JP2005347131A - 鉛蓄電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ストラップ形成部71とスリット81とを備えた櫛形治具本体、ストラップ形成部91とスリット82とを備えた当金本体、ならびに足し鉛を用い、ストラップを介して極板耳部と極柱あるいは接続捍とを一体に溶接・接合する鉛蓄電池の製造方法において、前記ストラップと極板耳部の付け根やストラップ部に隙間あるいはクラックが発生し易く、鉛蓄電池の使用中に前記部分に電解液が浸入し、隙間腐食促進の要因になっていた。それに対して、前記隙間あるいはクラックの発生が大幅に抑制される鉛蓄電池の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 前記製造方法において、前記ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みが均一で、両者の厚みを等しくする。さらに、前記スリット81およびスリット82のそれぞれの上面端部に角取り加工が施されたことを特徴とする発明である。
【選択図】 図1

Description

本発明は鉛蓄電池の製造方法、特に極板群の溶接方法に関する。
現在、鉛蓄電池は自動車用や産業用をはじめとしてあらゆる分野で広く使用されており、軽量化、コストダウン、メンテナンスフリー化、長寿命化、品質の安定化等が強く求められている。
鉛蓄電池の発電要素を構成している極板群は極板、極板耳部、ストラップおよび極柱あるいは接続捍からなっており、図8はその一例を示す要部模式図で、(a)は側面図、(b)は(a)の破線で囲った部分の要部上面図で、図において、1aは正極板、1bは負極板、2aは正極板耳部、2bは負極板耳部、3aは正極ストラップ、3bは負極ストラップ、4aは正極極柱、4bは負極極柱、5はセパレータ、6は極板群をそれぞれ示す。
図8に示すように、複数の正極板耳部2aあるいは負極板耳部2bが正極ストラップ3aあるいは負極ストラップ3bを介して正極極柱4aあるいは負極極柱4bと一体に溶接・接合され、複数の正極板耳部同士2aあるいは負極板耳部同士2bがそれぞれ電気的に接続されると共に、正・負極極柱4a、4bにより外部との接続が可能になる。
前記溶接・接合方法には、ストラップおよび極柱(あるいは接続捍)の形状を有する鋳型に溶融鉛を注入し、極板群を倒立して、極板耳部を該鋳型に浸漬し、ストラップ、極柱(あるいは接続捍)および極板耳部を鋳造により一体に形成する、いわゆる、キャスト・オン・ストラップ法(Cast on Strap、略してCOSという)と、あらかじめ鋳造により作製された極柱(あるいは接続捍)と極板耳部とをガスバーナー等で部分的に溶融すると共に、足し鉛と呼ばれる鉛棒を溶融しながら供給してストラップを形成し、前記ストラップを介して極板耳部と極柱(あるいは接続捍)とを一体に溶接・接合するガスバーナー法とがある。後者は多品種少量生産の鉛蓄電池に適用されている。
図9は、前記ガスバーナー法により溶接・接合する際に用いられる従来の溶接補助具を模式的に示す要部斜視図で、図において、7は溶接補助具A(通常、櫛形治具本体と称している、以降、櫛形治具本体と記載)、71は前記櫛形治具本体7に設けられたストラップ形成部、81は前記ストラップ形成部71に設けられたスリット、72はストラップ形成部71の長側部に設けられた薄肉部、9は溶接補助具B(通常、当金本体と称している、以降、当金本体と記載)、91は前記当金本体9に設けられたストラップ形成部、82はストラップ形成部91に設けられたスリット、92はストラップ形成部91の長側部に設けられた薄肉部をそれぞれ示す。
図9に示すように、櫛形治具本体7は、ストラップ形成部71、スリット81および薄肉部72で構成されている。ストラップ形成部71とは、櫛形治具本体7より厚みが薄く、窪んだ形状を有しており、この部分に溶融された足し鉛を供給すると前記窪みの形状に沿って、ストラップが形成される部分をいう。
また、当金本体9は、ストラップ形成部91、スリット82および薄肉部92で構成されている。ストラップ形成部91とは、当金本体9より薄く、窪んだ形状を有しており、この部分に溶融された足し鉛を供給することにより窪み形状に沿ってストラップの一部が形成されると共に極柱あるいは接続捍と一体に溶接・接合される部分をいう。
なお、この例では、極柱あるいは接続捍は当金本体9に設けられたストラップ形成部91でストラップと一体に溶接・接合されているが、櫛形治具本体7に設けられたストラップ形成部71でストラップと一体に溶接・接合することもできる。
図10は、図9に示した櫛形治具本体7および当金本体9の上面図で、他の構成部材は図9と同じ番号を付記する。
図11は、前記ストラップ形成部71に設けられたスリット81に正極板耳部2aを挿入した後、ストラップ形成部91に設けられた薄肉部92をストラップ形成部71に設けられた薄肉部72の上面に載置して櫛形治具本体7と当金本体9とを互いに当接させ、正極極柱4aをストラップ形成部91に載置して、ガスバーナー法により溶接を行う直前の状態を模式的に示す上面図である。他の構成部材は図9と同じ番号を付記する。
また、図12は、図11の一部欠栽の側面図を示し、図において、6は極板群を示す。他の構成部材は図11と同じ番号を付記する。
図13は、図12の状態からガスバーナーおよび足し鉛を用いて溶接を開始した状態を模式的に示す一部欠栽の側面図で、図において、3aは溶接後に形成される正極ストラップ(破線部分)、10は足し鉛、11は溶融された足し鉛、12はガスバーナーをそれぞれ示す。他の構成部材は図11と同じ番号を付記する。
図13に示すように、ガスバーナー12で正極板耳部2aおよび正極極柱4aを部分的に溶融すると共に、足し鉛10を溶融して、溶融された足し鉛11として正極板耳部2aの上面に供給し、破線で示す正極ストラップ3aを前記ストラップ形成部71およびストラップ形成部91(図13ではいずれも図示せず)内に形成し、正極板耳部2aと正極極柱4aとが前記正極ストラップ3aを介して一体に溶接・接合される。
図13は、正極の場合を示しているが、負極においても同じ溶接法により、負極耳部2bと負極極柱4bとが負極ストラップ3bを介してと一体に溶接・接合される。
特許文献1では、ガスバーナー法で正極ストラップを介して正極板耳部と正極極柱とを一体に溶接・接合するための溶接補助具の改善方法が提案されている。
特開2002−170545号公報
図13に示す方法で溶接・接合された極板群6を図8(b)に示すX−X’断面(正極)およびY−Y’断面(負極)で切断・研磨し、金属顕微鏡で観察した。図14は、正極板耳部2aおよび正極ストラップ3aの溶接状態を部分的に示す模式断面図で、図において、13は正極板耳部2aと正極ストラップ4aとの付け根に形成された隙間、14はストラップ3a部に形成されたクラックをそれぞれ示す。
図14に示すように、ガスバーナー法で溶接を行った際に隙間13やクラック14が発生することがある。これらが発生した鉛蓄電池では、使用中にそれらの部分に電解液が浸透し、隙間腐食が促進され、短寿命になる問題を抱えている。
本願発明者は、ガスバーナー法で溶接・接合を行った場合、隙間13やクラック14が発生する原因を調べた結果、上述した溶接補助具の櫛形治具本体および当金本体の形状に問題のあることを見出した。
図15は、従来の櫛形治具本体7および当金本体9に正極板耳部2aならびに正極極柱4aを設置し、溶接を開始する直前の状態を示す図11に記載されているA−A’断面、B−B’断面、およびC−C’断面を模式的に示す図で、(a)はA−A’断面、(b)はB−B’断面、(c)はC−C’断面をそれぞれ示し、94は櫛形治具本体7と当金本体9とが当接した際に形成される空間部を示す。他の構成部材は図10および図11と同じ番号を付記する。
従来の櫛形治具本体7に当金本体9を当接させた場合、図15(a)のA−A’断面で示される部分では、ストラップ形成部71の薄肉部72の上面にストラップ形成部91の薄肉部92を載置した状態で嵌合・固定される。一方、図15(b)のB−B’断面で示されるスリット81の開口部とスリット82の開口部が対峙する部分では前記薄肉部72が存在しないので薄肉部92の下部に空間部94が形成される。
81および82で構成されたスリット部に正極板耳部2aを挿入し、溶融された足し鉛を供給して正極ストラップ3aを形成すると共に、正極板耳部2aと一体に溶接・接合する際に、前記空間部94が存在すると、この部分と他の部分とでは熱放散率が異なり、凝固時間にずれが生じ、空間部94の近くでは図14に示すような隙間13やクラック14が発生し易いことがわかってきた。
本願発明は前記知見に基づきなされたもので、目的とするところは、櫛形治具本体および当金本体を用いてガスバーナー法によりストラップ介して極板耳部と極柱あるいは接続捍とを一体に溶接・接合する際に、前記隙間13やクラック14の発生を大幅に抑制可能な製造方法を提供することにある。
本願発明が課題を解決するための手段として、請求項1の発明は、ストラップ形成部71および前記ストラップ形成部71に設けられたスリット81を備えた櫛形治具本体、ストラップ形成部91および前記ストラップ形成部91に設けられたスリット82を備えた当金本体、ならびに足し鉛を用い、ストラップを介して極板耳部と極柱あるいは接続捍とを一体に溶接・接合する鉛蓄電池の製造方法において、前記ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みが均一で、且つ両者の厚みが等しいことを特徴とするものである。
請求項2の発明は、前記スリット81およびスリット82のそれぞれの上面端部に角取り加工を施したことを特徴とするものである。
以上、説明したように、ストラップ形成部71および前記ストラップ形成部71に設けられたスリット81を備えた櫛形治具本体、ストラップ形成部91および前記ストラップ形成部91に設けられたスリット82を備えた当金本体、ならびに足し鉛を用い、ストラップを介して極板耳部と極柱あるいは接続捍とを一体に溶接・接合する鉛蓄電池の製造方法において、前記ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みが均一で、且つ両者の厚みを等しくすることにより、図14に示したような隙間13およびクラック14の発生が大幅に抑制される。さらに、前記スリット81およびスリット82のそれぞれの上面端部に角取り加工を施すことにより、隙間13およびクラック14の発生がより一層抑制される。この結果、隙間13やクラック14が起因で発生していた隙間腐食が大幅に低減され、寿命性能の安定した鉛蓄電池が得られ、その工業的効果が極めて大である。
本願の第1の発明を実施するための最良の形態は、ストラップ形成部71および前記ストラップ形成部71に設けられたスリット81を備えた櫛形治具本体、ストラップ形成部91および前記ストラップ形成部91に設けられたスリット82を備えた当金本体、ならびに足し鉛を用い、ストラップを介して極板耳部と極柱あるいは接続捍とを一体に溶接・接合する鉛蓄電池の製造方法において、前記ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みが均一で、且つ両者の厚みが等しい構造にすることである。
ここでのストラップ形成部71の厚みおよびストラップ形成部91の厚みが均一であるということは、図9に示す従来のストラップ形成部71に設けられた薄肉部72およびストラップ形成部91に設けられた薄肉部92が存在せず、全体に亘って均一な厚みで形成されていることをいう。
また両者の厚みが等しいというのは、ストラップ形成部71の厚みを基準にしてストラップ形成部91の厚みが±3%の誤差範囲内であることをいい、試験の項で後述するようにこの範囲内であれば本願発明の効果が得られることを見出した。
本願の第2の発明を実施するための最良の形態は、前記スリット81およびスリット82のそれぞれの上面端部に角取り加工が施された構造にすることである。
角取り加工には、カット加工(Cカットともいう)とR加工とがある。Cカットは、スリット81あるいは82の上面端部に切欠部を設けることで、R加工は円弧部を設けることである。
図1は、本願発明の実施例1を模式的に示す斜視図で、7は櫛形治具本体、71は前記櫛形治具本体7に設けられたストラップ形成部、81は前記ストラップ形成部71に設けられたスリット、9は当金本体、91は前記当金本体9に設けられたストラップ形成部、82は前記ストラップ形成部91に設けられたスリット、151は前記スリット81の上面端部に形成された切欠部(Cカット、以降、Cカットという)、152は同じく、前記スリット82の上面端部に形成されたCカット、73は櫛形治具本体7が当金本体9と当接する側の長側部に設けられた凹部、93は当金本体9が櫛形治具本体7と当接する側の長側部に設けられた凸部をそれぞれ示す。
図2は、図1の要部上面図で、構成部材は図1と同じ番号を付記する。
図3は、図1あるいは図2に示すスリット81に正極板2aを挿入した後、当金本体9に設けられた凸部93を櫛形治具本体7に設けられた凹部73に挿入して互いを当接させた後、正極極柱4aをストラップ形成部91に載置し,ガスバーナー法により溶接を行う直前の状態を模式的に示す上面図である。他の構成部材は図1と同じ番号を付記する。
図4は、図3に記載されているA−A'断面、B−B'断面、およびC−C'断面を模式的に示す図で、(a)はA−A’断面、(b)はB−B’断面、(c)はC−C’断面をそれぞれ示し、構成部材は図1および図3と同じ番号を付記する。
図4(a)のA−A'断面が示すように、櫛形治具本体7に設けられたストラップ形成部71と当金本体9に設けられたストラップ形成部91との厚みが同じである。また、図4(b)のB−B'断面が示すように、ここでも71の厚みと91の厚みとが同じである。図4(c)のC−C'断面においても両71は同じ厚みを有している。
このようにストラップ形成部71およびストラップ形成部91が全体に均一な厚みを有していると共に、両者が同じ厚みであるので、従来の櫛形治具本体と当金本体を用いた図15(b)のB−B'断面で示される空間部94が存在せず、熱放散率も同じになり、溶融された足し鉛11が均一に凝固し、ストラップが形成されるので、従来の方式に比べ、隙間13あるいはクラック14の発生が大幅に抑制できることを見出した。
さらに、本願発明者は、ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みが全体に均一であると共に両者の厚みが等しい形状にすることに加えて、スリット81およびスリット82それぞれの上面端部にCカットあるいはR加工を施すことにより、溶融された足し鉛11がストラップと極板耳部との付け根部分に回り易くなり、従来品のように付け根部分が直角でなく丸みを帯びた形状が形成され、隙間13の発生がより一層抑制できることを見出した。
図4(b)および(c)は、スリット81およびスリット82(図4ではいずれも図示せず)の上面端部にCカットが施された実施例1を、また図5(b)および(c)はR加工が施された実施例2を模式的に示す断面図でもあり、図において151および152はスリット81およびスリット82にそれぞれ施されたCカット、161および162はR加工(円弧部)をそれぞれ示す。
図4(b)に示すように、スリット81の短側部上面端部にCカット151とスリット82の上面端部にCカット152が施されている。図4(c)では、スリット81の両長側部上面端部にCカット151が施されている。
図4(b)および(c)で示されているCカット151および152は、スリット上面に対して45°の角度で形成された例であるが(角度45°は、図4(c)のみに記載)、45°に限定されるものでなく、適宜決定できる設計事項である。また、図4(c)で定義されるCカットの長さ(L)は、試験の項で後述するように1.0mm以下が好ましいことを本願発明者は見出した。
図5(b)および(c)に示されるR加工161および162の半径rも試験結果の項で後述するように1.0mm以下が好ましいことを本願発明者は見出した。
次に、本願発明品の効果を明らかにするために行った試験結果について以下に示す。
(試験1)
定法で作製されたJIS C 8704−2に記載されている制御弁式据置鉛蓄電池、MSE−50用正極板5枚、負極板6枚を繊維径1μm以下の極細ガラス繊維からなるガラスセパレータを介して積層してMSE−50用極板群を準備した。
図13に示すガスバーナー法による溶接・接合において、本願発明に基づく櫛形治具本体7および当金本体9の効果を明らかにするために下記に示す溶接補助具を準備した。
従来品は、図9に示す形状の溶接補助具を用い、ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みを3mmとし、薄肉部72および92の厚みをそれぞれ1.5mmとした。これをNo.1とする。
また、比較品として、溶接補助具は従来品と同じでストラップ形成部71に設けられたスリット81およびストラップ形成部91に設けられたスリット82の上面端部にCカットを施したものを準備した。その際、CカットのL寸法が0.5mmのものをNo.2、0.7mmのものをNo.3とする。
次に、本願発明の溶接補助具に関しては、図1に示す形状の櫛形治具本体7および当金本体9を用い、ストラップ形成部71および91の厚みが全体に均一で、且つ両者の厚みを3mmにした。
その際、スリット81およびスリット82の上面端部にCカットを施さないものをNo.4、CカットのL寸法を0.3mmにしたものをNo.5、L=0.5mmとしたのものをNo.6、L=0.7mmをNo.7、L=1.0mmをNo.8、L=1.3mmをNo.9.L=1.7mmをNo.10とする。
上記内容を表1に示す。
Figure 2005347131
表1に示す、従来品を含む10種類の櫛形治具本体7および当金本体9、ならびに足し鉛10を用いて、ガスバーナー法により、それぞれについてMSE−50用極板群50個を溶接した。溶接後、各極板群を図8(b)に示すX−X'(正極)およびY−Y'(負極)断面で切断・研磨し、極板群1個当たり正極板耳部5箇所および負極板耳部6個所について隙間13あるいはクラック14の発生状態を調べ、調査個数550個(50個(極板群)×11(極板耳部数))に対する隙間13あるいはクラック14の発生率(%)を求めた。その結果を同じく表1に示す。
上述したように、隙間13あるいはクラック14の発生は、従来品の櫛形治具本体7と当金本体9とを当接した際に形成される空間部94に起因していることがわかったので、本試験では、ストラップ部の断面を切断して溶接状態を観察する際には、図8(b)に示すX−X'断面(正極)およびY−Y'断面(負極)のいずれも、前記空間部94に近い、すなわち、櫛形治具本体7と当金本体9とが当接されていた部分を切断し、溶接状態を観察した。
表1に示すように、従来品のNo.1では、隙間13あるいはクラック14の発生率が70%と高かった。特に、上述したように空間部94に近い部分で隙間13あるいはクラック14が多く発生していた。それに対して、ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みが全体に均一で且つ、3mmと同じにした本願発明の溶接補助具で溶接したNo.4は、隙間13あるいはクラック14の発生率が9.0%と大幅に低減できた。No.4に対して、スリット81およびスリット82の上面端部にL=0.3mmのCカット151および152を施したNo.5では、発生率が7.3%となり、さらに抑制できた。Cカットの長さをL=0.5mmとしたNo.6、L=0.7mmとしたNo.7は、隙間13あるいはクラック14の発生率は、それぞれ4.2%、3.5%とさらに低下する傾向を示し、ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みを均一にすると共に、両者の厚みを同じにすることと、スリット81およびスリット82の上面端部にCカット151ならびに152を施すことの相乗効果が認められた。
図6は、No.7のストラップの溶接状態を部分的に示す模式断面図で、図において、2aは正極板耳部、3a正極ストラップ、75は前記正極板耳部2aと正極ストラップ3aとの付け根に形成された傾斜部をそれぞれ示す。
図6に示すように、ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みが均一で、共に3mmであることと、スリット81および82の上面端部に0.7mmのCカット151および152が施されていることとの相乗効果で、溶融された足し鉛11が正極板耳部2aと正極ストラップ3aとの付け根へ回り易く、傾斜部75が形成されるので、その部分で隙間13の発生が一層抑制されると共に、溶融された足し鉛11の熱放散率が各部分で同じであるためクラック14の発生も抑制され、良好な溶接状態が得られた。
しかし、Cカットの長さLが1.0mmであるNo.8の隙間13あるいはクラック14の発生率は、No.7より若干高くなった。
さらにCカットの長さLが1.0mmより大きい、No.9(L=1.3mm)およびNo.10(L=1.7mm)では、隙間13あるいはクラック14の発生率が、12%、15%と高くなり、これらの抑制効果が低減された。
この原因は、図7に示すように、Cカットの長さLが1.0mmより大きくなると溶融された足し鉛11がストラップ3aと極板耳部2aとの付け根に流れ込み過ぎ、ここで冷却、凝固され易くなるため、傾斜部75の下端部に逆に隙間13が発生することがわかった。したがって、スリット81およびスリット82の上面端部に施こすCカット151および152の長さLは、1.0mm以下が好ましいことが明らかになった。
また、図9に示す従来の櫛形治具本体7および金型本体9でスリット81あるいはスリット82の上面端部にL=0.5mmあるいはL=0.7mmのCカットを施したNo.2およびNo.3は、隙間13およびクラック14の抑制効果はあったが十分でなく、ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みを均一にすると共に、その厚みを同じにすることが重要であることがわかった。
なお、ストラップ形成部71の厚みとストラップ形成部91の厚みが3mmで等しいというのは、上述したように、ストラップ形成部71の厚みを基準にして、ストラップ形成部91の厚みが±3%の誤差範囲以下と定義したが、これは、左記範囲内であれば本願発明の効果が得られることを別の試験で確認した結果によるものである。
上記試験では、櫛形治具本体に設けられたスリット81およびスリット82の上面端部にCカット151および152を施した場合について説明したが、本願発明者は、スリット81およびスリット82の上面端部にR加工(円弧部)161および162を施した場合についても試験を行い、図5(b)および(c)に示すR加工161ならびに162の半径rが1.0mm以下で良好な溶接状態が得られることを確認している。
実施例あるいは試験では、ストラップを介して極板耳部と極極柱とを溶接・接合した場合について説明したが、極柱に代わって、接続捍を用いた場合も本願発明の方式の効果が同様に得られることを本願発明者は試験を行い確認している。
また、試験では、陰極吸収式シール形据置鉛蓄電池MSE−50型について説明したが、この鉛蓄電池に限定されるものでなく、櫛形治具本体、当金本体、および足し鉛を用い、ストラップを介して極板耳部と極柱あるいは接続捍とが一体に溶接・接合される鉛蓄電池であれば、本願発明の方式を適用すれば効果が得られるのはいうまでもない。
本願発明の実施例1による溶接補助具を模式的に示す斜視図。 本願発明の実施例1による溶接補助具を模式的に示す上面図。 実施例1の溶接補助具により溶接を行う直前の状態を模式的に示す上面図。 図3の各部分の断面を模式的に示す図(a)、(b)および(c)。 本願発明の実施例2の溶接補助具の各部分を模式的に示す断面図(b)および(c)。 本願発明の溶接補助具で溶接をした後のストラップ部の溶接状態を模式的に示す断面図。 本願発明の溶接補助具で、スリット上面端部に1.0mm以上のCカットを施した場合のストラップ部の溶接状態を模式的に示す断面図。 鉛蓄電池の極板群の一例を模式的に示す側面図(a)および上面図(b)。 従来の溶接補助具を模式的に示す斜視図。 従来の溶接補助具を模式的に示す上面図。 従来の溶接補助具により溶接を行う直前の状態を模式的に示す上面図。 図11の一部欠栽の側面図。 図11の状態から溶接を開始した状態を模式的に示す一部欠栽の側面図。 従来の溶接補助具で溶接した後のストラップ部の溶接状態を模式的に示す断面図。 図11での各部分の断面を模式的に示す図(a)、(b)および(c)。
符号の説明
2a 正極板耳部
2b 負極板耳部
3a 正極ストラップ
3b 負極ストラップ
4a 正極極柱
4b 負極極柱
6 極板群
7 溶接補助具A(櫛形治具本体)
71 櫛形治具本体7に設けられたストラップ形成部
72 ストラップ形成部71の長側部に設けられた薄肉部
73 櫛形治具本体7が当金本体と当接する側の長側部に設けられた凹部
74 傾斜部
81 ストラップ形成部71に設けられたスリット
82 ストラップ形成部91に設けられたスリット
9 溶接補助具B(当金本体)
91 当金本体9に設けられたストラップ形成部
92 ストラップ形成部91の長側部下面に設けられた薄肉部
93 当金本体9が櫛形治具本体7と当接する側の長側部に設けられた凸部
94 従来の櫛形治具本体7と当金本体9とが当接した際に形成される空間部
10 足し鉛
11 溶融された足し鉛
12 ガスバーナー
13 隙間
14 クラック
151 スリット81に施されたCカット
152 スリット82に施されたCカット
161 スリット81に施されたR加工
162 スリット82に施されたR加工

Claims (2)

  1. ストラップ形成部71および前記ストラップ形成部71に設けられたスリット81を備えた櫛形治具本体、ストラップ形成部91および前記ストラップ形成部91に設けられたスリット82を備えた当金本体、ならびに足し鉛を用い、ストラップを介して極板耳部と極柱あるいは接続捍とを一体に溶接・接合する鉛蓄電池の製造方法において、
    前記ストラップ形成部71およびストラップ形成部91の厚みが均一で、且つ両者の厚みが等しいことを特徴とする鉛蓄電池の製造方法。
  2. 前記スリット81およびスリット82のそれぞれの上面端部に角取り加工を施したことを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池の製造方法。
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