JP2005342692A - スケール防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水処理工程におけるスケール障害に対し、従来のものよりも更に効果の高いスケール防止剤を提供する。
【解決手段】
カチオン性化合物とアニオン性重合体の混合物を構成成分とするスケール防止剤、カチオン性化合物を主鎖とし、アニオン性重合体を側鎖とするグラフト重合物を構成成分とするスケール防止剤、カチオン性化合物とアニオン性重合体のブロック重合物を構成成分とするスケール防止剤は従来のものと比較して特に良好なスケール防止効果を示す。


Description


本発明は、水処理工程に関するスケール障害を抑制、防止するためのスケール防止剤に関する。
従来工場などにある循環水系に発生するスケールは生産設備に付着して生産性を阻害するだけでなく、紙パルプ分野などの製品原料が水系の場合には、スケールが製品に混入し製品の品質低下の原因となり、その対策は各工場において重要な課題となっている。スケールの発生原因としては用水や原料から持ち込まれるカルシウム、バリウム等の金属イオンが、シュウ酸や硫酸などの有機酸や硫酸イオン等と結合し、非水溶性の塩が形成することによるものである。更に近年では環境への配慮に伴う系内の水のクローズド化により用水系内は、これらの原因となる物質の混入量が増加し蓄積する傾向にあり、その問題の発生は増加する傾向にある。前記問題を抑制、防止するために、アニオン界面活性剤やアニオン系ポリマー、キレート剤等により分散させる方法等が提案され主流となっている。また、近年では特許文献1に記載されているようにシリカ系スケールの防止剤として第4級アンモニウム化合物が紹介されており、また特許文献2、同3に記載されているようにアニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーの混合物がスケール防止剤として紹介されている。
特許公開昭57−110398 特許公開平5−293492 特許公報平8−4800
本発明の目的は、水処理工程におけるスケール障害に対し、従来のものよりも更に効果の高いスケール防止剤を提供することにある。
本発明者らは課題を解決するため鋭意研究を行った結果、アンモニア、アルキルアミン類、またはそれらから誘導されるカチオン性化合物およびアニオン性重合体を混合又はグラフト重合又はブロック重合させたものを構成成分とするスケール防止剤が特にスケール防止効果が高いことを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、カチオン性化合物およびアニオン性重合体を構成成分とするスケール防止剤であり、カチオン性化合物を主鎖とし、アニオン性重合体を側鎖とするグラフト重合物を構成成分とするスケール防止剤であり、またカチオン性化合物とアニオン性重合体のブロック重合物を構成成分とするスケール防止剤でもある。
本発明の好ましい態様として、カチオン性化合物が、アンモニア、アルキルアミン類およびこれらの誘導体から選ばれる1種または2種以上(以降、(a)とする)である上記のスケール防止剤、カチオン性化合物が、(a)と、エピハロヒドリンまたは/およびその誘導体を反応させて得られる反応物である上記のスケール防止剤、カチオン性化合物が、(a)のアミノ基1当量に対し、エピクロロヒドリンまたは/およびその誘導体を0.2〜1当量反応させて得られる反応物である上記のスケール防止剤、アニオン性重合体が、(b)アニオン性モノマー、(c)非イオン性モノマー、(d)カチオン性モノマーより選ばれた重合性モノマーを反応させて得られた重合物である上記のスケール防止剤がある。
さらに本発明の別の態様として、カチオン性化合物およびアニオン性重合体を使用することを特徴とするスケールの防止方法がある。
以下、本発明の詳細を記述する。
従来のスケール防止剤に比べ、本発明品はより効果の高いスケール防止剤であり、これを使用することにより水処理系の配管などへのスケールを著しく抑制することが可能になる。
本発明に関わる(a)アンモニア、アルキルアミン類およびこれらの誘導体としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなどの1級モノアミン類や、ジメチルアミン、ジエチルアミン等の2級モノアミン類、トリメチルアミンなどの第3級モノアミン類、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルへキシレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリヒドロキシプロピルへキシレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジヒドロキシエチルプロピレンジアミン等のようなアルキレンジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミンの様なポリアルキレンポリアミン類、さらにアンモニアやこれらアルキルアミン類のエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類の付加物が挙げられる。これらの(a)アルキルアミン類等は、1種類のみを使用することができ、2種以上組み合わせて用いることもできる。
また(a)の塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸との塩類、またはメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸などの4級化剤との反応によって得られる第4級アンモニウム塩を使用することも可能である。
さらに(a)と、エピクロロヒドリンやエピブロモヒドリンなどのエピハロヒドリン、あるいは1,3−ジクロル(又はジブロモ)−2−プロパノール等のエピハロヒドリンの誘導体を反応させ使用することも可能である。さらに使用するアルキルアミン類の何れのアミノ基も3級アミノ基の場合は、エピハロヒドリンとともに塩酸又はシュウ酸などの鉱酸を使用することも反応を速やかに進める点で好ましい。
(a)とエピハロヒドリンとの反応は、使用する(a)のアミノ基の合計1当量に対し、エピハロヒドリンを0.2〜1当量使用することが好ましく、さらに好ましくは0.25〜0.6当量にて反応させる。1当量を超えると重合が著しく進み、ゲル化し易くなり製品安定状好ましくなく、さらには残存エピハロヒドリンが多くなり環境に悪影響を及ぼす可能性があるため好ましくない。
また、この反応は(a)から選ばれる1種とエピハロヒドリンと反応させることも、(a)のうち2種以上を混合し同時にエピハロヒドリンと反応させることも、また段階的に反応させることも可能である。本反応は、無溶媒で反応させることも水又は低級アルコール溶媒を用いて反応を行うことも可能である。反応温度は30〜100℃で反応させる。また、本発明においては(a)とエピハロヒドリンを反応させた反応物に対してメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸などの4級化剤を反応させたものを用いることも可能である。
本発明によるカチオン性化合物は前記化合物を用いることができるが、これらのうちカチオン化密度が高い化合物ほど良好な効果が得られる。エピハロヒドリンと反応させるアルキルアミン類のうち上記観点から特に好ましいものは、ジメチルアミン、ジエチレントリアミン、ジエチル(メチル)アミノプロピルアミン等が挙げられる。
次に本発明におけるアニオン性重合体については、(b)アニオン性モノマーを必須成分とし、必要に応じて(c)非イオン性モノマー及び/又は(d)カチオン性モノマーより選ばれたモノマーを反応させて得られた重合物を用いる。
ここで(b)アニオン性モノマーとはアニオン性の重合性を有する化合物であり、例えばアニオン性ビニルモノマー、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類やマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸等のジカルボン酸類、アクリル酸メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の有機スルホン酸類、又はこれらのナトリウム及びカリウム等の金属イオン塩等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、(c)非イオン性モノマーとは非イオン性の重合性を有する化合物であり、例えば非イオン性ビニルモノマー、具体的にはアクリルアミド、メタクリルアミドや前記(b)アニオン性モノマーのアルキルエステル(アルキル基1〜8)、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、(d)カチオン性モノマーとはカチオン性の重合性を有する化合物であり、例えばカチオン性ビニルモノマー、具体的にはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリルオキシエトルトリメチルアンモニウム等のアリルアミン類、ジメチルジアリルアンモニウム等のジアリルアミン類、トリアリルアミン類等の第3級アミノ基を有するモノマー又はそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸との塩類、または該第3級アミノ基含有モノマーとメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロロヒドリンなどの4級化剤との反応によって得られる第4級アンモニウム塩を含有するモノマーなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
得られるアニオン性を有する重合体は、アニオン電荷量が多いほど本発明におけるスケール防止効果が高くなるため、(c)、(d)の構成する量はより少ないほど効果が高くなる。また、(c)、(d)を組み込む場合には、特に(d)の組み込み量は得られるアニオン性を有する重合体のアニオン量をカチオン量が超えないよう、即ちアニオン1当量に対しカチオン当量が1以下である範囲内にて(d)を組み込むことが好ましい。
アニオン性重合体を得るための重合反応は従来公知の各種方法により行うことが出来る。反応開始剤は過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類やこれら過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせた形のレドックス開始剤等、またアゾ系開始剤等ラジカル重合開始剤、さらに硝酸セリウム(IV)アンモニウム塩や鉄(II)イオン/過酸化水素等の金属系触媒を用いることによっても目的とするアニオン性化合物が得られる。重合体の分子量制御のため重合反応に際しイソプロパノール、チオ硫酸ナトリウムなどの連鎖移動剤を使用することも可能である。さらに非水溶性モノマーを使用する場合は乳化剤など添加し重合を行うことも可能である。また、複数のモノマーにて反応を行う場合はそれぞれのモノマーをブロック重合しても、ランダム重合させることも可能である。反応温度は使用する開始剤により適宜設定することが好ましく、特に10℃〜100℃の範囲内で重合を行う。
また、用いるカチオン性化合物が(a)とエピハロヒドリン又は/及びその誘導体との反応物である場合、(b)および必要に応じ(c)、(d)を用いたグラフト重合やブロック重合などによる重合物も良好な効果を示す。この場合、カチオン性化合物と共に(b)および必要に応じ(c)、(d)を添加し、前述の公知の重合方法により重合物を得ることが出来る。本発明によるグラフト重合物を得るには、硝酸セリウム(IV)アンモニウム塩や鉄(II)イオン/過酸化水素等の金属系触媒を用いる方法がグラフト率の高いグラフト重合物が得られ、また、ブロック重合物を得るには(a)とエピハロヒドリンとの反応物に(d)を反応させて架橋性反応物を調整し、(b)および必要に応じ(c)、(d)を重合させる方法が挙げられる。
次に、カチオン性化合物及びアニオン性重合体の混合比、グラフト重合又はブロック重合させる比は、任意の割合により用いることが出来るが、概ね電荷量比で(カチオン電荷量):(アニオン電荷量)=2:8〜8:2の割合となるように調整したものは、良好なスケール防止性能を示し、さらに1:9〜9:1のものはほとんどすべてのスケール処理のニーズに応えることができる。これは、本発明のスケール防止剤の防止機構が以下に説明され、使用する処理水のスケール性アニオン量およびカチオン量に応じて調整することでより良好な効果が得られると考えられるためである。また、本発明の実施態様には、カチオン性化合物およびアニオン性重合体を別に準備し、水処理の際に併せて使用するスケールの防止方法も含まれる。
本発明によるスケール防止剤の防止機構は以下のものによると考えられる。発生するスケールは、スケール性の金属イオンMとスケール性の酸Aとが不溶性の塩を形成することによる。不溶性の塩形成における化学平衡式は式1のとおりである。
Figure 2005342692
ここでスケールの析出量は[MA]である。ここで平衡定数Kが一定の場合、M、またはAの濃度が高くなるほどスケールの析出量は多くなる。
また、スケール性Mは、式2の如く、もとの非スケール性の対イオンA と平衡関係にある。
Figure 2005342692
も同様に非スケール性の対イオンCと式3の如く平衡関係にある。
Figure 2005342692
ここで、本発明におけるスケール防止剤のアニオン性重合物S 及びカチオン性化合物S の添加は各式において式2は式4の如く、式3は式5の如く表すことが出来る。
Figure 2005342692
Figure 2005342692
つまり、添加したS 、S の量だけスケール性のM、Aの生成量を抑制することが出来る。また、MSとSAはスケール塩化に関与ない塩として、それぞれ[MA]、[CA]と見なせる。
ここで、式4および式5を式1に導入するとスケール析出量[MA]は式6の様に表すことが出来る。
Figure 2005342692
式6より、本発明におけるスケール防止剤の添加によるスケールの析出量は、[S ]および[S ]に依存することになり、スケール防止剤無添加時の析出量に比べ1/([S ][S ])の積まで減少させることができる。また、式6によれば、アニオン性スケール剤やカチオン性スケール剤を単独で使用するよりも、アニオン性及びカチオン性の両イオンを用いれば、それぞれの添加量の乗数分スケール析出を防止することが可能になり、効果が良好になることがわかる。また、この平衡式は系内のイオン濃度に依存するため、スケール防止剤としてはカチオン性化合物およびアニオン性を有する重合体の混合物でも、またそれらの共重合物であってもスケール防止効果には影響を受けない。さらに系内のスケール性アニオン量およびカチオン量に応じ、最適な混合比及び/又は共重合比を選択することで効果が良好になる。
以上より本発明によるスケール防止剤は従来のスケール防止剤よりも良好な効果が得られる。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また以下において重量平均分子量の測定はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用い下記条件により測定を行った。
測定器:島津製作所(株)製LC-10
カラム:(株)東ソーGPWXL
測定温度:40℃
検出器:示差屈折計
製造例1
温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた5つ口フラスコにN,N−ジメチル−N’,N’−ジヒドロキシエチルプロピレンジアミン91g(0.5mol)に水700g添加した。その後40℃に加熱し、塩化メチル110g(1.0mol)を2時間掛けて封入し、2時間熟成を行い反応物を得た。得られた反応物の固形分は30%であった。
製造例2
製造例1と同様の反応装置にN,N−ジメチル−N’,N’−ジヒドロキシエチルプロピレンジアミン40.6g(0.2mol)とテトラエチレンペンタアミン40.3g(0.2mol)水を80.9g仕込む。次にエピクロロヒドリンを63.1g(0.7mol)2時間掛けて40℃以下で滴下し、その後70〜80℃にて8時間反応を行った。その後、水を255g添加し、反応物を得た。得られた反応物は、固形分30%、重量平均分子量3000であった。
製造例3
製造例1と同様の反応装置にアクリル酸144g(2.0mol)と水126gを仕込み80℃に加熱した。充分窒素置換を行った後に1%過硫酸ナトリウム200gとイソプロピルアルコール10gを1時間掛けて滴下した。同温度で2時間反応を行った。得られた反応物は固形分30%、重量平均分子量4000であった。
製造例4
製造例1と同様の反応装置に無水マレイン酸92.3gと水330gを仕込み80℃に加熱した。充分窒素置換を行った後に硫酸アンモニウム鉄(II)を1.0g加え、さらに35%過酸化水素水10gを水50gで希釈したものを1時間掛けて滴下した。その後、同温度で2時間反応を行った。得られた反応物は固形分30%、重量平均分子量約6000であった。
実施例1
製造例1と同様の反応装置にジメチルアミノエチルアミン57.3gと水105.3g加える。その後撹拌を行いながら40℃以下でエピクロロヒドリン48.0gを滴下し、同温度で4時間反応を行った。この反応液に対し、マレイン酸37.7g(0.3mol)および、水178g加えた後、90℃で2時間窒素置換を行った。次に同温度で硫酸アンモニウム鉄(II)0.5gを加え、35%過酸化水素水5.0gを水50gに溶解したものを2時間掛けて滴下を行った。さらに同温度で2時間反応を行い重合物を得た。得られた重合物は、固形分30%、重量平均分子量は約20000であった。
実施例2
製造例1と同様の反応装置を用い、ジエチレントリアミン43g(0.4mol)と水43g加える。80℃でエピクロロヒドリンを50.1g(0.5mol)加え同温度にて4時間反応を行った。これに水263gを加え、同温度にて2時間窒素置換を行った。さらにメタクリルアミド20.9g(0.2mol)と0.1N硝酸セリウム(IV)アンモニウム水溶液15gを別々の滴下ロートで同時に1時間掛けて滴下し、2時間反応を行った。さらにアクリル酸30g(1mol)と0.1N硝酸セリウム(IV)アンモニウム水溶液15gを別々の滴下ロートで同時に1時間掛けて滴下し、2時間反応を行い重合物を得た。得られた重合物は固形分30%、重量平均分子量は約65000であった。
実施例3
製造例と同様の反応装置を用い、ジメチルアミノプロピルアミン32.6g(0.3mol)およびジメチルアミノプロピルメタクリルアミド12.0g(0.1mol)および水172.8gを加える。これに40℃以下でエピクロロヒドリン29.4g(0.3mol)を加え、80℃で2時間反応を行った。これに水92.2gを加え、同温度で2時間窒素置換を行った。さらにメタクリル酸60.9g(0.7mol)と過硫酸カリウム3.0gを水50gで溶解したものを別々の滴下ロートに仕込み、それぞれを同時に1時間かけて滴下した。さらに同温度で2時間反応を行い重合物を得た。得られた重合物は固形分30%、重量平均分子量は80000であった。
実施例4
製造例1および製造例3で得られた反応物をカチオン電荷量とアニオン電荷量が当量になるように混合し、反応物の混合物をえた。
実施例5
製造例2および製造例4で得られた反応物をカチオン電荷量とアニオン電荷量が当量になるように混合し、混合物を得た。
比較例1
製造例1で得られた反応物を用いた。
比較例2
製造例2で得られた反応物を用いた。
比較例3
製造例3で得られた反応物を用いた。
比較例4
製造例4で得られた反応物を用いた。
以上の実施例1〜4および比較例1〜4について以下に記すスケール抑制試験を実施した。
スケール防止性試験方法
1%塩化カルシウム水溶液100mlに対し、各実施例で得られた反応物及び混合物を対液10ppm添加し、さらに10%硫酸アルミニウム水溶液を10g加え1時間撹拌を行った。その後40℃にて48時間放置し、析出した硫酸カルシウムをろ過し、硫酸カルシウムの析出量を測定した。
試験結果は表1に示す。なお、スケール析出量およびスケール防止率(%)は下記の通り表される。
Figure 2005342692
Figure 2005342692
試験結果より、本発明における両イオン性のスケール防止剤はアニオン性またはカチオン性スケール防止剤を単独で使用することよりも効果が高い。

Claims (8)

  1. カチオン性化合物およびアニオン性重合体を構成成分とするスケール防止剤。
  2. カチオン性化合物を主鎖とし、アニオン性重合体を側鎖とするグラフト重合物を構成成分とするスケール防止剤。
  3. カチオン性化合物とアニオン性重合体のブロック重合物を構成成分とするスケール防止剤。
  4. カチオン性化合物が、アンモニア、アルキルアミン類およびこれらの誘導体から選ばれる1種または2種以上(以降、(a)とする)である請求項1〜3のいずれか1項に記載のスケール防止剤。
  5. カチオン性化合物が、(a)と、エピハロヒドリンまたは/およびその誘導体を反応させて得られる反応物である請求項4に記載のスケール防止剤。
  6. カチオン性化合物が、(a)のアミノ基1当量に対し、エピクロロヒドリンまたは/およびその誘導体を0.2〜1当量反応させて得られる反応物である請求項5に記載のスケール防止剤。
  7. アニオン性重合体が、(b)アニオン性モノマー、(c)非イオン性モノマー、(d)カチオン性モノマーより選ばれた1種または2種以上の重合性モノマー(ただし、(b)は必須とする)を反応させて得られた重合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載のスケール防止剤。
  8. カチオン性化合物およびアニオン性重合体を使用することを特徴とするスケールの防止方法。
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