JP2005343989A - 水性塗料組成物及びその製造方法、並びに塗布膜形成方法 - Google Patents

水性塗料組成物及びその製造方法、並びに塗布膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】造膜助剤の使用量を低減もしくは排除しても造膜性が良好であり、また、造膜性が良好でありながら塗布膜表面は非粘着性であり、耐汚染性やブロッキング性も良好であり、貯蔵安定性も良好な水性塗料組成物及びその製造方法を提供すること、また、前記水性塗料組成物を用いる塗布膜形成法を提供すること。
【解決手段】アルケン、スチレン及びビニルナフタレンから選ばれる1種以上、イオン解離酸性基含有モノマーの1種以上、及びα、β−エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルの1種以上からの各構成単位を含む共重合体のアルカリ中和物、顔料、及び水性媒体を含み、前記共重合体のアルカリ中和物は平均径が10nmないし300nmのミセル会合体を形成している水性塗料組成物、前記共重合体をアルカリを含む水性媒体中、共重合体のTgより15℃高い温度以上に保持しつつ撹拌してミセル会合体溶液を作成し、これに顔料を分散させる水性塗料組成物の製造方法、及び塗布膜形成後加熱処理を行う塗布膜形成方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、水性塗料組成物及びその製造方法、並びに該水性塗料組成物を用いる塗布膜形成方法に関する。
近年、地球環境の汚染問題が深刻化し、国際的に有機溶剤の排出規制が強化されつつある。そのような背景の中で、水を媒体にした水性塗料組成物が脚光を浴びている。特に、工業塗装とりわけ自動車等、建築物、土木構築物などの塗装において、従来の有機溶剤型塗料組成物から水性塗料組成物への切り替えの動きが顕著であり、水性塗料組成物の使用量が増大している。水性塗料組成物には、基体樹脂として水分散型の樹脂が採用される傾向にあり、合成樹脂エマルションが広く用いられる。
合成樹脂エマルションは、基体樹脂が水中で微粒子として存在していることに特徴があり、塗料に要求されるレオロジー特性を付与しやすいという利点を有している。このような合成樹脂エマルションは、基本的には水を媒体とするものであるが、微粒子状の基体樹脂は塗料に要求される造膜性に劣るために、一般に、高沸点の親水性有機溶剤が造膜助剤として水性塗料組成物に少量配合されている。この造膜助剤は、合成樹脂エマルション粒子の表面を柔らかくして、造膜時に粒子間の融合を手助けするために使われている。
しかし、上記造膜助剤は、水性塗料組成物の貯蔵中に樹脂粒子を軟化させて樹脂粒子を相互に融着させ、その結果、水性塗料組成物中の樹脂粒子や顔料が凝集するという欠点を有している。そのため、塗布膜性能とのバランスをとりながら、造膜助剤の配合に伴うこのような課題を解決するためにいくつかの試みがなされている。
以下の特許文献1には、合成樹脂エマルションの粒子と造膜助剤としての親水性有機溶剤との直接接触を防ぐために、合成樹脂エマルションに親水性有機溶剤を添加する前にアクリル系樹脂水溶液を事前混合し、合成樹脂エマルション樹脂粒子をアクリル系樹脂で覆う方法が提案されている。しかし、粒子表面のアクリル系樹脂層が親水性有機溶剤と直接接触しても柔らかくならないように設計すると、基体樹脂であるエマルション樹脂粒子の造膜が阻害されるという問題点を有している。
一方、造膜助剤の使用量を低減もしくは排除するという試みもなされている。一般的に、合成樹脂エマルションを含む水性塗料組成物において、造膜助剤の使用量を低減もしくは排除しても造膜性を確保する手法の一つとして、合成樹脂エマルションに用いるモノマー成分の種類や比率を調整して樹脂のガラス転移温度を下げる方法が提案されている。
しかしながら、この方法では、形成される塗布膜表面の粘着性が大きくなり、耐汚染性やブロッキング性が低下してしまうという問題が生じやすくなる。
そこで、以下の特許文献2には、熱応答性モノマーを共重合し、造膜性と低粘着性とを両立させた合成樹脂エマルションが提案されている。
しかしながら、この合成樹脂エマルションから形成された塗布膜は、熱応答性モノマーの構造から決まるある温度よりも低い温度領域においては塗布膜表面が親水性となる。従って、この低温度領域においては、親水性の汚染物質が塗布膜表面に付着しやすいという問題点を有している。又、以下の特許文献3には、コアシェル型の合成樹脂エマルションが提案されている。シェルを構成する樹脂に造膜助剤成分をモノマー成分として組み込み、シェルを柔らかくして造膜時に粒子間の融合を手助けするとしている。しかしながら、粒子同志が結合しやすく、水性塗料組成物としての貯蔵安定性に問題がある。
特開2003−82293号公報(特許請求の範囲、段落0006) 特開2003−89766号公報(特許請求の範囲、段落0005、0014、0015) 特開2003−128979号公報(特許請求の範囲、段落0006)
本発明は前記のごとき問題点及び要請に基づいてなされたものであり、その目的は、造膜助剤の使用量を低減もしくは排除しても造膜性が良好であり、また、造膜性が良好でありながら塗布膜表面は非粘着性であり、耐汚染性やブロッキング性も良好であり、貯蔵安定性も良好な水性塗料組成物及びその製造方法を提供すること、また、前記水性塗料組成物を用いる塗布膜形成法を提供することにある。
前記課題は、以下の水性塗料組成物、その製造方法及び塗布膜形成方法を提供することにより解決される。
(1)少なくとも、1)アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーの1種以上、イオン解離する酸性基を含有するモノマーの1種以上、及びα、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルの1種以上からの各構成単位を含む共重合体のアルカリ中和物、2)顔料、及び3)水性媒体を少なくとも含む水性塗料組成物であって、前記水性塗料組成物において前記共重合体のアルカリ中和物はミセル会合体を形成し、該ミセル会合体の平均径が10nm〜300nmであることを特徴とする水性塗料組成物。
(2)前記共重合体の酸価が60〜160であることを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(3)前記共重合体の数平均分子量が6,000〜30,000であることを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(4)前記共重合体の、アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーからの構成単位が15〜55質量%であり、イオン解離する酸性基を含有するモノマーからの構成単位が9〜28質量%であり、α、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルからの構成単位が20〜75質量%であることを特徴とする水性塗料組成物。
(5)前記顔料一次粒子の数平均粒径が2〜200nmであることを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(6)前記共重合体の含有量が0.1〜35質量%であることを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(7)前記顔料の含有量が1〜35質量%であることを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(8)前記水性塗料組成物の固形分含有量が2〜40質量%であることを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(9)前記ミセル会合体が水性媒体を内包することを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(10)前記共重合体として、共重合体水溶液のpHを変化させた場合、pH変化量が2.5以内において、共重合体が溶解又はコロイド状態から上澄みを生じて沈殿する共重合体を用いることを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(11)前記水性塗料組成物のpHを、共重合体が溶解状態から上澄みを発生して沈殿を生じるpHから、0.5〜5.0高いpH領域に調節することを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(12)沸点が40℃〜150℃のpH調節剤によりpH調節を行うことを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(13)前記pH調節剤の添加量が100ミリモル/Kg〜20モル/Kgであることを特徴とする前記(1)に記載の水性塗料組成物。
(14)アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーの1種以上、イオン解離する酸性基を含有するモノマーの1種以上、及びα、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルの1種以上からの各構成単位を含む共重合体、アルカリ及び水性媒体を含む液を、前記共重合体のガラス転移点よりも15℃以上高い温度に保持しながら撹拌して、共重合体アルカリ中和物のミセル会合体を作製する工程、前記ミセル会合体を含む液に顔料微粒子を添加分散させる工程、を少なくとも有する水性塗料組成物の製造方法。
(15)前記ミセル会合体作製工程において、アルカリの量が、共重合体の全酸基を中和する量(当量)より2当量%から30当量%少ない量であることを特徴とする前記(14)に記載の水性塗料組成物の製造方法。
(16)前記ミセル会合体作製工程において、共重合体としてガラス転移点が10℃から120℃の範囲のものを用い、液の前記保持温度を前記ガラス転移点より20℃から50℃高い温度とし、かつ物理的手段により液を撹拌することを特徴とする前記(14)に記載の水性塗料組成物の製造方法。
(17)前記(1)に記載の水性塗料組成物を用いて固体表面の上に塗布膜を形成した後、固体表面の塗布膜面に、50℃〜250℃の温度での加熱処理を行う塗布膜形成方法。
本発明の水性塗料組成物は、水性塗料に要求されるレオロジー特性を保持しながら、造膜助剤を配合しなくても造膜性と塗布膜表面の低粘着性とが両立しており、汚染物質が塗布膜表面に付着しにくくかつ塗布膜のブロッキング性も良好であり、優れた貯蔵安定性を有している。
本発明の水性塗料組成物は、少なくとも、1)アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーの1種以上、イオン解離する酸性基を含有するモノマーの1種以上、及びα、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルの1種以上からの各構成単位を含む共重合体のアルカリ中和物、2)顔料、及び3)水性媒体を少なくとも含む水性塗料組成物であって、前記水性塗料組成物において前記共重合体のアルカリ中和物はミセル会合体を形成し、該ミセル会合体の平均径が10nm〜300nmであることを特徴とする。
ミセル会合体の平均径は20nm〜200nmの範囲がより好ましく、30nm〜120nmの範囲がさらに好ましい。ミセル会合体の平均径が10nmより小さいと、顔料粒子をミセル会合体が包含できなくなり、また接触面積の関係上、付着・吸着もしにくくなり、また顔料表面に付着・吸着されたとしても付着・吸着は不完全であり、顔料の分散状態が不安定となる。また、ミセル会合体の平均径が300nmより大きいと、液が白濁し、顔料の分散安定性が不十分で水性塗料組成物の寿命の低下を引き起こし、さらに、分散顔料が塗布膜中で凝集・成長する結果、望まない光散乱が生じて濁りが発生し、塗布膜の色再現域を狭くしたり、色彩の彩度低下を引き起こす。
ミセル会合体の平均径や分散状態は、走査型プローブ顕微鏡、クライオTEM法、クライオSEM法、静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降レーザー光散乱法等により測定される。
本発明の水性塗料組成物において、顔料微粒子はミセル会合体により分散保持される。
前記ミセル会合体(micelle aggregation)は、単独の高分子ミセルが複数会合した会合体で、単独の高分子ミセルは、前記共重合体分子の中和物が複数絡み合った分子集合体であり、いずれも粒子形態を有している。以下、ミセル会合体と称する場合は、特に断らない限りこの単独で存在する高分子ミセルを複数含むものとする。水性塗料組成物において、ミセル会合体は安定にコロイド分散している。また、ミセル会合体はその内部に水性媒体を内包しているため、比重が水性媒体と近くなり重量の観点からも安定なコロイド分散状態を保持している。さらに、ミセル会合体の径は、液のpH値が多少変化しても大きく変わらないという特徴を有する。本発明におけるミセル会合体は、このような特徴を有するため、本発明の課題解決に大きく寄与し、後述のように水性塗料組成物に優れた特性を与える。
図1に、本発明による高分子(スチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチルエステル共重合体)水溶液における単独で存在するミセル会合体(単独ミセル会合体)の形態を走査型プローブ顕微鏡で観察した結果を示す。0.1質量%の高分子水溶液(pH7.65)に光学顕微鏡用のカバーグラスを30秒間浸漬し、これを自然乾燥させた後に測定した画像である。X,Y軸の一目盛りが100nmであり、Z軸の一目盛りが10nmである。単独ミセル会合体が多数観察されるが、いずれも扁平につぶれていることが分かる。単独ミセル会合体は水を含むので自然乾燥過程においてつぶれて扁平になったものと考えられる。このような扁平状態でも多数の単独ミセル会合体の大きさが100nm以下であることが分かる。水中では、おそらく水を含んだ球状の微粒子で、その大きさは50nmぐらいであると推定される。図1では、単独ミセル会合体が会合したと思われるものも観察されるが、これは自然乾燥中に単独ミセル会合体が会合したものと考えられる。
また、図2に、本発明における単独ミセル会合体を凍結乾燥した試料のクライオSEM顕微鏡の画像を示す。図2(A)は単ミセルを観察するため高分子濃度を0.1質量%の低濃度にした場合を示す。また、図2(B)は高分子濃度が5質量%の場合であり、凍結乾燥する過程でミセルが凝集した状態が示されている。
次に、本発明による高分子(スチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチルエステル共重合体)水溶液における単独ミセル会合体の粒子サイズ分布を遠心沈降レーザー光散乱法で測定した結果を図3に示す。試料溶液の高分子濃度は3質量%でpH7.65である。その結果、平均粒子サイズが113nmであることが分かった。50nm前後の単独ミセル会合体は、原理上、検出限界を越えているので、実際の平均粒子サイズは、113nm以下であると推定される。尚、測定試料の高分子水溶液に超音波を照射すると平均粒子サイズが小径側にシフトすることも確認されたが、これは、超音波照射により、ミセル会合体が壊れたことを示唆している。
また、本発明による高分子(スチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチルエステル共重合体)水溶液の動的光散乱を各種濃度(pH7.65)において測定した結果を図4に示す。動的光散乱によって測定される粒子サイズは溶液内で揺らいでいる微小部分のサイズを表しているので、ミセル会合体の大きさよりも更に小さい揺らぎ部分が本発明によるミセル会合体の内部に存在していることを図4は示唆している。即ち、ミセル会合体内部に存在している微小部分は疎水基が集合した疎水部分で、その大きさは約20nmであると推定される。この約20nmという値は高分子濃度に依存しないこと、又、揺らいでいる微小部分のサイズには分布があり、高分子濃度が増加するほど分布が広がることも図4から分かる。
以上の結果をふまえ、図5に、本発明による単独ミセル会合体の構造を模式的に示した。大きさは約50nmであり、ミセル会合体表面及び内部にイオン解離した酸性基が存在しており、さらに内部には疎水基が集合した大きさが約20nmの微小部分が存在するものと思われる。
本発明の水性塗料組成物において、顔料微粒子はミセル会合体により保持される。顔料微粒子の粒径がミセル会合体の径に比較して小さい場合には、顔料微粒子は各ミセル会合体(単独ミセル会合体)の内部に保持され、またその粒径がミセル会合体の径に比較して大きい場合、複数のミセル会合体により保持されていると考えられる。そして、ミセル会合体の径を非常に小さくすることができるので、微細な顔料粒子も十分に分散保持できる。
図6に、顔料超微粒子(酸化チタン)がミセル会合体に内包されている状態をクライオTEMで観察した結果を示す。図6において、黒い点が顔料超微粒子であり白い部分が氷であり灰色の部分がミセル会合体である。顔料超微粒子の表面にミセル会合体で構成される層が数十nmの厚みで存在していることが分かる。
本発明の水性塗料組成物における共重合体分子は、液中に分子分散状で存在しているのではなく、前記のごとき顔料粒子を内包したミセル会合体を形成して存在しているので、液中での顔料内包ミセル会合体の含有量を高くしても液の粘度は低く、塗料に要求されるレオロジー特性を有している。又、このミセル会合体は、前述のように内部に水性媒体を内包しているので柔らかく、合成樹脂エマルション粒子の表面を柔らかくして造膜を助けるために必須の材料である造膜助剤を配合しなくても、十分な造膜性を有している。従って、合成樹脂エマルションを含む水性塗料組成物に造膜助剤を配合したときに派生する問題点を全て排除することができる。又、ミセル会合体を形成する共重合体分子は、モノマー単位にイオン解離する酸性基を含んでいるので、ミセル会合体粒子の表面や内部にマイナスイオンを保持し、ミセル会合体粒子間の静電反発力によって粒子の凝集が阻止される。この結果、このミセル会合体を含む水性塗料組成物は優れた貯蔵安定性を示し、貯蔵安定性の低下に伴う塗装の困難とか得られた塗布膜の品質の低下とかの問題点を排除することできる。
また、本発明で用いる共重合体は、前記のごとき特定のモノマー単位を有する共重合体であり、特に疎水性の高いスチレンモノマー等を用いるので塗布膜を構成する樹脂部分が高い疎水性となり、親水性の汚染物質が付着しにくいという特徴がある。
[ミセル会合体]
次に、本発明におけるミセル会合体について説明する。
(共重合体)
ミセル会合体を構成する共重合体は、アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーの1種以上、イオン解離する酸性基を含有するモノマーの1種以上、及びα、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルの1種以上からの各構成単位を含む共重合体である。
前記アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれる単位は疎水性が強く、顔料微粒子表面の疎水性部分に強く吸着して顔料分散を安定化する。さらに、前記構成単位は、その疎水性によって塗布膜表面を疎水化し、親水性汚染物質の付着防止に寄与する。さらに、前記構成単位は、共重合体の構成単位であるところのイオン解離する酸性基を含有するモノマーのイオン解離機能の抑制にも影響を与える。
アルケンは炭素数が2〜20程度のものが好ましく、より好ましくは2〜10であり、疎水性が大きく損なわれない限り他の置換基を有していてもよい。
スチレン及びこの誘導体としては、スチレン、α―メチルスチレン、α―エチルスチレンや、これらのスチレン及びその誘導体のベンゼン環に疎水性を大きく損なわない置換基あるいはさらに疎水性を増す置換基が置換したものなどを挙げることができる。また、ビニルナフタレン及びその誘導体としてはビニルナフタレンの他、ナフタレン環に疎水性を大きく損なわない置換基あるいはさらに疎水性を増す置換基が置換したものなどが挙げられる。
中でも、アルケン、スチレン及びその誘導体は、共重合体製造時の制御性が高く有用な疎水性モノマーである。
前記アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーからの構成単位は、前記の顔料分散性、造膜性、貯蔵安定性の観点からみて、共重合体中、好ましくは15〜55質量%、より好ましくは25〜40質量%、特に好ましくは29〜37質量%である。
前記構成単位が15質量%未満の共重合体は、顔料分散性の不足、貯蔵安定性の不足が生ずることがあり、また、55質量%を超えると水性媒体への溶解性が不十分となり、水性塗料組成物の作製が難しかったり、貯蔵安定性が不足したりすることがあるので前記範囲が適切である。
イオン解離する酸性基を含有するモノマーからの構成単位は、共重合体をアルカリ性の水性媒体に溶解させる機能を有し、前記モノマーとしては、α、β―エチレン性不飽和カルボン酸が好ましく挙げられ、例えばメタクリル酸、アクリリ酸、無水マレイン酸又はそのモノエステル、フマル酸又はそのモノエステル、イタコン酸又はそのモノエステル、クロトン酸などが挙げられる。特に、メタクリル酸、アクリル酸は本発明の水性塗料組成物として挙げた前記効果を達成するのに好ましい。
イオン解離する酸性基を含有するモノマーからの構成単位は、共重合体中、9〜28質量%が好ましく、より好ましくは12〜21質量%、特に好ましくは14〜18質量%である。この構成単位が9%より少ないと共重合体がアルカリ性の水性媒体に溶解しにくく、ミセル会合体のコロイド溶液を安定して作製するのが困難になる。一方、28質量%より多くなるとミセル会合体内部のアニオン密度が増加するのでその静電的反発力により粒子径が増大し、粒子間の距離が短くなる結果、粒子間相互作用が増大して溶液全体がゲル化する。その結果、やはりミセル会合体のコロイド溶液を安定して作製するのが困難になる。
α、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルからの構成単位は共重合体に屈曲性を与える成分であり、この成分を含ませることによりミセル会合体を良好に形成でき、また、ミセル会合体の径のばらつきが小さくなる。α、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルのアルキル基は、炭素数は1〜20が好ましく、より好ましくは2〜10である。例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル類等が挙げられる。
α、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルからの構成単位は、ミセル会合体の形成性及び形成されるミセル会合体の径のばらつきの観点から、共重合体中、20〜75質量%が好ましくより好ましくは35〜65質量%、特に好ましくは、45〜60質量%である。
また、本発明の共重合体には、前記3種類の構成単位の他、本発明の目的に合致するミセル会合体の形成を損なわない範囲で他の共重合単位を含ませることが可能である。
本発明に使用される共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。水性塗料組成物の顔料分散性や貯蔵安定性の制御性を考慮すると、ブロック共重合体の方が好ましいが、共重合体の製造のし易さやコストの点からはランダム共重合体が好ましい。また、水性塗料組成物における顔料分散性のばらつきを小さくする点からはランダム共重合体を用いることが好ましい。
本発明の共重合体は、アルカリ水溶液への溶解性、あるいは塗布膜の強度の観点から数平均分子量が6,000から30,000のものが好ましい。より好ましくは数平均分子量が13,000から22,000である。数平均分子量が6,000より低いと塗布膜の強度が不足して塗布膜がはがれやすくなったり機械的衝撃に対する抵抗力が小さくなっつたり、又、塗布膜の耐候性等の長期耐久性が低下する恐れがある。一方、数平均分子量が30,000より高いと、アルカリ水溶液への溶解が困難となり、溶液が濁ったり沈殿物が生じたりして、塗布膜の平滑性が劣ったりする場合がある。
また、本発明の共重合体は、ガラス転移点が10℃から120℃の範囲のものが好ましい。より好ましくは、35℃から70℃の範囲にあるものが好ましい。共重合体のガラス転移点が10℃未満の場合は、水性媒体中でミセル会合体粒子が融着しやすくなり、得られる水性塗料組成物の貯蔵安定性が劣り、また120℃を超える場合は、このミセル会合体を含む水性塗料組成物から形成した塗布膜の平滑性が劣る。
本発明の共重合体の酸価は、60から160の範囲が好ましく、より好ましくは90から140の範囲で、特に、100〜130の範囲が好ましい。共重合体の酸価が60より小さいと、アルカリ水溶液への溶解が不十分となり、分散時の固形分濃度を適正値まで上げることができなくなったり、溶液が濁ったり沈殿物が生じたり、粘度が上昇したりすることがある。また、共重合体の酸価が160より大きいと、塗布膜の耐水性が低くなり耐候性が劣化する。
(ミセル会合体の作製)
本発明のミセル会合体は、例えば以下のような方法により作製される。微細で均一な径のミセル会合体を作るには、前記共重合体、アルカリ及び水性媒体を含む液を、前記共重合体のガラス転移点よりも15℃以上高い温度に保持しながら撹拌することにより作製される。
まず、前記液中のアルカリ含有量は、それにより共重合体の酸性基を中和するにあたり、酸性基を完全に中和しないような量とすることが好ましい。具体的には、共重合体の全酸基を中和する量(当量)より2当量%から30当量%少ない量が好ましく、より好ましくは、6当量%から15当量%少ない量がよい。2当量%から30当量%少ない量を用いることにより微細で均一な径のミセル会合体が作製できる。2当量%少ない量よりアルカリ含有量を多くすると、ミセル会合体の径の制御性が悪くなり、特にミセル会合体を形成しなかったり、ミセル会合体の径分布が広くなったりする。その結果、顔料分散安定性が損なわれたり、塗布膜の色特性の劣化が生じることがある。一方、30当量%少ない量よりアルカリの量を少なくすると、最終的に不溶解分が生じたり、液が濃い白濁を生じたり、必要な固形分濃度のミセル会合体溶液を作製することが困難になることがある。
用いるアルカリとしては、NaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物、TMAH、TEAH、アンモニア、アンモニウム系化合物、第4級アンモニウム系化合物、アミン系化合物が用いられる。
次に、液撹拌時の温度であるが、液の温度が、用いる共重合体のガラス転移点よりも15℃以上高いことが好ましい。好ましくは、25℃以上高い温度がよい。
アルカリの量を前記のように調節した場合でも、液温が共重合体のガラス転移点から15℃高い温度より低いと、平均径が300nm以上の白濁気味の液が生成し、この液では、分散顔料の径が小さくならず、凝集体も生じやすく、またミセル会合体に多くの顔料を内包し過ぎて重量的に重くなり、長期分散安定性が損なわれる。
撹拌時間は、2〜6時間程度が適切である。撹拌時、強力なせん断力を特にかける必要はない。したがって、撹拌装置としては、通常の物理的手段が制限なく使用できる。例えば、プロペラ撹拌法、回転子撹拌法でなく、超音波による振動撹拌が好ましく挙げられる。超音波撹拌の場合、共重合体としてガラス転移点が10℃から120℃の範囲のものを用い、このガラス転移点より20℃から50℃、好ましくは、30℃から50℃高い温度で超音波振動を与えながら共重合体溶液を撹拌することが好ましい。
[顔料]
色材として分散される顔料は、有機顔料、無機顔料等が適用でき、一種又は複数種混合して用いることもできる。有機顔料としては、アゾ系顔料、ナフトール系顔料、インドリノン系顔料、イソインドリノン系顔料、アントラキノン系顔料、インジゴ系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、ジケトピロロ系顔料、ペリレン系顔料、ピラゾロン系顔料、ジスアゾ系顔料、ベンゾイミダゾール系顔料等が好ましい。無機顔料としては、カーボンブラック系、酸化亜鉛系、酸化チタン系、酸化鉄系、群青、金属粉末、コバルトグリーン等が好ましい。
顔料粒子の数平均粒子系(一次粒子径)は2nmから200nmの範囲が適切であり、好ましくは5nmから100nmの範囲にあることが好ましい。2nmから200nmの範囲の場合、、顔料分散性が向上し、塗布膜の透明性も向上して色再現域が広がり、高色調・高彩度の塗布膜が得られる。
本発明の水性塗料組成物においては、いかなる顔料を用いても良好な顔料分散性を有する。従って、顔料は、自己分散型顔料であったり、特にイオン基を表面に持つものである必要はない。また、表面処理により親水性基を含む金属化合物粒子に対しても良い分散性が得られる。本発明において特に顕著な分散性向上効果が得られるのは、顔料粒子表面に存在する官能基が少ないために、通常、分散が困難な顔料の場合であり、このような顔料の場合でも良好な微分散状態を実現することができる。
顔料は、そのままでもまた顔料分散物としてミセル会合体溶液に加えることができる。その後、一時的にホモジナイザーやブラストミル等の強い分散処理を与えてもよい。
本発明においては、前記のごとき径の範囲のミセル会合体を含有する液に、顔料を分散させることにより、良好な顔料分散性と長期分散安定性が得られる。
[水性塗料組成物の調製]
水性塗料組成物の調製法に特に制限はなく、通常の水性塗料組成物の調製法と変わることは無いが、前記ミセル会合体のコロイド溶液中へ顔料を均一に分散した顔料ペーストを作製し、これと水性塗料に必要な材料とを配合して水性塗料組成物にする方法や、ミセル会合体のコロイド溶液、顔料及びその他の材料を最初から必要比率に配合して均一に分散して水性塗料組成物としてもよい。
顔料の分散は、例えば、ビーズミル法、ロールミル法、超音波分散法、ジェットミル法、ホモジナイザー法等の一つまたは複数を用いることにより行われる。
分散工程の精度を上げるために、分級工程として遠心分離法や各種開口径の異なるフイルターによる多段加圧ろ過分級法等も用いることができる。
本発明の水性塗料組成物には、顔料を1〜35質量%程度含有しうる。好ましくは、5〜35質量%、更に好ましくは10〜25質量%程度含むことが適切である。また、本発明の水性塗料組成物には、共重合体は、0.1〜35質量%程度含有しうる。好ましくは10〜35質量%、更に好ましくは、15〜30質量%含むことが適切である。顔料と共重合体の比(質量)は、10:1〜10:200が好ましく、より好ましくは10:5〜10:50である。
本発明の水性塗料組成物は、前記ミセル会合体、顔料を含むものであり、これ以外に通常水性塗料に混合する添加剤、例えば、骨材、充填剤、湿潤剤、防黴剤、防腐剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、防藻剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面張力を制御するための調整剤などを使用することができる。
充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシュウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム等をあげることができる。骨材としては、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、螢石、寒水石、長石等の粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ等やそれらの表面を着色コーテイングしたもの等を使用することができる。湿潤剤は、水に可溶の液体で、沸点80℃以上で、蒸気圧が100mmHg以下である液体が用いられ、水性塗料組成物に対して0.5〜10質量%程度加えることが適切である。湿潤剤としては、多価アルコール、グリコールエーテル類が用いられ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコ−ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、カルビトール、ブチルカルビトール、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノール等であり、1種又は2種以上が用いられる。
本発明の水性塗料組成物における固形分含有量は、2〜40質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
[塗布膜形成]
本発明の水性塗料組成物を用いて塗布膜形成を行った後、塗布膜に特定の処理を行うことにより、耐水性などの耐候性を一層向上させることができる。例えば、酸性溶液又は酸性溶液ミストによる塗布膜面の処理やコロナ放電処理、その他塗布膜表面から塗布膜層を酸性化させる処理等が有効な処理手段となる。
さらに、前記アルカリ水性媒体の調整時、アルカリとしてその全部又は一部を沸点が40℃〜150℃以下のアルカリ(pH調整剤)を用い、塗布膜乾燥時に加熱処理を行って、前期pH調整剤を揮発せしめる処理も有効な手段である。この処理により塗布膜の耐候性が向上する他、pH調整剤が塗布膜に悪影響を与える場合、この悪影響を除くことができる。前記pH調整剤は、アンモニウム系化合物、第4級アンモニウム化合物及びアミン系化合物等である。
沸点が40℃よりも低いものは水性塗料組成物から常温においても揮発する可能性が高く、水性塗料組成物のpH安定性が損なわれることがあり、また沸点が150℃よりも高いものは、加熱処理においても塗布膜から取り除くことができず、加熱処理温度を高くすると加熱手段が複雑になったり、塗布膜の品質が保持できなくなる。
前記のpH調整剤は、水性塗料組成物中の濃度が、100mmモル/Kgから20モル/Kgの範囲、好ましくは、0.11モル/Kgから10モル/Kgの範囲、より好ましくは、0.66モル/Kgから5モル/Kgの範囲が適切である。
前記のごとき処理により得られる効果は、本発明において用いる共重合体の構成単位に基づく特有な効果である。すなわち、酸性基を有する共重合体は、液のpHを高いところから低いところへ変化させることにより、良溶媒状態(均一透明溶液)から白濁状態(溶解から沈降に至る過渡状態)を経て上澄みを生じる沈殿(2相分離)に至るが、本発明の共重合体は酸性基の他特定の構成単位を有するため、前記白濁液を生ずるpH領域が狭く、良溶解状態から沈殿析出への移行が急峻である。そのため、前記のごとき処理(塗布膜表面への酸性ミストの適用、揮発性pH調整剤の加熱揮散など)を行うと、わずかなpHの低下によっても共重合体の溶解性が劇的に減少し、耐水性などの塗布膜の耐候性が向上する。
共重合体の溶解状態から上澄みを生じる沈殿の現象が、pH変化量が2.5以内、好ましくは1.0以内に生ずると、前記のごとき処理を行うことにより耐水性が良好となる。
前記共重合体のpH特性は、電気化学的現象解析法である「EQCM法」により評価することができる。EQCM測定装置は、容器の中にpH特性を測定すべき共重合体溶液を収納し、溶液中にセンサー(水晶振動子と作用電極を有する)、対抗電極及び参照電極を置き、これらを電圧印加装置に連結したもので、対向電極と作用電極の間にかける印加電圧を変化させて、作用電極上への共重合体の付着量の変化を調べるものである。
良溶解状態から上澄みを生じる沈殿の現象が、共重合体溶液のpH変化量が小さくても生ずることに加え、一旦沈殿した共重合体が、pHの上昇にもかかわらずその沈殿状態を維持すること、すなわち、ヒステリシス特性を示すことが好ましい。この特性を示すものは、前期EQCM法による印加電圧―共重合体付着量の変化において、わずかに水素イオン濃度を高くした場合でも急峻に共重合体膜の析出(例えば+1.8Vの陽極電極上)が生じ、液の水素イオン濃度をこれより低くした場合(例えば+1.0Vから+0.2Vへ電圧低下させた場合)や、更にpHが変化して高い水酸イオン濃度域(例えば−0.5Vから−1.5Vへ上昇させた場合)になった場合でも、陽極電極上に析出した共重合体膜が溶解することなく維持される。
本発明において用いる共重合体は前記のごとき構成単位を有するため、ヒステリシス特性を示し、この特性は、塗布膜の耐水性に大きく寄与する。さらに前記耐水性の他、塗布膜の凝集力が向上し耐候性が向上する。
本発明の共重合体の酸性基がカルボキシル基の場合、このヒステリシス特性への寄与が大きい。
また、このようなヒステリシス特性を有する共重合体を含む水性塗料組成物のpHが、その溶解状態から上澄みを発生して沈殿を生ずるpH点(白濁開始pH点)から、好ましくは、0.5から5.0高いpH領域、より好ましくは、1.0から3.0高いpH領域にあると、塗布膜の水性媒体に対する耐性が発現し、塗布膜の凝集力が高まり耐候性が向上する。
また、カルボキシル基を有する共重合体の場合、70℃以上、より好ましくは150℃以上でコルベ反応を起こしたり、共重合体内部で架橋反応を起こしたりしてカルボキシル基の数が減少するので、水への共重合体の溶解度が大きく低下する現象がある。この現象を利用して、塗布膜形成の後、塗布膜を50℃から250℃、好ましくは、70℃から210℃の温度範囲で加熱処理することにより、効率良く塗布膜の耐水性を改善することができる。
本発明の水性塗料組成物は、主に、建築物、土木構築物等の表面仕上げ材あるいは自動車用ベースコートとして好適に用いることができ、これらの表面に低粘着性の塗布膜を形成させることができる。適用可能な基材としては、例えば、木材、壁紙、プラスチック、金属、ガラス、コンクリート、モルタル、磁器タイル等があげられる。本発明の水性塗料組成物は、基材に直接塗布することもできるし、何らかの表面処理(シーラー、サーフエーサー、フイラー等による下地処理等)を施した上に塗布することも可能であり、このような処理方法は基材の状態等に応じて適宜選択することができる。塗布方法としては、ハケ塗り、スプレー塗装、ローラー塗装、ロールコーター、浸漬塗り、フローコーター等種々の公知の方法により塗装することができる。
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
共重合体(スチレン―アクリル酸―アクリル酸ヘキシルのランダム三元共重合体:重量平均分子量19,000、質量組成比36/18/46、酸価120、ガラス転移点55℃、流動開始点90℃、分解点237℃、析出開始点pH5.8)200g、蒸留水750g及び水酸化カリウム21gを徐々に混合しながら溶解を行い、得られた溶液を89℃に加熱しながら、5時間30分スリーワンモータープロペラ撹拌機を用いて溶解兼コロイド溶液の作成を行った。そして、最終的に液の濃度調整を蒸留水で行い、固形分濃度が20質量%のコロイド水溶液(平均コロイド径52nm、pH8.1)を調整した。
このコロイド水溶液と銅フタロシアニン青色超微粒子顔料(一次平均粒子径32nm)を固形分比率(質量)で4対6に混合し、強制加圧型顔料分散装置を用いて分散させ水性塗料組成物を得た。分散顔料粒子径をレーザー散乱微粒子径測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径76nmであった。得られた水性塗料組成物について以下に述べるような評価を行った。
<造膜性評価>
フィルムアプリケーターを用いて、水性塗料組成物をPETフィルム上にウェット膜厚が150μmになるように塗布し、これを−15℃〜25℃の温度勾配を持つ金属板上に載せ、最低造膜温度を測定した。
<表面粘着性評価>
フィルムアプリケーターを用いて、2枚のガラス板上に水性塗料組成物をウェット膜厚が200μmになようにそれぞれ塗布し、1枚は25℃で、他の1枚は60℃の恒温オーブン乾燥機でそれぞれ48時間乾燥したた。このガラス板を室温にて水平に置き黒色珪砂を塗布膜表面にまばらに出来るだけ均一に散布した後、ガラス板を垂直に立てて黒色珪砂を自然落下させた。表面粘着性は、目視観察により、このときの黒色珪砂が殆ど残存しない場合を10、散布した黒色珪砂が殆ど全て残存している場合を1とし、10段階評価にて行った。評価にあたっては、この10段階の限度見本を予め作成しておき、これと比較して評価を行った。
<耐水性評価>
フィルムアプリケーターを用いて、ガラス板上に水性塗料組成物をウェット膜厚が200μmになように塗布し、25℃での室温乾燥及び恒温オーブン乾燥機中での60℃乾燥の2段階乾燥(全48時間)を行った。このガラス板をpH6.5の水に48時間浸漬した後、塗布膜の状態を目視にて評価した。評価は、膨れ・剥れがみられない場合を5、膨れ・剥れが見られる場合を1とし、5段階評価で行った。
<貯蔵安定性評価>
水性塗料組成物を40℃の恒温水槽で20日間貯蔵した後の粘度(E型粘度計)を、初期の粘度に対する変化率(%)で評価し、±15%未満を○、±15%以上を×として評価した。
結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で用いた共重合体を200g、蒸留水750g及び水酸化カリウム21gを徐々に混合しながら溶解を行い、得られた溶液を65℃に加熱しながら、5時間スリーワンモータープロペラ撹拌機を用いて溶解兼コロイド溶液の作成を行った。そして最終的に液の濃度調整を蒸留水で行い、固形分濃度20質量%のコロイド水溶液(平均コロイド径360nm、pH7.9)を調整した。得られたコロイド水溶液は、巨大ミセル会合体(500nm近辺)の存在に基づく乳白色を呈していた。
このコロイド水溶液と銅フタロシアニン青色超微粒子顔料を固形分比率(質量)で4対6に混合し、強制加圧型顔料分散装置を用いて分散させ水性塗料組成物を得た。分散顔料粒子径をレーザー散乱微粒子径測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径は450nmであった。得られた水性塗料組成物について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、水酸化カリウム21gを40gに変更する他は、実施例1と同様にして共重合体溶液を調製したところ、透明な液が得られたが、ミセル会合体は得られなかった。共重合体溶液に顔料を実施例1と同様にして分散させ水性塗料組成物を得た。得られた水性塗料組成物について評価した結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において共重合体として、(スチレン―アクリル酸―アクリル酸ヘキシルのランダム三元共重合体:重量平均分子量20,000、質量組成比30/25/45、酸価190、ガラス転移点80℃、流動開始点125℃、分解点221℃、析出開始点pH4.8)を用い、液撹拌温度を85℃にする他は、実施例1と同様にして水性塗料組成物を得た。前記の水性塗料組成物の調製過程(高分子ミセル形成工程)で得た共重合体溶液は透明液体であり、粒子測定から完全溶解状態となっており、良好な高分子ミセルは形成されていなかった。得られた水性塗料組成物について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、共重合体として、スチレンーアクリル酸のランダム二元共重合体(重量平均分子量18,000、質量組成比50/50、酸価260、ガラス転移点155℃、流動開始点175℃、分解点210℃、析出開始点pH4.1)を用いる他は、実施例1と同様にして水性塗料組成物を得た。前記水性塗料組成物の調製過程(高分子ミセル形成工程)で得た共重合体溶液は透明であり、光散乱測定法で調べたところ高分子ミセル会合体は検出されず、完全溶解状態となっており、良好な高分子ミセルは形成されていなかった。得られた水性塗料組成物について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例2
共重合体(α―メチルスチレン―アクリル酸―アクリル酸ブチルのブロック共重合体:重量平均分子量9,000、質量組成比30/15/50、酸価108、ガラス転移点39℃、流動開始点76℃、分解点209℃、析出開始点pH6.2)450g、蒸留水1000g及び水酸化テトラメチルアンモニウム(25質量%水溶液)200gを混合しながら溶解を行い、得られた溶液を90℃に加熱しながら、4時間スリーワンモータープロペラ撹拌機を用いて溶解兼コロイド溶液調製を行った。そして最終的に液の濃度調整を行い、固形分濃度40質量%コロイド水溶液(平均コロイド径80nm、pH8.2)を調整した。
その後、このコロイド溶液と銅フタロシアニン系青色超微粒子顔料とを、固形分比率(質量)が5対5になるように混合し、液の温度が78℃になるように加熱した状態で、高強度ロールミル分散装置を用いて混合分散させて、顔料を含む水性塗料ベースにした。この水性塗料ベースを希釈し、水性塗料組成物を得た。分散顔料粒子径をレーザー散乱微粒子径測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径92nmであった。得られた水性塗料組成物について評価した結果を表1に示す。
実施例3
共重合体(α―メチルスチレン―アクリル酸―メタアクリル酸ブチルのブロック共重合体:重量平均分子量17,000、質量組成比36/14/50、酸価111、ガラス転移点75℃、流動開始点104℃、分解点235℃、析出開始点pH6.2)400g、水酸化カリウム11g及び蒸留水1700gを混合しながら溶解し、得られた溶液を90℃に加熱しながら、6時間高強度の強制撹拌をスリーワンモータープロペラ撹拌機を用いて行い、溶解兼コロイド溶液の調製を行った。そして最終的に液の濃度調整を行い、固形分濃度20質量%のコロイド水溶液(平均コロイド径32nm、pH8.1)を得た。次に、このコロイド溶液とアゾ系赤色超微粒子顔料を固形分比率(質量)8対2で混合し、高強度サンドミル分散装置を用いて顔料を含む水性塗料組成物を調製した。この水性塗料組成物の分散顔料粒子径をレーザー散乱微粒子径測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径46nmであった。得られた水性塗料組成物について評価した結果を表1に示す。
実施例4
共重合体(α―メチルスチレン―メタアクリル酸―アクリル酸エチルのランダム共重合体:重量平均分子量20,000、質量組成比31/15/54、酸価121、ガラス転移点75℃、流動開始点104℃、分解点245℃、析出開始点pH6.2)400g、蒸留水1000g及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド200gを混合しながら溶解し、得られた溶液を90℃に加熱しながら、3時間高強度の強制撹拌をスリーワンモータープロペラ撹拌機と超音波振動機も併用して行い、溶解兼コロイド溶液の調製を行った。そして最終的に液の濃度調整を行い、固形分濃度27質量%のコロイド水溶液(平均コロイド径68nm、pH8.1)を調製した。次にこのコロイド水溶液とカーボンブラック黒色超微粒子顔料とを固形分比率(質量)で4対6で混合し、高強度ロールミル分散装置を用いて、顔料を含む水性塗料組成物を作成した。この水性塗料組成物の分散顔料粒子径をレーザー散乱微粒子径測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径76nmであった。得られた水性塗料組成物について評価した結果を表1に示す
本発明による単独ミセル会合体の形態を示す走査型プローブ顕微鏡の画像である。 本発明による単独ミセル会合体を示すクライオSEM顕微鏡の画像であり、(A)は高分子濃度0.1質量%の、(B)は高分子濃度5質量%のものを示す。 本発明によるミセル会合体の粒子サイズ分布、及び粒子サイズ分布に及ぼす超音波照射の影響を示すグラフである。 本発明によるミセル会合体内部における微小部分の粒子サイズ分布を示すグラフである。 本発明による単独ミセル会合体の構造を示す模式図である。 本発明によるミセル会合体が顔料超微粒子(酸化チタン)を内包している状態を示すクライオTEMの画像である。

Claims (17)

  1. 少なくとも、1)アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーの1種以上、イオン解離する酸性基を含有するモノマーの1種以上、及びα、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルの1種以上からの各構成単位を含む共重合体のアルカリ中和物、2)顔料、及び3)水性媒体を少なくとも含む水性塗料組成物であって、前記水性塗料組成物において前記共重合体のアルカリ中和物はミセル会合体を形成し、該ミセル会合体の平均径が10nm〜300nmであることを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 前記共重合体の酸価が60〜160であることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. 前記共重合体の数平均分子量が6,000〜30,000であることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  4. 前記共重合体の、アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーからの構成単位が15〜55質量%であり、イオン解離する酸性基を含有するモノマーからの構成単位が9〜28質量%であり、α、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルからの構成単位が20〜75質量%であることを特徴とする水性塗料組成物。
  5. 前記顔料の一次粒子の数平均粒径が2〜200nmであることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  6. 前記共重合体の含有量が0.1〜35質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  7. 前記顔料の含有量が1〜35質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  8. 前記水性塗料組成物の固形分含有量が2〜40質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  9. 前記ミセル会合体が水性媒体を内包することを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  10. 前記共重合体として、共重合体水溶液のpHを変化させた場合、pH変化量が2.5以内において、共重合体が溶解又はコロイド状態から上澄みを生じて沈殿する共重合体を用いることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  11. 前記水性塗料組成物のpHを、共重合体が溶解状態から上澄みを発生して沈殿を生じるpHから、0.5〜5.0高いpH領域に調節することを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  12. 沸点が40℃〜150℃のpH調節剤によりpH調節を行うことを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  13. 前記pH調節剤の添加量が100ミリモル/Kg〜20モル/Kgであることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  14. アルケン、スチレン及びその誘導体ならびにビニルナフタレン及びその誘導体から選ばれるモノマーの1種以上、イオン解離する酸性基を含有するモノマーの1種以上、及びα、β―エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルの1種以上からの各構成単位を含む共重合体、アルカリ及び水性媒体を含む液を、前記共重合体のガラス転移点よりも15℃以上高い温度に保持しながら撹拌して、共重合体アルカリ中和物のミセル会合体を作製する工程、前記ミセル会合体を含む液に顔料微粒子を添加分散させる工程、を少なくとも有する水性塗料組成物の製造方法。
  15. 前記ミセル会合体作製工程において、アルカリの量が、共重合体の全酸基を中和する量(当量)より2当量%から30当量%少ない量であることを特徴とする請求項14に記載の水性塗料組成物の製造方法。
  16. 前記ミセル会合体作製工程において、共重合体としてガラス転移点が10℃から120℃の範囲のものを用い、液の前記保持温度を前記ガラス転移点より20℃から50℃高い温度とし、かつ超音波振動により液を撹拌することを特徴とする請求項14に記載の水性塗料組成物の製造方法。
  17. 請求項1に記載の水性塗料組成物を用いて固体表面の上に塗布膜を形成した後、固体表面の塗布膜面に、50℃〜250℃の温度での加熱処理を行う塗布膜形成方法。
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