JP2005344244A - 簡易着付け着物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】誰でも簡単かつ迅速に美しく着ることができる着物を提供する。
【解決手段】本発明にかかる簡易着付け着物は、左右の前身頃と、左右の衽と、後身頃と、衿と、左右の袖とを備え、左右の前身頃と左右の衽と後身頃とに、布地を所定幅つまんで縫合してなるおはしょりが形成され、右前身頃と右衽と衿の右側部の少なくともいずれか1つに、右腰ひもが取り付けられ、左前身頃と左衽と衿の左側部の少なくともいずれか1つに、左腰ひもが取り付けられ、後身頃に前記左右腰ひもを挿通可能なひも通しが設けられており、おはしょりのつまみ幅が、前身頃と衽との裾部分が前身頃から衽にむけて前上がりとなるように、前身頃の脇から衽に向けて大きく形成されているとともに、右腰ひもと左腰ひもとが、着用者の腰回りに巻回可能で、かつ連結可能に形成されていることを特徴とするものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明にかかる簡易着付け着物は、左右の前身頃と、左右の衽と、後身頃と、衿と、左右の袖とを備え、左右の前身頃と左右の衽と後身頃とに、布地を所定幅つまんで縫合してなるおはしょりが形成され、右前身頃と右衽と衿の右側部の少なくともいずれか1つに、右腰ひもが取り付けられ、左前身頃と左衽と衿の左側部の少なくともいずれか1つに、左腰ひもが取り付けられ、後身頃に前記左右腰ひもを挿通可能なひも通しが設けられており、おはしょりのつまみ幅が、前身頃と衽との裾部分が前身頃から衽にむけて前上がりとなるように、前身頃の脇から衽に向けて大きく形成されているとともに、右腰ひもと左腰ひもとが、着用者の腰回りに巻回可能で、かつ連結可能に形成されていることを特徴とするものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、誰でも自分自身で簡単かつ迅速に美しく着ることのできる着物に関するものである。
従来、この種の着物としては、着付けの容易さを重視して、上着とスカートとからなる2部式の着物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、2部式の着物は、洋服のように手軽に着用できるものの、上下に分離されているので、着物としての着用感が得られにくい。また、着用中に上着とスカートとの位置がずれて、上下の一体感が失われ、美観に劣る場合がある。さらに、上着とスカートとに布地を裁ってしまうのはもったいないし、本来の着物に再現不可能という問題もある。
また、着付け姿の美しさを重視するために、着物を構成する各部分をそれぞれ別々に縫製して、これらを立体的に一体化縫製したものも開示されている(例えば、特許文献2参照)が、上述した2部式着物と同様に、着物を構成する各部分に布地を裁ってしまうのはもったいないし、本来の着物に再現不可能である。
そこで、着物本来の形を維持しつつ、着付けを容易にすることのできる着物として、あらかじめ後身頃におはしょりを縫合形成するとともに、前身頃、衽、衿のいずれかにウエストひもを取り付け、後身頃に背ひもを取り付けてなる着物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
実開昭62−41012号公報
特開平2−169328号公報
特開2002−173807号公報
また、着付け姿の美しさを重視するために、着物を構成する各部分をそれぞれ別々に縫製して、これらを立体的に一体化縫製したものも開示されている(例えば、特許文献2参照)が、上述した2部式着物と同様に、着物を構成する各部分に布地を裁ってしまうのはもったいないし、本来の着物に再現不可能である。
そこで、着物本来の形を維持しつつ、着付けを容易にすることのできる着物として、あらかじめ後身頃におはしょりを縫合形成するとともに、前身頃、衽、衿のいずれかにウエストひもを取り付け、後身頃に背ひもを取り付けてなる着物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記の着物では、前身頃のおはしょりがあらかじめ形成されていないので、着用者自身で前身頃のおはしょりの形を整えなければならない。しかし、この部分は着付けの美しさに大きく影響を与える箇所であるため、体裁よく形を整えるには高度な技術を必要とする。例えば、裾合わせをする作業、ウエストひもをおはしょりの下で腰回りに巻回して前で結ぶ作業、おはしょりを形成した際に折り返されて分厚くなってしまった衿先部分をすっきりと美しく整える作業、さらに、背ひもを背中側から前方に引っ張り、おはしょりの上で固定し、おはしょり全体の形状を整えるとともに、ウエスト周辺のしわを伸ばす作業など、非常に煩雑で技術的に困難な作業を要する。したがって、上記の着物は、従来の着物よりも着付けやすい工夫がされているものの、誰でも簡単かつ迅速に美しく着ることができる着物には至っていないのが現状である。
また、着物は通常、表地と裏地とを綴じ合わせて形成されているため、上記の着物のように、着物を仕立てた後におはしょりを形成すると、おはしょり部分とおはしょりを形成するに伴い折り返される衿先部分とが、非常に分厚くなってしまい、美観に劣るという問題もある。
また、着物は通常、表地と裏地とを綴じ合わせて形成されているため、上記の着物のように、着物を仕立てた後におはしょりを形成すると、おはしょり部分とおはしょりを形成するに伴い折り返される衿先部分とが、非常に分厚くなってしまい、美観に劣るという問題もある。
本発明は、上記問題点に鑑みて提案されたものであって、
本発明にかかる簡易着付け着物は、左右の前身頃と、左右の衽と、後身頃と、衿と、左右の袖とを備え、左右の前身頃と左右の衽と後身頃とに、布地を所定幅つまんで縫合してなるおはしょりが形成され、右前身頃と右衽と衿の右側部の少なくともいずれか1つに、右腰ひもが取り付けられ、左前身頃と左衽と衿の左側部の少なくともいずれか1つに、左腰ひもが取り付けられ、後身頃に前記左右腰ひもを挿通可能なひも通しが設けられており、
おはしょりのつまみ幅が、前身頃と衽との裾部分が前身頃から衽にむけて前上がりとなるように、前身頃の脇から衽に向けて大きく形成されているとともに、右腰ひもと左腰ひもとが、着用者の腰回りに巻回可能で、かつ連結可能に形成されていることを特徴とするものである。
本発明にかかる簡易着付け着物は、左右の前身頃と、左右の衽と、後身頃と、衿と、左右の袖とを備え、左右の前身頃と左右の衽と後身頃とに、布地を所定幅つまんで縫合してなるおはしょりが形成され、右前身頃と右衽と衿の右側部の少なくともいずれか1つに、右腰ひもが取り付けられ、左前身頃と左衽と衿の左側部の少なくともいずれか1つに、左腰ひもが取り付けられ、後身頃に前記左右腰ひもを挿通可能なひも通しが設けられており、
おはしょりのつまみ幅が、前身頃と衽との裾部分が前身頃から衽にむけて前上がりとなるように、前身頃の脇から衽に向けて大きく形成されているとともに、右腰ひもと左腰ひもとが、着用者の腰回りに巻回可能で、かつ連結可能に形成されていることを特徴とするものである。
なお、本明細書における「右」または「左」という表現は、本発明にかかる簡易着付け着物を着用したときにおける着用者の右側、左側をそれぞれ示すものとする。
また、本発明にかかる簡易着付け着物は、前身頃と衽とが縫合されており、おはしょりの下側に位置する縫合線が、おはしょりの上側に位置する縫合線の延長線上に配置されていてもよい。
また、本発明にかかる簡易着付け着物は、左右の前身頃と、左右の衽と、後身頃とが、表地と裏地とを有しており、おはしょりが表地にのみ形成されていてもよい。
また、本発明にかかる簡易着付け着物は、ひも通しが、後身頃の幅方向中心線上に設けられていてもよい。
また、本発明にかかる簡易着付け着物の製造方法は、
身体の所定部分を測定して、その測定値から裁断寸法を割り出し、その裁断寸法に基づいて、表地となる布地を裁断して、左右の前身頃と左右の衽と後身頃とを形成し、前身頃と衽とを縫合し、前身頃と後身頃とを縫合し、後身頃を所定幅つまむとともに、前身頃の脇から衽に向かうに従ってつまみ幅が大きくなるように前身頃と衽とをつまんでおはしょりを形成し、おはしょりの下側に位置する前身頃と衽との縫合線を、おはしょりの上側に位置する前身頃と衽との縫合線の延長線上に配置した状態でおはしょりを縫合した後に、別個に形成した裏地と綴じ合わせたことを特徴とするものである。
身体の所定部分を測定して、その測定値から裁断寸法を割り出し、その裁断寸法に基づいて、表地となる布地を裁断して、左右の前身頃と左右の衽と後身頃とを形成し、前身頃と衽とを縫合し、前身頃と後身頃とを縫合し、後身頃を所定幅つまむとともに、前身頃の脇から衽に向かうに従ってつまみ幅が大きくなるように前身頃と衽とをつまんでおはしょりを形成し、おはしょりの下側に位置する前身頃と衽との縫合線を、おはしょりの上側に位置する前身頃と衽との縫合線の延長線上に配置した状態でおはしょりを縫合した後に、別個に形成した裏地と綴じ合わせたことを特徴とするものである。
本発明にかかる簡易着付け着物によれば、左右の前身頃と左右の衽と後身頃とに、布地を所定幅つまんで縫合してなるおはしょりが形成され、右前身頃と右衽と衿の右側部の少なくともいずれか1つに右腰ひもが、左前身頃と左衽と衿の左側部の少なくともいずれか1つに左腰ひもが、それぞれ取り付けられ、後身頃に前記左右腰ひもを挿通可能なひも通しが設けられており、おはしょりのつまみ幅が、前身頃と衽との裾部分が前身頃から衽にむけて前上がりとなるように、前身頃の脇から衽に向けて大きく形成されているとともに、右腰ひもと左腰ひもとが、着用者の腰回りに巻回可能で、かつ連結可能に形成されているので、着用者は、着物に袖を通した後、左右の前身頃を打ち合わせ、右腰ひもと左腰ひもとをひも通しに挿通させ、腰回りに巻いて連結するという作業をするだけで、簡単かつ迅速に美しく着物を着ることができる。また、後身頃にひも通しが設けられているので、腰ひもを腰回りに巻回しやすい。さらに、腰ひもと後身頃とが相対的に位置ずれしにくく、着崩れを防止できる。
また、前身頃と衽とが縫合されており、おはしょりの下側に位置する縫合線が、おはしょりの上側に位置する縫合線の延長線上に配置されているものでは、おはしょりの形成に伴う縫合線の位置ずれがないので、着姿の美観に優れる。
また、左右の前身頃と、左右の衽と、後身頃とが、表地と裏地とを有しており、おはしょりが表地にのみ形成されているものでは、表地と裏地との両方をつまんでおはしょりを形成した場合に比べて、おはしょりの厚みを薄くすることができ、着付けたときに腰回りがもたつかず、美観に優れる。また、おはしょりの縫合部が裏地に表れないので、裏地の美観にも優れる。
また、ひも通しが、後身頃の幅方向中心線上に設けられているものでは、腰ひもをひも通しに挿通させて前方に引っ張ることにより、後身頃の幅方向中心線が自然に着用者の背中心線に一致するので、後身頃の幅方向中心線を着用者の背中心線に合わせる作業が不要となり、より簡単かつ迅速に美しく着ることができる。
本発明にかかる簡易着付け着物の製造方法によれば、表地となる布地だけをつまんでおはしょりを形成した後に、別個に形成した裏地と綴じ合わせるので、おはしょり形成時に表地と裏地とが相対的に位置ずれせず、縫合作業が容易となる。
以下、本発明にかかる簡易着付け着物の一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の簡易着付け着物1(以下、単に着物1という)は、表地と裏地とから構成された女性用の着物であり、図1,図2に示すように、左右の前身頃2a,2bと、左右の衽3a,3bと、左右の後身頃4a,4bと、衿5と、左右の袖6a,6bとを備えている。左右の前身頃2a,2bと、左右の衽3a,3bと、左右の後身頃4a,4bの胴回り部分には、表地のみからなるおはしょり7が形成されている。衿5の左右両端部には、それぞれ左右の腰ひも8a,8bが取り付けられており、腰ひも8a,8bを挿通可能なひも通し9が後身頃4a,4bに取り付けられている。
ここで、着物1の着丈は、着用者の身体の測定値から割り出されており、約130cmとなっている。
おはしょり7は、図1,図2に示すように、折り山700がほぼ水平となるように形成されている。おはしょり7は、後身頃4a,4bにおいては一定幅に形成されている。前身頃2a,2bの脇においては、後身頃4a,4bと同じ幅に形成されており、衽3a,3bに向かうに従って幅広となるように形成されている。そして、前身頃2a,2bと衽3a,3bの裾部10a,10bは、それぞれおはしょりのつまみ幅に対応して、前身頃2a,2bの脇から衽3a,3bに向かって前上がりとなっている。
腰ひも8a,8bは、裏地と同じ布地で構成された幅約7.5cm、長さ約113cmの帯状体で、長手方向一端部が、衿5の左右両側における下端部の裏側に、衿5の長手方向に対してほぼ直角に縫着されている。
ひも通し9は、表地と同じ布地で構成された幅約2.5cmの帯状体の両端部を後身頃4a,4bに縫着することによりループ状に形成されており、後身頃4a,4bの縫合線上で、肩山11から約35cm離れた位置に配置されている。
次に、上記の着物1の製造方法について説明する。
まず、着用者の身体の所定部分を測定する。その測定値から裁断寸法を割り出し、その裁断寸法に基づいて、表地となる布地を、前身頃2a,2b、衽3a,3b、後身頃4a,4b、衿5、袖6a,6bの各パーツに裁断する。
まず、着用者の身体の所定部分を測定する。その測定値から裁断寸法を割り出し、その裁断寸法に基づいて、表地となる布地を、前身頃2a,2b、衽3a,3b、後身頃4a,4b、衿5、袖6a,6bの各パーツに裁断する。
おはしょり7の形成位置を決める。まず、前身頃2a,2b、衽3a,3b、後身頃4a,4bについて、おはしょり7の折り山700の位置を肩山11から約53cmの位置に定める。次に、おはしょり7のつまみ幅を定める。後身頃4a,4bに形成されるおはしょりのつまみ幅W1は、W1=(着物の総丈)−(着用者の着丈)とする。一方、前身頃2a,2bと衽3a,3bに形成されるおはしょりのつまみ幅は、前身頃2a,2bの脇でのつまみ幅W2を、W2=W1とし、前身頃2a,2bと衽3a,3bとの縫着部分でのつまみ幅W3を、W3=W2+1.5cmとし、衽3a,3bの衿取り付け側の端部でのつまみ幅W4を、W4=W3+1cmとする。
前記各パーツを縫合する。まず、左の前身頃2aと左の衽3aとを縫合し、右の前身頃2bと右の衽3bも同様に縫合する。次に、左右の後身頃4a,4bを縫合する。さらに、前身頃2aと後身頃4aとを縫合し、前身頃2bと後身頃4bも同様に縫合する。このとき、前身頃2aの脇線M1は、図3に示すように、前身頃2aの前幅P1に対して折り山700部分の幅方向長さP2が約8mm広くなるように、くの字に傾斜させて縫合する。前身頃2bの脇線についても、前身頃2aと同様に縫合する。
次に、おはしょり7を縫合形成する。図3に示すように、折り山700を山折りにして、前身頃2a,2b、衽3a,3b、後身頃4a,4bを所定のつまみ幅W1〜W4でつまみ、縫いしろ線701,702を一致させて縫合する。そして、おはしょり7の下側に位置する前身頃2aと衽3aとの縫合線L1が、おはしょりの上側に位置する前身頃と衽との縫合線L2の延長線上に配置されるように、おはしょり7の位置を微調整する。最後に、おはしょり7の縫い目の隠し縫いをする。
袖6a,6bを袖ぐりに縫着する。また、衿5の幅方向一端部を表地の衿ぐりに縫着し、表地と別個に形成した裏地とを綴じ合わせ、その後、衿5の幅方向他端部を裏地側に縫い付ける。
腰ひも8a,8bを衿5の左右両側における下端部の裏側に、衿5の長手方向に対してほぼ直角に縫着する。ひも通し9を後身頃4a,4bの幅方向中心線上、つまり後身頃4a,4bの縫合線上で、肩山から約35cm離れた位置に縫着する。
次に、本実施形態の着物1の着用手順について説明する。
まず、着物1を羽織り、袖6a,6bに左右の腕を通す。右の前身頃2aを身体に合わせて、右の腰ひも8aを着物の裏側から左脇の身八つ口12に挿通させて表側に出し、後身頃4a,4b側に回して、ひも通し9に挿通させ、右脇から前方へ引き出す。次に、左の前身頃2bを右の前身頃2aの上に重ね合わせて、左の腰ひも8bを右脇から後身頃4a,4b側に回して、ひも通し9に挿通させ、左脇から前方へ引き出す。衿元の位置を合わせた後、腰ひも8aと腰ひも8bとを着用者の腹部で結び合わせる。その後、別個に用意した帯を締める。
まず、着物1を羽織り、袖6a,6bに左右の腕を通す。右の前身頃2aを身体に合わせて、右の腰ひも8aを着物の裏側から左脇の身八つ口12に挿通させて表側に出し、後身頃4a,4b側に回して、ひも通し9に挿通させ、右脇から前方へ引き出す。次に、左の前身頃2bを右の前身頃2aの上に重ね合わせて、左の腰ひも8bを右脇から後身頃4a,4b側に回して、ひも通し9に挿通させ、左脇から前方へ引き出す。衿元の位置を合わせた後、腰ひも8aと腰ひも8bとを着用者の腹部で結び合わせる。その後、別個に用意した帯を締める。
以上のように、本実施形態の着物1によれば、着用者は、従来の着物を着る場合のように、裾部分の位置決め、おはしょりの形成、衿先の折り返し部分の処理など手間と技術を要する作業をすることなく、簡単かつ迅速に美しく着物を着ることができる。
また、腰ひも8a,8bが幅広の帯状体で形成されているので、着用者の胸の下から腰の位置までにぴったりと巻きつけることができる。したがって、衿元を押さえ、着崩れを防止できるため、従来の着付けの場合に使用される「伊達ジメ」という着付け道具が不要となり、より一層作業の簡略化を図ることができる。
また、後身頃4a,4bに腰ひも8a,8bを挿通可能なひも通し9が設けられているので、腰ひも8a,8bを腰回りに巻回しやすい。また、腰ひも8a,8bをひも通し9に挿通させることにより、腰ひもと後身頃とが相対的に位置ずれしにくく、着崩れを防止できる上、後衿が下方に引っ張られ、着用者の首と後衿との間に適度な隙間が得られるため、衿のすきを調整する作業が不要となる。
また、ひも通し9が、後身頃4a,4bの縫合線上に設けられているので、腰ひも8a,8bをひも通し9に挿通させて前方に引っ張ることにより、後身頃4a,4bの縫合線が自然に着用者の背中心に一致する。したがって、後身頃4a,4bを着用者の背中心に合わせる作業が不要となり、より簡単かつ迅速に美しく着ることができる。
また、おはしょり7の下側に位置する前身頃2aと衽3aとの縫合線L1が、おはしょりの上側に位置する前身頃2aと衽3aとの縫合線L2の延長線上に配置されているので、縫合線L1,L2の位置ずれがなく、着姿の美観に優れる。
また、おはしょり7が表地にのみ形成されているので、表地と裏地との両方をつまんでおはしょりを形成した場合に比べて、おはしょりの厚みを薄くすることができ、着付けたときに腰回りがもたつかず、美観に優れる。また、おはしょり7の縫合線が裏地に表れないので、裏地の美観にも優れる。
なお、本実施の形態では、表地と裏地とを備えた着物としたが、これに限られず、一重の着物や浴衣などであってもよい。
また、腰ひも8a,8bの連結方法は、腰ひも8a,8b同士を結ぶことに限定されず、例えば、ホックや面テープなどで連結してもよい。また、腰ひも8a,8bは、上記実施の形態の形状および材質に限定されるものではないが、腰ひも8a,8bは、通常の着付けの際に使用される伊達〆(だてじめ)としての役目を果たすものであるので、着用者の腰回りに確実に巻回され、緩まないものであることが必要である。例えば、伸縮性のある布地や平ゴムなどでも構わない。そして、腰ひも8a,8bの幅は上記の幅寸法より広くても狭くても構わないが、狭すぎると腰回りへの密着面積が少なくなって緩んでしまい、着崩れを起こす恐れがある。また、着用者のウエスト部分にひもが食い込んで不快感が生ずることもあるので、適度に広い幅が必要である。
また、おはしょり7の折り山700の位置は、上記の位置に限られず、着用者の体型によって適宜変更可能である。つまり、着物1を着用後、帯を締めたときに、帯の下方に折り山700が体裁よく見える位置に配置されていればよい。
さらに、ひも通し9の位置も、上記の位置に限られず、着用者の体型によって適宜変更可能である。つまり、ひも通し9は、着用者の腰の位置よりもやや上方に配置され、腰ひも8a,8bをひも通し9に挿通させ、腰回りに巻回したときに、後衿の位置が下方に引き下げられ、着用者の首と後衿との間に適度な隙間が得られる位置に配置されていればよい。
さらに、身長の異なる着用者が着用する場合には、おはしょり7の縫合部分を一旦ほどき、着用者に適した着丈となるように、おはしょりをつまんで縫合し直せばよい。
1 簡易着付け着物
2a 左の前身頃
2b 右の前身頃
3a 左の衽
3b 右の衽
4a 左の後身頃
4b 右の後身頃
5 衿
6a 左の袖
6b 右の袖
7 おはしょり
8a 右の腰ひも
8b 左の腰ひも
9 ひも通し
10a 左の前身頃2aと左の衽3aとの裾部
10b 右の前身頃2aと右の衽3bとの裾部
W1〜W4 つまみ幅
2a 左の前身頃
2b 右の前身頃
3a 左の衽
3b 右の衽
4a 左の後身頃
4b 右の後身頃
5 衿
6a 左の袖
6b 右の袖
7 おはしょり
8a 右の腰ひも
8b 左の腰ひも
9 ひも通し
10a 左の前身頃2aと左の衽3aとの裾部
10b 右の前身頃2aと右の衽3bとの裾部
W1〜W4 つまみ幅
Claims (5)
- 左右の前身頃と、左右の衽と、後身頃と、衿と、左右の袖とを備え、
左右の前身頃と左右の衽と後身頃とに、布地を所定幅つまんで縫合してなるおはしょりが形成され、右前身頃と右衽と衿の右側部の少なくともいずれか1つに、右腰ひもが取り付けられ、左前身頃と左衽と衿の左側部の少なくともいずれか1つに、左腰ひもが取り付けられ、後身頃に前記左右腰ひもを挿通可能なひも通しが設けられており、
おはしょりのつまみ幅が、前身頃と衽との裾部分が前身頃から衽にむけて前上がりとなるように、前身頃の脇から衽に向けて大きく形成されているとともに、
右腰ひもと左腰ひもとが、着用者の腰回りに巻回可能で、かつ連結可能に形成されていることを特徴とする簡易着付け着物。 - 前身頃と衽とが縫合されており、おはしょりの下側に位置する縫合線が、おはしょりの上側に位置する縫合線の延長線上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の簡易着付け着物。
- 左右の前身頃と、左右の衽と、後身頃とが、表地と裏地とを有しており、おはしょりが表地にのみ形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の簡易着付け着物。
- ひも通しが、後身頃の幅方向中心線上に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の簡易着付け着物。
- 身体の所定部分を測定して、その測定値から裁断寸法を割り出し、その裁断寸法に基づいて、表地となる布地を裁断して、左右の前身頃と左右の衽と後身頃とを形成し、前身頃と衽とを縫合し、前身頃と後身頃とを縫合し、後身頃を所定幅つまむとともに、前身頃の脇から衽に向かうに従ってつまみ幅が大きくなるように前身頃と衽とをつまんでおはしょりを形成し、おはしょりの下側に位置する前身頃と衽との縫合線を、おはしょりの上側に位置する前身頃と衽との縫合線の延長線上に配置した状態でおはしょりを縫合した後に、別個に形成した裏地と綴じ合わせたことを特徴とする簡易着付け着物の製造方法。
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-
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