JP2005344179A - 磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 質量%で、C:0.02%以下、Si:4.5%以下、Mn:3.0%以下、Al:3.0%以下、P:0.50%以下、Ni:5.0%以下およびCu:0.2%以上、2.5%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成にし、かつ鋼中に、平均粒径dpが1nm以上、10nm未満であるCu析出物を、その分布密度Nが、次式
N≧1014・dp -2 (個/mm3)
ただし、dp:Cu析出物の平均粒径(nm)
を満足する範囲で含有させる。
【選択図】なし
Description
ここに、疲労強度は、一定応力を107回繰り返し負荷した時に破壊しない限界強度(疲労限:FS)として表すことができる。
しかしながら、鋳鋼製ロータは一体物であるため、ロータに作用するリップル損と呼ばれる高周波磁束による渦電流損が電磁鋼板を積層したものより大きく、モータ効率が低下する要因となっている。従って、ロータ用素材として、磁気特性に優れ、かつ高強度の電磁鋼板が要望されているのである。
例えば、固溶強化を利用したものとしては、特許文献1に、Si含有量を3.5〜7.0%に高めた上で固溶強化能の大きい元素を添加する方法が開示されている。
また、結晶粒微細化を利用する方法としては、特許文献2には、Si含有量を2.0〜3.5%とし、NiあるいはNiとMnの両方の含有量を高め、650〜850℃という低温焼鈍で製造することによって、再結晶粒径を制御する方法が開示されている。
さらに、析出強化を利用する方法としては、特許文献3に、Si含有量を2.0〜4.0%とし、Nb,Zr,Ti,V等の微細な炭化物窒化物を析出させる方法が開示されている。
特にリラクタンストルクを利用して動作するリラクタンスモータでは、ロータ材の透磁率、磁束密度はモータ特性への影響が大きいため、固溶強化元素の添加による高強度化は好ましくない。
すなわち、鋼中の析出物は高強度化に寄与するものの、磁壁移動を阻害して鉄損を劣化させるという、従来の知見に反して、鋼中にCuを適量添加して時効処理を行った場合には、20nm以下の極微細なCuを析出させることができ、しかもこうして得られた極微細析出物は、高強度化に非常に有効であるが、鉄損(履歴損)はほとんど劣化させないことを新たに見出し、特許文献4において開示した。
しかしながら、この特許文献4を含めて従来の方法では、モータの使用状態を考慮した場合に本質的に重要な要素となる疲労特性に関して、何ら検討がなされていない。
そこで、発明者らは、上記したようなCu析出を利用した高強度鋼板に関して、高速回転モータのロータ部材などに積層して使用する場合に本質的に重要な特性となる、引張り応力が作用する場合の疲労特性について検討を行った。
その結果、特許文献4に記載されたような十分に高い引張強度(TS)が得られるCuの析出状態であっても、繰り返し応力環境下ではその引張り強さに見合うほどの疲労特性の向上が見られない場合があることが知見された。
また、特許文献4に開示の技術では、Cuの析出処理の際に、無視できない程度の鉄損の劣化が生じる場合があることも併せて見出された。
また、上記したようにCuの析出形態を制御した場合には、Cu析出処理の際に鉄損の劣化が生じないことも併せて見出した。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
(1)質量%で、
C:0.02%以下、
Si:4.5%以下、
Mn:3.0%以下、
Al:3.0%以下、
P:0.50%以下、
Ni:5.0%以下および
Cu:0.2%以上、2.5%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になり、かつ鋼中に、平均粒径dpが1nm以上、10nm未満であるCu析出物を、その分布密度Nが、次式
N≧1014・dp -2 (個/mm3)
ただし、dp:Cu析出物の平均粒径(nm)
を満足する範囲で含有することを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板。
Zr:0.1〜3.0%、
V:0.1〜3.0%、
Sb:0.002〜0.5%、
Sn:0.002〜0.5%、
Ge:0.002〜0.5%、
B:0.001〜0.01%、
Ca:0.001〜0.01%、
希土類元素:0.001〜0.01%および
Co:0.2〜5.0%
のうちから選んだ一種または二種以上を含有することを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板。
C:0.02%以下、
Si:4.5%以下、
Mn:3.0%以下、
Al:3.0%以下、
P:0.50%以下、
Ni:0.5%未満および
Cu:0.2%以上、2.5%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、冷間圧延または温間圧延により最終板厚とし、ついで最高到達温度が650℃以上かつ「Cuの固溶温度+10℃」以上、1150℃以下の条件で仕上焼鈍を施し、その後350℃以上、500℃以下の温度域で0.5h以上、5h以下の析出熱処理を行うことを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。
C:0.02%以下、
Si:4.5%以下、
Mn:3.0%以下、
Al:3.0%以下、
P:0.50%以下、
Ni:0.5%以上、5.0%以下および
Cu:0.2%以上、2.5%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、冷間圧延または温間圧延により最終板厚とし、ついで最高到達温度が650℃以上かつ「Cuの固溶温度+10℃」以上、1150℃以下の条件で仕上焼鈍を施し、その後350℃以上、550℃以下の温度域で0.3h以上、10h以下の析出熱処理を行うことを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。
Zr:0.1〜3.0%、
V:0.1〜3.0%、
Sb:0.002〜0.5%、
Sn:0.002〜0.5%、
Ge:0.002〜0.5%、
B:0.001〜0.01%、
Ca:0.001〜0.01%、
希土類元素:0.001〜0.01%および
Co:0.2〜5.0%
のうちから選んだ一種または二種以上を含有することを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。
まず、本発明において、鋼板および鋼スラブの成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.02%以下
C量が0.02%を超えると磁気時効により鉄損が著しく劣化するため、C量は0.02%以下に制限する。
Siは、脱酸剤として有用なだけでなく、電気抵抗の増加により電磁鋼板の鉄損を低減する効果が大きく、さらに固溶強化により強度向上にも寄与する。脱酸剤としては0.05%以上の含有で効果が顕著となる。また、鉄損低減および固溶強化のためには0.5%以上、より好適には1.2%以上含有させることが好ましい。しかしながら、含有量が4.5%を超えると鋼板の圧延性の劣化が著しくなるため、Si量は4.5%以下に制限する。
Mnは、固溶強化による強度向上に有効な元素である。しかしながら、過剰の添加は磁束密度を低下させるので、Mn量の上限は3.0%とする。
なお、Sとの共存下では、仕上焼鈍や歪取焼鈍時の粒成長性を阻害するMnSを形成する場合があるため、鉄損を重視する用途では必ずしも含有させる必要はない。
Alは、脱酸剤として有効であり、好ましくは0.5ppm以上で含有させる。しかしながら、過剰な添加は圧延性の低下を招くので、Al量は3.0%以下に制限する。
Pは、比較的少量の添加でも大幅な固溶強化能が得られるため高強度化に極めて有効であり、好ましくは0.01%以上で含有させる。一方、過剰な添加は偏析による脆化を引き起し、粒界割れや圧延性の低下を招くため、P量は0.50%以下に制限する。
Niは、固溶強化による高強度化に有効に寄与するが、5.0%を超えるとこの効果は飽和し、コスト高を招くので、Ni量は5.0%以下とする。
また、Niは、時効処理により生成するCu析出物の分布密度を増加させ、かつCu析出物の成長を抑制する効果も有する。そのため、Cuの析出物を極めて微細にかつ十分な分布密度で析出させることが容易になる。それ故、好適な時効処理範囲が拡大する効果もある。
この効果を得るためには、Niは0.5%以上含有させることが好ましい。なお、好適な時効処理範囲は、後述するように、このNi量応じて変化する。一方、5.0%を超えるとこの効果も飽和する。
Cuは、本発明において最も重要な元素である。後述する適切な時効処理によって、平均析出粒径が10nm未満の極微細Cu析出物を十分な数密度で均一に析出させることにより磁気特性をほとんど劣化させることなく、大幅な高強度化が達成でき、しかも繰り返し応力下において高い疲労強度を得ることができる。
そのためには、Cu量を0.2%以上を確保しないと後述する時効処理において所定量のCu析出物が得られなくなるので、Cu量は0.2%以上とする。一方、Cu量が2.5%を超えると、Cu析出物の平均粒径を10nm未満に制御することが困難となり、疲労特性の向上が不十分となるため、上限を2.5%とする。より好ましくは0.5〜2.0%の範囲である。
具体的には、ZrおよびVについては0.1〜3.0%、Sb,SnおよびGeについては0.002〜0.5%、B,Caおよび希土類元素については0.001〜0.01%、Coについては0.2〜5.0%である。
本発明に係る無方向性電磁鋼板では、鋼板中にCuが、極めて微細かつ高い分布密度で存在していることが重要である。
すなわち、Cu析出物の平均粒径dpが1nm以上、10nm未満で、かつその分布密度Nが、次式
N≧1014・dp -2 (個/mm3)
ただし、dp:Cu析出物の平均粒径(nm)
の範囲を満足することが肝要である。
(1) 平均粒径が20nm以下のCu析出物は鋼板の磁気特性(ヒステリシス損失)を劣化させない。
(2) Cu析出物は機械的特性(降伏応力YP、引張強さTS)を高め高強度化に寄与する。その結果は、Cu析出物の粒径(1〜50nm程度までの範囲では大きいほど有利)および分布密度(多いほど有利)に依存する。
(3) 疲労特性は、(2)の機械的特性への影響と差異が見られ、10nm未満の微細なCuを析出させた場合には、TSの上昇分(ΔTS)とほぼ同等の疲労限FSの上昇(ΔFS)が得られるが、平均粒径が10nm以上のCuを析出させた場合は、ΔTSの半分以下のΔFSしか得られない。この理由については明らかではないが、10nm未満のCu析出物は、主として母相と整合関係にあるbcc−Cuであるのに対し、10nm以上のCu析出物はbcc−Cuのほかに9R構造やfcc構造の母相と非整合なfcc−Cuであることが関与しているものと考えられる。
なお、鋼中におけるCu析出物の平均粒径が1nm未満では、後述する析出物径の測定が難しく、また工業生産的にも安定した品質保持の点で支障をきたす場合があるため、1nm以上とする。
以上の観点から、本発明では、Cu析出物の平均粒径(直径)は、1nm以上、10nm未満の範囲に限定した。
N≧1014・dp -2 (個/mm3)
ただし、dp:Cu析出物の平均粒径(nm)
の範囲を満足させる必要があることが判明した。
この値Nに満たないと、時効析出によって有利な機械強度、疲労強度の強化が望めないためである。
(a) 当該視野内のCu析出物1個当りの平均体積から、球相当径を算出する、
(b) 各Cu析出物体積より各Cu析出物の球相当径を求め、その平均値を算出する、
(c) 当該視野におけるCu析出物1個当りの平均面積から、円相当径を算出する、
(d) 各Cu析出物面積より各Cu析出物の円相当径を求め、その平均値を算出する
のいずれかの手法で求めることができる。
そして、Cu析出物の平均粒径が1〜10nm未満の範囲にあるということは、上記の (a)〜(d)の測定手法のいずれか少なくとも1つの手法によって得られる平均粒径が、1〜10nm未満であることを意味する。
また、一般に、Cu含有鋼の透過電子顕微鏡試料は、表面電着Cu粒子の影響により、析出量が過大評価傾向にあるため、観察にはアルゴンイオンによって表面清浄化を施した試料を用いることが好ましい。
なお、本発明におけるCu析出物とは、Cuの析出物を対象としていることは勿論であるが、析出物が極微細になると、Cuに鉄が含まれる場合があり、このような場合も含めてCu析出物という。
鋼スラブの製造に際しては、まず転炉あるいは電気炉等にて、上記した好適成分組成に溶製した溶鋼を、連続鋳造法あるいは造塊後の分塊圧延法により鋼スラブとする。鋼スラブの成分組成範囲は、目的とする製品板の組成範囲と同一でよい。
ついで、得られた鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、一回または中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延あるいは温間圧延を施して製品板厚とし、その後仕上焼鈍、ついで時効処理を施す。また、仕上焼鈍後のいずれかの段階において、必要に応じて絶縁被膜の塗布および焼き付け処理を行う。
ここに、Cuの固溶温度は、次式
T(℃)=3351/{3.279−log10[%Cu])−273
ここで、[%Cu]:鋼中のCu含有量(mass%)
で求めることができる。
一方、仕上焼鈍温度の上限は1150℃以下とする。この理由は、仕上焼鈍温度が1150℃を超えると、結晶粒径が過剰に大きくなって高周波域での磁気特性が阻害されることに加え、鋼板表面が酸化し、磁気特性や疲労特性の劣化を招くためである。
このCu析出熱処理の適正条件は、鋼組成特にNi量によって変化し、Ni含有量が0.5%未満の場合には、350℃以上、500℃以下の温度域で0.5h以上、5h以下の処理とする。というのは、処理温度が350℃未満では、析出にぼう大な処理時間を要するだけでなく、十分な分布密度のCu析出が望めず、十分な強化が図れないので、350℃以上とする必要がある。一方、500℃を超えるとCu析出物が粗大化して10nmを超えるものが増加して、疲労特性の向上が望めなくなるため、500℃以下とする必要があり、好ましくは450℃以下である。また、処理時間が0.5h未満では、やはり十分な分布密度のCu析出が望めず、一方5hを超えるとCu析出物が粗大化して10nmを超えるものが増加するからである。
他方、Ni含有量が0.5%以上、5.0%以下の場合には、350℃以上、550℃以下の温度域で0.3h以上、10h以下の処理とする。というのは、Niは、前述したとおり、時効処理により生成するCu析出物の分布密度を増加させ、かつCu析出物の成長を抑制する効果を有するので、このようにNiを比較的多量に含有する場合には、所望のCu析出状態を達成する熱処理条件が緩和され、その結果、Ni含有量が0.5%未満の場合よりも広い温度範囲および時間範囲において、十分に微細でかつ分布密度の高いCu析出が達成されるからである。
なお、処理温度は、好ましくは350℃以上、500℃以下(より好ましくは450℃以下)、また処理時間は、好ましくは0.5h以上、5h以下である。
かくして得られた鋼板から圧延方向と平行にJIS 5 号引張試験片および最狭部幅:15mmでR:155mmの平行部なし疲労試験片をそれぞれ切り出し、引張試験により引張強さ(TS)を測定すると共に、繰り返し速度:20Hz、応力比:0.1の引張−引張タイプの疲労試験を行い、107疲労限(FS)を測定した。さらに、圧延方向に平行および直角に切り出した15cmエプスタイン試験片を用いて磁気測定を行った。
得られた結果を表1に併記する。
かくして得られた製品板のCuの析出状態ならびに時効処理後の特性および時効前後の特性差について調べた結果を、表2に併記する。
かくして得られた暗視野像を画像処理し、Cu析出物の粒子認識を行って、Cu析出物数を求めると共に、各Cu析出物面積より円相当径を算出し、これを析出物径とした。一方、Cu析出物の分布密度は、観察視野の体積(観察面積×試料厚み)の合計体積と粒子認識数から求めた。
特に、No.16〜18に示すCuと共に1.50%のNiを添加させた鋼Fの場合には、幅広い時効条件において適切なサイズおよび分布密度のCu析出が達成されている。
これに対し、時効温度が低すぎるNo.1,10の比較例は、Cu析出物の分布密度が本発明の下限を下回ったため、時効処理によるTSやFSの改善が見られない。
時効温度が本発明より高いNo.4、時効時間が長いNo.9およびCu量が多い鋼Dを用いたNo.13の比較例はいずれも、Cu析出物が10nm以上に成長しており、TSの向上は見られるもののFSについては目立った改善がみられない。
時効温度がさらに高いNo.5(このNo.5は処理時間も長い)およびNo.15では、析出粒径がさらに大きくなり、磁気特性の劣化も著しくなっている。
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.02%以下、
Si:4.5%以下、
Mn:3.0%以下、
Al:3.0%以下、
P:0.50%以下、
Ni:5.0%以下および
Cu:0.2%以上、2.5%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になり、かつ鋼中に、平均粒径dpが1nm以上、10nm未満であるCu析出物を、その分布密度Nが、次式
N≧1014・dp -2 (個/mm3)
ただし、dp:Cu析出物の平均粒径(nm)
を満足する範囲で含有することを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板。 - 請求項1において、鋼板が、さらに質量%で、
Zr:0.1〜3.0%、
V:0.1〜3.0%、
Sb:0.002〜0.5%、
Sn:0.002〜0.5%、
Ge:0.002〜0.5%、
B:0.001〜0.01%、
Ca:0.001〜0.01%、
希土類元素:0.001〜0.01%および
Co:0.2〜5.0%
のうちから選んだ一種または二種以上を含有することを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板。 - 質量%で、
C:0.02%以下、
Si:4.5%以下、
Mn:3.0%以下、
Al:3.0%以下、
P:0.50%以下、
Ni:0.5%未満および
Cu:0.2%以上、2.5%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、冷間圧延または温間圧延により最終板厚とし、ついで最高到達温度が650℃以上かつ「Cuの固溶温度+10℃」以上、1150℃以下の条件で仕上焼鈍を施し、その後350℃以上、500℃以下の温度域で0.5h以上、5h以下の析出熱処理を行うことを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 質量%で、
C:0.02%以下、
Si:4.5%以下、
Mn:3.0%以下、
Al:3.0%以下、
P:0.50%以下、
Ni:0.5%以上、5.0%以下および
Cu:0.2%以上、2.5%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、冷間圧延または温間圧延により最終板厚とし、ついで最高到達温度が650℃以上かつ「Cuの固溶温度+10℃」以上、1150℃以下の条件で仕上焼鈍を施し、その後350℃以上、550℃以下の温度域で0.3h以上、10h以下の析出熱処理を行うことを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 請求項3または4において、鋼スラブが、さらに質量%で、
Zr:0.1〜3.0%、
V:0.1〜3.0%、
Sb:0.002〜0.5%、
Sn:0.002〜0.5%、
Ge:0.002〜0.5%、
B:0.001〜0.01%、
Ca:0.001〜0.01%、
希土類元素:0.001〜0.01%および
Co:0.2〜5.0%
のうちから選んだ一種または二種以上を含有することを特徴とする、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板の製造方法。
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