JP2005342751A - 中子とその成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 多孔質で溶湯の溶融温度よりも融点が高い塗型材を塗布した中子成形型に、溶湯の溶融温度よりも融点が低い溶融塩を含む充填材を充填したうえで冷却し、溶融塩を凝固させることで充填材を成形して所定形状の中子を成形する。離型してできた中子は、表面の塗型材層に溶融塩が浸透しているので型形状が正確に転写され寸法精度が高いものとなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、中空製品を製造するために製品製造型にセットして用いる中子と、その成形方法に関する。
特許文献2には、崩壊性粒子からなる中子本体の外面にシリコーン樹脂からなる断熱性保護層をコーティングした中子が示されている。この中子は、耐熱性に優れ、溶湯凝固後には中子本体が崩壊しやすく、断熱性保護層を鋳造品から抜取りやすい。
特許文献3には、樹脂製中空部材の内側に消失部材を充填した中子が示されている。この中子は、消失部材が溶湯の熱で消失する前は高い保形能力を備えており、消失部材が溶湯の熱で消失してしまうと、鋳造品から中子が除去しやすくなる。
特許文献3の技術では、内側に消失部材を充填した樹脂製中子を成形するために、樹脂性中子を複数個に分割して成形し、その後に溶着して一体化し、その後に消失部材を充填するという複雑な成形プロセスが必要とされる。
なおここでいう溶湯は、金属溶湯に限られず、溶融樹脂をも含む。金属溶湯を利用する場合には鋳造用中子となり、溶融樹脂を利用する場合には射出成形用の中子となる。
塩を含んでいると、溶湯の凝固後、高温水や高圧スチームを利用して塩を流し出すことができ、製品から中子を除去しやすい。
この中子は、簡単なプロセスで成形することができる。中子表面は、高融点材料を主体に構成されており、注湯時には溶湯の熱と圧力に抗して高い保形能力を維持することができる。中子内側は、低融点材料を主体に構成されており、溶湯凝固後には崩壊しやすく、製品から取り出しやすい。中子表面は、形状精度が高い。注湯時の保形能力が高いことと相俟って、製品の形成される中空形状の形状精度が高くなる。
この中子成形型に充填する充填材は、ダイカスト金型に充填する溶湯の凝固温度よりも融点が低い低融点材料、例えば塩を含む。例えば、約400℃で溶融する塩と人工砂とアルミナを、重量比が50:45:5程度の割合で混合したものが好適である。この他の低融点材料の例としては、塩と砂、塩とセラミック粒子、塩と砂とセラミック粒子、ポリプロピレンやポリカーボネイト等の低融点樹脂と砂、低融点樹脂とセラミック粒子、低融点樹脂と砂とセラミック粒子、等の組合せを挙げることができる。
上記のようにして成形された中子4は、多孔質な塗型材層2に被われているので断熱効果が高く、高融点材料を主体としているために耐熱性が高く、比較的低融点の溶融塩を内含していても従来より高い耐熱温度と保形能力を備えている。したがって、この中子4を用いることで、中空形状の寸法精度の高い鋳造品を得ることが可能になる。なお、鋳造後は、鋳造品を加熱して溶融塩を溶融させることで、容易に中子を崩壊させて除去することができる。
後工程として、同図(ハ)に示すように、水槽9の高温水(約60℃)中に鋳造品8を漬け、ブラシ等の掃除具10を用いて洗浄することで中子4の残滓4aを簡単に除去することができた。
例えば、上述の例ではダイカスト法でアルミニウム合金を圧力鋳造したのであるが、その他の鋳造法に広く適用可能である。また、溶湯の材質は軽合金に限らず金属でも良い。さらには、樹脂を射出成形する場合にも適用することが可能である。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2・・塗型材層
3・・充填材
4・・中子
Claims (4)
- 製品製造型に溶湯を充填して中空製品を製造するために用いる中子の成形方法であり、
中子成形型のキャビティ面に前記溶湯温度より高融点の多孔質材料を塗布する工程と、
塗布工程後の中子成形型に、前記溶湯の凝固温度よりも低融点であって溶融状態で前記多孔質材料に浸透する材料を、溶融状態で充填する工程を備えている中子成形方法。 - 前記低融点材料が、塩を含むことを特徴とする請求項1の中子成形方法。
- 前記高融点材料が、塗型剤を含むことを特徴とする請求項1又は2の中子成形方法。
- 製品製造型にセットし、製品製造型に溶湯を充填して中空製品を製造するために用いる中子であり、
前記溶湯温度より高融点の多孔質材料で形成された表面層と、
前記溶湯の凝固温度よりも低融点材料で形成されており、前記表面層の内側を充填している充填部を備え、
前記表面層に前記低融点材料が浸透していることを特徴とする中子。
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