JP2005344772A - 緩み止め付ねじ - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価かつ容易に被締結物を締結することができる緩み止め付ねじを提供する。
【解決手段】 ボルト1の軸部のねじ山部分の一部に、板ばね型の突起部2を設けるとともに、ナット3にボルト1ヘ組込んだ際に突起部2が係止される凹部4を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、様々な部材の締結用に広く使用されている、ボルト及びナットからなるねじに関し、特に、緩み止め付ねじに関するものである。
従来から、電気電子機器等において、本体、ケース等の被締結物どうしをねじ等により締結している。
図6に、従来の一般的なボルト及びナットからなるねじを用いて、被締結物を締結した状態を側面図で示す。図6において、12は、ボルト、13は、ナット、14は、被締結物である。図6に示すように、被締結物14どうしの締結は、被締結物14に設けられた貫通孔に、ボルト12のねじ切りされたねじ山を有する円柱状の軸部を挿入し、被締結物14から突出している軸部の先端にナット13をねじ込んで締め付けることにより行われる。
しかし、従来のボルト12及びナット13を用いて被締結物14を締結している場合、振動その他の原因で、右ねじの場合、点線で示すような矢印20の方向にナット13の戻り回転が発生し、ねじの緩みが発生していた。この点が、ねじを用いた締結における大きな問題点として挙げられ、ねじに緩み止め効果を持たせることは、従来から求められてきた課題となっている。
その対策の一例として、特許文献1に、ねじを形状記憶合金で作製し、締結直後に加熱することでねじ山形状を変形させ、緩み止め効果を持たせる方法が提案されている。
しかしながら、上記の従来例の場合、形状記憶合金の材料費がかなり高価で、かつ加工が容易でない形状記憶合金にねじ山加工を施さなければならないという欠点があった。
本発明では、このような欠点を改善した、安価かつ容易に被締結物を締結することができる、ゆるみ止め効果を持った緩み止め付ねじを提供することを目的とする。
本発明は、ボルトの軸部のねじ山部分の一部に、板ばね型の突起部を設けるとともに、ナットに前記ボルトヘ組込んだ際に前記突起部が係止される凹部を設けたことを特徴とする緩み止め付ねじである。
また、本発明は、上記の緩み止め付ねじにおいて、前記ボルトの軸部の軸心と平行な方向にピンを挿入するための穴を設け、前記穴にピンを挿入することにより、前記突起部が前記凹部から解除され、前記穴からピンを除去することにより、前記突起部が前記凹部に係止されるよう構成したことを特徴とする緩み止め付ねじである。
即ち、本発明では、ボルトのねじ山部分の一部に板ばね型の突起部を設け、かつナットには前記ボルトヘ組込んだ際に前記突起部が引っかかる凹部を設けることにより、ねじ締結後にナットが戻り回転して大きく緩んだり脱落したりすることを防止できる。
以上のように、本発明による緩み止め付ねじを用いれば、ねじ締結後にナットが戻り回転して大きく緩んだり脱落したりすることを防止できると共に、ピン挿入型のボルトを用いれば、締結後に解体したい場合には、容易に解体可能な状態とすることができる。本発明では、形状記憶合金を用いる必要がないため、高価にならずに済み、また、形状記憶合金を加工もしなくてよいので、安価かつ容易に被締結物を締結することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態における緩み止め付ねじを説明する図であり、図1(a)は、ねじの形状を示す斜視図、図1(b)は、ボルトの側面図である。図2は、本発明の一実施の形態における緩み止め付ねじを説明する図であり、図2(a)は、図1(b)に示すボルトのA−A断面図、図2(b)は、ナットの平面図である。図3は、図1、図2に示すボルトとナットとがかみ合い締結した状態を示す横断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態における緩み止め付ねじは、ボルト1とナット3から構成される。ボルト1は、軸心に垂直な方向の断面(横断面)が六角形の形状の頭部1aとこの一平面に垂直に設けられた円柱状の軸部1bとからなり、その軸部のねじ山部分の一部をナット3に組み込む先端から縦に(組み込む方向と平行に)切り欠いて、係止溝21を設け、この係止溝21に板ばね状の突起部2を設けたものであり、かつナット3には、ボルト1へ組込んだ際に突起部2が引っかかる(係止される)凹部4を設けたものである。また、ボルト1の突起部2は、弾力性や可撓性を有する、合成樹脂、合成ゴム、鉄系金属、非鉄金属等で構成される。合成樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等、合成ゴムには、ウレタンゴム、シリコーンゴム等、非鉄金属には、アルミ系合金等が使用できる。
より形状が分かりやすくなるように、各部品をボルト1の断面5及びナット3の平面で示したものが図2である。図2(a)に示すように、係止溝21は、深さが浅い溝と深い溝からなり、この深い溝にやや湾曲した板ばね型の突起部2のほぼ半分を挿入、固定するとともに、浅い溝に突起部の残り半分を突出するように設けたものである。また、図2(b)に示すように、凹部4は、内径から外径方向へ切り欠き、横断面が弓形をほぼ半分にした形状である。この例では、このような構造の板ばね型の突起部2がナット3に設けられた凹部4に引っかかることになる。
図2、図3において、ボルト1にナット3をねじ込んでいる途中の状態では、板ばね型の突起部2はナット3の回転方向により、常に押さえつけられる方向の力を受けるため、ナット3の凹部4に対しての引っかかりは発生しない。一方、締結が終了し、ナット3がひとたび戻り回転を始めると、板ばね型の突起部2はナット3の凹部4にはまり込んで引っかかり、それ以上のナット3の戻り回転を防止する。
なお、図示はしないが、図1におけるボルト1内の板ばね型の突起部2と、ナット3内の凹部4とをそれぞれ複数個設けておけば、ナットの戻り回転をより少なく抑えることが可能になる。
次に、ピンにより解体を容易にする例を示す。図4は、本発明の他の実施の形態における緩み止め付ねじのピン挿入孔を持つ構造の緩み止め付ボルトの全体を示す斜視図である。図5は、本発明の他の実施の形態における緩み止め付ねじの締結または解体時の状態を示す横断面図であり、図5(a)は、図4のボルトのピン挿入穴から、ピンを外した締結時の状態を示す横断面図、図5(b)は、図4のボルトのピン挿入穴に、ピンを挿入した解体時の状態を示す横断面図である。
図4に示すように、ピン挿入穴8を設けたボルト10と、穴8に挿入するピン11とを用いることにより、ナットの凹部に対するボルトの突起部2の引っかかりを解消することができ、締結後に解体したい場合には容易に解体可能な状態にすることができる。ピン挿入穴8は、ボルト10の突起部2付近を貫通するよう設けられている。
この場合の働きは、ピン11を挿入しない場合には、図5(a)に示すように、ボルト10の断面5に対し板ばね型の突起部2は隆起しており、ナットの凹部に引っかかり得る形状をしているが、ピンを挿入した場合には、図5(b)に示すように、ピン11が板ばね型の突起部2の湾曲した頂点付近を押さえつけ、ナットの凹部には引っかからない形状としていることによる。
1 (緩み止め付)ボルト
1a 頭部
1b 軸部
2 突起部
3 (緩み止め付)ナット
4 凹部
5 (ボルトの)断面
6 (突起部の)断面
7 (ナットの)断面
8 (ピン挿入)穴
9 ピン
10 (ピン挿入孔を有する緩み止め付)ボルト
11 ピン
12 ボルト
13 ナット
14 被締結物
20 矢印
21 係止溝
1a 頭部
1b 軸部
2 突起部
3 (緩み止め付)ナット
4 凹部
5 (ボルトの)断面
6 (突起部の)断面
7 (ナットの)断面
8 (ピン挿入)穴
9 ピン
10 (ピン挿入孔を有する緩み止め付)ボルト
11 ピン
12 ボルト
13 ナット
14 被締結物
20 矢印
21 係止溝
Claims (2)
- ボルトの軸部のねじ山部分の一部に、板ばね型の突起部を設けるとともに、ナットに前記ボルトヘ組込んだ際に前記突起部が係止される凹部を設けたことを特徴とする緩み止め付ねじ。
- 請求項1記載の緩み止め付ねじにおいて、前記ボルトの軸部の軸心と平行な方向にピンを挿入するための穴を設け、前記穴にピンを挿入することにより、前記突起部が前記凹部から解除され、前記穴からピンを除去することにより、前記突起部が前記凹部に係止されるよう構成したことを特徴とする緩み止め付ねじ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004163059A JP2005344772A (ja) | 2004-06-01 | 2004-06-01 | 緩み止め付ねじ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004163059A JP2005344772A (ja) | 2004-06-01 | 2004-06-01 | 緩み止め付ねじ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005344772A true JP2005344772A (ja) | 2005-12-15 |
Family
ID=35497344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004163059A Pending JP2005344772A (ja) | 2004-06-01 | 2004-06-01 | 緩み止め付ねじ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005344772A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8382415B1 (en) | 2006-09-05 | 2013-02-26 | Harold Goldbaum | Rapid-engaging and positive-locking threaded configuration |
CN112727889A (zh) * | 2020-12-28 | 2021-04-30 | 杭州沈大侠装饰设计工程有限公司 | 防回旋螺钉及螺母组合 |
CN112727892A (zh) * | 2020-12-28 | 2021-04-30 | 杭州沈大侠装饰设计工程有限公司 | 防回旋螺母及制作工具和方法 |
CN112747025A (zh) * | 2020-12-28 | 2021-05-04 | 杭州沈大侠装饰设计工程有限公司 | 防回旋螺钉及制作工具和制作方法 |
-
2004
- 2004-06-01 JP JP2004163059A patent/JP2005344772A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8382415B1 (en) | 2006-09-05 | 2013-02-26 | Harold Goldbaum | Rapid-engaging and positive-locking threaded configuration |
CN112727889A (zh) * | 2020-12-28 | 2021-04-30 | 杭州沈大侠装饰设计工程有限公司 | 防回旋螺钉及螺母组合 |
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CN112747025A (zh) * | 2020-12-28 | 2021-05-04 | 杭州沈大侠装饰设计工程有限公司 | 防回旋螺钉及制作工具和制作方法 |
CN112727892B (zh) * | 2020-12-28 | 2023-03-28 | 河北中车陆星防松技术有限公司 | 防回旋螺母及制作工具和方法 |
CN112747025B (zh) * | 2020-12-28 | 2023-05-09 | 江西海威智能装备有限公司 | 防回旋螺钉及制作工具和制作方法 |
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