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物、例えば
CH2=CHCOO(CH2)nCH=CH2
CH2=C(CH3)COO(CH2)nCH=CH2
o-,m-またはp-ジビニルベンゼン
等を反応させる方法
(b)リビングラジカル重合によりアクリル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、重合性の低いアルケニル基を少くとも2個有する化合物、すなわち一般式
CH2=CR1-R4-CR1=CH2
R1:水素原子またはメチル基
R4:1個以上のエーテル結合を含んでいてもよいC1〜C20の有機基
で表わされる化合物、例えば1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン等を反応させる方法
この方法は、一分子当りに導入されるアルケニル基の制御がより容易である。
(c)ハロゲンを少くとも1個有するアクリル系重合体にアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を作用させて、重合体中のハロゲンをアルケニル基に置換する方法など、アクリル系重合体中のハロゲンをアルケニル基に置換する方法
これらの方法によってアクリル系重合体中に導入されるアルケニル基は、重合体1分子当り1〜10、好ましくは2〜8である。
アルケニル基を有するアクリル系重合体は、常温で液状の数平均分子量Mnが500以上、好ましくは1,000〜100,000のものが一般に用いられる。この分子量が低くなりすぎると、アクリル系重合体本来の特性が発現され難くなり、一方高すぎると取扱いが困難となる。
このアクリル系重合体の分子量分布、すなわちゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は、一般に1.8以下、好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.3以下のものが用いられる。この比が1.8以上のものを用いると、物性低下などを生ずるので好ましくない。なお、GPC測定による分子量は、クロロホルムを移動相として、ポリスチレンゲルカラムを用い、ポリスチレン換算で求められた。
このアルケニル基含有アクリル系重合体は、種々の重合法で得ることができ、その方法は特に限定されないが、モノマーの汎用性、制御の容易性の点からはラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合法の中でもリビング重合法がより好ましく、原子移動ラジカル重合法が特に好ましい。
ラジカル重合反応は重合速度が速く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起り易いため、一般的には反応の制御が難かしいとされているが、リビングラジカル重合法は特殊な重合系を用いることにより、重合体成長末端での停止反応などの副反応が起り難く、また分子量分布の狭い重合体(Mw/Mn:1.1〜1.5程度)が得られ、さらにモノマーと開始剤の仕込み比によって分子量を自由にコントロールすることができるという特徴を有する。
したがって、リビング重合法は、分子量分布が狭く、生成重合体が液状の場合には粘度の低い重合体を得ることができるばかりではなく、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、アルケニル基を有するアクリル系重合体の製造方法としては好ましいものといえる。
なお、リビング重合法とは、狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が成長していく重合のことを指しているが、一般には末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら成長していく擬リビング重合も含まれ、本発明におけるリビング重合法は後者である。
(B)成分のヒドロシリル基含有化合物としては、(A)成分のアルケニル基を末端に少くとも1個有するアクリル系重合体との架橋により硬化できる化合物であれば特に制限はなく、例えば一般式
R5 3SiO[SiR5 2O]a[SiHR6O]b[SiR6R7O]c SiR6 3
R5 2HSiO[SiR5 2O]a[SiHR6O]b[SiR6R7O]c SiHR5 2
R5,R6:C1〜C6のアルキル基またはフェニル基
R7:C1〜C10のアルキル基またはアラルキル基
0≦a≦100
2≦b≦100
0≦c≦100
R8,R9:C1〜C6のアルキル基またはフェニル基
R10:C1〜C10のアルキル基またはアラルキル基
0≦d≦8
2≦e≦10
0≦f≦8
3≦d+e+f≦10
で表わされる化合物等が用いられる。
R5 3SiO[SiR5 2O]a[SiHR6O]b[SiR6R7O]c SiR6 3
R5 2HSiO[SiR5 2O]a[SiHR6O]b[SiR6R7O]c SiHR5 2
R5,R6:C1〜C6のアルキル基またはフェニル基
R7:C1〜C10のアルキル基またはアラルキル基
0≦a≦100
2≦b≦100
0≦c≦100
R8,R9:C1〜C6のアルキル基またはフェニル基
R10:C1〜C10のアルキル基またはアラルキル基
0≦d≦8
2≦e≦10
0≦f≦8
3≦d+e+f≦10
で表わされる化合物等が用いられる。
これらの中でも、平均して1分子中にヒドロシリル基を少くとも1.1個以上有する鎖状ポリシロキサン、環状シロキサン等の化合物が好んで用いられ、アクリル系重合体との相溶性の観点からは、ヒドロシリル基以外にアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基等を有するシロキサン化合物がより好ましい。これらのヒドロシリル基含有化合物は、1種または2種以上を混合して用いることもできる。
アルケニル基含有アクリル系重合体とヒドロシリル基含有化合物とは、任意の割合で混合して用いることができるが、硬化性の点からは、アクリル系重合体中のアルケニル基とヒドロシリル基含有化合物のヒドロシリル基のモル比が5〜0.2、好ましくは2.5〜0.4の割合で用いられる。このモル比が5以上になると硬化が不十分で、ベトツキのある強度の小さい硬化物しか得られず、一方0.2以下のモル比では、硬化後も硬化物中に活性なヒドロシリル基が大量に残るので、クラックやボイドが発生し、均一で強度のある硬化物が得られなくなる。
また、(C)成分のヒドロシリル化触媒についても特に制御はなく、任意のものが使用できる。具体的には、塩化白金酸、白金の単体やアルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、さらには
白金-ビニルシロキサン錯体 Ptn(CH2=CHMe2SiOSiMe2CH=CH2)n
Pt[(MeCH=CHSiO)4]m
白金-ホスフィン錯体 Pt(PPh3)4
Pt(PBu3)4
白金-ホスファイト錯体 Pt[P(OPh)3]4
Pt[P(OBu)3]4
Me:メチル基
Bu:ブチル基
Ph:フェニル基
n、m:正の整数
や白金化合物以外の触媒であるRhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H20、NiCl2、TiCl4等が挙げられ、また白金-炭化水素錯体(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書)や白金-アルコラート錯体(同第3,220,972号明細書)等も用いられ、これらは単独でまたは2種以上が併用される。これらのヒドロシリル化触媒の内、触媒活性の点からは塩化白金酸、白金-オレフィン錯体、白金-ビニルシロキサン錯体等が好んで用いられる。
白金-ビニルシロキサン錯体 Ptn(CH2=CHMe2SiOSiMe2CH=CH2)n
Pt[(MeCH=CHSiO)4]m
白金-ホスフィン錯体 Pt(PPh3)4
Pt(PBu3)4
白金-ホスファイト錯体 Pt[P(OPh)3]4
Pt[P(OBu)3]4
Me:メチル基
Bu:ブチル基
Ph:フェニル基
n、m:正の整数
や白金化合物以外の触媒であるRhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H20、NiCl2、TiCl4等が挙げられ、また白金-炭化水素錯体(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書)や白金-アルコラート錯体(同第3,220,972号明細書)等も用いられ、これらは単独でまたは2種以上が併用される。これらのヒドロシリル化触媒の内、触媒活性の点からは塩化白金酸、白金-オレフィン錯体、白金-ビニルシロキサン錯体等が好んで用いられる。
触媒量についても特に制限はないが、(A)成分重合体中のアルケニル基1モルに対して10-1〜10-8モル、好ましくは10-2〜10-6モルの範囲内で用いられる。ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性があり、また水素を大量に発生して硬化物を発泡させてしまう場合があるので、10-1モル以上は用いない方がよい。
これらの(A)、(B)、(C)3成分は、これら必須成分の内の一つでも欠けると加硫成形物(硬化物)が得られなかったり、得られたとしてもゴム弾性や伸びが低下するなどの不具合が発生する。
磁性粉としては、一般にフェライト磁石や希土類磁石が少なくとも一種用いられるが、好ましくはコストが安いことおよびゴムとの密着性がよいことより、磁力は希土類磁石にくらべると低いもののフェライト磁石が用いられ、さらに好ましくは磁力の観点からストロンチウムフェライトSrO・6Fe2O3またはバリウムフェライト BaO・6Fe2O3 が用いられる。これらの磁性粉は、磁性粉20gに5重量%PVA水溶液1.5mlを加えて直径25.4mmの円筒金型に入れ、1トン/cm2の圧力で加圧成形して試料を作成し、直流磁化測定機で残留磁束密度Brと保持力iHcを測定したときの圧粉磁性で、Brが1600(G)以上で、iHcが3000(Oe)以上のものを用いることが好ましい。
これらの磁性粉は、前記(A)、(B)、(C)各成分よりなる組成物100重量部に対して、500〜1800重量部、好ましくは1000〜1800重量部、さらに好ましくは1200〜1600重量部の割合で用いられる。これより少ない割合で用いられると、エンコーダとしての磁力が十分でなくなり、一方これより多い割合で用いられると、混練時に全体的に粉体の状態のままになる。また、その粒径は、平均粒径約0.5〜5μmのものが用いられる。これより小さい粒径のものは補強効果が大で、多量充填ができなくなり、一方これより大きい粒径のものは補強効果が小さく、実用レベルの強度が得られなくなる。
以上の各成分を必須成分とする組成物中には、ゴム用配合剤あるいは熱可塑性エラストマー用配合剤として、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、けいそう土、タルク、クレー、グラファイト、けい酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、マイカ等の充填剤、各種金属粉末、ガラス粉末、セラミックス粉末、粒状または粉末状ポリマー等の粉末状固体充填剤、摩耗性や成形性などを改良させる少量の熱可塑性樹脂やゴム、強度や剛性を向上させる短繊維、ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィンワックス等の加工助剤、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の受酸剤、アミン系、フェノール系、イミダゾール系等の老化防止剤、安定剤、可塑剤、粘着性付与剤、離型剤、難燃剤、顔料等のゴム工業で一般的に使用されている各種配合剤が、必要に応じて適宜添加されて用いられる。これらの各種配合剤において、操作上からは液状のものを使用することが好ましい。
組成物中には3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-5-オール等の硬化調整剤を、(A)、(B)、(C)各成分の合計量100重量部当り約5重量部以下、好ましくは約0.01〜1重量部添加して用いることができる。硬化調整剤は、硬化速度の調節やスコーチを防止するという働きをする。
以上の各用途に用いられる組成物の調製は、バンバリーミキサ、プラネタリーミキサ、ブラベンダ、ニーダ、高せん断型ミキサ、ロール、3本ロール等を用いて混練することによって行われ、それの磁気エンコーダ等の磁性ゴム材料(ゴム磁石)への硬化(加硫成形)は、射出成形機、圧縮成形機、加硫プレス等を用いて、一般に約100〜200℃で約3〜120分間程度加熱することによって行われ、さらに必要に応じて約120〜200℃で約1〜24時間程度加熱する加熱処理も行われる。なお、加熱を全く行わずに、室温条件下に24時間以上放置することによっても硬化は可能である。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
アクリル系重合体 100重量部
ヒドロシリル基含有化合物 6 〃
ヒドロシリル化触媒 0.05 〃
硬化調整剤(3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール; 0.1 〃
日信化学製品サーフィノール61)
老化防止剤(チバスペシャルティケミカル製品 2 〃
イルガノックス1010)
ストロンチウムフェライト(戸田工業製品FA-700; 1000 〃
平均粒径1.3μm)
アクリル系重合体 100重量部
ヒドロシリル基含有化合物 6 〃
ヒドロシリル化触媒 0.05 〃
硬化調整剤(3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール; 0.1 〃
日信化学製品サーフィノール61)
老化防止剤(チバスペシャルティケミカル製品 2 〃
イルガノックス1010)
ストロンチウムフェライト(戸田工業製品FA-700; 1000 〃
平均粒径1.3μm)
以上の各成分をプラネタリーミキサおよび3本ロールで混練し、24時間室温下に放置して脱泡した後、180℃、100MPa、10分間のプレス加硫を行って、加硫シート(150×150×2mm)を得た。
なお、アクリル系重合体としては、ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよび2-メトキシエチルアクリレートの共重合体中に1,7-オクタジエンを共重合させ、アルケニル基を導入した共重合体が用いられ、この共重合体の数平均分子量Mnは18000、分子量分布(Mw/Mn)は1.1、共重合体1分子当りに導入された平均アルケニル基数は1.9であるものが用いられ、ヒドロシリル基含有化合物としては、分子中に平均5個のヒドロシリル基と平均5個のα-メチルスチレン基を含有する鎖状シロキサン(Si-H基の量:3.70ミリモル/g)が用いられ、またヒドロシリル化触媒としては、0価白金の1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジビニルシロキサン錯体を3重量%含有するキシレン溶液がそれぞれ用いられた。
実施例2
実施例1において、ストロンチウムフェライト量が1000重量部から16000重量部に変更された。
実施例1において、ストロンチウムフェライト量が1000重量部から16000重量部に変更された。
比較例1
アクリルゴム(ユニマテック製品PA402) 100重量部
沈降イオウ 0.3 〃
ステアリン酸ナトリウム 3 〃
老化防止剤(イルガノックス1010) 2 〃
ストロンチウムフェライト(FA-700) 1000 〃
アクリルゴム(ユニマテック製品PA402) 100重量部
沈降イオウ 0.3 〃
ステアリン酸ナトリウム 3 〃
老化防止剤(イルガノックス1010) 2 〃
ストロンチウムフェライト(FA-700) 1000 〃
以上の各成分をバンバリーミキサおよびロールで混練、脱泡した後、180℃、100MPa、10分間のプレス加硫を行って、加硫シート(150×150×2mm)を得た。
比較例2
実施例1において、ストロンチウムフェライト量が1000重量部から2000重量部に変更された。
実施例1において、ストロンチウムフェライト量が1000重量部から2000重量部に変更された。
以上の各実施例および比較例で得られた加熱シートについて、硬さ、引張強さ、破断時伸びおよび耐熱性の測定を行い、またJIS 5号ダンベルについて耐グリース性を測定した。さらに、飽和磁束密度の測定も行われた。
硬さ:加硫シート3枚を重ね合せ、JIS K6253に準拠して測定
引張強さ、破断時伸び:JIS K6251に準拠して測定
(引張強さが3.0MPa以上が可、3.0MPa未満を不可とする)
耐熱性:JIS K6257に準拠して、175℃、70時間後の引張強さ変化率を測定
耐グリース性:JIS 5号ダンベルを、グリース(パイロノック社製品ユニバーサルN6B) 中に150℃で70時間埋設させ、体積変化率を測定
飽和磁束密度:磁性付与テストピースとして、8×104A/mの磁場を印加してサンプル 成形を実施し、得られたテストピースの磁束密度が上昇しなくなる迄 着磁した飽和磁束密度を測定
硬さ:加硫シート3枚を重ね合せ、JIS K6253に準拠して測定
引張強さ、破断時伸び:JIS K6251に準拠して測定
(引張強さが3.0MPa以上が可、3.0MPa未満を不可とする)
耐熱性:JIS K6257に準拠して、175℃、70時間後の引張強さ変化率を測定
耐グリース性:JIS 5号ダンベルを、グリース(パイロノック社製品ユニバーサルN6B) 中に150℃で70時間埋設させ、体積変化率を測定
飽和磁束密度:磁性付与テストピースとして、8×104A/mの磁場を印加してサンプル 成形を実施し、得られたテストピースの磁束密度が上昇しなくなる迄 着磁した飽和磁束密度を測定
得られた結果は、次の表に示される。なお、比較例2では、混練時に全体的に粉体状態のままであったのでシート状に成形できず、測定ができなかった。
表
測定項目 実施例1 実施例2 比較例1
〔常態物性〕
硬さ (デュロA) 97 98 98
引張強さ (MPa) 7.54 8.24 2.03
破断時伸び (%) 25 20 15
〔耐熱性〕
引張強さ変化率 (%) -24 -27 -15
〔耐グリース性〕
体積変化率 (%) 2.8 2.3 3.3
〔飽和磁束密度〕
飽和磁束密度 (T) 16 24 11
表
測定項目 実施例1 実施例2 比較例1
〔常態物性〕
硬さ (デュロA) 97 98 98
引張強さ (MPa) 7.54 8.24 2.03
破断時伸び (%) 25 20 15
〔耐熱性〕
引張強さ変化率 (%) -24 -27 -15
〔耐グリース性〕
体積変化率 (%) 2.8 2.3 3.3
〔飽和磁束密度〕
飽和磁束密度 (T) 16 24 11
Claims (6)
- (A)ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を少くとも1個有するアクリル系重合体、(B)ヒドロシリル基含有化合物および(C)ヒドロシリル化触媒を必須成分として含有する組成物に磁性粉を配合してなるアクリルゴム磁性材料。
- 数平均分子量Mnが1,000〜100,000でかつ分子量分布(Mw/Mn)が1.8以下である液状アクリル系重合体が組成物の(A)成分として用いられた請求項1記載のアクリルゴム磁性材料。
- 組成物100重量部に対し、1000〜1800重量部の磁性粉が配合された請求項1または2記載のアクリルゴム磁性材料。
- 磁性粉がフェライト磁石または希土類磁石である請求項1、2または3記載のアクリルゴム磁性材料。
- フェライト磁石がストロンチウムフェライトまたはバリウムフェライトである請求項4記載のアクリルゴム磁性材料。
- 請求項1〜5のいずれかに記載されたアクリルゴム磁性材料から加硫成形された磁気エンコーダ用アクリルゴム材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004170702A JP2005350526A (ja) | 2004-06-09 | 2004-06-09 | アクリルゴム磁性材料 |
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JP2004170702A JP2005350526A (ja) | 2004-06-09 | 2004-06-09 | アクリルゴム磁性材料 |
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JP2004170702A Withdrawn JP2005350526A (ja) | 2004-06-09 | 2004-06-09 | アクリルゴム磁性材料 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110033732A1 (en) * | 2008-02-18 | 2011-02-10 | Sony Chemical & Information Device Corporation | Magnetic sheet composition, magnetic sheet, and method for producing magnetic sheet |
JP2012019897A (ja) * | 2010-07-13 | 2012-02-02 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 磁気治療具 |
CN107858001A (zh) * | 2017-10-30 | 2018-03-30 | 南京万儒科技实业有限公司 | 一种永磁硅橡胶混炼胶及其加工工艺 |
-
2004
- 2004-06-09 JP JP2004170702A patent/JP2005350526A/ja not_active Withdrawn
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JP2012019897A (ja) * | 2010-07-13 | 2012-02-02 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 磁気治療具 |
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