JP2005346821A - 光ピックアップ装置および平板型光学素子の製造方法 - Google Patents

光ピックアップ装置および平板型光学素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005346821A
JP2005346821A JP2004164790A JP2004164790A JP2005346821A JP 2005346821 A JP2005346821 A JP 2005346821A JP 2004164790 A JP2004164790 A JP 2004164790A JP 2004164790 A JP2004164790 A JP 2004164790A JP 2005346821 A JP2005346821 A JP 2005346821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
material layer
optical
refractive index
pickup device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004164790A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4321363B2 (ja
Inventor
Hiroaki Shimozono
裕明 下薗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2004164790A priority Critical patent/JP4321363B2/ja
Publication of JP2005346821A publication Critical patent/JP2005346821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4321363B2 publication Critical patent/JP4321363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Head (AREA)

Abstract

【課題】2つの光束を合波して光記録媒体に照射し、戻り光を受光素子に導く光ピックアップ装置において、光の利用効率が改善され、波面形状の劣化が少ない光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】透過型偏光ホログラム21と略1/4波長板22とが積層一体化されている本願発明の平板型光学素子を用いると、波長が異なる2つのレーザー光源からの直線偏光光束23、24を回折透過し、光軸を一致させて光記録媒体に照射し、反射された戻り光を回折させずに透過させて受光素子に導びくことができる。それにより、光ピックアップ装置を単純化、小型化が可能になるとともに、高い光の利用効率が得られる。さらに波面形状の劣化を抑えて信号を読み取ることができるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、CD、DVD等のように厚みや記録密度等の異なる複数の光記録媒体に対して情報の記録/再生を行うために、複数の波長の異なる光源と、その光源から出射された複数の光束を合波して光記録媒体へ出射する平板型光学素子、および光記録媒体で反射された各波長の戻り光を検出する共通の受光素子とを備えた光ピックアップ装置に関する。さらに詳しくは、異なる波長の光束の光路合成部分に、平板状光学素子を用いる光ピックアップ装置およびかかる平板型光学素子の製造方法に関する。
CDの記録再生には780nm帯の波長を持つレーザー光源が、DVDの記録再生には650nm帯の波長を持つレーザー光源がそれぞれ必要であり、ひとつの光ピックアップ装置で書込みおよび/または読取りを行おうとすると、それぞれの波長の光束の合波、分離のため光学系が大型化、複雑化する。そのため、小型化、単純化を実現する技術が望まれている。
このような問題に対して、特許文献1では、支持基板の表面に第一のレーザー光反射用の第一の反射面を形成し、この上に透明な平板部材を積層し、該平板部材の表面に第二のレーザー光反射用の第二の反射面を形成してなる平板型光学素子を用いることにより、波長の異なる2つの光束をそれぞれ反射させ、光軸を略一致させてコリメーターレンズに導くように構成した光ピックアップ装置の発明が開示されている。
特開2001−256663号公報
特許文献1では、2つの光源からの光束を反射するとともに合波して、光記録媒体へ導く光学素子を用いていて、光記録媒体に入射する光束の波面が劣化することはほとんどないが、一方、光記録媒体の光記録媒体面で反射された戻り光は、光軸に対して斜めに配置された前記光学素子を透過するため、受光素子で検出する戻り光に非点収差成分などの波面形状の劣化を生じたり、完全な反射面とすることができず光の利用効率が低かったりする問題が予想され、改善が望まれる。また光束の偏向素子に対して光源と受光素子とが異なる側に配設されるので、光ピックアップ装置のコンパクト化に制約があった。
また、前記光学素子が光軸に対して斜めに配置されているため、回折角が大きくなり、高い回折効率が得られないという制約もあった。
本願発明は上記課題を解消するためになされたものであり、2つの光束を合波して光記録媒体に照射し、情報記録面で反射された戻り光を受光素子に導く光ピックアップ装置において、光の利用効率が改善され、さらに受光素子で検出される戻り光に波面形状の劣化を生じさせることが少ない平板型光学素子を用いた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。さらに、光源と受光素子を偏向素子に対して同じ側に配設することが可能となり、コンパクトな構成の光ピックアップ装置が実現される。
前述の課題を解決するために、本願発明は、第一の波長の光束を出射する第一の光源と、第一の波長とは異なる第二の波長の光束を出射する第二の光源と、前記2つの光源からの光束を光記録媒体の情報記録面に照射し、情報記録面からの戻り光を受光素子に導く機能を有する平板型光学素子と、を備える光ピックアップ装置であって、前記2つの光源は同じ偏光方向の直線偏光の光束を出射する光源であって略同一方向に光束を出射するように並べて配置されており、前記平板型光学素子は、前記2つの光源からの光束は回折して光軸を一致させて透過させる透過型偏光ホログラムと、波長板と、が積層されており、情報記録面により反射された戻り光は回折せずに透過させるものであることを特徴とする光ピックアップ装置を提供する。
この場合、前記透過型偏光ホログラムは、透明基板上に、複屈折性材料層と等方性材料層とが、鋸歯状の断面形状をもつ凸部の繰り返しからなる格子状構造の界面を有するように積層されている透過型偏光ホログラムであることが好ましい。
また、前記複屈折性材料層は、前記直線偏光の偏光方向の光束に対して異常光屈折率または常光屈折率が対応するように配向されていて、そのときそれぞれ常光屈折率または異常光屈折率と、等方性材料の屈折率とが前記2つの波長において実質的に等しく、常光屈折率と異常光屈折率との差が0.05〜0.35であることが好ましい。
また、本願発明は、前記複屈折性材料層と等方性材料層との積層構造は、透明基板上に複屈折性材料層を形成する工程と、前記複屈折率材料層を鋸歯状の断面形状をもつ凸部の繰り返しからなる格子状に加工する工程と、前記格子間を充填するように等方性材料層を積層する工程と、を備える製造方法で形成されている光ピックアップ装置を提供する。
本願発明はまた、前記格子断面形状の鋸歯状形状は、所望の鋸歯状形状を階段状に近似した形状である光ピックアップ装置を提供する。
さらに本願発明は、前記光ピックアップ装置に用いられる平板型光学素子の製造方法であって、透明基板上に複屈折性材料層を形成する工程と、前記複屈折率材料層を鋸歯状の断面形状をもつ凸部の繰り返しからなる格子状に加工する工程と、前記格子間を充填するように等方性材料層を積層する工程と、を備える製造方法で透過型ホログラムを形成する工程と、前記透過型偏光ホログラムに波長板を積層する工程と、を備えることを特徴とする平板型光学素子の製造方法を提供する。
本願発明により、光ピックアップ装置の光の利用効率が向上するとともに、光学系が小型化、単純化される。かかる光ピックアップ装置は、実装上有利であると共に、組み立て時の光軸調整が容易になり、生産性や信頼性が向上する。また駆動が容易になり、振動や衝撃に対する信頼性が高まる。
また、光記録媒体に照射される光および受光素子で検出される戻り光に生じる波面形状の劣化が抑えられるので、光記録媒体に記録された信号の読み取り感度が向上する。
また、前記2つの光源から出射された光束が、本願発明の平板型光学素子の入射面にほぼ垂直に入射するように光路を構成できるので回折角を小さくすることが可能になり、回折角が大きいときと比べて高い回折効率が得られる。また、回折格子のピッチを大きくできるので、回折格子の作成が容易になり、回折格子形状の製造誤差による収差への影響を小さくできる。
図1は本願発明の光ピックアップ装置の実施形態を説明する概略図である。本願発明の光ピックアップ装置は、第一および第二の光源と、透過型偏光ホログラムと波長板とを備える平板型光学素子2(以下、本願発明の平板型光学素子という)、および受光素子8とからなる。
波長λの光束を出射する第一の光源1a、波長λの光束を出射する第二の光源1bとしては、直線偏光でそれぞれ波長655nm、波長790nmの発散光束を出射する半導体レーザー光源が例示され、それぞれからの光束の偏光方向が同一方向になるように並べて配置される。
また、本願発明の平板型光学素子と光記録媒体6または7(6aおよび7aはそれぞれの光記録媒体の情報記録面)との間の光路上に、コリメーターレンズ3、絞り4、対物レンズ5をこの順に設けてもよい。
なお、上記第一の光源と第二の光源は別体に限られず、例えば共通パッケージ内に2個の半導体レーザーチップが共通基板上にマウントされているいわゆるハイブリッド型の2波長レーザー光源でもよい。あるいは、異なる波長を発光する2個の発光点を持ったモノリシック型の二波長レーザー光源でもよい。このような例として、特開2004−39898号記載の光源が挙げられる。
前記透過型偏光ホログラムは石英ガラス等の透明基板上に、複屈折性材料層と等方性材料層とが、鋸歯状の断面形状をもつ凸部の繰り返しからなる格子状の界面構造をもつように積層して形成されることが好ましい。
鋸歯状の断面形状は、透明基板に対して傾き角をもつ幅の広い平面と、透明基板に対して略直交する幅の狭い平面と、により形成されるブレーズの断面形状であることが好ましいが、かかる断面形状を階段状で近似した形状であってもよい。
このとき前記複屈折性材料層は、前記光源から出射された光束の偏光方向に対して異常光屈折率が対応するように配向されていて、さらに常光屈折率と等方性材料層の屈折率とが前記2つの波長において実質的に等しいことが好ましい。あるいは前記複屈折性材料層は、前記光源から出射された光束の偏光方向に対して常光屈折率が対応するように配向されていて、さらに異常光屈折率と等方性材料層の屈折率とが前記2つの波長において実質的に等しいことが好ましい。
複屈折性材料層と等方性材料層との前記積層構造を用いると、複屈折材料層と等方性材料層とが、前記光源と同じ偏光方向の直線偏光の光束に対しては屈折率差を有し、光源からの光束と直交する偏光方向の直線偏光の光束に対しては、実質的に等しい屈折率を示すようにすることができる。
また、前記波長板は前記第1の光源と第2の光源のそれぞれの波長に対して略1/4波長板の機能をもつことが好ましく、前記透過型偏光ホログラムに対して光記録媒体側に配設される。
以上述べたような前記透過型偏光ホログラムと前記波長板とが組み合わせられた本願発明の平板型光学素子を用いると、前記光源から出射された2本の光束は、複屈折材料から光記録媒体へ至る往路では、前記透過型偏光ホログラムで複屈折材料層と等方性材料層との屈折率差により回折され、光軸を一致させられて透過され、前記波長板により略円偏光に変えられて光記録媒体に照射される。そして情報記録面で反射されて逆周りの略円偏光となった戻り光は、前記波長板により光源からの光束とは直交する偏光方向の直線偏光となり、複屈折性材料層と等方性材料層との屈折率が生じないないため、そのまま透過されて受光素子へと導かれる。このようにして光源からの出射光束を有効に利用することができる。
往路において効率よく前記回折を生じさせるためには、前記2つの波長における前記複屈折性材料の常光屈折率と異常光屈折率との差は0.05以上とすることが好ましい。凸部を容易に形成できるように凸部の高さを低くするとともに、高い回折効率を実現するためには前記往路における屈折率差は0.21以上であることが好ましい。量産を容易にするため凸部高さをさらに低くし、より高い回折効率を実現するためには0.27以上が好ましい。一方、0.35を越えると複屈折性材料が紫外線等に対して不安定になり信頼性の点で問題となる恐れがあるため、前記屈折率差は0.35以下が好ましい。
復路において意図しない回折による回折効率の低下を防ぐためには、複屈折性材料層の常光屈折率または異常光屈折率と等方性材料の屈折率とを、前記2つの波長において実質的に等しくすることが好ましい。複屈折性材料層の常光屈折率または異常光屈折率と等方性材料の屈折率とは、使用する複屈折性材料と等方性材料との組み合わせを選ぶことにより等しく合わせられる。前記復路における屈折率差を0.01以下とすると意図しない回折による回折効率の低下は1%以下とすることができて、実用上問題なく用いることができる。より好ましくは屈折率の差異は0.004以下であって、そのとき意図しない回折による回折効率の低下は0.1%以下とすることができる。
前記ホログラムの光学設計は、既知の位相関数法を用いて行うことができる。このとき、複屈折性材料と等方性材料の屈折率は温度変化するので、本願発明の光ピックアップ装置が使用される温度範囲において前述の屈折率の関係が保たれて必要な回折効率が得られるように、温度係数を考慮して設計することが好ましい。
透過型ホログラムを用いると、単に前記2つの光源からの光束を回折透過させ、光軸を一致させるだけでなく、ホログラムの基板厚みによって生じる非点収差の補正機能をもつ素子としたり、受光素子にある収差量をもって光束を入射させたい場合に、その所望の量に収差量を制御する設計も可能である。また、非点収差法や3ビーム法により受光素子で読み取り信号以外にフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を得て、レンズを光軸方向に移動する機構(フォーカスサーボ)やレンズを光軸にほぼ垂直の方向に移動する機構(トラッキングサーボ)を実現することが可能である。
前記透過型偏光ホログラムは、図3に示すように石英ガラス等の透明基板20上に、複屈折性材料層21aと等方性材料層21bとが、その界面の断面形状が鋸歯状である格子状となるように積層され、形成される。かかる積層構造を形成する好ましい方法としては、透明基板上に複屈折性材料層を形成し、既知のフォトリソグラフィ技術で断面形状が鋸歯状である格子状に加工する工程と、格子間を充填するように等方性材料層を積層する工程とを備えてなる製造方法が例示される。等方性材料層を積層するときは、その表面が、透明基板と略平行な平滑面となるように積層すると、波長板を積層したり、反射防止を施したりすることが容易になるので好ましい。
複屈折性材料層を加工する方法として、フォトリソグラフィ技術の代わりに切削加工、スタンプ法など、他の方法を用いてもよい。
前記透過型偏光ホログラムを形成する基板は石英ガラスに限定されず、光学ガラス、樹脂基板など他の基板を用いることも可能である。また、複屈折性材料としては光重合性の高分子液晶、等方性材料としてはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂などの光硬化性の樹脂がそれぞれ好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
複屈折性材料として光重合性の高分子液晶を用いると、所望の光学異方性をもつ層を配向を制御して形成し易く、さらにフォトリソグラフィ加工が容易であるので、複屈折性材料層として光硬化性の高分子液晶を用いて、上述の方法で前記積層構造を形成することが好ましいが、他の方法を用いることもできる。
例えば、複屈折性材料層を加工する代わりに、透明基板上に形成されている等方性材料を格子状に加工し、格子間を充填するように複屈折性材料層を積層して形成してもよいし、あるいは、透明基板自体を格子状に加工し、格子間を充填するように複屈折材料層を充填して形成してもよい。そのときの断面形状の加工方法としては、上述の場合と同様、フォトリソグラフィ技術、切削加工、スタンプ法などが例示される。
波長板としては複数の複屈折性有機物薄膜をそれぞれの光軸を交差するように積層して所望の機能を有する波長板が好ましく用いられる。あるいは1枚の複屈折性有機物薄膜でもよいし、複屈折性を有する結晶材料を用いてもよい。
前記平板型光学素子は前記波長板と組み合わせて一体化されているので、光ピックアップ装置が単純化、小型化されるとともに、生産が容易になり、信頼性が向上するので好ましい。かかる平板型光学素子は、前記透過型偏光ホログラムが設けられている透明基板に前記波長板を積層し一体化して形成されることが好ましい。また、前記透過型偏光ホログラムは、前記透明基板に対して光源側と光記録媒体側のいずれの側に配設されてもよいが、前記波長板は、前記透過型偏光ホログラムに対して光記録媒体側に配設される。
光学系は、コリメーターレンズを用いていわゆる無限系の光学系とすることが好ましいが、コリメーターレンズを使用しない有限系の光学系としてもよい。
コリメーターレンズを用いる場合、平板型光学素子と光記録媒体との間には、コリメーターレンズ3、絞り4、対物レンズ5をこの順で設けることが好ましい。コリメーターレンズは、本願発明の平板型光学素子で回折透過させる光束を略平行光に変換する役割を持つ。
また、例えばDVDとCD/CD−Rなど、記録媒体の厚みや記録または再生の波長が異なる光記録媒体に対して、2つの光源のいずれかからの光束を選択的に開口制限して開口数(NA)を調整するために、絞りを設けてもよい。記録または再生の際、第1の光記録媒体9に使用される開口数と第2の光記録媒体10に使用される開口数とが異なる場合、絞り5により開口数を調整するためである。第1の光記録媒体に使用される開口数と第2の光記録媒体に使用される開口数とが同じである場合には絞りは通常不要である。絞り4には、機械的絞り、光学的絞りがあり、特に限定されない。例えば、650nm帯の波長の光束に対してはNA0.65、780nm帯の波長の光束に対してはNA0.50が例示される。
対物レンズは、2つの光源の波長のいずれに対しても共に使用可能な程度に収差補正された単レンズであり、2つの波長のそれぞれの平行光を光記録媒体の情報記録面に集光させる役割を持つ。このような機能を持つレンズとして例えば特開2001−344798記載のレンズが挙げられる。
なお、対物レンズはこれに限定されず、例えば2つの波長λまたはλのどちらかで収差補正され、他方の波長における収差は収差補正機能を有する光学素子を組み合わせることで補正するような、対物レンズと収差補正機能の組合せを用いてもよい。
受光素子は、光記録媒体の情報記録面からの反射光を受け、当該情報記録面に記録された情報の、読み取り信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号の各信号を出力する機能を有する。
光記録媒体6は波長650nm帯の光束に対して用いるもので、0.6mmの保護層厚を有する。光記録媒体7は780nm帯の波長の光束に対して用いるもので、1.2mmの保護層厚を有する。
なお、光ピックアップ装置としては、上記フォーカスエラー信号をもとに、レンズを光軸方向に移動する機構(フォーカスサーボ)、および上記トラッキングエラー信号をもとに、レンズを光軸にほぼ垂直の方向に移動する機構(トラッキングサーボ)を有するが、図1では省略している。
異なる波長の直線偏光の光束を出射する前記2つの光源と前記受光素子とは基板の同一平板上に配設して一体化することも可能であり、そのような構成とすると、光ピックアップ装置がさらに単純化、小型化されて、組み立てが容易になったり、信頼性が高まるので好ましい。さらに本願発明の平板型光学素子が窓部に取り付けられ、光源と受光素子とが同一平面状に配設された前記基板が対向して取り付けられた一体パッケージとすることも可能であり、光ピックアップ装置がさらに一層単純化、小型化されて好ましい。
なお、上記の説明中では、CDとDVDとの互換を前提として説明したが、現在実用化されようとしているBLURAYあるいはHD−DVDと従来DVDとの組合せに対しても有効に適用することができる。また、BLURAYまたはHD−DVDとCDとの組合せに対しても有効に適用可能である。
以下に本願発明を[例1]、[例2]の実施例によりさらに具体的に説明するが、本願発明は以下の説明に限定されるものではない。
[例1]
例1の光ピックアップ装置の光学配置を図1に示すように、それぞれ650nm、780nmの直線偏光の光束を出射する2つのレーザー光源、平板型光学素子、コリメーターレンズ3、絞り4、対物レンズ5、および受光素子とを備えている。
ここで平板型光学素子2は、図2に断面の概略が示されているように、石英ガラス基板上に複屈折性材料層と等方性材料層とが積層されている透過型偏光ホログラムと、前記2つの波長の光のそれぞれに対して略1/4波長板の機能をもつ波長板22とが積層されて一体化されていて、石英ガラス基板の透過型偏光ホログラムが形成されてない面と波長板の出射面には、前記波長に対する反射防止膜が施されている。
前記透過型偏光ホログラム21は、並べて配設された前記2つの光源からの光束が、光学素子2を回折透過後にそれぞれの光軸が一致され、かつ当該ホログラム21の厚みによって生ずる非点収差を補正するように設計されている。かかる透過型偏光ホログラムは、石英ガラス基板上に複屈折性を有する高分子液晶層21aを形成し、その表面をフォトリソグラフィ加工によって鋸歯状の断面形状をもつ凸部の繰り返しからなる格子状に加工してホログラム面21cを形成し、さらに格子間にエポキシ系の紫外線硬化型樹脂からなる等方性材料層21bを充填しつつ表面が平滑になるように積層し、硬化させて作製されている。
複屈折性材料層に用いる高分子液晶としては、第1の波長650nmおよび第2の波長780nmにおいて、常光屈折率が、等方性材料層として用いる紫外線硬化型エポキシ樹脂の屈折率と実質的に等しく、かつ常光屈折率と異常光屈折率の差が0.221、0.211と大きい値を有するものを用いる。
ここで格子状構造の凸部の形状としては、グレースケールマスクを用いてフォトリソグラフィ加工により形成される鋸歯状形状(以下ブレーズ形状と記載)と、3〜8ステップのフォトリソグラフィ加工を繰り返すことにより形成される階段状断面で近似する鋸歯状形状とを用いる。階段状断面の段差は650nmおよび780nmの両方の波長での1次の回折効率が略同じになるように設定されている。
Figure 2005346821
本実施例の光ピックアップ装置において、2つの光源から図1紙面に垂直方向の直線偏光の光束を出射すると、2本の光束は、透過型偏光ホログラム21で回折透過され、光軸を一致させられ、波長板22で略円偏光に変換され、コリメーターレンズ3、絞り4、対物レンズ5を介して、光記録媒体の情報記録面に導かれる。情報記録面での反射光束は逆回りの円偏光となり、対物レンズ5、絞り4、コリメーターレンズ3を介して再度平板型光学素子2の波長板22に入射する。波長板22への再入射光束は、波長板22の機能により、今度は図2紙面に平行方向の直線偏光に変化される。この方向の偏光に対してはホログラム21は複屈折性材料と等方性材料とで屈折率差を示さないため、戻り光は回折されずにホログラム21を透過し、受光素子8に導かれる。
鋸歯状形状を近似する階段状断面のステップ数と、そのとき得られる1次の回折効率を、ブレーズ形状に対する結果と合わせて表2にまとめた。
Figure 2005346821
650nmおよび780nmの両方の波長で70%以上の1次回折効率を得るためには5ステップ以上で近似することが望ましいことがわかる。また、鋸歯状形状を多段の階段状断面で近似するのではなく、グレースケールマスクを利用して加工されるブレーズ形状を用いると、いずれの波長に対しても85%以上の回折効率が得られ、より望ましい。
[例2]
例2の光ピックアップ装置の光学配置の概略を図3に示す。なお、図3における各構成部材の符号は図1と同様としている。例2では、例1と同じ光源1a、1b、コリメーターレンズ3、絞り4、対物レンズ5、受光素子8を用いている。平板型光学素子2も例1と同様に設計、作製されているが、前記2つの光源が光学系の光軸と垂直な面上に配置され、さらに平板型光学素子も光学系の光軸にほぼ垂直に配置されている点が例1と相違している。
透過型偏光ホログラムの断面形状を、グレースケールマスクを利用して加工されるブレーズ形状で格子ピッチが10μmの鋸歯状形状断面とし、ホログラム面の法線方向と入射光束および出射光束のなす角度をそれぞれ4.5°、0°とすると、光ピックアップ装置に適用可能な、良好な値である87%の回折効率が得られる。
例2のように配置すると、前記2つの光源と前記受光素子とをほぼ同一平面上に配置することが可能となり前記2つの光源と受光素子と本願発明の平板型光学素子とを一体モジュール化することが容易となる。
本発明の光ピックアップ装置においては、透過型偏光ホログラムと波長板とが積層一体化されている構成を有し、光軸を一致させる機能と、前記透過型偏光ホログラムを透過する際に発生する非点収差を補正する機能とを合わせもつ平板型光学素子を用いることによって、光学系のコンパクト化、単純化が実現され、CD,DVD互換の光ピックアップ装置に有効に利用される。また2波長光源、光軸補正機能、受光素子とのモジュール化も容易可能となる。
実施形態にかかる光ピックアップ装置の構成の概略図である。 実施形態にかかる光ピックアップ装置に用いた本願発明の光学素子の断面図である。 透過型偏光ホログラムの断面の概略図である。 例2の光ピックアップ装置の構成の概略図である。
符号の説明
1a:第一の光源
1b:第二の光源
2:平板型光学素子
3:コリメーター
4:絞り
5:対物レンズ
6:第一の光記録媒体
6a:第一の光記録媒体の情報記録面
7:第二の光記録媒体
7a:第二の光記録媒体の情報記録面
8:受光素子
20:透明基板
21:透過型偏光ホログラム
21a:複屈折材料層
21b:等方性材料層
21c:ホログラム面
22:波長板
23:第一の波長の光束の平板型光学素子への入射方向
24:第二の波長の光束の平板型光学素子への入射方向
25:光軸を一致させられた光束が光記録媒体へ出射する方向
26:戻り光の平板型光学素子への入射方向
27:戻り光の平板型光学素子透過後の受光素子へ向かう方向

Claims (7)

  1. 第一の波長の光束を出射する第一の光源と、第一の波長とは異なる第二の波長の光束を出射する第二の光源と、前記2つの光源からの光束を光記録媒体の情報記録面に照射し、情報記録面からの戻り光を受光素子に導く機能を有する平板型光学素子と、を備える光ピックアップ装置であって、前記2つの光源は同じ偏光方向の直線偏光の光束を出射する光源であって略同一方向に光束を出射するように並べて配置されており、前記平板型光学素子は、前記2つの光源からの光束は回折して光軸を一致させて透過させる透過型偏光ホログラムと、波長板と、が積層されており、情報記録面により反射された戻り光は回折せずに透過させるものであることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記透過型偏光ホログラムは、透明基板上に、複屈折性材料層と等方性材料層とが、鋸歯状の断面形状をもつ凸部の繰り返しからなる格子状構造の界面を有するように積層されている透過型偏光ホログラムである請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記複屈折性材料層は、前記直線偏光の偏光方向の光束に対して異常光屈折率が対応するように配向されていて、常光屈折率と等方性材料の屈折率とが前記2つの波長において実質的に等しく、常光屈折率と異常光屈折率との差が0.05〜0.35である請求項2記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記複屈折性材料層は、前記直線偏光の偏光方向の光束に対して常光屈折率が対応するように配向されていて、異常光屈折率と等方性材料の屈折率とが前記2つの波長において実質的に等しく、常光屈折率と異常光屈折率との差が0.05〜0.35である請求項2記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記複屈折性材料層と等方性材料層との積層構造は、透明基板上に複屈折性材料層を形成する工程と、前記複屈折率材料層を鋸歯状の断面形状をもつ凸部の繰り返しからなる格子状に加工する工程と、前記格子間を充填するように等方性材料層を積層する工程と、を備える製造方法で形成されている請求項2、3、または4記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記格子断面形状の鋸歯状形状は、所望の鋸歯状形状を階段状に近似した形状である請求項2〜5のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 請求項1記載の光ピックアップ装置に用いられる平板型光学素子の製造方法であって、透明基板上に複屈折性材料層を形成する工程と、前記複屈折率材料層を鋸歯状の断面形状をもつ凸部の繰り返しからなる格子状に加工する工程と、前記格子間を充填するように等方性材料層を積層する工程と、を備える製造方法で透過型ホログラムを形成する工程と、前記透過型偏光ホログラムに波長板を積層する工程と、を備えることを特徴とする平板型光学素子の製造方法。
JP2004164790A 2004-06-02 2004-06-02 光ピックアップ装置および平板型光学素子の製造方法 Expired - Fee Related JP4321363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004164790A JP4321363B2 (ja) 2004-06-02 2004-06-02 光ピックアップ装置および平板型光学素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004164790A JP4321363B2 (ja) 2004-06-02 2004-06-02 光ピックアップ装置および平板型光学素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005346821A true JP2005346821A (ja) 2005-12-15
JP4321363B2 JP4321363B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=35499045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004164790A Expired - Fee Related JP4321363B2 (ja) 2004-06-02 2004-06-02 光ピックアップ装置および平板型光学素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4321363B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100882747B1 (ko) 2006-12-15 2009-02-09 도시바삼성스토리지테크놀러지코리아 주식회사 편광 홀로그램 소자 및 이를 이용한 광픽업 장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100882747B1 (ko) 2006-12-15 2009-02-09 도시바삼성스토리지테크놀러지코리아 주식회사 편광 홀로그램 소자 및 이를 이용한 광픽업 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP4321363B2 (ja) 2009-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7110180B2 (en) Diffraction grating, method of fabricating diffraction optical element, optical pickup device, and optical disk drive
US7782735B2 (en) Optical pickup device capable of handling a plurality of laser light beams having different wavelengths
JP2004355790A (ja) ホログラム結合体およびその製造方法、ホログラムレーザユニットならびに光ピックアップ装置
JP4560906B2 (ja) 光ヘッド装置
JP4833797B2 (ja) 光ピックアップおよび光情報処理装置
JP4608545B2 (ja) 光ピックアップ装置及び情報記録再生装置
JP4338558B2 (ja) 光ピックアップ
JP4321363B2 (ja) 光ピックアップ装置および平板型光学素子の製造方法
JP2002014228A (ja) 位相子および光ヘッド装置
JP4389658B2 (ja) 光ピックアップ装置
JPH0944885A (ja) 光ピックアップ及び再生装置
KR100616104B1 (ko) 광대역 위상지연판 및 이를 갖는 광학소자 및/또는광헤드장치
JP2001034996A (ja) 光ピックアップ
JP4501609B2 (ja) 光ピックアップ装置
JP2006066011A (ja) ホログラムレーザユニットおよび光ピックアップ装置
US20060118704A1 (en) Optical pickup device and optical element
JP4876826B2 (ja) 位相差素子および光ヘッド装置
WO2006013897A1 (ja) 光ピックアップ装置
JP5082792B2 (ja) 光ヘッド装置
JP4876814B2 (ja) 位相差素子および光ヘッド装置
US20050247855A1 (en) Optical pickup apparatus
JP2006085756A (ja) 回折素子および光ピックアップ装置
JPWO2009014093A1 (ja) 合成樹脂レンズの製造方法、改質合成樹脂材の製造方法および光ピックアップ装置
JP2006048822A (ja) 光ピックアップ装置
JP2006004569A (ja) 光ピックアップ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090525

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees