以下、本発明の各実施形態を図面を参照して説明する。尚、本発明の実施形態は下記の内容に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
(第1実施形態)
図1は本実施形態の遊技機10の正面図であり、図1に示す通り、遊技機10は、大きくは遊技盤22(図2参照)と長方形の外枠と前面枠12が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジにより外枠に対し回動可能に取り付けられている。前面枠12の下方には玉貯留部を備えた上皿15が設けられ、賞球或いは貸球のための図示しない排出口と球抜き釦とを備えている。上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。この発射ハンドル24は、回動リング(タッチプレート)24aと発射停止釦(図示せず)を備え、回動リング24aに手が触れることを条件に、この回動リング24aを時計方向に回動すると、発射ハンドル24の内部に設けたタッチスイッチ24c(図3参照)がONされ、遊技球を遊技盤上に発射することができる。これは、タッチ信号がスイッチで導通され、後述する主制御装置50に入力され、発射制御装置52で発射駆動信号に変換され、発射装置を駆動させるものである。
図2は遊技機10から取り外した状態の遊技盤22を示す正面図である。遊技盤22の外形はほぼ矩形で、その前面には外レール27と内レール26とによって囲まれた略円形の遊技領域25が形成されている。なお、図示されていない遊技釘が遊技領域25の各所に植設されている。
遊技領域25を上下方向に3等分したときの上位部37に、遊技球が入球可能な大当たり用大入賞口35が設けられている。このため、大当たり用大入賞口35を狙って遊技球を発射し大当たり用大入賞口35近傍を流下させることができ、大当たり時には規定入賞数の確保にかかる時間を短くすることができる。これによって、大当たり遊技の消化にかかる時間を短時間にすることができ、大当たり遊技中の無駄球を少なくして、実質的な獲得球数(総賞球数−発射球数)を多くすることができると共に、単位時間当たりの平均大当たり回数及び単位時間当たりの平均変動回数も高くすることができる。
また、大当たり用大入賞口35の下方にはセンターケース34bが装着されており、センターケース34bに取り囲まれるようにして図柄表示装置34のLCDパネル34aが組み付けられている。図柄表示装置34は、表示手段に該当する。センターケース34bには、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。大当たり用大入賞口35の下方にセンターケース34bが設けられているため、大当たり用大入賞口35の閉鎖時に大当たり用大入賞口35の前方を流下した遊技球をセンターケース34bによって遊技盤22面の左右に分散させることができ、遊技領域25に広く遊技球を流下させることができるため、遊技の興趣を増大させることができる。
センターケース34bの左右には普通図柄始動ゲート28,29が設置されている。センターケース34bの直下近傍にはチューリップ式で、電動役物30が備えられた特別図柄始動口31が設けられている。特別図柄始動口31に入球した遊技球は遊技盤22の裏面側に取り込まれる。電動役物30は、普通図柄始動ゲート28,29を遊技球が通過することに起因して、所定時間、所定回数だけ開放するように主制御装置50によって駆動制御される。
遊技領域25を上下方向に3等分したときの下位部39に、遊技球が入球可能な小当たり用大入賞口33が設置されている。このため、小当たり用大入賞口33の開放タイミングを狙って発射することが困難であって、小当たり用大入賞口33の開放時に遊技球を入賞させるためには運が必要であるため、遊技独特の偶然性を適度に高め、遊技経験を問わず楽しむことができる。また、小当たり用大入賞口33は、特別図柄始動口31の直下近傍に位置しているため、特別図柄始動口31近傍を流下するように遊技球を発射していれば、小当たり用大入賞口33の近傍に遊技球が流下するため、小当たり用大入賞口33の開放時に入球する可能性を高めることができる。
小当たり用大入賞口33の左右の内レール26沿いには一般入賞口36が配されており、小当たり用大入賞口33及び一般入賞口36に入球した遊技球は遊技盤22の裏面側に取り込まれる。また、遊技盤面最下部にはアウト穴32が設けられている。
本実施例の遊技機10の制御系は図3の通りに構成されている。この遊技機10は、主制御装置50、賞球制御装置51、発射制御装置52、図柄表示装置34、電飾制御装置53及び音制御装置54を備えている。詳細な図示は省略するが、これらの制御装置はいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、主制御装置50には各種の判定や選択に使用する乱数カウンタ(複数)が備えられ、音制御装置54には音源ICが備わっている。
主制御装置50は、判定手段、条件判別手段及び遊技制御手段として機能する。この主制御装置50には、特別図柄始動口31(図2参照)への入賞球を検出する特別図柄始動口スイッチ31a、遊技球が普通図柄始動ゲート28、29を通過したことを検出する普通図柄始動スイッチ28a、29a、大当たり用大入賞口35への入賞球を検出する大当たり用大入賞口カウントスイッチ35b、小当たり用大入賞口33への入賞球を検出する小当たり用大入賞口カウントスイッチ33b、大当たり用大入賞口35及び小当たり用大入賞口33の内部に設けられている特定領域を遊技球が通過したことを検出するVスイッチ35c、33c、一般入賞口への入球を検出する一般入賞口スイッチ36a、下球皿が満杯状態になったことを検出する満タンスイッチ66、球タンクが空状態になったことを検出する玉切れスイッチ67、発射ハンドル24に遊技者が接触していることを検出するタッチスイッチ24c、賞球の払い出しを検出する賞球払い出しスイッチ69等の検出信号が入力される。
主制御装置50は搭載しているプログラムに従って動作し、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して賞球制御装置51、発射制御装置52、図柄表示装置34、電飾制御装置53、音制御装置54に出力することでこれらに各種の指令を与えたり、大当たり用大入賞口の開閉板を駆動する大当たり用大入賞口ソレノイド35a、小当たり用大入賞口の開閉板を駆動する小当たり用大入賞口ソレノイド33a、普通電動役物を開閉する普通役物ソレノイド30aの動作を制御し、また盤用外部接続端子65を介して外部(ホールコンピュータ)に入賞や大当たり等の情報を出力する。
賞球制御装置51は、主制御装置50から送られてくるコマンドに応じて玉切りモータ51aを稼働させて賞球を払い出し、またプリペイドカードユニット13(いわゆるCRユニット)とデータを送受し、CR精算表示装置57から入力される貸出要求に応じて球切モータ51aを稼働させて貸球を払い出させ、CR精算表示装置57の残高表示を制御する。
発射制御装置52は、主制御装置50から送られてくるコマンド(タッチスイッチ24cの信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル24の回動信号及び発射停止スイッチ24bの信号に基づいて発射モータ52aを制御して遊技球を発射及び停止させ、タッチランプ52bの点灯を制御する。
図柄表示装置34は、LCDパネルユニット34aとLCDパネルユニット34aを駆動制御する図柄制御基板41から構成されている。図柄制御基板41は、32ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
電飾制御装置53は、主制御装置50から送られてくるコマンドに応じて各種LED62や各種ランプ63の点灯、消灯等を制御する。音制御装置54は、主制御装置50から送られてくるコマンドに応じて音声信号を生成し、その音声信号にてスピーカ64を駆動して音声を出力する。
次に、主制御装置50内の8ビットワンチップマイコンが実現する処理を、図4、図5、図6に示すフローチャートに従って説明することにする。
図4は、主制御装置50が約0.2ミリ秒周期で繰り返すメインルーチンのサブルーチンとして行う、選択ルーチンのフローチャートである。主制御装置50は、この処理では、まず特別図柄始動口スイッチ31aからの入賞検出信号が入力されたか否かを判断する(S100)。ここで否定判断(S100:NO)なら実質的な処理を行うことなく、本処理からリターンする。
肯定判断(S100:YES)なら、乱数抽出処理として各種の乱数カウンタの値を読み込む(S101)。次に、主制御装置50は、ステップS101で読み込んでおいた当否判定乱数が、予め設定されている大当たり値のいずれかと一致するか否かに基づいて大当たりか否かを判定する(S102)。なお、本実施例の遊技機においても、公知の遊技機と同様に特別図柄の変動表示中や特別遊技中には保留記憶を行うが説明を省略する。
判定が大当たりであれば(S102:YES)、ステップS101で読み込んでおいた大当たり図柄用乱数に従って大当たり用図柄(例えば777のような3桁揃い図柄)を選択し(S103)、ステップS101で読み込んでおいた変動パターン用乱数に従って大当たり用の変動パターンを選択する(S104)。
大当たり用図柄及び大当たり用の変動パターンは、図示を省略するコマンド送信ルーチンにおいて図柄コマンドの一部として図柄表示装置34に送られる。図柄表示装置34は、図柄コマンドを受けるとLCDパネル34aに特別図柄を変動表示させ、周知のリーチ表示等の後に大当たり用図柄を確定表示させる。遊技者は、大当たり用図柄の確定表示によって大当たりの発生を知る。
大当たり判定が外れであれば(S102:NO)、当否判定乱数が予め設定されている小当たり値のいずれかと一致するか否かに基づいて小当たりか否かを判定する(S105)。この判定が小当たりであれば(S105:YES)、ステップS101で読み込んでおいた小当たり図柄用乱数に従って小当たり用図柄(例えば77?のように左図柄と中図柄が揃って右図柄が違っている組合せ)を選択し(S106)、ステップS101で読み込んでおいた変動パターン用乱数に従って小当たり用の変動パターンを選択する(S107)。
小当たり用図柄及び小当たり用の変動パターンは、大当たり用図柄及び大当たり用の変動パターンと同様に図柄コマンドの一部として図柄表示装置34に送られる。図柄表示装置34は、図柄コマンドを受けるとLCDパネル34aに特別図柄を変動表示させてから小当たり用図柄を確定表示させる。遊技者は、これによって小当たりの発生を知る。
小当たりでもなければ(S105:NO)、ステップS101で読み込んでおいた外れ図柄用乱数に従って外れ用図柄(大当たり用図柄及び小当たり用図柄以外)を選択し(S108)、ステップS101で読み込んでおいた変動パターン用乱数に従って外れ用の変動パターンを選択する(S109)。
外れ用図柄及び外れ用の変動パターンは、大当たり用図柄及び大当たり用の変動パターンと同様に図柄コマンドの一部として図柄表示装置34に送られる。図柄表示装置34は、図柄コマンドを受けるとLCDパネル34aに特別図柄を変動表示させてから外れ用図柄を確定表示させる。遊技者は、これによって外れ(大当たりでも小当たりでもないこと)を知る。
以上の図4の処理により、始動口への遊技球の入賞によって生じる特別遊技が大当たりであるか小当たりであるか、または外れであるかを決定し、その結果を図柄で表示することによって遊技者に知らせる。
図5は、主制御装置50が約0.2ミリ秒周期で繰り返すメインルーチンのサブルーチンとして行う、当たりルーチンのフローチャートである。主制御装置50は、まず変動パターンに規定された時間が経過したときに送信される確定信号を送信したか否かを判断する(S201)。この判断(S201)は、変動パターンの送信からその変動パターンに規定された時間が経過したか否かを判断するのとほぼ同様の意味である。ここで否定判断(S201:NO)なら実質的な処理を行うことなく、本ルーチンからリターンする。
一方、図柄確定信号を送信済みで、特別図柄が確定表示されていれば(S201:YES)、主制御装置50内のRAMに一時記憶されている選択された確定図柄が大当たり図柄か否かを判断する(S202)。判断する図柄は、図柄表示装置34上に表示されている図柄ではなく、選択ルーチンで選択された図柄で判断する。確定図柄が大当たり図柄であれば(S202:YES)、大当たりフラグを1にセットし(S203)、大当たり用大入賞口35を開放動作させるための大当たり処理を実行する(S204)。この大当たり処理により大当たり遊技が行われる。
本実施例で図5のステップS204での処理である大当たり処理によって実行される大当たり遊技自体は、第一種と呼ばれる形式の公知の遊技機と同様で、大当たり用大入賞口35が最大15回(15ラウンド)開放される。1ラウンドの大当たり用大入賞口35の開放時間は約25秒で、大当たり用大入賞口35への入賞球が規定数(本実施例では10球)に達すれば25秒に達していなくても閉鎖される。大当たり用大入賞口35が閉鎖されて1ラウンドが終了して、そのラウンド中の大当たり用大入賞口35への入賞球のいずれかが大当たり用大入賞口35内の特定領域を通過していれば、大当たり用大入賞口35が再び開放される(次のラウンドが開始される)。
ただし、大当たり用大入賞口35の開放回数が規定数(本実施例では15ラウンド)まで達した場合は、特定領域を通過していても大当たり用大入賞口35は再開放されない(大当たり遊技が終了する)。また、大当たり用大入賞口35への入賞球のいずれも特定領域を通過していないときも、大当たり用大入賞口35は再開放されない(大当たり遊技が終了する)。
選択された確定図柄が大当たり図柄でなければ(S202:NO)、確定図柄が小当たり図柄か否かを判断する(S205)。確定図柄が小当たり図柄ではないときには(S205:NO)本ルーチンからリターンし、確定図柄が小当たり図柄のときには(S205:YES)、小当たりフラグを1にセットし(S206)、小当たり用大入賞口33を開放動作させるための小当たり処理を実行する(S207)。小当たり処理として、小当たり用大入賞口33を約1.8秒間1ラウンドだけ開放させる。
以上の図5の処理によって、図4で確定した図柄に基き大当たり処理、小当たり処理または特別遊技を実行しない処理をする。
次に、図5のステップS207での処理である小当たり処理について図6を示し、詳細に説明する。はじめに、開放フラグが1にセットされているか否かを判断し(S301)、否定判断なら(S301:NO)、小当たり用大入賞口33を開放させ(S309)、開放フラグを1にセットし(S310)、本処理からリターンする。
開放フラグが1にセットされていれば(S301:YES)、小当たり用大入賞口33が開放してから規定された時間が経過したか否かを判断する(S302)。ここで、否定判断なら(S302:NO)、ステップS305に進む。肯定判断なら(S302:YES)、小当たり用大入賞口33を閉鎖し(S303)、開放フラグを0にセットする(S304)。
次に、小当たり用大入賞口33内に設けられた特定領域を遊技球が設定数以上通過したことをVスイッチ33cが検出したか否かを判断する(S305)。否定判断なら(S305:NO)、本処理からリターンする。肯定判断なら(S305:YES)、小当たり用大入賞口を閉鎖し(S306)、開放フラグを0にセットし(S307)、大当たり処理を行う(S308)。大当たり処理は、大当たり用大入賞口35を開放する処理であり、大当たり用大入賞口35の開放時間が約25秒間又は大当たり用大入賞口35へ遊技球が10個入球する開放動作を15回行う。ここで、ステップS305における設定数は1以上の正数であればよく、設定数を変更することにより付加価値(S308の大当たり処理)の発生に関する難易度を設定することができる。
なお、小当たり用大入賞口33内の特定領域を通過することにより実行される大当たり処理(S308)と、乱数抽選の結果として実行される大当たり処理(S204)とに賞球数の差を設けるようにしてもよい。例えば、ラウンド数、大当たり用大入賞口35の最大開放時間、大当たり用大入賞口35への規定入賞数とに変化をもたせるようにしてもよい。
この処理は請求項2において、所定の付加価値が小当たりを大当たりに昇格させる場合に該当し、図柄表示装置34で大当たり用図柄が確定表示されなくても上記処理による小当たり遊技で大当たりとなるチャンスがあるため、大当たりとならない表示態様への興味を抱かせることができる。また、所定の付加価値は小当たりを大当たりに昇格させることに限定されるものではなく、大当たりの発生確率を高く設定した高確率遊技状態の発生や図柄の変動時間を短縮する変動時間短縮遊技状態の発生などでもよく、通常遊技状態にはない何らかの付加価値を遊技者に付与するものであればよい。
次に、遊技盤22の裏面側の構成について図7を用いて説明する。遊技盤22の裏面側には遊技球の排出経路となる裏球樋80が設置されており、大当たり用大入賞口35及び一般入賞口36から入球した遊技球は、裏球樋80の内側を通って遊技機10外に排出される。また、特別図柄始動口31、小当たり用大入賞口33に入球した遊技球は下方に流れ、遊技機10外に排出される。遊技盤22裏面側の中央部の位置は、遊技盤22上の図柄表示装置34の位置と重なるため、図柄表示装置34が組み込められるように穴81を設けている。
図8は、遊技盤裏面に接して設置されている裏球樋80である。大当たり用大入賞口35が遊技盤上位1/3の領域37に設けられているため、大当たり用大入賞口35から入球した遊技球は、裏球樋80上部の入口80aから裏球樋80内に入り、裏球樋内側を通って、出口80b、80cから遊技機10外に排出される。また、一般入賞口36から入球した遊技球は、裏球樋80下部に設けられた入口80dから裏球樋80内に入り、出口80b、80cから遊技機10外に排出される。裏球樋80中央の空間部分81には図柄表示装置34が位置し、裏球樋80を遊技盤22の裏面側に設置するためには図柄表示装置34を回避しなければならず、そのため裏球樋80の上部はアーチ形状で、かつ遊技盤22の左下部及び右下部に設けた一般入賞口36から入球した遊技球も排出させるため裏球樋80の下部はL字型の構成になっている。
図9、図10、図11を用いて裏球樋80についてより詳細に説明する。裏球樋80は、上部にアーチ状の入り口部83、その両端から下方にまっすぐ伸びた通路部84、85、さらに通路部84、85の夫々下部に取り付けられるL字型の排出部86、87とからなる。
入り口部83は、大当たり用大入賞口35から入球した遊技球を上部にある入口80aから裏球樋80内に導き、左右2方向に遊技球の流れを分け、通路部84、85と接続されている出口83b、83cから通路部84、85へ流下させる。入り口部83を通過した遊技球は、通路部の入口84b、85bから通路部内側を通って落下し、出口84c、85cから排出部86、87へ流下する。このとき落下する遊技球を減速させるため、通路部84,85の内側面に、水平方向に等間隔で遊技球の落下の障害となるような半円柱状の減速用突起84a、85aを設置する。減速用突起84a、85aを設けることによって、遊技球は減速用突起84a、85aに衝突を繰り返しながら落下するため、遊技球の落下速度を減速させることができる。ここで、減速用突起84a、85aは、裏球樋80の構成部材と一体成形されたものでも、別途裏球樋80に設けられたものでもよく、遊技球の落下速度を減速させることが可能であれば特に限定しない。また、形状についても半円柱状でなくてもバネのような構造のものでも何等差し支えない。
通路部の出口84c、85cと排出部の入口86a、87aは接続されており、通路部84、85から流下してきた遊技球は、排出部の入口86a、87aから排出部86、87内に入り、出口80b、80cから遊技機10外に排出される。また、排出部86、87には、一般入賞口36が位置する場所(本実施例では遊技盤22の左下部及び右下部に夫々2つ)である排出部86の右上部とその左斜め下及び排出部87の左上部とその右斜め下に、一般入賞口36から入球した遊技球の入口80dが設けられており、入口80dから裏球樋80内に入った遊技球は、流下して出口80b、80cから遊技機10外に排出される。
以上の図8、図9、図10、図11のような構成の裏球樋80を遊技球の排出経路とすることによって、遊技盤上位1/3の領域37にある大当たり用大入賞口35及び一般入賞口36から遊技球が入球しても、遊技球の落下速度を減速させ、裏球樋80の破損を抑制または防止をすることができる。
図12は、遊技盤裏面に接して設置される裏球樋90で、裏球樋80の変更形態である。大当たり用大入賞口35に入球した遊技球は裏球樋90上部の入口90aから裏球樋90内に入り、裏球樋内側を通って出口90b、90cから遊技機10外に排出される。また、一般入賞口36から入球した遊技球は裏球樋90下部の入口90dから裏球樋90内に入り、出口90b、90cから遊技機10外に排出される。裏球樋90中央の空間部分91には遊技盤22上の図柄表示装置34が位置し、また遊技盤22左下部及び右下部の一般入賞口36からの遊技球を排出させるため、裏球樋90は裏球樋80と同様にアーチ形状でかつ下部はL字型になっている。
図13、図14、図15を用いて裏球樋90をより詳細に説明する。裏球樋90は、上部に逆U字型の入り口部92、その両端の下部に接続したL字型の受け止め部93、94、さらに下部にL字型の排出部95、96とからなる。
入り口部92は、大当たり用大入賞口35から入球した遊技球を上部にある入口90aから裏球樋90内に導き、遊技球の流れを左右に分け、遊技球を落下させて出口92b、92cから受け止め部93,94に流下させる。入り口部の出口92b、92cと受け止め部の入口93a、94aは接続されており、入り口部92から落下してきた遊技球は受け止め部93,94で受け止められる。ここで受け止め部93,94には、落下してきた遊技球が衝突する受け止め部の入り口から内側面にかけて、遊技球の衝撃を緩和させるための低反発性エラストマなどの緩衝部材又は金属板などの補強部材93c、93dを設けている。これによって、入り口部92で加速した遊技球が受け止め部の入口93a、94aから受け止め部93、94に入り、受け止め部側面に衝突しても、裏球樋90の破損を抑制または防止して出口93b、94bから排出部95、96に流下させることができる。受け止め部の出口93b、94bと排出部の入口95a、96aは接続され、排出部の入口95a、96aから流下した遊技球は、排出部出口90b、90cから遊技機10外に排出される。また、一般入賞口36へ入賞した遊技球は、排出部95の右上部とその左斜め下及び排出部96の左上部とその右斜め下に設けられている入口90dから裏球樋90内に入り、流下して出口90b、90cから遊技機10外に排出される。
以上の図12、図13、図14、図15のような構成の裏球樋90を排出経路とすることによって、遊技盤上位1/3の領域37にある大当たり用大入賞口35及び一般入賞口36から遊技球が入球しても、遊技球の衝撃を緩和させ、裏球樋90の破損を抑制または防止をすることができる。
以上により、本実施形態によれば、大当たり用大入賞口35を遊技盤面上位1/3の領域37に設け、大当たり用大入賞口35を狙って遊技球を発射し大当たり用大入賞口35近傍を流下させることができる構成としたため、大当たり時には規定入賞数の確保にかかる時間を短くすることができる。これによって大当たり遊技の消化にかかる時間を従来に比べて短時間とすることができ、大当たり遊技中の無駄球を少なくして、実質的な獲得球数(総賞球数−発射球数)を多くすることができると共に、単位時間当たりの平均大当たり回数及び単位時間当たりの平均変動回数も高くすることができる。
また、小当たり用大入賞口33を遊技盤面下位1/3の領域39に設け、小当たり用大入賞口33の開放タイミングを狙って発射することが困難な構成としたため、小当たり用大入賞口33の開放時に遊技球を入賞させるためには運が必要であり、遊技独特の偶然性を適度に高め、遊技経験を問わず楽しむことができる。
また、小当たり用大入賞口33の開放タイミングを狙って発射することが困難な構成としつつも、小当たり用大入賞口33の上方に特別図柄始動口31を備えているため、小当たり用大入賞口33の開放タイミングを狙うことはできないが、特別図柄始動口31近傍を流下するように遊技球を発射していれば、小当たり用大入賞口33の近傍に遊技球が流下するため、小当たり用大入賞口33の開放時に入球する可能性を高めることができる。
また、大当たり用大入賞口35の下方に図柄表示装置34を備えた構成としているため、大当たり用大入賞口35の閉鎖時に大当たり用大入賞口35の前方を流下した遊技球をセンターケース34bによって遊技盤22面の左右に分散させることができ、遊技領域25に広く遊技球を流下させることができるため、遊技の興趣を増大させる効果がある。
また、ステップS301〜S308に示す処理により、小当たり時に開放された小当たり用大入賞口33に遊技球が入球し、入球した遊技球が特定領域に設定数以上進入する(S305)等の条件を満たした場合に、小当たりに引き続いて大当たりと同等の遊技を実行するなどの付加価値を発生させる機能を好適に付加することができるため、より遊技性の幅を広げ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、大当たり用大入賞口35を遊技盤面上位1/3の領域37に配置し、その下方に図柄表示装置34を設け、一般入賞口36を遊技盤22左下部及び右下部に配置しているため、入賞球の排出経路となる上部がアーチ状で下部がL字型の裏球樋80、90を遊技盤裏面側に設置して入る。そして裏球樋80、90内面に等間隔で水平方向に遊技球の落下の障害となるような突起部分である減速用突起84a、85aを用いることによって、遊技球の通過速度を減速させ裏球樋80が破損することを抑制または防止することができる。さらに、裏球樋内の遊技球衝突想定部位を低反発性エラストマなどの緩衝部材や金属板などの補強部材等の衝撃吸収材93c、93dで補強することにより、裏球樋90の破損を抑制または防止することができる。
(第2実施形態)
図16は遊技盤122の正面図、図17は本実施形態に係る遊技機110の制御系を表すブロック図、図18は遊技盤122の裏面側であり、第1実施形態の構成要素に対応する本実施形態の構成要素の説明は、図中の符号を100番台として説明を援用する。
上記第1実施形態では、大当たり用大入賞口35と小当たり用大入賞口33の間に、図柄表示装置34とその下方に特別図柄始動口31を設けていたが、本実施形態では大当たり用大入賞口135と小当たり用大入賞口133の間に、図柄表示装置134とその下方に特別図柄始動口131を設け、さらに特別図柄始動口131の直下近傍に図柄表示装置168を設け、遊技盤面122上に図柄表示装置が2つある構成となっている。
図16を用いて遊技盤122の構成をより詳細に説明すると、第1実施形態と同様にして遊技盤面上位1/3の領域137に大当たり用大入賞口135を設け、遊技盤面下位1/3の領域139には小当たり用大入賞口133が配置されている。大当たり用大入賞口135の直下近傍に図柄表示装置134を設置し、図柄表示装置134の左右には普通図柄始動ゲート128,129が設置されている。図柄表示装置134の直下近傍には特別図柄始動口131が設けられ、さらに特別図柄始動口131の直下近傍に図柄表示装置168が設けられている。図柄表示装置168は小当たり用大入賞口133の上方に位置する。本実施形態においても、大当たり用大入賞口135が遊技盤面上位1/3の領域137に、小当たり用大入賞口133が遊技盤面下位1/3の領域139に設けられているため、第1実施形態と同様の効果を発揮できる。さらに、図柄表示装置が2つ備えられているため、より遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施例の遊技機の制御系は図17の通りに構成され、第1実施形態と同様に遊技機110は、主制御装置150、賞球制御装置151、発射制御装置152、図柄表示装置134、電飾制御装置153及び音制御装置154を備えており、また他の第1実施形態の構成要素に対応する本実施形態の構成要素の説明は、図中の符号を100番台として説明を援用する。第1実施形態と対比すると、2つの図柄表示装置134、168が設けられ、夫々LCDパネルユニット134a、168aと、LCDパネルユニット134a、168aを駆動制御する図柄制御基板141、142から構成されている。図柄制御基板141、142は、32ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
次に、遊技盤122の裏面側の構成について図18を用いて説明する。遊技盤122の裏面側には裏球樋140a及び140bが設けられており、大当たり用大入賞口135及び一般入賞口136cから入球した遊技球は、裏球樋140aの内側を通って遊技機110外に排出される。特別図柄始動口131及び一般入賞口136dから入球したから入球した遊技球は、裏球樋140bを通って遊技機110外に排出される。裏球樋140aの遊技球入り口部の直下近傍の位置は、遊技盤面122上の図柄表示装置134の位置と重なるため、図柄表示装置134が組み込められるように穴143を設けており、裏球樋140bの遊技球入り口部の直下近傍の位置は、遊技盤面122上の図柄表示装置168の位置と重なるため、図柄表示装置168が組み込められように穴144を設けている。
図19は、遊技盤裏面に接して設置されている裏球樋140である。大当たり用大入賞口135が遊技盤上位1/3の領域137にあるため、大当たり用大入賞口135から入球した遊技球は、裏球樋140上部の入口140cから裏球樋140a内に入り、裏球樋140aの内側を通って、出口140dから遊技機110外に排出される。遊技球が一般入賞口136cから入球した場合、裏球樋140a下部のL字型部分に2箇所設けられた入口140gから裏球樋140a内に入り、出口140dから遊技機110外に排出される。一方、特別図柄始動口131が遊技盤面のほぼ中心部にあるため、特別図柄始動口131から入球した遊技球は、裏球樋140bの上位部に設けられた入口140eから裏球樋140b内に入り、裏球樋140bの内側を通って、出口140fから遊技機110外に排出される。また、一般入賞口136dから遊技球が入球した場合、裏球樋140b下部のL字型部分に2箇所設けられた入口140hから裏球樋140b内に入り、出口140fから遊技機110外に排出される。裏球樋140aの遊技球入り口部分と裏球樋140bの遊技球入り口部分の間146及び、裏球樋140bの遊技球入り口部分の直下近傍147には遊技盤面122上の図柄表示装置134、168が位置し、図柄表示装置134、168を回避するため裏球樋140は、第1実施形態の裏球樋80、90のようなアーチ形状の半分の形で、大小2つの裏球樋140a、140bからなる構成をしている。
図20、図21、図22を用いて裏球樋140についてより詳細に説明する。裏球樋140は、大当たり用大入賞口135及び一般入賞口136cからの遊技球の排出経路である裏球樋140aと、特別図柄始動口131及び一般入賞口136dからの遊技球の排出経路である裏球樋140bからなる。
裏球樋140aは、上面が開いた箱型入り口部148が上部にあり、その左端から下方に伸びた通路部149、さらに下部にL字型の排出部151からなる。箱型入り口部148は、大当たり用大入賞口135から入球した遊技球を入口140cから裏球樋140a内に導き、通路部149と接続されている箱型入り口部148左端の出口148bから通路部149へ流下させる。入り口部148から流下した遊技球は、通路部入口149aから出口149bまで落下する。このとき、通路部149の内側面に水平方向に等間隔で遊技球の落下の障害となるような半円柱状の減速用突起149cを設置する。減速用突起149cを設けることによって、遊技球は減速用突起149cに衝突を繰り返しながら落下するため、遊技球の流下速度を減速させることができる。ここで減速用突起149cは、裏球樋140aの構成部材と一体成形されたものでも、別途裏球樋140aに設けられたものでもよく、遊技球の落下速度を減速させることが可能であれば特に限定しない。また、形状についても半円柱状でなくてもバネのような構造のものでも何等差し支えないものとする。通路部の出口149bと排出部の入口151aは接続されており、通路部149から流下してきた遊技球は、排出部の入口151aから入り、出口140dから遊技機110外へ排出される。また、一般入賞口136cの位置する場所(本実施例では2個所)である排出部151の左上部とその右斜め下には、一般入賞口136cから入球した遊技球の入口140gが設けられ、入口140gから裏球樋140a内に入った遊技球は流下して出口140dから遊技機110外へ排出される。
一方、裏球樋140bは、上面が開いた箱型の入り口部150とその右端下部に接続されるL字型の排出部152からなる。特別図柄始動口131から入球した遊技球は、裏球樋140a上位部に設けられた入口140eから裏球樋140b内に入り、箱型入り口部右端の出口150bから排出部152に流下する。箱型入り口部の出口150bと排出部の入口152aは接続されており、箱型入り口部150から流下してきた遊技球は、排出部の入口152aから入り、出口140fから遊技機110外に排出される。また、一般入賞口136dから入球した遊技球は、排出部152の右上部とその左斜め下に設けられた入口140hから裏球樋140b内に入り、流下して出口140fから遊技機110外に排出される。
以上の図19、図20、図21、図22のような構成の裏球樋140a、140bを遊技球の排出経路とすることにより、遊技盤面上位1/3の領域137に設置されている大当たり用大入賞口135、遊技盤面中央部に設置されている特別図柄始動口131及び一般入賞口136c、136dから遊技球が裏球樋140a、140bに入球しても、遊技球の流下速度を減速させ、遊技球の衝突による破損を抑制または防止することができる。
図23は、遊技盤裏面に接して設置されている裏球樋160であり、裏球樋160は裏球樋140の変更形態である。裏球樋160は、裏球樋140と同様にアーチ形状の半分の形で、大小2つの裏球樋160a、160bから構成されている。
裏球樋160について、図24、図25、図26を用いてより詳細に説明する。裏球樋160は、大当たり用大入賞口135及び一般入賞口136cから入球した遊技球の排出経路である裏球樋160aと、特別図柄始動口131及び一般入賞口136dから入球した遊技球の排出経路である裏球樋160bからなる。
裏球樋160aは、上面が開いた箱型部分とその左端から下方に伸びた通路部分を組み合わせた入り口部161、その下端にL字型の受け止め部162、さらにその下部にL字型の排出部164からなる。
入り口部161は、大当たり用大入賞口135から入球した遊技球を入口160cから裏球樋160a内に導き、遊技球を落下させ出口161bから受け止め部162に流下させる。入り口部の出口161bと受け止め部の入口162aは接続されており、入り口部161から落下してきた遊技球は受け止め部162で受け止められる。ここで受け止め部162には、受け止め部の内側面の遊技球の衝突が想定される場所に、低反発性エラストマなどの緩衝部材又は金属板などの補強部材162d、162cを設けている。これによって、入り口部161で加速した遊技球が受け止め部162の入口162aから受け止め部162に入り、受け止め部162内面に衝突しても、裏球樋160aの破損を抑制または防いで出口162bから排出部164に流下させることができる。受け止め部の出口162bと排出部164の入口164aは接続されており、入口164aから流下した遊技球は、排出部出口160dから遊技機110外へ排出される。また、排出部164の左上部及びその右斜め下には、一般入賞口136cから入球した遊技球の入口160gが設けられ、入口160gから裏球樋160a内に入った遊技球は流下して出口160dから遊技機110外へ排出される。
一方、裏球樋160bは、裏球樋140bと同様に、上面が開いた箱型の入り口部163とその右端に接続されるL字型の排出部165からなる。特別図柄始動口131から入球した遊技球は、箱型入り口部の入口160eから裏球樋160b内に入り、箱型入り口部右端の出口163bから排出部165に流下する。箱型入り口部の出口163bと排出部の入口165aは接続されており、箱型入り口部163から流下してきた遊技球は、排出部の入口165aから入り、出口160fから遊技機110外に排出される。また、一般入賞口136dから入球した遊技球は、排出部165の右上部及びその左斜め下に設けられた入口160hから裏球樋160b内に入り、流下して出口160fから遊技機110外に排出される。
以上の図23、図24、図25、図26のような構成の裏球樋160a、160bを遊技球の排出経路とすることによって、遊技盤面上位1/3の領域137に設置されている大当たり用入賞口135、遊技盤面中央部に設置されている特別図柄始動口131及び一般入賞口136c、136dから遊技球が入球しても、遊技球の衝突による裏球樋160の破損を抑制または防止することができる。
以上、本実施形態において、大当たり用大入賞口135が遊技盤面上位1/3の領域137に、小当たり用大入賞口133が遊技盤面下位1/3の領域139に設けられており、また大当たり用大入賞口135、特別図柄始動口131及び一般入賞口136c、136dから入球した遊技球が裏球樋140、160を経由して排出される構成になっているため、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
(第3実施形態)
図27は遊技盤222の正面図、図28は本実施形態に係る遊技機210の制御系を表すブロック図、図29は遊技盤222の裏面側であり、第2実施形態の構成要素に対応する本実施形態の構成要素の説明は、図中の符号を200番台として説明を援用する。
上記第2実施形態では、図柄表示装置134と図柄表示装置168の2つの図柄表示装置が,特別図柄始動口131を挟んで上下に設置されていたが、本実施形態では図柄表示装置255と図柄表示装置256が左右に隣接して設置され、その直下近傍に特別図柄始動口221、231が左右並べて設けられている。
図27を用いて遊技盤222の構成をより詳細に説明すると、第2実施形態と同様にして遊技盤面上位1/3の領域237に大当たり用大入賞口235を設け、遊技盤面下位1/3の領域239に小当たり用大入賞口233を設けている。大当たり用大入賞口235の直下近傍にはセンターケース255bを設置し、センターケース255bにLCDパネルユニット255a、256aを左右に並べて設置している。センターケース255bの左右には普通図柄始動ゲート228,229が設けられている。センターケース255bと小当たり用大入賞口233との間に、特別図柄始動口221、231が左右並べて設置されている。本実施形態においても、大当たり用大入賞口235が遊技盤面上位1/3の領域237に、小当たり用大入賞口233が遊技盤面下位1/3の領域239に設けられているため、第1実施形態と同様の効果を発揮できる。さらに、図柄表示装置及び特別図柄始動口が2つずつ設けられているため、より遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施例の遊技機210の制御系は図28の通りに構成され、第2実施形態と同様に遊技機210は、主制御装置250、賞球制御装置251、発射制御装置252、図柄表示装置255、256、電飾制御装置253及び音制御装置254を備えている。第2実施形態と対比すると、図28のブロック図においては、特別図柄始動口221への入賞球を検出する特別図柄始動口スイッチ221a、特別図柄始動口231への入賞球を検出する特別図柄始動口スイッチ231aの2つの特別図柄始動口スイッチと、遊技球が普通図柄始動ゲート228、229を通過したことを検出する普通図柄始動スイッチ228a、229a、普通電動役物220、230を開閉する普通役物ソレノイド220a、230aを備えている。
次に、図29を用いて遊技盤222の裏面側の構成を説明する。大当たり用大入賞口235、特別図柄始動口221、231及び一般入賞口236から入球した遊技球は、裏球樋240の内側を通って遊技機210外に排出される。遊技盤面中央部の位置は、遊技盤面222上の図柄表示装置255、256の位置と重なるため、図柄表示装置255、256が組み込められるように穴248、249を設けている。
図30は、遊技盤裏面に接して設置されている裏球樋240である。大当たり用大入賞口235が遊技盤上位1/3の領域237にあるため、大当たり用大入賞口235から入球した遊技球は裏球樋240上部の入口240bから裏球樋240内に入り、裏球樋240内側を通って出口240cから遊技機210外に排出される。また、特別図柄始動口221、231から入球した遊技球は裏球樋240下位部の入口240dから裏球樋240内に入り流下して出口240c´から遊技機210外に排出され、一般入賞口236から入球した遊技球は裏球樋240下位部の入口240eから裏球樋240内に入り、流下して出口240c´´から遊技機210外に排出される。裏球樋240の通路部284の両横側に図柄表示装置255、256が位置し、また特別図柄始動口221、231及び一般入賞口236から入球した遊技球を排出するため、裏球樋240の形は、遊技球の箱型の入り口部分から下方へ細く経路が伸び、下部に外側向きの突起部がある花型の形状となっている。
図31、図32、図33を用いて裏球樋240をより詳細に説明する。裏球樋240は、上部に上面が開いた箱型の入り口部283、入り口部283から下方にまっすぐ伸びた経路の下端にドーナツ型の迂回経路がある通路部284、さらに下方に箱型で両横側に突起部分を持つ排出部285から構成される。
入り口部283は、大当たり用入賞口235から入球した遊技球を入口240bから裏球樋240内に導き、通路部284と接続されている出口283bから通路部284へ流下させる。入り口部283を通過した遊技球は、通路部284の入口284aから入り、通路部284内を通って落下し、下部の迂回経路で左右に迂回して出口284bから排出部285へ流下する。このとき、落下する遊技球を減速させるため、通路部284の内側面に、水平方向に等間隔で遊技球の落下の障害となるような半円柱状の減速用突起284cを設置する。減速用突起284cを設けることによって、遊技球は減速用突起284cに衝突を繰り返しながら落下するため減速する。ここで、減速用突起284cは、裏球樋240の構成部材と一体成形されたものでも、別途裏球樋240に設けられたものでもよく、遊技球の落下速度を減速させることが可能であれば特に限定しない。また、形状についても半円柱状でなくてもバネのような構造のものでも何等差し支えないものとする。また、通路部を落下してきた遊技球は迂回経路で迂回しながら流下するため、遊技球の流下速度はより減速して出口284bへ向かう。通路部の出口284bと排出部の入口285aは接続されており、通路部284から流下してきた遊技球は、排出部の入口285aから入り、出口240cから遊技機210外に排出される。また、特別図柄始動口221、231から入球した遊技球は、排出部285の上位左右に2つ設けられた入口240dから裏球樋240内に入り、出口240c´から遊技機210外に排出される。一般入賞口236から入球した遊技球は、排出部285左右の突起部の末端及びその斜め下に設けられた4つの入口240eから裏球樋240内に入り、出口240c´´から遊技機210外に排出される。
以上の図30、図31、図32、図33のような構成の裏球樋240を排出経路とすることによって、遊技盤上位1/3の領域237にある大当たり用大入賞口235、特別図柄始動口221、231及び一般入賞口236から遊技球が入球しても、遊技球の落下速度を減速させ、裏球樋240の破損を抑制または防止をすることができる。
図34は、遊技盤裏面に接して設置されている裏球樋286であり、裏球樋240の変更形態である。大当たり用大入賞口235に入球した遊技球は裏球樋286上位の入口286bから裏球樋286内に入り、裏球樋内側を通って出口286cから遊技機210外に排出される。また、特別図柄始動口221、231及び一般入賞口236から入球した遊技球は裏球樋286下位の入口286d、286eから裏球樋286内に入り、流下して出口286c´、286c´´から遊技機210外に排出される。裏球樋286の形状は裏球樋240と同様の花型形状である。
図35、図36、図37を用いて裏球樋286を詳細に説明する。裏球樋286は上面が開いた箱型部分と下方にまっすぐ伸びた通路部分を組み合わせた入り口部287、その下端に中央が空洞のドーナツ型の受け止め部289、さらに下部に箱型の両横側に突起部分を持つ排出部290からなる。
入り口部287は、大当たり用入賞口235から入球した遊技球を入口286bから裏球樋286内に導き、通路部分を通って流下させる。入り口部287を流下した遊技球は、入り口部の出口287bから受け止め部289に移る。受け止め部入口289aから流下してきた遊技球は、受け止め部中央部289eに衝突しながら左右に迂回して、出口289bから排出部290に流下する。遊技球を迂回させることによって遊技球の流下速度を減速させることができる。ここで受け止め部289には、遊技球の衝突が想定される入口から内部上面289c、289d及び中央部289eに、低反発性エラストマなどの緩衝部材又は金属板などの補強部材を設けている。これによって、入り口部287で加速した遊技球が受け止め部289側面に衝突しても、裏球樋286の破損を抑制または防いで出口289bから排出部290に流下させることができる。受け止め部の出口289bと排出部の入口290aは接続されており、排出部の入口290aから流下してきた遊技球は、裏球樋出口286cから遊技機210外に排出される。また、特別図柄始動口221、231から入球した遊技球は排出部290上部に2つ設けられた入口286dから裏球樋286内に入り、出口286c´から遊技機210外に排出され、一般入賞口236から入球した遊技球は排出部290突起部の末端及びその斜め下に設けられた入口286eから裏球樋286内に入り、出口286c´´から遊技機210外に排出される。
以上の図34、図35、図36、図37のような構成の裏球樋286を排出経路とすることによって、遊技盤上位1/3の領域237にある大当たり用大入賞口235、特別図柄始動口221、231及び一般入賞口236から遊技球が入球しても、遊技球の衝撃を緩和させ、裏球樋286の破損を抑制または防止をすることができる。
以上、本実施形態において、大当たり用大入賞口235が遊技盤面上位1/3の領域237に、小当たり用大入賞口233が遊技盤面下位1/3の領域239に設けられており、また大当たり用大入賞口235、特別図柄始動口221、231及び一般入賞口236から入球した遊技球が裏球樋240、286を経由して排出される構成になっているため、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
(第4実施形態)
図38は遊技盤322の正面図、図39は遊技盤322の裏面側であり、第3実施形態の構成要素に対応する本実施形態の構成要素の説明は、図中の符号を300番台として説明を援用する。
上記第3実施形態では、遊技盤面222中央部に図柄表示装置255と図柄表示装置256が左右に隣接して設置され、その直下近傍に特別図柄始動口221、231が左右並んで設けられていたが、本実施形態では図柄表示装置355と図柄表示装置356が上下に並べて設置され、図柄表示装置355と図柄表示装置356の間に特別図柄始動口321、331が左右に並べて設けられている。
図38を用いて遊技盤322の構成をより詳細に説明すると、第3実施形態と同様にして遊技盤面上位1/3の領域337に大当たり用大入賞口335を設け、遊技盤下位1/3の領域339に小当たり用大入賞口333を設けている。本実施形態においては、大当たり用大入賞口335の直下近傍に図柄表示装置355を設け、図柄表示装置355の左右斜め下に特別図柄始動口321、331が設置されている。さらに、特別図柄始動口321、331の両外側に普通図柄始動ゲート328、329が設けられている。特別図柄始動口321、331と小当たり用大入賞口333との間に、図柄表示装置356が設けられている。本実施形態においても、大当たり用大入賞335が遊技盤面上位1/3の領域337に、小当たり用大入賞口333が遊技盤面下位1/3の領域339に設けられているため、第1実施形態と同様の効果を発揮できる。さらに、図柄表示装置及び特別図柄始動口が2つずつ設けられているため、より遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施例の遊技機310の制御系は第3実施形態と同様である。第3実施形態の構成要素に対応する本実施形態の構成要素の説明は、図中の符号を300番台として説明を援用する。
次に、図39を用いて遊技盤322の裏面側の構成について説明する。大当たり用大入賞口335、特別図柄始動口321、331及び一般入賞口336から入球した遊技球は、裏球樋340の内側を通って遊技機310外に排出される。大当たり用大入賞口335の下方及び小当たり用大入賞口333の上方の位置は、遊技盤面322上の図柄表示装置355、356の位置と重なるため、図柄表示装置355、356が組み込められるように穴348、349が設けられている。また、図柄表示装置355の左右斜め下には特別図柄始動口321、331が位置する。
図40は、遊技盤裏面に接して設置されている裏球樋340である。大当たり用大入賞口335が遊技盤上位1/3の領域337にあるため、大当たり用大入賞口335から入球した遊技球は、裏球樋340上位部の入口340aから裏球樋340内に入り、裏球樋内側を通って、出口340b、340cから遊技機310外へ排出される。特別図柄始動口321、331から入球した遊技球は、突起部分341、342に設けられた入口340dから裏球樋340内に入り、一般入賞口336から入球した遊技球は、裏球樋340下部に設けられた入口340eから裏球樋340内に入り、出口340b、340cから遊技機310外へ排出される。また、裏球樋340の遊技球入り口部分の下方380には図柄表示装置355が位置し、図柄表示装置355の左右斜め下341、342には特別図柄始動口321、331が位置し、さらに下方381には図柄表示装置356が位置する。そのため裏球樋340は、第1実施形態の裏球樋80のようなアーチ形状でかつアーチの両横側に内向きに箱型の突起部分341、342がある形になっている。
図41、図42、図43を用いて裏球樋340を詳細に説明する。裏球樋340は、上部にアーチ状の入り口部383、その両端から下方に伸び箱型の突起部分のある通路部384、385、さらに通路部分384、385の夫々下部にあるL字型の排出部386、387からなる。
入り口部383は、大当たり用大入賞口335から入球した遊技球を入口340aから裏球樋340内に導き、左右2方向に遊技球の流れを分け、通路部384、385と接続されている出口383b、383cから通路部384、385へ流下させる。入り口部383を通過した遊技球は、通路部の入口384a、385aから通路部384、385内部を通って落下し、出口384b、385bから排出部386、387へ流下する。このとき、落下する遊技球を減速させるため、遊技球が通過する通路部384、385の内側面に、水平方向に等間隔で遊技球の落下の障害となるような半円柱状の減速用突起384c、385cが設置されている。ここで、減速用突起384c、385cは、裏球樋340の構成部材と一体成形されたものでも、別途裏球樋340に設けられたものでもよく、遊技球の落下速度を減速せることが可能であれば特に限定しない。また、形状についても半円柱状でなくてもバネのような構造のものでも何等差し支えないものとする。通路部の出口384b、385bと排出部の入口386a、387aは接続されており、通路部384、385から流下してきた遊技球は、排出部の入口386a、387aから排出部内に入り、出口340b、340cから遊技機310外に排出される。
また、特別図柄始動口321、331から入球した遊技球は、通路部384、385の突起部分341、342に設けられた入口340dから裏球樋340内に入り、通路部384、385内の減速用突起384c、385cによって流下速度を減速して落下し、排出部386、387に移り、出口340b、340cから遊技機310外に排出される。また、一般入賞口336から入球した遊技球は、一般入賞口336が位置する排出部386の右上部及びその左斜め下と排出部387の左上部及びその右斜め下に設けられた入口340eから裏球樋340内に入り、流下して出口340b、340cから遊技機310外に排出される。
以上の図40、図41、図42、図43の構成の裏球樋340を遊技球の排出経路とすることにより、遊技盤面上位1/3の領域337に設置されている大当たり用大入賞口335、遊技盤面中段の領域338に設置されている特別図柄始動口321、331及び一般入賞口336から遊技球が入球した場合でも、遊技球の流下速度を減速させ、遊技球の衝突による裏球樋340の破損を抑制または防止することができる。
以上、本実施形態において、大当たり用大入賞口335が遊技盤面上位1/3の領域337に、小当たり用大入賞口333が遊技盤面下位1/3の領域339に設けられており、また大当たり用大入賞口335、特別図柄始動口321、331及び一般入賞口336から入球した遊技球が裏球樋340を経由して排出される構成になっているため、第1実施形態と同様の効果を発揮できる。
次に、裏球樋80、140、240、340の各部分の接続方法を図44、図45、図46、図47、図48、図49に示す。図44は、ねじ方式による接続方法を示した図44(c)、(d)と、ねじ方式で接続される裏球樋各部分の末端部400、401を示した図である。裏球樋各部分の末端部400、401には、ねじ山400a、401aが設けられており、末端部401に末端部400を回転させながら差し込むことによって組み立てる。
図45は、差込方式による接続方法を示した図45(c)、(d)と、差込方式で接続される裏球樋各部分の末端部402、403を示した図である。裏球樋各部分の末端部402の挿入部分402aを、裏球樋各部分の末端部403の挿入孔403aにまっすぐ差し込み組み立てる。
図46は、図45による接続法とあわせて矢じり型突起部分を差し込み穴に差し込むことによる接続方法を示した図46(c)、(d)と、この方法で接続される裏球樋各部分の末端部404、405を示した図である。裏球樋各部分の末端部404に、裏球樋各部分の末端部404を切断する方向に横長の六角形の平面板404aを取り付け、平面板404aの両端に矢じり型の突起部分404c、404dを平面板404aに対して垂直方向に設ける。ここで、平面板404aの形は特に六角形に限定されない。また、裏球樋各部分の末端部405にも平面板404aと同じ形の平面板405aを設け、その平面板404bの両端に差し込み穴405c、405dを設ける。裏球樋各部分の末端部404の挿入部分404bを裏球樋各部分の末端部の挿入孔405bに差し込むと同時に、矢じり型の突起部分404c、404dを差し込み穴405c、405dに差し込み組み立てる。
図47は、図46による接続法とあわせて矢じり型突起部分をねじ込むことによって組み立てる接続方法を示した図47(c)、(d)と、この方法で接続される裏球樋各部分の末端部406、407を示した図である。裏球樋各部分の末端部406に、裏球樋各部分の末端部406を切断する方向に円形の平面板406aを取り付け、円形平面板406aの両端に矢じり型の突起部分406c、406dを円形平面板406aに対して垂直方向に設ける。裏球樋各部分の末端部407にも円形の平面板407aを設け、円形平面板407aに矢じり型の突起部分406c、406dを差し込む溝407c、407dを設ける。裏球樋各部分の末端部406の挿入部分406bを裏球樋各部分の末端部407の挿入孔407bに差し込むと同時に、矢じり型の突起部分406c、406dを溝407c、407dに沿って回転させながら接続し組み立てる。
図48では、裏球樋末端部408の挿入部分408bの末端部側面に突起部分408c、408dを設け、また裏球樋各部分の末端部409に突起部分408c、408dが差し込まれる穴409c、409dを設ける。差込部分408bを、裏球樋各部分の末端部409の挿入孔409bにまっすぐ差し込み、突起部分408c、408dを穴409c、409dに差し込むことによって接続される。
図49では、裏球樋末端部410に溝410c、410dを設け、裏球樋末端部411には溝410c、410dに沿って裏球樋末端部410に差し込められるように、裏球樋末端部411上位部に空洞411c、411dを設ける。裏球樋末端部410に裏球樋末端部411を横から差し込み組み立てる。
以上の図44、図45、図46、図47、図48、図49の接続方法により、遊技盤面上位1/3の領域37に設置されている大当たり用大入賞口35などから入球した遊技球が裏球樋80、140、240、340に衝突することにより、裏球樋80、140、240、340の接続部分が外れたり、または破損することを防ぐことができる。
10…遊技機 22…遊技盤 28、29…普通図柄始動ゲート 31…特別図柄始動口 33…小当たり用大入賞口 35…大当たり用大入賞口 34…図柄表示装置 80…裏球樋