JP2005346928A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 接地電極の熱を効果的にエンジンヘッドに逃がすことのできるスパークプラグの製造方法を提供する。
【解決手段】 接地電極60の一部分が主体金具5と共にねじ部52構成するスパークプラグ100の製造方法において、接地電極60を主体金具5に溶接する際に、主体金具5の径方向内側に溶接の際に主体金具5へ係る応力を支える支持部材100を挿入して溶接を行う。したがって、接地電極60を主体金具5に溶接する際に、主体金具5が変形してしまうことを抑制ないしは防止することができる。このことから、その変形を懸案して十分に溶接の荷重が掛けられないといった虞を回避することが可能となり、接地電極60は主体金具5へ確実に溶接される。この溶接が確実になされることにより、接地電極60の熱は自身に設けられたねじ部からエンジンヘッド40へ効果的に逃がすことができるスパークプラグを製造することが可能となる。
【選択図】 図6
【解決手段】 接地電極60の一部分が主体金具5と共にねじ部52構成するスパークプラグ100の製造方法において、接地電極60を主体金具5に溶接する際に、主体金具5の径方向内側に溶接の際に主体金具5へ係る応力を支える支持部材100を挿入して溶接を行う。したがって、接地電極60を主体金具5に溶接する際に、主体金具5が変形してしまうことを抑制ないしは防止することができる。このことから、その変形を懸案して十分に溶接の荷重が掛けられないといった虞を回避することが可能となり、接地電極60は主体金具5へ確実に溶接される。この溶接が確実になされることにより、接地電極60の熱は自身に設けられたねじ部からエンジンヘッド40へ効果的に逃がすことができるスパークプラグを製造することが可能となる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、スパークプラグの製造方法に関し、詳細には、燃焼室から受熱した接地電極の熱を効果的にエンジンヘッドへ逃がすことができるスパークプラグの製造方法である。
従来から、エンジンの点火にはスパークプラグが用いられている。スパークプラグは絶縁碍子に固定され、エンジンの燃焼室に先端側を臨ませた中心電極と、前記絶縁碍子を保持し、エンジンヘッドに取り付けるための取付ねじ部を備えた主体金具の先端面に一端が接合された接地電極とを備えている。そして、前記中心電極の先端部と前記接地電極の他端との間において火花放電間隙を形成し、この火花放電間隙で放電した火花放電によって、燃焼室に噴射された混合気が着火する。
一般的なスパークプラグは上記の構成をとっており、その接地電極は燃焼室の略中央部に位置するため、接地電極は高温となる。さらに近年のエンジンの高出力化、高効率化の要求に伴い、接地電極自身も細径化し、接地電極への熱負荷は増大する傾向にある。熱負荷が増大すると、火花放電による接地電極の消耗量は増大し、スパークプラグに求められる高耐久性が実現できなくなる問題が発生する虞がある。
上記の実情に鑑み、図1に示す、接地電極の一部分が主体金具と共に取付ねじ部を構成するスパークプラグが提案されている。このようなスパークプラグは、燃焼によって燃焼室から接地電極が受熱した熱は主体金具を介することなく、エンジンヘッドへ効率的に逃がすことができるという作用を有し、接地電極の耐久性を向上させることができる。
このようなスパークプラグの製造方法は、従来の製造方法(特許文献1参照。)とは異なり次のようにされている。まず、主体金具の原料となる例えば炭素鋼の棒材に冷間加工を行い、主体金具を成形する。この時点ではエンジンへの取付ねじ部は形成されていない。次いで、主体金具の取付ねじ部が形成される部位に主体金具の軸線方向と略平行となるように溝を切削加工により形成する。そして、この溝に接地電極が溶接され、その後、取付ねじ部が転造され、接地電極に曲げ加工を行うことで、図1のスパークプラグの主体金具が製造される。
特開2003−19538
上記の製造方法においては、主体金具に形成した溝に接地電極を接合する際、主として抵抗溶接を行っている。抵抗溶接に限らず、溶接は溶接するもの(接地電極)を溶接されるもの(主体金具)へ押圧する必要がある。このため従来の製造方法では押圧する際の圧力によって主体金具の先端側の開口端が変形する虞がある。通常、略真円の開口端を持つスパークプラグは特に横飛火しやすい部分を持たないのに対して、上記のように変形したスパークプラグは、主体金具のつぶれた部分、即ち主体金具の開口部のうち、中心電極と最も接近した点との間において横飛火が生じてしまう。横飛火が生じると、火花放電間隙における正規の火花放電が行われにくくなり、スパークプラグとしての役割を十分に発揮することができない。一方、その開口端の変形を危惧して押圧する圧力が小さすぎると、主体金具と接地電極との接合力が弱く、満足に熱引きを行えなかったり、ひいては接地電極が脱落したりする虞がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、接地電極の熱をエンジンヘッドに逃がし、スパークプラグの長寿命化を実現したスパークプラグの製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載したスパークプラグの製造方法は、
中心電極と、前記中心電極の先端部を突出させ、該中心電極を外周より保持する絶縁碍子と、該絶縁碍子を保持し、外周にエンジンへの取付ねじ部を備える筒状の主体金具と、一端側が前記主体金具に接合され、前記取付ねじ部の少なくとも一部を構成し、他端が前記中心電極と火花放電間隙を形成する接地電極とを備えるスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の前記接地電極の一端側が接合される部位を切削する切削工程と、その切削した部位に前記接地電極の一端側を接合する接合工程と、前記接合工程の後に、前記主体金具及び前記接地電極の一端側に前記取付ねじ部を転造するねじ転造工程と、を含んでなり、
前記接合工程は、接合時に接合治具が前記主体金具へ印加する応力を支える支持部材を前記主体金具の径方向内部に挿入した後に接合する工程であることを特徴とする。
中心電極と、前記中心電極の先端部を突出させ、該中心電極を外周より保持する絶縁碍子と、該絶縁碍子を保持し、外周にエンジンへの取付ねじ部を備える筒状の主体金具と、一端側が前記主体金具に接合され、前記取付ねじ部の少なくとも一部を構成し、他端が前記中心電極と火花放電間隙を形成する接地電極とを備えるスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の前記接地電極の一端側が接合される部位を切削する切削工程と、その切削した部位に前記接地電極の一端側を接合する接合工程と、前記接合工程の後に、前記主体金具及び前記接地電極の一端側に前記取付ねじ部を転造するねじ転造工程と、を含んでなり、
前記接合工程は、接合時に接合治具が前記主体金具へ印加する応力を支える支持部材を前記主体金具の径方向内部に挿入した後に接合する工程であることを特徴とする。
また、請求項2に記載したスパークプラグの製造方法は、
前記接合工程は、Cu又はCuを主体とする合金からなる支持部材を前記主体金具の径方向内部に挿入した後に接合する工程であることを特徴とする。
前記接合工程は、Cu又はCuを主体とする合金からなる支持部材を前記主体金具の径方向内部に挿入した後に接合する工程であることを特徴とする。
また、請求項3に記載したスパークプラグの製造方法は、
前記金属支持部材は、自身の支持部の外径が前記主体金具へ挿入する際より、支持する際に径大となることを特徴とする。
前記金属支持部材は、自身の支持部の外径が前記主体金具へ挿入する際より、支持する際に径大となることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、接地電極を主体金具に接合する際に、接地電極へ過大な荷重がかけられたとしても、支持部材により主体金具が変形してしまうことを抑制することができる。したがって、接合する際に、主体金具が変形してしまうことを恐れて十分な圧力を印加することができず、溶接性不確かな、即ち寿命の短いスパークプラグとなってしまう、という問題を回避することが可能となる。そして上記の方法により製造されたスパークプラグは、例えば、横飛火の発生を低減し、長寿命化を実現したスパークプラグを製造することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、熱伝導性に優れるCu又はCuを主体とする金属支持部材を使用しているため、溶接時に発生する熱を効果的に逃がすことができ、その熱による主体金具の変形をより防ぐことができる。この請求項2に記載の発明では、特に抵抗溶接により接合工程を行った場合、上記に加え、次の作用効果を及ぼす。金属支持部材の抵抗値が低いことから、主体金具と金属支持部材との間での発熱量を低減することができ、溶接に用いられるエネルギーの損失が小さく、効果的に接地電極を主体金具に溶接することができる。
上記の発明における金属支持部材は、自身を筒状の主体金具の内部へ挿入し、内側から支持するため、その支持部の外径は主体金具の内径と略同一であることが望ましい。ところで、このように主体金具の内径と略同一の外径を持つ金属支持部材を主体金具の端部より挿入することから、主体金具の内周面を傷つけかねないという新たな問題を生じる虞がある。
そこで、請求項3に記載した発明は、金属支持部材を主体金具の内部へ挿入する際にはその支持部の外径は主体金具の内径よりも小さく、抵抗溶接を行う際にはその支持部が主体金具の内部に挿入された後に主体金具の内径と略同一となる程度に大きくなる金属支持部材を用いることを特徴としている。このようにして主体金具の内周面と当接するようにするため、金属支持部材を主体金具の内部に挿入する際に、その内周面を傷つけることなく、接地電極を抵抗溶接する際に主体金具を変形させてしまう問題を回避することができる。
〔第1実施例〕
以下、本発明の実施の形態のスパークプラグ100の製造方法について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態によって製造されるスパークプラグ100の部分断面図である。図1に示すようにスパークプラグ100は、概略、絶縁碍子1と、絶縁碍子1の長手方向略中央部を取り囲んで設けられ当該絶縁碍子1を保持する主体金具5と、絶縁碍子1の内部に軸線方向に保持された中心電極2と、主体金具5に一端側側面が溶接され、他端側側面が中心電極2の先端部22と対向する接地電極60と、絶縁碍子1の後端側(図1における上部)に設けられた端子金具4とから構成されている。
以下、本発明の実施の形態のスパークプラグ100の製造方法について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態によって製造されるスパークプラグ100の部分断面図である。図1に示すようにスパークプラグ100は、概略、絶縁碍子1と、絶縁碍子1の長手方向略中央部を取り囲んで設けられ当該絶縁碍子1を保持する主体金具5と、絶縁碍子1の内部に軸線方向に保持された中心電極2と、主体金具5に一端側側面が溶接され、他端側側面が中心電極2の先端部22と対向する接地電極60と、絶縁碍子1の後端側(図1における上部)に設けられた端子金具4とから構成されている。
次に、スパークプラグ100の絶縁体を構成する絶縁碍子1について説明する。絶縁碍子1は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その後端部(図1に於ける上部)には、沿面距離を稼ぐためのコルゲーション11が形成されている。また、絶縁碍子1の先端部(図1における下部)には、内燃機関の燃焼室に曝される脚長部13が設けられている。さらに、絶縁碍子1の軸中心には中心貫通孔12が形成され、この中心貫通孔12には、インコネル(商標名)600又は601等のNi(ニッケル)系合金等からなる電極母材21を少なくとも表層部に有する中心電極2が保持されている。この中心電極2の先端部22は、絶縁碍子1の先端面から突出しており、この先端部22は、中心電極2の軸線方向と直交する平面に形成されている。また、中心電極2は中心貫通孔12の内部に設けられたシール体16、セラミック抵抗体3を介して後端の端子金具4に電気的に接続され、端子金具4には高圧ケーブル(図示しない)がプラグキャップ(図示しない)を介して接続され高電圧が印加されるようになっている。
次に、主体金具5について説明する。図1に示すように、主体金具5は、絶縁碍子1を保持し、図8に示すエンジンのエンジンヘッド40にスパークプラグ100を固定するために設けられ、絶縁碍子1は主体金具5に囲まれて保持されている。この主体金具5は低炭素鋼材(例えば、S15C、S20C)で形成され、図示外のプラグレンチが嵌合する工具係合部である六角部51と、内燃機関上部に設けられたエンジンヘッド40に螺合するねじ部52とを備えている。このねじ部52の規格の一例としては、M14等が用いられる。主体金具5は、かしめ部53をかしめることにより、段部56に絶縁碍子1が板パッキン8を介して支持されて主体金具5と絶縁碍子1とが一体にされる。かしめによる密閉をより完全なものとするため、主体金具5と絶縁碍子1との間に環状のリング部材6,7が介在され、リング部材6,7の間にはタルク(滑石)9の粉末が充填されている。また、主体金具5の軸線方向の略中央には、径方向に突出する鍔部54が形成され、さらにねじ部52の後端部側近傍、即ち鍔部54の座面55にはガスケット10が嵌挿されている。
さらに、ねじ部52には、主体金具の先端部57からねじ部52の後端部近傍までスパークプラグ100の軸線方向と平行に所定幅で、所定の深さの溝部である接合部58が形成され(図2参照)、この接合部58に後述する接地電極60が接合されている。尚、六角部51の対辺寸法は、一例として16mmであり、主体金具5の座面55から先端部57までの長さは、一例として19mmである。
次に、接地電極60について説明する。接地電極60は、耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600又は601等のNi合金が用いられている。この接地電極60は、ねじ部52の側面の接合部58に接合され、自身の長手方向と直交する横断面が略長方形であり、屈曲された角棒状の外形を呈する接地電極60の一端側62が溶接により接合部58に接合されている。この接地電極60の他端部61は、中心電極2の先端部22と当該中心電極2の軸線方向に対向し、中心電極2と接地電極60との対向面の隙間が火花放電間隙を形成している。
次に、図2及び3を参照して、主体金具5の製造工程のうち、切削工程について説明する。図2は、主体金具5の切削加工後の平面図であり、図3は、主体金具5の切削加工後の一部破断図である。まず、炭素鋼の棒材に冷間加工を行って、主体金具5を形成する。この状態では、まだ、主体金具5に接合部58及びねじ山は形成されていない。次いで、主体金具5のねじ部52の側面(まだ、ねじ山の形成はされていない)の先端部57からねじ部52の後端部近傍まで主体金具5の軸線方向と平行に所定幅で、所定の深さの溝部である接合部58を例えばフライス盤を用いる切削加工により形成する。この接合部58の幅は、一例として、接地電極60の幅より僅かに大きく、深さは、接地電極60の厚みと略同一である。フライス盤による切削工程は、固定治具(図示しない)により主体金具5を固定し、切削治具(図示しない)により接合部58を切削形成する。この接合部58は軸線方向において後端から先端に向かうに従って溝が深くなるように形成すると良い。このように形成することによって、主体金具から燃焼室側に突き出した部分の接地電極の強度(即ち太さ)を確保しつつ、それと同時に主体金具自身の強度(即ち肉厚)を確保することができる。
次に図4乃至7を用いて接合工程について説明する。図4は、接地電極60の接合後の主体金具5の平面図であり、図5は主体金具5に接地電極60を接合する工程を示す図である。図4及び図5に示すように、接合部58には、接地電極60が溶接され、その方法としては抵抗溶接、レーザー溶接、アーク溶接等の各種溶接方法を採用することができるが、本実施例では抵抗溶接によって主体金具5の接合部58に接地電極60を接合している。
図6に基づき接合工程を説明する。まず、V字の固定溝81が形成された固定台80に接合部58である溝部が形成された主体金具5を接合部58が上面を向くように配置すると共に電気的に接地された金属支持部材82を主体金具5の径方向内部に挿通させる(図6(a)、(b))。この金属支持部材82の直径φdは主体金具5の内径φDに比べ僅かに小さく、遊嵌状態にある。φDとφdの差が大きすぎると本工程の接合時に溶接の際に印加する圧力により主体金具5の変形を生じてしまう。一方、この差が小さすぎると、金属支持部材82を主体金具5の径方向内部に挿通することが困難となり、ピースタイムが長くなるだけでなく、主体金具5の内周面、即ち、絶縁碍子1側の側面を傷つけてしまう虞がある。そのため、(0.02)≦φD−φd≦(0.4)であることが望ましい。
次いで、接地電極60の一端側を、接合部58として形成した溝へ嵌め合わせる形で位置合わせを行い、抵抗溶接機(図示しない)の電極83を接地電極60に押し当て、抵抗溶接を行う(図6(c)、(d)、(e))。抵抗溶接機の電極83はその端面が主体金具5と接地電極60とが当接している部分のすべてに接し、押圧していることが望ましく、抵抗溶接機の電極83がその当接している部分に対して小さいときは、主体金具5に設けた接合部58と接地電極60とが当接している部分の端点より順次、溶接電流を上昇させて押圧するとよい。そのためには、前述の金属支持部材82は抵抗溶接機の電極83が主体金具5の接合部58と当接している部分の内周面のすべてに対して当接しているとよい。
上記のように主体金具5と接地電極60とを接合した後に、接地電極60を所期の長さに切断する。その後、接合工程の後工程は従来周知の方法により主体金具5へねじ部52を転造する。このねじ山の転造処理により、接地電極60の一端部62の外側面にもねじ山が形成される。次いで、絶縁碍子1等の組み付け、主体金具5のかしめ処理等、従来周知の製造方法により図1に示すスパークプラグ100が完成する。
〔第2実施例〕
第2実施例は、第1実施例の接合工程における金属支持部材が異なり、他の工程は第1実施例と同一であるため、同一工程については割愛する。第2実施例は、第1実施例における金属支持部材82が図7に示す110となること以外は第1実施例と同様である。
第2実施例は、第1実施例の接合工程における金属支持部材が異なり、他の工程は第1実施例と同一であるため、同一工程については割愛する。第2実施例は、第1実施例における金属支持部材82が図7に示す110となること以外は第1実施例と同様である。
図7(a)に示す金属支持部材110について説明する。金属支持部材110は、概略、軸孔の後端側に雌ねじ112が形成された筒状のハウジング111と、該雌ねじ112に螺合する雄ねじ94が形成された中軸押し114、及びスパークプラグ100の主体金具5の内周面に当接する支持部115を備えている。ハウジング111は、主体金具5の内部に挿通するように主体金具5の内径よりも径小の小径部116が形成されている。この小径部116の先端部外周縁は、主体金具5の内部へ挿入する際に主体金具5を傷つけないようにするためにテーパが設けられている。なお、ハウジング111の最先端部には接合工程時に金属支持部材110を支持するために突部117を設けている。
支持部115は小径部116の一部がカットされた位置に配置しており、自身の内部は後端側が拡径したテーパ117が形成されている。この支持部115は後述する中軸119と作用することによって分割して拡径するように構成されている(図7(b)、(c))。なお、本実施の形態では、支持部115の外表面には周方向に溝118が設けられ、この溝118に円環状弾性部材(例えば、Oリング)が嵌められることにより、分割した支持部115は中軸119が初期位置に戻ることにより、径小となる構造となっている。
中軸114はハウジング111の雌ねじ112と螺合する雄ねじ112より後端側に、中軸押し114を回転させるためのハンドル113が形成されている。一方、先端部はテーパ120が形成され、このテーパ120が前述の支持部115のテーパ117を押し広げる作用をし、支持部115は主体金具5の内周面を支持することができる。
この図7に示したような金属支持部材110を用いて、主体金具5の内部へ挿入する際には径小の状態であり、溶接を行う際には分割して拡径する支持部115により、主体金具5を変形させることなく、接地電極60を溶接することができる。なお、この分割する支持部115は3分割するようにするとよい(図7(b)、(c))。3分割することにより、分割した支持部115の1部分によって接地電極60側を支持し、残りの2部分によって、掛かる応力を分散させて支持することができる(図7(d)応力の分散イメージを矢印a、bにて示している。aが接地電極を抵抗溶接するときの応力、bがその応力が支持部材から固定台へかかる応力を示している。)。したがって、主体金具5の内周面に支持部115が及ぼす応力を分割しない棒状の金属支持部材に比較して小さくすることができ、主体金具5の内周面が変形してしまうことを抑制することができる。
〔評価〕
〔評価〕
本発明の効果を確認するべく、接地電極溶接強度試験、主体金具変形試験、机上横飛火試験、の3通りの試験を実施し、本発明の製造方法による効果の検証を行った。検証を行ったスパークプラグの構成は次の通りである。主体金具:ねじ全長 19.0mm(内、接合部9.5mm)、主体金具先端部開口径 7.2mm、接合部肉厚(最薄部) 0.3mm、ねじ径 M12の各寸法を有する炭素、接地鋼性電極:インコネル(登録商標)600 1.3mm×2.7mm。主体金具と接地電極との接合は抵抗溶接により、接合部9.5mmの内、等間隔にφ1.2mmのスポット状の溶接を圧力15Kgfにて5カ所行っている。
それぞれ試験を行った結果を表1に示す。接合工程において、金属支持部材を使用しない例(No.1〜3)、丸棒状の金属支持部材82を使用する例(No.4〜12)、本発明の請求項3に相当する主体金具の径方向内部にて径大となる構造を有する金属支持部材110(便宜上、拡張金属支持部材と称する。)を使用する例(No.13〜15)のそれぞれに対し、抵抗溶接する電流値を1.2KA、1.5KA、1.7KAと設定した。なお、丸棒状金属支持部材を使用する例では、支持部材と主体金具とのクリアランスを0.1mm、0.2mm、0.3mmと管理し、試験を行っている。
・接地電極溶接強度評価
前述の製造方法により主体金具5に接地電極60を溶接した状態のもの(即ち、接地電極60は直棒状の形態を呈している)に対して試験を行った。試験方法は、主体金具5を固定し、一方、接地電極60の先端部をバイスにて把持する。その後、接地電極60を、主体金具5の先端面を基準として径方向内側へ90°及び外側へ90°曲げ、その接地電極60が金属疲労により折損するか、若しくは接地電極60の主体金具5との溶接が剥がれるか、のどちらかが生じるまで試験を行い、目視にて溶接部に剥がれが無いことが確認できたものを○、剥がれが確認できたものを×と評価した。
前述の製造方法により主体金具5に接地電極60を溶接した状態のもの(即ち、接地電極60は直棒状の形態を呈している)に対して試験を行った。試験方法は、主体金具5を固定し、一方、接地電極60の先端部をバイスにて把持する。その後、接地電極60を、主体金具5の先端面を基準として径方向内側へ90°及び外側へ90°曲げ、その接地電極60が金属疲労により折損するか、若しくは接地電極60の主体金具5との溶接が剥がれるか、のどちらかが生じるまで試験を行い、目視にて溶接部に剥がれが無いことが確認できたものを○、剥がれが確認できたものを×と評価した。
この結果、従来の方法による金属支持部材を使用しないもの(No.1〜3)、及び丸棒状金属支持部材を使用し、クリアランスが0.3mmのものの内、1.2kAの電流値にて溶接したもの(No.4)に剥がれが確認された。これは、クリアランスが広い、若しくは金属支持部材が無いために、溶接時の溶接治具による押圧荷重により主体金具は微量変形してしまい、そのために溶接強度が低下したものと考えられる。
・主体金具変形評価
上記の接地電極溶接強度評価において基準を満たしたものに対して試験を行った。接地電極60を主体金具5に接合する前に主体金具5の内径を測定し、その後各条件により接地電極60の接合された主体金具5をそれぞれ10個ずつ用意し、主体金具5の内径が最も小さくなった径を測定した。評価方法は前記接合工程による主体金具5の内径の変形量の10個平均をそれぞれとり、その変形量が0.1mm以下を◎、0.1〜0.3mmを○、0.3〜0.5mmを△、0.5mm以上を×と評価した。
上記の接地電極溶接強度評価において基準を満たしたものに対して試験を行った。接地電極60を主体金具5に接合する前に主体金具5の内径を測定し、その後各条件により接地電極60の接合された主体金具5をそれぞれ10個ずつ用意し、主体金具5の内径が最も小さくなった径を測定した。評価方法は前記接合工程による主体金具5の内径の変形量の10個平均をそれぞれとり、その変形量が0.1mm以下を◎、0.1〜0.3mmを○、0.3〜0.5mmを△、0.5mm以上を×と評価した。
この結果、拡張金属支持部材を使用する実施例2(No.13〜15)は該支持部材と主体金具5の内径とのクリアランスを限りなくゼロに近づけることができるので、主体金具5の変形はなく、良好な結果となった。ただし、拡張金属支持部材の拡張する部分が接合時に押圧される荷重に対して、拡張した状態を保っていられるようにする必要がある。
また、前記クリアランスを0.2、0.1としたもの(No.7〜12)は、変形しているものの大きく変形したものはなかった。一方、前記クリアランスが0.3のものの一部(No.4、6)及び従来の支持部材を使用しないもの(No.1〜3)はいずれも大きく変形してしまうことが確認できた。
・横飛火評価
上記の主体金具変形評価試験後の主体金具を絶縁碍子と組み付け、スパークプラグの完成体を製作した。この際、火花放電間隙が1.1mmとなるように接地電極を屈曲させ、主体金具先端面の断面における絶縁碍子の外径との間隙が1.45mm(径差2.9mm)となるように組み付けた。ただしこの径差2.9mmとは、変形していない主体金具に対して組み付けた場合における径差であり、本評価試験の主体金具は変形しているものもあるため、それぞれの主体金具ごとの径差は異なっており、主体金具が変形していない場合と同様の手法により組み付けたことを意味している。
上記の主体金具変形評価試験後の主体金具を絶縁碍子と組み付け、スパークプラグの完成体を製作した。この際、火花放電間隙が1.1mmとなるように接地電極を屈曲させ、主体金具先端面の断面における絶縁碍子の外径との間隙が1.45mm(径差2.9mm)となるように組み付けた。ただしこの径差2.9mmとは、変形していない主体金具に対して組み付けた場合における径差であり、本評価試験の主体金具は変形しているものもあるため、それぞれの主体金具ごとの径差は異なっており、主体金具が変形していない場合と同様の手法により組み付けたことを意味している。
上記のように製作したスパークプラグを、机上火花試験機(25℃、0.8MPa)において、10Hz○○KV印加し、500回放電させ、その際の横飛火発生回数を測定している。この横飛火発生回数が0〜5回のものを◎、6〜10回のものを○、11〜50回のものを△、51回以上のものを×と評価した。
この試験結果は前述の主体金具変形評価に関連していることがわかる。即ち、横飛火の発生は主体金具と絶縁碍子との間隙が最も狭いところを主として発生するので、上記の主体金具変形評価における評価と同一の評価となっている。
・総合評価
前述の接地電極溶接強度評価において○のものに対して主体金具変形試験及び横飛火試験を行っているため、総合評価は主体金具変形評価及び横飛火評価と同様の結果となっている。総合評価において◎、○と評価したものはスパークプラグの寿命を十分全うする性能を有している。△、×と評価したものは横飛火の発生により絶縁碍子が絶縁破壊し破損したり、正規の火花放電間隙で放電が起こりにくくなるため、例えば絶縁碍子が汚損し、リークを生じやすくなったり、失火を起こしやすくなる虞がある。
前述の接地電極溶接強度評価において○のものに対して主体金具変形試験及び横飛火試験を行っているため、総合評価は主体金具変形評価及び横飛火評価と同様の結果となっている。総合評価において◎、○と評価したものはスパークプラグの寿命を十分全うする性能を有している。△、×と評価したものは横飛火の発生により絶縁碍子が絶縁破壊し破損したり、正規の火花放電間隙で放電が起こりにくくなるため、例えば絶縁碍子が汚損し、リークを生じやすくなったり、失火を起こしやすくなる虞がある。
以上説明したように、本発明によるスパークプラグの製造方法によれば、接地電極の熱引きの良好な構造をもつスパークプラグを容易に製造することができる。また、主体金具の変形を起こすことなく、そのため着火性良好なスパークプラグを製造することができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。例えば、上記の実施の形態では、金属支持部材が円柱状のものを使用しているが、荷重のかかる方向に対して垂直な方向には応力がかからないため、円柱の一部をカットした楕円状(陸上競技のトラックの様な形状)でも良いし、主体金具の内周面を支持する三つ又の形状でも良い。いずれの形状であるにせよ、接地電極の接合される部位の主体金具内周面を支持する形状とすることが望ましい。
また、前述の第2の実施の形態では、拡張金属支持部材が一体からなる構造としているが、別体からなる拡張金属支持部材であってもよい。
5 主体金具
60 接地電極
82 金属支持部材
83 電極(抵抗溶接機の電極)
60 接地電極
82 金属支持部材
83 電極(抵抗溶接機の電極)
Claims (3)
- 中心電極と、
前記中心電極の先端部を突出させ、該中心電極を外周より保持する絶縁碍子と、
該絶縁碍子を保持し、外周にエンジンへの取付ねじ部を備える筒状の主体金具と、
一端側が前記主体金具に接合され、前記取付ねじ部の少なくとも一部を構成し、他端が前記中心電極と火花放電間隙を形成する接地電極とを備えるスパークプラグの製造方法であって、
前記主体金具の前記接地電極の一端側が接合される部位を切削する切削工程と、
その切削した部位に前記接地電極の一端側を接合する接合工程と、
前記接合工程の後に、前記主体金具及び前記接地電極の一端側に前記取付ねじ部を転造するねじ転造工程と、を含んでなり、
前記接合工程は、接合時に接合治具が前記主体金具へ印加する応力を支える支持部材を前記主体金具の径方向内部に挿入した後に接合する工程であることを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 前記接合工程は、Cu又はCuを主体とする合金からなる支持部材を前記主体金具の径方向内部に挿入した後に接合する工程であることを特徴とする請求項1記載のスパークプラグの製造方法。
- 前記金属支持部材は、自身の支持部の外径が前記主体金具へ挿入する際より、支持する際に径大となることを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-05-31 JP JP2004161384A patent/JP2005346928A/ja active Pending
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