JP2005342964A - ネットワークプリントシステム、印刷装置及び印刷ジョブ管理装置 - Google Patents

ネットワークプリントシステム、印刷装置及び印刷ジョブ管理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 印刷装置が存在する所定範囲内に、印刷ジョブの発行指示した利用者がいる場合に限って印刷が行われることになり、高いセキュリティを確保する。
【解決手段】 入退室する際にICカードをカードリーダ7a,7bのいずれかで読取ることでドア8の解錠を行う。このとき、カードリーダ7a又は7bで読取られたユーザIDは入退室管理装置100に転送され、ここで各ユーザの所在位置を管理する。クライアント端末1乃至4のいずれかからユーザID付き印刷ジョブが発行されると、ネットワークプリンタ5にスプールされる。そして、印刷段階になったとき、その印刷対象の印刷ジョブに含まれるユーザIDを入退室管理装置に通知することで、部屋11内に該当するユーザが存在するか否かの判定を行わせ、その結果をネットワークプリンタ1005が受信し、印刷可否を判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ネットワークに接続されたクライアント端末から、ネットワーク上にあるプリンタを介して印刷出力を行なう技術に関するものである。
従来より、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)に接続したクライアント端末から、ネットワークに直接接続されたプリンタに印刷データを送信して、印刷を行わせることが広く行なわれている。
このようなネットワークプリントシステムにおいて、セキュリティを強化するため(盗聴を防ぐため)、印刷ジョブ要求をクライアント端末側で暗号化した上でネットワーク上のプリンタに送信し、プリンタは、受信したプリンタ側では暗号化印刷データを復号した後に印刷を実行するネットワークプリントシステムが知られている(特許文献1)。
また、機密度の高い電子データに対してユーザの印刷権限を付与して暗号化データ(PDFデータ)を作成し、電子データを閲覧時の当該ユーザの印刷を制限することを可能とした電子文書配布システム、また、電子データをプリントする際に、地紋パターンや隠し文字を同時にプリントし、印刷物を複写するとそのパターンや文字が浮かび上がるようにすることで、コピー行為に対する牽制・防止やコピー文書の追跡を実現するようなプリントシステムがある。さらに最近では、印刷ジョブ終了時にプリンタ内のハードディスク内の印刷データを自動消去することで、ハードディスクからのデータ盗難を防止することが可能なセキュリティを強化したプリントシステムも開発されてきている。
また、クライアント装置上で指紋を入力した上で印刷データをネットワークプリンタに送信し、ネットワークプリンタでも指紋を入力してはじめて印刷する提案もある(特許文献2)。
特開平10−301727号公報 特開2000−17248公報
ネットワークプリントシステムでは、複数のプリンタを設置することも可能であるが、プリンタの数はクライアント端末の数より一般に少ない。つまり、1つのプリンタは複数のクライアント端末で共有されることになる。従って、クライアント端末から送信された印刷ジョブ要求はまずプリントサーバのスプール(データの一時的な貯蔵庫)に蓄積され、蓄積順に印刷処理される。なお、プリントサーバは、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で実現する場合もあれば、スプール用の大容量の記憶装置を内蔵したプリンタがプリントサーバの機能を有するものがある。
いずれにしても、印刷ジョブは、プリントサーバに蓄積された後、順にプリントされるものであるから、スプールされた印刷ジョブが少ない場合には、自分の送信した印刷ジョブ要求が短時間で印刷されることになる。その一方で、多くのクライアント端末から印刷ジョブを発行している状況においては、自分の送信した印刷ジョブ要求が直ちに処理されるとは限らないが、ユーザは如何なる状況にあるのかは一般にはわからない。したがって、通常は、印刷ジョブを発行した際にも、十分な時間が経過してから、印刷物を取りにそのプリンタの設置位置に足を運ぶことになる。
この結果、往々にして、印刷済みのプリント用紙がプリンタの排紙トレイ上に長時間放置されることが有り得るし、印刷結果を取りに行くことを忘れがちになり、第3者による盗難や取り間違いなどによる紛失の危険性が増加するという問題があった。
また、当該従来のネットワークプリントシステムでは、印刷ジョブの印刷が終了した際に、その印刷ジョブ要求を送信したクライアント端末のディスプレイ上にその旨を知らせるためのメッセージを表示するものがあるが、これは印刷ジョブの送信者がクライアント端末の近くにいることを前提にしたものであり、送信者がクライアント端末から離れている場合には、同様の問題を有することに変わりはない。
また、特許文献2によると、指紋照合がなされた場合に印刷が行えるので、セキュリティは確保されるものの、印刷しようとするプリンタが複数のクライアント端末で共有されている場合には、自身が依頼した印刷物が出力されるまでに多くの時間が必要である。
本発明はかかる問題点に鑑みなされたものであり、操作性が簡便で高いセキュリティを保って印刷を行う技術を提供しようとするものである。更に、高いセキュリティでの印刷とそうでない印刷とを印刷装置にて適宜選択し得る技術を提供する。さらにまた。複数のプリンタが存在する場合において、利用者が望むプリンタにて印刷することを可能にする技術、更には、その際に印刷結果を得るまでに待ち時間の少ないようにする技術も提供する。
この課題を解決するため、例えば本発明の1つの技術によるネットワークプリントシステムは以下の構成を備える。すなわち、
ネットワークに接続された印刷装置、該印刷装置に印刷データを送信するクライアント端末を有するネットワークプリントシステムであって、
クライアント端末にて印刷データの発行指示した利用者の位置情報を記憶管理する位置記憶手段と、
該位置記憶手段を参照して、印刷データの発行指示した利用者の位置情報が、印刷データを受信して印刷する印刷装置の設置位置から所定の範囲内にあるか否かを判定する位置判定手段と、
該位置判定手段で、前記所定の範囲内に前記利用者の位置情報があると判定した場合にかぎって前記印刷装置による印刷を許可する印刷制御手段とを備える。
本発明によると、印刷装置が存在する所定範囲内に、印刷ジョブの発行指示した利用者がいる場合に限って印刷が行われることになり、高いセキュリティを確保することが可能になる。
また、もう1つの発明によれば、例え複数のクライアントから印刷ジョブが発行されている状況において印刷ジョブを発行した場合でも、他人に印刷物が見られたくない等のセキュリティを確保したいという要望があれば、印刷出力先のプリンタにて、自身を特定する情報を入力するだけで、キューの優先順位の上位に移動させ、印刷結果をすばやく入手することが可能となる。
また、更なる発明によれば、ネットワーク上に複数のプリンタが設置されている場合において、印刷ジョブを発行したのち、都合の良いプリンタにて自身を特定する利用者識別情報を入力するだけで、そのプリンタで印刷を行わせることが可能となる。従って、印刷待ち状態にあるプリンタにて、利用者識別情報を入力すれば、目の前で直ちに印刷が行われることになり、印刷物の盗み見や盗難といった問題を抑制することもできる。
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は実施形態におけるネットワークプリントシステムの構成を示している。
図示において、11、12、13…は各特定領域を示す部屋を示している。各部屋には、印刷データを作成するパーソナルコンピュータ等のクライアント端末1乃至4と、ネットワークに対応したプリンタ装置であるネットワークプリンタ5と、ロック装置6と、これらを接続するネットワーク10を備える。そして、入退室管理装置(入退室管理サーバ)100が各部屋11、12、13…のネットワークに接続されている。
入退室管理装置100には、図11(a)に示すように、各ユーザのID毎に、入室許可する部屋情報(部屋ID)、並びに、現在位置を示す情報を1レコードとするユーザ位置情報テーブル701と、図11(b)に示すように、各部屋に設置されているネットワークプリンタIDテーブル702(1つの部屋に複数のネットワークプリンタが存在すれば、それらのIDを適当なデリミタ(区別子)で区切って格納する)と、図11(c)に示すように、各部屋に設置されたロック装置IDテーブル703とを備える。なお、ネットワークプリンタやロック装置のIDは、それぞれの装置が有するMAC(Media Access Control)アドレスを、それぞれのIDとして管理するものとするが、ネットワーク上にユニークになっていれば良いので、IPアドレス、もしくはネットワーク上での名前でも構わない。
ロック装置6は、ドア8の解錠/施錠を行うドアロック9、並びに、ドア8近傍の室内/室外に設けられたカードリーダ7a,7bとを備える。
利用者が入室する場合には、室外のカードリーダ7aで、利用者自身が有するICカードを読み取らせる。また、退室する場合には、室内のカードリーダ7bでICカードを読取らせることになる。カードリーダ7a,7bによるICカードを読取ると、読取ったユーザID情報とカードリーダ7a、7bのいずれで読取ったのかを示す情報を入退室管理装置100に送信する。
入退室管理装置100は、この情報を受信すると、いずれの部屋のロック装置から受信したのかを、ロック装置IDテーブル703より調べて、部屋IDを特定する。
そして、受信したユーザIDがその部屋IDで特定される部屋への入室が許可されているか否かを、ユーザ位置情報テーブル701を参照して判断し、許可されている場合にはドアロックの解錠許可情報を送信元のロック装置6に送信することで、ドアロックを解錠する。このとき、室外のカードリーダ7aでICカードを読取っている場合、そのユーザIDで示される人間が、その部屋に入室したと判断してよいから、ユーザ位置情報テーブル701の「現在位置」フィールドを、入室した部屋IDで更新する。また、室内のカードリーダ7bで読取った場合には、退室を意味するから、「現在位置」フィールドを「不明」として更新する。
なお、入室が許可されていない部屋のカードリーダでICカードを読取った場合、ロック装置6は解錠許可情報を受信しない(もしくは、施錠維持情報を受信する)ので、入退室はできない。
さて、クライアント端末1乃至4は、このような印刷データの作成及び各種データの送受信を行うために、図2に示すような構成となっている。なお、4台のクライアント装置は同じ構成の装置であり、クライアント装置2乃至4ついては説明を省略する。
クライアント装置1は、同図に示すように、装置全体の制御を司るCPU202と、クライアント装置1における処理に必要なデータを入力するための入力部(キーボードやポインティングデバイス等)203と、通信部(ネットワークインタフェース)204と、ブートプログラム及びBIOS等を記憶するROM205と、CPU202のワークエリアとして使用されるRAM206と、CPU202の制御下で内蔵されたビデオメモリへの描画処理を行うと共にビデオ信号としてCRT装置や液晶表示器等の表示手段に出力する表示制御部207と、これらの各構成要素を接続するバス208と、処理に必要な情報ファイルやプログラムファイル(OS、文書編集等のアプリケーションプログラムを含む)を格納するためのハードディスク等のファイル装置209を備えている。通信部204は、クライアント装置1から出力するデータ及びクライアント装置1に入力するデータに対してプロトコルの変換等を行い、ネットワーク9を経由したクライアント装置1によるデータの送受信を可能としている。
上記構成において、装置に電源が投入されると、CPU202はROM205のブートプログラムにしたがってファイル装置209からOSをRAM206に読み込み、各種アプリケーションを同様にRAM206に読み込んでは、編集処理や印刷処理を行うクライアント端末として機能することになる。
次に、ネットワークプリンタ5の構成を図3を用いて説明する。
図3に示すように、ネットワークプリンタ5は、装置全体の制御を司るCPU212と、印刷ジョブを蓄積するためのハードディスク等の比較的大容量の記憶装置、並びにそのジョブを管理するスプーラ213、通信部(ネットワークインタフェース)214と、本装置がネットワークプリンタとして機能する処理プログラムやフォントデータを格納するROM215と、ワークエリア、バッファ、印刷イメージ展開用に使用するRAM216と、出力エンジン217と、排紙部218と、表示部や各種入力スイッチで構成される操作パネルとして機能する入力部220、及びこれらを接続するバス219で構成される。
通信部214は、ネットワークプリンタ5から出力するデータ及びネットワークプリンタ5に入力するデータに対してプロトコルの変換等を行い、ネットワーク9を経由してクライアント装置1、2、3、4とのデータ通信を可能としている。
出力エンジン217は、インクジェット方式あるいはレーザービーム方式等の印刷部を備えており、CPU212の制御により、印刷出力処理を行うが、印刷方式によって本発明が限定されるものではない。排紙部218は、出力エンジン217が印刷出力したプリント用紙(印刷物)を不図示の排紙トレイ上に排紙する処理を行なう。
次に、入退室管理装置100の構成を図4を用いて説明する。
図4に示すように、入退室管理装置100は、CPU221、位置情報記憶部222、通信部(ネットワークインタフェース)223と、入退室制御プログラムを格納するROM224と、CPU221のワークエリアとして使用するRAM225で構成される。位置情報記憶部222には、図5(a)乃至(c)に示すテーブルが格納されている。また、この位置情報記憶部222は、企業での利用を想定すると、多数のユーザ、プリンタ、部屋を記憶管理する必要があるので、大容量の記憶装置(例えばハードディスク)で構成されるものである。なお、この入退室管理装置100は、クライアント端末1等と同様、パーソナルコンピュータ等の汎用情報処理装置で構築されるものとする。すなわち、入退室管理処理は、プログラムによって実現するものとする。
次に、ロック装置6の構成を図5を用いて説明する。
図5に示すように、ロック装置6は、装置の制御を司るCPU231、ドアの施錠/解錠、カードリーダ7a,7bによるICカード読取り、並びに、ネットワークとの通信に関する処理プログラムを記憶するROM232、CPU231のワークエリアとして使用されるRAM233、ネットワークに接続するための通信部(ネットワークインタフェース)234と、ドアロック、カードリーダ7a,7bとを備える。なお、実施形態では、カードリーダ7a,7bは無線によりICカードに記憶されたユーザIDを読取るものとするが、磁気記録面を有するカードでも良いし、その読取りに関する構成は如何なるものでも構わない。
以上、実施形態におけるネットワークプリントシステムにおける各構成要素について説明した。次に、各装置の処理内容を順に説明する。
先ず、ロック装置6(図5)の処理を図7のフローチャートに従って説明する。なお、他の部屋に設置されたロック装置も同様である。
ステップS1では、CPU231はカードリーダ7a,7bからのICカードの読取りを待つ。読取りが行われると、ステップS2に進み、読取って得られたユーザIDと、カードリーダ7a,7bのいずれで読取ったのかを示す情報を、入退室管理装置100宛に送信する。この結果、入退室管理装置100からはドア8のロックを解錠許可/不許可情報が送信されてくるので、ステップS3にて、解除許可を受信したと判断した場合には、ロック9を所定時間解錠し、その所定時間解除したのち、施錠を行う。なお、ドア8は自動ドアであれば、ドア8を所定時間開ける処理を行う。
次に、実施形態におけるクライアント端末1(図2)での処理を図8のフローチャートに従って説明する。クライアント端末2乃至4についても同様であるし、他の部屋におけるクライアント端末(不図示)についても同様である。
利用者がクライアント端末1にログインすると、先ず、CPU202はRAM206上でID登録プログラムを実行することで、表示部207上にICカードのIDの登録画面(不図示)を表示する。当該利用者がその画面を見ながら入力部203を介して自分のICカードのID番号(ユーザID)を入力すると、CPU202はそのID番号のデータをファイル装置209内のファイルへ出力する(ステップS11)。なお、ユーザIDはキーボードではなく、カードリーダでも構わない。
次に、ステップS12に進み、CPU202は、ファイル装置209内の利用者のユーザIDを含んだファイルから、当該ユーザIDデータをRAM206上へ読み込む。
次いで、ステップS13にて、各種アプリケーションを実行して、利用者による印刷指示が入力部203より与えられると、CPU202はネットワークプリンタが処理可能な印刷データ(ページ記述言語等)をRAM206上で作成する。
そして、ステップS14において、CPU202はRAM206上の印刷データにユーザIDを付加(例えば、印刷データのヘッダに挿入する等)して印刷ジョブ要求データ(図6の符号602のように印刷データと送信者のICカードのID番号から構成されるデータ)を作成し、通信部204を介してネットワークプリンタ5へ送信する。
次に、実施形態におけるネットワークプリンタ5の処理を図9のフローチャートに従って説明する。
ネットワークプリンタ5のCPU212は、ROM215にしたがって印刷データを受信及び印刷処理が実行することで、プリントサービスが稼動状態にあるとする。図9は、実施形態におけるネットワークプリンタ5の処理を示すフローチャートである。
先ず、ネットワークプリンタ5の印刷ジョブ受信処理を図9(a)のフローチャートに従って説明する。
ステップS21において通信部214を介して印刷ジョブの受信を待つ。印刷ジョブを受信を検出した場合には、ステップS22に進み、受信した印刷ジョブを、スプーラ213に受信順に格納する。この際、受信した印刷ジョブの印刷しようとするページインデックスを“1”、すなわち、その印刷ジョブの印刷すべき対象を先頭ページに設定する。このページインデックスは、その印刷ジョブの印刷すべきページ位置を特定するものであり、ユーザがアプリケーションより指定したページ番号とは無関係である。例えばユーザは文書編集アプリケーションプログラムを実行中に、文書のページ5〜10を印刷する等の指示を行うことがあるが、ページインデックスが“1”である場合には、ユーザの指定したページ5を印刷することを意味することになる。
以上の結果、スプーラ213には、印刷ジョブを受信すると、受信順に、各印刷ジョブが格納されていくことになる。図6はこの状態を示している。図示のように、印刷ジョブを受信すると、最後尾にその印刷ジョブを設定する。各印刷ジョブは、図示の印刷ジョブ603に示すように、印刷データ、送信者のユーザID、印刷対象のページインデックスで構成されることになる。
次に、実施形態のネットワークプリンタ5のメイン処理を図9(b)のフローチャートに従って説明する。
先ず、ステップS31において、スプーラ213に格納された印刷ジョブの待ち行列(一般にキューと呼ばれる)に、未完(未処理も含む)の印刷ジョブが存在するかを判断する。
印刷ジョブが存在すると判断した場合には、ステップS32において、キューの先頭から印刷ジョブの1つを選択する。以下の説明から明らかになるが、選択した印刷ジョブが印刷できる状況にない場合には、次の印刷ジョブを選択することになる。そして、キューの最後の印刷ジョブを選択した次は、先頭の印刷ジョブを選択することを繰り返す。
さて、先に説明したように、印刷ジョブにはその印刷ジョブを発行させたユーザIDが格納されている。そこで、ステップS33では、そのユーザIDを持つユーザの現在位置を、入退室管理装置100に問い合わせる。この結果、入退室管理システム6は、要求元のプリンタ5の設置されている部屋番号と、問い合わせされたユーザIDの現在の位置情報との比較し、その比較結果、すなわち、該当するユーザがプリンタ5が設置されている部屋8内に存在する/しないの情報(印刷許可/不許可情報)を返答することになる。
ステップS34では、この返答結果に基づいて、注目印刷ジョブの発行したユーザが室内に存在するか否か、すなわち、印刷許可情報を受信したか否かを判定する。そのユーザが室内に入る(印刷許可受信)と判定した場合には、ステップS35に進んで、注目印刷ジョブの最終ページが印刷されたか否かを判断する。未完であると判断した場合には、ステップS36に進んで、印刷ジョブ中のページインデックスで示されるページの印刷処理を行い、ステップS37でページインデックスの“1”だけ増加更新し、ステップS33に戻る。
こうして、次のページを印刷する際には、再び、入退室管理システム6にユーザの位置要求を行うことになり、印刷ジョブの発行させたユーザが、部屋8内に存在さる限りは、順次ページを印刷していくことになる。そして、注目印刷ジョブの全ページの印刷処理が完了したと判断した場合には、ステップS35の判断がYesとなり、ステップS38にて、注目印刷ジョブをスプーラ213から削除し、次の印刷ジョブの選択を行うべくステップS31に戻ることになる。なお、スプーラ213から或る印刷ジョブを削除すると、キューからもその印刷ジョブが削除されることになり、それ以降に存在する印刷ジョブは1つ繰り上がることになる。
ところで、或る印刷ジョブの各ページを印刷している最中に、その印刷ジョブを発行させたユーザが部屋8から退室してしまうことが起こり得る。また、ステップS32で選択した印刷ジョブを開始する際に、そのジョブを発行したユーザが既に退室していることも有り得る。このような場合には、ステップS34の判断がNoとなり、処理はステップS39に進む。ここでは、注目印刷ジョブについて印刷中であったか否かを判断する。
印刷中であると判断した場合には、ステップS40において、その印刷ジョブを一時的に停止し、ステップS41にて、次に印刷すべきページ位置を示すページインデックスををその印刷ジョブに関連づけて保存する。この結果、或る印刷ジョブを印刷している最中に、その印刷ジョブを発行させたユーザが退室した場合には、それ以降のページの印刷処理は中断し、スプーラ213には残存したままとなる。
注目印刷ジョブが印刷中ではないと判断した場合には、その時点でのページインデックスを変更する必要はないから、ステップS40、S41の処理はスキップする。
いずれにしても、処理はステップS31に戻り、次の印刷ジョブの選択を行うようになる。
上記の処理によると、ネットワークプリンタ5が印刷処理している最中、或いは、印刷を開始する以前にその印刷ジョブを発行したユーザが退室すると、その印刷ジョブは中断状態もしくは保留状態になる。しかし、その印刷ジョブはキューに残ったままであるので、ステップS33、S34の処理は繰り返されることになる。よって、再び、ユーザが入室し、ステップS32にてそのユーザが発行した印刷ジョブを選択した場合には、ステップS14の判断がYesとなり、その際のページインデックスで示されるページから印刷が開始(もしくは再開)することになる。要するに、本実施形態によれば、印刷ジョブの印刷処理を行うのは、その印刷ジョブの発行を指示したユーザが、プリンタ5を含む特定領域(実施形態では部屋8)内に存在する場合に限って印刷を行うことになり、ユーザがその特定領域外に移動した場合等において、第3者による閲覧や盗難の危険性を少なくできるようになる。
次に図10を用いて、入退室管理装置100の処理の流れについて説明する。
ステップS51、S52では、ロック装置によるICカード読取り情報を受信する、或いは、ネットワークプリンタからユーザの位置の問い合わせを樹受信するのを待つ。
ロック装置からの情報受信であると判断した場合には、ステップS53に進み、送信元のロック装置が存在する部屋IDを、ロック装置IDテーブル(図11(c))を参照して特定する。
次いで、ステップS54にて、ユーザ位置テーブル701(図11(a))中の受信したユーザIDに対応するデータを読込み、ステップS55で、ユーザIDを持つユーザが、特定された部屋への入室が許可されているか否かを判定する。その部屋への入室が許可されているユーザであると判断した場合には、ステップS56にて送信元のロック装置に対してドアの解錠許可を通知する。そして、室内、室外のいずれのカードリーダから読取ったのかを示す情報に従って、ユーザ位置テーブル701中における「現在位置」を更新する。室外のカードリーダで読取った場合には、その部屋にそのユーザが入室したものとし、「現在位置」にはその部屋IDを格納し、室内のカードリーダで読取った場合には「現在位置」には「不明」を示す特別なIDを格納する。なお、ステップS55にて、入室が許されていないユーザIDを受信した場合には、何も送信しないものとするが、解錠不許可情報を送信しても良い。
さて、ネットワークから受信した情報がネットワークプリンタからのものであると判断した場合には、ステップS52からステップS58に処理が進む。ステップS58では、先ず、受信した情報に基づいて、送信元のネットワークプリンタが属する部屋IDを、プリンタ位置テーブル(図11(b))を参照して特定する。次いで、問い合わせ要求情報中に格納されているユーザIDをキーにして、ユーザ位置情報テーブル(図11(a))から該当するユーザの情報を読出し、ステップS60で、その「現在位置」と、ステップS58で特定した部屋IDとを比較して一致するか否か、すなわち、ユーザIDで示されるユーザが、問い合わせ元であるネットワークプリンタが設定されている特定領域内(部屋内)にいるか否かを判断する。
特定領域内にそのユーザがいると判断した場合には、ステップS61にて、要求元のネットワークプリンタに印刷許可情報を送信し、特定領域外にいると判断した場合にはステップS62にて、プリント不許可情報を送信する。
以上説明したように本実施形態によれば、印刷ジョブの発行を指示したユーザの居場所が、それを印刷するプリンタと同じ特定領域内である場合に限って、印刷が行われることになり、印刷物の盗難や第3者による盗み見の危険性を少なくでき、且つ、印刷物の放置による取り間違い等を抑制することも可能になる。
なお、上記実施形態では、ネットワークプリンタ5が印刷ジョブを管理するものとして説明したが、クライアント端末と同様の構成でプリントサーバを構築し、全ての印刷ジョブをこのプリントサーバに蓄積管理し、プリンタに印刷可と判断された印刷ジョブを順に出力するようにしても構わない。
<第1の実施形態の変形例の説明>
上記第1の実施形態は、ユーザの現在位置取得のために、ICカードリーダ7を有した入退室管理装置を利用したが、これによって本発明が限定されるものではない。例えば、構内PHSによる位置情報システムを用いて構成することも可能である。構内PHSによる位置情報システムとは、構内の様々な場所(居室、会議室、実験室、廊下、庭、駐車場等)に設置したPHSアンテナを用いて、設定した周期単位(数秒〜1分程度)で各PHS端末の電界強度を検出、位置情報をリアルタイムに算出し、当該位置情報により、PHS端末所持者の在室・在席情報/混雑情報/在室者特定情報などを取得することを目的としたものである。
本実施形態のネットワークプリントシステムをこのような構内PHSによる位置情報システムを有するように構成した構成を図12に示す。
図12において、図1と同等の構成については、同符号を付すことで、その説明は省略する。
図示において、150は第1の実施形態における入退室管理装置とほぼ同様な処理を行う印刷ジョブ管理装置である。200は構内PHS位置管理装置であって、ユーザが所有するPHS端末の所在を知るため、各部屋等の主要な箇所にアンテナを有する基地局801、802、803…と接続されている。
印刷ジョブ管理装置150は、先に説明した入退室管理装置100と同様、プリンタから問い合わせのあったユーザIDの印刷ジョブの印刷可否の判定を行う。ただし、本変形例では、ユーザの位置は、そのユーザが所有するPHS端末の位置に基づくものであるので、構内PHS位置管理装置200からの情報に基づいて、印刷ジョブ管理装置150は印刷可/不可の判定を行う点が異なる。
構内PHS位置管理装置200からの情報は、或るPHS端末がどの基地局の近傍に存在するかを示す情報であるので、印刷ジョブ管理装置150は基地局を特定する情報から、実際の物理的な位置に変換するためのテーブルを必要とする。このテーブルは、例えば、基地局IDと部屋IDと対応関係を示すテーブルで良い。ただし、基地局は通路(廊下)にも設置されることになるので、このようなプリンタが存在しない区域での部屋IDフィールドは、その旨の特別なIDを割振る。また、PHS端末の番号(内線番号)とネットワークユーザIDとの対応関係のテーブルも必要となる。
上記テーブルを新に追加することで、印刷ジョブ管理装置150は、ネットワークプリンタから問い合わせがあった際、その印刷ジョブの発行指示したユーザIDに基づくPHS端末番号を特定し、そのPHSの位置と、要求元のプリンタの位置とを照合することで、印刷可/不可を判定すればよい。
また、この構成を更に発展させ、ユーザがクライアント端末上で印刷ジョブの発行指示した際、印刷ジョブ管理装置150に通知して、その印刷ジョブに一意で且つワンタイムな識別番号(ID:xxxxxxx)を付与し、クライアント端末に送信することで、ユーザに対して受け付け番号として通知するようにする。そして、印刷ジョブには、ユーザID及びジョブ識別番号を付与した上でネットワークプリンタに送信するようにする。
更に、ネットワークプリンタは、適当なタイミングで現在の状況情報(印刷ジョブの識別番号、ユーザID、印刷完了したか、印刷不可状態か等を示す情報)を印刷ジョブ管理装置150に通知するようにすると、以下のような処理を行うことが可能となる。
先ず、印刷ジョブ管理装置150が、クライアント端末から印刷ジョブの発行通知を受け印刷ジョブ識別番号を付与する際、「あなたの印刷ジョブ(ID:XXXXXX)を受け付けました。以後、送信されるメッセージには注意してください。」というメールメッセージを、そのPHS端末に向けて送信要求する。
印刷ジョブの印刷処理が開始(or再開)された場合、「あなたの送信した印刷ジョブ(ID:XXXXXX)の印刷を開始しました。印刷が完了するまで、特定区域外へ出ることはなるべく控えて下さい。」というメッセージを送信する。
更に、印刷ジョブの印刷処理中に、特定区域外へ出た場合(定期的に送信)、「印刷中の印刷ジョブ(ID:XXXXXX)があります。あなたが特定区域外へ出たため、この印刷ジョブ(ID:XXXXXX)を一時停止します」というメッセージを送信する。
また、印刷ジョブ送信後、特定区域外に居る場合(定期的に送信)、「まだ完了していない印刷ジョブ(ID:XXXXXX)があります。あなたが特定区域に戻るまで印刷ジョブ(ID:XXXXXX)は開始(再開)されません。このメッセージは、あなたが特定区域に戻るまで定期的に送信されます。」
印刷ジョブの印刷処理前(印刷中)に、特定区域外に一旦出た後、再び特定区域に戻った場合、「まだ完了していないあなたの印刷ジョブ(ID:XXXXXX)を開始(再開)します」というメッセージを送信する。
印刷完了後に、「あなたの送信した印刷ジョブ(ID:XXXXXX)の印刷が終了しました。早急にプリント用紙をプリンタまで取りに来てください。プリンタ上でこの印刷ジョブのID:XXXXXXを入力するまで、このメッセージは定期的に送信されます」というメッセージを送信する。または、「あなたの送信した印刷ジョブID(XXXXXX)の入力を受け付けました。排紙トレイ上の印刷物を確認後、忘れずにお持ち帰りください。」というメッセージを送信する。
以上の各メッセージは、印刷ジョブ管理装置150に予め保存されていて、印刷ジョブID(XXXXXX)の「XXXXXX」の部分を実際に発行したジョブ識別番号で置換え、ユーザIDからPHS番号を特定した上で、そのメッセージ情報とPHS内線番号をPHS位置管理装置200に出力し、送信依頼を行えば良い。
以上のように構成することで、印刷ジョブ要求を送信したユーザの居場所に応じて印刷ジョブの制御が適切に実施されることに加え、当該ユーザが構内の任意の場所において自分の送信した印刷ジョブの印刷状況を適切に把握できるようになるため、印刷済みプリント用紙(印刷物)の排紙トレイ上への長時間放置(取り忘れ)に起因した紛失(印刷物盗難/取り間違い)の危険性をさらに軽減させることが可能になる。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態、並びに、その変形例は、印刷ジョブの発行指示したユーザの位置が、プリンタが設置された位置近傍にあるとき、印刷処理を行うものであった。しかし、印刷結果を早く手に入れたいという要望、並びに、第3者による閲覧防止を確実にすることを保証するものではない。そこで、この課題を解決する例を第2の実施形態として説明する。
図13に、第2の実施形態におけるネットワークプリントシステム構成を示す。図中、1001乃至1004はクライアント端末であって、パーソナルコンピュータ等の汎用情報処理装置でもある。1005はネットワークプリンタであり、各クライアント端末からの印刷ジョブを受信及び格納し、印刷処理を行う。1006乃至1010はクライアント端末及びネットワークプリンタに接続され、利用者の指を読取面に位置させた際に指紋読取りセンサにより指紋の特徴データを抽出する指紋入力部である。指紋入力部1006乃至1010における指紋センサの方式には光学式(光源と撮像素子(CCD/CMOS)、プリズムを一定の間隔で配置してピントの取れた指紋画像を撮像する方式)、静電容量式(指の凹凸による電極の電荷を測定し指紋を判断する方式)など様々なものが存在するが、そのいずれでも構わない。ただし、ネットワークプリンタ1005の指紋入力部1010と、各クライアント端末1001乃至1004の指紋入力部1006乃至1009は、同一方式のものが好ましい。理由は、後述するように、クライアント端末で入力した指紋特徴情報と、ネットワークプリンタ1005で入力した指紋特徴情報とを比較するからである。ただし、指紋を入力した際に、ユーザID等まで特定するのであれば、異なる方式の指紋センサを用いて構成しても良いが、検出した指紋情報からユーザIDに変換するサーバ等を設置する必要があり、コスト上の問題が残る。
図14はクライアント端末装置1001のブロック構成図である。尚、他のクライアント端末装置1002乃至1004も同様の構成を有するものとする。
クライアント端末装置1001は、同図に示すように、装置全体の制御を司るCPU1202と、クライアント装置1001における処理に必要なデータを入力するための入力部(キーボードやポインティングデバイス等)1203と、通信部(ネットワークインタフェース)1204と、ブートプログラム及びBIOS等を記憶するROM1205と、CPU1202のワークエリアとして使用されるRAM1206と、CPU1202の制御下で内蔵されたビデオメモリへの描画処理を行うと共にビデオ信号としてCRT装置や液晶表示器等の表示手段に出力する表示制御部1207と、処理に必要な情報ファイルやプログラムファイル(OS、文書編集等のアプリケーションプログラムを含む)を格納するためのハードディスク等のファイル装置1209と、先に説明した指紋入力部1006とを備え、これら各構成要素がバス1208で互いに接続されている。
通信部1204は、クライアント装置1から出力するデータ及びクライアント装置1に入力するデータに対してプロトコルの変換等を行い、ネットワーク1011を経由したクライアント端末装置1001によるデータの送受信を可能としている。
上記構成において、装置に電源が投入されると、CPU1202はROM1205のブートプログラムにしたがってファイル装置1209からOSをRAM1206に読み込み、各種アプリケーションを同様にRAM1206に読み込んでは、編集処理や印刷処理を行うクライアント端末として機能することになる。
図15は本第2の実施形態におけるネットワークプリンタ1005のブロック構成図である。
図示に示す様に、ネットワークプリンタ1005は、装置全体の制御を司るCPU1212と、印刷ジョブを蓄積するためのハードディスク等の比較的大容量の記憶装置、並びにそのジョブを管理するスプーラ1213、通信部(ネットワークインタフェース)1214と、本装置がネットワークプリンタとして機能する処理プログラムやフォントデータを格納するROM1215と、ワークエリア、バッファ、印刷イメージ展開用に使用するRAM1216と、出力エンジン1217と、排紙部1218と、表示部や各種入力スイッチで構成される操作パネルとして機能する入力部1220と、指紋入力部1010、及びこれらを接続するバス1219で構成される。
通信部1214は、ネットワークプリンタ1005から出力するデータ及びネットワークプリンタ1005に入力するデータに対してプロトコルの変換等を行い、ネットワーク1011を経由してクライアント端末1001乃至1004とのデータ通信を可能としている。
出力エンジン1217は、インクジェット方式あるいはレーザービーム方式等の印刷部を備えており、CPU1212の制御により印刷出力処理を行うが、印刷方式によって本発明が限定されるものではない。排紙部1218は、出力エンジン1217が印刷出力したプリント用紙(印刷物)を不図示の排紙トレイ上に排紙する処理を行なう。
次に、本第2の実施形態におけるクライアント端末1001の処理を図16のフローチャートに従って説明する。同図は、クライアント端末1001上で実行されるプリンタドライバの処理でもある。
先ず、文書編集等のアプリケーションプログラムから印刷処理が指示されると、ステップS71にて、印刷ジョブに指紋情報を付加するかどうかをGUIウインドウ(不図示)上で指示する。指紋情報を付加する指示が与えられるとステップS72に進み、指紋入力部1006の読取面に指を置き、読取りを開始し、指紋特徴情報を入力する。なお、読取り開始指示は、GUI画面上に設けられた「スキャン開始」ボタンをクリックすることで行うものとするが、指紋入力部1006に押圧センサを設け、この押圧センサにより読取面に指が置かれたことを検知することで読取りを開始しても良い。
次に、ステップS73に進み、アプリケーションプログラムから要求された印刷対象のデータを入力し、印刷データを作成する。そして、ステップS74にて、印刷データを含む印刷ジョブ要求データを作成し、それをネットワークプリンタ1005に送信する。なお、指紋特徴情報を取得していた場合、印刷ジョブ要求データの所定エリア、例えばヘッダ部には、指紋特徴情報を格納することになる。また、ヘッダ部には、送信元のクライアント端末のネットワークアドレスが含まれるものとする。
印刷ジョブ要求データを送信すると、ネットワークプリンタ1005より、印刷ジョブ要求データの格納(受信)完了メッセージが送られてくるので、そのメッセージを表示制御部1207を介して表示する。
ネットワークプリンタ1005が作成する印刷ジョブ要求の格納完了メッセージは幾つかのパターンがある。実施形態では、以下の3パターン
・送信した印刷ジョブがスプーラ1213の先頭に位置した場合、すなわち、他の印刷ジョブが存在せず直ちに印刷される場合:
「あなたの印刷ジョブの印刷処理を開始しました。セキュリティ確保のために、印刷物を早めに取りに来てください。」(以下、メッセージAという)
・既に他人の印刷ジョブが1以上スプーラ1213に格納されており、印刷ジョブを発行する際に指紋入力を行っていない場合:
「あなたの印刷ジョブがプリンタのスプールに追加されましたが、すでに、XX個の印刷ジョブがキューにあるため、直ちに印刷することはできません。ご了承ください。」(以下、メッセージBという)
・既に他人の印刷ジョブが1以上スプーラ1213に格納されており、印刷ジョブを発行する際に指紋入力を行った場合:
「あなたの印刷ジョブがプリンタのスプールに追加されましたが、すでに、XX個の印刷ジョブがキューにあります。より早く印刷を開始したい方は、プリンタ上で指紋を入力して下さい」(以下、メッセージCという)
なお、上記メッセージ中の「XX」は実際にスプーラ1213のキューに格納されている印刷待ちジョブ数に対応する数字が配置されることになる。
また、ネットワークプリンタ1005が、その印刷ジョブの印刷処理が完了すると、印刷完了通知メッセージが送信してくるので、ステップS76にて、そのメッセージを表示する。印刷完了通知メッセージは、「あなたの印刷ジョブの印刷が完了しました。お早めにお取り下さい。」という固定メッセージで良いであろう。
次に、本第2の実施形態におけるネットワークプリンタ1005の処理を、図17のフローチャートに従って説明する。
図17(a)は印刷ジョブ受信処理を示すフローチャートである。
先ず、ステップS81にて印刷ジョブを受信するのを待つ。印刷ジョブを受信すると、ステップS81に進み、受信した印刷ジョブをスプーラ1213の最後尾に格納する。従って、スプーラ1213に他の印刷ジョブが格納されていない場合には、結果的に先頭位置に格納されることになる。
図18は、このスプーラ1213に印刷ジョブの格納の原理を示している。図示のように、印刷ジョブ1602を受信した場合には、スプーラ1213の印刷ジョブキュー1605の最後尾に格納する。格納する際には、図示の印刷ジョブ1603に示すように、その印刷ジョブの印刷処理対象を示すページインデックスを“1”にし、なおかつ、指紋照合が行われたか否かを示す指紋照合フラグを“0”(未照合を意味する)にして格納する。印刷処理は、印刷ジョブキュー1605の先頭の印刷ジョブに対して行われる。
次いで、ステップS83に進み、スプーラ1213に格納された印刷ジョブの数Nをカウントし、N=1、すなわち、受信した印刷ジョブがキューの先頭に位置して直ちに印刷処理が開始される状態にある場合には、メッセージAを印刷ジョブ発行元のクライアント端末に向けて送信する。また、N≧2の場合、注目ジョブを受信する以前に、N−1個のジョブが既に受信されていたことになるから、メッセージB、Cのいずれかを送信する。メッセージB、Cのいずれを選択するかは、受信した印刷ジョブ中に指紋特徴情報があるか否かで決定する。
次に、ネットワークプリンタ1005のメイン処理を図17(b)に従って説明する。
先ず、ステップS91にて、スプーラ1213のキュー(印刷待ち行列を意味する)に印刷ジョブが存在するか否かを判定し、キューに印刷ジョブが配置されるのを待つ。
印刷ジョブがキューに存在すると判断した場合には、ステップS92にて、その先頭位置の印刷ジョブを選択する。そして、ステップS93にて、ネットワークプリンタ1005が有する指紋入力部1010による指紋入力が行われたか否かを判定し、否の場合にはステップS94に進む。
ステップS94では、選択された印刷ジョブのページインデックスで示されるページの印刷処理を行う。そして、ステップS95にて、全ページを印刷したか否かを判断し、否の場合にはステップS96に進み、ページインデックスを“1”だけ増加する(更新する)。また、全ページの印刷が終わったと判断した場合には、ステップS97に進んで、印刷完了メッセージを、その印刷ジョブを発行したクライアント端末に向けて送信する。
一方、ステップS93にて指紋入力部1010により、指紋の入力があったと判断した場合には、ステップS99に進み、指紋入力により得られた指紋特徴情報に合致する印刷ジョブがスプーラ1213内に存在するか否かの照合処理を行う。そして、ステップS100にて、入力した指紋特徴情報と一致する印刷ジョブが存在するか否かを判定する。そして、そのような印刷ジョブが存在すると判定した場合には、ステップS101にてキュー内の印刷ジョブの並び替えを行う。
この並び替えは以下の条件に従って行われる。
・条件A:キュー1605の1番目を除く、2番目以降に指紋照合フラグに“1”のジョブが存在しない場合、照合成功した印刷ジョブを2番目に移動し、移動後の2番目の印刷ジョブの指紋照合フラグを“1”にセットする。
・条件B:キュー1605の1番目を除く、2番目以降に指紋照合フラグに“1”のジョブが存在する場合、指紋照合フラグが“1”の最後尾のジョブの次に、照合成功した印刷ジョブを移動し、移動後の印刷ジョブの指紋照合フラグを“1”にセットする。
上記条件に基づく処理の具体例を図19を用いてより分かり易く説明する。同図における1701はキューの初期状態を示している。図示において「#i(0)」(i=1、2、…)の「i」は、印刷ジョブデータの便宜上の識別番号を示しており、括弧内は指紋照合フラグを示している。また、図示の印刷ジョブの並びがキューであり、上位の印刷ジョブほど早く印刷が行われることを示している。最上位の印刷ジョブは印刷が開始される、或いは、印刷中であることを示している。
従ってキュー状態1701では、全印刷ジョブは指紋照合がなされていないことを示していることになる。ここで、指紋入力部1010にて、指紋の入力が行われ、その指紋特徴情報と合致するのが印刷ジョブ「#6(0)」であった場合、キュー状態1702に示すように、2番目(高位位置)にそのジョブが移動(1番目と2番目の間に挿入)し、なおかつ、指紋照合が行われたことを示すために指紋照合フラグが“1”にセットされる。
更に、キュー状態1702において、別なユーザが指紋入力を行い、それによって得られた指紋特徴情報に合致するのが印刷ジョブ「#5(0)」である場合には、指紋照合フラグが“1”となっている最後のジョブ(図示の場合にはジョブ「#6(1)」の直後に印刷ジョブ#5が移動し、その指紋照合フラグが“1”にセットされ、キュー状態1703のようになる。
以上のキュー並べ替え処理を終えると、処理はステップS93に戻ることになる。
以上説明したように本第2の実施形態によれば、クライアント端末上で印刷指示した際に、指紋入力を行って印刷ジョブを発行した場合であって、その印刷物を早く手に入れたいという場合には、そのネットワークプリンタにて指紋入力を行うという行為だけで、自身が発行指示した印刷処理を優先させることができるようになる。逆に、指紋入力を行わない場合には、通常のキューの順位に従って印刷が行われることになる。
また、実施形態では、プリンタより入力する情報を指紋のような個人特有の生体情報とすることで、印刷ジョブに関連づけられた情報(例えば、システムが発行する印刷ジョブID等)を暗記したり、メモすることもない。
なお、上記では、クライアント端末にて印刷指示を行う都度、プリンタドライバの処理の中で指紋の入力を行うものとしたが、クライアント端末にて、指紋を一度でも入力した場合に、その指紋特徴情報を、ファイル装置1209にそのクライアント端末にログインした場合のログイン名と関連づけてファイル装置1209に記憶保持するようにし、印刷指示を行った場合にはそのユーザの指紋特徴情報をファイル装置1209から取得し、印刷ジョブに付加した上でネットワークプリンタに送信するようにしてもよい。このようにすると、過去に一度でも指紋登録を行っていれば、特に急いで印刷物を取得したい場合にだけ、ネットワークプリンタにて指紋を入力する行為を行うだけで(格別その印刷ジョブID等を意識することなく)、自身の印刷物をすばやく取得することが可能になる。
また、本第2の実施形態では、生体情報として指紋を例にしたが、音声入力による声紋、虹彩等も利用者を特定し得る情報として利用できるので、上記の実施形態で限定されるものではない。例えば、声紋の場合には、クライアント端末やプリンタに音声入力手段としてのマイクと、入力された音声による声紋特徴情報を得る処理を実行させれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができよう。
また、本第2の実施形態のキューの並び替え条件A,Bによると、複数のジョブが既にネットワークプリンタにスプールされている状態で、指紋入力を行った場合には最速でもキューの2番目、すなわち、その時点で印刷中のジョブの印刷が完了した後に自身が発行指示した印刷ジョブの印刷が開始されることになる。
この条件Aの替りに以下の条件Cを採用し、条件C、Bにてキューの並び替え処理を行うようにしても良い。
・条件C:キューの1番目のジョブが印刷中であり、そのジョブの指紋照合フラグが“0”である状況において、指紋照合に成功したジョブ(以下、照合成功ジョブという)が存在したとき、印刷中のジョブは一時的に中断し、キューの2番目に移動する。このとき、中断するジョブの指紋照合フラグを暫定的に“1”にすると共に、第1の実施形態と同様に印刷再開するためのページインデックスを保存する。そして、照合成功ジョブをキューの先頭に移動させ、印刷を開始すると共に、指紋照合フラグを“1”に設定する。
上記条件C及び先に説明した条件Bによると、ネットワークプリンタにて指紋照合しないで印刷を行っているジョブは、例え何人もの利用者が指紋入力を行ったとしても、指紋入力によって割込み処理で印刷処理が開始されたジョブの次に再開されることが約束されることになる。
<第3の実施形態>
上記第2の実施形態では、複数のクライアント端末装置に対して1つのネットワークプリンタの例を説明した。本第3の実施形態では、ネットワークプリンタが複数存在し、クライアント端末で印刷ジョブを発行した後、ユーザが所望とするプリンタで印刷することを可能にする例を第3の実施形態として説明する。
図20は第3の実施形態におけるネットワークプリントシステムの構成図である。図示において、2001乃至2004はクライアント端末であり、パーソナルコンピュータ等の汎用情報処理装置でもある。2005、2012、2013はネットワークプリンタである。各クライアント端末、並びに各ネットワークプリンタには指紋入力部2006乃至2010、2014、2015が設けられている。
2021はスプーラ装置(ネットワークプリントサーバでもある)であって、各クライアント端末2001乃至2004上で発行された印刷ジョブを一旦蓄積し、ネットワークプリンタ2005、2012、2013のいずれかに出力して印刷を行わせる。先に説明した第1、第2の実施形態では、ネットワークプリンタ自身にスプーラを備える例を説明したが、本第3の実施形態では、そのスプーラ装置が独立したものとなり、ネットワークプリンタ2005、2012、2013にはスプーラは不要となる。
以下、本第3の実施形態におけるクライアント端末、ネットワークプリンタ、スプーラ装置の構成を説明する。
図21はクライアント端末装置2001のブロック構成図である。尚、他のクライアント端末装置2002乃至2004も同様の構成を有するものとする。
クライアント端末装置2001は、同図に示すように、装置全体の制御を司るCPU2202と、クライアント装置2001における処理に必要なデータを入力するための入力部(キーボードやポインティングデバイス等)2203と、通信部(ネットワークインタフェース)2204と、ブートプログラム及びBIOS等を記憶するROM2205と、CPU2202のワークエリアとして使用されるRAM2206と、CPU2202の制御下で内蔵されたビデオメモリへの描画処理を行うと共にビデオ信号としてCRT装置や液晶表示器等の表示手段に出力する表示制御部2207と、処理に必要な情報ファイルやプログラムファイル(OS、文書編集等のアプリケーションプログラムを含む)を格納するためのハードディスク等のファイル装置2209と、先に説明した指紋入力部2006とを備え、これら各構成要素がバス2208で互いに接続されている。
通信部2204は、クライアント装置2001から出力するデータ及びクライアント装置2001に入力するデータに対してプロトコルの変換等を行い、ネットワーク2011を経由したクライアント端末装置2001によるデータの送受信を可能としている。
上記構成において、装置に電源が投入されると、CPU2202はROM2205のブートプログラムにしたがってファイル装置2209からOSをRAM2206に読み込み、各種アプリケーションを同様にRAM2206に読み込んでは、編集処理や印刷処理を行うクライアント端末として機能することになる。
図22は本第3の実施形態におけるネットワークプリンタ2005のブロック構成図である。他のネットワークプリンタも同様の構成を備えるものとする。
図示に示す様に、ネットワークプリンタ2005は、装置全体の制御を司るCPU2212と、通信部(ネットワークインタフェース)2214と、本装置がネットワークプリンタとして機能する処理プログラムやフォントデータを格納するROM2215と、ワークエリア、印刷ジョブの受信バッファ、印刷イメージ展開用に使用するRAM2216と、出力エンジン2217と、排紙部2218と、表示部や各種入力スイッチで構成される操作パネルとして機能する入力部2220と、指紋をスキャンし指紋特徴情報を抽出する指紋入力部2010、及びこれらを接続するバス2219で構成される。
通信部2214は、ネットワークプリンタ2005から出力するデータ及びネットワークプリンタ2005に入力するデータに対してプロトコルの変換等を行い、ネットワーク2011を経由してクライアント端末2001乃至2004やスプーラ装置2021とのデータ通信を可能としている。
出力エンジン2217は、インクジェット方式あるいはレーザービーム方式等の印刷部を備えており、CPU2212の制御により印刷出力処理を行うが、印刷方式によって本発明が限定されるものではない。排紙部2218は、出力エンジン2217が印刷出力したプリント用紙(印刷物)を不図示の排紙トレイ上に排紙する処理を行なう。
図23は第3の実施形態におけるスプーラ装置2021のブロック構成図である。
図中、2231は装置全体の制御を司るCPUであり、2232がネットワーク2011に接続するための通信部、2235はCPU2231の処理プログラムを格納しているROM、2236はCPU2236のワークエリアとして使用されるRAMである。2233はクライアントから受信した印刷ジョブを格納するデータ格納部(例えばハードディスク)であり、印刷ジョブのキューの制御も行う。2234はネットワークプリンタ2001乃至2004から受信した指紋特徴情報とデータ格納部2233に格納されている印刷ジョブ中の指紋特徴情報とを照合する指紋情報照合部である。そして、上記各構成がバス2237で接続されている。
本第3の実施形態におけるスプーラ装置2021は、パーソナルコンピュータ等の汎用情報処理装置で実現しても構わない。この場合、この場合、スプーラ装置として機能するサーバプログラムはハードディスクからRAMに読み出し、実行することになる。
次に、本第3の実施形態におけるクライアント端末2001の処理手順(プリンタドライバ)を図24のフローチャートに従って説明する。他のクライアント端末も同様である。
先ず、ステップS111にて、利用者が、クライアント端末2001において印刷処理プログラムの開始の命令を与えると、CPU2202は、RAM2206上に印刷処理プログラムを展開(ロード)した後に、表示制御部2207を介して表示装置に適切な情報を表示し、当該利用者に対して、印刷セキュリティモードの選択の問い合わせのためのウインドウを表示し、利用者にいずれかを選択させる。選択はポインティングデバイスでクリックすることで行うものとするが、キーボードで選択しても構わない。印刷セキュリティモードとして「通常印刷」が選択された場合はステップS112へ、「高セキュリティ印刷」が選択された場合はステップS115へ進む。
通常印刷モードが選択され、ステップS112に処理が進むと、印刷出力対象のネットワークプリンタの一覧(ネットワークプリンタ名一覧)を表示し、いずれかを選択させる。選択はポインティングデバイスで行うことになるが、選択が行われると、選択ネットワークプリンタのIDはRAM2206に格納される。
次いで、ステップS113に進み、アプリケーションより入力した印刷対象のデータを入力し、印刷データ(ページ記述言語で記述したデータ)をRAM2206に作成する。そして、ステップS114において、印刷ジョブ要求データ(以下、単に印刷ジョブという)を作成し、スプーラ装置2021に送信する。印刷ジョブには、印刷対象のネットワークプリンタのIDを含むヘッダと、印刷データで構成される。
スプーラ装置2021の処理内容は後述するが、スプーラ装置2021のデータ格納部2233は、図27に示す様に、各クライアントから受信した印刷ジョブを格納するための2つのデータ格納領域(第1データ格納領域2611と第2データ格納領域2612)が設けられていて、通常印刷モードの印刷ジョブは図27の印刷ジョブ2602として、第1データ格納領域2612に格納される。この第1のデータ格納領域2612は、更に、各ネットワークプリンタ毎のキュー領域2401乃至2403(ネットワークプリンタが3台であるため3つになる)で構成される。キュー領域2401はネットワークプリンタ2005用のものであり、キュー領域2402はネットワークプリンタ2012用、キュー領域2013用の領域である。
通常印刷モードの場合、印刷ジョブ2602には、ネットワークプリンタIDが含まれているので、例えば、ネットワークプリンタ2005が指定されていれば(ネットワークプリンタIDがヘッダに存在すると判定した場合には)、図示のようにネットワークプリンタ2005用に確保されたキュー領域2401の最後尾位置にその印刷ジョブが格納される。このとき、第1、第2の実施形態と同様、その印刷ジョブのページインデックスを“1”にして格納する(図28の印刷ジョブ2603参照)。なお、通常印刷モードでの印刷ジョブを各キュー領域に格納する際には、指紋照合フラグをクリアした状態で格納する。この指紋照合フラグを設ける意味は先に説明した第2の実施形態の通りであるので、その説明は省略する。
スプーラ装置2021は、各プリンタ用のキュー領域の先頭(キュー領域2401では印刷ジョブ2604)から、それぞれのネットワークプリンタに向けて印刷データを送信することで印刷を行わせることになる。
さて、ステップS114にて、印刷ジョブをスプーラ装置2021に送信が行われると、スプーラ装置2021は印刷ジョブを受けとった旨のメッセージを要求元のクライアント端末(ここではクライアント端末2001)に送信してくるので、クライアント端末2001のCPU2202は、それを表示制御部2207を制御して表示する(ステップS119)。この場合のメッセージとしては、「あなたの印刷ジョブがスプールの印刷ジョブ・キューに入りました。印刷が完了するまでしばらくお待ちください。」等である。
また、スプーラ装置2021は、印刷ジョブを該当するネットワークプリンタに出力していくが、本第3の実施形態での各ネットワークプリンタはスプーラを備えていない。従って、スプーラ装置からネットワークプリンタに印刷ジョブの送信が完了したとき、適当な時間差はあるものの、その時点で印刷処理が完了したと判断しても問題はない。従って、印刷ジョブをネットワークプリンタに送信が完了した場合には、スプーラ装置2021より、「あなたの印刷ジョブの印刷が完了しました。お早めにプリンタ###まで取りに来てください。」(###はプリンタ名)等のメッセージをジョブ発行元のクライアントに送信する。ステップS120では、このメッセージを表示することになる。
さて、ステップS111において、印刷モードとして「高セキュリティ印刷」モードが選択された場合には、ステップS115に進み、指紋の入力を行う旨のメッセージを表示し、指紋入力部2010より指紋の入力を行わせる。指紋の入力が行われると、その指紋特徴情報を生成し、RAM2206に格納する。そして、ステップS116で印刷データの生成し(ステップS113と同様)、ステップS117で指紋特徴情報と印刷データで構成される印刷ジョブを作成し、スプーラ装置2021に向けて送信する。そして、ステップS118に進んで、印刷を行わせるためにはいずれかのネットワークプリンタにて指紋照合が必要である旨のメッセージ、例えば、「あなたの印刷ジョブがプリンタのスプールに格納されました。この印刷ジョブの印刷を開始するには、いずれかのプリンタの指紋入力装置からあなたの指紋情報を入力する必要があります」というメッセージを表示制御部2207を介して表示する。
なお、「高セキュリティ印刷」モードが指定された場合の印刷ジョブには、上記のように、ネットワークプリンタIDの替りに指紋特徴情報が存在する。従って、スプーラ装置2021は、指紋特徴情報が存在すると判定した場合には、図28に示すように第2のデータ領域2612にその印刷ジョブを格納する。そして、例えば、ネットワークプリンタ2005で、その利用者が指紋を入力し、その指紋特徴情報を含む指紋照合要求メッセージ2613を受信すると、スプーラ装置2021のCPU2231は、第2データ領域内に格納されている各印刷ジョブの中から照合する指紋特徴情報を有する印刷ジョブを検索する。そして、照合成功した印刷ジョブが印刷ジョブ2601である場合には、指紋照合要求メッセージ2613の送信元であるネットワークプリンタ2001用に用意されたキュー領域2401に移動し、そのキュー領域の印刷ジョブの並べ替えを行う。この並べ替えの条件は、先に説明した第2の実施形態の条件A,Bまたは、条件C、Bに従うものとする。
因に、条件A,Bに従う場合であって、キュー領域2401内に存在する全印刷ジョブの指紋照合フラグが“0”である場合、指紋照合に成功した印刷ジョブ2601は図28に示すようにキュー領域2401の2番目に移動することになる(移動後のジョブの指紋照合フラグが“1”になるのは第2の実施形態と同様)。
第3の実施形態におけるネットワークプリンタ2001の処理内容を図25のフローチャートに従って説明する。他のネットワークプリンタも同様の処理である。
なお、印刷データの受信処理は、RAM2216に確保された受信バッファの容量が許すかぎり受信し、印刷処理済みで不要となったエリアに受信することを繰り返すだけであるので、その処理については省略し、メイン処理を説明することとする。
先ず、ステップS131では、指紋入力部2010より指紋入力が行われたか否か、ステップS135では受信バッファに印刷データが存在するか否かを判断し、指紋入力若しくは印刷データの受信を待つ。
ここで、指紋入力部2010による指紋の入力があると判定した場合には、ステップS132に進んで指紋特徴情報を抽出し、ステップS133にてその指紋特徴情報を含む指紋照合要求メッセージをスプーラ装置2021に送信する。通常、ネットワーク上での通信を行う際には、送信元のネットワークアドレスやネットワーク上での名前が含まれるので、受信側ではどのデバイスから受信したのかは判定できる。
紋照合要求メッセージをスプーラ装置2021に送信すると、スプーラ装置2021はデータ格納部2233内の第2データ領域に格納されている各印刷ジョブの指紋特徴情報と照合することになるが、その照合結果メッセージを要求元のネットワークプリンタ2005に返信するので、ネットワークプリンタ2005のCPU2212は、受信したメッセージを表示する(ステップS134)。
メッセージには2種類ある。1つは、照合に成功した印刷ジョブが存在した場合、もう1つは照合不成功(第2データ領域に1つも印刷ジョブが存在しない場合も含む)となった場合である。前者の場合のメッセージは例えば「あなたの入力した指紋の照合に成功しました。優先させてキューに登録しましたので、そのままでお待ちください。」というものであり、後者のメッセージは例えば「あなたの入力した指紋特徴データの照合が失敗、もしくは、該当するジョブが存在しません。もう一度ご確認ください」というものである。
また、ステップS135で印刷データが受信バッファに存在すると判定した場合には、ステップS136にてその印刷データに基づく印刷処理を実行する。
次に、本第3の実施形態におけるスプーラ装置2021のCPU2231が実行する処理内容を図26のフローチャートに従って説明する。
ステップS141及びステップS147では、クライアント端末から印刷ジョブを受信したか否か、ネットワークプリンタから指紋照合要求を受信したか否かを判定し、いずれかの受信を待つ。
そして、印刷ジョブを受信した場合には、ステップS142に進み、受信した印刷ジョブ中に指紋特徴情報が含まれるか否かを判定する。指紋特徴情報が含まれると判断した場合には、ステップS143に進んで、受信した印刷ジョブをデータ格納部2233の第2データ領域2612に格納する。そして、ステップS144にて印刷ジョブ発行元のクライアント端末に対し、印刷する場合にはネットワークプリンタのいずれかで指紋入力を必要とすることを示すメッセージを送信する。
また、受信した印刷ジョブに指紋特徴情報が含まれないと判断した場合には、ステップS145に進み、データ格納部2233における第1データ領域2611の印刷対象となるプリンタIDで示されるキュー領域の最後尾位置に受信した印刷ジョブを格納する。格納する際には、そのページインデックスを“1”にすると共に、指紋照合フラグを“0”にする。そして、ステップS146において、受信した印刷ジョブが指定されたプリンタのキューに格納され、印刷されることを示すメッセージを送信する。
一方、ネットワークプリンタから指紋照合要求メッセージを受信したと判断した場合には、ステップS147からステップS148に進む。このステップS148では、受信した要求メッセージ中の指紋特徴情報と、第2データ領域2612に格納されている印刷ジョブの指紋特徴情報と順次比較し、一致するものが存在するか否か、すなわち、照合が成功したか否かを判断する。
照合不成功の場合(一致する印刷ジョブが存在しない場合)には、ステップS152に進んで、照合不成功を示すメッセージを、要求元のネットワークプリンタに送信する。
また、照合成功の場合(一致する印刷ジョブが存在した場合)には、ステップS149に進み、照合成功したる印刷ジョブを第2データ領域2612から第1データ領域2611内の、指紋照合要求メッセージの送信元ネットワークプリンタ用のキュー領域に移動し、並び替え処理を行う。並び替え処理の条件は第2の実施形態での条件A,Bもしくは条件C、Bとするが、これ以外の条件でも良い。なお、第1データ領域2611に移動した際には、ページインデックスを“1”にすると共に、指紋照合フラグを“1”にする。
そして、ステップS150において、指紋照合要求メッセージの送信元のネットワークプリンタに照合が成功した旨のメッセージを送信し、ステップS151において印刷ジョブ発行元のクライアント端末にも、印刷が行われることを示すメッセージを送信する。
次に、スプーラ装置2021におけるキュー管理処理を図27のフローチャートに従って説明する。図28では、キュー領域2401乃至2403の3つが存在するが、以下の説明は、ネットワークプリンタ2005用のキュー領域2401に対する処理である。他のキュー領域の管理処理も同様である。
先ず、ステップS161において、キュー領域2401内に印刷ジョブが存在するか否かを判断し、印刷ジョブがキュー領域2401に格納されるのを待つ。
キュー領域2401に印刷ジョブが存在すると判定した場合には、ステップS162に進み、その先頭の印刷ジョブを選択する。そして、ステップS163にて、選択した印刷ジョブからページインデックスで示される1ページ分のデータを抽出し、ステップS163でネットワークプリンタ2005に送信する。この送信が終わると、ステップS164において、全ページの印刷データの送信が完了したか否かを判断する。否の場合には、ステップS165にてページインデックスを“1”だけ増加し、次のページを印刷させるべくステップS163に戻る。
また、全ページ印刷したと判断した場合には、ステップS166に進み、選択した印刷ジョブをキュー領域2401から削除する。そして、ステップS167で、印刷ジョブ発行元のクライアント端末に向けて印刷処理が完了した旨のメッセージ情報を送信し、ステップS161に戻る。
なお、上記第3の実施形態では、スプーラ装置2021が、1つの印刷ジョブの全ページ分の印刷データをネットワークプリンタに送信した後に、印刷完了メッセージを送信した。本第3の実施形態でのネットワークプリンタはスプーラを内蔵していない。従って、最終ページの印刷データの送信完了したとしても、その最終ページが印刷され出力されるまでには或る程度の時間がかかるので、最終ページの送信完了が印刷完了を意味するものではない。しかしながら、この時間は数秒程度であるので、許容範囲と言えるものであろう。本当に印刷完了をクライアントに通知することが必要な場合には、ネットワークプリンタから最終ページの印刷が完了したことの通知をスプーラ装置2021が受信したときに、その印刷ジョブの発行したクライアントに通知すれば良い。
以上説明したように本第3の実施形態によれば、クライアント端末の利用者が高セキュリティ印刷モードの印刷指示を行った場合には、適当なネットワークプリンタで指紋入力を行うという行為を行うだけで、そのネットワークプリンタから自身が指示した印刷物を優先して得ることが可能となり、第3者による盗難や取り間違え、或いは、盗み見からを防止できるようになる。また、ネットワークプリンタが何台も存在する場合には、印刷中でないネットワークプリンタにて指紋を入力するだけで、直ちに、自身が印刷指示した印刷物を手に入れることも可能となるし、ネットワーク規模が大きい場合、そのネットワークに接続されているプリンタであれば、どのプリンタからでも印刷物を手にすることも可能となる。
なお、第2の実施形態でも説明したが、本第3の実施形態においても、クライアント装置が有するファイル装置に指紋特徴情報をログインユーザ名と関連付けて登録記憶しておき、利用者がそのクライアント端末にログインした場合には、該当する指紋特徴情報を用いることで高セキュリティ印刷モードで指紋入力の作業を省略するようにしても良い。
また、本第3の実施形態でも、生体情報として指紋を例にしたが、音声入力による声紋、虹彩等も利用者を特定し得る情報として利用できるので、上記の実施形態で限定されるものではない。
以上、第1乃至第3の実施形態を説明したが、実施形態で説明したクライアント装置やスプーラ装置は、パーソナルコンピュータ等の汎用の情報処理装置上で実行されるアプリケーションプログラムで実現できる。従って、本発明はこのようなコンピュータプログラムをその範疇とするのは明らかである。また、通常、コンピュータプログラムは、CD−ROM等のコンピュータ可読記憶媒体を、コンピュータにセットし、システムにコピーもしくはインストールすることで実行可能になるわけであるから、本発明はこのようなコンピュータ可読記憶媒体をもその範疇とすることも明らかである。
第1の実施形態におけるネットワークプリントシステムの構成図である。 第1の実施形態におけるクライアント端末のブロック構成図である。 第1の実施形態におけるネットワークプリンタのブロック構成図である。 第1の実施形態における入退室管理装置のブロック構成図である。 第1の実施形態におけるロック装置のブロック構成図である。 第1の実施形態のプリンタ装置内に設置されたスプーラの処理の流れを説明するための図である。 第1の実施形態におけるロック装置のドア解錠/施錠にかかる処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態におけるクライアント端末での印刷ジョブの発行処理内容を示すフローチャートである。 第1の実施形態におけるネットワークプリンタの処理内容を示すフローチャートである。 第1の実施形態における入退室管理装置の処理内容を示すフローチャートである。 第1の実施形態における入退室管理装置が保持するテーブルを示す図である。 第1の実施形態の変形例のネットワークプリントシステムの構成図である。 第2の実施形態におけるネットワークプリントシステムの構成図である。 第2の実施形態におけるクライアント端末のブロック構成図である。 第2の実施形態におけるネットワークプリンタのブロック構成図である。 第2の実施形態におけるクライアント端末の印刷ジョブの発行処理内容を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるネットワークプリンタの処理内容を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるネットワークプリンタのスプーラの処理の流れを説明するための図である。 第2の実施形態における印刷ジョブのキューの推移の一例を示す図である。 第3の実施形態の変形例のネットワークプリントシステムの構成図である。 第3の実施形態におけるクライアント端末のブロック構成図である。 第3の実施形態におけるネットワークプリンタのブロック構成図である。 第3の実施形態におけるスプーラ装置のブロック構成図である。 第3の実施形態におけるクライアント端末の印刷ジョブの発行処理内容を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるネットワークプリンタの処理内容を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるスプーラ装置の印刷ジョブのスプール処理内容を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるスプーラ装置のキュー管理処理内容を示すフローチャートである。 第3の実施形態における印刷ジョブのスプールの処理の流れを説明するための図である。

Claims (14)

  1. ネットワークに接続された印刷装置、該印刷装置に印刷データを送信するクライアント端末を有するネットワークプリントシステムであって、
    クライアント端末にて印刷データの発行指示した利用者の位置情報を記憶管理する位置記憶手段と、
    該位置記憶手段を参照して、印刷データの発行指示した利用者の位置情報が、印刷データを受信して印刷する印刷装置の設置位置から所定の範囲内にあるか否かを判定する位置判定手段と、
    該位置判定手段で、前記所定の範囲内に前記利用者の位置情報があると判定した場合にかぎって前記印刷装置による印刷を許可する印刷制御手段と
    を備えることを特徴とするネットワークプリントシステム。
  2. 前記位置記憶手段は、各部屋の入室或いは退室する際に利用者固有の情報を入力することで、利用者の位置を部屋単位に記憶管理することを特徴とする請求項1に記載のネットワークプリントシステム。
  3. 前記位置記憶手段は、利用者が携帯可能な無線携帯端末と通信するための複数の基地局からの無線通信強度に基づいて、利用者の位置情報を記憶管理することを特徴とする請求項1に記載のネットワークプリントシステム。
  4. ネットワークに接続された印刷装置、該印刷装置に印刷データを送信するクライアント端末を有するネットワークプリントシステムの制御方法であって、
    クライアント端末にて印刷データの発行指示した利用者の位置情報を記憶管理する位置記憶工程と、
    該位置記憶工程で記憶管理されている位置情報を参照して、印刷データの発行指示した利用者の位置情報が、印刷データを受信して印刷する印刷装置の設置位置から所定の範囲内にあるか否かを判定する位置判定工程と、
    該位置判定工程で、前記所定の範囲内に前記利用者の位置情報があると判定した場合にかぎって前記印刷装置による印刷を許可する印刷制御工程と
    を備えることを特徴とするネットワークプリントシステムの制御方法。
  5. ネットワークに接続された印刷装置、該印刷装置に印刷データを送信するクライアント端末と、クライアント端末の利用者の位置情報並びに前記印刷装置の位置情報を記憶管理する位置記憶装置とを有するネットワークプリントシステムであって、
    前記クライアント端末は、
    印刷指示を行った利用者を特定する利用者識別情報と印刷データで構成さ
    れる印刷ジョブを前記印刷装置に送信する印刷ジョブ発行手段を備え、
    前記印刷装置は、
    印刷ジョブを受信する受信手段と、
    該受信手段で受信した印刷ジョブのうち、印刷処理が未完了の状態の印刷
    ジョブを記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された印刷ジョブの1つを選択する選択手段と、
    該選択手段で選択された印刷ジョブに含まれる利用者識別情報を含む印刷
    可否判定要求情報を前記位置記憶装置に送信する送信手段と、
    該送信手段による送信結果、前記位置記憶装置からの回答情報に基づいて、
    選択された印刷ジョブの印刷処理を行う/行わないを決定する決定手段とを
    備え、
    前記位置記憶装置は、
    利用者の位置情報を記憶する第1の位置情報記憶手段と、
    前記印刷装置が設置されている位置情報を帰記憶する第2の位置情報記憶
    手段と、
    前記送信手段による印刷可否判定要求情報を受信した場合、当該要求情報
    中に含まれる利用者識別情報を用いて前記第1の位置情報記憶手段から利用
    者位置情報を検索し、要求元の印刷装置の位置情報を前記第2の位置情報記
    憶手段により検索する検索手段と、
    検索して得られた印刷装置の位置と利用者の位置情報に基づいて、両者が
    一致するか否かを判定し、判定結果を前記印刷可否判定要求情報に対する回
    答情報として、要求元の印刷装置に送信する手段とを備える
    ことを特徴とするネットワークプリントシステム。
  6. ネットワークに接続されたクライアント端末からの印刷ジョブを受信し、印刷を行う印刷装置であって、
    印刷ジョブを受信する受信手段と、
    受信した印刷ジョブを順に記憶し、印刷待ち行列に設定するスプール手段と、
    前記スプール手段で記憶された印刷ジョブを順に印刷処理する印刷処理手段と、
    利用者識別情報を入力するための操作手段と、
    該操作手段により利用者を特定する利用者識別情報の入力操作が行われた場合、前記スプール手段に格納されている印刷ジョブ内に、入力された利用者識別情報に合致する印刷ジョブがあるか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段で合致する印刷ジョブが存在すると判定された場合、当該印刷ジョブの前記スプール手段内の印刷待ち行列の順位を高位の位置に移動する並び替え手段と
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  7. 前記操作手段は、指紋入力手段であることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
  8. 利用者の特定する利用者識別情報を入力するための操作手段と、ネットワーク接続手段とを備え、ネットワークに接続されたクライアント端末からの印刷ジョブを受信し、印刷を行う印刷装置の制御方法であって、
    印刷ジョブを受信する受信工程と、
    受信した印刷ジョブを順に記憶し、印刷待ち行列に設定するスプール工程と、
    前記スプール工程で記憶された印刷ジョブを順に印刷処理する印刷処理工程と、
    前記操作手段により利用者を特定する利用者識別情報の入力操作が行われた場合、前記スプール工程に格納されている印刷ジョブ内に、入力された利用者識別情報に合致する印刷ジョブがあるか否かを判定する判定工程と、
    該判定工程で合致する印刷ジョブが存在すると判定された場合、当該印刷ジョブの前記スプール手段内の印刷待ち行列の順位を高位の位置に移動する並び替え工程と
    を備えることを特徴とする印刷装置の制御方法。
  9. ネットワーク接続手段を有し、該ネットワーク接続手段を介してネットワーク上のクライアント端末から受信した印刷ジョブを前記ネットワーク接続手段を介してネットワーク上の印刷装置に送信する印刷ジョブ管理装置であって、
    ネットワーク上の印刷装置毎の印刷ジョブの待ち行列記憶領域を有するスプール手段と、
    クライアント端末から、印刷指示した利用者を特定する利用者識別情報と印刷データを含む印刷ジョブをクライアント端末から受信したのか、印刷装置から、当該印刷装置が有する操作部より入力された利用者識別情報を含む照合要求情報を受信したのかを判別手段と、
    該判別手段で印刷ジョブを受信したと判別した場合には、受信した印刷ジョブを記憶する記憶手段と、
    前記判別手段で照合要求情報を受信したと判別した場合には、受信した照合要求情報に含まれる利用者識別情報に一致する、利用者識別情報を含む印刷ジョブを、前記記憶手段内から検索する検索手段と、
    該検索手段で一致する印刷ジョブが検索された場合、前記スプール手段内の、前記照合要求情報の要求元の印刷装置用の待ち行列に、登録する登録手段と、
    各印刷装置用の印刷待ち行列に登録された印刷ジョブに基づく印刷データを、それぞれの印刷装置に送信する送信手段と
    を備えることを特徴とする印刷ジョブ管理装置。
  10. 更に、利用者識別情報を含まず、印刷装置を特定する印刷装置識別情報と印刷データで構成される印刷ジョブを受信したか否かを判別する第2の判別手段を備え、
    該第2の判別手段で、印刷装置を特定する印刷装置識別情報と印刷データで構成される印刷ジョブを受信したと判別した場合、当該印刷装置識別情報で特定される印刷装置の印刷ジョブの待ち行列記憶領域に、受信した印刷ジョブを登録する第2の登録手段と
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の印刷ジョブ管理装置。
  11. 前記登録手段によるジョブの登録位置は、第2の登録手段による印刷ジョブの登録位置より高位の位置に登録されることを特徴とする請求項10に記載の印刷ジョブ管理装置。
  12. ネットワーク接続手段を有し、該ネットワーク接続手段を介してネットワーク上のクライアント端末から受信した印刷ジョブを前記ネットワーク接続手段を介してネットワーク上の印刷装置に送信する印刷ジョブ管理装置の制御方法であって、
    クライアント端末から、印刷指示した利用者を特定する利用者識別情報と印刷データを含む印刷ジョブをクライアント端末から受信したのか、印刷装置から、当該印刷装置が有する操作部より入力された利用者識別情報を含む照合要求情報を受信したのかを判別工程と、
    該判別手工程で印刷ジョブを受信したと判別した場合には、受信した印刷ジョブを所定の記憶手段に格納する格納工程と、
    前記判別工程で照合要求情報を受信したと判別した場合には、受信した照合要求情報に含まれる利用者識別情報に一致する、利用者識別情報を含む印刷ジョブを、前記記憶手段内から検索する検索工程と、
    該検索工程で一致する印刷ジョブが検索された場合、当該印刷ジョブを、予め用意されたネットワーク上の印刷装置毎の印刷ジョブの待ち行列記憶領域中の、前記照合要求情報の要求元の印刷装置用の待ち行列に、登録する登録工程と、
    各印刷装置用の印刷待ち行列に登録された印刷ジョブに基づく印刷データを、それぞれの印刷装置に送信する送信工程と
    を備えることを特徴とする印刷ジョブ管理装置の制御方法。
  13. ネットワーク接続手段を有し、該ネットワーク接続手段を介してネットワーク上のクライアント端末から受信した印刷ジョブを前記ネットワーク接続手段を介してネットワーク上の印刷装置に送信する印刷ジョブ管理装置として機能するコンピュータプログラムであって、
    クライアント端末から、印刷指示した利用者を特定する利用者識別情報と印刷データを含む印刷ジョブをクライアント端末から受信したのか、印刷装置から、当該印刷装置が有する操作部より入力された利用者識別情報を含む照合要求情報を受信したのかを判別手段と、
    該判別手手段により印刷ジョブを受信したと判別した場合には、受信した印刷ジョブを所定の記憶手段に格納する格納手段と、
    前記判別手段で照合要求情報を受信したと判別した場合には、受信した照合要求情報に含まれる利用者識別情報に一致する、利用者識別情報を含む印刷ジョブを、前記記憶手段内から検索する検索手段と、
    該検索手段で一致する印刷ジョブが検索された場合、当該印刷ジョブを、予め用意されたネットワーク上の印刷装置毎の印刷ジョブの待ち行列記憶領域中の、前記照合要求情報の要求元の印刷装置用の待ち行列に、登録する登録手段と、
    各印刷装置用の印刷待ち行列に登録された印刷ジョブに基づく印刷データを、それぞれの印刷装置に送信する送信手段
    として機能することを特徴とするコンピュータプログラム。
  14. 請求項13に記載のコンピュータプログラムを格納することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
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