JP4341476B2 - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、無方向性電磁鋼板、特に高速回転モータ、磁石埋設型モータおよびシンクロナスリラクタンスモータ等のロータを典型例とする、使用時に大きな負荷がかかる部材に用いて好適な、磁気特性および疲労特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関するものである。
近年、モータの駆動システムの発達により、駆動電源の周波数制御が可能となり、可変速運転や商用周波数以上で高速回転を行うモータが増加している。このような高速回転を行うモータでは、高速回転に耐え得る強度をそなえるロータが必要になる。すなわち、回転体に作用する遠心力は回転半径に比例し、回転速度の2乗に比例して大きくなるため、中・大型の高速モータではロータに作用する応力が600MPaを超える場合もある。従って、かような高速回転モータでは、高強度のロータが必要となる。
また、近年のモータ効率向上の観点から増加した、ロータに永久磁石を埋め込んだ磁石埋設型DCインバータ制御モータでは、遠心力で磁石がロータから飛び出そうとするため、ロータに使用された電磁鋼板には、この飛び出しを抑える際に大きな負荷がかかる。特にモータ特性の向上を目的として、磁石挿入孔(ブリッジ)の間隔(幅)を狭めた部分では、一層の応力集中が生じるため、この種のモータとくにロータに使用される電磁鋼板には、高強度が必要とされる。
さらに、高価な磁石を省略あるいは磁石の使用量を削減して低コスト化を実現するために開発された、シンクロナスリラクタンスモータでは、ロータに多数のスリットが設けられるため、同様にブリッジ部の強度が重要となる。
また、これらのモータを、ハイブリッド自動車の駆動モータ等の用途に使用した場合、加減速運転に応じた回転数変化、車体振動、磁石挿入孔内での磁石の振動などに起因する、応力変化を伴う環境下での使用となるため、単に、高速回転時や応力集中部に適用できる強度特性だけでなく、降伏応力以下の繰り返し応力下での疲労特性すなわち疲労強度が高いことも併せて求められる。
ここに、疲労強度は、一定応力を107回繰り返し負荷した時に破壊しない限界強度(疲労限:FS)として表すことができる。
一方で、モータや発電機などの回転機器は、電磁気現象を利用するため、その素材には磁気特性に優れる、すなわち低鉄損かつ高磁束密度であることが望まれる。通常、ロータコアは、プレス打ち抜きした無方向性電磁鋼板を積層して使用するが、高速回転モータにおいてロータ素材が所望の機械強度をそなえていない場合には、より高強度の鋳鋼製ロータなどを使用せざるを得ないのが現状である。
しかしながら、鋳鋼製ロータは一体物であるため、ロータに作用するリップル損と呼ばれる高周波磁束による渦電流損が電磁鋼板を積層したものより大きく、モータ効率が低下する要因となっている。従って、ロータ用素材として、磁気特性に優れ、かつ高強度の電磁鋼板が要望されているのである。
高強度化の手段については、金属学的には、固溶強化、析出強化および結晶粒微細化の3つの方法が知られており、電磁鋼板に適用した例もある。
例えば、固溶強化を利用したものとしては、特許文献1に、Si含有量を3.5〜7.0%に高めた上で固溶強化能の大きい元素を添加する方法が開示されている。
また、結晶粒微細化を利用する方法としては、特許文献2には、Si含有量を2.0〜3.5%とし、NiあるいはNiとMnの両方の含有量を高め、650〜850℃という低温焼鈍で製造することによって、再結晶粒径を制御する方法が開示されている。
さらに、析出強化を利用する方法としては、特許文献3に、Si含有量を2.0〜4.0%とし、Nb,Zr,Ti,V等の微細な炭化物窒化物を析出させる方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されるようなSi量が多い鋼は、冷間圧延性が著しく低く、安定した工業生産が困難になる不利がある。また、この技術により得られる鋼板は、磁束密度B50が1.56〜1.60Tと大幅に低下するという問題もあった。
特にリラクタンストルクを利用して動作するリラクタンスモータでは、ロータ材の透磁率、磁束密度はモータ特性への影響が大きいため、固溶強化元素の添加による高強度化は好ましくない。
また、特許文献2に記載の方法では、機械強度を高めるために、低温焼鈍による再結晶粒成長の抑制が必要となることから、磁気特性、特に比較的周波数の低い商用周波数から数100Hzでの鉄損が低下するという問題があった。そのため、これらの周波数域での鉄損が重要となるステータ部材には使用することができないため、モータ打ち抜き加工時の歩留りの大幅な低下を余儀なくされていた。すなわち、ステータやロータを打ち抜く場合、通常は同じ1枚の鋼板から、まず円環状のステータを打ち抜くと共に、この打ち抜きで生じた小径円板からロータを打ち抜くことによって無駄を少なくしているが、特許文献2の方法では両者を別々の鋼板から打ち抜く必要が生じるため、歩留りが著しく低下する。
さらに、特許文献3に記載の方法では、炭、窒化物自体が磁壁移動の障壁となり、また炭、窒化物が電磁鋼板の結晶粒成長を妨げるため、鉄損が劣化するという問題があった。
以上述べたように、上記した従来法は、安定して工業生産が可能な電滋鋼板において、高強度と低鉄損を両立するという観点からは、いずれも満足できるものではなかった。
この点、発明者らは、先に、Cuを含んだ鋼の時効硬化現象を利用することにより、低鉄損と高強度とを両立させた技術を開発した。
すなわち、鋼中の析出物は高強度化に寄与するものの、磁壁移動を阻害して鉄損を劣化させるという、従来の知見に反して、鋼中にCuを適量添加して時効処理を行った場合には、20nm以下の極微細なCuを析出させることができ、しかもこうして得られた極微細析出物は、高強度化に非常に有効であるが、鉄損(履歴損)はほとんど劣化させないことを新たに見出し、特許文献4において開示した。
特開昭60−238421号公報 特開昭62−256917号公報 特開平6−330255号公報 特願2002−353250号明細書
上述したとおり、特許文献4の技術の開発により、高強度でかつ鉄損特性に優れた無方向性電磁鋼板の製造が可能になった。
しかしながら、この特許文献4を含めて従来の方法では、モータの使用状態を考慮した場合に本質的に重要な要素となる疲労特性に関して、何ら検討がなされていない。
そこで、発明者らは、上記したようなCu析出を利用した高強度鋼板に関して、高速回転モータのロータ部材などに積層して使用する場合に本質的に重要な特性となる、引張り応力が作用する場合の疲労特性について検討を行った。
その結果、特許文献4に記載されたような十分に高い引張強度(TS)が得られるCuの析出状態であっても、繰り返し応力環境下ではその引張り強さに見合うほどの疲労特性の向上が見られない場合があることが知見された。
また、特許文献4に開示の技術では、Cuの析出処理の際に、無視できない程度の鉄損の劣化が生じる場合があることも併せて見出された。
本発明は、上記の実状に鑑み開発されたもので、繰り返し応力環境下で使用した場合であっても、十分に高い疲労強度が得られ、またCuの析出処理の際における鉄損の劣化もない高強度無方向性電磁鋼板を、その有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果ところ、優れた強度特性(高TS)と共に、優れた疲労特性(高FS)を得るためには、Cuの析出物径を10nm未満の極微細粒にした上で、その分散状態を適正に制御することが重要であるとの知見を得た。
また、上記したようにCuの析出形態を制御した場合には、Cu析出処理の際に鉄損の劣化が生じないことも併せて見出した。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)質量%で、
C:0.02%以下、
Si:4.5%以下、
Mn:3.0%以下、
Al:3.0%以下、
P:0.50%以下、
Ni:5.0%以下および
Cu:0.2%以上、2.5%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になり、かつ鋼中に、平均粒径dpが1nm以上、10nm未満であるCu析出物を、その分布密度Nが、次式
N≧1014・dp -2 (個/mm3
ただし、dp:Cu析出物の平均粒径(nm)
を満足する範囲で含有することを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(2)上記1において、鋼板が、さらに質量%で、
Zr:0.1〜3.0%、
V:0.1〜3.0%、
Sb:0.002〜0.5%、
Sn:0.002〜0.5%、
Ge:0.002〜0.5%、
B:0.001〜0.01%、
Ca:0.001〜0.01%、
希土類元素:0.001〜0.01%および
Co:0.2〜5.0%
のうちから選んだ一種または二種以上を含有することを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(3)質量%で、
C:0.02%以下、
Si:4.5%以下、
Mn:3.0%以下、
Al:3.0%以下、
P:0.50%以下、
Ni:0.5%未満および
Cu:0.2%以上、2.5%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、冷間圧延または温間圧延により最終板厚とし、ついで、鋼中における、平均粒径d p が1nm以上、10nm未満であるCu析出物を、その分布密度Nが、次式
N≧10 14 ・d p -2 (個/mm 3
ただし、d p :Cu析出物の平均粒径(nm)
を満足する範囲となるよう、最高到達温度が650℃以上かつ「Cuの固溶温度+10℃」以上、1150℃以下の条件で仕上焼鈍を施し、その後350℃以上、500℃以下の温度域で0.5h以上、5h以下の析出熱処理を行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(4)質量%で、
C:0.02%以下、
Si:4.5%以下、
Mn:3.0%以下、
Al:3.0%以下、
P:0.50%以下、
Ni:0.5%以上、5.0%以下および
Cu:0.2%以上、2.5%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、冷間圧延または温間圧延により最終板厚とし、ついで、鋼中における、平均粒径d p が1nm以上、10nm未満であるCu析出物を、その分布密度Nが、次式
N≧10 14 ・d p -2 (個/mm 3
ただし、d p :Cu析出物の平均粒径(nm)
を満足する範囲となるよう、最高到達温度が650℃以上かつ「Cuの固溶温度+10℃」以上、1150℃以下の条件で仕上焼鈍を施し、その後350℃以上、550℃以下の温度域で0.3h以上、10h以下の析出熱処理を行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(5)上記(3)または(4)において、鋼スラブが、さらに質量%で、
Zr:0.1〜3.0%、
V:0.1〜3.0%、
Sb:0.002〜0.5%、
Sn:0.002〜0.5%、
Ge:0.002〜0.5%、
B:0.001〜0.01%、
Ca:0.001〜0.01%、
希土類元素:0.001〜0.01%および
Co:0.2〜5.0%
のうちから選んだ一種または二種以上を含有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、磁気特性に優れ、高い強度を有すると共に、疲労特性に優れた無方向性電磁鋼板を安定して得ることできる。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において、鋼板および鋼スラブの成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.02%以下
C量が0.02%を超えると磁気時効により鉄損が著しく劣化するため、C量は0.02%以下に制限する。
Si:4.5%以下
Siは、脱酸剤として有用なだけでなく、電気抵抗の増加により電磁鋼板の鉄損を低減する効果が大きく、さらに固溶強化により強度向上にも寄与する。脱酸剤としては0.05%以上の含有で効果が顕著となる。また、鉄損低減および固溶強化のためには0.5%以上、より好適には1.2%以上含有させることが好ましい。しかしながら、含有量が4.5%を超えると鋼板の圧延性の劣化が著しくなるため、Si量は4.5%以下に制限する。
Mn:3.0%以下
Mnは、固溶強化による強度向上に有効な元素である。しかしながら、過剰の添加は磁束密度を低下させるので、Mn量の上限は3.0%とする。
なお、Sとの共存下では、仕上焼鈍や歪取焼鈍時の粒成長性を阻害するMnSを形成する場合があるため、鉄損を重視する用途では必ずしも含有させる必要はない。
Al:3.0%以下
Alは、脱酸剤として有効であり、好ましくは0.5ppm以上で含有させる。しかしながら、過剰な添加は圧延性の低下を招くので、Al量は3.0%以下に制限する。
P:0.50%以下
Pは、比較的少量の添加でも大幅な固溶強化能が得られるため高強度化に極めて有効であり、好ましくは0.01%以上で含有させる。一方、過剰な添加は偏析による脆化を引き起し、粒界割れや圧延性の低下を招くため、P量は0.50%以下に制限する。
Ni:5.0%以下
Niは、固溶強化による高強度化に有効に寄与するが、5.0%を超えるとこの効果は飽和し、コスト高を招くので、Ni量は5.0%以下とする。
また、Niは、時効処理により生成するCu析出物の分布密度を増加させ、かつCu析出物の成長を抑制する効果も有する。そのため、Cuの析出物を極めて微細にかつ十分な分布密度で析出させることが容易になる。それ故、好適な時効処理範囲が拡大する効果もある。
この効果を得るためには、Niは0.5%以上含有させることが好ましい。なお、好適な時効処理範囲は、後述するように、このNi量応じて変化する。一方、5.0%を超えるとこの効果も飽和する。
Cu:0.2%以上、2.5%以下
Cuは、本発明において最も重要な元素である。後述する適切な時効処理によって、平均析出粒径が10nm未満の極微細Cu析出物を十分な数密度で均一に析出させることにより磁気特性をほとんど劣化させることなく、大幅な高強度化が達成でき、しかも繰り返し応力下において高い疲労強度を得ることができる。
そのためには、Cu量を0.2%以上を確保しないと後述する時効処理において所定量のCu析出物が得られなくなるので、Cu量は0.2%以上とする。一方、Cu量が2.5%を超えると、Cu析出物の平均粒径を10nm未満に制御することが困難となり、疲労特性の向上が不十分となるため、上限を2.5%とする。より好ましくは0.5〜2.0%の範囲である。
以上、基本成分について説明したが、本発明ではその他にも、磁気特性の改善元素として知られるZr,V,Sb,Sn,Ge,B,Ca,希土類元素およびCoを単独または複合して添加することができる。しかしながら、その添加量は本発明の目的を害さない程度に抑制する必要がある。
具体的には、ZrおよびVについては0.1〜3.0%、Sb,SnおよびGeについては0.002〜0.5%、B,Caおよび希土類元素については0.001〜0.01%、Coについては0.2〜5.0%である。
上記した元素の他は、Fe(鉄)および不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としてのSおよびNは、鉄損の観点からそれぞれ0.01%以下とすることが好適である。
次に、本発明の鋼組織について説明する。
本発明に係る無方向性電磁鋼板では、鋼板中にCuが、極めて微細かつ高い分布密度で存在していることが重要である。
すなわち、Cu析出物の平均粒径dpが1nm以上、10nm未満で、かつその分布密度Nが、次式
N≧1014・dp -2 (個/mm3
ただし、dp:Cu析出物の平均粒径(nm)
の範囲を満足することが肝要である。
さて、発明者らは、Cu析出物の磁気特性、機械特性および疲労特性に及ぼす影響について詳細に検討した結果、以下に述べる知見を得た。
(1) 平均粒径が20nm以下のCu析出物は鋼板の磁気特性(ヒステリシス損失)を劣化させない。
(2) Cu析出物は機械的特性(降伏応力YP、引張強さTS)を高め高強度化に寄与する。その結果は、Cu析出物の粒径(1〜50nm程度までの範囲では大きいほど有利)および分布密度(多いほど有利)に依存する。
(3) 疲労特性は、(2)の機械的特性への影響と差異が見られ、10nm未満の微細なCuを析出させた場合には、TSの上昇分(ΔTS)とほぼ同等の疲労限FSの上昇(ΔFS)が得られるが、平均粒径が10nm以上のCuを析出させた場合は、ΔTSの半分以下のΔFSしか得られない。この理由については明らかではないが、10nm未満のCu析出物は、主として母相と整合関係にあるbcc−Cuであるのに対し、10nm以上のCu析出物はbcc−Cuのほかに9R構造やfcc構造の母相と非整合なfcc−Cuであることが関与しているものと考えられる。
なお、鋼中におけるCu析出物の平均粒径が1nm未満では、後述する析出物径の測定が難しく、また工業生産的にも安定した品質保持の点で支障をきたす場合があるため、1nm以上とする。
以上の観点から、本発明では、Cu析出物の平均粒径(直径)は、1nm以上、10nm未満の範囲に限定した。
また、Cu析出物の適正な分布密度Nは、析出物の平均粒径が10nm未満と極微細になる場合、より高度な制御が必要であることが分かった。すなわち、所望の強化量を得るために必要な分布密度Nについて検討したところ、その最低必要量はCu析出物の粒径によって異なり、次式
N≧1014・dp -2 (個/mm3
ただし、dp:Cu析出物の平均粒径(nm)
の範囲を満足させる必要があることが判明した。
この値Nに満たないと、時効析出によって有利な機械強度、疲労強度の強化が望めないためである。
ここで、鋼中のCu析出物のサイズ、分布密度は、例えば以下の手法によって求めることができる。後述する析出処理(時効処理)を行った鋼板から試料を採取し、薄膜試料を作製したのち、走査透過型電子顕微鏡により暗視野像を撮影する。この像から、Cu析出物の認識を行い、統計的処理により平均粒径を求める。
すなわち、Cu析出物の平均粒径は、画像処理によって認識したCu析出物について、
(a) 当該視野内のCu析出物1個当りの平均体積から、球相当径を算出する、
(b) 各Cu析出物体積より各Cu析出物の球相当径を求め、その平均値を算出する、
(c) 当該視野におけるCu析出物1個当りの平均面積から、円相当径を算出する、
(d) 各Cu析出物面積より各Cu析出物の円相当径を求め、その平均値を算出する
のいずれかの手法で求めることができる。
そして、Cu析出物の平均粒径が1〜10nm未満の範囲にあるということは、上記の (a)〜(d)の測定手法のいずれか少なくとも1つの手法によって得られる平均粒径が、1〜10nm未満であることを意味する。
その際、観察領域の試料厚みが薄すぎると、Cu析出物の脱落頻度が高まり、逆に厚すぎると走査透過電子顕微鏡像中の析出粒子認識が困難になるため、観察領域の厚みは30〜60nm程度とすることが好ましい。
また、一般に、Cu含有鋼の透過電子顕微鏡試料は、表面電着Cu粒子の影響により、析出量が過大評価傾向にあるため、観察にはアルゴンイオンによって表面清浄化を施した試料を用いることが好ましい。
そして、Cu析出物の分布密度は、上記解析に用いた電顕撮影像の視野と薄膜試料厚さと認識したCu析出物数より求められる。
なお、本発明におけるCu析出物とは、Cuの析出物を対象としていることは勿論であるが、析出物が極微細になると、Cuに鉄が含まれる場合があり、このような場合も含めてCu析出物という。
次に、本発明の製造方法について説明する。
鋼スラブの製造に際しては、まず転炉あるいは電気炉等にて、上記した好適成分組成に溶製した溶鋼を、連続鋳造法あるいは造塊後の分塊圧延法により鋼スラブとする。鋼スラブの成分組成範囲は、目的とする製品板の組成範囲と同一でよい。
ついで、得られた鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、一回または中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延あるいは温間圧延を施して製品板厚とし、その後仕上焼鈍、ついで時効処理を施す。また、仕上焼鈍後のいずれかの段階において、必要に応じて絶縁被膜の塗布および焼き付け処理を行う。
上記の仕上焼鈍は、再結晶により圧延歪を除去し、結晶粒を成長させて磁気特性を向上させることに加えて、Cuを十分に固溶させるためである。そのためには、最高到達温度が650℃以上かつ「Cuの固溶温度+10℃」以上とすることが必要である。
ここに、Cuの固溶温度は、次式
T(℃)=3351/{3.279−log10[%Cu])−273
ここで、[%Cu]:鋼中のCu含有量(mass%)
で求めることができる。
一方、仕上焼鈍温度の上限は1150℃以下とする。この理由は、仕上焼鈍温度が1150℃を超えると、結晶粒径が過剰に大きくなって高周波域での磁気特性が阻害されることに加え、鋼板表面が酸化し、磁気特性や疲労特性の劣化を招くためである。
なお、仕上焼鈍の冷却速度が遅いと、冷却中に粗大なCu析出物が生成する場合があるが、本発明のCu含有量範囲であれば、通常の連続焼鈍設備を利用した焼鈍(冷却速度:5℃/s以上)であれば、何ら問題は生じることなく常法に従って製造することができる。
ついで、Cuの析出熱処理(時効処理)を行う。この析出熱処理は、Cu析出物を適切なサイズ、分布密度で析出させる上で重要である。
このCu析出熱処理の適正条件は、鋼組成特にNi量によって変化し、Ni含有量が0.5%未満の場合には、350℃以上、500℃以下の温度域で0.5h以上、5h以下の処理とする。というのは、処理温度が350℃未満では、析出にぼう大な処理時間を要するだけでなく、十分な分布密度のCu析出が望めず、十分な強化が図れないので、350℃以上とする必要がある。一方、500℃を超えるとCu析出物が粗大化して10nmを超えるものが増加して、疲労特性の向上が望めなくなるため、500℃以下とする必要があり、好ましくは450℃以下である。また、処理時間が0.5h未満では、やはり十分な分布密度のCu析出が望めず、一方5hを超えるとCu析出物が粗大化して10nmを超えるものが増加するからである。
他方、Ni含有量が0.5%以上、5.0%以下の場合には、350℃以上、550℃以下の温度域で0.3h以上、10h以下の処理とする。というのは、Niは、前述したとおり、時効処理により生成するCu析出物の分布密度を増加させ、かつCu析出物の成長を抑制する効果を有するので、このようにNiを比較的多量に含有する場合には、所望のCu析出状態を達成する熱処理条件が緩和され、その結果、Ni含有量が0.5%未満の場合よりも広い温度範囲および時間範囲において、十分に微細でかつ分布密度の高いCu析出が達成されるからである。
なお、処理温度は、好ましくは350℃以上、500℃以下(より好ましくは450℃以下)、また処理時間は、好ましくは0.5h以上、5h以下である。
表1に示す成分組成に調整した鋼スラブを、熱間圧延し、ついで950℃で熱延板焼鈍を行ったのち、冷延圧延により板厚:0.35mmに仕上げてから、表1に示す温度で30sの仕上焼鈍を施した。
かくして得られた鋼板から圧延方向と平行にJIS 5 号引張試験片および最狭部幅:15mmでR:155mmの平行部なし疲労試験片をそれぞれ切り出し、引張試験により引張強さ(TS)を測定すると共に、繰り返し速度:20Hz、応力比:0.1の引張−引張タイプの疲労試験を行い、107疲労限(FS)を測定した。さらに、圧延方向に平行および直角に切り出した15cmエプスタイン試験片を用いて磁気測定を行った。
得られた結果を表1に併記する。
ついで、これらの仕上焼鈍板に、表2に示す時効条件でCu析出処理を行ったのち、上記と同様の方法によって、引張特性、疲労特性および磁気特性を求めた。
かくして得られた製品板のCuの析出状態ならびに時効処理後の特性および時効前後の特性差について調べた結果を、表2に併記する。
ここに、Cu析出物の評価は、走査透過電子顕微鏡観察により、次のようにして行った。まず、電子顕微鏡観察用の試料は、製品板の厚み中心部より圧延面に平行な平板として採取し、過塩素酸−メタノール系の電解液を用いた電解研磨により薄膜化した後、試料表面の清浄化のため、アルゴンイオンによるスパッタリングを5分間実施して準備した。観察は、1nm径以下の電子線を観察視野中で走査する走査透過モードで行い、析出物を認識し易い暗視野像を撮影した。なお、観察領域が薄すぎると析出粒子の脱落頻度が高まり、厚すぎると走査透過電子顕微鏡像中の析出粒子認識が困難になるため、観察領域の厚みは30〜60nmの範囲となるようにした。ここで、試料厚みは電子エネルギー損失スペクトルから見積もった。
かくして得られた暗視野像を画像処理し、Cu析出物の粒子認識を行って、Cu析出物数を求めると共に、各Cu析出物面積より円相当径を算出し、これを析出物径とした。一方、Cu析出物の分布密度は、観察視野の体積(観察面積×試料厚み)の合計体積と粒子認識数から求めた。
Figure 0004341476
Figure 0004341476
表2に示したとおり、本発明に従い得られた発明例はいずれも、時効処理によってCuを超微細かつ高分布密度で析出させることにより、磁気特性の劣化を伴うことなしに、高いTSおよびFSが得られており、強度特性は勿論のこと、疲労特性に優れていることが分かる。
特に、No.16〜18に示すCuと共に1.50%のNiを添加させた鋼Fの場合には、幅広い時効条件において適切なサイズおよび分布密度のCu析出が達成されている。
これに対し、時効温度が低すぎるNo.1,10の比較例は、Cu析出物の分布密度が本発明の下限を下回ったため、時効処理によるTSやFSの改善が見られない。
時効温度が本発明より高いNo.4、時効時間が長いNo.9およびCu量が多い鋼Dを用いたNo.13の比較例はいずれも、Cu析出物が10nm以上に成長しており、TSの向上は見られるもののFSについては目立った改善がみられない。
時効温度がさらに高いNo.5(このNo.5は処理時間も長い)およびNo.15では、析出粒径がさらに大きくなり、磁気特性の劣化も著しくなっている。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.02%以下、
    Si:4.5%以下、
    Mn:3.0%以下、
    Al:3.0%以下、
    P:0.50%以下、
    Ni:5.0%以下および
    Cu:0.2%以上、2.5%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になり、かつ鋼中に、平均粒径dpが1nm以上、10nm未満であるCu析出物を、その分布密度Nが、次式
    N≧1014・dp -2 (個/mm3
    ただし、dp:Cu析出物の平均粒径(nm)
    を満足する範囲で含有することを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  2. 請求項1において、鋼板が、さらに質量%で、
    Zr:0.1〜3.0%、
    V:0.1〜3.0%、
    Sb:0.002〜0.5%、
    Sn:0.002〜0.5%、
    Ge:0.002〜0.5%、
    B:0.001〜0.01%、
    Ca:0.001〜0.01%、
    希土類元素:0.001〜0.01%および
    Co:0.2〜5.0%
    のうちから選んだ一種または二種以上を含有することを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  3. 質量%で、
    C:0.02%以下、
    Si:4.5%以下、
    Mn:3.0%以下、
    Al:3.0%以下、
    P:0.50%以下、
    Ni:0.5%未満および
    Cu:0.2%以上、2.5%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、冷間圧延または温間圧延により最終板厚とし、ついで、鋼中における、平均粒径d p が1nm以上、10nm未満であるCu析出物を、その分布密度Nが、次式
    N≧10 14 ・d p -2 (個/mm 3
    ただし、d p :Cu析出物の平均粒径(nm)
    を満足する範囲となるよう、最高到達温度が650℃以上かつ「Cuの固溶温度+10℃」以上、1150℃以下の条件で仕上焼鈍を施し、その後350℃以上、500℃以下の温度域で0.5h以上、5h以下の析出熱処理を行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 質量%で、
    C:0.02%以下、
    Si:4.5%以下、
    Mn:3.0%以下、
    Al:3.0%以下、
    P:0.50%以下、
    Ni:0.5%以上、5.0%以下および
    Cu:0.2%以上、2.5%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、冷間圧延または温間圧延により最終板厚とし、ついで、鋼中における、平均粒径d p が1nm以上、10nm未満であるCu析出物を、その分布密度Nが、次式
    N≧10 14 ・d p -2 (個/mm 3
    ただし、d p :Cu析出物の平均粒径(nm)
    を満足する範囲となるよう、最高到達温度が650℃以上かつ「Cuの固溶温度+10℃」以上、1150℃以下の条件で仕上焼鈍を施し、その後350℃以上、550℃以下の温度域で0.3h以上、10h以下の析出熱処理を行うことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 請求項3または4において、鋼スラブが、さらに質量%で、
    Zr:0.1〜3.0%、
    V:0.1〜3.0%、
    Sb:0.002〜0.5%、
    Sn:0.002〜0.5%、
    Ge:0.002〜0.5%、
    B:0.001〜0.01%、
    Ca:0.001〜0.01%、
    希土類元素:0.001〜0.01%および
    Co:0.2〜5.0%
    のうちから選んだ一種または二種以上を含有することを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
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